よろし:ちょびっとオンエアバトルN1期チャンピオン大会、ついに後半戦となりました。
栄冠を掴むのは、いったいどの組なのか!?
さっそく、こちらの組からスタートです!
暗黒天国
古文/売虎満大納言
物の怪:我「我王。」と鳴きにけり。
女 中:あなや!庭園で、見るも恐ろしい風貌の物の怪が暴れ給ひける!これは由々しき事態なり。
助けて下され!売虎満大納言殿!
鶴 野:よし、さすれば売虎満大納言になりて、物の怪を退治するでおじゃる!
(鶴野剛士麻呂、売虎満大納言になりぬ。)
大納言:物の怪よ!私が相手になるでおじゃる!
物の怪:我「我王。」と鳴きにけり。
我、岩を投げんとす。
大納言:おじゃむむぅ・・・ 何と強気力量でおじゃる。
さすれば私も戦術を変え、破腕型(ぱわあたいぷ)に変化するでおじゃる!
(大納言の身、赤くなりけり。)
大納言:これで私と貴様は同等の力量でおじゃる。
我、物の怪を殴らんとす。
(物の怪の腹、大納言の攻撃によりて、穴の空きにけり。
その穴の広き事、この世の空の如し。)
物の怪:あなや!
(物の怪、破裂し、死にけり。)
鶴野:物の怪を退治したでおじゃる!
女中よ、我が寵愛を受けるでおじゃる!
女中:お断りいたす。
鶴野:おじゃぎゃふ〜ん!!
庭園で なきしもののけ 我知れず 次の戦を ただ待ちにけり 鶴野剛士麻呂
1組目 暗黒天国
サンザンヒーローズ
コント/鼻ほじり
B:毛子ちゃん・・・僕と君は結ばれない運命にあるんだ・・・
A:どういうこと、くそおさん!私たちいつも絡み合うように傍にいたじゃない!
B:もうそれも時間の問題さ・・・ほこりを蓄えすぎて、大きくなっちゃったんだ・・・
A:それが何だっていうの!?あなたの大きさは私たちの愛の大きさと一緒じゃない!
B:確かに大きくなればなるほど、僕たちはより多く絡み合うようになった・・・だがそれ故に・・・奴に気付かれてしまったんだ・・・
A:ま、まさか・・・
「あー、鼻詰まってるなー、ほじるかー」
A:・・・!!
B:もう・・・時間(リミット)が来てしまったようだね・・・
A:嫌!そんなの嫌よ!!
B:そんなに悲しまないでおくれ・・・僕がいなくなっても、また第2、第3のきったないはなくそが現れるさ
A:あなたでないと嫌!あなたのような私をすっぽりと、そう何本もかぶさってしまう包容力のあるはなくそでないと嫌なの!!
B:毛子ちゃん・・・そういってくれて・・・僕は本当に幸せだった!
(ほじほじほじほじ)
A:!!もう人差指の魔の手が・・・
B:別れの時だね・・・今までありがとう。君といた数日間、一生の宝ものだよ!
A:永遠に離れ離れなら・・・いっそ!
(がばっ)
B:も、毛子ちゃん!?
ぶちっ
「あー抜けたー・・・うわっこんなにでっかいはなくそ入ってたのか!鼻毛も何本か持ってかれちゃったよ・・・」
A:これで・・・いつまでも一緒だね・・・
2組目 サンザンヒーローズ
シュビビン!
コント/恋という字は舌心
南条:いっけねぇ、野球部の活動が長引いちまった。
せっかく昨日告白してくれて付き合うことになった後輩の生原ちゃんと一緒に帰る約束してたのに。
あ、生原ちゃん。ゴメン、部活長引いて遅れちゃった。怒ってる?
生原:あ、遅いですよ南条先輩!(ペロペロ)
もー、(ペロペロ)私凄い待ったんですからねー?(ペロペロ)プンプン!(ペロンペロン)
南条:あはは、ゴメンゴメン。ゴメン、ちょっと、ちょっとマジでゴメン。ちょっと、ちょ、やめろぉっ!!
……何これ?何でいきなり俺の腕を舐めにかかったの?どんな挨拶だよこれ。
生原:あ、すいません!先輩の汗がとても輝いてて、キレイで、あの、とても美味しそうだったので……ジュルリ……。
南条:……いや、意味わかんないし今凄い勢いでどん引きしてるけどね。
え、何?生原ちゃん、そういう特異な性癖?
生原:いや、そういうわけじゃないです。実はですね、私、妖怪垢舐めの一族なんです。
南条:……うん、謎は深まるばかりだよ。ただワケわかんねえ一方だよ。
生原:キャッ、言っちゃった!
南条:照れるポイントなのかそれは。え、妖怪なの?生原ちゃん妖怪なの?
江戸時代より伝わる、主に風呂場に溜まった垢を舐め喰うとされる妖怪・垢舐めなの?
生原:はい、母方からの遺伝で。
南条:遺伝で妖怪ってどんなDNAだよ。そんな血族まっぴらだよ。
生原:正確には親から垢舐めだと言ってはいないんですけどね。
大体私が六歳くらいの時かな?夜中に寝つけなくて親の寝室を覗いたら、父の体中を舐めている母を見まして。
南条:聞きたくねえよそんなの。なんで付き合って間もない彼女の親のアブノーマルな部分を知らないといけないんだ。
生原:その時の母が恍惚の表情を浮かべてまして。
それ見て私は母は体の垢を舐めて喜ぶ妖怪垢舐めなんだと、その娘である私も垢舐めなのだと解釈しました。
南条:よくトラウマにならなかったな。そんなショッキングな光景をどんだけポジティブに捉えてんだ。
生原:とまぁ、そういうわけです。では!(ペロペロペロペロ)
南条:ではじゃねえよ。だから舐めていいとかねえよ。
生原:(ペロペロペロペロ)ハァハァ、(レロレロ、チュパ)ハァ、(ベロンベロンベロン)フ、フウゥゥゥ………!!
南条:もはやトランス状態じゃねえか。え、何?もしかして生原ちゃん、俺の汗を舐めるために付き合ったの?
生原:な、違います!私はそんな体液目当てじゃありません!
南条:体目当てみたいに言うなよ。液が付くだけでこうも変わるか。
生原:私を舐めるために男と付き合うような、舌の軽い女だと思わないで下さい!
南条:それを言うなれば尻の軽いだろうがよ。別に君がおしゃべりだとは思ってねえよ。
生原:私は舐められれば誰でもいいなんて考えじゃありません!
先輩、あんまり私をナメないで下さい!
南条:お前が舐めんな!!
3組目 シュビビン!
木漏れ日と黄昏のワルツ
コント/締め切りが迫った絵本
あーーーーーっ!!全然思い付かねえええええ!!
何よ「木漏れ日出版」のクソ担当者!「今週は3匹の子豚をグロッキーにお願いします」って!
子供に読みきかせる絵本にそんな要素は要らんわ!PTAが動くわ!
だいたい兄豚2匹はもうオオカミに惨殺されたってのに末っ子の豚まで殺せっていうの!?
***1番上の愚かな兄豚のおさらい***
豚:ワラの家が完成したブー。ただ積み上げただけだけど、自宅警備員だった俺にはこのくらいしかできないブー。
狼:キサマのその腐りきった根性、成敗してくれる!喰らえ一文字劇歯舞!!
ワラの、家が、血に染まりました。
***真ん中の取り柄のない兄豚のおさらい***
豚:ベニヤ板の家が完成したブー。自分探しの旅に熱海・軽井沢・別府で豪遊していたら金がなくなったブー。
狼:キサマのその腐りきった根性、成敗してくれる!喰らえ閃光鋭爪鉄斎!!
木の、黒ずみは、血が渇いたものです。
いやいやいや!なんて残酷!表現が残酷よ!!
ていうか豚が悪者でオオカミがいい人っぽい!ていうか絶対そうでしょコレ!
もう締め切りまで時間が無いってのに・・・もうこうなりゃヤケよ!
***出版作品「3匹の子豚」のラスト部分***
豚:下級労働者を働かせてレンガの家が完成したブー。これがキャリア組との違いだブー。
狼:キサマのその腐りきった根性、成敗してくれる!喰らえ暗黒疾風旋転!!
豚:ブヒーーーーーッ!!しかし私が死んでも憎しみはずっとそのまま・・・だ・・・・・・ブー(ガクッ)
狼:俺がその憎しみを根絶してやるぜ!さあ、次の町へ行くか・・・
*** 完 ***
4組目 木漏れ日と黄昏のワルツ
東京クラッチ
漫才/忍べ、若者
松岡:東京クラッチでござる!よろしくお願いするでござるよ!
いやーしかし最近、政党は希望的観測だけで政治をしようとするから
国民は一体何を信じたらいいかわからないでござるな?
石田:ちょっと待て!変な語尾で難しい問題を語ろうとするな!集中できねえだろ!
ちゃんと説明しろよ、何なのその語尾。
松岡:いやね、最近「忍者」になりたくてさ。カッコいいじゃん?忍者って。
こう、敵の城とかに颯爽と忍び込んで
「さあ、吐け!お前は誰の差し金でこの屋敷に忍び込んだ!?」
「やめろ!放せ!助けてくれ!」みたいな。
石田:捕まってるじゃん!そこは捕まらないところに魅力を感じるとこだろ普通!
そもそもお前、忍者ってどういう存在なのかってわかってんの?
松岡:もちろん。まず風貌は、頭巾をかぶって顔を隠してる感じ。
そんで実はふところに道具とかたくさん隠してて、
999本の武器を持って橋で待ち構える大男だろ?
石田:最初合ってるのに後半から弁慶!多少着衣カブってるけどあいつ忍者じゃねえよ!
仮にお前が過去に戻って忍者になったとしても絶対活躍できねえよ。
松岡:そんなことねえよ。俺が忍者になったら、煙玉投げてその煙で上質のベーコン作るもん。
石田:使い方間違えてるじゃねえかよ!せっかくの煙玉で豚肉を燻製にするな!
もっと忍者らしいシチュエーションあるだろ。
例えば、敵の殿様が隠し持つ巻物を奪い取れ、っていう命令が来たらどうする?
松岡:そんなの簡単だよ。
忍法「敵の殿様が隠し持つ巻物を奪い取るでござるよニンニンの術」。
石田:「ござるよニンニン」じゃねえ!そんな都合のいい忍法があるか!
それ許可したら忍法なんか何でもアリじゃねえかよ!
でも忍術が使えるなら、危険な状態から脱出できたりするよな。
例えば周囲を敵に囲まれたらどうする?
松岡:そういうのはまかせろよ。
例えば「変わり身の術」で瞬時に俺の体は丸太と入れ替わり、
そして俺自身は7泊8日ダイビングもできるサイパンの旅へ!
石田:ビフォーとアフターで展開が違いすぎるだろ!殿様の巻物はどうしたんだよ!
松岡:サイパンの海で見せる俺の「水遁の術」!
石田:ボンベ背負って海中散歩して何が水遁の術だ!
恥ずかしいからサイパンで絶対言うなよそれ!
そうじゃなくて、もっと的確に「敵に囲まれた時の対処」をやれよ。
松岡:じゃあ本当の「水遁の術」を使うよ。周囲を敵に囲まれたら、
「水遁の術」で水の中に身を潜めて竹筒で息を吸う!
石田:それ敵の目の前で使う術じゃねえよ!
水の中にいるってバレてるんだから恰好の標的になるじゃねえか!
もっと効果的な術はできないのかよ!
松岡:じゃあ「土遁の術」やるよ。穴掘って地面に隠れるやつ。
まず煙玉の煙で相手をひるませてる間に穴を彫り、
そのあと「火遁の術」で炎を吐いて相手をひるませてる間に続きの穴を彫り・・・。
石田:煙玉でひるませてる時点で逃げれるじゃん!
「土遁」にこだわって穴を掘る意味がわかんねえよ!
松岡:いや、それはもちろん、こんなこと言って「穴があったら入りたい」だろ。
石田:・・・お前、そんなオチこそ忍べよ・・・。
5組目 東京クラッチ
Syntax Error
漫才/毛頭ないとはハゲしき事かな
場区:奥村、俺はちん毛をアートネイチャーすると決めたぞ。
奥村:おまえ、もう逮捕されろよ。
何が悲しくて「ちん毛を増毛して下さい」なんて頼むんだよ。
場区:世の中があまりに毛髪以外をないがしろにするからだ。
ルイ14世だって「ちんは国家なり」という名言を残しているのに。
奥村:ソレそういう意味じゃねえ!男根にそんな威厳ねえからッ!!
場区:ちん毛に限らん。鼻毛、尻毛、スネ毛、足の親指の毛。
髪の毛フサフサ、その他ツルツルが理想とはなんという差別かッ!!
いじめ社会の根源は恐らくこの「毛ースト制度」だッ!!!
奥村:カースト制度だろ!?大体、『ちん毛が本体』みたいな奴いたら嫌過ぎるだろ。
場区:ポケモンのモンジャラに謝れッ!!!
奥村:あれちん毛だったのッ!!?
場区:それに、鼻毛に至っては我々を外気から守ってくれているというのに!
凶悪なカッターで打ち首だぞ!!?この世は地獄かッ!!?
奥村:天国の方に鼻毛ボウボウの天女とか居たら目も当てられないだろッ!!
場区:そんな美女!最高!!あなたの鼻毛に抱かれたい!!!
奥村:死神に抱かれてくれッ!!
場区:しかも、なぁーにが「前髪が命」だ!前髪切って死ねッ!!
イマドキはカツオヘアーが流行してんだよ!最近の若者はテレビも観ないのか!!?
奥村:それ高校野球だからッ!別にカツオに憧れてあの髪型してる訳じゃねえよッ!!
場区:えっ!?じゃあなんであんな髪型なの!!?拷問ッ!?
奥村:言いすぎだよッ!!
場区:じゃあ、あのカツオヘアーにサングラスで小指の無いお兄さん達も高校球児!!?
奥村:その人達がやってるのはタマの取り合いだろッ!!
場区:そんな・・・俺はあの人たちが同志だとばかり!!
奥村:そんなモンの同志を募ってどうする気なんだ?
場区:俗人がッ!!我々の崇高さは毛への無償の愛なのだ!!
何かをする気など毛頭無いわ!!強いて言えば女性のケツ毛を・・・
奥村:ハゲて死ねッ!!!夜の高校球児がッ!!!
6組目 Syntax Error
ライジングブルー
漫才/闘酔
昇:いきなりだけどさ、お前今日ここ来るまでの車の中でちょっと車酔いしてたじゃん。
青:あー、まあ確かにちょっと緊張してたから若干気分悪くなったけど。
昇:だろ? それで俺確信したんだけど、お前なら車酔いで世界大会行けるんじゃないかなぁって。
青:何の話だよ! 初耳だぞそんな悪趣味な種目!
昇:大丈夫、俺の目は確かだ。
青:目は知らんけど言ってる内容が全然確かじゃねぇよ!!
まず何を競うのかが見当がつかないわ!
昇:まあまず問われるのは芸術性だな。
青:だから根本的に芸術どうこう言える競技じゃねえだろ!
車に酔って芸術も何もあるかよ!
昇:お前、そういうこと言ってられんのも今のうちだぜ。
南米大陸の奴らのプレーを見たら文句も言えなくなるだろうよ!
青:挑発として成立してねーよ!別にそんなこと言われても闘争心かき立てられないからな!
大体南米そんなに強いってのも意味わかんないわ!
昇:いやよく考えろ、ベネズエラチームの「酔った後の車内の気まずさ」にはどうやっても太刀打ちできないんだぞ!?
青:車内の気まずさ競ってどうするんだよ! ベネズエラに何か失礼だろ!
つーかそんなわけわからん大会に俺を誘ってくれるなよ・・・。
昇:いや違うんだよ! 深い理由があるんだって!
実は今年の日本代表候補とされていた本山選手がこの前ドーピングで出場停止になってな・・・。
青:ドーピングあんのかよ! 酔い止めとか飲んだってことか!
昇:まさかあの本山がバファリンを服用していたなんて・・・
青:バファリン頭痛薬じゃねーか! 車酔い関係無ぇよ!
昇:やっぱりこの神聖な戦いに優しさは不要ってことだな・・・。
青:いやバファリンの半分優しさかもしんないけども!
つーかこんなんを神聖とか言ってるのが腹立つわ!
昇:とにかくお前なら優勝できるはずだ! だからトレーニングしてくれ!
青:トレーニングなんてするかよ! 絶対そんなんする気ないからな!
昇:いい加減にしろよ! そうやって強がってる自分にも酔いしれてんだろ!?
・・・酔いしれる? やっぱりお前は「酔う」競技に向いてるわ!
青:お断りだよ! もういいわ!
7組目 ライジングブルー
自己インダクタンスL
コント/親子2
直也:お父さーん、買って欲しいものがあるんだけどー。
ねえ買ってよ、お父さーん。
父:おいおい、俺がいつ人様に家を紹介したって言うんだ直也。
直也:「不動産」なんて呼んでないよお父さん。
お願いだよ、こないだ僕の誕生日にも何も買ってくれなかったじゃん。
父:お前の誕生日じゃないぞ、あれはお前の前世の十回忌だ。
直也:捉え方が斬新だよ!しめやかに祝われたくないよ。
そうだ、十回忌だったんなら吹き出物ちょうだいよー。
父:…引き出物だろう!愛する息子をわざわざニキビ顔にしてどうするんだ。
…買いたいものがあるなら、ほら、お年玉があるだろう。
直也:お年玉はリーマン・ショックの余波で全部パーだよ。
父:何につぎ込んだんだ!お前はまだ小学生じゃないか。
直也:今どきフツウだよ。株も、浮気も、小3で「小学四年生」読むのも。
父:最後の背伸びだけイヤにささやかだな。
…というかお前、う、浮気なんかしてるのか?そもそもお前もう恋人なんかいるのか?
直也:彼氏はいないよ。
父:男なら大概いない!彼女を聞きたいんだよ。
なんだ、最近じゃ「増殖系男子」とかいうのがいいらしいじゃないか。
直也:「草食系」だよ!細菌みたいにちょいちょい増える男なんて気持ち悪いよ。
…お父さん、すり替えないでよ、話題を。どうでもいいよ、僕の話は、今。
父:なぜ急に倒置法を多用しだしたんだ。
…あ、ほら、欲しいものならクリスマスにサンタナさんに頼めばいいじゃないか。
直也:そんなラテン系の知り合いいないよ!サンタさんでしょ!
…でも僕もう知ってるんだ。サンタさんなんてウソなんだ!ホントはいないんだ!フィンランドなんて無いんだ!
父:それはある!欲しいものより先に500万のフィンランド人の反感を買っているぞ。
…仕方ない。お父さんの安月給から生活費と夜の遊興費を引いた残りで買ってやろう。
直也:ちょっとアヤシイ部分が垣間見えたけど、この際無視しちゃおう。
やったあ!…あのね、欲しいのはベルトだよ。
父:ベルトってシューベルトのことか?お父さんだけに「魔王」か?
直也:違うよ!シューベルトなら音楽の教科書で十分だ。
ベルト、…太平洋ベルトだよ。三大工業地帯を投資活動の基盤に…
父:資金もリアリティーも足りない!
8組目 自己インダクタンスL
スピード×スピードアクセレーション
コント/手術だーいすき!2
医者 :つまりあなたは最近頭痛が酷い、そして薬を飲んでみたが良くなる傾向は全く覗えない。
というわけですので早速開頭手術をしてみたいと思います。
多汗症:待て待て待て!!何でそうなる!?
俺あんたに相談してまだ5分も経って無いんですけど!?最近の動向を喋っただけなんですけど!?
医者 :とりあえず頭の中を見てみれば原因が分かるかもしれないですよ?
多汗症:「とりあえず」なんかで頭切られたくないわ!!
しかも「分かるかも」かよ!!確実に分かるわけじゃないのかよ!!
医者 :見切り発車で頭切りですね。あっ、なんか今の上手かった。
それでは麻酔かけますねー。プスッ。
多汗症:いやいやいや!!何上手いこと言って、んで普通に手術しようとしてんの!
おい、聞けよコラ…あ…体が重くなってきた…。
医者 :んじゃ早速切って行きましょう。この人汗が尋常じゃないからガーゼ多めにね。それにしても気持ち悪っ。なにこの汗の量は。
多汗症:うっさいわ!汗はしょうがないだろ!!やるからにはちゃんと真面目に手術してくださいよ!!
医者 ;んじゃまず頭切るんで斧持ってきて。
多汗症:早速フザけやがった!
医者 :この斧重いよー、もっと軽いやつがよかったのに…。よっこらせっと。(スパッ)
あっ。
多汗症:今「あっ」言ったな!!絶対にミスしただろ!
医者 :斧だけにオーノーってか!
んじゃ中見てみましょう。懐中電灯持ってきてー。
多汗症:くだらないわ!!てかなんでさっきから道具がアウトドアなものばっかりなの!?医療器具使えよ!!
医者 :うーん、どれどれ…。ああ、こりゃダメだな。出血が多すぎる。
多汗症:それはアンタのせいだ!!てか俺ヤバいのかよ!!輸血して輸血、それでどうにかなるか分からないけどまず輸血して!!
医者 :中に何かいるな…。
!!おーい、ゴキブリホイホイとバポナを患者の近くにセットしてー!
多汗症:うっそぉ!!俺の頭の中にソレ系がいたの!?ショックだわ…。
医者 :よーし、じゃあ原因も分かったことだし頭閉じまーす。サバイバルナイフ持ってきてー。
多汗症:それでどうやって閉じるんだよ!!余計に傷口広がりそうだわ!!
医者 :だって閉じる手段も器具も技術も無いし…。
多汗症:じゃあ何故手術を始めた!?何故斧で俺の頭を割った!?
てか技術すら無いのかよ!!あんた医者失格だよ!!
医者 :あっ、じゃあぁ、水持ってきて!天然水!!
これを傷口にチョロチョロ〜っと。まぁこの手術も水に流した、ということで。
多汗症:上手いこと言ってる暇あったら何とかしろ!!
9組目 スピード×スピードアクセレーション
動物物語
文章/アラスカアスカ
早川は、溜まりきった仕事の疲れにウトウトしながら「どうぶつ起承転結!」を見ていた。ブラウン管の向こうでは、アラスカで生きる動物達が躍動していた。
逃げるヘラジカの群れ。追いかけるアラスカオオカミ。乾燥した凍土の上を、駆け抜ける佐々岡の奥さん。
佐々岡の奥さん。
彼の眼球は、今後の人生でこれ以上は無いという程、大量の空気と接触した。
しかしどれだけ目を見開いても、現在ヘラジカに負けじと走っているのは、同僚の佐々岡の奥さんにそっくり、ていうかほぼ本物であるように見える。
小早川は急いで受話器を取った。「お前の奥さん、あの、テレビに出てるぞ」と、ドライアイになりかけながら佐々岡に訴えかける。
「あぁ、アラスカ特集だろ?俺も観てるよ」
佐々岡も観てた。そんで異常なまでに冷静だった。 おかしい、おかしい。彼の嫁のあすかさんは、篠原涼子と小雪を足して2で割ったような、ものすごい美人だったはずだ。
その彼女がアラスカ特集でヘラジカと、エプロン姿でヘラジカと押しつ押されつ走る訳が無い。必死の形相でストライド走法する訳が無い。
「まあ、観てもらったとおり、そういう事なんだ…実は国際結婚でな・・・でも、 愛に国境は無いだろ?」
いやなんか論点ずれてる。けどあすかさん外国人だった。篠原涼子と小雪を足して2で割ったら外国人になった。
「いやまあ確かにな、仲人がしきりにお見合い中もワシントン条約に抵触がうんぬんかんぬん言ってたんだけど… 愛に国境は、無いだろ?」
さらにあすかさんまさかの動物扱いだった。レッドデータブックに、マウテンゴリラと並んで記載されてるようなポジションだった。そんでこの空白腹立つ。
「いやでもお前、間違えるなよ?今テレビに出てるのはアラスカアスカだから。 うちの嫁は、アステカアスカだから」
そしてあすかさんちゃっかり世界の広範囲に生息してた。そしてアステカアラスカややこしいわ。
どうやら佐々岡あすかさんは、ワシントン条約に抵触するような篠原涼子と小雪を足して2で割ったようなアステカアスカで、
今凍土の上を「ヌゥゥゥゥン!!」とか言いながら走り回っているアラスカアスカとは別人、ていうか別種らしい。
そんな問答を繰り返している内に、アラスカ特集は終わった。アラスカアスカが沼で水飲むシーンがフェードアウトされていった。
しかし、俺のパニックは収まる事無く、次の瞬間に最大規模の加速を見せた。佐々岡は引き続き喋る。
「・・・まあ、そういう事なんだ。でもな、俺達が愛し合ってるという事実、これに変わりは… !?
な、なんだお前等は!?人の部屋に土足であがりこ…!! が、外務省…!? やめてくれ、そんな……あ、あすかを離せぇぇぇ!!」
受話器の向こうから、佐々岡の叫び声とアステアスカの「フヌゥゥゥゥン!!」という雄叫びが聞こえたが、
俺はそんな事よりも、今テレビ画面に映っているニホンササオカのびっくり捕食シーンを観て、息が出来なくなっていた。
10組目 動物物語
いよいよ総合結果発表!