ミヤ:最近の若い子はTKOが出来てない、なんてよく言われるよね
翔:TPOですけどね。あなたは誰と戦っているんですか
ミヤ:あとは最近の若い男性はレディーフィストの精神も忘れている!
翔:フィストはこぶしだぞ。ついに野生の血が目覚めたのかよ
ミヤ:つまりは女性の腕力をなめるな、ということですよ
翔:いやいや、なめてませんよ。特にあなたには何度もパンチ喰らっているんで
ミヤ:しかし、もてねぇ
翔:いきなりどうしたんですか
ミヤ:全然もてねぇ
翔:口調からしてすでにもてそうな雰囲気ありませんよね
ミヤ:でも私だっていつかは結婚するじゃない!
翔:頷くことができないのを許してくれ
ミヤ:結婚といえば恋愛の過程が大事! 素敵な恋愛をしてみたい!
翔:なかなか積極的だね
ミヤ:そうよ! 最近、肉系女子ってのが流行っているように、今は積極的な女子が多いんだよ?
翔:肉食系な! それだとただのデブだから
ミヤ:というわけで今日は理想のデートプランを話します。翔ちゃんは恋人役をやってちょうだい
翔:ありがたいお誘いですが、雑に断らせていただきます。やだよ
ミヤ:せめて丁重に断ってよ! なんで断るのさ!
翔:だってミヤの車の中、スルメとか散乱してるんだもん。そんな人の恋人役なんて荷が重いです
ミヤ:うるさい! いいから黙って恋人役をやりなさい!
翔:わかりましたよ。で、最初はどうするんですか?
ミヤ:まずは待ち合わせ場所からね。場所はベタだけど渋谷のハチ公像
翔:あぁ、確かに定番ですね
ミヤ:を作った人の実家の前
翔:場所知らんわ! ていうか作った奴も知らんわ!
ミヤ:作ったのは鹿児島出身の彫刻家、安藤照先生ですけどね
翔:なんで知ってるんだよ! ていうか待ち合わせ鹿児島じゃねぇか!
ミヤ:で、そのあと空港で東京まで行きます
翔:最初から東京で待ち合わせしとけや!
ミヤ:いよいよ東京に着いたら私と翔ちゃんと安藤照先生の楽しいデートが始まります
翔:一人余計なのが付いてきてるよ! 彫刻家の方が!
ミヤ:大丈夫です。亡霊なんで
翔:尚更おっかねぇよ! 全然恋人とのデートを楽しめそうにない!
ミヤ:翔ちゃんの背中に「アホ」って彫ってます
翔:てめー、安藤この野郎! 中学生みたいなことすんじゃねぇ!
ミヤ:最初は映画館ですね。ラブストーリーを見ます
翔:あら、いいんじゃないですか。デートらしいですね
ミヤ:『花より力士 ファイナル』を見ます
翔:男子だろ! そこは絶対に男子だ!
力士に負けるなんて花が不憫だわ!
ミヤ:大地に広がる一面の花畑を力士がめちゃくちゃに荒らしていくっていう感動ラブストーリー!
翔:どこに感動ラブストーリー要素が入っているんだよ!
ミヤ:そこで私は号泣するから、その時は彼氏なんだからすっとポケットから出してね?
翔:わかりましたよ。ハンカチですね?
ミヤ:いや、枕だけど
翔:あくびしただけかよ! ポケットに枕を入れてる奴なんていないから!
ミヤ:7時間経ったら起こしてね
翔:そしてガチで寝る体勢に入るのかよ! もう映画はダメだ! 次に行こう
ミヤ:じゃあ次はリンチにしましょうか
翔:ランチでお願いします! 女性の腕力なめてないから絶対にランチがいいです!
ミヤ:私の理想だと、ここはオシャレにパスタなんか食べたいんだけど男性目線だとどうなの?
翔:まぁ、大体の男性は女性に合わせますからパスタでいいんじゃないの?
ミヤ:彫刻家目線だと?
翔:まだ安藤居やがったか! さっさと成仏してくれ!
ミヤ:大丈夫。実はさっき成仏したから。映画を見てる途中に急に成仏したの!
翔:それってもしかして力士が塩を投げたからかな!? 思わぬ映画効果が出たよ!
ミヤ:ということでパスタを食べました! で次は何を食べるの?
翔:おい肉系女子! ランチは1回なんだよ!
ミヤ:そっかそっか。うっかりしたわ。私周りからよく天然魚って言われるんだよねー
翔:せめて天然で留めてほしかった! 魚が付くと哺乳類じゃなくて魚類になるから!
ミヤ:じゃあスポーツ観戦でもしましょうか
翔:おっいいね。デートにスポーツ観戦は盛り上がりますよ
ミヤ:ちょうど鹿児島でサッカーの大会が
翔:鹿児島行かねーよ
ミヤ:えぇ!? せっかく安藤照杯が行われるのに!?
翔:大会名の由来にまでなりやがった! サッカーなら都内で見ればいいだろ!
ミヤ:だってせっかくなら強いチームの試合を見たいじゃない! 鹿児島アントラーズの試合を!
翔:鹿島な! 「児」って入れるだけで茨城から九州まで飛んでしまうから気を付けて!
ミヤ:そしてスポーツ観戦をした後は軽くウインナーショッピングをして
翔:今度はドイツっぽくなった! ウインナーショッピングってなんだよ!
ミヤ:ねぇ、翔ちゃん。いつかは私にあのシャウエッセン買ってね♪
翔:指輪見たく言われても! シャウエッセンならいくらでも買ってやるよ!
ミヤ:それまでは翔ちゃんのポークビッツで我慢してあげる!
翔:ぶっとばすぞ! 次にオレのフランクフルトをポークビッツって言ったらぶっとばすからな!
ミヤ:いつも、私には貧乳貧乳言うくせに、何さ!
翔:お前は胸がAAAカップなんだからしょうがないだろ! もはや胸がえぐれてる状態やん!
ミヤ:ミヤちゃんぱ〜んち!
翔:ぐへあっ!
ミヤ:もういいわ! 最後にしましょう! 最後は模型の見える所で食事しましょう!
翔:夜景の見えるとこで食おうぜ!
ミヤ:じゃあ模型の夜景の見える所で食事を!
翔:なぜ偽物にこだわる! 夜景は本物で行きましょうよ!
ミヤ:そして食事をしながら愛の言葉を彼氏に向かって投げかける! これしかないっ! うへへへへっ
翔:テンションあがってますね。だいぶ気持ち悪いですよ
ミヤ:じゃあ、夜景の見える学習塾で食事にしましょう!
翔:どこで飯食っているんだよ! 受験生にとって邪魔でしかねーよ!
ミヤ:翔ちゃん……私、恋の方程式が解けちゃったんだけど……
翔:やかましい! 場所変えなさいよ
ミヤ:じゃあ、夜景の見える両国国技館で
翔:力士もういいわ! 両国国技館は夜景なんて見えないからな!?
ミヤ:翔ちゃん……私、恋の上手投げを決めちゃったんだけど
翔:さっきから例え下手くそか! 普通に夜景の見えるレストランとかでいいじゃないですか
ミヤ:で、食べてる最中に私はこう言います
ちょっと手を出してくれる?
翔:おっ、指輪ですか!?
ミヤ:今から、相撲じゃあ! 張り手! 張り手! 張り手! 張り手!
翔:女の腕力はもう勘弁!
歌姫「どうもみなさん初めまして。XENOGLOSSIAですわ」
寛子「うふふのふ。よろしくねぇ〜」
歌姫「ところで寛子さん、聞いてくださらないかしら?」
寛子「うふ? どうしたのぉ?」
歌姫「私、漫才というものをあまり知りませんの。
ですから、私が作ってきました漫才の筋立てが間違っていないかどうか、寛子さんに添削していただきたいんですの。
寛子さんは漫才お詳しいのでしょう?」
寛子「超詳しいよ〜? お笑い番組とか、超観てるしぃ〜、ノンスタイルとかタカトシとか、超うける人たちとか、めっちゃ観てるしぃ〜」
歌姫「では、私の漫才が間違っていないか、指摘してくださらないかしら」
寛子「いいよ〜。やだ、寛子超優しくね〜? 歌姫ちゃん、どんな漫才作ったの〜?」
歌姫「まず演者は私と寛子さん」
寛子「うん。まぁ、漫才だから2人だよね〜」
歌姫「出囃子は東京フィルハーモニーによる生演奏」
寛子「寛子たちが出てくより、そのまま東京フィルハーモニーに演奏させといた方が、誰にとっても幸せなんじゃない〜?」
歌姫「生演奏の曲はモーツァルトの交響曲第41番」
寛子「『Jupiter』じゃ〜ん。曲調的に、『どうも〜』的な感じでは出にくくね〜?」
歌姫「私と寛子さんが出てきたら、割れんばかりの拍手で迎える民衆」
寛子「漫才観る側の反応まで指定するとか、どんだけ俺様ルールなの? てか民衆とか、どんだけの人の前でやる気なのぉ?」
歌姫「内容に入る前に、まず私たちの自己紹介があります」
寛子「ああ〜、いいかもねぇ。寛子らのこと知らない人ばっかだもんねぇ。あんま詳しく知られたくもないけど」
歌姫「まず私が、六川歌姫と申します」
寛子「申すねぇ〜。学生時代のあだ名は『あゆ』だっけ? 歌姫ってだけで、本人関係ないよね〜超うける」
歌姫「自己紹介がてら、歌を歌います」
寛子「やめて、リアルに痛いから。歌姫ちゃん名前負けしてて、実のところそこまで歌上手くもないし……」
歌姫「歌う曲は平原綾香さんの『Jupiter』ですわ」
寛子「さっき聞いたよぅ。東京フィルハーモニーがしっとり奏でた後じゃ、どうしたって見劣りしちゃうよぅ」
歌姫「そしてその次は寛子さんの紹介ですわ」
寛子「そんな痛々しい空間の中で、居残るどころか紹介までされんの? マジ勘弁なんですけどぉ」
歌姫「彼女は七瀬寛子さんと申します」
寛子「申すよ〜。学生時代のあだ名はぴろりんだよ〜。よろしく〜」
歌姫「おそらく語源はヘリコバクター・ピロリですわね」
寛子「絶対『ひろこ』が語源だって信じてるけど、でも学生時代に胃潰瘍やっちゃってるから、もしかして……とか疑惑発生中〜。
あとで同級生に真相確認メールしなきゃ〜」
歌姫「寛子さんは自己紹介がてら何を歌いますの?」
寛子「がてら歌うの確定なの? いい笑顔でうなずかれちゃったぁ。確定なんだぁ〜。……じゃあ、なんか短いので」
歌姫「北島三郎さんの『歩』ですわね?」
寛子「短いのって、タイトルがじゃなくてぇ。寛子みたいなカワイイ系女子、サブちゃんとか歌えないよぅ〜……」
歌姫「2人の合唱が終わってから、いよいよ漫才本編に突入ですわ」
寛子「合唱って、完全に歌姫ちゃん、寛子が歌ってるのに横入りしてるよねぇ?」
歌姫「私、漫才のテーマとして多いのは『結婚したい』『アルバイト』『ヒロシです』だと聞きました」
寛子「その情報を歌姫ちゃんに吹き込んだ、ヒロシファンっぽい人誰ぇ?」
歌姫「ですが『アルバイト』というのは私に経験がなくて書けません」
寛子「ブルジョワだー」
歌姫「『ヒロシです』というのは、よく分からないのですが……寛子さんのことなのでしょうか?」
寛子「初めて言われたしぃ。そりゃ、『寛子』の『子』を『し』って読んだら、そーなるけどお……」
歌姫「なので私は、『結婚したい』でネタを書いてきましたわ」
寛子「おっ。『アルバイト』は書けなくて『結婚したい』なら書けるってことは、歌姫ちゃん、もしかして結婚願望あるの〜?」
歌姫「結婚願望と申しますか……。望んでもない許嫁がいましたから、自由恋愛には憧れていましたけれどね。
まぁ、今は許嫁の話もご破算になりましたし、気にしなくてよろしいのですよ」
寛子「うん。寛子、そういうの気にしないタイプだからぁ。むしろそっちこそ全然気にしないでぇ」
歌姫「……それではまず私が寛子さんに、『結婚生活のシュミュレーションにつきあってください』と言います」
寛子「『シミュレーション』を『シュミレーション』っていう言いまつがいはよく聞くけどぉ、
さすがに両方にちっちゃいユを付けちゃった人は初めて見たぁ〜」
歌姫「そうしたら寛子さんは『ガッテン承知の助』と言います」
寛子「死んでも承知したくないんですけど〜」
歌姫「ここからはコントのパートに入りまして、まず寛子さんが私の旦那様に扮します」
寛子「疲れたぁ〜上司うぜぇ〜的なこと言えばそれっぽいー? 日本の社会人、ちょっち文句多すぎだよねぇ。
愚痴るだけじゃなくシュプレヒコールとかしないと、上の連中には届きゃしねえってのに」
歌姫「シュプレヒコールをしながら、自宅に帰ってくる寛子さん」
寛子「“しながら”帰ってきたら、単なるたちの悪い酔っ払いだよぅ」
歌姫「帰ってきた寛子さん演ずる旦那様を、三つ指ついて迎える私」
寛子「昭和いつ年だよぉ〜。ここ三丁目? 夕日見えちゃう?」
歌姫「ここで私は『あなた。ご飯にする? お風呂にする?』と言います」
寛子「『それとも……わ・た・く・し?』って言わないの?」
歌姫「なんですかそれ? バカみたいですわ」
寛子「考えたの寛子じゃないしぃ。結局はバカな男の誰かが考えたんでしょお?」
歌姫「ちなみに寛子さんは、帰ったらご飯にしたいですか? お風呂にしたいですか?」
寛子「寛子的には、断然お風呂ぉ〜。半身浴で1時間くらい浸かってぇ〜、1日の疲れを落とすんだぁ〜」
歌姫「寛子さんは私の問いに、『ご飯にする』と答えます」
寛子「寛子の意見ガン無視するくらいなら、最初っから聞かなきゃいくな〜い?」
歌姫「いえ、昨日のうちに漫才として考えてきたものですから。最初から有無を言わさず御食事なのです」
寛子「ならなんで、流れをぶったぎってまで寛子に意見を仰いだし〜?」
歌姫「私はいそいそと食事の支度を始めます」
寛子「甲斐甲斐しいねぇ〜」
歌姫「私は料理を温め、いそいそはお皿を用意いたします」
寛子「“いそいそ”って人名なの?」
歌姫「ウチで働いております、家政婦の磯野貴理さんのあだ名ですわ」
寛子「とんだ名前の家政婦さんだねぇ〜。ていうかぁ、漫才って2人でやるもんだし、いそいそさんがいたら駄目だってぇ。
帰ってもらってぇ」
歌姫「では暇を出して、実家に帰ってもらいましょう」
寛子「そんな大きな事態にされても、寛子困るけどぉ」
歌姫「そうこうしているうちに食事の準備が整います」
寛子「そうこうって、いそいそを実家に帰しただけだけどぉ? なのに準備完了とか、歌姫ちゃん家の調理場、全自動ぉ?」
歌姫「あら、私の調理場には、問いかける修行者も、それに答える師もおりませんわよ?」
寛子「うん、それ禅問答。寛子が言ってるのは全自動。
寛子、歌姫ちゃん家のキッチンに禅宗の修行僧がいるとか欠片も思ってないしぃ」
歌姫「私が愛すべきダーリンに、」
寛子「ダーリンて(冷笑)」
歌姫「あーんをして食べさせてあげますの」
寛子「ラビューい」
歌姫「まずは前菜の……」
寛子「前菜て。疲れて帰ってきてのフルコース的なものは、ちょっち辛いものがあるよ……」
歌姫「ですから私があーんをして食べさせてますのよ」
寛子「そういう問題なのかな〜? 堅苦しい食事をさせられることが問題な気がするの〜」
歌姫「……といった感じで、漫才というものを作ってみましたのですけれど。
今は時間がないのでこの辺りでおしまいにしまして、後は帰ってからみっちりとご指導ご鞭撻の程、お願い致しますわ」
寛子「帰ってからもまだやるわけ〜? きっつー。
……でも、いろいろとボケ倒してたわりには、よく振り返ってみると歌姫ちゃんのネタの中に、ボケは一つも無かったよね?」
歌姫「ボケ? なんですのそれは? 漫才というのは、人間が2人でお話していればよろしいのでしょう?」
寛子「歌姫ちゃん、漫才の定義からもっかい勉強しなおそーねー。……というわけで、寛子と、」
歌姫「歌姫の、」
2人「単なる雑談、おしまい。ありがとうございました〜」
審査員 点数 |
34 | 77 | 16 | 51 | 67 | 平均49.0 |
【審査員コメント】 ・ネタとしての形、どこで笑わせたいかは凄くはっきりしていたのですが、個人的には笑いの部分ではとても物足りなく感じました。 2人のキャラクターが強いものの、それがネタに生かされているかと言うとそうでもないような気がします。 淫らな文章でもネタを拝見させて頂いて、ネタがある程度フォーマット化されているように見受けられるので、そこにもっと2人のキャラを上手くはめ込めると良いんじゃないかという印象です。 ・数行読んだだけでお嬢様とギャルだとはっきり伝わるキャラクターとそれを生かした会話のギャップがすごく面白かったですし、なによりも組み立てが上手いなと感心しました。 「東京フィルハーモニーによる生演奏」から始まり、「歌う」、「歩」に発展していく流れや >寛子「申すねぇ〜。学生時代のあだ名は『あゆ』だっけ? 歌姫ってだけで、本人関係ないよね〜超うける」 ネタを作り慣れていない人がやると単に設定を出すだけで「知らんがな」で終わるこのセリフが、 別の流れと合流する形で展開させて処理しているところ――こうすることで後のセリフのリアリティが高まり、ネタの完成度が上がります――など キャラ押しのボケやエピソードからの展開がしっかりとそして綺麗に作られていたり、下手に書けば冷めるだけのピロリのくだりでツッコミが弱気になるところがいいアクセントになっているように、 土台となるキャラクターがしっかりしているから、そのキャラクターとズレた言動があってもブレではなくいギャップとして笑いにつながっていたりして、読めば読むほどよくできている。 キャラクターが提示された時に想像した笑いを超えるものがないのと、 後半の漫才コントの説明から――オチで回収されるのですが――笑いどころが激減して失速したのは残念ですがよく出来たキャラクター漫才で面白かったです。 純粋に笑った量だけで点数をつけると、もうちょっと低いんですがキャラ造型と構成の上手さを考慮してこの点数で。 ・「単なる雑談」が既に8組くらい居た今大会で、自ら「単なる雑談」と認めた根性は良い。 いそいそで笑った。 曲者女性二人の漫才って流行ってるんですか? ・んー……。 コレは、上手いんですよ。しっかり流れ作れてますし、小技も効かせられている。 ただ、絶対的にのめり込めないキャラ組み合わせだなぁと、そこが物凄いネックです。 基本的にどっちも好感を持てるタイプではないんですよ。どっちも、です。 そうなるとネタをある程度突き放して観ざるを得ない状況になってしまって、それはどうにも楽しむためにはノイズになる。 本当にキャラ自体もよく作り込まれていてブレないのは凄いと思うんですケド、今回はそれがキャラの隙の無さにまでなってしまっていて、入り込めなさを助長するのでその効果は裏目です。 個々は悪くないのに、組み合わせたらクドい。かなり勿体なかった印象でしたね。 ・キャラ付けとその表現方法は良いですね。特に、寛子のツッコミの台詞が生き生きしてて面白かったです。 全体的には好印象なのですが、もっと見たい感じと言うか、あるいは後半(歌姫が考えてきた漫才に入ってから)にもっと動きがあって良かったんじゃないかと思います。 僕自身もそういう感じのネタを割と最近書いた事がありますが、やはり「時間が無いのでこの辺りで」と自ら言ってるほどなので、物足りなさはあるのかなぁ、と。
爽雄 爽雄です。
陽子 陽子です!二人あわせて・・・
二人 バニーガールでーす!
陽子 MM-1グランプリということでがんばっていきましょう!
爽雄 オンエアがいつになるのかは分かりませんが、世間的にはバレンタインが近付いていますね。
陽子 そうですね。男の子も女の子もドキドキしていると思いますが。
爽雄 僕には関係ない話ですけどね。バレンタイン死ねっ!!
陽子 じゃあ話を振るなよ!
爽雄 だって、チョコもらえないんだもんよ。
陽子 そんなこと言われてもねえ。こればっかりは私はどうすることもできないよ。
爽雄 そう言えば、コンビニにAKB48の広告が貼ってあって、「バレンタイン大作戦!」ってありましたね。
陽子 そうですか。まあ、流行りだからね。
爽雄 でも、AKBって恋愛禁止なんでしょ?もしもらったとしても説得力がねえよ。
陽子 そうかもしれないけど!そこは流せよ!
爽雄 元々はチョコレートとか関係のない日だったそうですね。
陽子 そうですよ。
爽雄 バレンタインの誕生は1950年のアメリカのコネティカット州と言われています。
陽子 そんなに最近なの?
爽雄 遊撃手としての守備と、足の速さを生かしたプレーヤーでしたが、やはり監督になってからの活躍が有名ですよね。
陽子 それバレンタイン監督だろ!?いくらなんでもベタすぎるわ!
爽雄 このチームは世界イチバンです!
陽子 うるさい!古い物まねされてもピンとこないよ!
爽雄 しかもバレンタイン監督の誕生日5月だしな。
陽子 全然かぶってない!
爽雄 一応言っておくけど、僕が死んでほしいのはこの監督ではありませんよ。
陽子 分かってるわ!死んでほしい人の誕生日まで知ってたら本気すぎるって!
爽雄 バレンタインデーの起源は269年のローマ帝国の時代にまで巻き戻ると言われています。
陽子 遡れよ!巻き戻るビデオテープか!?
爽雄 当時のローマ帝国では兵士の結婚は認められていませんでしたが、バレンタインという司祭は兵士を秘密に結婚させたということで処刑されてしまいました。処刑されたことを記念して2月14日はバレンタインデーという愛を確かめ合う人なったそうです。
陽子 処刑を記念にするな!
爽雄 現在バレンタインは世界中で祝われていますが、その形は様々です。ヨーロッパでは男女問わず、愛しい人にプレゼントをあげるそうですね。
陽子 女の子が挙げるだけじゃないんですね。
爽雄 ここらへんにも、男性が家事を行うヨーロッパの文化と言いますか、国民性というか、カカア天下がうかがえますね。
陽子 カカア天下ではないだろ!
爽雄 日本では1958年頃から流行していきました。日本のバレンタインの大きな特徴は、女性が男性の愛の告白をするところでしょうか。チッ!
陽子 舌打ちするな!
爽雄 女性側から男性側に一方的に渡すということから、日本の亭主関白の文化が分かりますね。
陽子 さっきから夫婦像をバレンタインデーに流し込むのは何なのよ!?
爽雄 流し込むって・・・これから冷やして固める気か?
陽子 チョコっぽく言うな!言葉の彩なんだから聞き流してよ!
爽雄 一言にチョコといっても色々あります。例えば、本命の人以外にも渡すの、またはAKBメンバーからもらう物を「義理チョコ」と言いますね。
陽子 AKB忘れろ!あんたなんか絶対もらえないから!
爽雄 他にも友達同士で渡すのを「友チョコ」、最近では男から女の子へ渡すのを「逆チョコ」と言う物もあるそうですね。
陽子 こうして聞くと色々ありますね。
爽雄 リアルな話で行くと、男同士に渡すのを「ホモチョコ」というそうです。
陽子 本当に!?そんなのあるの!?
爽雄 男子校とかであるそうです・・・って言うか、元々は男女関係ない文化なのに男同士になった途端この名称の変わりよう・・・日本の薄汚い政治体制が見え隠れしていますね。
陽子 政治体制までにはいかないだろ!
爽雄 だからこれからもっといろいろなチョコの種類ができると思います?
陽子 いやいや!私に聞かれても!自分で言い出したんだから何とかしなさいよ!
爽雄 じゃあ例えばくすぐりなが渡す。「コチョコチョチョコ」。
陽子 しょうもなっ!!結局はただのチョコだろ!
爽雄 アフリカから郵送で送る「ガーナチョコ」。
陽子 もうあるわ!
爽雄 野球監督からもらう「バレンタインチョコ」。
陽子 ややこしいわ!ってか何回もバレンタイン監督が出てくる漫才って何なのよ!?
爽雄 結果としては「ホモチョコ」になってしまった。
陽子 男にあげたのか!?監督奥さんいるだろ!
爽雄 もはや日本人には切っても切れない行事となったバレンタイン、しかし、日本国民の中には僕を筆頭に否定的な意見を抱えている人も多々いるようです。
陽子 そうなんですか?何で自分を筆頭にしたかが分かんないけど。
爽雄 ある会社の調査によると、「バレンタインデーのチョコの受け渡し何かない方がいい」と思う人は女性だと70%、男性でも50%を占めるという結果になったそうです。よしっ!
陽子 心の声が出ちゃってるよ!
爽雄 女性の意見としては「何で女性が一方的に渡す空気になっちゃってるわけ〜!?どんだけ〜?」というものが多いそうです。
陽子 今のIKKOさんだろ!?あの人を女性にカウントしていいのか!?
爽雄 弾性意見では「どうせもらえないし・・・。」といういわゆる「ご都合主観主義」というものが多いそうです。全く、どうしようもないですね。
陽子 お前が言うな!もらえればあってもいいなって思ってるだろ!
爽雄 この他にも、「ホワイトデーでのお返しが高額になる」って言う意見もありますね。ネックレスとかペンダントとか連帯保証人とか。
陽子 流石にい最後のは断われや!バレンタインとかの範疇じゃないって!
爽雄 中には「義務的なイベントを無理やり作り出し、強制的にチョコを買わせるのは非人道的な卑劣な商法だ」という意見もあります・・・多分この人は彼氏いないな・・・しかも見た目も20点くらい・・・。
陽子 決めつけるな!強烈な反対意見だったけど!
爽雄 そういえば、この時期に「バレンタインデー症候群」という病気がはやるのを御存知でしょうか?
陽子 なにそれ!?
爽雄 毎年バレンタインデーの時期になると、チョコレートアレルギーを悪化させて病院を訪れる人が増えるそうです。このことをバレンタインデー症候群といいます。
陽子 そんなのあるんだ・・・。
爽雄 チョコレートアレルギーって分かってるなら、最初からチョコを作ったりもらわなければいいのに・・・バカばっかりだ。
陽子 言い過ぎだろ!多分彼女からもらったチョコを食べずに捨てるなんてできなかったからちょっとだけ食べちゃったんだよ!
爽雄 チョコだけにチョコっと食べたわけですね・・・あぁ〜しょうもな。
陽子 自分で片づけるんだったら言うんじゃない!私の仕事がなくなったわ!
爽雄 ちなみに、「チョコを貰いたいアニメキャラランキング」って言うのがあるらしいですけど、皆さん結果はご存知ですか?
陽子 まずそのランキングがあったこと自体初めて知ったわ。
爽雄 1位〜3位まではアニメ「けいおん!」のキャラクターが独占。みおにゃん、あずにゃん。平沢唯がランクインしました。
陽子 何で唯ちゃんだけフルネームよ?
爽雄 なお、「チョコをあげたいアニメキャラランキング」も同時に発表されました。1位は「銀魂」の・・・えぇ〜っと・・・坂田・・・何とか時さん。
陽子 銀時だよ!一番分かりやすい一文字忘れるなよ!
爽雄 僕がアニメキャラだったら「チョコを貰いたがってるアニメキャラランキング」にランクインできる自信があります。
陽子 知らないよ!ただ必死なだけじゃん!チョコほしいだけだろ!?
爽雄 審査員の皆さん・・・得点よりもチョコレートください。
陽子 後でチョコあげるからそれだけはやめてくれ!
爽雄 あ、逆にチョコレートあげるんで点数を2、3点アップってことで・・・。
陽子 絶対無理だわ!もういいよ。
二人 どうもありがとうございました。
審査員 点数 |
30 | 20 | 6 | 52 | 50 | 平均31.6 |
【審査員コメント】 ・漫才の形自体はちゃんと出来ているんですが、細かい所がいろいろと気になるネタでした。 特に気になったところで言うと、「AKB忘れろ!」ってツッコミがある割りには、それ以前の部分でAKBにまつわるくだりがさらっと流してしまうような1ヶ所だけだったり、 「処刑を記念日にするな!」っていうのは本当に実際にそれが起源なのか、それともボケなのかよくわからず、僕の中ですごく引っ掛かってしまいました。 話題の広げ方や構成としては良く出来ているので、ボケや題材にまつわるフレーズをもっと上手く活用できると、もっと良くなると思います。 ・僕も初めてネタを投稿した時にまったく同じことをやったから気持ちはよく分かるんですが、 >爽雄 オンエアがいつになるのかは分かりませんが というセリフは読み手を冷めさせるだけでなんの効果もありません。最新のニュースを扱っているならまだしも、単に季節ネタだから別に入れなくても問題ないのにわざわざ萎えさせていてもったいたいないです。 他にも気になったところをざっと挙げていきますと、まず前半の >爽雄 僕には関係ない話ですけどね。バレンタイン死ねっ!! >陽子 じゃあ話を振るなよ! >爽雄 だって、チョコもらえないんだもんよ。 >陽子 そんなこと言われてもねえ。こればっかりは私はどうすることもできないよ。 >爽雄 そう言えば、コンビニにAKB48の広告が貼ってあって、「バレンタイン大作戦!」ってありましたね。 という流れですが、逆ギレから愚痴まではいいとして、そこから急に解説口調になるのが不自然に感じました。 このあとも普通の口調でボケたり陽子と会話したあとで丁寧な口調で解説に入ることがあって、その度に流れの不自然さが細かなノイズになってネタに入り込めませんでした。また、途中陽子のセリフで >陽子 処刑を記念にするな! とありますが、爽雄のバレンタインの解説にいきなり強い調子で割り込んでくるから「え? いまのってボケだったの?」とすごく戸惑いました。 「(細かい成立の経緯はさておき)なんだか嫌だよね」とやんわりと触れるか、解説からの流れで爽雄が揚げ足取りみたいに言うならともかく、この書き方では無用な混乱を招くだけです。 あと、細かいところではバレンタイン監督の誕生日はなにが「しかも」なのか分からなかったり弾性の誤字も目につきました。 で、ネタそのものについてですが、新しいチョコの種類を上げていく件はAKBやバレンタイン監督の天丼など練られていてよかったのですが、 それ以外がバレンタインの解説に無理矢理ボケをねじ込んだようで、添え物のような浅いボケばかり ――女性の意見としてオカマの有名人を出すなど。バレンタイン症候群は普通の感想じゃないですか――のが気になりました。 特に最後のアニメキャラの件はさすがにひどすぎます。女性キャラクターの方は一人だけフルネームで呼ぶなんて――舞台なら言い方やテンションで成立するかもしれませんが、 少なくともテキストでは――ボケでも何でもないし、男の方も名前の一番分かりやすいところが分からないなんて、いくらなんでも浅すぎます。 これが序盤で一段目のボケとして使うか中盤あたりでアクセントとしてあえて使うのならともかく、最後の最後に単体でポンと放り込むようなものじゃないです。完全に蛇足になっていました。 バレンタインをテーマに雑多な話題を扱いながらも、話の流れはまとまっていて読みやすかったので、肝心のボケがいまいち弱かったのと、二人の役割が間違っていたのが惜しいです。 最初に挙げた口調の問題もそうですが、ここはツッコミである陽子に解説を任せ、それにボケたり茶々を入れたりしていく方がネタとして膨らんだし会話も自然になったように思います。 ・言葉の彩→言葉の綾。一行一行が長い。 点数はあげられないのでチョコレートあげます。 ・スタンダードに面白く、ちゃんと成立しています。 が、面白さの「濃度」が物足りないのがすごく気になりましたね。 ボケ自体は安定して中威力程度を出し続けられています。それ自体は十分に通用するシロモノ。 ただ、それを取り扱っている場所としての文章が長く広すぎるカンジがあります。 問答無用の高威力とか不意打ちをかましまくるとか、そーゆー芸風なら文章の長さってプラス作用で使うコトもできますケド、ココはそう言うのじゃないですよね。 この希薄さはネタを観る目に靄をかける。 その辺がちょいと残念でしたね。 ・ボケが時事ネタに引っ張られ過ぎていたかなぁ、という印象を持ちました。 思いっきりボケに走った部分は良いのですが、長い説明にわざわざちょっとしたボケを入れたような場所があったのが気になりました。 説明口調でボケると、どうしてもボケが文末に来ないせいか、ちょっと読みにくいというかテンポの良い会話を想像しづらいです。 そのあたり、コンビの方向性にも関わるところなので、上手く書けるように試行錯誤してみてください。
俺:俺です
塩:塩です
俺:俺の塩です
塩:よろしくお願いします
俺:昔話って良いよな
塩:良いよな
俺:なんか良くわかんないんだけど伝統的なものがあるよな
塩:あるある
俺:あまりに好きすぎて昔話を作ってみた
塩:あ、そう
俺:読んでいいか?
塩:止めはしないけど
俺:じゃあ読むぞ
「浦島イケル・ジャクソン」
塩:聞いたことあるものと聞いたことあるものが混じって逆に聞いたこと無い
俺:昔々西海岸で亀が子供たちにいじめられていました
塩:アメリカが舞台なのね
俺:「ヘイ!ヨウ!ヨウ!
お前の甲羅超ダセエ!海の臭いで超クセエ!
悪そうなやつは大体友達!セイ、ヨウ!」
塩:うーん、やっぱり本場のHIPHOPは違うなあ
俺:「やっぱりハンバーガーは最高だぜ!ハッハッハ!」
塩:取って付けたようなアメリカン要素が素敵
俺:すると海の中から突然妖怪ダイダラボッチが現れて亀と子供たちを食べてしまいました
塩:展開が読めないなあ
俺:(キュピーン!)「んっ!?これは、今まで食べてきたものとコクも深みも違う!」
塩:どこの海原雄山だよお前は
俺:ところ変わって別の海岸
塩:斬新な場面転換
俺:ここでも亀が子供たちにいじめられていました
塩:人気者だなあ
俺:すると突然「君たち!いじめはやめるんだ!ポーーーーーウ!」
塩:分かりやすい登場方法は嫌いじゃないな
俺:そこに現れたのは浦島イケル・ジャクソン
塩:よっ!今日の主役!
俺:「ヒッ!ヤッ!フー!」
突然浦島イケルが踊ったかと思うと次の瞬間亀をいじめていた子供たちが灰になってしまいました
塩:何だよこいつ最強かよ
俺:「君大丈夫かい?」「はい」「とりあえず家で手当てをしよう、ちょうどスッポン鍋も出来ている頃だろう」
塩:共食いじゃねえか
俺:その後何故か浦島イケルの家へ行くことを猛烈に拒否した亀が助けてくれたお礼に竜宮城へ連れて行くことになりました
塩:亀も助けてもらったんだからちょっとくらい妥協しろよ
俺:途中トイレ休憩でSAに寄りつつ無事竜宮城につきました
塩:漏れちゃったら困るからね
俺:「ここが竜宮城です、さあ入ってください」「ヒッ!ヤッ!フー!」
竜宮城は灰になってしまいました
塩:鬼かこいつ
俺:「私の住処が!お前何してんグフッ!」
浦島イケルは亀のみぞおちに強烈な一撃を喰らわせました
塩:何でそこは実力行使なんだよ何で亀のみぞおちに攻撃が当るんだよ
俺:「お前も灰になれ!ヒッ!ヤッ!フー!」
塩:あー、亀終わったな
俺:「そんなもの喰らうか・・・!」「な、何っ!?」
塩:普通にバトルものになってきてるんだけど
俺:「俺には乙姫様から頂いたこれがあるんだ!」「それは、俺の攻撃を無効化する白くてデコボコする白い球体!」
塩:多分だけどそれゴルフボールじゃね?
俺:「そしてこれがお前を倒す武器だ!」「それは、俺の弱点である先ほどの球体を打って穴に入れるための棒!」
塩:多分だけどそれゴルフクラブじゃね?
俺:「そう、これはかの勇者イシカワから譲り受けた伝説の武器!」
塩:多分だけどお前雨の日に電車待ってる間傘でゴルフの素振りやってるだろ
俺:「喰らえ!」「う、うわーーーーー!」
すると突然妖怪ダイダラボッチが現れて亀と浦島イケルを食べてしまいました
塩:何でこいつ再登場してきたんだよ
俺:(キュピーン!)「んっ!?これは、今まで食べてきたものとコクも深みも違う!」
塩:結局何食ってもそれなんじゃねえか
俺:一方その頃地球では
塩:今までの話が宇宙の話だったとか壮大すぎて何も言えない
俺:竜宮城では浦島太郎と乙姫様が幸せに暮らしていました
塩:あらちょっと妬けちゃう
俺:そしてその二人の間に出来た子供が、後のジャネット・ジャクソンとなるのでした、めでたしめでたし
塩:・・・いや、糞みたいな出来だな
俺:しゅん
塩:いや大体さあ・・・共食いはダメだろ
俺:いや、そこかーい!
二人:どうも、ありがとうございました
木下:どうも、優しい朝の光に包まれてです
宜しくお願いします
山田:あのね、僕って基本的にキャラクターとかって無いと思うんですよ
やれ、急に暴言かます子供キャラだったりとか、
それをなだめるような変態的父親キャラだったりもしないわけですよ
木下:自軍同士の傷の舐め合いですかいきなり
まぁ、確かに我々はキャラクターとかないですけども
山田:だからね、やっぱ一番分かりやすいところからインパクトを与えたいなって事で
まずは前髪を延ばそうかなと思うんですよ
木下:さっそく分かりにくいところからいじり始めましたね
前髪長いキャラクターってエロいゲームの主人公くらいしか知らないですけども
その程度じゃ覚えてもらえないでしょ
山田:それからもみあげをジューシーにして
んで、次に服装なんですけど…
木下:おぉおぉストップ、即座にストップして
もみあげをジューシーにするってどういうことなんですか
山田:『もみ揚げ』を作るんですよ
外はカラッと、中はヘアっと
木下:まぁもみあげですからね、中身は髪の毛なんでしょうけども
「ヘアっと」って言われて大半の方はウルトラマン想像したんじゃないですかね
山田:あ、じゃあいっそのこと髪形と色をウルトラマンにしてみますか
もみあげももちろんジューシーにして
木下:それを世ではモヒカンっていうんですよ!
いやですよ、自分の相方がシルバーのモヒカンで、もみあげに衣付いてるんでしょ
そんなのと正気で漫才できる自信ないですもん
山田:そんでもって、ウルトラマンリスペクトでモヒカンを投げ飛ばせるようにして
鼻からケチャップとマスタード出してホットドック食べれるようにして
手からスペシウム光線出せるようにしたりね
木下:2個目のやつなんなんですか!?
ウルトラマンにそんなユニークなシーンないですけども!?
山田:で、次は胴体なんですけども
まず上半身は、肩を4つに増やして乳首をウスターソースでさっと炒めて
脇からローズヒップティーを出せるようにします
木下:ごめん、1個ずつ消化させてくださいね
まずなんて?
山田:肩を4つに増やします
左右と前後につけて上から見たら「+」みたいな状態ですよ
木下:お願いがあるんですけどせめてフォルムは人間を保ってくれませんか
山田:で、乳首をウスターソースでさっと炒めて…
木下:そうそれ!一番突っ込むべきを感じた!
何の目的があって、乳首を炒めちゃうんですか!
見た目のインパクトないのに、本人に相当なダメージがのしかかるだけだと思いますけど!?
山田:それで、脇からローズヒップティーを出せるようにしようかなと
木下:あんたは一体どこに向かいたいですか!?
いやですよただでさえ髪形モヒカンで、肩がクロスしてて乳首がなにやら痛そうにしてる上で
脇からだばだばローズヒップティー垂れ流す相方なんて!
山田:いや、だばだばじゃなくてじわっと染み出る感じです
木下:それ素敵な脇汗でしょ!!
良いにおいするけど結局ただの脇汗なんでしょ!?
山田:いいじゃないですか、どうも優しい朝の光に包まれてですって出てきて
脇からローズヒップティー絞り出してお客さんにプレゼントして一旦落ち着いてもらえば
木下:そんなもん落ち着けるわけがないでしょ!?
ゴロツキ野郎みたいな見た目したやつの脇汗優雅に飲み干す自信あるんですかあなたは!?
山田:んで、股間に顔もう一個付けます
木下:デスピサロみたいになりますけど!?
山田:いいじゃないですか、良くある「上の口では嫌がってても下の口は正直だな…!」が、再現できるんですよ!?
木下:そんなフォルムの奴強姦する人いたら、それがもう異常事態だと思うんですけど!
山田:と、まぁこれだけ濃いキャラクターをつければお客様も覚えてくれるでしょう僕のことを
木下:覚えるうんぬんより、まずトラウマとして記憶に刻まれると思うんですけどね
山田:これだけ僕が覚えられるわけですから街中でもファンの子とかに気づかれたりするんですよ
「あ、優しい朝の光に包まれての人間の枠超えた方だ〜!」とか
木下:そんな覚えられかた人間として不服じゃないんですか!?
大体、その見た目で外歩いたら警察とかに射殺されると思いますよ、銃社会じゃないからって日本なめてたら
とんでもない目にあいますよ
山田:その辺は大丈夫ですよ、普段から人助けをして生きますから
警察からの信頼は厚くなってる予定です
木下:その容姿で助けられる人が果たしているのか
疑問で仕方ないんですけどね
山田:たとえば、僕が町歩いてたとして目の前にお腹を空かせた子供がいて
泣いていますと
木下:泣いている原因があなたで有る確率の高さったらないですけどね
山田:そこにばばーんと現れて救うわけですよ!
あ、じゃあ木下さんお腹を空かせてる子供役お願いします
木下:いきなりコントにはいるんですね。分かりました
うえーん!おなかすいたよー!!おなかすいたよー!!
山田:やぁ、助けに来たよ
木下:…エラいの出たー!!!?
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいぃぃ!!!!
山田:君はお腹が空いてるみたいだね
だったら僕がどうにかして…ッツゥ…くそっ乳首ひりひりする…
僕が…どうにかしてあげるよ…
木下:苦しみながら淡々と話し進めようとしてるよぉぉぉ!!!
山田:怖がる必要はない、安心して。
ほら、僕は優しい朝の光に包まれての人間超えた方だよ
木下:自分で人間超えたこと自覚してるなら街を出歩くなよぉぉ!?
山田:ほらほら、叫んだら余計におなかがすいただろう
さぁ、僕のもみ揚げをお食べ?
木下:…良く見たらもみあげが揚げられてるよぉぉ!!
アンパンマンのシステム応用したのにここまでグロテスクなことなんてないよおぉぉ!!
山田:そして、もみ揚げを食べ終わったら脇から湧き出るローズヒップティーを飲んで落ち着きなさい
木下:…脇からぽたぽた垂れてるそれってローズヒップティーなの!?
世紀末過ぎて手に負えないよぉぉ!
山田:…完璧
木下:どこでそう感じたんですか!?
子供に一つトラウマ植えつけて終わりましたけども!?
山田:で、その子供が帰ろうとしてたら目の前に包丁持った男が現れて子供を襲おうとしてるわけですよ
木下さんもう一回子供役お願いします
木下:はい、心の準備は整いましたよ
山田:さぁ、お腹も満たしたところで君はもう帰ると良いよ
木下:よっしゃあああああ逃げろおおおお!!もみ揚げクッソ不味かったけどこの際どうでもいいや!!
わぁ!包丁持った人が脅してくるよ!!誰か、助けて!!
山田:大丈夫か少年、今すぐ行くぞ!(だだだだー)
木下:ぎゃああああああああさっきの化けものが凄い速度で近づいてくるぅぅぅ!
すっげぇものに囲まれたぁぁぁ!
山田:大丈夫だ、もう安心して良いぞ少年
私に頼りなさい
木下:どっちかっていうと包丁持った男の人の方に頼りたいよぉぉ!!
まだそっちの方が人間である分信頼が置けるよぉぉ!!
山田:あっ!男が狭い路地裏に逃げたぞ!
くっそー!追ってくるからここで待ってるんだよ!
木下:このまま帰っちゃだめなのかあああああああ!!?
山田:くっ!くそっ!横になっても通れないっ!
木下:4つある肩が邪魔してるよおおお!!!
その肩、特に何も活躍してない部位なのにやたら場所だけ取ってるよおお!!
山田:仕方ない、ここからでも届くだろ!鼻ケチャップマスタァァァド!!!
木下:うわあああああああああぁぁぁぁ!!!
化け物の鼻からケチャップとマスタードがでてきたぁぁぁぁ!!
男の方は大したダメージにもなってないのにぃぃぃ!!
山田:くっそ〜それならこれでどうだ!
モヒカンスラッガァァ!
木下:モヒカンとれたぁぁぁ!?
んで、モヒカンだからやはり全然ダメージになってないよぉぉ!!!
山田:くそっ、これだけは使いたくなかったんだが…
スペシウム光線!
木下:うわあああ!!ウルトラマンの技使おうとしてるみたいだけど
手が4本あるから、ものすごい気色悪いフォルムになってるよぉぉ!!
ちょっと気持ち悪い蜘蛛とか多分こんな感じだよぉぉぉ!!
山田:ピーピーボガーンピオーボガーン!
木下:手がぐっちゃぐちゃになってるせいでまったく関係ない方向に飛んでった!!!
あと、効果音完全に口で言ってるけど!?良く見たら股間の顔もわずかながら声発してるけど!?
山田:くそっ、あたらねぇなぁ!
こうなりゃヤケクソだ!撃ちまくれぇぇ!!
木下:ぎゃあああああああああ、町がぶっ壊れてくぅぅぅ!!!
山田:ヒャハハハハ!!破壊だ…破壊だぁぁぁ!!
木下:正義の化け物からただの化け物になったよぉぉぉぉ!!
怖いよぉぉ!国家権力仕事しろよぉぉぉ!!
山田:さっ、男は倒したぞぉ…!
安心してくれ、君の家まで私が送ってあげようじゃないか…
木下:正義の化け物カムバァック!!
でもこいつに送ってもらったら人生崩壊する気がする!本能がそう告げてるんだよ!!!
山田:ほら、背中に乗って
木下:お前の背中はどこなんだよぉぉ!
肩が4つあるせいで判別しづらいよぉぉ!!
山田:ッツゥ…乳首がひりひりする…
木下:この化け物ときどき乳首がひりひりしてるよぉぉぉ!!!
うわああああもう逃げろおおおおおお!!
山田:…これで警察からの信頼ゲットだね
木下:一生物のトラウマになりましたけども!!?
こんな化け物とネタなんて出来るわけないでしょ!!
大体ね、こいつコントするときどうするんですか!キャラクターもて余すにきまってるでしょ!
まったく、どうしてそう…!
山田:まぁまぁ、落ち着いて…ほら!(脇をぎゅーっとする)
(ぽたっぽたっ)アールグレイ飲んで落ち着いて!
木下:既に脇からアールグレイ出ちゃうんだ!?いい加減にして!
二人:どうもありがとうございました
審査員 点数 |
95 | 83 | 40 | 64 | 88 | 平均74.0 |
【審査員コメント】 ・「乳首をウスターソースでさっと炒める」 このフレーズがヤバイなもうw! 優朝光包と生スケの事を読み手が知っている体で話が成り立ってしまっている事、ケチャップとマスタードが出てくるくだりは普通に3段オチじゃダメだったのかという事が気になりました。 しかしながら、ぶっちゃけここまででダントツで笑いました。 あんたヤバいわもう! 余談ですが、丁度今僕のtwitterのタイムライン上で「毛が生えてくる、女の人のむしゃぶりつきたい部分が『腋』で、わき腹の『わき』が『脇』」とかいう議論が交わされております。 ・山田の支離滅裂な提案(ボケ)も破壊力があって面白いですが、木下の冷静なツッコミが最高でした。 山田が明後日の方向にぶっ飛ばしても木下のツッコミが飛ばした先にちゃんと読み手を導いているので、書き手と読み手の間に温度差が生まれずにしっかりと楽しめるようになっていてよかったです。 キャラクター付けのためにあり得ない改造をする(それで人外になる)というテーマはありがちではあるし、設定の自由度が高いからどうしてもハードルが高くなるのですが、 提案してくる量とツッコミの的確さとフレーズセンス、後半のコントでそれまで出した要素を回収して――肩で通れないバカな絵面が特によかったです―― その上で新しい要素を繰り出していく展開と要所要所の完成度が高く、オリジナリティのあるものばかりで面白かった。 終盤ごちゃごちゃしすぎてイメージが追いつきづらいのは残念ですが、インパクトある発想と緻密な作り込みが両立した完成度の高いネタでした。 ・前半で外見やら性格やらを滅茶苦茶にして、 それが伏線になって後々のコントでうまい事生きてくるっていうのは完成度が高ければ最上の作品になるんだけども、 これは何て言うか、前半からの特徴付けをそのままなぞってるだけで、 「あぁ、耳からこれが出てくるから、鼻とマッチしてこうなるのかぁ」みたいな感動が無い。 全然狙ってる筈もない「あんたは一体どこに向かいたいですか!?」に唯一笑った。 構成とかは上手いので後はボケの質。化ける筈。 ・トバしてますねぇ。 「らしさ」は一番存分に出せてたと思います。後半にかけてのヒートアップは凄まじかった。 ただなぁ、やっぱりココまでの設定のトバし方は受け手がそれを飲み込むのに困難を要するので、そのデメリットは抱えるコトになる。 ツッコミがだいぶ丁寧に追い直してくれているぶん、かなり対策もこうじられていますが、それでも追い付ききっていない。 前半にそれがひたすらまとわりついていたと言う事実は、全体の印象に影響してしまっているので。 発想の凄まじさはトップクラスなのですがね。その調理をもう一歩、欲しかったかなと。 ・初っ端から設定をぶっ飛ばし、さらに次の話へと展開させてさらに面白くなっていました。 「あ、優しい朝の光に包まれての人間の枠超えた方だ〜!」「すっげぇものに囲まれた」と来て面白くないわけがないですね。 一部のツッコミには違和感がありました。設定がぶっ飛び過ぎてツッコミが追いつけないのかもしれません。
土方:どうも茨城からの刺客です。僕が東京出身の土方で、
土屋:僕が山形出身の土屋です。ということで茨城出身の二人で漫才やってるます。
土方:今日は僕らの出身である茨城のことを紹介します。形と名前だけでも覚えて帰ってくださいね。
土屋:じゃあまず形からいきましょうか。茨城県は基本的にギザギザしてます。
土方:だいたいの県ギザってんだよ!ギザ、ギザってんだよ!
土屋:しょこたん的なノリが出たところで次は名前を
土方:待て待て!形があいまいなままだろうが!
土屋:分かんねえよ!じゃあお前が説明しろや!
土方:じゃあ次は名前について話しますか。
土屋:お前も分かんねえんだな!
じゃあ名前について話しましょう。
皆さん「イバラギ」って言ってますけど違いますからね。正式には「イバタアラキ」ですよ。
土方:違う違う!そんな中日の二遊間臭い名前じゃねえよ!
茨木は正式な読みは「トチギ」です。まあ今日は皆さんに合わせて「イバラギ」って言いますけどね。
土屋:あれ?じゃあ茨城の左って何県だっけ?
土方:なんで知らねえの!?茨城の左は鳥取だよ!
土屋:鳥取そんなとこにあったっけ!?じゃあその左に島根?
土方:違う違う!鳥取の左は山口だよ。
土屋:あれ?島根と鳥取って確か隣同士だからよく間違うんじゃなかった?
土方:鳥取の県庁所在地が島根だよ!何島根を勝手に出世させてんだよ!?
というか間違えすぎ!俺らが茨城出身じゃねえのばれちゃうじゃん!
土屋:茨木以外のことは別に間違ってもいいだろ!
土方:読み方堂々と間違えてただろ!なんだよ「イバタアラキ」って!
土屋:ほんますんません。
土方:山形弁出すなよ!茨城出身じゃねえのばれっから!
土屋:そない怒らんといてぇなわれこらぁ。
土方:Shut up!Don't speak Yamagatan!
土屋:お前も方言出てるよ!東京弁は独特すぎて全く分かんねえよ。
土方:Sorry!
そんなこんなで茨城は鳥取県、副島県、栃木県、銀座県に囲まれてます。
土屋:あれ?栃木あるの?茨木の本当の読みが「トチギ」じゃ・・・
土方:なんで知らねえんだよ!?茨城が「トチギ」じゃなく「イバラギ」と呼ばれる原因だぞ!?
栃木と茨城がピリピリしてる原因だぞ!?
土屋:隣同士でなんで同じ読みにしたんだよ!?
土方:栃木への憧れだよ!
土屋:もう完全に茨木が悪だ!
土方:そんな悪の茨城ですけど、茨城といえばテーマパークも豊富ですよね
土屋:悪まで認めちゃってんだ。
土方:まずディズニーランド。
土屋:ディズニーシーもいいですよね。
土方:それは千葉だろ!
土屋:あれ!?ランドの隣にシーなかった!?
土方:同じ場所にあったら片方潰れちゃうだろ!
土屋:確かにそうだな!
まあ他に茨城にはUSJとかもありますよ。ユニバーサルスタンプラリージャパンの略ですね。
土方:バカ!USJはユニバーサルスタンプラリージャマイカだよ!
茨城にいながらジャマイカでスタンプラリーをする気分を味わえるやつだよ!
お前いい加減にしねえと茨木出身じゃないのばれるぞ!?あと3回間違えたら多分ばれるぞ!
土屋:確かに今日のお客さんは勘が鋭そうだからな・・・
土方:気引き締めていけよ!
じゃあ次は茨城出身の有名人を挙げていきましょうか。
まずチャングンソク。「グン」は茨城県群馬市の「群」から取ってるんですよ。
土屋:あと他はKARAですね。KARAはメンバーの頭文字を並べて名前にした4人グループです。
土方:おい。
土屋:メンバーは亀梨、赤西、力石、赤西です。
土方:おい!
土屋:デビュー曲のミスターとかいいですよね。
あーなーたーに会えてミスター
ほーんとうによかったミスター
うーれーしーくーてーミスター
うーれーしーくーてーミスター
ラララララララー、ラーラララララー、ラーラララララー、こっとっばっにっでっきっなっい
土方:おい!!
土屋:なんだよ!?
土方:KARAの出身は韓国だろ!ユーラシア地方の韓国県だよ!
土屋:聞いたことありそうで聞いたことない県だ。
土方:あとメンバーが違うよ!かしゆか、あーちゃん、力石、あっちゃん!
土屋:力石だけ当たってた。力石だけ字面が浮いてるからこれなら逆に外れてほしかった。
土方:あと歌詞もそんな小田和正ってねえよ!こうだよ!
とーきーをーこーえてミスター
きーみーをあいせるかミスター
土屋:そっちだったか!
土方:ほーんーとうにきみをミスター
あーいーせーるーかーミスター
土屋:どっちにしても小田和正ってるな。分かったからもういいよ。
土方:そらをみーて、かーんがえてた、きーみのために、いっまっなっにっがっでっきっるか
土屋:もういい!
土方:わすれないで、どーんなときも、きーっとそばに、いるからいるからKARAKARAKARAKARA
土屋:もういいって!!
土方:なんだよ!?
土屋:気持ちよく歌ってんじゃねえよ!お前茨城出身なのにKARA大好きじゃねえか!
土方:しまった!つい本当の地元愛が・・・
土屋:地元韓国じゃなくて東京だろ!ただの韓流に飲み込まれた現代人じゃねえか!
・・・さすがにもう茨城出身じゃねえのばれちゃったかな。
土方:・・・まあ大丈夫だろ。そもそも茨城のことなんて皆知らねえからばれようがねえよ。
土屋:そうか?そうだよな?じゃあ今日は茨木の宣伝大成功だな。
土方:お前が間違えまくったから宣伝になってねえよ!
土屋:オゥ・・・
土方:じゃあ茨城に帰ります。
土屋:電車で帰ります。
土方:茨城は電車通ってだろ!歩いて帰ります。
二人:どうもありがとうございました。
審査員 点数 |
84 | 35 | 40 | 67 | 61 | 平均57.4 |
【審査員コメント】 ・東京出身と山形出身の2人で、2人共茨城出身っていうのは、どこまでがボケなんだ・・・ ちょっと開始2行で混乱させられて、あまり印象の良くない出だしでした。 (↑と言う風に書いた2分後) 東京弁でクソ笑いましたわ! 他の人がどう思うかは分かりませんが、こういう裏切り方、個人的には好きです。 まさかのオチで脱字というミスと、土屋さんが「茨城」を「茨木」と言ってしまうところがこのネタのミソになっているんだと思いますが、ちょこちょこごっちゃになってしまっているのが勿体無かったです。 ・ツッコミ不在で不条理なことを言い合っていくところは面白味があって、東京弁やメンバー名など不意をつかれて笑うところもありましたし、こういうスタイルだと把握できた時には期待できたのですが、 前半はボケの多くが土地の名前を入れ替えるだけであまり盛り上がらず、後半のKARA押しもそれまでの茨城の流れからすると浮いていてトータルで見るといまひとつハマりませんでした。 もっと各都道府県のむちゃくちゃな特徴を押したり芸能人を使うにしても都道府県と上手く絡めていたらよかったのですが……。 こういうシュールが売りの特殊なスタイルの場合、世界観も含めインパクトのある笑いで押していくか導入や構成を計算して作り込まないとネタについて行けないわけで、 このネタにはパワーの面でも緻密さの面でも物足りなかったです。 タイトルにもある茨城と茨木の誤字はそれぐらいいい加減だという表れかなか解釈できなくもないですが、福島と最後の電車のところなど無視できないレベルの誤字・脱字が目につくのも痛いです。 ・どっちがボケだか突っ込みだか分かんないけど、 後半、韓国が出てきた辺りからじわじわ面白くなってきた。 ・コレ、とんでもない難しいコトに挑戦してますよね。 話のちゃんとした修正を一度も行わず突っ走るって、置き去りにしかねないのに。 間違いの指摘そのもののテンションとは読み手も同調するから入り込めるのに、その指摘の仕方がさらに話を異方向に持って行く。 二人とも無茶を言っているのについて行ける構図を形成してしまっているこのネタの作りには、舌を巻きました。 形式の秀逸さの割に暴走は思いのほか控えめだったかなと言う部分が少し物足りなかったのですが、ネタ作りの力はかなり見せつけていただいたように思います。 ・わざとなのか誤字なのか分かりにくい、というのは読み手を混乱させ得るという意味でマイナスだと思うのですが、 よく読んでみると、やってること自体はすごく面白いなぁと思いました。デタラメな間違いをデタラメな方向に修正する……高度な技ですね。 さりげなくどんどん間違いを言っており(多分「副島」もわざと間違えてるんですよね、正解に囲まれてるので少々分かりにくいですが)、 ボケの種類も豊富で飽きませんでした。ただ、KARAのくだりは単独でちょっと行数を割き過ぎていたかもしれません。深め方自体は悪くないですが。 内容はそこそこあるので、結局のところ設定をどうやって上手く読み手に伝えるか、と言うところだと思います。 それが達成されるだけでも、さらに好印象なネタになるでしょう。
二人「どうも、キングカメハメハです。」
若「最近よく日本では父親があんまり子供を叱らなくなったとかで結構問題になってますよね。」
前「そうやね。確かに俺も父親からはあんまり怒られたことないわ。
若「それはお前が母子家庭やからやろ?」
前「うん。お前のところもやん。」
若「言わんでええわ。冒頭から二人とも母子家庭カミングアウトってどんな漫才やねん。」
前「親父に怒られたことないから俺らが親になっても例えば反抗期の子供とかどうやって叱ったらええかわからんよね。」
若「じゃあ今日ちょっと練習してみよか。」
前「ええ。練習いやや。本番がいい。」
若「ごめん本番は無理やわ。それはもうお前が結婚して子供つくらなあかんからお前の問題や。俺では力不足や。」
前「ほんまかー。じゃあ練習でええわ。」
若「ごめんな。」
前「今度やったらビンタやで。」
若「なんでしばかれなあかんねん。」
前「おい一希。」
若「あん?」
前「(手招きのしぐさ)」
若「なんやねん。」
前「向こうへ行けってやったんや。」
若「なんでやねん。ややこしいわ。普通こっちへ来いやろこれは。」
前「今から父さんは母さんと二人でお前の弟を作るから今日はもう寝なさい。」
若「やめんか!俺をのけもんにすんな!」
前「ポスト一希を作るから。」
若「やめろ。ポスト一希やったら俺そのうち辞めなあかんやん。ちゃんとこっちこいから始めて。」
前「おい一希、こっちへきなさい。」
若「なんやねん。」
前「父さんと一緒に弟を作ろう。」
若「作らんわ。ええ加減にせえよ。どんだけ弟欲しいねん。」
前「お前にも飽きたからそろそろ新しいの欲しいねん。」
若「車買い替えるみたいにいうなアホ。子供に面と向かって言うことか。ちゃんとしかって。」
前「叱れっていわれても何で叱ったらええかわからん。」
若「えぇ?じゃあ〜、俺が万引きしたっていう設定にしよう。」
前「え、お前万引きしたん?」
若「話聞いてなかったんかい!設定や言うてるやろ。」
前「なんや、してないんか。よかった〜。コンビそろってはまずいからな。」
若「・・・・お前やったんか!」
前「ちょっとだけやって。」
若「ちょっとも糞もあるかそんなもん!俺そんなやつと漫才できんで。」
前「むしろ説得力あるやろ?」
若「いうてる場合か!もうええわ、とにかくその設定でやろう。」
前「おい、一希。」
若「なんやねん。」
前「お前なんで万引きなんかしたんや!」
若「うるさいな。お前には関係ないやろ。ほっとけや。」
前「お前やと?お前母親に向かってなんて口の利き方や!」
若「母親やったんかい!さっきまで父親やったやんけ!何で変えたん!」
前「だって親父に怒られたことないからお父さんってどんな感じかわからんししゃーないやん!」
若「・・・ごめん!お前の思う、お前の理想のお父さんを演じてくれたらええから!」
前「わかった!こら〜。一希〜。どうしてそんなことしたんだこのばかちんが〜。」
若「(客に向かって)・・・・こいつの理想の父親が金八先生なんだからしょうがないでしょう!温かく見守ってやりましょうよ!」
前「え〜人という字は、人と人と人とが支えあってできています!」
若「人が一人多いけどもね!気にせずいきましょう!父さん!」
前「なんや?」
若「戻るんかい!なんでやめんねん!」
前「思ったより似てなかったし。」
若「じゃあはじめからやんなや!ええから普通の親父やれ!」
前「おい、一希!」
若「なんや。」
前「お前なんで万引きなんかしたんや!」
若「うるさいなぁ。何しにきてん!」
前「何しにって決まってるやろ!買い物しに来たんや!」
若「何で買い物ついでに来てんねん!迎えに来たとかやろ普通。」
前「だいたいお前何万引きしたんや!」
若「うるさいな。」
前「何を万引きしたか言いなさい!」
若「うるさいな!何でもええやろ!」
前「何でも良くない!モノによっちゃ父さん怒るで!」
若「何でモノによんねん!これやったら別に万引きしてもええよとかないからね!何盗んでも怒って!」
前「何を盗んだのか言いなさい!」
若「わかったよ!本と。」
前「うん。」
若「ゲームと。」
前「うん。」
若「ヘッドホンと。」
前「うん。」
若「電池。」
前「電池やと!?なんておろかなんやお前は!」
若「おろかはお前や!何電池にだけキレとんねん!差別すんな言うたやろが!」
前「他はいいけど電池万引きしたら店が困るやろ〜!」
若「全部困るねん!電池以外はOKってそんな店ないわ!」
前「だいたいお前なんで万引きなんて・・・。父さん情けないぞ!」
若「うるさいな。」
前「お前みたいな親不孝者をなんていうか知ってるか!?」
若「あん?」
前「・・・・・・親不孝者や!」
若「何で二回言うたんや!普通、お前みたいなやつをなんていうか知ってるか、親不孝者やろ!?先言うてもうてテンパってるやん!」
前「父さん格好つけようとしたけど失敗した。」
若「そんな内部事情言わんでええわ!そんなんええから子供に早く謝らせろって。」
前「ほら、一希。今からでも遅ない。ちゃんと店長さんに謝ろう。誠心誠意謝ったら許してくれる!な?謝りにいこう!」
若「うるさいなぁ。おとんには関係ないやろ。」
前「関係なくなんかないやろ!俺はお前の父親や!お前がやったことは俺がやったことや!」
若「おとん・・・・。」
前「一緒に謝りにいってやるから、お前はちゃんとその本を万引きしたことを謝りなさい。俺もちゃんとCD万引きしたこと謝るから。」
若「なんでお前も万引きしてんねん!さっきからちょいちょい万引きしてんなお前!」
前「頼むから一緒に謝って!俺がやったことはお前がやったことやから!」
若「俺に押し付けてんちゃうぞ!父親失格かお前!」
前「あ、店長さん!本当にすいませんうちの馬鹿息子が!そうなんです!こいつ懐にCDも隠してやがったんです!」
若「何で俺のせいにしてんねん!やめさせてもらうわ。」
審査員 点数 |
80 | 55 | 25 | 53 | 62 | 平均55.0 |
【審査員コメント】 ・ド直球な正統派でありながら、センスもなかなかのものだったと思います。 個人的にはこの手の正統派なネタにはいつも「無個性だ」とか何だとか言ってしまうんですが、言葉選びがしっかりしているので、全然そんな事ないです。 ここまでしばらくおバカなネタが続いていた分のギャップなどもあるかもしれませんが、凄くしっかりしてると思います。 後は母子家庭というファクターをもっと上手く使い込めれば尚良くなるんじゃないかと思います。 ・しっかりした掛け合いのオーソドックス漫才でがらもまとまってはいるんですが、あまりにオーソドックスすぎて積極的に押したくなるような要素がなかったのが残念です。 最後の漫才コントはテンポもよくてしっかり盛り上がって面白いのですが、それ以外が冒頭は話が重くて笑いづらいし、最初のしかるところは単純な下ネタや捻りが弱いボケが続くし、 理想の父親ではモノマネをしていたのに急に戻るというテキストでやるには不向きなボケが入っていたりと精彩がなかったです。 余計な部分を削って、後半の万引きをもっと膨らませていれば、たとえ爆発がなくても安心して読める良作になっていたと思うので、なんだか惜しいです。 ・今からセックスするからお前は寝ろ、に対して「俺をのけもんにすんな!」って、 焦点の合ってない突っ込みが一番笑った。 全体的にベタ。 ・コレもなんか入り込めないですねぇ。 空気感に個性を出してるタイプのネタで入り込めないってのは、フツーのネタのそれよりデメリット大きいですし。前提条件が崩れるようなモンですから。 テンション異質にしている割にボケがいたってスタンダードなのばかりで、肩すかしをくらったのが大きな原因だと思いますね。 どうにもその違和感の方が目立ってしまって、それは閲覧の上で邪魔。 見せ方単体は悪くない手法だとは思うんですがね。漫才の展開そのものとの相性はそんなによろしくないんじゃないかと。 そこで損をしてしまっていたカンジです。 ・王道なのですが、ボケのインパクトでそこそこ面白味があって良かったと思います。 「ポスト一希」で掴まれましたね。子供に何てこと言ってるんですかw 後半も悪くは無いのですが、盛り上がりきらなかったというか頂点が低いというか、作品全体で見たときに少し印象が弱かったかなぁ、と。 「最終的にどんなボケ・展開を見せて笑わせるのか」ってのがもっと意識できると良いんじゃないかと思いました。
理「どうも理系文系です、よろしくお願いします」
文「よろしくお願いします」
理「さて早速なんですが私、リフォームがしたいのです」
文「ほう。なにか自宅に問題でも?」
理「いえ、どっちかと言うと他人のウチをリフォームしたい」
文「何ですそのはた迷惑な願望?」
理「おっと、ちょうどイイ所に住まいをお持ちの相方さんが」
文「そりゃあ住まいは持ってますケド、流石に素人の挑戦するリフォームなんて許可しませんよ」
理「そこをなんとか、騙されたと思って!」
文「いやいや」
理「悪徳業者に騙されたと思って!」
文「いやいやいやいや。なんで詐欺だと思ったらあたしが許可すると判断したんですか」
理「コッチはもう、工事計画まで立ててきてるんですよ?」
文「住人不在でどこまで話進んでるんですか!」
理「劇的ビフォーアフターのナレーションとか練習してきましたし」
文「準備するトコは絶対そこじゃないですし!」
理「『今回の匠』の発音を研究し尽くしました」
文「そこはせめて『なんと言うことでしょう』の方を研究しなさいな!
何故に一番有名なヤツを避けましたか」
理「そんなワケで今回の匠をご紹介いたしましょう」
文「もう技師まで用意できてるの?」
理「有名な建築物を作った方をお招きしております。特にマンションなんかが有名ですね」
文「しかもなんか凄い人連れてきちゃったっぽいです!?」
理「ルイージマンションは彼の代表作でもあります」
文「と思ったらゲームのステージプログラマーでした! どうして任天堂の社員がココに?」
理「本人いわく『お姉ちゃんが勝手に応募したんで……』だそうです」
文「そんなジャニーズみたいな経緯で!?
そしてアナタもそれを採用しないで下さいよ!」
理「でも、良質なお化け屋敷を設計できるのは確かですから」
文「良質でもお化け屋敷には住みたくないんですよ!」
理「さて準備も出来てますし、リフォーム計画に着手して行きましょう」
文「あくまで着々と話を進行させますか」
理「まずはトイレから改装して行きましょう。
かなり昔に作られたもので、年季入り過ぎなんでもっとモダンなカンジにしていきます」
文「まぁ確かにデザインは古いんで、変えたい所ではありましたが」
理「なので焼きそばの麺を投入」
文「でもそれでモダンになるのはお好み焼き限定のお話です!
トイレでそれやったって、便器の水面に可哀想な食材がプカプカするだけの結果に終わりますから!」
理「次に庭の狭さをなんとかしましょう」
文「確かに狭いですケド、別にお金かけて改装するほど困ってもないですよ」
理「でもこのままだとペットとか飼えませんよ?
コレから先ずっとM奴隷を飼うことはできないんですよ?」
文「飼いませんからね!? そんな倫理に反したペットは!」
理「動き回れないストレスで死んでしまいます」
文「しかもM奴隷のくせに無駄に繊細ですね! 面倒なコトこの上ない!」
理「あ、もしかして室内飼いの小型なのを考えてました?
ならダイジョブでしたね。失礼失礼」
文「失礼は現在進行形で悪化してますから!
あたしがロリショタ監禁しようとしてるみたいに言わないで下さい!」
理「では今度は床下にシロアリが生息している件について対策していきましょうか」
文「え? なんです急にその深刻なヤツ?
そーゆーのも混ざるの? あたしも知らなかったマジな危機へに対するヤツもあるの?」
理「床下にはびこる悪魔たちに対処していきます」
文「コレは真面目にやって下さいよ!?」
理「匠はこのシロアリたちを、1匹1匹キレイにカラーリングしていきます。
もうコレでシロアリはいなくなりましたね!」
文「そーゆー問題じゃないでしょうがチクショウ!」
理「カラー化に成功したアリたちはまるでピクミンのような鮮やかさです」
文「こんな所で任天堂テイスト出さないで下さいよ匠!」
理「あとはリビングの壁にヒビがあってそれが目立ってしまっているのも、なんとかして行きましょう」
文「頼みますからちゃんとして下さいよ!?」
理「取り敢えずヒビに沿って絆創膏を貼ります」
文「言ったそばからコレですか!」
理「あ、大丈夫です。アンパンマンパッチですよ」
文「だから何!? 何が大丈夫になったと!?」
理「さらにリビング全体の配色コーディネートが悪いのもどうにかしたいですね。
部屋の上部に青いモノを置きたいんですよねぇ」
文「そこはもうリフォームに頼る話でもないですし!
自分で模様替えやってなんとかしますから余計なコトしないで!」
理「あ、そうだ。じゃあ神棚にブルーレット置くだけを」
文「置かないで下さいね絶対! キチンとトイレに設置して下さいそれは!
そしたらトイレのモダン化の方もちょっと出来る気がしますしね!?」
理「それから和室のふすまが建てつけ悪くて開きづらいんですよね」
文「まだ続きますか!」
理「バナナの皮を配置して滑りをよくしましょう」
文「和室の前だけいきなりマリオカートの世界観持ってこないで下さい!
任天堂テイストの再来、自重なさいな!」
理「んでもって玄関前もごちゃごちゃしてて、家に上がるのに時間かかってアレなんで、
玄関マットの代わりにダッシュパネル敷いておきましょう」
文「玄関においてあるモノ毎回全部ブッ飛ばして帰宅しなきゃならなくなるじゃないですか!
そしてマリオカートの領域を広げないで下さい!」
理「あと廊下の横の隠し金庫も」
文「何故その存在まで知ってますか!?」
理「裏道コースに改造しておきましょう」
文「完全にマリオカートのコースが出来つつある!
しかも通行車両があたしのお金をとって最高速度を上げるであろう部分まで整備してあります!
絶対に1ラップ目にみんなこぞってそこを通ろうとするに違いありません!」
理「そして寝室に散らかっていつまでも片付かない衣類はアイテムボックスに収納」
文「レース参加者に衣類ゲットされるじゃないですか!
当人にその気がないのに下着泥棒みたいな状況に陥るキャラが出現するコトになるじゃないですか!」
理「押し入れに生えてしまったキノコは、ゴール前の一発逆転を可能にするシロモノとして敢えてそのまま残すコトに」
文「そこは絶対触れないで欲しかったトコ!
人んちの恥部をレースの盛り上がりに使わないで下さい!!」
理「そして最早虹色の隊列を組むようになったアリの行列の上をスパートするワケですね」
文「そんなおぞましいレインボーロード誰が通りますかぁ!!」
理「さて、この計画なら大分アナタの家も生まれ変わるハズです」
文「全部不本意な方向にですケドね!」
理「まるで本当の劇的ビフォーアフターになりそうですね♪」
文「こんなの実行したらむしろ悲劇的ビフォーアフターですよ! もういいです」
理&文「「どうも、有難うございました」」
審査員 点数 |
58 | 25 | 15 | ― | 67 | 平均41.3 |
【審査員コメント】 ・M奴隷の割りに繊細、ブルーレットおくだけなど、個人的に笑った部分も多々ありつつ、ネタの被せも効かせていて、よく出来た構成だと思いました。 「任天堂」というのが1つのファクターになっていると見受けられるネタだったわけですが、途中からそれが「マリオカート」という別のファクターにすり替えられてしまっている印象があり、そこが気になりました。 「良質なお化け屋敷を設計できそう」といっていたわりには、お化け屋敷の要素があまり無かったのも気になりました。 いっその事マリオカートのコースにリフォームされちゃう訳ですし、「お化け屋敷のコース」と言う風にしてしまっても良いのかもしれません。 ・ひとつひとつのボケを取り出せば決して悪くはないのですが、全部のボケを理が自分でフって自分でボケているのが、作者の都合のいいように話を展開させているように見えていまひとつ笑えませんでした。 たとえば、リフォームの案として最初に出てくるトイレの件。モダン焼きのボケは上手いし面白いのに「トイレ」と「モダン」という二つのキーワードを理が回収しているから、話の流れがわざとらしく感じられました。 ここで希望を訊くなりして、キーワードのどちらかのひとつでもツッコミ側である文に言わせていたら印象も違ったのですが……。 そもそも一発目のボケとしても、まずどこからリフォームさせたいかという話の展開としても、トイレという選択が正しいとは思えず、軽めの下ネタを安易に放り込んだようにしか見えませんでした。 次に出てくるボケがM奴隷というのもまた安易なエロネタに頼ったように感じられ、ここまでの流れもボケも全部安易なものしかないように思えてネタとの間に距離ができてしまいました。 続くシロアリのくだりも、 >文「え? なんです急にその深刻なヤツ? > そーゆーのも混ざるの? あたしも知らなかったマジな危機へに対するヤツもあるの?」 この文のセリフの二行目ははっきりと余計だと思います。ここまでいい加減なリフォーム案しか提案していなくても、――真面目にやっているならなおのこと――シロアリを発見したら対処をするはずで、 なんでここで疑問に思えるのかわからないです。せっかく「ツッコミが必死になる」→「解決になっていない頓知」という緊張と緩和が上手く作れているのに、この疑問がノイズになっていまひとつ楽しみ切れないです。 そして、任天堂のゲームプログラマーを天丼で使ってピクミンに持っていくのですが、 フリでルイージマンションを飛ばして任天堂社員を持ってきているのがすごく据わりが悪く、ルイージマンションは無理矢理に入れた伏線だったんだなと感じられ、ネタへの意識が分散してハマりませんでした。 リフォーム案のどこかに任天堂につなげる布石としてルイージマンション関係の小ボケを入れておくか、これはこれでボケを先読みされるという危険性はあるけれど、 >理「ルイージマンションは彼の代表作でもあります」 >文「どこかで聴いたことある名前ですね。」 >理「その他の代表作にピクミンやマリオカートなどがあります」 >文「ひょっとして、その匠はステージプログラマーですか?」 といったようにあらかじめ後で出てくるゲームの名前を出しておくか、せめてで理由のところで「経験を生かして新しいチャレンジがしたい」みたいな(これだとあからさま過ぎるけれど) 任天堂要素を出しますよと匂わせるなりの配慮がほしいです ――話はそれますが、「ジャニーズみたいな経緯」というもボケも悪くないですが、リフォームとかけ離れた人物というボケを出した後に、 リフォームともゲームともかけ離れた理由が出てくるから、ここもちょっと据わりが悪いです――。 ふすまのところもバナナ=滑るという図式が一般的すぎて、そこからいきなりマリオカートに繋げてツッコむのが ――任天堂の要素がもっと多かったのなら別ですが、リフォーム案で出て来た任天堂要素がピクミンだけだったから―― また不自然な一足飛びになっていて、これまでの自分でフって自分でボケる恣意的な流れにツッコミまで加わるから完全に作者の独りよがりとしか映らず、 その後のマリオカートの畳みかけがあっても気持ちが盛り上がることなく終わってしまいました。 ちゃんと段階を踏んでバナナのあとにもう一つアイテムなりキャラクターなりコースなりのマリオカート要素を出してからツッコむだけで、その後の畳みかけを生かせるのに本当にもったいない。 フリとオチがホップ・ステップ・ジャンプの形で出てこないから、行き当たりばったりに作られたようにしか見えなかったです。 パーツパーツを見れば決して悪くはないのでもっと高くつけるべきか非常に迷いましたが、 組み立てがあまりにもガタガタすぎて――二人のキャラクターが知的で理屈っぽい分、余計に全体の杜撰さが浮き彫りになっています―― せっかくの面白さを生かせていないので、申し訳ないですがこのネタにこれ以上の点数はつけられないです。 ・前半の「なんということでしょう」で笑ったけども、 後はなんていうか、頑張ってる割に何一つはまらなかったとしか云えない。 ・まぁあるイミ一番コメントしづらいコンビですねぇ、ウチの娘たちです。 面白いとは思いますがね。ってか、自分がそう思わないモノをまず投稿しませんし。 気に入った固有名詞のブチ込みとか、曲解や屁理屈と言った、好きな手法を大量に使わせていただきました。 普段の理系文系は私がドの付く極端な理系と言うコトもあり、ボケやる時もツッコミやる時も理ちゃんの方が目立つカンジになるんですが、 今回は文ちゃんの方も割と目立ててたかなと思いまして、そこが自分でも気に入ってます。 ま、どうなりますかね? ・パッと見で「面白そう」という印象を抱けるのですが、少なくとも「非常に面白い」と言えるような一線は超えてないかなぁ、と思いました。 1つ1つのボケは面白いですし、表現なんかも練られていると思います。そうなると後は…展開やボケの方向性、でしょうか。 感覚的な問題かもしれないのですが、特に後半、任天堂・マリオカートに執着してしまったのがどうもネタ全体を中程度で抑えているような気がしてなりません。 「家がマリオカートのコースになる」という方向に狙いを定め過ぎて、「リフォーム」ネタが持ち得るポテンシャルを生かし切らないまま終わっていたというか。 例えばですが、せっかく「家をリフォームされてしまう」という危うい状況が与えられた文さんを、もっとリフォーム案の話し合いに介入させても良いのではないでしょうか。 上手く説明できなくて申し訳ないのですが、とにかくもう一つくらい別の種類のボケが取り入れられて良かったんじゃないかと思います。
郷田:何事にも「これ以上削れない」ってラインがあると思うんですよ。
先崎:確かにあるでしょうね。
郷田:というわけで「ポ」です、よろしくお願いします。
先崎:それは確実にライン超えてるだろ!「ポイントゲッター」ですよろしくお願いします。
郷田:これで僕達コンビの略称も決まったところでですね、やっぱりこういうライン決めって大事だと思うんですよね。
今でも生活保護とかの問題だって出てきているわけだし。
先崎:確かに、ここを下回ったら支給する、っていうのを明確に決めたらいいですね。
郷田:だから、今日は衣食銃器のラインだけでも決めてみたいなと思うんだけど。
先崎:日本では銃器は根絶の方向で決まってるからね!?衣食住のラインを決めましょうよ。
郷田:じゃあまず「衣」ですけど、例えば「フォーマルな場だというのに下着と靴下しか着るものがない」とか。
先崎:ある意味紳士だけど!何も着るもの無いってのは行き過ぎてるわ。
郷田:その下着ももう使い込みすぎて中のエビも透けて見えたり。
先崎:衣が薄すぎるだろ!その場にいる人がダッシュで近くのコンビニに駆け込むわ!
郷田:銃器も根絶しきれてなかったみたいですけども。
先崎:やかましいわ!とりあえず考えたんですけど、季節によって服が取り替えられない、ってのはどうですか?
郷田:衣替えができないってのは良い基準ですね。なら「夏に冬の服を着ざるをえない状況で、
先崎:そうなると体温調節ができなくなって命にも関わりますからね。
郷田:逆に冬になると着るものが手袋しか無い」とか。
先崎:着てた冬服どこいったんだよ!そして手袋だけあるってのも異常だろうが!
郷田:彼ボウリングが趣味みたいですからね。
先崎:穴空いてるやつじゃねえか!寒さ対策にもならないわ!
郷田:さて、「衣」のラインが「かろうじてボウリングが出来る服装」に決まった所で。
先崎:全裸でボウリングさせてるんじゃねえよ!かろうじての使い方間違ってるわ!
郷田:「食」なんですが、やっぱり食べるものがないってのが一番しっくり来ますかね。
先崎:そうだけど、どのくらい食べられない、ってのもなきゃよく分からないかと。
郷田:じゃあ「水道が止められているので蛇口を食べようとしたがすでに腐っていて
先崎:異食人基準で話すんじゃねえよ!まず腐る蛇口ってのも大分おかしいけども!
郷田:仕方なくボウリングのマイボールを食べざるをえない」ってあたりですかね。
先崎:ちゃっかりマイボールは買ってやがった!その金を基本の生活に回せよ!
郷田:彼だって好き好んで食べてるわけじゃないんですよ!あなただってその瞬間が来たらマイボールを
先崎:食わねえしまず俺マイボール持ってないから!ボウリングもベスト120位で大して興味ないから!
郷田:これで「食」の基準は「ボウリングのボールを主食とするが、すでにマイボールしか食べるものがなくなってしまった」になって。
先崎:生活保護を受けられる人がいなくなったわ!
最後は「住」ですけど、これは「住む所がない」か「住む場所を近日中に失ってしまう」とかでいいんじゃないでしょうか。
郷田:まあいいかもしれませんが、彼らは最終手段としてボウリング場での住み込みバイトがありますからね。
先崎:だからなんで生活に困っている人全員ボウリング狂なんだよ!
そして住み込みバイトするんだったら生活保護はどっちみち受けられないだろ!
郷田:なんだ、じゃあ今までの話は要らん心配だったんですね!
先崎:もっと他に心配すべき人がいるんですけどね。
郷田:じゃあもう安心して全裸でボウリングができますね。
先崎:生活保護じゃなくて警察に保護されるわ!いい加減にしろ!
郷田:どうも、「ホ」でした。
先崎:半濁点まで削りやがった!
審査員 点数 |
18 | 60 | 39 | 24 | 46 | 平均37.4 |
【審査員コメント】 ・「ある意味紳士だけども」というツッコミや、中のエビなど、どこからそのフレーズに結びついたのかがあまりよくわからない部分が見受けられました。 100行以内というルールには確かに収まっていますが、まだまだ面白い事を盛り込める行数だと思います。 今のままではあまりにもあっという間過ぎるかなという印象です。 ・うわあもったいない! ツカミが面白く、そこからの導入もスムーズで上手い。設定もオリジナリティがあっていいし、知的なようでいて馬鹿なボケと的確なツッコミが笑えるし、しつこく出てくるボウリングの使い方も上手く、オチも決まっている。 それなのにこの短さはもったいなさすぎます。もっと掘り下げて展開させられるのに、エンジンがかかり切る前に終わっていて物足りなかったです。 ・これから面白くなりそう、ってとこで終わった感が。 何か惜しい。笑いはしなかったけど、構成次第で化けそう。 ・絶対的に展開の一つ一つが威力弱いですココも。 基本的にビジュアルインパクトを文字で表現するのはとても難しくて、上手くやったとしてもその爆発力は半減以下になるのが普通ですから。 後半ボウリング引きずるのとかもですね、最初に大爆発起こしてそれを捻り加えて使いまわしているワケでも、ボウリングって情報から笑いの材料としての側面を次々掘り出せているワケでも、衣食住の話に上手く組み込めているワケでもない、ただの引きずりになってるんですよ。 コレは、単純に「衣食住とボウリングどっちメインで読めばいいんだろう?」って思わせるだけです。 マイナス効果の方が大きい。 そーゆー話の流れがもうちょい丁寧だと良かったですね。発想自体は悪くないんで。 ・あの、このネタが何故短いかって…………行数を「下限」の40行にしているからですよね? だ・と・し・た・ら。もっとその設定を生かしても良かったのでは…!?と思ってしまいました。 話の内容もそれはそれで面白いとはいえ、結局普通のネタみたいに進行したせいで、単純に展開数が少なくて他のネタに力負けしているので、 何か話の流れにもう一工夫、二工夫あった方が良かったんじゃないかと思います。 残り行数を気にする…のではありきたり過ぎて逆にダメもしれませんが、とにかく何か、何か違う要素を…!
5人「どうも、第七女子会です! よろしくおねがいします!」
一条「いきなりで悪いんだけど、あたし名探偵になって事件を解決してみたいのよ。
だからあんたたち、事件現場に居合わせた人たちやって」
三田「……承知しました」
一条「……たまたま招かれたペンションの一室で、女主人が殺されていたわ!」
二階「なにぃ〜!? じっちゃんの名にかけて、ウチが解決するっす!」
三田「……見た目は子供……頭脳は大人の……私が解決」
四谷「殺人事件か……実におもしろい」
五島「灰色の脳細胞を十全に活かせる私が解決しましょう」
一条「霞む! あたしが霞む! 名探偵に囲まれて、萎縮するわ! あんたらは事件に巻き込まれた一般人やりなさい!」
三田「……招致しました」
一条「オリンピックを東京に!?」
一条「たまたま招かれたペンションの一室で、女主人が殺されていたわ! おそらく青酸カリによる毒殺ね! 犯人はこの中にいる!
……ではみなさん、いろいろと話を聞く前に、まずはお名前と職業をお聞かせ願えますか? まずはあなたから」
二階「ウチっすか? 二階小梅っす。しがない漫画家っすよ」
一条「漫画家ね……。どんな作品を?」
二階「『淫乱少女(いんらんが〜る)』とかっす」
一条「ホントにしがなそう! ……どうしたの、そこのあなた?」
五島「ファンです!」
一条「しがなくもなかった!?」
五島「サインください!」
一条「あのね、そういうファン根性丸出しにするのは後でにして……」
二階「……(胸を触り、左腕を触り、帽子を直す仕草)」
一条「サインって野球のサインなの!?」
五島「サインありがとうございます!」
一条「あんたも、いいのそれで!?」
四谷「(舞台袖へ走っていく)」
一条「こらこらこら! どこ行くの容疑者!」
四谷「何って、盗塁のサインが出たからにゃ走らないと……」
一条「出たのが盗塁のサインかは知らんけど! さっさと返ってこい! 二階さんはもういいから、次あなた!」
三田「……三田夏奈」
一条「職業は?」
三田「……汚職政治家」
一条「はいチェックメイトー! あんたこの事件とは無関係に、問答無用でタイーホよ!」
三田「……待って。……今のは……違う」
一条「何が違うってのよ」
三田「……合コンでよくやる……つかみのギャグ」
一条「政治家が汚職を鉄板ネタにしてんじゃないわよ! つーか遊んでないで日本をよくするため動きなさいよ!
じゃあ、次。あなた、名前と職業は?」
四谷「四谷千秋だ。女子プロ野球選手だ」
一条「だからさっき盗塁してたの!?」
四谷「趣味はセーフティーバント、特技はフィルダースチョイス、好きなものはタッチアップだ」
一条「そこまで聞いてないし! 地味な小技ばっかだし! しかも一つは失策だから誇れないし! じゃあ次の人!」
五島「エルキュール・マートンです」
一条「あら、外国の方? 瞳も青いし……」
五島「いえ、ハンドルネームです。瞳は、カラコンです」
一条「ハンドルネームかい! そんでカラコンなんかい!」
五島「本名は五島冬馬ともうします。ここではご主人様専属のメイドとして働かせていただいています。いえ、いました」
一条「なぜ過去形に言い直し……あぁ、雇い主が亡くなってしまったから……」
五島「いえ、辞表出したの忘れてました」
一条「辞めてたの!?」
五島「えぇ。今年で契約が切れるので。
契約更改の話し合いは行ったのですが、年俸の折り合いが合わなかったため、辞めることとなりました」
一条「あんまりメイドさんのそういう面、見たくなかったわ!」
五島「一応年度内まではここで働かせていただく予定だったのですが……まさかり担いだ金太郎……」
一条「……だいぶ苦しいけど、『まさかこんなことになるとは』って言いたかったのだと思っておくわ。
同じ字数なのに、最初の三文字からずいぶん離れたトコに着地してるけどね!
……じゃあ、あんたらは一時間前に女主人が自室にこもってからさっき見つかるまで、どこで何してた?」
二階「ウチは自室でのんびりくつろいでたんすけど……あ! そういえば途中で三田さんが部屋にやって来たっす」
一条「えっ、本当ですか三田さん!?」
三田「記憶にございません」
二階「えっ!?」
一条「ちょっと二階さん! 三田さんと証言が食い違っているけど……」
三田「……失礼。今のは、くせ」
一条「『記憶にございません』が口ぐせになってる政治家ってどうなのよ!? ちゃんと説明責任果たしなさいよ!」
三田「……やっていないことをやっていないと証明することは、非常に難しい」
一条「いや、二階さんの部屋に行ったんじゃないの!?」
三田「……あぁ、そっち。……それなら確かに行った」
一条「確実に“そっち”じゃない何かしらの問題抱えてるわねアンタ!? 叩けば埃がたくさん出そうね!
……まあ、とにかくこの2人は、アリバイがあるってわけね。……四谷さんは、あの時間何をしていたかしら?」
四谷「あたしは……ご……ふじょう……に」
一条「ごふじょう? 御不浄……あぁ、トイレね」
四谷「いや、ゴルフ場だ」
一条「ゴルフ場にいたの!? あるの、この近くに!?」
四谷「大広間でみんGOLをやっていたんだ」
一条「それはゴルフ場にいたとは言わないわ! 大広間で『みんなのGOLF』をやっていた、と言うのよ!
……じゃあ、それを証言する人は?」
四谷「あぁ、いるぞ。あたしはずっと、メイドと一緒にいたからな」
一条「五島さん、本当かしら?」
五島「本当かどうかと聞かれたら、答えてあげるが世の情け。世界の破壊を防ぐため、世界の……」
一条「いらないから。そういう妙なの」
五島「えぇ、確かに一緒におりましてよ」
一条「なんでちょっと高飛車になってんの?」
四谷「あたしはちょっと喉が渇いたんで、お茶をもらいに大広間に行ったんだ。
そしたらメイドがみんGOLをやっててな、おもしろそうだったから、いっしょにプレーしたんだ」
一条「先に五島さんがやってたの!? 遊んでないで、働きなさいよ!」
五島「もうすぐ辞めるのでいいかなって」
一条「プロ意識持ちなさいよ! ……ていうか何? じゃあ、4人が4人ともアリバイがあるってこと?
それじゃあ、犯行に及べる人がいないじゃない。……ということは、この事件は迷宮入りということに……」
四谷「なに? 金田正一や王貞治、長嶋茂雄らの仲間入りを果たすのか?」
一条「それは名球会! じゃなくて、真相がわからないまま終わりってことよ」
五島「待ってください! ……そういえば、皆さんのアリバイは聞いていますけれど………一条さんのアリバイは、聞いてませんね」
一条「えっ」
五島「さあ、教えてください。あなたは事件のあったあの時、どこにいましたか?」
一条「え、えっと自室に……」
五島「それを証明する人は?」
一条「い、いないけど……」
五島「時に一条さん。あなた、最初にご主人様が死んでいるのを発見した際に、『誰かに殺されている!』と言いましたよね」
一条「……言ったけど?」
五島「ご主人様には目立った外傷はなく、一見すると病死にも見えました。ご主人様の心臓が悪かったことは有名ですからね。
なぜ殺人と決めつけることができたのか……。
ご主人様の口からアーモンド臭がしたから? 青酸カリの入っていたとおぼしきケースが転がっていたから?
はん、ナンセンス。あなたは我々が遺体を発見した際、即座に『殺人だ』と決めつけました。
それはなぜか? 病死とは欠片も思い至らなかったのはなぜか? ここまで言ってしまえば、分かりきったことですよね。
……一条さん。あなたが犯人だからですよ!」
二階三田四谷「……な、なんだってーーー!!?」
一条「……そんな、バカな……あたしの完璧な犯罪が……そんな些細なことで……」
五島「いいですか、一条さん。この世に、完全犯罪などはあり得ないのですよ。少なくとも……私の目が、青いうちはね」
一条「カラコン取ったら黒でしょ……」
四谷「すげえぜ、メイド! 見事な推理だったな!」
三田「……褒めてつかわす」
二階「めでたしめでたしっすぅ!」
一条「……いや、めでたくないよ! なんであたしが犯人になってんのよ! いい加減にしなさい!」
5人「どうもありがとうございました……」
審査員 点数 |
59 | 10 | 64 | 74 | 70 | 平均55.4 |
【審査員コメント】 ・正直なところ、今回出場の51組の中でもトップクラスで期待値の高かったユニットでした。 個々のキャラクターが強くて、ボケの主軸が分散してしまっている感じはあるものの、 コント色を強める事で上手く見せやすい、まとめやすいフィールドに持っていっているなと思いました。 「オリンピックを東京に!?」とは何と結びついているのか、「ファンです!」というのが一条さんのファンだとも見受けられる言い方だったりと、細かい部分で気になる部分もちらほらありました。 ・最初のボケである、登場人物がみんな名探偵だというのはいいとして、口調が違い過ぎてボケとして破綻している。 演じているメンバーに合わせたのは分かるんですが、キャラクター紹介すらないうちからの一発目としてはすごく不親切で、他のネタ見ているから知っているのを前提にしているような傲慢さすら感じます。 ここだけでもげんなりしましたが、そのあとの「招致しました」――テキストでしか伝わらないのは大目に見るとして――に対しての 「オリンピックを東京に」というノリツッコミなんだかよく分からない返しはどうかと……。 コント部分も、行数制限があるからある程度しょうがないとはいえ、人数の多さや特殊な職業を生かしたボケがなくて物足りないです。 サインのような複数のキャラクターが絡んだり他のキャラクターのフリになって話を動かすところがないと盛り上がらないですし、 せっかく名探偵という題材なのに自己紹介が大半を占めていて、本筋であるはずの事件とそこで出されるボケが取ってつけたようなものになっていて生かし切れていません――というか、 自己紹介が長いから他のキャラとの絡みや伏線を入れる余地がなくなって、結果的にその場その場を埋めるだけの弱いボケの羅列になっていたと思います。 人数が違いすぎるとはいえ、XENOGLOSSIAでは良質なキャラクター漫才を書けていたのですごく残念でした。 ・前回、BONBORIさんに「キャラを生かしたネタを書け」と云われたのが影響してるのか、 メイドがゲームやってたり、名台詞がカラコンの伏線になってたり、いちいち面白い。 女子プロ野球選手の使い方も上手かったけど、サインのくだりはベタ。 締めで全員テンション下がってるのも、何か得たいの知れない面白さを感じました。 ・大人数漫才の手本みたいなネタですねぇ。実に安定して面白いです。 全員キャラちゃんと立っててかつ把握しやすいですし、それぞれがそれぞれの邪魔にならず、相乗効果も出せている。 キャラおよびキャラ掛け合いの構成力はまぎれもなくトップクラスです。 もう、ユニットの持つネタのシステムがかなり高水準の精度で固められてるんだろうなって印象で、評価せずにはいられないですね。 ただそれでもコレはやっぱりね、もっと長いネタ向きなんでしょう。 それが滲み出ちゃってるのは、やっぱ観る上でデメリットになっちゃうかなと。 コレよりもっと展開できるであろう期待感を煽ってしまった上で文字数制限が来てしまうのは、物足りなさを倍増させてしまいますから。 私をはじめ、このネタをとても好きと言う人はいっぱいいそうだな、とも思いますケドね。 ・五人いながらも、しっかりキャラ分けされた上で複雑な絡み合いを表現できているのは流石だと思いました。 一通りストーリーにはなっているのですが、「時間が経過するに従ってどんどん面白くなっていく」という要素がもっとあると良かったんじゃないかと。 クインテットということで行数制限が厳しい面もあると思うのですが、 それでも「会話のリアリティの追求」を少し諦めればまだまだボケや展開を入れられるはずなので、そういう意味でもまだまだ伸びしろはあると思いますよ。