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011 童貞ソーヤング 012 TOMONAGA 013 XENOGLOSSIA 014 理系文系 015 ガンバラナイズ
016 天体観測 017 バニーガール 018 副社長同好会 019 ヒ(ーロー) 020 中指ニコラ


No.011 童貞ソーヤング
ねぇママ、あなたの言う通り、童貞は裁かれて然るべきだ
小田切:はいどうも、童貞ソーヤングです、よろしくお願いします

ニャー:ニャー

小田切:小田切と、ねこのニャーさんとで漫才をやらせてもらってます

ニャー:ニャーォ、ニャンニャン

小田切:今日は頑張っていきましょうね

ニャー:ニャ〜〜〜〜ォ

小田切:早速ですが、ニャーさんはセックスが大好きなんですよね

ニャー:せやで

小田切:今までで一番良かったセックスはなんですか?

ニャー:映画好きに、一番好きな映画聞くのはタブーやって、教わらんかったんか、われ?

小田切:す、すいませんニャーさん! 僕はただ好奇心で……

ニャー:まぁ、ええわ。一番良かったセックスはそやな、銀座のスナックで拾った未亡人。あれはすごかった

小田切:どんな風にすごかったんですか?

ニャー:ぐいぐい来るやんお前

小田切:す、すいませんニャーさん! 僕はただ、初めてやる際の参考にしようと……

ニャー:お前、まだ童貞なんか

小田切:はい、恥ずかしながら……

ニャー:まぁ、ええわ。どんな風に凄かったといえばやな、四十八手の、松葉くずしっちゅうんか?
    あれを女がやってくれ言うてきてやな、わしもそんなんしたことないわ。言うたら、
    「せやったら私が教えたる」言うて耳元で囁いてきてやな、もうわし勃起が止まら(倒れる)

小田切:ニャ、ニャーさん! 大変だ、ニャーさんが思い出し腹上死したー!
    ……ん? 待てよ? 周りには誰もいない。僕は童貞。目の前には動かない穴。これはもしやチャンスでは……!!


(舞台袖から梅沢富美男をドラム缶で捻りつぶしたような顔の犬が出てくる)


小田切:どっ、どなたですか?

 ワン:こら小田切。おんどりゃ今ニャーさんに何しようとした? 死姦で童貞卒業なんか恥ずかしいないんか?
    わしはそんな風に育てた覚えはないぞ?

小田切:まさかあなたは、4丁目の山本さん家のワンさんでは!

 ワン:久しぶりやな(タバコに火をつける)

小田切:ワンさん、お久しぶりです! 

 ワン:あのな小田切、童貞っちゅうもんは、急いで捨てるもんやない。
    童貞を恥ずあまり金を出して捨てる奴もおるが、そんなもん外道や。

小田切:ワンさん、それは分かってるんですけど、どうにも焦っちゃって……僕ももう25だし……
    早いやつなんて、中学生の時にヤっちゃってるんですよ? リア充に対する嫉妬で爆発しそうなんです……

 ワン:このくそボケがァァァ!!!!!!!

小田切:ひぃっ!!!!!

 ワン:おんどりゃ、男として恥ずかしいないんか? リア充を嫉妬することに時間かけとるやつなんか、童貞以下のゴミクズや。
    リア充っちゅうもんは、充実するに相応しい対価を人生の中で差し出してるんや。
    何の努力もせんと、鬱蒼とした部屋の中で嫉妬に精を出しとるとか、ワシから見たらそれの方が滑稽やわ。
    リア充は待ち呆けてたからリア充になったんやない。自ら掴みに行ってリア充になったんや。
    それを、何や、自分には行動力が無いからとウジウジ言うとる鼻たれは一生童貞や。負け組や。

小田切:す、すいませんワンさん! 僕が間違ってました、童貞であれ何であれ、努力して自分を磨こうと思います!

 ワン:そや。その意気や。男はハードボイルドやないとあかん。リア充を嫉妬してるうちはいつまで経っても女なんか寄ってこんからな。
    かと言って、ワシも昔はそうやった。薄汚れた青春を過ごしとったわ。
    でもな、このままやとあかん思って動いたら、結果は着いてきた。案外簡単なもんや。

小田切:ならワンさん、ワンさんの童貞卒業エピソードを教えてください! 

 ワン:ワシか。ワシはもう30年も前の話になるな。あれは晩秋やった、北新地の飲み屋でな、同級生と再会したんや。
    その子とはお互いに好き同士やったんやけどな、まぁ、当時の若い連中言うのは色々と難しかってな、結局そのまま卒業してもたんや。
    それが5年ぶりに再会となれば、火が付くのに時間はかからんわな。
    そのままホテル行って、シャワー浴びる時間も惜しかったんやろな、お互いにベッドに飛び(倒れる)

小田切:ワンさん!! 大変だー、ワンさんまで思い出し腹上死だー!!


(舞台袖から吉川ひなのが梅干し食ったような顔のウサギが出てくる)



小田切:ピョン姐さん!! ピョン姐さんじゃないですか!! 大変なんです!!

ピョン:事の顛末は見てたで、小田切。大丈夫や、私が来たからにはもう安心や。

小田切:さすがピョン姐さん、頼りになるっす……

ピョン:ほら、さっさとヤっちまいな(ケツを突き出す)

小田切:ピョン姐さん!? 何をやってるの!?

ピョン:童貞卒業したいんやろ? ほら、童貞捨てるんも呼吸するんも似たようなもんや。
    大丈夫、経験人数は1000人超えとるけど締まりはバッチリや。

小田切:ピョン姐さん、今それどころじゃないです!! ワンさんとニャーさんが!!

ピョン:因みに記念すべき1000人目は、昔プロレスラーやっとった兄さんでな、
    さすがぶっといええもん持ってたわ、私も色んな男のブツ咥えてきたけど、ほんの数秒でイって(倒れる)

小田切:ピョンさぁぁぁーーーーーーん!!!!!! 


(舞台袖から無一文になったタモリみたいな顔の猿が出てくる)


ウキー:ウッキーッ!!!

小田切:うわっ、びっくりした! ウキー警部さんじゃないですか! お久しぶりです!

ウキー:おう、小田切、久しぶりやな。早速やけど、署まで来てもらおか

小田切:!? 何でですか、ウキーさん!

ウキー:見してもらったで、小田切。お前、ニャーさん、ワンさん、ピョンさんを思い出し腹上死させたやろ

小田切:誤解です、ウキーさん! 俺はただ、彼らの思い出話を聞いていただけで……

ウキー:いいや、ちゃんと見とった。ワンさんピョンさんはええとして、お前、ニャーさんを死姦しようと思ってたやろ。

小田切:お、思ってませんよ、そんなこと! 証拠はあるんですか、証拠は!

ウキー:証拠か。証拠はそのいきり立ったちんこや。ぶらんぶらんさせやがって、猥褻物陳列罪でしょっ引くこともできるんやで?

小田切:!!

ウキー:更に、だらしなく垂れ下がった4つの乳首。もう完全に勃ってるやないか。

小田切:これは僕の特性で、その、やりたくてやってるわけじゃないですモー……

ウキー:ここを絞ったら乳が出るんか? え?(乳を揉む)

 モー:あぁんっ///(ドピュー

ウキー:はんっ、だらしない声あげやがって。まぁええわ。とりあえず強姦未遂で署まで来てもらおか。話はそれからや

 モー:そ、そんな! 僕は無実だ! 童貞は無害だ! いやだモー!!!


(ウキーと小田切改めモーが捌ける)


 ワン:……うまくいったな

ニャー:いやー、あんな予定通りに進む思わんかったわ。

ピョン:童貞はころーっと騙されよるからね。ワンさんの迫真の演技、凄かったで

 ワン:まぁ、あれは昔の自分を思い出してる部分もあるわな。

ニャー:それより、わしの干支入りの話、これでオッケーなんやろな?

 ワン:勿論やで。干支に童貞がおるっちゅうんは恥さらしやからな。やっぱりニャーさんこそが適任やわ。

ニャー:ピョンさんとの一夜の話を披露した甲斐があったっちゅうもんやで。

ピョン:あらニャーさん、じゃぁ銀座で捕まえた未亡人の話って

ニャー:せや、ピョンさんのことやで。

ピョン:もしやと思ったけど、恥ずかしいわ///

 ワン:おいおい、ニャーさん、あんたもやったんか

ニャー:ん? なんやワン、お前もか言うて、それどういう意味や

ピョン:ワンさんが言うてた、北新地で再会した同級生言うのも、私のことやねん///

ニャー:ほんまか、それ! いやー、さすが1000人もやってたら、近所に穴兄弟がおるもんや

 ワン:ここら辺の男は大体ピョンさんとヤってる聞いてたけど、あらあながち冗談でもないかもしれんな

ピョン:因みに、私が言うてた1000人目の元プロレスラーいうんは、ウキーさんのことやで

 ワン:何んと! あの警察官もちゃっかりヤってんのかいな

ニャー:世界は狭いで、ほんま

ピョン:あぁ、昔の話色々してたら濡れてきたわ。私、1000人とはヤってきたけど、乱交ちゅうもんはしたことないねや

 ワン:せやったら今晩は、ニャーさんの干支入りを祝して3人で一発……

ニャー:ウヒヒ……

ピョン:ウヒヒ……

 ワン:ウヒヒ……

予選総合第27位(3回戦敗退) 童貞ソーヤング
審査員
点数
32 45 67 70 平均53.50
【審査員コメント】
・ワンさんの格言がカッコ良すぎて思わず身震いしました。
 昔の体験談を語る動物達が次々と腹上死していくというとんでもない展開、かと思えば干支の争いというしっかりとした話の支柱が通されていたという、狂っているように見えて繊細な考えが巡らせれている作品でした。
 しかし、今のままではなんか中途半端です。
 前半部の腹上死とかのハチャメチャな展開は、ちゃんとした軸が無いからこそ面白い展開だと思いますし、最後のオチは今までの展開と比べるとちょっと綺麗に終わりすぎて逆に不自然さを感じてしまいます。
 いや、今まで出てきた名前に全部関係性があったというようなオチは凄く好きなんですけど、どうも使いどころが違うと思います。
 理不尽と理に叶うが合わさってしまっては不自然さを感じざるを得ないので、どちらか一方に絞ったほうがいいと思います。
 後半のノリではとてもニャーさんを死姦するくらい狂った作品には見えませんし。「どうして雄牛なのに乳が出るの」というような野暮ったらしい疑問も感じてしまいます。
 それか突然オチに繋げるのではなく、だんだんと真面目な空気を作ってみたら、それほど唐突さを感じず、スッと受け入れやすい作品になると思います。
  
・えげつない下ネタとえげつないバッドエンドを両方持ってくるのは流石にキツイですよ。
 でもまぁその凄まじいマイナスの印象値をそこそこ巻き返せている地力を凄く感じたのも確か。
 キャラ作りおよびその導入は特にピカイチ。
 1・2コの台詞だけでキャラクターの性質をほとんど表現しきってしまうの技術は脱帽。
 語り口調も読み進める意欲をものすごく引き立てるモノになっていて心地よかったです。
 本当に題材の持つ2種のえげつなさが相乗効果を持っておっきなマイナスになっただけだったので、
 題材さえ違えば満点付けていたかも知れません
  
・このネタはうちの大学にいる、非童貞というだけで誰彼構わずクソミソにこき下ろす割に何の努力もしないとんだサイコ野郎を皮肉っただけのネタです。
 くれぐれもこのネタに構成や論理や理屈や主張という単語を用いたマジジャッジを下さぬようお願い申し上げます。
 「帰れ! 0点」 これでいいのです。
  
・タイトルがなぜamazarashiなのかって言うツッコミはさておきまして。
 内容のゲスさにヒいてしまうかなと読みながら思っていたのですが、そんなこともなく
 ゲスい部分を笑いに変える技術力が凄いなと思いました。
 実は牛だったという展開や、干支争いをしていたなど、構成として上手い部分も多々あって
 ただ安直に下ネタを重ねてるだけじゃない所に好感を持ちました。
  
・えっと……面白かったです。ある意味100点。
 ケンカを売るようで申し訳ないのですが、これ以上ないくらい構成が素晴らしいですよね。裏の主張がしっかりしているせいもあると思いますが。
 また何より、舞台袖から出てくる動物に対する比喩が良いところ突き過ぎていてツボでした。無一文になったタモリ、てw
 
 あとはまぁ…いかんせん「コント」でしたね。印象でドーンとくるタイプのネタ、というか。
 その点、どんどんとボケて笑いを狙っていく漫才と並べると、どうしても弱く見えてしまうところはありました。
 別に夏草さんに言ってるのではなく、今後「MM-1って漫才大会だけど、ルール緩いしコントっぽいのやっちゃおう!」って思っている方へのアドバイス的な意味で。



No.012 TOMONAGA
バスジャック
宮永:どうも、TOMONAGAです。宜しくお願いします

朝妃:世の中には不安なことが色々ありますけど、私はバスジャックが起こったときが一番不安なんですよ

宮永:バスジャックは確かに危ないよね

朝妃:だからそういう状況になったときの練習をやりたいんだけど、協力してもらっていい?

宮永:うん、いいよ

朝妃:じゃあ宮永さんはバスやって、私はジャックやるから

宮永:ん?それは一体どういうこt

朝妃:アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!

宮永:ちょっと待ってー!?どうして叫んでるのー!?

朝妃:アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!

宮永:ジャックの連呼止めてよー!どうして叫び続けてるのよー!?

朝妃:アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!

宮永:ストーーップ!!ストーーップ!!ストーーップ!!ストーーップ!!ストーーップ!!

朝妃:・・・・・・何か?

宮永:何かどころの騒ぎじゃないよ!バスジャックくらい危ない人だったよ!何でずっと言い続けてたのよ

朝妃:ジャックはアメリカ人だから日本語は分からないけど、ストップって言われたらストップするよ

宮永:そういうシステムなの!?英語で言わなきゃ止まらない人なの!?

朝妃:そうだよ。ちょっと宮永さん、私ジャックやったんだからちゃんとバスやってよ

宮永:その状況でバスやりたくないし、バスのやり方が分からないよ。だってバスって人じゃないよね

朝妃:じゃあ私の代わりにジャックやってよ。私がバスやるから

宮永:えっ、アタシがジャックやるの・・・?仕方ないなぁ・・・
   アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!

朝妃:(のたうちまわる)

宮永:アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!

朝妃:(のたうちまわる)

宮永:アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!っておかしいよねこの状況!?それ一体何やってるの!?

朝妃:ブラックバス

宮永:そのバスやるの!?それ不安になる状況なの?

朝妃:危ないよ。ブラックバスいたら在来種が減っちゃうよ。生態系がおかしくなっちゃうよ

宮永:朝妃ちゃん自身にはそれほど影響ないけどね

朝妃:あのさぁ、何でジャック止めちゃうの?私まだストップコールしてないよ

宮永:え?これストップコール無いと止めちゃいけないの?

朝妃:先程のでそういうものだと理解していただきたかった所存です

宮永:今だけやたら丁寧な言葉遣いでアタシ物凄いイラッときたよ
   まず朝妃ちゃんはブラックバスだったよね。さっきの状況でストップコールかかるの?

朝妃:かからないよ。だってブラックバスだもの

宮永:アタシ永遠に言わされるところだったよね!喉ガラガラになるよ!

朝妃:それだと声帯系がおかしくなっちゃうね

宮永:上手いこと言ってんじゃないわよ。そもそもここで言うバスってブラックバスのことじゃないよね

朝妃:じゃあ別のバスやるから、またジャックやって

宮永:えええ・・・。またやるの・・・?
   アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!

朝妃:一日の疲れを癒し、心もリラックス。今日の疲れは今日のうちに。ワンタッチで追い焚きもできる浴室

宮永:アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!

朝妃:その追い焚き口に生きたブルーギルをくっ付けてみましょう。死にます

宮永:!!?

朝妃:給湯器には給排気筒。死んだ魚には黙祷。外来種を殺すならリンナイガス器具!

宮永:何してるの!?追い焚き口でブルーギル殺しちゃダメだよ!

朝妃:でもこれぐらいやらなきゃ居場所を奪われた魚たちの弔いにならないよ
   現にブルーギルのせいでさかなクンが尿管結石になってるし

宮永:あれはブルーギルのせいではないよ!30歳を過ぎた男性にはよくあることだよ!

朝妃:あのさぁ、再び一つ言わせてもらっていい?私がまだストップコールしてないことに関してだけど

宮永:する予定無いよね?

朝妃:いくらアメリカ人で日本語が分からなくても、追い焚きでブルーギルが死ねば、言葉とか無くても止まります

宮永:そうだよね。だって追い焚きでブルーギル死んでるもの。じゃああれでいいのね

朝妃:最高のタイミングだよ。宮永さんもアメリカ人が何なのか分かってきたね。国際結婚の糧にしてください

宮永:そんな予定は無いけどね。そもそもここで言うバスって浴槽のことじゃないからね

朝妃:じゃあ次、業務用ガス炊飯器のパターン

宮永:業務用ガス炊飯器のパターンって何!?バス関係ないよね!?

朝妃:業務用ガス炊飯器に生きたブルーギルを入れて炊いてみましょう。死にます

宮永:!!?

朝妃:水を温めれば沸騰。死んだ魚には黙祷。外来種を殺すならリンナイガス器具!

宮永:またブルーギル殺したね!?それはもうリンナイガス器具のイメージを悪くしてるだけだよね!

朝妃:そうかもしれないね。あのさぁ、再び一つ言わせてもらっていい?さっきアイアムジャックって言わなかったよね?

宮永:うん。言ってないけど

朝妃:今のはバスがどこにも無いから言わなくていいよ

宮永:そうだよね。だって業務用ガス炊飯器だもの。というか商品二つ使ってリンナイガス器具のイメージ悪くしすぎでしょ

朝妃:おいしいという名のガスコンロ、デリシア!!・・・・・・これでプラマイゼロだね

宮永:全くなってないよ!最早焼け石に水だよ!

朝妃:この前デリシアでブルーギルを焼いたら、死んだ魚のような目をしてました

宮永:死んでるからね!今ので輪をかけて酷くしてるよ!そもそもバスとジャックは分けるべきじゃないよ

朝妃:ひょっとして、バスでありジャックでなければならないの?

宮永:言わばバスでありジャックだよ。バスとジャックでワークシェアリングするなんて前代未聞だよ

朝妃:じゃあ私がバスジャックやるから宮永さんはファーストフード店の店員やってね

宮永:それは違う題材の漫才でやるやつだよね
   そっちバスジャックでこっちファーストフード店だとドライブスルーの漫才に発展しちゃうよ。アタシそんな漫才できないよ

朝妃:じゃあ宮永さんはバスに乗って巻き込まれた人やってね

宮永:うん、分かった

朝妃:♪アイアムジャ〜〜〜ック ♪アイアムジャ〜〜〜ック ♪アイアムジャ〜〜〜ック

宮永:・・・・・・・・・・・・えっ?

朝妃:バスジャックのせいで今パニックでしょ

宮永:本来予定していたパニックと違うパニックが起こってのパニックだけどね!ちょっと待って、これバスなの?

朝妃:うん。音程が

宮永:音程が!?ジャックさんの音程がバスでも不安にならないよ!

朝妃:でも昨日までソプラノだったのにいきなりバスになったら不安だよ。しかも男性でソプラノって殆どいないんだよ
   数少ない男性ソプラニスタが減ったら、クラシックの未来は無いよ!

宮永:クラシックの未来は分からないけどそのバスジャックは確実に違うよ!バスを乗っ取って人質を取るやつやってよ!

朝妃:そっちのバスジャックかぁ。そっちはあんまり不安にならないよ

宮永:そっちどころか普通それしかないでしょ。でも何で不安にならないの?

朝妃:知ってる?バスジャックって業務用ガス炊飯器で殴ったら死ぬんだよ

宮永:業務用ガス炊飯器だからね!殴られたら大抵の人死ぬからね!
   そもそもバスジャックと業務用ガス炊飯器を持った人が乗り合わせる確率は無きに等しいよ!

朝妃:炊けたら蒸気。殴れば鈍器。バスジャックを殺すならリンナイガス器具!

宮永:もうイメージダウンにしかなってないよ!!リンナイガス器具のイメージどれだけ悪くするつもりなの!?

朝妃:パロマでは昭和55年から平成元年まで製造された一部のガス瞬間湯沸し機では安全装置が働かず中毒事故に至る恐れが有ります
   皆様今一度確認をお願い致します

宮永:何で今それ言ったの!?CMで見たことあるやつを!

朝妃:リンナイのイメージを良くできないならライバル社のイメージを悪くするしかないじゃない

宮永:だからってそういうこと言っちゃダメだよ!朝妃ちゃん全然バスジャック分かってないじゃない。もう、何なのよこの漫才

朝妃:バスだけに、終着点が見えない漫才だったね

宮永:バスは終着点あるよ!もういいよ!

二人:どうもありがとうございました

予選総合第34位(2回戦敗退) TOMONAGA
審査員
点数
43 49 19 69 65 平均49.00
【審査員コメント】
・朝妃:じゃあ宮永さんはバスやって、私はジャックやるから 朝妃:アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!アイアムジャーーーック!!
 が面白すぎてのたうち回りました。それをサラリと理解する宮永さんもまた素敵です。
 バスジャック+リンナイガス器具というどんな生活してたらこの二つを混じり合わせようと思うねんというようなネタでしたが、二人のキャラクターが完成されていてとても読みやすかったのが良かったです。
 ただ、もっとスケールを大きくして欲しかったです。
 例えば殺すのはブルーギルなんていう雑魚ではなく、アロワナとかピラルクとかその辺の大物を殺してくれた方がネタのぶっ飛んだ雰囲気に合っていたと思いますし、
 クラシックのバスなんかも、なんか急に真面目なボケになってしまって、肩すかし感を感じました。なのでもっと斜め上からのワードを取り組んだ方が良いと思います。
 全体的に世界観がこじんまりとした印象だったので、もっと二人の会話に影響される幅を広げて、読み手に与えるインパクトを増幅させたほうが良いです。
  
・なんでブルーギル使ったんだろうブラックバスのままで良かったのにと言う所など、
 そんなネタを読む上ですごく邪魔になる意識を作ってしまったのが最大の痛手でしたかね。
 それまでは出してくる単語を繋ぐ「連想」がしっかり見えていて好印象だったのに、
 そこだけはわざわざ違う魚に置き換えた意味を探す方に意識が行ってしまって、
 すごい勢いでネタの面白い部分に集中しづらくなりました。
 とてももったいなかったです。
  
・宮永は何故ジャックと叫んでるかを問うているのに、「ストップと云われれば止まる」と見当違いな返事のままやり取りが進んでいる部分に違和感を覚えました。
 二人のやり取りをあえてずらすことでシュールさを引き出すのではなく、単にコミュニケーションが取れていないだけのように見えました。
 構成などは問題ないんですが、やり取りが悪い意味で意味不明。
  
・凄いですね、なんというかハートが強いと言うべきか。
 行数が限られた中でこれだけ同じセリフを連呼すると言う力技。
 「自分が面白いと思った物を思いきりぶつけてください」と言いましたが、まさしくそんな感じです。
 ブルーギルや、業務用ガス炊飯器のパターンなどと言った不意を突いてくるボケも見られました。
 しかし、勢いとパワーを感じた反面、先を行きすぎて付いて行ききれない部分も多少あったのがもったいないかなと。
 しかしながら、面白いネタではあったと思います。
  
・「宮永さんはバスやって、私はジャックやるから」という発想からしっかり漫才を展開させられていたのは良かったと思います。
 気になる点はいくつかあるのですが、ネタに勢いがあり読みやすかったのは好印象でした。



No.013 XENOGLOSSIA
神聖ウタヒメ帝国ですわー!
歌姫「ごきげんよう! XENOGLOSSIAの高貴な方、六川歌姫ですわ!」

寛子「うふふのふ〜☆ ふるえるよハート! 燃えつきるほどキュート! 刻むよ血液のビート!
   XENOGLOSSIAの可愛い方、七瀬寛子たんだよん☆」

歌姫「さっそくですけれど寛子さん。わたくし、六川歌姫の名の元に、神聖ウタヒメ王国の建国を宣言いたしますわ!」

寛子「……ええと、歌姫お嬢。その辺に落ちてるドギツい色のキノコでも食べちゃったのかなー? 絶賛正気失いんぐ系?」

歌姫「そんなことありませんわ! わたくしは正気ですことよ!」

寛子「正気じゃないやつは大概そう言うんだよ。
   だいたいさ……いきなりワケわかんない王国建国されても、困るんだけど。そもそもどこに建国する気なんだよ」

歌姫「寛子さんの自宅ですわ」

寛子「は?」

歌姫「ですから、寛子さんの自宅ですわよ。
   寛子さんの自宅は、たった今この時から、わたくしの治める神聖ウタヒメ帝国の領土となりますのよ」

寛子「やめてよ。寛子のささやかなプライベートの時間までお嬢色に染め上げるの、やめて」

歌姫「うるさいですわね、原住民がごちゃごちゃと!」

寛子「誰が原住民だよ。どっちかっつーと、お前が建国しようとしている部屋の現住民だよ」

歌姫「いいですかしら!?
   たった今から寛子さんの部屋は、わたくし六川歌姫を国王とする、神聖ウタヒメ王国の領土と化しましたのよ!
   つまりあなたは現住民ではなく、もはや旧住民! というかいっそのこと九州民」

寛子「九州民ではねえよ。いや、つーか、ちょっと待てよ。……何てことしてくれてんだよ。
   勝手に寛子の家で建国とかするんじゃねえよ。寛子、これからどこに家賃納めたらいいんだよ」

歌姫「もちろん家賃はアパートの大家さんに払ってくださいましよ。
   でないとわたくしの国が、部屋から追い出されてしまいますわ」

寛子「寛子が家賃を払うか否かで存続が決まる国家ってなんだよ。歌姫お嬢と寛子と、どっちが偉いのかわかんねえなこりゃ」

歌姫「それはもちろん、わたくしの方が偉いに決まってますわよ! 女王たるわたくしに、ひれ伏すがいいですわ!」

寛子「独裁国家の片鱗が見えたわ。
   つかさ、アンタ、国家が国家として認められるために必要な『国家の3要素』って知ってるのぉ?」

歌姫「国歌と国旗と国営放送ですかしら」

寛子「領域・住民・実効的支配だよ。構成要素1つも合ってなくて、よく建国とかする気になれたな」

歌姫「領域も住民も実効的支配もありますわよ! まず領域ですけれど、何度も申してます通りに、寛子さんの部屋がそうですわ!」

寛子「立川の安アパートの中にぽつねんとある国家ってなんだよ。
   小国の大使館でも、もうちょいマシな、せめてマンションとかに部屋あるぞ」

歌姫「次に住民ですけれど、わたくしが住んでいるのですから、問題ありませんわ!」

寛子「いやていうかお前以前に、まずそこ寛子が住んでるとこなんだけど。
   アンタの言ってる話は、全部肝心の家主を置いてきぼりにしたままなんだけど」

歌姫「次に実効的支配っていうのなんですけれど、これはよくわかりませんけれど、たぶん満たしてますわ」

寛子「よくわかんねえ、っつっちゃったよ。よく分かってねえ時点で『国家の3要素』満たせてねえわ。
   実効的支配ってのはアレだよ。
   要するに、ちゃんとその地域……地域っつーか部屋なんだけど、それをお前が統治できてるかっつー話だよ」

歌姫「できてますわ!」

寛子「できてねーよ。うわあ、もう寛子、こんな超ストレートなツッコミしか出てこねえわ」

歌姫「では次の国家を構成する要素は、国旗ですわね」

寛子「さらっと行くけど、それは国家を構成するのには必要ねーからな? お前が言っただけだかんな?」

歌姫「実はわたくし、手ずから国旗を作ってきましたの。見せて差し上げますわね」

寛子「お前それ、国家を構成する要素とか関係なしに、ただ単に見せたいだけなんじゃねーの?
   『あたし超可愛いサインを考えたから見せてあげる』現象じゃねえの?」

歌姫「こちらがその国旗ですわ(ポケットからハンカチサイズの国旗を出して見せる)。
   本物はもっとずっと大きいのですけれど。この絵柄、何に見えますかしら?」

寛子「デフォルメしたお前の顔面」

歌姫「正解ですわ! 国旗と言えば、国の顔でもありますものね!」

寛子「だからってホントに顔にしてどうすんだよ。スポーツの国際大会の入場行進ン時に、国旗掲げて歩くのが恥ずかしいだろうがよ」

歌姫「とりあえずこれ、玄関のあたりに掲げておきますわね」

寛子「おま、やめろよ。
   端から見たら、寛子、なんか変な宗教の教祖様のお顔を掲げて崇め奉ってる人みたいになっちゃうじゃんかよ。
   隣人に見られたら、真面目に引っ越し考えるレベルだぞ」

歌姫「続いては国歌ですわね。こちらもわたくし、用意いたしました」

寛子「生まれて初めて『君が代』が恋しくなったよ。苔むさせろよ」

歌姫「我が国の国歌のタイトルは、『セーラー服と機関銃』」

寛子「薬師丸ひろ子じゃねえか。国歌って、国の象徴だぞ。
   『セーラー服』と『機関銃』のどの辺りが神聖ウタヒメ帝国の象徴になってやがるんだよ」

歌姫「まるで『セーラー服』のような清い心を持ち、」

寛子「あ、もういいや。
   そんな薄っぺらな解説聞くくらいなら、駅前で色紙に書いた詩を売ってる人の自作品の講釈を聞いてた方がましだもんよ」

歌姫「もちろん『セーラー服と機関銃』は国歌ですので、
   これをバックミュージックに、わたくしの顔の描かれた国旗が掲揚されますのよ」

寛子「うわー。このまま何時間でも機関銃で国旗を穴だらけにしてえ」

歌姫「国歌斉唱は公務員の義務ですわ」

寛子「斉唱するほど国民いねえだろ。どう頑張ってもお前の独唱だろ。伴奏もいないから、アカペラだろ」

歌姫「では次に、『国営放送』ですわね」

寛子「どうせNHKに歌姫をかけて、UHKとかそんなんだろ?」

歌姫「残念、違います。正解は、『歌姫さんさんテレビ』ですわ」

寛子「ずいぶんと軽い名前だな、国営放送よ。どんな番組やんのよ?
   着物を着たアナウンサーが青い背景の前でやや絶叫気味にニュースをお伝えする番組?」

歌姫「違いますわ。歌姫さんさんテレビの名物番組は、『歌姫の部屋』というトーク番組ですのよ。
   国内全てのテレビで、特殊な器具を用いることにより観ることができますわ」

寛子「いやそれ、お前の自主製作のDVDを、ウチのテレビで流してるだけじゃんかよ。
   しかも特殊な器具って、それたぶんDVDプレイヤーだろ。どの辺が放送なんだよ」

歌姫「再生が終わりますと、また一番最初に戻ってもう一度放送が始まりますわ」

寛子「お前それ、店頭によく置いてある、商品の宣伝を無限ループで流しまくってるテレビとおんなじやり口じゃねえかよ」

歌姫「ちなみに『歌姫の部屋』の初回ゲストはてんとう虫ですわ」

寛子「せめて人であれ」

歌姫「これで神聖ウタヒメ帝国を国家として認める気になれましたわね?」

寛子「自衛隊どころか近所のお巡りさんにすら強制的に排除されそうな国家のくせしやがって」

歌姫「ただ、国家としてはまだまだ改善すべき点もありますわね。食料自給率のことも考えないといけませんし」

寛子「フローリングの床の上で自給できる食材なんて、限られたもんだろ。
   寛子の部屋ベランダ無いし日当たり悪いから、家庭菜園も絶望的だしな」

歌姫「野菜だけでなくお魚も食べたいですわ。……確か寛子さん、魚を飼育してらしたわよね」

寛子「寛子のペットを喰おうとするな。あと、お前が言ってる寛子の魚のペット、シーマンだからな」

歌姫「まぁ、食料に関しましては、しばらくの間は輸入品に頼りましょう」

寛子「輸入品て?」

歌姫「近所のコンビニで買ってきますわ。コンビニはウタヒメ帝国の外ですから、輸入品ですわ」

寛子「寛子ん中の輸入の概念が危ういんだけど。
   あとお前、日本国内のコンビニに、ごく普通に買いに行こうとしてんじゃないよ。他国だろ。
   お前がわざわざ敷地を隔離した、他国なんだろ。気軽に踏み込むんじゃないよ」

歌姫「もちろん今後、TPPにも参加しますわ」

寛子「お前、輸出しねえで一方的に輸入するだけの国のくせして、ずいぶんと厚かましいな。失うもの無ぇじゃねえか」

歌姫「輸入するとなるとお金も必要になってきますわね。国内に流通する貨幣も、きちんと用意しましたわ。
   単位はDSN(デスノ)で、三沢光晴さんの肖像画が載っており、1000DSN、5000DSN、10000DSNの種類がありますわ」

寛子「子供銀行券の方がまだ価値がありそうな貨幣が来たわ。三沢光晴もこんなところでこんなことになるとは思わなんだろうな」

歌姫「硬貨もありますわ。こちらですわ(複数の硬貨を見せる)」

寛子「ゲーセンで見かけたことあるわ、これ。持って帰っちゃいけないんだぞ、これ。
   ……こっちは瓶ビール飲もうとした時に見たことあるわ。ちゅうか完全に王冠だわ。
   ……こっちは…………わ、和同開珎……!!?」

歌姫「その硬貨は1DSNですわね。ちなみにレート的には、1DSN=1.29円に相当しますわ」

寛子「マジかよ。素直に1デスノ1円にしとけよとかツッコミしたいのはとりあえず横に置いとくとして……、
   和同開珎が1.29円で流通してんのかよ。本物なら日本なら20万以上で取引されてんだぞ。
   それがウタヒメ帝国では1.29円で手に入るのかよ。無知って怖いねえ」

歌姫「それから、これから国家として独立していくにあたり、やはり日本大使館も欲しいところですわね」

寛子「なんでウタヒメ帝国の側が欲しがってるんだよ。日本側からわざわざ人員を割いて出向さしてるんだぞ。
   ぺーぺーの……ていうか日本からしたら、体内にできたポリープみたいな国になんでわざわざ大使を送らにゃならんのよ」

歌姫「日本側の大使は寛子さんにお願いしようかと思いますの」

寛子「なんでお前から人員をご指名してんだよ。ソープじゃねえんだぞ」

歌姫「でも、そうでもいたしませんと、寛子さんが神聖ウタヒメ帝国の中に入ることができませんわ。
   寛子さんだって、自宅なんですから中に入りたいでしょう?」

寛子「寛子の心配をしてくれるなんて親切だね、なんて言わないよ絶対」

歌姫「部屋の隅の畳1畳を、日本大使館といたしましょう」

寛子「やっと自分の部屋に入れたと思ったら1畳の中で飼い殺しとか、なんだし」

歌姫「日本大使館は治外法権ですので、
   神聖ウタヒメ帝国の『女王である六川歌姫の機嫌を損ねた者は、即刻死刑』という法律も適用されませんわ。良かったですわね」

寛子「なんて恐ろしい国なんだ。そんな俺様主義の国の中に入り込むことになってまで、自分の部屋の中になんかいたくねえわ。
   寛子、だったらもう別のアパートに引っ越すし。
   最近仕事増えたから、もういっそのこと、夢の港区のマンションとかに引っ越すし」

歌姫「まあ。ウタヒメ帝国がついに港区に進出いたしますのね!」

寛子「ついてくんなし! もう、お嬢の戯言これ以上聞きたくないよ〜。 というわけで、寛子と」

歌姫「歌姫の」

2人「単なる雑談、おしまい。ありがとうございました〜」

寛子「国や世間に不満を言うだけの口だけ達者連中よりも、
   こうして実際に動いて建国してやろうって歌姫お嬢の方が、好ましいとは思わんかね? 寛子は思わん」

予選総合第24位(準決勝敗退) XENOGLOSSIA
審査員
点数
57 58 39 72 78 平均60.80
【審査員コメント】
・寛子さんのユルんとしたツッコミが上手い具合に雰囲気にマッチしていて面白かったです。「苔むしれよ」が特に大好きです。
 歌姫ちゃんのオラオラ感も最後まで揺るがずに突っ走ったので、読み終わった後の爽快感がハンパないです。
 ただ、「自前の国家を作る」ということよりも「家の中で国家を作る」という要素を強調したほうが、ネタとして面白かったんじゃないかと思います。
 例えば家具を勝手にいじくったり、乳牛など寛子さんの部屋をブッ壊すくらいの巨大なブツを設置したりなど、とことん理不尽な要求をしてほしかったです。
 せっかく家の中という限定せれた場所を舞台にしたのですから、そこの空間やアイテムを有効に活用しなければ勿体無いです。雰囲気はこのままで良いですから、ボケの方向性だけ変えてみてください。
  
・全体通して「何故寛子さんの家に建国しようとするのか?」という部分が気になって、
 そこが入り込めない最大の要因となっているように思います。
 理由なんてないのだとしても、それならそれで理由の無さをはっきり明示しておかないと、
 読み手はその理由を探して無駄な労力を割いてしまうし、ネタの本筋に集中しづらくもなってしまいます。
 今回は特に「国旗は国の顔→本当に顔を載せちゃう」みたいな細かい部分では連想経路がしっかりしていて、
 だからこそ本筋の意図の読めなさがより悪目立ちしてしまう。
 小ネタの連想経路はしっかり作ってあるのにメインの話のそれはおざなりって言うのはそんなに印象良くないです。
 また説明的に長くてしかも間延びした口調のツッコミってちょっとでも言葉選び外すと簡単に「我に返る」
 と言う現象を引き起こしてしまうからすごく難しいわけです。
 今回は例えば「どうせNHKに歌姫をかけて、UHKとかそんなんだろ?」とか、
 この流れで歌姫さんにそんな安直な発想のイメージは無くむしろ突拍子もないひねり方をするカンジなので、
 「どうせ」ってのがとても引っ掛かったりする。そんな部分がちょいちょいあって読む意欲の流れが止まる。
 ボケのふわふわした所をツッコミの言葉選びでかなり具体性を出せている構図の心地よさは好印象ですが、
 それがイマイチ連続的になれずに積み立て分の笑いがリセットされる箇所が多かったのが残念でした。
  
・原住民のくだりは普通に感心した。言い換えれば、そこがピーク。
 悪いやり取りではないんだけども、笑えるかと云ったら全然そんなことない。
 「笑わせるために巧いやり取りやってるな」って諦観の立場から見てしまいました。
  
・歌姫さん忙しいな。と、まぁそれはそれとして。
 見る度にやり取りの面白さが上がってますね。せめて人であれやシーマンなんかは凄く笑いました。
 歌姫さんの中で完成されてるであろう夢物語をことごとくつぶして行く寛子さんの構図が最高でした。
 構成としては割と淡々としていて「会心の一撃」な瞬間が無かったのが少し物足りなかった気がするのでそこがあればもっと高得点付けてました。
 
  
・面白かったです。歌姫のキャラ、寛子さんのツッコミがしっかりしていましたし、ネタ自体も面白かったです。
 特に「デフォルメしたお前の顔面」「歌姫さんさんテレビ」「TPPにも参加しますわ」、あとラストの寛子の台詞が面白かったです。
 もう少し設定に深みが出て、後半でさらに盛り上がるようになれば言うこと無いです。



No.014 理系文系
日本創造Ver.2013
理「どうも理系文系です。よろしくお願いします」
文「よろしくお願いします。さて、日本の狭い季節になりましたね」
理「日本の狭さに季節感は関係ないと思いますケド」
文「もうね、この世界には日本が足りないんですよ」
理「何でしょうそのダイナミックな不満」
文「ですからね、こーなったら日本をもういっこくらい、あたしの手で作っちゃおうかなと」
理「………………はい?」
文「日本の東、結構スペースあるんでそこに日本Ver.2を作ろうかなと」
理「ちょっと待って」
文「まず日本を創るには材料が必要ですね」
理「あ、ダメだ。この人会話が通じない」
文「※因みにこの漫才は、お手元に地図帳があるとよりお楽しみいただけます」
理「受け手の方々に余計な手間を要求しないように。
  わざわざ面倒なコトしなくても大丈夫ですからね、皆さん」
文「で、まぁ材料です。最初っから形が近い方が創りやすいですよね」
理「そんな発想が通用する規模の話ですか?」
文「なので今回用意していただく材料は「イタリア」です」
理「お料理番組みたいなノリでまた随分と電波な要求を」
文「赤い点線に沿って切り離してくださいね」
理「地図上に書いてあったりする国境が切り取り線に見えるのなら、眼科か精神科行ったらどうですかね?」
文「線に沿って何回か長靴の部分をペコペコ折り目を付けてからだと、やりやすいですよ」
理「その代償として地中海は大荒れですよ」
文「あ、この時シチリア島も忘れずに取っていってくださいね」
理「さっきのペコペコの影響でかなり甚大な津波被害を受けてしまったであろう、あの島を」
文「この部分忘れずに気を付けて下さいね。結構だいじですから」
理「そうですねどっちかって言うと大惨事的な意味で」
文「では次に、一先ず今の材料を太平洋に広げます」
理「今度はそっと置いて下さいね?」
文「まず北海道から作りましょう。イタリアを半島側と大陸側の二つに分けて下さい。
  大陸側には北部の都市トリノ・ミラノ・ジェノバ・ヴェネツィアが入るように、
  半島側にはボローニャから南のフィレンツェ・ローマ・ナポリ・バリ辺りが入るようにしてくださいね」
理「ってかコレ一体、誰に対する説明なんですかね?
  参考に出来る模倣犯なんて現れないと思うし現れて欲しくないですし」
文「で、大陸側をこねて生地に戻します」
理「生地て」
文「そして北海道の形にしていきます。
  北海道バターのパッケージなんかの上に広げて形作ると上手く出来ますよ」
理「今更ですケド、どーゆー縮尺?」
文「コレを200度のオーブンで3時間焼いて、出来上がりです」
理「そんな創造神御用達オーブンみたいなのがあってたまりますか」
文「次は本州と九州の政策に移って行きますね。
  今度は先程の半島側のパーツを持ってきます。そして工具一式を用意」
理「さようならクッキングな世界観。
  超展開にそんなバリエーションいらないんですがね」
文「まずノコギリで長靴のかかとの部分を切り取って下さい。ココが九州になります」
理「なんてはた迷惑な地殻変動」
文「で、まず残ったかかと無しブーツの方の外側を削って本州にしていきます。
  だいたい千葉の房総半島・金沢の能登半島・大阪湾の三つが出来てれば、まぁ大丈夫です」
理「えらいざっくりいきましたね」
文「富士山とかは好きな位置に作ればいいと思います。そこイジっても国の形変わんないですし」
理「高さ方向いい加減ですねー。あくまで地図目線ですかー」
文「あと琵琶湖くらいはくり抜いておくと、結構それっぽさが増すんでやっておくのをお勧めしておきます。
  くり抜いた部分もそのまま淡路島に出来ますし」
理「その流用をなんとなく理解できてしまったのがちょっと悔しい……」
文「ココを作る時は特にしっかり接着させて地震が起きないようにしましょうね」
理「地震のメカニズムを何と心得る」
文「九州も同じように作ります。コッチは鹿児島さえできればイイです。
  佐賀・長崎なんてとりあえずぐちゃぐちゃしてれば佐賀・長崎です」
理「佐賀・長崎の人に謝れ」
文「九州は火山多くて持つと熱いんで、
  あらかじめ全体に水かけて冷やしておくと作業しやすいですよ」
理「そんな軽いノリで火山活動を台無しにしないで下さい。
  温泉地の観光収入、大打撃じゃないですか」
文「あと福岡の海岸線は作るの結構ムズかしいんで、
  修正がきかなくなったら早めに諦めて専門の業者さんに頼んだ方がイイですからね」
理「その業者、確実に専門取り扱う技術の選択ミスってますね」
文「さて、最後は四国です。シチリア島を用意。
  小さいからって、なくしちゃったりしてませんよね?」
理「プラモデルあるある?」
文「では島のとがってる部分をご自宅のパソコンのUSBポートに差し込んで下さい」
理「ねぇ、結局イタリアって何でできてるんですか?」
文「そしてメモリーいっぱいに「うどん」と「みかん」と「坂本龍馬」の情報をダウンロード」
理「四国に対するイメージ雑すぎる」
文「データが書き変わり、コレで四国になりましたね」
理「百歩譲ってコレで出来たとしても徳島足りてないですし」
文「あ、言い忘れてましたがモチロンあらかじめシチリア島の情報はフォーマットしてから、データ入れて下さいね」
理「シチリアの歴史はとんでもなく可哀想なプロセスでその幕を閉じてしまうんですね」
文「万が一シチリアのデータが残ってたら、そこからどんどんイタリアになってっちゃいますからね」
理「イタリア文化をそんなコンピューターウィルスみたいに言わないで下さい」
文「あとは余ったのを細かくちぎって散らせば、そのへんの小島もできます。
  排他的経済水域をよく考えて幅広く散らばるようにするのがコツです」
理「なんでココだけちょっと政治経済しっかり考えました?」
文「ではコレで完成ですね」
理「南ヨーロッパと太平洋が荒れただけだったと思いますが」
文「そしてあたしは、新世界の神になる!」
理「さて死亡フラグも立った所ですし、もういいです」

理&文「「どうも、有難う御座いました」」

予選総合第37位(2回戦敗退) 理系文系
審査員
点数
16 30 67 68 平均45.25
【審査員コメント】
・のほほんとした雰囲気の割には、かなりスケールの大きい話をしていたのが面白かったです。
 「琵琶湖のくり抜いた部分は淡路島にしてください」が自分も想像することが出来て笑いました。
 なかなかぶっ飛んだネタではありましたが、結局ただのジクソーパズルになってしまっていたのが残念です。
 ジグソーパズルを説明しながら作成する人なんか、見ていてもそれほど面白くないですし、飽きてしまいます。
 だからUSBのような離れ業をもっと早い段階で使ってほしかったです。
 他にもイタリア以外にも、別の国からちょっとずつ拝借した方が、一方的にならずに飽きなかったと思います。
 それと合間合間に、なぜ文さんが日本をもう一つ欲しいのかという理由が今一つ不明確だったので、新しく創る日本の特徴などを文さんに語って欲しかったです。
 どんなにスケールが大きい話も、説明が長くて一方通行では笑いにくいです。真面目に変なことを語る哲学者よりも、人気のロマンチストな塾講師をイメージして書いてみてください。
  
・以前自分のネタを語ってすごく恥ずかしい結果を出してしまったトラウマがあるから今回はあんまり喋りません!
 まぁ今まで出そうか迷っていろいろ後回しにしてきたネタなのでちょっとココらで出しておきたかったのですと言うコトくらいですかね。
  
・非常にむず痒い。斬新で面白いことをやっているが、どうにも表現力が不足している。
 もう少し人に伝えることを意識して作ってみてください。
 琵琶湖→淡路島の流用、四国のくだりは良かった。
  
・2行目で心掴まれて期待値高めで読み始めました。
 その期待値を裏切らないくらいには面白かったです。
 日本を創るに似合わない、折り目ペコペコの絶妙なしょぼさが特に良かったです。
 が、すーっと始まってすーっと終わってしまったような、そんな印象を受けました。
 ツッコミの部分でフレーズを工夫されてるのが分かるのですが、どちらかと言えば「生地て」「えらいざっくりいきましたね」「佐賀・長崎の人に謝れ」などの
 シンプルなツッコミの部分で笑いました。クセの強い部分があったから、その対比でというのもあるのかもしれません。
 オチはもっとあったと思います。というかもっと無難に終わって良かったと思います。
  
・これ、絶対書くのが楽しかったですよね。「○○をどういう風に表現してやろうかなぁ」みたいなのを書きながら楽しめる、というか。
 非常に具体的な単語を伴ったボケ、凝られたフレーズ。そのあたりは非常によかったと思います。
 
 ただ、ボケとツッコミフレーズのみを前面に押し出した非常にサラッとした書き方だったのが、読み手によって印象が分かれる原因になっていたように思います。
 「文が一方的にボケて、理が解説的にツッコむ」という形式も加担しているのか、あるいは行間を空けないタイプの書き方も何かしら影響しているのか、
 ボケツッコミの深さを味わう暇もなくどんどん進んで行ってしまう、というような印象でした。
 誤解を恐れずデフォルメして表現するなら、このネタは「こだわりの食材を揃えた」状態で終わっているので、
 それをさらに「どんな風に味付け・調理していくか」をもっと楽しんでも良いんじゃないかと思います。
 一方で「シンプルイズベスト」とも言いますし、価値観次第なところはありますが、
 特に六升さんの場合だと、もしかしたらその「味付け・調理」をすることが得点UPに直結したりしちゃうのかなぁ、とも個人的には思っています。
 (まぁ、マイナス方向に作用しないことが大前提ですが。)



No.015 ガンバラナイズ
漫才シミュレーション
小村:どうもガンバラナイズです。

五竹:人間でおなじみの五竹です。

小村:いや、馴染んでねえし一生馴染まねえよ!?漫才するのなんて一部の猿さん除いて皆人間だからね!?

五竹:いやー、小村さん。MM−1グランプリ、略してムリですよ。

小村:略し方が後ろ向き過ぎんな!?あとMM−1はもう既に略してあるんだよ!

五竹:まあ漫才の頂点を決める大会に出るからには漫才を鍛えていかないといけないじゃん?

小村:いや、まだ先のことの如く言ってるけど、今がまさにその場だよ!?

五竹:そういう訳で漫才シミュレーションっての考えてきたから、とりあえずこの場を使って練習してみようか。

小村:いや、実際の漫才やってんのにそこでシミュレーションやるってどういう状況だよ!?
   漫才のためにとかMM−1のためにとか、それ全部今!手遅れ!

五竹:俺が状況と選択肢を言うからお前は好きな選択肢を選んでくれ。

小村:もうやる気満々じゃねえか・・・じゃあやるけども。

五竹:はい、じゃあ漫才が始まりました。
   どうする?1、笑う。2、笑わない。

小村:え、何で笑うに関する選択肢しかねえの!?最初に軽い自己紹介みたいな選択肢ねえの!?いや、じゃあ1、笑うでいいよ。

五竹:次にボケの人がボケました。
   どうする?1、笑う。2、笑わない。

小村:いや、ツッコませて!仕事させてくれよ!?相方のボケにただ笑うってどんなツッコミだよ!?じゃあ2、笑わない!

五竹:次にツッコミのダニエルがツッコミました。
   どうする?1、笑う。2、笑わない。

小村:いや、ダニエル誰だよ!?それ俺じゃないよね!?俺生まれてこの方ダニエルだったことなかったよね!?
   いや、もうとりあえず2、笑わない!

五竹:次にボケの人がボケました。
   どうする?1、笑う。2、拍手。

小村:それ完全に俺客だろ!?謎のダニエルがツッコんでるし、俺の選択肢が笑うとか笑わないとか、拍手とか!もう完全にそうだよね!?

五竹:どうする?1、笑う。2、拍手。3、二礼二拍手。

小村:神社の作法みたいなの出てきた!?いや、そんなんいいから漫才やってる側としてやらしてくれない!?
   漫才鍛えるとか言っといて客って!だいたい客側にシミュレーションも何もねえよ!

五竹:違うシチュエーションでやりたいならとりあえず今の漫才のシチュエーションを終わらせるしかないよ。

小村:どういうことだよ?

五竹:どうする?1、笑う。2、拍手。3、二礼二拍手。4、毒矢を放つ。

小村:いや、何か怖ろしい選択肢出てきたよ!?え、そういう終わらせ方なの!?まず何故毒矢を持ってんだ!?
   ・・・じゃあ4でいいわ!毒矢撃って終わらせてやるわ!

五竹:間違えて自分に撃ってしまったのでゲームオーバー。

小村:何でだよ!?そんな間違いはねえよ!?

五竹:じゃあ1個戻るな。どうする?1、笑う。2、拍手。3、二礼二拍手。4、毒矢を放つ。

小村:ゲームオーバーじゃあ終わらせてくれねえのか・・・じゃあもうよく分かんねえけど3、二礼二拍手!

五竹:願い事タイムに突入した。

小村:よく分かんねえけどよっしゃ!漫才終わらせて!漫才終わらせて!

五竹:何を願う?1、世界平和。2、漫才終了。

小村:いや、この並びすげえ選びにくいんだけど!?ここで漫才終了選ぶとかすげえ自分勝手な感じしない!?
   ・・・あえて1、世界平和!

五竹:偽善者に天罰が下った。ゲームオーバー。

小村:私欲殺して選んだのに何だよそれ!?じゃあストレートに2、漫才終了!

五竹:私利私欲のことしか考えなかったため天罰が下った。ゲームオーバー。

小村:いや、偽善者言うから選んだのに!?何一ついいこと無えな願い事タイム!

五竹:終了したからじゃあ今度は演者側な。

小村:あれ!?急に終わった!?さっきはゲームオーバーで1個戻ったのに今回は終わった!?え、その違い何なの!?

五竹:気まぐれ。

小村:アバウト過ぎる!このシミュレーション、アバウトが過ぎるぞ!?

五竹:漫才が始まりました。
   どうする?1、舞台に出る。2、舞台に出ない。

小村:いや、出るに決まってんだろ!?出てないならそもそも始まってるとは言えねえわ!1、出る!

五竹:はい、前の組の漫才中に出てしまったのでゲームオーバー。

小村:じゃあ「前の組の」って言って!?出るに決まってんだろとか言っちゃったよ!?
   無し無し!2、舞台に出ない!

五竹:前の組の漫才が終わり、自分達の漫才が始まりました。
   どうする?1、ゆっくり出る。2、そっと出る。

小村:違いが分かりづらいわ!何でそんな似通った二択だよ!?もっと違いのある二択を!
   もうどっちでもいいけどとりあえず1、ゆっくり!

五竹:はい、ゆっくり出すぎてセンターマイクに辿り着く前に後の組の漫才が始まってしまったのでゲームオーバー。

小村:ゆっくりが過ぎるだろ!?逆によくそんな遅さで移動できたな!?あと後の組も後の組で何俺がいる中普通に漫才始めちゃってんだよ!?
   じゃあさっきの無しで2!そっと出る!

五竹:そっと出た。お客さんにまだ気付かれてない。

小村:こっちはこっちでそっとが過ぎるな!?いや、舞台に出て気付かないってそれ客としてどうなんだよ!?携帯とかいじっちゃってんな!?

五竹:どうする?1、奇声をあげる。2、狼煙をあげる。

小村:いやおかしいおかしい!普通は無えの!?奇声はまだいいとして狼煙って!戦でも始まっちゃうのかよ!?1だよ1!

五竹:はい、ビックリしたお客さんに毒矢で撃たれてゲームオーバー。

小村:また出てきたよ毒矢!何で客は毒矢を備えてるシステムなんだよ!?そして急に大事件すぎない!?
   ビックリで毒矢撃たれるんならもうボケもツッコミも怖くてできねえよ!?

五竹:じゃあ1個戻るな。
   どうする?1、奇声をあげる。2、狼煙をあげる。

小村:いや、狼煙が正解とか無いわ!そんな煙たい漫才見たことねえよ!?
   というか奇声で矢を放つ人とか狼煙でも矢放って来ない!?大丈夫なの!?

五竹:どうする?1、奇声をあげる。2、狼煙をあげる。

小村:じゃあもう2でいいわ!

五竹:戦の始まりだと勘違いしたお客さん一同が一斉に毒矢を放ってきた。しかし狼煙の煙に隠れて事なきを得た。

小村:何で皆して毒矢持ってんだよ!?どっちみち毒矢を放たれる漫才って何だよ!?その時点でもう漫才じゃなくてただの緊急事態だわ!

五竹:どうする?1、自分の紹介と相方の紹介をする。2、自分の紹介だけして相方の紹介は相方自身に任せる。

小村:逃げたい!今すぐその場を離れたい!

五竹:どうする?1、自分の紹介と相方の紹介をする。2、自分の紹介だけして相方の紹介は相方自身に任せる。

小村:こんな自由のきかないシミュレーションがあったとはな!!
   じゃあ2、自分の紹介だけして相方の紹介は相方自身に任せる!

五竹:相方がまだ舞台に出てきてないのでゲームオーバー。

小村:なんでいねえんだよ!?何俺1人舞台で狼煙上げて毒矢飛びかわさせちゃってんだよ!?シミュレーション上の相方ごめん!
   じゃあ1、自分の紹介と相方の紹介をする!

五竹:相方がいないことに憤りを感じたお客さんに毒矢で撃たれた。

小村:沸点低すぎんだろ!?というかどっちの選択肢もゲームオーバーじゃねえか!?

五竹:すると神様が現れた。

小村:展開が読めねえ!さっきからずっとだけど!

五竹:神様の力で時間を戻してもらった。さらに毒矢をもらった。

小村:いや、もうどういうことだよ!?毒矢とかいらねえよ!?

五竹:そっと出た。お客さんにまだ気付かれてない。

小村:あ、舞台に出たとこに戻った!?

五竹:どうする?1、怪しそうな人に毒矢を撃つ。2、手当たり次第に毒矢を撃つ。

小村:ちょっと待てよ!?選択肢がえげつない変わり様なんだけど!?
   どっちみち毒矢撃たなきゃいけないって何なの!?ハッピーエンドはいずこへ!?

五竹:どうする?1、怪しそうな人に毒矢を撃つ。2、手当たり次第に毒矢を撃つ。

小村:・・・1、怪しそうな人に毒矢を撃つ。

五竹:一番怪しそうな自分に毒矢を撃ってしまったのでゲームオーバー。

小村:だから撃たねえよ!しかも今回は意図して自分に撃ってんじゃねえか!?自分を怪しむって何だよ!?多重人格者かよ!?
   じゃあもう無し!2、手当たり次第に毒矢を撃つ!どうにでもなれ!

五竹:1人仕留めて2人目に毒矢を放とうとしたところで観客にツッコまれた。
   「客を毒矢で撃つ漫才って斬新すぎるやろ!」

小村:いや、そのお客さん危機感持って!?そんなツッコんでる暇あったら逃げて!?

五竹:観客に毒矢ツッコミを決められたのでゲームオーバー。

小村:毒矢ツッコミって何だよ!?

五竹:毒矢で撃ちながらツッコむっていう。

小村:それツッコミじゃなくてただの射殺もしくは毒殺だわ!

五竹:ということで完全にゲームオーバーで終了。

小村:自由利かねえし展開無茶苦茶だし何だよこれ!
   というかどうやったら正解ルートだったんだよ!?全部試して全部ダメだったみたいな感じだったぞ!?

五竹:正解ルート?そんなの無えよ。

小村:このシミュレーションをやらないのが正解ルートだった!?

五竹:いや、でも鎧を装備して漫才やれば安全だと分かっただろ?

小村:そんな漫才あるか!もういい加減にしろ!

2人:どうもありがとうございました。

予選総合第20位(準決勝敗退) ガンバラナイズ
審査員
点数
80 53 33 87 66 平均63.80
【審査員コメント】
・どこを選んでも毒矢で撃たれてBADENDという状況でメッチャ笑いました。
 前の組がまだいるのに出てくるなど、簡単に想像が出来てベタながらも笑える箇所が多かったのが凄いと思いました。
 結局ダニエルって誰やねんなど、色々と消化不足な箇所もありましたが、演者になってからの選択肢のインパクトが強すぎて致命的なほどまでには気になりませんでした。
 今のままでも十分面白いと思いますが、もう少しオチを伏線張ったものにすれば、このネタの印象強さは格段に跳ね上がると思います。
  
・「シミュレーションの意味が無い」って思わせるのが早いから、
 シミュレーションと言う話題に入り込めないままネタ本編に行ってしまったのが痛手。
 最初っから「意味の無さ」が横行してそれが普通になってしまうと、
 それを最後まで利用してネタを進めるのは慣れたり飽きたりしやすくてちょっと厳しいモノがあります。
 言葉選びとそれのミクロ単位での出し方は飲み込みやすいテンプレートを上手く利用できていて、
 戦略的に頭に入りやすい形を取れていて楽しみやすかったです。
 なのでそれをちゃんと読み手の深い所まで届かせるための全体構成を見直すともっといいネタになるんじゃないかと。
  
・作りが荒いっていうのが第一点。ただ「生まれてこの方ダニエルじゃない」は面白い。
 設定は今まであるようで無かったもので非常に良いが、この設定上もっと無茶苦茶で破天荒なボケが出来る筈。
 悪い意味でまとまりすぎている。
  
・あーめっちゃ面白いですねこれ、設定の広げ方が抜群に上手いです。
 どんどんと面白い方向へ向かっていくので途中でダレた感じが一切しませんでした。
 そして終盤の「一番怪しそうな自分に毒矢を撃ってしまったのでゲームオーバー。」で、もう虜になりました。
 そっから先はもう何が来てもゲラゲラ笑ってました。面白かったです。
  
・テーマが斬新でしたね。シンプルに面白かったです。
 個人的に強力という意味で引っかかるボケは無かったのですが、
 「相方がまだ舞台に出てきてない」などスカシ気味なボケの数々と「毒矢を放つ」は良いところを突いていると思いました。
 次回がすごく楽しみなコンビです。



No.016 天体観測
インフルエンザ
 翔:はいどーも! 天体観測ですー! 道産子漫才師として頑張りますー!

ミヤ:いきなりなんですけど、風邪引きまして。インフルエンザでした

 翔:あらあら。気をつけてよ! 体調管理はしっかりした方がいいよ!

ミヤ:おかげですっかり太ってしまいましたよ

 翔:普通逆じゃね? 思いっきり痩せるのが普通じゃね?

ミヤ:インフルエンザ以前に比べて30キロ増量しました

 翔:尋常じゃないくらい太ったな! 実験にでも失敗したのかよ! っていうかそんな風には見えないんだけど……?

ミヤ:私、着痩せするタイプですからね

 翔:すげぇな、お前! 30キロ増量を隠せるのかよ! で、インフルエンザは大丈夫だったんですか?

ミヤ:あぁ。インフルエンザのモンゴル型でした

 翔:ねぇよ、そんなの! 香港型とかなら聞いたことあるけど!

ミヤ:3日間ぐらいずっと布団から出られませんでしたドスコイ

 翔:おい語尾! モンゴル型ってそういう事なの!?

ミヤ:いきなり40℃近くまで熱が上がって死ぬかと思いましたハッケヨイ

 翔:一癖も二癖もあるな! 会話に集中できないよ!

ミヤ:まぁ、今はすっかり治ってピンピンしてるんですけどねノコッタノコッタ

 翔:せめて語尾統一してくれや! 本当に治ってるのか!? 副作用的な何かを感じるんだが!

ミヤ:体調が辛くて辛くて大変だからちゃんと病院に行きましたもん

 翔:まぁ、早く治したいですもんね。あと語尾が元に戻って良かったです

ミヤ:病院行くなんて久しぶりでしたごる

 翔:さっきの語尾と合わせてモンゴルになってる!  

ミヤ:せっかくなんでオープンカーで病院に行きました

 翔:インフルエンザなのに!? 真冬の北海道なのに!? 何がせっかくなんだろうか!?

ミヤ:水着で運転しましたけどね

 翔:インフルエンザなのに!? 真冬の北海道なのに!? ウルトラスーパーペチャパイなのに!?

ミヤ:ミヤちゃん張り手ー!!

 翔:ぐへあっ!! こんなとこにもモンゴル型の影響が……

ミヤ:で、病院に着いたんですけど受付の人がおすもうさんみたいな女性でした

 翔:失礼だろ!

ミヤ:ちゃんとその人に保険証と診察券と塩を投げておきました

 翔:受付の人、おすもうさんじゃないから! ただの太ったおばさんだから!

ミヤ:病院ってどうしてあんなに待ち時間があるんでしょうかね。退屈でしょうがありませんでしたよ

 翔:あぁ、わかるわかる。平気で2時間ぐらい待つこともあるもんな

ミヤ:あまりにも暇なんでちゃんこ鍋作ってしまいましたよ

 翔:病院で料理してるんじゃねぇ! 

ミヤ:でも持ってきた塩を投げつけてしまったので味がありませんでした

 翔:その為に塩を持ってきていたの!? 随分と用意がいいな!

ミヤ:その後診察室に呼ばれたんでお医者さんにも振舞ったんですけどね

 翔:いいよ、そんなことしないで。ちゃんとインフルエンザ治してもらえよ

ミヤ:お医者さんに怒られてしまいましたよ。「鍋に味が無いぞ! それとインフルエンザなのに病院に水着で来るな!」って

 翔:怒る順序間違ってないかな!? 先に水着で病院に来たことを叱責してくれよ! ついでに頭の検査もしてやってくれよ!

ミヤ:それでお薬を貰ったんですけど、粉末状の薬だったんですよ

 翔:粉末かぁ。苦かったりして飲み辛いんだよなぁ

ミヤ:独特の味だったんで鍋に入れてみました

 翔:ちゃんと薬飲めよ! なにダシを取ろうとしてるんだよ!

ミヤ:お医者さんも大変満足していました

 翔:医者ー! 食ってるんじゃねぇ!! ちゃんと患者の病気を治してよ! ついでに豊胸手術もしてあげてよ!

ミヤ:ミヤちゃん上手投げー!!

 翔:ぎゃあああああああ! 

ミヤ:インフルエンザのおかげで技が増えまして

 翔:あいてててて……ということは結局、薬は鍋に入れたものしか飲んでないんですか?

ミヤ:いや、お医者さんが看護婦さんにもおすそ分けしていたら私の飲む分が無くなってしまいました

 翔:バカじゃないの!

ミヤ:ということで病院を追い出されまして

 翔:結局、薬を飲んでないじゃない! つまりまだ完治してないかもしれないの!?

ミヤ:そんなことないよ! ご飯もいっぱい食べれるし、まわしを取るのも上手くなったし、土俵際は粘り強くなったし!

 翔:力士に特化してるじゃねぇか! 日常生活のいつ土俵際の粘り強さを発揮するんだよ!

ミヤ:シカと泥んこプロレスやってる時とか……

 翔:お前にそんな日常は無い!

ミヤ:シカとポッキーゲームしている時とか……

 翔:目を覚ませよ! インフルエンザとかじゃなくてもっとやばい病気な気がしてきたよ!

ミヤ:シカとペロペロウフフン競争している時とか……

 翔:淫靡な響き! っていうかなんでずっとシカと過ごしているんだよ!

ミヤ:私と遊んでくれるのなんてシカしかいない……

 翔:悲しいよ! ダジャレがもの凄く悲しいよ!

ミヤ:まぁ、この前家が火事で無くなったんですけどね

 翔:いきなり何のカミングアウト!? 脈絡無さ過ぎて驚くわ!

ミヤ:まぁ、前から引越ししたいなぁって考えていたんでちょうど良かったですよ

 翔:あらやだポジティブ! 見習いたいわぁ

ミヤ:実は引越しの際に考えていることがあるんですよ

 翔:ほうほう。それはなんでしょうか?

ミヤ:私って四季を感じながら生きている俳人みたいなとこあるじゃないですか

 翔:変換ミスってません? 廃人の間違いじゃないですか?

ミヤ:だから季節ごとに住居を変えていこうかなと

 翔:どういう事ですか?

ミヤ:例えば秋だったら山の食べ物が美味しいから山の近くに住もうとか!

 翔:あら素敵じゃない。じゃあ、夏だったら暑くなるから海の近くに住もうとか!

ミヤ:いやいや夏はスイカが美味しいからスイカ屋さんの近くでしょ!

 翔:随分とピンポイントだな! スイカ屋さんなんて滅多に無いから!

ミヤ:春だったら野菜が美味しいから近くに人の影が無い農場の近くに住もうとか!

 翔:こら、野菜ドロボー!! ていうか食ってばっかじゃねぇか! だから30キロも太るんだよ!

ミヤ:そんなことないわよ! 夏は昆虫がたくさんいるから山の近くに住もうとも思ってるわよ!

 翔:少年の考え方だな!

ミヤ:で、どの昆虫が1番美味しいのか食べ比べするの!

 翔:結局食ってるじゃねぇか! 

ミヤ:冬はかまくら作りたいから公園の近くに住む! イチゴシロップ持って!

 翔:お腹壊しちまえ! ていうか思ったんだけど季節ごとに引越ししていたらお金とか大変じゃない?

ミヤ:大丈夫。テントで生活して、季節が変わったら移動するから

 翔:お前それ遊牧民じゃねぇか! 定住地を持たないで季節ごとにテント移動する遊牧民じゃねぇか! やっぱモンゴルかよ!

ミヤ:まぁ、本当は火事なんて起きてないんですけどね。ウソです。ウソ八百です。モンゴル800です

 翔:黙ってろ! このペチャパイ娘が!

ミヤ:ミヤちゃんドロップキックー!

 翔:それ、モンゴル関係な……ぎゃー!!

ミヤ:(飛びながら)ありがとうございましたー!

 翔:(飛ばされながら)ぎゃああああああああー!

予選総合第16位(準決勝敗退) 天体観測
審査員
点数
48 75 70 84 62 平均67.80
【審査員コメント】
・急に話がグワンと変わったので、グワンと地面に叩きつけられました。
 インフルエンザの話は語尾の変化とかオープンカーとか印象深いボケが多くて面白かったですから、インフルの話一本で最後まで通してほしかったです。
 マイホーム全焼からは願望だけの話が多くなって、特にこれといった見所がなかったです。
 そしてこの二つの話がもの凄く馴染んでなかったので、不自然さを感じざるを得ませんでした。せめて前半の伏線が後半で活かせたらまだマシになっていたとは思います。
 これはもう完全な建築ミスだと思いますので、ネタを書く前にもっとしっかりプロットを思い浮かべてみてください。
  
・相変わらずキャラ作り上手くてそこに惹き込まれるのが、面白さを倍増させる土台になれていて好きです。
 ストーリー自体はちょっと粗目でテンプレート以外でのボケの行動指針が分かりづらく、
 少々ブレが発生してそこに埋もれてしまうボケがいくつかあったかなと言う所。
 相撲とインフルエンザのかけ合わせ自体をあまり深く掘り下げられていないので、
 どちらをメインで見たらイイのかが分かりづらい印象があってそれがすごく邪魔。
 繰り返しやただの突拍子もない発言と思っていたモノを伏線回収していくあたりは、
 ギミック的なモノを楽しんで観る目も満足させられるポイントで好印象。
 このツッコミの言葉選びはトップクラスに好きです。
 あとはそーゆー構成にエネルギーを注ぎ込めるだけのインパクトのある展開かワードが、
 放り込まれていればもっと点を跳ね上げていたと思います。
  
・21行目までなら優勝してもおかしくないレベルの勢い。ただ、その後が散漫としすぎてる。
 火事のくだりで脈絡なさすぎて一番驚いてるのは間違いなく審査員。
 後半の適当さが如実に表れすぎているので、もうちょい自然なやり取りだと爆発すると思います。
  
・レベル高いですなぁ…。
 序盤の語尾が狂うくだりでぐっと惹きつけられましたし、そこからロスなく展開を重ねてて素晴らしかったです。
 個人的には怒る順序の辺りからハネたなぁと思いました。
 「インフルエンザのおかげで技が増えまして」はもうとにかく笑いました。
 そこから唐突な火事であったり、シカしかいないなど急展開も無理なく展開していたと思います。
 オチの(飛びながら)(飛ばされながら)は完全にやられました。
  
・「ミヤちゃんパンチ」に新展開が来るとはw
 ボケはシンプルなのですが、相変わらず自然なボケで上手いですね。
 ただ後半に話題が変わってしまったため、ボケが重なっていく感じが薄れてしまったのが勿体ないです。



No.017 バニーガール
国民栄誉賞
爽雄 爽雄です。

陽子 陽子です!二人合わせて・・・

二人 バニーガールでーす!!

陽子 さあ、第11回MM-1グランプリと言うことで、頑張っていきましょう!!

爽雄 よろしくお願いします。GWも終わりまして、皆さんまたお仕事が忙しくなってきたんじゃないでしょうか。

陽子 そうだね。GWも色々なことがあったけど、何か印象に残った事とかある?

爽雄 なんといっても、5月5日に長嶋茂雄さんと松井秀喜さんの国民栄誉賞の表彰式がありましたよね。

陽子 あぁ〜。私も中継見たけど、あれは確かに感動したよね。4万人を超えるファンが東京ドームに集まったしね。

爽雄 決して、長嶋三奈さんと松井稼頭央さんではないですよ。

陽子 分かってるよ!なんでミスターの娘さんと、同じ時期メジャーでプレーしてた松井が来ちゃうのさ!?

爽雄 二人とも正にリトル松井と呼ばれていましたね。

陽子 松井選手はそう呼ばれてたけど三奈さんは松井要素ないよ!百歩譲ってミスターチルドレンってボケしか見つからない!!

爽雄 長嶋さんはかつてのチームメイトの王貞治さんから花束を受け取っていましたけど、あのシーンも印象的でしたね。

陽子 往年のファンにはたまらないシーンだっただろうね。

爽雄 現役時代は3番王、4番長嶋で活躍した、所謂オン砲として相手チームから恐れられましたよね。

陽子 ・・・それ読み方間違ってるよ!?ON砲でそのままオーエヌ砲って読むからね!

爽雄 ONだけに二人の打球は上方へ飛んで行きましたね。

陽子 上手くないって!確かにアベック本塁打は106本で世界一だけど!

爽雄 松井さんも自ら恩師と語る長嶋さんとの受賞と言うことで喜びもひとしおだったんじゃないでしょうか。

陽子 そうだよね。11年ぶりにゴジラ松井が東京ドームに帰ってきたのもファンの思い出になっただろうね。

爽雄 その松井さんをモデルとした怪獣が、海外でも大ヒットした映画シリーズのゴジラなんですね。

陽子 逆だよ!松井さんがゴジラっぽい見た目だからゴジラってあだ名になったんだって!

爽雄 始球式はピッチャー松井さん、バッター長嶋さんのほかに、キャッチャーは巨人の原監督でしたね。

陽子 しかも審判にはなんと安倍内閣総理大臣が並ぶ豪華なものだったよね。

爽雄 代わりに巨人の正捕手の阿部慎之助選手がその日だけ内閣総理大臣に。

陽子 なってないって!アイドルが消防署で1日署長やるんじゃないんだから!

爽雄 始球式は普通意図的に空振りするものですが、長嶋さんは松井さんのボールを打ちに行っていましたね。

陽子 そうなんだよね。少し悔しそうにしてたよね。

爽雄 でも、脳梗塞からリハビリを重ねて、あの場に立ったわけですから、日本中があの空回りに勇気づけられましたよね。

陽子 空振りだよ!その漢字一文字違うだけで印象大分変っちゃうから!

爽雄 安倍総理のジャッジも切れのある動きをしていましたね。

陽子 なかなかない機会だったから気合も入っていただろうね。

爽雄 「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!政権もチェンジ!」

陽子 気合入り過ぎて余計なこと言ってる!最後のは絶対駄目だよ!

爽雄 正にオバマ総理ばりのチェンジでしたね。

陽子 何だっていいわ!そんでオバマさんは総理じゃなくて大統領だからね!?

爽雄 そして、松井さんは今後巨人フロントに入閣する可能性もあるそうですね。

陽子 近い将来松井監督がデビューするかもしれないよね。

爽雄 監督になったら熱血指導とかするんですかね。

陽子 結構クールで冷静な印象だけど、熱く指導するなかなあ。どんな感じになるのかな。

爽雄 メガホンとか持って「もっと激しく動け!見ているやつは騙されないぞ!」

陽子 おぉ!意外と熱血なコーチング!

爽雄 「じゃあ本番行くぞー!よーい!スタートッ!(カチン!)」

陽子 それ映画の監督になってない!?

爽雄 「街を壊すシーンはもっと激しく!その後火を吹くんだから!」

陽子 しかも多分ゴジラを撮ってる!ゴジラがゴジラを撮ってるぞ!

爽雄 でも、ああ言った感動を与えられるのは素晴らしいことですよね。

陽子 それはそうだよね。日本中が感動したシーンだとは思うよ。

爽雄 だから、僕たちも向こう20年で国民栄誉賞を受賞できるくらいの漫才師になりたいですよね。

陽子 えぇ〜!?規模が大きすぎてついて行けないんだけど!

爽雄 受賞を狙うに当たって、受賞のための条件とかを調べないといけないですよね。

陽子 本気で狙ってるのぉ!?

爽雄 この賞は「国民に広く敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった」人に贈られるらしいですよ。

陽子 今の私達には縁遠い内容だなあ!

爽雄 過去の受賞者は、王貞治さんを筆頭に、歌手の美空ひばりさん、映画監督の黒澤明さんなどがいますね。

陽子 錚々たるメンバーだよね。

爽雄 そこに漫才師初の受賞を狙ってこれから頑張って行きましょう。

陽子 顕著な業績を残す漫才って何をすればいいかよく分からないんだけど・・・。

爽雄 受賞が決まったら僕たちは漫才師的な授賞式にしたいですよね。

陽子 もう受賞する体で話を進めちゃうんだ!

爽雄 普通は首相官邸で授賞式が行われますが、今回の東京ドームで受賞したいですね。

陽子 わざわざそこでやるんだ!?

爽雄 ただ、団体での受賞は女子サッカー日本代表以外まだいないので、多分個人の受賞になると思うんですよね。

陽子 確かに個人の受賞の方が圧倒的に多いよね。

爽雄 だから、多分相方一人の受賞になってしまうと思います。

陽子 えぇ!?私ひとりの受賞になるの!?

爽雄 授賞式当日は400人を超える観客が東京ドームに駆けつけるでしょうね。

陽子 ガラッガラじゃないか!でもそりゃあそうだとしか言えないのが悲しい!っていうか当日爽ちゃんはいないの!?

爽雄 僕はプレゼンターとして登場しますから。

陽子 会場にいるんなら一緒に受賞でいいんじゃないの!?

爽雄 往年のファンはSY砲の復活に心躍ることでしょう。

陽子 爽雄と陽子でSY砲・・・っていうかバニーガールっていうことで覚えてはくれてないのかぁ…。

爽雄 11年ぶりに東京ドームに登場と言うことになりますね。

陽子 前にも東京ドームに来てるんだ!

爽雄 観客からも大歓声が飛んできますよ。

陽子 それは凄くありがたいよね。

爽雄 「ゴジラー!」

陽子 私もゴジラって呼ばれてるの!?この20年で一体何が!?

爽雄 今回のように始球式はできないから、始漫才をやることにします。

陽子 始漫才!?なにそれ!?

爽雄 この後野球の試合があるので、説明がてら漫才をしてもらいます。

陽子 それって前説じゃない!?番組の公開収録じゃないんだから!

爽雄 漫才はツッコミ陽子、ボケ爽雄、センターマイク兼審判安倍総理で披露します。

陽子 安倍総理何やってるんですか!

爽雄 その漫才が面白いかどうかを二人の間で見てくれるわけです。

陽子 やりづらい!オーディションじゃないんだから!

爽雄 始球式はわざと空振りするように、僕も敢えて空振るようなネタをやりましょう。

陽子 それ滑ってるだけじゃん!

爽雄 ネタが終わったら観客席から声が上がるでしょう。

陽子 それ多分文句の声だよ!

爽雄 「金返せー!」「賞を返還しろー!」「何言ってるのか聞こえないー!」

陽子 最後のは安倍さんのせいじゃん!マイクの機能なんかないって!

爽雄 以上、バニーガール・陽子の国民栄誉賞授賞式のプログラムでした。

陽子 酷過ぎるよこのプログラム!というか、20年後は二人で漫才してないの!?爽ちゃんは何してる人なのさ!?

爽雄 僕はその受賞までの半生を描いた映画を作成して一山当てるつもりです。

陽子 映画監督になってた!っていうかさっきから国民栄誉賞舐めすぎだよ!そんな簡単に取れるわけないじゃない!

爽雄 確かに、僕らが先に目指すのはMM-1グランプリのタイトルですね。

陽子 今更気づくな!もういいよ!

二人 どうもありがとうございました。

予選総合第40位(2回戦敗退) バニーガール
審査員
点数
40 68 26 36 48 平均43.60
【審査員コメント】
・いつもと違って話題を一つに絞り、印象を強くしたことは凄く良かったと思います。
 しかしネタの雰囲気が相変わらず朝のニュース状態だったので、読後にはあっさりした気分だけが残りました。
 もう少し平和な世界観を叩き壊してみる努力をしてみてください。たまには少し趣向を変えて、ハチャメチャなネタを書いてから構築し直してみてはどうでしょうか。
 それとどうせやるんでしたら、二人で国民栄誉賞でも良かったんじゃないかと思います。
  
・まぁスタンダードな印象が強くてユニットの個性がもうちょい欲しい気もしますが、全体通して安定した面白さでした。
 状況を逐一しっかり説明してくれていてすんなり頭に入ってくる。
 知識欲も満たしてくれる部分もあって、面白さのバリエーションとしても満足するモノがありました。
 でもそれだけに「ONだけに上方」って部分がしっくりこなかったりするのが痛い。
 フツーの人は英語の授業でさんざん「ONは上方ではなく接地」と教え込まれるのでコレは違和感。
 特に時事情報を取り扱っている印象からこの手の違和感はとても目立ってしまうのでコレは通常よりも痛手になる。
 どうしても詰めの甘さが残るとそれが目立ってしまう芸風ですからね。
 逆に言うと細かい部分に気を使うのに力を入れた作り方をすると思いのほか飛躍できるんじゃないかと。
  
・終始真顔のまま読み終わった。ボケはよく考えられているが、考えるだけではキツい。あとは計算が必要。
 むやみやたらな天丼も、根本的なボケのクオリティ次第でマイナスになることもあるのです。
  
・オーソドックスというか、王道的な流れをしっかりと作っていて非常に読みやすいです。
 400人を超える→ガラッガラなど上手い流れも有って良かったと思います。
 しかし、ネタ全体の中でクリーンヒットなくだりは無かったかなぁ、という印象です。
 時事の流れでそういった奇抜な部分を作るのは非常に困難な話だとは思うのですが、やはり物足りなく感じてしまいました。
 そこが追加されたら、読みやすさも相まってとても面白い物が完成されると思います。
  
・前半は、非常にベタではありますが、良い意味で教科書的に題材を生かせていたとは思います。
 後半のオリジナルな展開は、冗談としてはちょっと弱すぎたかなぁ、という印象です。
 ネタの設定でも2人のキャラ付けでも良いので、何かしらこれ!っていう面白さの要素を付け加えて意識した上でネタを書いてみると、
 時事ネタの良さも生かしつつ、新たな道が開けるんじゃないかと思います。



No.018 副社長同好会
グローバルとは
 石井:副社長同好会です、よろしくお願いします。
    それにしても、日本はこれからどんどんグローバル社会になっていますよね。

 志木:そうだなぁ。東京なんかに住んでいると特に、外国人が増えてるなぁって実感もあるし。

 石井:すると、志木さんもいろいろ練習しておいた方が良いんじゃないですか?

 志木:練習って?グローバル社会の?俺、英語なら得意なんだけど…

 石井:外国人といっても、英語圏やアジア圏とも限りませんからね。
    なので、言語の全く通じない人とのコミュニケーションを身に付けたら良いと思うんです。

 志木:んー、まぁそれもそうだけど。

 石井:なので、志木さんがそういうグローバルコミュニケーションが出来るか試してあげますよ。

 志木:そ、そうか。試すってどうやって?

 石井:じゃあ、志木さんはファーストフード店の店員という設定にしましょう。
    私は外国人として入店しますので。

 志木:ファーストフードの店員な?分かった、やってみる。





(ウィーン)

 志木:いらっしゃいませー。

 石井:&#%$@*+♂??

 志木:……えっ?

 石井:¥〜◎、&#%$@*+♂??

 志木:いや、そのー…

 石井:〒

(ウィーン)

 志木:えっ、えっ!?お客様ちょっとどちらへ…!?





 石井:…志木さん、全然ダメじゃないですか。

 志木:いや待って待って待って!今のはいろいろどうすれば良いか分からなかった!
    ……まずその言葉、何語?宇宙語!?

 石井:何語かなんてどうでも良いじゃないですか。
    例え宇宙語を話す宇宙人だろうと、善良な市民として入店してくる限りはちゃんと対応しないと。

 志木:ま、まぁそうなんだけどさぁ…

 石井:言葉そのものが通じなくても、語感とか雰囲気で察さないと。
    今のは、「駅はどこですか?」って意味だよ。

 志木:そうなの!?
    ……いや、ファーストフード店に入ってまで道聞いてくるってどういうことだよ!?

 石井:分かってないですねぇ…
    異国の地で道に迷うことなんてよくあるじゃないですか。だから、信頼できそうなお店で道を聞くことも有り得るでしょう。

 志木:そ、それもまぁそうか…

 石井:まぁ、本当は今のような事態にも上手く対処できるようになって欲しいですが、
    ここは基本編ということで、「何か注文しようとしている」という前提にしましょう。
    志木さん、再び店員やってください。

 志木:わ、分かったよ…何だよ基本編って…





(ウィーン)

 志木:いらっしゃいませー。

 石井:□★%、○、∬。

 志木:……うーん、やっぱり全然分からないぞ!?
    まぁ、悩んでいても仕方ない。当てずっぽうで聞いてみよう。
    ハンバーガーセットをお1つ、でよろしいでしょうか?

 石井:×∫¥#%、∬。

 志木:違うのかな…
    えっと、ハンバーガーセットをお2つ、ですか?

 石井:×&%、∬!

 志木:これも違いそうだな…
    あ、じゃあ、ダブルバーガーセットですか?

 石井:♀±Å!×□□□□。

 志木:お、反応が変わった。もしかしてこれで良いのかな。
    では、ご一緒に、ポテトはいかがですか?

 石井:〒

(ウィーン)

 志木:えっ、えっ!?あの、お客様…!?





 石井:あー…やってしまいましたね。

 志木:何が!?え、何が!?
    ポテトのこと聞いたのそんなにマズかった!?

 石井:まぁグローバルな世の中ですから、いろんな価値観を持った人がいますよ。
    どんどんメニューを追加していく文化に耐えられなかったんでしょうね。

 志木:いやそんなこと言われても!!少なくとも日本人相手だったらマニュアル通りの流れだと思うけど!?

 石井:まぁですが、2回目の割には良くできたと思いますよ。

 志木:…という解釈でいいの?
    あれ本当にダブルバーガーセットってことで良かったの?不安なんだけど。

 石井:不安は慣れるうちに解消されますから、大丈夫ですよ。
    次、もう少し難しいやつやってみましょう。

 志木:教えてくれないのかよ。なぁ。





(ウィーン)

 志木:いらっしゃいませー。

 石井:□★%、○、∬。

 志木:さっきと同じような感じだな。
    ダブルバーガーセットをお1つ、でよろしいですか?

 石井:♀±Å!×□□□□。

 志木:これもさっき聞いたな…ポテトは聞かない方が良いのかな…
    あ、そうだ。セットのお飲み物は何にいたしますか?

 石井:◆◆&^%

 志木:えーっと、検討もつかないぞ…じゃぁ、
    コーラ、でよろしいでしょうか?

 石井:〒

(ウィーン)

 志木:あ、あぁ…





 石井:あーこれはホントにダメですねー…

 志木:どこが!?
    っていうかどうして度々帰っちゃうのこの人!?

 石井:「コーラ」は「コーラン」を連想しますからねぇ。
    イスラム教や反イスラムの方々だと何かしら琴線に触れる部分あるんじゃないでしょうか。

 志木:そういうものなの!?ま、まぁ一理あるような無いようなだけど…

 石井:ちなみに、志木さんが飲み物を聞いた直後の発言は「スマイル1つください」の意味でした。

 志木:ウソだろ!?このタイミングで何でそんな古いこと聞いてくるんだよ!?

 石井:まぁ、向こうだって何かを見てそのギャグを知ったかもしれませんし、
    そもそも「飲み物は何にしますか」を理解していない可能性だってあるわけですから。
    そんなことを念頭に、次いってみましょう。

 志木:ま、まぁ、うーん……?





(ウィーン)

 志木:いらっしゃいませー。

 石井:〒

(ウィーン)

 志木:えぇーーーー!?





 志木:ウソでしょー!?今の俺、何も悪くないよね!?

 石井:まぁー…グローバルですしねぇー…いろんな人がいますよ…

 志木:そのグローバルってのを何でもアリみたいな使い方すんなよ!
    練習なんだから練習しがいのあるやつ入ってこいよ!!

 石井:まぁ、冗談はさておき、応用編いってみましょう。

 志木:冗談って…





(ウィーン)

 志木:いらっしゃいませー。

 石井:$□★%、○∫。

 志木:んー、さっきとちょっと違うな。
    ハンバーガー、でよろしいでしょうか?

 石井:♀±Å!◎□□□!

 志木:おっ!?合ってるっぽい!そしてこの雰囲気はどうだろう…
    御一緒に、ポテトもいかがですか!?

 石井:♀±Å!

 志木:お、マジか!?今回はOKのパターンだった!じゃあ…
    以上でよろしいでしょうか?

 石井:℃┓●$§θ♭&##

 志木:もう1品頼んでるっぽいな…何だろう…

 石井:=¥、℃┓●$§θ♭&###!

 志木:えー、何だろう…
    チキンナゲット…ですか?

 石井:=¥¥¥¥、℃┓●$§θ♭&#######!

 志木:何か怖いよ!!そんなに怒らなくても!
    あー…じゃぁ、

 石井:℃┐○。、℃┓●$§θ♭&##!####!!!!

 志木:何か噛んだっぽい!?

 石井:〒

(ウィーン)

 志木:あーもうチクショー!!





 石井:まぁ、これは仕方ないでしょうかね。

 志木:俺よく頑張った方だよな!?奇跡的にハンバーガーもポテト追加も当てたよな!?

 石井:ですね。今日教えたことが良く学べていたと思います。

 志木:俺自身、何が定着したのかよく分からないけど…
    ちなみに、最後やたら頼もうとしていたやつって何だったんだ?

 石井:あぁ、それは「ゴルバチョフの大盛りください」でした。

 志木:どういうこと!?ゴルバチョフの大盛りぃ!?そんなの分かるワケ無いだろ!!
    だってゴルバチョフ食べ物じゃ無いし!!ファーストフードに大盛りとか無いし!!あるとしてもLとかだし!!

 石井:まぁ、世の中グローバルですから人が何を言うか何て…

 志木:お前それ何度言うつもりだよ!?
    …まぁ、いっか。よく分からないけど、グローバル社会で生き抜く方法が少しだけ身についた気がする。
    石井、ありがとな?

 石井:〒

 志木:…いい加減にしろ。

予選総合第56位(1回戦敗退) 副社長同好会
審査員
点数
28  3  8 48 平均21.75
【審査員コメント】
・「石井:〒」の所だけが面白すぎてしょうがなかったんで20点追加しました。
 ただそれ以外の所が結局本人たちの自己完結で終わってしまっているので、もう少し読み手を巻き込むような書き方をしてみてください。
 怒っているとか噛んだとかも感情の区別が分かりにくいですし、分かるもんだろと思わないでください。
 所々ハッキリと聞き取れるような所があっても良いと思います。それかジェスチャーを取り入れるとか、宇宙語だけで振り回すのではちょっと工夫が足りないです。
 とにかくネタが一本調子で飽きてしまったので、石井:〒ぐらいのインパクトあるワードがもっと欲しいと思いました。〒
  
・まぁ理解できないモノは面白くないというのは大前提なワケですよ。
 ワケわかんないモノが面白いのはワケわかんないと言いながらなんとなく理解できる部分が存在するからです。
 理解する意識を持たなくても面白い字面とかも、無意識レベルで行われる軽めの理解によるしっくり感があるから。
 本当に身内間でしか理解されないモノを延々と垂れ流してもフラストレーションしか溜まらない。
 コレは調整点しかあげられないですね。
  
・絶望的なほど面白くない。ベタ。というか、見返してみてボケが5個くらいしかない。
 100行にボケが5個では話になりません。
  
・全体を通してやや荒削り感を感じましたが、それがプラスに作用してる部分とマイナスに作用してる部分があるように思えました。
 毎回なぜか「〒」だけ言い残して帰っていくくだりは何回来ても面白かったのですが、それ以外の部分では何をやっているのか上手く掴めない部分が多かったです。
 しかしながら「〒」は破壊力凄かったです。記号の選び方も絶妙ですし、4回目辺りから読んでて「あっ帰っちゃう!」って思ってしまう魔力がありました。
 このレベルの破壊力をキープ出来たらもっと凄い物が作れる気がします。
 
  
・と、いうわけで。まさかの管理人覆面でございます。管理人なのに下から2番目という、逆放送事故でございます…
  
 
 いやぁ……ここ4回の覆面全部そうだったんですけど、やっぱり単発の発想「だけ」で勝負するのは厳しいですね。他の方のネタに似たようなことを書いておいて難ですけど。
 冷静に読み直してみると、確かに「ボケが5個」とも取れますし、読み手を笑いに引き込むより先にどんどん話が展開されていってますし…
 ただそんな中、「〒」だけは多少なりともウケに繋がったみたいで何よりです。
 突飛な設定だからこそ、こういう分かりやすいボケが大事になるんですよね。
  
 さて言い訳はここまでにして、ひとまずは「乙女の方程式」に頑張って頂くとしましょう…



No.019 ヒ(ーロー)
頭皮と現実、現実逃避!
上科:どーも、めちゃくちゃ長かった髪を切られてしまった上科です。

井金:どーも、相方のどうでもいい情報を拾うのがめんどい井金です。

2人:2人合わせてヒ(ーロー)です。

上科:俺、ゴールデンウィークの間、ずっと家に籠もってゲームやってて、家にあったゲームを全部クリアしちゃったんだ。

井金:あらやだ。ニート路線まっしぐらじゃない。同い年ながら将来どんな子になっちゃうのか心配だわ。

上科:俺は後悔した。なんでデータを消してしまったんだ―と。

井金:クリアってそっち? ミッションクリアとかじゃなくデータクリアの方?

上科:あんなRPGやこんなRPG、はたまたお気に入りの名作RPGも全て消去してしまった。

井金:RPGばっかだな! まぁ確かにRPGは面白いけどな。

上科:RPG、そう、ロールパンナギガント。

井金:うん、全然違うね。ロールパンナちゃんがデカくなっても「あ、ジャムおじさん頑張ったな」ぐらいの感動しかないだろ。
   なにお前、ロールパンナがデカくなるゲームを数多く所有してたの?

上科:いや、もちろんそれだけじゃない。

井金:それだけじゃないということは、ロールパンナがデカくなるゲームも存在するんだ…。

上科:RPG、つまり、ラッピングもある。

井金:なくていいわ、そんなゲーム! ラッピングに面白さ求めちゃいけねぇよ。ただの包装が面白いとかどんだけ精神病んでる人だよ。

上科:ラッピングのゲーム、「ひとりで包装できるもん」、俺は運良く初回生産100万個限定の特典付きバージョンを手に入れることができまして。

井金:初回生産100万個とか需要に対する供給が過多だよ。特典が国宝級じゃなきゃ買う気にならないよ。

上科:俺はギリギリ100万個目を購入しまして…。後ろに並んでた約6000万人の皆さん、ゴメンなさい。

井金:めちゃくちゃ人気だな!? 日本の全人口の約2分の1が揃いも揃って精神病んでるの!?

上科:人気の理由は緻密なストーリー、ハイクォリティーの3DCG、豪華な声優陣、意外なゲストキャラクターだ!

井金:無駄なこだわりだな! ただ包装するだけのゲームでしょうに!

上科:ストーリーはこうだ。
   時は2003年。少年たちの間で謎の病気が流行っていた。
   そう、1週間で髪が平安時代の女性ぐらいの長さまで伸びてしまうという恐ろしい病気が!
   政府はその原因を「ファーストフードの食べ過ぎ」と推定した。

井金:年代設定と病気の恐ろしさが微妙だし、元凶をどこに見いだしてんだよ。なんでもかんでも諸悪の根源を食生活の変化にするのはよくないぞ。

上科:そこに、1人の勇者が立ち上がった! 立ち上がってもなお、勇者の髪は床を這っていた。

井金:謎の病気の患者の1人ですね、わかります。

上科:勇者は髪を切るため、町に出た。町にでると、勇者と同じような髪の長さの人があちらこちらにいた。
   某ファーストフード店の前に立つカーネル○サンダースの白髪も伸びていた。

井金:人形なのに!? ゲームだからなんでもありだと思うなよ!?
   あと、もうちょっと名前隠す気もてよ! カーネル・サンダースの「・」を隠しても意味ないだろ!

上科:勇者はカーネル○サンダースに話しかけた。「この町はどうなってるんだ!?」

井金:話しかける相手おかしいよね!? 人形とお話とか3才児かよ。

上科:カーネル○サンダースはなにも言わず、ただ勇者に微笑みかけていた。むかついた勇者はカーネル○サンダースを道頓堀に投げ捨てた。

井金:最低かコイツ。いつの話だよ! あれ阪神が優勝した時限定技だから!

上科:「さぁ、寒いだろ! さっさと教えろ!」と勇者。

井金:最低だコイツ。なんで拷問みたくなってんだよ! 相手は人形だぞ、おい。

上科:「McD○nald'sの陰謀だ…! ドナルド○マクドナルドを倒すんだ!」とカーネル。

井金:相変わらず隠す気ないし、人形なのに喋っちゃったよ。もうどうにでもなれよ。

上科:「ドナルドの…!? 許せん…。よし、ドナルドを倒しに行こう!」と勇者。

井金:なんかちょっと本物のRPGみたいになってきたよ…。

上科:家に帰った勇者はドナルド討伐の旅の準備を始めた。舞い落ちるフケの中、彼は思うんだ。
   あ、髪切ってくんの忘れた! 

井金:呆れるほどバカだということは置いといて、もうちょっとちゃんとお風呂入ろうよ。

上科:剣を手にし、鎧に身を固め、万全の準備を整えた。あとは出かけるだけ。

井金:どんどんRPGに寄ってきたな。いいことだ。

上科:しかし彼は大変なことに気づいてしまった。
   ラップがない―。ラップがなければ、旅に持っていく予定だったおにぎりが包めない!

井金:激しくどうでもいいよ! ラップがきれてんなら別にアルミホイルでも竹の皮でもいいだろ!

上科:彼は、ひとまずサランラップを探す旅に出た!

井金:理由が絶望的にダサいな!

上科:ママと一緒に旅に出た!

井金:状況も絶望的にダサいな! サランラップを探す旅ってこんなん全然RPGじゃねぇよ! 途中のRPG感返せよ!

上科:は? 終盤、ラッピング感満載だろうがよ!

井金:RPGってラッピングの略じゃねぇんだよ! そもそもラッピングのスペルはwrappingでWスタートなんだよ!
   俺が言ってんのは「ロールプレイングゲーム」のRPGなんだよ!

上科:あ、「ロンゲ」の方の?

井金:お前ん中でロールプレイングゲームの略し方「ロンゲ」になってんのかよ!?

上科:じゃあ「ロープ」?

井金:その略して他の言葉にしよう、みたいなコンセプトやめろ!

上科:「ロンゲで編んだロープ」。

井金:合体させたらカオスさが増すだけだから。髪の毛を材料に物つくるとかどこのナチスだよ。

上科:ということは初回生産限定特典はナチス製だったのか!

井金:100万個限定特典「ロンゲで編んだロープ」なのかよ! そんなのを求めて6100万人が集まったなんて狂気の沙汰でしかないよ!

上科:俺も含めて皆自分たちの髪を取り返しに来たんでしょうね

井金:心中穏やかじゃねぇな、なんか怖いよ! 取り返してどうするんだよ! お前の最初の「髪切られた」発言そういうことだったんかい!

上科:こんなことになるなら、あやしげなゲームソフト制作会社の会員になんてなるんじゃなかった…。

井金:悲痛な心の叫びが漏れ出てきた!

上科:面白い筈だよね! 入会料10万円だったもんね! 「ひとりで包装できるもん」面白いに決まってるよね!

井金:自分に言い聞かせてる感がはんぱねぇよ! 

上科:面白い筈だよ。だって、旅の途中で勇者の仲間になるキャラの特技は「伝統的なものに噛みつく」だもん! 斬新だ!

井金:なんだそのクソ役に立たなそうな特技は!

上科:その次に仲間にしたヤツらは3人の凄腕のDCG(ドラゴン・キャノン・ガン)使いだし。

井金:一気に強そうなヤツ仲間になったけど、サランラップ探しに行く旅には邪魔でしかないよ!
   そしてもしかして「ハイクオリティーの3DCG」って「凄腕の3人の『ドラゴン・キャノン・ガン』使い」ってこと!?

上科:旅の大半は、鎧に身を包み剣を持っている勇者が、警察の職務質問から逃げる話だし。うわ、新しい!

井金:まぁ、そうなるわな。その格好でサランラップを買いにきてるんですから。

上科:ママは言うんだ。「今日はセールの日じゃないから、サランラップは買わないわよ」

井金:この状況で家計のやりくりはうるせぇよ。ママもう帰れよ。いらねぇよ。

上科:でも、ママの声優は水田わさびだから、抜けられると人気が落ちてしまうかも!

井金:ママ、ドラえもんボイスかよ! 豪華な声優かもしれないけど、適役か、その人!?

上科:ドラえもんボイスということで大山のぶ代がベストだったんだが、なんせ「伝統を噛む」仲間に噛み付かれてしまったらしくて…!

井金:なんちゅうことしてくれてんだよ! 長きにわたってドラえもんを務めてくれた大山さんを!

上科:その後、勇者一行は、「伝説のサランラップ」があることを知る。しかし、地面に突き刺さったそれを抜けるのは、神に選ばれた真の勇者だけ。

井金:「伝説の剣」みたいなノリでなに地面に突き刺してくれの!? 勇者に問いたい。たとえ抜けたとしてもそれでおにぎりを包みたいですか!?

上科:ここで邪魔が入る。その「伝説のサランラップ」を代々守っている一家が城から出てきて、真の勇者でなければ渡さん、といって聞かないのだ。

井金:サランラップ如きを代々守ってきてるとか、どんな心情なんだろう…。

上科:もちろん「伝統を噛む」仲間はサランラップに噛み付きました。

井金:伝説ということは伝統ですもんね、じゃねぇよ。勇者に問いたい。たとえ抜けたとして、よくわかんないヤツの唾液がついたそれでおにぎりを包みたいですか?

上科:真の勇者かどうか見極めるため、「決闘して俺たちに勝ってみろ!」という一家。
   ここで3DCGは大学の4限があるといって帰ることに。仲間との別れ、泣けるよね、きっと。

井金:泣けねぇよ。武器持ったヤツが1番いなきゃいけない場面だよ。4限とかちょっとさぼればいいじゃん!

上科:ここで勇者はATMを使って、一家を落とすことにした。

井金:金が発生した! ついに金で落とそうとし始めた!

上科:勇者たちは誕生したばかりの鉄腕アトムで一家の住む城を落城させた。

井金:ATMってアトムかよ! 意外なゲストキャラクターだな!
   そういや、「時は2003年」ってアトムが生まれた年か!

上科:しかし一家も巨大なロールパンナちゃんを使い対抗してきた。長い髪を振り乱し戦うアトム。

井金:ロールパンナギガント!? 意外な大きさでゲストキャラが登場した!
   アトムもファーストフードの食べ過ぎですか!?

上科:そんな戦いの最中、ママは。「全く…、こんな所にサランラップ出しっ放しにして…片付けなさいっていったでしょ?」ママはサランラップを片付けました。

井金:片付けたってことは普通に抜けちゃってんじゃねぇか! ママが真の勇者かよ! 節約ママが!?

上科:ついでにママは邪魔な一家も片付けました。「ウーフーフー♪」

井金:なんという…! 笑い方がドラえもんな気もしないでもないが!

上科:こうして勇者一行は、サランラップを手に入れた。そして、真の勇者ママを主役としてドナルド討伐の旅に出るが、それはまた別のお話。

井金:いや、そこ一番大切な部分! そこがないとRPGでもなんでもないから! 省略すんじゃねぇよ!

上科:以上が「ひとりで包装できるもん」だ。どうだ?

井金:全然ひとりでできてねぇ…。最後主人公ママに変わっちゃったし。

上科:は、はっはっは。ざ、斬新で面白いだろ。どうだ、10万と髪を捧げた価値、あり!

井金:…涙ふけよ。ハンカチ貸そうか?

上科:(受け取る)

予選総合第42位(2回戦敗退) ヒ(ーロー)
審査員
点数
22 22 22 88 51 平均41.00
【審査員コメント】
・後半の伏線回収の運動が凄かったですが、ただそれでもゴチャゴチャしてます。回収しきれてない所も多かったです。
 包装ゲームにするのなら、ロン毛とかマックとか入れずに包装だけに集中したほうがいいと思います。
 特にファーストフードの所なんか後半の展開に何一つ関わってこなかったので、ここはバッサリ削ったほうがいいです。
 情報多くすれば面白いってもんじゃないので、展開に必要な部分だけを残して、ネタを厳選してください。
  
・状況の理解に使わなきゃいけない労力が多すぎて楽しむどころじゃない部分が多い。
 一度に認識および記憶しておかなければならない情報量がかなり多くてネタを読んでる間にすごい勢いで疲れていく。
 楽しむだけの体力すら残らないまでに大量の情報処理を要求する形になってしまうのはちょっとマズイ。
 字面の面白さはあるからむしろ、イメージを抱かなくていい様な形に誘導をしておいた方が良かったかもですね。
 ゲーム内の設定とゲーム外の話とが交錯して混乱する要素も多いですし、内容を飲み込んで楽しむのはかなりキツイ。
 伏線回収とかもそもそも回収前の伏線が面白いのを再び想起させてこそ価値が出るワケで、
 伏線単体での面白さが飲み込めていない状況で再登場されてもフラストレーションをもう一度引き起こすだけです。
 手の込んだ情報の配置も詰め込みまくったワードも色々やり込んでる感は伝わってきますが、
 それだけのボリューム作りは必ずしも面白さにつながるとは限らず、人を辟易させる所まで言ってしまうコトもありますから。
  
・文章力や構成力はあるし、エクスクラメーションの後にスペースを入れる辺りは好感持てるんですけど、
 ボケがただただ弱い。それだけ。
 多分もっと面白いのが書けるはずなのに、小さくまとまりすぎてる。
 もっと色々と突き破って欲しい。
  
・これめちゃくちゃ面白いですわ。
 ボケ単体で見た時の上手さがあるのに、その上で組み合わせ方にも上手さを感じます。
 初っ端から「ロールパンナギガント」で完全に心を掴まれて、そこから本編は笑いっぱなしでした。
 「ロールプレイングゲーム」を略して「ロンゲ」にするのとか「伝統を噛む仲間」の出し方とかがとにかく上手いですよね。
 そして最後の「全然ひとりでできてねぇ…。」でもう完全にやられました。
 最高です。
  
・様々なボケがあって楽しめた部分もあるのですが、ちょっといろいろ手を出し過ぎている感がありました。
 ボケ・ツッコミ共に説明的な台詞が多かったので、そのあたりもう少しシンプルに出来ると良いですね。
 発想力はあると思うので、書き方さえコツを掴んでしまえば一気に上位に行くことも夢じゃないと思います。



No.020 中指ニコラ
無題.txt
秋川:どうもー!中指ニコラでーす!という訳で早速なんですが、自己紹介と行きましょうか。
櫻田:
秋川:…はい。僕が秋川です。よろしくお願いします!
櫻田:
秋川:いやぁ、それにしてもようやく暖かくなってきましたね。こうなると夏が待ち遠しいというか。
櫻田:
秋川:あ、僕こう見えても海とか行くんですよ。
   んでサーフィンなんかもやっちゃったりしてるんですけど、笑いの波はつかめない、なんちゃって。
櫻田:
秋川:で、ところでなんですけど、
櫻田:
秋川:……あなた、誰ですか?
櫻田:
秋川:当たり前のように僕の横に立ってますけど。
櫻田:
秋川:いや、黙ってないで答えてくださいよ!
櫻田:
秋川:ウチの相方を、ウチの相方のプラチャオを何処にやったんですか!?
櫻田:
秋川:ウチはタイ出身のプラチャオとの国際ギャップ漫才が売りなんですけどね、あなた、日本人ですよね?
櫻田:
秋川:「それは、タイの仏教徒が主に信仰してるピーじゃねか!」とかってツッコミが売りなんですけどね。
      あなただとそれ出来ないじゃないですか、てかそもそもあなた、誰ですか?
櫻田:
秋川:「日本の都道府県は47ありますけど、タイは76もあるんですよ。
      だから小学校の時の都道府県を覚えましょうテストみたいなの大変だね。」とかってやりとりすら出来ないじゃないですか。
櫻田:
秋川:「ナコーンシータンマラート県、なんてこれだけで日本の県でいうと3つ分ぐらいの記憶容量使いますよ。」とかさー、
      あるんですよ。色々とネタが。
櫻田:
秋川:他にも「タイの経済規模は、大体神奈川県と同じくらいなんですよー。」っていって
      お客さんにへぇーって思ってもらうくだりとかさー。ねー。
櫻田:
秋川:もう全部パーですよ、あなたのせいで。てか誰だお前。
櫻田:
秋川:他にも「これが本当のタイ人恐怖症!なんちゃって!」とか。……まぁ、これは面白くないやつだけども。
櫻田:
秋川:…こ、これは面白くないやつだけども!!面白くないって分かってて言ってますからね!!
櫻田:
秋川:というかねあなた、そもそもどういう神経してるんですか、人様の大事な舞台に勝手に出てくるなんて。
櫻田:
秋川:僕は緊張のあまりもうおしっこちびりそうになってるっていうのに、なんだその堂々たる風格は。
      心臓にどんな毛が生えてんだ!フサフサか!
櫻田:
秋川:そしてなんだその身長は、何食べたらそんなんになるんだ!目測でも2メートル以上あるじゃないか!
      あれか!えっとその…。化け物か!!!うわ、全然うまいこと言えなかった!
櫻田:
秋川:それは置いておいて。その図体のせいで本来なら「すいませーん、ちょっと変な人が入ってきちゃったんですけどー。」
      ってスタッフに言えば済むだけであろうこの事態なのに、ビビっちゃって言えないじゃないか!
櫻田:
秋川:ていうかスタッフさんもさー、なんで止めてくれないんだよ!
櫻田:
秋川:…え?もしかしてこれネタだと思ってるんですか、スタッフさん?いやいやいや、おかしいでしょ!
櫻田:
秋川:エントリーシート見てくださいよ!
     メンバーが「秋川おもしろ太郎」と「プラチャオ・パホンポンパユハセーナー」になってるでしょ?!
櫻田:
秋川:コイツがプラチャオ・パホンポンパユハセーナーに見えます?!違うでしょ?!
      まぁ、確かにこんだけ身長大きいと外人っぽいのは否定できませんけど……。
櫻田:
秋川:でもどう見てもそんなタイ人みたいな名前じゃないでしょ?!この見た目だとせめて何とかホンマンとかそんなんでしょ?
櫻田:
秋川:まぁ、「そんなこと言ったってお前だっておもしろ太郎って見た目じゃねえだろ。」
      って言われたらもう何も言い返せないですけれども!!!
櫻田:
秋川:なんだよ「おもしろ太郎」って!誰だそんな芸名つけたやつ!!
      ……あぁそうだよ僕ですよ僕!まぎれもなく僕ですよ!!悪かったな!!おもしろ太郎で!!
櫻田:
秋川:相方の名前が面白すぎるから、インパクト負けしないようにこうするしかなかったんだよ!
      なんだよ!なんでそんなことここで言わなきゃいけないんだよ!!てかお前誰だよ!
櫻田:
秋川:あくまでだんまりですか。いいですよ!そっちがその気ならやってやりますよ!もうMM-1とか関係ねーよ!喧嘩だ喧嘩!
櫻田:
秋川:あぁそうですか。これでもまだ無視しますか。
      はいはい。お前なんかにそんな度胸ないだろと。やってやろうじゃないですか!!(胸倉を掴む)
櫻田:
秋川:……えっ?や…わ…らか…い…?というかおっぱい……?………えええええーっ!!!
櫻田:
秋川:アンタその図体で女なのかよ!どういう遺伝子だ!!どういう家系の元に生まれ育ったんだ!!!!!!
櫻田:
秋川:そして、どさくさにまぎれておっぱいさわっちゃった!お母さん以外のおっぱい触ったの初めてだ!ひゃっほう!!!!!!
櫻田:
秋川:…あ、お母さんのおっぱい触ったって言っても小さい頃の話ですからね!
      決して、決してマザコンとかじゃないですからね!そこは勘違いしないで下さいね!!大事な所ですからね!!!
櫻田:
秋川:あ、でも触ったて言ってもこんな化け物みたいなヤツのおっぱいか!なんだこの複雑な気持ちは……。
      なんか急にテンション落ちてきた………。
櫻田:
秋川:なんだよもう、ほんとお前が分からないよ……。
      その図体で女って特殊な人に受けるニューハーフかよ………。そして誰だよ…………。
櫻田:
秋川:ちなみにタイ人の11人に1人がニューハーフなんですよ……。今となってはこのタイネタももうどうでもいいですけど…………。
櫻田:
秋川:なぁ、いつまで黙ってるつもりなんだよ…。そして誰なんだよ……。
      化け物は喋らないし、スタッフさんは助けてくれないし……。もう泣きそうだよ……。
櫻田:
秋川:おまけにさっきちょっとおしっこ漏れちゃったしよぉ…。涙より先に尿が出るってなんだよ……。
   なんなんだよこの地獄タイムは……。いつ終わるんだよぉ……。相も変わらずお前誰だよぉ…………。
櫻田:
秋川:てかそろそろ持ち時間終わりじゃないの………?えっと残り時間は………。
櫻田:
秋川:…あれ?………。時計が…止まってる……?というか、よく見たら、スタッフさんの動きも止まってる………?!
櫻田:
秋川:じゃあ…もしかして……、この化け物が止まってるのも時間が…止まってる…から?
櫻田:
秋川:い、いやいやいや。そんなことあるわけないじゃないか。何を言ってるんだ俺は…。
   ね、スタッフさん?……スタッフさん……?
櫻田:
秋川:ってことは………まさか………。(櫻田の胸を鷲づかみにする)
櫻田:
秋川:さっきは驚きと嬉しさと虚しさのあまり気付かなかったけど、心臓が動いてない……。
      ということはつまり…………。え、ウソだろ………?!だって、こんなMM-1グランプリの会場で……。
櫻田:
秋川:そんな……!というか、時間が止まるにしてもなんで今なんだよ!なんでこんな大事な時になんだよ!!
櫻田:
秋川:ウソだよね?ね、ウソだよね?何とか言えよお前ぇ……。化け物なんて言って悪かったからさぁ……。謝るからさぁ………。
櫻田:だ
秋川:………えっ?
櫻田:誰が化け物だよ!
秋川:喋った……?!ってことは時間も……っ。やった!動いてる!良かった!俺助かったんだ!!ひゃっほう!
      そして化け物って言ってごめんなさーい!!!
   ……という経緯でコンビを組むことになった、秋川と櫻田で中指ニコラです。以上自己紹介でした。ではネタの方に参りたいと、
櫻田:どんな嘘だよ!いい加減にしろ!どうもありがとうございました。

予選総合第39位(2回戦敗退) 中指ニコラ
審査員
点数
 5 73 15 50 79 平均44.40
【審査員コメント】
・誰かがやるとは思っていたんですけど本当にやる人は初めて見たんで感激で足が震えました。
 けどうわあ勿体無え!すげえ勿体無え!なんでこんなオチにしちゃったんですか!
 いや、ずっと秋川さんだけが喋り続けるんじゃダメだったんですか!?秋川さんのアタフタな感じで最後まで不気味な世界観を貫いてほしかったです。
 本当に導入からこの作品の世界観に引き付けられたんですよ。どこか気持ち悪くて、どこか恐ろしくて、しかしその恐怖感がなんだか快感に思えてくるような、そんな不思議な作品だったんです。
 最初に「?」ってなったのは櫻田さんが実は女だという所ですね。そこからの展開がなんだか今までの世界観とズレていました。
 やはり二メートルの見知らぬ人間が何も言わずに隣に突っ立っているという状況がこの作品の重要な部分だと思うので、あまり櫻田さんに説明を加えない方がいいかなと思います。
 「時間停止」という展開もあまり良くありません。なんだか無理に理由付けされてしまっている感じがするので、前半の幻想的な雰囲気を壊してしまいます。
 そして最後4行。最初に読んだときに思わず「嘘だろおい・・・」と呟いてしまいました。今までの世界観を全て台無しにされた気分です。
 「どんな嘘だよ!」ってなんですか!今までの話全部嘘だったんですか!嘘でしょ!
 これはないだろって思います。櫻田さんの神秘性も崩壊して、この作品の大事な所がズタズタにされました。どういう経緯なのかということも意味不明ですし。
 「一言も喋らない」というのは書き手が思っているよりも格段に読み手の印象に残るのです。たった一言のオチで片付けられる代物ではないのです。
 一度この作品を第三者の目線から見つめて直してほしかったです。もしかしたら作者さんがやりたかった展開と何か食い違っているのかもしれません。構成の練り直しを要求します。
  
・あーいや、コレは好き嫌い分かれると思いますケド私は好きだなぁ。
 出オチみたいな設定になりかねないハズなのに、ちょっとずつひねりを加えつづけていて面白さがちゃんと続いてました。
 見かけは奇抜でイレギュラーなコトをやってはいますが、情報開示の仕方とタイミングが構成ちゃんとしててイイ。
 形式の奇抜さのせいで持って来なきゃいけない単語のハードルも上がっていて、
 そこに引っ掛かるモノがちょいちょいあったのがネックですが、それもまだ善戦していたと思いますし。
 点数度外視で、コレは漫才の形に挑むと言うコトが正しく出来ているという意味で今回のMVPの1つです私の中で。
 良かった良かった。
  
・試みは認める。けど、思い切った賭けに出ている割にはツッコミのセンスが無い。
 そのため興味の矛先は収拾のつけ方にのみ向かうんですが、このオチならまぁまぁ納得か、程度のレベルです。
 ただやはり、物足りない。
  
・勢いだけで突っ込んでくるようなネタに見えるんですが、細かい技術力が凄いですよね。
 序盤のタイツッコミのくだりが個人的にはあまりハマらなかったのですが、身長のくだりからどんどん勢いが増して行って
 どんどん面白くなっていった感じですね。あとその辺まで読み進めた辺りからずっと黙ってる櫻田さんが面白くなってきてました。
 不思議な魅力のあるネタですな。
  
・設定に対して、一通りの手数のボケ(ツッコミ)が揃っていたと思います。
 特に、タイ関係のボケと「おもしろ太郎」がツボでした。
 ただ「時間が止まってる」のくだりの部分は、会場の観客を置いてきぼり状態にしてしまうという点で違和感がありました。
 何故横田が喋らないかという設定も含め、そのあたりがもう少し理解しやすいものになっているとさらに良かったです。