【名勝近江八景選定の由来】
近江八景は古くから日本の名勝として愛されていますが、その選定の背景には
中国文化の影響があります。時は室町のころ、日本には、中国宋・元の文化が
盛んに移入され、なかでも中国湖南省の瀟水(しょうすい)と湘江(しょうえい)が
交わる洞庭湖付近の「瀟湘八景」(しょうしょうはっけい)は、名だたる名勝として
多くの文人に詩文や絵画に取り上げられた中国の代表的な主題のひとつでした。
日本ではその美しさへの憧れが大変強く、瀟湘八景を手本に日本各地の景勝地から
”八景選び”が盛んに行われました。
近江八景もそのしとつとして生まれ、ひときわ優雅な美しさから、日本風景の典型と
して全国的に普及していったのです。
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