今月の特集題  聖霊なる神のうちに生きる



きせき
森谷エイ子
 木造の頃の教会で「信徒の為の神学べテル聖書研究」を小海牧師が始められた。 
 創世記からヨハネの黙示録までを前後編、4年間で学ぶ厳しいテストと規則の付いたものだった。幼児がいて出産を控えていたが、夫と申し込んだ。一般文学は3Dで立ち上り、風も薫りを放つのに何故聖書は平面で読み難いのか、悩んでいた。
 夜の部に出席すると長老の方々が居並んで居られて萎縮していると、大学教授、CS校長の故長尾弘長老が優しく言われた。「厳しい学びを楽しく成功させるにはライバルが必要です。お互いに頑張りましょう」。 
 弘先生は卒業迄私を挑発し続けてくださりそれが楽しくて一答一点も譲り合わずに終了し、弘先生は当然の事だが私迄も聖研教師の免許証を頂いた。
 確かに学びは厳しくて毎日聖書を数時間読まなくてはテキストに付いていけなかった。睡眠時間の前後を削って学ぶ他なかった。
 或る夜聖書を広げると御一緒に読んで下さる方がおられる気配がして涙が止まらない。この時から聖書は3Dで立ち上り高く広く躍動し始めた。
 感謝してその後初めて働きたいと思った。第二回べテル聖研の婦人の赤ちゃん、お子さんのお守、CSの教師、希望する方への聖研、病に伏された婦人会長さんからの直接のお電話で指名を受けて、出席を考えた事のない婦人会の会長に、会員の方々のお祈りと強力なお支えで長年務めさせて頂き、地区教区の全会合に出席する恵みを頂いた。
 この間人手不足か、近くの大学高校から教師への熱いコールをお受けした。中に立たれた方のお立場も考慮しないで全てお断りして世間を狭くしてしまったが、私のような者をお用いくださる感謝には代えられなかった。
 3月11日の大災害では、自身の不信仰を思い知らされた。礼拝に招かれる幸いが無いなら立って居られない。被災された故郷の信仰者の言葉をCS中高青年科の説教を担当された長老が紹介して下さった。
 「これは絶対神様は東北の人がよっぽど好きで気に入ってっからだど思うよ〜、んだって東北の人間はどごの地方ひとよりも粘り強く生きてぐ姿見せで、世界のみんなんとごさ励ましてやるためだっちゃ、ちゃんとワガってんだよ神様は」。
 CS中高青年科は礼拝後生徒教師が聖句を暗唱する。この潔い揺るぎない信仰に感動し心満ちた御言葉を私は口にした。
「あなたを破壊した者は速やかに来たが
 あなたを建てる者は更に速やかに来る。
 あなたを廃墟とした者はあなたを去る。
 ・・・わたしは生きている、と主は言われる。」(イザヤ書49章17〜18節)
 生きておられる主が天の礼拝と重なる礼拝に招いて下さる。これ以上の奇蹟はない。
(もりや えいこ)


思い出
鈴木 洋史
 私は、昨年の12月に神様の御恵みにより受洗させて頂きました。まだ半年も経っていませんが、キリスト教と最初に出逢ったのは今から30年以上前になります。
 私が入学した中学校は、先日特別伝道礼拝に来られた山北牧師が現在院長をされている青山学院中等部でした。中等部ではキリスト教に関する授業があるだけでなく毎日の礼拝も守られています。授業の一環として全生徒で映画の「十戒」を見に行ったこともありました。 当然クリスチャンの子弟も多くいました。
 好きになった女の子(妻ではありません・・・)も敬虔なクリスチャンでした。毎日の礼拝もクラスで最も熱心に参加していましたし、日曜日には教会(銀座教会)にも通っていました。
 彼女と少しでも親しくなりたい私は、(動機は不純でしたが・・・)一緒に教会に通いたい旨を話し、紹介してもらって共に通うことにしました。
 教会の礼拝は、全てが新鮮であり、その後の分級が毎回楽しかったのを今でも覚えています。この教会に通った中学時代の数年間は、物事の考え方、生き方など私のその後の人生に大きな影響を与えました。当時は、まだ神様の愛、主イエス・キリストの恵みがどのようなものなのか全くわかりませんでしたが、神様はいつでも我々を見守ってくださるという気持ちを強く持ったものでした。また、相手を思いやることの大切さ、感謝の気持ちを忘れないことなども学校や教会での礼拝、キリスト教との出逢いの中から学んだような気がします。
 それから十年以上が過ぎ、同じ青山学院大学出身の愛する妻と出逢い、結婚し、長女が越谷幼稚園に通い始めた時、自然と礼拝に足が向かうようになったのも神様の御恵みであることは当然ですが、中学時代に暖かく迎え入れてくれた教会の人々との出逢いがあったからだと思います。
 どんなきっかけであろうとも、一人でも多くの人が教会に通いはじめ礼拝を守るようになることは、神様の御業にかなうことだと思います。そしてそのきっかけを作る一助となることが、聖霊なる神のうちに生かされて、信仰を持ち続けている私の責務でもあると考えています。
(すずき ひろし)

越谷教会月報みつばさ2011年6月号特集「聖霊なる神のうちに生きる」より


特 集