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No.011 ワンダーランド
漬物兄さん
2人「どうもーよろしくお願いしまーす
   (スーツ姿の男と、ビキニパンツに覆面、
    ハイソックスに革靴の男が現れる)」

田中「まぁね、僕たちワンダーランドと言いましてね
   (ネクタイを緩めながら)」

辰夫「ねー、僕がとんでもない格好で登場した
   ということに対する疑問は
   心の奥にしまっておいてください
   (ハイソックスにソックタッチを使いながら)」

田中「心の奥にて…それ上手に踊って歴史に残った人やがな(笑)」

辰夫「それ出雲阿国じゃねぇかよ!
   適当なこと言ってんじゃねぇ!せいやぁ!(鶴の構え)」

田中「なんだと?!せいっ(虎の構え)」

辰夫「覇っ!!……まぁ…引き分けだな…(森の構え)」

田中「そうだな…腕をあげたな…(串揚げの構え)」

辰夫「まぁね、最近はEXILEが偉く人気ですけども」

田中「いやー、そうだね。
   僕が一番注目しているメンバーはKOKUBO君ね」

辰夫「それバンクーバーで話題になった腰パンの選手やがな!
   確かにあんなドレッド頭の奴いそうなグループだけども!」

田中「一番の見せ場はケツにスノーボード挟んで
   クルクル回転するところね」

辰夫「そんなシーンなかったよね?!
   そのための腰パンか!こら!
   スノーボード愛してる奴が
   そんなハッスルするわけないだろ!
   (革靴に靴べらを抜き差しし、
    少し興奮したような表情を浮かべながら)」

田中「…好きすぎてね。
   そのせいで団長に怒られてしまいましたけどもね
   (おもむろにジャケットを脱ぎ捨てながら)」

辰夫「そこまでしてないだろ!
   確かに咎められるべきことはしてたけど!
   好きなものケツに挟むってどんな性癖だ!」

田中「俺は何でも気になったもの1回ケツに挟むけどなぁ
   (Yシャツのボタンを一つずつ外しつつ、
    第2ボタンの時に特に頬を紅潮させながら)」

辰夫「皆が皆やってることじゃないだろ!
   お前のものさしで測るなよ!」

田中「おぅふ!ものさしも挟んだことあるよ。中2の夏に」

辰夫「知らねぇよ!なんだお前!
   ものさしデビューの話なんか聞きたくねぇんだよ!
   こいつ右足だけセメントで埋まっちゃえばいいのに!
   中途半端に自由効かなくなればいいのに!」

田中「あ、セメンティスって言うとギリシャの神々みたいだな。
   俺ギリシャ神話って大好き!
   (ついに念願のベルトに手をかけながら)」

辰夫「何いきなりワケわかんねぇ話しはじめてんだよ!」

田中「ギリシャ神話の次に、ゴリラが大好き!」

辰夫「やりたい放題かよ!」

田中「次がマンドリル、その次が宮崎あおいちゃん!」

辰夫「どうなってんだお前のランキング!
   宮崎あおいちゃんが一番だよそのランキングなら!
   宮崎あおいちゃんに勝るマンドリルとか
   ゴリラ見てみたい!お前軸ぶれすぎだろ!」

田中「宮崎あおいちゃんと言ったらアフラックのCMですよね
   (ものすごい勢いでスラックスを脱ぎながら)」

辰夫「いきなりだな!
   (その脱いだスラックスすぐさま履きながら)」

田中「あのCMソングが良いじゃない。猫とアヒルがね」

辰夫「あー、あれね。猫とアヒルが力を合わせて♪
   (丁寧に丁寧にかみ締めるようにベルトを締めながら)」

田中「マッスルドッキング〜♪
   (キン肉マングレートのモノマネで)」

辰夫「何してんだよ!力を合わせて大技繰り出してんじゃねぇ!
   みんなの幸せ願えよ!
   (靴べらで田中の乳首に刺激を加えながら)」

田中「これが猫とアヒルじゃなくて
   ゴリラとマンドリルだったら興奮するんだけどね…」

辰夫「興奮するんだ?!
   お前の中でどんだけ霊長類レベル高いんだよ!
   (ワイシャツを着て、第2ボタンをつける時に
    少しためらいながら)」

田中「だってさぁ、ゴリラって握力すごいんだぜ?!」

辰夫「どこに興奮する要素があるんだよ!
   (しっかりとネクタイを締めながら)」

田中「あとマンドリルってさぁ、『マンドリ』で切ると卑猥!
   さらにひらがなで書くと4割増し!」

辰夫「『まんどり』…おほっ…こいつぁすげぇや…うほっ」

田中「だろ?たまらんだろう…?ところでマンドリルって何?」

辰夫「知らなかったの?!語感だけで好きとか言ってたんだ?!」

田中「ちなみに宮崎あおいちゃんも
   語感だけで好きなんですけどもね」

辰夫「もったいねぇな!もったいねぇ!
   もったいないオバケがでますよ!
   もっと彼女をみてあげてよ!」

田中「宮崎あおいちゃんって…どげんかせんといかん!
   どげんかせんといかん!とか言うんですかね」

辰夫「それ知事な?!そっちの宮崎じゃねぇんだよ!
   宮崎あおいちゃん!女優!」

田中「ほぅ…彼女は女優なのか…」

辰夫「最近じゃただ君を愛してるとか、ソラニンとか…」

田中「『そらにん』『まんどり』……やっぱまんどりだろ…」

辰夫「確かにね!
   そういう観点だったらまんどりに軍配あがるよ!」

田中「大体宮崎あおいちゃん、エロいか?」

辰夫「見方によってはかなりのエロスを漂わせてるわ!」

田中「いやエロスで言ったら大橋のぞみisナンバーワンだろ(笑)」

辰夫「幼女幼女幼女!とんでもない危険人物だなお前!
   国家権力の餌食になってしまえ!」

田中「嗚呼、大橋のぞみ嬢に踏まれたい…下半身を強めに」

辰夫「そこまで来たらもうダメ!俺もう怖い!
   ブリーフ1枚でそんなこと言い出すお前が怖いよ!
   (落ちているジャケットに手をかけながら)」

田中「そういうお前も俺が脱ぎ捨てた服を
   何のためらいもなく着やがって!
   お前も立派なド変態だよ!」

辰夫「なんだとこのやろう!!(つかみかかりながら)」

田中「ジャケットは着るんだよ!…返せ!」

辰夫「嫌だよ!今さらジャケットだけ着ても
   さらにお前のレベルあがるだけだよ!」

田中「返せっ…この…(上手投げの体勢)」

辰夫「嫌だよっ…くっ…(がっぷり四つ)」

田中「おらぁ!!(ジャケットを勝ち取る)」

辰夫「くっ…くそっ…(取っ組み合いの拍子に覆面が脱げる)」

田中「なんぼのもんじゃい!ざまぁみやがれってんだ…
   どんな汚い面してんのか皆さんに拝んでもら…
   あぁっ…あなたは!!」

辰夫「………(少しはにかみながら)」

田中「梅  宮  辰  夫  さ  ん  !  !  !」

辰夫「クラウディアともどもよろしくー(白目で)」

田中「大ファンなんです!
   1回でいいからケツに挟ませてください!!」

辰夫「人でも見境なしかよ!もうお前と羽賀研二だけは許さん!
   いい加減にしろ!」

田中「(こんなネタを最後まで読んでくれて)
   ありがとうございました!(ブリッジしながら)」

予選総合第33位(3回戦敗退) ワンダーランド
審査員
点数
63 31 88  9 74 平均 53.0
【審査員コメント】 
・これは難しかったです・・・何でもありみたいな感じだったのですが梅宮辰夫など予想外の展開とフレーズの威力がすごいです。
 ですが「漫才」として笑えたのかと言われると違うような気がしました。
 通常の企画と違いやはり「漫才」として見てしまったのでその違和感を拭えませんでした。
 
・根本的に「括弧書きの多用」は読み手の集中力を散漫とさせます。
 この時点で第三者へ読ませる文章としての評価は下げざるを得ないのですが、
 そのうえで本筋と関係ない括弧書きの蛇足で笑いを取ろうとする手法が
 私には受け入れられませんでした。(白目で、とかブリッジしながら、とか)
 書き方が下手な人ではない(むしろ上手な人だと思います)ので
 そこは評価ポイントかな、と思いました。
 とりあえず、やってる本人たちは非常に楽しそうですね。
 
・こ、こんなの初めて…
 クソ笑いました。こんな審査員でええのか
 
・正直、読みにくいです。読むのが辛いです。
 ()の補足で面白さを付加する狙いでしたら失敗していると思います。
 逆に敢えて読みにくくする狙いだったとしたらもっと()の補足を過剰に入れるべきだと思います。
 最初の数行で読む気力が大きく削がれてしまいました。
 
・話している内容はバカ話なのですが、面白さとしての質は高いと思いました。
 ()内は・・・そちらはそちらでバカなことやってるのですが、本筋と同時には若干追いづらいのが難点です。
 もう少し表現法がうまいこといけば、傑作が出来そうな気はしないでもないです。



No.012 トリックル
面接
霧雨:はいどうも。トリックルです。

黒岩:よろしくお願いします。

霧雨:あのもうすぐ、面接があるんだけど、どうしたらいいか分からないのですよ。

黒岩:なるほどー。じゃあ、練習しよう!
   それじゃあ、俺が面接官やるから…

霧雨:俺はそれを見てるわ!

黒岩:なんでそうなるの!?そうなったら、俺の一人舞台やん!
   面接受ける側で入ってこいよ!

霧雨:ピンポーン、ガチャ、失礼します。

黒岩:家では面接やらないよ。たいがい、店でやるの!

霧雨:でも、レジのところで面接しているところを見たことないよ。

黒岩:俺も無いよ!たいがいバイトの控え室とかでやるから。
   いいからやって。

霧雨:分かったよ!
   トントン・・・いや、コンコン、ガチャ、失礼します。

黒岩:どっちでもいいよ!どうぞ。

霧雨:すいません。履歴書なくしちゃって、米粒に書きました。

黒岩:何に書いてるの!しかも読めないし、米粒が黒くなっているよ!

霧雨:すいません。あ、汗が・・・(汗を拭く)
   あ、ありました履歴書。

黒岩:なにで拭いてるの!履歴書見せて。汗を拭いたところがみじんじゃったよ!

霧雨:いや、実際漫才中に履歴書とか無いから。

黒岩:なに冷静につっこんでいるんだよ!あった場合のことを言っているの!

霧雨:あとこれ、つまらない物ですが。

黒岩:そういうのは困るよ。

霧雨:給料3カ月分の、

黒岩:初対面でプロポーズするなよ!

霧雨:うまい棒サラミ味だ。

黒岩:多すぎるやろ!そんなにいらない、いらない。

霧雨:やっぱり、メンタイ味の方が良かったかな。

黒岩:そういう問題じゃない。
   まあいいわ。じゃあ、いくつか質問するから。なぜここで働きたいのですか?

霧雨:逆に、なんでどこも同じようなことを質問するのですか?

黒岩:採用するかしないか、重要な事柄だからです!
   質問に答えてください!

霧雨:そうですね、ここからだと駅に近くて、雰囲気も良さそうで働きやすそうだと思ったからです。

黒岩:なるほどねー。

霧雨:まぁ、ノリで選んだのですけど。

黒岩:ノリかよ!めっちゃ良かったのに!もう書いちゃったよ!

霧雨:いや、実際漫才中に…

黒岩:いいよ、冷静につっこむなよ!
   それじゃあ、今までにバイト経験はありますか?

霧雨:逆に、なんで損なことを言わないといけないですか?

黒岩:バイト経験者の方が少しはプラスになるから、損ではありません!
   答えてください!

霧雨:コンビニの店員を除くと一回です。

黒岩:除かないでいいよ!コンビニの店員だって立派なバイトだよ!
   それでその一回は?

霧雨:子どもの時のおつかい。

黒岩:そっちを除けよ!
   確かにおこづかいもらえる時あったけど。
   それじゃあ、シフトはどれくらい入れますか?

霧雨:逆に、趣味は・・・

黒岩:その質問返しやめて!しかも、趣味って逆でもないし!
   いいから答えて!

霧雨:そうですね、多くて月一。

黒岩:迷惑だよ。絶対受からないよ!
   もっと多く入らないと。

霧雨:じゃあ、週七で。

黒岩:バイトの域超えてるよ、毎日は!
   こういう時は週三ぐらいでいいよ。

黒岩:ち、ちょっと君、面接中に携帯使わない!しまって!
   最後に意気込みを・・・。(携帯が鳴る)
ん?メールだ。ちょっと失礼。なになに。(メール「霧雨です。一生懸命頑張ります!」)
   メールで返答するなよ!
   そして、なぜ俺のメルアドを知っていたかが不思議だ。
   まさか、面接中に携帯をいじっていたが、あの時に送ったの?

霧雨:いや、ゲームをしていました。

黒岩:あり得ないでしょ!面接中にゲームって!
   それでは、バイトの合否は4,5日後に電話しますので。

霧雨:なんで電話番号を知っているの?まさかストーカー?

黒岩:違うわ!履歴書に書いてあるの!
   逆に、俺のメルアドを知ってる君のほうこそストーカーだよ。

霧雨:あんたも「逆に」を使ってるやん!

黒岩:なんでつっこんだの!   
   まあ、練習してきたけどこれじゃあ無理だよ!

霧雨:いや、良かったよ。参考になったし!

黒岩:参考って?

霧雨:だってどんな質問したらいいか分かったし!

黒岩:お前が面接する側かよ!もういいよ!

霧雨:どうも、黒岩さんでした。
   それでは、今からトリックルの新しいつっこみ担当を決める面接を始めます。

黒岩:その面接必要ないわ!もういいよ。

二人:ありがとうございました。

予選総合第46位(2回戦敗退) トリックル
審査員
点数
39 39 11 35 51 平均 35.0
【審査員コメント】 
・やりとりが大ざっぱでボケの伝わり方に悪影響を与えているのではないかと思いました。

 霧雨:ピンポーン、ガチャ、失礼します。
 黒岩:家では面接やらないよ。たいがい、店でやるの!

 例えばですが、ここでは家だとわかるヒントが「ピンポーン」しかないのでもうちょっと家だと判断できる要素を入れられるのではないかと。
 読み手の読解力に頼るのでなく、作る際に配慮した方がよりボケが伝わりやすくなって良いと思います。
 
・まず3行目で「面接があるんだけど」って部分において「何の」が
 欠落しているので、後続で「家ではやらないよ」の根拠がなかったり、
 霧雨さんがメールを打つくだりの説明が黒岩さんの発言だけで
 黒岩さんの発言が続いてしまってたりと、
 構成が崩れてしまっている部分が散見されました。
 オチで「もういいよ」を連発しているのも発言の重複ですし、
 ネタがきっちりと固まってるだけに、根本的問題点の解決を
 しっかりとしておいてほしかったかな、と思います。
 
・NIKE氏の「面接」
 ツインバズーカ氏の「劇団の面接」
 スポーツ用品店組合(蟹江)氏の「時の旅人」
 時空の章氏の「面接」
 パピーゲバ氏の「勇者バイト君」
 西陣東山(マサムネ(今中)氏の「フム、今日はこの会社に営業をかけてみるかな。」

 これらのネタを読んで出直してください。
 
・「履歴書の内容を米粒に書く」レベルのボケを連発出来れば良かったのですが・・・
 それ以外の部分のボケがありきたり過ぎです。
 全体的にもう少しボケを捻るべきです。
 それとこれは評価とはあまり関係ないですが、自宅を会社にしているところでは家で面接をする事もあります。
 
・「逆に」ってのは面白いですね。オチも案外ありがちではありますが工夫されていると思います。
 全体的にベタではあるのですが、そういうちょっとした工夫があるだけでも印象が変わるんだなぁ、と思いました。
 ただ、ベタなボケの中でも「実際漫才中に」のようにコント本筋と関係無いボケはなるべく避けた方が良いと思います。
 その分、面接に関するボケを入れて行くとさらに印象が変わるかなぁ、と。



No.013 エイジアンエイジアン
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真田:手が電車のドアに挟まる事ってよくありますよね。

島村:あるかもしれないけど。よくはねぇよ、よくは。

真田:週5くらいであるよね。

島村:週5って!どんな過酷なローテーションだよ!

真田:で、挟まった場合お前だったらどうする?

島村:どうするって、助けを呼ぶよ。

真田:それもありだけど、周りにゴリラしかいない時とかあるわけじゃん。

島村:ねぇよ!基本駅にゴリラ居ねぇから!

真田:だから、俺は今度から全身に油を塗りたくって生活しようと思うんだ。
   そしたらスルッと腕が抜く事ができるでしょ。

島村:どんな結論に達してんだよ!

真田:これで何も心配ないな!

島村:心配だよ、全てが!

真田:足の裏にも油塗って、裸足のまま駅までスケート気分で行くわ。

島村:スケート気分って!油で滑って転ぶぞ。

真田:でも、これで電車に腕挟まっても大丈夫だな。

島村:多分駅まで着けねぇよ!電車のドア云々の問題じゃねぇから!
   そんなん塗らないでちゃんと靴履いていけよ。

真田:じゃあ、おじいちゃんとおばあちゃんを履くよ。

島村:お前の発想!何を足蹴にしてんだよ!

真田:俺のお父さんが言ってたんだよ。靴は年季が入ってるのをちゃんと履くようにって。

島村:意味取り違え過ぎだろ!お父さんもそういう結論に至るとは全く考えてなかったろうに。

真田:お父さん、俺言いつけ守ったよ。

島村:その前に祖父母の命を守れよ!

真田:おじいちゃんおばあちゃんはうつぶせにして行くんだけども。

島村:そんなもん駅に着く前に補導されるだろ!

真田:でも、おじいちゃんおばあちゃん履いて歩くの大変そうだから二人に油塗るわ。

島村:そこに回帰すんなよ!そしたら駅に着けねぇから!

真田:でも、おじいちゃんおばあちゃんは「すごい肌ツヤツヤ…」って喜んでくれるだろう。

島村:ツヤツヤじゃねえよ!テッカテッカだよ!
   だから、そんな足蹴にしたら命の危機だって。

真田:ツヤツヤのあと二人の通夜通夜。

島村:不謹慎な韻を踏むな!祖父母も踏むな!

真田:で、駅に着いて電車に乗るんだ。

島村:駅には着けないだろって。

真田:乗ったあと、立ってるお年寄りが居たら席を譲ってあげるんだ!

島村:そのアンバランスな優しさなんなんだよ!
   大体なぁ、全身に油を塗るって時点でかなり間違ってんだよ。

真田:うーん…そうだ。じゃあ腕を鍛えて電車持ち上げられるようにしよう。
   そうすればたとえ周りにいなくても人がいるとこまで歩いていけるし。助けが呼べる。

島村:だからどういう結論に至ってんだよ!

真田:問題はどうやって鍛えるかだよなあ。

島村:鍛えるのは悪くないけど、目的間違えすぎだろ。

真田:どうやったら鍛えられるか。

島村:それはやっぱり重りをつけるとかじゃないの。

真田:よし…今日からおじいちゃんおばあちゃんを両腕にぶらさげて生活するよ!

島村:だから飛躍しすぎ!

真田:それまでは全身に油塗って電車にドア挟まるのを回避するわ。

島村:だから塗んなって!そしたら祖父母がお前の体から滑り落ちるから!
  
真田:じゃあ、塗るのはやめるけども。
   でもこの感じで一日中いれば自動的に鍛えられるな。

島村:鍛えられるとか言ってるけど、無理だろ。

真田:なんで?

島村:お前にそんな一度に二人も持てる力は無いだろうし。
   その上祖父母の握力がもたないし。ヒィヒィ言っちゃうよ。

真田:それで二人はひぃひぃおじいちゃん、ひぃひぃおばあちゃんになるわけか。

島村:ヒィヒィ言ってるからってそうはならねぇよ!
   なんでより年寄りみたいな感じにしたんだよ。

真田:俺が油塗ってるからそんな感じになったのかな。

島村:どういう意味だよ。

真田:油だけに「老いる」なんてな。

島村:やかましいわ!かけんなよ言葉も油も!

真田:最終的に電車持ち上げられるくらい鍛え終わったら、油塗ろう。

島村:どれだけ油塗りたいんだよ!
   それでマッチョに油って完全にボディビルダーじゃねえか!

真田:そして電車を持ち上げるぞ。

島村:そもそもな、電車持ち上げられるくらい鍛えるのが無理なんだって。

真田:で、実際持ち上げられるかを確かめるためにおじいちゃんおばあちゃんを両腕にぶら下げて駅まで行くだろ。

島村:とことん無茶苦茶だな。オイ。

真田:で、定期入れ歯から俺の分の定期取り出して。

島村:なんてもんに入れてんだよ!

真田:おじいちゃんのお下がりだよ。

島村:使用済みを使うな!

真田:で、定期通してそのまま改札を通過。

島村:いや、通れないだろ!祖父母ぶら下げて幅とってんだから。

真田:この場合は1人分の定期で済むんだよね。

島村:済まねぇから!そこはちゃんともう二人分の切符買おう!

真田:でも、頑張れば済ませられると思うんだよ。
  
島村:無理だって。

真田:じゃあ、おばあちゃんを動物扱いにして。ほら、老婆ってロバと響きが似てるし。

島村:響きだけじゃねえか!

真田:響きだけじゃアレっていうならおばあちゃんにまたがるけども。

島村:だから乗るなよ!

真田:駅員の人ってほとんど何も知らないから大丈夫でしょ。

島村:そんな無知じゃねぇわ!駅員ナメんな!

真田:無知…おばあちゃんにムチを入れた方がいいな。

島村:鬼畜だな!リアルに老体にムチ打つって!

真田:おじいちゃんは全身を銅で塗り固めて銅像にするわ。これで文句ないだろ。

島村:俺も祖父も文句ありすぎるわ!かわいそうだろうよ!

真田:確かにな、お年寄りだからシルバーからブロンズになるもんなぁ。

島村:そこはどうでもいいんだわ!

真田:でも、おじいちゃんなら「いいよ」って言ってくれる。

島村:言うか!大概にしろよ!

真田:で、バナナの皮が散乱してるホームに降りて。

島村:ゴリラもいねぇんだよ!

真田:腕を電車に挟む。

島村:もう自分から挟みにいってるじゃん。

真田:それで持ち上げて、人のいる場所にまで行ってトレインから手がトレイン!って助けを求めるんだ。

島村:くだらねぇな!第一、実際にそんな電車持ち上げるとかやったら駅員にこっぴどく怒られるぞ。

真田:その時は「銅像をどうぞう」と差し出すよ。

島村:だからくだらねぇわ!それで見知らぬ老人の銅像もらって誰が嬉しいんだよ!
   どうせならもっと持ち上げるとかしろよ。

真田:電車を?

島村:電車はいいんだよ!持ち上げなくて!駅員をだよ。
   お前、最終的にとんでもない事になってるから。いい加減にしろよ。

真田:じゃあ、不本意だけど今のままでいいか。
   今のまま駅員さんに頑張ってもらわない事にする。

島村:どういう事だよ。

真田:手抜きよろしくお願いします。

島村:お前の手を抜けって事かよ。いいかげんにしろ。


No.014 サークルブレイン
親のクレーム
2人:どうもー、よろしくお願いします。

桜井:顔と足だけでも覚えて帰ってください。

加藤:一つ余計だろ。足の何を覚えてもらうんだよ。

桜井:俺が、外反母趾とか。

加藤:どうでもいい情報!

   あの、それよりね、最近、小学校の親とかがね、学校にクレームつけに来ることが増えてるらしいんですよ。

桜井:ああ、前から、話題になってましたよね。

加藤:ただ先生が、しつけのために叩いただけで、子供を殴ったとか言ってくる親とかね。

桜井:あ〜、面倒だね。もし俺が先生だったら、そこで、しっかりと親を説得する思うんだけどね。

加藤:本当?でも、クレームつけてくる親も、しぶといから説得させるには、なかなか難しいだよ。

桜井:いや、俺は、「せんとくん」させるの上手いから。

加藤:説得ね!!明らかにわざとの、間違えするな。

   じゃあ、今から、俺がクレームつけてくる親やるから、先生をやって説得してみてくださいよ。

桜井:わかりました。

加藤:ガラガラガラ。失礼します。今日は、桜井先生にお話したいことがあってきました。

桜井:すいません。今、ちょっと手が離せないくて・・・。

加藤:先生!あの、仕事は後にしてもらえませんか?

桜井:いや、仕事をしてるとかじゃなくて、自分で、机にボンドを塗りたくっていたのを忘れて手を置いたら取れなくなってしまって。

加藤:ホントに手が離せないのかよ!しかも、なんで机にボンド塗ってんだよ。

桜井:口が話せても、手が離せないんです!

加藤:はなす、はなすうるさいな!

   ちょっとそんなフザケはいいからちゃんと説得して!

桜井:え〜と、何のご要件ですか?

加藤:あのね、こないだ、先生がうちの勇太を殴ったらしいじゃないですか。

桜井:え?いやいやいやいや、そんなね、私が理由もなく殴ったみたいな言い方しないでくださいよ。正確には、理由もなく叩いたんですから。

加藤:理由が無いんだったら、何をしても同じだろ!

桜井:ああ・・、えっとね!ちゃんとありますから、理由ぐらい!

加藤:理由?あるんだったら、言ってみてくださいよ。

桜井:「理由」

加藤:違う、「理由」を言えじゃなくて、殴った理由だよ!!

桜井:その前の晩に私の好きな巨人が阪神に負けたからそのストレスをぶつけただけですよ!

加藤:ただの八つ当たりじゃねーか!

桜井:お母さん!あのね、勇太君が悪いことしたなら、しつけをするのは当り前のことですからね。

加藤:え?うちの子がどんな悪いことをしたって言うんですか。

桜井:同じクラスの木村君を誘拐して人身売買をしたんですよ!

加藤:悪いを通り越してるよ!ってか小学生だぞ。もっと小学生っぽいことでしょ。

桜井:学校の授業をサボって、日曜日に公園で遊んでたんですよ!

加藤:曜日が悪いよ!日曜日に公園で遊んでても、いいでしょ。

桜井:ああ、休み時間にふざけてて、教室のガラスを割ったんですよ。

加藤:え?うちの子ガラスを割った。ただそれだけで殴るんですか?

桜井:ただそれだけ?ちょっとお母さん。それは、子供をヤマカカシ過ぎません?

加藤:甘やかしすぎだよ。蛇は関係ない。

   そんなことありませんよ。家ではしっかりとした教育をさせてます。それなのに学校に行けば殴られますしね。

桜井:あのね、先生達が、叱ったり、殴ったり、おっぱい触ったりするのも、子供達にしっかりとした愛情があるからなんです。

加藤:一つ違う意味の愛情が入ってる!違う愛情が!! もうね、こんな学校行かせませんよ!

桜井:それはだめです!小学校は岐阜教育ですから。

加藤:義務教育だろ。岐阜限定で教育してるみたいだろ。 じゃあ、他の学校に転校させます。

桜井:それも困ります!

加藤:何が困るんですか?

桜井:出席番号を1つずらすのが面倒くさいです。

加藤:それだけかよ。

桜井:それに勇太君は、「コノ、ガッコウ、タノシイ」って言ってますよ。

加藤:そんなロボットみたいな話し方じゃねーよ。

桜井:親が勝手に転校させるのもどうかと思いますけどね。

加藤:あら、そんなこと先生に言われることじゃあありませんけどね。

桜井:じゃあ給食のおばさんを呼んできて言ってもらいましょうか。

加藤:そういうことじゃない。もう先生と話しても時間の無駄ですね。

桜井:時間の無駄!?それは、あなたがちゃんと理解しないからですよね。

加藤:その言葉そのままお返しします。

桜井:私はちゃんと理解してます!外反母趾なんで。

加藤:いや今、外反母趾関係ないでしょ。

桜井:その言葉そのままお返しします。

加藤:そんな言葉返されても困るだけ!

   これはあれですね。校長に言って先生をやめさせてもらうしかないですね。

桜井:ええ!!?ちょっと!私の仕事にも漬け込んでくるんですか。あなたは。

加藤:こんな人を、これからも先生としてやらせるわけにはいかないでしょ。

桜井:私は、先生という仕事を失ったら、ただの外反母趾人間になるんですよ!

加藤:どこまで外反母趾を強調してんだよ。

桜井:わかりました。では、もう一度改めて勇太君もまぜて話しましょうよ。

加藤:なんで、改めなきゃいけなんですか。勇太が来て何が変わるっていうんですか。

桜井:人数が変わるじゃないですか!

加藤:しょうもないないな。

桜井:事前に、言っておきますけど、勇太君は先生の味方になってくれますから。

加藤:え?そんなの百パーセント有り得ませんね。

桜井:そりゃそうですよねぇ〜。勇太君はお母さんの味方ですよね〜。そんなさぁ〜本気で捉えないでくださいよぉ〜。

加藤:急にノリが軽くなったなぁ!!

桜井:そんな、海苔が軽くなったかワカメが重くなったか知りませんけどね、

加藤:ちょくちょくしょうもないな!

桜井:もーー、こんなニワトリ小屋で話してもみんなの邪魔ですから一端外出ましょ。

加藤:ここ職員室じゃかったのかよ!

   ちょっと待て待て!お前が親のクレームを対処できるって言ったのに、設定おかしくしやがってさ。どちらも言いあってるだけだったじゃねーかよ。

桜井:同じボシ人間なのに全然話がまとまらなかったね。

加藤:だからまず、なんでみんな外反母趾の設定なんだよ。

桜井:いや、勇太君は母子家庭でしょ。

加藤:そっちのボシかよ!いい加減にしろ。

2人:どうもありがとうございました。

予選総合第24位(3回戦敗退) サークルブレイン
審査員
点数
54 68 24 85 56 平均 57.4
【審査員コメント】 
・ボケも秀逸なものが何個かありましたしオチも決まってるのですが「、」でテンポが崩れている箇所が所々見られました。
 例えば「明らかにわざとの、間違いするな」だとどうしてもぎこちない印象を持ってしまうので、
 「明らかにわざとの間違いすんなよ」くらいの方が(僕としては)スムーズに次に行けると思います。
 ツッコミなどは勢いも必要とされるので、強いツッコミを入れたいところでは無理に「、」を入れなくてもいいのではないでしょうか。
 
・まず根本的に読点の打ち方が煩雑すぎました。ありすぎるとかえって読みにくいです。
 加藤さんが「しょうもない」と判断しているところが本当にしょうもなかったので
 加算に至らなかった部分が結構あったのが残念です。
 「外反母趾関係ない」→「その言葉お返しします」のくだりは完璧でした。
 後はもう少し読み手の想像を覆すような大掛かりな仕掛けがほしいと思います。
 今の作品だと、なんか「そのまんま終わっちゃったな」という感想です。
 
・ヤマカカシとか岐阜教育とか、
 一瞬で思いつくような言葉遊びがボケの大半を占めてるようじゃダメです。
 あと、ツッコミのバランスが不安定すぎ。
 突っ込むとこかと思えば妥協したり、突然「!!」で突っ込みだしたり、
 質も中途半端、到底作りこまれてるネタには思えませんでした。浅いです。
 
・似た系統のネタが続けてくるとは・・・
 全体的に見ると面白かったのですが、ボケの当たり外れがありますね。
 当たりの数のほうが圧倒的に多かっただけに詰まらなかった部分が印象に残ってしまいました。
 
・一通りネタになっていると思うのですが、ボケそのものより本筋のストーリーの方が印象に残ってしまいました。
 一つ一つのボケは悪くないと思うのですが、ほとんどがその場限りのボケで後の展開に効いてこないのが原因かもしれません。
 前半の方で伏線を張っておいて後半でその全容が判明する、みたいな工夫を取り入れていくと良いと思います。



No.015 雷神舞踏組曲
勇者
斜陽:もしかしたら俺、勇者かもしれん。

樹氷:はいどうも、雷神舞踏組曲です。MM−1ということではりきってまいりましょう。
   そんで貴様はいきなり妄言を言うし。勇者って何?

斜陽:今朝ポストをのぞいたら「勇者になってください」的な内容の手紙が入ってた。

樹氷:ほう、それはすごいな。あきらめろ。
   そんなファンタジーな世界は現実にはないんだよ。

斜陽:でもそのあとすぐに勇者セットっていう小包が届いたよ。

樹氷:え?なに、結構マジなお誘いなの!?送り主誰だよ!

斜陽:送り主は書いてなかった。おかげで着払い1050円を支払う羽目に。

樹氷:そこは送り主払っといてやれよ!仮にも勇者を依頼してんだからさ!

斜陽:そんで箱を開けてみたらパンチンググローブが飛び出してね。

樹氷:やっぱりイタズラじゃねえか!!タチ悪ッ!!

斜陽:【勇者はパンチンググローブを装備した!】
   こんなテロップが出るようになったんだよね。

樹氷:何そのシステム!?なんかRPGの世界みたい!てかそれ武器じゃないと思う。

斜陽:でもさすがに武器だけじゃ心許ないだろ?装備品はブラとパンティーしかないし。

樹氷:なんで女性用下着をお前が着てんだよ!?シュミだと割り切ってもこんな性癖の勇者やだよ!

斜陽:ブラを鎧代わりに、パンティーを兜代わりに装備したら下に穿くものが無いという。いやあ困った。

樹氷:パンティー穿けよ!!頭にかぶるもんじゃねえわ!!・・・いや男がパンティー穿くのもどうかと思うけど。
   男性用下着はねえの!?

斜陽:【勇者はタンスを調べた!引出しをあけるとパンチンググロ−ブが飛び出した!勇者は50のダメージ!】
   こんな感じで死にかけた。

樹氷:なんで貴様の部屋にトラップが仕掛けられてるんだよ!!必要性が無いし!!
   そしてパンチンググローブが飛び出す仕掛け流行ってんの!?

斜陽:とりあえず体力を回復するために台所へ。
   【勇者は冷蔵庫を調べた!・・・特に何も入っていない!】

樹氷:お前どんな生活してるんだよ!ふつう冷蔵庫に何か食べ物が入っているだろうが!

斜陽:冷凍庫も含めて氷しかなかったんだよね。

樹氷:もう少しまともな生活しやがれ!!勇者以前に人間としてなってないじゃねえか!!

斜陽:ということでロングコートを羽織ってパンチンググローブをリュックサックに入れて今、いるわけだけども。

樹氷:そのままの姿でここに着ちゃったの!?てことはコートの下はブラとパンティーか!!

斜陽:外はすごいスースーするね。女性のキモチがわかったような気がするよ。うふふ。

樹氷:なんか男性はわからなくていい部分もわかっちゃってる!!

斜陽:まあこんな勇者の出で立ちをした僕だけども、これからどうしたらいいのかな?

樹氷:下着にコートとか変態の出で立ちだろうが!とりあえず出頭しろ。

斜陽:そうか!警察という名のモンスターをやっつけるんだね!国家の犬め!!

樹氷:モンスターじゃないし口が悪いよ!

斜陽:それじゃあモンスターは一体どこに・・・ハッ!!
   モンスターペアレントがいるじゃないか!!

樹氷:それもたぶん違うよ!でもある意味モンスターよりよっぽどタチ悪いよ!

斜陽:くそう、モンスターペアレントめ!給食費さっさと払え!
   ビヨヨ〜ン、ビヨヨ〜ン。

樹氷:パンチンググローブで遊ぶな!人に当たったらそれなりに怪我しそう!

斜陽:今日会場に来ているお客さんの中に給食費未納のバカタレ親が絶対にいると思うんですよね。
   すみません、前列の方から1発ずつ・・・ビヨヨ〜ン。

樹氷:客に絡むタイプの漫才でもここまでやる奴いねえわ!

斜陽:ビヨヨ〜ン、次の方、ビヨヨ〜ン。
   【勇者はモンスターに30ダメージ与えた!】
   おっ、ビンゴ。

樹氷:ほんとにいたよモンスターペアレント!!まあお客さんには給食費を払ってもらうということでですね・・・

斜陽:喰らえっ喰らえっ!ビヨヨ〜ン!
   【モンスターは逃げ出した!逃げるときに未納分48000円を落としていった!】

樹氷:お客さんが帰っちゃっただろうが!漫才に私情は要らないよ!

斜陽:いやー今月生活が苦しかったから助かった。

樹氷:それお前の金にはならねえわ!!ちゃんと学校へ届けましょ!

斜陽:さて、モンスターもやっつけたし俺はこれから何をすればいいのかな?

樹氷:とりあえずちゃんと漫才やれよ。お前の妄想はもういいから。

斜陽:でもまだボスも倒してないよ。ボスはいないかなー?
   【勇者はあたりを見回した!・・・誰もいない!】

樹氷:ほら見ろ!お客さん全員帰っちゃったよ!前代未聞!

斜陽:こまったなぁ・・・
   【勇者は舞台袖を見回した!・・・プロデューサーはカンカンだ!】
   あ、ボス発見。

樹氷:ボス発見じゃねえよ!!プロデューサーめっちゃ怒ってるじゃん!

斜陽:とりあえず攻撃を試みようか。ビヨヨ〜ン。
   【勇者はプロデューサーに2ダメージ与えた!】

樹氷:2て。

斜陽:【プロデューサーの平手打ち!勇者は力尽きた・・・】
   土下座しますんですいません・・・はい・・・はい・・・本当にすみません・・・

樹氷:まあそうなるわな。会場の客全部帰らしたんだもんな。

斜陽:はい・・はい・・・いやそれは樹氷くんが悪いんです。

樹氷:なんかちゃっかり俺のこと悪く言ってねえ!?

斜陽:・・・はい・・・いえ、ディレクターの無理矢理な指示っていうか・・・

樹氷:今度はディレクターのせいにしてやがる!往生際が悪いな!

斜陽:そうです!全部ディレクターが悪いんで・・・ハッ!ディレクター・・・

樹氷:モノマネとかでよくある本人登場ってやつだね。

斜陽:くそう!こうなったら、
   【勇者の攻撃!】

樹氷:ええーっ!!全然反省してねえし、ディレクター力でねじ伏せようとしてるよコイツ!!

斜陽:【MISS】
   ・・・はい・・・本当にすみません・・・土下座っていうかひれ伏します・・・

樹氷:なんかディレクター素早いっぽい!!そして相手が強いと判った時のひれ伏しよう!!こんなサル見たことある!!

斜陽:・・・はい・・・ちゃんと責任取ります・・・ギャラはとりあえず・・・樹氷くんのを全額カットで。

樹氷:最後の最後まで反省が見られないよ!!相方を平気で裏切るし!!
   もう結構。


予選総合第32位(3回戦敗退) 雷神舞踏組曲
審査員
点数
55 82 33 24 73 平均 53.4
【審査員コメント】 
・前半、後半ともにこれといった印象に残るボケが無いまま終わった感じでした。
 前半でいろいろボケを提示して後半一気にたたみかけるなどもう一工夫ほしかったです。
 同様に、武器や装備が一個ずつしか登場しないのは勿体ないと思います。
 
・ちょっと後半失速した感を受けました。面白かったんですけどね。
 多分プロデューサーが怒ってる、あたりの展開から終盤まで
 わりと普通に「人のせいにする」とか「攻撃を試みて失敗する」とかが
 展開されちゃってて、細かいところは想像できなかったにしても
 少しそこで斬新な感じを受けなかったんですよね。
 あとはなんとなく「【】」の説明文を結構そのまま使っちゃったなあ、というのが
 残念でした。でも全体バランスで見たらかなり面白いですね。
 
・設定からよくあるような、下らんRPGの真似事かと思ったんですが、
 意外や意外、客いじりの下りはどこか目新しく面白かったです。

 ただその後ですよ、
 客が帰った辺りから本格的な舞台を意識しすぎて、
 ボケも何も無くなってきてるじゃありゃぁせんか。
 文章で勝負してください。文章で。
 中途半端な動きは必要ないです。
 
・うーん・・・
 ボケもツッコミもベタな気がします。
 もう少し全体的に練ったほうが良いと思います。
 
・何と言っても客いじりのあたりが秀逸ですよね。「前列の方から1発ずつ」てw
 独自の発想を何かしらベタっぽいものと組み合わせて展開する、っていうのは共感も呼びやすいですし良いなぁ、と。
 ただ、前半のボケが若干インパクト不足なのと、最後プロデューサーに手を出すあたりからがボケとしての面白味に欠けるのが気になりました。



No.016 後藤○○
はじめてのおつかい
(○○)はい後藤○○です!よろしくお願いします!

(後藤)俺ね、将来子供が出来たら、はじめてのおつかいに出してみたいんだよ。

(○○)ああはじめてのおつかい良いよね。

(後藤)だから今日はここで練習したいんだよ。だから俺親やるから、お前子供やりつつ、おかしなところあったらツッコんで。

(○○)うんそのつもり。

(後藤)今日はね。おつかいに行ってほしいんだ。

(○○)うんがんばる!

(後藤)よーし。じゃあ買って来てほしいのはね、あっその前にミルク飲まなきゃね。

(○○)ん?

(後藤)あー美味しかったねー。じゃあ買って来てほしいのは、あっその前におむつ替えなきゃね。あーさっぱりしたー。買って来てほしいのは、あっおしゃぶり落ちたね。

(○○)乳児だね!乳児にはじめてのおつかい早すぎる!俺『うんがんばる!』って言っちゃったわ!天才か。そうじゃなくてはじめてのおつかい5歳くらいにして。

(後藤)ああ5歳くらいね。5歳児ー。

(○○)名前で呼んで!5歳なのは嬉しいけど!

(後藤)足臭志ー。

(○○)名前!名前最低すぎる!

(後藤)妻が寝ないで考えた名前だけど。

(○○)どんなセンスしてんだよ!奥さんと話がしたいわ。

(後藤)あっ連れて来る?

(○○)居るの?まさかの答え。実在しない子供の母親が居るの?

(後藤)控え室に居るから連れて来る?

(○○)なんで控え室に居るんだよ。俺会わなかったわ。本当に来られても話すことないから連れて来ないで。とにかくちゃんとした名前で読んで。

(後藤)佐藤ー。

(○○)苗字を名前に付けるな!名前後藤佐藤になっちゃうから!

(後藤)結婚してない子供なんだよ!

(○○)複雑だな!確かにそのセンスなら結婚しなくて正解だけど!そんな複雑な設定いらないから。

(後藤)息子ー。

(○○)ジャンルで呼ぶな!

(後藤)12人兄弟の末っ子ー。

(○○)兄弟多いな!そんな居るならはじめてのおつかいじゃなくて大家族スペシャルやった方がいいわ!とにかくとりあえず俺の下の名前で読んで。

(後藤)(下の名前)。今日はおつかいに行ってほしいんだ。

(○○)うん!

(後藤)近くの本屋さんに行ってエロ本買って来て。

(○○)まずい!5歳にエロ本はまずい!

(後藤)外人。

(○○)ジャンル聞いてない!お前観たことある!?はじめてのおつかいで子供が買ったものにずっとモザイクかかってんの!

(後藤)ある。

(○○)あるの!?またまさかの答え!それスゲェみたい!

(後藤)DVD持って来ようか?

(○○)あるの!?

(後藤)控え室にある。

(○○)控え室なんでもあんな!とにかく今はいいから後で観せて。そうじゃなくて買って来るの野菜とかにして。

(後藤)カリフラワー買って来て。

(○○)うん!なんで今カリフラワーが必要なのか分かんないけど買って来る!

(後藤)よーしいってらっしゃい!

(○○)いって来まーす。

(後藤)..行ったか。じゃあ俺は。♪チャッチャチャラチャチャだーれにも内緒で お出かけなのよ キャバクラ行こうかなー。

(○○)エロオヤジー!!さっきから!お前子供が頑張っておつかいに行ってる時にどこ行こうとしてんだよ!

(後藤)あそうか子供が頑張ってエロ本買いに行ってる時に!

(○○)エロ本買いに行ってない!子供カリフラワーしか買って来ない!

(後藤)外人。

(○○)ジャンル聞いてない!しかも外人はなんかもっとヤバイ!はじめてのおつかいにエロ持ち込まないで!あれエロ0%の番組だから!ちゃんとやって!

(後藤).ちゃんとやりようねぇだろ!!

(○○)..えっ?

(後藤)お前はじめてのおつかい観たことあんのか!あの番組番組の大半が子供がおつかいしてるVTRだぞ!子供出かけたら親の俺やることねぇだろ!

(○○)..

(後藤)そんなやることなくなった親がやることっていったらキャバクラ行くくらいしかねぇだろ!

(○○)なんでだよ!なんでキャバクラ行くくらいしかねぇんだよ!

(後藤)キャバクラ行くかボランティアするくらいしかねぇだろ!

(○○)スゲェいい選択肢ある!

(後藤)キャバクラ行くかボランティアするか世界平和を祈るくらいしかねぇだろ!

(○○)それでいいよ2番か3番でお願いします!

(後藤)じゃあ分かったよ4番の家でゴロゴロしてるよ!

(○○)4番あったのかよ!急に現実的になったな。じゃあそれでいいよそれで帰って来たとこやろう。ただいまー!カリフラワー買って来たよ!

(後藤)..

(○○)ほらカリフラワー。

(後藤)ちょっと待って。

(○○)ねぇ見てよ!

(後藤)ちょっと待ってよ今子供がエロ本買うところなんだから!

(○○)さっきのDVD!なんで今観てんだよ!

(後藤)ほら買うぞ!買うぞ!

(○○)いいから!

(後藤)買ったー!!

(○○)実況いいから!!

(後藤)買いました!

(○○)買いましたじゃねぇよ!

(後藤)栄光への架橋だ!

(○○)どういう意味!?どんな栄光!?

(後藤)イーヒャッハァー!

(○○)イーヒャッハァーじゃねぇよ!お前子供がエロ本買うとこになにをそんな興奮してんの!?

(後藤)だってほら外人だぞ!

(○○)外人好きだな!

(後藤)ガブリエルのお母さんだぞ!

(○○)誰だよ!ガブリエルもガブリエルのお母さんも知らねぇよ!

(後藤)3サイズ129 129 129の!

(○○)ドラえもんじゃねぇか!

(後藤)猫型ロボット体型の女豹のポーズだぞ!

(○○)見たくねぇよ!

(後藤)それをガブリエルが開いたー!

(○○)なんでガブリエルが開くんだよ!なに実の母親の女豹のポーズ見てんだよ!

(後藤)血はつながってないんだよ!

(○○)複雑だな!!またその複雑なの持って来なくていいから!

(後藤)イーヒャッ

(○○)いいから!!お前もうだめだ。絶対はじめてのおつかいやめた方がいいわ。出るとしてもちゃんと結婚して奥さんと子供だけにした方がいい。

(後藤)そうだな。そうする。じゃあ結婚するためにはじめてのおみあいの練習しよう。

(○○)おみあいすんのかよ。もういいよ。どうもありがとうございましたー!

(後藤)じゃあ相手の写真楽屋から持ってくる。

(○○)あんの!?

予選総合第38位(2回戦敗退) 後藤○○
審査員
点数
57 73 12 48 58 平均 49.6
【審査員コメント】 
・光るボケが随所にあって良かったですが、微妙な印象だったボケを長めに引っ張ってあったため、そこで積み上げた勢いを崩された感じでした。
 (下の名前)ってボケだったのでしょうか? もしボケだとするとそこからいろいろボケの引き出しが増えて面白くなりそうな気配がしなくもないのですが・・・。
 
・本大会のルールにある「適切な改行」をもう少し考慮してほしかった、
 とは思いましたが、全体的に読み手にしっかりと印象を与えるネタだったと
 思います。大きな仕掛けや読み手の想像を確実に裏切るようなボケは
 なかったと思いますが、面白かったです。
 
・何故、作り上げた世界観をぶち壊そうとするのか。
 読み手がはじめてのおつかいの世界観に浸ってる時に、
 「実在しない子供の母親」とか「控え室」とか言われても興醒めです。
 そこまでリアルを再現したいなら、
 文章にももう少しリアルをお願いします。
 例を挙げるなら「あっその前に」や「あそうか」の間に「、」を入れる。
 「”あっそ”の前」ってなんだと思いました。
 漫才からコントの以降へは数行空ける。
 ボケも頗る寒いです、エロ本やカリフラワーほど安易な発想はありません。
 後半もテンションで押し切ってて相変わらずの寒さです。
 いつぞやのM−1決勝の麒麟の真似事でしょうか?
 
・(下の名前)が物凄く気になりました。
 もう少し具合の良い書き方は無かったんでしょうか。
 それと天丼はせいぜい3回までに留めた方が良いと思います。
 それ以上やるとテンポが崩れる恐れがあります。
 悪くは無いと思うんですが・・・
 
・作者の方の後藤と○○の2人への思い入れが強いのでしょうか、会話にリアリティがある印象を受けました。
 「うんそのつもり。」とか(下の名前)とか挨拶後のラスト2行とか、そういうのを平然とやってのける辺りにこのコンビのキャラの強さを感じました。
 ただ、このネタではちょっと後藤さんの私情が入り過ぎているというか、
 下ネタ?というかエロ本がどうこう見たいな方面にストーリーが行ってしまっていたのが気になりました。
 もう少し「はじめてのおつかい」ならではのボケで展開していくところを見たかったです。



No.017 ヤード
ドライブ
堺 :最近、ドライブにハマちゃってね
葛西:そうなの?
   まぁ、当然無免許だと思うんだけど・・・
堺 :なんで思うんだよ!!
   免許持ってるから
葛西:誰とドライブ行くんだよ?
堺 :行く相手もいないから大体一人かな・・・
葛西:それならオレと行こうぜ
堺 :えーー男二人は気持ち悪いだろ!
葛西:大丈夫、オレ女装するから
堺 :どこが大丈夫かわからんわ!!
   女装された方が気持ち悪いな!
葛西:あ・・したい派?
堺 :したくないよ!!
   何の勘違いかわからんけどよ・・・
葛西:行きましょうよ
   ドライブの時のガソリン代はお前が払うからさ
堺 :なんでオレだよ!!
   お前が払えや!
葛西:嫌だよ!
   もったいない、天ぷら油でいいだろ
堺 :よくねぇよ!!
   んなもんで一般自動車が走れるか!
葛西:とりあえず行きましょうよ
堺 :行くのかよ?
葛西:待ち合わせどこにする?
堺 :別にいいよ、家に迎えに行くよ
葛西:それはダメだよ
堺 :なんでだよ?
葛西:オレ、スラム街に住んでるから
堺 :なんちゅーとこに住んでるんだよ!
   日本じゃないの?
葛西:違うよ・・・四国だよ・・・
堺 :日本じゃねぇか!!
   ベタなボケかますなよ!!
葛西:とりあえず迎えには来なくていいから
堺 :わかったよ
   じゃあ、どこにするんだよ?
葛西:日本じゃないんだけど良い?
堺 :良いわけがないだろ!!
   日本にしろよ!!
葛西:日本じゃないってことは外国だってことだよ?
堺 :わかってるわ!!
   日本にある他の国は、四国くらいだろ?
葛西:・・・・・・・・・は?
堺 :お前が言ったんだよ!!
   ベタなボケをよ!!
葛西:いいから黙るか、口閉じてろ
堺 :どっちも同じだよ!!
   喋りますから
葛西:じゃあ待ち合わせはオレん家な
堺 :何なんだよ!!お前!!スラム街なんだからダメなんだろ?!
葛西:・・・は?普通の住宅地だけど
堺 :スラム街ってお前が言ったんだよ!!
葛西:スラム街に住めるのは、黒人か松崎しげるだけって決まってるだろ
堺  :松崎しげるに失礼だろ!!確かに黒いけども!
      それに黒人以外も住んでるから
葛西:デーブ・スペクターも住んでるか
堺 :住んでねぇよ!!
   日本の良い家に住んでるから!
葛西:とりあえず迎えにこいよ!
堺 :嫌々行くけどよ・・・
   どこに行くんだよ?
葛西:海でよくない?
堺 :えぇーーー男二人で!?
葛西:もうドライブ行く時点で、それは忘れろよ!
堺 :でもさ・・・
葛西:わかったよ・・・オレ、女装するよ!
堺 :しなくていいよ!!
   全然わかってない!
葛西:あ・・・したい派?
堺 :じゃねぇって!!
   女装からはなれろ!!
葛西:ひとまず決まったし・・・
   シュミレーションするか
堺 :意味ある!?
葛西:後で答える
堺 :なんで!?
葛西:とりあえずやるよ
   迎えに来て


堺 :(ブーーン)
   ココか
葛西:わざわざ来てもらって悪いね・・・
   こんなスラム街に
堺 :結局スラム街かよ!!
葛西:ここ酷くてさ
   右隣からずっと愛のメロディーが聞こえてくるんだよ
堺 :松崎しげるも居るのかよ!!
葛西:左は駄洒落しか言わないし・・・カタコトだし・・・
堺 :デーブ・スペクターも!!?
葛西:よし行こうぜ!
   (ブーーン)
堺 :海か・・・
葛西:楽しみね あ・な・た
堺 :気持ち悪いな!!
   カップルか!!
葛西:いいじゃん・・・
   オレ、ちゃんと女の格好してきたし
堺 :だからしてくんなよ!!
   ってかガソリン残り少ない・・・
葛西:大丈夫!天ぷら油あるよ
堺 :そんなんじゃ走らねぇよ!!
   ガソリンだよ!
葛西:せっかく迎えに来てもらったし・・・
   お前ガソリン代払え!
堺 :だからなんでだよ!!
   お前が払え!
葛西:嫌だよ!
   もったいない!天ぷら油入れとくぞ!(コポコポコポ)
堺 :入れるなよ!!
   (プスン・・・プスン・・・ボン!!)
葛西:・・・よし行こう!
堺 :行けるか!!
   壊れたんだよ!車は!!
葛西:な・・・なぜ?
堺 :お前のせいだろ!!
   ドライブ行けねぇよ!


葛西:・・・ということで
   このシュミレーションは意味なかったな
堺 :いい加減にせい!!

予選総合第55位(1回戦敗退) ヤード
審査員
点数
28 34  2 34 39 平均 27.4
【審査員コメント】 
・序盤のくだりですが、ガソリン代をどっちが払うかというボケがちょっとわかりづらかったです。
 「俺が払うからさ」って言うもんだろ普通は! とかツッコミで入れてくれるとわかりやすいと思います。
 また、演者(作者)が「ベタなボケ」ってツッコミするのは逆効果な気がします。 意図的にベタなボケを挟んでツッコミ入れて・・・というよりは単にベタさだけが目立っていました。
 後半も前半のボケを無理矢理つなぎ合わせたという感じでなかなかはまりませんでした。
 ツッコミの口調が良い感じだったのであとはボケ次第だと思います。
 ついでなのですが、2行にわけて2文を話すより1行で2文入れる方が読みやすいです。
 意図的に文字数を減らすといったネタでは無いと思うので、視覚的にもその方がボリューム感が出て良いのではないかと。
 
・どうも「ひとつのボケで一つの展開しかしてない」っていう状態だと
 トータルで見て「浅い作品だなあ」という印象になっちゃいますね。
 勿体ない展開をいくつも潜ませていたんですが、それを消化する前に
 次へ行ってしまっていたような感じです。
 あとは真新しいボケとかがないんです。「そりゃ、そうだろう」という
 感想以外を生まないボケがちょっと多かったのかな、と思います。
 ツッコミをもう少し大切にして作品を作ってみてください。
 
・堺 :ベタなボケかますなよ!!

 分かってんならベタじゃないボケをお願いします。
 
・えー!何でですか?
 ツカミは凄く面白かったのに・・・
 天丼の使い方と、ツッコミが下手だと思います。
 ボケは結構面白いんですが・・・
 中盤から後半部分で大きく尻すぼみした感がします。
 
・「シミュ」レーションですね。"simulation"って綴りを覚えると「シミュ」ってのが頭から離れなくなりますので是非。

 そのシミュレーション部分ですが、ほとんどそれまでのボケを再利用しただけになっていたと思います。
 シミュレーション開始後しばらくはそれでも良いのですが、中盤辺りから前の話と違うボケを取り入れてみると、ちょっと読み手の気を惹けます。
 また、再利用系のボケ方で行くなら、もっと読み手の心に残るインパクトのあるボケを用意しておく必要があったと思います。
 女装、ガソリンが天ぷら油、スラム街、松崎しげる、デーブ・スペクター・・・
 よくあるベタなボケってのもそうなのですが、それぞれのボケに統一性が無さ過ぎるため、余計にインパクトが無いです。
 ベタとは言いつつ上記のどれか一つくらいを使っても良いので、設定に大きく絡めていくつもりでボケを出した方がよいと思います。
 
 最後に「このシュミレーションは意味なかったな」などとうまいことまとめていますが、一つの漫才の中では意味がある形にしないといけません。



No.018 天然亭一門
グラマラスバタフライをつけよう
ガス:ああ あこがれの

パーマ:タンポンマスターに

ガス:なりたいな

パーマ:ならなくちゃ

ガス:絶対、なってやるううううううう!!!




パーマ:皆さん、お待たせしました!!天然亭一門の天然亭パーマ太郎と!

ガス:天然亭ガス太郎です!!



パーマ:本当にね、MMー1という事でして頑張ろうかなあゆうてるんですけどもね!

ガス:ММー1ですよ!キャッ恥ずかしっ!

パーマ:そうですね。普段なら、もうぶっちゃけスベってもええかーみたいな感じがあったりするんですが。

ゴム:そうそう、でも今回はそんな訳にはいかないですからね、


とりあえずММー1って名前は僕らにとっては重荷すぎるんで、



    今からセックスして凸凹ー1グランプリにします!


パーマ:いやお前、確かに凸と凹が合体して1つになるけども!






ゴム:(どや顔)


パーマ:はいワン!トゥー!スリー!フォー!



ガス:生理日は予測しろよ、

        お、ま、え、ら!!








パーマ:うん


ガス:うん




パーマ:・・・


        やっぱりやん!!!


ガス:(びくっ)


パーマ:絶対こんなんウケへんやん!ウケるわけないやん!
    MM−1で生理日予測とか、お前荒らしだとみなされても何の否定もできんぞお前!!
    「結果出たかな?」ってサイト覗きに行って「404 Not Found」とか十分有り得るからな!
    ほんっと・・・あんだけ「これ面白くないからやめとこ」って言うたんに!!



ガス:いや…その…こんな逆境乗り越えてこその天然亭一門かなみたいな…



パーマ:黙れや!!
    アタシかて女やからわかるけど、こんなもん笑いもへったくれもねえぞ!
    生理日予測しろとか言う漫才師見た事ある!?
    こんなんNSCで保健の授業やるようなもんやで!!


ガス:やっぱり笑いって常に新しいものを創造していかないと・・・


パーマ:ごめんやけど、あたしら壊す一方やわ!
    破壊、破壊に次ぐ破壊、そしてブロウクン破壊やわ!
    先人達が作ってきたベルリンの壁にダンプカーで突進しとるわ!!

    ほんまに・・・そら朝青龍やって横綱辞めるわ!


ガス:いやそれは関係な・・・


パーマ:おっぱい大きい奴等なめんなよ!!!




ガス:あっ、はい・・・・


パーマ:ほんと・・・本名の満子で漫才師目指したほうが良かったわ・・・



ガス:いや満子て(笑)





パーマ:ん?


ガス:(ビクンッ)


パーマ:ガス太郎。一発殴らせて。一発。
    いやほんと肩でいいから。


ガス:勘弁して下さい



パーマ:甘えんなやあああ!
    自分の発言に、責任、持てやあああ!!


ガス:ごめんなさいごめんなさい


パーマ:言わせてもらうけどな、最初のあれ、なに?
    タンポンマスター?

    提案してきた時は「前衛的でいいかもね」って愛想笑いしたけども・・・




    ぜんっぜん!!    おもろないわ!!




ガス:・・・


パーマ:何?ポケモンとかけたの?


ガス:・・いや・・

    サンボマスターに・・・




パーマ:かけちがえとるやろ!!中一の学ランのボタン並みにかけちがえとるやろ!
    そこは素直にサンボマスターの歌使っとけよ!


ガス:・・・

    世界は・・・
     マラを愛と呼ぶんだぜ・・・


パーマ:胸張って言えや!そんな声3dBやわ!街の雑踏にかき消されていくわ!


    あと、愛って随分とまあ、下腹部にあるもんなんですね!!
    マラを愛と呼ぶ人なんかあたし見たことないわ!!

    もっとうまいこと言えや!!


ガス:が・・・


パーマ:言うことあるならはっきり!!


ガス:顔射男





パーマ:・・・

    お、おぅ・・・
    お前そこまで考えとったんか・・・
    なかなかやるやん・・・


ガス:ありがとう、そう言ってくれただけで嬉しいよ


パーマ:・・・・








(1分34秒の静寂)





パーマ:あ、そうだ・・・
    この前の、あの・・・劇場裏で、さ・・・

    告白してくれたことなんだけど・・・

    あ・・・あたしには、もう既に天然亭ゴム太郎っていう彼氏がい・・・





        (ガバッ)




パーマ:!!??
    ガス太郎!?何すんのよ!!


ガス:うおお!うおお!うおおおおお!!


パーマ:えっ、怖い!!アタシ今、畏怖の感情を抱いてる!!



ガス:確かに・・・確かに俺は下ネタばかりの最低な男かもしれない・・・
   でも・・・お前を想う気持ちはゴム太郎なんかには負けていないはずだ・・


パーマ:や、mやめてガス太郎!ここは舞台の上よ!!


ガス:知るもんか・・俺の気持ち、観客達にも見せつけてやるんだ・・


パーマ:だめ!今日はだめな日なの!!


ガス:満子・・・

        顔射男では、終わらせない・・・!
        俺は今から中出男になるぜ・・・



パーマ:ガ・・・


        ガス太郎おおおーっっっ!!!!






(終)

予選総合第41位(2回戦敗退) 天然亭一門
審査員
点数
66 44 37  7 55 平均 41.8
【審査員コメント】 
・かなり下ネタでしたねぇ・・・。 苦手な者としては非常に笑いづらかったのですが相方がキレてからの展開や全体的なフレーズ選びがとても面白かったです。
 ただ、オチが妙にフワフワしていて拍子抜けした印象を受けました。
 
・いや・・・単純に・・・笑うポイントがわからなかったので・・・。
 文章の上手さと読みやすさでここまでの点数はつけましたが、
 逆にこれ以上の加算ポイントがありませんでした。
 
・芸術には「表現の自由」が適用されます。
 人が生み出すどんな作品であろうと、
 その作品にどんな表現を用いようが各々の自由なのです。
 例えば本格短編推理小説でも「オッパイ」という単語を用いた作品もあるし、
 歌詞に女性器を何度も用いた楽曲もあるし、
 映画界で言えばオランダのポール・ヴァーホーヴェンなんぞは表現の自由に囚われず、
 己の作品で必ずと言っていいほど暴力、ドラッグ、セックス描写を使用します。
 例えるなら「インビジブル」の透明人間がおっぱいを揉むシーン、
 「ブラックブック」のユダヤ女性がマン毛を金色に染めるシーン、
 「トータルリコール」のオッパイが3つ付いた宇宙人女性が登場するシーン、
 「ショーガール」の映像の大半を占めるセックスシーン、
 常識を覆す描写を多用し、最低賞を受賞しても胸を張って笑顔で授賞式に現れる、
 彼の持つ雰囲気をこの天然亭一門からも感じさせて頂きました。
 そんな、ネットテキスト界のポール・ヴァーホーヴェンこと天然亭一門さんに、
 私の持つボキャブラリーを総動員させた精一杯のこのジャジペを送ります。


 お ま ん こ
 
・この方向性のネタっていうのはあまり見ないですが・・・
 残念な事に気持ち良い位に滑ってますね。
 下ネタを使う場合は普通のネタ以上に練らなければ面白い物は出来ないと思います。
 センスを磨けば良いのが出来るかもしれませんけどね。
 
・形式やキャラ設定としてはホント斬新だと思います。
 そして今回の漫才では、部分的にはすごくうまくハマっていたと思います。
 ただ、(1分34秒の静寂)の後で急にボケ無し(見た目上)の甘い展開になるなど、ネタ全体としてはふわふわしていたというか。
 雰囲気をぶち壊さない程度にもっと作り込めば、さらに面白くなる気がします。



No.019 リーベルパウンド
男たるものカッコ良く
古城:まぁ、僕ねやりたいシーンがあるんですよ。

氷谷:おっ、なんですか?

古城:9回裏2アウトからサヨナラホームランを打ちたい。カッコいいじゃない。

氷谷:じゃあ、ちょっと手助けしましょう。



氷谷:9回裏2アウト満塁。ピッチャー投げました。
バッター打った!打球はセンター方向へぐんぐん伸びる!

古城:いけー!入れー!

氷谷:取れるこのボール…はっ!上から巨大隕石が!!
   これは隕石を取るしかない!バシッ!地球は俺が守った!

古城:やりたい放題じゃねえか!

氷谷:でも、優勝逃しちまった…あんなに練習したのに…。

古城:全然勝った気しねぇわ!
   待て待て、そっちの方がカッコいいじゃねえか。そっちをやる。

氷谷:いいけど。カッコよければ構わないの?

古城:構わない。よし、やるぞ。



古城:9回裏2アウト満塁。ピッチャー投げました。

氷谷:もらった!あっ!バットにヒビが!
   バットが割れてその中から剣が出てきた!

古城:おーい。

氷谷:はっ!?上から巨大隕石が!そうだこの剣で!
   ズバアッ!!やったぞ!俺は見事地球を救ったんだ!

古城:お前が救うな!それに目立ちすぎだから!邪魔すんな。



古城:9回裏2アウト満塁。ピッチャー投げました。
   バッター打った!打球はセンター方向へぐんぐん伸びる!

氷谷:いけー!入れー!

古城:取れるこのボール…はっ!上から巨大隕石!!
   これは隕石を取るしかない!バシッ!地球は俺が守った!

氷谷:すいませーん。ちょっとここら辺に巨大隕石が落ちて来たかと思うんですけど。

古城:はい。僕がキャッチしました。

氷谷:ちょっと!アンタ何してるんですか!

古城:なんで俺が怒られてんだよ!

氷谷:せっかく巨大隕石投げの宇宙記録出せそうだったのにアンタが取ったから無効だよ!

古城:巨大隕石投げって!どんなハタ迷惑なスポーツだよ!ちゃんと俺に見せ場を。



古城:9回裏2アウト満塁。ピッチャー投げました。
   バッター打った!打球はセンター方向へぐんぐん伸びる!

氷谷:いけー!入れー!

古城:取れるこのボール…はっ!上から巨大隕石!!
   これは隕石を取るしかない!バシッ!地球は俺が守った!

氷谷:バシバシバシィッ!俺は巨大隕石4個取ったぜ!

古城:俺より活躍をするな!

氷谷:わかった。巨大隕石1個分けるから。
   これでお前は2個取った事になるからいいだろ。

古城:余計みじめだわ!そんな施しはいらん!

氷谷:そんなしかめっ面しないで。2個取った事になったんだから。
   「2個取ってニコニコー。」とか言っとけよ。

古城:そんなくだらねぇ事言うか!
   頼むから俺にカッコいいシーンをやらせてくれ。



古城:9回裏2アウト満塁。ピッチャー投げました。
   バッター打った!打球はセンター方向へぐんぐん伸びる!

氷谷:いけー!入れー!

古城:取れるこのボール…はっ!上から巨大隕石!!
   これは隕石を取るしかない!バシッ!地球は俺が守った!

氷谷:おい、待て…この隕石ヒビが入ってるぞ。

古城:なんだって?

氷谷:中から怪獣が出てきたー!

古城:どういう展開だよ!

氷谷:俺はこの怪獣を足止めさせる。だからお前は逃げろ。そしてみんなを避難させてくれ。

古城:だから目立ちすぎ!お前は目立つなと何度言ったら!
   もういいわ、お前が隕石取って。俺がイイトコを横取りするから。



氷谷:9回裏2アウト満塁。ピッチャー投げました。

古城:もらったー!あっ!バットにヒビが!
   バットが割れてその中から剣が出てきた!

氷谷:ガチャッ!銃刀法違反で逮捕する!

古城:なんでいきなり警官が出てくんだよ!

氷谷:上から巨大隕石が!こうなったら俺のマグナム銃で…パン!パン!やったぞ!地球を守った! 

古城:だから勝手に話を展開するな!

氷谷:いやぁ、勝手に話を展開してスマンスマンポリスマン。

古城:警官はもういいわ!これとか結構気に入ってんだから!もう一回!



氷谷:9回裏2アウト満塁。ピッチャー投げました。

古城:もらったー!あっ!バットにヒビが!バットが割れてその中から剣が出てきた!
   はっ!?上から巨大隕石が!そうだこの剣で!ズバアッ!!やったぞ!俺は見事地球を救ったんだ!

氷谷:あーっ!?

古城:なんですか?

氷谷:おじいちゃんの形見の巨大隕石を叩き斬るだなんて!外道!

古城:巨大隕石が形見ってなんだよ!

氷谷:おやおや、形見を斬って肩身が狭くなっているようだな。

古城:その通りだけど変なとこで韻踏むな!



氷谷:9回裏2アウト満塁。ピッチャー投げました。
   バッター打った!打球はセンター方向へぐんぐん伸びる!

古城:いけー!入れー!

氷谷:取れるこのボール…はっ!上から巨大隕石が!!
   これは隕石を取るしかない!バシッ!地球は俺が守った!

古城:バシバシバシィッ!俺は巨大隕石4個取ったぜ!

氷谷:いやいや、それはざるソバですよ。

古城:一言余計!俺がアホみたいになるからやめて。



氷谷:9回裏2アウト満塁。ピッチャー投げました。
   バッター打った!打球はセンター方向へぐんぐん伸びる!

古城:いけー!入れー!

氷谷:取れるこのボール…はっ!上から巨大隕石が!!
   これは隕石を取るしかない!バシッ!地球は俺が守った!

古城:あれ、この巨大隕石ヒビが入ってるぞ。

氷谷:中から古城って名前の入った作文が出て来たぞ。

古城:なんで俺の恥ずかしい思い出が入ってるんだよ!

氷谷:10年後のフランシスコザビエルへ。元気でいますか。

古城:10年後の自分に書け!ザビエルとっくに死んでるわ!



氷谷:9回裏2アウト満塁。ピッチャー投げました。
   バッター打った!打球はセンター方向へぐんぐん伸びる!

古城:いけー!入れー!

氷谷:取れるこのボール…はっ!上から巨大隕石が!!
   これは隕石を取るしかない!バシッ!地球は俺が守った!

古城:あれ、この巨大隕石ヒビが入ってるぞ。

氷谷:中にはなんと…ケーキが入っていましたー!誕生日おめでとう!

古城:隕石が落ちてきた後ケーキ出てくるサプライズってなんだよ!

氷谷:さぁ、火を吹き消してくれ。
   あーっ!?ケーキが倒れて芝に燃えうつって炎上したー!お前のせいだー!

古城:責任転嫁すんな!

氷谷:転嫁っていうか点火しちゃったというか。

古城:しちゃったじゃねえよ!

氷谷:まぁ、炎上した事なんてどうでもいいよな。ハッピバースデートゥーユー♪

古城:いや、歌ってる場合かよ!

氷谷:ハッピーバースデー灯ー油ー♪ ドボドボドボ…。

古城:灯油をかけてる場合か!大炎上じゃねえか!

氷谷:二つの意味でかけちゃった。

古城:だからかけちゃったじゃねえ!いいかげんにしろ。

予選総合第3位(準決勝敗退) リーベルパウンド
審査員
点数
76 81 73 91 87 平均 81.6
【審査員コメント】 
・面白かったのは間違いないのですが、安定感があるとも言える一方印象に残る強烈なボケがないという感じがしました。
 
・ショートコント形態もこういう書き方をすればちゃんと面白いんですよね。
 ちりばめたアホな展開、ことごとく綺麗に炸裂させてると思います。
 これは勉強になりますねー。
 立場を変えて作品にメリハリをつけるっていう手段も流石です。
 ただ、同じテーマだから仕方ない、という面もあるんですが、
 やや「読み飽き」が発生する状態になりました。
 ある程度の部分は読み飛ばしちゃうような。ちょっとだけ、もったいないです。
 
・エイジアンエイジアンとどう違うんだよ。笑

 下から37行目の古城の長台詞がツボでした。
 0から作り上げた雰囲気を全て纏め上げるのは技術を要するものの大変面白いのです。
 
・おお、このネタは作るのが楽そうですね。
 こういうネタってオチから考えて、そっから構成考えながら最初の状態になるまで引いてってるんですかね。
 全体的に綺麗にまとまってますが、もう少しだけ面白く出来そうな感じがします。
 
・これだけ独自の展開を作ってるのはすごいことだと思います。
 面白かったですが、もう一歩、確かな爆発力みたいなのが欲しかったです。
 そういう意味では、個人的にはエイジアンエイジアンの方が上でした。 



No.020 海鳴りが聞こえる
トマシマカナコ
けう:どうも、けうけげんと音黒、二人合わせて海鳴りが聞こえるでーす。
   いやぁ、MM−1ということなんで緊張しますね。

ねく:まぁMM−1はさておき、けうさんに質問があるんだけど。

けう:いや、いきなりさておきて。まず漫才が先決でしょうよ。

ねく:うん、漫才もこっくりさんも大事なのはわかるけど、とりあえず質問があって。

けう:こっくりさんは別にやる気ありませんけどね。
   まあいいですよ、なんでも聞いて下さい。

ねく:うん、それじゃあ聞くけど・・・けうさんって、何?

けう:・・・え、そんな根本的なこと?

ねく:お願い教えて、けうさんって何?気になってこっくりさんのレベル上げも対戦もできない。

けう:あ、僕の知ってるこっくりさんと違った。
   ちょっと待って、あなた僕が何かわからない状態で漫才してるんですか?

ねく:うん、全くわからない。けうさんって何?飴?

けう:ええ・・・何その突飛な発想。どうしてその考えに至ったんすか。

ねく:いや、近頃温暖化が進んでるじゃない?夏場大丈夫かなぁと思って。

けう:確かに暑がりだけれども、流石に溶けるほどじゃないから。

ねく:溶けてきたなぁと思ったら冷蔵庫入っとくと長持ちするよ。

けう:不思議な気遣いありがとう。ただそのアドバイスは未来永劫生かされないと思う。なぜなら僕は飴じゃないから。

ねく:飴じゃないならけうさんって何なの?衣類?

けう:なんて自由な発想なんだこの人。少なくとも誰かに纏われた覚えはないね。

ねく:だってチャックついてるよね。衣類じゃないなら鞄?

けう:多分雑貨屋あたりで見た何かと勘違いをしているね。チャックついてないし。

ねく:あれ・・・無印に売ってるよね?

けう:さすがに無印良品でも生命は取り扱ってないよ。

ねく:鞄だって生きてるのあるじゃん。

けう:何それ、どこで見たのそれ。

ねく:小学校にいなかった?あの白い羽に赤いトサカがついた鳥みたいな鞄。

けう:それ鞄じゃない、ニワトリ。極限状態の節子でもそんな間違いしないよ。

ねく:いや、ニワトリはヒヨコの親のことでしょ。今は鞄の話してるんだけど。

けう:いや、ゴメンね、そんなもんニワトリしか浮かばなくてね。そんな鞄認めたくないのよ。

ねく:で、けうさんは鞄なの?ニワトリなの?砂時計なの?

けう:おぉ、なんか変なのが新規参入してきた。一応僕はずっと人間やってます。

ねく:人間かぁ・・・3分おきにひっくり返るタイプの?

けう:それ砂時計だわ。もっと安定してるよ。

ねく:安定・・・てことは電波受信して時間正確に合わせるタイプの人間か。

けう:ごめん、時計を選択肢からぶっ飛ばして。僕の言った安定ってのは重心の話なんだよね。

ねく:安定してるってことは下半身が三脚・・・けうさんってカメラだったの?

けう:2本足でも結構人って安定すんのよ?カメラで人なら映画泥棒じゃん。

ねく:映画泥棒でしょ。

けう:あんなトリッキーな顔面じゃない。あんなトリッキーな動きしない。

ねく:3分おきにひっくり返る時点でトリッキーじゃんか。

けう:それあなたの想像内の話なんだよね。今んとこ僕はあなたの発言に何一つ該当してないんだよね。

ねく:じゃあ聞き方変えるけど、けうさんって身体の何割が機械?

けう:うーん・・・どうすりゃ「理解」を覚えてくれるんだろ。なんと機械率0割です。

ねく:0?でも電池で動いてたんじゃなかったっけ。

けう:いつそんな話をしたかな?そんな昔のゲームボーイ方式じゃないのよ。

ねく:そっか、今時は充電式だもんね。

けう:あ、完全に携帯ゲーム機の話に移ったね。僕の話どっか行ったね。

ねく:だってけうさん携帯ゲーム機じゃんか。

けう:どっからその自信が湧いてくるんだ。あいにくまだ知能を持つ携帯ゲーム機はありません。

ねく:いや、けうさんは未来から来たタイプのゲーム機でしょうが。

けう:何その展開。そんなSF展開どこから来たのよ。

ねく:仄暗い水の底から。

けう:あ、SFかと思ったらホラーだった。

ねく:僕がちょっと用事があって仄暗い水に潜った時、たまたま底に沈んでたのがけうさんだったんだよね。

けう:そんな気持ち悪い出会いだったっけ。ていうか水中に用事って何さ。

ねく:それ以来、僕が用事で潜る度にけうさんでゲームするようになって・・・。

けう:勝手に思い出を歪めないでよ。つーかなんで水の底から持っていかないのよ。

ねく:だってけうさん、水の底でしか動かないタイプのゲーム機じゃん。

けう:そんな使い勝手の悪いゲーム機を作る未来なんていらない。

ねく:けうさんの充電が一瞬で終わるような技術がある未来だったとしても?

けう:根本的に動力が電気じゃないからね。

ねく:んー、電気じゃないなら、けうさんって何で動くわけ?

けう:うーん、真面目に言うなら心臓とかの活動で動くね。

ねく:芸能活動?

けう:心臓の芸能活動ってなんだよ。グロいよ。

ねく:あれ、モデルとかやってなかったっけ?

けう:保健の教科書とかには載ってるけどさ、モデルのジャンルじゃないよ。

ねく:CanCamとかの。

けう:まさかの心臓だけ異性。僕の心臓そんなにキャピキャピしてないよ。多分。

ねく:あ、芸能活動してるのは右腕か。

けう:僕の体はどんだけマルチなんだよ。僕の知らないところで右腕何やってんだよ。

ねく:だってけうさんって50くらいに分解できるじゃんか。

けう:そんなフィギュアみたいなタイプじゃないし。「じゃんか」って言われても同意できないし。

ねく:そんで、顔以外はビデオカメラと組んで映画泥棒の仕事してるんでしょ?

けう:映画泥棒はしていない。その間、顔はなにやってんのさ。

ねく:昼食の準備。

けう:それは体も一緒にやるよ。危なっかしいもん。ていうかそもそもバラバラにならないからね。

ねく:え、だって各パーツネジで留めてあるんじゃなかったっけ?腕とか足とかソーラーパネルとか。

けう:ソーラーパネルがなんでデフォルトで組み込まれてるのよ。さも当たり前のごとく。

ねく:充電切れたときのために。

けう:あ、また動力が電気にもどっちゃった。これが噂の無限ループってやつなのか。

ねく:この前のバージョンアップのときに搭載したとか言ってなかったっけ?

けう:もう、僕のドッペルゲンガーでもいんのかな・・・?バージョンアップした記憶ねぇもん・・・。

ねく:あ、ドッペルゲンガーで思い出したけど、けうさんって万歩計?

けう:もう思考の飛躍の法則がわかんないよ・・・縦横無尽にボケすぎるよ・・・!!

ねく:ホントお願い教えて。けうさんって何?何計なの?

けう:なんで計る物だということは確定してんの?
もうはっきり言いますよ?僕は人間です!

ねく:人間・・・何を計るタイプの?

けう:タイプとか無いし。僕はどこにでもいる普通の人間です。

ねく:普通の人間が身体50に分かれるはずないじゃん。

けう:だから分かれないんだってば。
   とにかく、僕は鞄とか砂時計とかゲーム機じゃありませんから。

ねく:・・・そうだったの・・・にわかには信じられない・・・

けう:こっちとしてはあなたの発想がにわかには信じられないですけど。
まぁ結論としては、僕は普通の人間で、普通にあなたとコンビを組んでる、ということです。

ねく:あなたとコンビ・・・あなたって僕?あれ、僕って何?筆記用具?

けう:もうやだこの人!!

2人:ありがとうございました。

予選総合第21位(準決勝敗退) 海鳴りが聞こえる
審査員
点数
64 77 25 58 85 平均 61.8
【審査員コメント】 
・上手く言えないですが力技みたいな感じで面白かったです。
 ですが話を広げきらずに次の展開に行くパターンがちらほら合ったのが勿体なかったです。
 また、ツッコミのフレーズが捻られすぎているという印象を受けた箇所が見受けられました。
 
・何でしょうか、この「変なよそよそしい感じ」は・・・。
 ただ、それが味になってる作品ではあります。強く指摘もできないけど、
 その勘違いは訂正しておきたい・・・しかしその勘違いは終わってくれない・・・みたいな。
 この「観念に似た気持ち」で展開されていく空気は案外心地よかったりします。
 個人的には、最初に「飴?」って言われた時の衝撃が、それ以降では
 あまり見られなかった点が残念でした。
 
・ちょっと面白い高校生の休み時間の会話?チャット?

 残念ながら、内輪臭しかしませんでした。
 ねくがけうをいじるという構図のまま、このテンションで押し切るのは無理です。
 突っ込んでください。もっと突っ込んでください。
 滑ってます。冷静に対応してたら何にも面白くありません、
 それだけのボキャブラリーがあるならもっとツッコミを入れてください。
 この突飛なボケに相応しいのは激しいツッコミなんです。
 音黒さんのチャットでのけうけげんさんへのいじりと、
 けうけげんさんの狙った臭プンプンの冷静な対応のロングバージョンを見せ付けられた印象でした。
 ネタを見せてください。合同ネタを。
 
・中盤位までで「ねくさん、早く理解して下さい・・・」と思ってしまいました。
 これ系のネタは嫌いではないですが・・・
 一つの範囲の狭い話題で一ネタやる、というのは大きくメリハリを付けないときついものがあります。
 このネタの長さを半分以下に縮めて別なネタを後半に付加するか、
 ボケは自由な発想するだけじゃなく、何か面白くする工夫をした方が良いと思います。
 
・即興的ながらもしっかりと話が繋がっていて、合同ネタにも関わらず完成度が高かったです。
 目立った盛り上がりが無いようにも見える一方、音黒さんが絶えずいろんな方向におかしくなっているので読んでいて飽きませんでした。
 ただ、もう一歩面白くするとすれば、やはり構成などにもう一工夫欲しいところですね。