X子:さぁ、前半5組のネタ披露が終わりました。

Y美:後半4組に参りましょう!
   6組目は、このコンビです!


前回、応援団を引っさげて見事決勝進出するも、8位に終わった。
今回は新たな仲間(?)を連れて挑戦だ!!
エントリーNo.024
安物鬼(PTA付き)
アンパンマン(麻薬ver.)
鬼:それいけ!安物鬼です。

禿:それいけって何よ。

鬼:俺の子どものころの夢ってアンパンマンになることだったんですよ。

禿:ああ、その「それいけ!」ですか。

鬼:高1のころから公務員を目指すようになったんですけど、それまではアンパンマンになりたかったんですね。

禿:いや中学生でアンパンマンになりたいとか駄目でしょ!子どもって幼稚園とかそういうのを思い浮かべてたわ!

鬼:それでただのアンパンマンでは面白くないので今日は麻薬とのコラボレーションを考えてきました。

禿:なぜ麻薬と!?子ども向け番組にあるまじき物だよ!!

鬼:カバオくんが泣き叫んでいるわけですよ、「うお〜ん、バイキンマンが追っかけてくるよ〜!」

禿:よくある光景ですよね。

鬼:でも実際はカバオくんが一人で走っているだけ・・・

禿:幻覚見てるんじゃねえか!!え、カバオくん常習者なの!?

鬼:そこへアンパンマンが駆けつけます。
  カバオくんが、「バ、バイキンマンが2人!?」

禿:いい加減に目を覚ませバカカバ!!

鬼:アンパンマンが、「カバオくん、僕の顔をお食べ。落ち着くよ。」
  それに対しカバオくん、「ありがとうアンパンマン、幻覚が見えなくなったよ。」

禿:なるほど、アンパンマンが麻薬常習者を更生させるわけですね。

鬼:いや、あんこに大麻が練り込んであるんだ。

禿:それで幻覚が見えなくなったのかよ!!解決法として間違っているよ!!

鬼:ジャムおじさんが秘密の裏庭で大麻を栽培しているんだ。

禿:そうだろうな!!元凶はパンを作っている奴だもんな!!
  ・・・ハッ!!まさかバタコも?

鬼:バイヤーとして
  たいまを金と
  こうかんする

禿:バタコであいうえお作文しやがった!!・・・なるほど、裏でバタコは大麻を捌く仕事をしてるんだ。

鬼:でもバタコはエクスタシー派なんで、大麻を売った金でエクスタシーを買ってるんです。

禿:そんな麻薬の好みなんてどうでもいいよ!!

鬼:そして実はバタコはバイキンマンに大麻を売ってるんですね。

禿:もう敵味方が関係無くなっちゃってる!!

鬼:でもここはバイヤーのバタコさん、バイキンマンに高く売りつけます。

禿:本職ではアシスタントのくせにこっちの世界ではプロかよ馬鹿野郎。

鬼:喜んで家に帰るバイキンマン。家に帰って見てみるとなんと、さっきまであったはずの大麻が消えているじゃありませんか。

禿:ここでも幻覚!?バタコ幻覚までも操れんの!?

鬼:バイキンマンが呟きます、「たいまいはたいて買ったたいまが・・・」

禿:「たい」が鬱陶しいわ!!

鬼:さて、話を戻しましてアンパンマンですけども。

禿:空飛ぶ麻薬兵器がどうした。

鬼:基本は人助けですからね、いろんな人に顔を分け与えます。

禿:ああ、感染が拡大する・・・パンデミック!!
  アンパンマンだからアンパンデミックだよ!!

鬼:「カバオくん、お食べ・・・カバオくん、お食べ・・・カバオくん、お食べ・・・」

禿:さっきからカバしか食ってねえな!!貪欲か!!

鬼:カバオくんは重症患者なのでこまめに大麻を与えないと何を仕出かすかわからないんです。

禿:ほんとに困ったカバだよ!もう病院に閉じ込めとけよ。

鬼:カバオくんの発狂化に間に合わない場合はそりゃもう一大事ですよ。

禿:だいたいどのくらいの頻度で麻薬を与えれば抑えられるんですか?

鬼:今では約10分といったところでしょうか・・・

禿:末期じゃねえか!!もう安楽死しちゃえ!!

鬼:雨の日とか10分でかけつけられないときもあるんですね。タイマアップです。

禿:何そのタイムアップ的な言い方!!

鬼:カバオくんが「村人を全員襲ってやるー!」とブチ切れます。

禿:これはもう手をつけられないですよ。

鬼:そう叫びお花畑のチョウチョと戯れるカバオくん。

禿:メルヘン!!やっぱり幻覚見てるじゃねえか!この調子なら他の人にあんまり影響なさそう!

鬼:まあカバオ専用のアンパンマンじゃないですからね、ほかにもやることはいっぱいあります。

禿:だいぶカバオくんに時間を割いてますけどね。

鬼:ジャムおじさんのお手伝いがありますからね。街に行ってパンを売ります。

禿:そのパンってもしや・・・

鬼:微量の大麻を混ぜることで固定客を獲得するジャムおじさん。

禿:何このジワジワと痛めつける感じ!!ジャムおじさんもかなり鬼畜思考だよ!

鬼:街の人たちの圧倒的支持を得て、まや・・・パン工場はさらに大きくなるんですね。

禿:今麻薬工場って言った!!絶対言った!!

鬼:そして工場以上に大きくなる裏庭。

禿:案の定だよ!!違法栽培に力入れてるじゃねえか!!

鬼:ジャムおじさんは言います、「人々の幸せを考えた結末だ」と。

禿:いや固定客が目的だろカス!!それで味しめたんじゃねえか!!

鬼:カバオくんは言います、「なんかさァ、いつも誰かに見られている気がするんだよねェ」と。

禿:カバオの見解とか別にどうでもいいよ!!家に籠ってなよ!!

鬼:そんなジャムおじさんのワンマン経営に耐えられなくなったアンパンマンは、音楽性の違いから彼と対立するんですよ。

禿:今まで一切音楽の話題出てこなかったよ!!

鬼:まさにタイマン・・・大麻ンはったわけで・・・

禿:うっさいわボケ!!わざわざ絡めなくていいよ!!

鬼:ギターの弦を自在に操るジャムおじさん、それに対するはシンバルをガチャガチャならすアンパンマン。

禿:アンパンマンなんかアホくさっ!!そういうサルのおもちゃ見たことあるよ!!
  てか急に音楽の話題に持っていって後付け臭がプンプンだよ!

鬼:2人の戦いの結末は・・・映画版に続く!!

禿:最終話を映画に引っ張るとか仮面ライダー ディケイドかよ!!視聴者から苦情が来るよ!!

鬼:こういう感じなんだけどどうだろ、子供たちを中心に絶大な人気を誇ると思う。

禿:その自信がどっから沸くのか理解しかねるわ!!誰も麻薬絡みのアンパンマンなんて予想してねえし。

鬼:タイトルも「それいけ!美しい世界へ」みたいな感じにしたほうがいいですかね?

禿:アンパンマン関係無くなってるし、美しい世界はまやかしだよ!実際の社会は厳しいよ!
  やっぱりタイトルは元の「それいけ!アンパンマン」でないと・・・

鬼:まあ元のタイトルでもドラッグが絡んでくることは示しているんですけどね。
  シンナーのことを「あんぱん」って言うんで。

禿:そっちの意味でアンパンマンかよ!!もう結構。


X子:ありがとうございました。
   いやはや、まさかの被りながらも安物鬼ならではのネタだったのではないでしょうか!

Y美:ではまずジェネラルさん、いかがでしたでしょうか?


・最初のカバオくんは思い切り笑いました(爆笑度で言えば、決勝の中で1番ですね)。
 基本的には不謹慎なネタなんですけど
 どうせやるなら、とことんバカエピソードを盛り込んでも良かったと思います。


X子:おお、「決勝で1番」という言葉が出ましたね。総合評価も気になるところです。

Y美:では、先風さんはいかがでしたでしょうか?

 
・笑っていい作品なのかっていうところから悩んだんですけどw
 まあ・・・笑っちゃったし。最初のカバ登場のところからもう面白かったです。
 音楽や映画に結びつけた無理矢理感がちょっと逆効果だったかな、と
 感じました。あとはバタコさんのくだりが他の展開に比べて劣るんですよね。
 そこ以外はほぼ完璧だと思います。見てみたいもん、これ。(ダメ、絶対。)


X子:そうね。見てみたいところで、安物鬼さんに付いて来たPTAさんがどう動くかに注目ね。

Y美:うん…?

   最後にqqqさん、お願いいたします。


・個性に重点を置いたネタを書かれる方々が多い中、あえて王道の題材で挑む姿勢が素晴らしい。 
 ネタ運びがとても丁寧で、あいうえお作文でボケるくだりが際立って面白かったです。
 ただ音楽の話が出てきた辺りから、急にネタが終わってしまったのがちょっと残念でした。
 やはり題材が題材なだけあってか、これといった大当たりは少なかったです。


X子:そうね、王道ならではの良さ・悪さが出たといったところね。

Y美:ではどんどん参りましょう、7組目はこちらのコンビです!


壮大なる世界観を持ち合わせた漫才で、前回は見事決勝3位。
その先に見据えるのは2位…いや、優勝しかない!!
エントリーNo.044
月影連盟
マフィアの異常な愛情 〜またはサルヴァトーレ・マランツァーノは如何にしてニューヨークのマフィアを分割して五大ファミリーを確立するまでに到ったか〜
咲野:はいどうもー、お願いします。

海堂:違うんですよ!私はその…あぁっ、玉ねぎが!!

咲野:…度肝を抜かれるとはこのことかよ。
   急にどうした?頭に蛆でも湧いてきた?

海堂:いやー、実は最近マフィア映画にはまっててさ。
   三度のゴキブリホイホイ設置よりも好きなんだよ。

咲野:一日三度も何やってんだよ!好きの度合いが全く分かんねぇよ。
   それに最初の台詞とも繋がってこないし、分かんないことだらけだ。

海堂:お前、そんな何もかも分かってなかったらこの先着いていけないぞ?
   ほら、マフィアの大物に「ワカルポネ」っているだろ?

咲野:「アルカポネ」だろ!
   変な語尾つけるやつが「分かるぽね、分かるぽね」言ってるみたいじゃねぇか。

海堂:まぁとにかく、はまってるわけよ。男の世界に魅せられちゃってね。
   俺もあんな、仁義を重んじる男になりたいなぁと思ってさ。

咲野:確かに、マフィア映画はかっこいい男がどんどん出てくるもんな。

海堂:だから今日は、俺がマフィアのドンをやるから、
   お前は禁酒法時代のニューヨークを舞台に、二つのマフィアの抗争に巻き込まれて右往左往してる
   近所の買い物帰りの会社員ゴンザレスをやってくれ。

咲野:状況が限定的すぎてわけわかんねぇよ!それにマフィア関係ないし!
   そのゴンザレスとやらはどんな風に演じればいいんだよ?

海堂:そりゃお前、「違うんですよ!私はその…あぁっ、玉ねぎが!!」ってなもんだろ。

咲野:最初のやつ!そこでのセリフかよ!玉ねぎ転がってるじゃねぇか。
   というかそれだとお前、マフィアに憧れてるっていうよりもゴンザレスに憧れてるみたいになるぞ。

海堂:でもまぁ、確かにゴンザレスを演じるのは相当難しいだろうからな。
   じゃぁお前は禁酒法時代のニューヨークを舞台に、裏切り者の抹殺を失敗してしまって、
   その言い訳を頑張って考えるものの具体的に思い浮かばず、
   とにかく必死で命乞いをする下っ端ジョニーの役を頼むわ。

咲野:だからもうちょっと自由に演じられる登場人物はいないのかよ!!

海堂:仕方ないだろ、もう人物設定は決まっちゃってるんだから

咲野:決まってるってどういうことだよ?

海堂:いや実はね、自分なりにマフィアの映画の脚本を書いてみたんだよ、
   それに登場する人物なんだ。

咲野:じゃぁ先にそれを聴かせろよ!俺に演じさせる所為が分からんわ!

海堂:その名も「ゴッドファーザー 〜禁酒法時代のニューヨークを舞台に、
   二つのマフィアの抗争に巻き込まれて右往左往してる近所の買い物帰りの会社員〜」

咲野:前半と後半の温度差は何だよ!!サブタイトルが大変なことになってるぞ!

海堂:これを「ゴッドファーザーpart4」の脚本として映画会社に持っていったんだけど、
   受理されなかったんだよなぁ。

咲野:当然だろ!どこのコッポラがそんなもん採用するんだよ!

海堂:まぁいいや、聞いてくれ。
   「―――舞台は1944年、禁酒法時代のニューヨーク。
    ここでは”コルレオーネファミリー”と”タッタリアファミリー”という二つの対立する組織がしのぎを削っていた。」

咲野:おぉ、それっぽい。

海堂:「コルレオーネファミリーのドンである、ドン・コルレオーネが、
    部下であるジョニー・フォンテーンのミスを問いただすところから物語は始まる―――」

咲野:とにかく必死で命乞いをする下っ端ジョニーってやつか。

海堂:「ジョニー…お前、密造酒の件で裏切ってタッタリアファミリーに寝返ったソニーの始末を失敗したようじゃな…」
   「ち、違うんでやんす!誤解でやんす、偉大なるドン・コルレオーネ!
    勘違いでやんす、実はそうじゃないんでやんすよ〜〜〜〜〜!!」

咲野:…その下っ端にも程がある喋り方はなんなんだよ!
   あと言い訳へたくそだな!頑張って考えた結果がこれかよ!

海堂:「ジョニー、ワシが始末に失敗した後の組織の一般的な動向を教えてやろうか…」
   「あ、ちょっと待っておくれでやんす、ドン・コルレオーネ。
    信号が変わったから向きを変えるでやんす、どうぞでやんす〜」

咲野:なんで交通整理の真っ最中なんだよ!
   交差点のど真ん中で「裏切り者を取り逃がすことは組織の崩壊に繋がるんじゃ」とかやってんじゃねぇよ!

海堂:市民に愛されるマフィアじゃないとな。

咲野:愛されてても威厳はクソ以下じゃねぇか!その辺のおばちゃんと同系列で見られるだろ!

海堂:「ジョニー、ワシがかの有名なサルヴァトーレファミリーを例に話してやろう…」
   「あ、待ってくれでやんすドン・コルレオーネ、運転技術に問題のある車が突っ込んでくるでやんす!
    よけるでやんす〜〜〜!」

咲野:報われないドンだな!全然話聞いてもらえねぇじゃねぇか!

海堂:「(キキキーーーーッッッ!!!!)」
   「クラァ!!どこを見て運転してるでやんすクラァ!!ドンが怪我するところでやんしょうがクラァ!!
    まさか対立するソロッツォの使いでやんすかクラァ!?
    背景にタッタリアファミリーが絡んでるでやんすねクラァ!?」

咲野:クラクラうるせぇな!大物の前では何も出来ない癖に威張んなよ!
   でも、対立するファミリーからの刺客とか映画っぽくなってきたじゃん

海堂:「どうなんでやんすかクラァ!?答えるでやんす!!」
   「…違うんですよ!私はその…あぁっ、玉ねぎが!!」

咲野:ゴンザレスじゃねぇか!!本当に右往左往だな!

海堂:「あの、すいません、私は妻に買い物を頼まれてて、それで慌てていまして…」
   「言い訳なんて聞きたくないでやんすクラァ!!これはファミリーへの宣戦布告でやんすクラァ!!」
   「落ち着くんだジョニー…そんなに喚くほどのことでもないだろう…」
   「何をバカ言ってるでやんすクラァ!!クソ食らえでやんすクラァ!!ふざけるのもいい加減……
    …あっ、偉大なるドン・コルレオーネ!!一体全体いつからそこにいたでやんす!?」 

咲野:ちょっと落ち着けよ!周りが見えてなさすぎだろ!

海堂:「…もういい。時間だ、本部に戻ろう。」
   「あ、そうでやんすね、3時を過ぎたからタッタリアファミリーに交代でやんす」

咲野:近隣のマフィア総出で交通整理やってんのかよ!!

海堂:仁義なき戦いだぜ。

咲野:本当に仁義もクソもねぇな!もう端から見れば地元の気のいいおっさん達だよ。

海堂:「(本部にて)さて…ジョニー、ワシが少々昔話をしてやろう。
    サルヴァトーレ・マランツァーノがニューヨークのマフィアを五代ファミリーに分割した頃の話だ。」
   「あ、ちょっと待ってくれでやんすドン・コルレオーネ、本日2回目のゴキブリホイホイを設置するでやんす」

咲野:てめェの私情を創作物に加えんな!興味ねぇんだよ!

海堂:「あれはまだワシが若造だった頃だ、カルテランマレーゼ戦争を制したマランツァーノが、
    招集された我々の前に立ち、こう言い放ったのだ。」
   「”今日からニューヨークマフィアを五つに分割する”でやんしょ?知ってるでやんすよ〜」

咲野:空気読めよコイツは!!折角ドンが言いたいこと言えるチャンスだったのに!

海堂:「(プルルルル、プルルルル)」
   「あ、電話でやんす(ガチャ)クラァ!!どこのどいつでやんすかクラァ!!
    ドンが昔話してるところでやんしょうがクラァ!!!」

咲野:たった今てめぇが台無しにしたとこだろうがよ!!

海堂:「クラッ……はっ!これはこれは!大幹部のルチアーノさんでございやんすか!
    申し訳ないでやんす!ドンはここにいるでござんすでやんすよ!」

咲野:だからちょっと落ち着けよコイツは!男なら寡黙に生きろ!

海堂:「(ガチャ)ドン、大幹部のルチアーノさんがこっちに向かってるでやんす!」
   「そうか、分かった。…話の続きだ、要点をまとめて簡潔に言おう。」

咲野:ドン、あんた漢だよ…こんな口先ばかりで現実では何もできないやつを赦すなんて…

海堂:「…麻薬王として名を馳せた”ブリガンテ”という男がいた。
    出所してから力を無くし、始末すべきチンピラ”ブランコ”を取り逃がした。
    これが仇となり、ブリガンテは破滅の方向に向かっていったのだ。
    …ワシの言いたいことが分かるな、ジョニー?」
   「もちろんでやんすドン、麻薬なんてやると痛い目みるぞーってことでやんす」

咲野:もうマフィアやめちまえよコイツは!確実に人生損してるわ!

海堂:「(コンコンコン、ガチャ)……。」
   「あっ、ルチアーノさんでやんす!元気でやんしたか!?」
   「…………………」
   「…ルチアーノ、お前の言いたいことは分かっている…
    お前もまた、ソニーを取り逃がしたようだな…」
   「…………………!!」
   「…顔色を見ればすぐに分かるさ…
    落ち着いて、その時の状況を話すんだ……私の言っていることが分かるな?」
   「……分かるぽね、分かるぽね」

咲野:変な語尾つけるやつ出てきた!
   お前語尾でしか差別化できない人かよ!

海堂:オリジナリティを出さないとな。

咲野:語尾いじっただけで何がオリジナリティだバカ!自惚れんな!

海堂:「…実はソニーを追い詰めて、あと一歩のところまで迫ったぽね…
    ところがその途端、運転技術に問題のある車が突っ込んできて…
    その人が落とした玉ねぎを拾ってるうちに、逃がしてしまったぽね…申し訳ないぽね…」
   「…………どう思う、ジョニー」 

咲野:おぉぉ、これは急展開。ジョニーの汚名返上のチャンスだ

海堂:「まったく、近頃は危なっかしい運転者が多いでやんす!
    教習所は一体どんな教育をしてるでやんすか!?」

咲野:そこじゃねーだろぉぉぉ!!こいつは何でいつもこうなんだよ!!

海堂:「(一方その頃、タッタリアファミリー本部)」
   「ゴンザレスお前、コルレオーネ暗殺は失敗したが、
    ソニーの逃亡工作を手助けしたそうじゃねぇか、お手柄だったな」
   「お安い御用ですよォドン・タッタリアァ、どれもこれもォソロッツォの見事なァ作戦のお陰です」
   「ガハハハハ!!俺のお陰とは言ってくれるじゃねぇかゴンザレス、
    てめぇの運転技術も大したものだったぜ!ガハハハハ!!」

咲野:何だこの団結力の雲泥の差は!!コルレオーネファミリーに勝ち目ねぇじゃねぇか!
   「やんす」とか「ぽね」とか言ってるんだぞ!対立してるって事実がおかしいわ!

海堂:「でもさァドン・タッタリアァ、私がァ車で突っ込んだとき、
    向こうの”ジョニー”って小物が、『対立するソロッツォの使いでやんすかクラァ!?』って言ってたよォ〜。
    こいつ相当頭が切れるねェ、注意したほうがいいよォ〜」

咲野:こっちでは評価されてた!?持ち前の粗暴な攻撃力も場合によっては功を成すもんだなぁ…

海堂:「あの頭なら、私がァ本当にこっちのファミリーのメンバーだとばァれてるかもしれないねェ〜」
   「確かにな、ソニーを救った時もお前が玉ねぎを転がしたなら、
    その共通点から同一人物だとあっさり割り出されるだろう」

咲野:過信しすぎだよ!!教習所がどうとか言ってるんだぞ!!

海堂:「ガハハハハ!!なぁ、こういうのはどうだいドン・タッタリア!
    あのサルヴァトーレ・マランツァーノがやったようによう、
    ジョニーって若造にコルレオーネファミリーを裏切らせて、こっちに引き込むんだ!
    そうすれば強力な戦力が手に入ると同時に、対立する組織を潰せて一石二鳥だぜ!!」

咲野:やめとけって!!まず間違いなく破滅するぞ!!
   その後コルレオーネファミリーが勢力を増すことは目に見えて明らかだぞ!!

海堂:「フフフゥ、新勢力がうちに来るとなればァ、我々も気をつけないといけないねェ〜」
   「ガハハハハ!!次期頭目候補が何を言ってやがる、一番危ないのはこの俺だぜ!!」

咲野:全然危なくねぇよ!!大安泰だよ!!一日3回もゴキブリホイホイ設置してるやつだぞ!!
   なんだ、よくよく考えればこっちのファミリーもアホじゃねぇか。
   マフィアはもう終わりだ。バカばっかりでどうしようもねぇ。

海堂:まぁ、禁酒法の時代だからみんな酒が飲めなくて気が狂ってるんだろうな。

咲野:酒が入ったら余計悲惨なことになりそうだけどな!

海堂:「それじゃァ〜、善は急げだよォ〜ドン・タッタリア、
    早速コルレオーネファミリーの本部に出向くとするかねェ〜」
   「あぁ、ジョニーの行動を把握するためだな。
    ソロッツォ!お前は留守番だ、何かあったら連絡しろよ!」
   「へいへい!分かりやした!ガハハハハ!!」
   「(ガチャ)―――――――――」

咲野:………………

海堂:俺の書いた脚本はここまでだ。

咲野:ここで終わり!?オチが無くない?

海堂:バカ野郎、オチなんてなくていいんだ。
   リンチやゴダール、キューブリックといった映画作家は「映画にオチなんて必要ない」とまで言い切ったんだぞ。

咲野:まぁ確かにそうだけどさ…なんか複雑な設定でよく理解できないまま終わっちゃったよ。

海堂:まぁ待て、ココで俺が言及したいのはミスディレクションについてだ。
   まずお前は「マフィアに憧れてるっていうよりもゴンザレスに憧れてるみたいになるぞ」と言ったが、
   結果的にはゴンザレスはマフィアだったわけだ。

咲野:…確かに!

海堂:更にこの脚本のサブタイトル「〜禁酒法時代のニューヨークを舞台に、
   二つのマフィアの抗争に巻き込まれて右往左往してる近所の買い物帰りの会社員〜」だが、
   これも同じで、”結果的にゴンザレスがマフィアの犬だった”ことに重点を置いて考えれば納得のいくタイトルだ。

咲野:言われてみれば!

海堂:あと、俺が冒頭で「一日三度ゴキブリホイホイを設置する」と言ったが、まぁこれは事実だ。

咲野:事実なのかよ!そこは後々生きてくる感じのアレじゃないのかよ!

海堂:とにかく俺は、映画の脚本にしても何にしても、
   一度サラっと読むだけではその意図を汲み取るのは不可能と考えているんだ。
   お前は今俺の脚本を理解した気でいるが、伏線や意図を全く理解できていなかった。いや、そうしようとしなかったと言お

うか。
   それでいて「複雑な設定でよく理解できないまま終わっちゃった」とは、面白い評価をするんだねぇ。

咲野:いやそこまで言うなよ!話の終わり方がシュールと感じたから言ったんだ!

海堂:感じ方は人それぞれだが、なんでもかんでもシュールレアリズムに置き換えるのはバカのやることだ。
   まぁとにかく、俺はこの脚本で、カンヌやアカデミー、ゴールデングローブ、
   ひいてはニューヨーク映画批評家協会をはじめ、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭、
   更にはなんとさぬき映画祭も視野に入れる所存だ。

咲野:なんでどんどん規模が小さくなっていくんだよ!!

海堂:グランプリ受賞は目に見えて明らかだからな、
   映像化したときのために、お前にゴンザレスを演じてもらおうと思ったんだ。

咲野:いやそれはいいけど自信過剰すぎだろ!痛い目に遭うぞ!

海堂:でも一番の問題点は、俺がマフィアの実態をちゃんと描けてないとこなんだよなぁ。
   中途半端な知識をひけらかすほど、見苦しい行為はないからな。

咲野:でもまぁ、マフィアの実態なんて俺たちが分かるわけないんだし、いいんじゃない?

海堂:そうだよな、じゃぁ映画が完成したら、
   シチリアのスラム街に住む友人に意見聞いてみるわ。

咲野:そういうの居るなら先に聞いとけよ!!


X子:ありがとうございました。今回もものすごい世界観のネタでしたね。

Y美:さて、まず先風さんいかがでしょうか?

 
・・・・全っ然、取りこぼさないですよね。


X子:…おおっ!?先風さんからも1行コメントが出ましたよ。
   詳しいことに触れていないということは、かなりの高得点が出そうな予感です。

Y美:では、スリーオールさんいかがでしょうか?

 
・これだけ読み応えがあって、壮大なストーリーに笑いどころがちゃんと入っていて、人物全てを捌ききってるっていうのが感服です。
 やんす系男子が出てくるのは何となく読めた気がしなくもないですが、それでも笑いました。


X子:なるほど。こちらもかなりの好印象ね。

Y美:では最後に、qqqさんにもコメントを伺いましょう。


・これだけ多くの登場人物をうまく操作できるのは、構成力の成せる業だと思います。
 ただ、構成の巧さに重点を置かれているような気がして、それ故に若干の読みづらさを感じてしまったのですが、
 巧く伏線回収をしながら、狙った箇所で的確に笑える安定感はピカイチでした。中盤部分が一番面白かったです。


X子:ふむ。壮大なネタだけに両面が出た訳ね。

Y美:さて、8組目はこのコンビです!


前回、王者・エイジアンエイジアンの影に隠れるも予選3位という好成績を残す。
そして今回、期待通り決勝の舞台に現れた彼らは、事実上の「連覇」を狙う!!
エントリーNo.033
リーベルパウンド
POWER
氷谷:古城さん、ちょっと気になった事があって。

古城:なんだなんだ?

氷谷:古城さんのパワーが1億だったら、僕のパワーはどのくらいですかね?

古城:どこから出て来たんだよその数値!
   お前、絶対漫画の影響受けてるだろ。

氷谷:よっ。1億パワー!

古城:褒められても困る!
   それに俺に1億パワーはちょっと荷が重いよ!

氷谷:古城さんが1億パワーだとすると、僕は何パワーですかね?

古城:いや、知らねぇから!どんな無茶ブリだよこれ!

氷谷:何パワーですかね?

古城:微動だにしねぇなコイツ!
   わかったよ。そうだな、俺の方が強いだろうから3000万パワーくらいじゃないか。

氷谷:3000万パワーという事は僕3人を相手にしても勝てると。

古城:そういう事になるわな。

氷谷:僕3人なら毒殺できると。

古城:なんで毒殺なんだよ!毒殺にパワー関係ねぇだろ!

氷谷:こんな感じで。
   わー美味しそうなケーキ。もぐもぐ…ウッ!

古城:やらなくていいから。

氷谷:死んでるー!あわわ…こんな時は甘い物でも食べて落ち着こう…ケーキもぐもぐ…ウッ!
   死んでるー!あわわ…こんな時は甘い物でも食べて落ち着こう…ケーキもぐもぐ…ウッ!

古城:なんで1個のケーキで3人も死ぬんだよ!
   こんなもんパワー以前の問題だろ!

氷谷:わかったぞ、これは誰かが毒を盛ったんだ!

古城:遅いわ!周回遅れといっていいほど遅いわ!

氷谷:それで古城さんと戦う事になるんですけどこれが互角の戦いになるんですよね。

古城:なんで互角なんだよ!お前3000万パワーだろ!

氷谷:これには理由があって。僕は王宮に住んでいるんですけどその王宮に毒入りケーキを置く過程で深手を負ってしまったんですよ。

古城:そんな細かい設定いらねぇわ!

氷谷:王宮にケーキを置く途中、お腹が減ったのでケーキをちょっと食べちゃったんですね。

古城:俺は俺で救いようねぇな!まぁ、それなら苦戦したのもわかるけど。
   互角になったのは、仲間が殺された怒りでパワーアップしたとかそういう事だと思ったわ。
   
氷谷:その発想はなかったです。

古城:なかったのかよ!

氷谷:今更ながらで恐縮だが、仲間が殺された事にメチャメチャ腹がたってきたぞー!うおおお!

古城:ホント今更だよ!そんで恐縮とか言いながらパワーアップするってのはどうかと思う!

氷谷:ちょっと変ですかね。

古城:おもいっきり変だし、そもそもパワーを比較するのに毒殺と言い出した時点でもうアレだよ。

氷谷:じゃあ、こんな感じのパワー比較はどうですかね?
   僕がパソコンで3文字以上打つと肩を壊すのに対して古城さんは10文字で肩を壊すっていうのは。
   
古城:どの次元で競ってんだよ!俺らの体ガッタガタじゃねえか!

氷谷:僕のおじいちゃんは100文字行けます。

古城:お前のおじいちゃん10億パワーなの!?

氷谷:そうです。古城さんが僕に3回車でぶつけられても大丈夫じゃないですかぁ。

古城:基準が変わって急激にタフになった!

氷谷:おじいちゃんは車で33回ぶつかられても大丈夫ですね。

古城:色々と問題あるよ!

氷谷:それでおじいちゃんは僕を33人毒殺出来ます!

古城:酷く仲が悪い感じになるからやめて!大体お年寄りはもっと優しく扱ってあげないと。

氷谷:そうですね…おじいちゃんだけに「祖父」トに扱わないと。

古城:やかましいわ!
   でも、おじいちゃんが10億パワーって。他のパワーはどうなってんの?

氷谷:一般的なハムスターが100億パワーです。

古城:三人ともハムスターよりだいぶ格下だった!
   
氷谷:僕が車で333回轢いても大丈夫!

古城:いや、絶対大丈夫じゃないから!プチッだよ!

氷谷:ハムスター叔父貴なら333人の僕を毒殺出来ますね。

古城:ハムスターに毒を盛られるとか前代未聞だよ!というか呼び方!

氷谷:古城さんなら100人!

古城:ハムスターに100人もまとめて殺されるとか末代までの恥!

氷谷:わー美味しそうなケーキ。もぐもぐ…ウッ!

古城:いいよ!アホがどんどん死んでいく描写はもう懲り懲り!

氷谷:いやーハムスター叔父貴は凄いですね!

古城:だから叔父貴ってなんだよ!

氷谷:長い物には巻かれろですよ。

古城:こいつハムスターの方が格上とみてヨイショしだした!

氷谷:それで一般的な醤油ラーメン一人前が25億パワー。

古城:最早どういう事なのかさっぱりだよ!

氷谷:古城さんが25人いれば一人前の醤油ラーメン先生を食べきることができます。   

古城:どんだけ俺の胃袋小さいんだよ!既に病人っていうレベルでもねぇぞ!あと先生!

氷谷:ハムスター叔父貴は醤油ラーメン先生四人前を食べきれます。

古城:四人前って!ハムスターのあの体にそんな入るわけねぇだろ!

氷谷:僕がをパソコンで3文字打って肩を壊すのに対して醤油ラーメン先生は250文字で肩を壊します。

古城:色々とおかしいよ!醤油ラーメンの肩ってどの部分だとか聞きたい事が特盛りだよ!

氷谷:特盛りといえば醤油ラーメン毒盛りはですね…。

古城:毒盛りって!そんなあからさまなモン誰も頼まんぞ!

氷谷:わーいラーメン毒盛りだー!もぐもぐ…ウッ!

古城:だからその描写やめろつってんじゃねえかよ!
   なんだよ!このパワーめちゃくちゃじゃねえか。

氷谷:まあまあ、怒らないでくださいよ。よっ1億パワー!

古城:嬉しくねぇよ!ハムスターの100分の1じゃねえか!もういいわ別の話しよ。

氷谷:そうですね。今日醤油ラーメン先生を2杯食べたんですけど。

古城:ダウト!


X子:ありがとうございました。
   いやはや、これまた堂々としたネタだったわね。

Y美:さて、まずはBONBORIさん、いかがだったでしょうか?


・王宮のボケがちょっと回りくどかったですね。

 これしか文句が浮かんできません、気持ちよく大爆笑しました。
 発想が天才すぎますよ、なんですかパワーって、パワーって、もう馬鹿としか言えません。
 パソコンのキーとか、毒殺とか、最初の展開が次々に巻き込まれてまた大きなボケを作っていく光景が、とても気持ちよかったです。
 竜巻の渦中にいるような気分でした。素晴らしき破壊力。


X子:おぉ、これまたかなり良い印象のようですね。

Y美:では、qqqさんはどうでしょう?


・ネタの発想が魅力的。数字を用いて物事のギャップを伝える手法がとてもユニークで、
 終盤のたたみ掛けでちょっと置いていかれそうになってしまったものの、
 個々のボケが非常に面白く、おじいちゃんとハムスターのくだりが特に良かったです。
 余談なんですが、結局なんのパワーだったのか分からず終わってしまったのが、気になるところ。


X子:そうね。ボケの種類が少ない割に一発一発の威力が大きいのがすごかったわね。

Y美:では、先風さんはいかがでしたでしょうか?

 
・優勝候補なんじゃないですか?
 批評ポイントを探すまもなく集中して呼んでしまいました。面白いです。


X子:おっと…これまた先風さんからの高得点が出る予感ですよ。

Y美:優勝候補のその名の通り、見事優勝となるかどうかが気になるところですね。

X子:さて、次がいよいよラストね。

Y美:はい。9組目はこちらのコンビです!


独特な雰囲気で会話を繰り広げるこのコンビがついに待望の決勝進出。
強豪も多い中、この舞台に爪あとを残すことができるか!?
エントリーNo.030
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蹴りたい最中
前田:いやぁ、世界はW杯一色じゃないですか
安正:ちょっと前に終わっちゃいましたよ
前田:え、そうなんですか?スペインVSオランダの決勝戦があった事は知ってるんですけど
安正:決勝が終わったらどんな大会でもおしまいでしょうが。もしくは閉会式を残すのみですよ
前田:結局サスペンダーが勝ったんでしたっけ?
安正:恐らく「スペイン」と「オランダ」が混ざったんだと思いますが、「サ」と「−」どっから出てきたんですか
前田:まぁ、それはそれとして、日本もがんばりましたよね
安正:そうですね、2勝1敗で見事予選リーグ通過で。本戦1回戦も惜しかったです
前田:半目差で負けちゃったんですよね
安正:囲碁になっちゃってませんか
前田:ボールの模様は明らかに黒が不利ですよね
安正:確かにサッカーボールって白が黒を囲んでるような模様になってますけども
前田:あれをモチーフとした3D囲碁っていうのがあってもいいと思うんですよ
安正:やり辛いことこの上ないですよ
前田:まぁ、それはそれとして
安正:今日はそれをそれとしますねぇ
前田:ええ、それをそれとしますとも。サッカーってプレイそのものはもちろんですけど、実況っていうのも盛り上げる要因の一つだと思うんですよ
安正:確かに、実況者さんがうまいとこっちの気分も高揚してきますね
前田:で、こういう喋る仕事してると、ああいうのに憧れるんですよね
安正:あぁ、分かります分かります
前田:ただ実際にやるのは夢の話なので、この場を借りてやってみてもいいですかね?
安正:おお、どうぞどうぞ。やっちゃってください
前田:ではお言葉に甘えて





前田:さぁ、試合は遂に折り返し。後半戦のホイッスルが鳴り響きました
安正:なんで前半はしょっちゃったんですか
前田:5−0のベラルーシリードで試合は進んでおります
安正:あ、そりゃはしょりますね。ボコボコにされてる日本なんて見たくもない
前田:ここで日本代表は控え選手を投入します
安正:これで試合の流れを変えてもらいたいですね
前田:MFの森本に代わりまして、鴨が入ります
安正:珍しい苗字ですね
前田:鴨、羽根をばたつかせフィールドを駆けています
安正:・・・え、本物の鴨ですか?日本は何を血迷って代表に選出してるんですか
前田:ここで試合をいい方向に持っていってほしいものです
安正:暗雲しか立ち込めてませんよ。見えませんかこのドスの効いた紫色の雲が
前田:鴨、小回りの利いたドリブルで、ベラルーシ陣をかき乱します
安正:おっと一気に真っ白に
前田:ああっと、FWの岡本、シュートがそれてしまった
安正:まぁ鳥類ががんばってるのに何をやってるんでしょう
前田:ここで、岡本に代わりウグイが入ります
安正:鳥類の次は魚類ですか。陸の上で何が出来ると
前田:鴨からのセンタリングに、ウグイが見事ヘディングで決めたっ。日本、1点を取り返しました
安正:まぁ、薄々そんな予感はしてましたよ
前田:ここでDFの山田に代わりまして、ミンミンゼミが入ります
安正:おお、もはや脊髄すらない
前田:ミンミンゼミ、激しいタックルでなかなかベラルーシ陣を前に進ませません
安正:体格差なんてサッカーの前では無意味ですよね
前田:ここでウグイのオーバーヘッドキックで、再び1点を追加しました
安正:尾びれでシュートしてるんだとしたらそれはそれでかっこいいんでしょう
前田:後半戦も半ば、ここで日本はMFの中島、有岡、高木に代わりまして、カスタネット、ジャンベ、ウッドブロックが入ります
安正:私、小学生の演奏会の時、荒城の月なのにウッドブロック担当だったんですよ
前田:カスタネットのスルーパス、ジャンベのアシスト、ウッドブロックの切れ味鋭いシュートが決まり、日本さらに1点を追加しました
安正:おっと、サッカーの話でしたね。さすが打楽器といったところでしょうか
前田:さらにGKの藪に代わり、あずきとぎを投入します
安正:ここに来てすごい質量のあるの来ましたね
前田:あずきとぎ、ゴールキックで直接ゴールにシュートを決めて、1点差に詰め寄りました
安正:さすが人外。いや、控え選手今のところ全員そうですけど
前田:試合終了残り5分、ベラルーシのプレスが激しくなってきました
安正:このまま逃げ切るつもりですね。なんとかしてもう1点入れたいところですが
前田:ここで日本、FWの八乙女に変わりまして、除光液を投入します
安正:日本代表は固体にこだわりません
前田:除光液ダイビングヘッドを相手のゴールに叩き込むっ。おしゃれなものがゴール決めたら2点ルール適用で、日本、見事逆転です
安正:やったー
前田:ここで、試合終了、6−5、日本、予選リーグ突破です
安正:さて、そろそろ深呼吸してみましょうか
前田:(すーはー) いやぁ、どうでしたか、私の実況
安正:まだ正気に戻らないんですか。なんなんですかこれ
前田:サッカーですよ
安正:貴方の実況については特に非は無いと思いますが、試合内容地獄絵図じゃないですか
前田:そんなことないですよ。皆活き活きしてたじゃないですか
安正:人外だらけの控え選手だけしか描かれてませんでしたけどね
前田:控えておいてよかった
安正:じゃあ、なんならスタメンにすればよかったじゃないですか
前田:除光液乾いちゃいますよ
安正:なんならすぐに芝生に染み込んで終わりですよ。後、除光液はそんなにお洒落じゃないと思うんですよ
前田:カチューシャなら良かったんですか?
安正:まずそのルール自体がおかしいんですけどね
前田:ちなみにスタメンの名字はHay!Say!JUMPのメンバーのです
安正:そんなに興味ないです
前田:まぁ、悪いことしたベラルーシに見事勝ったんですからよかったじゃないですか
安正:そんな噂聞いたことないですけども。後、なんでヨーロッパのそんなマイナーな国選んだんですか
前田:「ラル」の部分の語感が凄い良いんですよ
安正:語感で選ばないでください。結局なんなんですか、控え入ってからの怒涛の追い上げは
前田:言うじゃないですか、INが追う方(因果応報)って
安正:いい加減にしなさい


X子:ありがとうございました。

Y美:ではまず、ジェネラルさんはいかがでしたでしょうか?


・言い方や勢いだけで笑わそうとする漫才が多分嫌いな方なんでしょうね。
 私もそっちの類なので、この方の漫才は非常に心地よく脳に刺激を与えてくれます。
 皆さん良く見て下さい。この漫才のツッコミには「!」が一つも入ってません。
 私も漫才を考えた時は、なるべく「!」を入れないようにしましたが、まさかの0ですよ。
 それでこれだけ面白いのは、ボケの良さもさることながら
 冷静で的確なツッコミであり、そのワードセンスです。
 後半を5点にしなかったのは、中盤ほどのパワーを期待してしまったから。
 次はさらに面白いものを見せて下さいと言う期待値です。


X子:おお、これは絶賛のコメントが来ましたね。
   …5点?

Y美:えっと、「前半・中盤・後半」で5点満点の評価をつけているみたいですね。
   では、BONBORIさんはいかがでしょう?


・一瞬除光液がダイビングヘッドする映像が目の前を過ぎりました。変な童話の世界に飛ばされた感覚です。
 この作者、人間の力の入れ所抜け所を完璧に把握してると思います。だから十分に脱力させられ、突然鋭いボケを突き刺すという芸当が出来るのだと思います。
 もう安正の切り返し方が秀逸すぎます。荒城の月って、どんな電流走らせたら出てくるんですか。いや、素晴らしい。
 後はもう少し漫才っぽくして欲しかったですね、今の状態は「漫才に限りなく似たグニャグニャしたなにか」なんで。
 二人の面と向かっての会話がもっと加われば、この作品は漫才として成り立つと思います。


X子:なるほど。この二人の個性の捉え方、といったところですね。

Y美:ではいよいよラスト、火田辻正さんお願いいたします。

 
・実況の間ツッコミ担当の、最早まともにツッコむのを諦めた感じがでていて面白かったです。
 入りから実況の間はよかったと思うのですが、試合終了後(深呼吸後)は少し失速したように感じました。
 最後までいったら今更ベラルーシというマイナーなチョイスもツッコむほど気にならないですし、
 因果応報もちょっと無理あるかなと思いました。


X子:なるほど。確かに実況が終わってからの展開は長めだったわね。

Y美:これが結果にどう響いてくるのか、注目です。


いよいよ、結果発表!!