予選Cブロック 審査フォームはこちら

021 カッターズ 022 理系文系 023 XENOGLOSSIA 024 優しい朝の光に包まれて 025 バトルロワイR
026 PARTY NOISE 027 バニーガール 028 エバーグリーン 029 ササキに願いを 030 サンザンヒーローズ


No.021 カッターズ
Riddle
竹下 どうも!カッターズです!竹下です!

辻田 辻田と言います。

山尾 山尾でーす!!

竹下 三人でやってますのでよろしくお願いします!
   最近ちっちゃいころにやった遊びを思い出すんですよね。二人はどんな遊びをしてた?

辻田 小さい頃ですか?細胞を分裂させて様々な臓器を形成していましたね。

竹下 小さ過ぎる!!それ遊びの範疇じゃねえよ!遺伝子レベルでやっていることだわ!

山尾 インドアだったんだなぁ。

竹下 いやインドア過ぎるだろ!屋外って言うか母体からまだ出てねえから!

辻田 山尾さんはどんな遊びをしてたんですか?

山尾 俺は活発だから休みの日は良く外に出かけてたなあ!

竹下 そうだったんだ。外で鬼ごっことかやったり?

山尾 いや、追っかけっこはやる立場じゃないから見てたな。

竹下 へ?見てた?

山尾 コーナーからのストレートでの逆転、見てるだけであんなに手に汗握る遊びも中々ないぜ?

竹下 ・・・それ競馬じゃない!?子供時代がそんなんだったの!?

辻田 いや、競輪か競艇の可能性もあるぞ。

竹下 どれだっていいわ!何にしたって子供がやる遊びじゃねえ!

山尾 今でも大好きだからなあ!俺はいつまでも少年の心を持ち合わせているから!

竹下 少年時代が既に子供っぽくないんだけど!家庭環境が気になるわ!

山尾 そんなこと言うならお前はどんな遊びやってたんだよ?

竹下 僕はなぞなぞが好きで良くやってましたね。

辻田 そうなんですか?僕もなぞなぞは得意ですよ。

山尾 俺も!大体のなぞなぞは制覇したと言っても過言ではねえから!

竹下 大きく出たねえ。それじゃあ今日はこの場を借りてなぞなぞをやってみますか。

辻田 分かりました。3人いるから1人ずつ順番に出していきましょうか。
   で、1人が答えて、もう1人がそのやり取りを舞台袖から見るっていうことで。

竹下 いや2人で答えればいいじゃん!なんで板と袖を往来しなきゃいけないんだよ!?

山尾 (舞台袖に行こうとする)

竹下 行くな行くな!3人でカッターズ!最初は僕が出題するから分かった方が答えて!

辻田 分かりました。正解数が多い人が優勝ってことで。

竹下 じゃあ第1問!遠くにあるのに、近くにあるお店ってな〜んだ?

辻田 遠くにあるのに近い・・・え?矛盾してるな・・・それって哲学的な何か?

竹下 そんな難しい話じゃないよ!?言っても子供向けの問題なんだから!

山尾 ・・・あ!分かった!!麓屋のこと!?

竹下 ふもと・・・や?・・・なにそれ?

山尾 俺の実家から一番近いお店なんだけど、車で20分もかかるんだよ!

竹下 知らねえよ!!それ山尾さんちの実家がド田舎にあるってだけじゃん!人によって答え変わってくるわ!

辻田 でも、確かに遠くにあるけど山尾さん的にはそばにありますね。因みに何のお店なんですか?

山尾 蕎麦屋だけど、カツ丼もお勧めだな!

竹下 偶然にも会話の中で答え出たぞ!?正解は蕎麦屋でいいの!

辻田 ・・・ああ、「傍にある」って言うのと、「お蕎麦」をかけているのか。

竹下 無駄な解説しないで!

山尾 よっしゃ!1ポイントゲット!!

竹下 何か釈然としない当たり方だったな・・・じゃあ次は辻田さん問題出してください。

辻田 分かりました。じゃあ・・・入口1つで出口が2つ。これってな〜んだ?

山尾 ・・・えぇ?何それ?トンネル工事のミス?

竹下 嫌な発想だなあ。僕は分かりますよ。正解はズボン!!

辻田 その通り。ウエストは1つだけど、足を通す穴は2本あるから。

山尾 それこそ人によって変わってくるわ。

竹下 そうでもないよ!?大体のズボンは入口1つで出口が2つあるからね!?

辻田 でも、僕が持ってるズボンは入口も出口も1つしかないですよ?ひらひらしてるし。

竹下 多分それスカートだよ!と、とりあえず次は山尾さん問題出してください。これ以上聞くの怖いから。

山尾 おう!じゃあ・・・入口1つで出口がたくさん。これってな〜んだ?

竹下 え?たくさん?さっきと似てるけど・・・なんだろう?

辻田 ・・・自分のこれまでの人生と将来の可能性?

山尾 おお!正解!!

竹下 いや分かるかそんなもん!!答えが抽象的すぎるって!!

山尾 でも辻田は当てたじゃんかよー!

辻田 これまでの人生って言うのは1つだけ、でも、これからの人生の行く先は誰も分からないし、道筋も無数に存在して・・・

竹下 解説を止めろぉ!なんでなぞなぞでこんな難しい事を説かれなきゃいけないのさ!?

山尾 さあ、1順したけどポイントは横一線だ!じゃあ竹下が問題出してくれ!

竹下 何かなぞなぞに聞こえない展開だけどね・・・じゃあ、自分でグルグル回っている本ってどんな本?

辻田 グルグル回る?・・・魔法陣グルグル?

竹下 安直か!?

山尾 何巻だ!?

竹下 そこじゃない!本のタイトルっていうかジャンルのことを言ってるから!

辻田 回転する本のジャンルなんて見たことないな・・・。

山尾 いや、俺はあるぞ!あの絵本とか置いてあってクルクル回る棚みたいなやつ!

竹下 あれのことじゃねえよ!本のジャンルって言ってるだろうが!

辻田 これはちょっと調べないとわからないですね。ちょっと自分の家から辞典をとってきます。

山尾 おう、頼むぜ!
   あ、余談なんだけど、俺が子供の頃に「地球の自転」って話を聞いて「地球専用の辞典がある」って勘違いしたことがあったなー!

辻田 ははは、小さい時ってそういう勘違い良くしてましたよね。

辻田・山尾 ははは・・・。

竹下 ・・・。

辻田 ・・・で、答えは?

竹下 うそだろおい!!何回か出たのになんで分からないんだよ!?答えは辞典!!

辻田 ・・・あぁ、調べ物の辞典と、自ら回る方の自転がかかっているのか。

竹下 すぐさま説明できるんだったら答えてくれよ!

山尾 これって誰が正解したことになるんだ?

竹下 最早よくわからないよ・・・先に辞典って言ったのは辻田さんだから辻田さんでいいかな?

辻田 分かりました。続いて出題しますね。次は簡単な問題だから問題の途中で答えても大丈夫ですよ。

山尾 よし、次は俺が答えるぞー!

辻田 では・・・壁に貼り付けにされるのが好きなスターってなーんだ?

山尾 おいおい!子供向けのなぞなぞでそんなバイオレンスな表現罷り通っていいのか!?

竹下 考えすぎ!子供のころにやったなぞなぞって言う前提を忘れるなよ!答えはポスターでしょ!?

辻田 正解です。

竹下 ・・・ここは説明しないのかよ!?

辻田 いや、さんざん説明するなって言われたから。

竹下 そりゃあそうだけどさあ・・・お約束的なのをね・・・まあいいや、じゃあ最後に山尾さんお願いします。

山尾 あ、そうか俺の番か!じゃあ・・・漫才中に元気な子が暴れると、ずっと漫才が続く。なんでだ?

竹下 ・・・は?

辻田 ・・・あ!分かった!そっかぁ・・・そういうことか・・・。

竹下 おぉ!・・・いや、言ってくれよ!ここにきて焦らさないで!

山尾 欲しがりさんねえ。

竹下 気持ち悪っ!もう尺もないし、ズバッと言ってくれよ!

辻田 答えは、落ち着かないから。

竹下 ・・・普通に上手いこと言った!いい加減にしろ!

山尾 あ、ちょっと待った!さっきのなぞなぞ何でポスターが答えなんだ!?

竹下 説明必要だった!?本当にいい加減にしろ!

三人 どうもカッターズでした。

予選総合第47位(2回戦敗退) カッターズ
審査員
点数
39 42 15 20 49 40 平均34.17
【審査員コメント】
・山尾が引っ込もうとする下りとか「何巻だ!?」とか、細かい笑いの入れ方が上手いですね。
 キャラも三者三様で分かりやすいですし、ちゃんと「トリオならではの漫才」だったこともポイント高いです。
 割とテンポがスローな割には笑いの沸点が低めだったことが少し気になりました。
 誤答ボケというのは自由度が高いため当たり外れが激しくなりがちなのですが、このネタは全体的に無難でした。
 辞典やズボンの下りはもっと飛躍させても良かったのではないでしょうか。最低限の展開に留まってしまったような。
 凄くつまらないわけではないんですが、ずっとジャブのまま終わってしまった感じです。
 トリオの利点としてキャラの違うボケをテンポよく出せることがあるので、もっと冒険したボケがあってもいいと思います。
   
・ボケ・展開のベタさが目立つのと、3人であることが雑音でしかないなあという感じ。
 トータルだとマイナスですね…
   
・ただただ、学生のやり取りを聞かされてる感じ。ボケのバラエティと幅が狭すぎて漫才とは言えない。
 トリオでの役割分担を徹底しすぎてるパターンなのであとは発想力とセンス。
   
・一応三人に役割があって、必要ではあるんですけども
 トリオでやることの魅力があんまりない漫才かなー、と思います。
 ただ間延びしたゆったりとした漫才になってしまっていて、凄く物足りなかったです。
   
・上手さはありますが、爆発力の乏しい漫才であった点は否めません。
 「入口1つで出口が2つ」でトンネル工事のミスとありますが、別に分かれ道とかがあれば普通に出口が2つになったりするんじゃないかしら、とか……
 蕎麦屋のなぞなぞの正解が出た際、「無駄な解説しないで」とありましたが、竹下さんがこの解説を無駄と断じた理由がよくわかりませんでした。
 なぞなぞみたいな捻った回答の用意された問題の場合、確認の意味を込めて正解の理由を言うのはそこまで不自然には感じなかったので。
 話の流れ上繋ぎのような役割で出てくるような小ボケが多かった印象。
 もっと話の核になるような、目立つボケが欲しかったです。
   
・なぞなぞというテーマ自体は悪くないのですし、1つ1つの問題で一応ちゃんとネタにはなっているのですが、
 なんというか、「3人で順番に出題する」という流れを回すのに精一杯で、「漫才としての面白さ」があまり入っていなかったように思います。
 「ここですっごい笑わせる!」という場面を意識して取り入れようとしてみると、ネタ全体がより引き締まると思います。
 ツカミはもう少し短くても良かったと思います。
 

No.022 理系文系
最後の晩餐Ver.2014
理「どうも理系文系です、よろしくお願いします」

文「よろしくお願いします。さて理さん、理さんは死ぬ前に食べたいモノってありますか?」

理「どんな食べモノに毒を混ぜて口にしたいか、と言う話ですか?」

文「死因にしたい食事が何か聞いてるワケではないです! そんな自殺を前提とした質問しないですよ!?」

理「なんだそっか……」

文「なんでテンション下がりました? そんなに服毒自殺の話したかったの……?
  ……まぁとにかく、食べたいものと死との因果関係は無いものとしてお答え下さい」

理「んー、言われてみると結構いっぱいあって、迷いますねぇ」

文「まぁ確かに急に言われたらそうかもですねぇ」

理「『コレ生きてるうちに食べておかないと後悔しそう』って考えてしまうと、1つに絞りきれない」

文「なるほど」

理「例えばおくすり飲めたねを単体で、とか」

文「それ!? 薬局とかちっちゃい子用に売ってるアレ!?」

理「それ。粉薬を覆って飲みやすくするゼリーのアレ。アレの粉薬抜き」

文「なんで!?」

理「だってイチゴ味ですよ?」

文「もっとまともなイチゴ味が他にいっぱいあるハズです!」

理「でもアレそのものの味をちゃんと思い出せないのは、気になって死にきれないかもしれない」

文「死ねない理由としてはあまりにしょーもない気がかりですね!」

理「だから『どうせ明日死ぬんだから今日だけは常服薬なんか飲まずにコレだけの味を堪能するぞー!』って言って存分に味わいたいですね」

文「何そのテンション……。モチベーションが分からない……」

理「あと、オブラート単体とかも食べてみたい」

文「今度はボンタンアメの周りにくるんであるヤツ!」

理「アレも気になるじゃないですか、どんな味だったか」

文「それに関してはもう回答してあげましょう、無味ですよ!
  無味無臭がセールスポイントですものあのフィルム!」

理「ネタバレされた……」

文「こんな情報が原因で落胆!?
  あんなただのベタつき防止膜にどんだけのワクワクを抱いていたと!?」

理「得体のしれない形状であり、口に入れた途端にとろけて消えてしまうあの神秘の食材……。
  その真の味を自分の舌で確かめるのが夢だったのに……」

文「よくそんな破格の期待値を今まで保って来れてましたねあんなのに……」

理「……まぁ気を取り直して別の食べモノに想いを馳せるコトにしましょう」

文「今の所まず食べモノと呼べるモノがちゃんと出てきてないんですが」

理「歯ブラシ単体」

文「言ってる傍からプラスチック!」

理「コレも基本、歯磨き粉の味が強いので素材本来の味の方は楽しめてないですからね」

文「まずその敢えての単体シリーズに過度な期待を寄せるのやめません!?」

理「でもあの強すぎるミントの風味をなんとかすれば味わいを楽しめる気が」

文「無理ですよ! 歯磨き粉のフレーバーと言うベールを脱いだところでそこには食の楽しみは無いんです!」

理「えー? 何故に?」

文「何故なら歯ブラシが食べモノではないから!
  その前の2つはまだグレーゾーンだったケド、歯ブラシはもう完全に食べモノではないから!」

理「それはアレですか、飲み込めないモノ差別ですか。歯ブラシとガムに謝れ!」

文「んなワケありますか! そんな差別意識、思いついたコトもありません!」

理「飲み込めないモノを食べモノ界から迫害しようとする政治工作の一環ですか」

文「今この国の政治はそんな平和な議論など視野に入れられるほど暇ではない!」

理「ではガムにも、デンタルの方のGUMにも、迫害心は無いと?」

文「ありません! そもそもアレらが迫害の対象になるって発想がまずありません!」

理「ならば良し」

文「一体何が良しなのか分かりませんが納得していただけて何よりです!」

理「うんうん」

文「全然意味は分からないケドとても満足げな顔をしている…………」

理「あ、ところでマウスピースはクソ不味いです」

文「何!? 急に何!? ビックリした!」

理「いや、私が食べれないものを何でも美味しいと言ってしまう、そーゆー尻軽な人間だとは思われたらヤダなぁと思いまして」

文「尻軽て! 食べ物の話しててそんなコト思う人いないですよいや今は食べ物の話できてないケド!」

理「なら安心ですね」

文「この会話は決して安心できる状態には戻ってませんケドね……。…………えっとじゃあ、
  ちょっと発想を変えて、食べてみたいモノ系統じゃなくて懐かしい味とかのジャンルではなんかありません?
  死ぬ前にもう一度思い出の味を〜みたいな」

理「ああ、シャボン玉液とか?」

文「そーじゃなくて!
  確かに幼少期に遊んでてトチった時にのみ味わえるという意味では懐かしいですが!」

理「まさに2つの意味で苦い思い出ですね♪」

文「ハイハイそーですねドヤ顔ダブルミーニングやめて下さい!」

理「まぁでも、思い出を懐かしむタイプの食べモノは別に死ぬ前に食べなくても良くないですか?」

文「ほう? それはまたなんで」

理「わざわざ死ぬ前に食べなくても、走馬灯で再経験できると思うんで」

文「何その発想!? 走馬灯アテにして味覚満足させようとか斬新過ぎる! どうかしてる!」

理「私はある程度、観ようと思った夢を観れたりするタイプです。
  だからコレ多分イケると思うんですよね。わくわく」

文「走馬灯のタイミングでそんな期待が叶うの楽しむ余裕なんてきっと無いですって!」

理「そう? じゃあやっぱり念のため思い出の懐かしい味タイプの候補も挙げといた方がイイですかね?」

文「はい! ……話のバランス的にまだもうちょいこの流れで続けたいですし」

理「では子供時代の味覚の思い出を続けましょう」

文「お願いしますね」

理「子供時代の懐かしい味のモノと言えば乳歯」

文「乳歯!? 乳歯!? この期に及んでデンタルな話が再登場だと!?」

理「やっぱり子供の頃にしか味わえないモノの代表格と言ったらコレですしね」

文「全然代表格じゃないですよ! サプライズ指名ですよ!」

理「まさに思い出の味ですよね。特に生え換わりの時期、
  最後に抜けてしまった時に一番濃い味を醸し出して去っていく辺りが凄く記憶に残りますよね」

文「よくそんなブラッディなお味の話でしみじみと感慨にふけれますね!」

理「人生で数回しか体験できない、職務をまっとうした歯牙細胞の優秀の美を飾る濃厚な味わいでした」

文「なんであんな生涯で最も口の中がグロくなるイベントをココまで美化されてんの!?」

理「そして乳歯が抜けたその日は、歯磨き粉のフレーバーを初めて心地良く感じられた日でもありましたね……」

文「さっき味が強すぎると言われた歯磨き粉が今度は口直しとして堪能されてる! いやどっちにしろだケド!」

理「今思えばアレが、ミントは大人の味ってコトの意味だったんですかねぇ……」

文「くそう、解釈のオリジナリティ強すぎてさっきから全然話に介入できない……」

理「そんな人を頭がおかしいみたいに」

文「いや実際、精神安定剤をブチ込みたいレベルですよ!」

理「えー?」

文「おくすり飲めたねとオブラートを駆使します!」

理「単体が欲しいという願いに対する反抗も垣間見える!」

文「アナタがこの話にパッとまともな回答をしてくれればそんなコトにもならなかったんですケドね!
  ちゃんと、フツーに、一番味わいたいモノを出してくれればよかったんですケドね!」

理「そうは言っても躊躇いなくサラッとは言えないですよぉ。こーゆーのちょっと恥ずかしいですし……」

文「十中八九その恥じらいも間違ってるに違いないのでサッサと言ってしまって下さい!」

理「なら言いますケド……、まぁ、…………結局一番美味しい思い出があるのは携帯酸素缶ですね」

文「はい案の定! もはや気体が出てきたくらいでは動じなくなってしまった!」

理「普段からお世話になっている御用達のヤツがあるんですよ。私は4分以上喋ると死にそうになるので実は」

文「弱っ! もはや漫才師向いてない!」

理「そんなワケでアナタと2人で仕事した後の一服が一番美味しいです」

文「…………!」

理「だから私が本当に死ぬ前に味わいたいのは、それですね。少なくとも精神安定剤とかではなく。ふふっ」

文「じゃあ…………、じゃあ今からその味わいたいモノにもういっこ、思い出の味を作りに行こうじゃないですか!
  この大会の金メダル、かじりに行こうじゃないですか! 2人で!」

理「まぁ今それを意気込んでももう97行目だし手遅れなんですケドね」

文「アレっ?」


理&文「「どうも、有難うございました」」

予選総合第38位(2回戦敗退) 理系文系
審査員
点数
60 56 10 68 41 62 平均49.50
【審査員コメント】
・正直言うと今までの理系文系のネタはあまりハマらなかったんですが、これは結構好きです。
 ボケの方向が一貫している中で、おくすり飲めたね、乳歯などちょうど良いチョイスが出来ていました。
 逆に「ドヤ顔ダブルミーニング」「フレーバーというベール」などのフレーズは狙いすぎて空振った印象です。
 オブラートのネタバレのところが一番好きなのですが、フレーズを凝っているが故に伝わりづらい箇所があるのも事実です。
 オチ前の感動路線も綺麗ながら少し冷めてしまったので、終始屁理屈で押して欲しかったです。
 方向性は間違ってないと思うので、フレーズと設定の魅力をより伝わりやすく出来るように頑張ってください。期待しています。
   
・単体で食べたい、というところからそれについての掘り下げが浅い感じが。
 題材を出して、そこから面白さが広がらずに行数だけ無駄にしてる感じがしました。
 おくすり飲めたねの粉薬抜き、などその発想はおもしろかったです。
   
・ただただ日本語が読み辛い。何のプラスにもならないこだわりなら捨てたほうがいい。
 発想力自体も稚拙でボケもボケとは言えない。精々行間空けて読ませるレベルになったという段階。
   
・まず最初に抱いた感想が、面白いどうこうよりも「すごく分かる」でした。
 理さんの言いたいことになんとなく共感してしまいました。
 で、肝心のネタの内容なんですけど、面白かったです。
 急に出てきたマウスピースとかは足元すくわれました。
 ただ後半になってどんどん失速してしまった感がありまして、読後感が微妙でした。
   
・うん……こう、なんていうか……スローカーブしか投げてこないで、全然ストライク入んないで、球数ばっか増えてって結局フォアボールで歩かせちゃうピッチャー……みたいな。
 バシッと決まるボケがなく、また小ボケに関しても系統が非常に似通っていて、前半の段階でなんていうかだれてしまいました。
 日常会話の中で発するような会話の潤滑油的ボケの域を出ないようなものばかりが並べられており、漫才を観たぜ感が薄かったです。
 相槌レベル程度の台詞とか、「ここの台詞1つにまとめたら、もっと行数稼げたよね? そしたらもっとボケ詰め込めたよね?」感はやっぱありますなー。
 乳歯のボケは良かったですが、「優秀の美」じゃなくて「有終の美」です。
   
・なかなか面白いことやってるなぁ、と思いました。話の切り口が独特でした。
 ただ、笑ったかというとそうでもないんですよねぇ…あまり「ボケ」を読んだ、という感じはしなかったかもしれません。
 主に、味わい深さなどを評価してのこの点数です。
 

No.023 XENOGLOSSIA
バーテンダーになりますわ!
歌姫:ごきげんよう! XENOGLOSSIAの六川歌姫ですわっ!

寛子:うふふのふ〜。XENOGLOSSIAの七瀬寛子ですよーだ

歌姫:寛子さん聞いてくださいな! わたくし、バーテンダーをやってみたいんですのよ!

寛子:はあ? お前がバーテン? って、バーとかでお客さんに酒を提供する役目の人かよ。
   できんのかよ、お前に?

歌姫:でーきますわよー! お客さんの言ったお酒を出すだけでしょう? アメーバでもできますわ!

寛子:やる前からそんな言い種のやつが、ちゃんとできた試しがあるかよ。
   じゃ、そんなに言うならやってみろよ。寛子客やるから。お前バーテンさんな



寛子:バーテンさん。ブランデーをロックで

歌姫:承知いたしましたわー!

寛子:お前、バーの渋い雰囲気をものの一言で破壊すんの、やめろよ!

歌姫:オーダー入りまーす! ブランデーをロックで! ありがとうございまーす!

寛子:その居酒屋テンションやめろよ! マスターの生活の程度が知れるよ!

歌姫:(シャカシャカシェイカーを振る仕草)

寛子:お前、何をシャカシャカしてんの!? 寛子が頼んだの、ブランデーだよね!? ストレートだよね!?
   何にもシェイクする行程無いやつだよね!?

歌姫:ウイスキ〜が、お好きでしょ♪

寛子:おい小雪気取り! 寛子が頼んだのブランデーだけど大丈夫か!?

歌姫:お待ちどうさまです。! ブランデーのロックですわ!

寛子:こんな泡立ってるブランデー、初めて見たわ!

歌姫:そういう品種でして

寛子:ちげーわ! 振ったからだわ!

歌姫:ところで本日はいかがいたしましたの?
   いつもは来店の度に顔を整形していらっしゃる殿方とご一緒ですのに、本日はお一人ですわね

寛子:来る度に顔が変わってるとか、長い目でみたらマイケル・ジャクソンみてえじゃねえかよ!
   違うわ、いつも違う男を連れて来てんの!

歌姫:失礼。殿方の顔はどなたも一緒に見えてしまいまして……

寛子:雑な認識力してんな、客商売してるくせに!
   いやあ、実は今日も合コンに行って来たんだけどさ。
   けど、今日はなかなかいい男がいなくてねえ……。それで二次会にも顔出さず、一人でこっち来ちゃったってわけ

歌姫:なるほど。それで一人寂しく、いらっしゃったと

寛子:せっかくのお客に対して、なんてえ言い草だ!

歌姫:やっぱりお客さんは、おモテになるんですのね!
   羨ましいですわ。わたくし、生まれてこの方、恋人というものを見たことがなくって……

寛子:見たことはあれよ! バーなんだから、カップル客くらい来るだろ!

歌姫:ところでお客さん。お飲みになりませんの? せっかくわたくしが入れて差し上げた、ブランデーのロック

寛子:お前が泡立たせるから、泡が消えるの待ってたんだろうがよ! 飲むよ

歌姫:(手元の何かを確認する仕草)あっ、ごめんなさい! それ、ブランデーじゃなくって麦茶でしたわ!

寛子:お前、なに考えてんだよ! 酔いに来てるのに、それじゃあ酔い醒めちゃうだろ!

歌姫:ごめんなさい! 麦茶のティーバッグとブランデーのティーバッグを間違って使ってしまったみたいですわ!

寛子:ブランデーにティーバッグ無えよ! この店、ブランデーどんな入れ方してんだよ!

歌姫:ドンキホーテでお徳用パックで売ってたので……

寛子:仕入れにドンキホーテ使ってんじゃねえよ! おいおい、商売意識どうなってんだよバーテンさんよ!?

歌姫:(シャカシャカシェイカーを振る仕草)

寛子:なんで急にシェイカー振り出した!? 誤摩化し方がへたくそすぎんだろ!
   ああ、もう! じゃあもういいよブランデーは!
   なんか……カクテルとかちょうだいよ。カクテル作るの好きだろ、バーテンさん

歌姫:なんでわかりましたの!?

寛子:そりゃ、ブランデー頼んだのにあんなにシャカシャカシェイクされちゃあね!

歌姫:ふふ……なにせわたくし、マクドナルドのシャカシャカポテトやシャカシャカチキンも、
   シェイカーに入れて振ってましたからね! まさに、バーテンダーの鑑!

寛子:お前のプロ意識どうなってんだ!

歌姫:それじゃあ、何をシャカシャカしましょうか

寛子:そうだね……。じゃあ、カクテルの王様・マティーニを。
   あとお前、カクテル作ることを『シャカシャカする』って言うの、金輪際やめろ

歌姫:分かりましたわ!(シャカシャカシェイカーを振る仕草)
   出来ましたわ! マタニティですわ!

寛子:マティーニだろ! マタニティ、妊婦用の服だよ!

歌姫:妊婦? ふふ、お客さんも結婚とか考えたりするのかしらぁ?

寛子:自分の言い間違いから別の話に連結すんなよ!
   まぁ、恋だのなんだの言うのは、バーテンさんにこぼす話の定番だけどさ……

歌姫:なにか恋愛のお悩みがあるなら、このわたくしに相談してみなさいな。
   この、恋愛マスターバーテンダーの六川歌姫が聞いて差し上げますわ!

寛子:お前さっき『恋人見たこと無い』とか言ってたじゃねえかよ!

歌姫:(シャカシャカシェイカーを振る仕草)

寛子:さっきから都合悪くなるとシェイカー振るキャラやめろ!

歌姫:恋ばな〜が、お好きでしょ♪ もう少〜し喋りましょ♪

寛子:黙れエセ小雪!

歌姫:ここだけの話なんですけれど、わたくし、お客さんが気になる方を連れていらしましたら、
   微力ながらフォローさせてもらいますわよ! ツイッターを!

寛子:いらねえよ! お前にフォローされても、速攻でブロックかけるわ!
   もうちょっと、連れ込んできた男に対してフォローしてもらえんかな!?

歌姫:あ、じゃあわたくしアレやりますわ!
   連れていらっしゃった殿方に、シャーッとテーブルの上をグラスを滑らせて、
   それをキャッチしたわたくしが『あちらのお客様からですわ』って言うやつ!

寛子:なんで寛子、せっかく連れてきた男と離れて座ってんだよ!

歌姫:ね! 練習いたしましょ! 練習!

寛子:閉店後の店内でこっそりやってくれよ! 公開練習どころか、客巻き込んでるじゃねえか!

歌姫:じゃあ、わたくし、あちらの席の前でスタンドバイミってますから!

寛子:死体捜しに行くのか!? スタンバれよ!

歌姫:じゃあ、わたくし、あちらの席でスタバってますから!

寛子:コーヒーブレイクしてんじゃねえよ! スタンバれよ!

歌姫:じゃあ、わたくし、あちらの席でスタンリッジってますから!

寛子:今年からソフトバンクホークスに移籍したプロ野球の助っ人外国人投手とか、
   もうボケが万人向けじゃなくなってってるから! 無理してひねり出さなくていいから、早よ、スタンバれよ!
   ……いや、気持ち的には、スタンバるなよ、って感じなんだけどなー、もー!

歌姫:(寛子から離れて立つ)オッケーですわ!

寛子:別に今はいいけど、本番でそんな大声で合図出したら、『おっ、なんかやんのか?』ってバレバレだからな!

歌姫:(コップを布巾で拭く仕草)

寛子:いやまあ、確かにこういうシーンで9割のバーテンダーは手持ちぶさたを紛らわすのに、コップ拭いてっけど……。
   じゃあ、行くぞー。せー、のっ(カクテルグラスを横に滑らせる仕草)

歌姫:ヤップ! ヤップ!(滑らせたカクテルの軌道上のテーブルを布巾でものすごい勢いで拭く仕草)

寛子:カーリングか!

歌姫:ヤップ! ヤップ! ……ウォー(拭くのをやめる)。
   ……やりましたわ! 気になる殿方のカクテルグラスを、カウンターから弾き出しましたわ!

寛子:ただの迷惑行為だろ! お店ぐるみで行われた嫌がらせだろ!

歌姫:あ、あちらのお客様からですわ。ミルク

寛子:西部劇とかだったら、『ここはお前みたいなガキんちょが来るところじゃねえぜ!
   さっさとママおっぱいでも吸いに、おうちに帰んな! なあ、みんな! HAHAHA』みたいな意味に取られかねんぞ!?

歌姫:そうして仲が急接近する、お客さんと殿方!

寛子:よぉ今の経緯を踏まえて仲が急接近だのと宣えたな!

歌姫:そうしたらお客さん。実はこのお店、メニューに無い裏メニューがあるんですの。それを出して差し上げますわ!

寛子:おお、盛り上がるやつじゃん。いいね。して、その裏メニューとは?

歌姫:睡眠薬入りカクテル〜

寛子:おいもうこのお店営業停止で構わないだろ!

歌姫:お二人ともでお楽しみ下さいな

寛子:意味ねーよ! 2人して終電逃してグースカ寝ちゃうだけだろ、それじゃあ!

歌姫:お店で閉店時間になっても寝ているお客さんが、一番迷惑なんですわよ!

寛子:十割お前のせいだよ。後のこと考えず睡眠薬ぶちこんだせいだよ!
   もういい。もういいよ!お嬢、お前、バーテンダー全然向いてないよ。バーテンダーごっこ、もうおしまい!

歌姫:えー。まだまだやりたりないですのに……。
   あ、じゃあこうしましょう! ネタキープしておいて、また次のMM-1に持ち越して……

寛子:ボトルキープみたいに言ってんじゃねえよ!
   もうお嬢は、お酒に関わっちゃ駄目!
   というわけで、寛子と

歌姫:歌姫の

2人:単なる雑談、おしまい。ありがとうございました

寛子:よし! 祝杯の準備をしておけ!

予選総合第27位(3回戦敗退) XENOGLOSSIA
審査員
点数
45 58 60 54 65 平均56.40
【審査員コメント】
・ちょっと細かいディテールで損をしてしまっているように思えます。
 「承知いたしましたわー!」「ヤップ!ヤップ!」など、ボケ単体では伝わりづらいものが多く、
 そのせいで普段なら武器であるキャラの個性が、余計ボケの印象を薄めてしまっています。
 「ブランデーにティーバッグ」「言い間違いから連結」などいいボケはあったのですが、全体の印象は今一つでした。
 もっとキャラを生かした面白いネタが出来るコンビというイメージなだけに、少し期待を下回ってしまったかなと。
 構成や流れはとてもしっかりしていて読みやすかったです。
   
・ボケ・漫才として、刺激が足りなかったです。特に口調で個性が出てると強いものを期待してしまうので。
   
・変に会話にこだわったり理屈めいた堅苦しいネタが続いたので、テンポが良く読みやすいコント漫才が見れた。
 外野がしょうもないキャラ論争してるらしいが自分は純粋なネタ作りが出来るのを見せてやるという気概が感じられる。
 ただし、ボケはベタな方で爆発に欠けた。
   
・ボケの当たり外れが大きいネタでした。
 「シャカシャカする」っていうのはアホらしさ全開で好きで、それに思いっきりツッコむのも良いんですけど
 外してしまってるボケに対しても思いっきりつっこんでたので、その辺が少しズレを感じました。
 ボケの取捨選択がもっと上手くなれば、一気に面白くなる可能性のあるネタでした。
   
・お嬢がはっちゃけているネタは好評価をいただくことが多いため、存分にお嬢にはしゃいでいただいた。
 元は即興短文のお酒回で披露した作品だが、MM-1に出すにあたり、4倍に話を膨らませることとした。
 文章媒体の長文では賛否の分かれる動きボケが多いのが気になるところではあるが、きちんと想像できるよう違和感を減らしたつもりではあるため、後は読み手の中にいるお嬢のはっちゃけ具合に期待といったところか。
 ちなみに寛子のテンションが異様に高いのは、たぶんネタがんばってるアピールである。
 決勝行くぜ! と意気込んで書いてはみたのだが、例年の如く下馬評は悪し。
 せいぜい審査員担当者のユニットとして、恥ずかしくない成績を残してくれることを願うばかりである。
   
・ボケの方向性自体は斬新ですね。動きベースのボケが多いからでしょうか。
 面白くなりそうだったのですが、なんというか、お酒やカーリングなど専門用語の多さが読みやすさに影響を与えていたような気がしました。
 あと、歌姫さんの台詞でもっと直感的に笑わせられると良いなぁ、と思いました。寛子さんのツッコミでやっとボケの面白さが分かるものも多かったというか。
 ただその一方で、寛子さんのツッコミフレーズで笑わせる手法自体はとても良いと思います。
 「あとお前、カクテル作ることを『シャカシャカする』って言うの、金輪際やめろ」←これはメチャクチャ面白かったです。
 

No.024 優しい朝の光に包まれて
無として存在する話
木下:はい、どうも優しい朝の光に包まれてですお願いします!
   さてMM-1グランプリということで、ビシっとスーツ決めてやってきましたよ!

山田:あの、ですね木下さん。
   今日はちょっと大事な話…がありまして。

木下:なんですか、いきなりそんな深刻そうな。
   まだスーツの話しかしてないんですよ、もっとこう、野球選手のインタビュアーに憧れてるって話とかをしたくt…

山田:そのこと、なんです。
   木下さんが、今日スーツでビシっと決めてることに関して…大事な話があるんです!

木下:スーツで決めることに関しての話…?
   どういうことですか。

山田:その、まぁあの…この際ハッキリ言わせていただきますと…
   木下さんには、そのー…スーツは不正解、というかですね。
   不正解…いや、まぁ三角で部分点あげても…いや、不正解、不正解ですね。
   …不正解なんですよ!

木下:何回不正解言うんですか!
   そんなに似合ってませんか!?
   いや、まぁでもそういうのって客観的に見てもらってしか分からないことですからね、次からはちゃんと普通の服で来ますから今日は我慢してくださいよ。

山田:いや、そうじゃないんですよ!
   あのね、落ち着いて聞いてください木下さん。

木下:さっきから、比較的落ち着いて聞いてるつもりですけど。

山田:木下さんに対して、服は不正解なんです!!!

木下:…え、服を全否定されてる今!?

山田:落ち着いて聞いてくださいって言ったでしょう!?

木下:これが落ち着いてられるかい!!
   なに、僕に似合う服はこの世にないってことですか!?

山田:似合わないっていうか、不正解なんです!
   木下さんが服を着るっていうそのこと自体がもう不正解なんですよ!!
   木下さんは、解無しなんです。解無し顔なんですよ!!

木下:解無し顔ってなんですか!?
   僕そんなに変な顔ですか!?

山田:そういう話じゃないんです!!
   木下さんが、人より劣った顔をしてるとか、そういうことじゃないんです!!
   でも、そこに、答えが無いんです!答えのない顔、それすなわち解無し顔なんです!!

木下:じゃあなんですか!?
   僕は今から、全裸になって漫才をしろってんですか!?

山田:そういうわけでも無いんです木下さん!!!
   いいですか!!
   木下さんは、皮膚も不正解なんです!!

木下:皮 膚 も ! ?
   皮膚も不正解って、じゃあどうしたらいいんですか!
   全裸になった上に皮膚剥いで神経剥き出しで漫才をしろってか!?
   そんなもん誰が笑うんじゃい!!

山田:わかってください木下さん!!!
   神経も不正解なんです!!!

木下:神 経 も ! ?
   どんどん体が軽くなっていくんですけど、これ神経剥いで肉でとか言い出しても…

山田:当然肉も不正解なんです!!
   骨も、臓器も、全部不正解なんですよ!!!

木下:詰んじゃったよ!!!
   じゃあなに、今から僕は首から下全部無くして、生首がフワフワ浮いてる状態で漫才をしなきゃいけないってことですか!?

山田:まだ、わからないんですか!?
   あなたには、なにもかもが不正解なんです!!

木下:これ以上何が不正解なんですか!!
   もう顔から下には何も残ってない、いわば「無」の状態ですよ!?

山田:木下さんには!「無」が!!不正解なんです!!!

木下:「無」も!?
   …え、「無」も!?
   「有」が全部不正解なのに「無」も全部不正解!?
   正解はどこ!?僕の顔から下の正解は、一体どこにあるの!!?
   
山田:木下さん!!!
   まだ!!あるんです!!!

木下:「無」に何かまだ用があるんですか!?
   これ以上何を否定するというんですか!?

山田:木下さんには、髪が不正解なんです!!

木下:いよいよ、上も行ったか!?
   ってことはなんだ、スキンヘッドにでもしろってか!?

山田:もう分かるでしょう!?
   スキンヘッドも不正解なんです!!

木下:どんどん自分が無くなっていくよ!!?

山田:つまり、正解の髪型は存在しないんです!
   だから、顔すらも邪魔になってくるんです!!
   顔があることが、それ自体が不正解なんです!!

木下:これ以上自分から自分を持っていくなぁああああ!!!
   顔は、最後に残された要素なんだよ!持っていくなああ!!!!

山田:顔から下も、髪型も、顔も、全部が不正解なんですよ!!!!

木下:じゃあなんですか、僕は完全に「無」の状態になればいいんですか!?
   ただ概念としてそこに存在することになってはいるけども、実体のない「無」としての木下ですか!?

山田:何を言ってるんですか、落ち着いてください!!

木下:もう、もう分からんよ!!
   なにも分からんよ!!

山田:木下さんにとっては「完全なる無の状態」も不正解なんですよ!!!

木下:えええええぇぇぇぇ!!!!?
   めっちゃ大きい声出してごめんだけど、えええええぇぇぇぇぇ!?
   それは、何を持って何がどう「不正解」なのさ!?

山田:「木下」という概念がそこに存在する以上、それが纏う空間そのものが不正解なんです!!
   木下さんには、空間が不正解なんです!!!

木下:空間が!!?
   空間の中にある以上何をどうあがいても不正解なの!?

山田:分かって、頂けましたか…?

木下:なんにも理解できないわ!!
   とりあえずこれから僕の人生はどうしたらいいんですか!?

山田:例えば「思念体」として生活する、というのが一つです。
   実体を持たず、空間を纏わない、思念体としての生活。
   それこそが、木下さんに残された唯一の希望です。

木下:スーツを着てきただけで思念体としての生活を勧められるとは思いませんでしたわ!!
   思念体としての生活ってどんなことすればいいんですか!

山田:思念体なわけですから人に話しかけるときは脳に直接、ですね。

木下:脳に直接!?

山田:例えば、先ほど冒頭で言っていた野球選手のインタビュアーに憧れるっていう場合も
   脳に直接インタビューする、シネンタインタビュアーにならなければいけないわけです。

木下:何だその気色悪すぎる職業は!!

山田:じゃあ試しにやってみましょうか。
   僕が逆転サヨナラ満塁ホームランを打ってヒーローインタビューを受ける野球選手をやりますから
   木下さんはそれにインタビューをするシネンタインタビュアーをお願いします。

木下:シネンタインタビュアーのちょっと気持ちいい語感が腹立つわ。

   (放送席…放送席…本日は見事9回裏、逆転サヨナラ満塁ホームランを打ちました山田選手の脳内に来ていますー)

山田:ちょっと!?
   僕の脳内で何をしてるんですか!?

木下:(申し遅れました、私他人の脳内に寄生してインタビューをする、シネンタインタビュアーこと思念体の木下です)

山田:気色悪っ!!!
   なにそれ気色悪っ!!
   え、ちょっと吐きそうなんですけど僕の脳に寄生するのやめてくれませんか!?

木下:(それは出来ません、私にもインタビュアーとしての使命がありますから 終わったら出ていきますよ)

山田:じゃあもう、早くインタビュー終わらせてくださいよ!!

木下:(ちなみにこの声はあなたの脳にのみ届けているので、今独り言を言ってる感じになってますよ)

山田:え!? あ、違います皆さん!!嬉しすぎて情緒不安定になったとかそんなんじゃないんです!!
   今、僕の脳に木下がいるんです!!シネンタインタビュアーがいるんです!!
   このシネンタインタビュアーというのはどうやら思念体のインタビュアーらしくて…

木下:(山田さん、言えば言うほど気色悪いですよ)

山田:気色悪すぎる存在に気色悪い言われた!!
   皆さん、気色悪い存在に気色悪いって言われましたよ!!
   っていうかじゃあさっき放送席に呼びかけてたのはなんなんですか!?

木下:(あれはほら、雰囲気を出そうと思って)

山田:気持ちはわかるけどさ!!
   自分の脳に対して気持ちがわかるってそれはそれで気色悪いけど仕方ないよね!!
   仕方ないですよね、皆さん!!?

木下:(ちなみに、今日はあらかじめ他の選手の脳内にもお邪魔させて頂いたので、皆さんの胸に秘めたる思いから、あなたの知りたくなかった情報までを仕入れています)

山田:なにしてんだてめぇ!!
   自由自在かよてめぇ!!!

木下:(なのでまずはいきなりですが、あなたの絶対に聞きたくなかった情報を、絶対に聞こえる脳に直接お届けします)

山田:やめろぉおおおおお!!!
   絶対聞きたくない!!聞きたくないけど、耳を塞いでも絶対に聞こえる!!
   やめろ!!やめろぉおおおお!!

木下:(あなたはチームメイトから陰で「泥ウナギ」と呼ばれています)

山田:やめろっつったろうがぁああ!!!
   なんだよ、泥ウナギって!!どこらへんが泥でどこら辺がウナギなんだよ!!

木下:(ちなみにこの情報は脳の一番深いところ、いわゆる深層心理から取り出したものなので相当ガチです)

山田:信憑性持たすのやめろぉおおおお!!!
   知りたくなかった情報を独特のソースで持ってきて勝手に送りつけるのやめろぉおおおお!!

木下:(理由としては「なんかヌルヌルしてる時が多い」「黒い」「なんかヌルヌルしてる時が多い」「なんかヌルヌルしてる時が多い」「黒い」「黒い」「黒い」「黒い」など様々でした)

山田:2個しかないじゃねぇか!!
   ヌルヌルしてる時が多いか黒いってか!!
   おい、これを見てるファンの皆!俺そんなに黒いか!?そんなにヌルヌルしてるか!?

木下:(会場から大きな拍手が上がりましたね)

山田:なんの拍手だお前らぁあああ!!!
   さてはお前ら俺のファンでは無いな!?

木下:(会場の拍手がより大きくなりましたね)

山田:やっぱりかお前ら!!!!
   なんだよ!脳に直接届いた情報が一番きついかと思ったけど、視覚と聴覚に来てる今が一番しんどいわ!!
   逆転サヨナラ満塁ホームラン打った日になんでこんな思いせんといかんのや!!
   っていうか、そうだよ!!ヒーローインタビューせえよ!!!ただヒーローを傷つけに来ただけってなんだよ!!

木下:(そう言われてみればそうでした 本日は彼女さんも見にいらっしゃってるということで)

山田:そうだよ!!今日彼女が見に来てんだよ!!
   なんでそんな場でこんな事にならなきゃいけないんだよ!!!
   めっちゃ活躍したから今日の夜に色々と始まるかもってワクワクしてたはずなんだよ!!
   こんなやつと何が起きるって言うんだよ畜生!!!

木下:(…………)

山田:…おい!!…おい!!?
   急にいなくなったよ、なんだこれ!!!
   いなくなったってことはこれでインタビュー終了か!?
   なんだよこれ!!なんの時間だったんだよ!!

木下:(ただいま)

山田:帰ってくんなぁあ!!
   こんな腹立つただいまは初めてだ!!!
   ってかお前どこ行ってたんだよ!!

木下:(ちょっと彼女さんの脳にお邪魔させていただきました)

山田:お前本当に自由自在だなこの野郎!!?

木下:(はい、ここでお待ちかね!知りたくなかった情報を産地直送のコーナー!)

山田:やめてくれえええええ!!!!
   一番知りたくない!!本当に一番知りたくないやつだから!!!

木下:(「明日から私も泥ウナギって呼ぼうかしら」と考えていまいたよ)

山田:泥ウナギィィィイイイ!!
   なんで彼女に泥ウナギって呼ばれなきゃいかんのや!!
   …っていうか彼氏がこれだけ一人で取り乱してる割に結構冷静だな彼女!!
   彼女ぉ!!おぉい!!彼女ぉ!!!

木下:(というわけで大体目的は果たしたので、私はこれで帰ります お邪魔しましたー)

山田:本当にただただ傷つけに来ただけかよ!!
   なんだこれ!!活躍した日に!!なんだこれ!!
   畜生ぉぉぉおお!!!!


   …みたいなね、こんな感じになります。

木下:悲劇的すぎるわぁああ!!!
   いや、僕の演じ方にも悪意はあったかもしれないけど!!!!

山田:とにかく、これからの木下さんはこれが正解です。

木下:絶対そんなはず無いわ!!


No.025 バトルロワイR
Thank you! 190 X-nen.
R:はいどーも! バトルロワイRです!よろしくお願いしまーす!

?:バトルロワイRくんとその友人の俺、2人合わせてバトルロワイRです。張り切っていきましょう。

R:日本における家庭用核シェルターの普及率は0.02%だけど、アメリカでは82%、ノルウェーでは98%、スイスやイスラエルでは100%なんだよ。日本低いね。

?:へー、そうなんだ。でも、核シェルターは自然災害とかにも有効だからね。日本でももっと普及しても良いと思うわ。

R:そこで、俺の家にも核シェルターが欲しいと思ってね。200万円くらいからでも買えるらしいんだけど。
もし買った後に、世界規模の核戦争が起きたらお前と2人でその核シェルターに逃げ込むと思うんだ。

?:おお、最悪の場合を想定してるけど俺のこともいれてくれるんだ。ありがたいね。

R:2人で助け合いながら核戦争終結の時を待つわけだけど そう簡単に出入りできないから、あらかじめ中に持ち込むものを考えておいたほうが良いと思うんだよね。

?:まあね。何事も備えはあったほうがいいからね。

R:で、まず必要なのはコンドームだよね。

?:張り倒すぞ貴様。不要だよ。俺に何しでかす気だよ。

R:えっ、生がいいの?

?:そういうことじゃねえよ。核戦争中で皆が核の脅威に怯えているのにホモセックスしてるやつがいてたまるか!
  核シェルターに逃げ込んだんだから、生き延びなきゃいけないだろ?じゃあ、真面目に必要なものを考えろよ。

R:そうだな。じゃあ、やっぱり水と食料はある程度必要だよね。

?:良いよ、そういうのだよ。生き延びるために必要だな。

R:で、保存がきくように粉ミルクとか良いと思うんだ。

?:まぁ、長期戦になるかもしれないからな。生肉とか持ち込まれても困るし、保存性は大事だよ。

R:あと我々人間として排泄は必ずするものだから、オムツとかね。

?:あー、そうだね。核シェルター内にトイレがあるとは限らないからね。

R:あとは、やっぱり赤ちゃん用の服だね。生まれてからずっと裸にさせとくわけにはいかないから。

?:おい、誰も出産前に準備しておくものを挙げていけとは言ってないぞ。オムツとか粉ミルクも赤ちゃん用のつもりだろ。
  何の備えだよ。平和が再び訪れる日を待ち望みながらお前と熱い一夜を共にしてたまるか!それで、男同士で新たな生命を生殖できねえよ!

R:あと、赤ちゃん用のマシンガンね。

?:赤ちゃんできる想定を続けるなよ。そんで、出産前に準備しておくものですらねえよ。
  戦えないよ。持たせたら口にくわえちゃうよ。誤射しちゃうよ!

R:あと、生後12〜24ヶ月以内に予防接種しておかないといけないMRワクチンね。

?:だから赤ちゃんできる想定を続けるなって。たしかに風疹・麻疹は予防接種しないといけないからMRワクチン大事なんだけども。

R:あと雨漏りした時のためにバケツも何個か必要だな。

?:急にグルッと方針を変えて来たけど、雨漏りする核シェルターになんて逃げ込みたくねえよ。耐久性がまったく信頼できねえよ。

R:そのバケツが外から入って来た風で位置をズラされないように少し重いバケツにしないとね。

?:核シェルターには外から風 入ってこねえよ。すきま風が吹き込む核シェルターなんてあってたまるかよ。

R:あと突然、避難者がいっぱい押しかけて来たけど全員が逃げ込むだけのスペースはなくて、
  よし皆いらないものは全部外に捨てろ、一人でも多くの人が入れるようにするんだってなった時に真っ先に外に捨てるためのティラノサウルスの化石の展示用レプリカね。

?:はじめからそんなもの持ち込むんじゃねえよ。 邪魔で仕方ないし、そもそも何で持ってるんだよ、博物館の館長かお前は。

R:まぁそれでも、どうしても1人だけ入れなくなっちゃったりしてね。その人は愛する人を置いてその場を後にするわけだけどさ。
  そこで、「何かの役に立つかも知れん。持っていけ。」って渡すためのラジカセの保証書ね。

?:そんなの要らねえよ。 ラジカセでさえ使いどころない有様なのに、絶対 有効期限切れてそうな保証書なんてケツ拭いてポイだよ!

R:それで、もし核シェルターの中にいる人が多くなってきたら、核シェルター内の秩序が大事だからね。
  持ち込んだ相撲のルールブックを参考に核シェルター内での決まり事を決めたりね。

?:参考にするものがおかしいだろ。核シェルターという名の土俵から外に出たらアウトっていう分かりきったことしかないよ。

R:そんなことはないよ。相撲にはまわしの前袋が外れて局部が露わになったら反則っていう不浄負けがあるんだから。
  これを元に核シェルター内では、己の局部を露わにすることを禁じるよ。つまりホモセックスも禁止。残念だけど仕方なく。

?:相撲すごく参考になるじゃねえか。日本の宝だよ相撲は。

R:それと、相撲とか関係なくただ純粋に遊泳も禁止。

?:そりゃ泳ぐところが無いから禁じずともやらんわ。

R:あと、食事のマナーに関する本も必要かな。蕎麦のすすり方などと一緒に 泥水のすすり方も載ってるやつね。

?:そんな本は出版されてねえよ。泥水をすすってでも這い上がる人向けだなんて需要が極めて小さいからな。

R:でも、あんまり秩序が良くて素晴らしい核シェルターライフを築き過ぎると、その噂は外に広がり 逆に他所の核シェルターに狙われてしまうからね。
  対策を練らないと。

?:素晴らしい核シェルターライフって言葉 夢 無いな。まぁ、たしかに出る杭は打たれるからな。
  もしかしたら俺らを殺して、核シェルターごと乗っ取りに来る野盗とか現れるかもしれないわ。

R:素晴らし過ぎない核シェルターライフには まず、核シェルター内のルールを破る者が現れること。ルール破りはワルの基本だよね。
  ほら、相撲の不浄負けを参考にして作ったあのルール。お前、それ破れよ。愛に制限など無用ってこと見せつけろよ。

?:相撲では禁じられてる拳で殴るからな。髷を結ってから掴んで引っ張るからな。

R:その相撲のルールは破らなくて良いんだよ。ホモセックスのことだよ。

?:お前の言動を泳がせておくから、勝手に遊泳禁止を破ってやがれ。

R:残念。あと、対策としては野盗を撃退することかな。

?:あー、武力衝突は起こっちゃうよなぁ。

R:核シェルターにネットを張って、中を漁れなくしたりね。

?:お前の想定する野盗はカラスか。

R:さらに入口の両脇には強そうな像を1体ずつ置いて、寺院っぽい雰囲気を出して入って来にくくする。

?:最近のカラスは静止してる案山子にはビビらないらしいぞ。野盗はわからんけど。

R:ホントは風神・雷神の像を置きたいけど残念ながら持ってないから、代わりに風疹・麻疹の像を置くよ。

?:それ病名だからな。どんな造形してるんだよ。

R:あと、敵を迎撃のために武器を用意しておくとかね。赤ちゃん用のライフルなど。

?:赤ちゃん用である必要がないわ。つーか、そもそもそんなの無さそう。

R:他に武器としてはブーメランなんかも良いよね。外に投げた後わざわざ回収しに行かなくても手元に戻ってくるから、飛び道具なのに使いまわせるという利点があってね。

?:敵に命中したら手元に戻ってこないだろうが。

R:そして、内側にも敵が潜んでないか目を向けたりね。避難者を入れてあげる際には危険物やスパイ用の通信手段を持ち込んでいないかボディチェックをしよう。
  もちろんお前にもな。

?:癪だけど、核シェルターの持ち主はお前というわけだからそれくらいの粗相は許そう。

R:お前のことは一人調べる毎に触る。ケツを重点的にチェックし直す。

?:一休み感覚で気安く触ろうとすんじゃねえ。やっぱ、指一本触れさせないし、一本たりとも入れさせねえからな。

R:ボディチェックを続けていると、やっぱり怪しい通信機器を持ってることが発覚する奴がいたりしてね。
  その通信機器も課税の対象とするから、税関としては見過ごせないよね。

?:いつから税関逃れを取り締まることが目的になったんだよ。

R:そしたら、そいつはバレてしまったら仕方がない こうなったら捨て身覚悟だと言わんばかりに「かくなる上は」って言うよね。
  だから、「―ス」って言い返すことによって2人で「ウエハース」って単語を奏でるんだ。

?:残念ながら奏でられる単語の音は「ウエワース」になるぞ。無駄な行為に拍車が掛かるな。

R:で、もしそいつが逃げ出したりしたら、「ボスに伝えときな。二度とウチを狙おうなんて思わないことだ。」って言って 撒きびしをぶつけてやるよね。

?:正しくない使い方で良いんだったら、ぶつけるのは他のものでもいいわ。

R:ついでに、「鬼は外―」とも言ったりね。

?:勝手にスパイを鬼役に仕立て上げて節分行事を消化してる場合かよ。

R:スパイを撃退することによって、ウチの核シェルターは再び平穏を取り戻すんだ。

?:核戦争中という想定を鑑みると平穏を取り戻したとは言えないだろ。

R:そしたら、俺たちは以前交わした「戦いが終わって平穏を取り戻したら結婚する」という約束を果たす。

?:そんな死亡フラグを打ち立てた覚えはない!

R:こうして晴れて2人揃って役所に行って無条件降伏届を提出。降伏するとともに2人は愛で幸福を得ます。

?:そんなチートアイテムを受理してくれる全能機関はないだろ。

R:うん、ビジョンは完璧だね。こんなハッピーな展開が訪れるなら核シェルターライフも悪くないかも。

?:俺は核兵器の根絶が絶対に必要だと思い直したよ。戦争反対。

R:あぁ、つまりラヴ&ピースだね。じゃあ、今から俺とのラヴを深めようか。

?:ホモ押しも大概にしろ! もうこれ結構!

予選総合第16位(準決勝敗退) バトルロワイR
審査員
点数
63 76 50 55 91 75 平均68.33
【審査員コメント】
・要約するとホモの話ですね。君もそっちの世界に行ってしまったか。
 話の出だしが急で入り込むのに時間がかかりましたが、流れが淀みないのでさほどロスにはなりませんでした。
 非現実的な設定ながら説得力があるため、ティラノサウルスのような突飛なボケも分かりやすい。
 ストーリーに関しては文句なしなんですが、盛り上がりどころに薄いのが玉にキズですかね。
 ニヤニヤは出来るんですが噴き出すには至らなかったので、どこか山場があればかなり変わるかと。
 カラスなどの冷静なツッコミが良かったので、そこを突き詰めてもいいかもしれません。
 あと最初のボケがコンドームというのは人を選ぶぞ。
   
・核シェルターに何持ち込むか、っていう話してること自体がすごく面白い。
 ありえないことじゃないけど聞いたことねえよそんな話、っていう。
 ちょっと話がわからないところあったけど(相撲のルールのところなど)おもしろかったです。
   
・前振りが突然だった点から、何かあるなと思って待ってたが特に何もなかった。けど、悪くない。
 ホモ押し、赤ちゃん押し、普通のボケが巧いことマッチングしてて、今までとは違う新しい切り出し方を垣間見れた。
 こういったツッコミをする場合は強烈なボケが必要となるんだけど、
 「こんなものをシェルターに持ち込むのはおかしい」の羅列レベルでは少し弱い。もう少し展開が欲しい。
   
・ボケ一個一個のレベルが高くて、面白かったです。
 「風疹・麻疹の像」はかなり笑いました、なんだよその像は。
 ただ「決定的な一打」に欠けるというか、高得点を付けるほど正統派としてしっかりしてたわけではなく
 印象に残るほど奇抜なわけでもなく、ちょっと微妙な部分が感じられました。
   
・しゃべくり漫才の体裁を取っておきながら、なんてぇトークテーマだ……。
 色物感満載なテーマながら、しかし各々のボケが実にしっかりとしている。
 ボケに当たり外れこそあれど、当たった時のインパクトは凄まじいものがありました。
 それこそ、外れのボケの印象を打ち消すくらいには。
 赤ちゃん用品、野盗はカラスか、ウエワース、あたりが個人的にお気に入りです。
   
・3行目の唐突な導入がなんか面白いですね。「日本低いね。」じゃないですよww
 「核シェルターに入ったら」という設定自体が斬新だったのもあり、目新しさが光りました。
 像あたりまでは面白かったのですが、終盤に意外なボケや展開が少なかったのが惜しいです。伏線回収というよりは再利用ぐらいで終わってたかなぁ、と。
 それにしても、何故ホモ推しだったのでしょうかw 設定との相性は確かに悪くないんですけどね。
 

No.026 PARTY NOISE
movie×future×crasher
鳴子:我々は未来から来た漫才師です。

神崎:はいどーもPARTY NOISEでーす! よろしくお願いしまーす! 現代人でーす!

鳴子:アサヒビール本社の屋上にウンコみたいなヤツあるでしょう? あれがタイムマシンです。

神崎:アサヒビールの関係者の皆様ごめんなさーい! あとでクリアアサヒ箱で買うんで許してくださーい!

鳴子:さぁ頑張っていきましょうね神崎君!
   独裁者によって娯楽のない管理国家になったネオ日本を笑いで救うために漫才頑張りましょうね!

神崎:巻き込まないでよー。そんなB級SFみたいな宿命背負ってしゃべくってないよー。

鳴子:それにしても、この時代の人々はまだ腕が2本しか無いんですね?

神崎:未来が怖いよー。日本はどんなもののけ国家になっちゃってるんだよー。
   鳴子ちゃん、そういうたわごとは帰りの電車で聞くからさ。ちゃんと漫才しよう。

鳴子:そうですね、それではギャルの投げ飛ばし方の話でもしましょうか。

神崎:興味も需要もありゃしないよー。そういうのじゃなくて、もっと皆さんが興味のある話をしないと。

鳴子:ギャルは下手に掴むとパネェパネェわめきますからね、まずは打撃で弱らせて……。

神崎:ちょっとは取り合ってよー。ギャルを何だと思ってるのさー。

鳴子:1、2本目の腕で打撃、3、4本目の腕でガードをして、5、6本目の腕でガシッと掴んで……。

神崎:2本しかないよー。残念ながらこの時代の人々の腕は2本しかないよー。

鳴子:なっ……だったら皆さん、四方を洗濯物に囲まれた時はどう対処するんですか!?

神崎:1個ずつたたむよー。未来の主婦も相変わらず家業に追われてるんだねー。もういいよ、僕が話すよ。

鳴子:おっと、もしや神崎君のすべらない話、「みかんかと思ったら不発弾だった話」ですか?

神崎:そんな珍エピソード持ち合わせてないよー。
   あのね、僕映画館で映画を見るのが好きなんだけどさ。

鳴子:わぁ奇遇ですね。私も映画館で騒ぐ子どもたちにポップコーン投げつけるの好きです。

神崎:仲間面しないでよー。楽しみ方が光年単位でかけ離れてるよー。
   まぁ映画見るの好きなんだけど、ひとつ要らないなと思うものがあってね。

鳴子:要らないもの? 何ですか、鼻とかですか?

神崎:要るよー。身体のパーツはだいたい要るよー。

鳴子:鼻なんて顔面床に叩きつけられた時に真っ先に折れちゃうから要らないですよね?

神崎:それで「あるあるー!」とか言う界隈無いよー。どんな緊急事態を想定してるんだよー。

鳴子:そんな鼻はこうバッと取ってですね、ギャルにピュッと投げつけてですね! 怯んだすきにガシッ、ビターン!!

神崎:ギャルいいよー。みんな鼻は取れないしギャルとも戦わないんだよー。

鳴子:「ちょ、鼻投げるとかパネェ! マジヤヴァくね!? ゲロゲロゲロゲロ!」

神崎:投げられたギャルやらなくていいよー。色んな世代が入り混じるギャルやらなくていいよー。
   そうじゃなくてさ、僕が要らないと思ってるのは、本編の前の長い予告編ね。

鳴子:よこくへん!? 何それパナくねさげポヨでゲロゲロゲロゲロ!!

神崎:帰ってきてよー。いつものエキセントリックな鳴子ちゃんに戻ってちょうだいよー。

鳴子:ハッ! す、すいませんナルコ、我を忘れていたナルコ……!!

神崎:そんなキャラだったっけー。そんな語尾だけで個性を表すキャラだったっけー。

鳴子:まあ、話はだいたいわかりましたよ。昔映画泥棒に親戚一同寝取られたって話でしょう?

神崎:わかってないよー。そんな事案発生してたら僕は映画館を爆破して回るテロリストになってるよー。
   そうじゃなくて、映画の前の長い予告編は要らないんじゃないかって話。

鳴子:何言ってるんですか、予告編が無かったら何を映画館で見ろと言うのですか!!

神崎:本編見なよー。メインディッシュが残ってるよー。

鳴子:あの予告編の時間があるから、本編が始まる前に騒ぎそうな子どもに目星をつけられるんじゃないですか!

神崎:その活用法は鳴子ちゃん独自だよー。ロックオンのために予告編は垂れ流されてないんだよー。
   だってさ、映画見る前に興味無い予告編見せられたら、本編始まる前に眠くなっちゃわない?

鳴子:な、何言ってるんですか! 映画館で寝るとか逮捕されるじゃないですか!

神崎:どこの法律だよー。鳴子ちゃんを取り巻くルールは僕とは違うのかなー。

鳴子:映画館で寝たら3年以下の懲役もしくは10万円以下の罰金って、2年前の2026年に定められたじゃないですか!

神崎:そういや僕達未来人だっけー。意外と近い未来だったんだねー。

鳴子:映画上映中に少しでもウトウトしようものなら、すぐさま未来警察がジープに乗ってしょっぴきに来ますよ!

神崎:何に税金使ってんだよ2028年ー。そんな世界があと10年ちょいで到来とかホラーだよー。

鳴子:そんな世界を変えるため、我々はウンコに乗ってこの時代に来たんでしょう!?

神崎:アサヒさん本当にすいませーん! ストロングレフルでブッ飛ばされても文句言いませーん!

鳴子:それにしても、この時代の人々はまだアゴが1つしか無いんですね?

神崎:話戻そっかー。一旦その未来予想図は破り捨てておこうかー。

鳴子:おっとすいません……えっと、ピクサーの電気スタンドに親戚一同寝取られた話でしたっけ?

神崎:何でいちいち映画の前のヤツに親戚一同寝取らせるんだよー。予告編の話だから。

鳴子:ハッ、そうでした! 予告編をないがしろにするなんて、お天道様が許してもお竹林鳴子が許しませんよ!!

神崎:話聞く限りじゃ鳴子ちゃんもろくに予告編見てなかったけどー。ただただ子どもたちを凝視してただけだけどー。

鳴子:こうなったら神崎君、私と一緒に映画館に行きましょう! 
   神崎君が予告編で寝そうになったら、私が叩き起こしてくれてやりますよ! バチコーンと!

神崎:えー、やだよー。だって鳴子ちゃん上映中にポップコーンぶちまけるんでしょー?

鳴子:安心してください。私の技術なら神崎君をかわしてポップコーンを投げることなど造作もないこと。

神崎:まずポップコーン投げないでほしいんだけどー。当たる当たらないが問題じゃないんだけどー。

鳴子:とにかく行きましょうよ! 断られたら私はショックで白目剥いて死にますよ!?

神崎:どんだけメンタル弱いんだよー。わかったよ、じゃあ一緒に映画館を見に来たってことで、今からやってみよう。

鳴子:合点承知ですとも。あ、何を見に来たことにします? ナウシカ?

神崎:今映画館でやってないよー。ナウシカ見たけりゃ金曜ロードショーで間に合うよー。
   映画のチョイスは鳴子ちゃんに任せるから。それじゃ始めようか。

鳴子:了解です。さぁ、楽しい漫才コントのスタートです! 見てなさいよ未来独裁者ポコポコ太郎!

神崎:未来はずいぶんひょうきんなやつに独裁されてんだねー。





鳴子:いやはや神崎君、そろそろ「みかんかと思ったら不発弾だった話 〜THE MOVIE〜」が始まりますね!

神崎:そうだねー。まさか僕のすべらない話が映画化されるとは思わなかったなー。

鳴子:私もビックリですよ、まさか宮崎駿の最新作が神崎君のすべらない話だとは。

神崎:しかもまさかのジブリアニメかー。そんでもって宮崎監督案の定引退しなかったんだー。

鳴子:そんなことよりそろそろ始まりますよ。ちゃんとポップコーン3袋買ってきましたか?

神崎:どんだけ投げつけるつもりなんだよー。何が君の原動力なんだよー。

鳴子:ふっふっふ……あの坊主の子とか、ポップコーン当たったらいい声で鳴きそうですねぇ……ジュルリ……。

神崎:早速品定め始めたよー。おや、そうこうしてるうちに予告編が始まった。
   うわっ、外国のつまんなそうなラブストーリーの予告編だー。眠いよー、助けて鳴子ちゃーん。

鳴子:えへへ、あのメガネの女の子も当てがいがありそうですねぇ……!!
  その後ろの襟足長い男の子も……あっ、ダメだ、隣の父親にタトゥー入ってる……!!

神崎:何しに来たんだこの子ー。叩き起こしてくれんじゃないのかよー。ウトウト……。

鳴子:もうこれはポップコーンじゃ足りない! 神崎君、農家から取れたてのトウモロコシを……ちょっ、何やってんですか!?

神崎:こっちのセリフだよー。何やってんだよ、眠い僕をほったらかして何やろうとしてんだよー。

鳴子:映画館で寝るとか、神崎君には常識が無いんですか!?

神崎:こっちのセリフだってー。ポップコーンテロリストに常識語られたくないってー。

鳴子:そんなことしてたら、未来警察が神崎君を捕らえに!
   「バーン! 睡眠者を探知した、これより捕縛を開始する」
   くっ、来たわね、ポコポコ太郎の手先めが!!

神崎:あれこれ何が起きてんのー? いつの間に僕は未来の世界にやって来たのー?

鳴子:「映画見てる最中に寝るなんてパネェ!! マジでヤヴァくねゲロゲロゲロゲロ!!」

神崎:何で未来警察ギャルなんだよー。未来の採用基準なんなんだよー。

鳴子:気をつけてください! 未来警察に捕まったら顔面床に叩きつけられて鼻折られますよ!

神崎:だから鼻不要説唱えてたんだー。どんどん点と点が線になってゆくー。

鳴子:させません、神崎君は私が守る! ハーッ、ニョキニョキっ!! ニョキニョキニョキニョキっ!!

神崎:うわっ、鳴子ちゃんの身体中から無数の腕が! なんてポップコーンをばらまきやすそうなんだ!!

鳴子:「上等!! ポコポコ太郎様に歯向かう者は鼻をへし折ってゲロゲロゲロゲロ!!」(バッ)
   かかってきなさいナルコ、へし折られる前に鼻もぎ取ってやるナルコナルコナルコナルコ!!(ダッ)

神崎:なっ、鳴子ちゃん!? 鳴子ちゃぁぁぁーーーーーん!!!

鳴子:―――――こうして始まった、未来政府との戦い――――

、   ―――――神崎と鳴子は、果たしてポコポコ太郎を打倒し、未来を変えられるのか―――――

   ―――――そして東映の波しぶきに寝取られた神崎の親戚一同は帰ってくるのか―――――



 「 み か ん か と 思 っ た ら 不 発 弾 だ っ た 話  〜THE MOVIE〜 」

     ―――― coming soon ――――



神崎:え、これ全部予告編だったの!? 僕のすべらない話ってこんな壮大だったの!?

鳴子:今劇場に来れば、もれなく鳴子の鼻ストラップ貰えるよ!

神崎:ほとばしるほど要らないよー。何の集客効果も見込めないよー。

鳴子:おやおや、さっきと言ってることが変わってますよ……? 鼻は要るんじゃなかったんですか……!?(にやーり)

神崎:してやったりみたいな雰囲気出すなよー。めっちゃムカつくよー。

鳴子:さぁ神崎君、これでわかったでしょう? 予告編の素晴らしさ、そして鼻の不要性が!! ばばーん!!

神崎:ばばーんじゃないよー。伝わってこないよー、鳴子ちゃんの突飛っぷりしか伝わってこなかったよー。

鳴子:つ、伝わらないですって……!? あっ、あばばばば……!!!(白目)

神崎:メンタルの弱さが出てるよー。急にこっちが加害者にされちゃったよー。
   もういいよ、とりあえず謝ろう? さんざんふざけ散らかしたことを皆さんに謝ろう?

鳴子:わかりました……皆様、屋上のオブジェをウンコとか言ってすいませんでした!

神崎:今更アサヒビールに謝んのかよー! いいかげんにしちゃってよー。

2人:どーもありがとーございましたー。


No.027 バニーガール
2013年を振り返る
爽雄 バニーガールです。第12回MM-1グランプリということで、頑張っていきましょう。

陽子 よろしくお願いしまーす!それにしても、2013年は色々なことがあったよね!毎年言ってるけど!

爽雄 初っ端から身も蓋もないこと言わないでくれ。
   プロ野球楽天の日本一や、消費税引き上げの決定など様々な話題がありましたが、1番印象に残っているニュースは何ですか?

陽子 そうだな〜、去年の大ニュースと行ったら、やっぱり六輪だよね!

爽雄 輪っかが1個多いな。まあ、2020年のオリンピック開催が東京に決定しましたよね。
   そんで、毎年その年の漢字を一文字で表しているけど、去年の漢字は何だったか覚えてる?

陽子 「今」でしょ!?

爽雄 ある意味当たってるけどな。ニアピンだ、ニアピン。

陽子 でしょ?流行語大賞も獲ったし、森先生も一躍時の人だもんね!

爽雄 林先生だな。何で植林しちゃったんだよ?その1個数が多いってボケを連発しないでくれ。パターン入るな。

陽子 正解はなんだっけ?「六」?

爽雄 数字だったとしても間違ってるぜ?正解は「輪」だから。何で話の流れから分からねえんだよ?

陽子 えぇ〜、その漢字が選ばれた理由は夏に公開された「貞子3D2」が空前の大ヒットを飛ばしたからなのに!

爽雄 そんな理由で決まってねえわ。因みに言うほどの大ヒット飛ばせてねえよ。
   話を戻すと東京でのオリンピックが1964年以来の開催決定とういことで感動しましたよね。

陽子 お客さんの中で40年前のオリンピックのこと覚えてる方、または出場された方どれくらいいらっしゃいますかー?

爽雄 東洋の魔女は流石にいないと思うぞ。

陽子 それにしても、いざ2020年になった時にこう言った興奮や感動が忘れられいるってこと考えられない?

爽雄 確かに時の経過は早いからな。特にお前は去年の漢字ですら既に忘れてるし。

陽子 でしょ!?そこで私は6年後の私に向けて2013年にあった出来事をタイムカプセルに書いて手紙に入れようと思ってるんだよ!

爽雄 手紙をタイムカプセルに入れようか。
   まあ、その時自分で思ったことを実際に書いておくって言うのもいいかもしれないな。

陽子 ただ、6年後に恥をかきたくないから、ちょっとチェックしてほしいんだよね。
   書いてきた手紙読みあげるから。(赤いしみのついた便箋を取り出す)

爽雄 何で血痕が付着してるんだよ?百歩譲って出血していたとしても何でその状態で書いたんだよ?

陽子 じゃあ変な所あったら教えてね!

爽雄 既にフライングで1個見つけてたけどスルーされたな。前途多難とはこのことだ。

陽子 「拝啓、2020年後の私へ。」

爽雄 西暦4014年へのロングパスとか。そこは「6年後」か「2020年の」私じゃないと生き物としてどうなんだってなるぜ。

陽子 「お元気ですか?私は今、包丁で指を切った所です。」

爽雄 意外と早い段階で出血の理由は分かったな。同時になぜそのタイミングで手紙を書き始めたかの謎は深まったけど。

陽子 「タイムカプセルを掘り起こしてこの手紙を読んでいるあなたの手の色は何色でしょうか?」

爽雄 未来の自分に最初に聞く質問がそれでいいの?
   多分どうもなってないと思うし、強いて言えば土が付着しているから若干茶色いと思う。

陽子 「2013年は激動の年で、社会では様々なことがありました。
    2020年に開催されるであろう東京オリンピックは、2013年に開催が決定したんですよ!」

爽雄 そうそう。そういうことを言った方がいい。

陽子 「それに向けて、日々の練習頑張ってください。」

爽雄 何を目指してんだよ?その手紙を受取るまでの間に何が起こるんだよ?

陽子 「2013年の漢字は「輪」となりましたが、オリンピックが開催される2020年にこそこの漢字がふさわしいとは感じます。」

爽雄 それは一理あるかもしれないけどな。まあ、同じ漢字が複数回選ばれるっていことはあるし、いいんじゃないか?
   過去に五輪で金メダルラッシュがあった2000年と2012年の漢字は「金」でしたよね。

陽子 「あまり被るのもどうかと思うので、2020年の漢字は「銀」になる思っています。」

爽雄 だからと言ってだ。完全に2位狙いじゃねえか。

陽子 「2位じゃあダメな場合は、日本代表選手、政治家の皆さんに頑張ってもらって、3回目の「金」の選出を狙って欲しいです。」

爽雄 政治が絡んで今年の漢字が「金」でしたってもう嫌な予感が6年越しに漂ってくるわ。

陽子 「それにしても開催地が発表される瞬間はドキドキしました!
    IOCの会長が封筒を開けて開催地の書いた紙をカメラに向けて、「HEISEI」!」

爽雄 「TOKYO」だろ。竹下登さんはいなかっただろうが。こと政治に関しては更に過去に遡りすぎてるぞ?
   まあ、その決定の過程にはやっぱりプレゼンテーションがあったからこそですよね。

陽子 「プレゼンでは、アナウンサーの淀川クリステルさんが言っていたセリフが流行語になりました!」

爽雄 プレゼンで「サヨナラサヨナラ」とか言ってなかったと思うんだが・・・字面では似てても音として全然違うっていうね。

陽子 「フランス語のスピーチの中で「お・も・て・な・し」って言って、両手を合わせて、「♪お仏壇のーはせがわー」」

爽雄 両手を合わせたところまでは当たってる。スポンサーか何かだとしても宣伝の方法間違えすぎてるな。

陽子 「ステマの究極系を見ました!」

爽雄 ステルスの意味分かってねえだろ?IOC総会は全世界に中継されてたんだから。

陽子 「そして、これから開催までに我々日本人はよりおもてなしの精神を磨かなければならないのです。」

爽雄 諸外国から選手や観客が詰めかけるわけだからな。

陽子 「でも、その点はあまり心配していません。なぜなら都知事が率先して医療機関から5000万円もてなされたわけですから!」

爽雄 それとこれとを一緒にするなよ。あれは単純なる不正だって。

陽子 「この調子なら2020年の漢字も「金」になりそうですね!」

爽雄 暗い未来を暗示させるなや。猪瀬元都知事の事件が6年後にまで引っ張られると知った日には日本に居たくなくなるぜ。

陽子 「一応全額返金したのですが、一度失った信頼は取り戻せず、猪瀬さんは都知事の職を辞めることになりました。」

爽雄 まあ、当然っちゃあ当然だな。

陽子 「さらに5000万円上乗せして「倍返しだっ!」って言えば何とかなったかもしれないですね。」

爽雄 2020年にはその言葉も死語になってそうだけどな。

陽子 「しかし、明るい話題だけではありません。年の瀬には大手のホテルや食品会社で、食品の表示偽造が発覚しました。」

爽雄 芋づる式に問題が明るみになっていったよな。

陽子 「例えば、一例を挙げると、芝海老と表記していたのにブラックタイガーを使っていたなどです。
   でも、この問題には消費者にも大きな問題があったと思います。」

爽雄 そうか?素人の舌では味の違いはわからないような微々たるものだったらしいけど。

陽子 「だって、いくらなんでも海老と虎の味の差も分からないような人ばっかりだったってことですから。」

爽雄 ブラックタイガーは海老だよバーカ。虎を食った人の方が希少だっての。なんだったら食われた人の方が多いっての。

陽子 「また、TPPへの参加を表明しました。何の略かわかっていますか?」

爽雄 まさか未来のお前も6年越しにこんなクイズが出題されるとは思わないだろうな。

陽子 「正解は、「Trans-Pacific Strategic Economic Partnership」」

爽雄 日本語で言えば環太平洋戦略的経済連携協定のことだな。でも、英語で言うのはなんとなくかっこいいぞ。

陽子 ・・・「This agreement is a purpose to abolish a tariff at the time of the trade of the Pacific Rim…」

爽雄 だからと言ってだ。今日2回目。

陽子 「By the elimination of tariffs, export of Japanese products will increase, 
    but by cheap crops from overseas can be easily imported,
    you can get hit in the agricultural surface of Japan can be considered.」

爽雄 さっきの台詞から言いますと、「この協定は環太平洋地域の関税を撤廃することが目的です。
   関税を撤廃することで、日本製品の輸出が増えますが、海外からの安価な農作物が輸入されやすくなることで、
   日本の農業面で打撃を受けることが考えられます。」だそうです。ストップ。図に乗るな、降りやがれ。

陽子 何よー?人が気分に乗って英語でのスピーチをしているところなのに。

爽雄 趣旨変わってるじゃねえか。言いたいことは3つ。まず、英語で手紙書くのはやめたほうがいい。
   現時点で僕に、将来的に自分にも面倒を掛けることになるからな。

陽子 えぇ〜、ここで書き直すのは現在の私の手間になるんだけど。

爽雄 多数決的にはお前1人対僕と未来のお前の2人だから書き直すようにな?
   次に、僕がツッコミをやってたけど、その上に翻訳っていう仕事をやらせないでくれ。

陽子 ありがとう!見ている人がわからなかったらどうしようかと思ってたから!

爽雄 なぜそんなリスクを冒してまで面倒なことをやっちゃうんだよ。そんで最後にこれも役割の話なんだけど、ボケろや。
   あんだけ英語でベラベラしゃべって何一つ間違ったこと言ってないっていうのはどういう了見だ?

陽子 これからはバイリンガルがいいと思うの!

爽雄 他所でやってくれ。っていうか何なんだこのコンビは?1人が「英語をしゃべる」人で、もう1人が「それを翻訳する人」って。

陽子 斬新だと思うんだけどなあ。

爽雄 英文の直後に翻訳が流れるってスピードラーニングじゃねえんだから。後に残ったのは僕のストレスと相方のドヤ顔って。

陽子 でも、私の英語力と女子力に驚いたんじゃないの?

爽雄 それだけにステルスの意味が分かってなかった疑問が浮き彫りになったぞ。女子力に至っては話にすら挙がってねえし。

陽子 じゃあ翻訳に加えて、いい加減でもいいから手話をやってよ!

爽雄 適当な手話って、南アフリカのマンデラ元大統領の追悼式でやってたやつじゃねえか。
   世界中から避難受けたようなことをさせるんじゃねえよ。そんで僕の仕事増えてるし。

陽子 ここでもお仏壇の長谷川大活躍だったね。

爽雄 オリンピックに元大統領ってどんだけ仏壇ネットワーク広いんだよ?・・・どっちもやってねえわ。バカか。

陽子 まあ、話が脱線しちゃったから元に戻して、手紙を読み直すよ!尺もないし!

爽雄 誰のせいか胸を手に当てて考えやがれ。

陽子 「話は戻って、2020年の私は・・・幸せですか?」

爽雄 やっとこさ未来の自分の近況を聞いたか・・・っていうか何で手紙も話が脱線した体になってるんだよ?

陽子 「旦那さんはお金持ちですか?子供は将来性がありますか?」

爽雄 この手紙が地下に眠っている間に自分へのハードルが高くなってるな。棒高跳びレベル。

陽子 「最後に、2020年の私は、漫才を続けていますか?」

爽雄 お前はオリンピック出場目指してたんじゃねえのかよ?

陽子 「私の両隣には、相方の爽雄くんがいます。」

爽雄 狛犬じゃねえんだから。ここにきて1つ増えるボケが復活するとは。しかも僕が。

陽子 「これからも隣にいる爽雄くん・・・いや、通訳の人と三人四脚で頑張ってください!」

爽雄 願い下げだわ。大概にしろ。

二人 どうもありがとうございました。

予選総合第28位(3回戦敗退) バニーガール
審査員
点数
54 43 40 72 43 86 平均56.33
【審査員コメント】
・今回の開催時期は時事ネタ使いにとってしめたものだったでしょうな。
 振り返るネタは時事漫才の基本ではあるのですが、話題の広げ方はやはり手慣れていますね。
 様々な話題があって読み応えがあったのですが、手紙の下りがやや中だるみしちゃったかなと。
 その直前が「出来事をカプセルに」「血痕が付着」などいい意味で飛んだボケが多かったので、
 ちょっと落ち着いてしまった気がします。血痕は伏線として要所要所で天丼しても良かったような。
 淀川クリステルや英語のところは少し冗長に思えたので、もっと簡潔でいいかも知れません。
 結論としては綺麗にまとまってたんですが、さらなる意外性があればなお良かったです。
   
・うーん、面白くなかったです。
 2013年の時事(特に流行語)がめちゃくちゃにイジられてるのもあって、新鮮味もあまりなかったです…
 全部英語で言うくだりはボケとしてただ単によくわからなかった。
   
・所々の細かいミスは他の方に任せるとして、
 ツッコミの形態を変えたことで今までよりもベタさが和らいでる。
 一つ増えるなどボケのバリエーションも増えており格段に良かったが、
 爆発力や奇抜さという点では圧倒的に劣る。
   
・時事漫才を扱うとやっぱり、皮肉によりがちだったり、単純にボケが薄くなったりしがちなのですが
 このネタに関してはそのどっちも無くて良かったです。
 なによりも時事漫才の扱いが上手くなってますよね。
 「2020年後」や「HEISEI」など、上げていけばキリがないんですが、好きなボケが多くとても楽しめました。
 あんだけ長いこと英語言っててボケがないってのが特に言えば好きです。
 総じて、良いネタだったと思います。
   
・小さくまとまりすぎてて、おもしろ味が薄かったです。
 英語のくだりなんかも、お得意の時事ネタでもなくボケとしても浅く、うーん……
 要素を直接的にいじったボケが多く、いまいち工夫が感じられないネタになってしまっていました。
 「HEISEI」なんかは既にある事象からうまく捻ったボケを紡ぎ出せており、非常によかったと思います。
 もっともっとボケの追求を深めていってください。
 とりあえずのボケを繋げるのでなく、一つ一つのボケに渾身の意味を込めて。
   
・個人的に、今回一番成長を感じられたコンビでした。
 今回は「6年後に向けて手紙を書いた」というネタ全体の軸が設定されており、笑いどころを伝えやすい形になっていたと思います。
 その上で、時事ネタがちょうど良いところで使われており、全体として非常に上手いネタになっていたなぁと思います。
 まだまだボケを作り込める余地があったり、細かいミスもあったりしたのですが(「平成」はどちらかというと小渕さんでしょうか)、
 満遍なく面白いボケがあり、全体的な印象も良かったことから、高得点を付けさせていただきました。面白かったです。
 

No.028 エバーグリーン
手品
大崎:はいどうもー大崎と井島と杏奈でエバーグリーンですよろしくお願いしまーす。

井島:世の中にはマジシャンとかいう人の目を手品で欺いてお金をガッポガッポ儲けてるヤツらがいるらしいじゃないですか!
   もうね、そういう連中見てるとプンプンしちゃいますね!プンプン!

大崎:唐突に何だよ。別にマジシャンだって立派な職業だろ?そんなプンプン怒るんじゃねえよ。

井島:いやこのプンプンは怒ってるんじゃなくて金の匂いがプンプンするって言ってるの。
   だから俺もやりたいから手品覚えてきたんだ。というわけで見てほしいんだけど。

大崎:そのプンプン!?紛らわしいし動機が不純だわ!
   手品見せるのはいいけどそんな理由でやられても感動しないっていうかさぁ・・・

杏奈:別に理由とかよくない?私、手品が世界で二番目に好きだから早く見せてよ!

大崎:二番目なの?じゃあ一番は何?

杏奈:ダイナマイト!毎日作ってるんだ!

大崎:多分だけど公の場で好きって発言していい類の趣向じゃねえよそれ!

杏奈:とにかくマジック見てみようよ!

大崎:まぁ、そうだなぁ・・・試しに見てみるか。

井島:じゃあやるね。まず、ここに種も仕掛けもないトランプがあります。
   このトランプの中から、好きなカードを一枚引いてみてください

杏奈:じゃあ私が引くわね。じゃあ・・・・これ!

井島:引いたら俺に見えないようにカードを確認して。

杏奈:・・・・確認できたよ!

井島:じゃあもう一度他のカードの中に戻してー。

杏奈:戻した!

井島:そしたらトランプをシャッフルします。ズルがないように、大崎と杏奈にもシャッフルしてもらうね。
   ・・・・よし、皆シャッフルしたね?そしたらここから、俺が一枚引きます。・・・・なるほど。
   杏奈が引いたカードは、スペードの1ですね?

杏奈:え?・・・・いや、違いますけど・・・

井島:じゃあこのカードはもう要りませんね。破ってしまいましょう。
   そしてこの破った破片を握って、ワン・・・ツー・・・スリー!と唱えると、破れてない一枚のトランプになります!
   そして数字とマークを見ると、ダイヤの1!これが、あなたの引いたカードですね!?

大崎:えー!?何でー!?すごいなこれ!

杏奈:本当にすごいわね!でも私が引いたカードダイヤの1じゃないけど・・・・

大崎:え・・・?違うの・・・?

井島:じゃあ今度はこれを何度も折り曲げてしまいましょう。
   そしてこれを手で握ってワン・・・ツー・・・スリー!と唱えると、折れ目のないトランプに戻ります!

大崎:お、おぉ・・・・

杏奈:すごい!

井島:そして数字とマークを見ると、クローバーの1!これが、あなたの引いたカードですね!

杏奈:違う!

大崎:あの・・・ちょっと待って!?井島、お前実は杏奈が引いたカードが何か知らないとか、ないよね?
   何のカードを引いたかわからないから適当にカード出していってどこかで当てようとかそういう魂胆じゃないよね?

井島:そ、そそそんなわけないじゃないか!・・・ぜ、ぜぜぜんぶ計算通りさ!

大崎:動揺がわかりやす過ぎるわ!さっきまでそんな裸の大将みたいな喋り方してなかったろうが!

井島:大丈夫だから!わかってるから!というわけで、じゃあ今度はこの要らなくなったカードを食べてなくしてしまいましょう。
   あー・・・・う、う・・・ウガガ、ガ・・・・・オェ・・・・オゲェ!!

大崎:何だ食べてなくすって方法って!?しかも嗚咽してんじゃねえか!見苦しいわ!
   マジシャンってそんな体張るもんでもねえだろ!

井島:はぁ・・・はぁ・・・何とか食べきった・・・

大崎:今のところそれが一番すごいわ!トランプ食えるヤツとかそうそう居ないわ!

井島:そして、手を握って、ワン・・・ツー・・・スリー!と唱えると、何とトランプが!

杏奈:すごい!

大崎:驚き方が新鮮すぎてわざとらしさ出てるわ!さっきも同じようなヤツ見ただろ!

井島:そして、カードを見ると、ハートの1!これがあなたのカードですね?

杏奈:違う!

大崎:もういいわ!やっぱ杏奈の引いたカード知らないんだろお前!
  よく考えたらお前が最初に出したカードがスペードの1で次がダイヤの1で次がクローバーの1で今回がハートの1じゃねえか!
   これ多分だけど数が少ない方からしらみつぶしに当たってんだろ!?ローラー作戦だろこれ!

井島:じゃあ次はこの要らなくなったカードをこのマッチで燃やしてしまいましょう。
   まずは、マッチを箱の側面のざらざらしたとこで擦ります。
   こうやって、(シャッ)・・・火がつかなかったのでもう一度、(シャッ)・・・もう一度(シャッ)・・・もう一度(シャッ)

大崎:マジシャンって普通もっと器用な人がなるもんだろうが!

井島:このマッチ、先端の赤いのが黒くなっちゃったんだけどまだ使えるかな?

大崎:もう心配なら取り替えろよ!ってか早くして!?何だマッチに火をつけるのに時間取られる漫才って!

井島:じゃあマッチを取り替えて再挑戦(シャッ)・・・おお!火がついた!やった!みなさん、火が付きましたー!

大崎:そこ客席を盛り上げようとするポイントじゃねえよ!いいから早くトランプ燃やせよ!

井島:じゃあ、燃やしまーす。
   ・・・はい、燃やしましたー・・・熱っ!

大崎:どんだけ鈍臭いんだよ!
   ってかそんな不器用なのによくマジシャンになろうと思ったな!

井島:そりゃあ思うさ!だって金の匂いがプンプンしたからね!

大崎:もういいわそれは!お前からはバカの匂いしかしねえわ!

井島:そして手を握ってワン・・・ツー・・・スリー!と唱えると、何とトランプが!

杏奈:すごーい。

大崎:もう杏奈もテンション落ちてきてんじゃねえか!

井島:スペードの2、これがあなたのカードですね!

杏奈:違う!

大崎:もううんざりだわ!いい加減もうしんどいわ!

井島:違うならこのカードは必要ないですね。じゃあこのカードを・・・破いてしまいましょう。

大崎:それさっき見たわ!せめてそこのバリエーションは充分な状態で他人に見せろよ!

井島:そしてその破片を手に握って、ワン・・・ツー・・・スリー!と唱えると、破れてないカードになります!

杏奈:すごいすごい。

井島:そして数とマークを見ると、ダイヤの2、

杏奈:違う!はい次!

大崎:もう流れ作業みたいになってんじゃねえか!ついに杏奈も完全にダルくなってんじゃねえか!

井島:じゃあこの必要なくなったカードを・・・どうしようかなぁ・・・?
   ・・・どうしてほしい?

大崎:ついにこっち側に案を求めだしたよ!グダグダが過ぎるわ!

杏奈:爆破してほしい!

大崎:ダイナマイトの趣味は隠しとけって!おまわりさん来ちゃうから!

井島:ってかさっきまでやったヤツの中からでお願い。

杏奈:じゃあ食べてほしい!

大崎:それかよ!よりによって本人的にも絵面的にも一番キツいヤツをチョイスしやがったよ!

井島:わ、わかった・・・
   では食べてしまいましょう。ウ・・・・ガ・・ガガガ・・・オェ゛ッ!オゲェェェェ!!ゲェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ッ!!

大崎:さっきより嗚咽してんじゃねえか!!ってか何なの!?何で一日に二度もこんなエグい光景目にしなきゃいけないんだよ! 

井島:・・・・もうやめない?

大崎:ここで挫折すんのかよ!やれよ!ここまできたらもう最後まで見せろよ!嫌だけど!正直嫌だけど!

井島:えぇ・・・・じゃあ、頑張るか・・・オ、オ、オゲェェ!
   ・・・・はぁ・・・はぁ・・・食べきった・・・。俺、何とか・・・やりきったぜ。

大崎:マジック的には全く成功じゃないけどな!
   まぁそれはそれですごいんだけどさ!トランプ食うっていう手品じゃなくてそれもうただの隠し芸だわ!

井島:そして、手を握って、ワン・・・ツー・・・スリー!と唱えると、何とトランプが!

杏奈:はい。

井島:そして、カードを見ると、クローバーの2!これが、あなたの引いたカードですね!

杏奈:・・・・正解!

井島:よかったぁぁ!!やっと!やっとだぁぁ!!
   ・・・これが、井島のパワーなのです!

大崎:「やっとだぁぁ!!」じゃねえよ!その喜び方もう当てずっぽうですって言ってるようなもんだよ!

井島:どう?このマジック、金の匂いがプンプンするだろ?

大崎:全くしねえわ!むしろ俺はお前にプンプンしてるわ!いい加減にしろ!

3人:どうも、ありがとうございましたー。

予選総合第19位(準決勝敗退) エバーグリーン
審査員
点数
58 59 35 72 93 75 平均65.33
【審査員コメント】
・まさかMM-1でこれほど長くフリに使うネタを見ることになろうとは。
 序盤長々とマジックに費やした時はハラハラしましたが、仕組みがわかってからは加速度的に面白くなりました。
 マッチの辺りで少しダレたのですが、「どうしてほしい?」から盛り返せていました。
 ただ、コント色が強すぎてトリオ漫才としての良さは薄かったかな…。
 トリオのうち2人だけが掛け合う場面が多かったため、下手したらコンビで出来そうな気がしてしまいました。
 もっと3人のやりとりで魅せるような構成であれば、なお良くなったんでは無いかと。
 ただ、もしもこのネタがもう少し長く、コントの大会であればもっと高評価していたと思います。
   
・井島のキャラはおもしろかったです。ただ1つの展開で押し切る、という意味では弱いなあと。
 のと、「トランプをあてる手品で当てずっぽう」というのがベタ中のベタなので、最初に設定としてすっと出してしまってよかったと思いました。それを続けるというのは十分ボケになると思うのでそっちをもっとゴリゴリ押して欲しかった。
 「破ったの戻すのだけはちゃんとできるのかよ!」ってツッコミ入るのかと思ってた。
   
・杏奈の扱いが勿体なかった。もう少しダイナマイト要素を付加してもいいと思う。
 マジックネタも少しずつ増えてきて、もっと斬新な展開が必要になってくる。
 当てずっぽうという設定一つでやり切るには少々厳しい。
   
・これ序盤でハマらなかったらとことんハマらない危険なネタだと思うんですが
 僕は序盤でハマってしまったのでとことんハマりました。
 もうここまで来たらもっと当たんなくてもっと無理させられる展開を見たかったというのもありますが
 現時点でも中々面白いネタだったと思います。
   
・こういうバカバカしさしか無いような漫才、好きです。
 序盤、ボケの無い静寂のやり取りがあったのですが、そこがむしろジェットコースターの登り坂に感じられる、非常に良いボケの配置でした。
 杏奈さんのリアクションひとつ取っても、高いテンションの最中に描かれることで、会話の中軸になっていて全体のバランスをよくしていました。
 杏奈さんのリアクションが最後まで新鮮なままで、大崎さんが『なんでいつまでもそんな純粋な目で見れるの!? 頭の中に消しゴムでもあるの!?』的な感じでツッコミを入れるようなパターンも見てみたかった気がしました。
 テンションの高さだけでなく、ツッコミでの台詞の言い回しにも上手さがあるのがよかったです。
   
・これまた目新しい形式でしたね。杏奈のテンションの移り変わり方が秀逸でした。
 笑ったというよりは、雰囲気で押されたというような感じです。もう少しだけボケ数を入れられたような気がします。
 

No.029 ササキに願いを
台本
○:ササキに願いをです
2:よろしくお願いします

☆:まあ、僕たちコンビでやってるんですけど
  やっぱり漫才をやるにはボケとツッコミをハッキリさせとかないといけないんですよ
○:まあ確かにね
☆:なんならお客さんに分かりやすいように、今から服に「ボケ」「ツッコミ」って書きますか?
○:そこまでしなくていいでしょ
☆:いや、今日来てるお客さんはそこまでしないと分からないかなと思って
○:お客さんを馬鹿にしすぎだろ
☆:で、僕らの場合見ててわかると思うんですけどボケは○さんなんですよ
○:え?そうなの?本人が今の今まで知らなかったんだけど
☆:こう、ぼけーっとしてるって言うか、「ボケ、カス、アホンダラ」って言われてそうっていうか
○:言われてるか!
☆:で、ツッコミが○さんなんですよ
○:ツッコミも俺かい
☆:毎晩夜な夜な穴という穴に棒を突っ込むからツッコミです
○:下ネタかい!
☆:あ、一応コンセントの話なんですけど……。
○:毎晩夜な夜なコンセントを差すってのもおかしいけどな
  っていうか、俺がボケとツッコミやたったらお前は何やるんだよ
☆:客席で客観的な立場から漫才を見守る役に徹します
○:要は観客ってことね
☆:じゃあ○さん、よろしくお願いします
○:……
☆:時間がないんで早くしてくださいよ
○:……
  いやー寒くなってきましたね。これだけ寒いと、海の家でかき氷が恋しいですよね。
  いや、おかしいだろ!ってね
  
  何だこれ
☆:○さん、何ですかこれ
○:俺が聞きたいわ!
☆:とりあえず、漫才をやるのに1人っていうのはちょっと……
○:お前がやれって言ったんだろ
☆:あと、全編日本語だと、イギリスの方にはわからないかと
○:いいんだよ別に。英国の方々に伝わらなくても
  つーかそもそもイギリスに向けて発信しないわこんなネタ!
☆:あと、冬の話題でネタをやっちゃうと常夏のハワイに住む人には伝わらないんじゃないかと……
○:ハワイに向けても発信しないわ!
☆:あと、本能寺に泊まるのは危険じゃないかと思います
○:織田信長関係ねーよ
☆:あと、何かあれば「若者がー」って言うお年寄りって何なんですかね
○:知らねーよ。今関係ないだろ
  一体何を言いたいんだよ
☆:要するに、僕が言いたいことを整理すると、このままじゃダメだから僕が考えた漫才をやりましょうってことですよ
○:どこをどう整理したらその結論になるんだよ。
  相対性理論を解けた人でも理解できないよ
☆:とりあえず、ここに台本があるんでやってみましょう
○:はいはい。でもおかしい所があったらすぐ止めるからね
☆:望むところです

○:「はあ、お姉ちゃんだめだよぉ。こんな所で……。は、恥ずかしいよお///」
  何これ
☆:僕が書いた同人誌「イケナイ姉妹」ですけど?
○:ですけど何か?じゃねーわ。
  なんてモンを読ませてんだよ
☆:逆に、何で読んだんですか?恥ずかしくないんですか?
○:恥ずかしいわ!つーかお前が読めって言ったんだろうが!
☆:あ、すいません。こっちでした

○:「どうもー。枝織です」
☆:「彩奈です。2人合わせて、ラッキーツインズです」
○:「ねえねえお姉ちゃん、私好きな男の子が

  じゃねえし。
  おい、何だこれ
☆:小学校の双子姉妹の漫才の台本です
○:なんてモンを書いてんだよ
☆:一言でいうなら……。僕がロリコンだからでしょうねー
  さ、次の台本
○:いやいやいやいや、なにサラッと問題発言しちゃってんのよ
☆:なにカッコつけてるんですか。○さんだってこの前テレビを買い替えたばっかりじゃないですか
○:関係ないわ。つーか買い換えてないし
☆:さ、○さんの一発ギャグが終わったところで次の台本に
○:……。
  「ササキに願いを○です。よろしくお願いします。
   コント:告白
(☆:拍手)
   いきなりごめん。今日は大事な話があるんだ
(☆:舞台の端に座る)
   実は、俺ゲイなんだ
   そっちの告白かーい!」
(☆:愛想笑い)
   おい!どこにいるんだよ!集合!
☆:何ですか
○:何ですかじゃねーよ。何で俺一人でやらなきゃいけないんだよ
☆:あ、じゃあ二人でやりましょうか

2:コント:告白
 いきなりごめん。今日は大事な話があるんだ
 実は、俺ゲイなんだ
 そっちの告白かーい!

○:そういう意味じゃないんだよね
☆:何ですか。注文が多いですね。宮沢賢治じゃないんですから
○:俺のオーダーは1個しかないの。漫才の台本を持ってこい
☆:あ、それならこれですかね
○:今更だけど、何冊台本もって来てんの?

「どうも、ササキに願いをです。よろしくお願いします」
☆:「最近暑いですねー。今前プールに行ったんですけどね、変なおじさんがいたんですよ」
○:「え?どんなおじさん?」
☆:「ドュフドュフ言いながら、女の子を写真にいっぱい撮ってたんですよ」
○:「え、そっちの意味での変なおじさん!?」
☆:「真夏の暑さにやられたんでしょうね」

○:うん、ちょっと待って
  いい台本だと思うよ。でもね、時期的にこのネタは違うんじゃないかなと思うんだけど
☆:あ、じゃあ卒業式のネタがいいですか?バレンタイン?ハロウィン?ひな祭り?
○:何でそれだけあって冬のネタがないのさ
☆:ぶっちゃけ、冬って寒いじゃないですか
○:……。うん。寒いよ
☆:だからですよ
○:……。何が?
☆:ですから、冬は寒いですよね。だからネタが無いんですよ
○:繋がりが見えないんだけど
☆:試しに○さん、冬のネタをやってみてくださいよ
○:……。例えばだよ。例えば
  いやー寒いですね。こうも寒いと、アイスが食べたくなりますよね
  っておーい!違うだろー
☆:あ、冬だけに寒いネタなんですね
○:うっせー。
  とにかくさ、最後にちょっとでもちゃんとした漫才やって帰ろうよ
☆:わかりました。
  じゃあ、これでいきましょう

○:「どうもー。枝織です」
☆:「彩奈です。2人合わせて、ラッキーツインズです」
○:「ねえねえお姉ちゃん、私好きな男の子が
  ってこれかよ
  いい加減にしろ
2:ありがとうございました

予選総合第49位(1回戦敗退) ササキに願いを
審査員
点数
13 46  5 13 19 53 平均24.83
【審査員コメント】
・単純にインパクト不足と言いますか、どこかで見たような展開ばかりだった印象です。
 台本を演じる形式も手垢がついてますし、内容もエロや一人舞台だったりと既視感が拭えません。
 観客になるくだりや二人で喋るくだりも説明不足が際立ってしまい、理解に時間を要してしまいます。
 このネタに必要なのはオリジナリティと、一つのセクションにボケを盛り込むボリュームだと思います。
 イギリスや本能寺など、相方のボケを掘り下げるところには可能性を感じたので、
 そういう発想を膨らませることが出来れば、ササキに願いをにしか出来ないネタに仕上がったのではないでしょうか。
 まだまだ進化の余地はあると思うので、自分にしか出せない笑いを突き詰めちゃって下さい。
   
・なんでしょうね…ボケが素朴すぎるというか。素朴なボケが悪いわけではないんですが。
 要は「こんな漫才(の台本)は嫌だ」でボケを重ねていくネタだとい思うんですが、ボケとしては普通すぎるものが並んでいたなと。
 空気感はとてもよかったです。
   
・第10回では成長の芽が見られたのに、前回・今回とまた振り出しに戻ってる。
 今一度自分のネタを客観視した方がいい。
   
・うーむ…面白くないということはないんですけど
 ことごとく物足りない感じが強いネタでした。
 あと表現的に絵が伝わりづらい部分が多かったのも一つ問題だと思います。
   
・ボケのそれぞれのパンチ力が弱いです。
 下ネタやらロリコンやら、思い付きやすいタイプのボケが多用されていたのが気になりました。
 安易なボケを重ねるのでなく、もっと捻ったボケを。
 前半の○さんが1人でネタをやる部分は、この漫才を1つの流れの漫才と考えた時に、不要に感じられるかなって。
 ラスト近辺の「冬は寒いからネタがない」というくだりは、言わんとしていることは分かるのですが、どう考えても会話文の繋がりがおかしいです。
   
・ザ・ササ願って感じのネタですね。「読んでみたらエッチな同人誌だった」ってのはもはやお決まりですね。
 個人的に好きなくだりは多かったのですが、誰でも笑えるネタになっていたかというと、ちょっと厳しいかもしれません。
 悪いボケは無いんですが比較的ベタ止まりなので、中盤から終盤にかけてもっと面白いボケが欲しいところです。
 具体的にどうすれば、というのを提案できなくて申し訳ないのですが、まだまだいかようにもできるかなぁ、と。
 

No.030 サンザンヒーローズ
梵天
B:どうもサンザンヒーローズです

A:略してサザンで覚えてください

B:某歌手とかぶるだろ!ってことで

A:自分の家の耳かきって、綿毛のポワポワが付いてるタイプなんですよ

B:のっけからどうでもいい情報ありがとう

A:あの綿毛のポワポワって使い方知ってますか?
  綿棒とか使ってる方は綿毛のポワポワの存在すら知らないと思うんですが、
  綿毛のポワポワあなどれないですよ綿毛のポワポワ良いですよね鼻毛のポワポワって

B:ポワポワうっせぇよ!!最後鼻毛になってたし!イヤだわ鼻毛で構成されたポワポワ!

A:これからも綿毛のポワポワが出てくるので以降はポワレと呼びます

B:フランスの調理法出てきちゃったよ!

A:で、どうやってポワレを使うかというと、耳かきをした後に中の産毛とかに残る細かな耳くそが残ったとき、
  ポワレをスポスポとピストン形式で突っ込むことによって残った耳くそを一網打尽にするわけです。
  この過程を「ディメンションコットンスパーク」と言います

B:何その中二病っぽい技名!?初耳だけど!

A:これからもディメンションコットンスパークが出てくるので以降は略してメンコと呼びます

B:一気にダサくなった!古き良き時代のかほりが!

A:で、自分はこのメンコをするのが非常に気持ち良くて好きなんですよ。
  家にいるときは大抵メンコしてるし、外出先などでも隙をみてはメンコしてます

B:どんだけメンコに見せられてるんだよ

A:このネタ中も既に58回しました

B:いつの間に!?お前その俊敏さを他に活かせよ!

A:いや自分なんかまだまだ遅いほうですよ。まだポワレメンコ検定3級だから

B:資格あるの!?何でも資格を作りゃいいってもんじゃねえぞ!

A:1級を持っている内藤さんになると、あまりにも早すぎてポワレが虹色に見えるもんね

B:光の屈折すら折り曲げるほどの速度!?

A:自分も早くメンケリストになりたいなと

B:なんか人の心理読み取れそうな呼び名になってる!!

A:まぁそんなメンコライフを過ごしているわけですが、やはり常日頃メンコばっかりやってたらいずれ飽きると思うんです

B:そう言う割りには今も58回してたくせに

A:あ、もう237回です

B:さらに記録伸ばしてた!?

A:だから飽きない為にも日々の生活にメリハリをつけようと。
  例えば今日はウケたな〜ってときにはいつものポワレじゃなくて新品のポワレを使うことができるとか

B:なるほど、自分へのご褒美なわけね

A:逆にスベったら自分にも厳しく。綿毛が一本しかないポワレでメンコします

B:何その波平スタイルな耳かき!?ただの棒と変わらないだろそれ!

A:まったく耳の中でポワポワしてくれないです。ヤケになってかき回したら血が出ました

B:やさぐれすぎだろ!そのまま鼓膜破れちまえよもう!

A:幸いその次の仕事がウケて、嬉々として新品のポワレでメンコしたら、かさぶたが出来ててポワポワ感を感じることが出来なかった!

B:いやケガしてる時点でメンコやめとけよ!

A:これを「ダメージブラッドシールドでノーフィーリングの悲劇」と呼んでいます

B:長い上にクソダサいタイトルつけてんじゃねえよ!直訳の猛威がハンパ無ぇ!

A:この話を1級の内藤さんに話したら「そう・・・」って

B:あしらわれてんじゃねえか!お前メンコ界で浮いてんじゃねえの!?

A:そんなワケでこのメンコライフを楽しんではいるんですが、一時期メンコに疎遠だった時期があるんですよ

B:その話長くなる?

A:あれは4年前・・・お金がまったく無くとてもひもじい生活をしていた頃、いつものようにメンコをしていたんです

B:ねえその話長くなる?

A:しかし、金欠で買い換える暇も無くどんどん使い込んでいったポワレは、新品のポワポワの姿からゴワゴワで薄汚れた姿に変わってしまった

B:まぁそりゃね。汚した原因お前だけどな

A:そんな毎日が続き、とうとう我慢ならずキレてしまった「お前はもうポワレじゃねえ!ゴワレだ!」

B:急にゴツい感じになったなオイ!九州男児が漂う感じになっちゃった!

A:そう捨て台詞を吐いて家を飛び出し、放浪の旅に出掛けた・・・

B:旅!?ただ耳の中掻けるだけの木の棒相手に啖呵切ったのお前くらいだよ!

A:色んな場所を旅してゴワレを忘れようとした。でも目を閉じると、あのゴワレが目に浮かんでは消えていった

B:ねぇ気づいて!お前の脳裏にあるものただのきたねぇ綿毛だよ!?

A:そんな5月のある日、とある河川敷で寝転んでボーっとしてたとき、ふとポワレに似た物を見つけた

B:ポワレに似たもの?

A:綿状になった、たんぽぽであった・・・!

B:アンタまさかそれを

A:「見つけた!」と気付いてから時間はかからなかった。おもむろにたんぽぽを引きちぎり、すぐさま耳につっこんだ

B:「ママー、あそこに変な人がいるー」「しっ!あれは時空のひずみから生まれてきた世紀末なのよ」

A:「こ、これは・・・あのポワレに似たポワポワ感!ついに、ついに見つけたんだ!!」

B:何であの時言ってくれなかった俺が新品の買ってやったのに!そして縁を切っていたのに!

A:もう嬉し過ぎてたんぽぽをぶんぶん回して「お前は今日からポワポワしたタンポポ、略してポポポポだ!」とか言いつつ帰宅した

B:ドラクエで失敗した名前かよ!お前の省略するセンス、ラーメン二郎の注文並みに独特すぎるって!

A:しかし帰宅してたんぽぽを見てみたら、いつの間にかあのポワポワは無くなっていた・・・

B:ぶんぶん振り回すからだろ!!お前はポポポポの気持ちわかってねえんだよ!!

A:悲劇はそれだけでは終わらなかった。あれから数日後、耳が何かで塞がっているようで、内藤さんのメンコ資格講座もまったく聞き取れなくなった

B:不意に出てくるな内藤さん!てか師弟関係だったのね!

A:不審に思い、鏡で耳の穴を見てみたら植物の芽が顔を覗かしていた

B:たんぽぽ発芽したのかよ!最悪な苗床に着いちまったな!

A:そんな経験を経て、やはり人工で作ったポワポワでないとメンコはできないと気付いた

B:地球を一周するほどの遠回りをしないと気付かなかったか

A:そしてそんな事を教えてくれたゴワレ、これだけは特別にずっと使っていこうと決心した

B:はぁ・・・

A:そして4年後、ゴワレは綿毛一本となりました

B:それ罰ゲームとして使ってるやつ!!もういいよ!

A:あ、今10000回目のメンコ終えたわ

B:もうカンストするまでやっとけ!!

2:どうもありがとうございました