予選Eブロック 審査フォームはこちら

041 順列組合 042 生涯探究 043 HONEY×TRASH 044 kissしてシクラメン 045 シュビビン!
046 みるくちょこれーと 047 北谷読谷 048 あかつき 049 言霊連盟 050 Funny ensemble 051 乙女の方程式


No.041 順列組合
野菜
率子「どうも順列組合です、よろしくお願いします」

しあ「よろしくお願いします。ぜひ覚えていってもらえるとありがたいです」

率子「そうですね、近年の子供の野菜嫌いに対する危機意識だけでも覚えていってくださいね」

しあ「違うよそれじゃないよ!? コンビ名覚えていって下さいって話だよ!?」

率子「でも私たちのコンビ名と子供の将来を考える心、明らかに後者の方が価値あるじゃん?」

しあ「そうかもだケド!」

率子「ならばそっちを優先すべきだよ。人間の記憶は有限だしね」

しあ「えー……」

率子「ん? なめてるの? 子供の食生活なめてんの? 子供たちがセメントしか食べられなくなってもイイの?」

しあ「なめてないし、子供達がセメント食べるような事態には何がどう転んでもならないわ」

率子「もっと子供達と向き合えよ!」

しあ「じゃあセメントは無視するね」

率子「よし! なら今からお前のもとに野菜が登場するから、
   子供でも食べれるようにするにはどうすべきか答えを出して見せろ!」

しあ「ほう、分かったイイよ。どんな野菜でも持って来て見せなよ」

率子「じゃあ今から私は根菜類をやるぞ!」

しあ「えっ? お前、野菜役なの? 何そのキャスティング?」

率子「おいしく頼むよ色んな意味で!」

しあ「マジかコイツ」

率子「我は生鮮食品なり! 我は生鮮食品なり!」

しあ「すげえ役の入り方した! 野菜はいくら新鮮でもそんな活きの良さは発揮しないハズだよ!?」

率子「我の名は【リッチャンマンドラゴラ】であーる!」

しあ「よりによって品種マンドラゴラかよ!
   処刑台の下にのみ生息する西洋の怖い大根じゃねーか!」

率子「足があるからで徘徊するし、雄たけびで人を殺すコトもあるが、気にせず美味しく食べてくれたまえ!」

しあ「ココまで食べてもらえないヤツ来ると思わなかった! 食欲より吐き気を催すタイプのヤツ来ると思わなかった!」

率子「特にくるぶしの美味しさには自信があるぞ」

しあ「自分の具体的な部位食ってもらいたがってる生物ってのもドン引くポイントだからな!」

率子「ビタミン満点であるから存分に食すが良いぞ」

しあ「お前に満点なのは魔力だろ! 子供に食べさせられるか!」

率子「存分に料理したまえ」

しあ「確実に料理用じゃないだろ! 主な用途黒魔術だろ!」

率子「特に生で食べるのをオススメするぞ」

しあ「おそらく最悪の選択だよ!」

率子「我はヨーロッパの血を引くエリートだからな。
   フォアグラの端っこに腰掛ける形で皿に盛られるのとかが理想だ」

しあ「うるせえよ! オシャレに料理してもらえる立場じゃねえんだよお前!」

率子「おい視聴者、人型でエリートな野菜だからと言ってべジータの姿を我に重ねるんじゃないぞ。
   我はあんな野蛮な戦闘バカとは違うのだからな!」

しあ「誰がお前と誇り高きサイヤ人の王子を重ねると思ってんだ自惚れんな!」

率子「ヤツは温室育ちのただの世間知らずだ」

しあ「ここまで濃縮されたお前が言うな感は初めてだ!」

率子「あんなのと違って我はとてもファッショナブルだしな」

しあ「何言ってんだ大根? 大根の中でも最低ランクなんだぞ!?」

率子「今日のヘアスタイルだってちゃんとワックスで整えてきたのだ」

しあ「ヘアスタイルって葉っぱ部分だろ!? そんなの付着してんのかよ!
   食えない要素さらに追加してきてんじゃねーよ!」

率子「どうだ、特にこの花が中心に良く映える仕上がりだろう? あ、この花は因みに地毛なんだが」

しあ「自分の花、地毛扱いなのかよ! なんだその感覚!」

率子「良いヘアスタイルだろう? 假屋崎省吾も褒めてくれたんだぞ」

しあ「花道家! 生け花として褒められてんじゃねーか! そして假屋崎先生の審美眼も落ちたもんだな!」

率子「こうして自分磨きの結果をメディアの人間に取り上げてもらうコトによって、
   我は自分の出身地を盛り上げられないかと考えている。
   要するにご当地ゆるキャラとしての活躍も視野に入れている」

しあ「思想は立派だがお前の設定1ミリもゆるくねーから! 前提に致命的なミスがあるから!」

率子「貴様知らんのか? 最近のゆるキャラはゆるキャラなのか若干首をかしげるくらいの存在がウケるのだぞ。ふなっしーとかな」

しあ「お前のは若干じゃないの! かしげ過ぎて首がねじ切れるレベルなの!」

率子「マンドラゴラオイルぶっしゃー!」

しあ「おいやめろ絶対溶けるか呪われる! オイルって!」

率子「それにヨーロッパファンタジーの香り漂うゆるキャラなど、子供たちにも大人気ではないか!」

しあ「人気なんか出るか! ダークファンタジーなんだよ西洋の血塗られた歴史を象徴しちゃってんだよ!」

率子「そうだ! 我のお菓子を作ったりしたら子供達にバカ売れなのではなかろうか?」

しあ「お菓子メーカーに無理難題押しつけてんじゃねーよ! 可哀想だろ!」

率子「森永製菓なら分かってくれるハズだ」

しあ「大手に異物混入事件を起こすつもりか! そろそろ自分が危険物だと言う自覚を持て!」

率子「そしてゆくゆくは大量生産された我や我の商品でご当地の直売場を賑わせたい」

しあ「阿鼻叫喚的な意味でなら可能だと思うぞ!」

率子「我のチカラで我を迎え入れてくれた農村をよみがえらせたい!」

しあ「お前が農村で出来るのは景観をぶち壊すコトだけだよ外来種!」

率子「盛り上がれ三重県四日市市!」

しあ「農村じゃねーじゃん! ゴリゴリの工業地帯じゃん! 公害病で有名な所だぞ四日市ぜんそくだぞ!」

率子「何を言う、工場で植物を作るバイオプラントなど近年では当たり前に普及しつつあるのだぞ?」

しあ「だからそれどっちにしろもう農村とは呼べないし、
   バイオプラントってお前が言うともう生物兵器の香りがするからやめて!?」

率子「我やパックンフラワーなどが効率的に栽培されておるのだ」

しあ「確信を後押ししてくんな!」

率子「しかも我はなんと無農薬栽培だからな。その辺りも子供に食べてもらいたいポイントだ」

しあ「お前はそもそも害虫すら逃げ出しそうな存在だもんな!」

率子「と言うか化学薬品のたぐいは一切使用されていないのだ。
   化学添加物の恐怖をほぼ完全に取り除いてあるのだ素晴らしかろう?」

しあ「非科学的な恐怖で全部台無しだケドな! あとそれ売りにしたいならワックス付けんな!」

率子「まぁそのぶん栽培中の病気とかにはかかりやすくなってしまって大変ではあるがな」

しあ「そのまま絶滅すればいいのに!」

率子「特に梅毒やヘルペス、エイズなどがツラくてな」

しあ「性病のオンパレードじゃねーか! イチバン子供に食べさせられない要素が見つかったわ!
   ただれた性生活送ってんじゃねーよ大根のクセに!」

率子「ただれた性生活など送っておらぬわ!
   我はただ設定上、処刑された人間の血液や精液を吸って育つモノであるから仕方ないだけなのだ!」

しあ「その設定を抱えている時点で食べ物としてはもう完全に詰んでいると気付けよ!」

率子「まだ詰んでなどおらんわ! 日本の衛生管理技術とバイオテクノロジーで我は生鮮食品になるのだ!」

しあ「無理だよ! せっかく公害から立ち直った四日市の人たちを巻き込むんじゃねーよ!
   ヨーロッパに帰れよ!」

率子「イヤなのだ!
   日本に持って来られてから3年もかけて栽培されてせっかくコッチに慣れたのに、今さら戻りたくなどないわ!
   七五三も済ませたのだ!」

しあ「なに無駄に日本に染まってんだ!」

率子「それに出戻りで帰るとか気まずいではないか!」

しあ「マンドラゴラが繊細なメンタル発揮してんじゃねーよ! ハロウィンの時にでも紛れていけばいいだろしっくりくるよ!」

率子「それ絶対にカボチャたちに笑われるであろう!」

しあ「あの時期のアイツらはそれがデフォルト仕様だろ! 気にせず帰れよ!」

率子「それでも絶対にイヤなのだ!」

しあ「わがまま言うな! お前ほどわがままが許されない存在も珍しいんだぞ!」

率子「だって何より西洋人の血は不味いのだー!」

しあ「いやお前自身が好き嫌いする子供なのかよ! もういいよ!」


率子&しあ「「どうも、ありがとうございました」」

予選総合第36位(3回戦敗退) 順列組合
審査員
点数
53 61 15 40 67 76 平均52.00
【審査員コメント】
・スタートダッシュの勢いに関してはトップクラスでした。
 「おいしく頼むよ色んな意味で」「我は生鮮食品なり!」など破壊力のあるフレーズの連打が小気味良く、
 マンドラゴラという設定も期待感を煽られるもので、非常に順調な滑り出しだったと思います。
 コント突入後も「温室育ち」などいいフレーズは随所にあったのですが、やや冗長過ぎた印象です。
 話に展開や進展が無く、ただのマンドラゴラとの会話で終わってしまったので、
 実際に調理に入るなり何なり新展開を挟んだ方が、なお読み手を引き込める構成になるかと。
 出だしの勢いを保ったまま山場が増えれば、もっと点数を付けられるネタでした。 
   
・入りの感じと設定とおもしろくなりそうだな、と思いましたが、リッチャンマンドラゴラが最初あまりわからなかったのと、
 「食べさせるようにしろ」って言ってた話はどこ行ったんだよっていうのが最後まで気になってあんまりハマりませんでした。
   
・ツッコミのワードでようやくボケを認識できるレベル。
 マンドラゴラ自体が強烈なキャラと登場して以降、その強烈さを越えるボケが無い。
 言い換えるならば、それだけのボケを出せる実力がないのであれば強烈なキャラは作らない方が良いと言える。
   
・試みはいい物だと思うのですが、マンドラゴラという物を扱う割には
 そこまでエグくなりきれてなくて、落ち着いてしまっているのが
 やっぱりもったいないです。
 題材が題材ですし、もっとエグい展開を作れるんじゃないかなと。
   
・マンドラゴラを大根とか言ってんじゃないよ、庶民派か。
 率子さんのマイペース気味な話の導入も違和感自体は少なく出来ておりよかったです。
 しかしまあ、詰め込んできましたなあ(散々別場別ネタの審査でボケが足らん隙間だらけだと言っておきながら、この仕打ちである。しかし、足らんよか、多い方がよろしかろ)。
 ボケを乱発している分、個々のボケの印象が弱まってしまっているのが気になる点といえましょうか。
 読み手を引き離さぬまま最後まで駆け抜けたのは見事。
 あとはまー、現状詰め込んで詰め込んでになってしまっているので、話の盛り上がりとかそーゆーのがあれば、メリハリついていい感じになるかなって思います。
   
・メインテーマである「マンドラゴラ」関連のボケが良かったですね。ツッコミフレーズもなかなかでした。
 1つのテーマをやりきったのは良いのですが、前半には設定のインパクトがある分、若干後半の勢いが落ちたように見えたのが惜しいです。
 「子供の野菜嫌い」というフリもありましたが、何かさらに勢いを付けるような展開を後半に取り入れても良かったんじゃないかと思います。
 発想はなかなかのレベルだと思うので、あとは例えば「構造的な目線でネタを見直して要素を足していく」という作業を機械的にやってみることで、まだまだ新境地が切り開けると思います。
 

No.042 生涯探究
ツッコミという名の業
下村:どうも生涯探究です。よろしくお願いします。
   いやぁ、それにしても今日もお客さんが綺麗な人が多いですねぇ。


庄野:ん?らしくねぇなぁ。お前がそんなテンプレートなツカミを行うなんて。


下村:端からべっぴんさんべっぴんさん、一つ飛ばして便秘さん。


庄野:いや失礼and失礼だよ!一つ飛ばしたはおろか、便秘さんって!!


下村:・・・庄野さんも便秘?


庄野:なんでだよ!なんであの人も俺も便秘なんだよ!!・・・いやあの人便秘かなんて分かんねぇよ!


下村:いやさ、なんか庄野さんのツッコミがさ、出しきれてないっていうかキレがない気がしてさ。


庄野:お前さっきっから何様だよ。それじゃあ聞いてみようか!
   さっき便秘だって言われた方!俺のツッコミどうでしたか?


中島誠之助:いやぁ、更年期障害かな。自分の体もいい仕事してませんねぇ。


庄野:俺らを鑑定する気ないなら骨董屋帰ってくれ。
   そして下村、なぜさっきのべっぴんさんのくだりでその列選んだ。


下村:とにかく、今の庄野さんのツッコミなら別に自分がやったとしても
   全然行ける気がするんですよ。


庄野:ほう?じゃあ下村が俺以上のツッコミをやると。


下村:そう、さらに真のツッコミはボケなんて要りません。
   行動1つでツッコミが出来るものです。


庄野:さらりと今までの自分の立ち位置否定すんなよ。


下村:というわけで今からマジックをやろうと思います。


庄野:マジックでツッコミってどういうことだよ。


下村:まずここに手錠があります。庄野さん僕に手錠をかけてください。


庄野:はい。(手錠ガチャッ)


下村:そこは、どうな容疑で逮捕されたかボケるところだろー!(両手でバシーン)


庄野:痛っ!!


下村:どうですか威力満点のツッコミでしょ!


庄野:金属のせいだわ!!拘束具がまさかの武器と化したわ!!


下村:しかし、僕にも、金属の痛みが…、ツッコミはボケの痛みを感じないといけないんです。
   この方法なら、それを体現できるんですよ。


庄野:単なるバカだよ。


下村:じゃあ次にこの鎖で腕と脚のまわりを縛ってください。


庄野:おうおう、まぁこの形になってしまったらツッコミは出来なくなるよなぁ。


下村:ところがどっこいー!(フライングボディプレ)


庄野:(スルー)


(びたーん)


庄野:それはツッコミとはいわねぇ。


下村:なんでですか!全身全霊をもって返したんですよ!(うねうね)
   これをツッコミを言わずしてなんと心得るんですか?


庄野:単なるバカだよ。(下村を起こす)
   そういうのは体で示すな!全身全霊で体預けられても困るわ!
   ツッコミの種類だって切り返しの仕方とかあるだろもっと!!


下村:では私はこのボックスに入ります。そして庄野さんの方に傾きます(キイー)


庄野:(ガシッ!)のぉおおお!箱ごと倒れてくんな!!


下村:これが真のツッコミがなせるツッコミの重さという名のパワー…


庄野:単なる体重だよ!お前さツッコミツッコミ言ってるけど単なる物理攻撃だかんな!(起こす)


下村:庄野さんはボックスのカギをかけたら側面の穴に剣を刺してください。(うねうね)


庄野:ああ、そういうマジックか。(バタン!…ガチャ)
   よーし、(剣を刺す)


下村:痛いわー!(剣戻る)


庄野:わっあぶなっ!いや剣刺さないとマジック成立しないやつでしょ!完全に失敗じゃねえかこれ!


下村:しかし、よくよく考えてください。
   今、庄野さんが刺した剣、僕はいったいどういう方法で返したんですかねぇ?


庄野:え?


下村:(デデーン!)どうですか、まさかの切り返し!


庄野:マジックの内容じゃなくてツッコミの切り返しを何とかしろっての!!


下村:じゃあいま戻した剣が庄野さんを切れば綺麗なダブルミーニングに


庄野:綺麗さの代償としてグロテスクな光景を晒したくないわ!


中島:(3800円と書かれたフリップを挙げる)


庄野:まさかの鑑定結果でた!!そしてなんだろうこの微妙な金額!!


中島:いやぁいい仕事してますねぇ。


庄野:あ、はい、名台詞ありがとうございます・・・でもすごくもやもやしてる・・・


(中島がおもむろに自分の顔をつかむと覆面が剥がれる)


一同:!?


(正体は下村)


庄野:・・・は?


下村:いやぁいい仕事でしたよ!庄野さん!


庄野:・
   ・
   ・
   いやいや、状況がつかめない!!
   下村!いつの間にお前がやってたのが脱出マジックになってんだよ!


下村:? 脱出マジック?私はスタートからここにいましたよ。


庄野:は?じ、じゃあ箱の中にいる下村は。


下村:誠之助さん。


中島(箱の中):いやぁ、私、いい仕事してますねぇ。


庄野:いやいや、うそでしょ!!御年75ですよ!!


下村:これが僕のツッコミの力です。


庄野:いやいやとんでもねぇよこれ!誠之助さんの能力鑑定しようよ!!
   なにこのポテンシャル!


下村:ツッコミを鍛えるために様々な特訓を施しました。ツッコミで骨董品を砕く力。
   縦に真っ二つに割る力。


庄野:本職を冒涜するようなことさせんなよ!しかも今の所どこにも努力の成果が発揮されてないし…


中島:すいません。ちょっといいですか?


庄野:ん?どうしたんですか?


中島:1週間ぶりにお通じが。


庄野:・・・本当に便秘だったんかい!!このタイミングでそんなポテンシャル発揮されても!!
   早くトイレ行きましょう!!(ガチャガチャ)くっそ!この鍵、南京錠だった!鍵、鍵はどこ!?
   誠之助さん大丈夫ですか?


中島:来てます!来てます!


下村:(ぃぃ仕事してますねぇ)


庄野:ぼそっと言うなぼそっと!微妙なMr.マリックさんの物まね仕込んでんじゃねぇぞ!とにかく我慢して…


中島:Help! I need somebody
   Help! Not just anybody
   Help! You know I need someone Heeelp!


庄野:ビートルズはこんな時の為にこの曲作ったわけじゃねぇよ!


下村:もうこれは「開運」ではなく「快ウン」ではないでしょうか?


庄野:やかましい!!そうだ誠之助さん!ツッコミだ!鍛え上げたツッコミでその鎖と箱スパンと割れないか?


中島:今、ツッコミ力よりウン気の方が上がってますので十分な力が…


庄野:もうどうしようもねぇ!ここにきて3分の2がクソだ!!


下村:(巻きでと書かれたフリップ)


庄野:なんでここでADみたいなポジションになってんだよ!
   巻きってか下村が撒き散らかした種なんだからお前が処理し…



中島:あっ。


庄野:まさか。


中島:いやぁ私の体も、いい仕事してますねぇ!!


観客:


庄野:


下村:(撒きちらかしたクソと書かれたフリップ)


庄野:うるせぇ









庄野:(冒頭で一つ飛ばした席に座る)


一同:(観客席に座った!?)


庄野:どうすんだよこれ。


下村:うーん・・・(下村座席袖のレバーを引っ張る)


(舞台上を水が流れていく)


中島:うぉぉ?!なんだなんだ!?(流される箱)Heeelp!!


下村:水に流しました。色んな意味で。これが僕のツッコミの力です。


庄野:(次の方本当に申し訳ありません、このネタ水に流したいですと書かれたフリップ)

予選総合第31位(3回戦敗退) 生涯探究
審査員
点数
66 85 30 36 42 67 平均54.33
【審査員コメント】
・毎回毎回生涯探究だけ舞台設備とオファーに金使いすぎでしょうよ。くれよ。
 序盤は生涯探究にしてはおとなしく、ハジけきれていないように思えたのですが、
 中島さんが出てからのカオスっぷりったら凄かったです。ヘルプは卑怯だよヘルプは。
 後半尻すぼみする組が多い中、尻上がりにパワーアップしていったので圧倒されました。
 あとは序盤のマジック準備の段階でもう少し印象的なフレーズがあればなお後半が生きたかなと。
 フライングボディプレスとかバカで面白かったんですが、もう少し破壊力が欲しかったです。
 あと中島さんが出るのが急だったので、剣の価値をほのめかすとかのフリがあってもいい気がします。
 ギミック満載で、笑いの量よりも見てて楽しめるネタでした。金くれよ。
   
・何をしとんねん。ごちゃごちゃしてなくてよかった。
 前半の「それはツッコミとは言わない」のボケは少し弱かったなあと。
 うんこの話で「巻きで」が出てくるのめっちゃおもしろい。
   
・少なくとも原点回帰にはなってると思う。話にまとまりがあって、長文らしさも出ている。
 ただし、笑えるか否かという点では全く笑えず、問題は仕掛けの深さ浅さよりも別の次元にあると思う。
   
・別のところでも書いたんですけど、やっぱり物足りないですねー…。
 ギミックにこだわりすぎてて、ボケとして微妙になってしまっている感じがあると思います。
 何をしても許される世界観があるからこそ自由になりすぎて掴みきれてないような印象でした。
   
・どうコメントしろと……。
 いやあ、まあ……いろいろとやらかしてますなあ、としか言いようが……。
 ボケ不要と豪語していたわりにその後に登場するツッコミのバリエーションがあまり多くは感じられませんでした。
 後は、まあ……中島誠之助さんに怒られても知らんで。
 ていうかやっぱりまぁ、下ネタでオチ、っていうのはやっぱり、綺麗じゃなくて後味がね……。
 あんまりにくだらなさすぎて、逆に生々しさが皆無だったのは救いでございましたな。
   
・何なら比較的落ち着いていて分かりやすかったのですが、生涯探究らしいネタだったなぁと思います。
 小ネタの仕込み方、小道具の使い方なんかは慣れたものですね。
 他のネタと相対的に比べると、ボケ数・ボケの威力ともにちょっと物足りなかったかなぁ、とは思いました。
 

No.043 HONEY×TRASH
コンビニバイト挫折の道
蜂=蜂須賀で〜す。
 ミ=三井で〜す。
  G=五味渕で〜す。
蜂&ミ=2人そろって…
  G=待て待て待てぇ〜!

三人=はい、と言うことでHONEY×TRASH で〜す。


蜂=いやぁ〜、と言うことで、初めて参加させていただきますよ、MM-1グランプリ。
 ミ=珍しく漫才ですね。我々、あまり漫才、得意じゃないですからね。
  G=まぁまぁ、そう言わず― やっぱり挑戦はしてかないといけませんよ。それでMM-1に参加してるわけですし。
 ミ=そうですね、いろいろな世界を知るって重要ですよ、うん。
   それで、挑戦って程でもないんですけど、ちょっと、バイト始めようかなと思いまして。
  G=あら、怠慢を地で行く三井さんにしては、なかなかの挑戦じゃないですか。例えばどんなバイトですか。
蜂=そうだなぁ〜…
  G=あ、蜂須賀さん答えるんだ。 いい感じに「会話に入れず、痺れ切らした感」出てますよ。
蜂=楽に高収入を得られるバイトがいいなぁ。
 ミ=あ、それなら最近、「楽に稼げる」「手軽に高収入」とかって広告をよく見るよっ
  G=あぁ〜あぁ〜 一番、手ぇ出しちゃいけないとこだよぉ、それ。
蜂=まぁ、最初はオーソドックスなのがいいんじゃないの? 飲食店とか、家庭教師とか、死体洗いとか―
  G=とりあえず、さらっとオーソドックスな都市伝説が混じってたのはスルーしときますね。
 ミ=まぁ、無難なところで言ったら、コンビニ店員かなぁ〜…
蜂=無難とかいってるけど、コンビニ店員も案外大変だよぉぉ じゃぁ、ちょっと練習してみようぜ。
  五味渕がお客さんで、三井が店員やってよ。
  んで、俺、外のゴミ箱の近くで たむろってる、近くの高校の不良とかやるわ。
  G=それ、いらないなぁ。
 ミ=俺が店員ね。 じゃぁ、まずは店入るところからお願いします。

  G=スーパーちょっと遠いし、コンビニで済ませるかぁ…
 ミ=いらっしゃいませぇ〜 ありがとうございましたぁ〜
蜂=マジ、数学の遠藤、超ムカつかねぇ? すぐ巨大な三角定規で叩いてくんだけど。
  G=うわぁ… スゲェ入りづれぇ〜… 無視しよう… ウィ〜ン
蜂=うわっ アイツ、今、口で「ウィ〜ン」って言ったんだけど!! 漫才中かよっ!! ウケる!!
  G=そうだねぇ!! 絶賛漫才中だね!! 無視、無視!! ウィ〜ン
 ミ=タラララ タタ〜ン タラララ ラ〜ン♪
  G=いや、店入ったときの音とか、妙なリアリティいらないからっ。そしてファミマだということが分かったわ。
蜂=うわっ アイツ、今、口でファミマの音出してたんだけど!! 漫才中かよっ!! ウケる!!
  G=もう、お前、コントに入ってくるなよ!! もう、さっさと買うもん買って帰ろうっ。 じゃぁ…、これと… これと…
蜂=ちわぁ〜、ヤマト運輸で〜す。 商品の搬入で伺いました。
  G=何、今度は業者? ねぇ、どんだけ話に入りたいのよ
 ミ=いや、コンビニバイトは搬入業者の対応とかも必要だから、その練習するわ。
蜂=こちら、本日納品の高枝切りバサミと布団圧縮袋と万能包丁です。
  G=揃いも揃って、通販で扱ってるようなモンばっかだなぁ。
 ミ=あの〜、たぶんこれ、隣のドンキホーテだと思うんですけど…
蜂=あれ…違います…? えぇ〜と… あ、すいません、これ向かい側のイオンのでした!! 大変失礼いたしました!!
  G=ドンキとイオンに挟まれてて、経営大丈夫!? ってか、冒頭で俺、スーパー遠いとか言っちゃってるじゃん、不精の極み!!
    もういいや、さっさと買って出よ… これ、お願いします…。
 ミ=はい、いらっしゃいませ〜。(ピっ)¥189〜(ピっ)¥315〜 
蜂=袋、お詰めしますねぇ〜 お箸はお付けしますか?
  G=また、出てきたよぉ… 今度はもう一人の店員? はいはい、じゃぁ、箸、お願いします。
 ミ=ご一緒に高枝切りバサミはいかがですか?
  G=肉まんみたいに勧めんなよっ、ってかそれ向かいのイオンの商品だろうが!!
蜂=高枝切りバサミ、袋ご一緒でよろしいですか?
  G=いやいや、買ってない、買ってない、って、オイ 無理やり詰めんなよ!! もういいよ オマエ、外の不良でもやってろよ!!
 ミ=こちらの商品、布団圧縮袋で圧縮しますか?
  G=だから、イオンの商品勝手に使うなって!!
    何で、袋でピッタピタの高枝切りバサミ持って街ナカ歩かなきゃなんないんだよ!!
(ズオオオォォォ…)
  G=あ、コラっ、やめっ…!! あぁ〜… おにぎりぺっちゃんこだよぉ〜… 梅干潰れて若干滲み出てきてるよぉ〜… 
 ミ=お待たせいたしました、4点で¥1020になります。
  G=何でコンビニの買い物だけでこんなに疲れなきゃなんないんだよ…
蜂=なぁ〜、外の自販機、タバコ買えねぇんだけど!! カード必要とか言われんだけど!!
  G=もぉ〜、また不良出てきたぁ〜 確かに不良やってろって言いましたけどもぉ〜
    そりゃタバコ買えないだろうね、君らTASPO持ってないもんねぇ
 ミ=タラララ タタ〜ン…♪
  G=律儀か!! 店入ったときの音いらないからっ
蜂=定期かざしたけど、反応しねぇんだけど!!
  G=あぁ、惜しい、それPASMOだわぁ〜 んで、お金払うのにはたぶん使えたわぁ〜
蜂=はぁ!? PASMOじゃねぇし、Suicaだし!! 日暮里で乗り換えるし
 ミ=あ、あ、た、タバコでしたら、店内でもお取り扱いしておりますので…
  G=ダメ、ダメだよ店員さん!! 未成年にタバコを売っちゃ!! 
蜂=ハイライト
 ミ=あ、番号でお願いできますか?
蜂=16番、つ〜かさぁ、タバコの銘柄ぐらい覚えといたらぁ?
 ミ=大変申し訳ございません…。あ、お箸お付けしますか?
  G=絶対いらねぇなぁ。
蜂=二つ。
  G=しかも、二つもいらねぇなぁ。
 ミ=¥410になります。
蜂=nanaco使えますか?
  G=さっきまであんなにSuica押しだったのに!!
 ミ=大変申し訳ございません、当店では取り扱っておりませんので…
  G=確かに、ファミマの設定らしいですよぉ、この店舗。
 ミ=そこはSuicaでしょ?
蜂=Suicaならばスイスイお買い物っ♪
(蜂須賀と三井がジャンプする)
  G=急にCMやるなよ!! 合わせられなかったじゃん!! ちょっと悔しいわ!!
蜂=何でnanaco使えねぇんだよ、マジ、ふざけんなよ!! クソっ、オイ、金出せよ、出さねぇと、この包丁でブッ刺すぞ!!
 ミ=お、お客様、危険ですのでおやめください!!
  G=おぉっと、まさかの急展開!! 電子マネーごときで居直り強盗と化したぞ!!
蜂=この万能包丁でブッ刺すぞ!!
  G=それ、さっきのヤマト運輸のヤツからかっぱらったろ!?
 ミ=こ、こんなときは… そうだ!! 高枝切りバサミだ!!
  G=残念ながら「さすまた」とは似て非なるものだわ!! 強盗対策にはあまりに貧弱!!
 ミ=あぁっ!! さっき圧縮しちゃったから開けないぃぃぃ!!

蜂=なんだよ、三井、全然ダメじゃん。 コンビニ店員できてないよぉ〜
  G=蜂須賀がチョイチョイ、変なので入ってくるからだろ!!
蜂=まず、未成年にタバコ売っちゃダメだろ!?
 ミ=あぁ、そうかぁ〜 年齢確認でパネルタッチしてもらうの忘れたわぁ!!
  G=ほらほら、形骸化、形骸化!!
蜂=それから、タバコの銘柄と番号はちゃんと覚えとかないとダメだぜ?
 ミ=車のナンバーとかならすぐ覚えられるんだけどなぁ〜…
  G=そんな「迎えに来てもらうときに便利な特技」自慢いらないよ!!
蜂=あと、高枝切りバサミは「さすまた」の隣に置いとかなきゃ
  G=「さすまた」ある時点で、不要!!
 ミ=うぅ〜ん、何かコンビニバイトの自信なくなってきたなぁ…
蜂=なぁ? 大変だろ? まぁ、とりあえず、採用するかどうか、結果は後日連絡しますから。
  G=何、これバイトの面接だったんかよ!? こんなコンビニこちらからやめさせてもらいますわ!!


三人=どうも、ありがとうございましたぁ!!

予選総合第34位(3回戦敗退) HONEY×TRASH
審査員
点数
63 59 20 72 46 60 平均53.33
【審査員コメント】
・とにかく伏線の張り方が上手い。デパートとイオンのくだりとか入店音とか。
 そうやって積みに積んだボケを最後の部分で抜け目無く回収出来ていて、思わず声を漏らしました。
 蜂須賀のコロコロ変わる役割なんて、トリオ漫才の利点を最大限活かせていました。
 コント部分は非常に秀逸だったんですが、最初と最後のしゃべくりでもたついたのが勿体無い。
 あそこがもうちょっとスムーズにいけば、全体の流れが今以上に引き締まったはずです。
 あとさすまたの部分はややわかりづらかった気がします。一番の山場なんでもう少し丁寧でも良かったかなと。
 やや拙い部分はありましたが、構成と伏線回収の点ではお手本のようなネタでした。
   
・漫才の内容とは関係ないんですけど、見やすいようで見にくいですね…
 
 蜂    いやぁ?…
  ミ   珍しく…
   G  まぁまぁ…
  ミ   そうですね…
 
 ぐらいに、まだ文頭は揃っていた方が良いかなあと。
 
 漫才中かよ!というメタなボケ、店入ったときの音…など“漫才らしい”ボケが多かったなあと思ったんですが、
 文字でみてあまり面白さがあまり伝わらなくその辺もったいないなあと思いました。
 ○nanaco使えますか?
   
・文章と改行が非常に読み辛く、また内容も読むに堪えない。
 Gの「漫才中かよウケる」がピークだった。
   
・蜂須賀さんのコントをかき乱す立ち位置がよかったと思いますが、
 便利な立ち位置の人がいるからこそもっと自由に動いて欲しかったな、というのはあります。
 「布団圧縮袋で圧縮」する絵面の奇抜さは好きでした。
 正統派プラスワンといった感じで、わかりやすいネタで面白かったです。
   
・導入の話になりますが、蜂須賀さん、言うほど「会話に入れず、痺れ切らした感」出てませんでした。
 もう少し蜂須賀さんの台詞で『あ、あの』とか入りたそうで入れない感のある空気をわざとらしいくらいに出さないと、そういう感は出にくいと思います。
 ボケ自体に上手さはまぁ、あるんですけれど……爆発力を伴えていない感があります。
 コンビニで買ったものを布団圧縮袋で圧縮してるのはおもしろかったですね。
 3人の台詞の頭の位置がずれているの、案外と読みやすいですね。
 実在の漫才のように3人の立ち位置が分かりやすく、トリオ漫才なのに混同することがほとんどありませんでした。
   
・「漫才中かよウケる」は良いですねw
 全体的を通して、実際の漫才のように臨場感があり、そこそこ楽しめました。
 ハマったボケの量からするとそこまで高い点数にはならなかったのですが、全体としては良かったと思います。
 蜂須賀のジャマキャラは、生きてもいますが、読み手にとって入りにくい可能性もあるかなぁと思いました。
 

No.044 kissしてシクラメン
ストーカーの唄〜ここで、あなたの席〜
峰岸:どーもー、kissしてシクラメンです!

花笠:ハッハッハッ、舞台袖で痺れ薬を飲んできたぞ! 花笠オトコマエだ!

峰岸:ええー!? 何でMM−1の舞台でそんな事してるの!? 理由が分からない! 

花笠:漫才が終わるのが先か、私が痺れりゅのがしゃきか……。

峰岸:早速痺れ薬効いてるじゃねえか! 呂律が死んでますよ!?

花笠:ファッファッファッ、気にしゅりゅことはない!

峰岸:するよ! 笑い声もディズニー映画の悪役みたいになってるしさ! 解毒剤とか無いの!?

花笠:人、人、人、ごくん……治った!

峰岸:治ったの!? それ、明確に迷信と分類されている治療法ですけれども!
   全くもう……まあね、私は峰岸喜久子と申しまして! ね、男前な女の子と二人で漫才やっているんですけれども。

花笠:なあ峰岸よ、大丈夫か? 疲れてないか? 休暇が必要なんじゃないか?

峰岸:へ、いきなり何の心配? いやいや、大丈夫ですよ。痺れ薬を服薬して漫才に臨んでいる人よりはよっぽどね。

花笠:いや、そんなことは無い! 峰岸は日ごろから私にツッコミを入れて疲れているはずだ!
   だから私もなるべく峰岸の手を煩わせないように協力をしよう! 黙ろう!

峰岸:絶対止めてよ!? いやいや、心配ありがとうね。でも、いつも通りに好き放題ボケて貰って大丈夫ですからね。

花笠:そんな……! 私は、ツッコミで過労死する君を見たくないんだ!

峰岸:いくら私でも死ぬ程はツッコまないよ!?

花笠:強がりを言うな! リハーサルの時、マイクにすがり付いてまでツッコミを入れていた峰岸の姿を、私に見過ごせというのか!

峰岸:してたっけそんなこと!? そんな満身創痍でリハーサルしてたっけ!? 別にそこまで体ボロボロじゃありませんから!

花笠:最近のお前は頑張りすぎなんだ……。お前は身体を休ませなければいけないんだ……。

峰岸:ねえ、私の話聞いてる?

花笠:私は知っているぞ、夜な夜な廃工場で振り子鉄球を相手にツッコミを入れていることを!

峰岸:してないよそんな努力! 手首バラバラになるわ!

花笠:バレてないと思っていたのか? 君は、私に隠れてツッコミウマクナールを常用しているだろう!?

峰岸:なにその吉本興業が関わってそうな薬!? むしろ超絶下手くそになりそう!

花笠:峰岸よ、お願いだ……。一度医者に掛かってくれ……子供が産めない体になってしまうぞ……。

峰岸:母体を蝕むツッコミってどれほどだよ!? てゆーか、いい加減オトちゃんはきっと私と誰かを勘違いしているよ!?

花笠:よし、峰岸がそこまで強がるならば仕方ない! こうなったら私が医者になろう!

峰岸:え、医者?

花笠:私は今から医者だぞ! 峰岸はツッコミのし過ぎで体を壊した患者をやってくれ。

峰岸:この子は一体何がしたいんだ……。まったく……分かったよ、そのワケわかんない患者やればいいんでしょ?
   あー、最近ツッコミを入れすぎて身体の調子が悪いなー。手首とか粉砕してるみたいだしなー。病院に行こう、ウィーン。

花笠:ハッハッハッ……ハーッハッハッハッ!!

峰岸:ん、何かなこの高笑いは。

花笠:ハッハッハッ、ツッコミに迷える子羊よ!
   私がツッコミクリニックの院長、花笠オトコマエだ! 君のツッコミ中毒、治療して進ぜよう!

峰岸:早々にツッコミ所の塊が現われた! え、いや……なに、そのツッコミ中毒って……。

花笠:ツッコミ中毒とはな、ツッコミをし続けた結果、筋肉が収縮し、瞳孔が開き、心拍が止まった状態を言うぞ!

峰岸:それ多分死んでる人だよ! 私の心臓はまだ溌剌としてますよ!?

花笠:さあ、と言うわけで早速診療を始めよう! そこの人間椅子に腰掛けてくれ。

峰岸:人間椅子!? なにそれ、中に変態入ってんのあんたのとこの椅子!?

花笠:ストッープ!

峰岸:な、なに?

花笠:駄目だよ、ツッコミをしては。

峰岸:……はあ?

花笠:ここはツッコミクリニック、ツッコミ中毒を治療する施設だ!
   そんな些細なことでツッコミをしてはいけないッ!!

峰岸:マジかよ!! そんな絶望的な設定で漫才させられるの!?
   それに、今から座る椅子の中に人が入っている事態を、ふつう些細なこととは言わないよ!

花笠:馬鹿者! 三日前に彼氏に振られた事と比べれば、些細なことだ!

峰岸:視野が狭くなってる! 失恋のショックで正常な判断が出来なくなってるこの女医さん!

花笠:さあ、ツッコミを止めるんだ! もしくは私を復縁させろ!

峰岸:なりふり構わないな! もー……そこまで言うならなるべくツッコミ我慢するよ。私だって中毒ってわけじゃないんだからね。

花笠:さあ、それでは今から診察を行うぞ! では、いちについて、ヨーイドン!

峰岸:徒競走かよ!
   って、あ……いや、ツッコミしちゃったけどさ……。あの、そんな失望した顔しないでよ……。

花笠:はあ、仕方ないなあ。ならば、目を閉じて暫く心を無にしてごらん。そうすればツッコミをする事も無くなるだろう。

峰岸:んー、言ってる事も分からないでも無いけれども……。じゃあちょっと頑張ってみるよ。黙ってみる。

花笠:そうか! それでは、ツッコミ紙芝居の始まり始まりー!

峰岸:!?

花笠:むかしむかし、あるところに一人の女医とその彼氏がいました。

峰岸:!?!?

花笠:女医は言いました。「こらこら、あんまりインスタント食品ばかり食べていてはダメだぞ! 何か作りに来てやろうか!?」

峰岸:……。

花笠:彼氏は言いました。「このストーカーめ! また人んちのゴミ袋漁りやがったな! 顔も見たくない! 通報してやる!」

峰岸:!?!?!?

花笠:それから……その、まあ。色々ありました。

峰岸:……。(ガタガタガタガタ)

花笠:そして、今では彼氏はこのツッコミクリニックの椅子として働いています。めでたしめでたし。……良く耐えたな!

峰岸:帰ります! 今すぐ帰ります!

花笠:どうした! 問題発生か!?

峰岸:この腐れヤンデレ女! サイコ! 腐れヤンデレサイコ女! あ、これツッコミじゃなくて罵倒ね!

花笠:酷い言われようだな! いやいや、どうしたんだ? なぜ帰るなどと……。

峰岸:どうしたもこうしたもないよ! あなたストーカーしてたの!?

花笠:ストーカーとは失礼だな! 私は、彼氏が外出している間に部屋に入り、押入れに隠れ潜んで、彼氏が外出してから家を出たりしていただけだぞ!

峰岸:それはもうストーカーを越えた何かだわ! 現代に生きる妖怪の類ですわ!
   いやいや、それはそうと……何!? 元カレ、今椅子として働いているの!?

花笠:ふふ、そうだぞっ///

峰岸:どうして照れているんだよ! 分からなすぎて目の前の全てが恐怖だよ!
   私、てっきり自発的に入ってる物だと思ってた! 逆なんだね!? 閉じ込められているんだね!?

花笠:人聞きが悪いなあ。それじゃあまるで、私が元カレを痺れ薬を使って無理矢理監禁しているみたいじゃないか。

峰岸:私痺れ薬なんて一言も言ってないよ!? 自白なのそれ! 自白なの!?

花笠:ここだけの話、私の元カレもツッコミ中毒で療養中なんだぞっ!

峰岸:なっちゃってるの!? 筋肉が収縮して、瞳孔が開ききって、心拍が停止しちゃってるの!?

花笠:不思議とね!

峰岸:何がどうなんだ! 何がどう不思議なんだよ! いや、私のツッコミ中毒はどうするのよ……。

花笠:それでは、その、手のひらに「人」と言う字を三回書いてな……。

峰岸:あんた、どれだけその迷信を信用してるんだよ!
   だからそれは緊張がほぐれる奴だから! 私が舞台袖でよくやってる奴だからさ!

花笠:さあ、そんな事はもう良いから復縁をさせろ! さもなくば左手を貰う!

峰岸:怖いよこいつー! もう既に私の病気を治そうなんてこれっぽっちも思ってないよー! 私両手首ぶらんぶらんにされちゃうよー!
   もう、ちょっと待ってオトちゃん! 待って! 待ってください!

花笠:ハッハッハッ! どうした峰岸、敬語で懇願するなんて。何かあったのか?

峰岸:いやもう何か普段以上に疲れたわ!
   ツッコミ過ぎて喉が枯れてしまいそうだよ。こんな病院だったら、通院しないほうがましだよ。

花笠:そうか、それは申し訳ないな……。

峰岸:そうだよ。私は、もっと人の心を和ませるような漫才をしたいな!

花笠:では、今度は私がボケ過ぎてボケ中毒になってしまうから、峰岸はボケクリニックの医者をやってくれ!

峰岸:いやもうそれ状況として何も変わってないし、ボケ中毒はアルツハイマー的な何か! いい加減にしてー!

二人:どうも、ありがとうございましたー!


No.045 シュビビン!
ジージネーター
南条:どうも、シュビビン!です。以後お見知りおきを。
   MMー1は2回目の挑戦というわけでね、顔と名前だけでも覚えて帰ってください。

生原:それが無理なら上杉謙信には女性説があるということだけでも覚えて帰ってください。

南条:今覚えてもらうことじゃないです。そういう話は何となく伝記でも読んで覚えればいいんです。

生原:諸説あるんですけど、上杉謙信のことを「叔母」と記した文献などが残っていまして……。

南条:掘り下げないでください。ここ日本史のセミナーやる場所じゃないんですよ。
   せっかくのMMー1なんですから、精一杯頑張っていきましょうよ。

生原:おぉ頑張ろう、ろれつが回らなくなるまで頑張ろう!

南条:それはちょっと頑張りすぎですね。いきなりろれつ回んなくなったら笑うに笑えなくな なりますから。

生原:それろりろれ、ろれらいりんらりらいろろられれれれれれれれ。

南条:頑張りすぎ頑張りすぎ。漫才開始数秒でら行しか言えなくなるとかハンデが過ぎますよ。

生原:ろれられ!るりらろら、ららりーろーろらん!!ららりーろーろらん!!(ばっふんばっふん)

南条:多分ですけどナタリー・ポートマン連呼してません?鼻息の荒らさがキツイです。
   ほら、いったん力抜いてー?吸ってー、吐いてー、信濃川の清流を思い浮かべてー。

生原:ふぅぅぅぅ……ごめんごめん、悪かったな、しょっぱなから下品な話しちゃって……。

南条:何の話してたんですか。場合によってはハリウッドとの全面対立になりますよ。

生原:まぁそんなわけでね、今日はちょっと時事漫才やってみたいと思って。

南条:そんな話してたんですか。ろれつに掻き消されて全くわかりませんでしたよ。

生原:時事漫才ってわかる?あのギリシャ神話に出てくる方じゃないぜ?

南条:そっち知らないです。てか生原君、時事漫才なんて出来るんですか?
   時事ネタなんて最近のニュースや話題に人一倍詳しくないと出来ませんよ?

生原:出来るに決まってんだろ、俺はリンゴでジャグリングだって出来る男だぜ?

南条:だからなんやねんって話ですよ。何の説得力もありませんよ。

生原:リンゴでジャグリングと時事漫才、どっちが難しいかって話だよ。

南条:別ジャンルすぎて量れませんよ。それぞれ専用の秤にかけなきゃ量れませんよ。

生原:とにかくやろうよ!俺世相を切りたいんだよ、世相と前髪を切りたいんだよ!

南条:後者に関しては美容室行けとしか言えませんけども。
   わかりましたよ、そんなに時事ネタやりたいというなら付き合いますよ。

生原:マジで!? 本当にありがとう!! ありらろう、らりらろー!! ろんろーりらりらろー!!

南条:ああ、またろれつが。その興奮とろれつの連動切り離せません?

生原:らりらろー、らららら、ららりーろーろらん!! ららりーろーろらん!!(ばっふんばっふん)

南条:はい吸ってー、吐いてー。雪国の穏やかな春を思い浮かべてー。

生原:んふぅぅぅぅ……ごめんな、またテレビで言えないような卑猥な話しちゃって……。

南条:一体何を言ってるんでしょうか。彼はナタリー・ポートマンに何しようとしてるんでしょうか。
   いいから時事ネタやりましょう。最近なんか気になるニュースあります?

生原:もちろんあるよ、痙攣が三日三晩止まらなくなるくらいあるよ。

南条:ちょっとどの程度かわかんないですけど。じゃあその中でも一番気になるニュースを教えてくださいな。

生原:おおよ。あのな?最近地元であった話なんだけど……
。

南条:ストップストップストップストップストップ。ストップ、ストップストップ。

生原:あのさ、俺の中学時代の先輩に吉田先輩っていたじゃん? あ、虫歯だらけじゃない方の吉田先輩なんだけど。

生原:ストップっつったらストップしてくれません?漫才におけるマナーとして。
   あのー……すいません、しょっぱなから時事ネタの大前提がぶっ壊れたんですけど……。

生原:何で止めんだよー。今から吉田先輩がストパーかけた話しようとしてたのによー。

南条:想像を遥かに絶するどーでもいー話題なんですけど。それで漫才広げられる自信無いんですけど。

生原:いけるだろ、吉田先輩のストパーの話題から、なんかこう……世界平和的な……。

南条:いけなさそうじゃないですか。どんな展開があったらその着地点に行き着くんですか。
   生原君、それは時事ネタじゃなく内輪ネタです。同窓会でしかウケません。

生原:えー、でも吉田先輩のストパーが最近で一番のニュースなんだけどー。

南条:地元圏内のニュースを聞かされても困るんですよ。知らない人のイメチェンの話されて誰が盛り上がれるんですか。

生原:だって生まれてこの方「タワシの擬人化」のあだ名をほしいままにしていた吉田先輩がついにストパーかけたんだぜ!?

南条:ちょっと興味が出てきてしまいましたけど。吉田先輩の詳細が気になってきましたけど。

生原:その衝撃のニュースに、「業務用冷蔵庫の擬人化」の方の吉田先輩も驚愕したという……。

南条:あだ名で興味そそってくるのやめてもらえません?まさか聞きたくなってくるとは。
   でもこんなん時事ネタじゃないんですよ。時事ネタはもっと広範囲のニュースじゃないと。

生原:広範囲……あっ、高校時代の友達の話なんだけど。

南条:地元の範囲を広げろってことじゃないです。学区内から飛び出してください。

生原:なんとキョーコちゃんが結婚したんだってよ!あの「ピンクチラシの擬人化」と呼ばれたキョーコちゃんが!!

南条:めっちゃ気になるんですけどー。絶対痴女じゃないですかー。

生原:いやいや、キョーコちゃんの話はさっきからずっとしてるじゃん。

南条:覚えがないんですけど。今回初登場の人物なんですけど。

生原:キョーコちゃんにかかれば、俺のリンゴもジャグリングされちまうぜ……!!

南条:ワケわかりませんけどなんかやたらすごそうだ。
   生原君、その話はブログにでも書き殴ってもらうとして、今は時事ネタをやらないと。

生原:だからやってんじゃん時事ネタ。どんどん世相を切り刻もうぜ。

南条:世相というにはトピックスが狭すぎるんですよ。風刺のしようがないんですよ。

生原:じゃあ何の話すればいいんだよ。あっ、武田信玄の話は時事ネタに入る?

南条:入りませーん。生原君お得意の日本史はだいたい時事の範囲外でーす。

生原:武田信玄と言えば風林火山ですけど、ウチの地元には「喫茶・風林火山」が……。

南条:日本史と内輪ネタを融合させないでください。興味のなさのドリームマッチです。
   普通時事漫才でやる話題と言ったら、政治の話とかですよ。

生原:せ、せせっせせ、せっせっせっせ、せっせら、せいじ………!?(わなわな)

南条:めっちゃうろたえてるじゃないですか。時事ネタ出来る人の反応じゃないですよ。

生原:わ、わかるよ、政治の話くらい出来るよ……アレだろ?えっと………。
   …………あっ、えー…………………アレだろ………………アレだろ!?

生原:どれですか。たっぷり間を取って絞りカスすら出てこないじゃないですよ。

生原:えーっとえーっと………こ、国会議事堂!! 国会議事堂、国会議事堂!!!

南条:諦めましょうよ。振り絞って出てきたのがそれじゃお粗末すぎます。
   今の政治の話題なら例えば消費税増税とか、アベノミクスとか。

生原:アベノミクス、アベノミクスな!?しし知ってるよ、ギリシャ神話に出てくる方のアベノミクスな!!

南条:そっちじゃないです。そっちがあるのかも知りませんけれども。

生原:遥か昔に海の化け物ジジネタを1人で退治したと言われる勇者・アベノミクスな!?

南条:まさかの時事ネタとの繋がりが。関連性は全くありませんけれども。

生原:そ、そのアベノミクスがアレだよな……えー……選挙権!!選挙権!!

南条:恥さらしですよ。アベノミクスというのは、別名「3本の矢」と言われる政策でして……。

生原:3本の矢!?3本の矢と言えば毛利元就!!彼は広島の武将で……!!

南条:日本史への食い付きが尋常じゃないですね。一応両方社会科の管轄内なんですけど。

南条:ちなみにウチの地元には「喫茶・3本の矢」があって、そこの店長の吉田君が中学の同級生で、
   その吉田君が最近ストパーをあてまして……。

南条:一番戻っちゃいけない話題に戻らないでください。一番知ったこっちゃない話題です。
   ていうか日本史の話で漫才しません?絶対そっちの方が得意分野でしょう。

生原:嫌だい嫌だい!時事ネタやってみせるんだい、インテリ漫才師として名を馳せるんだい!

南条:「国会議事堂!」の時点でその夢は水泡と消えてますけれども。
   政治がダメならば、芸能ニュースなんてどうですか?

生原:げっ、げげっげげっげげっげげっげげっげげっげげっげげっ………げいのう……!?(ぶるぶる)

南条:さっき見ましたよこの反応。芸能知らないんですか、テレビのニュースでやってるでしょう?

生原:いや、ウチのテレビ壊れててさ……2011年7月からずっと砂嵐なんだよ……。

南条:多分ですけど地デジ化してないでしょう。よく3年間放置してましたね。

生原:ちょっと待って、地デジ!?何か時事ネタっぽい響き!詳しく教えて!?

南条:残念ながら地デジが時事ネタだった時代は遥か昔に過ぎ去ったんですよ。
    何か知ってる芸能ニュースありません?誰かと誰かが熱愛みたいな。

生原:熱愛発覚と言えばピンクチラシのキョーコちゃんだな!!

南条:結局身内に戻ってきちゃうんですね。まぁこれに関してはわりと興味がありましたが。

生原:いやぁ、キョーコちゃんは本当にやらしいからな……やらしい!やらしいキョーコちゃん!!

南条:ボキャ貧が酷いですよ。せっかくの話題も伝えられなきゃ意味無いですから。

生原:やらしいキョーコちゃん、やらしーキョーコちゃん!!やらりーキョーロらん!!

南条:……あれ……?なんか聞き覚えのある語感が……。

生原:やらりーキョーロらん、ららりーローロらん!!ららりーろーろらん、ららりーろーろらん!!(ばっふんばっふん)

南条:……あれあれ、あれあれあれあれあれあれ!?
   変わってる!!やらしいキョーコちゃんがいつのまにかナタリー・ポートマンの語感に変わってる!!

生原:そう言えばさっきから気になってたんだけどナタリー・ポートマンって誰?何神話?

南条:知らないんですかナタリー!?そりゃそうですよね芸能情報カスほども知らないんですもんね!
   てことはさっきから言ってたららりーろーろらんは「やらしいキョーコちゃん」だったんですか!?
   ずっとキョーコちゃんの話をしてたってそういうカラクリだったんですか!?何ですかこの種明かし!!

生原:そのキョーコちゃんの旦那が吉田先輩で、その吉田先輩がなんと最近ストパーを……。

南条:それはもういいです!!勝手に髪なびかせておけばいいんです!!
   ふぅ……取り乱してしまいました……もう無理ですよ生原君、キミに時事ネタはムリですよ。

生原:そんなバカな……時事ネタを極めて、地元に「喫茶・時事ネタ」を開くという夢はまだ遠いか……。

南条:何を目標にしてるんですか。あと君の地元は喫茶店激戦区なんでやめといた方がいいですよ。
   とりあえず時事を勉強しなおしましょう。そんなわけで今日はそろそろ引き上げましょう。

生原:そうか……じゃあ世相は切れなかったけど、漫才はここで切り上げますか。

南条:お後がよろしいようで。

2人:どうもありがとうございました。

予選総合第7位(準決勝敗退) シュビビン!
審査員
点数
82 90 89 65 82 平均81.60
【審査員コメント】
・毎回時事ネタを書きこなすバニーガールさんはすげぇんだなとおもいました。
   
・面白い、というよりは、おぉまとまっていってる!という感じ。
 いや、ちゃんと面白いところは面白いんですけど、はじけた感じじゃなかったなあと。満足感あります。
   
・圧倒的なセンス。クオリティに嫉妬するレベル。
 文章力、構成力、バカバカしさ、下ネタの緩急、全ての要素において現在の長文界で頭一つ抜けてる
   
・構成が上手いですよね。
 「ナタリー・ポートマン」のくだりはそれ単体のボケとしても面白いんですけど
 それがまさか最終的に回収されるとはという感じでした。
 回収の予感を感じさせない伏線って難しいと思うんですが、それが出来るのはやっぱり技術力がすごいんだなと。
   
・いまいち跳ねきらなかった印象ですね。
 爆発力の高いボケ自体は散見するものの、それらがうまく連鎖反応を起こすことが出来ずにいました。
 単発の笑いだけでうまく波が起こせぬまま終わってしまいました。
 似たような系統のボケをうまく使い分けできずにもて余してしまっていた感じがしました。
 ワードの個々の破壊力は、申し分なく高いですね。
   
・これ、出番順的に絶対生原さんは花笠さんに痺れ薬もらってますよね!?…という奇跡はともかくとして。
 「時事ネタ」と言いつつ「地元の話」をする、という設定自体が面白かったです。
 個人的には後半に刺さるボケが無かったのですが、間違いなく全体的に良くできていた作品だと思います。
 

No.046 みるくちょこれーと
あいてぃーかくめい
ユウスケ:いえす!いえす!みるくちょこれーと、いえす!!

ユミ  :うっさい、チビザクロ

ユウスケ:ザクロってなんか渋いからラッキー!
     そんなことよりユミザクロ!

ユミ  :誰もがザクロに対して良い印象を持ってるとは限らないのよユウくん。
     むしろユミはザクロを憎んでいるわ。ザクロを、憎んでいるのよ。

ユウスケ:ユミちゃんの短い人生に何があったの!

ユミ  :ザクロに親を食べられたのよ

ユウスケ:信憑性のかけらもない話はこりごりだ!
     さてさて、ユミちゃん!時代はスマートフォンだよ!ユミちゃん!親ザクロ食べられユミちゃん!

ユミ  :悪意しか感じない呼び方やめなさいよ。
     まぁ、そうね。ユミたちはまだ子供だから、持たせてもらえないけどいずれは使いこなさねばならぬときが来るかもしれないわね。

ユウスケ:でしょ!
     スマートフォンってのにはたくさんのアプリってのがあるってのってのよ。

ユミ  :てのってのうるさいわね。
     響きが似てるからテクノポップでもしてなさいよ、手軽に。

ユウスケ:テクノポップは手軽に始められるものじゃないよ!ナめてたらパフュームに袋だたきにされるよ!
     スカイラブハリケーンみたいなポジションで!

ユミ  :それは怖いわね、ユウくん代わりに謝っておいて。

ユウスケ:わー社会の縮図ー!
     親ザクロ食べられパフュームのみなさん!ごめんなさい!

ユミ  :ユウくん、そんなに世の中親をザクロに食べられた人ばかりじゃないわよ。
     もっといえば、別にユミの親だって食べられてないし、ザクロに人を食べる獰猛さはないわ。

ユウスケ:そうなのかよ!ビビって損したぜ!200円損したぜ!

ユミ  :そんな簡単に経済は動かないわよ。
     で、結局何の話してたんだっけ、親ザクロ食べられユウくん?

ユウスケ:ユウくんの親も別に食べられてないよ!家の親だけ例外なんてことありえないよ!
     で、えっと…何の話だっけ…寿司に乗った戦士がハマグリおじさんと対立する話?

ユミ  :そんな魚々したファンタジーな話してたかしら

ユウスケ:あ、違う違う。スマートフォンのアプリの話だ。ハマグリおじさんで思い出したよ。

ユミ  :ハマグリおじさんとスマートフォンにいったい何の共通点があるっていうのよ。

ユウスケ:あるわけ無いだろ毒スパゲッティ!

ユミ  :もう、お互い悪口のセンス無いんだからやめましょ。

ユウスケ:でも皆がスマートフォン使ってるんだからさ、画期的なアプリを思いついちゃえばガッポガッポなわけだよ!
     お金!!お金!!!お金!!!!

ユミ  :お金お金うるさいわよ、前菜モグラ。

ユウスケ:悪口のセンス無いからやめようってそっちが提案したことなのに!
     女心とハマグリおじさんの皮膚の色は変わりやすいなぁ。

ユミ  :ハマグリおじさんの生態が気になって仕方ないわね。

ユウスケ:じゃあハマグリおじさん図鑑とかどう?
     ハマグリおじさんの餌から習性、好きな色や今日の運勢が分かるの!

ユミ  :ハマグリおじさん図鑑で今日の運勢は知りたくないわよ

ユウスケ:ハマグリおじさんが囁き声で今日の運勢を読み上げてくれるんだ!

ユミ  :せめて普通に言ってほしかったわよ。
     生態を知る前の生き物の囁き声で言われたら結果どうあれ良い一日にはならないわよ。

ユウスケ:そんな時はハマグリおじさん拡声アプリを使って大きくすれば良いんだよ!

ユミ  :囁き声のまま大きくなっても仕方ないわよ。
     より、吐息が聞こえて不快感が増すだけじゃない。
     全く、マイナスドライバーでグリグリするわよ。

ユウスケ:結構深刻に危ないや!
     ん〜じゃあ、ハマグリおじさんの〜…

ユミ  :ユウくんはハマグリおじさんから離れるつもりはないの?
     ユミそんなにそこに興味ないんだけど。

ユウスケ:仕方ないじゃない、もう後には引けないんだよ!

ユミ  :まだハマグリおじさんはなにも動き出してないわよ!

ユウスケ:動き出すよ!特許取るよ!特許!

ユミ  :日本の特許なめないほうがいいわよ。

ユウスケ:「親ザクロ食べられハマグリおじさん」で特許取るよ!

ユミ  :もう色々足し過ぎてワケわかんなくなっちゃってるじゃないの

ユウスケ:特許取ったらもう「親ザクロ食べられハマグリおじさん」は使い放題だから
     色んなアプリ作るぜ〜!

ユミ  :特許取らなくったって誰も使わないわよ。
     それ使うくらいなら死んだマグロとか使ったほうがギリギリ引きがあるわ。

ユウスケ:生きてるのに!生きてるのにツナに負けた!!
     いや、そんなことユウくん案を聞いても言えるかな…!?

ユミ  :聞いたら尚自信満々に言えると思うわ。
     死んだマグロが流れるプールで流されてるのを眺めるだけのアプリのほうがまだ引きがあるわ。

ユウスケ:ウソだ!死体が流れる映像にそんな引きはない!
     ユウくん信じない!ユミちゃんの親がザクロに食べられてないことも含めて信じない!

ユミ  :ユウくんはどれだけユミの冗談を真に受けるのよ。
     もう良いから、そのユウくん案とやらを聞かせなさいよ。早くしなさい、サンドイッチではさむわよ。

ユウスケ:挟まれたかぁないから早速ユウくん案行くぜ!
     まずはね、アプリゲーム「親ザクロ食べられハマグリおじさんブラザーズ」!!

ユミ  :新しい要素足すんじゃないわよ、名前ぐっちゃぐちゃじゃないの。
     しかも、ハマグリおじさん兄弟居たのね。

ユウスケ:名前はルイーズだよ!

ユミ  :パクり感満載だし、兄と名前がかけ離れすぎてるわね。

ユウスケ:まぁマリオとかルイージだって親をザクロに食べられてるワケだしそういう意味じゃ同じようなもんだよね!

ユミ  :あのヒゲ達も親をザクロには食べられてないわよ。
     そろそろこの親をザクロに食べられた冗談を忘れてくれないと、元凶のユミですら強めに飽きてるんだから。

ユウスケ:まぁ簡単に説明すると、親を食べたザクロを狩るためハマグリおじさんが駆け回るアクションゲームだよ!

ユミ  :おじさんのザクロ狩りの話なのね。凄く興味がないわユウくん。

ユウスケ:ジャンプ、キック、砂吐き。ファイヤー、アイス、砂吐きを駆使して敵たちと格闘だ!

ユミ  :嫌よ得体のしれないおっさんの砂吐き見るの。
     ファイヤー出すのですらちょっと気持ち悪いのに。

ユウスケ:ラスボスはもちろん寿司に乗った戦士だよ!

ユミ  :結果、寿司に乗った戦士とハマグリおじさんが対立する話になっちゃったわね。って誰が覚えてるのよそんな前のくだり。
     しかも、ラスボスザクロじゃないのね。

ユウスケ:ザクロはラスボスを倒した後ミニゲームでさっくりと狩れるよ。

ユミ  :本題それだったはずよね、ミニゲームですませていいの?

ユウスケ:良いんだよ、所詮果物だもん

ユミ  :誰もがずっと思い続けてきたことを今さらになってぶり返すのね。
     ユウくん、このアクションゲームビックリするくらい面白そうじゃないわ。
     ドーベルマンが二足歩行で全力ダッシュしてるところより面白くないわ。

ユウスケ:ユウくんそれ結構面白いと思うけどね!
     分かったよーじゃあ次のユウくん案行くね。

ユミ  :政治より期待できないわね

ユウスケ:急にどうしたのユミちゃん。この話題あんまり触れたくないから気にせずユウくん案行くね!
     その名も「親ザクロ食べられハマグリおじさんブラザーズ2」!

ユミ  :1をアレだけ否定したのに良く2に行く勇気が出たわね。
     政治より勇気あるわ。

ユウスケ:さっきから急にどうしたのユミちゃん。ユウくん政治には触れたくないよ。
     でも大丈夫!2は1より面白いから!

ユミ  :じゃあそれを1に出しなさいよ。

ユウスケ:ごもっともだけど、正論は受け付けないよ!
     なんと2ではハマグリおじさんの攻撃パターンが変わるよ!
     ジャンプ、パンチ、砂吐き。サンダー、ミルク、砂吐きを駆使して敵たちと格闘だ!

ユミ  :砂吐きを取り換えなさいよ、と言いたいところだけど
     さらっと言った「ミルク」ってなによ。

ユウスケ:牛乳を口からどんどん吐く大技だよ!

ユミ  :ハマグリおじさんは何かを吐かないと特殊な攻撃できないの?

ユウスケ:サンダーも吐くからね!

ユミ  :化け物じゃない。多分そうなるとさっきのアイスとかファイヤーも吐くんだろうから化け物じゃない。政治家かよ。

ユウスケ:ユウくん、アイスとかファイヤー吐いてる政治家見たことないよ。

ユミ  :で、それ以外のところはどうなってるのよ。

ユウスケ:ストーリーはまず、ハマグリおじさんがザクロに食べられるところから始まるんだけどね

ユミ  :ついに食べられる瞬間目撃しちゃったわよ。
     っていうかいきなり主人公が食べられちゃったじゃないの。

ユウスケ:食べられた後ハマグリおじさんは思うんだよ。
     「畜生こんにゃろばい〜。今度はこっちが食べてやるべさ。」ってね。

ユミ  :ハマグリおじさんどこの生き物なのよ。

ユウスケ:後はボタン連打でザクロをただただ食べつくすミニゲームだよ!どうだ!

ユミ  :1をも上回る衝撃のつまらなさだったわよ、ユウくん。
     第一、変化した攻撃パターンいつ使うのよ。

ユウスケ:連打するごとに砂とかミルクとかをどんどん吐くんだよ!

ユミ  :多分だけどそれ見たら手、止まるわよ。
     やっぱりダメよユウくん。ユウくんごときにがっぽがっぽは無理なのよ。

ユウスケ:ちぇー、ダメかー。

ユミ  :だったらユミ案の「親戚一同ミョウバン飲み込まれウナギ骸骨先生」の方がいいわよ

ユウスケ:わぁ、泥試合の予感。

予選総合第11位(準決勝敗退) みるくちょこれーと
審査員
点数
70 92 85 61 77 平均77.00
【審査員コメント】
・THE CHOUBUNでも審査したネタなので細かい詳細は避けますが、
 「ユミザクロ」「500円損したぜ!」など、個々のフレーズの狂気は流石の一言です。
 あらゆるフレーズで笑いを取ってやろうという野心がガツガツ見えました。
 ちょっとパワーが強すぎて疲れてしまうものの、全体的にかなり良質なネタでした。
 しかしまぁ、彼らが大人になる頃日本はどうなっているのでしょうか。(70点)
   
・チビザクロって言葉よく見つけてきたな
 面白かったです。面白いところがぎっしりと詰まってた。ゴリゴリと面白くて得体のしれないものを押し付けられる感覚、よかった。
 ◎嫌よ得体のしれないおっさんの砂吐き見るの。
   
・シュビビンに絶賛コメント書いた矢先、凄いのが出てきた。
 「お互い悪口のセンス無いんだからやめましょ」って何だよ面白い。
 けど、中盤以降は単調で失速。勿体ない。
   
・1個のボケをしつこく使いまわす僕の悪い癖が存分に出たネタとなったと自負してるんですが
 結構個人的に好きなネタなので、さぁ、どう転ぶか。といった感じです。
 こちらからは以上です。
   
・その場その場でボケをぶっ込んできてる感じで、全体がうまく洗練されていない印象で御座い。
 その場その場のボケでしか積み重ねが無いため、深みがありません。
 もっとこう……登場したワードの要素を、うまく掘り下げるだけの生かし方が欲しかったです。
 悪口のセンスがちょっと意味が分からなさすぎたので、もう少し人類の理解の範疇に落とし込めてもよかったかなって。
 まぁ、全打席フルスイングしてたら打率下がることもそりゃあるだろってね。
   
・フレーズのセンスがハンパないですね。フレーズだけで結構押された気がしました。
 ネタ自体は意外と地味というか、フレーズがハマらないと印象に残りにくいネタなのかなぁ、という気もしました。
 点数としては、ひとまず感じたまま・相対的に付けてみました。何回か読んでいるうちに味が分かってきた感じです。
 

No.047 北谷読谷
別段同意は求めておりません
こよみ:最近はインターネットスラングもずいぶん市民権を獲得してきたわね。

チヤ子:「しみん券獲得」? クイズ番組の景品?

こよみ:「おこめ券」や「お食事券」とかと一緒にしないの!
    そうじゃなくて、一般社会に浸透してきたなあって思うのよ。

チヤ子:な〜んだ〜、『人口に膾炙(かいしゃ)した』って意味か〜。

こよみ:なんで難しい表現の方がすらっと出てくるのよ!

チヤ子:へっへ〜ん、
    “朝日新聞社・講談社・小学館などの119辞書、145万語から検索できる調べ物に欠かせない用語解説サイト”こと
    「kotobank」を読みふけってて知ったんだよ!

こよみ:いや、サイトのチョイス! Wikipediaを読みふけるって話ならよく聞くけど。

チヤ子:で、ペヤングがどうしたの?

こよみ:ペヤングじゃないわよ! ペヤングは食べるもので、スラングじゃないの。

チヤ子:でも「ペヤングだばぁ」っていう時の「だばぁ」ってスラングじゃね?

こよみ:それは「だばぁ」がスラングなのであって「ペヤング」自体がスラングなわけじゃないわよ。
    ニコニコ大百科においても『何かがちょっと大目に、こぼれたり、あふれたりした時の擬音的表現の事である。…』
    といった解説がされているように、ペヤング専用の表現ではないし。

    ――ちなみに、ペヤングにおける「だばぁ」を扱った初音ミクの曲のタイトルは
    「ペヤングだばあ」と「あ」が大文字なのでお間違えの無いよう。

チヤ子:なんかこういう話してたらペヤング食いたくなってきたな!〔 ヨ ダ レ だ ば ぁ 〕

こよみ:汚いわよ! さすがにそういう「だばぁ」使い方は想定外だわ。

チヤ子:このビジョンをモニターの前のみなさんにお伝えできないのが残念です!

こよみ:伝えんでいいわ!

    ――えーと、とにかく最近はこういった表現がどんどん日常に入り込んできてると思うの。
    先日、「三省堂国語辞典 第七版」で「ダブリュー[W]」の項目に
    『〔俗〕〔インターネットで〕(あざ)笑うことをあらわす文字。』という解説が載ったことが話題になったじゃない?

チヤ子:それをいったらkotobankの「デジタル大辞泉」には「炎上」の項目に
    『(比喩的に)インターネット上のブログなどでの失言に対し、非難や中傷の投稿が多数届くこと。…』
    っていう解説が載ってるし、「ステマ」って項目が『「ステルスマーケティング」の略。』という解説で設けられてたりしてるよ!

こよみ:kotobankに関してはやたら詳しいのね…。とにかくこういう事実を見るにつけ、時代は変わったなあ…って思うのよ。
    昔はそういった言葉を2ちゃんねる等の匿名系コミュニティやそれに関連したサイト以外で使うのははばかられたものだけど…。

チヤ子:うわー、よみたんなんかオバハンくせぇ。








こよみ:〔ギリギリギリ〕あらぁ? いま何か聞えたような気がするのは私の空耳かしら?〔ギリギリギリ…〕

チヤ子:〔ジタジタジタジタ〕サーセン! うっかり口がスベりやした! 許してつかあさい!!〔バタバタバタバタ…〕








こよみ:――あとネットスラングって、ネット文化に詳しくない人には十把一絡げに見られがちだけど、
    実際にはそれぞれが生まれた場所のシステムや流儀が反映されたものが多いから、
    その場の“古参”にはよその言葉といっしょくたにされるのを嫌がられる傾向がある、またはあったと思うわ。
    特に昔の「ふたば☆ちゃんねる」などは2ちゃんねるのノリを持ちこまれるのを非常に嫌がっていたように記憶しているわ。

チヤ子: 平 成 の 鎖 国 政 策 。

こよみ:そんな大々的なものじゃないわよ。あくまでもユーザー感情の上での話だし。
    それから2ちゃんねるにおいては、さらにその中でも往時の「ニュース速報(VIP)板」や最近の「なんでも実況J板」などは
    独自の“方言”を築いていると言えるわね。特になんJのガラパゴスぶりは凄いと思うわ。

チヤ子:「【悲報】ぐう畜よみネキ、なんJ語に否定的見解」

こよみ:使わなくていいわよ! 「ぐう畜」は『ぐうの音も出ないほどの畜生』の略、「ネキ」は「アネキ」の略で女性のこと、
    って説明しなきゃ一般の人には伝わらないでしょ! あと「【悲報】」は別になんJ以外でも広く使われてるわ!
    っていうか別になんJ語を否定してるわけじゃないわよ!?

チヤ子:「 よ み た ん 、 必 死 だ な ( 藁 」

こよみ:思い出したように前時代的なスラング使わんでいいわ!
    ――で、本来限定された空間でのものだったこういう言葉も、ニコニコ動画の登場やTwitterの普及、
    ネット人口…特に低年齢層の増加といったことによってどんどん使われる場が広がっていった感じね。

チヤ子: 大 航 海 時 代 。

こよみ:そりゃ「ネットの海」なんて言ったりもするけども。

    あと、スラングの使用に保守的だった昔も“発生源と違う場所で流行った”とか
    “外部サイトを巻き込んだり相互に連携しながら発展した中で生まれた”といった背景から
    明確に「○○語」といえない言葉は少なからずあったけど、
    今では“発生源について知らずに常用”“そもそもどこで発生したのかはっきりしない”といった表現もザラで、
    なおさら“どの界隈に属するかの線引き”がしづらい言葉が増えてるわね。

    とはいってもある程度は“こっちの方面から出た言葉”という認識はあるようで、それと著しく違う分類をされると
    反感を買ったりするけども。つい最近だと、あるテレビ番組で「シブヤ語」として紹介された語群に
    ネット用語が多く入っていて「リサーチ不足だ」と一部で騒がれたことがあった件があったわね。

チヤ子:「お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな」

こよみ:いや、その言葉でなんでも流せるならむしろいろいろラクだと思うわ。

    それに全く的外れというわけでもないと思うしね。この時にシブヤ語のランキング1位として紹介された
    『「了解」の略』の「りょ」は2013年の「ギャル流行語トップ10」で8位に入っているし、そのトップ10で1位に輝いた
    『テンション・ノリ・雰囲気といった意味』で『ギャル界では、単純に「いい感じ」を表す言葉』だという「バイブス」も
    シブヤ語に挙げられているわ。また『「あーそうだね」「あーなるほどね」の略』としてシブヤ語ランキング5位の
    「あーね」は「女子中高生ケータイ流行語大賞」で2011・2012年の2年連続で6位という実績よ。

    それから、過去には『渋谷語事典 2008』『渋谷語事典〈'09‐'10〉』という本も発売されているし、
    “渋谷界隈のギャルたちが使う用語群”が存在していること自体は確かだと思うわ。

チヤ子:「( ´_ゝ`)フーン」

こよみ:それにこの事象は私としては割と特筆すべき潮流だわ。
    自分の実感からいえば「ギャル語・ギャル文字」の類っていわゆる“2ちゃんねる文化圏”のそれとは
    つい最近まで混じり合わないでいたけど、ここへきて急にお互い浸食を始めたというか。
    女子中高生ケータイ流行語大賞2012でそれぞれ13位と15位に入っている「○○安定」「ワンチャン」などは
    2ch文化圏側でも目にすることが増えてるし、そのイメージから曲やゲームの製作にまで発展した
    「激おこぷんぷん丸」はある種マイルストーンとも言えるんじゃないかしら?

チヤ子:「『それ』まで読んだ」

こよみ:ただこういった一連の流行やトピックに上がっていない中で私が気になってる表現が一つあるのよね。

チヤ子:ようやっと本題か! ここまでかったるかった!

こよみ:「○○し」と語尾に「し」をつける表現ね。

チヤ子:「河豚は食いたし命は惜しし」!

こよみ:いや、それは明らかにスラングじゃないでしょ。

    そうじゃなくて、主にやや命令の意を込めてものを言う時の表現のことね。
    「やめろし」「〜しろし」といった例もあるから「○○し」と言ったけども…まあ、多くは「〜すんなし」の形で、
    そこから「〜言うなし」などに派生してるから「○○なし」と言った方が伝わりやすいかしら?

チヤ子:あー、そのパターンならあたいもよく使うよ!

こよみ:あら、そうなの?

チヤ子:「のべつ幕なし」!

こよみ:いや、それは違う。むしろクラシックな日本語だわ。

チヤ子:「の・べ・つ・ま・く・な・し。――のべつまくなし。」〔合掌〕

こよみ:無理があるわよ。

チヤ子:「のwwwべwwwつwwwまwwwくwwwなwwwしwww」

こよみ:ここへきて「w」投入!? 鬱陶しいわよ!

チヤ子:「興奮すると見境なくなるなっしー! のべつ幕なっしー! のべつ幕なっしー!」

こよみ:梨の妖精は船橋に帰れ!

チヤ子:「うえぇ〜〜!? 扱いがひどいなっしー!」〔毛穴から肉汁ブシャアアァァァ!!!〕

こよみ:うわっ! ちょっ! 梨汁じゃなくて肉汁て! てかリアルに飛ばさないでよ汚っ!

    ――でも旨っ! 無駄に肉汁うまっ!

干ヤ子:〔カラッカラ〕

こよみ:水分出しきった!? リアル干物女になってるじゃないの!
    ちょっとスタッフさん、ヤカン持ってきてー!



〔水でもどるまでおまちください〕



チヤ子:いやあ、かたじけねえ。

こよみ:まったく…。
    ちなみに「〜すんなし」って表現の出どころだけど…。

チヤ子:今度こそわかった! 「なぜ殺たし」からの派生じゃん?

こよみ:いや、確かにそれも似ている所があるけども、私が調べてつかんだ情報によれば、元は山梨の甲州弁ね。

チヤ子:あー、知ってる! ある番組で「ブサイクな方言ワースト1」って言われてたやつだ!

こよみ:なんという言われようよ…。

チヤ子:「山梨(やまなし)wwwwwww形無し(かたなし)wwwwwww」

こよみ:むやみに馬鹿にしないの!

チヤ子:え〜、そこは「山梨いじめはやめるなっしー!〔肉汁ブシャアアアア〕」って来るとこじゃ〜ん。

こよみ:私はそういうキャラじゃないしアンタと違って肉汁出ないから! …っていうかそもそも肉汁は不正解だから!

チヤ子:「なぜマジレスしたし」

こよみ:――それ、引っ掛かるのよね。

チヤ子:放送コードに?

こよみ:それに引っ掛かるとしたらむしろあんたの方が有力候補よ。

    そうじゃなくてね、「○○たし」とその変化形についてだけど…。

チヤ子:「ほうれん草のおひたし」

こよみ:それは元からその言い方だしスラング要素ゼロだしそもそも動詞ですらないわよ!

チヤ子:あと「河豚は食いたし…」

こよみ:それさっき言ったやつ!

チヤ子:「めでたしめでたし」

こよみ:勝手に話をまとめない!

    ――えーと、「なぜ殺たし」は「なぜ殺した」の「し」と「た」が入れ替わったものだけど、
    この形だと漢字変換できないせいか、それとも語呂の問題か、単によく考えてないだけか、
    派生語も含めて「なぜ殺したし」「なぜ消したし」のように元の位置に「し」が残ったままのものや、
    さらには「なぜ作ったし」「なぜ止めたし」のようにそもそも元の語が「○○した」の形ですらないものが多くて…
    その不規則さにモヤッとするのよ。

チヤ子:はは〜ん、さてはよみたんは“半角数字と全角数字がまぜこぜになっていると気持ち悪いタイプ”?

こよみ:まあ否定はしないけども。

チヤ子:「7ぜ殺た4」

こよみ:いや、混ぜ方!

チヤ子:「ふ7っ四ー」

こよみ:なんなの、そのふなっしー推しは!? あと漢数字てもう全角半角の問題じゃないし!

チヤ子:「河豚はHいた四1のちはお4死」

こよみ:だからそれはいいってば! それに最後もう数字ですらない!

チヤ子:「めでた死めでた死」

こよみ:全然めでたかないけど! 収拾つかないからもうおしまい!










チヤ子:「おひたしおひたし」

こよみ:わたしもう疲れたし……。

予選総合第48位(2回戦敗退) 北谷読谷
審査員
点数
44 35 25 26  5 55 平均31.67
【審査員コメント】
・審査しづれぇ……!!今大会一番審査しづれぇかもしれません。
 ネットスラングの解説にかなりのセリフが使われているため、のめり込みにくいところはあったんですが、
 合間合間のスラングを使っての返しでだいぶ緩和は出来ていたように思えます。
 後半のふなっしーのくだりも良く、オチもキレイにまとめていました。
 ただ、オリジナルの展開に乏しいのが少しキツいかなと。全体的に借り物と言いますか。
 干からびるくだりなどボケに個性はある程度あるのですが、大枠で損をしている印象です。
 どうせならスラングの解説を大幅に省き、「?し」だけで1ネタ作り上げた方が、
 枠に沿いながらもオリジナリティを発揮出来て印象が良くなったと思います。
 切り口は悪くないと思うので、次は切り方を変えてみて下さい。
   
・愉快な池上彰の番組みたい。
 「笑い」とは違う「面白さ」は感じることが出来ました。
 ただ、「別段同意は求めておりません 」っていうタイトルにしちゃうのは好きじゃないなあ…
   
・審査員も疲れたし……
   
・後半の「たし」の言葉遊びが始まってからは面白かったのですが
 それまでがやはり「解説」感が強すぎて、どうにもちょっと笑いづらかったですね。
 それ自体を逆手にとったくだりもあったんですけど、それでもフォローしきれてないかなという感じです。
   
・読んでる最中に『あ、もういいや』って思いました。でも最後まで読んでます。
 結局のところお二人が何を伝えたかったのか、ろくに分からないままでした。
 もう少し情報をうまく整理して、分かりやすくして発信するよう願います。
 やたらめったら書きゃいいってもんでもないです。
 最近のギャグやりたいのかカルチャー紹介したいのかよく分かんない『こち亀』の導入部みたいでした。
 なんていうか、漫才の形は取ってますけど漫才じゃないですよねこれ。
 おもしろさどうこうっていう話は置いておいて、楽しさを追究していく大会にこんなネタが出てきたら、私はちょっと嫌かなあ。
   
・MM-1の他のネタとタイプが違うので、どう評価しようか迷うところではありますが、
 ひとまず、一通り上手く話が出来ていたところは評価に値すると思います。
 あまり細かいところを指摘する気はないですが、強いて言えばふなっしーネタはちょっと安易に見えてしまいました。
 2人のキャラは強いので、普通の漫才らしくシフトチェンジするだけでも結構強力なネタが出来そうな予感はします。
 

No.048 あかつき
Painkiller
 水戸:あたしね、前からずっと行きたいと思ってる場所があるんだー。

 前橋:へー! どこどこ?最近できた所!?

 水戸:うーん……わりと昔からあると思うけど………。

宇都宮:ふーん…。で、それはどこなの?

 水戸:病院。

宇都宮:……ん?

 前橋:えーっと…………冷え症とか花粉症とかで悩んでるのかな?
    別にウチらそんなに仕事が忙しいワケじゃないから、好きな時に行けば?

 水戸:ううん。平熱で37.5℃あるし、花粉はDNAレベルでブロックしてるからへっちゃら。至って普通の健康体だよ!

 前橋:それは普通と言わないよ!! もう逆に不健康!

 水戸:病院に一度も行った事ないから、試しに行ってみたいの!

宇都宮:……おめでたい事よね。色んな意味で。

 水戸:病院ってどんなとこ? ねぇどんなとこ?

宇都宮:そうねえ……心身に不良箇所を抱える人が再び社会復帰出来るよう診療を行い、必要に応じて収監し24時間監視の元で治療を施す医療施設よ。

 水戸:なんかこわーい……。

 前橋:はいそこねじ曲がった概念教え込まなーい! 
    病院ってのはね、体調がすぐれない人とか怪我した人を治して元気にする所だよ。

 水戸:なるほどねー。 せっかくだし、この場を借りて病院に行く練習してもいい?

 前橋:えー? 病院行くだけでしょ? それくらい練習しなくたってなんとかなるんじゃないの?

宇都宮:や、これは練習した方がいいわ。
    だって病院で診察の受け付け方法知らないままだったら、いざという時に差し支えるんじゃない?
    例えば、車に撥ねられて重体になった時とか治療受けられなくて死ぬし。

 前橋:そこは救急車呼べよ!なに自力で病院行こうとしてんの。

 水戸:そうだよね…………交通事故はいつどこで遭うか分からないもんね……。

 前橋:そこ今心配するところじゃねーから。
    ……わかった。ウチが病院に行く患者のお手本見せるから、水戸はそれ見て勉強してね。

 水戸:りょーかい!

宇都宮:…ってことは、私はその患者を撥ね飛ばすドライバーを演じればいいのね?

 前橋:医者でー!お医者様でお願いしますー!





宇都宮:次の方どうぞ、お入りください。

 前橋:こんにちはー。

宇都宮:こんにちは。えーと…前橋さん、ですね? 本日は体調がすぐれないという事ですが、もう少し詳しく教えてくれます?

 前橋:あのー、朝からずっと頭が痛くて体が重くて、吐き気もするんです。

宇都宮:ふむむ……うん? …もしかしてですけど、急に鼻血が出たり、体のどこかに赤い発疹が出ていたりはしていませんか?

 前橋:? あーはい、鼻血はご飯食べた後に出ましたし、発疹も少し…。

宇都宮:まずいわね、旧ソ連の細菌兵器に感染……あ、ただの風邪みたいですねー。

 前橋:んん!? なんか今とんでもないこと言いかけ、いやほぼ言っちゃってない!? 細菌兵器がどうとか!

宇都宮:心配しないで下さい。念の為に精密検査を行うので国立病院に入院して頂く事になりますが、心配しないで下さい。

 前橋:心配するしかないよね!? これ絶対何かヤバイウイルスに感染しちゃったから隔離されちゃうパターンだよね!?

宇都宮:あ、喋らないでください。空気感染が…。

 前橋:いいよもう!その特殊過ぎる設定は!
    全然ダメダメ! 宇都宮じゃ話になんないよもー!
    こんなんじゃ水戸も参考にしようがないよ…。ね?

 水戸:ううん、すごく参考になったよ! 要するに、病院に行くにはまず細菌兵器に侵されればいいんだよね!?

 前橋:全然違うわぁー!! ヘンなところだけ掻い摘んでんじゃないよ!
    ホントに大丈夫? ココを病院だと思って患者さんできる?

 水戸:うんっ! あたし死にそうな人の役やるの得意だから!

 前橋:誇らしげに言う事じゃないと思うんだけどね、それ。
    じゃー今度はウチがお医者さん役で、水戸が患者さん役ね。

宇都宮:なら私は浪速の極妻役やるわ。





前橋:こんにちわー。今日はどうされましたか?

宇都宮:あんた……うちかて極道に身も心も捧げた女や。あんたと一緒に死ぬ覚悟は、お揃いの桜吹雪の紋々彫った日から出来とるんやで…。

 水戸:朝からおなかが痛くて痛くて…

宇都宮:あんた……恐いのはうちもおんなじや。うちもちっちゃい電球つけな寝られへん人やで…?
    真っ暗なんは今夜だけや。こんなん身ぃ寄せ合ってたら、一晩くらいあっちゅーまや…。

 前橋:腹痛ですか…………食事に何か心当たりはありませんか?

宇都宮:あんた……そう怒鳴り散らさんといてや。若い衆も目を丸くしてるやないの。
    あんたな、プリキュアかて日曜日に休みたくもなるんやで? たまには朝からゴルフ見るのも、ええやないの…。

 前橋:うるせえぇーーーーーーーー!!!!!!
    一行置きに言うわ、台詞長いわ、出しゃばり過ぎなんだよ! ちょっと黙ってて!

宇都宮:はいはい。大人しくハゲてるお客さんの数でも数えてるわ。





 前橋:腹痛ですか…………食事に何か心当たりはありませんか?

 水戸:そういえば……昨日お風呂あがりにおなかイタイタイ味のアイスを食べましたけど…。

 前橋:はいそれー!!どう考えてもそれ原因!
    ってか何そのクレイジーなフレーバーのアイスは!! もっかいやり直し!





    今日はどうされましたか?

 水戸:実は……指が……。

 前橋:指が…?

 水戸:指がアイスになっちゃうマシーンを使ったら指がアイスになっちゃったんです…。

 前橋:わかってやったよね!?ね!?
    そこまで分かりやすい名前してたらフツーどういう事が起こるか気付くよね!?

 水戸:指がカラフルになって美味しそうだったからつい食べたら…朝からおなかが痛くて痛くて…

 前橋:おなかより指の心配しよーか!? この場合はさー!
    ってそーじゃないから。また出来てないからね。次こそちゃんと頼むよ?





    で、今日はどうされましたか?

 水戸:旧ソ連の残党のバイオテロに

 前橋:もーいい!! もー旧ソ連禁止!聞き飽きた!おなかいっぱい!
    もう……今でこんな調子じゃ本当に病院行く時困っても知らないよ?

 水戸:うーん、あたしたぶんお医者さんの方が出来る気がする。

 前橋:な に 言 っ ちゃ っ て ん の ?
    まともに診察も受けられないのに!?

 水戸:だって前橋も宇都宮もお医者さん役やってたでしょ? だからあたしもやってみたいの。
    それにほら、何事もやってみなきゃわからないって言うし!

 前橋:うーん……たしかにそうだけどさー……。宇都宮、ちょっといい?

宇都宮:353……354……………355、56、57、58、59…。

 前橋:真面目に数えてた!? しかもハゲが固まってるゾーン入ったところだ!

宇都宮:ん? 何? 今度は水戸が医者役やるから、まだ患者になってない私が相手してって話?

 前橋:察しがいいなオイ。 だいたいそんな話だけど、…でもそうなると今度はウチのやる事が…。

宇都宮:じゃハゲの続き数える?

 前橋:それはやめとく。

宇都宮:あっそう。じゃあ最後は水戸が医者で、私が患者ね。

 前橋:ウチは?

宇都宮:鬱病のキャベツ役で。

 前橋:え。





 水戸:次の方どうぞ。

宇都宮:よろしくお願いします。

 前橋:はぁ………もう廃棄処分されるのはイヤだキャベツ……。死にたいキャベツ…。あ、どっちみち死んでるキャベツね……。

 水戸:宇都宮さんですね。今日は何しに来たんですか?

宇都宮:一昨日ですね、家の近くの道路で軽トラに撥ね飛ばされまして。

 水戸:あらぁ……。

宇都宮:そのせいかもしれないですけど、昨日から喉がイガイガするんですよ。

 水戸:それは大変ですね!

 前橋:残留農薬って何キャベツか…。そんなの知らないキャベツ……。
    もきっと全部ぼくが悪いんだキャベツ……。千切りにされてマヨネーズかけられて死にたい…。

 水戸:じゃあのどに効くお薬出しますね。今何か飲んでるお薬ってありますー?

宇都宮:今飲んでるのは、エフェドリンやサルブタモール、アンドロステンジオンです。

 水戸:あー、スポーツやってらっしゃるんですねー。

宇都宮:あ、わかります?

 水戸:はい。でも、ドーピングはほどほどにしてくださいね?

宇都宮:気をつけます。

 前橋:おまけにぼくの体からエボラと天然痘を掛け合わせた新種のウイルスが検出されたって何キャベツかもう……。
    ぼくは細菌兵器じゃないキャベツよ……。でもきっと、本当は細菌キャベツなんだキャベツ。ボルシチで死にたい…。

水戸:わかりました。では、阿佐ヶ谷育ちのクロルピクリン出しときますねー。

宇都宮:すごくバッタもんっぽいですね。

 水戸:でもよく効くんですよー。高純度ですし、普通に買ったら末端でグラム1000ドルですから。

宇都宮:医療用薬品に使うべきじゃない単語がいっぱい聞こえましたが、逆に効きそうな気がしてきました。

 前橋:1玉5円とか安過ぎるキャベツ…。ぼくの存在価値はそんなものキャベツね…。消費税に抱かれて死にたい…。

水戸:処方箋出しときますので、受付で呼ばれるのをお待ち下さい。お大事にー。

宇都宮:ありがとうございました。





 水戸:どうだったかな…?

宇都宮:医者というより闇医者の才能を感じたわ。今度は闇医者に通う設定でやりましょう。

 前橋:もーいい加減にして!!

予選総合第15位(準決勝敗退) あかつき
審査員
点数
64 81 55 73 69 74 平均69.33
【審査員コメント】
・こりゃまたフリーダムな。いいですねやりたいことやってる感じで。
 3人のキャラが確立されているので、場面が変わってもごっちゃにならず読みやすかったです。
 なんだ鬱病のキャベツって。それを前橋さんが受け入れているところにも笑ってしまいました。
 それぞれの場面は安定して面白かったんですが、ちょっとまとまりが無さすぎたような。
 各セクションが独立しすぎていて、1本のネタとしての完成度を多少下げてしまっている気がします。
 もっと天丼なり何なりして各セクションに繋がりを持たせた方が、読み終わった時の満足感にも繋がるかと。
 ほのぼのしてる雰囲気とイカれたワードセンスはお見事でした。
   
・二人のやりとり+1の、残り一人の扱いが上手いなあ。
 細かい感想ですが。最初、誰がツッコミかが早めにハッキリして欲しかった。
 ○鬱病のキャベツ役
   
・トリオの役割分担というかローテーションは非常に巧く、終盤の流れは見事なんだけど、如何せんボケが物足りない。
 「巧いな」「なるほど」と思えるボケはちらほらあるんだけど、口に出して笑えるボケが無いのが致命的。
   
・一個一個のコントで当たり外れがあったのが気になりました。
 最後の「欝病のキャベツ」は意味がわからなさすぎて滅茶苦茶笑いましたが、
 微妙に感じてしまう物もありました。
 それこそ「鬱病のキャベツ」くらい爆発力のあるくだりが全体的に来てれば
 凄くいいネタだったとは思うんですが、もったいなかったです。
   
・なんや急に荒っぽい芸風になったなあ。
 話題こそ一連ですがくだりが個々で完全に断絶されてるので、もうちょい個々で破壊力が高くないと、印象的には弱いかしらん。
 浪速の極妻は際立っておもしろかったです。
 頭に『あんた……』って着ければなんでもそう見えますね。
 3人のバラエティ豊かな個性が喧嘩しあっていてうまく一つに馴染めていない、いまいち統一感のないラーメンみたいな印象ですの……。
   
・3人組であることを上手く生かせていたなぁ、と思います。リアルで立ち位置とか含めて見てみたい感じですね。
 ただ、この形式のままもう少し面白いこと出来るかなぁ、という気はしました。やや設定・キャラの強さで押し切っていたようなところもあったので。
 
 FANさんが少し触れていますが、2行目の前橋さんの台詞がツッコミ役っぽくなく見えたのは若干気になりました。
 

No.049 言霊連盟
栃城光策の挨拶
槍沢:はいどうも、言霊連盟です。よろしくお願いします。

栃城:ちょっと悩みがあるんですけど聴いてもらえますか? 
   実は仲良くさせてもらってる女性の方がいて、
   それで彼女からの強い希望でお互いの関係を一段ステップアップしようか……ってことで彼女の家に挨拶に行くことになりまして……。

槍沢:なにそれ、なにそれ! 栃城さん彼女いるの!? 初めて知りましたよ!
   それでなに、一段ステップアップって! ちょっとおしゃれに言っちゃって!
   え、じゃあ言うわけ? 娘さんを! 僕に! くださ……的な!?

栃城:まあね。それで、彼女のお父さんに「娘さんのペットになります」って上手く言えるか不安なんですよ。

槍沢:ちょっと待って? ペット?

栃城:別にペットっていっても変な関係じゃないよ。
   性的にどうの……って言うような大きな声じゃ言えないようなことじゃなくて、わかりやすく言えばヒモよヒモ。

槍沢:十分変だわ! 十分変だし十分大きな声じゃ言えないことだわ! 彼女のペットってなんなんですその関係!

栃城:ペットはペットだよ。彼女の家に住まわせてもらって、彼女が納得づくで俺に生活費を渡して一日三食出してくれる。そんな関係よ。

槍沢:一回整理させてください。栃城さんたちは恋人同士なんですよね?

栃城:彼女の方は俺のことを好きだけれど、俺はお金をくれるから仲良くしてるだけで恋愛感情はないよ。
   それなのに結婚してくれとか言いだすから、結婚はできないけれど、家賃も浮くしペットだったらなっていいよって答えたんだよ。

槍沢:ただただクズだな! なんなんですその妥協点は! ていうか、一方的に貢ぐって彼女はそれでいいんですか!?

栃城:いいのよ、いいのよ。今までも駆け出しのミュージシャンとか劇団員の卵でろくにバイトもしない生活力のない男と知り合っては、
   「私が支えてあげないとこの人がダメになる!」って使命感で貢ぐことに喜びを感じるタイプだから。
   彼女は好きな相手を支える喜びと健気な恋愛をしている自分、さらに将来の大物を育てている優越感に酔えるし、俺は働かなくても生活できるしwin-winの関係よ。

槍沢:ツッコミとか関係なしに一発ぶん殴っていいですか? いくらなんでも彼女がかわいそうすぎるだろ!

栃城:そうは言うけれど、こっちも頑張ってペットらしくしてるんだよ!
   本当はバイトして自活できるのに全くできないふりっていう芸をしたりさ!

槍沢:女性特有の庇護欲をくすぐってんじゃないよ! そう言うのを芸とは呼ばないよ!

栃城:最近は意識して金にだらしなくなったし!

槍沢:なんの努力ですか!

栃城:ちょっとやそっとじゃ返せない額の借金も作ったさ!

槍沢:なにしてくれてるんだよ! なにちょっとやそっとじゃ返せない額って!

栃城:具体的に言うと、一千万……

槍沢:はあ!? どうするの、一千万の借金って!

栃城:いや、あくまでも生活力のないダメ男のふりをしているわけだから、実際はちゃんと考えてるわけよ。

槍沢:もう、ふりで済む次元じゃねえよ! 正真正銘のダメ男でしょ!

栃城:ちゃんと彼女に土日にバイト行かせたから大丈夫だよ。

槍沢:結局、彼女頼みか! 養うために頑張ってるだろうに、土日ぐらい休ませてやれよ! もうお前に敬語使うのやめるわ!

栃城:そういうわけで彼女のペットになるわけだけれど、彼女が実家暮らしだからお父さんとお母さんに挨拶はしておこうって思ってね。
   いまからシミュレーションするんでなにかアドバイスくださいよ。

槍沢:したかねえわそんな非人道的な漫才! あるとしたら、人生を見つめ直せ!

栃城:まず、シミュレーションの前に彼女の両親について説明すると職業は……

槍沢:そういう説明とかもいらないよ。シミュレーションって言うけれど、お父さんの行動なんて暴力沙汰一択だわ!
   自分に娘がいるとして、お前みたいな人がやってきたら湧きあがる破壊衝動を抑えられるわけがないわ。

栃城:なるほど……。殴られるのか……。ボクシングジムに通うことにするわ。

槍沢:なに、お父さん返り討ちにしようとしてるんだよ!
   そのボクシングジムの月謝も彼女持ちだろ? なに、彼女に自分のお父さん殴らせるための金を出させてるんだよ!

栃城:用心するに越したことはないでしょ。
   ……まあ、でも心配する必要はないと思うけれどね。僕のシミュレーションだと違う反応するはずだし。

槍沢:あんたの考えだと違う対応をすると。じゃあ、お父さんはなんて言うと思ってるわけ?

栃城:「…………因果なもんだな」

槍沢:……なにが? なんの因果があるの?

栃城:彼女のお父さんがペットショップを経営していて、
   今まで散々ペットを売ってきたら、最後には自分の娘がペットを飼うとは因果なものだな……。って言うと思って。

槍沢:言うわけないだろ! ウィットのある感慨にふける余裕ないわ!

栃城:で、彼女のお母さんが「二つの意味でアイガンね」って。

槍沢:なにが二つの意味なんだよ?

栃城:彼女のお母さんが愛眼に勤めていて、それで愛玩動物の愛玩と合わせて二つの意味でアイガンってことで。

槍沢:なんで、お前のシミュレーションだと彼女の両親は職業に掛けた上手いことを言うんだよ!

栃城:それをわかってもらうために職業から説明しようとしたのにお前が遮るから……。

槍沢:そんな風に繋がるなんて思わないもん! 
   でもって、両親の職業説明されてもこのシミュレーションを納得できるわけがないわ!

栃城:そして、それを見ていたおばあちゃんは「こんなに必死に頼むとは。二つの意味でアイガンね」。
   そこに現れたおじいちゃんは「…………因果なもんだな」。
   妹は妹で「♪Butterfly 今日は いままでの」
   小学生の弟は「この戦闘ロボはNASAが十億円掛けて作ったんだ! 強いんだぞ!」
   一方その頃、冒険家である俺の父親は南米はペルーで……

槍沢:いや、なんだよこのシミュレーション!
   まず、おばあちゃんが言ってるお母さんこと被っちゃったよ! 必死に頼み込む哀願と掛ってるわけね。
   で、おじいちゃんも言ってること被ってる! なんだこの似たもの家族!
   そして気が早いな妹! なんで結婚式ソング歌ってるんだよ!
   小学生の弟はなにも関係なくおもちゃか何かで遊んでいるだけでしょ。
   そしてトリッキーな仕事をしているお前の親父は関係ないだろ! 出してくるな余計な人間を!
   ……とにかく、絶対こんな会話ならないわ!

栃城:うーん……。生活のためになんとかペットとして家に置いてもらうことを認めてもらいたいんだけれどな……。

槍沢:じゃあ、まずペットになるっていう性根を直せ。
   ……どうしてもって言うんなら、今は仕事もしないで彼女の世話になっているけれど、本当は立派な青年なんですよって伝えるしかないんじゃない?

栃城:ああ、だったら大丈夫、大丈夫。俺、地元に銅像建ってるもん。

槍沢:どんな嘘だよ! ……というか、嘘が雑すぎだろ! 小学生でも言わないわ、銅像って!

栃城:本当だって! 一千万で銅像建てたもん!

槍沢:借金の使い道それかよ! なにに無駄遣いしてるんだよ!
   というか、そもそもお前が勝手に建てたんでだから、それを持って立派な人間だと証明する証拠にはならないよ。

栃城:そうか……。ま、いいや。彼女がフォローしてくれるだろうし。

槍沢:フォローって言うけど、限度ってものが……

栃城:「おとん、おかん。安心してえな。この人はウチが支えたるさかい」って。

槍沢:彼女関西人なの?

栃城:ああ、言ってなかったな。
   じゃあ、彼女の説明をすると定職には就いていなくて、芸能人で言うと安藤サクラに似てて……

槍沢:ちょっと待て! ちょっと待て! ちょっと待て!

栃城:どうしたの急に食いついて? 安藤サクラ好き? 言っておくけど、紹介はしないからな!

槍沢:そこじゃないわ! ある映画でブスでバカでワキガな女を演じた女優に似ているって言われても惹かれないわ!
   そうじゃなくてさ、……彼女働いてないの!? じゃあ、彼女はどうやって生活してるの!?

栃城:親からのお小遣いだね。

槍沢:クズじゃねえかよ! なんだよそれ、彼女も親のペットみたいなもんじゃん!

栃城:おい、ペットってことはないだろ! ちゃんとパチンコやパチスロで収入を増やそうと頑張ってるんだぞ!

槍沢:余計クズじゃねえかよ! なんだよ、じゃあお前の彼女はパチプロなのか?

栃城:プロってほどではないね。収益でるのは十回に一回ぐらいだし。

槍沢:ただのカモじゃねえかよ! ただただ店の利益に貢献しているだけだろ! 働けよちゃんと!
   ……ああ、でも最近はお前の借金返すためにバイト始めたんだっけ?

栃城:ああ、さっきも言ったように土日はバイトを始めたよ。

槍沢:もっと働けるだろ! 平日も働けよ!

栃城:これまで平日しか打ってなかったパチンコとパチスロを土日にもやるようになったんだよ!

槍沢:仕事じゃねえだろ! 余計、深みにはまっただけだろ! 

栃城:本当は週末ぐらいは休みたいところをグッとこらえてバイトに出かけてるのよ。

槍沢:平日も休んでるだろ! 365連休しておいて週末を特別視するなよな!
   とにかく、ペットなんて絶対ダメだろ! 彼女も働いていないのにさらに初対面の男がペットにしてくださいって、僕が親なら彼女も含めて暴力沙汰だわ。

栃城:そうか……。じゃあ、彼女と一緒にボクシングジムに通うか。

槍沢:だから返り討ちにしようとするなよ! ていうか、彼女経由で彼女のお父さんからもらった金を彼女のお父さんを痛めつけるのに使うなよ。

栃城:……ペットを認めてもらうにはどうしたものか。まあでも、なんだかんだで孫の顔を観れば全部許すか。

槍沢:お前、いよいよ性根が腐り果てたな!

栃城:違うよ、俺のアイディアじゃないよ。彼女が勧めてくるんだよ。お父さんもそれでうまく行ったから大丈夫だよって。

槍沢:ちょっと、ちょっと、どういうこと!?

栃城:彼女のお父さんも、ペットショップの一人娘だったお母さんのヒモで結婚したかったんだけれど認めてもらえなくて、
   だったら孫の顔を見たら納得するしかないだろうって、彼女を産ませて認めてもらったことがあるんだって。

槍沢:彼女のお父さんもクズじゃねえかよ! なんだよ、この登場人物全員に感情移入できない話!

栃城:だから彼女のおじいちゃんは「…………因果なもんだな」って言うかなと。

槍沢:さっきのセリフそういう意味だったのかよ!
   でも、いくら子供ができても借金抱えてるような男を婿には入れないだろ。

栃城:そうだよな……借金をなんとかしないと。よし! 彼女の妹に頼むか。

槍沢:なに、彼女の妹まで巻き込んでるんだよ! ていうか、彼女の妹も一千万どうこうできるわけないだろ。

栃城:大丈夫だと思うよ。彼女の妹、木村カエラだし。

槍沢:本当かよ!? え、だからシミュレーションで唐突にButterfly歌ってたの!?

栃城:そうだよ。まあ、でも木村カエラって言っても、あっちよ。ものまねパブで営業回ってる方の木村カエラよ。

槍沢:じゃ、木村カエラじゃねえよ! ものまねパブの人じゃん! どうせ木村カポエイラとかそんな名前なんだろ!

栃城:惜しい! 木村ポルシェ・カレラGT

槍沢:どうでもいいわ! ものまねパブの人の芸名どうでもいいわ!
   ポルシェが先に来ちゃってるからあんまり掛ってる感じがしないのも含めてどうでもいいわ!

栃城:それに、最悪の場合は銅像使って脅せばいいし。

槍沢:脅すのが最低なのは置いておくとしても、銅像ってあなたが借金して作ったやつでしょ。どうやって脅せるんだよ?

栃城:俺の銅像は一見するとただの銅像なんだけれど、実はNASAが開発した戦闘ロボでロケット砲とかミサイルとか搭載してあるのよ。で、それで……

槍沢:ちょっと待て、ちょっ待て。まさかと思うが、さっきのシミュレーションで彼女の弟が遊んでた? でも、あれ十億って……。

栃城:ああ、俺の借金の一千万って一千万「ドル」の方よ。

槍沢:ドル!? ドル!? お前どうするんだよ本当に!? 何十回生まれ変わっても返せない額だろ!
   そしてお前は十億円をいちものまねパブの出演者木村ポルシェ・カレラGTになんとかしてもらおうとしたのかよ!

栃城:まあでも、俺の親父が遺跡のなかで数十億はする古代文明の財宝を発見してくれるからなんとかなるよ。
   それで財宝をを見つけた親父が言うわけよ。「この財宝、インカのものだな」

槍沢:やかましいわ! 都合のいい妄想も、因果とインカのダジャレもやかましいわ!

栃城:とにかくこういう風に挨拶したいんだけれど上手くいくかな?

槍沢:真面目に生きろ! いい加減にしろ!

二人:ありがとうございました。


No.050 Funny ensemble
合コン
新富:どうもー!Funny ensembleの新富カナでーっす!

吉野:吉野茜です。

新富:よろしくお願いしまーす!
   という訳でね!楽しく漫才していきましょう!

吉野:合コンやるやつ全員死ね!

新富:って言ってるそばからご挨拶だね!

吉野:いやー、私合コンというものが死ぬほど嫌いでして。

新富:知らないよ!

吉野:合コンするくらいならゲロ食ってたほうがマシですよ。

新富:女の子が言うセリフじゃないね!ってかそこまで嫌いなんだ!?

吉野:もう大嫌いですよ。

新富:そうなんだ・・・何が嫌なの?

吉野:あのノリよ、想像するだけで吐き気がしますね。

新富:あー、確かに独特のノリではあるよね。

吉野:ただただはしゃぐだけでまったく内容がなくてやかましいだけ。
   3拍子揃ったわね!

新富:やな3拍子だね!

吉野:乾杯の音頭とかも腹立ちますよ。

新富:乾杯に引っ掛けてダジャレいうくだりね。

吉野:「それでは、今日のこの出会いにおっぱ〜い!」
   晒し首にしてやろうか!?

新富:吉野ちゃん怒りすぎて発想が江戸時代になっちゃってるよ!

吉野:「いやいやおっぱいじゃなくて乾杯でしょ!ギャハハ!」
   お前の声帯叩ききって二度の笑えない体にしてやろうか!?

新富:発想がエグイよ吉野ちゃん!

吉野:そして自己紹介!

新富:ここにもボケを入れたりするね。

吉野:「どうもこんばんはバカ田バカ男です!」

新富:名前に悪意をそっくりそのまま錬金しちゃったね!

吉野:「趣味は食べることです!今日君たちを、食べちゃうぞ〜!」
   アフリカの子供たちに土下座して謝れ!

新富:いや確かに餓死してる子いっぱいいるけど!

吉野:むしろお前の肉を子供たちに差し出せ!

新富:吉野ちゃん!モラルは守ろう!

吉野:「どうもキチ山ガイ子で〜す!」

新富:オッケー吉野ちゃんの気持ち伝わった!モラル守る気0なんだね!

吉野:「彼氏いない歴イコール年齢で〜す!」
   年齢ごと彼氏いない歴止めてやろうか!

新富:すなわち死なんだね!死を持って制裁させるつもりなんだね!

吉野:あと変なモノマネとかする奴いるでしょ。
   「こぉんばんわぁ、もるぃ、すぃんうぃちでゅえす」

新富:森進一ね!モノマネの定番だけど!

吉野:おふくろさんはどう思うだろうねえ。

新富:巧くいったつもり!?たぶんだけどどうも思ってないよ!?

吉野:あとなんか男どもの間で何か小細工したりするでしょ?

新富:あー、するね。「お前誰がいい?」みたいなの言って、席替えしたり王様ゲームでくじを操作したりね。

吉野:ふざけんじゃねえ侍魂どこやった!

新富:たぶんだけど明治時代に大半の日本人が捨てたよ!

吉野:男だったら正々堂々勝負せんか!そんなことして出会った男女なんて絶対すぐ別れるわ!

新富:まあ否定はしないけどさ!

吉野:2,3回セックスして終わりよそんなもの!

新富:世界で最も不必要な具体例だったわ!

吉野:それこそ王様ゲームよ!あれが一番嫌い!

新富:遂に核心に迫ってきたね!

吉野:「王様だーれだ!」
   王位継承舐めてんのか!?

新富:そこまで話が飛躍しちゃうの!?

吉野:いいですか!?国王というものは自分だけの身じゃないんです!
   民を!国土を!行政を!守るために身を粉にして生きていかなければいけないんです!

新富:吉野ちゃん!ゲーム!あくまでゲーム!

吉野:それを何よ、たった一本の割り箸で決めてもいいんですか!?あんな簡単に割れてしまう木の棒で!?

新富:それはそういう構造なの!企業努力の賜物なの!

吉野:国王になった段階でもうその身と!立場と!財産はすべて民のものなのよ!

新富:吉野ちゃんがさっきから言ってる民って誰なのよ!?

吉野:国民の金で合コンを開き!食事をし!無駄騒ぎし!

新富:自分たちの金だよ!

吉野:女子を持ち帰り!ホテルに連れ込み!ペイチャンネルを見!自慰をし!

新富:セックスしろよ!何で女子連れてホテル行ったのに自慰に夢中になってんのよ!

吉野:電車に乗り!家に帰り!寝て!起きて!朝ごはん食べて!支度して!

新富:そのまま日常生活全部行く気!?もういいよその辺で!

吉野:そんな事をして民はどう思うのよ!?

新富:だから民って誰なの!?

吉野:クーデターを止めれるの!?その割り箸一本で!

新富:割り箸一本では無理よ!ってかそんなクーデター起きないって!まず民がいないの!

吉野:そんな覚悟を持たぬ人間が王を騙るなど言語道断よ!不敬罪にしなさい!

新富:もはやただの右翼活動家じゃない!
   ストップストップ!おかしな方向に話が進んじゃってるから!もう満足でしょ!?

吉野:うん、なんか叫んですっきりした!

新富:でしょ!?

吉野:よし!新富ちゃん、一緒に合コンでも行って男共漁ってこよう!

新富:結局合コン行くんかい!いい加減にして!

吉野:ファッキュー!

予選総合第44位(2回戦敗退) Funny ensemble
審査員
点数
33 73 10 58 18 45 平均39.50
【審査員コメント】
・投稿者名と反して、なんとまあおだやかじゃない。
 ネガティブかつ猛烈な勢いで繰り出される毒舌ボケは圧倒されるものがありましたが、
 どうもよくあるひがみ漫才の枠を抜け出せていないように思えました。
 「アフリカの子どもたち」「年齢ごといない歴止める」などは割と思いつきやすいフレーズですし、
 王様ゲームのくだりもあまり目新しさが無く、勢いだけで突っ走ってしまった感じです。
 スタイルはいいと思いますし、民のくだりからは光るものを感じたので、
 もう少しツッコミのフレーズに捻りなどが加われば、唯一無二のスタイルに仕上がるのではないでしょうか。
   
・こういうもともとあるおかしいことにツッコむの。
 笑いの広げ方としてツッコミの仕方でひねっていたところはあったのでよかったんですが、
 もうちょっと広げてオリジナルのボケが加わってもよかったのでは。
 ○セックスしろよ!
 こういう。
   
・関西の女子高生の会話の方が面白い。
   
・内容は不満そのものなので、好印象で見るのは難しいネタでしたけど
 「女子を持ち帰り!ホテルに連れ込み!ペイチャンネルを見!自慰をし!」とかの勢いの強さについつい
 笑わされていた、というすごくパワーのあるネタだったと思います。
   
・全力で空回りしていたなあ、という印象でした。
 ただただぶちまけるだけでは何も生産いたしません。
 もっとぶちまける以外にプラスの要素が欲しかったです。
 テーマが一方通行気味で押し付けられた感があったので、ツッコミがもう少し強めにフォローに回って印象を中和してもよかったかしらん。
 ホテルに連れ込んでおいての流れはよかったです。
   
・話の掘り下げが比較的浅くてベタに感じたので、このネタの点数としては低めといたしましたが、
 この2人のキャラ自体はかなり良かったと思います。ボケの大胆さ、ツッコミフレーズの面白さという意味で。
 あと「女子を持ち帰り!ホテルに連れ込み!ペイチャンネルを見!自慰をし!」はめちゃくちゃ面白いですね。
 このフレーズの勢いとか構造を引っ張られたら、とんでもないネタが出来そうですね。
 今回の結果としてはあまり奮わなかったものの、今後への期待という意味で、締切ギリギリまで頑張っただけの価値はあったと思います。
 

No.051 乙女の方程式
通販番組
Y美:はいどうもー、姉妹漫才師「乙女の方程式」です。よろしくお願いします!

X子:突然ですが、私・X子から重大発表があります。

Y美:ええっ!?
   …冒頭からいったい何を言い出すのよ、お姉ちゃん。

X子:実は私…
   昨日の深夜に…

Y美:きっ…昨日!?何かあったっけ…

X子:なんと…





   通販番組を見ました!はい拍手!!



Y美:…いやいやいやいや!!何を言い出すかと思えば!!
   確かに昨日、何こんな遅くまでテレビ見てるんだろうなぁとは思ったけども!
   絶対、溜めてまで発表することじゃないよね!?

X子:それにしても最近の通販は良いわね。感動すら覚えるわ。

Y美:そ、そうなの…?まぁ、見入ってたもんね…

X子:特に、ほら……こちらの商品も付けて、お値段据え置き!、みたいなシーンあるじゃない?

Y美:シーンて。まぁ、確かにそういうのよくあるね。感動するかは何とも言えないけども。

X子:感動するじゃない。もう1品つける上に、値段も変わらないだなんて。
   だから、今日は私も通販番組のこのシーンをやってみようと思うからさ、見てて?

Y美:う、うん。まぁいいけど…

X子:見ててくれるの!?素晴らしいわ!!さすがY美、我が娘ね!

Y美:いや妹だよ!!何なら冒頭に「姉妹漫才師」って言ったんですけど!?
   …下らないこと言ってないで、さっさとやりなさいよ。





X子:「…ね。こんなに安いなんて信じられないでしょ?そして!今回は何と…」

Y美:いやいやいや!本当にそのシーン「だけ」をやる気なの!?

X子:えー…だって、やりたいのそこだし…

Y美:そうかもしれないけどさ…
   せめて今売ってる商品と値段ぐらい言いなさいよ。

X子:「大型ワイドテレビ!!9000円!!」

Y美:本当に「商品」と「値段」だけ叫ぶとは!!
   …確かに、信じられないくらい安いけども。

X子:「さらに、今回はこの大型リモコンをお付けして…」

Y美:どんなオマケよ!?リモコンまで大型って…何か操作しにくそう!

X子:「…お値段据え置き、10800円!」

Y美:据え置いてないじゃん!!そこはせめて据え置きなさいよ!!
   大型リモコンの分やっぱり値上げしちゃったの!?ってなるからさ。

   …ってか1回待って、お姉ちゃん。いろいろおかしいんだけどさ、
   こういうのは商品の説明がいろいろあってこそ、安さが伝わって感動するものだと思うんだけど、どう?

X子:…それもそうね。正論だわ!さすがY美、我が娘ね!

Y美:妹よ!!何でそこ間違えるのかしら!?
   …なんだったら、4歳でどうやってあたしを産んだっていうのか説明してもらおうか。

X子:じゃあ、商品説明とか前置き入れてやってみるわね。

Y美:う…うん。大丈夫かなぁ、いろんな意味で。





X子:「さぁ、通販番組の時間がやってきました!
    司会はこの私、『泥沼から這い上がってネッチョリしてそうなアナウンサー』ことX子です!」

Y美:なんか長くて汚らしい愛称ね!?もうちょっと短くて清楚なのにしなさいよ…

X子:「さぁ本日ご紹介するのは、この『大型掃除機』!」

Y美:大型テレビじゃない!?…まぁ、さっきと違ってもいいけどさ。

X子:「皆さん、知ってますか?
    掃除機(そうじき)は、ゴミやホコリを容器内に回収する電気製品(清掃用具)であ………すよ!」

Y美:何でWikipedia丸暗記っぽい感じ!?いや、掃除機が何かは視聴者みんな知ってるだろうからさ。
   この掃除機ならではの特徴とか説明しなさいよ。

X子:「こちらの掃除機ですね、なんとお値段…」

Y美:あ、このタイミングで値段言っちゃう!?
   普通、これだけ素晴らしい機能がついてるのに、こんな安いんですよ!みたいな流れだと思ってたけど…

X子:「お値段…なんと……800円!」

Y美:うん、相変わらず安い!!チョー安い!!安すぎないかな!?
   仮に小型だとしても4桁は下らないと思うよ?多分だけど…

X子:「どうですか?このお値段、気になるでしょう!?」

Y美:うん、気になる。明らかに安すぎるもん。

X子:「こちらの掃除機が何故これだけ安いのか。
    …それはなんと、製造過程における無駄という無駄を省いているんです。」

Y美:ほ…ほう。

X子:「トヨタ自動車の生産体制を参考に、生産工程や在庫の管理体制を徹底的に改善し、
    生産コストを従来の半分に削減。このような努力が、価格低下に貢献しています。」

Y美:う…うむ。トヨタねぇ。

X子:「さらには管理費、光熱費、輸送費などあらゆるコストを抑え…」

Y美:何でさっきからコスト削減の話ばっかりなのかな!?
   え、これ仮にも商品紹介だよね!?通販番組の!!

X子:「そしてこの掃除機の製造会社では、最新の商談管理ソフトを導入して営業に必要な経費を削減し…」

Y美:コストの話はもういいってば!!営業経費とか、もはや製品直接関係ないじゃん!!
   確かに安さに繋がってるのかもしれないけどさ、視聴者が聞きたいのも多分そこじゃないよ。
   せめてこの掃除機に関係あることを言ってアピールしなさいよ。

X子:「なお、この掃除機のほとんどパーツは、コスト削減のために大量生産された汎用的な部品を利用しておりますが…」

Y美:まだコスト言うか……それ言っちゃうと魅力が落ちて聞こえるのは気のせいかなぁ。

X子:「1ヶ所だけ、こだわったパーツがあります。それはなんと…この、タイヤ!」

Y美:…タ、タイヤ?まぁ、大型の掃除機なら確かに車輪付いてるけども。

X子:「この掃除機のタイヤの部分は何と……あの、トヨタ自動車の車と同じタイヤを使っております!!」

Y美:…ウソでしょ!?
   急に何!?え、何で!?何でそんなところまでトヨタ参考にしちゃった!?
   バランスおかしいよね!?大体、さっきまでのコスト削減意識はどこいったの!?

X子:「トヨタ製のタイヤを使うことにより自走式となり、輸送費の削減にもつながっています。」

Y美:もはやそれ掃除機じゃないよね!?車だよね!?掃除機の体をなしてないよね!?
   そして恐らくこだわったパーツがタイヤだけじゃないよね!?中にエンジンとかいろいろ入ってるよね!?

X子:「そーんな、ほぼ至って普通な掃除機、1台800円!」

Y美:もはや「ほぼ」でも「普通」でもないと思うんだけど!?
   本当に800円って設定で大丈夫なの!?そしてそれは掃除機なの!?ゴミは吸いこんでくれるの!?

X子:「さて……今回はこの掃除機に、なんと…」

Y美:……あぁ、忘れかけてた。お姉ちゃん、お値段据え置きで何かオマケ付けるのがやりたかったんだよね。
   今度はちゃんとお値段据え置くんでしょうね?

X子:「同じ掃除機をもう1台お付けして…」

Y美:もう1台!?まさかのもう1台!?
   こんなゲテモノみたいな掃除機、2台もあってどうしろっていうのよ!?

X子:「お値段なんと………………1600円!!」

Y美:やっぱり据え置かなかったーーー!!普通に倍の値段になっちゃったーーー!!
   いやさ、お姉ちゃん。お値段据え置きでサービス精神満開ってのがやりたいんじゃなかったの!?
   通販番組の途中で値段上がるのっておかしくない?

X子:……Y美。お値段据え置きは恐ろしい、っていう結論に至ったのよ。

Y美:いつ!?いつの間に思想変わってたの!?

X子:じゃあ続けるわね。

   「そしてなーんとなんと!今回はスペシャル大サービス!もう1台お付けちゃいますね!」

Y美:同じ掃除機3台もあってどうしろっていうのよ!?それもタイヤが自動車のそれと同じサイズのやつが!
   サービスどころか置き場に困るわ……あるいは業者さん向けなのかなぁ…

X子:「3台合わせて、お値段なーんと……2200円!」

Y美:そしてまた高くなったし!

   ……あれ、800円×3で2400円…というわけではないの?

X子:「この掃除機は3台1セットで組み合わせるとコンパクトになるので、梱包スペースが減ってその分安くなります。」

Y美:どんな掃除機よ!?3台1セットでちょうど良く組み合わさる掃除機ってどういう形状なのよ!?レアコイル的な何か!?
   しかし仮にコンパクトになるとしても、中途半端な割引額ね…

X子:「そしてそして!今ならなんと、もう1台お付けした4台セットで、お値段なんとー…3200円!」

Y美:まだ続ける気!?
   …ってか、1000円上がった!?1台の値段以上に上がった!?
   だったら3台セットのと1台のとを買った方が安いよね!?1台ずつ買えるのかもよく分からないけど!

X子:「そしてなんと!さらにもう1台お付けして…4000円!
    さらにもう1台、計6台で…4800円!!
    さらにさらに…」

Y美:どこまで行くつもり!?
   …どうでもいいけど、6台の時は3台の時みたいにコンパクトになるから安いみたいなのはないのね。

X子:……価格の方程式を気にするんじゃないわよ、Y美。

Y美:何よ「価格の方程式」って…無駄にコンビ名に合わせなくていいから。

   …あのさお姉ちゃん、いろいろおかしすぎてもはやツッコミきれないんだけどさ。
   そういや「お値段据え置きは恐ろしい」って言ってたけど、あれどういう意味?

X子:そこを覚えているとは……Y美、さすが我が娘ね!

Y美:だから妹だってば!!
   あたし知ってるんだからね、当時5歳のお姉ちゃんからはいくら吸っても母乳なんて出なかったってことを!

X子:…じゃあ、そのお値段据え置きのその恐ろしさを再現するからさ、別の商品を紹介するという体でやってもいい?

Y美:どういうことなんだか…まぁ良いけども。





X子:「では、続いての商品です。次の商品は、この私、X子自身!!」

Y美:いやいきなりおかしい!!お姉ちゃん自身が商品ってどういうこと!?

X子:「見てください!
    このセクシーなボディー!はちきれんばかりの胸!安産型の太もも!!」

Y美:何自分のスペック自慢してやがるのよ!!安産型の太ももって何よ!?

X子:「これらの性能をふんだんに生かし、あなたの仕事をお助けします!」

Y美:どういうことよ!?その性能で何の労働力を提供するっていうの!?
   あとお姉ちゃん、さっき自分のこと『泥沼から這い上がってネッチョリしてそうなアナウンサー』って紹介したの忘れてないでしょうね!?

X子:「こーんなスペシャルな私、お値段は時給8600円!」

Y美:まさかの時給換算!?しかも額面的にはもはや日給レベルな気がするんですけど!?

X子:「そして!今ならなんと!こんな私に…」

Y美:…そうだった。あくまで「お値段据え置き」のくだりがやりたかったのよね。

X子:「この、私の妹であるY美をお付けして、お値段据え置き時給8600円!!」

Y美:まさかのあたしだったーーーー!?
   ってか、あたしを付けてお値段据え置きってどういうこと!?
   あたしがお姉ちゃんのオマケみたいになってるじゃない!!ヒドいよ!!ヒドイよお姉ちゃん!!

X子:「なお妹の方は、徹底的なコスト削減を図りスレンダーなボディを実現しております。」

Y美:誰がコスト削減ボディよ!!誰の胸がコスト削減パーツよ!!あたしを育ててくれた両親や自分自身に謝りなさいよ!!
   しっかし姉妹なのにどうしてこうまで差がついたのかしらね!!
   何ならもういっそお姉ちゃんの娘として産まれたかったわ!くそっ!くそっ!

X子:ね、お値段据え置きって恐ろしいでしょ?

Y美:終盤も終盤にこんないやらしい身内ネタをぶち込んでくるお姉ちゃんの方が末恐ろしいわ!!
   もういい加減にして!

XY:どうも、ありがとうございましたー!

予選総合第25位(3回戦敗退) 乙女の方程式
審査員
点数
52 64 45 51 78 平均58.00
【審査員コメント】
・そうだった、この娘らこういうトリッキーな漫才やるコンビだった……忘れとったぜ……。
 ボケはシンプルなものが多いんですが、一工夫加えて自分達だけのネタに仕上げているあたり上手いなと。
 「我が娘」「コスト」「タイヤ」「据え置かない」など、ワードを執拗に天丼するバランスが絶妙で、
 読めば読むほど脳を緩やかに掻き回されるような感覚に陥りました。
 狙いはいいと思うんですが、ややしつこすぎて疲れてしまったりしたため、もう少し変化があった方が
 見る側としても、落ち着いてクレイジーなやりとりを堪能出来ると思います。
 あとオチ前のくだりは割と予想がついたため、もう少し捻りがあれば気持ち良く締められたと思います。
   
・我が娘のとこ、そんなに押す!?
 値段を据え置かない、何台もセットにする、など面白い展開もあったんですが、大型掃除機のとこの展開の仕方がハマらず、というかよく伝わらず…
   
・こちらもあかつきと同じく、「巧いな」と思えるボケの範疇を抜け出せてない。
 キャラを使って個性を出す以上、口調で笑わせるのが厳しいのでボケの発想力を上げざるを得ないんだけど、
 それを満たせないのであれば上位を狙うのは厳しいと思う。
   
・凄くシンプルな漫才だと思うんですが、シンプルな分笑いやすかったです。
 「掃除機」自体を説明するくだりなど、単純に面白いボケが多く見られて良かったです。
 ただやはり印象勝負で考えてしまうと、他には負けてしまうかなといった感じでした。
   
・こういう昨今にそこを褒めるのは審査員として物議を醸しそうなんですが、ラスト付近の2人の体型の話をしているくだりはグッと来ました。
 僕はどちらも好きです。
 ボケの一つ一つに重みがあり、的確に笑いを積み重ねていった印象です。
 完全にトヨタカー化している掃除機とか、好きですね。
 惜しむらくはネタ振りの長さに対してボケのバリエーション・量がやや物足りなさがある点でせうか。
 しかし盛り上げるべき部分はしっかりと盛り上げてあり、良いパフォーマンスを見せてもらいました。
   
・またもや平均58.0とは。何という安定感。
 工夫したところは上手く伝わったみたいで何よりですが、全体的なバリエーション不足やインパクト不足は否めませんね…
 夏草さんのご指摘にもありますが、最近のネタは昔に比べて「ボケの発想力」が異様に落ちているんですよね…鍛え直さなくては。
 まずは準決勝に復帰したいです。はい。