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 031 ガンバラナイズ  032 ハルマトメリー  033 センチメンタルゼリービーンパニック  034 池田佐藤  035 ごはんはごはん  
 036 リリコミンストレルショー  037 みるくちょこれーと  038 神風とくやこうや  039 ノーション  040 ワンダーランド


No.031 ガンバラナイズ
住職
小村:どうもガンバラナイズです。

五竹:そして私が最近幸運の壺を大人買いした五竹です。

小村:騙されてるからそれ!しかも大量に買わされちゃってるよ!

五竹:大量に買った方が安いんだぜ?

小村:騙されてるのは置いといて、まず幸運の壺複数個いらねえじゃん!

五竹:俺もそう思ったんだけど1個で100万円なのに10個でも100万円だったんだよ。

小村:もう在庫処分にまで利用されちゃってるよ!1円も上がらねえのおかしいって気付けよ!

五竹:話変わるんだけど住職の人ってかっこいいじゃん?
   仏だとか言ったり変な呪文唱えたりして頭の悪い人々からお金をむしり取るという。

小村:見方も歪んでれば価値観も歪んでんな!そんな汚い仕事じゃねえよ!あと壺買わされてるお前はその頭の悪い人だからな!

五竹:そういうわけで今から俺が住職するからお前は殉職して。

小村:俺は殉職すればいいんだな。
   そこまでだ!銃を捨てて大人しくするんだ!待て!落ち着け!落ち着っ・・・ぐふっ(脇腹を押える)
   ・・・死にたくねえ・・・死にた

五竹:ではこれより葬儀を開始します。私は住職の五竹と申します。

小村:俺もそっち混ぜて!なんで葬式やってる傍らで死なねえといけねえんだよ!?俺の葬式か!?

五竹:じゃあお前は俺が葬儀の参加者をうまく騙せるか見てて。

小村:仏信じてねえ奴が住職って時点でアウトだな!まあ一応見てやるよ。

五竹:ではこれより掃除を始めます。はいみんな机下げて。

小村:葬儀!あと葬儀の前にそういう挨拶多分ないよ。

五竹:先生!床が邪魔で机が下げられません!

小村:なんで掃除の方向で進み出したの!?あとそのクラスの生徒はバカなの!?

五竹:窓から落とせばいいじゃない。

小村:先生もバカなの!?なんでみんなして下に下げようとしてんだよ!?

五竹:キャー!!机が校舎から落ちてきたわ!

小村:その学校は早くつぶれろ!そして早く葬儀しろや!

五竹:お焼香の方3種類用意してるのでお好きな物を使ってください。

小村:お焼香に好みなんかねえよ!

五竹:本日は左から順に「のり玉」、「しらす」、「ご飯ですよ」となってます。

小村:なんでお焼香にご飯のお供そろえてんだよ!?「ご飯ですよ」は手でいけねえし!

五竹:では呪文の方を唱えていきます。

小村:お経な!あとそういうのも言わずに自然に読み始めればいいから。

五竹:聞いてください。「なむあみだくじ」。

小村:ミュージシャンかよ!というか南無阿弥陀仏だろ!一番大事なところ間違ってるよ!

五竹:なーむーあーみーだーくーじー
   なーむーあーみーだーくーじー

小村:全部間違っていくのか。「あみだ」が来たら「くじ」って子どもかよ。

五竹:ああーいきーてるーってーすばーらしーなー
   ああーわらーえるーってーすばーらしーなー

小村:そのままの日本語をお経っぽく言ってるだけじゃねえか!あとお経のメッセージ性が強いよ!

五竹:いきーてーいれーばーわらーえるーしー
   わらーってーいれーばーしわーふえーるー
   しわーがーふえーたらーかおーふけーてー
   かおーがーふけーたらーしにーたいーなー

小村:生きてるって素晴らしいって言ってんのに即死にたくなっちゃってるよ!しかも老けた程度で!

五竹:なーむーあーみーだーくーじー
   なーむーあーみーだーくーじー

小村:「なむあみだくじ」がサビみたいな感じになってるよ!

五竹:いきーてーいれーばーたべーれるーしー
   たべーてーいれーばーふとーってーくるー
   ふとーってーきたーならーだいーえーっとー
   やせーたらーなんーでかーしにーたいーなー

小村:生きてる素晴らしさを微塵も伝えられてねえよ!ダイエット成功してんのに何となくで死にたくなってんじゃねえよ!

五竹:なーむーあーみーだーくーじー
   カモン!

小村:「なむあみだくじ」を要求し出したぞ!?

五竹:そんなもんか?もっと元気よく行こうぜ!お前らの100%の「なむあみだくじ」来いよ!
   なーむーあーみーだーくーじー
   カモン!

小村:葬式で元気求めてんじゃねえよ!100%のなむあみだくじって何だよ!?

五竹:オーケー!お前らの「なむあみだくじ」、俺の心に届いたぜ!

小村:死んだ人に届けなきゃいけねえんだよ!「なむあみだくじ」じゃなくて「南無阿弥陀仏」をな!
   
五竹:よーおっ!
   チーーーーーン!

小村:一本締めみたいな終わり方しやがった!

五竹:どこからか香ばしい匂いがしてきましたね。

小村:お焼香からだよ!お焼香がご飯のお供だからだよ!

五竹:お供えの果物は帰りにみんなで分けてください。ただし!メロンは私がもらいます。

小村:なんでお前が取るんだよ!?しかも一番高級なやつを!

五竹:あとお供えのエロDVDとデスノートも不謹慎なので私がもらっときます。

小村:持ってきたやつ誰だよ!?あとお前それ欲しいだけだろ!

五竹:俺が新世界の神・・・ぐへへへへ

小村:何妄想してんだ!?というかデスノートは実在しねえからそれはただのノートだよ!
   仮に本物のデスノートがあってもお供えに出すバカはいねえよ!

五竹:では亡くなられた小村マサキさんの思い出DVDの方を流します。

小村:俺の葬式だったのかよ!仮想でも殺さないでくれよ!
   あとそういうのって会館とかの人が言ったりやったりするとこなんだけど!

五竹:小村マサキ奮闘記!
   お笑いに人生を賭けた彼の輝かしい活躍をご覧ください。
   ・・・153KB!

小村:長文初挑戦時のダメっぷりを流さないで!

五竹:クスリともしなかったです、0点。ボケがワンパターン、1点。

小村:なんでジャッジペーパーまで流れるんだよ!?

五竹:157KB!

小村:なんで低いやつばっか流すんだよ!?輝かしくしようという跡が全く見られんわ!

五竹:死ねばいいのに、20点。

小村:文面の割にこの得点なんだよ!?というかこんなジャッジペーパーなかっただろ!

五竹:裏ジャッジペーパーだよ。投稿されたけど放送受け付けられなかった審査や投稿すらされてない心の声のことな。

小村:放送すべきじゃないならこの場でも公表すんなや!投稿されてない心の声!?どうやって調べたんだよ!?

五竹:あの世でも今の調子で頑張ってください。

小村:このDVD見ただけだと「今の調子じゃダメだろ」って思われちゃうじゃん!良かったとこもちゃんと流せ!

五竹:はい、終わりです。じゃあ続いて先ほどいただいたエロDVDの方を流し

小村:ダメだろ!よく葬式の重い空気の中そんなことする勇気があんな!

五竹:あ、小村マサキさんの相方である五竹さんからメッセージが届いてます。

小村:お前俺の葬式に来ねえの!?というかお前が住職やってんのに何で芸人のお前が別人として存在しちゃってんだよ!?

五竹:では読みます。
   小村くん、マサキさん、御死亡おめでとうござ

小村:待て待て!死んで祝われるってなんだよ!?
   小村もマサキも俺だ!結婚式風に仕立てあげてんじゃねえよ!

五竹:薔薇色の生活が待ってるんでしょうねー!フゥー!

小村:死んで薔薇色の生活ってそれはすなわち地獄で血の色の生活じゃねえか!

五竹:小村さん、これが読まれているということはあなたはもうこの世にいないのでしょうね。

小村:死ぬ前に書いたの!?死んでから思いつづれや!

五竹:おそらく上から降ってきた机で頭を打って死んでしまうんでしょうね。

小村:さっきの学校のやつ!絶対そんな死に方しねえわ!死ぬ前に書くから予測になってるし!

五竹:覚えていますか?あの日僕はあなたにこう言いました・・・あれ?なんだっけ・・・・・・ちょっと忘れちゃいました。

小村:お前が忘れるような話すんじゃねえよ!

五竹:そしたらあなたは・・・なんか答えてくれましたね。
   そして僕がごにょごにょっと言うとあなたはそれなりのこと言って今となっては謎な表情をしましたね。

小村:話の何もかもが見えてこねえわ!全く覚えてねえじゃん!今となっては謎な表情?じゃあ忘れただけだろ!

五竹:こうやって思い出すと涙と癌の浸食が止まりません。

小村:いや大丈夫か!?恐ろしいものがサラッと出てきたけど!
   あとあれだけ何も覚えてなくてよく泣けるな!しかもそれ書いてる時点では俺まだ死んでないんだよね!?

五竹:これが読まれている頃には私はもうこの世にいないでしょう。

小村:癌の浸食具合どんだけやばいんだよ!?死者から死者への手紙ってもう何だよ!?

五竹:ご冥福を祈ったり祈らなかったします。平成10年2月

小村:待て!古すぎるだろ!何10年以上前から相方の死に備えてんだよ!?ご冥福は祈れ!

五竹:ではこれにて葬儀を終わります。お疲れしたー!

小村:なんだよこの葬式!やっぱり仏信じてないやつがやっちゃダメだな。

五竹:仏なんかほっとけよ。

小村:・・・

五竹:神様!思いっきりスベってしまいました!助けてください!

小村:仏は信じねえのに神は信じるのかよ!もういいよ!

二人:どうもありがとうございました。

予選総合第28位(3回戦敗退) ガンバラナイズ
審査員
点数
40 45 19 65 64 平均46.6
【審査員コメント】 
・「ごはんですよも手で行けるだろ」という野暮なツッコミはさておき、
 刑事役として、コントの中で殉職して死んだ設定の小村さんの葬儀をしていると受け取ってネタを読んでいたのですが、途中から素の漫才師である小村さんが取り上げられだしたので、そこが気になりました。
 「仏を信じていない」「幸運の壺を大量に買わされた」という五竹さんのキャラ設定も、葬儀のコントの中でもっと生かす事が出来るんじゃないかと思います。
 しかしながら、「メロンは私が頂きます」「癌の浸食」など、面白い部分はしっかり面白かったです。
  
・相方からのメッセージなどそれなりに光る部分もありますが、
 全体的に書き方が洗練されていなくて――これからやることを説明するところも上手く書けば面白くなりそうなのに、そこまでわざとらしくないからボケとして感じられなかったり――損をしています。
 弱い部分やちぐはぐな部分が多いのも残念です。

 たとえばですが、前半の偏見を持っているボケはいいとして、
 「呪文」に対してちゃんとにツッコんでいないのが気持ち悪いのと――コント部分ではちゃんとお経だとツッコんでいるからなおのこと――
 ここはもう何回か「呪文」を放置して、「さっきから気になってたんだけれど」とツッコむとかしてくれないと。他にも違和感を覚えた件を挙げていきますと。
 殉職のノリツッコミの時に、

 >小村:俺もそっち混ぜて!なんで葬式やってる傍らで死なねえといけねえんだよ!?俺の葬式か!?

 というセリフがあるからなんとなく小村の葬式というイメージが入り込むので、後半で小村の葬式だったと分かった時に「俺の葬式だったのかよ!仮想でも殺さないでくれよ!」というツッコむのに違和感がありました。
 お供えのデスノートと言われても単に漫画の単行本だとしか思えないので、本物じゃないというツッコミにとまどいました。

 次にお経を読みあげるところは――実際に、お経を弾き語り風に読むネタをやっている方がいるという不利は置いておくとしても――流れはちゃんとしているのに、
 ツッコミが言っているように子供レベルの言い間違えボケを引っ張りが――舞台で演じられているならまた違うかもしれませんが――テキストだけだと単調に感じます。
 またお経のリズム(?)をこちらで想像しなければいけないので、しっくりくるリズムを探すまでにどうしてもネタへの集中が出来ないこともあり、失速していました。
 そして、後半の内輪ネタははっきり余計です。いじるにしてももっと別な形があったはずです。
 スベってからの神頼みっていうオチも悪くはないですが、スベったあとの溜めないしやっちゃったという感じがないからハマりませんでした。
 もっといえば、ダジャレも急に出てきたからあわただしく閉じられた感じがします。そして、どうせならツカミの幸福の壷を再利用してもよかったのでは?

 もっとディティールを細かくしたり、不自然なやり取りがないか全体を見通すことを意識すればもっと面白くなると思います。
  
・思いついたことをただ辿って書いてるだけでは、
 頑張ってボケてるように見えても、
 多少テキストを読みなれた人からすれば全く面白くない。
 要するにベタ。
  
・んー、全体的に悪くないんですケドね。
 所々惹き込まれるようなくだりもありましたし、ちゃんと本来の面白さは発揮できている。 
 でも爆発的な大きな笑いがあるワケでも、ブラックホール級に人を魅了するほどのキャラや世界観も無いのは、ちょいと物足りないです。
 惹きつけた上での、畳みかけや高威力の叩き込みチャンスをちょっと活かせてなかったかなと。
 そこが壁ですね。
 あと、文字媒体での表現を完成品として提出する長文において、イントネーションに頼る比重の大きいボケ方は無理があります。
 そこは省いて別のモノにすり替えた方が良かったんじゃないかと。
  
・すみません、お経のくだりがドツボにハマりましたw そこがあるとないとでは10点ぐらい点数違ってたかもしれません…
 前半のボケはそれ以外の部分もそこそこインパクトがあったのですが、相対的に後半のインパクトが薄かったです。特にジャジペは余計かな、と。
 伏線とかは張れているので、あとはいかに後半で爆発させられるか、というところでしょうか。



No.032 ハルマトメリー
僕の相方はフォークロア
ハルマ:はいどーもー。始めまして、ハルマトメリーと申します。
    せっかくのMM−1なんでね、是非とも顔と名前だけでも覚えて頂きたいんですがね。

メリー:(ぴたーっ)

ハルマ:まぁね、片方は僕の背後から離れないので顔見づらいと思いますが。
    えー、簡単に説明いたしますと、僕の相方は都市伝説でお馴染み・メリーさんなんです。

メリー:私メリーさん。今、相方の後ろにいるの……。

ハルマ:まぁ言われなくても承知の上なんですけれども。出来れば横にいてほしいんですけれども。

メリー:さぁ今日も頑張ろうなの……世界に笑いの直通ダイヤルをかけていこうなの……。

ハルマ:何ですかそのダッセェの。決めゼリフかなんかですか?

メリー:この左手の動きが肝なの……。『直通』でこう溜めて、『ダイヤル』でこう回すの……。

ハルマ:背後だから見えませーん。ただ後ろでガチャガチャやってるとしか感じませーん。

メリー:今年はこのギャグを推していくの……ユーレー流行語大賞を狙っていくの……。

ハルマ:ユーキャンじゃないんですね。オバケの世界にもそんな俗っぽい賞があるんですか。

メリー:ちなみに去年の大賞はトイレの花子さんの『ティッシュを流したらドツいたるで!』なの……。

ハルマ:なるほど、意味もつかいどころもさっぱりです。
    ていうかいつも思うんですが、漫才師なんですから横に立ってくださいよ。

メリー:私メリーさんは、人前に立つのが恥ずかしいの……。

ハルマ:だからって人の後ろに立たれても困るんですが。ボブスレーみたいになってるじゃないですか。

メリー:ククッ、ボブスレー……ククク、確かに2人重なって……ククク、ククククククククク……!!

ハルマ:すいません、凄まじい恐怖なんですけど。人の背後でツボらないでください。

メリー:ふぃー、笑った笑ったなの……口裂け女が唇の乾燥に悩んでるのを見た時くらい笑ったの……。

ハルマ:ツボが全くわかりませんけどね。都市伝説はみんなこんなんなんでしょうか。

メリー:リップを塗るにも面積が広くて塗りきる前にリップ無くなっちゃってあああああ……カッコ笑いなの……。

ハルマ:何が面白いんでしょうか。笑えませんよ、戦慄の現場ですよ。カッコ狂いですよ。

メリー:口で言ってもわかりづらいの……じゃあちょっとやってみようなの……。

ハルマ:ムリっすムリっす。そんなエキセントリックな漫才コントやる自信がありません。

メリー:あー、今日は空気が乾燥してるの……口裂け女さんはどうなの……?

ハルマ:しかも僕が口裂け女役なんですか?ミスキャストこの上ないでしょう。
    大体人前が苦手ならなんで漫才師になろうと思ったんですか。

メリー:私メリーさんは、宮川大輔・花子師匠みたいな漫才師になりたかったの……。

ハルマ:凄いところに憧れましたね。確実に貴女と別次元に存在する人ですよ。

メリー:私メリーさんなのに、花子さんみたいになりたい……ヒヒ、クヒヒ、イヒヒヒヒヒヒヒヒヒ……!!

ハルマ:皆様、薄々お気づきでしょうがどうやら彼女はゲラのようです。
    背後で人外がゲラゲラ笑っている恐怖を想像してください。
    僕が強靭な精神力の持ち主だから漫才出来るんですよ。

メリー:ククッ、あっ、今のは宮川花子さんと、トイレの花子さんをかけて……。

ハルマ:わかってますから。わかった上でこの反応ですから。

メリー:はふー、笑った笑ったなの……人面犬がカラスに苛められてるのを見た時以来の爆笑だったの……。

ハルマ:あなた結構笑ってるじゃないですか。人の不幸は蜜の味タイプじゃないですか。

メリー:まぁそんなワケで男女漫才がしたかったの……だからハルマ君にコンビを持ちかけたの……。

ハルマ:なんで人間の僕をチョイスしたんですか。都市伝説内で見繕ってくださいよ。
    引き受けた僕も僕ですけど。いきなり電話で「一緒にテッペン取ろうなの」とか言うから。

メリー:ハルマ君のツッコミは都市伝説界隈ではもっぱらの評判だったの……。

ハルマ:うわぉ嬉しくない。まさか噂達に噂されるとは思いませんでしたよ。

メリー:まぁとにかく、私メリーさんは人の笑顔が見たくてお笑いの世界に飛び込んだの……。

ハルマ:なら前に出てくださいよ。僕の後頭部しか見えてないじゃないですか。
    ていうかその性格直した方がいいですよ、漫才師として問題山積ですよ。

メリー:……そんなにダメなの……?重なり漫才は斬新じゃないの……?

ハルマ:斬新っつっときゃいいってことにはなりませんからね。
    現状じゃぱっと見僕の一人話芸にしか見えませんから。掛け合いましょうよ。

メリー:でも、ジェットババア師匠はこのスタイルを褒めてくれたのになの……。

ハルマ:すいません、どこのどいつですか?師匠というので大御所であろうことはわかりますが。

メリー:ババア亭ムラサキ・ジェットのジェットババア師匠なの……全ての都市伝説芸人の羨望の的なの……。

ハルマ:まず都市伝説芸人界という世界があったことに驚きです。なにそれもこわすぎる。
    それより、もっと積極的になってもらわないと流石に困りますよ。
    背中から離れないからネタ合わせも一苦労ですよ。引っ込み思案にしても引っ込みすぎですよ。

メリー:じゃあ私がずっと後ろにいるのと、死ぬのはどっちがイヤなの……?

ハルマ:比較対象が極端すぎません?死が相手じゃあ何も適いませんよ。

メリー:……わかったなの……私も重なり漫才というスタイルに限界を感じていたところなの……。

ハルマ:そもそも重なり漫才に伸びしろ無いんですが。やってはいけない領域なんですが。

メリー:わかったの、明るくなるの……夜な夜な大爆笑しながら全裸で歩けるほどに明るくなるの……。

ハルマ:極端すぎます。それはそれで新たな都市伝説です。

メリー:でも明るくなるためにはどうすればいいの……?電球飲めばいいの……?

ハルマ:いいわけないんですって。何か常に手段が怖いんですって。
    そうですね、やっぱりスポーツなんていいんじゃないでしょうか。体動かすと明るくなりますし。

メリー:スポーツ……ボブスレー……?

ハルマ:あんまり動かないですね。基本的に乗り物に乗りっぱなしですからね。

メリー:でも、ボブスレーは2人重なってやるから私メリーさんにも出来るの……。

ハルマ:2人重なるスポーツ以外出来ないんですか?メリーさんとしての性質が裏目に出てしまうとは。

メリー:ハルマ君がボブをやってなの……私メリーさんはスレー担当なの……。

ハルマ:ボブとスレーで分かれていませんからね。勝手な名称を付けないでください。

メリー:私、スレーさん……。

ハルマ:メリーさんみたいな感じで言わないでください。なんですかスレーさんって。

メリー:ボブスレー……あっ、今の私メリーさん達、ボブスレーみたい……クククククク……!!

ハルマ:ああ思い出し笑いだ。皆さんにも感じて頂きたい、背後からくる風の不快感を。

メリー:ふぁー……こんなに笑ったのは黒船に乗って浦賀に近付いていった時以来なの……。

ハルマ:急に時代が飛びましたね。てかそれ完全にペリーじゃないですか。


メリー:私ペリーさん、今あなたの国にいるの……!!

ハルマ:メリーさんみたいに言わないでくださいって。当時の幕府的にはそんな恐怖だったかもしれませんが。

メリー:とある情報筋によるとペリーさんが私メリーさんのモデルであるとかないとかなの。

ハルマ:なるほど、とある情報筋はただの嘘つき小学生でしょうけどね。
    そんなことより、2人でやるスポーツならともかく、重なるスポーツなんてありませんよ。

メリー:ボブスレーなの、カヌーなの、レガッタなの、むかで競走なの。

ハルマ:意外とありましたね。これに関しては僕に全面的に非があります。

メリー:よっしゃ、2人でむかで競走の世界でテッペン取ろうなの……。

ハルマ:何でよりによってそれチョイスしちゃったんですか。むかで競走の世界とかよく知りませんし。

メリー:なんとなく『むかで競走』って響きが都市伝説にありそうだったからなの……。

ハルマ:よくわかんないですそのフィーリング。大体むかで競走は2人じゃ出来ませんよ、団体競技ですから。

メリー:だったら私メリーさんの都市伝説芸人仲間をたくさん呼ぶの……。

ハルマ:勘弁してください。メリーさんだけで相当な恐怖なのに他来られたら発狂します。

メリー:安心してなの、みんなハルマ君と私メリーさんの後ろについてもらうの……。

ハルマ:僕が化け物を束ねるボスみたいになるじゃないですか。百鬼夜行の主みたいになるじゃないですか。

メリー:みんなもハルマ君になら快くついてきてくれるの……。

ハルマ:僕はいつそこまで都市伝説の信頼を得たんですか。どんな噂が出回ってんですか。

メリー:ジェットババア師匠もしっかりと最後尾についてくれるの……。

ハルマ:荷が重いですよ。ジェットで走れる人を後ろにつけて走るプレッシャーが重いですよ。

メリー:ジェットババア師匠に限らず、都市伝説の女性は大体足が速いの……。

ハルマ:知りませんけれども。知ったこっちゃありませんけれども。

メリー:付き合うなら高収入、高学歴、高身長よりも高速の男。あるある!

ハルマ:何すかそのあるある。これほどまでに共感出来ないあるあるがあろうとは。

メリー:まぁ、速すぎて最悪の場合ハルマ君の体がバラバラになるけどさしたる問題じゃないの。

ハルマ:聞き捨てなりませんよ。恐怖味わうどころか殺されるじゃないですか。

メリー:その場合は『ツッコミのハルマくん』として我々を率いてほしいの。

ハルマ:何僕を都市伝説にしようとしてるんですか。何でなりたてでボスに就任しちゃうんですか。

メリー:ツッコミのハルマくん……HAHAHA、HAHAHAHAHAHAHAHAHAHA……!!

ハルマ:何でアメリカナイズなゲラを披露してるんですか。こっちとしては逃げ出したいですよ。

メリー:まぁでも、今の漫才を通して少しは明るくなれた気がするの。

ハルマ:こっちはだいぶどんよりしちゃいましたけど。命の危機がより身近になったんですけど。

メリー:何はともあれ、こんなに私メリーさんのことを思ってくれてるハルマ君を感謝してるの。
    ハルマ君、私メリーさんはずーっとハルマ君に 憑 い て いくの♪(ぴたーっ)

ハルマ:た―――すけて――――――――――――――――――――――っ!!!

2 人:どうもありがとうございました。

メリー:なの……。

予選総合第12位(準決勝敗退) ハルマトメリー
審査員
点数
65 92 20 77 71 平均65.0
【審査員コメント】 
・こういう女の子を立てるタイプの男女ネタを書いている身としては、初見のユニットですが、かなりの腕前だと思います。
 漫才自体の構築もさる事ながら、キャラ付けがよく出来ているなという印象です。
 しかしながら、笑いの量で物足りなさを感じたのと、オチの「ハルマくんがメリーさんを思ってくれている」という台詞に結びつく描写が不十分すぎるかなというのが気になりました。
  
・メリーの都市伝説ならではの暗くて怖い性格と普通のいい人であるハルマとのギャップ。
 都市伝説と流行語大賞や芸人といった日常的なものを掛け合わせがることで生まれるギャップ。メインとなる二種類のギャップの発生源である「キャラクター」と「掛け合わせ」の作り込みが細かさがすごい! 

 二人のキャラクターが魅力的で掛け合いが生き生きしていてすごく楽しかったです。
 都市伝説界の話はボケの破壊力もさることながら架空なのに実際に存在しているようなリアリティが感じられて――だからこそ掛け合いが生き生きとしているわけですが――ネタに引き込まれました。
 絶対作っているとき楽しかったろうなと分かる。ここに出ていない裏設定とかいっぱいあるんだろうな。

 メリーさんならではの設定を生かして上手く展開して、話の広げ方も切り替わりもスムーズ。随所で一度出したボケを踏み台にしたより大きな笑いを作っていて、
 特に最後のむかで競争でジェットババア師匠やハルマとの出会いなど、これまで出て来たボケが「ツッコミのハルマくん」でまとまったときは思わず「おお!」と唸っちゃいました。

 最初にボブスレーを出してきた時はすでに前例があることに引っ掛かっていたのですが、まさかこんな形で展開させるとは。
 「結構笑ってる」「意外とあった」「当時の幕府的恐怖」「重なり漫才」など細かなところでも確実に笑いを取っている腕もさすがです。
  
・冗長。それに尽きる。
 お話自体はよく作られているが笑いが無い。
  
・このキャラクター造形素晴らしいわ。
 ある程度既存のモノを基盤にしてるぶん、雰囲気や世界観をすんなり飲み込めると言うメリットを活かしきれている。
 んでもって、とても好感のもてる振る舞いが基調とされた喋りなので非常に惹き込まれるし、しかもそれがどんどん加速出来ている。
 掛け合いもトップクラスの出来ですし。
 互いがぶつかり合わずに立ち回れているし、かなり楽しめました。
 飲み込みやすく作ってるのに若干導入が長く、本編の文量が少し物足りない気がしたのがちょいと勿体無かったですが、それ以外はなかなかに上等な出来でしたね。
  
・キャラ設定が斬新かつ、よく笑いにつながっていたと思います。
 導入から「笑いの直通ダイヤル」などキャッチーなボケを繰り出せているというのも素晴らしい。キャラ漫才のお手本とも言えますね。
 ただ、全体的に笑いの頂点はちょっと低かったかなぁ、と思いました。内容自体はずっと面白いんですけどね。



No.033 センチメンタルゼリービーンパニック
グリムにも告ぐ
高岡「どうもセンチメンタルゼリービーンパニックですけども」

国立「洗濯機ずきんちゃんってのを考えたんだけど…」

高岡「ごめんちょっと状況が読めないんだけど」

国立「いやだから、赤ずきんちゃんってあるじゃん?
   頭巾の代わりに、洗濯機をかぶってもらうのね」

高岡「……は?」

国立「そもそも赤っていう色、なんか怖いでしょ。
   っていうかあんな色のもんかぶらせて森に子供一人で行かせるとかどうかしてるだろ。
   闘牛とか突っ込んできちゃうよね」

高岡「何その発想!そもそも森に野生の闘牛がいねぇよ」

国立「赤よりも白の方がいいんだよね。白の方が純情そうでしょ。
   どうしても赤使いたいなら白い頭巾を最後のシーンで狼の血を使って赤に染め上げるとかね」

高岡「武骨だな!なんだそのラストシーン!そっちのほうがだいぶ怖いよ!」

国立「一人前になるために狼の血で染め上げるんだよ」

高岡「どこの部族なんだよ赤ずきんは」

国立「赤はダメなんだよ。物騒だから。だから白…白物家電をかぶらせるんだよ」

高岡「なんだその発想!なんで白物家電なんだよ」

国立「昔、家電ができた時に白を基調にした洗濯機や炊飯器とともに…」

高岡「あ、いわれを聞いてるんじゃなくて!決してそっちではなく!
   なんで家電をかぶる必要があるんだって話を聞いてんだよ!」

国立「あ、そっち?
   ……まぁ白物家電をかぶった方が面白いことになるんだよ。今から読むから」

高岡「いやまぁ面白いことにはなるだろうけど」

国立「むかしむかし、あるところにそれはそれはかわいい女の子がおりました。
   ある時、女の子のおばあさんは、白い白い素材を使って洗濯機を作ってくれました」

高岡「業者なのかな?おばあさんは家電業社の人なのかな?」

国立「女の子は、その洗濯機を大変気に入り、ついにはかぶりはじめました」

高岡「やっぱりおかしいよ!どう考えても無理があるだろ!
   かぶるまでの動向が不明すぎるもの!」

国立「片手で持ち上げ、かぶりはじめました」

高岡「豪傑か!なんなんだその力持ちの設定!
   体の動向よりも心の動向が知りたいよ」

国立「その様子から、女の子は、『洗濯機ずきんちゃん(笑)』と陰で呼ばれはじめました」

高岡「バカにされてんじゃん!陰で悪口として言われてるじゃん!」

国立「ある日、洗濯機ずきんちゃんのお母さんは言いました。
   『おばあさんが病気になってしまったのよ。お母さんは用事があっていけないけど、
    おばあさんはあなたを大変可愛がってくれたのだから、
    お見舞いにいってあげなさい。あとそれ脱ぎなさい』」

高岡「俺も同じ気持ちだよ。脱ぎなさい早く。首折れちゃうから」

国立「多少の沈黙のあと『それじゃあ、このケーキと葡萄酒をもっていきなさい』
   お母さんはケーキと葡萄酒の入ったかごを洗濯機ずきんちゃんに渡しました」

高岡「脱がなかったねこれ。相変わらず洗濯機ずきんちゃんだもんね」

国立「お母さんは不安でした。
   洗濯機ずきんちゃんが一人で外に出るのは初めてだったからです。あと脱がなかったからです」

高岡「不安なのは初めて一人で外に出ることよりも脱がなかった方がでかいだろうね」

国立「『いいですか?道草を食ってはいけませんよ。
    オオカミにあっても、知らん顔をするのですよ』」

高岡「オオカミすら近寄らないと思うけどな。完全にヤバいヤツだもん」

国立「『いってきまーす』洗濯機ずきんちゃんは、お母さんから渡されたケーキ、
    葡萄酒が入った箱、バッテリーを大事に抱え、家を出ました」

高岡「完全に余計なもん持ってる!絶対出掛け先で頭のやつ動かすつもりだろ!」

国立「洗濯機ずきんちゃんがスキップをしながら歩いていると」

高岡「首が強すぎるな。なんで洗濯機かぶっててそんなに軽快なんだよ。
   なんなんだよそのヒロインの豪傑ぶりは」

国立「向こうの方からオオカミが歩いて来ました。
   『こんにちは。洗濯機がかわいい洗濯機ずきんちゃん(笑)』
   オオカミはニヤニヤしながら言いました」

高岡「オオカミにもバカにされてんじゃねぇかよ!
   絶対『こいつが噂の…』的な感じで近づいてきてるじゃん!」

国立「赤ずきんは言いました。『すいません、顔見えないんですけど誰ですか?』」

高岡「そんなもんかぶってるからだよ!脱げ!早く脱げ!」

国立「『ぼ、僕はこの森の精さ!』」

高岡「見えないのを良いことにめっちゃ嘘つかれてるよ」

国立「森の精にしてはダミ声が過ぎましたが、顔も確認できないことですし、
   それに『森の精なら…』ということでちょっと話を聞いてみることにしました」

高岡「ちょっと疑ったなら脱いで確認しろよな」

国立「『こんな森を一人でどこに行くの?』洗濯機ずきんちゃんは答えました。
   『あのね、おばあちゃんの家よ。ここから30分くらいなんだけど、
    病気だからお見舞いに行くの』」

高岡「まぁ洗濯機かぶってるお前も相当な病気だけどな」

国立「オオカミは、おばあさんを食べてしまうことにしました。
   それには少し時間がいります。
   そこで、オオカミは洗濯機ずきんちゃんに寄り道をさせることにしたのです」

高岡「お母さんが寄り道すんなって言ったのになぁ…」

国立「狼『この辺の森は小鳥がいっぱいいるんだ!』
   洗『…』
   狼『……あ、あっちの方に綺麗なお花畑が…』
   洗『………』
   狼『……あそこにコインランドリーが』
   洗『マジすか?!』
   洗濯機ずきんちゃんは食い気味にはしゃぎました」

高岡「それしか興味ねぇのかよ!洗濯機大好きだな!」

国立「洗濯機ずきんちゃんはオオカミの話もそこそこにコインランドリーに走っていきました」

高岡「何て言う病気なんだろねこれ」

国立「洗濯機ずきんちゃんがコインランドリーで乾燥機の魅力にとりつかれている間に、
   おばあさんを丸飲み、おばあさんに変装し、シャワーを浴び、
   一通りゴールデンタイムのバラエティを見て、一眠りしました」

高岡「なかなか来ねぇな!魅力にとりつかれすぎだろ!
   30分くらいの距離にいたんだよね?!」

国立「『へぇ、こんな感じで回るんですねぇ…あ、こんな形も…へぇ…あっ!』
   洗濯機ずきんちゃんは管理人に靴用の洗濯機の説明を受けてる辺りで
   おばあさんの用事を思い出しました」

高岡「興味津々だな!コインランドリーにあるもん一通り見せてもらってるだろこれ!」

国立「急いでおばあさんの家に向かい、到着した頃には
   オオカミは起きてから食事を2回、シャワーを1回終えていました」

高岡「長いんだよ!どれだけ待たすんだよ!おばあさん消化しきっちゃうよ!」

国立「洗濯機ずきんちゃんが家に到着し、家に入ろうとすると、
   頭がつかえて入れませんでした」

高岡「物騒なもんかぶってるからだよ!」

国立「そこで洗濯機ずきんちゃんは、脱水のボタンを押し、
   脱水時の揺れで少しずつ押し込む作戦をとりました」

高岡「脱げ!脱いで入れ!なんでそこまでするんだよ!」

国立「15分かけてガタガタ言いながら入りました」

高岡「またそこそこ時間かけたな!」

国立「『あらよく来たね洗濯機ずきんや。よく、よく来たね!洗濯機ずきんや!
    ちょっと!聞いてる?!あーもううるさいな!おい!ちょっと!!』」

高岡「脱水切れよ!ガタガタ言って全く聞こえてないじゃん!」

国立「オオカミは大きく揺れる洗濯機ずきんちゃんを押さえ込み、
   なんとか脱水のボタンを切り、バッテリーからコードを抜き、言いました。
   『はぁ…はぁ…よく来たね洗濯機ずきんや…』」

高岡「もう大仕事だな。業者のサービスみたいだもん」

国立「洗濯機ずきんは明らかに毛むくじゃらのおばあさんに言いました。
   『元気そうね。じゃああたし帰るわね。お大事に』」

高岡「全く見えてないなこれ!」

国立「なんか寂しくなったオオカミは言いました。
   狼『あの…手とかどう?』
   洗『見えないわ』
   狼『じゃあ耳は?!』
   洗『見えないわ』
   狼『口は?!』
   洗『全然見えないわ』」

高岡「脱げよ!あとこんだけわけわかんない質問してることに疑問を持て!」

国立「オオカミは我慢が出来なくなりました。
   『この口はっ、おっ、お前を食べるためだよぅ!』」

高岡「強引に突破したな!」

国立「その時です!洗濯機ずきんちゃんは洗濯機のコードをバッテリーに繋ぎ、
   素早く脱水のボタンを押しました!」

高岡「匠かこいつ!小慣れてんな!」

国立「オオカミは脱水の揺れで喉の粘膜を刺激され、
   思いっきりおばあさんと洗濯機ずきんちゃんを吐いてしまいました」

高岡「まぁ揺れるからな。かなり刺激されるよな」

国立「おばあさんはびっくりし、悲鳴をあげました。
   それに近くにいた猟師が気づき、駆けつけました」

高岡「え、もう助かってるよな?どうすんだよ」

国立「『どうしました?!ばっ、化け物!』
   洗濯機ずきんちゃんに向けて思いっきり発砲しました」

高岡「そりゃそうなるわ!見るからにヤバいヤツだもん!」

国立「その弾が跳ね返り、オオカミに命中。オオカミは息絶えてしまいました」

高岡「もうオオカミ不憫だわ…ついには流れ弾で死んじゃったよ…哀れすぎるよ…」

国立「おばあさんが猟師に言いました。『この子は人間です!』おばあさんが説明している間に、
   洗濯機ずきんちゃんは洗濯機をオオカミの血で赤く染め上げました」

高岡「武骨な部族のしきたりきた!
   もう最後赤くするなら布でいいだろ!布のやつかぶれよ!」

国立「一人前になった洗濯機ずきんちゃんは、ついに洗濯機を脱ぎ……」

高岡「脱いだ!ついに…」

国立「乾燥機付きのドラム式をかぶりましたとさ」

高岡「コインランドリーの乾燥機に憧れてただけかよ!もういい加減にしろ!」


No.034 池田佐藤
映画デート
佐藤:どうも池田佐藤です。よろしくお願いします。

池田:突然ですけど佐藤さんって、デートで映画を観た後の会話がうまく出来なかったのが原因で昨日彼女と別れてそうですよね。

佐藤:よくわかったね。俺それ口に出してないのに。

池田:佐藤さんが口に出さなくても僕は口に出してましたよ。

佐藤:なに言い触らしてんの!?

池田:そんな佐藤さんのために、ちょっとこの場を借りパクして練習しましょう。

佐藤:借りたら返そうよ!まーでもやってくれるのはありがたいね。映画デートの彼女とのトークは世界で三番目に難しいから。

池田:いやー面白い映画でしたね!

佐藤:敬語なの?まーいっか。そうだね、あのクライマックスは感動したね。

池田:ちょっと泣いちゃいましたよ僕。

佐藤:待って。一人称が「僕」っておかしくない?

池田:え?今までもそうだったじゃないですか。

佐藤:お前池田じゃねーか!

池田:当たり前でしょう。

佐藤:いや違う違う!今お前は流れ的に彼女役やるとこでしょ!?

池田:あ、僕が彼女役をやるんですか?なんだ、だったら初めからそう言って下さいよ。とんだ二度手間じゃないですか。

佐藤:ごめんね。

池田:いやー面白い映画だったね!(裏声)

佐藤:存外、役作りに努力を注いでくれたね。でも何ッキーマウスだお前って感じだよ。まーいっか。
   えーっと、そうだね。あのクライマックスは泣けたね。

池田:ハハッ!そうだね!(裏声)

佐藤:もう絶対ミッキーだよね!?

池田:何言ってるんですか。僕の姪に向かって。

佐藤:お前の姪そんな裏声の使い手なの!?夢の国に住んでるの!?
   いや、ていうかそうじゃなくて、なんで姪を演じたの!?俺の彼女役だから!俺の彼女を演じてよ!

池田:えー?だって佐藤さんには今彼女いませんから、演じようがないじゃないですか。

佐藤:真面目か!だからってお前の姪を演じる道理はないよ!適当に演じてくれればいいから!ネズミ以外で!

池田:佐藤さんは彼女を適当に選ぶんですか!?予想を超えるクズですね!

佐藤:だから真面目か!別にそういう意味で言ったわけじゃっていうか若干のクズ予想はしてたの!?
   いやお前が彼女役やってくれないと世界で三番目に難しいやつが練習できないだろ!
   もうさっきの著作権に対してうるさそうなお前の姪でいいから、とっとと演じてくれ!

池田:僕の姪「で」いい、ですか?

佐藤:お前の姪がいい!お前の姪がいい!ミッキーミッキーマウス!

池田:わかりました。では姪を一晩だけ愛する権利を差し上げましょう。

佐藤:不真面目か!そもそもなんでお前がその権利を譲渡できるの!?お前と姪の間のおぞましい力関係が背後に垣間見える!
   あーもう面倒くさいから、池田のままでいいよ!

池田:え!?佐藤さんは今までそういう目で僕を!?

佐藤:そうそう!だから早くやって!

池田:いやー面白い映画でしたね!

佐藤:そうだな。特にクライマックスのシーンは感動したよな。

池田:クライマックスっていうと、幸せだった主人公が一転不幸のどん底に突き落されて崖から身を投げたあのシーンですか?

佐藤:後味わるっ!確実にデートには向かない映画だ!でも今は相手が池田だし別にアリだな!
   あれ!?てかこれ練習になるのか!?

池田:でも確かに泣けましたね。

佐藤:泣けたの!?涙腺バグってんじゃない!?

池田:まさかジョンが生きているとは・・・。

佐藤:ジョンって誰だ!身を投げた主人公か!?ならよかったけど!

池田:っていう主人公の台詞が印象的でしたね。

佐藤:台詞かよ!主人公=ジョン説が消えたわ!フーイズジョン!

池田:ていうか、ひょっとして佐藤さん、ちゃんと映画を観てなかったんですか?

佐藤:いやごめん。実はポップコーン食べ終わった辺りで寝ちゃったんだ。

池田:それ映画が始まる前じゃないですか。

佐藤:お腹ペコペコだったんだよ。

池田:その節は、9割ぐらい食べちゃってすみませんでした。

佐藤:まだ俺ペコペコじゃねーか!ってそれはどうでもいいよ!
   とにかく寝ちゃってたからさ、悪いけど簡単に映画のあらすじ教えてくれない?

池田:仕方ないですね、わかりました。黒の組織となんやかんやあって主人公が崖から身を投げてエンディングです。

佐藤:黒の組織がどえらい気になる!ていうか簡潔具合が嫌がらせだよ!
   そのクライマックスの身を投げたとこだけでも、もうちょっと詳しく説明して欲しいな!

池田:わかりました。崖から飛び降りるシーンでは、まず主人公の仲間とジョンが対決するんです。

佐藤:ジョンは主人公サイドじゃなかったの!?黒の組織なの!?

池田:そこに主人公が駆けつけるんですが、時すでに遅し。

佐藤:わかった!仲間は既にやられちゃってたんでしょ?

池田:はい、相討ちです。

佐藤:ジョンもやられたの!?それもう全部終わった後じゃん!主人公来るの遅いよ!

池田:電車が遅延してしまったんですよ。

佐藤:知らないよ!今回は遅延証明書を提出しても許されないパターンだよ!

池田:主人公が崖に到着したとき、その場にはジョンと相討ちした仲間の亡骸が何万と転がっていました。

佐藤:大所帯!何万を相手に互角ってジョン頑張り過ぎでしょ!ちょっと引くわ!

池田:その惨劇を目の当たりにして、主人公は崖から身を投げたわけです。

佐藤:なるほど!仲間の死を追ったわけね?

池田:いえ、ジョンの死を追ったんです。

佐藤:何万の仲間よりもジョンとったの!?二人はどういう関係!?ていうかそれ何万の仲間たぶん数友だろ!

池田:そこでトゥービーコンティニュード。

佐藤:続くの!?あ、でもよかった!ってことは主人公は無事なんだね!?

池田:続編の主人公は違う人です。

佐藤:有事じゃねーか!

池田:エンディングの後の続編予告で、二代目主人公は言いました。まさかジョンが生きているとは・・・。

佐藤:それ予告の話だったの!?主人公は主人公でも二代目の台詞かよ!
   ていうかジョンが生きてたら初代主人公の後追い身投げが無駄に終わってるじゃん!
   もう絶対コケるだろその続編!

池田:でも、続編もまた一緒に観たくないですか?ね、ミキちゃん。
   ハハッ!そうだね!(裏声)

佐藤:姪も連れてたの!?何気に名前もギリギリだな!ていうか三人もいらないよ!練習の邪魔だよ消えて!

池田:安心して下さい佐藤さん。もう僕は空気を読んで帰りますから。引き続き、姪とデートを楽しんでください。

佐藤:俺お前の姪とデートしてたの!?なのに今まで叔父が出しゃばってたの!?試合を支配していたの!?

池田:ハハッ!これが本当の、姪がデートさ!(裏声)

佐藤:俺がしたかったのは映画デートだ畜生!もういいよ!

池田佐藤:どうもありがとうございましたー

予選総合第43位(1回戦敗退) 池田佐藤
審査員
点数
 6 16 11 42 52 平均25.4
【審査員コメント】 
・「女の子と一緒に映画を観た後、話をする」というシチュエーションの練習をするコント漫才というテーマが少々ブレ過ぎかなという印象です。
 佐藤さんが映画の最中に寝てしまっているなどの落ち度について池田さんが追求しなかったりしているあたり、
 「見逃してしまった映画のあらすじを説明する」というコントに完全にすり替わってしまっていると思います。
 もっと本来のシチュエーションに重点を置いてネタを作るべきかと思いました。
  
・ツカミはそこそこの面白さがありこれからの展開も分かりやすく伝えていてスムーズな導入になっていたし
 ――四行目の池田のセリフではではどこで知ったのかという疑問が解消されないのがすごく気になりましたが――
 借りパクも上手くて期待したのですが、本編が作者一人だけで楽しんでいるようでいまいちでした。
 なんというか、ツッコミが特にそうなんですが、細かく説明しなくても分かってくれるだろうという決めつけがひどすぎます。
 「練習しましょう」というセリフだけなら、池田が彼氏役として手本を見せるという流れでもおかしくないから、佐藤のツッコミに共感できませんし、
 「(裏声)」からミッキー引っ張ていくわけですが、(裏声)だけでミッキーのような声をだしたと想像してくれるとは限らない――実際、僕は違った声を想像しました――から
 「何ッキーマウスだお前って感じだよ」というセリフにやっぱり共感できないし、無理矢理誘導しているようで、ここを引っ張られても笑いにはつながりませんでした。
 後半は映画の内容に話が移るわけですが、

 >佐藤:泣けたの!?涙腺バグってんじゃない!?

 ここ読んで思わず、主人公が不幸に落ちて自殺すれば泣くわ! とツッコんでいました。これで泣くのがおかしいと思うのなら、もっと。
 そして「まさかジョンが生きているとは・・・。」っていうフレーズの引きが強くないし、映画の内容も無理してボケたようで薄っぺらく感じました。
 まだ、前半のデートだけで展開していればよくなった可能性もあると思うのですが……。
  
・日本語も会話もめちゃくちゃ。
  
・既視感の否めない展開か、状況が飲み込みづらいのに説明が丁寧でなくかつ情報量の過多なくだりばかりでした。
 威力不足か威力ロスのどちらか。
 見せ方だけで個々の威力が半減しているカンジです。
 この「本題の面白さに手が届かない感」はただのロス以上のデメリットになりますからね。
 文章は基本、長くするなら「惹きつけ」が、短くするなら「インパクト」が欲しい所です。
 そーゆー特性が活かされていないのが非常に残念です。
 発想や言葉選びのセンスはなかなかのものだと思いますので、それをどう伝えるか。
 それの工夫がもっと欲しいですね。
  
・7行目と8行目の間(コントを開始する時)には、改行で間隔を開けるか描写を工夫するなどして、コントに入った事を分かりやすくした方がよいと思います。

 フレーズ選びは悪くなく、細かい部分での工夫はいろいろと見られて良かったです。
 ただ、他の審査員の指摘と重複しますが、本題であるはずの「デート」のくだりがほとんど無く、自分勝手な方向にボケが進んでいたのが気になりました。
 特に後半の映画の内容の話は、デートとは直接関係無かったと思います。
 全体として、もう少し「狙い」というか、笑いどころの焦点を絞ってみても良いのではないでしょうか。



No.035 ごはんはごはん
ミリオネア
玉山:ごはんはごはん玉山です
大島:大島です
苫米地:苫米地です
3人:ごはんはごはんです。よろしくお願いします

大島:僕ね、ミリオネアに出てみたいんですよ
玉山:なるほど

苫米地:問題です
玉山:ヘキサゴン!
大島:へ?
苫米地:神奈川県の県庁所在地はどこでしょう?
    はい、ピンクチーム
玉山:横須賀
苫米地:ちゃうやん。もっと有名な町あるやん。何で外すねん
    でも、そうやっておバカキャラを貫くのって、ステキやん

大島:これじゃない
   俺がやりたかったのは、これじゃない
玉山:でも、クイズ番組ですよ
大島:そうだけど、その番組はそうじゃないんだよ
   今は表舞台に立てない人が出てるし
玉山:誰ですか?ムーディ勝山ですか?
大島:ちげぇよ!その人はただ単にブームが去っただけだよ
苫米地:誰ですか?島田紳助じゃないですもんね…
大島:それだよ!
苫米地:僕はあの人に言ってやりたいですよ。「あなたの真実は?」って
大島:ばか野郎!
   後々怖いし、もうこの話はここで終わりにしよう。そして、ミリオネアをやろう
苫米地:で、大島さんが挑戦者だとして、僕らはどうすればいいですか?
大島:う〜ん…。じゃあみのさんやって
玉山:すいません、みのさんって誰ですか?
大島:え?みのさん知らないの?
2人:はい
大島:いや、そんなこと無いでしょ…
苫米地:いや、大島さんは博識だから知ってるだけなんですよ
大島:んな訳あるか!毎日テレビに出てるし、みんな知ってるだろ
玉山:あ、あの沢山の人の前に立って話する人ですね
大島:まあ、多分それで合ってるよ

玉山:私は見られて興奮するぞ!

大島:それは、みのじゃなくてシノだよね。何人が分かるんだよ
苫米地:あ、思い出しました。毎日のようにテレビ出て、黒い人ですよね?
大島:ん?あ、まあ黒いかな…

苫米地:明日もまた見てくれるかな?

大島:それはタモリさんだね。確かに毎日のようにテレビ出て、黒い人だけど、タモリさんが黒いのはサングラスだから
苫米地:頭の方はどうなんですか?
大島:ノーコメントで
玉山:あ、毎日のようにテレビ出て、黒い人ですね。わかりました
   お前なぁ、そんな訳無いやんか。ホンマにアホやな〜。この話のどこが深イイねん
   でも、それってステキやん

大島:ストップ!
玉山:あれ?違いました?
大島:違うよ!それにその人は“毎日のようにテレビ出てる人”じゃなくて、“毎日のようにテレビ出てた人”だから
苫米地:あなたの真実は?
玉山:ん〜、黒
大島:コラ!それ黒い人の意味違うから!
苫米地:あ、黒い人ですね
    ど〜も〜。オセロの黒い方で〜す

大島:えらい雑だな!
   確かに黒い人だけどさ…。その人に触れない訳にはいかないか
玉山:ちょっとみのさんについて、もうちょっと詳しい情報無いんですか?
大島:みのもんただよ

苫米地:その人って、昼に電話で奥様の悩み相談したり、全ての県民にカミングアウトさせたり
玉山:夜に高い酒を呑んだり、SDNと一緒に歌う人じゃないですよね…
大島:それがみのもんただよ!
2人:え?
玉山:シンジラレナーイ
苫米地:マリーンズノファンハ、イチバンデース!
大島:何で反応がプロ野球の外国人監督なんだよ
   苫米地は驚いてすらないし
玉山:じゃあ僕が先にみのさんやりますね

玉山:次のうち、プロ野球の球団の本拠地でない都道府県はどこ?
   A埼玉、B宮城、C愛知、D神奈川
大島:え?全部チームがあると思いますけど…
玉山:答えが分からないと。では残念、大島さんはここでドロップアウトです

大島:何でだよ!せめてライフライン使わせろよ!
玉山:いや、お金払いたく無いですし…
大島:知るか、そんな都合
   つーかさっきの答えどこだよ
苫米地:Dの神奈川ですよ
大島:何でだよ。横浜があんじゃん。今年結構話題だし
玉山:いや、横浜は…
苫米地:プロのレベルとは…
2人:ねぇ…
玉山:とりあえずファンに謝れ!
   ちゃんとみのさんやって

苫米地:次のうち、新幹線の名前でないのはどれ?
    Aこだま、Bひかり、Cつばさ、Dふじ
玉山:ポ〜ン
大島:!?
苫米地:はい緑の玉山さん
玉山:Aの、こだま
苫米地:残念。Dのふじとお答えいただきたかった
    次の問題は3人で参ります。どうぞ

大島:いつの間にか番組変わっちゃったよ!
   何だよお前ら、適当に好き勝ってやりやがって!

玉山:え?僕は悪くないですよ。今のは苫米地が悪い
苫米地:え?僕は苫米地じゃないですよ
玉山:じゃあお前は誰だ!
苫米地:オイラはボイラ
玉山:知らない人は覚えてね
(2人、ハイタッチ)

大島:いいよ、一発ギャグっぽくしても披露するの今日までなんだからさ
玉山:わかりましたよ。じゃあ最後に真剣にみのさんやりますから
大島:ありがたいね

(間)

苫米地:あの、次は大島さんがやる番ですよ
大島:俺かい!
玉山:早くやって下さいよ

大島:次のうち、2011年シーズンに、四番を打っていない選手は誰?
A福浦和也、B関本健太郎、Cマット・マートン、D坂本勇人 さあどれ

玉山:ああ、みのさんってそんな感じなんですか
苫米地:勉強になります
玉山:流石は大島さん、頼りになりますよ
苫米地:ホントホント。大島さんってホンマに
2人:ステキやん

大島:それやめろ!もういいよ
(3人:礼)

予選総合第45位(1回戦敗退) ごはんはごはん
審査員
点数
 4  6  1 26 45 平均16.4
【審査員コメント】 
・このネタにトリオである必要性が感じられませんでした。 ネタの肝であるクイズのくだりで1人余っちゃってるわけですし。
 芸能人の個人名の出し方も、あまり面白い出し方ではないかなという印象です。
 時の人の名前出しときゃブラックジョークっぽいだろっていう履き違えをしているような感じがして、なんだか面白くない人に見えちゃいます。
  
・毎日出ていた黒い人のブラックさは笑いましたがいくらなんでも引っ張り過ぎだし、番組もしくは人が違うというボケばかりものすごく中身が薄いです。
 バリエーションをつけようとしていても、セリフの作り込みや番組の模し方が浅くて笑いにはなりません。
 番組以外でも、みのさんの情報を言うところはも普通に知っていることだけで――SDNと歌ってるのは知らなかったですけれど――終わらせるのではなく、
 Wikipediaでもいいからすごく細かい情報をだすとかそういう初歩の工夫ぐらいはしてください。

 色々気になるところはありますが、一番謎だったのは大島がみの役をなんで受け入れられるのか。回答者をやりたいとずっと言っていたし、直前に

 >玉山:わかりましたよ。じゃあ最後に真剣にみのさんやりますから

 というセリフがあったのに、急に自分の番だと言われてツッコミもしないのか――あのセリフじゃツッコミじゃないです――本当に疑問です。
 大島にみの役をやらせたいなら、普通に見かねたから手本を見せるっていう流れにすればなんの問題もないのになんでですか? それからその大島の司会を見たあとで

 >玉山:ああ、みのさんってそんな感じなんですか

 とありますが、別に玉山と大島の司会に全然差がないから――あとついでにですが、玉山がやったときに(クオリティは別にして)みのさんの司会を真似ておきながら、
 その次のボケが番組が変わるという最初にやったのとを番組だけ入れ替えただけ(別に天丼というわけでもなく)という無神経さはどうかと思います――どこがどう勉強になったのかさっぱり分からない。
 ライフライン使わせないとかそういうボケはありましたけれど、そこを見せる前にさっさと終わらせちゃっているし。
  
・ははっ
  
・いや、素直に楽しめないなってくだりが流石に多すぎますよコレ。
 ブラックな話をこんな長々続けたら辟易しますって。
 ネチネチしますもん。
 こーゆーのは本来、「気付いたら毒吐いてた」辺りがちょうどいいくらいなのに。
 笑わせたいのか、ただ悪口言いたいのか、どっちがメインなのかハッキリしないですし。
 繰り返す部分の全部が完全に裏目。
 改行の区切り方もテンポ悪くしてるだけですし、自分以外の人が読むのだという意識が不足気味な気がします。
 ボケ二人の扱いとかはそこそこ上手いのに、減点せざるを得ない部分が目につきすぎました。
  
・やりたい放題だったと言えばそれまでなのですが、3人(というか特にボケの2人)が楽しそうに漫才をやっているのは良かったです。
 芸能人ボケの使い方は上手かったのですが、どちらかというと、本題である「ミリオネア」でもっといろんなボケが見たかったです。
 この状態だと「ベタなボケがたくさん並んでいた」止まりなので、もっと内容自体に工夫を凝らしてほしいところです。
 3人でテンポよくネタをやるとなると100行は短いようにも見えますが、ボケ2人の役割の違いをハッキリさせるなどして上手くやってみてください。



No.036 リリコミンストレルショー
コンヴィニエンスットーア
悪原:あくぅーはらんらんらん、まちぃーまちんちんちん。りりこみんーすとれるしょぉ〜♪

町々:止めてよ……なんか俺の名前が下品になってる……。

悪原:みたいなリリコミンストレルショーです!!
   みんな元気!? 俺も元気だよ!! なーんちゃって、うっそぴょーん!! 癌です!!

町々:嘘つけよ。かなり元気に見えるよ。

悪原:さあ、と言うワケで漫才始めようぜ! そうだな、始めようか! 
   そうよね、漫才したほうがいいわよね! おおそうじゃ、全くその通りじゃよ!

町々:お前別人格しまえよ……。俺、置いてきぼりじゃねえか……。

悪原:ところでさ、生けとし生けるものがいとあはれに群雄割拠して、
   這い寄る旧支配者たちが色々と混沌を売ってる24時間営業の便利なお店ってあるじゃん?

町々:え、な、何言ってんの!? ……コ、コンビニのこと……?

悪原:あぁ、そうだコンビニだ! コンビニだコンビニだぁ!

町々:コンビニで合ってたんだ……。群雄割拠とか旧支配者たちとか、また得意の幻覚なんだろうな……。

悪原:いやー、昨日生まれて初めてコンビニ行ったんだけど凄いね。

町々:初めて? 今までコンビニ童貞とか、お前の生活一体どうなってたんだよ。

悪原:で、話は戻るけどコンビニってすごいよね!

町々:いつ脇道に逸れたんだよ。お前一つ前もコンビニ凄いとしか言ってねえよ。

悪原:あれなんだな、スリルってものがあるんだよ。空気が緊迫しててね。

町々:あ? ……すりる? お前何言ってんの?

悪原:あれ? 違う? 俺が行った時は物すげえ状況だったんだけど。

町々:ふーん。

悪原:じゃあやってみせるからさ。お前拳銃持った人やって、俺人質やるから。

町々:あ、それコンビニ強盗だわ! そん時強盗が押し入ってたんだよ! お前、コンビニデビュー散々だな!

悪原:う、嘘っ!? コンビニ強盗!? うわー、写メれば良かった……。

町々:殺されちゃうよ!

悪原:そして写メを町々に一億通送れば良かった……。

町々:やっぱ殺されちゃえよ! 拒否るぞ! ……てゆーか、お前俺のメアド知ってんのか?

悪原:あ、そう言えば知らなかったよ! メールアドレス教えて!

町々:ごめん生理的にムリ。

悪原:で、要するに俺が生まれて初めて行ったコンビニに強盗が押し入ってきた、ってわけでさ。

町々:お前ってなんか気持ちの切り替え早いな。

悪原:うん。と言うワケで今からコンビニ強盗の話をするけど、お前笑い死ぬなよ。

町々:大丈夫だよ、俺別にお前ツボじゃねえもん。

悪原:真剣に聞けよ! もしお前が死んだら……俺はいったい誰と漫才すればいいんだよぉ!

町々:その辺で虫捕まえてコンビ組めばいいだろ。

悪原:話します!

町々:いいんだ……。

悪原:オウイェー ディス イズ マッチョ コンビーニ!

町々:ん? ……あぁ、訳すと多分「私は今コンビニにいます」だと思います。マッチョはこいつなりの冠詞ですね。
   で、今コンビニにいます、それで?

悪原:で、俺が拳銃片手にレジスターを開け閉めして遊んでたんだな。

町々:よし一旦止めてみようか。

悪原:なにゆえ!?

町々:うん……なんだろう? 本当はお前がコンビニ強盗だったってオチだったら、お前のことぶち殺していいかな。

悪原:そんなワケないだろ! バカかお前!

町々:ないんだ……。

悪原:で、そんな風に遊んでたら、突然レジ付近のおでんの中から、覆面被った人みたいなおもちが飛び出してきたんだよ。

町々:……ん?

悪原:おでんの中から、覆面被った人みたいなおもちが飛び出してきたの!

町々:……もち巾着?

悪原:強盗に決まってんだろ! バカかお前!

町々:決まってるんだ……。……今日のこいつ説得力あるな……。

悪原:で、そのおもちが「金を出せ!」って言ってさ。

町々:あ、リアルに強盗だ! すっげえ意味不明だけど、強盗がおでんから飛び出てきたのな。

悪原:で、そしたら、レジの女の子がビックリして拳銃片手でレジスター開け閉めの手を止めてさ。

町々:レジもかよ。お前ら二人して何してたんだ。

悪原:それで、まあ俺ら二人、人質になってみるじゃん?

町々:何か言い回しに余裕があるな……。

悪原:それで強盗が言うんだよ。
   「この鞄の中にありったけの金とありったけのチロルチョコとありったけ肉まんを詰めろ!」ってさ。

町々:食いモンの方いらねえだろ。肉まんの熱でチョコが溶けてお札がベタベタになる図しか見えねえし……。

悪原:で、女の子が鞄に詰めてるうちに「あっ、蒸したタオルも詰めろ!」って。

町々:そら見ろ!

悪原:でも、どうしてなのかな……。タオル何に使うのかな……。

町々:お前想像力ゼロかよ。それで?

悪原:そしたら女の子が怯えて泣いちゃってさ。

町々:そりゃあ恐いもんなあ。でも、きちんと傍にいて守っててやったんだろうな?

悪原:うん。でも俺涙を拭いてあげたかったんだけど、タオルもう無かったからほっといたよ。だから俺はつくねを食べたよ、つくねを。

町々:お前そう言う時くらい自分主義やめろよ……!

悪原:涙の味がしたよ。

町々:しらねえよ。味がタレじゃなかっただけだろ。

悪原:そしたら女の子が泣いてるのを見てほっとけなかったんだろうね。
   強盗が「この鞄の中にお前の涙と悲しみをありったけ詰めろ!」って言ってさ。

町々:強盗しゃらくせえよ! 全然かっこいいこと言えてないよ!

悪原:そうなのか!? モテモテ代表のお前から見て、今のセリフはかっこよくないのか!?

町々:かっこよくねえし、そのセリフはモテねえよ。モテモテの俺だったらそんな事言わないね。

悪原:そっか……俺、かっこいいと思っちゃってたよ……。じゃ、じゃあモテ男代表のお前はそう言うときなんて言うんだよ!

町々:そりゃあ「その涙を、俺に分けてくれないか? ……うん、君の涙の味がして、旨い」ってつくねを食うに決まってんだろ。

悪原:キモッ!!

町々:キモくねえよ。大体の女はこれで落ちるし。

悪原:そうなのか……!? そのセリフ、女には効くのか……!?

町々:あと、「おでんはツユが染み込んでいるものだろう? 俺は、君のために強くなる。
   君のその美しい涙が俺をより強くするんだ。……そう、俺は今、君のおでんなのさ」ってそっと目元にキスするかな。

悪原:えぇえ!? キモ過ぎて意味わかんないよ!

町々:まあ、いざとなったらウインドーの前で無理矢理キスして「ごらん、丸見えだよ」って煽るのもアリだろう。

悪原:そうなんだ……クズみたいだ……。もう俺、モテなくても良い気がしてきたよ……。

町々:で、その後どうしたんだよ?

悪原:うん、女の子泣き止んでさ。真っ赤な顔で「私をあなたのエスパー伊藤にしてください」って言って鞄の中に入っていったよ。

町々:惚れたのかよ! 女の子、良くそんなクソみたいな口説き文句で落ちたな。

悪原:で、そうこうしている内に警察が入ってきてさ! みんな仲良く御用、みたいな!

町々:何で全員捕まってるんだよ! 強盗だけ捕まれば良いだろ!

悪原:でも俺、拳銃片手にレジを開け閉めしたり、つくねを勝手に食ったりしてたよ。

町々:そうだったな! じゃあお前捕まるよな!

悪原:そして、連行されるパトカーの中で俺は一人思ったんだ。
   どうして俺はコンビニで拳銃片手にレジを開け閉めしてしまったんだろうって……。

町々:俺、それ最初に思ったよ。何で?

悪原:それは……俺が、彼女の心のレジスターをこじ開けて愛を奪い取る、恋強盗になれない男だったからさ……。

町々:あー、そのセリフはモテない。

悪原:お前には言われたくねえよ!! いい加減にしろ!!



二人:…どーもで。


No.037 みるくちょこれーと
じんせいせっけい
ユウスケ:どうも、みるくちょこれーとだよ!

ユミ  :ねぇ、ユウくん!ユミ、将来は安定した職業の旦那と子供に囲まれて暮らして行きたいんだけど
     子供の相手って難しいだろうから子供やってくれない?
     断ったらホンマグロでしばくわ!

ユウスケ:ねぇユミちゃん、これってDVって奴なのかな?
     まぁいいけどね、やろっか!
     ユミちゃんがママで僕が子供ね!ピッコロ役は誰がする?

ユミ  :ん〜…今日はピッコロ役は無しの方向で話をすすめるわ!
     じゃあ、よーいスタート!
     …ユウスケ?もう今日は寝なさい、兄弟欲しくないの?

ユウスケ:ん〜、ママが何言ってるかさっぱりわからないや
     それよりママ!右手ってどっちだっけ?

ユミ  :ふふふっ、そんなことも分からないの?
     右手は、明日への栄光、希望、夢をその手につかむための手よ

ユウスケ:ママ、僕そのための手は持ち合わせてないよ
     もっと具体的に教えてよ!

ユミ  :お箸を持つ方の手よ

ユウスケ:箸は足でしか持った事ないから分かんないよ!

ユミ  :…もう、そんなこといいから早く寝なさい!兄弟欲しくないの?

ユウスケ:だから、ママその決まり文句の意味は良く分からないよ!
     ねぇ〜教えてよ〜右手ってどっちなんだよ〜!

ユミ  :早く寝ないとカジキマグロでしばくわよ?

ユウスケ:うわーん!このママ、魚介類で人をしばく癖が出来あがっちゃってるよー!
     分かったよ、もう寝る!
     でも、まだ眠くないから絵本読んでよ!

ユミ  :ん〜…まぁ、いいわよ
     ほら、布団に入りなさい?

ユウスケ:うん!

ユミ  :コホン…「夜の歌舞伎町」

ユウスケ:わあ、寝れる気がしないや!
     もっとほんわかした、物語聞かせてよー!
     それにピッコロが出てきたらパーフェクトだよ!

ユミ  :それ、ドラゴンボール一択よね
     残念だけどドラゴンボールはないから、代わりに似たようなタイトルの絵本を読んであげるわ

ユウスケ:わーい!

ユミ  :コホン…「黄門ジョーク」

ユウスケ:わあ、これまた寝れる気がしないや!
     もう、ベタだけど「浦島太郎」読んでよ!
     「浦島太郎」にフリーザとザーボンとドドリア混ぜてよ!

ユミ  :もう、ドラゴンボール読んだ方が早いと思うんだけど?
     まぁ、いいわ…コホン「浦島太郎」
     昔々、ある浜辺を浦島太郎という少年が歩いていました
     浜辺を歩いていると、カメを少年がカツオでしばいていました

ユウスケ:わあ、魚介類でしばく癖がここにも現れてる!

ユミ  :しかし、カメの甲羅は意外と硬いです
     しばくのに使用していたカツオはもうぎったんぎったんです
     これが、「カツオのたたき」誕生の起源と言われていましたとさ
     めでたしめでたし

ユウスケ:わあ、主人公であるはずの浦島太郎が浜辺歩いただけだ!
     ねぇ、こんな話だったっけ?

ユミ  :フリーザとザーボンとドドリアを混ぜようとしたらこうなったのよ

ユウスケ:へぇ〜まったく混ざって無かったよ
     思ったより短くて寝れなかったから次は「桃太郎」読んでよ!

ユミ  :ふふふっ、いいわよ
     コホン…「桃太郎」
     昔々、ある所にお爺さんとお婆さんが居ました
     お爺さんは山へしばかれに

ユウスケ:お爺さん、多分だけど今頃魚介の被害にあってるんだろうな〜!

ユミ  :お婆さんは川へ洗濯に行きました。
     お婆さんが川で洗濯をしていると、川上からソンブレロ、ソンブレロと桃が流れてきました

ユウスケ:状況が全く意味不明だね!

ユミ  :お婆さんはその桃を家に持ち帰って、お爺さんでしばいてみると

ユウスケ:ついにお爺さんを用いた!

ユミ  :中からそれはそれは元気なフリーザが出てきました

ユウスケ:やったー!ニーズに応えてくれた!!

ユミ  :お婆さんはそのフリーザに「桃ーザ」と名づけました
     やがて、桃ーザはすくすくーザと成長し、やがて立派な大人ーザになりました

ユウスケ:なんでも、「ーザ」って付ければ成立するわけじゃないんだね!

ユミ  :そして、ある日桃ーザはベジータ退治に行くとお婆さんに告げました

ユウスケ:オプションでベジータまで付いてきた!わーい!今夜は祭りだー!!

ユミ  :しかし、お婆さんは桃ーザに無茶をさせたくない一心から、桃ーザをザーボンとドドリアでしばきましたとさ
     めでたしめでたし

ユウスケ:後の二つはすっごく雑な形で応えられた!
     しかも、話進まぬまま終わったのにめでたし扱いだ!
     ねぇ、ユミちゃん。やっぱユミちゃんにはまだママにはなれないんだよ

ユミ  :何がいけなかったというの、ユウくん?
     隙あらば裸エプロンになろうとしてたところ?

ユウスケ:そんなこと隙見てやらないでよ!
     まったく…ユミちゃんにはやっぱりまだ早いんだよ

ユミ  :じゃあ、今度はユミが子供やるからユウくんがパパやってよ!

ユウスケ:えぇ〜…うちのパパ色々歪んでるもん〜…

ユミ  :別に、あのゲスモンスターみたいなのをやれって言ってるわけじゃないのよユウくん
     ユウくんなりにパパやってみてって言ってるの

ユウスケ:うん。分かった!

ユミ  :ねぇ〜パパ〜!
     今日は日曜日だよ!どっかに連れてってよ〜!

ユウスケ:じゃあ、一旦代官山へ行って帰ってきてもう一回代官山行こうか!

ユミ  :その往復には何の意味があるの?
     ねぇ〜そんなとこよりユミ、ペットショップに行きたい!
     
ユウスケ:ペットショップか〜良いよ、じゃあペットショップ行こうか!
     一旦ペットショップへ行って帰ってきて、代官山行こうか!

ユミ  :ねぇ、パパは意地でも代官山に行きたいの?
     代官山はどうでもいいから、単純にペットショップ行こうよ〜!
     行ってくれないと、寒ブリでしばくよ?

ユウスケ:はははっ、事あるごとに魚介類でしばくとこはお母さん似だね!
     分かったよ、じゃあペットショップ行こうか!

ユミ  :わーい!パパありがとうー!ホタテあげるっ!

ユウスケ:ん、ホタテ返しとくね〜
     ほら、出かけるんだから早く準備しなさい、ユミ!

ユミ  :はーい!

ユウスケ:そして、行きますよザーボンさんドドリアさん

ユミ  :そんな楽しそうな所にそんな怖いメンツで行きたくないよ!
     パパと二人で行きたいの!

ユウスケ:…でも、ママに悪いよ!
     今夜、そういう日なんだよ?

ユミ  :…ユミ、パパが何言ってるかよくわかんない
     いいから、二人でいこっ!ねっ!?

ユウスケ:うん、分かった!
     ユミもう準備できたの?

ユミ  :うん!服も着替えたし、髪も整えたしカジキマグロも持ったよ!

ユウスケ:しばく用の魚介類は置いてこうね!

ユミ  :やだ!持っていかせてくれないとこの場でしばく!

ユウスケ:ん〜遅かれ早かれしばかれるのかな!?
     まぁ、いいや。じゃあ行こうか!

ユミ  :うん!

ユウスケ:ところで、ユミはペットショップ行って何が見たいの?

ユミ  :イグアナ!

ユウスケ:イグアナかー!いいね!

ユミ  :パパは何か見たいのある?

ユウスケ:ん〜栃東!

ユミ  :栃東ってペットショップに売ってるの?

ユウスケ:多分、売ってると思うんだよ!
     だって、生き物だよ!?

ユミ  :ん〜ユミはペットショップに売ってる生き物には限界があると思うんだけどな〜

ユウスケ:ほら、そんなことより早く行くよ!

ユミ  :うん!

ユウスケ:…ほら、ユウ君はちゃんとパパになれるのっ!

ユミ  :うん…そうだね!
     ユウくんがパパになってくれたら…嬉しいかも…///

ユウスケ:ユミちゃん…気持ちは嬉しいけど…まだ8歳だから、パパにはなれないと思うよ?

ユミ  :何も、ユミは本当にパパになってほしいって言ってるんじゃないのよ!
     だから…その、ユミをユウくんのお嫁さんにして…?

ユウスケ:ユミちゃん…

ユミ  :ね、お願い…///

ユウスケ:それは、まだ法律上許されないよ!

ユミ  :だから、そういう話じゃないってば!


No.038 神風とくやこうや
多分卒業の話
とくや「おばんです!神風とくやです!」

こうや「神風こうやです!」

二人「とくやこうやです。よろしくお願いします!」

とくや「この前、部屋を掃除してたら、
    学生時代の卒業アルバムが出てきてさ・・・」

こうや「何!?・・・隠せ!過去の犯罪がばれるぞ!!」

とくや「何で!?・・・俺そんな法に触れることしてないぞ!」

こうや「え?・・・だって、
    そのアルバムに被害者の毛髪がが挟まっていて・・・」

とくや「挟まっていても俺の毛髪だよ!」

こうや「そして庭を掘ると白骨化した・・・」

とくや「死体もない!
    お前の頭の中で卒業アルバムはどんな存在なんだよ!」

こうや「じゃあ、お前の卒業アルバムには何があるんだよ?」

とくや「そりゃ、学生時代の俺の写真とか、
    古い友達や、思い出の写真があるんだよ。」

こうや「被害者の幽霊とかは写って・・・」

とくや「ないよ!!どうしてそんな物騒なものにするんだ?」

こうや「あったっていいだろ!」

とくや「良くないよ!昔の思い出をサスペンス色に染めるな!」

こうや「じゃあさ、そのアルバムに昔のお前の写真があるんだろ。
    封印していた過去の・・・」

とくや「俺何やらかしたんだよ!封印も何もしてないよ!」

こうや「若気の至りというやつが・・・」

とくや「お前俺の過去ほじくり回して何を企んでんだ!」

こうや「(肩をたたき)・・・過去は消えないぞ。」

とくや「だから俺は何もやましいことしてないから!
    ただ『卒業アルバムが出てきた』というだけで、
    何でこんなに追い詰められるんだよ!」

こうや「卒業アルバムから考えていったら・・・」

とくや「その想像力のベクトルを、
    もう少し違う方向に向けてくれ!」

こうや「じゃあ、出所の頃の話で・・・」

とくや「ムショに入ってねーよ!!
    もう、言葉も背景も変わっちゃったよ!
    俺の過去間違いなく捏造されているよ!」

こうや「卒業も出所も大した差はないだろ。」

とくや「あるよ!大有りだ!
    どうやったらお前のベクトルは正しいほうを向くんだ?」

こうや「じゃあ卒業の方で。」

とくや「まずはそうしてくれ。」

こうや「アルバムがあるってことは卒業をしてるよな。」

とくや「そうだな。」

こうや「卒業式って、お前のところどういうことやった?」

とくや「中味?
    ・・・ま、普通に卒業証書をもらって、
    歌と呼びかけをやったよ。」

こうや「・・・それだけ?」

とくや「・・・?それだけって?」

こうや「・・・普通じゃん。」

とくや「いや、そりゃそうだろ!卒業式なんだから。」

こうや「あのさ、昔っから思っていたんだけど、
    もうちょっと卒業式って、
    色々やったらいいと思うんだよ。」

とくや「いや、『色々やったら』って言っても・・・」

こうや「このままじゃマンネリだよ。」

とくや「マンネリという次元を出すことか?」

こうや「少しでも変わった事をしないと・・・」

とくや「じゃあどんな卒業式をするんだよ?」

こうや「・・・誰も卒業しないとか。」

とくや「変わり過ぎだよ!
    ・・・そもそもそれやる意味あるのか?」

こうや「時間つぶしには。」

とくや「やめてしまえ!」

こうや「あと、会場の装飾も変えないと。
    あの赤と白の幕はだめだね。」

とくや「紅白の幕だろ?めでたくていいじゃん。」

こうや「シックに黒と白で。」

とくや「葬式だろ!縁起悪いよ!」

こうや「じゃあ青と白で。」

とくや「同じだ!イコールだ!だめだめ!」

こうや「そしたら白と赤で。」

とくや「最初のを入れ替えただけ!戻っちゃった!
    ・・・あ、いいんだそっちで!」

こうや「あと卒業生の入場や服装も変えなきゃ。
    白のタキシードと白のドレス・・・」

とくや「結婚式だ!違うめでたさを入れるな!」

こうや「じゃあ迷彩服と・・・」

とくや「どこの戦場に行くの!?」

こうや「メイド服と・・・」

とくや「何に萌えたいんだ!?」

こうや「じゃあ何着せるんだよ!」

とくや「学校の制服にしてください!
    ひねりも何もいらないから!」

こうや「こうなったら卒業証書だって変えよう。」

とくや「会の根本を変えるの!?」

こうや「よく見たら『卒園証書』と・・・」

とくや「幼稚園か!」

こうや「それとも『納品書』で・・・」

とくや「発注か!」

こうや「じゃあ、『血統書』で・・・」

とくや「犬か!・・・もう卒業式どこ行っちゃったんだよ!」

こうや「もう卒業なんてどうでもいいや。」

とくや「待て!
    ここにきて今までのやり取りを全て覆すな!」

こうや「いや、だから、もう普通の卒業式でいいよ。」

とくや「いやいやいやいや、
    それじゃあ今までのくだりは時間の無駄になるぞ。」

こうや「壁に紅白幕張ってさ、制服着て入場してさ、
    卒業証書もらってさ、呼びかけしてさ、
    最後に『蛍の光』を歌って、シャッター閉めてさ。」

とくや「最後の卒業式じゃないだろ!
    シャッター閉めるって何だ!単なる閉店作業だ!」

こうや「レジ締めで横領がばれた、パートの小畑さん!」

とくや「小畑さん・・・って違う違う!
    そこで呼びかけっぽくするな!
    ・・・つーか、卒業なのか店なのか、まぜこぜだ!」

こうや「横領の指摘に逆切れした、小畑さん!」

とくや「小畑何やってるんだよ!・・・悪いのあんただろ!」

こうや「もみ合って頭を打った、小畑さん!」

とくや「事故が起きたー!!」

こうや「白目をむいた、小畑さん!」

とくや「洒落にならない事態が起きてるし!!」

こうや「隠蔽のため、庭に埋められた、小畑さん!」

とくや「人命を奪うな!」    

こうや「人生を卒業した、おば・・・」

とくや「ヤメレー!
    ・・・人の命を・・・奪うな!
    ・・・元の話題に・・・戻せ!」

こうや「・・・・・・。」

とくや「・・・・・・。」

こうや「だからこうなって、お前の過去の犯罪がばれるから、
    卒業アルバムを隠せって言ったんだよ。」

とくや「俺は小畑を殺してない!
    つーか、小畑はお前のワールドの話だろ!」

こうや「(肩をたたき)・・・過去は消えないぞ。」

とくや「じゃかーしい!もうやめんべ!」

二人「とくやこうやでした。どうもありがとうございました!」

予選総合第34位(2回戦敗退) 神風とくやこうや
審査員
点数
45 40 11 43 53 平均38.4
【審査員コメント】 
・漫才の組み立て方は非常に良く出来ていて、ボケとボケのつながりもしっかりしているのですが、それでも卒業式を新しくするというくだりが浮いてしまっているかなという印象です。
 個人的にはサスペンス色を含んだ雰囲気で一貫して欲しかったです。
  
・最終的には繋がるわけですが、いくらなんでも前半の犯罪のくだりが長すぎます。それほど威力もないのに引っ張り過ぎてダレますし、その割りを食らってただでさえ短い卒業式本編が余計に薄く感じられます。
 中盤のベタなボケがテンポよく続くところはらしさが出ていて面白かったのですが、いくらなんでも卒業式を題材にしてボケるポイントが三つっていうのは少なすぎるかと……。
 前半を削って卒業式のパートを増やして盛り上げていたらオチで繋がった時の破壊力もあったと思います。
 とくやこうやのポテンシャルはこんなものじゃないはず。次回、捲土重来を期待します。
  
・どれもこれもが、ボケ一歩手前のラインでストップしてる。
 卒業証書を卒園証書に変える→幼稚園か!
 長文初心者かと見紛うほどのやり取り。非常に残念でならない。
  
・このネタもありきたりなくだりばっかですねぇ。
 大幅に意表を突いたり、インパクトをだしたり、巧妙なギミック構成を出したりと言った、目を引くモノが一切無い。
 本大会はガッツリ個性出してる所が多いですから、コレでは埋もれてしまいます。
 基礎は出来てるんでしょうが、その上に威力とこのコンビならではのモノってのがほとんど乗ってない。
 喋り手自身のパーソナリティが埋もれている話って、読む上で意外とつっかかりますからね。
 スラスラと読みやすいし、ベーシックな構成がきっちりできているのは好感が持てるので、その基盤をいかに活用するか、じゃないかと。
  
・「過去の犯罪」の設定が、そんなに上手く(面白いと言える方向に)作用してない気がしました…ベタというかなんというか。

 「卒業式を変える」というテーマはエントリーNo.003のロイヤルストレートフラッシュさんもやっていましたが、
 ネタの書き方自体はともかくとして、ボケフレーズ単体の斬新さでは向こうの方が勝っていたかなぁ…という気もします。
 基礎は出来ているのですから、あとはいかに「ありきたりじゃない」バカさを取り入れられるか、だと思います。



No.039 ノーション
無題
枝垂:ノーションです、よろしくお願いします!!

見境:最近、昔話って懐かしいな、と思います。

枝垂:……あー、昔話。いいですね、よく子供の頃なんか読んでもらってました。

見境:「桃太郎」。

枝垂:突然始まるね。……まあいいよ、聞きましょう。

見境:「昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。」 

枝垂:定番の始まり方ですね。

見境:「おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。」

枝垂:うん。普通に行くんだね。

見境:「おばあさんが川で洗濯していると、川上から大きな大きな……」

枝垂:…お?

見境:「……桃が、どんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。」

枝垂:…そうだね、桃が流れてくるんだよね。

見境:「おばあさんはその桃を、家へ持って帰ることにしました。」

枝垂:うん…家へ持って帰ると。

見境:「家に帰っておばあさんは、おじいさんとその桃を割ってみることにしました。すると、中から……」

枝垂:お…なになに?

見境:「……玉のような赤ん坊が出てきました。」

枝垂:……おー、出てきた。普通に出てきた。

見境:「おじいさんとおばあさんは、その赤ん坊に……」

枝垂:その赤ん坊に…?

見境:「……桃太郎と名付け、大切に育てました。」

枝垂:…………………え、これ……………もしかして、ボケない系?

見境:「大きくなった桃太郎はある日、おじいさんとおばあさんにこう言いました。」

枝垂:……うん、まあ、とりあえず聞こう。話はそれから……

見境:「『おじいさん、おばあさん、僕…………鬼が島に、鬼退治に行ってきます。』」

枝垂:……うーわー、うーーーわーーー!!やっぱり……やっぱりそういうことじゃん!!ボケない系確定じゃーーん!!
   だって今の……明らかなボケポイントでしょ!?直球ど真ん中でしょ!?

見境:「それを聞いたおばあさんはこう言いました。『桃太郎、鬼退治に行くなら、これを持っていきなさい。』」

枝垂:……ねえ、ホントにこのまま通すの!?てか…俺の存在、認識してる!?分かってる!?
   ちょ、ちょっと、なあ、ねえ……このまま耐え抜く自信、ないよ?

見境:「そういって、桃太郎にきびだんごを渡しました。」

枝垂:ほら、また!……また見逃した!!なんか反応してよ、ねえ……!!
   ……見逃しってアレだ、空振りよりカッコ悪いからね!?……ねえ分かってる!?

見境:「桃太郎が鬼が島に向かっていると、犬が話しかけてきました。犬は桃太郎に、こう言いました。」

枝垂:……さあ来るよ!直球ど真ん中来るよ!!……振れ!!思いっきり振れ!!!

見境:「『桃太郎さん、桃太郎さん……お腰につけたきびだんご、一つ私に下さいな。』」

枝垂:やっぱり見逃した!!もう……なんなの!?何しに来たの!?
   ……アレか、ドリンクバー頼んでおいてお冷しか飲まない的な?そういう客みたいだなお前!!

見境:………(枝垂の方を見る)

枝垂:……………ん?

見境:………(元に戻る)「桃太郎は、鬼が島へのお供になることを条件に、犬にきびだんごをあげました。」

枝垂:……ちょ、見るだけ見るのやめてよ!!
   なんか……滑ったみたいになったじゃん!?俺寒いみたいになってんじゃん!?……そんなことない、よね!?そうだよね!?

見境:………(枝垂の方を見る)


      ……………フッ。



枝垂:!?

見境:………(元に戻る)「次に桃太郎は、キジに話しかけられました。キジはこう言いました。」

枝垂:……今、鼻で笑った?笑ったよね!?
   言っとくけど……あのボケ、あれで全力だからね!?フルスロットルだからね!?
   だって……本職ツッコミだし!!そしてアナタの本職はボケですから!!……そうでしょ!?ねえ!?

見境:「『桃太郎さん、桃太郎さん……お腰につけたきびだんご、一つ私に下さいな。』
    桃太郎は、鬼が島へのお供になることを条件に、キジにきびだんごをあげました。」

枝垂:……はい、本職が魅せるボケまで3、2、1……ハイどうぞ!!

見境:「桃太郎は次に、猿に話しかけられました。」

枝垂:……はいボケなーい!ここでもボケなーい!!またしてもボケないという名のボケ頂きましたどうもー!
   でも、でも……テンドンしすぎじゃない!?そうだよね!?まるで、「あつはなついなあ」って……100回言い続けてるようなもんでしょ?でしょ!?

見境:…………………
   …………………
   …………………
   ……………「『桃太郎さん、桃太郎さん……お腰につけたきびだんご、一つ私に下さいな。』」

枝垂:……今意図的に間をおいたでしょ!?そうでしょ!?しかももう………アレか、見ることもしなくなったかそうかい!!そしてほら、また滑ったみたいになってさー!

見境:「こうして桃太郎は、犬、キジ、猿をお供にして、鬼が島に辿り着きました。」

枝垂:もう……もおーーーーー!!……悲しいよ!!ボクちゃん悲しい!!
   何が悲しいって……そういう反応で、「あ、俺まだ無視されてない」ってちょっと安心してしまう自分が悲しいよ!!
   なんでもう……俺を徐々に、孤立に慣らしていくの!?なに故……なに故によ!?

見境:「鬼が島に辿り着いた桃太郎たちは、鬼達と戦いました。
    犬、キジ、猿が三者三様の活躍をし、鬼退治に成功しました。」

枝垂:………あ、今、戦いの様子……略した?……略したよね!?
   ……おーい、なんで略したんだよーーー!!!楽したかったんじゃないのーーー!!!おい!!……おいおいおい!!!

見境:…………………



     ……………原 作 準 拠 だ よ ! !



枝垂:え……?

見境:………「鬼を退治した桃太郎は、観念した鬼たちから金銀財宝を手に入れました。」

枝垂:……今キレられた!?キレられたよね、なんで!?

見境:「桃太郎の鬼退治によって、村は平和になりました。」

枝垂:………確かに、ツッコミ過剰だったよ!それは認めるよ!!
   でもさあ……アレだけ抑圧されたら、そうなるよ!!アレだけ押さえつけられたら、爆発もするさ!!高圧だよツッコミビックバーーーーーーーーン!!!

見境:「村に戻った桃太郎は、おじいさん、おばあさんと幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。」

枝垂:……おお今のは無視なんだ!!もう無視する感じ?そうなのか!?
   さて、そろそろ教えておくれ………心の拠り所はどこだい!?どこを探せばいいんだい!?

見境:………「桃太郎」。

枝垂:……って一周してんじゃーーーん!!うおおおお一回もボケずに一周しちゃったじゃーーーん!!
   これはもう……革命!!革命だよペレストロイカ!!……漫才ペレストロイカーーーーーーーー!!

見境:「昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。」

枝垂:なんで居るんだよーーーーー!!なんで爺さん婆さんが昔々に居るんだコノヤロウめ!!
   やばいもう、アレだ、ツッコミ止まらないわあーーーー!!抑圧された何かが今、廻り始める………うおーーーーーーーーーー!!

見境:「おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。」

枝垂:……家でおとなしくしてろ!!!爺と婆は家でおとなしくしてるんだーーーーーーーー!!
   老人ホームが………老人ホームが襲ってくるよおーーーーーー!!逃げてーーーーーーーーーー!!!

見境:「おばあさんが川で洗濯していると、川上から大きな大きな桃が、どんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。」

枝垂:出た、ラストミステリーーーーーーー!!これは何だ、生物兵器か!?それとも………老人ホーム!!老人ホームなのかあーーーー!!??

見境:「おばあさんはその桃を、家へ持って帰ることにしました。」

枝垂:これは……爆弾処理班!!!おばあさんは元爆弾処理班だったのだあーーーードドドーーーン!!
   丁重な手つきで今、危険物を家に搬入しようとしています…………!!

見境:「家に帰っておばあさんは、おじいさんとその桃を割ってみることにしました。すると、中から玉のような赤ん坊が出てきました。」

枝垂:……おめでとうございますーーーー!!!あなたは………この世に生まれた、100ナユタ人目の赤ん坊ですおめでとおーーーーーーーー!!

見境:「おじいさんとおばあさんは、その赤ん坊に桃太郎と名付け、大切に育てました。」

枝垂:そう、大切に…………危険物なんだ大切に扱うんだ、そうだ………!!
   さもないと………ってうわあーーーーーー!!桃太郎が…………爆発するーーーーツッコミビックバーーーーーーーーン!!!

見境:「大きくなった桃太郎はある日、おじいさんとおばあさんにこう言いました。」

枝垂:『おじいさん、おばあさん、僕…………100ナユタ人目の記念品貰ってないんですけど!?!?!?』
   ………さあもうボケを被せるよ!!ツッコミとあろうモノがボケを被せてくるんだよーーーーーーーー!!ざまあみやがれ!!

見境:「それを聞いたおばあさんはこう言いました。『桃太郎、鬼退治に行くなら、これを持っていきなさい。』
      そういって、桃太郎にきびだんごを渡しました。」

枝垂:そこには小さなロックンロール!!おばあさんがリンゴ=スターから受け継いだ、小さな小さなロックンローーーーーール!!!!!
   今、少年に、受け継がれる………!!少年よ!!!………大したもんだ!!!

見境:「桃太郎が鬼が島に向かっていると、犬が話しかけてきました。犬は桃太郎に、こう言いました。」

枝垂:……………………あ



    すごく冷静になった。



見境:「『桃太郎さん、桃太郎さん……お腰につけたきびだんご、一つ私に下さいな。』」

枝垂:うわあーーーー…………さっきの寒かったーーー………
   「少年よ 大したもんだ」って……バカじゃないの俺。一気に冷めた………

見境:「桃太郎は、鬼が島へのお供になることを条件に、犬にきびだんごをあげました。」

枝垂:あーーーーー、それでもお前は、止めないか!!それでも、やめ、な、い、のか………

見境:「次に桃太郎は、キジに話しかけられました。キジはこう言いました。」

枝垂:もう……もう、このままじゃ……………………俺……体調不良になっちゃうよ!!

見境:「『桃太郎さん、桃太郎さん……お腰につけたきびだんご、一つ私に下さいな。』」

枝垂:………お願いだよ……もうやめて!!もう、そんな、ボケない系とか、やめて…………

見境:「桃太郎は、鬼が島へのお供になることを条件に、キジにきびだんごをあげました。」

枝垂:もう、ほら、もう………やめて!やめてえーーーー!!!

見境:「桃太郎は次に、猿に話しかけられました。」

枝垂:…………金払うから!!………この薄っぺらい財布から、ありったけの金、払うからあーーーー!!

見境:「『桃太郎さん、桃太郎さん……お腰につけたきびだんご、一つ私に下さいな。』」

枝垂:ねえ……………ちゃんと払うから!!大きい方と小さい方に分けて、払ってあげるから!!
   『こちら、大きい方が5000円ですねー、、、それから小さい方が、1、2、3、4000円になりますねー』って!!コンビニのバイトの経験生かして払うからあーーー!!

見境:「こうして桃太郎は、犬、キジ、猿をお供にして、鬼が島に辿り着きました。」

枝垂:もう、もう………有り金、ここに置いていくから!!……10000飛んで40円、置いていくよ………………
    ……………うわあーーーーーーーーーん!!

(枝垂、去る)





見境:「鬼が島に辿り着いた桃太郎たちは、鬼達と戦い…………



(床に置かれた紙幣に気付く)



見境:………………めでたし、めでたし。フフフッ………
   (紙幣を破り捨て、去る)

予選総合第24位(3回戦敗退) ノーション
審査員
点数
32 68 26 49 85 平均52.0
【審査員コメント】 
・凄く好き嫌いを選びそうなネタっていうのが一番の印象ですね。
 キャラ付けや台詞の書き方は凄く上手く出来ていると思うのですが、題材、そして笑わせたいポイント的に、大ウケを狙うにはあまりにも難しすぎるかなという印象です。
  
・テンションゴリ押しかと思いきや、いやテンションゴリ押しなのはゴリ押しなんですけれどそれだけに終わらせないようになっていてよかったです。
 疑問→いつもと違うことへの楽しみ→焦り→追い詰められる→壊れる というツッコミの心理状態の推移がちゃんと描かれていて、各パートでのツッコミの口数の多さと二人の温度差が面白かったです。
 普通に二週目に入った時は声出して笑いました。
 ただ、工夫はしてあってもこのネタの面白さをテキストだけで表すのは難しいです。テンション芸だからでもあるんですが、テキストしか情報がないと最後の方はツッコミがかわいそうになってきちゃって……。
 舞台でいかにもな空回りしそうないじられキャラの人がやっていたら後半も面白くなったと思うんですが。
 あと、これをやったらやったで単調になるだけだから仕方ないことではあるんですが、どうせなら見境は途中で反応するんじゃなくて最後まで無視しきってほしかった気も。
  
・皮肉でもなんでもなく、お疲れ様でした。嫌いじゃないです。
  
・実験的なネタとしては、そこそこ上手くいっている方だと思います。
 そんなに悪い形式じゃないですし、ちゃんとした構成に出来ています。
 しかし、前半の一周目がちょいと冗長に映ったのと、後半のテンションにワードセンスがついて行ききっていないのと、何より全体量に対する爆発力のある箇所の圧倒的な少なさはやっぱり目についてしまいました。
 そこそこトリッキーな作りで全貌を見せている割に、オチも弱いですし。
 ので、点数としてはどうしても低めです。
 でも試みは決して悪いものでなく、むしろ今後への期待感は凄く持てる。
 まだまだ発展性のある、「作り」としての面白さが大きいネタだったと言う所です。
  
・ボケが本題で全くボケない。まさに「漫才ペレストロイカ」だと思いました。
 ただ、ツッコミ側が少々勝手に暴走している感が拭えないです。枝垂さんのノリについていけないと笑いにくいのが難点かと。
 特に2週目に入ってからは、ある種、枝垂さんの一人芸みたいなところがあるので…

 しかし、たまに「原 作 準 拠 だ よ」などのちょっとした絡み合いがあるのがまた面白いです。
 絡み合いの度合いはどうなんでしょうね、このくらいに留めておくか、あるいはもっと絡むか徹底無視か…いろんなパターンがありそうです。


 今回は「良い面」を取り、また個人的には大爆笑だったのを加味してこの点数とさせていただきました。
 堂々と書かれているあたり実力は垣間見えるのですが、このネタと読み手の好み・間隔に左右される部分はどうしても出てしまうのかなぁ、と思います。



No.040 ワンダーランド
福、来たる
田中「はいどうもワンダーランドですお願いしますねー」

村田「よろしくお願いします。いやー、よろしくよろしく」

田中「………開いたり閉まったりするもの、なーんだ?!!」

村田「……アナル?」

田中「正解!!ということでねー」

村田「頑張っていかなあかんなー思っとりますけどもね」

田中「アナリストと聞いて『おほっ、これお昼のワイドショーで言っていいんか?』
   って照れた方、スイッチオン!」

村田「こらこらこらぁ!皆そんなボタン持っとらんのじゃ!
   確かにアナリストって淫靡な響きだけども!」

田中「ここで挨拶代わりに悲しいダジャレを」

村田「どうしてそんなに勝手なの…?」

田中「アナルがああなる。あんなもの無理矢理ねじ込んじゃうから……」

村田「やりたい放題かコラ!何そのダジャレ!悲しいとかじゃなくてもう怖い!
   ダジャレ聞いて背筋ぞわっとしたの初めて!あたし初めて!」

田中「おいおい…あたし初めてとは…処女喪失したみたいな発言だな。
   もちろんアナルのな!(カッー!!)」

村田「『どや!』みたいな音出た!もういいよアナルの話は!
   開始から挨拶とアナルの話しかしてねぇだろ!」

田中「まだまだあったのに…あなるあるあるとか」

村田「もうお腹いっぱいだよアナルネタは!
   『あ』と『る』が多すぎて目がチカチカする!
   あと『な』が孤立してて不憫!

田中「いや、『な』は仮にもアナルの一員だぜ?!胸を張れ胸を!」

村田「そこまで誇れるか!もう意味がわかんねえ!
   アナルアナルて大好きかお前!」

田中「大好きじゃねぇよ何言ってんだよ!いつも言ってるだろ…?
   大好きなのは、ひまわりの種。な?」

村田「ハム太郎きたこれ!それハム太郎がいつも言ってることやがな!」

田中「まぁお前が大好きなアナルの話はこの辺でやめときまして…(笑)」

村田「何にやにやしながら言ってんの?!
   今すげぇ殺意沸き上がったわ…きっと今ナイフ持ってたら反射的に刺してた」

田中「ナイフ持ってたら反射的に刺してたて………蛭子能収かって(笑)」

村田「蛭子さんそんなことしねぇよ!何その喩えツッコミ!
   ウザい!ウザいし恐い!」

田中「僕がひまわりの種の次に好きなのは鈴木福くんね」

村田「なんだろうこの犯罪の匂い」

田中「もしこの世に鈴木福くんが2人いたらどうする?」

村田「いや特に何も…」

田中「もったいないなぁ…想像力が足りないよ」

村田「だって2人いたところで双子なのかなぁ…ってくらいしか…」

田中「そこを僕のような想像力が豊かな人が考えると、
   『両脇に一人ずつ挟んでふくふくしたい』」

村田「ただの変態じゃねぇか!想像力の高い変態じゃねえか!」

田中「いや俺は変態なんかじゃないよ!」

村田「いやお前は変態だよ!立派な変態だよ!」

田中「そんなことないよ……」

村田「じゃあ好きな言葉は?」

田中「くんかくんか」

村田「完全に変態じゃねぇか!あといい加減服を着ろよ!」

田中「あぁ…2人の福くんを両脇に一人ずつ挟んでふくふくしながら
   つむじの臭いを交互にくんかくんかしたい…」

村田「もう変態かどうかもさだかじゃないな!あと靴下は脱ぎなさいよ!」

田中「こんなの全然変態じゃないだろ…」

村田「もうなんなんだよお前…。あとどうして乳首には絆創膏を貼ってるんだよ!」

田中「いやー、会いたい。福くんに会いたい!福くんを連れ回したい!」

村田「そんなこと大きい声で言うなよ!犯罪だぞ!あとお前の格好も犯罪だぞ!」

田中「あーどうしよう。福くんがうちに来たらどうしよう…(ドキドキ)」

村田「絶対来ないから安心しろよな。あと何で今日はツノが生えてるの?」

田中「あー…絶対言われちゃうよね?
   絶対『どうしてこんなに大仏の首があるの?』って言われちゃうなぁ…困ったなぁ(照)」

村田「どんなインテリアだよお前の家!なんで照れるんだよ!
   あと何そのポーズ!丸見えだよ!アレが!」

田中「慈悲の心に溢れてるだろ?」

村田「どこがだよ!これに関しては変態かどうかわかんないけど
   大仏の首がそれだけ並んでる家の主は絶対福くんに何かするよ!何するつもりなんだよ!
   あと靴下片方だけ脱ぐなよ!両方脱げよ!」

田中「何するって…1個どうしても聞きたいことがあるだけだよ?
   『おじさんの長い棒と福くんの短い棒、支え合ったら人になるんかなぁ…?』」

村田「ならねぇよ!支え合わねぇよ!何聞いてんだよ!
   あと見る限りお前のも短い棒だよ!どのつら下げて長い棒だよ!
   謝れよ!この世の全てのお前より長い棒に謝れよ!」

田中「あーでも2人来たら人にはならんな!あーどうしよう!困ったなぁ…」

村田「福くんは一人しかいねぇからな。もし来ても絶対短い棒は貸してくれないよ。
   あとそのEXILEみたいなサングラスはずしてくんないかな。ムカつくから」

田中「ま、とりあえず俺は棒同士がくっつけばなんでもいいんだけどね(笑)」

村田「やっぱり変態じゃねぇかよ!ついに白状したな!
   あと突然回るなよ!なんかお前の短い棒が踊ってて不快!」

田中「全然変態じゃねぇだろ!ただの男と男の赤外線通信だろうが!」

村田「何が『ただの』だよ!意味がわからん!ちんこ同士くっつけて何が赤外線だよ!
   あと何その顔…うわ…何…どういう感情?……何なの?」

田中「そんなに言うなら今から俺の本当に変態の部分を出してやるよ」

村田「まだ隠し持ってんのかよ!政治家の疑惑ばりだな!
   あと何その内腿の動き!筋肉ってそんなとこまで動くの?!」

田中「まずお前に問う。好きな女のタイプは?」

村田「宮崎あおいちゃんとか…」

田中「俺は芦田愛菜ちゃんだな」

村田「危ないよ!危険区域丸出し現象かお前は!
   あとアレも丸出しじゃねぇか!少しは隠せよ!」

田中「大橋のぞみちゃんも好きだったけど、もう年増だよな(笑)」

村田「そんなこと言われたこっちは笑えねぇよ!
   あといい加減、内腿の震えを止めろ!
   小刻みに短い棒が震えてるんだよ!寒そうだね!小刻みに震えて!服を着ろ!」

田中「最近思うんだよ。ランドセル背負ってる女の子ってかわいいよな」

村田「俺もかわいいと思うけど多分種類が違うわ」

田中「もうね、町で見ると声かけたくなるよな。
   『ランドセルの肩のとこ、ちょっと舐めさせてくんない?』」

村田「今なんかゾッとしたわ!怖いよ!仮に舐めたとしてそのあとどうするんだよ!
   あと背中に何書いてんだよ…何だよそのキャラクター…大仏?…モグラ?」

田中「もちろん帰ってご飯3杯食うよ」

村田「何がもちろんなんだよ!なんなんだよ!お前どういうカテゴリーの変態なんだよ!
   あと何でさっきから何らかの水溶液を混ぜてるの?どんどん煙とか出てるけど」

田中「パンでもいいな。まぁそこは気分。気分だね。
   欲をいえばパンをちぎって肩のとこにつけて食いたいね」

村田「パリの紳士か貴様!優雅に変態ライフを楽しんでんじゃねぇよ!
   あといい加減ダンベルを下ろせよ!目につくんだよお前の筋トレ!
   最悪筋トレしてから脱げよ!準備が整ってから脱げよ!」

田中「あー、福くんと愛菜ちゃんがうちに来たら俺もうたまんないなぁ…」

村田「聞かされてるこっちもたまんねぇよ…。
   あと興奮したら逆立ちする癖なんとかならねぇかな?
   すごいんだよ。全裸だから。色んな意味で」

田中「うちに来たら、規則的に置いた大仏の首の上を飛び回る2人…焦る俺…
   『バチが当たっちゃうから!やめて!バチが当たっちゃうからぁ!』
   ………じゅるり」

村田「全然わかんない!一個も美味しそうじゃない!
   あ…でもそのツノにささった焼き鳥はすげぇ美味そう…
   食べていい?ねぇ…そろそろ食べていい?」

田中「3人で仮面ライダーごっこしたりとか…俺が怪人役してさ…んで怪人役なのをいいことに、
   福くんと愛菜ちゃんを脇に抱えて、くんかくんか!ふくふく!くんかくんか!
   どっちがいい臭いかな?!どっちがいい臭いなんかなぁああ!!」

村田「犯罪の臭いしかしねぇよ!いけない匂いしかしねぇよ!」

田中「ほら!見てるよ!大仏たちが慈悲の眼差しで見てるよ!
   恥ずかしいかい?!福くん!愛菜ちゃん恥ずかしい?!南無妙法蓮華経ぉおお!!」

村田「なんか線香の臭いもしてきた!あと焼き鳥の臭いもするわ!ねぇ…食っていい?!そのチキン!
   そのチキ…チキン、チキンチッキンラーメンこっちーにきーて買ってってーとてってーとてーと!!」

田中「ボクちゃん、うるさい」

村田「ボクちゃんじゃないもん…しゅん…」

田中「ボクちゃんじゃない…?!
   …あぁ!ショートカットで気づかなかったけど、
   コンタクトレンズをつけて3mほど近づいてよく見たらあなたは…ッ!」

村田「……」

田中「蓮  舫  大  臣  !  !(※本名は村田蓮舫です)」

村田「その施設の稼働率はどのくらいでしょうかー(白目で)」

田中「ぼっ僕のアナルの稼働率は…週3回ですぅ…(ゾクゾク)」

村田「そんなことより服をきてしまわれては、いかがでしょうか?」

田中「なんだよ服を着ろ服を着ろうるさいな!…しょうがないなぁ…。
   服を着ろと言われた僕の気持ちとかけまして!笑う角ととく!」

村田「その心は?!」

田中「服、着たる!」

村田「おぉ!服を着てやるという気持ちと、ことわざ、
   さらにはさっきから、福くんが家にくる話をしていただけに、
   それもかかっていて、うまい!!」

田中「ありがとうございました(ブリッジしながら)」

予選総合第7位(準決勝敗退) ワンダーランド
審査員
点数
98 93 68 23 86 平均73.6
【審査員コメント】 
・今回楽しみにしてたユニットktkr!
 個人的にはスゲェ笑わせていただきました。凄く面白かったです。
 ただ、ネタの構成の部分で、アナルのくだりが取って付けた様な感じで、あまり福くん愛菜ちゃんのくだりに関係なさ過ぎたかなという部分と、
 「いい加減服を着ろよ!」的な、田中さんの格好に対するツッコミは、若干見る人を選ぶんじゃないかなという所でこの点数とさせてください。
 てか、ゆーたさんのユニットにばっかりこんな高得点付けちゃってええのんか・・・  だっておもろいんやもん…しゅん…
  
・偏見かもしれないけれど、すげえ地下芸人の匂いがするよお……。でもって、あんたバカだろ! こんだけむちゃくちゃな事やって面白いってなんなんだ一体!
 しょっぱなからの身も蓋もない下ネタのインパクトと冷静に切り捨てるツッコミに笑って、福くんの話になってからは「なんだ。ありがちな変態が暴走するネタか……」と思いきや、
 中盤からはテキストならではのまさかな展開があって意表をつかれたし、そこからこっちの想像力を弄ぶようなインパクトのあるビジュアルにすっかり笑いっぱなしでした。
 ここからはそれまでのメインだった変態の暴走が完全に陰に隠れて、村田のツッコミから浮かぶ田中の姿で笑いを取っていくわけですが、
 田中が変態の妄想を語り倒すことで会話を成立させないことで村田が一方的にツッコむのが自然になるし、
 話を広げて軸がブレることを防いでいたりと、村田のツッコミを生かしていて――それでいて、ひどすぎる妄想でちゃんと笑いにもなっている――
 変態ネタなのはこの「会話不成立」の形式を自然に成立させるためにだったのではないかと思えその計算の高さに感動しました。
 ……いや、単にリビドーに任せて書きなぐっただけかもしれないけれど。
 まさかのどんでん返しのバカバカしさも絶妙。キワモノでありながら腕前は本格派。素晴らしいネタを見せてもらいました。
  
・『両脇に一人ずつ挟んでふくふくしたい』
 今大会で一番笑ったけど、一回死んだほうがいいです。
  
・いやぁ不快感がすごいですわ。
 楽しめない。それどころか、コレを楽しみたくないとすら思わせるレベル。
 そりゃあ、威力のあるフレーズや展開をいっぱい持って来れてるのも分かりますけれど、エグさの方が先行してしまって、笑うコトに拒絶反応が起こる。
 「アナフラキシーショック」のような状態に陥るんですよ。
 エンターテイメントとして痛手すぎる。
 折角のワードセンスも話運びの構成力も、半減どころの騒ぎじゃないくらいに台無しになっている。
 もっと距離を置かれないような作りにしていただけていたら有難かったかなと。
  
・『両脇に一人ずつ挟んでふくふくしたい』これ強烈ですねw
 次々と新しいインパクトが飛び出すのも流石です。
 複線部分がもう少し上手く重なり合っていれば言う事無かったかも。