X子:さぁ、前半5組のネタ披露が終わりました。
Y美:後半4組に参りましょう!
6組目は、このコンビです!
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エントリーNo.008
血華美人は愛の華
今、ひとつになるとき
みるく:どーもーっ!!キヨミ、みるく、翔太郎!3人合わせて血華美人は愛の華でーっす!
キヨミ:よろしくお願いします。3人仲良く頑張っていきます。
翔太郎:今日は3人とも親の葬式をバックレてきました。
キヨミ:事実無根です。仮にそうだったらみるくのテンションが物悲しいです。
みるく:私達はトリオなんですが、見ての通り翔太郎だけが男なんです!
えーっと……あれ! 俗に言う刻一刻ってやつ!
キヨミ:黒一点ね。何の時間が近付いてるというの。
翔太郎:あっはっはっはっは……そりゃ死だろ。
キヨミ:暗いよ。漫才始まってから今まで死の話しかしてないよ?ちゃんとお笑いやろうよ。
翔太郎:そだな、ところで2人とも、ある日突然砂漠と化した街に放り出されたらどうする?
キヨミ:うん、意味がわかりません。前提が異次元すぎてついていけません。
みるく:とりあえずラクダを探す!
キヨミ:答えなくていいから。バカのもしもに付き合わなくていいから。
翔太郎:俺さ、生まれてこの方砂漠に放り出されたことが無いのよ。だから今からそのシミュレーションをしたいんだけど。
キヨミ:絶対要らないシミュレーションだよ。砂漠で迷うこと自体が一生に一度あるかないかだから。
みるく:まぁ、備えあれば憂いなしっていうし。
キヨミ:備え自体が私の憂いの元なんだけど。準備段階から帰りたいんだけど。
翔太郎:とにかく手伝ってくれよ!俺とキヨミが砂漠で迷うから、みるくは砂漠の暑さをやって!?
キヨミ:何故みるくだけ概念?どうせなら3人仲良く砂漠を彷徨おうよ。
翔太郎:残念ながらラクダは2人分しか用意出来ませんでした。
キヨミ:そこ融通聞かそう?想像の世界なんだからどうにでもなるでしょう。
みるく:いやいや、ちょっと待って!?私砂漠の暑さなんて出来ないよ、ツンドラの寒さしか出来ないよ!
キヨミ:それはそれで凄いよ。概念を表現出来るポテンシャルがあるだけ凄いよ。
みるく:そんなんだったら砂漠のくだりなんかやりたくない!だったら私修学旅行の夜やりたい!
キヨミ:………おぉう!?ちょっ、ここに来て意見割らないでよ、この漫才の方向性が見えなくなってきたよ。
翔太郎:あぁ!?修学旅行!?それはあれか、小中高の修学旅行全てを肘爆弾破裂により欠席してきた俺への当てつけか!?
キヨミ:知らないよそんな悲しい過去!よく人生の要所要所で肘ぶっ壊してきたな!?
みるく:とにかく!私はキヨミちゃんと修学旅行の夜をやるから!翔太郎は修学旅行特有の高揚感をやって!
キヨミ:何故2人とも概念をやらせたがるの!?男子とか先生とかいろいろあるじゃん!!
翔太郎:修学旅行の楽しさなんて出来ねえよ、病室での気まずい雰囲気しか出来ねえよ!
キヨミ:だから悲しいんだって!トラウマをネタに生かそうとするな!
翔太郎:とにかく、俺は今からキヨミと砂漠に放り出されるんだよ!オアシス目指して果てなく旅をするんだよ!!
みるく:いーや、キヨミちゃんは私と京都の旅館でキャッキャするの!布団を被ってアホみたいな恋バナするの!
キヨミ:なんだこの状況!?「私のために争わないで!?」とは到底言えない取り合いに巻き込まれた!
翔太郎:いいか!?キヨミは今日本で一番ラクダが似合う女なんだよ!
キヨミ:初耳!ラクダに跨るどころか生で見たことすら無いよ!?
みるく:それだったらキヨミちゃんは日本で一番修学旅行に行ってる女だよ!
キヨミ:3回しか経験無いよ!日本一は恐らく旅行会社の人だよ!!
翔太郎:あぁ、もう埒があかねえ!いいよ、俺達は俺達で砂漠のくだりやってるから!ぷいっ!
みるく:じゃあ私達は私達で修学旅行の夜やってるよ!ぷいっ!
キヨミ:……えっ、ちょっと待って!?私はどっちについていけばいいの!?
2人とも自分のくだりに私が必要不可欠みたいになってるけど、私の体は1つしか無いからね!?
翔太郎:おいおいキヨミ何やってんだ、早くラクダに乗れよ。
キヨミ:勝手に漫才コント始まった!導入が雑!
みるく:キヨミちゃーん、なーに壁に向かって話してるのー?恋バナしようよーっ。
キヨミ:挟まれた!!砂漠と旅館に挟まれたこの空間は一体何なの!?そして翔太郎は壁なの!?
翔太郎:ラクダが疲れるまでにオアシスを見つけたいからな。
ラクダが疲れたら動かなくなるのはお足っす、なんてな!ガハッ!
キヨミ:こっちの漫才滑り芸だ!嫌だ、絶対怪我する!実際の砂漠とは比べ物にならない怪我をする!
みるく:ねぇねぇキヨミちゃんの好きな人って誰?私の好きな人は、一つ目小僧君なんだけど……。
キヨミ:こっちはシュールだ!正統派トリオ漫才やろうよ、気をてらわず堅実に笑いを取ろうよ!
翔太郎:さぁ早く来いよ、ラクダに乗った方が楽だ、なんてな!ガハッ!
みるく:本当に一つ目小僧君が好きなの、一つ目小僧君に目がないの!
キヨミ:ええぇぇぇぇぇ……これ、選ばなきゃならないの……?何この苦行……。
私は1つのシチュエーションの中でテンポよくボケとツッコミが交差する漫才がしたいのに……。
翔太郎:(ラクダの尻を叩くようなパントマイムをしながらワクワク)
みるく:(うつぶせになって両手を顎の下に当てながらワクワク)
キヨミ:思い思いのアピールをするな!瞳をキラキラと輝かせるな!!
じゃ、じゃあ……とりあえずだよ?とりあえず……旅館で……。
みるく:ぃよっしゃーい!! だよねーだよねー、砂漠のラクダより奈良の鹿だよねー!
キヨミ:そういう観点から決めたわけじゃないんだけど!まだガハッよりはマシだと思っただけで!
翔太郎:……キヨミ、今のお前の判断により一頭のラクダがこの世を去ったぞ……。
キヨミ:だから怖いよ!そうやってやたらと死をほのめかすのも落選理由だからね!?
みるく:そんなことより恋バナ恋バナー!誰が好きなのー!?ぬらりひょん先輩ーっ!?
キヨミ:ちょっと待って、まずは設定を把握させて!?まさに話はそれからだ!
みるく:あっ、私が一つ目小僧君が好きだってことは誰にも言わないでよーっ!?
口が裂けても言わないで、あっ、ゴメンゴメン、キヨミちゃんはもう口が裂けてたね!
キヨミ:あ、私口裂け女なんだ!?あれかな!?妖怪学園の修学旅行ってことかな!?
オッケー設定は把握した!よーし、ツッコむぞーっ!!
翔太郎:するとその時京都に巨大隕石が落下!!京都の街は一瞬にして砂漠と化した!
キヨミ:砂漠が乱入してきやがった!!諦めが悪いし超展開すぎるし!!
みるく:そんな、いきなり何を言って……ま、街が砂に埋もれてる!?
キヨミ:ノった!!ここにきて砂漠と修学旅行が1つになった!!
みるく:ちょっと、キヨミちゃんは私と修学旅行を楽しんでたんだよ!?急に京都を滅ぼすなんて……。
翔太郎:臨・兵・なん・とか!砂塵と化せ、妖怪よ!!ブバシャぁぁぁぁぁっ!!
みるく:ギャァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!サラサラサラサラ……。
キヨミ:祓っちゃった!!さっきまで恋バナしてたクラスメートが謎の陰陽師に祓われちゃった!!
翔太郎:ふぅ……困ったもんだぜ。ほらキヨミ、早くラクダに乗れよ。行くぞ。
キヨミ:アンタが困ったもんだよ!!選ばれなかったんだから隅っこで見ててよ!
翔太郎:そう言うなよ、砂漠にいるからこそ俺は妖怪を裁く、なんてな!ガハッ!
キヨミ:その芸風なんとかならない!?さっきまでみるくを滅したとは思えない軽さ!
翔太郎:そんなことより大変だ、ラクダが弱ってきた!畜生、この日照りさえ無ければ……!!
キヨミ:グイグイ行くね!?力業で乗り切ろうとしすぎだよ!
もう仕方ない、滑り芸を笑いに変えるのもツッコミの仕事だ!腕が鳴るーっ!
みるく:せんせーっ、男子がキヨミちゃん連れて外に出てまーす!
キヨミ:修学旅行が戻ってきた!先生連れて戻ってきた!
翔太郎:くっ、まだ生きていやがったか妖怪め!!しぶとい奴だぜ!
みるく:フフフ……全国の学生が修学旅行への思いを捨てない限り、私は何度でも蘇る……!!
翔太郎:本性を表したな妖怪修学旅行女!貴様はこの俺、ラクダに乗った陰陽師・翔太郎が滅してくれるわ!!
みるく:笑わせるな脆弱な人間如きがぁぁぁぁぁっ!!牙とか翼が飛び出てキシャァァァァァっ!!!
キヨミ:あれ!?何でいつの間にか妖怪退治ネタになってるの!?何故第3の選択肢が!?
翔太郎:くっ、強い!だが師匠の仇を討たなくては!頼むキヨミ、援護してくれ!!
みるく:人間なぞに負けるかぁぁぁぁぁっ!!キヨミちゃん、手伝って!!
キヨミ:やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!仲良くしろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!
翔太郎:ちょっ、いきなりデカい声出すなよ、ラクダの体調に障るだろうが。
みるく:そうだよ、もう消灯時間過ぎてるんだから、閻魔大王先生に叱られちゃう……。
キヨミ:今更砂漠と修学旅行に戻したところでなんだってんだぁぁぁぁぁっ!!
ねぇ、ちゃんと1つの設定でやろうよ!何で仲間同士で争わなければならないの!?
こういうところで1つになれないから戦争は無くならないんだぁぁぁぁぁっ!!!
翔太郎:……キヨミ……まさか漫才から世界平和の話にまで飛躍するとは……。
みるく:……ハシャギすぎちゃった……ゴメンね、口裂け女ちゃん……。
キヨミ:確かにそういう設定だったけどさ……だからさ、ちゃんと設定纏めて漫才やろうよ……。
こんなバラバラじゃダメだよ、ひとつになろう、血華美人は愛の華……!!
翔太郎:キヨミがスローガンみたいなこと言い出したらよっぽどだぜ……!!
みるく:そうだね……こんなとこでワーだのキャーだの言ってないで、ひとつにならなきゃ……!!
キヨミ:2人とも……わかってくれた……!?
みるく:うん、じゃあ改めて漫才やり直そう!!じゃあ私が修学旅行生やるから!!
翔太郎:俺は砂漠に立つ旅館の主人で、キヨミはそこに古くから住む妖怪な!
キヨミ:設定をひとつに纏めるな!いいかげんにして!!
三 人:どうもありがとうございました!
X子:ありがとうございました。
いやぁ、さすが決勝連続出場の有機丸アポロを押しのけて決勝にあがってきたトリオだけありますね。
Y美:果たして審査員の方々の反応はどんなものなのでしょうか!?
まず、槍沢 雑さん、いかがでしょうか?
・二つの設定を同時進行で展開してリンクさせるトリオ漫才のスタイルは前例がなくもないのですが、ここまで完成度が高いのは見たことがないです。
完全にコントに入りきるのではなく、あくまでも漫才の体を崩していないことと二人の出す設定と芸風が両極端なのが、
キヨミの悪戦苦闘をより際立ていて面白かったです。
そのキヨミのツッコミも、捻ったフレーズの面白さで笑わせるだけでなく、自然な形での状況説明になっていたのも素晴らしい。
対立構造が徐々に強くなっていき盛り上がってきたところで、後半からは予想外の展開に飛ぶことで、
さらなる山場が出来ていて最後までダレる瞬間が無く、見返せば見返すほど完成度の高さに圧倒されました。
X子:おおー…これまた絶賛のコメントが来ましたね。
Y美:続きまして、qqqさんはいかがでしょう?
・2人が対立して、残り1人が板ばさみになってしまう構図を扱った漫才コントをあまり見かけた事が無いので、魅力的でした。
中盤から後半にかけて展開するスピードの上げ方も巧くて、シチュエーションが歪に重なり始めた辺りから一気に面白くなりました。
あえて言わせて頂くとすれば、序盤でもっとバシっと掴まれる要素があったら、尚良かったです。
X子:なるほど。構成・展開ともに良かったわよね。
Y美:では最後、Jack of Frostさん、いかがでしょうか?
・決勝ネタ9組を見る前に他の参加者の方々のネタを全員分見ましたが、
何組かで述べられていた3人以上の登場人物の区別に関しては、まさにお手本の様に書き分けられていた気がします。
ツッコミ気質…というかツッコミのキヨミと、明るいみるくと暗めの翔太郎がボケ、としっかりと状況把握をして読むことができました。
ボケに関しては概念をやらせるあたりとか好きで、うまく2つの話を少しずつ進めつつ最終的にはまとめていた気がします。
贅沢をいえば、2つの話を混ぜていたので、各々の話があまり展開できていなかったのが気になるところではありますが。
あとは部分的になりますが、せっかくツッコむことに粋がっていたキヨミが、翔太郎がせっかくボケた、
【翔太郎:臨・兵・なん・とか!砂塵と化せ、妖怪よ!!ブバシャぁぁぁぁぁっ!!】
に対して、
【キヨミ:祓っちゃった!!さっきまで恋バナしてたクラスメートが謎の陰陽師に祓われちゃった!!】
とスルーしてしまっていたのが、ちょっと残念でした。
「呪文もうろ覚えの陰陽師」とかにした方がいいですかね?
ラクダ・砂漠ネタと、修学旅行と見せかけた妖怪ネタがうまく織り交ぜられていて楽しめました!
X子:なるほど。ありがとうございました。
Y美:決勝審査員3名のコメントをいただきました。
予選審査員の方々の評価も気になるところですね・・・
X子:さて、どんどん参りましょう。
Y美:はい、7組目はこの方たちです!
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エントリーNo.058
たいまつぎょうれつ
桃太郎
中武:どうも―!たいまつぎょうれつです!よろしくお願いしまーす。
坂田:頑張っていきましょう。実はですね、僕最近桃太郎にハマってるんですよ。
中武:そうなの?今時桃太郎にハマる大人もいないと思うけど。
坂田:そこでですね、僕が新しく桃太郎を作ってきたんですよ。
この話を本にして大量に土に埋めて、500年後には僕が本当の桃太郎の作者として名を馳せるという計画がありましてね。
そして本が当たり前のように売れて印税がっぽがっぽ。これで僕の老後も安泰ですよ。
中武:老後も何も、500年後にはお前死んでるからね!?その浅はかな計画が成功したとしても、金もらうのはお前の子孫だからね!?
坂田:いやあ、俺はどの子孫よりも生きながらえるから。フコイダン飲んでるからねフコイダン。
中武:ただの健康志向のおっさんだよお前は。まあいいや、その新しい桃太郎とやらを読んでみてよ。
坂田:では行きますよ。「桃太郎とワイシャツと私」
中武:平松愛理か!「私」は誰だよ「私」は!
坂田:「昔々、あるところに黒魔導師とバーサーカーが住んでいました。」
中武:うん、絶対日本国内じゃないよね!あるところって!
坂田:「黒魔導師は村人を生贄に」
中武:何かやばいもん生み出そうとしてるよね!?
坂田:「バーサーカーは川へ洗濯に行きました。」
中武:素直だなバーサーカー!絶対そこまで狂ってないだろこいつ!
坂田:「バーサーカーが川へ拝み洗いで洗濯をしていると、」
中武:丁寧な洗濯だよ。
坂田:「衣類を傷つけないやわらかいタイプのたわしで洗濯をしていると、」
中武:性根が良すぎだよ。
坂田:「シミにレモン汁をつけてトン、トン、トンと優しいリズムで叩いていると、」
中武:もうわかったよ!!バーサーカーの優しさは痛いほど伝わったから先へ進め!!
坂田:「川上から大きなジェイク・シマブクロがデンデケデンデデンデケデンデデンデケデンデ」
中武:なんでウクレレ奏者が流れてきてんだよ!!しかも軽快にリズムを奏でながら!!
坂田:「溺れました。」
中武:助けてやれよバーサーカー!!そこでかすかに本質出すなよ!!
坂田:「すると今度は、川上から大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこ。」
中武:うんうん、桃太郎さながらだね。
坂田:「浮きました。」
中武:何で!?
坂田:「桃はどんどんと上空に浮かび、最後には爆発してしまいました。
バーサーカーの耳にはかすかに『悟空ーーーーーーーッ!!!』という声が聞こえたような気がしました。」
中武:クリリン!!絶対中にクリリンいただろ!!で、どっかにフリーザいるだろ!!
坂田:「バーサーカーがベンジンを片手に落ちない汚れと真剣に戦っていると、」
中武:もう少し周りを見ろバーサーカー!!何でそこだけ狂戦士気取りだ!!
坂田:「たんぽぽ農場を経営しているおっさんが、赤ん坊を抱えて話しかけてきました。」
中武:明日の光をつかめか!!なんで渡辺いっけいがしゃしゃり出てきてんだ!!
坂田:「おっさんは言いました。
『うちじゃこの子は養っていけないんだ。本当は、たんぽぽ農場で育てたかったんだけど・・・。
頼む、お前が育てていってくれ。お前ならできるはずだ。俺が育てた、お前なら・・・。』と。」
中武:バーサーカーたんぽぽ農場出身かよ!!更生したんだったらその肩書き早く外せ!!
坂田:「バーサーカーはこくりとうなずき、その赤ん坊を引き取りました。」
中武:ずいぶん重い赤ん坊の授かり方だなぁおい。
坂田:「バーサーカーが赤ん坊と洗濯物とウクレレを抱えて家に帰ると、」
中武:ちゃっかりジェイクのパクってんじゃねえか!!
坂田:「黒魔導師が深刻そうな顔をして座っていました。後ろでは暗黒神ゴルゴンがお茶を淹れています。」
中武:生み出したやつをさっそくパシらせてるよこいつ!!しかも高名そう!!
坂田:「黒魔導師は言いました。
『あのさ、俺今簿記関係の職業訓練校通ってんじゃん?俺給付金の対象者だから毎月10万もらえるんだけど、それだけじゃ厳しいんだよね。
だからさ、鬼ヶ島まで鬼退治に行ってきてくんない?』」
中武:さっきから背景が生々しいわ!!もうちょっと夢を持たせろ夢を!!てか黒魔導師も魔術あんならそれ使って稼げ!!
坂田:「『このゴルゴンにも働かせるからさ。な?』黒魔導師がそう言うと、ゴルゴンは嬉々として語りはじめました。
『このチラシ見てくださいよ!!パーラーで時給1800円ですよ!?これは稼げますよ〜。やっぱり時代は登録派遣ですよねー。
大体週2,3日くらいで一日3時間ってところで働きましょうかね。あ、ライトワークはだるいし時給安いから断りつつ。』」
中武:絶対高名じゃねえよこいつ!!暗黒と言えど神を騙るなお前は!!
坂田:「すると黒魔導師は、バーサーカーが抱いている赤ちゃんに気付きました。
『あれ?なんだその赤ん坊・・・・・・あ、忘れてた!!今日「CRはじめて記念日」が新台入替で出る日じゃねえか!!
よっしゃ、一儲けしてくるぜ!!』黒魔導師は嬉々としてパーラーへ向かいました。」
中武:死んでしまえこのゴミ魔導師!!しかもフジの5分番組が何でパチンコになってんだ!!
坂田:「一方のバーサーカーは、おんぶひもで赤ん坊を背負い、地図と通帳とハンコをカバンに入れ、作り置きのきび団子を腰につけました。」
中武:なんでだろう。バーサーカーの素朴な行動に泣けてくるんだけど。
坂田:「そして家を出る前にゴルゴンの方を見てみると、履歴書作成12枚目の挑戦に突入していました。」
中武:どんだけ履歴書書くの下手なんだよ暗黒神!!
坂田:「『あ〜〜〜〜っ、めんどくせぇ!!大体履歴書なんていらねえだろ!!訪問してやるからまず金よこせっての!!ギャハハ!!』
そう叫ぶゴルゴンにテンプルに来たバーサーカーは、ウクレレをゴルゴンのケツにぶち込んでから家を後にしました。」
中武:うん、ジェイクには悪いけどその行動正解。
坂田:「バーサーカーはまっすぐな目を前に向けたまま、勇みの良い足取りで前を歩いていきます。
もう自分のためだけに生きていくのではない。彼女には、守るものがあるのです。」
中武:・・・バーサーカーって女なの!?そりゃ女性らしい行動だったけどさ!!
坂田:「たまにデスビームが飛んで頬をかすめますが、まったくひるまずに歩き続けます。」
中武:まだどっかにフリーザいるだろ!!なんで隠密に行動してんだ!!
坂田:いや、ほらさ、著作権は鳥山先生にあるからさ、堂々と出せなくてさ・・・。
中武:いや、そもそも出す必要がねえからその気遣いいらねえよ!!
言っとくけど、さっきから桃太郎の要素が微々たるもんしかねえからな!?ちゃんと『桃太郎』を話してくれ。
坂田:「すると、前の方から一匹の犬が歩いてきました。」
中武:そうそう。そういうのだよ。
坂田:「そして、歌いながら話しかけてきました。『もーもたろさん、ももたろさん、おこしにつけたきびだんご、ひとつわたしにくださいな♪』」
中武:いや間違ってるよ!バーサーカーだからねそいつ!
坂田:「すると、一人の男が割って入ってきました。
『あー、ダメダメ!犬くん、君発声が全然なっていないよ!もっと腹から声を出して、のびやかに!』『は、はい!すみませんプロデューサー!』」
中武:音楽プロデューサー入ってきた!?何のレッスンしてんだよ道端で!!
坂田:「『いいかい?歌って言うのは最初からしっかり声が出ているかが重要なんだ!「もーもたろ」の部分でしっかり声量を出し、ビブラートを効かせる!そこが一番大事だ!』」
中武:まず名前を間違えてることを指摘しろ!!バーサーカーにとっちゃそこが一番大事だよ!!
坂田:「レッスンを続ける二人を背に、バーサーカーは再び歩みを進めました。」
中武:結局仲間にしないのかよ!!まあ、歌える犬なんて役に立たなそうだけどさ。
坂田:「すると今度は、前から猿が歩いてきました。」
中武:うんうん。
坂田:「猿は言いました。『タフの締め切りが間に合わない!頼む!短期でいいからアシスタントになってくれないか!?』」
中武:猿って猿渡哲也先生かよ!!間に合わないんだったら外歩いてないで机に向かえ!!
坂田:「『机に向かえ』という中武のアドバイスを受けて、猿渡先生は仕事場へ帰っていきました。」
中武:俺を物語に組み込むな!!読者の立場で物言いしたんだよ俺は!!
坂田:「バーサーカーは再び歩き始めました。すると、急に腰が痛くなりました。キジキジと、キジキジと痛くなりました。
でもすぐに痛みは治まりました。そして再び歩き始めました。」
中武:待て待て!!まさかそれでキジが出たことにしたわけじゃねえだろうな!?
坂田:「朝丘雪路あさおかゆきじあさおかゆキジ。そして、再び歩き始めました。」
中武:だから扱いが粗雑を極めてんだよ!!キジが浮かばれねえよ!!
坂田:「すると今度はデスボールが頬をかすめました。デスボールはそのまま前を歩いてた桃太郎とワイシャツと私に直撃し吹っ飛びました。」
中武:タイトルの扱いすらおざなりじゃねえか!!フリーザの暴走の被害者かい桃太郎!!・・・そして「私」って誰じゃぁぁぁ!!
坂田:「そしてついにバーサーカーは鬼ヶ島にたどり着きました。」
中武:いよいよ終盤だね。
坂田:「バーサーカーは鬼退治申込書と宝物類受取証明書を握りしめて玄関をくぐりました。」
中武:何その書類!?
坂田:「そして、鬼の前に立ちはだかりました。すると鬼はこう話しかけました。
『いらっしゃいませ。どういったご用件でしょうか?あ、鬼退治と宝の引き取りの方ですね。
では書類の方を預からせていただきます。書類確認処理が済むまでそちらの方で腰かけてお待ちくださいませ。』」
中武:銀行か!!なんでそんな事務的な対応してんだ!!
坂田:「ところが鬼は、『ここでいきなり俺がボスであることをバラして相手をビビらせる・・・と。』と、
退治要請者対応マニュアルを確認した後に、『俺がボスだぁ!!覚悟しろぉ!!』と叫びました。」
中武:マニュアル人間!!つまんねぇ人生歩んでる鬼だな!!
坂田:「すると、赤ん坊の体に大きな変化が起きました。
急に体が膨れ上がり、筋肉がボコボコと飛び出し、目玉がラクロスのボールに変わり、口から大量の木村太郎プロマイドを吐き出し、ボスを精神的に追い詰めて退治しました。」
中武:お前の方がバーサーカーじゃねえか!!赤ん坊はもう少しマニュアル通りであれ!!
坂田:「こうしてボスを退治したバーサーカーは、たくさんの宝とマークXを手に入れて、帰路につきました。」
中武:地味にいい車手に入れてる!!
坂田:「道中、車の中でバーサーカーはこう思いました。たんぽぽ農園のおっさんに託されたこの子を大事にしようと。
そして、安藤優子と境鶴丸のプロマイドを吐き続けてる愛しいこの子に、いい名前を付けてあげようと。」
中武:なんでそいつはスーパーニュースを網羅してんだ!!でもまあ、なんだかいい展開ですねぇ。
坂田:「そして、名前を決めたバーサーカーはゆっくりと寡黙だった口を開きました・・・。
『・・・から揚げの試食狙っ太郎。』
あまりのダサさに首と陰部がもげました。めでたしめでたし。」
中武:どんなオチだ!!お前はフコイダンの効き目むなしく昇・天ッ!!!!!
二人:どうもありがとうございました―。
X子:ありがとうございました。
いやはや、決勝の常連だけあって、さすが!のネタでしたね。
Y美:FANさん、いかがでしょうか?
・おもしろかったです。
桃太郎の原型ぶち壊しですけど、ボケが予想外のところからことごとく飛んでくるのがね、さすがやなぁと。
出てくる固有名詞が絶妙というか…正直知らないの多いんですけどおもしろかったです。知らないのは僕の知識不足もあるかもしれないすいません。
X子:なるほどなるほど。
Y美:続きまして、Jack of Frostさんはいかがでしょう?
・ありきたりな桃太郎という設定ですが、物語の流れに沿いつつ、バーサーカーなどでうまく崩していっていると思いました。
バーサーカーが優しかったり、女性だったりと意表を突かれたボケで楽しめましたが、
ツッコミでところどころ気になるものがありました。
例えば、
【坂田:「溺れました。」
中武:助けてやれよバーサーカー!!そこでかすかに本質出すなよ!!】
に対しては、本来「溺れて」いるところを見て助けに向かうのであって、
ここでバーサーカーが助けないと決めつけてしまう(結局助けはしないんですが)のに違和感を感じたりだとか、
【中武:タイトルの扱いすらおざなりじゃねえか!!フリーザの暴走の被害者かい桃太郎!!・・・そして「私」って誰じゃぁぁぁ!!】
と熱くなっている割に、次の行で、
【中武:いよいよ終盤だね。】
というのも、少し簡単に落ち着きすぎかなーと思いました。
ただ最初に書きましたが、ありきたりなストーリー展開を軸に起きつつも、それを崩す展開はやはりうまいと思いました!
X子:そうね、おばあさん役のバーサーカーのキャラはなかなか良かったわね。
Y美:では最後、槍沢 雑さん、いかがでしょうか?
・桃太郎という使い古された素材とセオリー通りの流れが、斬新なフレーズセンスがあるだけでこうも面白くなるのかと衝撃的でした。
桃太郎というフリから黒魔道師とバーサーカーというギャップのあるフレーズがまず出てきて、
その後に生活臭いのある行動をディティール細かく描いてバーサーカーとのギャップが生まれて…
…と常にこちらの予想を覆し続けてくるのが、刺激的で面白かったです。
出てくる固有名詞がマニアックなところをついたものばかりなのでハマる個所とそうでない箇所との差が激しいのと、
キジとタイトル扱いが雑というくだりが、キジの扱いを雑にする理由がないので展開が唐突に見えたのと、
「タイトルにある桃太郎でも私でもないんなら、こいつらの話なんなんだよ」という疑問を放置されたまま進んだのが据わりが悪く感じられたのが惜しいですが、
それ以外は文句なく面白かったです。
このネタを読んで、実力のある人がその気になりさえすれば、どんなベタな題材からでも新鮮な笑いを作り出せる。
笑いの鉱脈は尽きる事が無いんだと希望が持てました。本当に面白かったです。
X子:なるほど。ネタの面白い点について数行書くことがあるということは、それだけすごいネタなのかもしれません。
Y美:さて、次に参りましょう。
X個:8組目はこの方たちです!
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エントリーNo.054
安物鬼(覆面付き)
力自慢
鬼:頼む、俺を縛ってくれ。
禿:はいどうも安物鬼です。よろしくお願いします。
鬼:かなり太い糸で縛ってくれ。
禿:太かったら糸じゃなくてロープっていうんだよ!糸しかないのでそれで縛りますよ(グルグルグル巻き)
はい、縛りました。糸でぐるぐる巻きです。
鬼:おりゃあああ(ブチブチブチィ)
禿:せっかく縛ったのに!!お前何がしたいんだよ!?
鬼:いや筋肉自慢と言いますか、マッスルさをアピールしたいんですよ。マッスリズム。
禿:だったらさっきも細い糸なんかでなくロープで縛られろや!!
糸なんかじゃ力強さなんて全然伝わってこねえよ!
鬼:ロープは太いから締め付けられる面が広がって血行が悪くなる。
結構血行が悪くなる。
禿:やかましいわ!!それじゃあ細くて丈夫なタコ糸で縛ってやろうか!
鬼:ちょっとちょっと、俺のことをボンレスハムと言いやがって。
禿:そこまでは言ってねえよ!!
ただしょっぼい糸をブチブチしただけじゃ力自慢にはならねえってこと!
鬼:ていうかそういう形で力自慢したいわけじゃないんだよね。ごくフツーにしたいわけ。
例えば街へピチピチのTシャツ着ていったとするじゃん?
禿:既に不自然。
鬼:そんでどこでもいいから、そうだなあ・・・交差点で信号待ちしてたとする。
そしていきなりピチTがビリビリになる。どう?
禿:いや過程がまったくわからねえよ!!説明を。
鬼:よく映画やマンガでマッチョがTシャツ破いて登場するじゃん?あれをイメージしてもらえば。
横断歩道待ちしている俺がちょっとリキんだせいでTシャツがビリビリに裂けるんだよ。
禿:よっぽど弱い生地のTシャツだったんだな。いやでもビリビリに裂けるなんてことはねえよ!!
せいぜい脇とかビビッてほつれるくらいじゃねえの?
鬼:脇が破れるとかお前、今は手作りノースリーブの話をしているんじゃないぞ。
禿:わかってるよ!!わかったうえで最大限の考慮を加えた提案をしたってのに!!
そうじゃなくてTシャツをごく自然にビリビリ破くことは実際に可能なのかって聞いてんだよ!!
鬼:そりゃ家で少しは切れ込みを入れるさ。
禿:このエセマッチョめ!!結局誰でも出来る方法じゃねえか!!
鬼:いや誰だってできることではないぞ。街へピチT着ていけるか?
禿:そっち!?羞恥心の問題かよ筋肉関係ねえ!!
鬼:横断歩道でTシャツをビリビリに裂いてそのまま落っことして道行く女性に「落としましたよ」って声かけられたらどうしよう。
付き合っちゃうぞオイ。
禿:いや誰も気味悪がって拾わねえよ!!そして万が一に拾ってもらっても交際には至らねえわ!!
鬼:じゃあシチュエーションを変えて、洋服屋でSSサイズのTシャツを試着すんの。
禿:破く気マンマンじゃねえか!!
鬼:そして試着室でボロクソに裂いた後、女性店員を呼んで「すみませんボロキレになっちゃいました・・・」「いや気にしないでください」
付き合っちゃうぞゥオイ!!
禿:まずは弁償だろうがよ!!ちょっと破けたくらいならまだしもボロクソに裂いたら悪意あるよ!警察呼ばれるぞ!
鬼:いや悪いのは俺じゃなく、俺の筋肉なんだ。
禿:制御するのはお前だよ!!
・・・なんかこう、もっと自然にできないの?
鬼:じゃあ視点を180°変えて、Tシャツじゃなくジーンズで行こう。
禿:2、3°しか変わってねえよ!!お前の中で力自慢=洋服を裂くっていう式でもあんの!?
鬼:下はジーンズ、上はアーミーベルトで街へ行くとする。
禿:ワイルドだけど明らかに変質者!!さっきよりも警察に捕まるの早そう!!
アーミーベルト外せよ。
鬼:んじゃあジーンズのみで街へ行くことにしますか。
禿:アーミーベルト外したうえで何か着ろってんだ!!乳首丸見えだコノヤロウ!!
鬼:黒ずんだ乳首がたれぱんだみたいで可愛いだろう?
禿:また懐かしいものを!!・・・とにかく上にはTシャツ着ていけよ!
鬼:ピチT?
禿:ゆったりしたの着ろ!!てかずっと言おうと思ってたけどピチピチのTシャツをピチTって略するのなんか嫌!!
鬼:ピチT当たるよ。
禿:むしろハズレだ馬鹿野郎。
鬼:んでどこか街へくり出して、そうだなあ・・・交差点で信号待ちしてたとする。
禿:毎回毎回なんで交差点で服を破くんだよ!!なんか交差点に恨みあんのか!?
鬼:前、交差点で立ちションしてたら信号待ちの車に見られた。頭にくる!!
禿:100パーお前に過失があるよ!!そして見ちゃったほうも絶対頭に来てるよ!!
そんで交差点で待っているときにどうやって自然と裂くわけ?
鬼:信号待ちしてるときにもトレーニングしなきゃいけないから自然と体を動かすわけよ。
禿:ならトレーニングウェアを着てこいって話だけども。
鬼:そのときに屈伸して尻のとこがビリビリ裂ける!どう?
禿:どう?じゃねえよ!!めちゃくちゃカッコ悪いよ!!
日常でもたまに見かけるし自然だけど、自然の汚さがあるよ!!
鬼:コンボが決まれば下に穿いてるブリーフも裂ける!どう?どう?
禿:およそ不審者だったのが完全な不審者になるわ!!尻を露出させるんじゃねえよ!!
鬼:大丈夫、ブリーフの下にももひき穿いてる。
禿:逆じゃねえか!?タイツ類はパンツの上に穿けよ!!
鬼:まあ3コンボ決まればそれも関係なくなるわけだけども。どう?どう?どう?
禿:どう?を重ねるんじゃねえよ!!そしてどっちにせよジーンズ・パンツ・ももひきを破ったところでダサいマッチョアピールに変わりねえわ!!
鬼:んじゃあシチュエーションを変えて・・・洋服屋もといアメリカ屋でジーンズを試着したとする。
禿:そこは別に洋服屋でいいじゃねえか!!アメリカ屋は確かにジーンズがウリだけども!
鬼:そんでタイトジーンズを試着。
禿:やっぱ破く気マンマンなんだよな!!
鬼:試着室でボロクソに裂いた後、店員さんに「このダメージジーンズやっぱ要りません」
禿:バレるよ!!ボロボロのジーンズ見たら店員納得しねえよ!!もはやオーバーキルジーンズだよ!!
鬼:いや、オーバーを着る話ではなくてジーンズの話をしているんだが・・・
禿:わかってるよ!!ちょっとした抑揚をつけただけだってのに!!
鬼:そうだ、ジーンズを真っ二つに裂けばレッグウォーマーに。
禿:ならねえよ!!通気性悪ぃなオイ!!
鬼:うーん、やっぱり力自慢は難しいなあ・・・
禿:そんなの土建バイトとかすりゃいいだけじゃ。
鬼:そっか!・・・でも丈夫なツナギを裂くのはなかなか難しそう。
禿:そういうことじゃねえよ!!普通に力仕事をすれば力自慢にもなるんじゃねえかってことだよ!!
鬼:なるほどその手があったか盲点だった。
禿:盲点というかお前の視野が盲目的なんだよ!!
結局今までのやりとり全部ふいになったじゃねえか。
鬼:服を裂かずに時間を割いたということで。
禿:うっせえ!うっせえ!もう結構!!
X子:ありがとうございました。
いやはや、このコンビも3回連続で決勝進出ですか。
Y美:スリーオールさん、いかがでしょうか?
・僕の中で安物鬼=○○リズム みたいな印象があります(マッスリズムとか)。
それはいいとして、一貫した破くボケなのですが、飽きるどころかどんどん面白くなっていく感じでした。
何気ないボケですが女性に「落としましたよ」って声をかけられるくだりが好きです。
あえて言うとすればツッコミが最初から飛ばしすぎな印象を受けました。
X子:なるほどなるほど、なるほリズム。
Y美:・・・お姉ちゃんは安物鬼じゃないでしょう。
では、Jack of Frostさんはいかがでしょう?
・力自慢の話から、交差点や試着の話を織り交ぜ、綺麗な展開でうまくまとまっていた印象でした。
中盤以降は安定していたのですが、最初のツカミに関して、
初っ端で「縛ってくれ」というフレーズに対して、不審がらずに付き合ってあげてるのが少し変かなーと思いました。
あしらうなら「はーい、じゃあちゃっちゃと縛って放置しちゃいましょうかねー」とか、
ツッコむなら、「そもそも第一声が「縛ってくれ」ってなんだよ!」とか。(例が平凡かつ下手ですみません。)
「太い糸」にはツッコむものの、その変な状況には乗っかるという状況が気になりました。
パンツとモモヒキのくだりとか、羞恥心のところとか、3°くらいしか変わっていないところとか、面白いボケがあって楽しめましたが、
うまくまとまり過ぎていた反面、決勝になると「個性的」という面で埋もれてしまった感があります。
(自分にも大いにあてはまるところで、大変おこがましいのですが!)
全体的には、話を展開させつつ的確なツッコミをいれる流れで面白かったです!
X子:なるほ…リズム。
Y美:まだハマってるの!?
…では、FANさん、いかがでしょうか?
・いや、細い糸引きちぎるのも十分すごくね?それはそれとして。
おもしろかったです。絵が浮かぶおもしろさ。
あとはおもしろさ度合いで点数をつける感じで勘弁してください。特に指摘するとこのないネタのがジャジペ書きにくいなぁ。
X子:……リズム!
Y美:お姉ちゃん!!お姉ちゃんは何か指摘して!!
もう、何で終盤になって突然ボケはじめちゃったりするのかしら・・・
X子:では次、ラストです。
Y美:9組目はこの方たちです!
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エントリーNo.041
大浦崎
+チック
坂木:どうもトリオ漫才大浦崎と申します。
最近思うんですけど、ポジティブに生きていくのは凄く大切だと思うんですよ。
明星:と言いますと?
坂木:例えば、悪い事が身に起こったとするやん。
それに対して○○よりマシと考えれば気持ちが楽になると思うんよ。
明星:それはどういう意味で?
谷沢:まぁ、坂木が言うてた事を俺が説明したるわ。
例えば自分が死んだとするやん。
坂木:話聞いてた!?俺、最初に生きていくにあたってって言うたやん!
なんでいきなり死んだ体の話しとんねん!
谷沢:それならお前が話してくれや。
坂木:例えば仮に100円を落として取れないようなスキマに挟まったとするやろ。
明星:うわぁ、俺100円落としたら半年は引きこもるよ。
坂木:メンタル弱いな!
谷沢:まぁ、俺やったらその100円を知り合いにダイナマイトとか使って取ってもらうわ。
坂木:大胆が過ぎるわ!100円にどんだけ精力注いどんねん!
谷沢:ちゃんと報酬5000円払ってな。
坂木:なんでわざわざ損しにいってんねん!
谷沢:違うねん!その知り合いには今年のお年玉渡してなかってん!
坂木:お前の事情は知らん!
明星:ちなみにその知り合いってのは俺です。
坂木:お前かい!相方からお年玉貰っとるヤツ初めて見たわ!
明星:ダイナマイトづくりが趣味で。
坂木:お前が言うとリアル過ぎるわ!
明星:棺桶にはダイナマイト入れて欲しい。
坂木:迷惑極まりないな!
火葬したらお骨もドカーン言うて粉々なるわ!
谷沢:いやいや、お骨だけにボーン言うて粉々になるやろ。
坂木:効果音どうでもええねん!
さっきから全然話進まんからちょっと黙っといて。
明星:はいはい。
坂木:例えば仮に100円落として取れないようなスキマに挟まったとするやろ。
そういう時に「あ、財布じゃなくてよかった」こう思えば気が楽やろ。
谷沢:でも、100円が取れないようなスキマに財布落としても挟まらんと思うねんな。
坂木:そういう細かいダメ出しいらんねん!
明星:まぁ、でもこういう考え方を日頃から出来たらいいかもしれないなぁ。
坂木:せやろ。やからこれから俺がこんな嫌な事が起こったらっていうのを出すから。
お前らはそれをプラスに変換できるようにしてみて。
谷沢:わかったわかった。
坂木:ラーメンに虫が入ってました。さて、どう考える?
明星:あぁーラーメンの中に入ってるのがおじいちゃんじゃ無くて良かった。
坂木:入ってるかそんなもん!
谷沢:待て、この虫おじいちゃん虫やん。
明星:いやァアアアアアアアアェッ!!
坂木:どこで発狂してんねん!
明星:このダイナマイトで器ごと粉々にしてやるわアアアァッ!ドカーン!店半壊ー!!
坂木:パニックになってダイナマイトって!
そんなもんネズミ見かけた時のドラえもんだけで十分や!
谷沢:あのぉ、お客さん。
坂木:なんか店員みたいなの来たで。これは怒られるぞ。
谷沢:へへっ。実は俺もダイナマイト大好きなんや。
坂木:なんで店半壊したのに嬉しそうにしとんねん!
谷沢:店は半壊したけど、ダイナマイト友達が出来て良かったわ。おぅ、これでどうや。
坂木:何が「おぅ、これでどうや。」やねん!
谷沢:きちんとプラスに変換出来てたやろ。
坂木:聖人君子が過ぎるわ!
時にはもっと怒ったり悲しんだりしてもええねんぞ!
明星:どうも聖人君子です。
坂木:お前ちゃうわ!お前ただパニックになって店半壊させただけやないか!
このままじゃラチがあかんから次に移るで。
谷沢:はいはい。
坂木:食べようと思ってたヨーグルトが誰かに食べられてた。さて、どう考える?
明星:うわーPS3食べられなくて良かった。
坂木:誰がPS3なんか食べんねん!
谷沢:PS3食べられなくて良かったってアホか!
坂木:なんやねん急に!
谷沢:こうしてる間にも白アリに家が食われていっとんねや!
昨日建てた家が風呂場以外ほとんど食われてもうたわ!
坂木:白アリの猛威凄すぎるやろ!
明星:これはもうダメだ…。引きこもろう。
坂木:引きこもれるスペース無いやないか!
明星:家がほとんど食われるとかもうダメだ…。
近くの空き地にあるタイムマシーンに引きこもろう。
坂木:過去に行けや!そんなんあるなら過去に行って白アリが絶対食わなさそうな家作ってもらえや!
谷沢:いや、それよりも一番最初の生物が生まれた所をやってしまった方が楽やん。
そしたら、白アリが出て来なくなるやろ。
坂木:そしたらお前らも居なくなんねん!
谷沢:まぁ、タイムマシーンで後悔するよりもこんな考え方をするほうがええかもわからんな。
「白アリさんに高級食品食べさせてあげた」そう思えばな。
坂木:やから聖人君子かって!ここまで来たらもう見習いたくなるわ!
谷沢:ちゃんとポジティブに出来たやろ。
坂木:全然アカンわ!タイムマシーン出てきたりとか設定がメチャクチャすぎんねん。
谷沢:なんやと!ほなら、俺がこんな嫌な事あったら嫌やなっていうの出すから。
お前は見本を見せてみいや。
坂木:望む所や。
谷沢:ほな、家が全焼したという体で。
坂木:お前らさっきから建物メチャクチャにすんの好きやな!
明星:俺のおすそ分けしたダイナマイトのせいで…。
坂木:ダイナマイトのおすそわけってなんやねん!
谷沢:さて、どうする。
坂木:まぁ、でも家族が無事で良かった。
谷沢:全員めっちゃ火被ってたけど。ホンマ家族が全員吸血鬼で良かったな。
坂木:ウチの家庭ヴァンパイア一族ちゃうわ!
まぁ、無事なら良かったけどな。
谷沢:みんな無事だったんで今日は焼き肉やな!
坂木:だいぶ切り替え早いな!
谷沢:さっきの焼き肉はダイナマイトに引火しておじゃんになってしまったからな。仕切り直し。
坂木:焼き肉で家燃えた割にさっぱりしすぎや!トラウマとかないんか!
明星:俺はにんにくのタレで食したい。
坂木:アカンアカン!それ吸血鬼が食うたらアカンやつや!
ってかなんで火事の原因作っといて焼き肉に便乗できんねん!
谷沢:まぁ、今日は家が全焼するという事故があったからな。
二度とこういう事が無いように教会でお祈りしてこよか。
坂木:やからそれも吸血鬼が行ったらアカン場所やねん!
せっかく助かったのに自ら死を選ぶなよ!
谷沢:お前全然出来てへんやんけ。
坂木:お前らがムチャクチャするからやないか!
明星:そんな事言われたらヘコむよ。
坂木:お前らが悪いんやからしょうがないやんけ。
明星:でも、ちょっとポジティブになった気がするよ。
坂木に怒られたけど今度は2年くらいの引きこもりで済みそう。
坂木:引きこもり過ぎや!もうええわ。
X子:ありがとうございました!ラストはこのトリオがきっちり締めてくれました!
Y美:夏草さん、いかがでしょうか?
・谷沢の発言がいちいちツボにはまりました。トリオのお手本
X子:おおー…夏草さんの絶賛来ましたよこれ。
Y美:続きまして、qqqさんはいかがでしょう?
・この計算か天然か分からない良い意味で垢抜けきらない文体が、どこか可笑しさを誘われてしまうこのネタの魅力なのかなと。
「おじいちゃんやPS3」の様なすっ飛んだ発想のボケや、「吸血鬼のくだり」など部分部分では凄く良かったのですが、
登場人物のキャラクターにもう少しメリハリがあれば、もう少しすんなりと読めたのかなと思いました。
X子:なるほど、ありがとうございます。
Y美:では最後、Jack of Frostさん、いかがでしょうか?
・正統寄りのボケの明星とチャチャを入れる感じの谷沢のボケがうまく組み合わされていて面白かったです。
おじいちゃん虫とかPS3食べられるとか、フレーズも合わせた奇抜な言い回しで楽しめましたが、
ところどころ気になったのが、
「吸血鬼一家である」ことは否定しているのに、ニンニク食べたらダメだとツッコんでいたり、
白アリに食われたのが谷沢の家なのに、明星に引きこもるスペースがないってツッコんでいたり、
自然な流れで漫才が進んでいただけに、部分で気になってしまったのも事実です。
それでも3人漫才で、ボケの切り替えしがうまい展開だったと思います!
X子:なるほど、ありがとリズム。
Y美:お 姉 ち ゃ ん ! !
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いよいよ、結果発表!!