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 041 大浦崎  042 炭酸電池  043 ステレオミサイル  044 ミドルダッシュ  045 だいたいマグナム  
 046 ホイルマン  047 デンドロカカリヤ  048 松堂・嶋波の乱  049 生き血飛ぶハーレー図鑑  050 モンブランジャム


No.041 大浦崎
+チック
坂木:どうもトリオ漫才大浦崎と申します。
   最近思うんですけど、ポジティブに生きていくのは凄く大切だと思うんですよ。

明星:と言いますと?

坂木:例えば、悪い事が身に起こったとするやん。
   それに対して○○よりマシと考えれば気持ちが楽になると思うんよ。

明星:それはどういう意味で?

谷沢:まぁ、坂木が言うてた事を俺が説明したるわ。
   例えば自分が死んだとするやん。

坂木:話聞いてた!?俺、最初に生きていくにあたってって言うたやん!
   なんでいきなり死んだ体の話しとんねん!

谷沢:それならお前が話してくれや。

坂木:例えば仮に100円を落として取れないようなスキマに挟まったとするやろ。
   
明星:うわぁ、俺100円落としたら半年は引きこもるよ。

坂木:メンタル弱いな!

谷沢:まぁ、俺やったらその100円を知り合いにダイナマイトとか使って取ってもらうわ。

坂木:大胆が過ぎるわ!100円にどんだけ精力注いどんねん!

谷沢:ちゃんと報酬5000円払ってな。

坂木:なんでわざわざ損しにいってんねん!

谷沢:違うねん!その知り合いには今年のお年玉渡してなかってん!

坂木:お前の事情は知らん!

明星:ちなみにその知り合いってのは俺です。

坂木:お前かい!相方からお年玉貰っとるヤツ初めて見たわ!

明星:ダイナマイトづくりが趣味で。

坂木:お前が言うとリアル過ぎるわ!

明星:棺桶にはダイナマイト入れて欲しい。

坂木:迷惑極まりないな!
   火葬したらお骨もドカーン言うて粉々なるわ!

谷沢:いやいや、お骨だけにボーン言うて粉々になるやろ。

坂木:効果音どうでもええねん!
   さっきから全然話進まんからちょっと黙っといて。

明星:はいはい。

坂木:例えば仮に100円落として取れないようなスキマに挟まったとするやろ。
   そういう時に「あ、財布じゃなくてよかった」こう思えば気が楽やろ。

谷沢:でも、100円が取れないようなスキマに財布落としても挟まらんと思うねんな。

坂木:そういう細かいダメ出しいらんねん!

明星:まぁ、でもこういう考え方を日頃から出来たらいいかもしれないなぁ。

坂木:せやろ。やからこれから俺がこんな嫌な事が起こったらっていうのを出すから。
   お前らはそれをプラスに変換できるようにしてみて。

谷沢:わかったわかった。

坂木:ラーメンに虫が入ってました。さて、どう考える?

明星:あぁーラーメンの中に入ってるのがおじいちゃんじゃ無くて良かった。

坂木:入ってるかそんなもん!

谷沢:待て、この虫おじいちゃん虫やん。

明星:いやァアアアアアアアアェッ!!

坂木:どこで発狂してんねん!

明星:このダイナマイトで器ごと粉々にしてやるわアアアァッ!ドカーン!店半壊ー!!

坂木:パニックになってダイナマイトって!
   そんなもんネズミ見かけた時のドラえもんだけで十分や!

谷沢:あのぉ、お客さん。

坂木:なんか店員みたいなの来たで。これは怒られるぞ。

谷沢:へへっ。実は俺もダイナマイト大好きなんや。

坂木:なんで店半壊したのに嬉しそうにしとんねん!

谷沢:店は半壊したけど、ダイナマイト友達が出来て良かったわ。おぅ、これでどうや。

坂木:何が「おぅ、これでどうや。」やねん!
  
谷沢:きちんとプラスに変換出来てたやろ。

坂木:聖人君子が過ぎるわ!
   時にはもっと怒ったり悲しんだりしてもええねんぞ!
   
明星:どうも聖人君子です。

坂木:お前ちゃうわ!お前ただパニックになって店半壊させただけやないか!
   このままじゃラチがあかんから次に移るで。

谷沢:はいはい。

坂木:食べようと思ってたヨーグルトが誰かに食べられてた。さて、どう考える?

明星:うわーPS3食べられなくて良かった。

坂木:誰がPS3なんか食べんねん!

谷沢:PS3食べられなくて良かったってアホか!

坂木:なんやねん急に!

谷沢:こうしてる間にも白アリに家が食われていっとんねや!
   昨日建てた家が風呂場以外ほとんど食われてもうたわ!

坂木:白アリの猛威凄すぎるやろ!

明星:これはもうダメだ…。引きこもろう。

坂木:引きこもれるスペース無いやないか!

明星:家がほとんど食われるとかもうダメだ…。
   近くの空き地にあるタイムマシーンに引きこもろう。

坂木:過去に行けや!そんなんあるなら過去に行って白アリが絶対食わなさそうな家作ってもらえや!

谷沢:いや、それよりも一番最初の生物が生まれた所をやってしまった方が楽やん。
   そしたら、白アリが出て来なくなるやろ。

坂木:そしたらお前らも居なくなんねん!

谷沢:まぁ、タイムマシーンで後悔するよりもこんな考え方をするほうがええかもわからんな。
   「白アリさんに高級食品食べさせてあげた」そう思えばな。

坂木:やから聖人君子かって!ここまで来たらもう見習いたくなるわ!

谷沢:ちゃんとポジティブに出来たやろ。

坂木:全然アカンわ!タイムマシーン出てきたりとか設定がメチャクチャすぎんねん。

谷沢:なんやと!ほなら、俺がこんな嫌な事あったら嫌やなっていうの出すから。
   お前は見本を見せてみいや。

坂木:望む所や。

谷沢:ほな、家が全焼したという体で。

坂木:お前らさっきから建物メチャクチャにすんの好きやな!

明星:俺のおすそ分けしたダイナマイトのせいで…。

坂木:ダイナマイトのおすそわけってなんやねん!

谷沢:さて、どうする。

坂木:まぁ、でも家族が無事で良かった。

谷沢:全員めっちゃ火被ってたけど。ホンマ家族が全員吸血鬼で良かったな。

坂木:ウチの家庭ヴァンパイア一族ちゃうわ!
   まぁ、無事なら良かったけどな。

谷沢:みんな無事だったんで今日は焼き肉やな!

坂木:だいぶ切り替え早いな!

谷沢:さっきの焼き肉はダイナマイトに引火しておじゃんになってしまったからな。仕切り直し。

坂木:焼き肉で家燃えた割にさっぱりしすぎや!トラウマとかないんか!

明星:俺はにんにくのタレで食したい。

坂木:アカンアカン!それ吸血鬼が食うたらアカンやつや!
   ってかなんで火事の原因作っといて焼き肉に便乗できんねん!

谷沢:まぁ、今日は家が全焼するという事故があったからな。
   二度とこういう事が無いように教会でお祈りしてこよか。

坂木:やからそれも吸血鬼が行ったらアカン場所やねん!
   せっかく助かったのに自ら死を選ぶなよ!

谷沢:お前全然出来てへんやんけ。

坂木:お前らがムチャクチャするからやないか!

明星:そんな事言われたらヘコむよ。

坂木:お前らが悪いんやからしょうがないやんけ。

明星:でも、ちょっとポジティブになった気がするよ。
   坂木に怒られたけど今度は2年くらいの引きこもりで済みそう。

坂木:引きこもり過ぎや!もうええわ。


No.042 炭酸電池
携帯ショップ
2人:どうも、よろしくお願いします。
たん:街を一人で歩いてると、大工さんの作業着を着たホームレスによく遭遇するよね。
でん:一度も遭遇したことないわ・・・。 んで、ホームがレスなのに家を作る仕事服を着てるとか切ない。
たん:そんで、その人が耳元で「君、携帯ショップの店員になれるよ。」って言ってくるよね。
でん:お前だけだよ・・・。街で誰にも囁かれたことないわ・・・。
たん:んで、俺さ、人生で一度は携帯ショップの店員やってみたいと思うんだ。だから客やってくれ、頼む。
でん:ばっちり、そのホームレスの言葉に影響されてんじゃん。
でん:仕方ないな。俺も実は人生で一度は携帯ショップに来る客やってみたいと思ってたところだ。
たん:奇遇だね。

でん:ウイーン!
たん:♪Yo Yo Yo 羊水は腐らないゼ 倖田來未〜
でん:うわー・・・店内、変なBGM流れてる・・・。
たん:♪アイアイアイ aikoと哀川翔が接触事故〜
でん:歌詞が忘れかけてた芸能ニュースばかり・・・。
   あっあのすいませんー!! 携帯が壊れてしまって新しい携帯を買いに来たんですけど・・・
たん:あぁ!さっき電話で「ネガティブだっていいじゃん!!」って言ってる人はネガティブなんですか?ポジティブなんですか?って聞いてきた人ですよね?
でん:違います!!その人じゃないです! ってかなんなんですか、その謎の電話!
たん:どっちでしょうね・・・ネガティブな前向きな意見だから・・・ん〜
でん:それはどうでもいいですよ!!
   あの、携帯をトイレに落としてしまい壊れてしまったんですが、もう古い携帯でしたし機種変しようかと思いまして。
たん:そうしましたら、こちらに並んでる携帯の機種を見て好きなのをお選びください。
でん:それが最近の携帯はどれが良いのかよく分からなくて教えてもらいたいんですが・・・。
たん:わかりました。 えーと、まず通話をよくされる方は、この一段目に並んでいる携帯がオススメですね。
でん:あぁ長電話しても通話料金が安いんですね?
たん:いや、通話料金は変わらないんですが、最新のマイクが搭載されてまして自分の声が相手に美声で聞こえる機能が付いています。
でん:そんな機能要らないでしょ!!別に美しい声を聴かせるために通話するわけじゃないんで。
たん:あっ、この二段目に並んでる携帯はペットを飼ってらっしゃる方は便利かもしれませんね。
でん:え?私も一応犬を飼ってますけど、何が便利なんですか?
たん:初めからムツゴロウさんのメールアドレスが登録されています。
でん:全然要らんわ!!
たん:ペットの悩みがあるとき、メールすれば半年以内に返事来ますよ。
でん:返信遅せぇ!もう悩み解決してるわ。もう本当に普通の機能だけで良いですから。
たん:普通の機能と言いますと・・・
でん:だから、電話ができて、メールができて、赤外線とかが付いている、まぁおおよその人が持ってる携帯と一緒ってこと。
たん:ああ了解です!元交際相手には寄りを戻したいっていう電話ができて、新しい彼女には普通を装ってメールができる。
   それに加え、遠赤外線が付いているものですね?
でん:勝手に携帯を浮気に上手く利用するとか決めんな! んで最後、体暖めてどうすんだよ!
たん:じゃあ、こちらはどうですか?お客様が言った機能が全部付いてますけど。
でん:ああ、いいですねぇ。デザインもカッコイイですし。これ買おうかな。
たん:ありがとうございます。あっ!一つ言っておきますが、この携帯はメールが全部、私の携帯にも通知されるようになってます。
でん:嫌だわ!!犯罪だろ、犯罪!プライバシーが!
たん:これ、プライバシー保護防止機能が付いているんですよ。
でん:保護を防止してどうするんだよ。そんなの解除しろよ。プライバシーの保護の防止を解除ってややこしいけどな!
たん:でも、この携帯はセキュリティー機能はしっかりしていて、ロックbェ100桁となっています。
でん:円周率か!!そこを頑丈にしなくても良いだろ!普通4桁ぐらいでいいんだよ。まず覚えられないし。
たん:もうこの店で携帯買いませんわ・・・帰ります。
たん:ちょっと待ってください!でもこの携帯を買うと、今ならサツマイモが付いてきますけど・・・
でん:マジですか!!?その携帯買います・・・
たん:お買い上げありがとうございますー。 では携帯の色デザインの方ですが、「紺色、紺青色、濃藍色、藍色、ミッドナイトブルー」から選べます。
でん:全部似たような色じゃねーかよ! 紺色に近いのが揃いすぎなんだよ!
たん:あっ一昨日、NEWカラーで「茄子色」を登場しましたが。
でん:それも紺だから!じゃあ、そのNEWカラーの茄子色でいいですよ!
たん:かしこまりました。緑色に近い感じですけどよろしいですか?
でん:茄子の葉の方だったの!!?はい・・・まぁ緑の携帯も気持ち悪いけどいいや。
たん:ではこちらの方に、住所、名前等を書いてください。
   ついでになんですが、只今「もれなく当たる携帯ストラップ!キャンペーン」やってるんで、その抽選応募用紙にも住所、名前書いてもらえますか?
でん:もれなく当たるのに抽選応募って矛盾してますな!!インチキ臭いけど・・・。 はい、・・・書きました。
たん:ではまたお呼びしますんで、それまで私から100メートル以上離れてお待ちください。
でん:お呼びが聞こえん!!店内で待ってればいいでしょ。
たん:・・・・・・・・・ふふふ。
でん:なんか一人で笑ってる・・・。
たん:ふふふっ・・・プライバシーの保護の防止を解除ってややこしいな!
でん:そこ気に入ったんだ!!!
たん:えーと、高橋様お待たせしました。
でん:ちょっとすいません。それ、「たかはし」って読まないで「ジャスティン」って読むんですよ。
たん:そうなの!!?いや「たかはし」って読むしか習わなかったもんで・・・、申し訳ございませんでした。
でん:いえ、良く間違えられるんでそんな謝らなくて良いですよ、渡辺さん。
たん:いや・・・、渡辺って誰ですか?
でん:え?ほら胸元の名札に渡辺って書いてあるじゃないですか!
たん:これは、「わたなべ」じゃなくて「わたなヴぇ」です。
でん:えええ!!?そこだけ唇噛んで発音するんですか!?
たん:お客様、「茨城」のこと「いばらぎ」って読んでたタイプですよね、きっと。
でん:それも知らなかった・・・。 実際には、「いヴぁらき」なんですね・・・。
たん:そこは唇噛まなくていいんですよ!!!
でん:ってか話反れそぎですよね!?
たん:そうでした・・・。では、こちらの椅子か店長にお座りください。
でん:椅子に座るわ! なんで店長がこんな所で四つん這いになってるんだよ・・・
たん:店長に座るとサツマイモが貰えまs・・
でん:店長に座らせてもらいますよ!!
たん:では、こちらの携帯のほう契約完了しましたので、お使いになれます。
でん:そうですか、ありがとうございます。
たん:それで、定額プランを決めていただきたいと思うんですが、
でん:えーと、私はよく長電話をするんで通話が安くなるプランが一番いいですねー。
たん:じゃあ、こちらの相手の名字が佐野に限り、3時間通話無料っていうプランはどうでしょう?
でん:何で佐野限定なの!?んで、佐野さんは何にも得しないし可哀そう! 他のにしてください。あれ無いんですか?「家族割」っていう奴。
たん:んーそれは無いですけど、似たようなもので「家族股割」ならあります。
でん:なんだよそれ!
たん:家族全員が股割りをしたら携帯が安くなるって奴です。
でん:力士一家かよ!!絶対嫌だわ!
たん:街中で無作為に人を選んで股割りをしたら携帯が安くなる「誰でも股割」というのもありますけど。
でん:そんなプランに皆が入ったら街中で歩けませんよ!ひったくりより怖いですわ!
たん:じゃあ、「指定股割」や「ガンガン学生股割」っていうのは・・・
でん:一番立ち悪い!!それ、ただ股を割りたいだけですよね!?
たん:はぁ・・・もうプラン入らなくてもいいんじゃないですか?
でん:その前に携帯も買いませんわ!
たん:サツマイモ・・・
でん:もうサツマイモも要りませんから、帰ります!
たん:揚げ豆腐・・・
でん:うぅぅ・・。・・・かっかっ買います!!!
たん:お買い上げありがとうございます。

でん:おいおい!!全然、携帯ショップの店員出来てないじゃないか!俺の好物ばかりで釣りやがって・・・。
たん:あと、街中で歩いてると、体中にコンセントを巻きつけたホームレスが耳元で「君、干物屋のオーナーになれるよ。」って言ってくるよね。
でん:いや、もういいよ。
2人:どうもありがとうございました。

予選総合第35位(2回戦敗退) 炭酸電池
審査員
点数
42 47 14 42 57 平均40.4
【審査員コメント】 
・ミスかと思いますが、同一人物が二回連続でしゃべってるところがいくつかありました。
 いわゆるベタなボケは見られませんでしたが、単純にはまるボケというのは少なかったです。
 プライバシー保護防止や股割りクラスのボケがもうちょっとあればよかったかと思います。
 また一カ所だけツッコミがボケに入ったような部分(ジャスティンのくだり)があったのですが、なぜそこだけでんがボケに入ったのかちょっとよくわかりませんでした。
 そこから両方がボケに回っていくとかであればわかるのですが、そこ一回だけでは違和感こそあれ大きなプラスとはなりえないような気がします。
 そのボケがとびきり光るボケというわけでもなかったので、変にボケツッコミをいじらない方が良かったのではないかと。
  
・……ん?店員はどっち?
 途中で混乱しました。よく見たら途中でたんの台詞が連続してるやん。
 あと、冒頭もでんの台詞が連続してる部分あります。
 これはミスにしても致命的すぎますよ……

 ボケ自体は、ムラがあるように思いました。ジャスティン以降のボケはおもしろかったんですが、前半ベタなボケが多いです。
  
・読み辛い上に面白くない。
  
・ムツゴロウや股割など、一つ一つのボケは新鮮味があり、面白かったです。
 しかしブツ切り単体で並んでるボケが多かったので、そのボケを丸々巻き込んで話を進めた方が、より充実した作品になると思います。
 自分が一番気になったのはネタ中の雰囲気が凄く中途半端だったところです。
 激しくツッコむような場所もあれば、自然に受け流す場所もあったりと、非常に気分の上げ下げが激しい不安定なネタだと思いました。
 どっちつかずの構成というのが一番印象として薄いので、おとなしいネタを書くのか激しいネタを書くのかを、事前に定めてください。
 ネタの流れで変動するのでなく、最初から芯を持って書き進めてください。そうすれば見違えるくらい面白い文章になると思います。
  
・ひとつひとつのボケは好きなものも多いのですが、ネタ全体で効いてくるようなインパクトのあるボケを作り出せていなかったと思います。
 たまに「でん」がボケ側に回ったかのような展開がある(高橋を「ジャスティン」と読む、サツマイモに釣られるところ、など)のが少々謎でした。
 いろいろな要素を出しても良いのですが、もう少しネタ全体としてのまとまりが欲しいところです。



No.043 ステレオミサイル
カラス
高部:どうも、ステレオミサイルです

辻添:よろしくお願いします

高部:世の中には紛らわしい鳥がいますよね

辻添:そんなのいたか?

高部:窓烏(まどがらす)

辻添:いねえよそんな鳥、そもそもどんな鳥だ

高部:会社で除け者扱いで、俗に言う窓際カラス長なんですが

辻添:係長みたく言うな、そんな役職は無えぞ

高部:そして、今回はそんな窓際カラス長の一日に密着しました

辻添:何だよそのドキュメント

高部:鳥の世界の人気ドキュメント番組、鳥熱大陸(ちょうねつたいりく)ですよ

辻添:無えよ、完全にパクリじゃねえか

高部:ちなみに放送局はTBSです

辻添:TBSで鳥熱大陸はやってねえぞ

高部:ここで言うTBSは『鳥は英語で バード さ!』の略です

辻添:そんな意味なのかよ、あとSが無理矢理すぎる

高部:ちなみに朝のニュースはモーニングバード!をやってます

辻添:テレビ朝日の番組じゃねえか、大人しくニュースバードだけやってろ

高部:それでは窓際カラス長の一日に密着しました

辻添:これ放送する価値あんのかよ

高部:(ガサガサガサガサ)「あぁ、ビニール袋を漁るのは楽しいなぁ」
   窓烏の朝はゴミあさ・・・食料調達から始まる

辻添:別に言い直さなくていいぞ

高部:そしてそれを家族に振る舞う
   「アンタまたレタスばっかり持ってきて!もっといいの持ってきなさいよ!」
   「ご、ごめんよぉ」

辻添:完全に尻に敷かれてるな

高部:「こんなんじゃコラーゲンが足りないじゃないの!」

辻添:カラスのくせに美容気にすんのかよ

高部:今朝も妻から怒号が飛ぶ

辻添:窓際なのは会社だけじゃないんだな

高部:ついでによど号も飛ぶ

辻添:それは諸般の理由で飛んじゃいけないと思うぞ

高部:「アホー」
   生後間もない息子にもバカにされる始末

辻添:生後間もないカラスだから仕方ないことだと思うぞ

高部:そうこうしているうちに出勤の時間です

辻添:お、会社に行くんだな

高部:満員電車に乗ります

辻添:鳥なのに電車乗るのかよ、飛べよ

高部:出勤ラッシュ時に外には鷹匠がうろついてるので

辻添:鳥の世界危ないな、警察取り締まれよ

高部:君は面白いこと言いますね、鳥だけに『取り』締まるだなんて

辻添:意図的に言ったわけじゃねえぞ

高部:そうなると僕も警察を鳥スマンと言って対抗しなければなりませんね

辻添:ポリスマンだろ、くだらないダジャレ言ってないで出勤シーンやれよ

高部:(ガタンゴトン)「あぁ、満員電車は今日もすし詰め状態だなぁ」

辻添:まぁそうだろうな

高部:「そういや先週はゴミの中に寿司あったなぁ。またあるといいなぁ」

辻添:そんなこと思い出さなくていいぞ

高部:「酢飯の香り・・・グフフフフ」

辻添:興奮するほど寿司好きなのかよ

高部:電車に揺られていると目の前に不審な鳥が

辻添:不審な鳥?

高部:スリ烏だ

辻添:それも紛らわしい鳥だな、すりガラスじゃねえのかよ

高部:スリをする烏です。見てください、いやらしい目をして女性の匂いを嗅いでます

辻添:むしろ痴漢じゃねえか?

高部:「チクショウそういう趣味に目覚めたか!こちとらいやらしい目で匂い嗅ぐのは寿司しかないわ!」

辻添:嗅ぐのはまだいいとしてどうして寿司をいやらしい目で見るんだ

高部:「ん?しかも痴漢されそうなのは・・・あの透きとおってない肌、同僚のすりガラスちゃんじゃないか!」

辻添:スリ烏がすりガラスに痴漢とか紛らわしすぎるわ、そもそも烏とガラスが一緒に働いてるとかどんな職場だよ

高部:「この前すりガラスちゃんのスカートの中を覗いたら中身が透けてないんだよな、そこは透けとけよっ!」

辻添:その前に窓烏何やってるんだ、だから窓際なんだろうが

高部:「あっ!スリ烏の手がすりガラスちゃんの尻に」
   キィーーーッ!!!

辻添:何の音だ?

高部:「すりガラスちゃんにセクハラしたからキーキー音がする!耳障り!」

辻添:ガラスを爪で引っ掻くからだろ

高部:「こういうキーキー音と言えば、学生時代付き合ってた黒板子ちゃんが懐かしいなぁ・・・」

辻添:何だその青春時代

高部:「デートで映画館行ったら黒板子ちゃんの顔がでかくて入れなかったんだよなぁ・・・」

辻添:傍から見たらシュールなデート風景だな、それと場所考えてデートしろ

高部:「でも烏と黒板、どっちも黒いから相思相愛だね」

辻添:厳密に言えば黒板は緑だがな

高部:そして余りにもうるさいので勇気を出して止めに行くことにした

辻添:お、ここは男らしいな

高部:「裁きの口ばし(ベルベット・ブレイク)を喰らわせてやるわ!」

辻添:必殺技っぽいのやろうとしてるしネーミングセンスが中二病全開じゃないか

高部:「喰らええええ!!!」(パリーン!)

辻添:ん?何が起こったんだ?

高部:「スリ烏と間違えてすりガラスちゃんに攻撃したら割れちゃった てへ☆」

辻添:てへ☆とか言うんじゃねえよ、間違えた分際で

高部:しかし窓烏は気付いた。「これは仕方ないことだ」

辻添:仕方なくないだろ、完全にお前の責任だ

高部:「スリ烏もすりガラスも悪者(割る物)だ!」

辻添:上手く言ったつもりか、言っておくが『ガラス=割る物』が許されるのは尾崎豊だけだ

高部:そして会社に着いた窓烏は、今日も窓際カラス長の使命としてスカートの中を覗くのであった

辻添:それは使命じゃないだろ、ただの私利私欲だ

高部:では最後に窓際カラス長としての生活を一言でどうぞ
   「ゴミ漁りとセクハラのヘビーローテーションです」

辻添:黙れ社会のゴミ!もういいぜ

二人:どうもありがとうございました

予選総合第48位(2回戦敗退) ステレオミサイル
審査員
点数
38 39  5 45 45 平均34.4
【審査員コメント】 
・設定からしてツッコミはボケの世界観を一定の距離から説明しつつダメ出しするような立場にいた方が良いと思うのですが、
 このネタにおいてはツッコミが突き放しすぎていたり、笑いを取りに走ったりでボケを処理しきれておらず、
 そのせいかイマイチ設定に魅力を感じないままボケがただただ通過していくような感じで読み終えてしまいました。
 こういってはあれなのですが、ステレオミサイルさんにはもっと他に面白いネタあるはずではないかな・・・と思いました。
 あとは見た目の問題ですが、鳥と烏が判別しにくいというのがありました。ガラスを登場させてしまった以上やむをえない部分ではありますが…
 このネタに限らず、文章ならではのネタというのもある一方で、文章ならではの問題点というのも存在しているのではないかと思います。
  
・最初、窓烏が鳥なのか人間なのかわかりませんでした。
 当たり前のように会社に行ってることになってるんですが、個人的にはそこがひっかかったんですね。
 突き放す感じのツッコミに統一されているのはいいんですが、その分状況が説明不足です。かなり特殊な設定なので特に必要なんじゃないかと……
 いきなり出てきた黒板子ちゃんがおもしろかったです。
  
・面白い物を作ろうとか思ってないし、面白い物ができたと思ってないでしょ
  
・カラスを主人公にするというファンタジーな展開が、見ていて面白かったです。
 状況も分かりやすく説明されていて、物語がゴチャゴチャになることなくスラリと読めました。よくまとまった文章だと思います。
 「飛べよ」のツッコミは思わず吹き出しました、淡々としてる割にはかなり鋭いネタだという印象を持ちました。
 ただ、登場人物はカラスやガラスで縛るべきではないと思います。というよりカラスとガラスしか出さない理由が分かりませんでした。
 鳥視点の話なんですから、もっと色んな鳥を出して構わないと思います。カモメとかスズメとか。
 正直ネタ中から息切れ臭がハンパないです。カラスネタもガラスネタも無理矢理ひねり出したようなものが多かったです。
 そこで苦労するなら、もっと多彩なキャラを取り入れるべきです。その方が物語も順調に膨らむと思います。
 多くの鳥達がワイワイ騒いで色んなガラスがパリパリ割れてみんなで笑いあう。このネタの最終系はそんな形だと思います。
  
・いろいろ上手いこと言っていたようで、それ以前にそもそもの設定が分かりにくかったです。
 鳥なのかオッサンなのか、窓烏に対して途中からどっちを軸にして読めばいいのかがあやふやでした。
 あと、やや重箱の隅ではありますが、あまりTVのドキュメントっぽくも無かったような気がします。
 土台をもう少ししっかり用意して、かつその上でもっと暴れて欲しいなぁ、と思いました。



No.044 ミドルダッシュ
メイドの車掌
ひろ「はいどうもミドルダッシュです、よろしくお願いしますー。」

雄太「待て、出オチやないか!なんちゅう『おべべ』着て来とんねん。」

ひろ「あらぁ、客席がざわざついてるね。漫画の『カイジ』の様に、ざわざわしてるね。」

雄太「いらんこと言わんでええねん。ところで、なんでメイド服着てるん?」

ひろ「俺メイドさんがものすごい好きやねん。」

雄太「いやいや限度があるやろ。好きやからって着て来るか?普通。」

ひろ「あまりにメイドさんが好きすぎて、メイド喫茶のはしごをしちゃったり。」

雄太「居酒屋感覚に言うなや!」

ひろ「さっきも、メイド喫茶に行って面接を受けてきたんや。」

雄太「お前その格好で受けてきたのか!?まず、男のお前がメイドとして雇ってもらえる訳ないやろうし、
   メイド服で面接受ける事自体も、店側からしたら『なんかヘンなの来た!』ってなるやろ。」

ひろ「だからかわからんが、5件中4件落とされた。」

雄太「おぉぉっと?そもそも5件面接行った行動力にもびっくりしたが、1件だけ落としてないところがあることの方に着目してしまったわ。その残り1件からは何て言われてるねん。」

ひろ「『おととい働きにおいで』って言われてん。」

雄太「それ、門前払いの決まり文句『おとといおいで』を若干アレンジして言われてるだけやがな!
   んで、そこでも落とされてるやん。当たり前やけど。」

ひろ「マジで!?まぁ、そもそもメイドさんが見たいだけで、
   働く気はそこまで無かったから別にええんやけどね。」

雄太「じゃあ、なおさら落とした店側は大正解やないかい。」

ひろ「それくらいメイドさんが好きって事や。そんなメイド好きな俺が思うんやけど、
   普通は、メイドってなメイド喫茶にしかおらへんやろ?」

雄太「そやな、ウォーリーがウォーリを探せにしかおらへんのと
   同じ図式やな。」

ひろ「逆にいうとメイド喫茶以外ではメイドさんを見かけへんやん?」

雄太「だな、ウォーリーを探せ以外でウォーリーらしき人物を
   見かけたら十中八九、『楳図かずお』だもんな。」
ひろ「メイド喫茶が不景気でちょっとずつ潰れていってるやん?」

雄太「うん。」

ひろ「このままいけば、不景気の就職難でメイド難民が溢れるんちゃうかな?って心配やねん。」

雄太「何やねんメイド難民て。」

ひろ「職を失ったメイドさんやないか。」

雄太「なら、メイド以外の仕事に就けばええだけやん。」

ひろ「お!ええこと言った。」

雄太「いや、当たり前の発想やろ。」

ひろ「やから、メイドさんが他の仕事も出来るような世の中になればええと思うねん。」

雄太「いや、意味わからんwどういう事やねんな?」

ひろ「一人間としてではなく、メイドさんとして他の職に就ける様な世の中になればええなと思うねん。」

雄太「いや、ならんやろ。もしなったとしてどういう仕事が出来ると思うねん?」

ひろ「たとえば、メイドさんが電車の車掌とかやっててもええと思うねん。」

雄太「おかしいやろ。」

ひろ「1回やってみていい?」

雄太「じゃあ、やってみぃや。」

ひろ「ほんじつも、JRへおかえりなさいませご主人様、お嬢様☆」

雄太「明らかに前職のイメージが残りまくってるやないか。普通に喋ってくれ。」

ひろ「えー、この電車は東京発、池袋経由、東京行きでございます。」

雄太「…山手線でええやないか!回りくどく言わんといて。」

ひろ「わたくし、車掌のメイド長と申します。」

雄太「名前言えや。なんでメイドの階級言うねん。」

ひろ「当電車では、携帯電話のご使用は他のお客様のご迷惑になりますので使用しないで下さい。
   もし、使用していますと私がその携帯電話を前触れなく、折ってはいけない方に折りますので
   ご協力の程をお願いします。」

雄太「やりすぎや!凍らせたチューペットを2つに折る様にせんでええねん。」

ひろ「優先座席はお身体の不自由な方を優先して お譲り頂きます様お願いいたします。
   もし、お譲りしない場合は隠しボタンを押させていただきます。」

雄太「何や?隠しボタンて。押したら何が起こるんや?怖いやろ。」

ひろ「駆け込み乗車は非常に危険ですのでお止め頂きます様お願い致します。
   万が一見かけますと私の44マグナムが火を噴きますのでご注意くださいませ。」

雄太「そっちの方が危ないわ!銃刀法違反で捕まるで?」

ひろ「あと、当電車では痴漢は禁止となっております。」

雄太「他の電車でも禁止じゃ!」

ひろ「もし、痴漢を見かけましたらツイッターにて私のアカウントまでフォローしながらご連絡下さいませ。」

雄太「悠長や!直接呼びかけるっちゅうねん。」

ひろ「6番車両にて痴漢なう・・・。」

雄太「早速来たし!」

ひろ「秋葉原ー、秋葉原でございます。お出口右側でございます。」

雄太「お、駅着いた。」

『プルルルルル・・・』

雄太「あ、あそこに駆け込み乗車するおっさんがおる。」

ひろ「バキューン!(銃を撃つ)」

雄太「撃つなー!」

ひろ「駆け込み乗車したら私のワルサーP38が火を噴くって言ったでしょ!」

雄太「銃の種類変わってるやん!しかも、ルパンが使用してる銃や。」

ひろ「えい!(乗客の携帯を奪って折る)」

雄太「携帯使用してる乗客おった!ナチュラルに前触れなく折りおった!」

ひろ「携帯使うな!」

雄太「携帯折るな!」

ひろ「あぁ…。(艶かしい声)」

雄太「な、なんやねん?」

ひろ「私、痴漢なう。」

雄太「ツイッターに書くな!捕まえろや!」

ひろ「そこの旦那様!ここは優先座席やろがー!」

雄太「言葉悪い癖に旦那様は言うんか!」

ひろ「ポチッっとな(ボタンを押す)」

(タライが落ちてくる)

雄太「ボタン→タライ→直撃の流れは完全にドリフやないか!」

ひろ「優先座席にババアが座らせたれや!オラァ!」

雄太「おい、やめろ!一旦落ち着け!」

ひろ「ハッ!…いけない。我に返ってしまった。」

雄太「そっちが我かっ! 我を忘れたんちゃうんかい。
   おまえ全然車掌としての仕事が出来てないやないか。」

ひろ「あ、そうか。『ババア』じゃなくて『お嬢様』って言わなきゃあかんかったね。」

雄太「そこだけの問題ちゃうねん。ってかな、そもそもなんでメイドで
   電車の車掌をやらせようと思ってん?」

ひろ「あんな、本来のメイドさんってどこで働いているかわかるか?」

雄太「ん?本来なら屋敷とか、お金持ちの家とかやろ?」

ひろ「どっちも、『ホーム』が付きものやないか。」

雄太「やめさしてもらうわ。」

ひろ「ありがとうございました。」

予選総合第52位(回戦敗退) ミドルダッシュ
審査員
点数
20 52  7 11 47 平均27.4
【審査員コメント】 
・口調がメイドになっているだけで、ボケのほとんどが普通の車掌のコントにあるようなボケでした。
 せっかく車掌にメイドの要素を加えようとしたのであれば、
 もっとメイドという設定が入らなければ思いつかないであろうボケが無いともったいないというか、何のためにメイドの話をしていたのかわかりません。
 普通の車掌ネタとしても、我に返った、フォローしながらなど面白いボケはあるものの、いかんせんパワー不足だったように思います。
 そういった時のためにメイドという要素を入れるわけなので、もっと2つをどう組み合わせるのかを意識してボケを作るべきだと思います。
  
・漫才らしさ、という点では良くできた作品だと思います。掛け合いが上手い。
 我に返ってしまった、ってのがなんか好き。
 しかし、話題の展開の仕方がなんといいましょう……ものすごくフラフラしてます。メイド車掌という設定なのに、途中からあんまりメイド関係なくなってきてるのが気になります。
 あとは、あくまで「文面だけで読み手に伝えるもの」という意識を持ってネタを書いてみてください。文章だけのネタは、実際に舞台で演じるのとまた違うので。
 実力は感じるので新たなネタを見てみたいです。
  
・mixiのコメント欄のやり取りなら面白いわな
  
・面白いボケが無かったですね。模図かずおなど、ベタ中のベタなボケが並びっぱなしでした。
 それとメイドの車掌さんやるなら、ちゃんとメイドの要素を取り入れてくださいよ。
 なんでメイドさんが銃を持ってるんですか、メイド全く関係ないじゃないですか。ただの短気な車掌さんじゃないですか。
 メイドが車掌に職転換するという入りで始まったのですから、こんなメイドと何も関係ないボケを繰り返されちゃ、構成の面で大減点を食らってしまいます。
 メイド服を着て漫才してるんですから、もっとメイドメイド言わないと、「何やってんのお前ら」と冷めた目で見てしまいます。構成をもう一度よく練り直してください。
  
・良くも悪くも、ボケたいようにボケたんだなぁ、と感じました。
 1個1個のボケは悪くないですし、「痴漢なう」「我に返ってしまった」など面白いフレーズもあるものの、
 ネタ全体での深みというか、このネタだからこその何か面白い要素、というのがあまり無かったです。
 メイドらしさを徹底させるなど、設定・構成面をもう少し練ってみてください。



No.045 だいたいマグナム
ドラえ
ふたり:どうも



シズ岡:アニメ

小マツ:いいね

シズ岡:特に、

小マツ:何だ?

シズ岡:ドラえ

小マツ:好きだ

シズ岡:やろう

小マツ:君は?

シズ岡:ドラを

小マツ:僕は?

シズ岡:野比を







小マツ:ドラー

シズ岡:いひひ

小マツ:ドラ〜

シズ岡:うひひ

小マツ:ドラ?

シズ岡:あはは

小マツ:ドラ!

シズ岡:なんだ

小マツ:何を?

シズ岡:マンガ

小マツ:読むな

シズ岡:おもろ

小マツ:なんの

シズ岡:こちら葛飾区亀有公園前派出所

小マツ:ながい

シズ岡:ごめん







小マツ:ドラー

シズ岡:なあに

小マツ:たけし

シズ岡:どした

小マツ:いじめ

シズ岡:そうか

小マツ:出して

シズ岡:いいよ

小マツ:なんだ

シズ岡:もずく

小マツ:いらん

シズ岡:酢の物

小マツ:いらん

シズ岡:どこでもドラ

小マツ:ちがう

シズ岡:地球破壊爆弾

小マツ:やめろ

シズ岡:夜間布団の中からおしっこできるホース

小マツ:いらん

シズ岡:スペシャルロイヤルスーパーデラックスハウス

小マツ:ながい

シズ岡:ウルトラ・スペシャル・マイティ・ストロング・スーパーよろい

小マツ:よろい

シズ岡:よろい

小マツ:いらん

シズ岡:そうか







小マツ:ドラー

シズ岡:なあに

小マツ:たけし

シズ岡:またか

小マツ:うたう

シズ岡:うわー

小マツ:ひどい

シズ岡:何を?

小マツ:B’z

シズ岡:えーー

小マツ:ひどい

シズ岡:どんな







        う      ぃ        ぉ
       ゅ      な    れ
小マツ:  ぃ   め  ゃ       
         ぅ ぇ           も
            じ       も れ
                  ぁ  こ


シズ岡:ぅゎぁ



       て   ぁ    あ
      し     が
小マツ: そ         ぁ
             ぁ
          か      く
        ぇ     ゃ



シズ岡:ウ ル ト ラ ソ ウ ル !

小マツ:ながい

シズ岡:ごめん





小マツ:それと

シズ岡:あるの

小マツ:レミオ

シズ岡:メロン

小マツ:ちがう

シズ岡:どんな







     な    ぁ     ぃ
      ぁ           ぃ  ぃ
小マツ:   ぁ
    こ    ぁ     き    
        ぁ     ゅ    ぃ
           ぁ     ぃ  ぃ

シズ岡:ね え

小マツ:短い。

シズ岡:ごめん







シズ岡:Zzz

小マツ:なぁ。

シズ岡:zzzzzzzzzzzzzzz

小マツ:おい!

シズ岡:うわっ

小マツ:お前ネタ中に寝てんじゃねえよ!ってかさっきから何してくれてるんだよ!?
    せっかく二人でこう・・・息の合った感じで進めてきたのに、
    何だよ、最初のコントから「こちら葛飾区亀有公園前派出所」て!それまでの苦労が台無しじゃないか!
    あれ「こち亀」で良かっただろ!いや「こち亀」とか「酢の物」あたり厳密にはダメかなぁって気もするけど!

シズ岡:おせ何あ・・・

小マツ:意味のない縦読みして遊んでるんじゃねえよ!!ちょっと「オセアニア」に似ちゃってるけど何も意味は込めてないよ!!

    ・・・でだな。なんとかお前の掟破りにも俺はルール守ってツッこんできたけども、
    何で俺がジャイアンの歌を真似する展開になってるんだよ!俺までテンポ狂ってきたじゃねえか!
    もう限界だ。俺これ以上ルール守りながらのび太やるの辛いわ。
    せめてこうしよう。今度は俺がドラえもんでお前がのび太だ。いいな?
    ・・・ってか残り時間?行数?あとわずかじゃねえか!!どうするんだよ!?
    まぁ、そんなわけだからしっかり頼むぞ!!

シズ岡:ながい

小マツ:すまん






シズ岡:ドラー

小マツ:なあに

シズ岡:スネ夫

小マツ:どした

シズ岡:ハゲた

小マツ:加減!

ふたり:どうも

予選総合第28位(2回戦敗退) だいたいマグナム
審査員
点数
 7 80 38 54 -- 平均44.75
【審査員コメント】 
・3文字でしかしゃべらないという漫才は実際にしている方が既にいるのでそういった意味での新鮮さは失われているばかりか、
 比べられるであろう対象を余計に作ってしまうことになり、マイナスな印象を与えかねません。
 そういったことを踏まえこのネタを見ると、やはり同じ3文字のネタに対してどうしても劣っている印象を持たざるをえませんでした。

 「3文字でしかしゃべれない」というルールを犯すボケが(このネタでも、他の方の3文字ネタでも)使われていますが、
 あちらのネタでは最初に普通に会話してから「3文字で会話しよう」と宣言し、それから3文字での会話を行うので、
 3文字でなければ「ルール破るな」的なツッコミも自然に入ることになる一方、
 このネタではスタートから当然のルールであるかのように3文字で会話されているため、
 途中で3文字でなくなると単に「3文字でしゃべる」という縛りの存在が曖昧になるだけで笑いにはつながりにくいのではないでしょうか。
 また、3文字じゃなくなるというボケがやたら連発されているのも縛りを緩くさせ、このネタの特色を薄めてしまっていると思います。
 歌の表現は新しくて個人的に好きだったのですが、3文字という余計な縛りのせいで「3文字じゃないけどどういうことなの?」という印象が大きく、
 せっかくの独特な良さが潰されているように感じました。
 なんだかへりくつのように長々と書いてしまいましたが、そういう理屈に関係なく笑わせてくれるほどのボケというのも無かったです。
  
・これはもう、発想勝ちってやつですね。
 ものすごく制限の多い設定なんですが、長台詞のとこの処理がとにかくすばらしい。
 あとは単純に、笑った量という問題になりますが……
 オチは突然終わってしまった感じでしっくりきませんでした。
  
・すこし
 おもろ
 やんけ
  
・とても素敵な試みですが、面白い場所と面白くない場所が激しかったというのが正直な感想です。
 非常に軽快で心地の良い作品でした。その軽快さに「もずく」や「酢の物」など強烈なボケを刺してくるのは衝撃的でした。
 3文字以外の部位は笑えなかったです。「ながい」で軌道修正させてもさほど面白くないですし、テンポも意図的に崩してるのでしょうがそれでも少し不機嫌な気分にされました。
 いっその事殆どを3文字だけで書いてしまった方が、もっとドキドキする展開になると思います。どんなボケが飛び出してくるか分からないネタには惹きつけられます。
 とりあえず本当に試み自体は面白いんで、さらに面白いものにしようとこの形式を研究していってください。きっととんでもないネタが生まれることでしょう。
  
・今回はまた参戦しようと思ったものの、直前まで良いネタが思い浮かばず、
 過去のネタ帳にあった作りかけのネタを再加工して出したらこんな感じになりました。はい、管理人のネタでした。

 よく考えたら過去に実際の舞台でチーモンチョウチュウが3文字ネタをやっていたりと、不覚の面は多々ありました。
 評判としては、当然厳しい反応もありましたが、その一方でそこそこハマっていただいた面もあるようで、少しでも工夫した甲斐はあったようです。
 次回参戦することがあれば、できればまた「普通の」会話を軸としたネタでやっていこうと思います。ありがとうございました!



No.046 ホイルマン
取り調べ
A:はいどうもホイルマンです。

2人:よろしくお願いします。

B:僕ね、刑事に憧れてるんですよ。

A:そうなんですか。

B:特に取調べをやってみたいんですよ。

A:ならやってみましょうよ。


B:お前がアイツを殺したんだろ?

A:僕は何もやってませんよ。
 何か証拠でもあるんですか?

B:いや、独断と偏見。

A:よくそれだけで取り調べできたな。
 僕だってそのくらいの取調べならできますよ。

B:ならやってみましょうよ。


A:お前がアイツを殺したんだろ?

B:はい、僕が殺しました。

 お前取り調べ上手だな。

A:俺、ほとんど何もしてねーよ!
 お前も少しは反論しろよ。

B:僕は素直な人の方が好きです。

A:何に対して反論してるんだよ!
 取り調べの時に反論して。


A:お前がアイツを殺したんだろ?

B:んな訳ねーだろ。
 もういいよ。

A:なんで突っ込んだんだよ。

B:ツッコミはすばらしい。
 その一言で全てがリセットされる。

A:ツッコミにそんな能力はねーよ。

B:だから僕がアイツを殺した事を水に流して・・・

A:お前、今認めたな。

B:もういいよ!

A:リセットできねーよ!
 残念だが証拠もあるからな。

B:僕がやりました...か?

A:俺に聞くな!
 でも、さっき殺したって・・・

B:もういいよ!
 よし、これでリセットでき・・・

A:ねーよ!

B:でもリセットできるって認めたでしょ?

A:言ってねーよ!
 耳鼻科行ってこい。

B:いや、耳鼻科に行ってからこんな事に・・・

A:なら耳鼻科訴えろ!

B:そうか、突っ込めばリセットでき・・・

A:ねーよ!
 
B:お前、取り調べ下手だな。
 もう一度俺がやってやるよ。

A:そうですか。


B:お前がアイツを殺したんだろ?

A:いいえ。

B:認めないんかい!

A:えっ?

B:お前が殺したんだろ?

A:いいえ。

B:認めないんかい!

A:ちょっと待って、何なの?そのツッコミ。

B:リセット目的。

A:刑事のお前が突っ込んで意味あるの?

B:・・・

A:無言かい!

B:お前突っ込むの下手だな。

A:お前よりは下手じゃねーよ。
 もういいよ!

B:終わるんかい!

A:どうもありがとうございました。

B:終わるんかい!終わるんかい!終わるんかい!・・・









A:本当にもういいよ!

2人:どうもありがとうございました。

予選総合第58位(1回戦敗退) ホイルマン
審査員
点数
 5 16  3 16 19 平均11.8
【審査員コメント】 
・前回までのネタに比べて漫才っぽくなっていたように思います。
 ですがまだ雑な感じもあるので、もっと磨ける要素もあるはずです。
 例えばですが、全体的に会話が簡単というか、情報量が少ないです。1つ前の方のように意図的に台詞の文字数を減らす場合もありますが、
 基本的には1つの台詞でもっと多くしゃべった方が話が広がるし、その分様々なボケを出すことができます。
 今回のネタはディスプレイの左半分までしか台詞がなかったので、もっと横幅のある会話をさせると良いのではないでしょうか。
  
・よくわからない、というのが正直な感想。
 ツッコミ=リセット ということになってますが、その「リセット」がどういう意味なのか……
 完全に、おいてけぼりを喰らいました。
  
・垢抜けて普通の面白くない漫才になってしまい誠に遺憾
  
・Aさんのツッコミが凄く成長していたことに感動を覚えました。「ねーよ」の掛け合いで不覚にも笑ってしまいました。
 非常にテンポが良かったです。その分圧倒的な言葉足らずで展開が薄っぺらいという重大な欠点も抱えてますが。
 後はもう少し情熱を込めて書いてくれれば、多くの人に面白いと感じさせる漫才になると思います。
  
・会話の書き方は上達していたと思います。そして最初2つくらいのボケは一応悪く無かったです。
 しかし、以降がほぼ「リセット」の話でしかなかったので、全体としては非常に薄いネタになってしまっていたと思います。
 小ネタを捻るというよりは、まずはもっと具体的な内容を詰め込むことを考えてみてください。



No.047 デンドロカカリヤ
迷子
小泉:ハイどうもーデンドロカカリヤです。よろしくお願いしますー。
   いきなりなんですけどね、こないだデパートに行ったんですよ。
   そしたら迷子のアナウンスが流れてたの。それ聞いて
  「ああ、僕も小さい頃はよく迷子になったなぁ。」なんて思ったんですよ。

渡部:・・・ふっふ・・・あっはっはっはっはっは!

小泉:ど、どうしたんですか急に?

渡部:いや失礼。・・・葉巻を1本吸っていいかね?

小泉:ダメですよ。漫才中ですから。
   話に戻りますけど、渡部さんは小さい頃迷子になった経験とかありました?

渡部:迷子、ねぇ・・。ふっふ。生まれて此の方、私はずっと迷子だ。

小泉:・・・どういうことですか?え、まさか本当の家で育ってない複雑な家庭とか?

渡部:君は、面白いことを言うね。

小泉:何一つ言ってませんよ。

渡部:私は一度だって、自分が今ここに居るのが正しい、そう思ったことはないんだよ。

小泉:いや、そんなことないですよ。
   渡部さんは今こうして漫才しているのは正しいことですって。僕も助かりますし。

渡部:君は愚かだ。誰が決める?国か?政府か?はたまた神か!?

小泉:どうどうどう!熱くならないで!

渡部:自分だよ。自分の存在意義を自分で認めなければ、それは迷子なんだよ。

小泉:よく分かんないです。

渡部:・・・葉巻を1本吸っていいかね?

小泉:だからダメだって。

渡部:他人に認められればそれでいいだと?馬鹿を言え。

小泉:言ってないです。

渡部:「我思う、ゆえに我あり。」偉い人の言葉だ。

小泉:そこは調べましょうよ。

渡部:なんかデカイ人だ。

小泉:デカルトですよ。
   だいたいその言葉も自分の存在意義と迷子に関係ないですよね?

渡部:まだ分からんか君は!探せ!探すんだ!!自分を探すんだ!!

小泉:どどういうことなの!?僕はここにいますよ!

渡部:一生!一生を掛けて探すんだよ!!
   自分に何が出来るのか!はたまた出来ないのか!

小泉:ああ!「自分探しの旅」みたいな?

渡部:馬鹿を言え!!ペッ!ペッ!
   そんな青くて薄っぺらいものじゃない!一生を掛けて見つかるか見つからないか!いわば人間の宿命だ!!

小泉:いろいろと難しいよ!あと、なんでツバ吐いたんですか。

渡部:でも・・・私はまだ見つからないよ。探しても探しても、ずっと迷子だよ!

小泉:もう具体的に探し方がわかんないですよ。

渡部:・・・街の図書館、早朝の土手、廃駅のプラットホーム!ないよ!!

小泉:どうなったら正解なんですか。

渡部:「いませんかー!?僕はいませんかー!?」いないよ!!

小泉:いないよ!おっしゃるとおりだよ!もしいたら都市の伝説だよ!

渡部:なにを・・・なにをすれば・・・。己を認めてあげられるんだろう・・・。
   昔住んでいた平屋・・・。すこし、小さく見えた・・・。

小泉:知らないよ!!それ自分が成長して大きくなったからじゃないの!?

渡部:あの綺麗だった庭も・・・野草のやりたい放題だった・・・。

小泉:どうでもいいよ!前の家の庭事情はどうでもいいよ!

渡部:玄関のドアが開き、知らない女性が悲鳴を上げたよ・・・。

小泉:・・・それ今現在の住人だよ!!
   だったら、あんたのしてること不法侵入だからね!?女性もビックリだよ!

渡部:すこし、小さく見えた・・・。

小泉:初対面だろ!それとも平均的な女性と比べて!?どういうことなの!?

渡部:私は走った・・・。走って走って歩いたよ・・・。

小泉:疲れちゃった。

渡部:「畜生!!どこに行けば会えるんだ!!本当の私に!!」
   海を越えた。

小泉:海外!?この、よくわかんない自分の存在意義を見つける旅で!?

渡部:女性達はみな、己の肌を布で隠し、まるで自分の存在を否定するようだった・・・。

小泉:・・・アラブ諸国だよね!?ちょっと危ない匂いがするよ!

渡部:「一緒じゃないか・・・!私と一緒じゃないか・・・!!」
   私は気づかされたよ・・・。知らぬ間に、見えない布で自分を覆い尽くしていた・・・。
   すべてをさらけ出さなきゃ、自分は見つからない!

小泉:意外と収穫あったのね。
   あと別にアラブの女性は、自分の存在を否定してるわけじゃない思うけど。

渡部:私は国に帰った。

小泉:はっや!!それだけ!?収穫それだけ!?

渡部:まずは自分を認める努力をしなければいけないんだ・・・!
   好きになろう!もっと自分を好きになろう!

小泉:なんとなくだけどOLっぽいよ。

渡部:それから私は温泉に行った。

小泉:・・・いやだたの「自分探しの旅」じゃん!!
   え!?なに、結局!?散々いろいろやってそれかよ!!あんたさっき「青くて薄っぺらい」とか言ってツバ吐いたよね!?

渡部:「これで見つからなかったら諦めよう。」リュックを背負って決意したよ・・・。

小泉:楽しむ気満々だな!

渡部:探したよ・・・街の図書館、早朝の土手、廃駅のプラットホーム・・・。
   乗る予定の電車を探したよ!!

小泉:どこにも来ないよ!!廃駅ですら貨物列車とかだよ。

渡部:隣町でやっと、電車に乗れた・・・。

小泉:そんな達成感有り気に言われても。電車よりも自分を探さなきゃ。

渡部:山の陰、雲の切れ端、雑誌の置かれた網棚、ぜんぶ探したよ!!

小泉:それ電車からの風景楽しんでるだけじゃねえか!

渡部:海苔弁に付いてるはずの醤油、探したよ・・・。

小泉:話変わってんだろ!いつの間に駅弁買ったんだよ!自分探しでしょ!?

渡部:それでもないよ!自分自身は見つからない!!
   ないよないよ!おいしいよ!ないよ!

小泉:海苔弁食ったな!?途中、海苔弁食ったな!?

渡部:いつになったら・・・自分を認めてあげられるんだ・・・!
   この人生の迷子に終止符が打てるんだ・・・!!

小泉:この話に終止符を打ってほしい。

渡部:・・・小さな、旅館だった・・・。

小泉:急に着いたね。

渡部:少し、小さく見えた・・・。

小泉:小さいって言っただろ。

渡部:私は温泉へ急いだ・・・。部屋のお菓子には目もくれず・・・。

小泉:テーブルに和菓子置いてあるけども。

渡部:服を順々に脱ぎ、一枚の布だけを下半身に巻こうとした、でも!!
   なにを学んだんだ・・・イスラエルの女性からなにを・・・。
   私はすべてをさらけ出し、扉を開けた。そう、湯気の立つ向こうへと!

小泉:そこでアラブ諸国が活かされるの!?全裸になったところでだよ!

渡部:満たされた湯船に体を沈める。硫黄の匂いが、ツンと鼻を突く。
   「そうか・・・そうだったのか・・・。私は間違っていた・・・。」
   文字通り裸になった私は、初めて自分の愚かさに気づいた。

小泉:あんたは違うベクトルで愚かだよ。

渡部:「いいんだよ、迷子で。自分自身を探す過程が、その努力が、己を創るんだ。
   存在意義?そんなもの見つかるわけがない。なぜならそれは、人が生まれてから死ぬまで、常に変っていくものだから!!」

小泉:・・・いやどのタイミングで気づいたの!?なにキッカケ!?硫黄!?

渡部:「私たちは迷うことができる。・・・これほどの幸福があるだろうか・・・!!」

小泉:なんで迷うことが幸せなの!?よくわかんないよ!!

渡部:───壁の外側に居ると思ったら、それは内側だった。

小泉:もう全体的になに言ってんの!?全然こっちに伝わんない!!

渡部:───存在が、意味を超えた。

小泉:もはやうっせえよ!!馬鹿なんじゃないの!?
   なに最後ダメ押しみたいに言ってんの!?まったく筋が通ってないからね!?
   最初に「探せ!探すんだ!!」とか言ってたクセに!滅茶苦茶だよ!

渡部:人生は、終わりなき迷子だ。

小泉:その喋り方やめろおぉ!!もう時間返せよ!
   散々喋って、結局あんたの一人旅の話じゃんか!!

渡部:長靴は、恋愛と似ている。

小泉:・・・それはホントにわかんないよ!!もうあんたアホだ!!
    それっぽいこと言っているけど、中身スッカスカだよ!!

渡部:人間が、自己探求を怠ったとき。それは人間ではなくなるとき。そういうことだ。

小泉:あははー!!深ーい!深ーい!・・・これでいいか!!満足か!!
   もうとっととオチ付けろよ!

渡部:・・・人間とオチは、似ている。

小泉:深ーい!!深ーい!!

渡部:人間もオチも迷子だから。

小泉:深ーい!!深ーい!!いい加減にしろ!!


No.048 松堂・嶋波の乱
子供向けの料理番組
二人:はいどうもー

松堂:はいどうも、松堂・嶋波の乱でございます。よろしくお願いします。

嶋波:二人の自己紹介から始めたいと思います!
   隣に居るのがツッコミの松堂です!シャンプーはTSUBAKIを使ってます!

松堂:別にそこまで言わなくてもいいと思うんだけどもね。

嶋波:そして僕がボケの嶋波です!シャンプーが目に入ると痛がります!

松堂:大体の人間は痛がるようになってるからね。
   まぁ、自己紹介も終わったところで、漫才の方をやらせていただこうかなと思ってるんですけども。

嶋波:突然だけどさ、僕は2人で子供向けの料理番組をやりたいと思ってるんだよねー。

松堂:子供向けの料理番組?なんでやりたいの?

嶋波:それは、僕が出てる番組を見てる子供達を洗脳して、その子達が親に僕が面白いことを伝えて
   親たちがママ友同士でそれを広げて、知名度がグーンと伸びて一気にスターダムにのし上がろうと思ってるからだよ!

松堂:だいぶ序盤から問題発言してるよ。気づいて。

嶋波:あぁ、ごめんごめん。使ってるシャンプーのこと言っちゃってごめん。

松堂:そこまで序盤じゃないよ。洗脳、っていうのがダメって言ってるの。

嶋波:あぁ、そこね。
   とりあえず、子供向けの料理番組をやりたいから、ここでシミュレーションしてもいい?

松堂:いいけど、ちゃんとできる?

嶋波:自信がなかったらブロードウェイ目指してないから。

松堂:君はどこを目指してるのかな?ん?

嶋波:良い子のみんな!はじめまして!

松堂:あ、もう始めちゃうのね。

嶋波:僕の名前は、「松堂・嶋波の乱」のメルヘン嶋波だよ!よろしくね!

松堂:コンビ名とギャップありすぎる芸名を勝手に作るのやめて。

嶋波:僕の相方の、ウルトラマン松堂くんは、風邪でお休みだよ。ごめんね。

松堂:最初から病欠の設定どうにかしてよ。
   あと、ティガとかダイナとかと肩を並べるような芸名勝手に作るのやめて。

嶋波:さて、今日作るお料理は、ほうれん草とベーコンのカルボナーラだよ。

松堂:料理はちゃんとしてそうだね。

嶋波:用意する材料は、パスタ、ほうれん草、ベーコン、生クリーム、粉チーズ、卵の中に入ってる黄色いやつ、だよ。

松堂:黄身くらい子供もわかるよ。それとも、君が子供のころ、黄身がわからなかったのかな?

嶋波:早速作っていくよ!

松堂:終わるまで戻ってくる気はないんだね。

嶋波:まずは、パスタを茹でよう。深いお鍋に水を張って沸騰するまで火にかけよう!

松堂:はい、かけましょうね。

嶋波:沸騰するまで、お鍋を火にかける歌を歌いましょー!

松堂:確かに子供向けの料理番組は歌とか途中で歌うけど、このシチュエーション見たことない。

嶋波:♪お鍋を火ーにーかけましょうー 魔女がー悲鳴を上げるほどー

松堂:歌が雰囲気から浮いてるよ。狂気しか感じられないよ。

嶋波:沸騰したので、パスタを茹でていきまーす。

松堂:たぶん見てるほうは、魔女狩りの歌の余韻がまだ続いてるよ。

嶋波:ここで、塩をひとつまみ入れましょうねー。

松堂:大事な工程だね。

嶋波:さて、茹でてる間にほうれん草とベーコンを切ろう!

松堂:ここからはちゃんとしてね。

嶋波:ほうれん草とベーコンは食べやすい大きさに切ってね!

松堂:お、ちゃんとしそうな予感。

嶋波:包丁を使うときは危ないから道場六三郎と一緒に使ってね!

松堂:そこは親でいいと思うよ。料理の鉄人呼ばなくていいよ。

嶋波:余った材料で1品作ってくれるから便利だね!

松堂:鉄人を便利なヤツ扱いしたね。

嶋波:次はソース作りだよ。

松堂:一番大事なやつだね。

嶋波:ボールに生クリームと粉チーズと卵の中の黄色いやつを入れてかき混ぜよう!

松堂:黄身のことね。

嶋波:余った卵の透明な方はメレンゲにしようね!

松堂:何かに使うのかな?

嶋波:六三郎がそれを使って何か作ってくれると思うよ!

松堂:無駄なメレンゲの押し付けやめなよ。あと、道場六三郎は来ない。

嶋波:パスタが茹で上がったみたいだよ!

松堂:そろそろ仕上げだね。

嶋波:茹でたパスタをフライパンに移す歌を歌おう!

松堂:歌のタイミングの悪さ気付いて。

嶋波:♪こっちからー こっちにー これをー ムービングー

松堂:指示語いっぱいだー。伝わらなーい。

嶋波:パスタをフライパンに移したら、ソースとか具をフライパンに入れよう!

松堂:もうちょっとで完成だね。

嶋波:ここでスペシャルゲストを紹介するよ!

松堂:ゲストいるんだね。でも最後まで料理作り終えても遅くないと思うんだ。

嶋波:スペシャルゲストは、僕のお母さんでーす!

松堂:そこまでスペシャル感ないね。

嶋波:僕のお母さんである、メルヘン嶋波2号だよ。

松堂:お母さんにもその名前つけるのやめなよ。
   あと、どっちかっていうとお母さんから生まれた君が2号の立場だと思うよ。

嶋波:料理の仕上げはお母さんにやってもらいまーす!

松堂:おかあさんといっしょのハミガキコーナーのスタイル取り入れても子供人気増えないよ。
   むしろダサく見えるよ。

嶋波:お母さんが作ってる間に歌を歌いましょーう!

松堂:また歌うのね。何の歌よ。

嶋波:♪I miss you 許されることならば いっそ忘れたいのに

松堂:久保田利伸じゃん。完全にカラオケのコーナーじゃん。

嶋波:Baby...

松堂:サビ全部歌ったね。番組を私物化したね。

嶋波:お母さーん。できたー?

松堂:家の感じ出しちゃってるよ。

嶋波:あ、体操服にゼッケン縫っててねー。

松堂:幼少期の再現いらない。

嶋波:さぁ、出来たみたいだよ!早速食べよう!

松堂:やっと終わりだね。

嶋波:あ、もう終わりの時間だよ!

松堂:いらない歌を歌うから食べる時間なくなったんだよ。

嶋波:食べれないのでタッパーに入れて持ち帰るね!
   みんなもレストランとかでやってみよう!

松堂:周りの視線に耐えられたらね。
   でも、これを最後まで見てる子供なら余裕で耐えられるね。

嶋波:次回は、キノコとハムのカルボナーラを作るよ!ばいばーい!

松堂:大して変わってないよ。

嶋波:こんな番組やりたいんだよね!

松堂:んーとねー、ダメー。

嶋波:ぐわぁー。

二人:どうもありがとうございましたー。

予選総合第23位(3回戦敗退) 松堂・嶋波の乱
審査員
点数
62 73 11 58 53 平均51.4
【審査員コメント】 
・あっさりしたツッコミのせいでかえって空回りしているネタがいくつか見られたなかで、このネタはそういったツッコミがかなり成功していると思いました。
 ツッコミがボケを拘束しすぎず、テンポ良くトントン読み進めていく事ができました。
 ボケそのものの面白さとしては飛び抜けているわけではないですが、工夫が裏目に出て面白さが削がれる、といった事がなかったので、
 結果的にダイレクトに面白く感じれたのではないかと思います。
 ただ、オチは個人的に苦手なタイプでした。
  
・地味ながらボケが全体的に高水準で、おもしろかったです。歌のタイミング、2号が特に。
 しかしものすごくあっさりしてるというか……このテンポ感はよかったですがらオチにかけて投げやりなのはもったいないなと。
  
・淡白。料理ネタにも拘わらず味もなにもない。
  
・疚しい動機で設定に入った割には、すごくサッパリした平和なネタだったと思います。
 物語的にも大きく膨らむ場所は無く、衝撃的な展開も無く、ネタの印象としては非常に薄かったです。
 漫才の書き方はとても達者だと思います。淡々とツッコミを入れる松堂さんが目に浮かびました。
 文章力は非常に高いのですから、後はこの構成に似合ったネタを当て嵌めれば、とても満足感の出るものになると思います。
  
・リアルのオンバトでこういうノリのコンビがいたような気がします…が、だとすればこのコンビは良いところを盗めているのかもしれません。
 雰囲気と、あとは歌詞のセンスがすごく良いです。その一方で、他の部分が少々弱く見えました。
 特に終盤は、もう少しハチャメチャやるなどして盛り上げて欲しかったなぁ、というところです。



No.049 生き血飛ぶハーレー図鑑
サザエの壺焼きとか
俵 :どうも、本日はよろしくお願いします。

押野:突然だけど、サザエの壺焼き食べたーい。

俵 :後で勝手にどうぞ。

押野:でもお金が無いから食べられなーい。

俵 :お金が無いんだったら、バイトでもやって貯めれば?
   その口調、ウザッ。

押野:どんなバイトが自分に合っているのか分からなーい。

俵 :まぁ、そればかりは実際にやって確かめるのが一番だと思うな。

押野:バイトの面接に行くのが怖ーい。

俵 :面接、って言っても所詮バイトだからね。そこまで気張らなくてもいいでしょ。

押野:でも友達が言うには、全国展開している量販店の面接に行ったら、かなり厳しく質問されたって言ってた。
   やっぱり怖ーい。

俵 :お前いきなりそんなハードル高いとこ狙ってんの!?
   まず最初はこじんまりとした居酒屋とかでいいじゃんか。

押野:それは俺のプライドが許さなーい。特に居酒屋は拒否したーい。もっとセレブな店で働きたーい。

俵 :面接怖い、って言ってるくせに何その負のプライド!命名負ライド!
   なんでそんなに居酒屋が嫌なの?

押野:居酒屋は不良や酔っ払いばかりで怖ーい。その他諸々怖ーい。

俵 :変な固定観念!チキンかよ、居酒屋だし負ライドチキンってかおつまみにどうぞ!
   とまあね、こんな感じで・・・。

押野:面白くなーい。不良の話題を出したらツッコミが消化不良やー。

俵 :やかましいわ。お前のその性格も十分不良な気がするぞ。

押野:あと嫌なのが、酔っ払いのテンションが分からなーい。怖ーい。

俵 :そんなもん適当にあしらっちゃえばいいんだよ。
   俺もお前のテンションがよく分からないけど、なんとやっていけてるでしょ?

押野:酔っ払いに絡まれて、そのまま面倒な事件に巻き込まれそうで怖ーい。 

俵 :ああ、今の俺みたいな?

押野:そういうわけで、居酒屋は却下ね。何か居酒屋以外でお勧めのバイトって無い?
   ストレス感じなくて済み、仕事は楽で、時給4桁のお店紹介してー。

俵 :ナメてんなあ。そんなんじゃどこでも面接で落とされそう。
   履歴書とか大丈夫なの。 

押野:ということで今日は履歴書を買ってきたよ。添削してー。

俵 :書いてこいよ!!買ったばっかの白紙に添削もクソも無えよ!!

押野:ムム・・・「私の経歴」かぁ。これは「私の歴史」に直すべきだなー。

俵 :項目を添削しろと!お前の歴史はまだ浅い!

押野:だから履歴書って紙1枚なんでしょ?

俵 :うわ上手いこと理由づけやがった。
   他にはそうだなぁ、履歴書には何も書いてないわけだけど、志望動機とかはちゃんと持ってるわけ?

押野:「志望動機」でなく・・・「我が格言」はどうだろうか。
   我は言う、「お金は、大事である」と。

俵 :浅い歴史の浅い格言。時給700円の居酒屋って設定で一応やってみる?
   どうしてウチで働いてみようと思ったんですか?

押野:お金が・・・欲しい。しかし、この時給は、人を馬鹿にしているとしか、思えない。
   あと、居酒屋は、論外。

俵 :格言どころかただの欲望じゃねえかよ!勿体つけて格言ぶってるだけだろ!
   最後に至っては悪口だよ。我が雑言じゃねえか。

押野:格言と雑言、字面は近いが、読みは全然違う。よって・・・上手くない。
   出直してこい。

俵 :うるせえわ!!

押野:時給1350円、1日のシフトは2時間半、接客は無い、食事補助付き、という設定で、志望動機を尋ねてくれ。
   これならば居酒屋でも我慢してやる。

俵 :無駄に凝ってるけど内容は相変わらずナメてるな!
   つかお前口調を模索中なの?最初間延びしてたし、今は偉そうだし。どちらも無いわ。

押野:時給1350円、1日のシフトは2時間半、接客は無い、食事補助付き、という設定で、志望動機を尋ねてくれー。

俵 :うっわ口調混ざった。ウザいのは勿論、硬派なのか適当なのかも分からんしもう最悪。
   どうしてウチでバイトをしてみたいと思ったんですか?

押野:時給がまぶしい、うむ、そうだ。

俵 :お金に目がくらんでるってことか。確かに時給はかなり良いけどね。
   でもそんなんでバイト続けられる?ウチは時給もいいけど仕事も厳しいよ。

押野:仕事がきつい、などとは聞いてない。これは立派な契約違反である。

俵 :今まさに契約をしようかどうかを問答してるわけだけど。

押野:さあ、私を雇え。そして契約違反で訴えてやろう。

俵 :もう帰れよ。ここで契約しちゃうようなうっかり企業は潰れとるわ。

押野:やはりね、仕事が厳しいっていうのを前面に押し出されちゃうと、怖気づいちゃうじゃないですか。
   ただでさえ面接という場は緊張するわけですから、そこあたり企業の方はもう少し考えて欲しいですよね。

俵 :・・・ああもうこいつまたキャラ捨てやがった!なんていうか、今回のは口調とかそういうもんじゃねえわ。
   ただ普通に喋ってるだけじゃねえかよ。

押野:さっきまでの口調はなんていうか、飽きました。
   この喋り方を私特有のアイデンティティーにして、生きていこうと思います。

俵 :うっわ標準的な喋り方を私物化しやがった。謝れ、日本に謝れ。

押野:すまんなニッポンポン。
   さて、新たな私になったところで、もう一度志望動機を聞いてくれませんか?もう茶番はやらないんで。

俵 :茶番て!ここに来て茶番て!謝れ、俺に謝れ。

押野:・・・・・・あの、早く。

俵 :数回死ね。
   どうしてウチで働いてみたいと思ったんですか?

押野:食費の補助としてお金が少し欲しかったからです。

俵 :ふーん「少し」か。でもねえ、ウチとしては長く続けてもらいたいわけなんだよ。
   ある程度の期間は働こう、って意思はあるの?

押野:はい!自分は一度何かを始めるとどんどんのめり込んでいく性分です。

俵 :この数分でいくつかの口調に飽きている奴だ、ってのが腹立つな。
   まあ、その言葉を信じて君を採用します。どうぞよろしく。

押野:やったお金だコイツ馬鹿だ!早速契約料支払えやこのサップ!

俵 :馬鹿はてめえだ。その契約料ってなんなんだコラ。

押野:この私を、そうこの私を雇うわけですから、当然でしょうこのサップ。

俵 :お前口調は一貫しねえけど、その高圧的な態度だけは共通なのな!!
   ていうか悪口としてボブ・サップを使うな。

押野:まあとにかく、今のような感じで実践すれば大成功を収めることが出来るわけですね。

俵 :奇跡が起こればな。並大抵の奇跡では足らん、幾重にも奇跡が重なる必要がある。

押野:これでやっとサザエの壺焼き食べられるー。

俵 :そういえばそうだった。最初にそんなこと言ってたね。

押野:まあぶっちゃけ貝類苦手なんだけれどもー。

俵 :・・・・・・お前、この期に及んで再び茶番とか言うんじゃなかろうな。

押野:そんなこと言わないから安心してー。セレブ感を味わうためにサザエの壺焼きを食べまくる妄想するから安心してー。

俵 :それを茶番って言うんだよ!!妄想で済むのなら開始数秒で解決してたわ!!
   ああもう、無駄な時間を過ごした!

押野:なにも無意味な時間だったわけではあるまい?
   お前のおかげで履歴書の書き方や面接の対策を万全にすることが出来た。ああ、そうだ。

俵 :あれでマスターしたつもりって言うんだから、やっぱり無駄な時間だったんだろうな。
   ていうか話題と口調は合わせてんの?それ意図的なの、ねえ?

押野:はいはいまあそういう感じなんで、どうもありがとうございましたー。
   ほら帰るぞ。

俵 :終われるか!!オチも無くよく引っ込もうとしたな!!

押野:うるせえもう話題尽きたんだよ。これ以上続けたら延滞料金取るぞこのサップが。

俵 :それも!?それも口調の一つだったの!?金銭要求する時はサップなの!?

押野:相手から金銭を“奪い取る”、つまり“sap”ということだな。

俵 :もうちょっとメジャーな英単語を用意しとけ阿呆。

予選総合第36位(2回戦敗退) 生き血飛ぶハーレー図鑑
審査員
点数
45 59  8 26 51 平均37.8
【審査員コメント】 
・前半は単に失礼な言葉遣いというだけで笑いにそんなにつながっていなかったように見えました。
 後半その口調を一新したのは良い策だと思いましたがその後盛り上がったというわけでもなく、結果的に無難な面白さに落ち着いていたのではないかな、と思いました。
 間違いなく面白い作品ではあるのですが、飛び抜けた要素が欲しかったです。
  
・読み終わってみると、ボケのキャラや統一しない口調の処理が上手い。完成度の高いネタだと思います。
 しかし、押野がただバイトをめんどくさがってる、態度が悪い、に終始しすぎてボケとしてはあまりハマりませんでした。
  
・高校生の会話以下。
  
・展開が浅すぎて、サクサク次の話次の話と変わっていくので、漫才というよりはただ適当に喋ってるだけという印象が強かったです。
 押野さんのキャラクターがハッキリしないというのは重大な欠点だと思います。彼の感情が見えてこないと、この作品は笑いに繋がらないです。
 口調を変えたり面倒くさがりだったり真面目に語ったり、しかもそれを淡々と話しているので、何がしたいのかがサッパリ分かりませんでした。
 もっと感受性良く、フレンドリーに書かないとこのキャラは栄えてこないと思います。今のままではただの優柔不断の嫌なヤツとしか印象が与えられません。
 それぞれのキャラクターをハッキリさせて、コントに入るならちゃんとコントに入ってから次の話に進むなど、もっとメリハリを付けたネタを書いてください。
 ウダウダとグダグダした会話を続けてるのを見て面白いと思う人は殆どいないのですから、「こういうストーリー展開をしよう」という芯を持ってからネタを構築してみてください。
 それと口調ネタはボケもツッコミも酷く中途半端で面白くなかったんで、極力やらないで展開に集中した方が良いと思います。
  
・言い回しの工夫などが随所にあるなど、楽しめるポイントはいくつもありました。ボケとしては履歴書のくだりなんかが好きです。
 ただ、全体的にボケの方向性が「金欲しい」的な方向に偏りすぎていたと思います。
 それはそれで読みやすい反面、ネタの深みがあまりないなぁ、とは感じてしまいます。



No.050 モンブランジャム
恋心
善田:どうもよろしくお願いします。MM−1グランプリということで、頑張っていきましょう。

城島:もちろんですよ、せっかくこんな舞台で漫才が出来るんですから。
   それにしても、今日はキレイなお客さんが多い。

善田:ホント、美人な方ばっかりですね。
   右の端からべっぴんさん、べっぴんさん。一人飛ばし……………!!!

城島:……?
   おい、どうしたんだよ客席を凝視したまま固まって。ツカミの客いじりをちゃんとやってくれないと。

善田:………カオリ……!!

城島:へ?カオリ?

善田:あぁ……久しぶりだな…。別れてそれっきりだったから2年ぶりだっけな…?

城島:いや、何本番中にお客さんと会話してんだよ!!
   え、何!?その右から3番目に座ってる女性がカオリさんで、善田の知り合いなの!?

善田:ん?あぁ悪い。昔にちょっとあってな…。

城島:今舞台に立ってんだよ!?プライベート持ち出すのはやめろよ。

善田:ごめんごめん。じゃあ、さっきの続きに戻るか。

城島:まったく……。
   いやぁ、今日は美人なお客さんばっかりですね。

善田:ねぇ。
   右の端からべっぴんさん、べっぴんさん。一人飛ばして……飛ばして……飛ば…出来ない!!

城島:はぁ!?何なんだよお前は!

善田:じゃあ城島、お前には出来るのか!?
      過去に!一瞬でも!心から好きになった女を!飛ばすなんてこと出来るのか!?

城島:言ってる意味がよく分からねぇよ!

善田:俺には出来ないね!例えつかの間の幸せだったとしても、どんなに苦い終わり方をしたとしてもだ!
   「一人飛ばして」という言葉で、あの時感じたトキメキ全てが消し飛んでしまいそう……なのに出来るわけが

城島:そこまで大袈裟なもんじゃねぇだろ!軽くお客さんをいじる、それだけのことじゃん!

善田:軽い!?何も知らないお前に、軽いと一蹴される筋合いは

城島:あー分かった分かっためんどくせぇな!
   ……じゃあこうしよう。一つずらして、右から2番目に座ってるお客さんを最初に数えるんだ。

善田:どういうことだ…?

城島:要するにお前は、3番目にカオリさんがいるから「1、2、3を飛ばして4」がやりづらいんだろ?
   だから一つずらして「2、3、4を飛ばして5」と数えていけばいいんだよ。

善田:あぁなるほど。それだとカオリを飛ばさないで済むな。

城島:今度こそちゃんと頼むよ?
   いやぁ、何度も言いますが今日は美人さんばっかりですよ。

善田:ホントそうですね。
   右から2番目の人からべっぴんさん……これだと1番右の人に申し訳ないだろぉ!!

城島:いやそんなこと言われても!確かに気付かなかった俺がうかつだったけど!

善田:飛ばされる4番目の人はまだいいよ!軽いいじりだし、その後のツッコミで一応フォローできるしな!
   でも1番目の人はどうだ!?美人扱いもいじられもフォローもされない!

城島:ものすごく不自然で理不尽なスルーをされるだけだわな!ごめんなさい!

善田:てか元々美人扱いされるはずだったのに、俺のわがまま一つでそれを取り消されたんじゃたまったもんじゃねぇよ!

城島:わがままって自覚してんじゃん!だったら俺の苦労もわかってくれ!

善田:はたから見たら思うだろうな!
   「あの人は美人の感覚がコロコロ変わる、しょうもない人間なんだな」って思うだろうな!…ハハハ…。

城島:力なく笑うな!そこまで思う人いないから!
   じゃあどうすれば……あ、簡単なことだった。右は置いといて左の端から数えていけばいいんだよ。うん、それがいい。

善田:てか、ここまでしてこのツカミをする意味はあるのか…?

城島:急に冷静になってんじゃねぇよ!こうなったらもうやりきるしかねぇだろ!
   ……えー、何度でも声を大にして言いたいですけど、美人さんしかいませんねー。

善田:ねぇ。
   右はもちろんのこと、左の端からべっぴんさん、べっぴん…。……はぁ。

城島:ため息!一体どうした!?

善田:『八方美人を絵に描いたような性格。そういうところが受け付けない』…別れ際カオリにこう言われたんだっけなぁ…。

城島:んなこと思い出すな!ただただ今を生きやがれ!

善田:ムシズが走るんだってよ…。

城島:言いすぎじゃね!?カオリさん結構毒舌だな!

善田:今気付いたよ。俺の美人感覚が変わりやすいんじゃなく、手当たり次第に誰でも褒めてるだけだってことにな…。

城島:自責の念が凄いな!
   もういい、お前が出来ないんなら俺がやるわ。

善田:…おい。

城島:俺が一人飛ばす、お前がツッコむ、ツカミ成功でぶわっと盛り上がる。そしてごく自然にネタに入れるってなもんだ。
   いやぁ、今日は美人な方が多いですねぇ。右の端からべっ

善田:さっき左から数えんのを提案しときながら、何故自分の時になると右から数える!?

城島:割り込んでくるな!最初の通りに従うのがいいかなと思ったまでだよ!

善田:嫌がらせか!?これは過去を捨てきれない、今という現実を直視できない俺への嫌がらせか!?

城島:だからそこまで考えてないってば!

善田:じゃあ聞くけど、俺が止めなかったらお前はどういう風に数えていくつもりだったんだ!?

城島:どうって普通にだよ普通に。
   右の端からべっぴんさん、べっぴんさん。一人飛ばし

善田:よくもまぁいけしゃあしゃあと、俺の昔の恋人を不美人扱い出来るもんだな!

城島:だって俺にそんなトキメキ補正とかないもの!…いやあったとしても舞台上じゃ気にしてられないだろ!
   それに心からそんな失礼なこと思ってるわけじゃないし、大体お前もさっきフォローできるって…。

善田:そりゃ初めて会った時、俺がカオリに抱いた第一印象は「うーん…悪くは、ない」だったよ!
   周りからだって、外見より内面を褒められる方が圧倒的に多かったよ!

城島:さっきから独り語りがひどい!てかお前の方がよっぽど失礼だろ…。

善田:でもな!例え、周りの評価が10点中6点くらいでもだ!
   俺にだけ100点の笑顔を見せてくれたらそれで良いじゃ……はぁ。

城島:何だよ今度は!?

善田:『歯の浮くような臭いセリフを恥ずかしげもなく吐く。そこが嫌い』、別れ際にこう言

城島:知らんわ!いちいち思い出してんじゃねぇよ!

善田:ヘドが出そうなんだってよ…。

城島:ボロクソ言われたな!苦い終わり方をしたってのも納得出来るけど…。
   ……ていうか待てや!さっきから全然話が進んでないんだけど!

善田:確かにそうだな…。この停滞具合、2年前の俺たちの恋路か!ってな。…ハハハ…。

城島:だからその自嘲気味に笑うのもやめろ!停滞してんのは誰のせいだよ。

善田:…なぁ城島、このままだとラチがあかねぇ。
   というわけで提案があるんだが。ここで少しだけカオリと話させて欲しい。
   代わりに俺はツカミをしっかりやる。ネタ本題に入ることも出来るだろう。

城島:え、何急に上から変な交換条件持ち出してんの!?そもそも本番中に話すのはダメってさっきも言

善田:なぁカオリ。聞きたいことがあるんだ。

城島:まず俺の話を聞けよ!この自己中心的なのも嫌われた原因なんじゃないかな!?

善田:今日はなんでここに来たの?お前漫才とかには興味なかったよな。…も、もしかして俺に会いに…。
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
   えっ、新しい恋人ができた…!?

城島:打ち砕かれた!ちょっと期待してたっぽいけど、一瞬で打ち砕かれた!
   というかこの場で教えてくれるんすか。

善田:何!?しかも大会の出場者だと!?それで、今日はその応援に…!?
   …そうか、分かった………さよなら…。
   ……ふぅ。

城島:……ま、まぁ良かったじゃん、新しい相手が見つかったみたいで。ここは祝福してあげ

善田:どいつだ?

城島:え?

善田:その相手ってどいつだ!?控え室でやたら浮かれてたアイツか!?それともアイツか!?…いや、アイツも怪しいぞ!
   思い当たる容疑者は3人!もっと情報を集めて探って、早くX(エックス)を特定せねば!

城島:考えることがゲスいよ!その人をエックスと仮定すんのも意味分かんねぇし!

善田:黙れ黙れ容疑者の分際で!

城島:俺も3人の中に入ってた!?隣にいるのにアイツ呼ばわりされたよ!
   序盤の段階で、俺がカオリさんと初対面なのは善田も分かってるはずだろ!

善田:それすらも演技だとしたら!?前もって口裏を合わせていたとしたら!?
   それとなく俺に「新しい相手ができた」と伝えるシナリオだったとしたら!?

城島:疑心暗鬼ここに極まり!てかさっきの伝え方だと、全然それとなくじゃねぇだろ!

善田:俺がカオリに話しかけたくなるよう、操られてたとしたら!?お前がさっきからずっと、俺を誘導してたとしたらぁ!!?

城島:んな器用なコントロール出来るか!出来たらとっくにお前を大人しくさせてるわ!
   つーかさ、よく聞け未練たらたら野郎!!
   まずエックスを探るとかやめろ!無意味に傷つくだけで、誰も得しないんだから。
   自分だって心の中では、それくらいとっくに分かってるんじゃないのか?

善田:城島…。

城島:お前はお前で、また新しい人を見つければいいだけだろ。多くの出会いと別れが用意されてる、それが人生なんだし。
   …あ、あとついでに言っとくと、俺はマジでカオリさんと無関係だからね?漫才が恋人だってなもんだよ。

善田:…………。
   分かった、探るのはやめる。それから疑ってごめん。そこまで恥ずかしいこと言うんなら、お前を信じるしかないわな。

城島:大きなお世話だ。100点の笑顔には負けるわ。
   気が済んだならツカミをやってくれよ、俺も後押しするからさ。

善田:あぁ、約束だしな…。
   いやぁ……き、今日はキレイなお客さんが多いですね…。
   右の端からべっぴんさん、べっぴんさん…。
   ……一人飛ばして……あのトキメキが永遠のものだと思ってた、浅はかな自分を笑い飛ばして…  

城島:卑屈にならない!前見て!楽しく!
   はいべっぴんさん、べっぴんさんと来て、それから!?それから!?

善田:一人飛ばして……べっぴんさん………!

城島:なんでだよ!失礼だろ!飛ばすなよ!
   全くすみませんねぇお客さん、後でちゃんと言っときますんでハイ。
   
善田:……なんか釈然としないけども。
   一応今ので吹っ切れたと思う、心配かけて悪かったな城島。

城島:まぁいいよ。やっとネタ本題に入れる、この安堵感で全てを許せる。
   というわけで改めまして、今一度よろしくお願いします!

善田:お願いします。
   早速なんですけどね、今日はちょっと城島さんに相談したいことがあるんですよ。

城島:ほぅ、何でしょうか。

善田:近所の喫茶店でバイトしてる女の子に恋をしちゃいましてね、どうやって仲良くなればいいのかなぁって。

城島:まぁこういうのは何かきっかけがないと難しいよな。で、相手はどんな子なの?

善田:そりゃもうカワイイの一言よ。まさに一目惚れなんだけど……はっ!
   『一途に見えて、実は軽い軟派野郎。ハラワタが煮えくりかえる』……!!

城島:それも言われたの!?吹っ切れたはずだろ、再発が早すぎるよ!

善田:…ま、まぁバイトの子とかどうでもいいんだけどね。
   喫茶店でブラックコーヒーを飲むのが至福の時でねー。ブラックだよブラック、もちろん飲む時はググっと一気にねー!

城島:俺の安堵感返せコラ!てかそれで硬派な男でも演じてるつもりかよ!
   じゃなくてほら、その子に恋したっていう話だろ!?

善田:何のことかなぁ?
   今僕は恋なんかしていません!愛を欲してなどおりません!というわけで、どうもありがとうございましたー!!

城島:自分勝手に終わらすな!もう付き合いきれねぇよ!!

予選総合第12位(準決勝敗退) モンブランジャム
審査員
点数
90 69 29 77 72 平均67.4
【審査員コメント】 
・まず設定を思いついたことだけで素晴らしいのですが、それだけで終わらずに完成度の高い、なおかつ面白いネタになっていました。
 前半が良すぎて終盤ちょっと尻すぼみに感じる部分もありましたが、それほど大きな問題ではないかと思います。
 指摘することがないので要望・希望になりますが、中盤までカオリのリアクションがほとんど描かれていないので、少し触れた方が面白いかなと思いました。
 舞台上で自分のことが話題になっているわけなので、カオリも何らかのリアクションをとりうると思うのですが・・・
  
・善田のキャラに、読んでてだんだんハマってきまして、それからはとてもおもしろく読ませていただきました。
 最初の方の、ツカミをなんとかしようとしている辺りは少し間延びした感じがしました。
 あと、最後の終わり方は腑に落ちないです。いろいろと散らかしたまま終わってる感じが。
  
・ボケが薄い。「元カノに云われた酷い事」の枠から抜け出せていない。
  
・女性に対してひどく気を使うという設定がとてもよく活かされた作品だと思います。
 勝手に一人で語りだす善田さんが想像して凄く面白かったです。
 しかもただ一人で勝手に語り出すのではなく、ちゃんと相手の言葉に反応して物語を進めてくれるので、とてもチームワークの良い漫才だと思います。見てて気持ち良いです。
 ただ容疑者探しは少しこのネタの主題からズレてるボケだと思ったんで、そこで突っ掛かりを感じてしまいました。
 逆方向に暴れだすキャラまで取り入れてしまえば、ネタの範囲が無駄に広がってしまい、作品にスキマができてしまいます。
 女性に気を使いすぎる善田さんで留めておいた方が、馬鹿らしくて満足感を得るネタになったと思います。
  
・形式的なキレイさという意味ではかなり良かったのですが、もう1歩ぐらい、ボケ的に踏み込んで欲しいと感じました。
 最後、吹っ切れて新たに漫才を始めてからが、笑い的にはやや蛇足だったように思います。
 そのあたり、オチに急展開を取り込むなどしても良かったかもしれません。