[099]「気分はイチロー、あるいは日記論(その6)」(20020709)*
去る6日のLAN一部不通のアクシデント([097]を参照)は、さすがにその繋がらない端末で雑事(雑念)を書き連ねる気持ちを私に起こさせなかったが、その日がなければ7月は毎日、日記を書いていることになる。――と書く今日の日記が、じつは日付が変わって5時間もしてから、という事情があったりもするのだが(笑)、いずれにしても私は、気分はすっかりイチロー状態なのである。
そう、渡部直己はたしかどこかで、メジャー入り後のイチローの内野安打の多さに閉口し、それがMVPに値しないことを指摘してみせたのであったが――そして同じくメジャー入りを狙う柄谷行人(笑)が渡部を罵ったのであるが――、たしかにイチローにあっては、けっして新庄剛志のように凡打の山の合間に稀に満塁弾を打って人びとを驚かせるようにではなく日々、安打を打つことが期待され、そのくせ/それゆえにこそ、記録的にはさして大事〔おおごと〕ではない「9試合連続」などといった見出しが新聞紙面に踊ったりするのである。そして他方、私じしんはといえば、彼ほどにもその連続性が世間から期待されているのでないにもかかわらず勝手にそのことに美徳を見いだし、こうして空も白んでくる9回ウラ最終打席で、何としても一塁に走らんと画策している。
じっさい、最近クリーンヒットはあっただろうか、と思わないでもない。バットの芯に当たっていたかどうかはさておき、当初は/一時は、日ごと新聞やTVを賑わす社会的・時事的問題に速報性をもって対応することを目論んだりもしたものだが、いまや、ひどいときにはトイレで飼われるザリガニがそれら問題に代わってとりあげられたりする始末である。否、それより何より、こうして(日記を)書くことにまつわって書くことによって今日は、内外野のあいだにふらふらと落ちるポテン・ヒットが稼げたのであった。
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