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No.001 サンザンヒーローズ
6月に備えて
B:どうもサンザンヒーローズです

A:略してサザンで覚えてください

B:某歌手とかぶるだろ!ってことで

A:早速ですけども、「めん」の時期って面倒くさいことが多いですよねぇ

B:はい?

A:いや、だから「めん」の時期が・・・

B:「めん」?

A:だから「めん」が・・・あ、ごめん間違ってた「つゆ」が面倒くさいっていう

B:どんな間違いだよ!そんな「めんつゆ」を天候の「梅雨」と引き合いに出されてもらっちゃ困るよ!

A:あぁ、初っ端から大胆なミスをしてしまった・・・

B:自ら「大胆なミス」って言う奴初めて見たけど・・・

A:今日の昼飯がカレーだったからかな・・・

B:そこ「めんつゆ」絡まないのかよ!だったら微塵も関係ないわ!

A:あ、カレーうどんだから多少は「めんつゆ」成分が配合されてるかと

B:いや知らねぇよ!

A:ストレートタイプの「めんつゆ」使ったから・・・

B:知らねぇってんだ!!聞いてないだろお前ん家の「めんつゆ」事情なんか!

A:そうそう、「ストレートタイプ」で思い出したんだけど、梅雨がメンドいってことでね

B:思い出す要素が一つも見当たらないんだけど・・・まぁ梅雨ですか。確かに毎日のように雨降るからね

A:雨ってうっとうしいですよね、出掛けるときにいちいち傘を持っていかないとじゃないですか

B:まぁね

A:しかもビニール傘で店とかの傘立てに置こうもんなら、他の人もビニールだから見分けつかないわけですよ

B:だいたい形が一緒だからね

A:その度に商品登録番号チェックして判別つけないとってなると・・・

B:お前が面倒くさいわ!そんなの見た目で判断しても良くない?

A:お前なぁ、そんないい加減な判断でもし他人のビニール傘を持って帰ったりとかしたら、
  夜中寝ているときに玄関から飼い主求める遠吠えが聞こえてくるだろうが

B:ペットじゃねえんだから!そうなればもはや怪奇現象だよ!

A:だから、今後ビニール傘にも個々に個性を持たせた方が見分けついて便利になると僕は睨み返してるんですよ

B:「睨んでる」でいいよ!誰とメンチ切ってんだお前!そんで個性を持たせるってどんなのですか?

A:まぁ簡単なとこで言えば、
  最近女性の間でデコ携帯とか言って色々アクセサリーとかを本体に貼って装飾するのが流行ってるじゃないですか
  それをビニール傘に置き換えるだけでも、全然違ってくると思うんですよ

B:なるほど。一人一人作るものが違うから、それで見分けがつくということか

A:それで付ける物も工夫していったら、さらに楽しめるんじゃないかと。例えば乾燥わかめを貼ったりとか

B:貼りたくねえよ!周囲が磯臭くなってたまらんわ!

A:何でだよ。その状態で傘差したら雨の恩恵を受けて、帰ってくる頃にはみずみずしく戻ってるんだぞ

B:そんなメリット要らんわ!ここまで見たくも無いビフォーアフターも珍しいよ!

A:応用を利かせてもいいよね。真夏の時期に日傘に生魚貼れば簡単に干物になるし

B:なんでお前は外出中の頭上で食品加工させたがるんだよ!そんな調理方法じゃ食欲無くすって!

A:冬に雪降ってる時なんかは、サンマの塩焼き貼ってれば自然と大根おろしができてるし

B:できてねぇよ!!それは雪だよ!!せっかくの塩焼きもヒンヤリしちゃうよ!

A:あ、おろしの「お」は、雪が降るの「降」で、「大根降ろし」な

B:くだらねえよ!!あらゆる意味で上手くねえからな!

A:まぁ装飾する以外にも方法はいくらでもあるかと。例えば傘の柄の部分を改造してみたりとかね

B:なるほど、結局傘立てから一番見えてる柄の部分を変えればすぐに見分けがつくもんね

A:例えばフック状になってる柄の部分をさらにクリンっとさせてブタのしっぽみたいな感じにしたりとか

B:見分けはつくけどダサくね!?形状はあのフック状が一番無難なんじゃないの?

A:何でだよ。ブタのしっぽ状なら、もしどうしても開けることの出来ないワインがあったりしたらクルクルクル、キュポンって

B:ワインオープナーか!お前の描くブタのしっぽ状って、よほど先端が鋭利なのな!

A:ていうかね、そもそも何でフック状なのかって話ですよ
  あんなもん傘立てに入れると先端が「↓」になるでしょ?なんかアレを見てるうちに自分の運気も「↓」に思えてくるんですよ

B:偏見甚だしいわ!そんな着眼点を持ったネガティブ思考は初めてだ!

A:だからそういう人のためにも、先端は「↑」にしましょ!これで自分の運気もアゲサゲ!

B:どっちだよ!上がってんのか下がってんのか!そこはアゲアゲでいいよ

A:それと個性を持たせるっていう意味では、近い将来に意思を持った傘の柄が誕生するかもしれないね

B:何ですか意思の持った傘の柄って

A:だから傘立てにいっぱいビニール傘があって自分のがわからなかったとするだろ?

B:うん

A:そうした時に、柄の部分が手の形に変形して「こっちこっち」って手招きするっていう

B:怖っ!!ちょっとした怪談話だろ!

A:それを持って歩くときも無くさないようにずっと握手してくれるという

B:余計なお世話じゃ!何か使い終わった頃には手のひらに汗がこもってそうでイヤだ!

A:傘肌の優しさ・・・

B:人肌みたいに言うな!そんな言い方だと乾燥肌みたいになるから!

A:まぁここまで色々と案を出してみましたが、これらが実用化されるととても便利な筈なんです

B:俺はとてもそう思えないけど・・・手招きがトドメをさした

A:じゃあちょっとその実例を演じるから、その便利性に恐喝してください

B:驚愕だろ!何で金むしり取ろうとするんだよ!

A:「あー、今日は雨かぁ、傘を差さなくちゃだなぁ」

B:外出するシーンですね

A:「どの傘で行こうかなぁ」

B:あ、家には色んな傘を持っている設定なのね

A:それでどれにするか悩んでる間にもずっと「俺を選べ!」って言うように自分を指差す意思持ち傘

B:何という意欲の高さ!けどやっぱり怖い!

A:「うーん、今日はワカメの気分かなぁ」

B:どんな気分だよ!腹でも減ってんのかな!?てか意思持ち傘の気持ちも汲み取ってやって!

A:それで、色々迷って、日傘で外出ですよ

B:まさかの日傘!?使用用途が違うし、そもそも外は雨だから干物なんて出来やしないぞ!!

A:で、外出して帰宅する頃には魚の水煮が完成されて・・・

B:いつ加熱調理したんだよ!!世の中そんなうまいこと行くと思ったら大間違いだぞ!

A:「水煮が出来てなかった・・・鬱だ・・・」

B:うわ、めっちゃテンション下がってる!ちょっと考えればわかることなのに!

A:選ばれなかった意思持ち傘も、壁にのの字を書いてる始末

B:めっちゃ拗ねてる!なにこれかわいい!!

A:「えぇい、今日はヤケだ!飲んでやる!」

B:そんな理由で!?てか水煮くらいなら、買えよ!!

A:「クルクルクル、キュポン!」

B:ワイン開けた!?ブタのしっぽ状のやつでワイン開けた!?

A:「グビッ、グビッ、グボバッ」

B:おうおうそんな口から溢れる位まで飲まなくでも・・・

A:「プハー、やっぱりストレートタイプに限るぜぇ!!」

B:いや「めんつゆ」かよ!!いい加減にしろ!

2人:ありがとうございました

予選総合第11位(準決勝敗退) サンザンヒーローズ
審査員
点数
75 60 68 89 78 平均 74.0
【審査員コメント】 
・オチが綺麗に決まったな、というのが第一印象でした。

 ただオチ以外の天丼が盛り上がりに欠けたように思います。
 “フリ<天丼”というよりは“フリ=天丼”な感じがしてしまいました。フリのボケも若干消化不良な感がありました。もっと上手く料理できそうだったんですが・・・。
 
・Aさんが

 「しかもビニール傘で店とかの傘立てに置こうもんなら、他の人もビニールだから見分けつかないわけですよ」

 という仕掛けをした時にBさんが

 「だいたい形が一緒だからね」

 という「公定の様相」を形成したのに、直後でBさんが

 「そんなの見た目で判断しても良くない?」

 という認識の矛盾を犯してしまっているところが序盤で気になったんですが、
 その序盤20行あたりまで、ツカミに失敗しているような印象でした。
 中盤から後半にかけていいボケもたくさんあったんですけど、
 ネタの本筋に持っていく為の準備がゴタついてしまってる感じを受けました。
 あとはちょっと全体的に「箱庭状態」で終わってしまってる感がありますね。
 用意した仕掛けの範囲内でしか動けてないといいますか・・・。
 中盤から後半でほぼ完ぺきな「Aさんの脳内傘世界」を構築できてるんですから、
 終盤の実用例のくだりは「世界的にそれが当たり前になっています」くらいの
 飛躍の仕方をしてもブレたりしなかったと思うんです。
 これが箱庭状態になってるせいで、なんとなく仕掛けた天丼が読めてしまいました。
 多分、最後の展開も行きつけのバーで「マスター、いつもの、ストレートで」
 って言ってめんつゆが出てくるくらいの賭けに出てもよかったんじゃないでしょうか。
 
・ツッコミの単語を練りすぎて空回ってる印象でした。
 ボケの発想が飛んでるので、ツッコミくらいシンプルでも悪くないと思います。
 全体像ですが、序盤にいくつかのボケの展開をしておいて、
 終盤にそれらが回収される王道のネタのように感じました。
 しかし王道であれなんであれ、
 こういった作品を作り上げるセンスのある人が少ないので、
 自ずと評価が高くなってしまうのです。
 
・トップなんで評価の基準にしようとしましたが・・・レベルが高いですね。
 しかし何ででしょうか?。
 中盤以降の文章でこんなに面白い事書ける人が、何で前半でグダグダな文を書いてるのかがわからないです。
 個人的には最初の「めんつゆ」のくだりは2、3回程度のやり取りで良いかと。
 最初の部分を見て「あ、これつまらないかも」というフィルターがかかってしまいました。
 中盤から後半の部分は発想が非常に秀逸で面白かったのですが、それだけに
 「巻き返した」というより「前半は勢いだけで書いていた」感が拭えなかったです。
 
・トップにして見事な漫才だったと思います。
 隙あらばいろんな方向からボケを繰り出して来ますよね。
 最後のコントのくだりの展開が浅かったのと、ボケが全体的にやや弱めだったのが気になりましたが、
 全体的にはきれいな流れの漫才だったと思います。



No.002 センチメンタルゼリービーンパニック
アンデルセンに告ぐ
高岡「どうもセンチメンタルゼリービーンパニックです」

国立「子供の頃から童話が好きでねー…
   特に好きなのがマッチ売りの少女ね」

高岡「健気ですよねー。マッチ売りの少女。
   いいじゃない、僕も好きだったなー…」

国立「でも僕だったらもっと悲しくて
   読み応えがある感じにできますよ」

高岡「あれ以上悲しくすんの?!
   あれでちょうど良いと思うけどなあ」

国立「マッチの代わりにケンタウルスを売る、
   ケンタウルス売りの少女ね」

高岡「意味わかんねえな!なんだその童話!
   ケンタウルスってあれだろ?
   上半身が人間で下半身が馬の…」

国立「そうそう…ギリシャ神話の怪物のね。
   売るのをケンタウルスにしたら
   すごく悲しい物語になるんだよ…」

高岡「その発想自体がちょっと悲しいと思いますけどね…」

国立「年の瀬も押し迫った大晦日の夜、小さな少女が一人、
   寒空の下でケンタウルスを売っていました」

高岡「いらねえよ!
   道行く人の中にケンタウルス買う奴なんかいねえよ!」

国立「ケンタウルスが売れなければ父親に叱られるので、
   すべて売り切るまでは家には帰れないのです」

高岡「父親は完全にどうかしちゃってるよね…」

国立「寒空の下、少女は言いました。
   『ケンタウルスいりませんかー?!
    あ、ケンタウルスいりませんかー!』」

高岡「いらねえって!買ってどうすんの?!」

国立「それはお前…一緒にギリシャ神話ごっことかして…」

高岡「何その遊び?!3日くらいで飽きる気がするわ…」

国立「しかし、人々は年の瀬の慌ただしさから、
   少女には目もくれずに通り過ぎていくばかりでした…」

高岡「ケンタウルス引き連れてるのに?!」

国立「寒空の下、少女はかすれる声を振り絞り、
   ケンタウルスを売っていました…。
   少女の後ろには、売れ残ったケンタウルスが50人…」

高岡「多いな!その状況で通り過ぎる町の人どうなんだ?!」

国立「少女の後ろに横に10人ずつ、5列に渡って並んでいました」

高岡「圧巻だよ!なんかその並びだと少女が強そうに見えるわ…」

国立「少女は、寒さでかじかみ、震えていました…」

高岡「50人に囲まれたらちょっとあったかそうに見えるけどな…」

国立「ケンタウルス達も『寒い』『将来が見えない』
   『椅子とか出されてもどう座ったらええねん』などと
   口々に不満を漏らしていました」

高岡「最後の関係ないだろ!確かにどう座るのか疑問だけど!」

国立「寒さやケンタウルスが売れないこと、
   更にはこっちの気も知らずにグチグチ文句を言うサマを見て
   過剰なストレスが溜まった少女は、
   ケンタウルスのケツを思いっきりシバきあげました」

高岡「蹴りたい気持ちはわかるけどそれダメだろ!」

国立「うっかり後に回ってしまった少女は
   後ろ足で蹴り飛ばされてしまいました」

高岡「下半身馬だからね!
   馬の後ろに立ったら本能的にそうなるわ!」

国立「するとどうでしょう!
   ケンタウルスに蹴り飛ばされるたびに、
   暖かいストーブや七面鳥などのごちそう、
   飾られたクリスマスツリー、小学校の時の思い出など、
   幻影が一つ一つと現れ」

高岡「それもう末期だよ!死ぬ寸前だよ!走馬灯だよそれ!」

国立「地面に叩きつけられると同時に幻影は消えました。
   同時に目の前が真っ暗になりました」

高岡「死ぬね。間違いなく死ぬね」

国立「その時一筋の流れ星が流れ、
   少女は可愛がってくれた祖母が
   『流れ星は誰かの命が消えようとしている象徴なのだ』
   と言った事を思いだした」

高岡「あー、なんかそういうエピソードあったなあ…」

国立「すると、次のケンタウルスに蹴り飛ばされた時、
   ミノタウルスの幻影が現れました」

高岡「何でだよ!あのケンタウルスの逆版みたいなやつ!
   何でこのタイミングで出てきたんだよ!」

国立「だってケンタウルス出したらミノタウルスも出さないと…
   今日襲い掛かられる夢見そうじゃん…同じ一門だろ?」

高岡「タウルス一門とかねえよ!何その派閥!
   流れ的にはここおばあちゃんが現れなきゃダメだろ!」

国立「あ、じゃあ祖母タウルスの幻影が現れました」

高岡「適当なこと言うなよ!何でタウルスつけたんだよ!
   何だその祖母タウルスって」

国立「顔がババアで、体が人間」

高岡「じゃあそれただのババアだよ!
   ババアは人間じゃないみたいな言い方すんなよ!」

国立「地面に叩きつけられると祖母タウルスの幻影が
   消えてしまうことを恐れた少女は、
   何とか空中にとどまることに成功しました」

高岡「どういう原理なの?!何その状態!」

国立「あー、やっぱ無理があるよね…物理学的に」

高岡「ケンタウルス売りって最初の設定の時点で
   常軌を逸しているけどな」

国立「あ、じゃあさ、
   地面に叩きつけられると祖母タウルスの幻影が
   消えてしまうことを恐れた少女は、
   ケンタウルス達を挑発することで
   蹴られ続け、空中に留まる事に成功しました」

高岡「どうしてそこまでするの?!
   祖母タウルスとの間に
   そうまでして繋ぎ止めたい何があるんだよ!」

国立「新しい年の朝、町の人々が見つけたのは、
   ケンタウルスの燃えカスを抱えて幸せそうに微笑む、
   牛の顔をした化け物でした」

高岡「カオス!ミノタウルスなっちゃった!何で微笑んでるの?!
   何でケンタウルスが燃えカスになってるの?!
   何この状態!?夜の間に何があったんだよ!」

国立「そこはアレだよ…ケンタウルスが…燃えタウルス…な?」

高岡「…いやもう意味わかんねえよ!な?じゃねえんだよ!
   お前もう完全にタウルスって言いたいだけだよな?!」

国立「Fin…」

高岡「終わらせられるか!何があってこうなったんだよ!」

国立「まあ…憑依したんだろうな。祖母タウルス」

高岡「それさっきのただのババアだろ?!
   ババア憑依したらババアになるだろ!
   ミノタウルスになった意味が知りたいんだよ!」

国立「やっぱ出しておかないと
   タウルス一門がうるさい気がして…」

高岡「だからねえんだってその派閥!
   随分と恐れてるようだけどよ!」

国立「ケンタウルス売りって時点でやっぱ話に無理があったよな…
   じゃあ次はケンタウルス頭巾ちゃんってのがあるんだけど…」

高岡「いい加減にしろ」

国立「ありがとうございました」


No.003 1日ソ連
交渉人
中村:どうも
山本:!日ソ連です。
中村:似てるけどちがいます。1日ソ連ですよ。
山本:いやー来ましたよMM−1。
中村:本当ですよ。ようやく来ましたよ。
山本:1番賄賂を渡した人が勝つというマネーマネー1。
中村:MはマネーのMじゃないよ。
山本:ハイフンは実は伸ばす棒という。
中村:だから違いますって。
山本:突然だけど交渉人ってかっこいいと思うんですよ。
中村:何を交渉するんですか?
山本:審査の点をあげてもらえるように交渉を・・・
中村:不正しか考えれないのかお前は。
山本:そんなことより交渉人やらせてください。
中村:いや、絶対無理だって。
山本:絶対なんてないんだよ。絶対。
中村:じゃあその絶対おかしいよ。
   まあ、1回やってみるか。
山本:ならお前問屋やって俺スーパーの店員やるから。
中村:値下げ交渉じゃないよ。あの、爆弾とかの。
山本:だから爆弾安くしていただけないでしょうか。
中村:爆弾ってそういう使い方するんじゃないよ。
   仕方ない。俺が交渉人するから犯行の電話かけて来い。

山本:もしもし。
中村:はい。
山本:おい!ふざけんなよ!俺は嫌だからな。
中村:・・・反抗じゃないよ。犯行の電話。

山本:もしもし。
中村:はい。
山本:カツ丼2つ。
中村:何の電話だよ。犯人からの電話にして。

山本:もしもし。
中村:はい。
山本:自首します
中村:するなよ。交渉する所をなくすなよ。
山本:だから、自首しないように説得するんだよ。
中村:そんな役割の人いらないでしょ。真面目にやってください。

山本:もしもし。
中村:はい。
山本:よく聞け。1回しか言わないからな。後でつべこべ言っても・・・
中村:いいから早く言えよ
山本:山奥に爆弾を仕掛けた。
中村:なんで山奥なんだよ。どっかのおじいさんがあータケノコがーとかいうぐらいだよ。
   場所を変えろ。
山本:タケノコを守るために?
中村:違うって。もっと人が死ぬような所に仕掛けないと。
山本:山本に爆弾を仕掛けた。
中村:自爆かって。都市に仕掛けようよ。都市に。
山本:百歳の老人に仕掛けた。
中村:年に仕掛けてどうするんだよ。都市に仕掛けろよ。東京とか。
山本:東京に爆弾を仕掛けた。
中村:要求はなんだ。車か?金か?
山本:車でできた金。
中村:どこで使えるんだそんなもの。
山本:じゃあ、金でできた車。
中村:もう意味が分からないわ。
山本:っていうかこっちには人質がいるんだ。
中村:早く開放しろ。
山本:リカちゃん人形は俺のものだ!
中村:人形かよ。
山本:いや人もいるぞ。
中村:声を聞かせろ!
山本:「たーすーけーてー」
中村:感情をこめろ。感情を。そんな事してると親が悲しむぞ。
山本:僕の母親は(シクシク)5年前に・・・(シクシク)
中村:おっ!作戦が効いたか。
山本:バレーボールを始めました。
中村:ママさんバレーの情報聞いてないわ。ってかなんで泣いたんだよ。
山本:泣いてないよ。掛け算の練習。
中村:ややこしいわ。そんなことよりお前は誰だ!
山本:ポメラニアン オス 3才
中村:ふざけんな!
山本:じゃあ ゴリラ メス 8才
中村:じゃあって言ったらダメだろ。
山本:ごめん。
中村:謝られても困るから。ってかポメラニアンの親がバレーってすごくない。
山本:ワンワン
中村:いまさら犬語にしなくていいよ。
山本:おい!ふざけてると爆発させるぞ。
中村:結局どこに仕掛けたんだよ。
山本:山本。
中村:自爆かよ。
山本:違うよ。父親に仕掛けたの。
中村:ややこしいわ!もういいよ。
二人:どうもありがとうございました。

予選総合第62位(1回戦敗退) 1日ソ連
審査員
点数
13 25  1 30 38 平均 21.4
【審査員コメント】 
・まだまだボケを入れられるのに勿体ないな、というのが第一印象です。 
 このネタは行数は少なめな一方で省けそうな部分が見られたりなどもどかしい感じがしました。
 ボケの切り口も浅いものが多く、意外性が無かったです。 正直、ユニット名のユニークさの方が印象に残ってしまいました。
 
・「ボケとツッコミ」というより「おかしな発言と添削」って感じですね。
 とにかく、圧倒的に「仕掛けが足りない」の一言に尽きてしまいます。
 ボケがただの駄洒落で終わってしまっていたり、広がってなかったり、
 ボケのひとつひとつが単発すぎてて浅さを感じてしまいます。
 面白いボケって、「そのボケが持つ影響範囲」と
 「その影響範囲を的確にツッコめるか」でワンセット、みたいなとこないですか?
 「もしもし」のショートコントのところなんかは、後続の展開で
 天丼しやすそうな部分だったのに、なんかスベっただけになってしまったような。
 あとは、やりとりが大雑把すぎますね。リアリティが薄いんです。
 「東京に爆弾をしかけた」って多分犯人言いませんよ。
 「東京のどこだ」って返さないとおかしい部分ですよね。
 「ボケを言いたいために会話をする」のではなく、
 「会話を成立させた上でボケが生じている」に書き方を切り替えてみては
 どうでしょうか。
 ・・・あと、「この大会が」とか「審査員が」なんて部分を広げられても
 そのハードルは低すぎると思います。
 
・いや〜、映画「交渉人」いいですよね〜。
 あ、交渉人って言っても、日本の、米倉が飛行機にぶら下がるコメディじゃなくて、
 アメリカのほうの交渉人ね。
 なんと言ってもサミュエルとケビンの攻防ですよね。
 男のドラマですよ。ドラマ。
 デヴィットモースとか、JTウォルシュも渋くてよかったですよね。
 F・ゲイリー・グレイ監督はこれを超える作品を撮ることができるんでしょうか?
 あ、1日ソ連さんはこんなのよりももっと面白い作品をどんどん書いてくださいね。
 
・ちょっと評価しにくいですね・・・
 恐らくボケが下手でツッコミが上手いというアンバランスのせいでしょうか。
 それとも単にネタが短いからでしょうか。
 実際に舞台で見れば面白いとは思いますけどね。
 
・「爆弾犯への交渉」がテーマな割に、あまり緊迫感が伝わって来ませんでした。
 犯人役の方がボケなので、そもそも中村が動かしたい方向に話が進みづらい、というのも原因かもしれません。
 ボケもベタな上、1つ1つが流れから少々浮いていたような気がします。
 ただ、フレーズ自体には興味深いものもありました。「あータケノコがー」なんかはクスッと来ました。
 あと、オチも個人的には良いと思いました。



No.004 dog's imagination
キムタクに捧ぐ
あゆむ:はじめまして、dog's imaginationと申します。

 マキ:…2010年4月7日、木村拓也氏が亡くなりました。……早すぎる死を、悔やんでも悔やみきれません。

あゆむ:今日は、本当は漫才をする予定だったのですが…相方の彼が、どうしても巨人の木村拓也コーチを追悼したいということですので……

 マキ:4月2日、彼が倒れたというニュースを聞いて……驚きを隠せませんでした。

あゆむ:確かに、そのニュースには本当に驚きました。ただ快方に向かうのを、祈るばかりでしたが……

 マキ:本当です。まさかキムタクが倒れるとは……。

あゆむ:…その言い方だとSMAPみたいになりますよ。

 マキ:ファンの人たちも驚いたでしょうし。

あゆむ:………ええ。

 マキ:ジャニーズ事務所も対応に追われたでしょうね。大変だったでしょう。

あゆむ:……あれ、案の定。いつからSMAPの木村拓哉の話になったんでしょうか。

 マキ:カップヌードルのCMが原因だったのか……

あゆむ:…ちょっと、ちょっとお前さん。

 マキ:なんでしょう。

あゆむ:なんでしょうじゃないですよ……あなた、もしかしてSMAPの木村拓哉の話だと思ってませんか。

 マキ:………ええ、SMAPの木村拓哉氏の話です。わたしの聞いた事実をありのままに話しているだけです。

あゆむ:……じゃあ、聞いたその内容を教えてくださいよ。

 マキ:わかりました。……まず、SMAPの5人が縦一列に並んでいたんですよ。

あゆむ:…そこからよくわかんないですけど。どういう状況なんですかそれ。

 マキ:だから、SMAPの5人が縦一列に並んでいたんですよ。河川敷で。

あゆむ:驚きですよ。河川敷にSMAP並んでたら驚きですよ。思わず振り向きますよ。

 マキ:そのまま5時間そうやっていたら、キムタクが倒れたんです。

あゆむ:必然の未来じゃないですか。それまでよく耐えましたね。

 マキ:不思議なことです。炎天下だったのに。

あゆむ:さらに必然性が高まりましたよ。…そうですか、キムタク倒れたんですか。

 マキ:ええ、もう地面にのめりこむ勢いで倒れました。

あゆむ:どんな勢いですか。地面にのめりこむって、どんな勢いですかそれ。

 マキ:そして、顔の半分は土に埋まっていました。

あゆむ:すごい状況じゃないですか。…他のメンバーは大丈夫だったんですか。

 マキ:いえ、他のメンバーも倒れていました。

あゆむ:大惨事じゃないですか。SMAP5人が河川敷で倒れているって、大惨事じゃないですか。迷わす119です。

 マキ:でも、他のメンバーはそんなに倒れていませんでした。

あゆむ:…そんなに倒れていないとは、どういうことですか。

 マキ:中居くんは60°ぐらい右に倒れて、持ちこたえました。

あゆむ:どんな状態ですか。重力とか平気なんですか。

 マキ:吾郎ちゃんは右側30°止まりでした。

あゆむ:十分すごいバランス感覚ですよ。

 マキ:以下、伸吾くんが左側30°、残りの1人が左側60°でした。

あゆむ:SMAP全員、どんな身体能力してるんですか。そして草gくんもちゃんと名前で呼んであげてください。

 マキ:そうやって倒れることで、なにが起こると思いますか。

あゆむ:よくわかりません。

 マキ:その列を正面から見ると、放射線状になっていてとてもきれいなのです。

あゆむ:…たしかに、ちょっとした組体操みたいですけども。なにがしたいんですかSMAPは。

 マキ:本当は、キムタクは倒れずに立っているはずでした。そうすれば、角が見事に6等分出来ていたはずでした。

あゆむ:キムタク、0°の役割だったんですか。90°以上オーバーしてるじゃないですか。

 マキ:キムタクだけ足腰が弱かったんですね。他のメンバーは5時間、そのままの角度でいられたのに。

あゆむ:他のメンバー、5時間傾きっぱなしだったんですか。SMAPどんだけ超人揃いなんですか。

 マキ:……という話だと聞いているのですが、違いますか。

あゆむ:違いますね。まるっきり違いますね。……まず、「きむらたくや」は「きむらたくや」でも、野球をする方の木村拓也さんですよ。

 マキ:野球をしていたキムタクですか。

あゆむ:若干ニュアンスがズレましたね。

 マキ:つまり、SMAP内で野球をやっていたのですね。

あゆむ:違います。SMAPから離れてください。そして、5人で野球をするのは無理があります。

 マキ:1番、センター、キムタク。

あゆむ:勝手に始まりましたね。

 マキ:投げるのは中居くん。

あゆむ:中居くんピッチャーですか。

 マキ:残りは応援の皆さん。

あゆむ:野球やってるの2人じゃないですか。ただでさえ少ない人数なのに、さらに減らしますか。

 マキ:中居くん第1球を投げた。

あゆむ:投げましたか。

 マキ:キムタク打ちました。……打球伸びます、伸びますがホームランには届かない。打球捕られてしまいました。

あゆむ:誰が捕ったんですかそのボール。そんなに伸びたのに。…まさかピッチャーの中居くんですか。

 マキ:いえ、吾郎ちゃんです。

あゆむ:応援の人じゃないですか。なんで捕ってるんですか。

 マキ:縦一列に並んでいたら、ちょうど飛んできたのです。

あゆむ:また縦一列なんですか。野球してるのに縦一列ですか。

 マキ:1番キムタク、観客フライに倒れました。

あゆむ:ああ、そういう「倒れた」ですか。うすうす感づいてはいましたが。…そして観客フライっていう言い方あるんですね。

 マキ:…本当は、キムタクは倒れないはずでした。他のメンバーは、各々の角度に倒れたままというのに。

あゆむ:他のメンバー、野球中ずっと傾いていたんですか。中居くんは60°のままピッチャーやってたんですか。

 マキ:ええ、サイドスローです。

あゆむ:サイドスローの域を超えています。

 マキ:そうやって、河川敷で野球をしていたのです。

あゆむ:河川敷だったんですか。やはり河川敷だったんですか。

 マキ:……なるほど、こういう話だったのですね。勘違いしていました。

あゆむ:違いますね。まるっきり違いますね。野球をしている「きむらたくや」は「きむらたくや」でも、巨人の木村拓也さんです。

 マキ:なるほど、めっちゃデカいキムタクですか。

あゆむ:またズレましたね。その「巨人」じゃないです。

 マキ:めっちゃデカいキムタクは、5mですか。

あゆむ:デカすぎます。もはや、怪獣です。

 マキ:わかりました。5mのキムタクが、倒れたのですね。

あゆむ:大惨事です。ゴジラの映画並の大惨事です。

 マキ:SMAPで縦一列になっていたところ、5mのキムタクが倒れたのですね。

あゆむ:やはり縦一列ですか。やはりまた、縦一列なのですか。

 マキ:ええ、SMAPで縦一列になっていたところ、5mのキムタクが倒れました。鉄板の上で。

あゆむ:そこは河川敷じゃないんですね。何故たいやきくん風味なんですか。
    …ということは、他のメンバーはまた、60°とかに傾いているのですか。

 マキ:いえ、5mのキムタクの下敷きになりました。

あゆむ:メンバーがいる方向に倒れてるじゃないですか。

 マキ:ええ、メンバーがいる方向に倒れました。

あゆむ:今日一番の大惨事です。

 マキ:もう、地面にのめりこむ勢いで倒れました。

あゆむ:4人を下敷きにしているのに、またそんな勢いでしたか。恐ろしいです。

 マキ:ええ、角度で言うと、120°です。

あゆむ:相当埋まってるじゃないですか。パッと見、突き刺さったと言っても過言ではないですよ。

 マキ:ええ、そしてその様子を見た巨人の木村拓也コーチが、驚きのあまり倒れたのですね。

あゆむ:違います。それも違います。……そろそろ時間なので、これで漫才を終了します。

 マキ:……ふう、ずっと60°に傾いていたら、とても疲れました。

あゆむ:漫才中ずっと傾いていたのですか。もういいです。………最後に、木村拓也氏のご冥福をお祈りして、漫才を終わらせていただきます。ありがとうございました。

予選総合第39位(2回戦敗退) dog's imagination
審査員
点数
20 55 19 80 70 平均 48.8
【審査員コメント】 
・言葉の意味の取り方を利用して話を広げるというアイディアそのものは上手かったと思います。
 ただボケに目を引く部分が無かったかな、と思いました。イメージも浮かぶのですが笑いに繋がるところまで至らなかったです。

 ここからはかなり個人的な感想になりますが・・・

 面白いというより不愉快といった感想を持たずにはいられませんでした。 こういう話題はネタにしていいものなんでしょうか・・・。
 「ご冥福を・・・」といった台詞も「この文章を入れれば別にいいだろ」みたいな印象を抱いてしまいました。
 (もちろんそういったつもりが無かったというのはわかっているのですが。)
 ただ単に僕の考えすぎなのかもしれませんが、気分を害する方がいないとは言い切れないと思います。
 (もちろんそこの要素だけで判断して点数を付けたわけではないですが・・・)
 
・淡々とした口調の展開、そのやりとりに違和感がないので
 サクサクと読み進める事が出来る作品でした。
 そこに流れてる「確かな緩い空気」は綺麗に表現できてるんですが、
 個々の「笑わせるポイント」を切り取って判断すると、それがあまり
 「効果的に笑わせる」に至ってなかった、という感じがしました。
 終盤の「鉄板の」の部分を有効利用できなかったのも残念です。
 落ち着いた口調での的確な指摘、という部分だけ鑑みると
 かなりの手腕で書かれてる事はよくわかります。

 一応ゴジラ検索してみたんですが50mあるそうです。
 
・人命とか、モラルとか、別にどうでもいいんですけど、
 そういうのを差し引いても微妙でした。
 既に題材が一定に知れ渡ってる、スマップというキャラを使うのが気に入らないんです。
 0からキャラを作るならともかくとして、
 既にある人たちをいじり倒したらそんなもん面白いに決まってるでしょ?
 
・この世界観、嫌いではないです。
 しかしこういうネタの弱点は、メリハリがつきにくい事です。
 大きく外す事は少ないですが、大きな笑いを取れる事も少ないです。
 しかしこの世界観、嫌いではないです。
 
・SMAPが30°ずつ放射状に並んでる、てw
 元々強力な5人の個性を丸っきり捨てている、というのが面白い扱い方だったと思います。
 題材が題材だけにちょっと笑いにくい面もありましたが、
 話の展開としては非常にキレイだったと思います。



No.005 ホイルマン
馬人間
a 「どうもー、こんにちは。」

b 「ホイルマンです。」

a 「よろしくお願いします。」

b 「よろぴく」

a 「よろしく、だろ」

b 「ここのお客さんは、べっぴんさん、べっぴんさん、
  1人殺して、べっぴんさん。」

a 「殺すなよー」

b 「最近、馬顔の人を見て、馬人間が、いるなと、
  思っているんですが。」

a 「へえー、つっこみ無視すんなよ!」

b 「馬人間、その起源は、蘇我の馬子からだった。」

a 「名前だけじゃねーか」

b 「じゃあ、俺が馬人間をやるから、俺に、話しかけてきて。」

a 「おk。」

b 「やあ、僕は馬人間の、馬顔長夫だよー」

a 「何、その名前」

b 「早く人参が食べたいなー」

a 「馬っぽいな」

b 「いや、本当に、馬なんだよ。」

a 「じゃあ、人はどこへ行ったんだよ。」

b 「探せば、探すほどいるんだ、この世界に人間は。」

a「おお微妙に、深い、その前に本題に戻そう。」

b 「僕は、馬人間だよ、出身は、群馬県、好物は、馬刺しだよ。」

a 「馬つながりじゃねーか。」

b 「おや、君いい人参をもってるねー。」

a「何、この人。」

b 「や ら な い か 。」

a 「ど下ネタじゃねーか。」

b 「やっぱり2人だとやりにくいから、
  俺一人で、やるわ。」

a 「えええ。」

b 「やあ、僕は馬人間だよ、
  おう、や ら な い か。」

a 「また、や ら な い か、じゃねーかよ。」

b 「うん、やろう。」

a 「ガチホモじゃねーか。」

b 「僕ね、馬人間の歌を作ったんですよ。」

a 「へー。」

b 「馬人間 馬人間」

a 「おお」

b 「みんな 僕は、群馬出身、馬刺しが好物さー」

a 「馬つながりじゃねーか。」

b 「やあ、みんなー、や ら な い か。」

a 「また、や ら な い か、かよ、もういいよ。」

b 「どうも、ありがとうございました。」

予選総合第66位(1回戦敗退) ホイルマン
審査員
点数
 2  9  1  0 18 平均 6.0
【審査員コメント】 
・すいません、どういう意図のボケなのかがほぼ理解できませんでした。
 どういう点で笑わせようとしたボケなのかが不明瞭だと読者に思い通りにネタを受け取ってもらえないので、もう少し客観性を持ってネタを作ったらいかがでしょうか。
 
・嗚呼、なんか言いたい事は夏草さんが代弁してくれてる気がします。
 とにかく全部が「浅い」の一言じゃないでしょうか。
 まず個々の展開が全部やっつけ状態でスタートしている為、
 起承転結がガタガタしちゃってます。
 ツッコミも「それしか言えないなら要らないんじゃないか」ってくらい
 内容が薄いです。読点の使い方ももう少し・・・
 うーん。ホントごめんなさい。良いところが拾えませんでした。
 
・まったく、いみが、わからないと、おもいました。
 おととい、きて、ください。
 
・うーん・・・困りました。
 凄く辛辣な事を書きたいです。
 最初の掴みの部分は、実際のコンビの芸人さんがやっているのを見ました。
 「1人殺して・・・」の部分が印象的だったので覚えてます。
 しかしもその芸人さんは「もし相方が殺人鬼だったら」みたいな前フリを入れた上でやってました。
 なので前フリもなくいきなりボケたこのネタは、オリジナルよりも下回っている訳ですね。
 この時点でかなり評価はマイナスなのですが・・・
 本ネタのほうもあまり考えずに書いたようなネタに見えます。
 とりあえず自分の書いたネタは、書いた瞬間は面白いと思っても1日程置いてから
 「本当に面白いかな?」と見直す事をお勧めします。
 
・馬人間・・・正直、笑い飯さんの「鳥人」を意識して思いついたネタのような気がしてならないのですが、
 それでも上手く扱えば、面白くなり得る題材だと思うんです。
 ただ肝心の本文では、指摘程度の弱いツッコミ+安易な「や ら な い か」連発、
 おまけに「1人殺して」という最悪な(のにフォローが無い)ツカミと、
 面白さよりもマイナス面が目立ってしまっていたと思います。
 漫才を作るときに、頭の中のイメージをそのまま出すのではなく、
 文章としてボケを伝える、という事を意識してみてください。



No.006 クリオネ
漫才/隣人とのコミニケーション/友達とのコミニケーション
高田:お願いします!クリオネの高田です!

芝原:芝原です!

高田:突然ですけど、最近、近所付き合いが減っているって聞きますでしょ?

芝原:あー確かにね。コミニケーションは大事ですからね、ちゃんとした方がいいと思いますね。

高田:芝原さんは、できますか?

芝原:そりゃ、ちゃんとできますよ。やってみましょう!

高田:じゃあ、僕が隣人やりますから。来てください。

芝原:すいませーん!昨日引っ越してきた芝原ですけども

高田:ハイハイ、はじめまして

芝原:さっそくですけど、つぼいりませんか?このつぼにはすごい力が秘めていて…

高田:あやしい商売すんなよ!そんなもん今後一切付き合いたくないわ!

芝原:あ、だめ?

高田:だめにきまってますよ!

芝原:それやったら、コミニケーションとるには食べ物とか送ったりしたらええと思う!

高田:なるほどね、確かに言う通りやね。じゃあ、食べ物持ってきてやってみよ

芝原:ちょっとすいませーん!隣に引っ越してきたキムジョンイルですけど!キムチいりませんか?

高田:北朝鮮の最高指導者きた!おかしすぎるやろ!

芝原:もう一回チャンスくださいよ…ちゃんとやりますから

高田:わかりましたよ。来てください

芝原:すいませーん!隣に引っ越してきた芝原ですけど

高田:ハイハイ、はじめまして!

芝原:これソバでも食べてください!いつでもおそばになんて

高田:冗談うまいですね〜わかりましたもらっときます

芝原:まあ、賞味期限1週間前に過ぎてますけど

高田:そんなもんいらん!腐ってるもの持ってくるな!

芝原:話が360度変わりますけど

高田:元に戻った!180度ね。なんですか?

芝原:友達づくりも大変でしたね。特に高校とか

高田:確かにね話しかけにくい子とかいましたからね

芝原:そういう子とかもコミニケーションは大事ですから

高田:僕そういうのばっちりですから!

芝原:じゃあ、僕が話しにくい子やりますから話しかけてください

高田:いや〜今日から高校生か!あ、あのこ誰とも話してないな!話しかけてみよう

芝原:…なんだ、お前は!私はキムであるぞ!

高田:なんでおるんや!!!ここ日本!チョウセンジャナーイ!朝鮮の最高指導者はいなーい!!!

芝原:あ、そうですか…

高田:普通の子でお願いします。

芝原:好き、嫌い…

高田:あ、あの子ずっと花占いしてるよ。声かけてみよう。

芝原:なんだい?君も花占い部に入るのかい

高田:違う違う!出身中学校どこ?

芝原:第ニ中だよ

高田:あ、第ニ中なんだ…あそこすっごく賢いよね!君も賢かったの?

芝原:うん、君みたいな下等生物とは違って

高田:最低やな!人として!そういうこと言う人あかんで!

芝原:だめですか…日本人発注してきたのでそういうことしたんですけど

高田:普通の日本人してくれ!すっごくコミニケーションとりにくい子!以上!

芝原:めんどくさーい!

高田:文句言うな!やる!早く!

芝原:俺の机に…落書きされている…

高田:初日にいじめられるな!何があったんや!!

芝原:下等生物どもが!我に逆らうな!

高田:さっきの子やった!?しかも危ない!

芝原:コミニケーションとりにくいだろ?

高田:いや、もういいわ!

二人:おわり!

予選総合第57位(1回戦敗退) クリオネ
審査員
点数
20 43 13 10 35 平均 24.2
【審査員コメント】 
・全体的にボケがベタで浅かったです。 以前どこかで見たような(よくありがちな)ボケが並んでいたような感じでした。 
 やりとりがしっかりできていたのでボケがついてくればもっと良い作品になるはずです。
 
・うわああん。コミュニケーションだと思うのー。

 全体的に見て、1行目の「お願いします!」が
 一番面白かったんですけど、なんか凄い「惜しい作品」という感じがしました。
 あともう1工夫ずつ入れられれば一気に面白くなるんだけどなあ、みたいな。
 オチに持っていく展開も少し急ぎすぎたような印象です。
 正直、笑えるところはなかったんですが、かといってそんなに低評価に
 するような作品かというと、それはそうでもないような・・・。
 あとはテンションバランスですね。スタートしてから二人のテンションバランスが
 崩れてしまってる部分がいくつか散見されるんです。
 構成を再鑑してみると多分見えてくる部分だと思います。
 
・・口調を統一してください
 ・コントに入る前は一行空けるなりしてください
 ・句読点はしっかり入れてください
 ・話題の繋ぎはある程度考えてください
 ・ボケが安易すぎて適当感丸出し

 以上
 
・コミュニケーションですね。
 正直、つまらないです・・・
 これだけ書くと批判になってしまうので何でつまらないのか書きます。
 センスが非常にベタ過ぎるというか、古い気がします。
 もっと「誰でも思いつくような発想」ではなく、オリジナリティが欲しいです。
 「この状況でこのツッコミは普通ないだろう」とか、「このボケ方はないだろう」とか・・・
 そういう意外性等をを突き詰めて考える努力をして欲しいです。
 
・"communication"って英語の綴りで覚えると絶対「コミュニ」ケーションで覚えられます。
 尤も、それ以前にmixiその他で「コミュ」という略称は使われていますけどね。

 話の広がりが浅くボケもありきたり、というのが一先ずの感想ですが、
 そもそも何がボケで何が正解の行動なのか、というのがツッコミを見るまで分からないものがあったりと、どうも話の流れに説得力が無いのが気になりました。
 明確なボケはあるはずなのに、どこで笑って良いかが分からない、というか。
 「コミュニケーションを取るといえば大体こんな感じだろう」というのに頼り過ぎている気がします。



No.007 そーめんらいだーズ
痴漢防止とあとがきみたいな
はくそ:どうもー、そーめんらいだーズでーす。
とよた:よろしくお願いしまーす。
はくそ:とよたくんは今年から上京したんでしょ。
とよた:そうなんですよー。そしたら女性専用車両ってのがあってびっくりしました。
はくそ:そうなんだよね。痴漢がいるからね。
とよた:でもさあ、あれって本当に効果あるのかなあ。
はくそ:どういうこと?
とよた:痴漢って、我慢をこえたときにやるんでしょ?
    そしたらますますやりたくなっちゃうんじゃないの。
はくそ:なんかあってるようなあってないような。
とよた:だからさ、もっと気軽に痴漢させてやればいいんじゃないの。
    ゲーム感覚で。といかゲームで。
はくそ:はあ。
とよた:タッチの達人とかいってさあ。
はくそ:え?太鼓の達人のパクリだろそれ。
とよた:俺が指示するからその通りためしてみてよ。
はくそ:まあちょっと面白そうだからやってやるよ。
とよた:じゃあまず、ステージを選ぶドン!
はくそ:おお、またパクった。なになに、、
    埼京線が易しいか、、やけにリアルだな、、。決定と。
とよた:始まるドン!
はくそ:よーし、ってお前けつ出して
    お前のけつで痴漢するのかよ!
とよた:お前のけつ「で」ってなんかエロいドン。
はくそ:うるせーよ。まあやればいいんだろ・・・。
とよた:Oh! Good! Good! Bad!
はくそ:Goodとかやめろよ!でもBadとかすこし悔しい、、。
とよた:Great! Great! Great! AAAーーー!
はくそ:お!?のってきたぞ!どうだ?さあどうだ?
とよた:Great! Great!
はくそ:よーしフィニッシュだ!連打!
とよた:AAAAーーー!   プシュ―――!
はくそ:おい!お前だいじょうぶか!?
とよた:大宮でぇす!
はくそ:はあ、、てっきり本当にのぼりつめたのかと、、
とよた:てめえが一番危ないドン。
はくそ:ごめんごめん!でもこれ効果あるんじゃないない?なんかすっきりしたし。
とよた:だからすっきりとか言うなドン、、。
はくそ:ああ本当にごめん!次から気をつけるわ。
とよた:、、本当は俺がボケだけどさ、
はくそ:うん。
とよた:言わせてもらうよ。
はくそ:え?
とよた:やめさせてもらうわ!
はくそ:え?えーありがとうございました!
とよた:、、とここでやめようと思ったけど、、
はくそ:え?なに?
とよた:ちょっと僕らのネタを振り返ってみようか。
はくそ:あー、まあいいんじゃない。
とよた:そもそも僕ら初出場だよね。
はくそ:そうそう。だから色々と不安がつきもので。
とよた:まずネタに関してはどう?
はくそ:まず面白くするために辻褄を無視したね。
とよた:例えばどういうとこ?
はくそ:んー、ステージを選ぶところは本当に画面があるかのようにやりました。
    あともろもろです。そっちはどう?
とよた:んー、僕は面白いボケをおもいついたんだけど流れを考えて言えなかったな。
はくそ:へー、なに?
とよた:おいどんはおうどんが好きだドン。
はくそ:おもしろいんじゃない。
とよた:ああそう(笑)あと不安と言ったら?
はくそ:まあなんというか、、これ言いにくいけど、、メタ構造というか、、。
とよた:ああ、僕ら二人本当は存在しませんからね。
はくそ:これが不安の根源というか、だから今あえてそこに踏み込んでるというか。
とよた:さらに審査されるとくるからね。
はくそ:そうそう。画面の向こうではお笑いサイトで
    実績のある人が採点をしているんだ。本当は素人なのに、、。
とよた:でもこういうサイトで一定の評価を得ている人って実際すごいと思うよ。
    それに自分からエントリーしたじゃないか!
はくそ:たしかにそうだね。絵画展に出て「審査員のばかやろう!」と書いた絵を出品するようなことしてる。
とよた:でも忸怩たる思いもある。人が決めたルール内じゃないと自分は何もできないという。
はくそ:だからさ、そういうことをあまり気にしなくてもいいんじゃない?
    まずはやりたいことをやるべきだよ!
とよた:うーん、まあそうだな!悩んでてもしょうがないな!
はくそ:そうそう!人はいつも誰かに迷惑をかけてるものだよ。
とよた:よーし!めいっぱい人に迷惑をかけるぞ!
はくそ:おー!
とよた:ではさっそく、、うん○、ちん○、鳥居みゆきのチェリーパイ、、
はくそ:どうもありがとうございました!

予選総合第64位(1回戦敗退) そーめんらいだーズ
審査員
点数
 5 17  3 14 30 平均 13.8
【審査員コメント】 
・前半はアイディアが自分には考えつかない感じだったので期待したのですが思ったより展開しなかったのが残念です。
 後半ですが、どこをボケと捉えればいいのかわからず、 正直笑えませんでした。

 こういったら失礼かもしれませんが、後半は自己満足で薄っぺらい印象しか受けませんでした。 
 「俺ら、深いこと言ってます」みたいな雰囲気がどうもあれでした。 もしかしてそこが笑いどころだったのでしょうか・・・?
 偉そうなことを書いてすいません。 所詮素人の意見なのでご容赦ください。
 
・これ後半の「振り返ってみる」以降、どこが笑うポイントなのか
 何度読み返してもわかりませんでした。
 総じて「楽屋裏」はネタにされるとそんなに面白くないもんでして。
 これでしたら序盤の「タッチの達人」ネタをもっと突き詰めたほうが
 よかったんじゃないかと思います。テーマはアレですけど・・・。

 忙しい時間割いて審査をやってるのに、ボケとはいえ「素人のくせに」
 みたいな書き方されて不愉快にならないわけがないですよ。
 
・素人に審査されるのが嫌ならこのネタで本家に出ることをオススメします
 
・ネタの中にあとがきを書く人初めて見ました・・・
 自分にはそんな発想は毛ほども無かったです。
 その発想だけで100点にしようかと思いましたが、一応審査員としての立場があるので踏み止まりました。
 ネタのほうですが正直、短いです。
 何であとがきなんてものを入れちゃったんですか!?
 その分ネタを長く出来なかったんですか!?って聞きたい位短いです。
 もう少し長いネタで下ネタで振り切るのか、それとも意外な方向へ行くのかが見たかったです。
 
・前半は面白そうなことをやってる雰囲気がありました。
 ネタになっているのかどうかは微妙ですが、何とかやり切っているところがちょっと面白かったです。
 ただ、後半はどこで笑えば良かったのでしょうか。
 審査員どうこうってのもそうなのですが、「僕ら二人本当は存在し」ない、などと言ってしまったら元も子もないです。
 メタ過ぎて、その辺りの部分が「作品」の範囲からはみ出しているように感じました。
 後半の話題の最初の方に前半部分を振り返るところがありましたが、例えばそこをもっと練って、
 その上でもう一度前半のネタをやり直してみる、みたいな構造だったらまたイメージは変わってきたと思います。



No.008 ぱすてるふぇざー
修学旅行
霧雨:はいどうも。ぱすてるふぇざーです。よろしくお願いします。
   そういえば、修学旅行って楽しかったですね。

雨音:そうですね。普段仲良くしてる人と一緒に過ごす訳ですからね。

霧雨:雨音さんは修学旅行で何が楽しかったですか?

雨音:うーん…私はやっぱり皆と名所を巡ったりするのが楽しかったです。

霧雨:と、言いますと?

雨音:例えば、京都だったらお寺とかを皆で見たりして。

霧雨:あぁ、ありますよね。「あ、銀閣寺だー!」「銀閣寺って銀色じゃないんだー!うっそー!?」
   みたいなやり取りがあったりしてね、ふざけるんじゃないですよ。

雨音:いや、急にどうしました!?今のやり取りに何か不満でもあるんですか?

霧雨:ありますよ。だってその場所に行くんなら事前に下調べをして、十分な知識を得てこそ実際に見て楽しめるものでしょ?

雨音:うーん…そうかもしれませんけど、調べてから見るより最初に見たからこそ興味を持ち、さらに知りたくなるものでもありますよ?

霧雨:そうだとしてもさ、銀閣寺が銀色じゃないのは普通ですって。

雨音:その押し付けはよくないと思いますが…

霧雨:だって銀閣寺を立てた義政は8代目ですよ!?制度も上手くいかなくなってきて、もうお金も無いんです!
   銀なんて張れると思ってるんですか!?あり得ません。歴史上の人物が何でも出来ると思わないで下さい!

雨音:いや、そうは言われても!そんな長ったらしい話、楽しい修学旅行には求められてないですから。

霧雨:いやいや、この知識があってこそ後に
  「義政って本当に貧乏だったんだねー!」「あぁ、貧乏で費用がギリギリだった3組の田中のようだな!」って楽しいやり取りが出来るんでしょうよ。

雨音:なにその可哀想なやり取り!?楽しみ方がよろしくないよ!

霧雨:金閣寺に行けば「金閣寺は金色だねー!」「おいおい、田中は泥棒するんじゃねーぞー。」とか。
   清水寺に行けば「ホントに清水の舞台から飛び降りたらどうなるんだろう?」「おーい!田中ちょっとこっち来てー。」ってやり取りで皆盛り上がりますもんね。
   
雨音:皆が楽しくできるようにして下さい!さっきから田中君が可哀想すぎだよ!
   じゃあ、そういう霧雨君は何が一番楽しかったんですか?

霧雨:僕はお風呂の時が一番楽しかったですね。

雨音:お風呂…ですか?まあ楽しい事には楽しいけど別に一番って程では…

霧雨:「あー湯気が立ってるー!」「このもやみたいな薄ーい感じ…田中みたい!」って皆でわいわい。

雨音:だから盛り上がり方!

霧雨:で、クラスの男子皆でお風呂に入ってね。そこで誰が一番長く浸かれるか勝負する訳ですよ。

雨音:そんな事もしたりしますよね。

霧雨:でも問題がある訳です。ずっと浸かってたら担任の吉川先生が来たんですよ。

雨音:スケジュールは決まってますから。仕方ないですね。

霧雨:で、「俺も混ぜろ。」ってお風呂に入ってきたんですよ。

雨音:注意しましょうよ!随分と自由な先生ですね。

霧雨:先生も加わり、皆で「いーち!よーん!はーち!にーぃ!」って数える訳ですよ。

雨音:いやいや、何ですかそれ!数ぐらいちゃんと数えて!

霧雨:そりゃ1482って銀閣寺の設立した年でしょうが!

雨音:いや、だから別に皆そんなに調べないから!当たり前のように言わないで!
   で、お風呂に入っててどうなりました?

霧雨:ずーっと浸かってたら指がしわしわになっていたんですよ。

雨音:…まあ、なりますよね。それがどうかしました?

霧雨:その場にいた一人が叫びだしたんですよ。「うわぁ!こんなに年老いている!」と。

雨音:確かにそう見えますけども!そこまで驚くほどの事では…

霧雨:クラスの皆が絶望したわけですよ。

雨音:いやいやいや!時間経てばちゃんと元に戻るからそこまではならないでしょ!

霧雨:「もっと青春を楽しみたかった…」「就職とか結婚とかしたかった…」「ああ、家で妻になんて言えばいいんだ…」悲しむ皆。

雨音:先生が混じってる!大人ならすぐに長く浸かってたからだ、って気付きましょうよ!出来れば皆に気づいてほしいんだけども!

霧雨:助けてくれという声、もうダメだという諦め、中には発狂して女湯との境目の壁を壊し始める人も。

雨音:何してるの!いくら絶望しててもそこは抑えて!

霧雨:吉川先生の「俺も混ぜろ。」

雨音:先生ダメだ!それこそ奥さんにかける言葉無くなりますよ!

霧雨:ここで僕が言うわけですよ。「やったー!皆風呂から上がったから僕の勝ちー!」と。

雨音:周りをよく見て!どうみてもそんな状況じゃない!

霧雨:さらに壁が壊れたところで僕が言うんですよ。「それ、時間経てば元に戻りますよ。」って。

雨音:タイミング!もう少し早く言ってほしかった!
   あの…ホントにこれ楽しいんですか?

霧雨:楽しいですよ。皆の驚き具合とか。あの哀れな顔。

雨音:さっきから時々酷い事言うね!ホント楽しみ方がよろしくないよ!

霧雨:で、結局風呂から上がったんですけど、これがなかなか治らなかったんですよ。
   それでね、友達の数人が不老不死の薬を探し始めたんです。

雨音:藁にもすがるような気持なのかもしれないけど!まずそんな薬ないですから。
   まあ、それが分かってたら急激に年を取るなんて有り得ない、って気付けるでしょうけど。

霧雨:で、3時間ぐらい経って友達が見つけたんですよ。薬を。

雨音:いや何故見つかった!?しかも随分と速いなあ!

霧雨:京都へ行く、だから事前に下調べを…

雨音:京都から不老不死の薬を調べるにあたった経緯が到底理解できないよ!
   …というか、3時間経てばさすがに指は戻っているんじゃ…?

霧雨:でも、友達は喜んで飲んだんですよ。しかし、騙されてたみたいで、中身が水銀だったんです。

雨音:いやいやそんな!中国の昔の話とかじゃないんですから!

霧雨:「うっ!これは…毒…」「まさか…水銀か…」「銀…そうか、銀閣寺の呪いか…」皆が苦しみだす。

雨音:間違えてる人がいますよ!

霧雨:「俺も混ぜろ。」薬を飲みだす吉川先生。「うっ……」

雨音:最早先生は何がしたいのさ!

霧雨:「どうせ、妻への言い訳が思いつかないもんな…(バタッ)」ってなってましたよ。

雨音:それは自業自得だから!

霧雨:そして苦しむ友達、笑う田中。

雨音:田中くーん!気持ちは分からなくもないけども!

霧雨:でね、吉川先生が撮った修学旅行のビデオを見終わった僕が言うんですよ。「もう指戻ってるんじゃない?」って。

雨音:だからタイミング!もっと早く言って!
   って、ん?吉川先生が撮ったビデオってまさか…

霧雨:山が綺麗に映っていましたよ。

雨音:あぁ、良かった。確かに京都には有名な山とかいっぱいありますもんね。

霧雨:でもそれ以上に綺麗なのはその前で慌てるクラスの女子…

雨音:って全然良くなかった!山って銭湯とかでよくある背景の事だったか!

霧雨:うーん、やっぱりお風呂が一番楽しかったですね。

雨音:幾ら君が楽しくてもその修学旅行自体がおかしいよ!
   ……はぁ……もう疲れたよ……

霧雨:え、疲れてるんですか?それって血行が悪いのかもしれませんよ!雨音さんも早くお風呂に入らなきゃ!
   疲れが取れて血行が良くなりますよ。あ、その前にちょっとカメラの用意を…グヘヘヘ…

雨音:疲れたのは君のせいなの!もういいです。

予選総合第12位(準決勝敗退) ぱすてるふぇざー
審査員
点数
68 90 39 92 76 平均 73.0
【審査員コメント】 
・銀閣寺、田中君、先生など要所要所で出てくる天丼が非常に面白かったです。
 それだけに不老不死の薬あたりから急激にトーンダウンしたのが残念でした。
 後半調子が落ちずもう少し大きいボケが入ってくるとより完成度が高くなるように思います。
 
・凄いですね。作者さん、意識してるのかどうかわかりませんけど、
 発言内の「緩急の付け方」が尋常じゃなく上手いんです。
 二人の掛け合いで緩急が付くのは当たり前(できてない人もいらっしゃいますが)なんですが
 個々の発言でちゃんと緩急を表現できるのは凄い事なんですよ。
 もう面白いことは序盤でよくわかりましたので、あとは読み進めて
 他の自分の高得点作品と比較して点数をつけるだけ、という状態でした。
 唯一、もう少し練ってほしかったのは、序盤で出した「銀閣寺」を
 後ろでたくさん反芻するという仕掛けは抜群なのですが、
 お風呂での展開で銀閣寺を持ち出す「数字をカウントするタイミング」の前に
 「ここで銀閣寺を持ち出すための必然性」をもう一つ挟み込んでおけば
 「なぜ銀閣寺の建立年でカウントしたのか」を浮き立たせることができて
 よかったんじゃないかな、と思ったくらいです。
 読み進めて唯一「あれ、なんでこれ銀閣寺だったんだろう」って思っちゃった部分だったので。
 
・霧雨が?雨音で?雨音が?霧雨?
 19行目20行目でパラレルが起こってます。見直しはしましたか?

 で、ネタですが、
 構成うんたらをグダグダと語るまでもなくちゃんと出来てるんですが、
 肝心のボケが非常にベタで、どこかで見たことあるものばかりでした。
 予想の遥か上を行くボケを見たいのです。
 田中くんが可愛そう、指のしわしわ、吉川先生、銀閣寺、
 この4つの話題をローテーションで見せてるだけのように思いました。
 一見しっかりしてるものの非常に浅いネタです。
 
・オチを見て男女のコンビだったのか、と初めて気付きました。
 王道の漫才ですが、秀逸だと思います。
 天丼の使い方も上手いです。
 台詞が一箇所だけおかしい所がありましたが・・・まあ一回見て気付かなかったのでスルーします。
 
・(※台詞のミスは修正済みです。)

 ツカミの銀閣寺の話題からインパクトがありました。
 扱っている内容自体は割と普通なのですが、大げさなボケ表現が心地よかったです。
 もう1個くらい抜きん出た要素があれば、文句なしで面白い作品に成長すると思います。



No.009 嗚呼、愛しのジャパネシア帝国
反旗を翻せ
マリア:皆の者、ご機嫌麗しゅう。
    ジャパネシア帝国、女帝・マリアンヌよ。

セーヒ:家来のセーヒです。
    よろしくお願いします。

マリア:早速だけども、お前は「アルバイト」を知っておるか?

セーヒ:アルバイトですか?勿論でございます。

マリア:今日はそれを私に教えて欲しいのだ。可能であるか?

セーヒ:勿論ですとも。マリアンヌ様。
    しかし、アルバイトと言いましても、いろんな種類があるのでございます。

マリア:ほう。例えばどんなものがあるのだ?

セーヒ:コンビニエンスストアの店員、とかです。

マリア:コンビニエンス・・・あぁ、便利屋のことか。

セーヒ:まぁ、そういうことですかね。

マリア:金さえ払えば、物も買えるし爆破依頼だってできるのであろう?

セーヒ:後者はとんでもない間違いですけども。

マリア:では、ゆうパックは何のためにあるのだ?

セーヒ:配達です。
    アルバイトはわからないのに、ゆうパックはご存知なのですね。

マリア:とりあえず、その仕事を体験させてくれ。

セーヒ:了解いたしました。



セーヒ:ウィーン

マリア:ちょっと待ってくれぬか。

セーヒ:どうなさいましたか?

マリア:その、ヨーロッパの都市のような擬音はなんだ?口癖か?

セーヒ:口癖じゃないです。そんな口癖だったらきっと病気です。
    だいたい、今までにこんな口癖聞いたことありますか?

マリア:いや、初めての患者だ。

セーヒ:ですから病気じゃないです。
    自動ドアの音ですよ。

マリア:なるほど。それを最初に言わぬか。たわけ。

セーヒ:腑に落ちないのですが、我慢します。



セーヒ:ウィーン

マリア:よく来たな。

セーヒ:あー・・・そうなってしまいますよね。

マリア:ん?どうしたのだ?

セーヒ:店員というものは、基本的に敬語ではないといけないのですよ。

マリア:なんですって?敬語を喋らないといけないですって?
    私にとっては耐えがたい苦痛。

セーヒ:苦痛なのですか。じゃあ仕方ありません。諦めましょう。

マリア:他に私がやれるような仕事はないのか?
    鮫のヒレに負荷をかける仕事とか。

セーヒ:残念ながら、そのような仕事は聞いたことがありません。
    そして、鮫のヒレに負荷をかけても、ふかひれにはなりません。

マリア:そうなのか。

セーヒ:では、郵便配達のアルバイトはどうですか?

マリア:郵便?配達?爆破依頼を受けるのか?

セーヒ:ですからゆうパックは爆弾ではないです。
    ただ単に手紙を各家庭へと届ける仕事です。
    これなら誰とも話すことがないので、大丈夫だと思われます。

マリア:それぞれの下流家庭に届ければいいのだな?

セーヒ:一応そうですけど、何故、反感を買うほうに言い直すのですか。
    しかし、結構きつい仕事ですので、マリアンヌ様には体力が厳しいかと・・・。

マリア:やる前から諦めてどうするのだ。私は女帝だぞ?

セーヒ:あまり女帝と体力とは結びつかない気もしますが、我慢します。



マリア:おぉ、たくさんの手紙があるぞ。どれどれ、ちょっと読んでみるか。

セーヒ:早くも仕事放棄ですか。

マリア:なになに?「いつも番組、楽しく見させてもらってます」

セーヒ:テレビ番組への投書でしょうか。

マリア:「小堺さんに引いてもらえますように」

セーヒ:ごきげんようの当たり目が出た時のやつじゃないですか。

マリア:なんだこの手紙。

セーヒ:絶対知ってて言ってますよね。

マリア:さて、配りに行きましょうか。

セーヒ:お願いします。

マリア:伝書鳩につけて・・・

セーヒ:体力なくても大丈夫ですね。でも、残念ながら収入は0になります。

マリア:飛んで行きなさい。

セーヒ:羽が生えたお札が飛んでいくように見えます。
    マリアンヌ様。仕事は自分の手でしないと意味がないです。

マリア:やっぱり配達は無理。他に出来そうなのはないのか?
    一国の経済を大きく左右する仕事とか。

セーヒ:マリアンヌ様、現時点で経済どころか国自体を動かせてます。

マリア:そうか。それもそうだな。

セーヒ:そうですよ。今更アルバイトなんて考えなくてもいいのですよ。

マリア:では、自分の立場を再確認したところで、もう一つ話がある。

セーヒ:なんでございましょうか。

マリア:この国の法律を増やす。

セーヒ:そうですか。それはいい考えですね。

マリア:下流家庭にも目を向けてやろう。

セーヒ:・・・法律が制定される前に不信任決議案で女帝を降ろされなければいいですね。

マリア:まず、私が一生女帝でいなければならないという法律を作る。

セーヒ:「いなければならない」じゃなくて「いたい」ですよね。

マリア:一生女帝なんて辛いわぁ〜おほほほほ。

セーヒ:辛いですね。辛いですね。

マリア:あと、女帝にのみ、敬語禁止令を発令する。

セーヒ:禁止令っていう言葉で惑わそうとしてますでしょう。

マリア:禁止令なんて辛いわぁ〜おほほほほ。

セーヒ:私もできればその禁止令が欲しいです。

マリア:お前には呼吸禁止令でも発令するぞ。有難く思え。

セーヒ:・・・生きる権利は世界的に保障されていると聞きました。

マリア:何とかして我が国を地図上から消してくれぬか。

セーヒ:そこまでして私に呼吸をさせたくないですか。
    というより、さっきから自分中心の法律が多いですよ。
    もっと国民に目を向けてください。

マリア:なるほど。では、国民代表としてお前に聞く。
    どんな法律があったら、住み良い帝国になると思うか?

セーヒ:そうですね・・・。
    やはり、国民の安全を保証する法律があると良いかと思われます。

マリア:そうか。ではまず、ゆうパックの廃止からだな。

セーヒ:爆発物ではないですって。早く誤解を解いてください。
    ゆうパックが可哀想です。

マリア:・・・おっと。お前からの褒め言葉は尽きないようだが
    そろそろ城に戻る時間だ。

セーヒ:いい耳鼻科を知ってますがどうしますか。

マリア:そんなことはどうでもよいのだ。早く城に戻らねば。

セーヒ:なぜそんなに急ぐのですか?
    
マリア:隣の国からゆうパックで郷土品が届くのだ。

セーヒ:・・・あぁ、最初からゆうパックは安全なものだとわかっておられたのですね。

マリア:そうだ。敵を欺くなら、まず味方から。というであろう?

セーヒ:・・・まぁ、敵が誰なのかわからないんですけれども。

マリア:さて、帰るぞ。おーっほっほっほっほ。

セーヒ:皆の者、反旗を翻せー!

予選総合第13位(準決勝敗退) 嗚呼、愛しのジャパネシア帝国
審査員
点数
66 87 37 94 68 平均 70.4
【審査員コメント】 
・二人のキャラが終始ぶれてないのは良かったのですが、笑いどころが女帝の無知さからくる物に偏っていて無難な感じがしたので、
 それプラスの意外性が欲しかったです。
 また、前半に比べ後半法律の話に変わってから勢いが落ちていたような印象を受けました。
 
・これ書いた人アホすぎです。

 ・・・本当はコメントこれだけにしようと思ったんですけど、
 さすがにそれだと何が何だかわからないと思ったので書きます。
 構成と起承転結は綺麗ですし、キャラの位置付けもブレずに最後までいきましたし、
 会話としての整合性も綺麗です。
 あと「ゆうパック」っていう文字列の感じから「爆発物」って
 絶対結びつかないじゃないですか。むしろちょっとホワンとしてるのに
 よくこんなもん浮かんだなあ、という印象です。
 「ウィーン」だけ唐突に食傷されたボケだったのが浮き彫りになっちゃいましたが
 面白かったと思います。
 
・形式上、大きな笑いが無いことは前もって頭に入れて読みましたが、
 なるほどそれなりに楽しめるネタではありました。
 真面目に審査していいものなのかどうかは解りかねますが、
 もうちょっと笑いのポイントを…なんて言ってもこのネタじゃ仕方ないな。
 恐らく書き手の方もまさかこのネタで勝とうなんて思っちゃいないと思うんで
 それを考慮しての点数を入れます。
 
・素晴らしいです。
 世界観、キャラクター共に完成度が高く、素晴らしいです。
 素晴らしいです。
 大事なことなんで3回言ってしまいました。
 何が凄いというと、最初の数行で「女帝」と「家来」のキャラが大体わかってしまう事です。
 これで後の展開がスッと頭に入るようになっているのかと思います。
 女帝とアルバイトというミスマッチな組み合わせも良い味を出しています。
 しかし最初の二人の台詞を抜くと完全にコントになっちゃいますね。
 
・メルヘンチック?な設定ですが、それを踏まえた上でしっかりネタになっているのが良いですね。
 さらにこの設定でゆうパックを堂々と絡めてくるあたりのシュール感も良いと思いました。
 そんな訳で面白かったのですが、最後、法律のあたりからちょっと失速したのが惜しいところです。



No.010 たてもの
四季
木島「いきなりですけど、暖かくなってきましたね」
沢田「ですねー過ごしやすい季節になってきましたよね。木島さんはどの季節が一番好きなんですか?」
木島「やっぱ春ですかねー」
沢田「お花見とか、小学生の入学式とか見てたら何か嬉しくなりますからねー」
木島「いやいやそういうのじゃなくて、季節おじさんが一番落ち着いてる季節だからですかね」
沢田「季節おじさん?」
木島「季節おじさん」
沢田「ごめんなさい初耳なんですけど誰ですか?」
木島「あ、いなかったです?沢田さんの地元に」
沢田「見たことないですね」
木島「俺のとこよくいましたよ それこそ1年中いました」
沢田「ごめんなさい出身どこですか?」
木島「中華って何食べても美味しいですよね」
沢田「会話禁止ですか」
木島「今、桜なかなか見頃ですよ」
沢田「課題としてはコミュニケーションですね」
木島「何言ってんすか 今の季節おじさんあるあるだよ」
沢田「あ、そうだったの」
木島「春はこうやって桜の咲き具合を教えてくれるんだよ」
沢田「良い人じゃないですか季節おじさん」
木島「いや嘘だから 信じたらエライ目に合うよ。
まだ引っ越したばっかの頃にこの嘘に引っかかってさー最終的に着いたの原発だぜ?」
沢田「中入って行ったの?」
木島「入ったねー」
沢田「気づこうぜ家族」
木島「いやもうそれは季節おじさんが言った事だから」
沢田「何そのお前んちの季節おじさんへの過度の信頼」
木島「止めてください!!季節おじさんがここって言ってたんです!!」
沢田「なぜ係員を振り払ってまでなんだよ」
木島「ほんでそこですごい怒られて、白けて帰ろってなってほんで帰って、家入ったら・・やられてたよ 季節おじさんに」
沢田「え、お金盗まれたりしてたの?」
木島「いや盗まれたっていうか、、植えられたな」
沢田「植えられた?」
木島「桜」
沢田「庭に?」
木島「いや畳に」
沢田「もはや暴力の域だな」
木島「その日からやむおえずベッドに切り替えたよ」
沢田「なんでお前が妥協したんだよ」
木島「そっから俺が不眠症になったり、父がリストラに会ったり、見たことない人形の首がトイレに詰まってたり
お母さんが屋根裏から出てこなくなったり色々あったんだけど」
沢田「はしょっていい部分じゃないよ 桜の呪いか何かじゃんそれ絶対」
木島「いやいや、ほんで夏よ 夏がもー1番大変」
沢田「春でもたいがいでしたよ」
木島「いやもう春なんか夏に比べればもう何でもないね 日常だよ日常」
沢田「ポテンシャル高いな季節おじさん」
木島「あれは久しぶりに家族全員が居間に集まってる時だったかな」
沢田「はいはい」
木島「まー父さんはずっと下向いてるし、母さんはトイレに詰まってた人形の首抱いてるし、俺も反抗期だったし」
沢田「反抗期ぐらい譲れよお前」
木島「そのまま2時間ぐらい黙ってたかな」
沢田「春のダメージがまだ充分に残ってるじゃねえか」
木島「スイカだよ食べな!!っていきなり風呂場から出てきてね」
沢田「お前んち季節おじさんに少しは対策うてって」
木島「せっかく貰ったんだし食べよっつーことで台所運んだ訳よ」
沢田「お前の家族応用力0か」
木島「いや今思うとおかしかったんだよ 何か動いてたし 足とか手とかあったし」
沢田「スイカ知ってるやついなかったのかよ」
木島「いや皆たぶんこれ人間じゃねーかなーとは思ってたと思うんだけど、口には出せなかったかな」
沢田「何でだよ」
木島「内気だから」
沢田「自己紹介から始めろ」
木島「ほんで俺が切るってなったんだけど、やっぱ気持ち悪かったんで手を滑らした振りして窓の外に捨てたのね
そしたらまだ玄関に季節おじさんいてさ」
沢田「やべえじゃん」
木島「急いで鍵閉めに行ったよ」
沢田「おお」
木島「めっちゃドンドン叩いてきて怖かったー・・ それぐらいかな夏は」
沢田「え、軽くない?」
木島「そうか?恐怖っていうことだったら個人的には春よりきつかったんだけど」
沢田「まあそんなもんか」
木島「ほんでまあ 寝たばこで家が大火事になったり せっかく直した家を半分老人ホームに買い取られて1階は老人ホーム2階は
俺らっていう共同生活が始まったり、でも最終的には2階も死にそうな人たちが
集められたりして利用されて俺たちは屋根裏で暮らすことになったり、そこで初めて母親が屋根裏に戻れたことで
ちょっと嬉しそうにしたりと色々あったんだけども」
沢田「季節おじさんとかよりお前の家族のほうが怖くなってきたんだけど」
木島「ほんで秋ね」
沢田「秋はどうだったの」
木島「秋は1回も来なかったね」
沢田「よかったじゃん」
木島「まあほんで家を椅子工場にしようとしたけど、老人ホーム側から苦情がきて
結局父さんと俺が重傷を負わされれたりして冬になったわけだけど」
沢田「わかったお前の家族が悪いわ」
木島「いや、ほんで冬は俺と父さんが季節おじさんに耳と手をもらったのね」
沢田「どのタイミングでそんなショッキングな怪我したんだよ」
木島「椅子工場を推しすぎた時な」
沢田「ふーん じゃあその耳季節おじさんから貰ったやつ?」
木島「そうだよ」
沢田「触っていい?」
木島「駄目だよ」
沢田「何で?」
木島「ちっちゃい人形の首詰まってるから」
沢田「耳とは言えないよ」
木島「冬中ずっと困ってたらしい」
沢田「季節おじさんが?」
木島「うん 無いと寝れないらしい」
沢田「可愛いなおい」
木島「今年もまた季節おじさん来るよ」
沢田「まあ頑張って」
木島「暑中見舞いとか、もうそういうのじゃない」
沢田「季節おじさんあるあるとか知らないから もういいよありがとうございました」

予選総合第29位(3回戦敗退) たてもの
審査員
点数
50 83 10 60 69 平均 54.4
【審査員コメント】 
・アイディアがいいですし、構成も話の広げ方も非常に良かったと思います。
 ただ耳と手をもらったくだりはちょっと引きました。 流れが止まったので無い方が良いような気がします。
 また、会話が雑だったため素材の良さを存分に活かしているという感じがしませんでした。
 
・×やむおえず
 ○やむを得ず

 面白いですし、上手いんですが、句点ちゃんと打ちましょう。
 終始お互いのテンションが変わらず、ツッコミも淡々としてたのに
 広げるべきポイントでの適切な拾い方など、大変上手です。
 こういう「二人とも面白い漫才」っていいですよね。
 二人の間に流れてる静かな空気にややごまかされそうになるんですが
 序盤の「中華って」っていうくだりと終盤の「耳に小さな人形の首が」の
 部分だけ妙に「未完成っぽさ」を感じました。
 練りきれてない状態のような。
 
・やむおえず→やむを得ず

 読み辛い、理解し辛い、画が浮かばないの3拍子揃ってました。
 説明しすぎるのも問題ですが、
 説明省きすぎるのもまた問題です。
 そもそも季節おじさんという存在について詳しい解説を入れてくれないと、
 こっちとしては何をどこからどう理解していいか、手の付けようが無いのです。
 何度も挑戦しましたがその度に終盤読み流したくなる衝動に駆られました。
 
・全体的にはそれなりに面白かったのですが、「〜耳と手をもらった」のくだりが良くわからなかったです。
 「ショッキングな怪我」とあるので致命傷を負って耳と手をもらい、移植したって事ですかね?
 そんな感じのわかりにくい所が何箇所かあったので、もう少しわかりやすくする工夫が欲しかったです。
 
・なかなか面白い要素がたくさん詰まっていると思いました。
 季節おじさんの存在もそうですし、実は家族も変だとか、あとツッコミのちょっとしたフレーズも良かったと思います。
 ただ、ザッと読む限りどうもピンと来ないというか、
 どうも作者の方が頭の中で抱いているイメージが文章上に現れきっていない気がしました。
 その点、分かると面白いかもしれないけど分からないと全然、みたいなネタになってしまっていたのが惜しいです。