Y美:いやはや…意外な敗退がありつつも、これまたものすごい3組が残りましたね。
X子:まだ呼ばれていないのは血華美人は愛の華、インパク×インパク、kissしてシクラメンの3組です。
トリオ2組、そして全組が女性を含むユニットでもあります。
Y美:果たしてどの組が王座に就くことになるのでしょうか!?
X子:3位から1位まで、一気に行きます。優勝は…!?
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第3位 エントリーNo.024 血華美人は愛の華
審査員 点数 |
90 |
81 |
90 |
87 |
84 |
85 |
89 |
合計606 |
第2位 エントリーNo.033 インパク×インパク
審査員 点数 |
83 |
95 |
85 |
85 |
98 |
97 |
90 |
合計633 |
優勝 エントリーNo.046 kissしてシクラメン
審査員 点数 |
97 |
90 |
98 |
99 |
88 |
91 |
75 |
合計638 |
ということで優勝は
kissしてシクラメン!!
X子:…に決定いたしました!おめでとうございます!
Y美:お二人の今の気持ちを伺ってみましょう!
|
峰岸:いやッたー!
花笠:峰岸ー!(抱きっ!)
峰岸:きゃ、きゃー! きゃー!///
花笠:良かったぞ、峰岸ー……!
峰岸:よしよし、みんな見てるからね。
いや、でも……嬉しいです! 一生漫才やります! ありがとうございました!
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X子:ありがとうございました。
kissしてシクラメンさん、本当におめでとうございます!!
Y美:以下、審査員全員のジャッジペーパーと、各コンビからのコメントとなります。
X子:審査員は上から順に浜田さん、鬼ちゃんさん、BONBORIさん、六升さん、
夏草さん、ステーヴンV世さん、ひろちょび@管理人です。
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優勝 kissしてシクラメン
【審査員コメント】
・美しいネタ。
キャラクターが口調とかだけでなく、
ボケの内容と一貫して一致しているのも
素晴らしい。
・おとなのオモチャを揃えるあたりはなんとなく予想がついたんですが
それでも十分に面白さがありました。世界観が良いんだと思います。
子どもを雛鳥と呼ぶ個性的なキャラクターも面白かったです。
ただ「オトちゃん」といきなり愛称で呼んだ点とD・V・Dの掛け声が、
テンポを悪くしているような気がしました。そこがちょっとだけ残念です。
最近急に増えてきたキャラネタですが面白いネタはほんの一握りなので、
キャラネタを書く人は一度山下さんのネタを読んでほしいです。
山下さんはネタ本体を邪魔しない程度で上手くキャラクターを操っていると思います。
・あーもう、大学の図書館なんかで読むんじゃなかったー。笑いすぎて危うく追い出される所だったー。
なんですかこのキャラクター。男前が三回連続で出てきたのに一切マンネリ感を感じさせないこのキャラクターはなんなんですか。
花笠さんの完成度はもちろん、最後にいかがわしいアイテムだけが残るストーリー構成とか、花笠さんをかわして持ち上げるような峰岸さんのフォロー力とか、どの面から見てもハイクオリティな作品だと思います。
「ややっ」と思ったのは、はじめてのおつかいの導入をもう少し早くしてほしかったのと、八百屋さんの所にもう一つくらいボケを入れてほしかったくらいですかね。けどそれらを差し引いても十分すぎるくらい面白かったです。
・奇遇ですね私もロリコンです。
…………まぁ変態性癖の共鳴はさておき、本題に入る前にしっかりキャラクターの紹介が丁寧になされているのは、
やはり盤石な面白さの土台を作れるので非常に良いですよね。
男前とロリコンの2重レッテルでキャラクターを把握させて、
かつそれに引きずられ過ぎずにむしろ意外に漠然とした枠であるコトを利用するかのように突飛な発言を引き出せているのがすごい。
キャラを大きめの枠で掴んだままその中で十二分に自由行動させられているのが理解しやすさと意外性爆発力の両立を成功させている。
あとから出てきたロリ峰岸さんもあらかじめ作ったロリコン大枠のオプションを際立たせるのが一目で分かるから飲み込みやすいし、
長続きすると引いてしまいかねない変態性としつこいキャラのごり押し雰囲気を子供らしさで緩和するコトも出来ている。
全体の空気感のバランスもかなり良かったです。
非常に楽しみやすく、言葉選びも映える良いネタでした。
それにしてもロリ岸さん美味しかったですモグモグー。
・ワードセンスが絶妙。幼児愛好バイタリティとか、壊滅的な自己紹介とか、いちいち面白い。
キャラ漬けをしっかりした上で面白いことが出来るのは本当に凄い。
・パジャおじゃて!
キャラクターが上手い事ネタの笑いどころの為に作用していて、非常に好感のもてるネタでした。
峰岸さんのパワフルなツッコミが気持ちいいですね。
ロウソクロープときて、次の展開が少しだけ読めてしまったのはあったのですが、それもあまり気にならないくらい
レベルの高いネタだったと思います。
・個人的にはベタなボケが多いという印象を受けてしまったのでやや低めの点数なのですが、
言い換えれば、それだけ分かりやすくて良いボケだったと言うことでもあります。
ともあれ、優勝おめでとうございました!
第3位 血華美人は愛の華
みるく:ダメだったけど、何も得なかったわけじゃないもんね?
キヨミ:そうだよ、これを糧にどんどん漫才を磨いていけばいいんだよ。
翔太郎:待ってろよ漫才!!絶対ぶっ飛ばしてやるからな!!
【審査員コメント】
・コントに入るまでの前振りが長かったりとか欠点もありますが、キャラクターといい意味でバカバカしいボケが上手く合わさった、とても楽しい漫才であるのは間違いないですね。
・最初の20行くらいが全くハマらなかったです。ナイフ舐め回すくらいからエンジン掛かった印象。
文字間に空白を入れた意味はなんだったんでしょうか?
なんか使うタイミングではなかったような気がします。
それ以降でボケの方向性が見え出したころから面白さがやっと伝わってきましたのですが、
いろんなボケを詰め込みすぎて回収しきれていないのが気になります。
そういうスタイルなのだと思いますが、まとまりが無く他のネタに比べると見劣りしてしまいます。
ワードセンスが光る言い回しなど1発1発のボケはとても破壊力がありました。
・彼氏ビームでアゴがすっ飛びそうになるくらい笑いました。
もうね、キャラクターが完成されすぎてるんですよ。絶対最初にキャラクターを芯にしてからネタを作成してるじゃないですか。それでここまで面白くなるのって本当に凄いことだと思います。
最後の入れ替わりループエンドもこれまた凄いと思います。三人だからこそ出来るオチと言うのでしょうか、とりあえずなんか感動しました。
桃太郎とみるくの死にたがり設定をもっと作中で活かしてほしかったこと以外は特に言うことないです。面白かったです。
・本ネタに入る前の会話で大体の人間関係およびキャラクターを理解させる手腕が尋常じゃない。
急激な暴言のくだりに入る前に「翔太郎さんの方がより辛辣なこと言える立場なんだな」と認識させているから、
突然の暴言に雰囲気上はなるのに無意識の理解として「性質をストレートに強調したらこうなるよな」
と言う納得をこっそり想起させるコトが出来ていてインパクトとしっくり感を同時に演出できている。
こーいった序盤での惹き込み・土台作りがずば抜けた完成度だから、割と好き放題やっても許容される雰囲気にまでなれていて、
そしてそこを思う存分使うようなのびのびとした展開のラッシュはなだれ込むような面白さがありました。
あとは互いに話を聞かない部分の割合に対して会話のかみ合わせのイイ部分をもうちょい作ってあったら、
よりスムーズな印象持たせられたかなぁと言うカンジです。
・けうけげんは6位と散々云ったものの、今回は面白いのが多いんで難しいかもしれない。
構成やなんやがしっかりしてて非常に濃い。濃すぎるくらい。
俺も人のこと云えたアレじゃないんですけど、ネタを作る上で引き算も非常に大事だなと思う昨今です。
クオリティに関しては、相変わらずの文句なしですが。
・構成もそうですけど、テクニックの尋常じゃなさが垣間見えますね。
きゃぴきゃぴしたキャラが急に死にたがる落差とか、いきなり毒を吐き出す翔太郎さんの様子がまず面白かったです。(耳糞ボロネーゼにはやられました)
そこから良い意味で小学生の張り合いの様な俺ルールなんでもアリの二人のやりとりが見ていてとても面白かったです。
さらに言えば合間合間に出てくる下っ端みたいな奴の出し方とかツッコミの触れかたとかがとにかく面白い。
全体を通してかなり高水準のボケ、ツッコミ、構成を兼ね備えていて素晴らしいネタでした。
・ボケの作り方はやはり一級品レベルですね。
翔太郎のキャラ急変のタイミングもなかなかですし、
「みるくビーム→みるくビーム→彼氏ビーム」や翔太郎自らが来る、という3段オチもさすがでした。
第7位 あかつき
前橋:充分注目浴びたし、初挑戦だし上出来だよね!
宇都宮:また…またあと一歩届かずか…。
水戸:大きな大会で惜敗すると、だいたい毎回2人いつもこんな感想です。
【審査員コメント】
・実在する芸能人のネタはギャンブル要素が高いと思いますが、それに費やした行数が少し多すぎるのではないかと。声帯をジェロにするのは面白かったです。
抑えるところはきっちり抑えている漫才だと思いますが、上記に加えて、ブラックというか、反社会的なボケも多めなのでもっと色々な種類のボケが見たかったです。
・宇都宮の解説ボケとでも言うんでしょうか?とにかくそれが面白かったです。
前橋のツッコミも的確というか、かゆいところに手が届く感じで内容がスッと頭に入ってきました。
一つ気になったのが現実的な世界観の中に不意に現実的でない展開が入っていたことで、
クローズアップ現代のくだりや法律改正のくだりなど読んでいて違和感を覚えました。
現実と非現実のパラレル感を楽しむべきものだと思うのですが、そうは捉えられなかったです。
・アイドルの夢がどんどんズレていくのが面白かったです。しかもそれまでの流れが不自然でなく、綺麗だったのが凄いと思いました。
「つけ麺屋を開店して閉店したから。」など言葉の組立てのセンスが光っており、読んでて楽しめました。
ただもっと面白くなりそうな感じがします。ストーリーの芯は完成されていますから、後は肉付けの問題だと思います。
ジェロモデルの声帯など、色々と使いまわして欲しい要素が残されたままだったので、もっと話に絡ませてほしかったです。
・このネタ大好きですわー。
キャラクターおよびそれぞれの関係性を序盤でしっかり作り上げてあって、
それがブレずに最後まで持っていけてるからとてつもなく読みやすく、
ブッ飛んだ展開もスラスラ入ってきてワードセンスがそれ本来の威力以上の面白さを持つ。
さらに次から次へと出てくる大量の情報に対して一つ一つしっかりと簡潔で聴き心地のイイ解説ツッコミがあるので、
ネタ中に記憶しておかないでイイ情報がどれか分かりやすく、脳内メモリの保持にかかる労力も少なくて済む。
突っかかる要素がほぼ全くと言っていいほど無い。
強いて言うならボケ方のバリエーションですがそれもほとんど気にならない。
このネタに低得点がつくイメージが一切湧かないと言うくらい、素晴らしかったと思います。
・固有名詞の理想的な扱い方。キャラクターをボケが凌駕してて良い。
中盤の債務整理あたりが盛り上がってたものの、
終盤はツッコミのテンションに相反して下降気味だったので非常に勿体ないところ。
・言い方が変かもしれないんですけど、笑いのとり方を知り尽くしてる感じがしました。もちろん良い意味で。
小ボケをスラっと挟む技術や、言葉選びの面白さが素晴らしかったです。
そして、弁護士の本気をガンガンに利用していく理不尽な話運びが面白く読みやすかったです。
・弁護士など、アイドルとあまり組み合わさらないような設定が面白かったですが、
個人的にはそこまでハマるボケが無かったなぁ、というのが惜しいです。
「ボケ→共感(?)→ツッコミ」という流れがちょっとテンポを悪くしていたのが気に案りました。
第5位 言霊連盟
栃城:新ネタを用意できなかった時点で負けは決まってたようなものです。
槍沢:また、必ずお会いしましょう。
【審査員コメント】
・パント無しのマイムってあまり聞かないですね。
ラストの天丼ラッシュは気持ちいいです。
・女体盛りの土台すんげえ笑いました。
コント部分のボケやツッコミに破壊力があり見ごたえがありました。
…………。で不穏な空気を演出したのもGOOD。
内容が良かっただけにオチが少し足を引っ張っている感じはあるものの
完成度が高い綺麗な漫才だと思います。
あと特別に意図していないんでしょうけど栃子って名前ひどい(笑)
・ウィアーザワールドを歌う最高のケースが面白すぎて笑い転げました。このボケ今大会で一番インパクトがあると思います。
好きな女の子が女体盛りになっていたりなど、同窓会という設定にしては新鮮な感覚が得られました。
ただ前半のマクドナルドとアルバイトの話は、もっと省略してくれた方がネタのテンポが良くなって読みやすくなったと思います。
最後のオチも好きなんですが、これをやるならもっと色々な登場人物を出してほしかったです。バイトと女体盛りだけではまだまだ印象が薄いです。
・最初の一触即発の置いてけぼり感がすごく痛手。
せっかく丁寧に同窓会というテーマを受け入れる体勢を取らせておいたと言うのに、
それとほとんど結びつかないモノを初手で持ってくるのは失策じゃないかと。
いくら後付けで説明を付け加えられた所で、印象は最初のインパクトで決まってしまうので読み手との間に壁を作る。
本当に全体的に丁寧で読みやすく、トバした内容でも奥まで理解をしやすい繋ぎ方をしてあると思うんですが、
一つ一つのくだりの直接的な面白さではない、他を補助または邪魔する効果を考慮した配置・順列が見えないのが勿体ないと思います。
もっとついて行きやすいように段階を踏んだ展開の広げ方があるともっといいネタになるんじゃないですかね。
・「和やかなったけど」のツッコミに違和感を覚えました。
ここで”に”を入れるか入れまいかっていうのは作者個人の拘りによるところで、
文体のリズムを考えると入れない方が読み易いとは思うんですが、
槍沢が敬語を使うしっかりとしたツッコミのキャラなので、ここだけ浮いてました。
後はまぁ、しっかりと作られていて安心して読めたんですけど、
意外とボケの数が少ない。
例えば1人だけ呼ばれてなかったっていうボケのためのフリが長くて勿体なかったり、
サラダボケがあまり強烈でないのに天丼しまくったり……と
情景が浮かびやすく文章が読み易かっただけに惜しい作品でした。
・完成度が尋常じゃないですねこれ。
正統派としては、今大会でもトップレベルだと思います。
伏線の回収にも無理が無く、言い回しが丁寧なので非常に読みやすかったです。
くだりの一個一個のレベルが高いのにこれまでの完成度で繰り出せるのはとんでもないですね。
・全体的に高尚なボケだったなぁ、という印象です。それと「お通しがポテトサラダ」の落差ね。
やや弱いかなぁとも思ったのですが、全体的に面白かったです。
第2位 インパク×インパク
中田「すごくうれしいです」
阿部「ここまで来れたからね」
藤田「負けて悔いなし!」
【審査員コメント】
・普通に面白い漫才ですが、妖怪なんかが出てくるあたり安易な感じもします。
替え歌とオチのくだらないダジャレは好きです。
・沼貧乏ってなんだかわからないですが、相当なネガティブイメージを思い起こさせますね。
ワードセンスが光ったネタだと思います。何が昭和やねん。
終盤の妖怪ラッシュもお見事。
1点注文を付けるとしたら中田の配役がちょっと捉えづらいかなと思いました。
トリオネタの割には誰の発言なのかは判りやすくテンポよく読み進められたのですが、
何を演じているのか、についてもう少し工夫が欲しかったです。
・自分キャラ分けがされていないトリオ漫才って凄く苦手なんですが、なんかそれを差し引いても面白いくらい攻めの姿勢が半端なかったです。
とにかくワード一つ一つの破壊力が凄まじすぎます。まさか沼貧乏が使い回すだけでこんなに面白い言葉になるとは思いませんでした。
そしてハイジの形に沿りつつも、ハイジらしさの一切を放棄した清々しいまでの展開に虜にされました。ユキちゃん焼くタイミングとか絶妙すぎます。
破壊して、繋ぎ合わせて、妖怪が暴れる。これでもかってくらいのボケの盛り合わせで、終始笑いっぱなしでした。
あとは冒頭の歌の部分は歌い終わってからツッコんだ方が良いと思ったことぐらいですね。本当に面白い作品でした。もしこのネタを完成されたキャラクターの上で再現したなら、それはとても恐ろしいものになると思います。
・トバした展開でもついて行けたくだりが8割、流石について行けなかったのが2割と言うカンジでしたかね。
突飛でインパクトがあるけれど既視感も仕込んであるから理解しやすい展開をが多く、
さらにそれを読み心地の良い言い回しで表現していけているのが好印象。
「山が5cm南に動く」とか周りのテイストから浮いて引っ掛かかってしまう部分とかが失速する可能性を上げているので、
くだりの厳選がもうちょいキツくなっていたらさらに点数を飛躍させていたと思います。
・「それもうただのアウトドア野郎じゃねぇかよ!」 今大会一番笑った。
もう最後に沼貧乏(昭和)が出てくるくだりとか、書いてるゆーたさんが一番昇天してそう。
これが優勝でしょ。
・なんだこれは…!(衝撃)
いや、あの面白過ぎますよねこれ。
最初からフルパワーレベルのボケを繰り出してきたのに最後までダレるどころかどんどん加速していく衝撃的なボケの数々に笑いっぱなしでした。
忘れた頃のユキちゃんの断末魔とか泥貧乏とか不意打ちを突くテンドンのタイミングも上手過ぎてただただずっと笑っていました。
これは凄いなぁ…。
・ボケの広げ方がピカイチですね。
独りよがりにも見える展開が長いにも関わらず、これだけ「すごく面白い!」というのを伝えられているのは本当にすごいなぁ、と思いました。
90点台に乗せたいネタだと思いました。
第8位 ワイトラック
光:初めて決勝に来れたこと事態がありがたいことですので。
影:現実に換算すると約4年振りですよ。
光:決勝進出時と同じ事言ってるよ。
影:ちょっと引きますね。
【審査員コメント】
・安定感のある漫才ですが、結婚式と葬式が上手く重なりあった後半部分が特に良いと思いました。
ただ、叔父さんのスピーチは安易過ぎるし、爺さんの幽霊の設定はもう少し効果的に利用できたのではないかと思います。
・上手く結婚式と葬式をコラボさせたなと思いました。
両方に係るボケがたくさんあって確かに楽しめたのですが、
結婚式で持ち上げて葬式で落とすという構図が始終変わらなかったため
ネタのなかで印象に残る部分が見受けられなかったのが残念です。
スラスラ読めて面白かったのですが印象に残るボケは…と考えてしまいます。
ネタ自体の完成度は本当に素晴らしかったと思います。綺麗!
・般若心経で入場する新郎新婦がメチャクチャ面白かったです。叔父さんのスベリ芸も素敵です。
ただ基本的に淡々と物語が進んでいったので、もう三、四つ展開を増やしてくれれば印象がより強い作品になったと思います。
・ストーリーがとても丁寧かつ簡潔に書かれていてで読みやすく面白かったです。
葬式の話を出すタイミング・「挙式は西洋式だよ」のツッコミ所を残しながらの納得のしやすさが序盤の惹き込みにすごくイイ。
字面ではなく内容を理解させて面白さを演出するには本当に「分かりやすさ」と言うのが物凄く重要になるんですが、
それが徹頭徹尾しっかりしていて深く満足できる面白さでした。
しかしその盤石なストーリの中だからこそ、「葬式が結婚式前日じゃなくなっている」ことの矛盾は非常に目立ち、
物凄く邪魔な違和感として残ってしまいました。
葬式が立て込んで次の日まで持ち越したとか、そーゆー強引なモノでもイイからココは納得できる理由が欲しかったですね。
納得感・しっくり感は穴があいたときのデメリットがどうしても大きいですから、そう言う徹底は他の形式より精密に必要になります。
それがあれば満点をつけいたかもしれないです。
・非常に手堅い印象。
「話は変わるんですけど爺ちゃん死にました」のツカミと、
3つの袋を重ねてきたところは最高に面白かった。
結婚式と葬式を同時にやるってもはや設定勝ちだしボケも納得のクオリティなんですけど、
ツッコミが非常にベタで勿体ないです。
もうちょい無茶苦茶やってもいいんじゃないかと思いました。
・序盤はお爺さんが死んだ事に対するボケにたいして少しだけ笑いづらい部分を感じてしまったのですが
葬式と結婚式を組み合わせるくだりが始まってからどんどんどんどん面白くなっていき
そこから最後までは笑いっぱなしでした。
スロースタートにこそなってしまいましたが、その分のフリに見合うだけの後半の回収率がお見事でした。
・チャレンジングな設定もあって、ずっと斬新なボケが続いているような感じで面白かったです。
個人的には、爆笑度の高いボケにもう少し踏み込めて入れば、といったところです。
第9位 KOYOMI
如月「今もなお第一線で活動している方々の中、ココまで来れただけで満足ですよ。」
睦月「久々にネタも出来たしね!」
如月「またひょっこり帰ってきますので、その時はよろしくお願いします。
【審査員コメント】
・面白い部分は面白いのですが、ボケに安直なことを言わせてツッコミに安直だと突っ込ませるやりとりは安直さが目立ちました。
「So Shock!」は2回も言うほどのことではないでせう。
・出だし20行くらいがものすごく残念。ポスト返却くらいからスイッチが入った感じがします。
ツッコミの言い回しやら諭す感じが面白おかしかったです。
ただ大笑いとなるような印象に残るボケはありませんでした。
ツッコミが素晴らしかった分、そこが惜しいなと。
・漫才の形が完成されているため、特に変わったことをしていないのに印象を弱く感じさせないのが凄いと思いました。
「よし分かった。大人しくスタバ行こう。ね?」までの流れがとても綺麗で面白かったです。そこからの話題の切り返し方もまた「うおお」となりました。
ただそれでも展開の数が不足していると思います。例えば牛丼そのものにも何か仕掛けを用意するなど、まだまだ膨らませそうな場所はあるので、そいった所を限界まで張り詰めれば、より記憶に残る作品になると思います。
・話の軸をすごく丁寧に追ってくれていて、とても読み心地良く面白いです。
かなり基礎的なコトですが一番難しい部分の一つでもあるので、コレがしっかり読みやすく出来ているのは凄いです。
結構ブッ飛んだ設定を何個か使っているのに、そこに対する導入にしっかり行数割いてキチンと惹き込んでくれるので、
ネタの主題を見失わないままおかしな方向に進む会話を楽しむコトが出来る。
説明がしっかりしていて、かつそれが説明臭くならないようにキャラクターを使えているのがとても好感です。
奇抜なコトをやっている印象を持たせないまま異常な展開に導くのは、
ノイズなく楽しみやすいネタ運びになるのでとても好印象。
純粋な基礎力を一番感じたネタでした。
・草食系装飾系僧職系男子って強引すぎるのに何かすごい笑った。
そのまま終盤まで、ニヤニヤするかしないかレベルの巧いやり取りが続いて、
「牛ツバメ兄弟が密集してる」で噴火。大笑いした。
昨今は女性の可愛らしさや萌えやドジっぷりを強調することしかできない漫才が非常に多いので
女性らしさと面白いボケツッコミの両方を兼ね備えてるKOYOMIを見習ってほしいですね。
・基礎がとてもしっかりしていて、会話も読みやすくボケもベタにならないある種お手本のようなネタだったと思います。
ドカンと来る場所はありませんでしたが、常に高いレベルのボケと上質なツッコミで最後まで貫いていたので
読んでいて心地よかったです。
・しっかり展開出来ているのが好印象です。それほど強いボケは無いのですが、飽きはしませんでした。
ただ、どちらかというと前半の印象が強く、後半もっと盛り上がればなぁ、という感想は持ちました。
「よし分かった。大人しくスタバ行こう、ね?」などのツッコミフレーズが特に面白かったです。
第6位 whitewhite
小さい前田:残念です
ダーク安正:貴様らを蝋人形にしてやろうか
【審査員コメント】
・奇抜なアイデアを、見事に飼い慣らしたというか、使いこなしていて面白いです。
フリガナも徹底してやっているのが素晴らしい。
切れ味鋭いツッコミや、メタな発言をさらっと挟むあたり、作者の余裕が感じられる、いい意味で軽いネタです。
・奇抜な設定が新鮮でした。LEGO関連のがすごく面白かったです。
ただ読み進めるうえでどうしてもカッコ書きの部分でテンポが悪くなってしまいました。
(肩が無い)のインパクトと面白さが最高だっただけに、
読み進めるにつれて勢いを感ぜられなくなったのが勿体無いように感じます。
最初の25行は優勝レベル。
・ョィャョィャ
一行目からもうメッチャ面白かったです。
(肩が無い)って。なんでこれだけでこんなに面白いんですか。(肩が無い)って。どうやったらこんなワードが作れるんですか。
普通ならマンネリ感を感じてしまう小文字の発言も、「これ本当に骨やっちゃってるんじゃないですかね」という応対などでいつまでも面白さを味わい続けられました。
小文字という制限の中なのに、不良がどんな感じで言葉を吐いているのかが目に浮かぶのも凄いです。何気なくキャラクターが完成されています。
後は小文字のボケがもう二つくらいあったら、ボリューム的にも何も問題ない作品が生まれると思います。
・「今大会のNGワードです」はもうマーケティングしてやられましたわ!
ネタ書きほど意識の根底にあるようなモノを引きずり出せているのが、本当に絶妙な所突けていると思います。
続いての(肩が無い)もコレはまた別口で度肝を抜かされました。
イメージ浮かべるより先にこの言葉の組み合わせだけで笑わせてしまったから、状況認識とかの必要性をブッ飛ばせてる。
この二つでガッツリと心を掴まれたからかなり自由にやっても楽しめる状況になっていて、
その上で奔放にワードセンスを披露した上にさらに伏線回収まで行っていてもうこの構成には文句のつけようがないです。
でも、それに比例する形で発生してしまった絶対量的な物足りなさが最大のネック。
コレだけ興味を引くモノを序盤に配置出来ているのだからあんなにあっさり終わってしまうのはすごく「勿体ない!」
って思いをものすごく助長してしまってそれが全体的な印象に対して大きな痛手になってました。
そこだけが惜しかったです。
・ォ米だァで大笑いした。狂気すら感じる。
「短くて勿体ない」って書こうとしたら90行もあるのか。色んな意味で凄い。
・独特の完成された世界観が相変わらず心地よいです。
(肩が無い)(両者、肩がある)は淡々とした流れの中でもかなりパワーを持ったボケで、とても面白かったです。
「(小さいサ)(小さいメ)(小さいジ)(小さいマ)」自体は流れとして面白く、そこから小さい文字を使ったボケも面白かったのですが
後半になってくると、面白さよりも読みづらさが上回ってしまって、少し笑いづらかったです。
それでも、意味のないフリガナや斬新なショルダータックルなど決める部分でキレのある笑いを決めてくるのは流石でした。
なにより、オチがスマートですよね。
・最初の2行がいきなり(ィィィミで)面白かったです。
そして(肩が無い)で撃沈。(両者、肩がある)で再撃沈。
ここまでは本当にものすごく面白かったのですが、個人的に小文字で喋るくだりがそこまでハマらなかったです…
好きなネタではあるのですが、他のネタと「面白さ」として比べてしまうと、というところでした。
第4位 池田佐藤
池田:ゴリラに頼るのはこれで終わりにします。
佐藤:なんも残んねえよ。
【審査員コメント】
・ゴリラのゴリ押し(?)と、奇妙に淡々としたやり取りが合わさった、独特のバカバカしさが面白いです。
前半は「ゴリリズム」「みんなのゴリラ」や「獣臭」(奇数匹目でしか使わないことから察するに、作者はかなり真面目な人でしょう。)などインパクト抜群ですが、四匹目が出てきたあたりからはやや失速した感じは否めないと思います。
しかしそれでも、「うんこ」「ちんこ」に次いで小学生男子が好きな「ゴリラ」を貫き通したネタとして、とても面白いものだと思います。
・いい意味でネタに元気・覇気が無いと思いました。
最近の上位に食い込んでくるネタって1つのセリフに2,3行費やしてるの多いんですが
これは淡々としていてリラックスしている感じ。
行数制限いっぱいにゆるやか、だけども破壊力のあるボケが鏤められていてとても感動しました。
内容についてですが獣臭など本当に、テンドンとでも言うんでしょうか?
ボケの使い回し方が上手いと思いました。
ゴリラ1本でここまで笑いが取れるんですね。
自分が理想とするネタです。こういうの書きたいなあ・・・
・「ゴリラなら騒げよ。ウホウホしろよ。」「ギリギリ聞いたことねえよ」どんな頭したらこんな面白い返し方が出てくるんですか。
突然入るネタの本題も好きですし、「獣臭がすごい」と何度も繰り返す所も好きです。文体の割には非常に好印象を与えられたことが不思議です。
なのでゲーム本編にまで話を食い込ませてほしかったです。キャラ紹介は結局ただのキャラ紹介なので、彼女たちがユルんと活躍するシーンが見たかったです。
今のままではインパクト不足です。本編も混じえてあともう二三個か展開を増やしてみてください
・ゴリラかぁ……。
割とインパクトとしては使い古され・使い尽された題材なんですよねぇ。
なので字面的な言葉選びは面白いハズなのにイメージされる情景ががずっと見慣れたコメディ映像なのがすごく邪魔。
序盤の唐突な入りと言うのもそもそもコレはリスキーな方法であって、
インパクトを与える代わりに内容的に置いてけぼりにもすると言う両刃の剣なワケです。
ボケの性質自体は字面よりも状況説明的な内容のほうがメインなのでそこと噛み合っていない気がします。
なので突き放された感覚のデメリットの方が大きかったのではないかと。
本編は本編で分かりやすく突飛な展開を持ってくるコトには成功しているのに、
やはり突飛な印象に見えなから、くだりそのものが持つ本来の面白さでは届かない。
ツッコミの簡潔で理解が一瞬で完了でき、かつ捻りの効いた絶妙な言葉選びも、
ボケ側のひねりの弱い設定雰囲気にのまれて威力半減に見えますし、
むしろ対比としてそれを強調してしまっている側面すらある。
既に見飽きたような印象を持たれる可能性の高い題材を取り扱う時は、
それを払拭できるだけの衝撃的な言葉遣いだったり奇抜な構成だったりを仕込んでいかないと、
全体を覆う空気感が結構な足かせになります。
そこに対策をこうじてもらえるとよりいいネタになるハズです。
・やべぇわ。このブロックえげつない。
なんだ「ネクストバッターズサークルにずっとゴリラがいる」って。
多分俺が一生長文書き続けても出来ないツッコミ。
第9回の頃と比べて飛躍のレベルを超越してる。
スタンディングオベーション。
・これはね、僕とっても大好きなネタなんですよ…。
不思議な魅力に囚われてしまって以来、この世界観の虜です。
淡々と進んでいくのも物足りなさと言うよりテンポの良さという感じがし、ツッコミがどんな角度から飛んでくるか分からないこの感覚がたまらないです。
「バイブルはノルウェイのゴリです」に対して「カタカナがいっぱいで何言ってるかわかんねえよ。」のツッコミを入れてくるズラし方が良いですよね。
なんで急にそのボケが!?と思ってしまうような乱暴なボケもこの世界観の中だと面白くしか感じないわけで、とにかく大好きなネタです。
技術をもってして作り込んでも出来ないこの作者にしか生み出せない世界観だと思います。
・完全なるゴリラ押しでここまで面白い作品が作れるものなのですね。素晴らしかったです。
夏草さんと重なりますが「ネクストバッターズサークルにずっとゴリラがいる」が最強でした。
どこかでもう少しボケが積み重なっていれば、さらに面白くなったかもしれません。オチ付近があっさりし過ぎていて少し勿体なかったです。
X子:第11回MM−1グランプリ、57組の頂点はkissしてシクラメンが勝ち取りました。本当におめでとうございました!
Y美:また第12回MM−1グランプリが開催されましたら、その時は皆さん、奮ってご参加くださいませ!
XY:ありがとうございました!!
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