X子:さぁ、前半5組のネタ披露が終わりました。

Y美:後半4組に参りましょう。
   6組目、あのお子様が決勝の舞台に再び!



エントリーNo.037

みるくちょこれーと
じんせいせっけい
ユウスケ:どうも、みるくちょこれーとだよ!

ユミ  :ねぇ、ユウくん!ユミ、将来は安定した職業の旦那と子供に囲まれて暮らして行きたいんだけど
     子供の相手って難しいだろうから子供やってくれない?
     断ったらホンマグロでしばくわ!

ユウスケ:ねぇユミちゃん、これってDVって奴なのかな?
     まぁいいけどね、やろっか!
     ユミちゃんがママで僕が子供ね!ピッコロ役は誰がする?

ユミ  :ん〜…今日はピッコロ役は無しの方向で話をすすめるわ!
     じゃあ、よーいスタート!
     …ユウスケ?もう今日は寝なさい、兄弟欲しくないの?

ユウスケ:ん〜、ママが何言ってるかさっぱりわからないや
     それよりママ!右手ってどっちだっけ?

ユミ  :ふふふっ、そんなことも分からないの?
     右手は、明日への栄光、希望、夢をその手につかむための手よ

ユウスケ:ママ、僕そのための手は持ち合わせてないよ
     もっと具体的に教えてよ!

ユミ  :お箸を持つ方の手よ

ユウスケ:箸は足でしか持った事ないから分かんないよ!

ユミ  :…もう、そんなこといいから早く寝なさい!兄弟欲しくないの?

ユウスケ:だから、ママその決まり文句の意味は良く分からないよ!
     ねぇ〜教えてよ〜右手ってどっちなんだよ〜!

ユミ  :早く寝ないとカジキマグロでしばくわよ?

ユウスケ:うわーん!このママ、魚介類で人をしばく癖が出来あがっちゃってるよー!
     分かったよ、もう寝る!
     でも、まだ眠くないから絵本読んでよ!

ユミ  :ん〜…まぁ、いいわよ
     ほら、布団に入りなさい?

ユウスケ:うん!

ユミ  :コホン…「夜の歌舞伎町」

ユウスケ:わあ、寝れる気がしないや!
     もっとほんわかした、物語聞かせてよー!
     それにピッコロが出てきたらパーフェクトだよ!

ユミ  :それ、ドラゴンボール一択よね
     残念だけどドラゴンボールはないから、代わりに似たようなタイトルの絵本を読んであげるわ

ユウスケ:わーい!

ユミ  :コホン…「黄門ジョーク」

ユウスケ:わあ、これまた寝れる気がしないや!
     もう、ベタだけど「浦島太郎」読んでよ!
     「浦島太郎」にフリーザとザーボンとドドリア混ぜてよ!

ユミ  :もう、ドラゴンボール読んだ方が早いと思うんだけど?
     まぁ、いいわ…コホン「浦島太郎」
     昔々、ある浜辺を浦島太郎という少年が歩いていました
     浜辺を歩いていると、カメを少年がカツオでしばいていました

ユウスケ:わあ、魚介類でしばく癖がここにも現れてる!

ユミ  :しかし、カメの甲羅は意外と硬いです
     しばくのに使用していたカツオはもうぎったんぎったんです
     これが、「カツオのたたき」誕生の起源と言われていましたとさ
     めでたしめでたし

ユウスケ:わあ、主人公であるはずの浦島太郎が浜辺歩いただけだ!
     ねぇ、こんな話だったっけ?

ユミ  :フリーザとザーボンとドドリアを混ぜようとしたらこうなったのよ

ユウスケ:へぇ〜まったく混ざって無かったよ
     思ったより短くて寝れなかったから次は「桃太郎」読んでよ!

ユミ  :ふふふっ、いいわよ
     コホン…「桃太郎」
     昔々、ある所にお爺さんとお婆さんが居ました
     お爺さんは山へしばかれに

ユウスケ:お爺さん、多分だけど今頃魚介の被害にあってるんだろうな〜!

ユミ  :お婆さんは川へ洗濯に行きました。
     お婆さんが川で洗濯をしていると、川上からソンブレロ、ソンブレロと桃が流れてきました

ユウスケ:状況が全く意味不明だね!

ユミ  :お婆さんはその桃を家に持ち帰って、お爺さんでしばいてみると

ユウスケ:ついにお爺さんを用いた!

ユミ  :中からそれはそれは元気なフリーザが出てきました

ユウスケ:やったー!ニーズに応えてくれた!!

ユミ  :お婆さんはそのフリーザに「桃ーザ」と名づけました
     やがて、桃ーザはすくすくーザと成長し、やがて立派な大人ーザになりました

ユウスケ:なんでも、「ーザ」って付ければ成立するわけじゃないんだね!

ユミ  :そして、ある日桃ーザはベジータ退治に行くとお婆さんに告げました

ユウスケ:オプションでベジータまで付いてきた!わーい!今夜は祭りだー!!

ユミ  :しかし、お婆さんは桃ーザに無茶をさせたくない一心から、桃ーザをザーボンとドドリアでしばきましたとさ
     めでたしめでたし

ユウスケ:後の二つはすっごく雑な形で応えられた!
     しかも、話進まぬまま終わったのにめでたし扱いだ!
     ねぇ、ユミちゃん。やっぱユミちゃんにはまだママにはなれないんだよ

ユミ  :何がいけなかったというの、ユウくん?
     隙あらば裸エプロンになろうとしてたところ?

ユウスケ:そんなこと隙見てやらないでよ!
     まったく…ユミちゃんにはやっぱりまだ早いんだよ

ユミ  :じゃあ、今度はユミが子供やるからユウくんがパパやってよ!

ユウスケ:えぇ〜…うちのパパ色々歪んでるもん〜…

ユミ  :別に、あのゲスモンスターみたいなのをやれって言ってるわけじゃないのよユウくん
     ユウくんなりにパパやってみてって言ってるの

ユウスケ:うん。分かった!

ユミ  :ねぇ〜パパ〜!
     今日は日曜日だよ!どっかに連れてってよ〜!

ユウスケ:じゃあ、一旦代官山へ行って帰ってきてもう一回代官山行こうか!

ユミ  :その往復には何の意味があるの?
     ねぇ〜そんなとこよりユミ、ペットショップに行きたい!
     
ユウスケ:ペットショップか〜良いよ、じゃあペットショップ行こうか!
     一旦ペットショップへ行って帰ってきて、代官山行こうか!

ユミ  :ねぇ、パパは意地でも代官山に行きたいの?
     代官山はどうでもいいから、単純にペットショップ行こうよ〜!
     行ってくれないと、寒ブリでしばくよ?

ユウスケ:はははっ、事あるごとに魚介類でしばくとこはお母さん似だね!
     分かったよ、じゃあペットショップ行こうか!

ユミ  :わーい!パパありがとうー!ホタテあげるっ!

ユウスケ:ん、ホタテ返しとくね〜
     ほら、出かけるんだから早く準備しなさい、ユミ!

ユミ  :はーい!

ユウスケ:そして、行きますよザーボンさんドドリアさん

ユミ  :そんな楽しそうな所にそんな怖いメンツで行きたくないよ!
     パパと二人で行きたいの!

ユウスケ:…でも、ママに悪いよ!
     今夜、そういう日なんだよ?

ユミ  :…ユミ、パパが何言ってるかよくわかんない
     いいから、二人でいこっ!ねっ!?

ユウスケ:うん、分かった!
     ユミもう準備できたの?

ユミ  :うん!服も着替えたし、髪も整えたしカジキマグロも持ったよ!

ユウスケ:しばく用の魚介類は置いてこうね!

ユミ  :やだ!持っていかせてくれないとこの場でしばく!

ユウスケ:ん〜遅かれ早かれしばかれるのかな!?
     まぁ、いいや。じゃあ行こうか!

ユミ  :うん!

ユウスケ:ところで、ユミはペットショップ行って何が見たいの?

ユミ  :イグアナ!

ユウスケ:イグアナかー!いいね!

ユミ  :パパは何か見たいのある?

ユウスケ:ん〜栃東!

ユミ  :栃東ってペットショップに売ってるの?

ユウスケ:多分、売ってると思うんだよ!
     だって、生き物だよ!?

ユミ  :ん〜ユミはペットショップに売ってる生き物には限界があると思うんだけどな〜

ユウスケ:ほら、そんなことより早く行くよ!

ユミ  :うん!

ユウスケ:…ほら、ユウ君はちゃんとパパになれるのっ!

ユミ  :うん…そうだね!
     ユウくんがパパになってくれたら…嬉しいかも…///

ユウスケ:ユミちゃん…気持ちは嬉しいけど…まだ8歳だから、パパにはなれないと思うよ?

ユミ  :何も、ユミは本当にパパになってほしいって言ってるんじゃないのよ!
     だから…その、ユミをユウくんのお嫁さんにして…?

ユウスケ:ユミちゃん…

ユミ  :ね、お願い…///

ユウスケ:それは、まだ法律上許されないよ!

ユミ  :だから、そういう話じゃないってば!


X子:ありがとうございました。あぁ、カワイイ…おばさん惚れ惚れしちゃうわ///

Y美:おばさんて…確かにお姉ちゃんから見たら14コ下の子だけども…

   それでは審査員の方々からのコメントをいただきたいと思います。
   まずは夏草さん、いかがでしょうか?

 
・お前は、生姜焼き大好きユウスケやないか!
 うまくこの世界観を自分のものにしてる。アホみたいに笑いました。オチは残念。


X子:おお、夏草さんがアホみたいに笑ったそうです!これまた高得点が期待できそうなコメントすね。

Y美:続きまして、六升さんはいかがでしょう?

 
・もうコレ、私が指摘すべきコトなんてほとんど無いんじゃないですかね?
 子供カテゴリのとんでもないキャラ同士で構成して、こんなにぶつかり合わずにあまつさえ相乗効果までをも引き出せてるって、本当に感動するレベルのお話。
 基本的に突拍子もないコトを言っても許容させるようなキャラクターだから、書き手のワードセンスを最大限以上に発揮できてます。
 ボケとツッコミがスクランブルするから繰り返しすら不意打ちに出来てるし、かなり良い構成。
 あとは小技・テクニックの追加があれば満点になるかな、と言うくらい。
 一番面白かった。


X子:おお、「一番面白かった」出ました!これはもしかしたらもしかするのでしょうか!?

Y美:それでは最後に槍沢 雑さん、いかがでしょうか?

 
・両ボケになることでワードセンスをどこまでも押せるからステさんの世界観が炸裂する反面、広がっていくばかりで話に締りがなくなるというデメリットはある。
 ……あるけれど、そんなデメリットが問題ないくらいに広がりつづける世界観が面白い!
 常識や理性というリミッターを限界まで外して書き連ねたかのごときセンスあふれる面白フレーズと、わずかに残った理性をすべて注ぎこんだかのような構成の上手さが組み合わさって、
 用意された笑いどころがことごとくツボをついてきて最高でした!
 いちいち挙げていくときりがないですがどれもこれも秀逸で、右手のくだりや「ーザ」の畳みかけのナンセンスさとか天丼の上手さとかがまあ面れえ!
 「山へしばかれ」なんて化石クラスのボケが「魚介類でしばく」という斬新なボケと組み合わさるからすごく笑った。
 最後の方の栃東なんてただの乱暴なボケなのにこのなにが出てくるかわからない世界に浸っているから、急に栃東が出てくる突飛さにすごく笑える。
 しいて挙げればエロ関係を匂わせたのがそんなにハマらなかったのと、オチが普通のラブコメっぽくなってやや物足りなかったですが、すごく面白かったです。


X子:ほうほう…こちらもかなりの高得点のようですね。

Y美:しかし、あとの4人が何点を付けているのかが分からないのが難しいところ。




Y美:それでは、次のコンビに行きましょう。

X子:続いて、7組目はこのコンビです!



エントリーNo.026

リーベルパウンド
英雄
古城:いやぁ、今更ですけども大学入試って大変でしたね。

氷谷:僕なんか寝坊して試験に遅れそうになりましたからね。

古城:おいおい、マジかよ。

氷谷:でも、そんな時助けてくれたのがセンター試験に間に合うマンなんですよ。

古城:とんでもなくピンポイントなヒーローだな!初耳です!

氷谷:先ず、センター試験に間に合うマンとの馴れ初めを話したいと思いますけども。

古城:今日が結婚式とは聞いてなかったけどな!
   サクサク話を進め過ぎてちょっと置いてかれそうだよ。

氷谷:僕は前日の夜中までダーツの特訓をしてたんですけど。

古城:勉強をしろよ!レジャーに興じるな!

氷谷:それが原因で寝坊しちゃって。
   で、まぁ朝起きたら横にセンター試験に間に合うマンが居て。

古城:馴れ初めって言っただけあって大分エグイとこにいるな!

氷谷:ニッコリとこっちをじーっと見てましたね。

古城:幸せそうに寝顔見てないで起こせよ!
   センター試験に間に合うマンだろ!

氷谷:それで起きて急いで支度したんですよ。
   荷物はセンター試験に間に合うマンに入れて貰って。

古城:手伝うところはちゃんと手伝ってくれるわけだな。

氷谷:いよいよ出発です。

古城:お、出発か。

氷谷:センター試験に間に合うマンが僕の背中に乗りまして。

古城:そいつが乗るの!?てっきりお前がおんぶされる方かと思ってたわ!

氷谷:そして、センター試験に間に合うマンが脱皮。

古城:脱皮!?いくらヒーローとはいえ突然過ぎるわ!

氷谷:背中から翼がグッと出て来まして。

古城:なるほど!その翼で会場まで飛んでいってくれるってワケだな。

氷谷:抜け殻を残しどこかへ飛び去って行きました。

古城:ここまで引っ張って失踪かよ!

氷谷:抜け殻の中には「今日の試験頑張ってね」という書置きが。

古城:書置きだけ残されても!間に合わなかったら頑張るどころじゃねえから!

氷谷:ちょっと興味あって抜け殻の中に籠ってみたんですけど。
   これが結構温かくってしばらく寝てしまいました。

古城:お前も危機感を持て!呑気に寝てる場合じゃないだろ!

氷谷:しばらくして僕が書置きを再び見るとそこにセンター試験に間に合ウーマンの電話番号が!

古城:仲間がいるタイプのヒーローだった!?
   それじゃあ、その間に合ウーマンに頼るしかないな。

氷谷:それを見ていた両親が「今夜は赤飯だ」と言ってました。

古城:確かにモテない息子が電話番号ゲットして嬉しいだろうけども!

氷谷:でも、会った事のない女の人に突然電話をかけるだなんてねぇ。

古城:そんな事言ってる場合じゃないだろ!気持ちはわかるけどさ。

氷谷:まぁ、決心してセンター試験に間に合ウーマンに電話をかけたわけですよ。

古城:意を決して電話したわけだな。

氷谷:もしもし、氷谷と申しますけども。センター試験に間に合うようになんとかして欲しいんですが。
   あ、今日は休暇で秋葉原に行く予定なんですか。

古城:休暇って!1年に2日だけなのにも関わらず!

氷谷:秋葉原ということはセンター試験に間に合ウーマンはマニアウーマン!

古城:そこで韻を踏まなくていいんだよ!んで、その後どうしたのよ。

氷谷:でも、センター試験に間に合うじいさんが来てくれると。

古城:大丈夫!?おじいさんでしょ!?

氷谷:暫くしてじいさんがやってきました。
   そしてセンター試験に間に合うじいさんが僕の背中に乗りまして。

古城:またそっちが乗るんかよ。なんか見た目がもう介護みたいな状態だけど。

氷谷:じいさんにジェット噴射機がついてまして。

古城:それでビュンビュン飛んでくわけだな!

氷谷:「ジェットスイッチオン!ああぁぁ!カツラが飛んでいきおったあああ!!」

古城:何処に装着してんだよ!

氷谷:ジェット噴射機を背中に付けて再度チャレンジ!

古城:次はキチンと決めて欲しいわ。

氷谷:「ジェットスイッチオン!ああぁぁ!ギックリ腰がああぁぁぁ!」

古城:やっぱり体ボロボロじゃないか!

氷谷:じいさんはダメだった。しかし、今度はセンター試験に間に合うキャットを呼んでくれた。

古城:おうおう、猫まで出て来たけど大丈夫なのか?

氷谷:懐くかどうか心配だったけど、無事に懐いてくれました。

古城:まぁ、懐かないよりはな。

氷谷:そして「おかしいのぅ、ワシ以外には懐かんはずじゃのに」とじいさんの一言。

古城:じいさんと血が繋がってる的なシーンいらないから!サクッと出発を!

氷谷:「猫の背中にこれをつけるんじゃ」とじいさんが巨大ペットボトルロケットを指さす。

古城:猫逃げ出すわ!チョイスミスが酷い!

氷谷:案の定猫が逃げ出しまして。もう諦めかけたその時そこになんとセンター試験に間に合うマンが!

古城:よくノコノコ戻ってきたな!

氷谷:センター試験マンは僕を背負うと思いきや膝で僕をリフティングしながら出発。

古城:ヤバいヤバい!テスト前に意識失うわ!

氷谷:走馬灯が見えました。でも、おかげでセンター試験の復習ができたんですよ。

古城:だいぶ死に物狂いだな!

氷谷:そして無事到着。

古城:走馬灯が見えてるのは無事とは言わないけどな!

氷谷:で、まぁ試験会場に着いたはいいんですけども。
   その時に上も下も英語の服だったんで。没収されて。

古城:まぁ、英語の服はしょうがないわ。

氷谷:ほぼ全裸にされましたけども。

古城:徹底し過ぎだろ!そこまで脱がさなくても!

氷谷:でも、救済措置とかいって。ダーツの矢を投げて、矢が刺さったゾーンのモノを貸してくれるというものがありまして。

古城:まさかダーツの特訓が役に立つ時が来るとはな!

氷谷:結局タワシだったんですけども。

古城:ダーツの特訓生きてねぇじゃねえか!まるっきり無駄だわ!

氷谷:1教科目はタワシで股を隠しながら受けて。

古城:ギリッギリじゃねえか!

氷谷:それで休み時間に勉強をしようと思ってカバンを開けるとそこにはこち亀が全巻入っていました。

古城:何をぶちこんでくれてんだよ!間に合うマン!

氷谷:後で問い詰めたらついうっかりって言ってました。

古城:100巻以上あるのにうっかりな筈あるかよ!

氷谷:そして、色々あったんですけども。
   まぁ、全裸にタワシは寒いという事で。

古城:そりゃセンター試験は冬だからな。

氷谷:しかし、僕はセンター試験に間に合うマンの変身ベルトを貰っていたんですよ。

古城:いつの間にそんなモノを。

氷谷:そして僕はおもいきり叫んだんです。へーんしーん!!
   そしたら、試験中の私語は厳禁ですって連れ出されまして。

古城:試験中にやったのかよ!そりゃそうなるわな!

氷谷:「おお、あの変身のポーズが出来るのは我が一族のみ…やはりあの子は…」

古城:じいさんの台詞いらんわ!

氷谷:テストはそこで終了。もう散々でしたね。

古城:お前にも悪いトコはあったけどな。

氷谷:まぁ、帰ってから両親が用意してくれてた赤飯食べたんですけども。

古城:何もめでたくないわ!もういい。


X子:ありがとうございました。

Y美:ではまず槍沢 雑さん、いかがでしょうか?

 
・相変わらず清々しくバカですね!
 「ダーツの特訓」、「抜け殻を残しどこかへ飛び去って行きました」、「間に合ウーマンはマニアウーマン」、
 「抜け殻の中で眠る」、「こち亀全巻」、「全裸にタワシ」、「試験中に叫ぶ」などなど出てくるフレーズと展開のすべてがくだらないし、一発一発のインパクトも強い。
 試験会場に行くまでが長くて、試験本番が尻切れトンボになっているのは残念ですが、すごく面白かったです。


X子:おおー。具体的に面白いボケがたくさん挙がりましたね。さすがフレーズメーカーの田んぼさんといったところでしょうか。

Y美:続きまして、、さんはいかがでしょう?

 
・「結婚式とは聞いてなかったけどな!」と「ダーツの矢を投げて、矢が刺さったゾーンのモノを貸してくれる」でかなり笑いました
 出発しようとするくだりが本筋だとは思うんですが、ちょっと予測できるボケが多くて弱かったかなという印象です
 試験会場ついてからのくだりとかは面白いボケが多かったんでもったいないです
 安心して笑える空気のある文章を作る技術はかなり高いと思いました


X子:そうね、やはり安定感はバツグンよね。

Y美:それでは最後に夏草さん、いかがでしょうか?

 
・たわしで股間を隠すことにしたってのは面白いけども、
 それ以上にカツラとかこち亀とかベタな単語がちょいちょい出てきたのが勿体無い。
 勿体無いよ、伊野波雅彦。


X子:ふむ、なるほど…どこまで徹底してボケを作れるかが大事、といったところかしら。



Y美:さて、残すところあと2組となりました。

X子:8組目は、この方たちです!



エントリーNo.011

天体観測
デート
ミヤ:最近の若い子はTKOが出来てない、なんてよく言われるよね
 
 翔:TPOですけどね。あなたは誰と戦っているんですか

ミヤ:あとは最近の若い男性はレディーフィストの精神も忘れている!

 翔:フィストはこぶしだぞ。ついに野生の血が目覚めたのかよ

ミヤ:つまりは女性の腕力をなめるな、ということですよ

 翔:いやいや、なめてませんよ。特にあなたには何度もパンチ喰らっているんで

ミヤ:しかし、もてねぇ

 翔:いきなりどうしたんですか

ミヤ:全然もてねぇ

 翔:口調からしてすでにもてそうな雰囲気ありませんよね

ミヤ:でも私だっていつかは結婚するじゃない!

 翔:頷くことができないのを許してくれ

ミヤ:結婚といえば恋愛の過程が大事! 素敵な恋愛をしてみたい!

 翔:なかなか積極的だね

ミヤ:そうよ! 最近、肉系女子ってのが流行っているように、今は積極的な女子が多いんだよ?

 翔:肉食系な! それだとただのデブだから

ミヤ:というわけで今日は理想のデートプランを話します。翔ちゃんは恋人役をやってちょうだい

 翔:ありがたいお誘いですが、雑に断らせていただきます。やだよ

ミヤ:せめて丁重に断ってよ! なんで断るのさ!

 翔:だってミヤの車の中、スルメとか散乱してるんだもん。そんな人の恋人役なんて荷が重いです

ミヤ:うるさい! いいから黙って恋人役をやりなさい! 

 翔:わかりましたよ。で、最初はどうするんですか?

ミヤ:まずは待ち合わせ場所からね。場所はベタだけど渋谷のハチ公像

 翔:あぁ、確かに定番ですね

ミヤ:を作った人の実家の前

 翔:場所知らんわ! ていうか作った奴も知らんわ!

ミヤ:作ったのは鹿児島出身の彫刻家、安藤照先生ですけどね

 翔:なんで知ってるんだよ! ていうか待ち合わせ鹿児島じゃねぇか!

ミヤ:で、そのあと空港で東京まで行きます

 翔:最初から東京で待ち合わせしとけや!

ミヤ:いよいよ東京に着いたら私と翔ちゃんと安藤照先生の楽しいデートが始まります

 翔:一人余計なのが付いてきてるよ! 彫刻家の方が!

ミヤ:大丈夫です。亡霊なんで

 翔:尚更おっかねぇよ! 全然恋人とのデートを楽しめそうにない!

ミヤ:翔ちゃんの背中に「アホ」って彫ってます

 翔:てめー、安藤この野郎! 中学生みたいなことすんじゃねぇ!

ミヤ:最初は映画館ですね。ラブストーリーを見ます

 翔:あら、いいんじゃないですか。デートらしいですね

ミヤ:『花より力士 ファイナル』を見ます

 翔:男子だろ! そこは絶対に男子だ!

   力士に負けるなんて花が不憫だわ!

ミヤ:大地に広がる一面の花畑を力士がめちゃくちゃに荒らしていくっていう感動ラブストーリー!

 翔:どこに感動ラブストーリー要素が入っているんだよ!  

ミヤ:そこで私は号泣するから、その時は彼氏なんだからすっとポケットから出してね?

 翔:わかりましたよ。ハンカチですね?

ミヤ:いや、枕だけど

 翔:あくびしただけかよ! ポケットに枕を入れてる奴なんていないから!

ミヤ:7時間経ったら起こしてね

 翔:そしてガチで寝る体勢に入るのかよ! もう映画はダメだ! 次に行こう

ミヤ:じゃあ次はリンチにしましょうか

 翔:ランチでお願いします! 女性の腕力なめてないから絶対にランチがいいです!

ミヤ:私の理想だと、ここはオシャレにパスタなんか食べたいんだけど男性目線だとどうなの?

 翔:まぁ、大体の男性は女性に合わせますからパスタでいいんじゃないの?

ミヤ:彫刻家目線だと?

 翔:まだ安藤居やがったか! さっさと成仏してくれ!

ミヤ:大丈夫。実はさっき成仏したから。映画を見てる途中に急に成仏したの!

 翔:それってもしかして力士が塩を投げたからかな!? 思わぬ映画効果が出たよ!

ミヤ:ということでパスタを食べました! で次は何を食べるの?

 翔:おい肉系女子! ランチは1回なんだよ!

ミヤ:そっかそっか。うっかりしたわ。私周りからよく天然魚って言われるんだよねー

 翔:せめて天然で留めてほしかった! 魚が付くと哺乳類じゃなくて魚類になるから!

ミヤ:じゃあスポーツ観戦でもしましょうか

 翔:おっいいね。デートにスポーツ観戦は盛り上がりますよ

ミヤ:ちょうど鹿児島でサッカーの大会が

 翔:鹿児島行かねーよ

ミヤ:えぇ!? せっかく安藤照杯が行われるのに!?

 翔:大会名の由来にまでなりやがった! サッカーなら都内で見ればいいだろ!

ミヤ:だってせっかくなら強いチームの試合を見たいじゃない! 鹿児島アントラーズの試合を!

 翔:鹿島な! 「児」って入れるだけで茨城から九州まで飛んでしまうから気を付けて!

ミヤ:そしてスポーツ観戦をした後は軽くウインナーショッピングをして

 翔:今度はドイツっぽくなった! ウインナーショッピングってなんだよ!

ミヤ:ねぇ、翔ちゃん。いつかは私にあのシャウエッセン買ってね♪

 翔:指輪見たく言われても! シャウエッセンならいくらでも買ってやるよ!

ミヤ:それまでは翔ちゃんのポークビッツで我慢してあげる!

 翔:ぶっとばすぞ! 次にオレのフランクフルトをポークビッツって言ったらぶっとばすからな!

ミヤ:いつも、私には貧乳貧乳言うくせに、何さ!

 翔:お前は胸がAAAカップなんだからしょうがないだろ! もはや胸がえぐれてる状態やん!

ミヤ:ミヤちゃんぱ〜んち!

 翔:ぐへあっ!

ミヤ:もういいわ! 最後にしましょう! 最後は模型の見える所で食事しましょう!

 翔:夜景の見えるとこで食おうぜ!

ミヤ:じゃあ模型の夜景の見える所で食事を!

 翔:なぜ偽物にこだわる! 夜景は本物で行きましょうよ!

ミヤ:そして食事をしながら愛の言葉を彼氏に向かって投げかける! これしかないっ! うへへへへっ

 翔:テンションあがってますね。だいぶ気持ち悪いですよ

ミヤ:じゃあ、夜景の見える学習塾で食事にしましょう!

 翔:どこで飯食っているんだよ! 受験生にとって邪魔でしかねーよ!

ミヤ:翔ちゃん……私、恋の方程式が解けちゃったんだけど……

 翔:やかましい! 場所変えなさいよ

ミヤ:じゃあ、夜景の見える両国国技館で

 翔:力士もういいわ! 両国国技館は夜景なんて見えないからな!?

ミヤ:翔ちゃん……私、恋の上手投げを決めちゃったんだけど

 翔:さっきから例え下手くそか! 普通に夜景の見えるレストランとかでいいじゃないですか

ミヤ:で、食べてる最中に私はこう言います

   ちょっと手を出してくれる?

 翔:おっ、指輪ですか!?

ミヤ:今から、相撲じゃあ! 張り手! 張り手! 張り手! 張り手!

 翔:女の腕力はもう勘弁!


X子:ありがとうございました。

Y美:ではまず六升さん、いかがでしょうか?

 
・ずば抜けたテクニックが発揮された構成ですね。すごく面白いです。
 安定した威力のくだりを、ひねりと追加の爆発力をのせて何度もたたみかける。笑わざるを得ない。
 特にツッコミが追加的に引き起こす、爆発力がなかなかに素晴らしい。
 主軸となる話も安定してるし、ボケも分かりやすい所からしっかり加速できるようなモノばかりですし、面白さが持続する。
 その持続の上に大きな笑いも点在させられていて、かなり楽しませていただきました。


X子:おお…絶賛ですね。

Y美:続いて槍沢 雑さんはいかがでしょう?

 
・デートプラン自体はやりつくされた設定ですがすごくよく練られていて面白かったです。
 大きな爆発やぶっとんだ展開はないですが、オーソドックスな題材をしっかりと作り上げていてこれはこれで一つの到達といえるはず。
 二人のキャラクターを前半で提示しているから、初見の人でも二人の関係や性格が分かるようになっているところはさすがに作り慣れていますね。

 特に「ハチ公像を作った人の家の前」というボケは目新しくてよかったし、
 そこからの発展が幾重にも用意されていて、安藤さんを被せていくたびに面白さが上がっていってよかったです。
 構成は場面場面のつながりがない並列的なものですが、
 各パートごとにちゃんと階段を踏んでボケが並べられているのと、いいタイミングで入る天丼によってちゃんと話が盛り上がっていてよかったです。

 スポーツ観戦とショッピングのパートが他と比べて短くあわただしい感じがするのと、
 ちょくちょく入る単発で終わるダジャレボケが弱いのが――模型から模型の夜景みたいに発展するのはいいのですが――難点と言えば難点だし、
 細かいところでは「花より力士」は語呂が元ネタと合っていないからもうちょっと工夫がほしいとか、
 模型の夜景でテンションが上がったのに翔のセリフ諭すようなセリフだけで別のアイディアを出していたの切り替えが急で戸惑ったりと気になるポイントは多いですが、
 トータルとしては完成度の高い作品だと思います。


X子:なるほど。天体観測はついに「一つの到達」の領域に入ったわけですね。

Y美:それでは最後に、さん、いかがでしょうか?

 
・一文字だけ変えるような言葉遊びが中心なのにここまで面白いのはベタの積み重ねとミヤのキャラの仕上がりのおかげだと思います
 初見の方でも冒頭の10行くらいで「ああ、この人はこういうキャラなんだな」という風になったんじゃないでしょうか
 ここも安心して笑える空気のある文章を作る技術がすごいです。
 安藤照の天丼がちょっとハマらなかった以外は全ボケ面白かったです


X子:おお!ほぼ「全ボケ」が面白い、というコメントが出ました!
   9回目の挑戦にして初の決勝進出ですが、これは一気に優勝も有り得るのではないでしょうか!?




Y美:さて、いよいよ次がラストです。

X子:ラスト、9組目はこの方たちです!



エントリーNo.033

センチメンタルゼリービーンパニック
グリムにも告ぐ
高岡「どうもセンチメンタルゼリービーンパニックですけども」

国立「洗濯機ずきんちゃんってのを考えたんだけど…」

高岡「ごめんちょっと状況が読めないんだけど」

国立「いやだから、赤ずきんちゃんってあるじゃん?
   頭巾の代わりに、洗濯機をかぶってもらうのね」

高岡「……は?」

国立「そもそも赤っていう色、なんか怖いでしょ。
   っていうかあんな色のもんかぶらせて森に子供一人で行かせるとかどうかしてるだろ。
   闘牛とか突っ込んできちゃうよね」

高岡「何その発想!そもそも森に野生の闘牛がいねぇよ」

国立「赤よりも白の方がいいんだよね。白の方が純情そうでしょ。
   どうしても赤使いたいなら白い頭巾を最後のシーンで狼の血を使って赤に染め上げるとかね」

高岡「武骨だな!なんだそのラストシーン!そっちのほうがだいぶ怖いよ!」

国立「一人前になるために狼の血で染め上げるんだよ」

高岡「どこの部族なんだよ赤ずきんは」

国立「赤はダメなんだよ。物騒だから。だから白…白物家電をかぶらせるんだよ」

高岡「なんだその発想!なんで白物家電なんだよ」

国立「昔、家電ができた時に白を基調にした洗濯機や炊飯器とともに…」

高岡「あ、いわれを聞いてるんじゃなくて!決してそっちではなく!
   なんで家電をかぶる必要があるんだって話を聞いてんだよ!」

国立「あ、そっち?
   ……まぁ白物家電をかぶった方が面白いことになるんだよ。今から読むから」

高岡「いやまぁ面白いことにはなるだろうけど」

国立「むかしむかし、あるところにそれはそれはかわいい女の子がおりました。
   ある時、女の子のおばあさんは、白い白い素材を使って洗濯機を作ってくれました」

高岡「業者なのかな?おばあさんは家電業社の人なのかな?」

国立「女の子は、その洗濯機を大変気に入り、ついにはかぶりはじめました」

高岡「やっぱりおかしいよ!どう考えても無理があるだろ!
   かぶるまでの動向が不明すぎるもの!」

国立「片手で持ち上げ、かぶりはじめました」

高岡「豪傑か!なんなんだその力持ちの設定!
   体の動向よりも心の動向が知りたいよ」

国立「その様子から、女の子は、『洗濯機ずきんちゃん(笑)』と陰で呼ばれはじめました」

高岡「バカにされてんじゃん!陰で悪口として言われてるじゃん!」

国立「ある日、洗濯機ずきんちゃんのお母さんは言いました。
   『おばあさんが病気になってしまったのよ。お母さんは用事があっていけないけど、
    おばあさんはあなたを大変可愛がってくれたのだから、
    お見舞いにいってあげなさい。あとそれ脱ぎなさい』」

高岡「俺も同じ気持ちだよ。脱ぎなさい早く。首折れちゃうから」

国立「多少の沈黙のあと『それじゃあ、このケーキと葡萄酒をもっていきなさい』
   お母さんはケーキと葡萄酒の入ったかごを洗濯機ずきんちゃんに渡しました」

高岡「脱がなかったねこれ。相変わらず洗濯機ずきんちゃんだもんね」

国立「お母さんは不安でした。
   洗濯機ずきんちゃんが一人で外に出るのは初めてだったからです。あと脱がなかったからです」

高岡「不安なのは初めて一人で外に出ることよりも脱がなかった方がでかいだろうね」

国立「『いいですか?道草を食ってはいけませんよ。
    オオカミにあっても、知らん顔をするのですよ』」

高岡「オオカミすら近寄らないと思うけどな。完全にヤバいヤツだもん」

国立「『いってきまーす』洗濯機ずきんちゃんは、お母さんから渡されたケーキ、
    葡萄酒が入った箱、バッテリーを大事に抱え、家を出ました」

高岡「完全に余計なもん持ってる!絶対出掛け先で頭のやつ動かすつもりだろ!」

国立「洗濯機ずきんちゃんがスキップをしながら歩いていると」

高岡「首が強すぎるな。なんで洗濯機かぶっててそんなに軽快なんだよ。
   なんなんだよそのヒロインの豪傑ぶりは」

国立「向こうの方からオオカミが歩いて来ました。
   『こんにちは。洗濯機がかわいい洗濯機ずきんちゃん(笑)』
   オオカミはニヤニヤしながら言いました」

高岡「オオカミにもバカにされてんじゃねぇかよ!
   絶対『こいつが噂の…』的な感じで近づいてきてるじゃん!」

国立「赤ずきんは言いました。『すいません、顔見えないんですけど誰ですか?』」

高岡「そんなもんかぶってるからだよ!脱げ!早く脱げ!」

国立「『ぼ、僕はこの森の精さ!』」

高岡「見えないのを良いことにめっちゃ嘘つかれてるよ」

国立「森の精にしてはダミ声が過ぎましたが、顔も確認できないことですし、
   それに『森の精なら…』ということでちょっと話を聞いてみることにしました」

高岡「ちょっと疑ったなら脱いで確認しろよな」

国立「『こんな森を一人でどこに行くの?』洗濯機ずきんちゃんは答えました。
   『あのね、おばあちゃんの家よ。ここから30分くらいなんだけど、
    病気だからお見舞いに行くの』」

高岡「まぁ洗濯機かぶってるお前も相当な病気だけどな」

国立「オオカミは、おばあさんを食べてしまうことにしました。
   それには少し時間がいります。
   そこで、オオカミは洗濯機ずきんちゃんに寄り道をさせることにしたのです」

高岡「お母さんが寄り道すんなって言ったのになぁ…」

国立「狼『この辺の森は小鳥がいっぱいいるんだ!』
   洗『…』
   狼『……あ、あっちの方に綺麗なお花畑が…』
   洗『………』
   狼『……あそこにコインランドリーが』
   洗『マジすか?!』
   洗濯機ずきんちゃんは食い気味にはしゃぎました」

高岡「それしか興味ねぇのかよ!洗濯機大好きだな!」

国立「洗濯機ずきんちゃんはオオカミの話もそこそこにコインランドリーに走っていきました」

高岡「何て言う病気なんだろねこれ」

国立「洗濯機ずきんちゃんがコインランドリーで乾燥機の魅力にとりつかれている間に、
   おばあさんを丸飲み、おばあさんに変装し、シャワーを浴び、
   一通りゴールデンタイムのバラエティを見て、一眠りしました」

高岡「なかなか来ねぇな!魅力にとりつかれすぎだろ!
   30分くらいの距離にいたんだよね?!」

国立「『へぇ、こんな感じで回るんですねぇ…あ、こんな形も…へぇ…あっ!』
   洗濯機ずきんちゃんは管理人に靴用の洗濯機の説明を受けてる辺りで
   おばあさんの用事を思い出しました」

高岡「興味津々だな!コインランドリーにあるもん一通り見せてもらってるだろこれ!」

国立「急いでおばあさんの家に向かい、到着した頃には
   オオカミは起きてから食事を2回、シャワーを1回終えていました」

高岡「長いんだよ!どれだけ待たすんだよ!おばあさん消化しきっちゃうよ!」

国立「洗濯機ずきんちゃんが家に到着し、家に入ろうとすると、
   頭がつかえて入れませんでした」

高岡「物騒なもんかぶってるからだよ!」

国立「そこで洗濯機ずきんちゃんは、脱水のボタンを押し、
   脱水時の揺れで少しずつ押し込む作戦をとりました」

高岡「脱げ!脱いで入れ!なんでそこまでするんだよ!」

国立「15分かけてガタガタ言いながら入りました」

高岡「またそこそこ時間かけたな!」

国立「『あらよく来たね洗濯機ずきんや。よく、よく来たね!洗濯機ずきんや!
    ちょっと!聞いてる?!あーもううるさいな!おい!ちょっと!!』」

高岡「脱水切れよ!ガタガタ言って全く聞こえてないじゃん!」

国立「オオカミは大きく揺れる洗濯機ずきんちゃんを押さえ込み、
   なんとか脱水のボタンを切り、バッテリーからコードを抜き、言いました。
   『はぁ…はぁ…よく来たね洗濯機ずきんや…』」

高岡「もう大仕事だな。業者のサービスみたいだもん」

国立「洗濯機ずきんは明らかに毛むくじゃらのおばあさんに言いました。
   『元気そうね。じゃああたし帰るわね。お大事に』」

高岡「全く見えてないなこれ!」

国立「なんか寂しくなったオオカミは言いました。
   狼『あの…手とかどう?』
   洗『見えないわ』
   狼『じゃあ耳は?!』
   洗『見えないわ』
   狼『口は?!』
   洗『全然見えないわ』」

高岡「脱げよ!あとこんだけわけわかんない質問してることに疑問を持て!」

国立「オオカミは我慢が出来なくなりました。
   『この口はっ、おっ、お前を食べるためだよぅ!』」

高岡「強引に突破したな!」

国立「その時です!洗濯機ずきんちゃんは洗濯機のコードをバッテリーに繋ぎ、
   素早く脱水のボタンを押しました!」

高岡「匠かこいつ!小慣れてんな!」

国立「オオカミは脱水の揺れで喉の粘膜を刺激され、
   思いっきりおばあさんと洗濯機ずきんちゃんを吐いてしまいました」

高岡「まぁ揺れるからな。かなり刺激されるよな」

国立「おばあさんはびっくりし、悲鳴をあげました。
   それに近くにいた猟師が気づき、駆けつけました」

高岡「え、もう助かってるよな?どうすんだよ」

国立「『どうしました?!ばっ、化け物!』
   洗濯機ずきんちゃんに向けて思いっきり発砲しました」

高岡「そりゃそうなるわ!見るからにヤバいヤツだもん!」

国立「その弾が跳ね返り、オオカミに命中。オオカミは息絶えてしまいました」

高岡「もうオオカミ不憫だわ…ついには流れ弾で死んじゃったよ…哀れすぎるよ…」

国立「おばあさんが猟師に言いました。『この子は人間です!』おばあさんが説明している間に、
   洗濯機ずきんちゃんは洗濯機をオオカミの血で赤く染め上げました」

高岡「武骨な部族のしきたりきた!
   もう最後赤くするなら布でいいだろ!布のやつかぶれよ!」

国立「一人前になった洗濯機ずきんちゃんは、ついに洗濯機を脱ぎ……」

高岡「脱いだ!ついに…」

国立「乾燥機付きのドラム式をかぶりましたとさ」

高岡「コインランドリーの乾燥機に憧れてただけかよ!もういい加減にしろ!」


X子:ありがとうございました。ラストバッターお疲れ様です!

Y美:エフラムルートさん、いかがでしょうか?

 
・2行目でもう盛大に笑わせていただきましたわ!
 その後も終始メチャクチャ笑わせていただいたのですが、
 原作がそういう話なのでアレですが、「おばあさんのお見舞いに行くの」→「オオカミはおばあさんを食べようとしました」と結びつくのはおかしい気がするので、
 その辺は自分の手で改変しても良かったんじゃないかと思います。
 オチの「コインランドリーの奴に憧れてただけかよ」というツッコミですが、どっちかと言うとコインランドリーのくだりだけ見ると、
 乾燥機付きよりも、靴用の洗濯機の方が印象に残りがちな気がします。
 その2点だけ気になりましたが、非常に面白かったです。


X子:あー。確かに2行目のインパクトは凄まじいものがあったわね。その後のボケも堂々としてたし。

Y美:続きまして、KKジハードさんはいかがでしょう?

 
・設定がズルい。「洗濯機ずきんちゃんってのを考えたんだけど…」って設定を言っただけでなんでこんな強烈な出オチになんねん。
 洗濯機の要素をブレずに突き通したボケをガンガンぶち込む展開は最高でした。しっかりと面白い画が想像できる作りになっているのも素晴らしいです。
 笑わせていただきました。ほんと貪欲やなアンタは!!


X子:おお、やはり2行目への喰いつきが出ましたね。

Y美:それでは最後に、六升さんに締めていただきましょう。

 
・ガッツリと完成度が高め。
 話し始めのインパクトを、最後まできっちり持続させてネタを持っていけてるのは凄い力量ですね。
 創造しやすいイメージ映像でトバした上で徹底して一つの設定を通せてるから、かなりのめり込める。
 派生させるボケもバリエーション豊富に出来てますし、威力も常に平均以上のモノをキープできている。
 バランス良くかなり高水準。
 大オチが若干肩すかしなのが惜しいですが、全体通してはかなり楽しませていただきました。


X子:おお、これまた絶賛コメントですね。
   勝負は分からなくなってきました!



いよいよ、結果発表!!