2人:どうも、モダンカメハメハです。よろしくお願いします。
朝倉:今日も、頑張っていこうというわけで、さっそくですが飯尾君。
飯尾:なんでしょうか。
朝倉:俺の姉ちゃんがカフェ開きたいっていうんだけど、どんな雰囲気がいいのかなって。
飯尾:カフェって・・・メイドカフェしか浮かばないな。
朝倉:ガラッ。
飯尾:あっ、お兄ちゃん!カフェオレ一杯いっとく?
朝倉:料亭か!なんで、酒飲む感覚でカフェオレ飲まなきゃいけないんだよ!
飯尾:メイドカフェ多すぎてありきたりなんだよな。
朝倉:ありきたりというか、もう、おっさん寄りの店主だよ!メイドの萌え要素一個もないよ!普通に、「お帰りなさいご主人様」でいいんだよ!
飯尾:お帰りなさいご主人様。本日はカウンター席ですか?それとも、お座敷ですか?
朝倉:料亭じゃねーか!なんで、メイドカフェにお座敷なんか存在するんだよ!普通にカウンターかテーブルかどっちかでいいんだよ!
飯尾:カウンター席ですか?テーブル席ですか?それとも、私の膝の上ですか?
朝倉:メイドカフェはみんなのものだよ!なんで、アツアツカップルみたいなことを公の面前でやらなきゃいけないんだよ!
飯尾:お品書きはこちらになっております。本日は大トロが入荷しておりますので。
朝倉:だから、料亭じゃねーかよ!なんで、メニューじゃなくてお品書きなんだよ!しかも、なんで寿司ネタがメイドカフェに存在するんだよ!圧倒的な場違いじゃねーか!
飯尾:あと、スルメも用意しているので。
朝倉:明らかに日本酒飲ませる気満々じゃねーか!こんなとこサラリーマンしか来ねえよ!
飯尾:じゃあ、どんなカフェがいいんだよ!
朝倉:とりあえず、現代的で、自然に囲まれてる感じを出してもらいたいよ。
飯尾:そうか。
朝倉:とりあえず、メイドカフェから離れよう。
飯尾:おい!この先に、野生動物がいるから、それを狩って食べよう!
朝倉:野生児か!一気に原始的になったな!ていうか、なんで俺らジャングルにいる設定になってるんだよ!
飯尾:自然に囲まれているって言ったから。
朝倉:「現代的」な要素が一個もなかったけど!
飯尾:そんな条件あった?
朝倉:この話、それが最優先事項だった!それ忘れないで!
飯尾:ご主人様、本日は山で採れた大量の山菜と、海で取れたアワビをふんだんに使ったメニューがお勧めとなってます。
朝倉:ごちゃ混ぜになった!なんで、今までのくだり全部かけ合わせようと思った?
飯尾:とりあえず、メイドありきかなと。
朝倉:全部忘れて!一応、現代的なカフェをだったら、それでいいから!
飯尾:えーと、どんな感じ?
朝倉:一応、まとめなおすと・・・。じゃあ、猫カフェっていうのはどうだ?
飯尾:猫カフェ?
朝倉:カフェに猫がいて、猫と戯れることができるんだよ。
飯尾:そんなカフェがあるのか。
朝倉:猫ひろしじゃないぞ。
飯尾:とりあえず、花買ってきたから、ここに置いておこう。よし。お!シャルロット!元気だったか!
朝倉:なんか、シャルロットって名前のやつ、やけにでかかったけど、猫ひろしじゃないよな。
飯尾:違うよ?
朝倉:じゃあ、なんだよ。
飯尾:ライオン。
朝倉:でかすぎるよ!むしろ、放し飼いとか危険すぎるよ!で、最初に店の前に置いた花はいったいなんだよ!
飯尾:犠牲になった人へのお供えだよ。
朝倉:手遅れかよ!もう犠牲になってる人いるんだったら、もう閉店したほうがいいレベルだよ!
飯尾:だから、この店はあちらこちらに血痕がついてるんですよ!
朝倉:危険ってレベルじゃねーよ!じゃあ、もうとりあえず、普通でいいから!
飯尾:普通ね。わかった。お客さん、本日は何にしますか?
朝倉:じゃあ、カフェオレで。
飯尾:あ、そういえばこの店、人少ないのわかります?
朝倉:人が少ない?それまたどうして。
飯尾:出るんですよ。
朝倉:なんか怖いな!幽霊か。
飯尾:一応・・・そうなりますかね。
朝倉:幽霊出るのかよ!で、幽霊出るって噂流れてるのか?
飯尾:流れてますね。
朝倉:どんな噂で。
飯尾:ライオンに頭をかまれて、頭から血を流してる女性が夜にここに、現れて襲おうとするんですよ。
朝倉:さっきのライオンカフェじゃねーか!まったく参考にならねーわ!いい加減にしろ。
2人:どうも、ありがとうございました。
審査員 点数 |
4 | 4 | 3 | 3 | 25 | 平均7.80 |
【審査員コメント】 ・なんか話の構成がメチャクチャです。 「ガラッ」で入るメイドカフェの流れとか唐突すぎますし、朝倉さんは一度も「メイドカフェがやりたい」なんて言ってないのに、やたらと「ちゃんとメイドカフェをやれよ」と主張してくるので、論理性が全く無かったです。前置きを省かないでください。 「俺の姉ちゃんがカフェ開きたいっていうんだけど」という他人がやりたいと言っていたという導入も良くありません。 「俺がカフェ開きたいんだけど」という自分がやってみたいという導入なら、朝倉さんの後の発言に説得力を生み、「こういうカフェにしたい」という主張も違和感無く読者に伝わると思います。 おかしな日本語もたくさんありましたが、特に「一応」の使い方が気に障りました。「一応、現代的なカフェをだったら、それでいいから!」とか何が言いたいのかがさっぱり分かりません。 大事なのは「誰よりも早く投稿すること」ではないのですから、しっかり作品を見直した上で投稿してください。 ・こう、ネタの前に話の軸がブレ過ぎているんですよね。 一つの話題を主軸にそこからいかにボケをいろいろ広げていくって所が重要な所ですが、 そもそも話題のブレが大きすぎてボケの広げ方が全然目立ってないです。 ちょっとまずボケが成立するだけの常識ある土台づくりから見直さないとダメじゃないかと思います。 ・自分で書いてて、自分の中で全てが解決してる。 「読み手に伝える意識が無い」というか、それ以前に展開を考えるのにいっぱいいっぱいな印象。 ボケのためのフリになってるので、まずは自然な会話を志した方が良い。 それから、「、」がツッコミのリズムを崩してる。 色んな作品なり本物の漫才を見るなりして表現力を磨かないと何やっても同じ。 ・一番言いたい事は「もっと会話を意識して下さい」って事ですかね。 キャッチボールが余りにも成り立ってなさ過ぎて展開が把握できない所が多々ありました。 頭の中で読み上げてみた時に何も違和感を感じないのであれば、一度声に出してみると良いです。 ボケの内容自体もあまり響いて来ませんでしたが、その辺の発想を磨くのはとりあえずちゃんとした会話が書けるようになってからです。 以上の点から厳しい点数をつけさせて頂きます。 「トップバッター行くぜ!」という姿勢は嫌いじゃないですよ。 ・もう少し、頭の中を整理してから文章を書いたり、見直してみてください。 導入部分だけでももう少し丁寧に書かれていればなぁ、と。 突然コント入りして「ガラッ。」「あっ、お兄ちゃん!カフェオレ一杯いっとく?」だけでは「料亭か!」とはならない気がします。 どんな感じでツッコんだら面白そうか、などのイメージは出来ていると思うので、 まずはとにかく、自然な日本語・会話が書けるようになることが先決です。
大庭:ブックマーク ア・へ顔の大庭(おおば)です。
洲飼:ブックマーク ア・へ顔の洲飼(すかい)です。
2人:二人合わせて 大庭洲飼です。 よろしくお願いしまーす。
大庭:はい、早速ブックマーク ア・へ顔なのか大庭洲飼なのか皆さん混乱したかと思いますがね。
洲飼:そこらへんは彼の案なので笑いながら頑張ったとメチャクチャ褒めていただければと思います。
大庭:では本題へと入りますが、実は誰かに相談したいことがあってモヤモヤしているのです。
洲飼:そうですか。それなら私に相談すると良いですよ。
大庭:あ、もしかして相談されたい人ですか? それならば、40000円で相談してあげますよ。
洲飼:違いますけどね。しかし、たった今を進まなくちゃ未来は無いのでお支払いしましょう。
大庭:よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 4万円だぁぁぁぁぁぁぁぁ!
洲飼:ギャップにも驚かないでやってくださいね。こういう人なのです。では、相談してください。
大庭:はい。実はいろいろと断りたいものがあるのですが、力が及ばなくてですね。
洲飼:断りたいものですか。何でしょう?
大庭:コンビニでビニール袋いらないのに貰ってしまうことってあるじゃないですか。あれ断りたいのですよね。
洲飼:それは簡単ですよ。ハッキリといらないと言えば良いのです。
大庭:なるほど。あと、突然 電話でソーラーパネルつけませんか?って勧められることあるじゃないですか。あれも断りたいです。
洲飼:そういうのも買わないかとしつこいですからね。ハッキリといらないと言えば良いです。
大庭:なるほど。あと、指名手配犯捕まえたら懸賞金もらえるじゃないですか。あれも断りたいです。
洲飼:お金のために悪い人を捕まえたわけじゃないというのはカッコいいですが、断らなくても良いのでは? どうしてもと言うならハッキリといらないと言いましょう。
大庭:なるほど。あと、絶対王政の独裁者を倒したら処刑後にそいつの生首もらえるじゃないですか。あれも断りたいです。
洲飼:それはさすがに状況が特異過ぎて断り方知らないですよ。たしかにもらいたくはないですけども。
大庭:はい、最後のはそう言われると思ってました。そこで、調べてきましたよ。
洲飼:絶対王政の独裁者倒してその処刑後にもらえる生首の断り方をですか?
大庭:そうですよ。
洲飼:そんなこと調べたんですか。
大庭:実は断るには「倒した独裁者の生首はいらないという意思表示カード」が要るんですよ。
洲飼:カードなくても普通は生首いらないって分かるでしょうに。
大庭:どこの役所でも400円で発行できます。
洲飼:信じられませんね。
大庭:しかし、作ろうとすると「倒した独裁者の生首はいらないという意思表示カードを作らせない会」に邪魔されるんですよ。
洲飼:なんですかその長い名前の会は? 覚えられませんでしたよ。
大庭:略称は「生ドら」です。
洲飼:そちらは今 覚えることができました。
大庭:「生ドら」は大軍で襲ってきます。生ドを作らせないために必死なんです。
洲飼:怖いですね。生ドは例のカードのことでしょうが、「生ドら」は必死なんですか。
大庭:はい。どんな時も全部本気です。
洲飼:異常な組織ですね。
大庭:彼らにとって生コンは人に使うものですから。
洲飼:何のための「生」繋がりでしょうかね。
大庭:生ドを作りたいならどうにか和解しましょう。
洲飼:対立は避けるんですね。確かに争いは無い方が良いですから。和平協定とか結んじゃいましょうかね。
大庭:いえ、和平協定は結ばなくて良いです。だから、代わりに心と心で手を結んで。
洲飼:どういうことでしょうかね。まぁ、結んだと仮定しましょう。
大庭:すると、「生ドら」の下っ端Aが『みんな何考えてんだよ……俺らは何人たりとも生ドを作るのを許しちゃいけねぇ!そうだろ!?』と1人で楯突いてきます。
洲飼:下っ端風情が目障りですね。
大庭:しかし、彼は会の総意に歯向かう異端。辿る末路は記憶の消去です。
洲飼:なかなかにえげつないです。
大庭:記憶の消去を手伝うことで立派な共犯者になります。
洲飼:深いところまで巻き込まれますね。
大庭:これでもう大丈夫なので生ドを発行してもらいましょう。
洲飼:あとはあっさり作れるんですか。
大庭:以上、就活応援サイトの「倒した独裁者の生首はいらないという意思表示カードの作り方 〜初級編〜」の項より抜粋。
洲飼:よりによって就活応援サイトなのですね。
大庭:さぁ、あなたのスマホにもこのサイトの該当ページをブックマークしましょう。
洲飼:お断りします。
大庭:そう言わずにですね。ほら、このページも「私をずっとブックマークしてね」って言ってますから。
洲飼:擬人法を使われましても。
大庭:頑固ですね。
洲飼:そんなことより、どうして例の生首の断り方なんて知りたいと思ったのですか?
大庭:そりゃ決まってますよ。絶対王政下の民衆のために私が独裁者に立ち向かってやろうと思ったからです。
洲飼:なるほど。だから、倒した時のためにと。
大庭:私の力はとてもちっぽけな物です。独裁者を倒せるとは思っていません。
洲飼:はい。
大庭:しかし、だからと言って黙って目をつぶってなんていられません。誰かが立ち上がらなければならない。ならば、私が立ち上がりましょう。
洲飼:おお。
大庭:私の犠牲が契機へとなってくれたらそれは嬉しいです。だから、私は戦い抜きます。戦いなど無い私たちの世界のために!
洲飼:パチパチパチ。
大庭:それにしても、相談させてあげるだけで4万円もらえるなんて良いですね。これからもっともっと相談して稼いじゃいましょう、ウシシシシシ。
洲飼:いや、カッコいいこと言った後にそんなこと言わないでください! もういいです!
2人:以上!おおば〜すか〜い♪
審査員 点数 |
18 | 25 | 20 | 13 | 52 | 平均25.60 |
【審査員コメント】 ・「倒した独裁者の生首はいらないという意思表示カードを作らせない会」の所までは凄く面白かったです。 しかし生ドらがなぜ生ドを作ることに反対しているのかという根本的な理由が語られていなかったので、肝心の生ドVS生ドらの話が全く盛り上がらなかったのが残念です。 なぜ断り方を知りたかったのかの理由も、「独裁者に立ち向かいたかったから」という非常に在り来たりな理由でつまらなかったので、もっと意外性のある答えが欲しかったです。 前半の前置きを少し省略して、生ドの方に話を詰め込むことが出来れば、この作品は格段に面白くなると思います。 ・情報を混乱させる要素を使うのはとてもリスキーです。 でも一部のくだりは理解しなくてもいい情報だと明示していて、 それはネタの把握がが楽になるのでよい手法を取れていると思います。 まぁあとはもう少し主軸の話をしっかりさせられたらなぁと。 後半は「断りたい」の要素が薄まって話が自由に飛ばせられ過ぎる環境になっていて、 それに埋もれてボケが自己主張しきれていない印象があります。 ストーリーを整理すれば相乗的に飛躍するんじゃないかなというネタでした。 ・ユニット名やボケの特異さに全体の雰囲気が追い付いていない。 例えば生どラ近辺のくだりは凄く良いのに、方向性が変わりすぎて緩い敬語の掛け合いになってる点、 絶対王政~断り方の設定だけでもう少しストーリーを広げて、 洲飼が処理し切れないレベルの無茶苦茶なボケで展開した方が絶対に良い。 良くも悪くも中途半端。 ・設定自体の発想は良いと思います。 が、設定の強さに反して内容が薄かったように思います。 流れを意識して丁寧に作られたのかとは思いますが、面白い部分に来るまでの時間があまりに長かったです。 「倒した独裁者の生首はいらないという意思表示カード」が出てきた辺りから少しずつ面白くなってきているのですが それだけ丁寧な前フリがあった分に見合うだけの満足感は得られませんでした。 ・コンセプト自体は悪くないのですが、特に後半はボケというほどでもないボケが多く、ちょっと弱いネタになっていました。 「生ドら」よりも強いボケが軸に入っていればもっと上に行けたような気がします。 ところで、前回より相談料が下がってるのが微妙に気になりました。
休暇:どうも!休暇です!
高村:概念が やって来た。
休暇:産休とれたよ!サンキュー。
高村:俺の心は休まりそうもねぇな。
休暇:ホップ ステップ 休暇。
高村:飛べや。そこまで来たら飛べや。
休暇:今日はね結婚式のスピーチを練習しようと思ってね!
友人代表のスピーチを頼まれてしまって!
高村:友人いんのかよ。概念に。
休暇:友人のホリデイ君がね。
高村:外人版?お前の。
休暇:お前暇そうだなって言われて。
高村:あ あ 。 暇 そ う 。
休暇:それでお前も暇だろだなんて話になって。結局最後は崖から突き落として。ジ・エンド。
高村:殺したのかよ。 概念とはいえ。
休暇:結婚式のスピーチの練習を…。
高村:葬式の練習しろよ。
休暇:友人代表として。
高村:友人を名乗るおこがましさよ。
休暇:結婚に大切な3つのバンテリンがあります。
高村:なに筋肉痛に重きを置いてんだよ。
休暇:バン。テ。リン。
高村:それが故人に贈る言葉か。
休暇:バンは万国旗。
高村:使い道を教えろ。
休暇:テはてるてる坊主。万国旗でてるてる坊主作る!
高村:ブラジリアンなてるてる坊主出来んぞ。
休暇:リンは臨死体験ですね。
高村:その程度で済めば。
休暇:これが僕からの メッセージ です!
高村:落 第 点 。
休暇:どうです。桁外れのスピーチでしょう!
高村:ああ 桁外れでは あった。
休暇:拍手!!喝采!!
高村:これほど無益な拍手があったか。
休暇:あとはホリデイ君の紹介もしないといけないね。
高村:やるのかよ。
休暇:ホリデイ君が好きなモノはなんと!
休暇です。
高村:焼くぞ。
休暇:ホリデイ君はホント心優しくてね。僕が困っていた時に声をかけてくれたんだ。
高村:なんて?
休暇:多額の借金をしてた時なんだけど。
高村:概念に貸す金はねぇよ。
休暇:天狗に借りてまして。
高村:相手魑魅魍魎だぞ。
休暇:ホント寝てたら長い鼻を鍵穴に突っ込んで入って来るから怖い怖い。
高村:独自性がすげぇな。
休暇:その独自性を活かし鍵開け機の特許を申請して億万長者となったんだ!で、そのお金を借りたワケです。
高村:まさか天狗のサクセスストーリーを聞く事になろうとは。
休暇:で、そんなピンチの時にホリデイ君がやって来て声をかけてくれたんだ!
高村:なんと?
休暇:1月1日は
休みだよ。
高村:どうすんだ。 どうすんだこの絶望感。
休暇:その言葉を聞いた天狗が悔い改めてね。
高村:俺は荒んだぞ。
休暇:生まれ変わりました!天狗マークUに!
高村:マークUの説明をよこせ。
休暇:ホリデイ君はいいヤツだね。
高村:結果論でしかねぇ。
休暇:ホリデイ君!これからもよろしくね!
高村:とんだご挨拶だな。
休暇:天狗マークUさんと幸せにね。
高村:こんな急展開聞いてねぇよ。
休暇:あとはちゃんと働けよ!
高村:お前が言うか。もういいよ。
審査員 点数 |
54 | 51 | 38 | 61 | 55 | 平均51.80 |
【審査員コメント】 ・最初の6行のテンポが凄く好きです。ここだけ切り取ってコルクボードに張り付けたいです。 一見突飛な作品に見えますが、実際はただの休暇さんと高村さんの世間話に過ぎなかったので、凄く淡々と読めてしまい印象が薄かったです。 最初の結婚は実は天狗マークUとのものだったとか、何気なく物語性が作ってあったのは好きでしたが、ゆるっとした雰囲気に飲み込まれて笑いに繋がらなかったのが残念です。 もうあと何歩か、この不明瞭な世界から踏み出してみれば丁度良かったのかもしれません。 今の世界観では、何をやっても不思議な笑いしか生まれて来ないと思いますので。 ・んと、キャラ作りも言葉選びもだいぶ面白いんですケド、ちょっと入り込みづらいですかね。 「休暇」のキャラに対して必ずしも6行じゃ受け入れ態勢作れないので、 その状況でスピーチの話題に入っても、ボケの一つ一つが正式な威力で伝わってこないです。 話に入る前にもう少しプロローグ的な休暇のキャラ掘り下げがあった方が全体通して良かったかなと。 タメの効いた行の使い方なんかは好きだったので、 伝達をスムーズにする下地の作りをもう少し徹底するとより面白くなれるネタだろうなと言う印象でした。 ・はまらんかったなぁ。はまったら面白いと思うんですけどね。 天狗が鍵穴に鼻突っ込んで開けたってのは良かった。 後はなぁ…… ・丁寧な様な荒い様な不思議な感覚ですね。 発想自体もそうですし、高村の常に概念ということを忘れない客観的なツッコミも面白かったのですが あっさりと進む事がプラスになる内容ではないかなと思いました。 ・「落 第 点 。」みたいな空白の取り方など、ボケだけでなくツッコミにも面白いフレーズがあるのが良いですね。 前半はそこそこ面白かったのですが、一方で後半は物足りなさを感じました。 たくさん改行してハードルを上げた割にはそこまで面白いことを言ってなかったり(スカシ系なので難しいところですが)、 その大改行でテンポを崩した影響もあるのか、天狗のサクセスストーリーなどの面白いボケが含まれている割には薄味に感じました。 ただ、このコンビの技術は既にもっと進化してますよね。次回あたり大爆発しそうで今から怖いです…
2人:どうも、よろしくお願いします。
たん:いきなりなんだけど、御伽話でさ、『おじいさんの恩貰い』ってあるじゃん。
でん:それ多分、『鶴の恩返し』じゃないかな?!
なんで、おじいさんがわざわざ鶴の住処に「今日助けたお礼をください!」って訪問しなきゃいけないんだよ。
たん:ああ、間違えた。そうそう、その話の改訂版をね、今日は作って来たからここで発表したいんだけど。
でん:のっからタイトル間違えた奴が?
たん:大丈夫、任せなさい。
でん:じゃあ、お願いしますよ。
たん:ある雪山の中に、一軒のお家がありました。
でん:おお、はじまった。
たん:そこには、心優しいおじいさんと、想像妊娠中のおばあさんが住んでいました。
でん:どうしたの、そのおばあさん!
たん:ある雪の日のことです。おじいさんは、いつものようにライフセービングの資格を取得しに出掛けます。
でん:なんで?! そこ雪山でしょ?どこで取得できるのよ。
たん:「おばあさんやややや。吹雪のなかに行っててくるるるわわいいい」おじいさんは海パン一丁で凍えながら言いました。
でん:声ガタガタやないか。まず自分のライフをセービングすること考えろよ!
たん:「いってらっしゃい、オェ。気をつけるんだよ、オェオェ。」おばあさんは、つわりが始まりました。
でん:どんな老夫婦だよ! 逆にタフで尊敬するわ。
たん:おじいさんは雪山を海パン一丁でトボトボ歩いています。
でん:大丈夫かよ。
たん:凍えて死にそうになることもあります。
でん:だよな。
たん:でも、ゴーグルを付けてたまに通りすがる同年代の頑張っている姿を見ていると、おじいさんも負けじと勇気を振り絞って歩こうと奮い立ちます。
でん:その年代の老人達の行動が奇怪すぎるだろ。
たん:ふと、雪の中にうごめくものをみつけました。
でん:やっと、本筋に辿り着いたようですね。
たん:おじいさんは恐る恐る挙動不審に近づきます。
でん:別に恐れても良いけど、普通に近づいてくれよ。
たん:順風満帆な人生をふと思い浮かべながら、その物体に近づきます。
でん:なんでちょっと愉しくなっちゃったの?
たん:その正体はなんと、
でん:なんと
たん:ワーナーに掛かった鶴でした。
でん:ワナね。ワーナーって言うと、映画会社にスカウトされた鶴みたいになるから。
たん:「あら、可哀相な鶴だ、さぞかし寒いだろうに・・・!」海パン一丁のおじいさんは言いました。
でん:あんたのほうがさぞかし寒いだろうに!
たん:ワナと寒さで生死を彷徨う鶴
でん:可哀相だ。
たん:凍傷だらけの鶴に、何もできずにただ立ち尽くすおじいさん
でん:こここそ、ライフセーバーの経験見せるとこだろ!! しかも取得しに出かけてる途中ならなんかしら持ってないの、応急処置道具とかさあ。
たん:おじいさんは、自分の今できる最大のことを考えた末、ワナを取ってあげました。
でん:咄嗟に行動しろよ、それぐらい。
たん:鶴は、空高く飛んで行き、おじいさんはニヤけながらそれを見送りました。
でん:なんでニヤけてるんだよ
たん:順風満帆な人生をふと思い浮かべたからです。
でん:再び!?しかもそのタイミングで!?
たん:日が暮れた頃、おじいさんはライフセーバーの免許を掲げ、バク宙しながら家へ戻りました。
でん:取れたんだ、良かったねえ・・。バク宙に関してはスルーしよう。
たん:そして、今日の出来事をつわり婆さんに伝えました。
でん:いいよ、そんなあだ名付けないで。
たん:「つわり婆さんや、今日鶴を助けてやったんじゃよ」おじいさんは言いました。
でん:せめて、おじいさんは「つわり婆さん」って呼んであげるなよ。
たん:その話を聞いたおばあさんは半分弱、理解しました。
でん:おばあさんの理解力!!
たん:おばあさんは聞き返します。「えっと、ということはじゃよ? つまり、・・・・ハタを織ってる最中は覗いてはいけないと言うことかい?」
でん:おばあさんの察し力!! おじいさんの話は全然理解してないけど、後々の結末を悟ったぞ。
たん:トトトトトトトン!!
でん:ん、
たん:誰かが扉を叩きます。
でん:おお
たん:「こんな遅くに誰かしらねえ。映画会社かなあ。」
でん:ワーナーはスカウトに来ないわ。
たん:「おじいさんや、ちょっと開けて見てくれや。」おばあさんが言うと、おじいさんは扉の方へ、
でん:まさか
たん:また、恐る恐る挙動不審に、尚かつ、順風満帆な人生をふと思い浮かべながらに近づきました。
でん:出たよ、恐る恐る近づく際のお決まり行動パッケージ。
たん:扉を開けると、そこには女の人が立ってました。
でん:見ず知らずの女の人が尋ねてくるのは、びっくりだな。
たん:「知り合いかい?同年代の。」おばあさんはおじいさんに尋ねます。
でん:いや明らかに同年代では無いだろ・・。
たん:「よく見なさい、ばあさんや。ゴーグル掛けてないじゃないから、違う!」
でん:そこ判断基準?! 同年代みんなゴーグル掛けて雪山走ってるのかよ。
たん:その女の人は、どうやら山で道に迷ってしまったそうです。
でん:吹雪ですからね、外は。
たん:おじいさんとおばあさんは、自分達の今できる最大のことを考えた末、家に泊めてあげることにしました。
でん:だから咄嗟に出ろや、それぐらいの考え!
たん:少し経って、女性は部屋で綺麗な布を織りたいと言いました。
でん:機織りですね。
たん:そして、部屋のふすまを閉める前に、女性がおじいさん達に一言喚起しました。
でん:一言?
たん:「絶対にFacebookにアップしないでください。」
でん:ええええ!?おじいさんとおばあさんが?絶対しないわ!! というか、そこは普通「覗かないでください」だろ?
たん:「もし、私が機織り中の写真を何枚かアップしたとしても、シェアしないでください。」
でん:お前はアップするんかい!
たん:女性は、絶対に覗かないで下さい。というニュアンスも込めてそう言い残し、機織りを始めました。
でん:んなの、伝わるかーい!!
たん:おじいさん達は、「Face・・・Look・・・!」と聞き間違え、女性の顔を見ようと、必死に部屋のふすまをこじ開けました。
でん:これは悲運の聞き間違いや!
たん:すると、「わわわ!!鶴・・・!!!!」 おじいさんはビックリして腰抜け! おばあさんもビックリしてマタニティーブルー!
でん:それは、ただの想像妊娠!!
たん:そこには、女の人の姿は何処にも無く、一匹のゴーグルをした鶴がいました。
でん:同世代やん!!
たん:「おじいさん、私は先程の鶴です。この御恩は忘れません。しかし、見られてしまったからにはもうここへは居られません。」
でん:あ、お別れのときだな。
たん:「本当にありがとうございます。」と言い残し、鶴は、世界に羽ばきました。
でん:ん?・・・世界に?
たん:そう、夢のハリウッドへ!
でん:いや、ワーナーに引っ掛かった!! もういいよ!!
2人:どうも、ありがとうございました。
審査員 点数 |
40 | 36 | 42 | 64 | 80 | 平均52.40 |
【審査員コメント】 ・順風満帆な人生を思い浮かべてニヤケるお爺さんが凄く好きです。 しかしお爺さんのキャラクターを丁寧に書きすぎたあまり、肝心の鶴が恩返しするシーンの印象が薄くなってしまったのが残念です。鶴のキャラクターも見えてこないままでしたし。 いっそのこと鶴なんか助けずに、お爺さんだけの話にしてしまえば良かったかもしれません。メインを飾っても申し分無いくらい、お爺さんのキャラクターは完成されています。 中途半端に原作に忠実にされても中途半端な印象を与えるだけですし、もう少し思い切りを持って物語を構築してみてください。 ・「話題が鶴の恩返しである必要のないボケ」が多いってのが、 意識の目立つ所に常に引っ掛かりながら読まなきゃならないのが楽しむ上で邪魔になっていてもったいない。 話の中にあからさまな異物として存在しているから、伏線回収に使っても「まぁコレは回収しますよね」 って感想が強めに発生してそれも楽しむ上で余計な障害になってしまう。 「ゴーグル」とかそれを物語中に登場させてしまう連想経路をしっかり見えるようにするとかそーゆー工夫が欲しい。 そんなカンジでもう少しすんなり読み進められるように整備してもらった方が、 ちゃんと言葉選びとかも生きて来るんじゃないですかね。 ・「半分弱理解しました」「映画会社かなぁ」と時たま光る部分もあるけども、 全体的にただただベタ。使い古されてる。 facebookボケはなかなか見たことが無いので新鮮だったけど、その分爆発的なボケに昇華してほしい。 基礎はしっかりしてるしまとまってはいるんだけども、突き抜け切れてない。 ただ、ラスト10行は凄い盛り返しだった。あれだけで5点は上がった。 ・面白いです。 一つのボケを引っ張ったり、ということは良くあると思うのですが ライフセービング、老人たちの行動、ワーナー、想像妊娠のお婆さんなど、いくつかのボケを いろんな角度から組みこんでくる技術は凄いと思います。 が、他の方と比べてしまうと少々物足りない部分も感じました。 ・シンプルでベタながらも、ボケの掛け合わせ方が上手くて楽しめました。全体感がありますね。 「想像妊娠中のおばあさん」「ライフセービングの資格を目指すおじいさん」という設定も絵が分かりやすいですし、 「ワーナーに掛かった鶴」のような大胆なダジャレ、「恐る恐る近づく際のお決まり行動パッケージ」のような言葉選びも良かったと思います。 さらにオリジナリティのある設定やボケが出せるようになると、シンプルな構成と合わさって大爆発しそうですね。
イヴ:どもども。年金は付けヒゲ代に費やしています。 銀河に佇むお蕎麦屋さんこと、壇蜜ちゃんでございます。
鈴村:年金とか払う側でしょうが。
女の子だからヒゲも必要ないし、あんたそんな奇抜なキャッチフレーズの付いた壇蜜ちゃうやろ。
のっけから好き勝手にボケられると困るよ! おかげでボケの大渋滞だよ!
イヴ:さて、今日は何の話をしましょうかね。
鈴村:好き勝手ボケる割にはフォーマルな導入!?
まぁ、究極の選択っていろいろな場面でありますよねって話をしたいわけですけれども・・・
イヴ:いかん! あんた乳首を失うぞ!?
鈴村:失わないよ! そんな危険を伴う漫才例がないからさ。
イヴ:小さい頃の話をしましょう!
鈴村:強引だなぁ・・・ 小さい頃の話って言っても、幅が広いじゃない。
一体どんな話がしたいのさ?
イヴ:小さい頃って言ったらさ、いろんな遊びをやったよね。
鈴村:まぁ、そうですね。
イヴ:例えばポケモンとかね。
鈴村:あら随分と現代的な・・・
まぁ、こういう時の相場はだるまさんがころんだとか、10回クイズとかだと思ってた、僕の固定観念が悪うございましたわ。
イヴ:ポケモンと言えばさ、最初に3匹のポケモンを見せられて、どれか1匹だけを仲間にするっていう選択肢があるじゃない。
あの選択肢に悩まされた思い出を、ちょっと今ここで振り返ってみようよ!
鈴村:随分と遠回しに僕の提案が可決されたようで何よりでございます。
イヴ:やぁ、ワシはポケモンについて研究しているイヴちゃん博士。
鈴村:あ、もうコントが始まっているのね。
乳首を失わないようにお互い気をつけましょう。
イヴ:みんなからは、クソババァと呼ばれて、親しまれておるよ。
鈴村:町の嫌われ者じゃねぇかよ!
イヴ:ここに3つのモンスターボールがあります。 どれか好きなものを1つ持って行きなさい。
鈴村:冒険のパートナーを選ぶ、大事な選択ですね。
ちゃんと考えたいので、1つずつ詳細を教えてもらってもいいですか?
イヴ:よかろう。 ではまず1つ目のモンスターボールは、渋谷のギャル5人がかりでしっかりとデコられてしまったボールじゃ。
鈴村:クッソ派手なボール出てきた!?
ビリリダマが擬態できなくて泣き出すレベルやで・・・
イヴ:この中には生のホタテが入っておる。
鈴村:あっ、ポケモンでも何でもないや。
ポケモンリーグのチャンピオンの称号よりも、醤油とバターが欲しくなるわ。
イヴ:かいがらポケモン、生のホタテじゃ。
鈴村:種別みたいなの後から取って付けても無駄だよ!
最低でも生きた状態のモンスターが入ってるボールを選ばせてくれよ。
イヴ:では、こちらのドラゴンポケモンが入ったボールはどうかな?
鈴村:ドラゴンポケモン!? なんか強そうな響き・・・! これが良いかも!
イヴ:そうけそうけ。
鈴村:妙に軽い返事だ。
イヴ:それではこのボールをあげよう! 201桁の暗証番号を入力しなければ、ボールは開かんがな。
鈴村:なんだその厳重警備は!? 閉じ込められてるポケモン虐待してるようなもんだろ!
イヴ:ちなみに暗証番号には36進数が用いられているから、「0〜9とA〜Z」の36種類の文字が201桁並んだ番号を入力するのじゃ。
鈴村:なんだそのトチ狂った数字は!「0(ゼロ)」と「O(オー)」が混在してたら手詰まりじゃねぇか!
もうこれもいいですよ! 最後のボールを見せてください!
イヴ:最後のボールは、見て驚くでないぞ! なんと、渋谷のギャル5人がかりでしっかりとデコられてしまったボールじゃ。
鈴村:さっき同じモデル見たわ!
絶対流行らないわそのボール。
イヴ:しかしじゃな、今度のボールにはちゃんと生きたポケモンが入っておる。
鈴村:死んだポケモンが入っててたまるか。
イヴ:3つ目のボールには、松野明美が入っておる。
鈴村:さっさとボールから出してやれよ!
確かにちょっとモンスターっぽい立ち振る舞いはするけどもさ!
イヴ:それはいかん! 松野明美は我々から乳首を奪う!
鈴村:犯人コイツだったんか・・・
てかそれならそもそも、松野明美が選択肢として出てくるパターンをチョイスしなければ、乳首狙われずに済んだだろ・・・
イヴ:さて、どれにするかのぅ?
鈴村:いや、マトモなものが全然ないからさぁ・・・
イヴ:では、実際にこの3匹を使ってポケモンバトルをしてみるかい?
鈴村:こんなのでホントに勝負になるの・・・?
イヴ:やってみましょう!
あっ! やせいの イヴちゃん博士 が しょうぶ を いどんできた !
鈴村:野生動物だったのか・・・
そんでクソババァなのか・・・
イヴ:さぁ、なるべくモンスターを使って戦ってごらん。
鈴村:なるべくも何も、モンスターを実際に使ってみろって話でしょうが。
じゃあまずはドラゴンポケモンを使わせてもらうかな!
イヴ:よろしい。 ちなみにボールの暗証番号は、201桁全部「5」じゃ。
鈴村:宝の持ち腐れだよ! 厳重な桁数も36進数もほとんど活かされてないじゃんか!
それいけ、モンスターボール!!
イヴ:このポケモンは、ドラゴンポケモンのカイリューじゃ!
鈴村:うぉっ!強そうなポケモン!
イヴ:全部で47種類いると言われているポケモンの中でも、最強クラスの強さを誇るポケモンじゃ!
鈴村:あれ?47種類? 151種類じゃないの?
イヴ:えっ、だって 151÷36=4とあまり7だから・・・
鈴村:36進法で表してたんかい! ややこしくて仕方ないわ!
あやうくポケモン図鑑がパラセクトで完結するところだったよ!
イヴ:カイリューは強いポケモンだから、覚えている技も凄まじいものばかりじゃよ。
鈴村:それは心強い! ちなみにどんな技を覚えているんですか?
イヴ:まずはポケモンが覚える技の中でも最強クラスの技、「破壊光線」じゃ!
この一撃で、どんな相手だろうと木っ端微塵じゃ。
鈴村:強そうだけど、今からイヴちゃんにぶっ放そうとしている技だからね一応。
イヴ:そして美しさすら感じられる空中殺法、「空を飛ぶ」じゃ!
シルク・ドゥ・ソレイユみたいじゃ!
鈴村:凄さがいまいち伝わらない・・・
イヴ:次にこれは欠かせない、「乳首を取る」じゃ!
鈴村:お前も乳首を奪いに来るんかい!
イヴ:シルク・ドゥ・ソレイユみたいじゃ!
鈴村:シルク・ドゥ・ソレイユみたいな乳首取りってなんだよ!?
シルク・ドゥ・ソレイユにそんなイメージないわ!
イヴ:そして最後に「交尾しているカブト虫を引き剥がす」じゃ。
鈴村:それに関してはまったくもって訳がわからん!
そもそも技の使用タイミングが狭すぎるだろ。
イヴ:さぁ、どうやって戦うかのう?
鈴村:なんかどれもイヴちゃんに向けて使うには気が引ける技だなぁ・・・
悪いけど別のポケモンを使わせてもらうよ!
イヴ:ではこの派手にデコられたボールの出番じゃな。
そういえばこのボール、さっき「渋谷のギャル5人がかりでしっかりとデコられてしまったボール」と言ったが、
本当は原宿のギャルの誤りじゃ。
鈴村:ギャルの産地とか別にどこでも良いわ!
イヴ:間違えた情報を与えてしまって深く反省しておる。
お願いだから殺さないでおくれ!
鈴村:そんな酷い事しないからさ・・・
そもそもちっとも怒ってないからね僕。
イヴ:とにかく、あと2体のポケモンを上手に使って、ワシを倒すのじゃ!
鈴村:結局暴力的手段に出ざるを得ないのね・・・
とりあえず、生のホタテでも投げつけてみるか。 それっ!
イヴ:ギャーッ!! 松野明美だーっ!!
乳首を取られるぅぅぅっ!!
鈴村:あっ、ボールのデザインが同じだから間違えたか・・・
こんな時はどうしたら・・・
とりあえずカイリューで松野明美を倒そう。
イヴ:おうふっ! 松野明美が引き剥がされていくー!
鈴村:松野明美と交尾するカブト虫って、同類項でくくれるのかぁ・・・
おおっ、松野明美がシルク・ドゥ・ソレイユ的な動きで宙を舞い、最終的には破壊光線で塵と化してしまった・・・
イヴ:松野明美はいなくなった・・・
しかし、ワシの乳首は奪われてしまった・・・
鈴村:そうですか・・・ なんかどうでもよくなってきてますわ僕・・・
イヴ:しかーし! ここでワシは生のホタテを食す!!
するとたちまち乳首は元通り!
鈴村:なんなんだその得体のしれないメカニズムは!?
イヴ:P5個あるワシの乳首もこれで一安心じゃ。
鈴村:また出たよ36進数!!
P5個って事は・・・ Pがアルファベットで・・・ 16番目だから、
36×9と、36×16と、5を足して・・・
324+576+5で・・・ 905個!?
服の下乳首だらけじゃないか!!
イヴ:計算ご苦労様。
鈴村:携帯電話に電卓機能を最初に付けようと考えた人には頭が上がりません。
イヴ:さて、松野明美も生のホタテもなくなった今、君はカイリューだけでワシを倒せるかのう・・・?
鈴村:そういやバトルの最中だったのね。
乳首でも奪ってやれ!
イヴ:ヒィィッ!! せっかく集めたのにぃぃっ!!
鈴村:だいたい乳首とか集めるもんじゃねぇだろ。
イヴ:町中から略奪した乳首が・・・
鈴村:あんたも周囲から乳首奪い取ってたんかい。
てか、そんな事するからみんなからクソババァって呼ばれてるんだろ!?
イヴ:みんな親しみを込めて呼んでくれておるよ。
鈴村:絶対込められてねぇよ。
それにしても人から乳首奪って、何で乳首の数が奇数になるんだよ!?
てかなんだよコレ、なんだかんだで結局究極の選択なんて出来てないじゃないか!
イヴ:よし、それじゃあ今の反省を踏まえて、もう1回チャレンジさせて!
今度は45兆2進数で言うG5択で究極の選択をしましょう!
鈴村:もう訳がわからないよ!!
審査員 点数 |
27 | 58 | 15 | 75 | 91 | 平均53.20 |
【審査員コメント】 ・交尾するカブト虫扱いされる松野朋美で爆笑しました。 ボールに生のホタテが入ってるのも面白かったので、ホタテが戦っている所も見てみたかったですね。 ポケモンをここまでえげつなくアレンジするというのがまず新鮮で面白かったです。 しかしここまでやるんだったら、もっと状態異常やステータスなど、コアな要素に突っ込んでも良かったかと思います。 それと36進法は説明が多すぎてあまり面白くなかったので、もっとテンポの良いフレーズに変えたら、より印象が強い作品になったと思います。 ・想像しやすいアイテムを読みやすい文体で進めていくのがとても強いですね。 字面の面白さと即興性のあるイメージ映像とが常に付きまとわせられているので、 だいぶトバした設定で情報量多いのに読む上での苦労が完全とまでは言えないまでもだいぶ緩和されています。 あとはその読み手の頭の中にせっかく作り上げたイメージをもうちょい深く広げられたらなと。 情報受け取るのは楽になってますが、それをネタの進行中に記憶し続ける労力はやはりかかるので、 定期的にその記憶を刺激し続けたり、少ない情報をリサイクルしたりして、 負担を少なくしてもらえたらもっとスラスラとネタをエンジョイ出来るようになるかなと。 ・演じ手のテンションに付いていけない。 「乳首だらけ」の図が笑いを越えて気持ち悪すぎる。 そもそも乳首ボケに何の面白さも見いだせない上に、固有ボケを乱用している割にはベッタベタ。 カイリューで松野明美を倒そうとする発想自体は唯一の光るポイントだったものの、 全く生かせず終わったので残念。 ・うわー…これは、面白いなー…! 話題がポケモンなので、知らない人が見たらもしかしたらというリスクもあると思うんですが かいがらポケモン生のホタテや野生動物などキレのあるボケがとても魅力的でした。 そしてなによりも、36進数というボケのインパクトが素晴らしかったです。 単発のボケかと思ったら、47種類のくだりでもう一度組みこんでみたり そこで終わらず905個の乳首に応用していくなど、単語単語の破壊力と組み合わせの上手さで伝えづらい設定を上手い事見せていると思います。 ・「渋谷のギャル5人がかりでデコったボール」「生のホタテ→かいがらポケモン」「チャンピオンの称号よりも醤油とバターが欲しい」 「201桁の暗証番号、36進数」「ちゃんと生きたポケモン」「201桁全部5」「全部で47種類」 「あやうくポケモン図鑑がパラセクトで完結」「シルク・ドゥ・ソレイユみたいじゃ!(2回目)」 このあたりがめちゃくちゃハマりました。ボケの重ね方が見事なんですよね。 ここまでハマったフレーズが多い作品が個人的には他になかったので、結果的に今回第1位の点数をつけてしまいました。 で、1位の得点をつけておきながらの指摘で難なんですけど、 「乳首を失う」「松野明美」は正直そんなに目を見張るフレーズでは無いですし(他が面白かったので見逃せた)、 最後のP5(=905)個の乳首のところは、面白さもある一方で、説明をくどくした割には大したフレーズでツッコんで無いなど、 もう少し読み手に親切な書き方になっていると良いなぁ、と思う部分はありました。 これだけ破壊力のあるボケを作れるとなると、逆に正統派を装った感じでネタを書いてみるのも良いかもしれませんね。
高部:どうも、ステレオミサイルです
いきなりなんですけど、僕さけるチーズを食べたいんですよ
辻添:食べたいんならスーパーとかで買えばいいだろ
高部:でも、逃げちゃうじゃないですか
辻添:逃げちゃう・・・って何が?
高部:だって、避けるチーズですよ
辻添:意味が違えよ!その避けるじゃねえよ!
高部:だってスーパーで見つけてもすぐ逃げられてしまうんですよ
辻添:チーズが逃げるの!?そのチーズ妖怪かよ!?
高部:それでこの前なんて逃げたチーズ追いかけてたらいつの間にか砂浜に居たんですよ
辻添:追わなくていいだろ!他のスーパー行けよ
高部:僕はさけるチーズ追わなきゃいけないんですけど、砂浜で薄っぺらいチーズがマグロをいじめてる状況が気になりまして
辻添:何だその状況!?いじめられるにしてもなぜマグロの方が!?
高部:だからそこの薄っぺらいチーズに僕は言ったんですよ
「マグロをいじめるのはやめろ!漁獲量が、その、えーと、あの・・・・・・なんかアレなんだぞ!」
辻添:随分ぼやけた怒りだな!とりあえずお前があんまりニュースを見ないことはよく分かったぞ
高部:そしたら薄っぺらいチーズはこう言うんですよ
「僕はトロ蹴るチーズですから」
辻添:とろけるチーズだろ!だからってマグロ蹴らなくてもいいだろ!
高部:だから僕は言ってやりましたよ
「そこは赤身の部分だ!」
辻添:部位の問題!?お前どこに対して怒ってんだよ
高部:「えっ?そうなの!?」と言いながら恥ずかしさの余り体が火照って、とろけるチーズはドロリと溶けました
辻添:とろけた!本来の自分を全うした!
高部:するとマグロが感謝してるらしく、僕にこう言ったんですよ
「ありがとうございます。助けてくれたお礼に乳牛城へお連れします」
辻添:竜宮城じゃなくて!?でも乳牛城なら他のチーズとかありそうだな。それでお前は浦島太郎的展開でそこに行ったのか?
高部:「マグロさん、前のさけるチーズを追ってください」
辻添:そのさけるチーズそんなに食いたいか!?乳牛城行けよ!面白そうだから行けよ!
高部:僕はマグロに乗って追いかけました
辻添:傍から見たらとんでもない状況だけどな。というかマグロ了承したのかよ
高部:途中高速道路に入って追いかけました
辻添:どこを走ってんだよ!というかマグロで走れんのかよ
高部:出るとき料金所のおっちゃんが「これ普通車と同じ料金でいいのかな?」って言ってました
辻添:そう言うだろうな!マグロが来たんだからな!
高部:それで高速道路を出た所でさけるチーズを見失ったんですよ
辻添:もう別のスーパー行けよ、他にもスーパーあるだろ
高部:なのでさけるチーズが居そうなストリップ劇場に行きました
辻添:どうしてストリップ劇場に行くんだよ!
高部:チーズも乳から出来てるので帰巣本能で戻ってくると思ったんですよ
辻添:それ別モンの乳だろ!居る訳ねえよ!
高部:中に入るとそこにはチーズちくわが居ました
辻添:チーズいた!帰巣本能あった!
高部:そこでチーズちくわがストリップやってて、見てる僕は興奮しっぱなしですよ
「あぁ〜、チーズがちくわを脱いでる〜」
辻添:それストリップか!?そうだとしたらチーズちくわの工場内部をテレビで映したらモザイクかかるぞ!
高部:「うわぁ、焦らしてなかなか脱がない〜」
辻添:焦らすな!大体結果見えてるから意味ないぞ!
高部:「コイツ黄色か〜、興奮すんな〜」
辻添:いつも黄色だ!興奮する要素ねえぞ!
高部:それをマグロも横にいて見てたんですよ。でも全然興奮しないんですよ
辻添:マグロも見てたのかよ。言っとくけど興奮しないマグロの方が正しいからな
高部:やっぱり性に関してもマグロなんですね
辻添:そういう意味のマグロじゃねえよ!
高部:それでストリップを見終わって劇場を出ると、さけるチーズが目の前歩いてるんですよ
辻添:お、本来の目的じゃないか
高部:それでまたマグロに乗って、適度にムチを入れながら行きます
辻添:競馬かよ!陸上の生物じゃないんだから無理させんなよ
高部:途中キツい坂道で登坂車線を使うかどうかでマグロと口論になりました
辻添:どうでもいいよ!走ってるのマグロなんだからお前が折れろ!
高部:そして追い続けてやっと捕まえたんですよ
辻添:おお、遂に捕まえたか
高部:でもさけるチーズが衰弱してるんですよ
辻添:何でだ?
高部:さけるチーズは声を振り絞りながらこう言いました
「私は・・・裂かれるのが怖かった!・・・だから避けたんだ!」
辻添:さけるチーズだろうが!それが持ち味だろうが!
高部:「もう雪印乳業に敷かれたベルトコンベアーの上を流れるのは嫌だ!」
辻添:親に敷かれたレールの上みたく言うな!
高部:「身を粉にして逃げた結果・・・粉チーズになりそうだ・・・」
辻添:別の商品になろうとしてる!
高部:「もう私は長くない・・・粉になったら、あの枯れ木にかけて・・・くれ・・・」(パサァ・・・)
「さけるチーズぅぅうううう!!!うわぁぁあああ!!!」
辻添:これかなり訳分かんない状況だぞ!?お前にとってそんなに心打たれる出来事か!?
高部:あ、さっきの「さけるチーズぅぅうううう!!!うわぁぁあああ!!!」はマグロのセリフです
辻添:お前のセリフじゃないのかよ!?マグロが感動してんのかよ!
高部:僕は特に心揺るがなかったんですが、言われたので仕方なく粉を枯れ木にかけました。すると綺麗な花を咲かせました
辻添:どうして!?何で花が咲くんだよ!?
高部:「アイツは裂けるでも避けるでもない、咲けるチーズだったんだー!!」
辻添:咲けるの方かよ!咲けるだったらこの商品全然売れねえと思うぞ
高部:と、今日一番のセリフをマグロがビシッと決めたんですけど
辻添:またマグロのセリフかよ!?お前はこの状況に感動してないのか?
高部:これっぽっちも
辻添:あれだけ必死に追ってたのに!いざ会ったら対応が冷た過ぎじゃねえか!チーズちくわの時とのリアクションの差が酷い!
高部:それで、僕この話を本にして出そうと思ってるんですよ
辻添:今の話を!?売れないと思うぞ!
高部:ちなみに本のタイトルが『チーズはどこへ消えた?』です
辻添:そのタイトルの話既にあるわ!そもそもどうして本にして出そうと思ってるんだよ
高部:僕さけるチーズを独占する為に、この本の売上で雪印乳業を買収しようと思います
辻添:絶対無理だよ!もういいぜ!
二人:どうもありがとうございました
審査員 点数 |
72 | 79 | 17 | 58 | 66 | 平均58.40 |
【審査員コメント】 ・「アイツは裂けるでも避けるでもない、咲けるチーズだったんだー!」思わずグッときましたこのセリフ。そしてこれをマグロが言っているのがまた面白いです。 チーズ関係も当然面白かったのですが、それよりも高速で走るマグロに跨る絵面が面白すぎて、作品の世界観にグングンと引き込まれました。ストーリーの完成度が高いです。 ただ漫才として、あまりにも語る内容が現実離れしすぎていて、読み手に訴えかける説得力が弱かったため、フィルターを通した笑いになってしまったのが残念です。 もう少し現実的なワードを話の中に組み込ませて構築させてみれば「いやでもこれ現実の話じゃないんだろ」という野暮なことを一切思わせずに読ませられる作品になれると思います。 ・トロ蹴るチーズは何度観てもいいなぁ。 状況がカオスで理解しづらいフラストレーションが溜まってそろそろ限界と言う段で、 スッと上手い風のコトを滑り込ませるのはとても心地イイ。この惹き込みの流れは絶賛です。 後半に上手さでさらにそれを上回る「咲けるチーズ」を仕組んであるのもすごく効果的ですし。 すごく上手いこと言えてるモノがあるぶん、粗い部分も目立ってしまっているのが少し勿体ないですが、 それでも全体的にやはり心地よい上手さで快楽を満たす印象の方が強くて、 面白さのバリエーションがとても満足できるネタでした。 ・「さけるチーズを追いかける」と云うエキセントリック甚だしい状況にボケが追い付いて無さすぎる。 やりたいことは分かるんだけども、どうにも自己完結し過ぎていて読み手に状況が伝わりづらい。 この2点に集約されます。 ・うーむ…面白いんですけどね…。 飛ばした設定の割には落ち着いてしまったような気がします。 入りに少々の荒さが目立って避けるチーズという単語のインパクトが頭にすっと入ってこなかったです。 これだけ素敵な発想だからこそ、丁寧な前フリを意識したほうが良かったように思えます。 後半の「咲けるチーズ」から「と、今日一番のセリフをマグロがビシッと決めたんですけど」と絡めてくる所は上手かったです。 ・奇抜な設定の上でボケを作り通せていたのは見事だと思います。 主にツッコミが気になっていて、目の付け所が良くて鋭いツッコミもそこそこ見られたものの、 ボケの奇抜さに対してツッコミのボキャブラリーが追い付いていないのが気になりました。 テンポなどを考えると必ずしも悪いとまでは言えないのですが、それにしてもそのまますぎるツッコミが多かった印象です。 また、基本的にシンプルなツッコミが多い分、 「乳牛城行けよ!面白そうだから行けよ!」など、たまにあるトリッキーな発言がちょっと浮いていたような気がします。 ボケや設定を作る能力はあると思うので、ステレオミサイルの将来は辻添さんのツッコミの腕磨きにかかっているかもしれません。 まずは、ボケをより引き立てる、というような意識でツッコミを見直してみると良いと思います。
冬馬「こんばんは! スオムスいらん子中隊の五島冬馬です!
冬馬という名前から男性に間違えられやすいですが、れっきとした女性です!」
歌姫「ごきげんよう! スオムスいらん子中隊の六川歌姫ですわ!
名字も名前も読み間違えられるのでルビを振ると、ひらがな8つで、ろくかわうたひめ、ですわ!」
学美「はいさーい! スオムスいらん子中隊の九州学美ですYO!
本名は“まなみ”ですけど、芸名は“まなび”でーす! “まなみ”って呼んでくださーい!」
冬馬「じゃあなんでその芸名にしたんですか!?
……こほん。えー、さて。早速なんですが、わたし、理想のデートというものがあるんですよ」
歌姫「まあ、素敵! そんな冬馬さんのクレイジーなデートプランを教えてくださいな!」
冬馬「そんなクレイジーなものじゃないですよ!?」
学美「早く聞かしてくださいよ、冬馬さん! そのクレイジーケンバンドなデートプランというのを!」
冬馬「そんなデートプランがあるとしたら、わたしが恋人に『わたしの話を聞け』って言って5分話すだけですよ!
えっとですね……まず駅前で待ち合わせをするわけですよ。で、待ち合わせの時の定番のやり取りってあるじゃないですか」
学美「だーれだっ!」
冬馬「あっはい。そうですね。相手の目元を後ろから手で隠して、『だーれだ』……。
……ただ、学美さんが隠してるとこ、わたしの目じゃなくて胸なんですけど!
なんだか、ちょいといかがわしいデートの出会い頭になってるんですけど!?」
歌姫「だーれですかしらっ!」
冬馬「歌姫さんはきちんと目元を隠してくれましたけど、でも今度は口調が特徴的すぎて、
目元を隠しているのが誰なのかが言わずもがな状態になってますよね!?」
学美「『待った?』『今来たとこ』ってやり取りも素敵ですよね!」
冬馬「ですね。確かにそう思います。
けれど学美さんは、いつまでAKB48の河西智美さんの写真集の表紙のごとくわたしの胸を隠し続けるんですかね!?」
歌姫「わたくしもデートの待ち合わせの場面で『へいお待ち!』って言いたいですわ!」
冬馬「随分と威勢のいい出会い頭ですね! お寿司屋さんですか歌姫さんは!?
あと、わたしの目元を隠していた手を徐々に下げて首に移動させるのやめてもらっていいですか!?
ここだけ切り取ってみたら、後ろから首絞めようとしてる人みたいですよ!?
ちょっと2人とも、絵面的におかしなことになってるので、一旦わたしから手を離しましょうか!」
学美「待ち合わせ場所で合流できたら、その後どうするんですか?(服の裾で手を拭く)」
冬馬「ちょっと、リアルに傷つくので拭くのはやめてくださいよ!」
歌姫「冬馬さんは、デートでどこに連れていってほしいんですの?(消毒用アルコールで手を拭く)」
冬馬「もうそこまでいくと『潔癖症なのかな?』なんて思っちゃって、一周回って傷つきませんよ!
で、どこに行くかなんですけど……」
学美「遊園地じゃないですか!? あたし知ってます! UFJってところがおもしろいんですよね!」
冬馬「あ、はい。おもしろいですよね、遊園地。ただ残念なことに、UFJは遊園地じゃなくて銀行です!」
歌姫「そうですわよ! USBなんて、ちゃんちゃらおかしいですわ!」
冬馬「歌姫さんのは、遊園地じゃなくて銀行じゃなくてメモリになってますよ!
もう、元々の遊園地の名前がなんだったのかゲシュタルト崩壊しそうですから、やめてくださいよ!
そうじゃなくて、わたしがデートで行きたいのは、博物館なんですよ」
学美「砂糖と塩の博物館ですか!?」
冬馬「そんな隙間的なテーマの博物館ではなく! というか砂糖と塩の、じゃなくて、煙草と塩の、ですしね!?」
学美「その、佐藤俊夫の博物館というのはなんなんですの?」
冬馬「誰ですか、佐藤俊夫!? 発音がなんか人名みたいになってますから!
佐藤俊夫じゃなくて、砂糖と塩! いや砂糖と塩でもないですよ煙草と塩ですよ!
そうじゃなくて、もっと恐竜の化石とかが飾ってあるような博物館ですよ!」
学美「ほら冬馬ちゃん、見てください! ティラノサウルスの化石ですよ!」
冬馬「そうそう、そういう感じですよ」
学美「あ、こっちにはぽよぽよザウルスの化石が!」
冬馬「リュウとアン!? いくらママぽよが古い作品になったとはいえ、化石にまでなっちゃったんですか!?」
歌姫「お客さま。よろしければ館内をご案内いたしましょうか?
あ、申し遅れましたわ。わたくし、当博物館館長の、“博物 館子”と申します」
冬馬「すごい名前ですね! 生まれた時から期待されていたであろう、博物館関係の職につけてよかったですね!」
学美「館長さん! あそこに飾ってあるあの骨は何なんですか!? ケンタッキーのチキンの骨ですか!?」
冬馬「いくらなんでも、そんなはずがありませんよね!?
非日常的な恐竜の骨の隣に置いておくには、あまりにもスケールが日常レベルの域を出ていませんよね!?」
歌姫「アレはチキンマックナゲットに入っていた骨ですわね」
冬馬「チキンマックナゲットに骨入ってたんですか!? ある意味とても希少な気がしますけど!
でも恭しく飾るようなものじゃないですよね!? ツイッターで画像アップすれば十分ですよね!?」
学美「館長さん! あそこに飾ってあるのは、もしかして生きている化石と噂のアレじゃないですか!?」
歌姫「ええ、そうですわね。生きている化石という呼び名は、
地層の中から出土する化石と同じ姿で現代にまで生息していることから、このような呼び名が付いたのですわよ」
冬馬「えっ。なんですか? 生きている化石というと……シーラカンスやメタセコイアあたりでしょうか?」
学美「ほらほら冬馬ちゃん! もっとよく近づいてください! 生きている化石の、ゴキブリですよ!」
冬馬「Σぎゃあ」
歌姫「ちなみに彼らは、恐竜が完全に栄えるよりも前から、今のあの姿のまま地球に存在していたといいますわ」
冬馬「学術的な観点からそういう時代的ロマンがあるのは分かりましたが!
だからといってこんなところで無防備に飾らないでくださいよ!」
歌姫「ちなみに当館では、生きた化石とのふれあいタイムというのがございまして」
冬馬「他の生物なら喜んでふれあいますけど!
ていうか自宅のキッチンで嫌になるほどふれあってますからこんなところでまでふれあいたくありません!」
学美「わーい、ふれあいタイムだー! ふれあうー!」
冬馬「やめてええええええええええええ!」
学美「うわー! 手にまとわりついてくるー!
辞書のゴキブリの項目に書いてあった『さわると臭い』っていう情報、本当だったんですねー!
もふもふもふもふ……ああ、満足しました」
冬馬「もふもふって擬音、ふさふさ毛も生えてない昆虫相手にどんな触れあい方したんですか!」
学美「さあ、次のフロアに行きましょうか、冬馬ちゃん! ……あの。手ぇ、繋いでもいいですか」
冬馬「絶対に嫌ですよ! さわると臭いものをさわった手ですもん!
もう出ましょう、こんなおかしな博物館なんて!」
歌姫「またのご利用をお待ちしておりますわ」
冬馬「万一その気になったときが来たとして、その時までにこんな無茶苦茶博物館が残っていられるかの方が気になりますけどね」
歌姫「ちなみにお二人は、この後はどちらに?」
学美「カラスが鳴くから帰ります!」
冬馬「小学生ですか!? 今時、塾だ習い事だなんだと忙しいですから、小学生でもカラスが鳴いたくらいじゃ帰りませんよ」
学美「そうですカー」
冬馬「カラスみたいに鳴いた!?
いやほら、せっかくのデートなんですから! 夜は夜景の見えるレストランとかに行きたいじゃないですか!」
歌姫「エア・ケイの見えるレストランですか」
冬馬「スポーツバーじゃないですか! いや、それはそれで悪くはないですけど、わたしスポーツには疎いので……。
そうじゃなくて、もっとお洒落な、夜景の見えるレストランですよ!」
学美「冬馬ちゃん! 今日は君のためにとっておきのレスタウラントを予約しておいたのですよ!」
冬馬「まぁ、素敵! ただ、レストランの言い方が、英語のつづりを覚えようとして無理矢理ローマ字読みしたみたいな感じです!」
学美「ウェイター! 2名で予約していた、カミです」
歌姫「2名でご予約の神様ですわね? お待ちしておりましたわ!」
冬馬「ファミレスで順番待ちの時に名前を書くアレにするイタズラみたいな感覚で予約の名前を神様にしないでくださいよ!
うわ何このツッコミ長っ! スマートさの欠片もない!」
歌姫「どうぞ。こちらの個室となりますわ」
冬馬「まあ、素敵な個室!」
歌姫「ちなみに当店のコンセプトは監獄レストランとなっておりまして。
雰囲気を出すために窓も小さくて高い場所にあり、格子が嵌まっておりますわ」
冬馬「夜景は!? あれ、わたし夜景の見えるレストランって言いましたよね!?」
学美「ご覧。格子の隙間からほんのり夜空が」
冬馬「思ってたのと違う! そうじゃなくてわたしはこう、
カレが指を鳴らすと向かいのビルの電気が規則的に点いて文字が浮かぶ……みたいなのを……!」
学美「ご覧。向かいのビルの部屋の光で作った大きなハートマーク
……の右上の部分が、うっすらと窓の端っこの方に見えなくもない……」
冬馬「思ってたのと違う! 四角い窓の角にハートマークの丸まった部分が覗いていたとしたら、
それはもう図形の角度を表記しているマークのようにしか見えません!」
学美「そんなに文句を言われては仕方がないです。こんな時には、カクテルでも飲んで、パーッと忘れましょう!」
冬馬「わたしのリクエストに対するあなたのリサーチ不足がミスマッチの原因なのに、
なんか一方的にわたしがわがままで悪いみたいにされてません!?」
学美「ウェイター! 彼女にとびきりのカクテルを……そうですねえ、ショット・ガン・タッチをここに!」
冬馬「それ『スポーツマンNo.1決定戦』の種目の1つですよね!?
横文字ならなんかんでもカクテルの名前っぽく聞こえるわけじゃないんですよ!?」
歌姫「お待たせしました! ショット・ガン・タッチですわ!」
冬馬「あるの!? ショット・ガン・タッチ、あるんですか!?」
歌姫「ウイスキーを男たちの汗で割った、甘美なカクテルですわ!」
冬馬「ちっとも甘美じゃないです!? うわ汗臭っ!? ツンとする! 飲み物の臭いじゃありませんよこれ!?」
学美「今日は君のために、とびきり汗をかいてきましたからね」
冬馬「あなたのですか!? 博物館に行っただけなのに、何をそんなに汗をかくことがありますか!?」
学美「ゴキブリを素手で触って頬擦りまでしてしまいましたからね!」
冬馬「冷や汗!!?」
学美「このカクテルを作らせるために頑張ったんですよ」
冬馬「頑張るところがおかしすぎます! わ、わたしもう帰ります! こんなデート、やってられません!」
学美「待ってください! まだデートの締めにふさわしい、あの場所に行っていないですよ!」
冬馬「なんですかデートの締めにふさわしい場所って? ……ま、まさか、ホテ……」
学美「そう! 布袋寅泰のライブ!」
歌姫「ベビベビベイベベイベ!」
冬馬「なんですかそれ! こんなのわたしの理想のデートなんかじゃありません! いい加減にしてください!」
3人「どうも、ありがとサンキュ!」
審査員 点数 |
7 | 14 | 19 | 60 | 56 | 平均31.20 |
【審査員コメント】 ・えっと、この作品歌姫ちゃんいりますか? 3人であることを活かした設定なら良いですが、「デート」という2人の人物が主役の状況で、そこに関係ない一人加わるということはどうも邪魔で仕方ありません。 だから歌姫ちゃんはもっと濃い存在にしてあげないと、「なんのためにいるの?」という単純な疑問が沸いてきます。ですわ口調だけでは全然存在感として物足りないです。 恐らくこの作品、二人だけでやったとしても出来上がる物はそんなに変わらないんじゃないでしょうか。レストランの所とか歌姫ちゃん完全に脇役でしたし。 トリオで書こうと決めたなら、その3人をどういう形で目立たすことができるのかという事を考えてから構成を練ってみてください。 それとよくある「コントに入るとキャラが崩れる」という現象がまんまこの作品にも起きてしまっているので、もっとキャラを安定させてください。 歌姫ちゃんをお嬢様キャラにするのなら、ちゃんと庶民との価値観が狂ってるような発言をしなければなりませんし、 学美ちゃんを元気ハツラツキャラにするのなら、もっとウザいくらい元気になって冬馬さんを引っ張り回さなきゃいけません。ゴキブリもふもふする時の二倍くらいのテンションを終始貫き通してください。 中途半端というのが一番むずがゆいので、キャラ作りにはどうか妥協しないでください。 ・情報処理のタスク量に殺されるかと思いました。ココまで詰め込まれるとちょっとキツイ……。 語られる話を構成する要素を多くするっていうのはそもそも、 読み手に沢山の事象を理解させる労力をかけるデメリットのある行為なワケです。 惹き込みも不足していて、既存のキャラを使うにしたってそのネタごとにその関係は異なるワケだから、 そこを理解させる導入をもっと丁寧にやってからネタに移らないと、 個々の自己主張ばかり目立って飲み込みを苦労させるだけに終わってしまいます。 長台詞と言うのも基本的に着眼して欲しい情報を埋もれさせてしまうモノなので、 「簡潔にした着眼ポイントだけのボケ」の補足説明っていう地点みたいな、 あらかじめ「読む意欲」を作ってある状況に放り込まないと疲れさせるだけになりやすいです。 ほぼそれがネックになって、どんな言葉選びもほとんど本来の面白さを十分に発揮できていない。 読み手の意識誘導をもうちょい考えた方がイイと思います。 ・奇想杯の審査とか、今大会の基準とかのせいで「キャラものは評価しない」と思われがちな俺の審査なんですけど、 面白ければキャラ描写が深かろうが浅かろうが評価はするんですよ。 KOYOMIとか、kissしてシクラメンとかがその例。 ただ、これは漫才としても読み物としても面白くない、それだけなんです。 書き分けが出来ていなさすぎて、いちいち左の名前を見ないといけない。 作者の脳内では当然人物像が出来上がってるのでしょうが、 初めて読む側としてはこの3人の特徴なんて知ったこっちゃないわけですよ。 表現の基本中の基本です。 トリオにするなら尚更のこと。 ・学美「その、佐藤俊夫の博物館というのはなんなんですの?」これ恐らく歌姫さんの発言ですよね。 内容としては、中々レベルの高いやり取りだったと思います。 基本的な流れが王道でスッキリした中で行われているので非常に読みやすくて良かったです。 ボケの内容も面白かったです。急に出てきたショット・ガン・タッチにはやられました。 これだけ王道で綺麗に纏められていたので、コンボと言いますか過去の流れが活かされてくるともっと良いかなと思います。 ゴキブリを触っていた理由など、奇怪な行動の理由が後で明かされる構成は良いと思うのでそういった部分がもっと見れたら満足感の強い作品になるのではないかなと思います。 ・序盤は、非常にキャラが立っている歌姫と学美の交互ボケが上手く成り立っていて面白かったです。 「だーれですかしらっ!」なんかは、歌姫さんならではって感じのボケで羨ましい限りです。 ただ、以下の2点が引っかかりました。 ・博物館のコントに入ったあたりから歌姫さんが完全に脇役に下がっており、有効な役割も果たしていない ・全体的にボケのほとんどが変化球気味で、それぞれのボケやフレーズが持つ本来の面白さを引き出せていない 濃いキャラを持っているからこそ、3人(特にボケの2人)のキャラを漫才に生かすことを最優先にネタを作ることで、 より魅力的でより面白い漫才になると思います。更なる進化を期待します。
鳴子:LiLiCoの正体は、魔女に命を与えられた泥人形らしいですよ?
神崎:どーもPARTY NOISEでーす! 男女コンビでーす! よろしくお願いしまーす!
鳴子:LiLiCoが本気で怒ると、あきる野市が弾け飛ぶらしいですよ?
神崎:自己紹介しまーす! 僕が神崎駿と申しまして、横で何やらほざいてるのが竹林鳴子ちゃんでーす!
鳴子:この世界はLiLiCoが見ている夢らしいですよ?
神崎:もういいかなー? そろそろほざき終わったかなー?
なんなのそのLiLiCoにまつわる都市伝説の数々ー。どっから仕入れてきたんだよー。
鳴子:「我は神なり」とかいう謎のフォロワーがツイッターで呟いていました。
神崎:今すぐブロックしなよー。そいつ周りのアブナい関係者が鳴子ちゃんのTLに押し寄せるよー。
鳴子:おっとすいません、話が逸れてしまいましたね。
神崎:まだ何の話もしてないよー。今んとこ主題はLiLiCoだよー。
鳴子:LiLiCoと言えばですね、何でも世界の中心はLiLiCoのつむじだとか……。
神崎:まだあんのー? もういいよ、LiLiCoは王様のブランチでハシャいでりゃいいんだよー。
そんなことよりさ、今日は僕の話を聞いてくれないかな?
鳴子:おや、どうしました? また前世の恋人の話ですか?
神崎:そんな電波発言したことないよー。イタい中学生しかしない話だよー。
鳴子:私の前世の恋人はオノヨーコです。
神崎:もういいかなー? 鳴子ちゃんの前世がジョンレノンだった話は後回しでいいかなー?
あのね、僕は漫才だけじゃなく、ゆくゆくは色んな仕事をしてみたいんだよ。
鳴子:わかります、私もゆくゆくは路上詩人やってみたいです。
神崎:勝手にやってなよー。道端で色紙に「ドンマイ明日がある」とか書いてりゃなれるよー。
そうじゃなくてね? 僕はいつか役者としてドラマに出てみたいんだよ。
鳴子:私は不老不死になりたいです。
神崎:なんの野望だよー。勝手にドラゴンボール集めてギャルのパンティーに阻まれてなよー。
だからね? 今日はここで役者気分を味わわせてほしいんだよ。
鳴子:LiLiCoがクシャミするとナマズが騒ぐらしいですよ?
神崎:話を聞いてよー。もうLiLiCoはまっぴらごめんだよー。
鳴子:ここでLiLiCoの話をしないと、「我は神なり」にブロックされてしまうんです!
神崎:されりゃいーじゃーん。なんでサイコフォロワーに行動支配されてんだよー。
鳴子:アナタに、フォロワーからブロックされるという恐怖が、わかりますか……!?
神崎:相方がLiLiCoに訴えられそうな話しかしない恐怖わかるー?
頼むからLiLiCoの話はやめてよ、あとで画用紙あげるから書き殴ってよー。
鳴子:B4!! B4がいいです!!
神崎:こだわりが凄いよー。紙のサイズでこの日一番のフルテンションが見れるとは思わなかったよー。
鳴子:それで私は何をすればいいんですか? でんぐりがえりですか?
神崎:エキセントリックだよー。出す選択肢の全てがエキセントリックだよー。
鳴子:(ぐるんっ)
神崎:でんぐりがえらないでよー。森光子さんばりの経験値を得てからでんぐりがえってよー。
鳴子ちゃんにはね、僕が演技をするシチュエーションを考えてほしいんだ。
鳴子:ヘェルプ! アディッソンマネー♪ ヘェルプ!!
神崎:何で急にジョンレノンの血が騒ぎ出すんだよー。
そういう発作的ボケはもうお腹いっぱいだからさ、僕に演技のシチュエーションをくださいな。
鳴子:わかりました、じゃあ神崎君は白血球を演じてください。私は病原菌をやります。
神崎:想定してた役者の仕事じゃないよー。まさかのスパスパ人間学だよー。
鳴子:あ、この場合の白血球は部下の白血球に一目置かれているエリートですのでそのつもりで。
神崎:いっちょまえに演技指導つけてきたよー。白血球に上下関係があったことすら初耳だよー。
鳴子:「白血球……今日こそはあの日の告白の返事、聞かせてもらうわよ……」
神崎:まさかのラブロマンスだよー。この恋の行く先には肉体の風邪しか待ってないよー。
アレかな? 血液も恋愛もドロドロですよ、ってことかな?
鳴子:(ぐるんっ)
神崎:せめて会話をかみ合わせてよー。スベったことをイジり殺してくれよー。
そうじゃなくてさ、僕は役者としてちゃんとしたドラマに出てみたいんだよ。
鳴子:あはははは!! あはははは!!!(ぐるんっぐるんっぐるんっ)
神崎:楽しくならないでよー。何に対してエキサイティングしちゃってんだよー。
鳴子:ふぅ……何の話でしたっけ。二十歳過ぎたらあっという間って話でしたっけ。
神崎:やってないよー。そんな法事の席でおっちゃんがしそうな話やってないよー。
ドラマに出させてって話だよ、白血球は若手芸人とか崖っぷちグラドルにやらせとけばいいんだよ。
鳴子:わかりました、ドラマですね。じゃあテーマは「『この男はダメだ』と思った瞬間」でいきましょう。
神崎:踊るさんま御殿じゃーん。再現VTRはドラマ出演としてカウントされないよー。
鳴子:配役は私がOLで、神崎君が白血球です。
神崎:シチュエーションが謎すぎるよー。投稿者はどんな恋愛してきたんだよー。
鳴子:あ、この場合の白血球はバンドマンを夢見て定職に就かず、ホームセンターでアルバイトしているという設定で。
神崎:白血球に対する演技指導に余念が無いよー。応えられないよー。
鳴子:「ウイルスウイルス、今日のデート楽しかったねビョーゲンキン」
神崎:彼女完全に病原菌だよー。またもや僕は全身タイツを身に纏うはめになったよー
ムリだよ、僕はさんまさんに「わかるわー」とか言われたいがために役者になりたいわけじゃないんだよ。
鳴子:えー、やりましょーよー。頑張って演じてトップ賞狙いましょうよー。
神崎:トップ賞は出演者しか取れないんだよー。VTRはテーマの例題にしかなれないんだよー。
鳴子:そんなんじゃゲストのオノヨーコさんにトップ賞持ってかれちゃいますよ?
神崎:オノヨーコさんま御殿に出ないよー。レノンを題材におもしろトークやんないよー。
鳴子:じゃあ出演した時の練習しましょう。私がさんまさんやるんで。
神崎:ドラマやらせてよー。出れるんだったら出たいけど今練習したいのはバラエティじゃないんだよー。
鳴子:「あんた弁護士になれ。出来るだけ早く」
神崎:それ「古畑任三郎」に弁護士役で出演した時のさんまさんじゃんよー。モノマネがマニアックだよー。
ていうか、僕はそういうのがやりたいんだよー! サスペンスとか出てみたいんだよー! 頼むよー!
鳴子:あー、不老不死になりたーい。
神崎: 聞 い て よ ぉ ! ! !
なんでもするからー、欲しいものなんでも買ってあげるからー。
鳴子:B4!!! B4の画用紙が欲しいです!!! いっぱい!!!
神崎:がっつきが半端じゃないよー。何でB4に対してだけポーカーフェイスが剥がれ落ちるんだよー。
鳴子:B4の紙一面に「ドンマイ明日がある」って書くんです……!!(うっとり)
神崎:もったいないったらないよー。路上詩人の練習はチラシの裏でやってくれよー。
鳴子:絶対下さいよB4!! 我が欲しいのはB4の紙なり!!
神崎:我は神なりみたいに言わないでよー。わかったよ、買ってあげるからちゃんと役者の仕事頂戴よー。
鳴子:わかりました、じゃあドラマのジャンルはミステリー! 神崎君は出っ歯の弁護士役です!
神崎:リメイクの香りがプンプンするよー。まぁでもやっとまともに演技出来そうで良かったよ。
鳴子:じゃあ私がその仕事を持ってくるマネージャーやりますんで、神崎君は事務所で待っててください。
神崎:出来なかったー。出来なかったー。事務所での1コマだったー。
何でそこまで頑なに僕に演技させたくないんだよ、僕の演技力は神崎一族でも評判だよー?
鳴子:「やったわよ駿! サスペンスドラマの出演が決まったビョーゲンキン!」
神崎:あれあれ、こいつさっきの投稿者じゃねー? まさかの身内が病原菌だったよー。
鳴子:「他の主な出演者は明石家さんまさん、オノヨーコさん、lilicoさんよビョーゲンキン!」
神崎:キャスティングが冒険的すぎるよー。監督のファイティングスピリッツが裏目に出てるよー。
神崎:「こうしちゃいられないわ、今すぐ役作りのためにでんぐりがえりをバキューン! ぐぁっ!!」
神崎:もうついてけないよー。ずっとついてけなかったけどいよいよもってついてけないよー。
何で突如としてマネージャー狙撃されたんだよー。でんぐりがえりはどう役作りに活かされるんだよー。
鳴子:「くっ……ついに組織に私の居場所がバレたのね……せっかく逃げてきたのに……!!」
神崎:マネージャーの過去が随分とドラマチックだよー。事実は小説より奇なりだよー。
ていうか、どーせなら僕にその役をやらせてよー。なんで僕は等身大のままなんだよー。
鳴子:「黙っていてごめんなさい駿……実は私、悪の組織によって改造された病原菌人間なのビョーゲンキン……!!」
神崎:マネージャーだいぶ特撮的バックボーン持ってたよー。その設定を僕に回してよー。
鳴子:「駿……今から言うことを、私の元カレの白血球に伝えてビョーゲンキン……!!」
神崎:見つけられないよー。託されても持て余すよー。言うなら早く言って死んでよー。
鳴子:「は、白血球……は……二十歳過ぎたら……あっという……ガクッ」
神崎:「……マネージャー……? マネージャー!! マネージャァァァァァッ!!!」
鳴子:ヘェルプ! アディッソンマネー♪ ヘェルプ!! チャチャチャンチャチャンチャン♪
ヘェルプ! ウェウェーイウェイウェイ♪ ヘェールゥー♪……
…………………カット!!
いやー、上質な芝居が出来ましたねー。(うっとり)
神崎:ファックだよー。ファッキンだよー。ファッキネストだよー。
こんな三文芝居やりたくて役者になりたいっつったわけじゃないんだよー。
鳴子:何が不満なんですか、BGMに「HELP」流してんですよ?
神崎:圧倒的に雰囲気にあってないんだよー。さながらなんでも鑑定団だよー。
鳴子:「HELP」がダメなら「LILICO」がいいですか?
神崎:そんな曲無いよー。レノンはLiLiCoをテーマに曲書き下ろしてないよー。
鳴子:あ、LiLiCoと言えばノストラダムスが予言した恐怖の大王とはLiLiCoのことで……。
神崎:まっぴらまっぴらまっぴらまっぴらまっぴらもうまっぴらごめんだよー!!
何なんだよ鳴子ちゃん、僕がやりたいこと本当にわかってるの!?
鳴子:わかってますよ、さんま御殿に出てトップ賞取りたいんですよね?
神崎:わかってないよーもういいよー。
2人:ありがとーございましたー。
鳴子:(お辞儀の勢い余ってぐるんっ)
審査員 点数 |
68 | 8 | 18 | 43 | 60 | 平均39.40 |
【審査員コメント】 ・突然狙撃される病原菌がメチャクチャ面白かったです。 「我は神なり」さんの話はあんまり面白くなかったので、もっと鳴子さんがする話を聴いてみたかったです。それくらいキャラクターが魅力的でした。B4でポーカーフェイス崩れる絵面とか面白すぎます。 神崎さんの力が抜けたツッコミも、普通ならマンネリ感を感じてしまうのですが、この作品の場合は上手い具合に鳴子さんのキャラとかみ合っているため、どこまでも飽きることを感じさせませんでした。「エキセントリックだよー」が特に好きです。 だからやはり二人のやりとりがもっと目立つ作品が見たかったですね。さんま御殿の所とかは別にこの二人じゃなくても出来たネタだと思います。 題材の選び方によってはとてつもなく面白い作品が出来ると思います。もっと他の作品も見てみたいと思いました。 ・無軌道な語り口調と言うのは話の自由度を上げるワケです。 つまり、よっぽど言葉の響きや組み合わせや想起される情景が上手いコトついていないとボケたコトにならないんです。 「ああ突飛なコト言うんですね」と早々に読み手が慣れてしまって、それだけになってしまいます。 突飛なコトの面白さは、「突き出て」「飛び出る」距離がそのまま威力になるんですが、 今回のコレはそもそもその距離を測るための「基準点」となるメインの話題を作ってないのが痛手。 基準点も無しに面白さを伝えてしまう「絶対値」のあるモノを持ってくるのは、 相手によってその個人差も強いコトから安定せずとても難しいですしね。 ・好きか嫌いかで云ったら残念ながら大嫌いです。 ・全体的に脈絡のないボケに振り回されるツッコミの構成だと思うんですが、余りにまとまりが無さ過ぎたと思います。 ゴチャゴチャしたまま次に進んで行くので余計に散らかってしまっていると言うか。 散々引っ張ったLiLiCoのボケもそれほど引っ張って面白くなる内容じゃなかったかなと思います。 細かい技術面での上手さは感じるので、単純な構成でのミスだったという気がします。 ・2人のキャラを軸にいろんなボケが雪玉のように膨らんで面白くなっていく、というような印象を受けました。 ただ、実際にはそこまで大きな雪玉になりきれていなかったのが惜しいです。 天丼のさせ方が割とありきたりだったり、ネタが全体的にちょっとマニアック過ぎていたのが足を引っ張っていたかもしれません。 統一感はあるので、力の入れ方さえ上手くいけば、それだけで爆発的な威力を持つネタになると思います。良いバランスを探してみてください。
古城:どうもリーベルパウンドと申します。
最近は色々なロボットがありますよね。例えばお掃除ロボットとか。
氷谷:始末したい輩をグサッと。
古城:任侠染みたお掃除ではなく!
それでお掃除ロボットは便利でボタンを押しただけで部屋をピカピカにしてくれるんですよ。
氷谷:凄いですねぇ、でもこれからもっともっと進化するんじゃないですか?
古城:進化というと?
氷谷:集めたごみを森に捨てて来てくれるとか。
古城:不法投棄じゃねえか!そんな汚れ役任せんな!
氷谷:それならゴミから至高のグルメを調理してくれるとかどうです?
古城:躊躇するわ!だってゴミからだもの!
氷谷:右腕からは各種ソース、調味料なんでも出ます!左腕からは各種調理器具が!
古城:でも所詮ゴミはゴミなわけだからな。
氷谷:頭にはレシピが数万通り!!
でもそのせいで頭が大きくなりすぎて動けなかったりね。
古城:ポンコツじゃねえか!もっと厳選をしろよ!厳選を!!
氷谷:素材を活かした料理を取りそろえてあったり。
古城:その素材が最低なんだわ!
氷谷:4トントラックの丸煮とか。
古城:質も量も人間には荷が重いわ!
氷谷:ソースに工場排水を使用してみました!とか言ってくれたり。
古城:各種調味料はどうしたんだよ!ゲテモノの重ね技はやめろ!!
氷谷:こんな人型のゴミ掃除ロボットが出てきたらいいかなと思うんですよ。
古城:良くねぇよ!もうちょっと違った形の進化を!
氷谷:それでエネルギー源もまた変わってくるんじゃないですかね。
古城:エコっぽいエネルギーになったりするのかな?
氷谷:1万円札を入れると5分動きます!
古城:5分って!燃費最悪だな!
氷谷:でも未来のお掃除ロボットは5分あれば家の中のお掃除は余裕ですから。
古城:そんなに進化してんの?
氷谷:フルパワーを出せばマッハ3で動き回れます。
古城:家の中でマッハ3って!物騒極まりない!
氷谷:先ずはリビングをダダダ!!パパパッ!!ぐぎゃあああ!!というような感じに。
古城:誰かしらの断末魔が!!
氷谷:次は書斎の掃除!!ダダダ!!ん?コレハ…。
古城:おう、急に大人しくなってどうしたんだよ。
氷谷:本を見つけるとついつい読みふけってしまうんですよ。
古城:そういう無駄な人間味求めてねぇよ!チャチャッと掃除を終わらせろ!
氷谷:本を1冊読むのに大体1時間くらい。
古城:1時間って!!12万円分丸々無駄じゃねえか!!
氷谷:ミステリー本の犯人の名前の所にケチャップで丸をつけていったり。
古城:黙々と労働をしろ!イタズラ心を出すな!!
氷谷:卒業アルバムの顔写真にマヨネーズで○とか×とかつけていったり。
古城:だから変な遊びをするなっての!
氷谷:家主に×とかつけちゃったりするんですよね。
古城:立場わきまえろ立場!!
氷谷:家主はさっきはね飛ばしてお亡くなりになったんで気にせずとも大丈夫です!
古城:さっきはね飛ばしたの家主!?顔写真につけた×もなんか意味深に見えて来るわ!
氷谷:その後タンスから財布を物色。
古城:何してんだよ!!順調に罪を重ねるな!!
氷谷:まぁ、途中で燃料が切れる時もありますから自動でエネルギーを補給するようになってるんですよね。便利!
古城:はた迷惑な機能搭載しやがって。
氷谷:お掃除ロボットは握力も1000トン!高速パンチで金庫に風穴を開ける!!
古城:根こそぎ奪う気じゃねえか!!
氷谷:それから金庫のダイヤルもカチャカチャっと。
古城:さっき風穴ぶち開けてたじゃねえか!2度手間なんだよ!!
氷谷:それから各部屋をどんどん掃除していきます!ダダダ!!パパパッ!!ん…?コレハ…ナンダ…?
古城:どうしたんだよ。
氷谷:そこには家主のいかがわしい本がおおっぴらに出してあったりするんですよ。
古城:あるけど。そういうのあるけど。
氷谷:そういういかがわしい本をちゃんと隠してくれる知能も持ってるんですよ!
古城:その家主もう亡くなってるけどな!
氷谷:このいかがわしい本は見つからないよう金庫に大事にしまっておきましょう。
古城:もう風穴開いてんだよ!スッカスカなんだよ!
氷谷:でも金庫がいっぱいになっちゃったりとかしちゃうんですよね。
古城:おう。今度は何処に隠すというんだ。
氷谷:裏庭に300メートルはあろうという深さの穴を掘ってそこにいかがわしい本を!
古城:絶対見つからねぇじゃねえか!!なんて不便!!
まぁ、家主亡くなってるからいいっちゃいいかもしれんけど。
氷谷:途中で石油に温泉が出てきたり。
古城:そんな思わぬ掘り出し物出て来ねぇよ!!
氷谷:金庫とかの分はこれでチャラで!!
古城:都合良くチャラにしようとしてんじゃねぇぞ!!ロボットのせいで家主は既に亡くなっております!!
氷谷:穴だけに埋め合わせという事で。
古城:やかましいわ!!
氷谷:でもそういういかがわしい本を扱ってる時に限って訪問者が来たりするんですよ。
親戚のおじさんとか来たりね。正直邪魔ですよね。
古城:いやいや邪魔とか言うなよ。
氷谷:そういうおじさん相手にちゃんと接してね。
おじぎして、次はフルパワーで握手。
古城:フルパワーで対応するな!!己が握力を考えろ!!
氷谷:でもこれで病院いくからねーって帰ってもらえます。
古城:うるせぇよ!たかがエロ本の為になんて事を!!
氷谷:で、おじさんに帰って貰ったらいかがわしい本と家主の遺体を地中に埋めるんですよね。
古城:何気なく証拠隠滅しようとするな!
氷谷:えー!?じゃあこうしましょう。家主の遺体は森に捨てるって事で。
古城:だからやたらと森に捨てんなって!
氷谷:遺体を隠したら温泉でホッと一息。
フゥー…!!アガガガ…ガ…シュウウウ…!
古城:ショートしてんじゃねぇか!
ホントなんなんだこのロボット!人殺したりとかろくでもない事しかしてねぇな!
氷谷:そう…お掃除は完了しました…!
古城:そのお掃除じゃねえっつってんだろ!いい加減にしろ!
審査員 点数 |
64 | 59 | 74 | 85 | 86 | 平均73.60 |
【審査員コメント】 ・ハチャメチャに動き回って何気無く金庫を破壊するロボットがメチャクチャ面白かったです。 他にも一万円入れなきゃ動かないとか、フルパワーで握手とか、面白かったんですけど、これ家主殺す必要ありましたか? なんか家主殺してから古城さんのツッコミも「いや家主は死んでるけどね!」みたいなことを語尾に付けるようになってしまって、中盤から非常にテンポが悪くなってしまったと思います。 いっそのこと家主が蘇生したら面白かったんじゃないでしょうか。死んだかと思ったら実は生きてて穴から這い上がってきたけど、それも何気なくひき殺してしまう・・・みたいな。 何にしても殺した家主をそのままにしておくのはもったいないし、気持ち悪いと思うので、話の中で家主本人が関わるエピソードが欲しかったです。 死んでも別に良いんですが、その死を踏み越えた上での展開がないと、何やら少しこそばゆい感覚だけが残ってしまいます。 ・お掃除ロボットの情報もうちょい欲しかったですかねぇ。 アシモ的なヤツなのかメイドロボ的なヤツなのかの判断迷ってイメージしづらいとかあるので。 人型で「一万円入れる」とかもスッキリしない情報になっています。 こーゆー情報量の調節はあり過ぎてもボケが埋もれるし無さ過ぎても情景浮かべる労力増えちゃうし、 しかも個人差がとても出る所なので調整はとても難しいですけれどね。 ただ今回は「お掃除ロボットが」巻き起こすコトで面白さが発生する展開が多かったので、 お掃除ロボットを想像するための土台はもう少し盤石にしておいた方が全体にとって良かったのではないかと。 形式としても「内容説明の小出し」なので情報処理の労力は大きめで、 ツッコミの言い回しが読み心地イイのがそれをある程度緩和してはいるんですが、 もうちょっと緩和する要素が欲しい気がするのでボケの段階でも言い回しや単語組み合わせで、 内容に踏み込まなくても伝わるような緩和力を上げておけるとイイかなと。 ・これは、紛うことなき田んぼマンですね。えぇ。もはや安心すらするレベル。 ボケは正直ベタなとこもあるんですけど、ツッコミのバリエーションでカバーされてる。 親戚が来た辺りからちょっと雑になったのが勿体ない。 ・いやぁ、上手いなぁ。 ボケを着々と淡々と積み重ねていく純粋な正統派なネタですが、ボケの質とツッコミの丁寧さで上手に纏めてると思います。 本当に漫才を見た!という感覚ですね。 オチも綺麗にすっきりと終わらせていて良かったです。 ・序盤から飛ばしてましたね。設定のインパクトはgoodです。 ちょっと想像しにくめだったのと、後半でもう1つ2つ強いインパクトのボケが欲しかったです。
木下:はい、どうも。
優しい朝の光に包まれてです、お願いします。
山田:あのー、最近ちょっと練ってる物が有りまして。
青春サッカー漫画を書こうかなと思ってるんですよ。
木下:おっ、良いんじゃないんですか?
でも、難しいですよ既に名作が有るわけですから、それを越えなきゃいけないですしね。
山田:いやーでも、凄く自信があるんですよ。
ちょっと考えてきたメモがあるんで聞いてもらっていいですか?
木下:そんだけ自信あるなら聞いてみますよ。
例えば、キャラクターとかどうなってるんですか?
山田:まぁ、サッカー漫画ですから個性豊かなイレブン達が登場するわけですよ。
名前とかもそのキャラの特徴が分かるように付けましたからね。
まずは、チーム一の俊足。疾風のスプリンターです。
名前は、ソニックブームにかけまして「ソニク ブム」です。
木下:良いんじゃないですかね名前ダサいけど。
やっぱサッカー漫画だと、俊足キャラが試合のカギを握ったりしますからね名前ダサいけど。
ちなみに名前ダサいですけど漢字どうやって書くんですか?
山田:「『粗』末な『肉』に『夢』は『無』い」と書いて「粗肉 無夢」です。
木下:あ、名前が想像以上にダサい!!!
青春サッカー漫画で夢が無いは流石にまずいでしょ!
山田:無夢は、とにかく足が速いです。本当の意味で音速を超えて来ます。
木下:本当の意味で!?
じゃあ、マジモンのソニックブームが発生するじゃないですか!
山田:基本自分の意思じゃ止まる事すら出来ないんですけどね。
木下:そんな奴にまともなサッカー出来る訳ないでしょ!!
山田:そして、次は頭のキレる秀才キャラクター。
名前はインテリと理解力にかけまして「インテリ カイ」です
木下:さっきよりは幾分マシに聞こえるけど十分ダサいですよ。
でもやっぱ、チームを回す司令塔なキャラクターはいた方がいいですからね、そこそこダサいですけど。
ちなみに、そいつはどういう漢字を書くんですか?
山田:「『陰』険な『手』を使って『里』を『壊』滅させる」と書いて「陰手里 壊」です
木下:こわっ!字面こわっ!!
インテリでその当て字はもう黒幕ですって!
山田:こいつはとにかく頭が良いんで、試合中もずっと関係無い事考えてます。
木下:じゃあ、なんのためにイレブンに居るの!?
本当に指示出すだけなの!?じゃあ、もうそいつ監督とかマネージャーのポジションでいいでしょ!
山田:そして3人目は、孤高のMF「カンザキ ケンゴ」です。
木下:急にカッコイイ名前に!
いや、決してカッコイイ訳じゃないんかもしれないけど、さっきまでのかっこ悪さが引き立ててるよ!
頼む!漢字もマシであってくれ!!
山田:漢字は「『神』を『先』に『剣』で『殺』す」と書いて「神先 剣殺」です。
木下:エグいよ!!名前の怖さがエグいんだよ!!あと「剣殺」は多分「ケンゴ」とは読まないよ!!
山田:彼は、彼自身すらも驚くほどに物凄く落ち着いてます。
悟りすら開いてんじゃないかと言うくらい落ち着いてます。
木下:そんな名前で!?
神を殺すくらいの破天荒な名前してるのに、めっちゃ落ち着いてるの!?
山田:4人目はチームの頼れるキャプテン
名前はキャプテンにかけまして「キャプ テン」です
木下:ダサいな!!ここまで出た中でも最上級にダサいよ!
今の一つのセリフで3回キャプテンって言う事の愚かさに気付いてよ!!
せめて!せめて漢字はかっこよくあって!
山田:「『脚』が弱くてちょっと『歩』いただけでも『転』ぶ」と書いて「脚歩 転」です
木下:あー!漢字もダサい!!それにサッカー選手としてその脚の弱さは致命的でしょ!
せっかくのキャプテンで一番目立つポジションなのに完全にコメディタッチなキャラクターだ!!
山田:そして、ここからはフォワード陣ですね。1人目は攻撃的な俺様系キャラクターです。
名前はアタックをすることから「アタク スル」です
木下:なんかどんどん安直になってない!?
もう、この辺は「これでいいやー」感がにじみ出てるよ!
山田:「『苦』しみを『与』える『擦』り方」と書いて「与苦 擦」です。
木下:サッカー選手としてダイレクトアタックに出るのはどうなのよ!?
レッドカード一発退場だよ、それ!?
山田:フォワード陣二人目は、与苦の親友。
名前は攻め入ることから「セメ イル」です
木下:フォワードの全体的な安直感どうにかならないのかな!!
ここまで来ると序盤がまだマシに聞こえてくるレベルなんですけども!
山田:「『背』中が『滅』亡する程の急『流』でも『入』りたがる」と書いて「背滅 入流」です。
木下:こいつただのバカじゃん!無鉄砲なだけのバカじゃん!!
山田:そして、三人目。
戦うから「タタ カウ」です。
木下:もう安直とかそういうレベルを超越してただの手抜きだよ!そもそもこいつにキャラ的立ち位置すらないし!
なんなら全員ちゃんと戦わなきゃだめなんだよサッカーなんだもの!!
山田:「『多』『々』『買』う」と書いて「多々 買」です。
木下:由来の文章にもはや送り仮名しか残ってないほどに適当じゃない!!
山田:フォワード最後の4人目。
動くから「ウゴ ク」です。
木下:じゃあ何!?他の10人動かないの!?どんなイレブンだよ、不動のイレブンって!
そうじゃないなら、こいつだけウゴクって名前はおかしいでしょ!!
山田:「『雨』『後』に『苦』しむ」とかいて「雨後 苦」です。
木下:他の奴らもまぁまぁアレだけど、こいつの親御さんは何を思って子供に「苦」って名前を付けたんですか!?
漢字のセレクトもだし読み1文字なのもだし、考えうる限り最悪の名前ですよ!?
山田:そして、ディフェンス陣。とても体が大きく存在感のある巨漢キャラクター
名前は、動かざる事山の如しと言う事で「マウン テン」です。
木下:ディフェンスに戻ってきてやっとそれなりにキャラクターっぽい名前が出てきた気がしますわ、これも結構な手抜きネームなのに。
山田:「悪『魔』の様な『運』『転』」と書いて「魔運 転」です。
木下:サッカーやめたら!?
レーサーとかそっちの方面のキャラクターだよその名前は!
悪魔の様なだから、危ないのかもしれないけど!
山田:その魔運と反対側を守るのが、双璧を担う「ソウ ヘキ」です。
木下:最初のソニックブームとか、インテリとかから名前を取ってたあのころに戻りたいくらいですわ!
山田:「『想』像する性『癖』」と書いて「想 癖」です。
木下:ついに変態出て来ちゃった!!
いつか出てくるんじゃないかと思ってたけどやっぱり変態出て来ちゃった!!
山田:ちなみに魔運と想癖は元々一つの大きな光の塊だったのが分裂した姿です。
木下:何その10%の興味もわかない設定!!
山田:そして、最後!ゴールを守る最後の砦。
砦を守るから「トリデ マモル」です。
木下:これまた考え方がシンプルすぎるけど、名前っぽくなってる事に安心してる自分に鳥肌が立ちますわ!
山田:「体中から『鳥』が『出』てたり『馬』が『漏』れてたりする」と書いて「鳥出 馬漏」です。
木下:見た目がとんでもなく気色悪いわおい!!
この名前だったら相場は「守」じゃないんですか!?
山田:お言葉ですけど、そんな常識に囚われている様じゃ面白い物は作れないのですよ。
木下:お言葉ですけど、あなたの場合は囚われた方が良い常識が数多く存在してると思いますよ。
山田:そんな事、第一話を聞いても言えますかね…?
実はもう考えてあるんです…!
木下:不安でしかないですけど、ここまで足を突っ込んだ以上ここで止めるわけにもいかないのでね。
じゃあ話して下さいよ。
山田:第一話はまず、サッカー部に部員が足りないという逆境からスタートするわけですよ!
木下:早速も早速常識にとらわれたベタなAパートが始まりましたよ。
山田:もう人数が足りなさ過ぎて部として認められてないどころか生徒としても認められてません。
木下:じゃあそっちでしょ!生徒として認められてないから部として認められないんだよ!!
山田:粗肉、脚歩、光の塊による会議が行われ部員を増やすことにします。
木下:さらっと言ったけどサッカー部に神々しい塊が紛れてる事にノータッチなの!?
山田:勧誘の為校内を音速で走り回る粗肉。
回りの生徒たちは口々に「はやっ」「誰だ」「誰だ」「誰?」と噂する。
木下:生徒として認められてないからそういう事にもなるでしょ!
しかも音速で走り回ってるのに生徒に普通に見られてて可哀想だし!!
山田:結果7人を轢きづって部に帰宅しました。
木下:もうそれただの人身事故だよ!?
それに、まだ9人と1つの塊しかないから足りてないですし!
山田:「まだ9人と1つの塊しかないから足りてないですし!」と叫ぶ脚歩
木下:ウソつけよ!!
今考えた所でしょそのセリフ!
山田:しょうが無いので光の塊を分離させることにした一同。
お待ちかね、分離タイムです。サービスショットです。
木下:だーれも興味ないよ!
変態とクレイジードライバーが誕生するだけですよ!?
山田:それを見ていた生徒たちが口々に「何?」「誰?」「誰だ?」「なんだあれ?」と噂する。
木下:元々が光の塊だから「誰派」と「何派」に分かれてる!とか心底どうでもいいよ!!
山田:なにはともあれ、まだ部としても生徒としても認められてませんが11人集まりました。
木下:結局11人全員生徒として認められてないの!?巻き込まれただけの奴とかいない!?
山田:そして遂に初の練習試合ですよ!
木下:おぉ、なんかもう期待してないけどおぉ。
山田:試合開始のホイッスルが鳴り響く!
既に鳥やら馬やら駄々漏らし中の鳥出!
ずっと脚がガクガクの脚歩!
親近感を覚える産まれたての子馬!
木下:試合中に何生命のちょっとほっこりしそうなエピソード生んでるのこいつら!
山田:そうこうしてるうちに1点決められてしまいました。
木下:DFの妄想野郎とか試合中もずっと考え事してる司令塔とかが働かないから!!
だからこういう事になるんですよ!!
山田:何故か盛り上がる観客として来ていたイレブンの親族たち。
木下:なんでだ!
負けてるのに、なんでだ!名前の付け方とか見る限り子供に愛情の無い奴らばっかか!!
山田:相手チームの観客から「誰だ」コール
木下:かわいそうに!!
ホームでもアウェイでも言われるか!でも生徒として認められてないからアウェイとアウェイなのかな!?
山田:乗る親族
木下:ホームも駄目だった!!
そういえばこのホームは愛情の無い事実上のアウェイだったよ!!
山田:そして、残り時間も僅か。
アレ以降はなんとか粘り続け1-0をキープしたイレブンたち。
そして、前方を見るとなんとDFなのにゴール前に上がっているフリーの魔運の姿が!
木下:おぉ、これはちょっと熱い展開だ!!
山田:「転ー!!!」ゴール前にボールを蹴りあげる想癖。
綺麗な弧を描いてゴール前へ飛んでいくボール。
衝撃音が鳴り響くグラウンド。
そこには頭をぶつけ床に倒れる魔運と脚歩の姿が。
木下:……二人とも転だ!!!
気付かなかったけど、こいつらの名前二人とも転だからそういう事になるんだよ!!
基本漫画って名前カブったりしないんだよ!?
山田:試合終了のホイッスル。
初試合は負けてしまったけど、俺たちの戦いはまだまだ終わっちゃいないぜ!!
木下:それ打ち切りになった漫画の最後に書いてある奴でしょ!
いい加減にして!!
二人:どうもありがとうございました。
審査員 点数 |
45 | 53 | 73 | ― | 84 | 平均63.75 |
【審査員コメント】 ・そこそこ書ける人ならまず避けるであろう「漢字ネタ」にあえて挑む姿勢に惚れました。 名前の紹介だけでなく、ちゃんとサッカーの描写も入れられていて、「転」という名前が二人いるトリックまで作るなど、構成一つ一つに気を使っていて、飽きなかったです。 ただ、もう少し縛りを緩くしてみたらどうでしょうか。 ケンゴのパターンみたいに当て字でもアリというルールにして、名前の幅をもっと増やしてみた方が良いと思います。 そうすればサッカーの描写に、上手いことイレブン全員が活躍できるストーリーが出来ると思います。 所々名前だけで終わっている人物が多いので、そこの所をどうにか改訂していけば、この話の充実感は格段に上がると思います。 ・ネーミングは話の主軸に据えるには自由度が高いのでちょっと題材としては甘く見えちゃいますね。 特に近年はブッ飛んだ当て字の名前を付けるのも珍しくなくなってしまって、 オリジナリティのある名前をひねり出しているのだとしても、 そもそも名付けの仕組み自体に既視感が発生してしまってインパクトに欠け、パターン見え透いた印象の方が強くなる。 追加情報で笑いを取るぶんも、話の軸がロジック弱くてパターンの利用が目につきやすい形になっているため、 展開やその畳みかけも本来の威力で跳ねない。もったいないです。 ・轢きづって→引きずってor轢いたまま 前半は面白い。次はどういうバリエーションでくるんだろうとワクワクする。 後半は、力量不足が如実に表れている。 前半でこれだけ良い素材を用意したんだから、気が狂うほど計算と推敲を重ねればスタンディングオベーションレベルの作品が出来る筈です。 非常に勿体ない。 ・他の方のネタを読んでいく内に自信が無くなっていく現象にはそろそろ名前が必要ですね。 最近書いたネタの中では比較的落ち着いたネタで、自分らしさを出せたかと言うと微妙なんですが、投稿時点では自信満々でした。 さぁ、どうなることやら。 ・名前の部分は最高でした。 ただ、第一話の部分まで彼らの名前や性格を覚えていられるか、という問題があるかなぁと。 第一話も面白かったものの、全体構成のバランスがもう一歩というところでした。