一条:はいどーも、第七女子会と申します! よろしくお願いしまーす!
……さて。いきなりなんだけど、あたし、けっこうホラーとかに興味があるのよ。
二階:おっ、作画崩壊のアニメとかっすか?
一条:ちょっとしたホラー映画より、妖怪人間ベムの作画の方が怖いって!? そういうのじゃなくて!
三田:いじってもいないのに年々変わっていくマイケルジャクソンの顔とか?
一条:いじってるでしょ! そういうのじゃなくて!
四谷:焼いてもいないのに年々黒くなっていく清原和博とか?
一条:焼いてんじゃないの!? そういうのじゃなくて!
五島:美しすぎるわたし、とか?(決め顔)
一条:じゃあ、あたし廃校になった小学校に肝試しに行くから、みんなあたしを驚かしてよ
五島:のっけから完全無視は一条さんが思ってるよりダメージが凄いですからね?
一条:ここが廃校になった小学校か……。雰囲気からして、もうおどろおどろしいわね……。
二階:ホントっすねえ。
一条:ナチュラルに同行者がいる!?
二階:いやあ長年タクシー運転手やってますけどね、ここまで怖い場所にお客さんを連れてきたのは初めてっすよ。
一条:タクシーの運転手さんかい! なんで普通に着いてきてるのよ!?
二階:いやいやいやいや! だってお客さんの帰りの足が無くなるから、ウチだけ先に帰るわけにもいかないでしょう!?
こんな怖そうなところで、1人で待ってろと言うんすかお客さんは!?
一条:あー、なんかごめんなさい!
……でも、これから廃校に入ってくんですよ? そっちの方が怖いんじゃないんですか?
二階:大丈夫っすよウチ霊感無いっすしー。(会釈)
一条:霊感無いならタクシーで待ってればいいのに……。
ていうかなんで今急に会釈してきたんですか?
二階:え? そこの校門横に警備員さんが居たから、挨拶っすよ。
一条:……誰も居ないんですけどおおおおお!?
えええ廃校だから警備員さん居るわけないじゃない、え、運転手さん何が見えてるのおおおお!?
なに、学校に執着を持ったまま死んでしまった警備員さんとかなの!?
二階:それにしても旧日本軍の軍服を着た警備員さんっていうのも、珍しいっすよねえ。
一条:……それ絶対に警備員さんじゃないよおおおお!
絶対、もっと強烈な執着心で現世に居残ってるよおおおおお!
二階:じゃあさっさと廃校一回りして帰りましょうっすか。お客さん。
一条:待って待って! まさかそんなにマジなとこだと思ってなかったんですけど!?
出るにしても花子さんや人体模型くらいだと思ってたから、まだ心の準備があああ!
二階:それじゃあ、まずは音楽室に行こうっすか。
三田:……〜♪(鼻歌でメロディ奏でる)
一条:な、なにかピアノの音が聞こえるわ! 誰も居ないはずの音楽室から、ピアノの音が……!
三田:……テンテレテンテン テンテレテレテレ……♪
一条:……これ、エレクトリカルパレードだ! なんかすごいポップな音楽だった!
四谷:(ガラガラと引き戸を開けるジェスチャー)ウェルカム・トゥ・トーキョーハイコーランドー!
二階:ぎゃーっ! 二宮金次郎像が動いてるー!
一条:あ、あれ二宮金次郎像なんだ! 今完全に鼠王国の住人にしか見えなかった!
ていうかビビれば良いのかしらこれ!? ウェルカムとか言われちゃってるし!
四谷:(手元の本に目線を落とすジェスチャー)今宵は素敵なスリラーナイトを楽しんでいってくれよなー!
一条:二宮金次郎像の定番のポーズだけど、カンニングペーパーをガン見しているようにしか見えない!
五島:うらめしや〜……。
二階:……二宮金次郎さん率いるエレクトリカルパレード軍団、行っちゃったっすね。
一条:そうね。なんで二宮金次郎さんが普通に音楽室に居たのかという点から疑問だったけど、行っちゃったわね。
五島:しまった! 完全にわたしの見せ場がエレクトリカルパレードに飲み込まれた!
一条:じゃあ、次はトイレに行ってみましょうか。
トイレはこっちね……。あれ? なにか、ぼんやりと人影が……!?
三田・四谷:(うんこ座りで一条・二階を睨み付け威圧する)ああ゛? なに見てんだコラ。
二階:ぎゃああああっ! なぜかトイレに溜まる不良連中だあああああ!
一条:なんでいるの!? 霊なの!? 霊なのかな!?
だとしたら死後もやることがトイレに溜まるだけとか、不良哀しすぎないかしら!?
四谷:なんだテメーらどこ中だ? ウチのヘッドの花子姐さん呼ぶぞこのヤロ?
一条:やっぱりトイレでは花子さんがヘッドなんだ!? ……ヘッドて!
二階:逃げろっすうううう! ぎゃああああっ!(走り出す)
一条:わー、待って待って!(追いかける)
五島:(うつ伏せになった状態で両手だけ使って動く)テケテケだー!
一条・二階:わあああああああああ!(五島とすれ違ったまま走っていく)
五島:しまった! ヤンキーの恐怖の余韻を引きずっていて、気づかれすらしなかった!
一条・二階:(舞台を大回りして元の立ち位置に戻ってくる)はあ、はあ、はあ……。
二階:はあ、はあ……今かけ上がってきた階段、13段あったっす……。
一条:元の段数を知らないから、怖いのかどうなのかも分からないわ……。
ここは……2階のトイレかしら? こっちにはヤンキーはたむろっていないのね。
二階:ちょっと催してきたから、ついでにここでトイレ済まして来ちゃうっすね……。
一条:運転手さん、その度胸持ってるなら、タクシーで待てたんじゃないの?
二階:ふう……。……あ、音姫音姫……。
一条:廃校のトイレの音姫が作動するの!?
三田:(鼻歌)テンテレテンテン テンテレテレテレ♪
一条:さっきのエレクトリカルパレードだ! 乙姫に採用されてたのね!?
四谷:ウェルカム・トゥ・トーキョーハイコーランドー!
一条:また来た! なに、ここまででワンセットなのかしらこれ!?
二階:あ、紙が無い……。
一条:紙が無いの? 仕方ないわね……。……って、確かこういうパターンの怖い話もあったような……!?
三田:……紙が、欲しいか? どの色の紙が欲しいか?
二階:ぎゃーっ! どこからともなく声がー!
一条:やっぱりー! これってまさか、赤い紙って答えても青い紙って答えても駄目な、巡りあっただけでアウトなタイプの怪談……!
三田:赤巻紙が欲しいか? 青巻紙が欲しいか? 黄巻紙が欲しいか?
一条:違った! 早口言葉のやつだった!
でも、慎重に答えてください!
これは有名な怪談で、赤い紙と答えれば全身から出血して死んでしまい、
青い紙と答えれば全身から血を抜かれて死んでしまうというやつです!
二階:黄巻紙ください!
一条:そんな選択肢があったんだったわね! 今回に関しては!
三田:黄巻紙を選んだお前は、黄色人種なので許してやろう。
二階:やったー!
一条:なんだそりゃ!? 黄色人種として生まれて初めて得をしたやつがいた!?
二階:ジャー……。バタン。
お待たせっすー。
いやー、今のお化け、許されるだけで別に紙はくれないんすねー。
一条:……どうやって処理をしたの!? 出てきて大丈夫なの!?
二階:まぁ、いいっす。次行こうっすー。
一条:大丈夫!? 大きい方か小さい方かで隣を歩くあたしの心構えも変わっちゃうのだけれど、大丈夫なのかしら!?
五島:……あ。トイレの花子さんやるつもりで待機していたら、いつの間にかトイレのパートが終わっていた……。
四谷:(うつ伏せになった状態で両手だけ使って動く)テケテケだー!
一条・二階:ぎゃああああっ! 出たあああああガチで怖いやつうううう!
五島:あー! わたしがさっきやったのにー! ずるいずるいずるいー!
一条:はあ、はあ、はあ……怖かった……。思わず校門まで逃げてきちゃったわ……。
あー、もう十分堪能したから帰りましょう運転手さん。
五島:ちょっと待ってくださいよ! まだわたしの見せ場が全然ありませんよ! わたしにもあなたたちを怖がらせてくださいよ!
二階:そうっすね。帰りましょうっすか。
五島:だから、堂々と無視はやめて! わたしこの漫才中誰ともコミュニケーションできてない!
一条:それじゃあ、早くタクシーを停めているところへ……ん? 何か向こうの方に、人影が……?
三田・四谷:またのお越しをお待ちしております。(敬礼)
一条:ぎゃっ! 今度はちゃんと見えた旧日本兵の霊!
……って、学校だって言ってるでしょう! もういいわ、いい加減にしてちょうだい!
4人:どうもありがとうございました〜
五島:あー、終わっちゃったー!
まるで4人ともわたしが見えていないかのように、わたしだけ話に関われないまま、終わっちゃったー!
……え?まるで、わたしが見えていないかのように……? まさか、もしかして、わたしって……
(暗転)
(明るくなると、五島さんしか舞台にいない)
五島:あ、わたしがちゃんと存在している方なんだ!?
……どうも、ありがとうございました〜。
審査員 点数 |
50 | 44 | 71 | 40 | 47 | 60 | 平均52.00 |
【審査員コメント】 ・このブロックのトップバッターは下半身出して捕まらなくてひと安心です キャラの立て方や動かし方は言うまでもなく、展開や構成も非常にまとまっている綺麗な作品でした。 ただ、「漫才」として見てしまうと、完成度と裏腹に明らかに薄い笑いどころに言及しないわけにはいきません。 カッコ書きでの説明ありきのボケが多く、全体的にボケを飲み込むのに手間がかかりました。 女子が舞台上を駆け回っている姿をイメージすると微笑ましいのですが、「漫才」としてはどうしても消化不足でした。 「想像させる漫才」というのはいいと思うんですが、パッと見て笑えるワード、工夫を入れてみてください。 「トーキョーハイコーランド」とかはいいボケでしたし、オチもキレイでした。 ・七女フルメンバーのネタ、久々に見た気がします。 やはり5人となると、なかなか配役も難しいところだったと思いますが、そこはやはり手慣れたもので、本当に役割の無い人はいませんでした。 しかし強力なフレーズがどこにもなかったため、一発一発のボケにパンチがありませんでした。 人数の多い漫才故に、ト書きが多いのも致し方ないんですかね…? 減点こそしませんけど、漫才でのト書きは最小限に留めた方が僕は好きです。 ・ボケ四人にそれぞれ役割があって良かったんじゃないでしょうか。三田さんと四谷さんがちょっと被ってたかな、二人でワンセットになるボケも欲しかったところ 後は決定打に欠けた感じですかねー 「元の段数分からない」とか「黄色人種」とか好きなボケではあるんですけど、めちゃくちゃ笑ったっていうのではなかったかなー ・試みは面白いんですけども 少し人数のせいかゴチャついてます。 後はやはり( )の多用が気になりますねえ。 もう少し動きの説明を省いて読み手に任せてもいいのでは ・まわりと違った人数を活かした構図で普通に楽しめましたがどうもボケにキレが無かったです。 必要不可欠というわけでもないようなト書きは若干 キレの悪さを助長しているような。 紙が貰えなかったのにトイレから出てくるところとか面白かったです。 五島:あー!わたしがさっきやったのにー!ずるいずるいずるいー!(とても可愛い) ・(五島とすれ違ったまま走っていく)←ここ、実写で見たら特に楽しそうですよねw 五島さんの立ち位置、若干かわいそうだなぁと思いつつも、定期的に五島さんネタが入ることで作品全体のテンポは良くなっていましたね。 五人のキャラは比較的上手く使えていたと思うので、ひとまずそこは好感触でした。 ただ、肝試し設定としては比較的ベタなボケに収まってたかなぁ、というのが惜しいところです。 個別ボケとしては「カンニングペーパーをガン見しているようにしか見えない!」が面白かったです。
竹林鳴子:私はひょっとしたらキジなのかもしれません……。
神崎 駿:はいどーもー!! PARTY NOISEですよろしくお願いしまーす! 言うまでもなく人でーす!!
鳴子:最近私、桃太郎っぽい人を見るとついて行きたくて仕方ないんです……。
神崎:全国の桃太郎っぽい方々お気をつけくださーい! 気付いたら鳴子ちゃんがついてきてる恐れがありまーす!
鳴子:ハッ、こんなことをしてる場合じゃありません!
一刻も早く鬼ヶ島に行って赤鬼の眼球をつつかなくては! ばっさばっさケーン!!
神崎:逃がさないよー? 漫才中に鬼退治には向かわせないよー?(がしっ)
鳴子:離してください! ハッ、キジである私を捕まえて離さないということは、神崎君はトラバサミだったんですか!?(じたばた)
神崎:人だよー。キジと罠のコンビとか組めたもんじゃないよー。
ていうかどうしちゃったんだよ鳴子ちゃん、何故いきなり自分を見失っちゃったんだよ。
鳴子:それと言うのもですね。先日実家に帰ったら、父が犬用の首輪着けて四つん這いになってまして。
神崎:何のエピソードだよー。突如として何の話が始まったんだよー。
鳴子:そのリードを持った母が、私を見るなり猿のように顔が真っ赤になりまして。
神崎:そりゃ娘にプレイ見られたら顔も赤らむよー。てか公共で両親の性癖ぶっちゃけるなよー。
鳴子:父が犬で母が猿なら、娘の私はキジに決まってるじゃないですか!
神崎:現実逃避だよー。この子両親のアブノーマルを受け入れられなくて現実から目を背けてるだけだよー。
鳴子:犬と猿の間に産まれた子なんて、キジに決まってるじゃないですか!!
神崎:おそらく産まれてくるのはキメラだよー。哺乳類と哺乳類の間から鳥類は生まれ得ないんだよー。
鳴子:ハッ、こんなことをしている場合じゃありません!
今すぐヤクルト本社に行ってスワローズをキジーズに変えるよう交渉しなければ! ばっさばっさケーン!
神崎:だからどこ行くんだよー。一人取り残された僕はどうすりゃいいんだよー。
鳴子:ニヤニヤしてればいいんじゃないですか?
神崎:サイコ野郎だよー。相方消えてニタニタしてたらただのヤベェ奴だよー。
鳴子:少なくとも父は、固まる私を見て四つん這いになりながらニヤニヤしてましたよ?
神崎:トラウマもんだよー。一刻も早く記憶から抹消しようねー。
とりあえず今は漫才しようよ、漫才という人間の文化をやり遂げようよ。飛んでかないでよ。
鳴子:わかりました、しばらくの間、自分がキジだということは忘れます。
神崎:まずキジではないということを思い出してほしいんだけどねー。人としての尊厳を取り戻してほしいんだけどねー。
鳴子:さて、何の話をしましょうか? 桃が流れてきた場合以外での「どんぶらこ」の使い方ですか?
神崎:キジが抜けてないよー。そんでどんぶらこは多分桃以外の使用法無いよー。
鳴子:私としては2塁に牽制球を送るシーンなんかで使えるのではと思うのですが。
神崎:マヌケだよー。熱狂のスタジアムでどんぶらことか聞こえたら三塁コーチャーにしばかれるよー。
じゃあさ、とりあえず僕の話を聞いてくれない?
鳴子:何ですか、神崎君が実家に帰ったら両親が鮮魚でシバきあってた話ですか?
神崎:そんな家庭じゃ無いよー。とんだサラブレッドコンビになっちゃうよー。
あのね、最近僕ね、ペットとして犬を飼うつもりなんだけど。
鳴子:……? 犬をCow……? えっ、犬と牛の2択で迷ってるってことですか……?
神崎:深読みしすぎだよー。牛飼えるほどの敷地面積持ってないよー。
鳴子:敷地に関しては飼っちゃえばどうにでもなるじゃないですか。
神崎:どうにもならないよー。そんなサイズ大きめの服買うみたいに牛飼っちゃダメだよー。
鳴子:いやぁ、牛はまだしも犬はやめた方がいいと思いますよ……?
神崎:まず牛は選択肢に無いからねー。何で犬ダメなの、可愛いじゃん。愛くるしいじゃんういやつじゃん。
鳴子:いや、だって犬なんて、桃太郎って昔話が無かったら知られてなかったような動物じゃないですか。
神崎:それキジだけどねー。桃太郎の恩恵を何よりも賜ってるのキジだけどねー。
鳴子:それにほら、犬の鳴き声ワンワンですよ? ………ぶっちゃけ引きません?
神崎:引きませーん。ドン引きする要素がありませーん。むしろケンケン鳴くキジの方が引きまーす。
鳴子:だから犬飼うくらいなら、キジである私を飼った方が絶対いいですよ!
神崎:何を張り合ってんだよー。何で相方からペットにクラスチェンジしようとしてんだよー。
鳴子:フフン、私は飼いやすいですよ。エサも3食きびだんごで構いませんし。
神崎:奴隷の待遇じゃんよー。やるんだったら健康的な食事を保つよー。
鳴子:定期的に散歩に連れてってくれれば、あとは殴る蹴るしてもいたぶり転がしても構いません。
神崎:君は果たしてどうなりたいのー? 鳴子ちゃんのペット観がハリガネみたいにねじくれてるよー。
鳴子:あっ、もちろん鮮魚でシバいても構いませんよーっ!?
神崎:やんないかんねー。神崎家に鮮魚でシバく伝統無いかんねー。
鳴子:だからその犬と牛の2択にキジを入れる方向でワンチャンお願いします! キジだけどワンチャン!!
神崎:クソだよー。頼み方がクソだよー。そして最初から犬1択なんだよー。
鳴子:牛には負けても仕方ありません!! でも犬にだけは負けたくないんです、キジのプライドにかけて!!
神崎:捨てちゃえー。キジのプライドなんかポイ捨ててヒトの常識取り戻せー。
悪いけど犬を飼う思いは曲げないよ、ポメラニアンがペットショップで僕を待ってるんだよ。
鳴子:ハァ、わかってませんね……犬なんかより私の方が絶対役に立ちますよ?
神崎:人なんだからそうじゃなきゃ困るんだけどねー。じゃあ聞くけど、鳴子ちゃんはペットとして何してくれるの?
鳴子:よくぞ聞いてくれました。考えても見てください。仮に、神崎君の家に鬼が侵入したとしましょう。
神崎:うん、全く考えられないわー。泥棒ならまだしも鬼は無いわー。
鳴子:鬼がどんぶらこどんぶらこと侵入したとしましょう。
神崎:絶対使い方間違えてるよー。どんぶらこの活きる場所は桃が流れてきたタイミングしか無いんだよー。
鳴子:その鬼が、神崎君の家にある金銀財宝を根こそぎ持っていこうとしてます。
神崎:そんなん無いよー。金銀財宝の蓄えがあったらこんなところで鳴子ちゃん相手にあたふたしてないよー。
鳴子:そうか、神崎君ちにあるのは金銀財宝じゃなくて鮮魚か……。
神崎:だから無いよー。いや、その日の夕飯によってはあるかも知れないけどー。
鳴子:こんな状況なら犬なんて、せいぜい吠えるか噛みつくくらいしか出来ないでしょう?
神崎:充分だよー。犬に望むセキュリティっつったらそれくらいだよー。
鳴子:その程度じゃ泥棒は追い返せても、鬼には金棒でぶっ潰されておしまいです。
神崎:泥棒追い返せるだけで充分なんだけどねー。犬も鬼と戦う気構えは無いだろうしねー。
鳴子:ワンワン、ワンワン!! ワンワ、ブンッ!! ズシーン!! ギャワッ、どんぶらこどんぶらこ……。
神崎:惨劇を擬音で表さないでー? エグいしさ、なんで最後桃がしゃしゃり出て来やがったのー?
鳴子:最後のは犬が三途の川の下流へ流れていく音です。
神崎:不要な描写だよー。泳がせないで渡し船に乗せてあげてよー。
じゃあ鳴子ちゃんはどうやって鬼に立ち向かうの? もうこの質問自体が異常だけどさ。
鳴子:よくぞ聞いてくれました! まずはキジとしての特性を生かし、高く飛び上がります!
神崎:人だからムリだよー。大前提の時点で計画が破綻しているよー。
鳴子:そして、すかさずこの鋭いクチバシで鬼の眼球をつつきます!
神崎:クチバシなんか無いよー。くちびるしか無いよ、ただ鬼の目にソフトキッスするだけだよー。
鳴子:さらにさらに! 私には、従来のキジには無い、手があります!!
神崎:人だからねー。手がある時点で翼は無いということを早く理解してくれないかなー。
鳴子:その手でスマートフォンを取り出し! 通話機能を作動させ! イチ! イチ!! ゼロォッ!!!
神崎:最初からそれだけやってくれないかなー。通報だけしてくれれば鬼との戦闘は望んでないからさー。
鳴子:もしもしケーン!! たった今ケーン!! 家に鬼がケーンケーンケーン!!!
神崎:キジの主張が強すぎるよー。絶対イタ電だと思われるよー。
鳴子:ケーンケンケンケーン!! 庭からモーモーモー!! 蘇った犬がワンワンワーン!!
神崎:めっちゃうっさいよー。そんなムツゴロウ王国みたいなの築きたくないよ、ゾンビ犬まで現れたしさー。
鳴子:一方その頃猿は温泉に浸かっていました。
神崎:仲間に入れてあげてよー。鬼退治仲間として話題に入れてあげてよー。
鳴子:そして神崎君が帰ってくる頃には、そこには息絶えた鬼が転がっていることでしょう……フフ……。
神崎:僕んちで何やってんだよー。帰ってきたらバケモノの死体と血まみれの鳴子ちゃんとか非日常ホラーだよー。
鳴子:どうですか、こんなこと犬には出来やしないでしょう!!(ふんすふんす)
神崎:望んでないんだよー。僕はペットに癒しを求めているのであって、戦闘力は判断材料にならないよー。
鳴子:こんなに役に立つ私を、どうかペットにしてください!! 靴でもなんでも食べますから!!
神崎:何が君をそこまで駆り立てるんだよー。恐らく父方のDNAが色濃いよー。
悪いけど僕は犬を飼う姿勢を崩さないよ、ふわっふわのポメラニアンに日々の疲れを癒してもらうんだよ。
鳴子:わかりましたよ、そこまで言うなら鬼ヶ島のペットショップに行ってポメラニアンを探してきましょう! ばっさばっさケーン!!
神崎:最寄りでいいよー。そのブリッジ感覚でばっさばっさやるのやめてよー。
鳴子:さぁ神崎君もご一緒に! ばっさばっさケーン!!
神崎:やんないよー。コンビ揃って飛んでっちゃったらお客さんどうすりゃいいんだよー。
鳴子:ニヤニヤしてればいいんじゃないですか?
神崎:狂気の沙汰だよー。とんだクレイジー集団の出来上がりだよー。
しっかりしてよ、鳴子ちゃんはキジじゃないんだよ。すぐ飛び去りたがるのやめてくれよ。
鳴子:飛び去る……サル……!? ハッ、もしかしたら私は猿なのかもしれません!
神崎:人だよー!!
A・B:ういっす。
A:わらしべ長者って知ってる?
B:たった一本の藁を交換していって、最終的には一軒家と交換するって話だよね。
A:そう。物々交換を繰り返す中で、どんどん高価なものと交換していく話。
ところで話は変わるけど、僕ね、最近家を手に入れたんだよね。
B:はい?
A:この流れでその話をする、ということはだ。
B:いやいやこのご時世において、そんな都合のいい話がねえ・・・。
A:ある日の昼下がり、僕は一本の藁を持って歩いていた。財産は本当にそれしか無かったんだ。
B:お前そんなに苦しかったのか・・・。ごめんな、今まで気が付かなくて。
A:道路は金鉱と変わらなかった。
B:全財産が藁一本だもんな仕方ないよな本当にごめんな今度メシおごるよ。
A:構わないさ、今はマイホーマーだからな。
話を続けるけど、道を歩いていたら突然警察から囲まれたわけだ。そのまま俺は署まで連行されてしまった。
B:お前生活が苦しいからって色々なことに手を染めていたんだな・・・。ごめんな、今まで気が付かなくて。
A:構わないさ、今はマイホーマーだから。
その続きだけど、警察ではまず服を貸してもらったんだ。
B:逮捕の理由ってまさか! わいせつ物陳列罪!? 全財産が藁一本って本当に文字通り!?
A:あと一応確認しておくけど、僕は初犯だからね。
だからこそ、数時間の説教の後すぐに物々交換の旅を再開できたんだ。
B:母ちゃん、相方に犯罪歴があることが分かったけど、俺は元気でやってるよ。
A:気を取り直して、僕は一本の藁を持って警察署を後にした。
すると突然風が吹いて、藁が吹き飛ばされてしまったんだ。
B:じゃあ石ころでも拾おう。それで解決だ。
A:それも考えたんだけど、もっと良い案が浮かんだんだ。効率的なやり方さ。
B:ほうほう。確かに現代において物々交換を、ゴミから始めることはないよね。
その効率的なやり方とは?
A:僕は古着屋へ入ると、さっき借りた服を現金化しようとしたんだ。
警察が所有している服、ということでプレミアが付くと思ったからね。
B:物々交換って現金も含むんだ。
A:早速僕はレジの前で服を全部脱いだ。しかしそこで問題が発生したんだ。
ここでクイズなんだけど、その問題とは一体何だと思う?
B:簡単すぎるよ。売るのは上着だけにしておけって話だよ。
A:なんと警察ブランドの服なのに、一切価値が付かなかったんだ。あと身分証が無い人は帰ってくださいって。
B:もっと重要な問題が発生すべきだと思うんだけど。よく通報されなかったな。
A:仕方ないから警察で借りた服を抱えて、入り口付近にあったカゴを拝借して帰ったんだ。
藁から服へ、服からカゴへ。ここまではいい?
B:よくねえよ。物々交換してねえよ。服は抱えずに着ろよ。
A:服をカゴに入れて、交換相手を探していた矢先、また警察が追ってきた。
B:母ちゃん、相方は初犯どころではなかったけど、頑張るよ。心配いらないよ。
A:安心して、その時僕は若い女性のロングスカートの中に隠れる、という案を咄嗟にひらめいたんだ。
そして警察をまいた。捕まらなかった以上、初犯のままだよ。
B:ツッコミのことも考えてボケを絞れよ。
A:そしてその女性のパンティも手に入れ、意気揚々と交換相手を探し始めた。
B:犯罪に対する躊躇が無さすぎるわ。
A:そんなことないぞ、警察は面倒だからね、やっぱり服を着ることにしたんだ。
これで交換できるものはカゴだけになってしまった。
B:早速女性のパンティを履くんじゃないよ。
こんなこと言うのもおかしいけど、早速価値が無くなったよ。
A:いや、パンティは鑑賞用だから履かなかったよ当然じゃない。
B:ああ・・・そう。
A:すると目の前に、たくさんの荷物を抱えたおばあさんが、よろよろと歩いてきたんだ。
「大丈夫ですか。」と僕は声をかけた。
B:これはカゴを生かすチャンスだな。
A:急に声をかけられおばあさんが驚いたその瞬間、僕は見逃さなかった!
B:うわあダメだこの表現はきっとダメだ!
A:僕はおばあさんにカゴを被せ、その隙に荷物全てを手に入れたんだ。
その荷物は路地裏に合ったポリバケツに一旦移し、おばあさんに被せてたカゴを回収してその場を後にしたよ。
B:母ちゃん、俺は何もしてないよ。心配いらないよ。心配すべきは相方だけだよ。
A:あとついでに路地裏にはダンボールが捨てられていたんだ。
マイホーマーだよやったね。
B:やってくれちゃったね。まさかそんなダンボールハウスのオチで終わったりしないよな?
A:ここまでが僕のわらしべ物語第一章だよ。
B:おう、じゃあ早く第二章に移れや。
A:第二章、挫折。
B:うわあ違和感が無い!
A:マイホームの建設場所はとりあえず高架橋の下に決めて、まずは移動したんだ。
B:まあ一時的な拠点ってことだよな?
A:ここまでの財産をまとめると、服・カゴ・おばあさんの荷物・ポリバケツ・ダンボールの五種類だ。パンティは交換用ではないから省いてるけど。
この五種類を一度に運ぶのってなかなか大変でさ。財産がありすぎるのも困るね、いやまったく。
B:相方のカミングアウトがえげつなさすぎるのも困るね、いやまったく。
A:仕方ないからポリバケツにおばあさんの荷物を入れて、蹴って運んだんだけど、そこで悲劇は起きた!
B:その運び方じゃあ悲劇が起こらないほうが難しいよ。
A:なんとおばあさんの荷物の中身は、様々な食器や瀬戸物だったのだ! 一つ残らず割れちゃってたんだよね。
B:パリンパリン鳴っててどうして途中で気付けないかなぁ。
A:まあでも、丁度よかったよ。ほら、ポリバケツの用途は実際のところゴミ箱だよね?
B:前向きなのは結構だけど、人様から奪った財産を即座にゴミにするのはやめろ。
A:ちょっとした手違いはあったけど、仮住まいも手に入れ、カゴと服が手元に残ったんだ。たった一日では十分すぎるんじゃないかな。
B:スタートは藁一本から、って考えればね。
A:その日は本当に疲れてしまっていて、僕のマイホームで深い眠りに落ちたね。
B:どうでもいいけどお前、環境適応力は高そう。
A:翌朝、僕はポリバケツの中にいた。あちこちに刺さった食器の痛みで目が覚めたんだ。
B:どうなってるの。
A:そして信じられない光景が広がっていた。なんと、僕の家が無くなっていたんだ。
B:風で飛ばされたのかな?
A:いいや、それでは僕がポリバケツの中で寝ていた理由が説明できない。実は、驚くべき真相が待っていたんだ。
ここで再びクイズ、真相とは何だと思う?
B:今回のクイズは難しいな・・・。うーん、そうだな。
お前は無意識のうちに、家よりもゴミ箱の方が似合ってると悟ったから、とか?
A:なっ・・・失礼な。答えはこの紙に書いてある。
B:なになに・・・「河川整備のため、撤去いたします。 アララ川区役所」
あらら。
A:くそぅ、熟睡してるからって勝手に寝床を移さなくても・・・。
B:ゴミ箱にぶち込まれた理由は、お前が起きなかったからってことか。
A:せっかくのマイホームは一夜も持たずして崩れ去った。
そして僕は口惜しさと虚しさと何とも言えない感情を抱えながら、ポリバケツへと入った。
B:なんだかんだで気に入ってるのかな?
A:あといつの間にかカゴが無くなってたんだよなあ。いやー参った参った。
B:財産管理ガバガバじゃねえか。わらしべ長者に向いてない性格だよお前。
A:財産のほとんどを失った僕。その時風が吹いたんだ。
目の前には、一本の藁。ここから怒涛の物々交換が始まる。
最終章、大逆転。
B:これ第一章と第二章必要だったの?
A:僕はふと考えた。昨日の家は、本当に自分が求めているものだったのか?
誰かの助けになるような物々交換をした上で、獲得できたものだったのか、ということを。
B:くどいようだけど、一度も物々交換してないからね。全て強奪の類だからね。
A:そこで僕は、物々交換と同時に贖罪の旅に出ることにしたんだ。
B:母ちゃん、心配すべき相方には、まだ良心が残っていたよ。俺は見守ることにするよ。
A:歩いていると昨日のロングスカートの女性を見かけ、ブラジャーとパンティを失敬していたその時、
例のおばあちゃんが今日も大きな荷物を抱えてふらふらと歩いていたんだ。
B:母ちゃん、俺、今度実家に帰ってもいいかな。
A:僕はたまらず話しかけた。「はじめましておばあちゃん。家まで荷物を運びましょうか?」
B:昨日の窃盗を無かったことにしやがった! 何が贖罪だ!
A:おばあちゃんの家まで着いて僕は驚いた。それはもう凄い大豪邸だったんだ。
そしてこんな僕のことを、本当に感謝してくれたんだ。思わず泣いちゃったよ。
だから僕は正直にすべてを話し、ポリバケツも返すことにしたんだ。
B:今更ゴミを返されても。ポリバケツはおばあちゃんのものじゃないし。
A:そしたらそのおばあちゃん、笑って許してくれたよ。そして奇跡が起こる。
僕の藁を見て、それしか財産が無いのならウチで住み込みで働きなさいな、って。
そう、僕は再びマイホーマーになったんだよやったね。
B:やったね、じゃねえよ! どう考えてもおばあちゃんの家じゃねえか!
A:焦るなよ、流石に豪邸が僕の家ではないよ。
僕はおばあちゃんの家の庭を管理することになったんだ。そう、庭に僕の家が出来たんだよ。
B:なんだそういうことか。で、一体どの程度の家なんだ?
A:ポリバケツ。この件は許すけど忘れてはいけないから、だって。
B:ダンボールと大差ねえじゃねえか、もういいよ。
A・B:それじゃ。
審査員 点数 |
56 | 70 | 57 | 30 | 81 | 55 | 平均58.17 |
【審査員コメント】 ・何だろう、蓋を空けてみれば結構な下ネタなんですが、全体的にオシャレな雰囲気が漂っていました。 しっかりとした筋の通った漫才で、安定して楽しめました。ツッコミの一歩引いた感じも良かったです。 「マイホーマー」「母さん」など繰り返しボケのセレクトも良く、ちゃんと笑いどころを抜け目なく抑えてるなって印象です。 安定はしてるけど爆発はなかった感じなので、あと数ヵ所インパクトある箇所があればなお良かったです。 また、ボケの行動が多少ブッ飛びすぎてて突き放されてしまったので、少し行動に説得力を持たせるといいかと。 ちなみにこのネタで一番好きなフレーズは「アララ川」です。あらら。 ・好きなタイプの漫才だー。話の目的がはっきりしてるし、ツッコミは冷めてるし、ボケの行動がクズもクズ。 女年寄りに容赦ない、でもそれを見ても不快感は無い。すごいですよね。 できれば、最終章での盛り上がりがもう少し強めだと、スキが無くなります。 お母さんに語りかける系のツッコミも、思ったよりバリエーションに乏しかったので、ここも改善点です。 ・全体的にはありがちなボケツッコミが続いてる感じでしたが 「道路は金鉱と変わらなかった」「うわあ、違和感が無い!」など「おっ」となる部分も散見されました。 読みやすい文章、セリフ回しで笑いどころはすっと入りやすかったので、後はボケの破壊力を増したりするとすぐ高得点出せそうな気がします ・ツッコミのパンチが弱いので 全体的に淡白になってる印象です。 ちょっと「母ちゃん」の下りが 全体のテンポを阻害してるように感じます。 ・大きな山場がないのは残念ですが、全体を通して素直に笑いやすい雰囲気が整っていてスッと伝わり面白かったです。 「ああ・・・そう。」みたく投稿者の個性が滲み出たような返しも面白かった。 ・キャラが安定しており上手いボケも多く、これはこれで読んでて面白かったのですが、笑ったかというと何とも言えないところでした。 「理不尽」の域に留まっていたボケが多く、意外性が足りなかったかなぁ、と。 しかし、「わらしべ長者に向いてない性格」とかあるんですねw
米村でんじろう:はいどうもー!米村でんじろうでーす!
精液デルピエロ:精液デルピエロです。・・・んああっ、出るッ!
米村:MM−1についに我らが参戦ということでね、会場もザワついておりますかな?
精液:ついにってなんだよ。
いや期待とかのザワつきじゃなくて、でんじろうが何やってんだってことと、自分の名前はセーフなのかってことじゃ・・・
米村:ヨーシそれじゃあデルピエロくん!いつもの一発ギャグで会場を盛り上げちゃって!
精液:えっ・・・・・・・・・・
あ、えーと、(ズボンをおろして陰部の前で手を振りながら)ンアアアアアアッ!!!!!出るッ!!!!!
米村:理研が大変なことになっていますねえ。
精液:そりゃないぜ。
米村:いち研究者として今回の騒動には大変遺憾というか。ほんと、こりゃイカンな!ハッハッハ!
精液:でんじろう先生、ジェネレーションギャップと言いますか、たぶん20代前後の審査員にウケてません!!
米村:何ぃ!?私の主催する飲み会ではドカーンだぞドカーン!研究者は総じてドカーンだぞ!
精液:若い子にとっちゃポカーンなんですわ・・・
米村:おい!今笑ってない奴の飲み物にナトリウム片ぶち込むぞ!ドカーンだ!
精液:ガチなタイプの爆発やめろ。
米村:それにしても最近の若者は飲み会に誘っても来ない奴がたくさんいるそうで。ドカーンだ!
精液:ドカーン使うタイミングじゃねえな。もしかして焦ってる?
米村:私が若いころなんて酒を飲みたくても飲めなかったってのに。だから科学者になって実験用メタノールを飲んでました。
精液:理由が不純だよ!不純物め!
米村:あまり一般家庭には出回らないんですけどね、実験用とか工業用のメタノールって深く酔えるんですよ。
何日も目を覚まさないことだってある。
精液:中毒起こしてるじゃねえか!それ実際に大きな事件にもなってるし!
米村:そこでまあ今日は若い皆さんに美味しいお酒の飲み方を伝授したいと思います。
精液:バーテンダーから聞きたかったよ。でんじろう先生なら科学のことを喋ってほしかった!
米村:まずは肛門を出します。
精液:終了だボケ!!!!!
米村:さあ、デルピエロくんパンツちょっとずり下げて。しょっぼい試験管見えないように慎重にね。
精液:試験管やかましいわ!!しいて言うなら輸精管だわ!!
ンアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!出るウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!!!!
米村:一応アルコールで肛門周りを消毒しておきましょう。
精液:無視しないで!!一発ギャグを冷静に受け流すのやめてよ!
ていうかずっと言おうか迷ってたんだけど、でんじろう先生がボケで精液デルピエロなんて名前の奴がツッコミっておかしくね!?
宝の持ち腐れだよ!
米村:すでに腐ってんだろその宝。
精液:辛辣!!でんじろう先生意外と口が悪い!!そしてオイラは頭が悪い!!テヘッ!!
米村:(手をアルコール消毒している)
精液:もっとイジってくれたっていいじゃないか!!あと半ケツ状態でこんなやりとりしたくないわ!!
米村:さて、美味しいお酒の飲み方ですがアルコールをいかに上品に摂取するかが大切です。
今回はデルピエロくんの直腸にアルコールを注いでみようと思います。
精液:下品にも程がある!!何が上品だバカヤロー!!
米村:それじゃあちょっと四つん這いになって、ケツを付きだして。
精液:はい。ちょっとドキドキしてきたゾ〜。
米村:そして肛門に漏斗を差し込んでコチラ、「魔王」を注入します。
精液:なんてもったいない!!魔王ってなかなか手に入らないプレミア焼酎じゃないか!普通に飲みたかった!
米村:(肛門に漏斗を差し込む)
精液:マオ〜〜〜ン!!
米村:それでは注入しますよ。(隠し持ってたカクテルパートナーを注入)
精液:オオゥ!!・・・・・・いや〜確かにプレミア焼酎はすごいですね、なんか酔ってきましたァ。
米村:このように安い酒でも高級感を感じられるのでオススメの方法です。みなさんも試してみては?
精液:ん?なんのこと?
米村:デルピエロくんは気にしなくていいんだよ、こっちの話。
さあ、次は噴霧状にした酒を美味しく飲む方法を。
精液:普通に飲む方法は教えてくれないのか・・・?
米村:(魔王を飲む)
(デルピエロに吹きかける)
(魔王を飲む)
(デルピエロに吹きかける)
(魔王を飲む)
(魔王を飲む)
(魔王を飲む)
(デルピエロに吹きかける)
精液:屈辱的過ぎるわ!あと途中でちょっと飲んでんじゃねえよ!!
オイラにも少し飲ませて!
米村:(デルピエロに吹きかける)
精液:ウグエェッ!!くっさい唾だ・・・なんだこれ精液よりくっせえんじゃねえの?
米村:そりゃくさいよ、僕の口内にはヘルペスやら虫歯やらたくさん培養してあるからね。
精液:培養じゃねえだろ不摂生で不潔な生活の賜物だろ!
こういう変わり種みたいな飲み方じゃなくて、ちゃんとしたお酒の飲み方教えてくださいよ〜。
米村:お酒と言ってもたくさん種類があるからね。ビールにワイン、焼酎にツインテール。
精液:最後おさげだろ。ジジくさいボケ放り込むなっての。
米村:デルピエロくんは飲みたいお酒とかあるのかな?
精液:(よし!ここはテンドンだ!ボケをかぶせるぞ!)ツイ
米村:ここは真面目にいこう!いい大人なんだし、話題が進まないとお客さん飽きちゃうしね!
飲みたいお酒はあるかな?
精液:ビールで・・・
米村:冷やすとウマい!
精液:・・・大したこと言わねえのかよ!!オイラが考えてた展開潰された上にここで話題終わってんのかよ!!ウガアアアアッ!!
米村:落ち着きたまえデルピエロくん。さてはキミ、酔ってるな?
精液:そ、そうなんですかねえ・・・ゼェー、ゼェー。肛門から少しいただいただけなんですがねえ・・・
米村:悪酔いした時の対策法を知っているとイザという時に役に立つぞ!
今日は教えないけど。
精液:そこ肝心だろうよ!出し惜しみするんじゃないよ風俗じゃあるまいし!・・・んあああああっ!!惜しみなく出るゥゥゥゥゥッ!!
米村:代わりに悪酔いした女の子を介抱する方法をお教えしよう。
精液:でんじろう先生、イッケメーーーン!!
・・・ふだんはあんなに温厚そうなでんじろう先生が女の子お持ち帰りの方法を教えるってどうなんだろう?
米村:まず下準備として終電がなくなるまで女の子にガバガバ飲ませます。
精液:悪酔いの原因お前じゃねえか。ガバガバッ!
米村:そしたら女の子を家に呼びやすい定番のセリフがあるんですね。
「ウチにお笑いDVDあるよ」とか「ペット飼ってるんだ」とか。
精液:(スケジュール帳裏にメモする)
米村:私の場合は「ウチで豪快なメスシリンダー見ていかない?」で決まり。
精液:アウトだよ!下心が丸見えじゃないか!
メスの尻にダーするんだろ!!
米村:家に付いたら逃げ出す女の子に麻酔薬入りの空気砲をぶち当ててフィニッシュです。
精液:逃げ出す前提かよ!もう犯罪じゃねえか!
ああ、もう小学校とか実験教室に呼ばれなくなるんだろうなあ・・・
米村:風が強い日は空気砲がうまく当たらないこともあるので注意ですね。
今日は実物を持ってきました。
精液:よく実験教室で見る穴のあいた段ボール箱だね。子どもたちの夢じゃなく大人の欲望が詰まってる。
米村:最後に麻酔砲の威力を実際に体験してもらいましょうか。
デルピエロくんそこに立ってて。
精液:嫌な役回りだよまったく!!
米村:それじゃあ発射するからねー。一発ギャグでもやってて。
精液:雑なフリだしもう何回もやったし・・・
米村:(下劣な段ボールを叩く)
精液:ンアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!出るウウウウウウウウウウウウウッ!!!!!(ゲエエエエエエエエエップ)
あれ?精液じゃなくてゲップが出たぞ?いや精液も出ないけどさ。出るのは後悔だけだよ。
米村:しまった!ゲップ誘発剤を間違えて発射してしまった!
精液:最後までギャグ潰しかよトホホ〜。
審査員 点数 |
47 | 61 | 42 | 76 | 63 | 66 | 平均59.17 |
【審査員コメント】 ・これがCブロックトップだったら哲夫とテンプラが喜んだんですけどね。 何が小憎たらしいかって、肛門の辺りまでそこそこ正統派のいい漫才やってるとこですよね。チンコ出てるけど。 クソ展開になってからも「マオーン」「メスの尻にダー」など、アホみたいなボケが豊富で笑わされました。 気になった点としましては、デルピエロが凄くアホになったりまともになったりでキャラが掴みにくかったです。 また、途中アホとやや正統派のどっち付かずみたいな部分も見受けられたので、その辺のムラがなくなればなお良くなるかと。 あとお前BOMBか哲夫だろ。違ってたらごめんなさい。 ・出オチも出オチ。究極のロケットスタート型でした。 前半40行くらいまでは腹抱えて笑いました。バカすぎる。 ただですね、名前や射精ギャグ、その他下ネタに耐性がついてきた後半はだんだん落ち着いてきてしまいました。 フレーズ自体もパワーが落ちていたので、 ナトリウムや工業用メタノールといったでんじろうらしいサイエンスなボケが生き生きしてた前半のようなボケが見たかったです。 ・多分哲夫(四字熟語) ゲスが徹底されてて良かったんじゃないでしょうか。 勢いで押し負けるところと、ただただ勢いが空回ってるところが4:6くらいかなという印象でした ・馬鹿だなあ、でも笑っちゃったからしょうがない。 特にいうことはありません。しかし酷いなコレ ・ストッパーの外れた開放感、そしてこのしょうもなさ。なかなか面白かったです。 でも「緊張と緩和」で言うところの緩和がずっと続いた感じ。メリハリがないのがネックでした。 ・ひっどい内容に見えて、よく読むと普通にしっかりしたネタなんですよねぇ。 ほぼ「精液デルピエロ」の名前やキャラに持って行かれた感はありますが、でんじろうのキャラがしっかりしているのが腕だなぁと思います。 しょーもなくない展開が(特に終盤に)あれば、それだけで意外と決勝見えて来るんじゃないでしょうか。
小村:どうもガンバラナイズです。
五竹:♪むっかしーむっかしー浦島はー
で、おなじみの五竹です。
小村:いや全くそんな馴染みねえよ!その歌で馴染んでんの浦島太郎オンリーだわ!
五竹:小村さん、俺昔話の浦山島太郎好きなんだよね。今から話させてもらっていい?
小村:浦島・・・じゃなくて?というかさっき浦島って言ってたよな!?
五竹:浦島太郎、の浦山島バージョン。
小村:そんなんあんの!?いや、まず名字が違ったところで何なの!?
五竹:正式名称は「浦島太郎 浦山島Ver.」
小村:いやもうその名称における浦島って何なんだよ!?
もうなんか聞いてみたいわ!話して!?
五竹:じゃあ話すな。
むかーしむかしあるところに、浦山島太郎という青年がいました。
小村:まあ、始まりは普通と同じ感じだな・・・
五竹:浦山島太郎は24という年齢ながら、働きもせず毎日のように釣りに出かけて釣った魚を食べたり売ったりという生活をしていました。
小村:漁師だよそれ!そういう1つの職だわ!
五竹:浦山島、羨まし。
小村:いや誰だ!?今羨ましい言ったのは!?
五竹:あ、これ作者ね。
小村:なぜ出てきた!?そして自分の作った話のキャラを羨むて!
五竹:浦山島太郎は釣竿のよく似合う男でした。
浦山島、羨まし。
小村:1回1回めんどくせえよ!というかまずその情報要ったか!?
五竹:浦山島太郎は肩甲骨の具合が出過ぎず、出て無さ過ぎず、とても良い肩甲骨をしてました。
浦山島、羨まし。
小村:いやどうでもいいわ!その情報もその作者の感情も!
そんなんいいから話進めてくれねえかな!?
五竹:浦山島太郎が海辺を歩いていると亀が甲羅を背負ってました。
亀、羨まし。
小村:いや羨ましむポイントどうなってんだよ!?
というか亀も羨んじゃうのか!?浦山島という名前だからこそ羨ましむんじゃねえのか!?勝手な解釈だけど!
五竹:亀は少年たちに虐められてました。
亀、羨まし。
小村:いやそこ羨ましがらないで!?昔話に性癖書いちゃってるよ!?性癖語り継がれるよ!?
五竹:浦山島太郎は言いました。
「亀、羨まし。」
小村:お前もか!?いやそれより作者とキャラ被ったよ!?まず作者が出てこなきゃいい話なんだけどね!?
五竹:浦山島、羨まし。
小村:いや、そこについては羨む部分なかったよ!?作者と浦山島同じ状況だったよ!?
五竹:浦山島太郎は少年たちに言いました。
「おい、亀を解放しろ!あわよくば、俺を虐めてくれ!」
小村:後半は言わないでほしかった!胸の内に留めておいてほしかった!
五竹:少年たちは冷めた顔してどこかへ行ってしまいました。
小村:思いっきり引かれてるじゃねえか・・・
五竹:浦山島、羨まし。
小村:それさえも!?冷めた目線とかも良しとしちゃう!?
五竹:落ち込んだ表情の浦山島に亀が話しかけてきました。
小村:あ、浦山島はそこまでのMじゃあねえんだ!作者の方がより癖が強いんだ!いやそんな情報いらねえよ!
五竹:「おい青年、よくも俺の楽しい一時を邪魔してくれたな!!」
小村:亀もだった!?いやこの物語みんな歪んでんな!?作者が歪んでるから当然っちゃあ当然だけども!
五竹:浦山島、羨まし。
小村:これも良しとする!?というか作者いちいち出てこないで!?今のとここの作品の半分、作者だぞ!?
五竹:浦山島、いと羨まし。
小村:さらに来る!?半分でさえ止まってくれない!?
五竹:助けてもらったお礼にと、亀は浦山島太郎を竜宮城へ連れて行くことにしました。
小村:あれ!?話が噛み合ってないよ!?作者の出しゃばり挟んで有耶無耶にしようとしてるけど、全然話噛み合ってないよ!?
五竹:浦山島太郎が竜宮城へ着くと乙姫様がタイやヒラメに虐められながら出迎えてくれました。
小村:おい!登場人物の過半数おい!
五竹:乙姫、羨まし。
小村:安定して羨んでんじゃねえよ!
五竹:浦山島太郎は言いました。
「乙姫、羨まし。」
小村:何なの!?この物語はどこに向かいたいの!?目的は何なの!?
五竹:亀は言いました。
「乙姫、羨まし。」
小村:お前もキャラ被せてくるか!?
五竹:乙姫は言いました。
「乙姫、羨まし。」
小村:おい自分自身!羨ましむ意味は!?というか話全然進まねえよ!なんだよこの羨ましがり合戦は!?
五竹:タイは言いました
「乙姫、羨まし。」
小村:虐めてる側も!?その思いを抱きながら虐めてたの!?
五竹:ヒラメは言いました。
「乙姫、羨まし。」
小村:「タイとヒラメは言いました」でいいよ!個々で羨ませるだけのキャラ持ってねえよそいつら!
五竹:ヒラメ、羨まし。
小村:いや、なんで!?単純になんで!?本当は虐められたいのに虐める立場に立たないといけないヒラメを羨ましむ、なんで!?
五竹:タイ、羨ましくなし。
小村:そこの違い何!?え、ポジション的にヒラメと全く同じだったけど!?
五竹:浦山島太郎は言いました。
「ヒラメ、羨まし。タイ、羨ましくなし。」
小村:だからその差は何なの!?
五竹:亀は言いました。
「タイ、羨まし。ヒラメ、羨ましくな・・・あっ・・・ヒラメが羨まし、タイが羨ましくなしだ。」
小村:いや間違えてるじゃねえか!間違えるぐらいなのに二者のその差は何なの!?
五竹:乙姫は言いました。
「乙姫、羨まし。」
小村:何こいつは自分に酔いしれてんだよ!?我関せずか!?別に訳分かんない流れに乗れとは言わないけどさ!?
五竹:亀、羨まし。
小村:ここで何故!?というかこれさっきもあったよ、お前と亀の立場変わんねえよ!?
五竹:浦山島は言いました。
「亀、羨まし。」
小村:だからなんでなの!?浦山島に至っては物語の中にいるし、より亀と同立場なはずなんだけど!?
五竹:亀は言いました。
「亀、羨まし。」
小村:いよいよもってなんでだよ!?お前が自分に酔いしれる理由無えよ!
五竹:浦山島太郎はお土産に玉手箱をもらって帰りました。
小村:もう!?え、羨ましがり合いしかしてないよ!?何しに来た!?
五竹:亀、羨まし。
小村:亀!?え、ここ亀に関して何の描写もなかったけど!?
五竹:急にスポットを当てられなくなる、亀、羨まし。
小村:放置プレイ的な!?せめて物語に沿って羨んでくれない!?いやまず羨まないでくれ!話に出て来ないでくれ!
五竹:浦山島太郎はもらった玉手箱を開けるかどうか悩みに悩んでいました。
玉手箱、羨まし。
小村:焦らしプレイ的な!?というか物にまでいっちゃうか!?
五竹:浦山島太郎は言いました。
「作者、羨まし。」
小村:急に作者側を!?いや、どうなってんだよこの物語のメタさは!
五竹:浦山島太郎は言いました。
「作者、心優しくて、すごくかっこよくて、いと、羨まし。」
小村:自分の書いた物語で何自分褒めさせてんだ!?そんなやつ絶対心優しくもかっこよくもねえよ!
五竹:えっ、いやぁ、それほどでもないって。ははっ、なんか照れるなぁ。
小村:いやもうこれ何だよ!?作者が褒められて照れる昔話なんか無えよ!
五竹:浦山島太郎は言いました。
「タイ!!羨ましく!!なし!!」
小村:急になんで!?そしてこの物語におけるタイへのディスり具合は何なの!?
五竹:浦山島太郎は焦らしに耐え兼ねた玉手箱に食べられて死んでしまいました。
小村:何その急なホラーは!?
五竹:浦山島太郎は言いました。
「うらめしや。」とさ。
小村:お化けになって「うらやまし」が「うらめしや」になりましたとさってか!?くだらねえよ!
五竹:最後に、こんな面白い話を読むことができたあなた、いと、羨まし。
小村:時間を無駄にしかしなかったわ!よく自身たっぷりに言えたな!?
五竹:と、まあこういう話なんだけどさ、どうだった?俺の書いた昔話。
小村:いや作者ってお前だったのかよ!話も作者もろくでもなかったわ!もう、いい加減にしろ!
二人:どうもありがとうございました。
審査員 点数 |
92 | 74 | 87 | 20 | 57 | 90 | 平均70.00 |
【審査員コメント】 ・とにかくキラーワードが判明した後のパワーと加速っぷりがえげつないですね。 正直序盤はわりと退屈だったんですが、「羨まし」が出てからは一気に引き込まれました。 フレーズのごり押しに性癖や乙姫の自己陶酔っぷりを加えて飽きさせなくする工夫も上手い。 ずっと楽しく読めたのですが、オチが普通にまとまってしまったのが少し残念でした。 せっかく「羨まし」という武器をフル活用したネタなのですから、オチにも使えたのではと思ってしむいました。 中身に文句はないので、最初と最後がもっと引き締まればなおよくなると思いました。 ・「羨まし」の3文字だけで全体の半分近く使ってるのに、これだけ面白いのはすごいなあ…羨まし。 流石に終盤となると苦しい場面もありましたが、なんとか逃げ切った感じはあります。 可能なら、「羨まし」は変えず、羨ましいの対象はもっと多方面に変えてもいいかなと思いました。 特に浦島、カメ、乙姫以外のモブ。主要3人(匹)は全員マゾでないと成立しませんけど、 他のヤツらで変化をつけていけば、もっとメリハリの効いた展開になります。 ・トリッキーなのに基礎はしっかりしてる、言い方悪いかもしれないですが長文企画で高得点取れるお手本のネタみたいな感じでした ボケの種類的には少ないのですが「タイとヒラメは言いましたでいいよ!」「急にスポットを当てられなくなった」など不意をつかれる表現が多々あって楽しかったです 玉手箱からオチまでの流れが急スギちゃんだったのが残念 ・んー何もかも一本調子過ぎます、 あれだけで最後まで押すのは流石にしんどいかと。 ・こういうネタでもちょっとずつ変化をつけていくネタ運び、うまいですね。 ゴリ押しが後半になるにつれてジワジワと面白かったです。 でも、ボケだけじゃピンときにくくて ツッコミがボケの面白いポイントを説明してようやく伝わるみたいな箇所が多かったように感じました。効率的でない。 ・この発想力、羨まし。 メジャーな題材ですが、シンプルかつ斬新な切り口でこうも面白いネタになるんだなぁ、と。 教科書通りみたいな感じではありましたが、ボケの発展のさせ方もいろいろあって飽きませんでした。タイの扱われ方とか。 「あっ・・・ヒラメが羨まし、タイが羨ましくなしだ。」のところだけ口調が崩れているあたりも面白かったです。 とにかく素晴らしいと思ったので高得点を付けましたが、 シンプルな文章構成のため、読み手にとって当たり外れが大きそうなのはちょっと気になりました。
木下:はい、どうも。
優しい朝の光に包まれてでございます、よろしくお願いします!
山田:科学ってさ、奇跡じゃないですか。
木下:すいません、学と理解する気力が無いのでなんですかとしか言えないんですが。
山田:科学が今の世界を、人間をここまで発達させたと行っても過言ではないんですよ。
じゃあその科学を発展させたその先にあるものは何なのかと、私は昨日マリオカートをしながら思ったわけですけども
木下:そんな壮大な話をどんなスタイルで考えてるんですか。
レインボーロードの技術力に感動したんですか。
山田:8度目のジュゲムに釣られたとき、私は一つの答えを見つけたんです。
木下:メチャクチャコースアウトしてるじゃないですか。
思考が脇見運転してるからそんなことになるんですよ。
山田:この世を変える、科学を超えた最強の存在。
それこそが「魔術」という物です。
木下:これは今、中2の夏休みの思い出を聞かされてるんでしょうか。
山田:「黒魔術」と「白魔術」大きく分けてこの二つに分かれます。
「黒魔術」は破壊と混沌の魔術、世界を壊しかねない圧倒的パワーを持った怒りの魔術。
「白魔術」は再生と調和の魔術、世界を癒す大地の懐を持った慈しみの魔術。
これらが世界を覆い尽くすんです、そうしたときこの世界は新たな秩序を生み出す、そうは思いませんか?
木下:赤甲羅投げてぇな
山田:そして私はこれらの魔術を完成させた。
320回目のジュゲムに釣られた、夜にね。
木下:良いから早くゴールしてくださいよ、そっちの方が気になって仕方ないんですよ。
夜にね、じゃ無しに。
山田:そんなこと言ってますけど木下さん、この未完成の魔術、被験体となっていただくのはあなたです。
木下:…はい?
なんで、未完成のしかも魔術の被験体をしなきゃならんのですか、嫌ですよ。
山田:これは私の復讐でもあるんですよ木下さん、いや、木下ん。
木下:そこは呼び捨てにするかどっちかにしてくださいよ、ちょっと可愛くなったじゃないですか。
山田:木下んはいつもそうです、私のことを常に見下している、その木下んの…
木下:木下んの語感の可愛さのせいで、山田さんが出したい雰囲気が伝わってこないんですよ。
呼び捨てかさんづけかどっちでもいいんでどっちかにしてください。
山田:木下さんはいつもそうだ、そうやって私の言葉を否定する。
その度に私がどれほど心に傷を受けてきたか分かりますか、コースアウトしてもいいじゃないですか。
木下:そういう職業なんだよ!
こっちからすれば部屋で一人マリオカートやりながら魔術を完成させようとしている山田さんに怒ってやりたいくらいだわ!
山田:うるさい!!
もう、木下さんとの漫才は終わりです、ここからは私の時間だ。
怒りと慈しみの、ショータイムだぁ!!!
木下:慈しむんかい
山田:えぇい、否定をやめろ!!
そうだ、どうやらその口が邪魔なようだな。黒魔術を食らうが良いわ!
食らえ!ぽむぽむぽぽぽん、ぽむぽむぽぽぽん、ぴよよよよ〜ん!
木下:いや、黒魔術にしては詠唱可愛すぎるだろ!
「なんだその世界観、サンリオかよ!!」
{ってうわ、口が4つある!なんで増やしたんだよ!}
『4回突っ込めちゃうじゃねえか、そっちにもこっちにも邪魔だろ!』
山田:ふっふっふ、ツッコミが4倍になったということは体力の消耗も4倍になったということです。
つまり、今のあなたでは1分と持たないという計算になる!
木下:いや、普段でも4分はちゃんと持つわ!
「そんな奴、漫才どころか生活に向いてないだろ!」
{大体それだと普段でも4分持たない計算じゃねえか!}
『おい、1番と3番突っ込みが被ってるぞ!』
すいません…。
山田:どうだ、自分の口に上下関係が出来る気分は…?
木下:まずこれ見た目が相当グロテスクだろ!
「そもそもお前これで世界変えてどうしたいんだよ!」
{この発想マリオカートしながらは出てこないだろ!}
『まず、見た目が相当グロテ…いや、その、おい、おい!!!おい!!!!』
山田:1分はさすがに言い過ぎだったとはいえ、普段の4倍の力を解放しているのです。
体力の消耗も早いでしょう?
でもね、木下さん、あなたには倒れてもらっては困るんですよ。
ですからここで、白魔術の力なんですよねぇ…、あなたに力をよみがえらせる慈しみの魔術です。
くらえ!ゲロゲロポイ!
木下:いや、音が白魔術とは思えないほど汚いわ!
「ってかなんだこれ、力がめちゃくちゃ湧いてくるじゃねえか!これむしろ黒魔術だろ!」
{この発想マリオカートしながらは出てこないだろ!}
『おい、おい!!!おい!!!!おい!!!!!』
山田:どうですか、今の気分は?
木下:…いや、最高じゃねえかよ!
「確かに見た目は相当気持ち悪いけどツッコミとしてこれ以上無い武器を手に入れてしまったよ!」
{この発想マリオカートしながらは出てこないだろ!}
『おい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
山田:最高、ですか。
そうです、そうやって力に溺れた人たちで、世界を新しく作り替えるんですよ。
木下:なんだって…!?
「なんだって…!?」
{この発想マリオカートしながらは出てこないだろ!}
『!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
山田:木下さん、あなたにはもっと力を得てもらう。
力の暴走に身体が耐えられなくとも、力に溺れた木下さんはツッコミモンスターとしてバシバシ突っ込み続けるのです。
木下:なんだその気持ちいい称号は!
「なんだその気もちいい称号は!」
{なんだその気持ちいい称号は!}
『なんだその気持ちいい称号は!』
怖いくらい意見が一致した
山田:さぁ、新たなる力をあなたに。
再び黒魔術の怒りをその身体に受けるのです。
食らえ!ぴよよんぷりりんめるるるるる〜ん!
木下:だから、黒魔術の詠唱が可愛すぎるんですって!(ぺる〜ん)
「せめて白魔術と黒魔術の詠唱を逆にした方が良いって!」(もよ〜ん)
{それでもギリギリおかしいけどな!}(みちょ〜ん)
『おぉおおおおおい!!!!!!!』(ぺこ〜ん)
山田:…さぁ、どうだ君の新しい力は。
木下:これは、力じゃないわ!(まきゅ〜ん)
「あってもただひたすらに邪魔すぎるわ!」(げろ〜ん)
{口が増えてテンポよくなったつもりだったのに一気に気色悪いテンポになったわ!}(いぇ〜い)
『おぉぉぉぉぉぉい!!!』(おぉ〜い)
山田:ふっふっふ、有り余る力を持て余しているようだな。
木下:持て余してはいるけど、別にこれを力とは呼びたくないわ!
山田:…おや?
おかしいですね、ツッコミが一つになっているし、音が鳴っていない…?
所詮、未完成の魔術はこの程度だったと言うことでしょうか…。
木下:それは違いますよ、山田さん。
私が、いや、ツッコミが何も考えずに舞台に上がっているとでも本気で思っているのですか?
私も考えていたんです、科学を超えた、最高の魔術を。あとネタとかも割とちゃんと。
山田:なんだって!?
ネタとかを割とちゃんと考えてただって!?割と、ちゃんと!?
木下:驚くところはどう考えてもそこじゃないが。
大体、怒りを持っているのがボケであるあなただけとは限らないんですよ。
私はね、この舞台で幾度となくあなたの間違いを訂正してきたのです、しかしあなたはすぐまたおかしなことを言う。
山田:そういう、仕事だからだ!
木下:そうでしょうね!!
それを、先ほどあなたは指摘して、私の口を増やしたのですよ!?
そりゃあ怒るでしょうよ!仕事をしっかりしてたらマリオカート中に考えた魔術をかけられるんですから!
この怒りが、あなたの魔術を超え、新たな魔術「鏡魔術」を生み出したのですよ。
山田:鏡魔術…!?
それは、一体…!?
木下:それはね、自らにかけられている魔術を全て無に返し
それを全てあなたに跳ね返す、反射の魔術だ!くらえ!うおおおおお!!!
山田:うぎゃああああ!しまった!またコースアウトしてしまった!(ぺご〜ん)
「ってこれよく見たらマリオカートじゃなくてマグロマートじゃねえか!」(とろ〜ん)
{マグロマートはマグロマートで楽しいな、任天堂最高!}(ぎろ〜ん)
『うぎゃああああああああああああ!』(うぎゃ〜ん)
木下:いや、ダメージくらったんじゃなくてまだマリオカートしてただけかよ!
で、結局それマリオカートでもないのかよ!
大体マグロマートってなんだよ、そんなもんいくら血迷った任天堂でも出さないよ!
そんで、最後の奴だけなんでしっかりとダメージ受けてんだよ!効果音込みでダメージくらってんじゃねえよ!
山田:くっ、全てが跳ね返され、口が6つになってしまった…!(ろく〜ん)
「これじゃあ喋るのに体力を消費してしまうでやんす」(やん〜す)
{しかもこんな口じゃお嫁さんに行けないわっ}(ごう〜ん)
『うぎゃあああああああああああ!!』(うぎゃ〜ん)
木下:いや、4つ4つ〜!!数もまともに数えられないのに、人に魔術を掛けるからそんなことになんだよ!
で、何でいきなり語尾にやんすがつくんだよ、劣勢になったら急に手下口調になるやつか!
そんで急に乙女になるな!お嫁以外も行けないからな!
で、お前はいつまでダメージを食らってんだよ、そこの体力消費きついだろ!!
山田:4つ4つで4×4の16個か、16個になってしまった〜!!(くそ〜ん)
「ややややんすやんすやややや」(すや〜ん)
{無事お嫁に行けました}(よめ〜ん)
『びええええええええええええええ』(おぎゃ〜ん)
木下:ちがうちがう!なんでかけ算するんだよ!素直に4つでいいの!
で、お前はやんすに浸食されすぎてもうちゃんと言葉を喋れてねぇじゃねえかよ!
そんでお前だけなんで独立してお嫁に行ってんだよ!!
泣いちゃったよ!良い大人の口の一つが大声あげて泣いてんじゃないよ!!なんだこのツッコミ!!
山田:じゃあ目も4つかよ、うわー!
「やんすやややや…
木下:面倒くせええええええええ!!!!!
ボケを4倍にしたら、結局ツッコミも4倍になるじゃねえかよこれ!!
なんだこの漫才を同時に4つこなしてる感覚は!!
山田:『びえええええええええええええええええええ』(びえ〜ん)
木下:うるせええええええええええ!!!
お前はボケでも何でも無いからな、ただの赤ん坊だからな!!
山田:{そうよ、私たち夫婦初めての子なの。}(ちょな〜ん)
木下:嫁いだ口も黙ってろ!!ちょな〜んってなんだよちょ〜なんだよ!!!
山田:「やんすすやすやすやすや」(すや〜ん)
木下:次男が産まれてるぞぉおお!!
やんすが派生して、赤ん坊の睡眠になってるよ!!
なんだお前らのそのボケのコンビネーションはよ!!
山田:本家の口がハブられている奇特な状況に困惑を隠しきれない(しょぼ〜ん)
木下:ホントだよ!!
おまえらちょっとで良いから、本家口がボケれるフィールド用意してやれよ!
脳は共通してんだろうよ!!
山田:ちょっとすいません、一回会議します。(きら〜ん)
「するでやんす」(しゃり〜ん)
{させていただきますわ}(よめ〜ん)
『おぎゃらせていただくおぎゃ』(おぎ〜ん)
木下:分かったよもう、それも全部ツッコむから好きに会議しなさいよもう…。
山田:……………(ぽろ〜ん)
「…………」(にょき〜ん)
{…………}(ぎょろ〜ん)
『…………』(ちゃら〜ん)
木下:いや、脳内会議かよ!
この音だけのボケをしっかり捌ききれるほどの技術は持ってないわ!
ちょっとやってやろうか!
なに、零して生えてきて睨みつけて金平してんだよ!いや、無理だよ!!
少しで良いから喋れよ!!
山田:……………(…………)
「…………」(…………)
{…………}(…………)
『…………』(…………)
木下:音までも会議に招集するなよ!!
言っとくけどここまでもそいつら活躍してないからな!?
山田:……………(…………)
「…………」(…………)
{…………}(…………)
『…………』(…………)
木下:なんか音を出せよ!
もう、なんでもいいよ!!フリーでツッコミを続けさせられるこっちの身にもなってくれって!
山田:……………(…………)
「…………」(…………)
{…………}(…………)
『…………』(…………)
木下:長いって!
こういうのの相場は2回で終わりなんだって、そんなに会議難航させてもまともな案出てこないから
もうなんか出してくれって!
口一つでこんだけツッコむのしんどいんですよ!!
山田:そうか…その手があったか…!(ぴか〜ん)
「そうでやんすね…!」(ぴか〜ん)
{そうですわね…!}(ぴか〜ん)
『そうだな…!』(ぴか〜ん)
木下:初めて音が仕事をしている!
山田:つまり、こういうことです。(しゃき〜ん)
「口が一つでは捌ききれないってことでやんす」(きら〜ん)
{ならあなたも4つにしてしまえば良いのですわ}(ぺか〜ん)
『お前も同じ数の口になれば、捌ききることが出来る!』(ごふ〜ん)
木下:ここに来て役割を分担して長台詞を演じきるなよ!もうちょっと序盤にそれ活かせよ!
でも、もうこうなった以上そうするしかなさそうだから、そうしてくれ!
山田:分かった、いくぞ…!(ごく〜ん)
木下:緊張感でない音だな…。
山田:くらえ!ぽむぽむぽぽぽん、ぽむぽむぽぽぽん、ぴよよよよ〜ん!!(ぴこ〜ん)
「ぽむぽむぽぽぽん、ぽむぽむぽぽぽん、ぴよよよよ〜ん!!」(ぴこ〜ん)
{ぽむぽむぽぽぽん、ぽむぽむぽぽぽん、ぴよよよよ〜ん!!}(ぴこ〜ん)
『ぽむぽむぽぽぽん、ぽむぽむぽぽぽん、ぴよよよよ〜ん!!』(ぴこ〜ん)
木下:よし、これで…!
「お前のボケ数に対抗できるツッコミ数になったってわけだな」
{少し読みづらいかもしれないがこれで漫才が出来るぞ!}
『そうだな、よし、ここから巻き返していくぞ!』
【おー!!】
!?
「!?」
{!?}
『!?』
山田:もうしわけない…(しょぼ〜ん)
「全員で唱えてしまったでやんす…」(しょぼ〜ん)
{つまり…ですね…}(どよ〜ん)
『4つ4つで4×4の16個、そう、口が16個になってしまった』(びし〜ん)
木下:いや、いい加減にしろ!×16
二人:どうもありがとうございました×20(ちゃんちゃん)×4
レフト:右者、時に聞きたいことがあるのだが
ライト:どうした左者?藪から棒に
レフト:小生のよく聞くなぞなぞで、今一つ答えに納得がいかないものがあってな。それについて右者の意見を聞きたいのだが
ライト:ほう。どんななぞなぞか言ってみてくれ
レフト:それが実は問題文をうろ覚えでな。確か……「パンはパンでも食べられないパンはパ〜ンダ」
ライト:うむ。俺が知っているのとは微妙に違うな
レフト:――ならば、△で5点だけでも入れてくれないか?
ライト:この問題の配点とか知らんぞ。お前の母校はテストでなぞなぞをやっていたのか?
レフト:テストの時ではないな。体育祭の時を中心にだ
ライト:そこは体を使えよ
レフト:今振り返ってみれば脳筋化を防ぐいいトレーニングであったな。一緒に問題を解いた投者や捕者…皆、今は立派なガテン系だ
ライト:立派に脳筋化していると思うのは俺だけか?
今は思い出を振り返らずに問題を振り返れ。さっきの文でおかしいと思う箇所を直してみろ
レフト:承知した。「パンはパンでも笹を食うパンはパ〜ンダ」
ライト:何故そこをいじった
レフト:その方がパンダの説明として説得力があるだろう
ライト:さてはお前も脳筋だろう。そもそも「パンダの説明」になっているのが不正解だ
レフト:左様か?確か「パ〜ンダ」のような響きで終わっていた気がするのだが…
ライト:よ〜く思い出してみろ
レフト:とすると……「パンはパンでもアルゼンチンに広がる草原はパ〜ンパ」
ライト:脳筋は言い過ぎだったことを謝るわ。「パンパ」とかマニアックすぎるだろ
レフト:そうか?だがパンパは世界三大草原の一つだろう
ライト:俺はそもそも世界三大草原というのを聞いたことがないぞ
レフト:世界三大草原といったら「サバンナ・パンパ・花畑牧場」だろ
ライト:なんで花畑牧場が入ってるんだよ。明らかに浮いてるだろ
レフト:確かに。これだけ漢字だからな
ライト:そこじゃねえよ。もう、お前に任せてたら話が脱線する一方だからヒント出すわ
レフト:お主いいやつだな
ライト:そもそも「パンダ」とか「パンパ」とか結論出しちまってるのが問題なんだ。なぞなぞだったら最後に「な〜んだ」と問わないと
レフト:なるほど。「パンはパンでも『パンパシフィック水泳大会』の『パン』ってな〜んだ」
ライト:クイズだわ。それはただのクイズだわ
レフト:先生、解説をばお願いしたく
ライト:『パンパシフィック』の『パン』は「全○○」や「総○○」を意味する接頭語で『パンパシフィック』を意訳するなら『環太平洋』だ
レフト:右者めっちゃ知ってるではないか。よっ、ミリオネア
ライト:「ミリオネア」に勝手に新しい意味付加するなよ。
それと言葉の意味を問うのはなぞなぞのうちに入らないからな。「パン」がつく何かを答えさせろ
レフト:それでは……「パンはパンでも赤ちゃんのおしりを守るパンはな〜んだ」
ライト:……パンパース?
レフト:正解
ライト:よっしゃ、1000万円獲とk待て待て
レフト:右者はノリツッコミもいける口か
ライト:そういう賞賛はいらんからな。
さっきからずっとそうだが、こういう問題は普通前じゃなくて後ろに「パン」がつく言葉をキーワードにするもんだ
レフト:マジかよ。目からミートパイ落ちたぞ
ライト:そこは鱗落とせよ。なに小洒落た感じ出しt――小洒落てもねえし
レフト:よし、今度は間違ってないはずだ。「パンはパンでも環太平洋地域のリゾート地ってな〜んだ」
ライト:うーん……サイパン
レフト:正解
ライト:なんだよ『環太平洋地域のリゾート地』って
レフト:ん?環太平洋地域のリゾート地といえば「グアム・サイパン・花畑牧場」だろ
ライト:俺が指摘してるのはそういう問題じゃねえよ。なんでこの短い間に『環太平洋』という堅いワードが再登場するんだよ。
それと花畑牧場言いたいだけだろ
レフト:せっかく『パンパシフィック』の意味を右者に教えてもらったからな。リスペクトだ
ライト:そのリスペクトはノーサンキューだ。それより余程再登場させるべきワードがあることに気付け
レフト:――それは何点の問題だ?
ライト:だから配点は与り知らねえよ。仕方ないから言ってやるが、重要なワードは『食べられないパン』だ。
改めてそれを文章に含めて言ってみろ
レフト:「パンはパンでも食べられないパンを売ってるパ〜ン屋」
ライト:どこの店だよ
レフト:小生の実家の向かいに
ライト:実在すんのかよ
レフト:造ってみるのもオツかと
ライト:だったらそれはお前の匙加減だ
レフト:この流れ……もしや不正解なのか?
ライト:そりゃあ正解な訳がないだろう。最後が「パ〜ン屋」って、また文章が完結しちまってるじゃねえか。
俺が前に言ったヒントを思い出して問題文を直してみろよ
レフト:「パンはパンでも食べられないパンを売ってるパン屋ってな〜んだ」
ライト:正解に必要な駒は揃ったが、余計な部分がついているぞ
レフト:「パンはパンでもパンを売ってるパン屋ってな〜んだ」
ライト:俺はお前の哲学に付き合うためにサジェスチョン与えてんじゃねえんだ。
なんで一箇所直したと思ったら別の部分がおろそかになるんだよ。一段押すたびに別の段が飛び出しちゃうタンスか
レフト:だがそういうタンスは引き出し部分以外に空気の逃げ場がない…つまり、気密性が高いことの証左だぞ
ライト:脳味噌がスカスカな奴に気密性の高さを保障されても白けるだけだわ。このなぞなぞにパン屋は持ち出さなくていい
レフト:「パンはパンでも食べられないパンってな〜んだ」
ライト:ようやく正解出ました
レフト:して、獲得ポイントは?
ライト:配点は知らんと何度言わせる気だ
レフト:じゃあ3万点ぐらい貰っておこう
ライト:自分に対する甘さたるや
レフト:それでこの問題についての納得いかない点なんだが
ライト:回り道が長すぎて目的地を見失う所だった
レフト:なぜか誰が出題する場合でも正解は『フライパン』ということになっているだろう?
ライト:何がおかしい?まさか食べられるフライパンがあるとでも言いたいのか
レフト:そうではなく、『フライパン』とは限らないだろうということだ。「パン」がつく食べられない物は他にも
『ジーパン』『鉄板』『領空侵犯』『オールジャパン』『サッカーの審判』などいろいろあるではないか
ライト:後半の無理矢理時事に絡ませようとしてる感に俺は噴飯だわ。
お前だって他人のことは言えないはずだぞ。最初の方で自分が言ったことを思い出してみろ
レフト:「オギャー、オギャー」
ライト:誰が人生の頭まで巻き戻せと言った。俺が言ってるのは「パンはパンでも食べられないパンはパ〜ンダ」のことだ。
この時お前は食べられないパンを「パンダ」と決めつけていただろう
レフト:うわー、小生一生の不覚。これから梁山泊に籠ってなぞなぞと一から向き合ってくるわ
ライト:なんで梁山泊が出てくるんだよ。余計に脳筋が進行するようにしか思えんが
レフト:喩えとしての話だ。梁山泊は修行や鍛錬をする場の代名詞だからな
ライト:そういうものか?
レフト:ああ、修行場の代名詞といえば「梁山泊・虎の穴・
二 人:「「花畑牧場」」
レフト:見事なハーモニーだな
ライト:流石にこの流れを読めないほど愚鈍ではないわ。それと面倒だから今後お前はもうなぞなぞのことを考えなくていい
レフト:そうか。では今後は実際に「食べられないパンを売るパン屋」を建てる事を考えよう
ライト:もう好きにしろ
審査員 点数 |
62 | 77 | 44 | 82 | 60 | 54 | 平均63.17 |
【審査員コメント】 ・いいですね、このひたすら同じところで足踏みしてる感じ。好きなむず痒さです。 淡々としたやりとりの中に「ただのクイズ」「目からミートパイ」のような巧みなフレーズがあって飽きませんでした。 口調の個性も一歩間違えばネタを邪魔しかねないんですが、小難しいテーマと合っていて問題なかったです。 ずっと安定してたんですが、なぞなぞが完成して以降は下火の状態で終わってしまった印象です。 人生の頭まで巻き戻すとか面白いんですが、終盤に何か盛り上げ箇所があればなお勢いが出たかと。 あとパン屋の部分はやや小難しさが先行してしまったため、もっとくだらなくしても良かったかもしれません。 ・雰囲気が好き!雰囲気が好き! レフト:右者、時に聞きたいことがあるのだが ライト:どうした左者?藪から棒に このツカミでぐっと惹かれました。 本編も、あんだけヒントもらいつつ毎度微妙にハズしているのがもうおかしくておかしくて。 ただ、正解が出てからの展開が短くて、肩すかしをくらったような感覚ではあります。 また、花畑牧場はどうもハマりませんでした。旬を過ぎた言葉な上、特に掘り下げてるわけでもないので。 ・ボケが口調に特徴のあるキャラクターでしたが、特にそれが面白みを増してたかというとそうでもないかなあ このなぞなぞをいじるという時点でだいぶ食傷気味で、 「パンパシフィック」以外はこのなぞなぞをいじる時のありがちなワードから越えられなかったかな、という印象です 読みやすさ、セリフ回しのスムーズさは十二分にあったので後は独創性だと思います 後、個人的に最初の「左者」「右者」って呼び方が好きだったんで、ちょくちょく入れて欲しかったな、なんて思ったり ・非常に落ち着いたテンポなんですが 安定感のある漫才でした。 ボケツッコミのやりとりに淀みがないと 読みやすい物ができるというお手本のような漫才だと思います ・「パンはパンでも食べられないパンはな~んだ」を言い間違えるというボケはネタの主軸としては弱かったのかなぁと。 それ故に環太平洋や気密性のボケなどが光っているんですけどね。 広げ方がうまいと感じる一方で、おとなしい印象のネタでした。 ・なぞなぞを題材にした味わい深いネタですね。ツッコミのキャラが面白かったです。 ボケの威力が弱いのが惜しかったです。口調や雰囲気を超える何かが欲しかったところです。
しあ「子供人気が欲しい」
率子「どうも順列組合です。名乗りの前に何言ってんだコイツ。よろしくお願いします」
しあ「悪い言い方をすると、子供人気を利用して子供から金をむしり取りたい」
率子「欲望のスタートダッシュがパねえな」
しあ「木刀か魚肉ソーセージを売り出すことに関われば、いける気がする」
率子「考えが軽はずみ過ぎるなー。あとお前の子供像、若干古い」
しあ「日本経済の救世主になるくらい売れる木刀とか考えてみようぜ」
率子「発想に間違いが多すぎるぞ」
しあ「子供たちの間に木刀ブームを巻き起こしたい。小学校で、
『新しい木刀買ったんだ♪』『マジで!? いいなー!』『さっそく今日ウチに帰ったら切腹してみようと思うんだよ』
『うわー俺もやりてえ! 介錯しに行っていい?』『いいぜ!』みたいな会話が繰り広げられるみたいな」
率子「時代・テンション・配役・アイテム全てが不正解の世界観だ」
しあ「まず商品にブランドを付けよう」
率子「真っ先に子供向けから一番遠いマーケティング行ったな」
しあ「『この木刀は尻畑こめかみ丸先生による手作りです』みたいなカンジでブランド価値を付けよう」
率子「子供ウケしそうな名前ではあるな」
しあ「『彼はなんとあの伝説の刀鍛冶、尻畑源十郎はとむねの子孫なのです』なんてコトも言って」
率子「名が体を表す家系なのかな」
しあ「素材にもこだわりたいな。小学生ウケが良さそうでかつ神聖な感じもする素材……、
…………木造大仏のチンコとか切り出して使おう」
率子「お前はバチ当たり界の革命児か」
しあ「大丈夫大丈夫。表面部分をちょこっと削り出して使わせてもらうだけだから。
むしろ大仏サイドから考えても包茎手術してもらったみたいな感覚だと思うから」
率子「悟りすぎだぞその大仏」
しあ「あと子供向けなので、乳酸菌も配合しておこう」
率子「全然活躍できない職場に連れてこられた乳酸菌の気持ち考えろよ」
しあ「いやいや切腹の時とか活躍できるって。生きて腸まで届くって」
率子「直送かよ」
しあ「ちょうど弱ってる人の所に行くからむしろやりがいのある職場だよ」
率子「焼け石に水感MAXの破滅寸前の職場だよ」
しあ「付属のヘビ革の鞘に入れるととてもお洒落」
率子「ヘビ革の鞘はほぼヘビだぞ」
しあ「希少なヘビの日焼けの皮を使った高級感のある仕上がりだ」
率子「脱皮ですらないのか」
しあ「この木刀があればモッテモテ。デートでもとても役に立つよ」
率子「木刀が役に立つデートは十中八九上手くいってねえぞ」
しあ「木刀の先端にとんがりコーンをはめて彼女にあーんしてあげよう」
率子「絵面はサーベル飲み込む手品のようだが」
しあ「とんがりコーンを食べるとそこにはネイルアートが」
率子「あのお菓子はめられる所が必ずしも指とは限らないんだぞ」
しあ「そしてさらにその先に結婚指輪を用意しておき告白なんてした日にはもう……!」
率子「プロポーズってこんなに酷く出来るのか」
しあ「さてそんな木刀ですが、今買うとなんと脇差も無料で付いてくる」
率子「まだゴミ増やすの?」
しあ「しかも脇差はなんとカツオ節ボディ」
率子「木じゃないのか。木っぽいケド」
しあ「とてもカッコイイ。とても渋い」
率子「味が?」
しあ「でも渋いだけじゃない。その中にきらびやかな輝きもある。だって蛍光塗料を塗ったから」
率子「食べ物を粗末にするんじゃねえ殺すぞ」
しあ「交通整理の時に使うコトもできるぞ」
率子「アイドルライブではサイリュームにもなるな」
しあ「ただしコチラの脇差には鞘は付いてこないのでご注意ください。サランラップでも巻いておいて下さい」
率子「そしてチルド室に斬り込みに行こう」
しあ「さらにこの脇差、なんと脇差の脇差も付いてくる」
率子「まだ新しい迷走できるのかお前すげえな」
しあ「脇差の脇差はフライドポテトです」
率子「食べ物属性の方を受け継ぐんじゃねえよ」
しあ「マックのフライドポテトです」
率子「お前はプライドを持て」
しあ「また柄尻に文字が彫ってあるから印鑑として使うこともできる」
率子「さっきからサイズから思いついた用途足すのやめろよ。
油でやわやわの芋版とか扱いに困るわ」
しあ「因みに『不渡り手形』と彫ってあるぞ」
率子「この上なく似合ってはいるケドな」
しあ「なお、この商品には朱肉が付いてこないのでそこは注意。
まぁ相手を切り殺したときの血肉を代用すればいいから問題ないね」
率子「急に武器としての本分を思い出すんじゃねえ」
しあ「さて、商品ラインナップはかなり良いカンジに揃ったな。あとは子供向けの宣伝だ。
やっぱりココは最新のゲームの中にアイテムとしても登場するとかがイイかな」
率子「お前って完全にずっと間違え続けるワケじゃないからタチが悪いよな」
しあ「となれば、主人公が伝説の聖なる木刀を手にして冒険するストーリー考えないとな」
率子「木刀の分際でその立ち位置かよ」
しあ「修学旅行で訪れた京都のお土産屋さん台座から木刀を引き抜いた所から冒険は始まる」
率子「京都の景観壊しそうなディスプレイしてんじゃねえよ」
しあ「主人公が木刀を手に入れたときから戦いは始まる。様々な怪人が殺しにやってくるのである。
……さあ木刀を取って、主人公」
率子「やっと今日初めて話しかけてくれたけれどこのコント入り応じたくないな……」
しあ「もう木刀にWiiモーションプラス取り付けたんだから、早くをふりかざして」
率子「木刀そのままコントローラーにしちゃったのか。……しゃーない、取るか」
しあ「『吾輩は怪人Mr.焼畑!』」
率子「早速来たな。でも名に冠する悪事のチョイスそれでいいのか」
しあ「『木刀に得ればれた勇者だな? お前を殺そうと様々な怪人が命を狙っているぞ。
まずはこの私が最初の相手だ! ファストパスを使ったかいがあったわ!』」
率子「そんなディズニーランドみたいなシステム採用してんのか怪人ズ」
しあ「『そんな木刀、先端のとんがりコーンの油分を服になすりつけられるコトにさえ気を付ければ恐れるに足らんわ!』」
率子「潔癖症の怪人が存在する時代かぁ」
しあ「『フハハこの我がダークネスバンブーランスの餌食になるがイイ!』」
率子「お前はお前で竹槍なのか武器」
しあ「『ダークネスバンブーランスの漆黒の刃はアルデンテ並みの強度を持つ!』」
率子「イヤ、じゃあそれフツーの竹より弱いよ」
しあ「『しかも黒いついでに卒業証書を入れられる筒にもなっているのだ!』」
率子「黒いついでにって何?」
しあ「『伝説の木刀と言えども、大した力もないようだな。まぁその脇差の方は少し光の力を持っているようだが……』」
率子「うん? …………ああ、蛍光塗料のコトか」
しあ「『しかしその程度では我が闇の力は尽きんぞ! 闇のサプリいっぱい飲んで来たからな!』」
率子「アミノサプリみたいに言うなよ」
しあ「『食らえ! ファイアバンブー!』」
率子「ほぼただの引火した竹炭だからなそれ。
もうコイツ面倒くさいので腹をぶちぬいてはやくこの話終わらそう。えいっ」
しあ「『ぐぁあ! しかし吾輩は闇の力がある限りそう簡単には……!? なんだコレは!?』」
率子「因みに私は1行目から今に至るまでずっと「なんだコレは」って思ってるからな」
しあ「『コレは……、乳酸菌!? しまった! 今朝食べてきた闇の力がウンコになって体から出て行く……!』」
率子「想像を絶する最低の倒し方をしてしまった」
しあ「『カゼイシロタカブー!!』」
率子「クソゲーだな」
しあ「さて、こんなカンジでゲーム設定も出来たし、子供達に木刀を売る計画は完璧だな!
確実に売り切れ必至だ!」
率子「イヤ、切れねえよ。色んな意味で」
しあ&率子「「どうも、ありがとうございました」」
審査員 点数 |
37 | 60 | 90 | 70 | 53 | 84 | 平均65.67 |
【審査員コメント】 ・前回といい今回といい、やたら子どものこと気にするコンビですな。なのに殺すぞとか過激。 テーマは期待出来るもので良かったのですが、ちょっと淡々と進みすぎてピークが無かったかなと。 ゲームのくだりも唐突な割に敵の語りが長すぎてハマれなかったので、もっとメリハリがつくと良くなると思います。 また、吟味されたフレーズが持ち味なんだと思いますが、当たり外れが極端だったかなと。 「尻畑こめかみ丸」「直送かよ」などかなり好きなフレーズがある一方、外れフレーズはとことん外していました。 とんがりコーンなどは安易ですし、「お前はプライドを持て」なんかも狙いすぎて冷めてしまいました。 「殺すぞ」なんて普通に引いてしまいましたし。ちょっと今回はフレーズのチョイスミスが際立ったかなと。 もっと軽快なやりとりの中で、より洗練された上質なフレーズが生きる漫才を期待しています。 ・木造大仏のチンコ~乳酸菌までの破壊力は今大会中でもトップクラスでした。 木刀をばっちり活かしてるからまた良いんですよねー。 その一方で、ゲーム編になってからはフレーズ選びを間違ったか、平凡な展開に終わったしまいました。 ・手数というか毎行ボケツッコミあってなおかつトリッキーな内容で個人的にはかなり好きなネタです 掛け合いという意味ではへったくれもないんですが、どちらの体温も低い感じが殺伐とした内容にマッチしてます RPGでちょっと失速した感じがあったのが残念。「想像を絶する最低の倒し方」はだいぶ面白かったですがが ・途中で中だるみしたなあと思ったら 最後敵が出てくる所で盛り返した印象です。 ・笑えたは笑えたんですけど、なんか個々の件での面白さを感じられる時間が著しく短かったんですよね。 ツッコミの鋭いフレーズが良いんですけど何故か笑えるのは数百分の一秒くらいだけ。人によっては感知されない短さ。 シャープだけらこそはじめの一瞬だけチクッとする注射針、みたいな。 電流を流す時間が短すぎてアナログ式の計器では正しく測れない、みたいな。 自分でもよくわかんないけどそんな印象でした。 ・ツッコミのフレーズがヤバいくらい良いですね。 ボケの良さをさらに増幅させたり、物足りなさを補ったりしていたと思います。 序盤の「木造大仏のを~」からの「お前はバチ当たり界の革命児か」は、今大会屈指のボケ&ツッコミだったと思います。 終盤のコント入りの部分がちょっと威力弱くなったような印象がありましたが、それでも闇のサプリあたりから盛り返した感があって良かったです。
ケヴィン:Kevin Haloweld with culture deadness clubです
ダンプカー:ブロロロロロロ
ケヴィン:MM-1ということでエンジン上げて頑張って行こうと思います
ダンプ:ブロロロロロロロロロロロロロ
ケヴィン:相方も同じ心持ちのようでコンビ冥利に尽きるというものです
ダンプ:いやはやMM-1ですからね、そりゃ気合も入りますよ
ケヴィン:あ、彼はもちろん喋れます、漫才をするんですから
ダンプ:何当たり前のこと言ってんだよ(ドーン)
ケヴィン:ぎゃあああ相方がダンプカーだからツッコまれると生命の危機がーー
血もいっぱい出てきたし病院行こう(ウイーン)
ダンプ:いらっしゃいませ
ケヴィン:うわあああああ病院にもダンプがいるー病院にもダンプがいるよー
ダンプ:心臓に生えた毛を抜く手術でよろしいですか?
ケヴィン:人から図々しさを奪おうとしている
この溢れる鮮血を見ても分かりませんか?
ダンプ:あー赤いですね
ケヴィン:何の感想だよ求めてねえよ
ダンプ:産婦人科は3階です
ケヴィン:どこに生命の息吹を感じたんだよ
外科に行きたいんですけど
ダンプ:外科は97階です
ケヴィン:怪我人にはきついなあ
ダンプ:では2階から96階をダンプパワーで潰しまして
ケヴィン:3階にはまだ新しい命が居たというのに
そうまでして私が生き延びる価値はあるのだろうか、自問自答の日々がはじまる。
ダンプ:では二階へどうぞ
ケヴィン:とりあえずありがとうございます
さーて診療室にはいるぞー
ダンプ:いらっしゃいませー
ケヴィン:そうだろうと思ったけど
ダンプ:おやおや、産婦人科は3階ですよ
ケヴィン:そこさっき潰れたんですよ
ダンプ:またですか
ケヴィン:再犯だったのかよそいつクビにしろよ
ダンプ:ところで本日はどのようなご用件で
ケヴィン:ダンプに轢かれたんで来ました
ダンプ:なるほど、不要な骨を摘出したいと
ケヴィン:どうしてそうなるんだよ、というかそんな奴居んのかよ
ダンプ:その骨を使ってなんとか潰れた階を復旧したとこなんですけど
ケヴィン:骨ってすごいなあ
ダンプ:そうです骨ってすごいんですよ カルシウムを取りましょう
ケヴィン:人が鮮血噴き出してるのに悠長な奴
ダンプ:小魚なんかおすすめです 小さいところが
ケヴィン:伝わってこないなあ
ダンプ:小魚3日分出しときますね
ケヴィン:お薬感覚求めてないです
治療をしてくださいよ
ダンプ:だって私ダンプですよ治療なんかできるわけないじゃないですか
ケヴィン:どっひゃー
大きい病院の医者は信用できないな、別の病院に行こう(ウイーン)
ダンプ(医師免許持ち):いらっしゃいませー
ケヴィン:信用できる
ダンプ:早速治療をします
ケヴィン:この速度も信用できる
ダンプ:まず右腕の骨から摘出していきます
ケヴィン:あれ、おかしいな
ダンプ:あんまり知られてないんですけど右腕の骨って基本不要なんですよね
ケヴィン:医師免許持ちが言うことに間違いはないだろう
ダンプ:取りました
ケヴィン:おお、腕が軽い
ダンプ:この骨なんですけど、持ち帰ることもできますが、どうしますか?
ケヴィン:家宝にします
ダンプ:左腕の骨はまた来週取りましょう
ケヴィン:お願いします、もう信用できるのは先生だけなんです
ダンプ:私だけを信じ崇めなさい
ケヴィン:ははーー
ダンプ:ではとりあえず小魚一週間だしておきますんでまた来週
ケヴィン:いやーやっぱり小さい病院は最高だなー
あれ、なんか、おかしくない???
ダンプ:気づくな(どーん)
ケヴィン:うわーーー80年代ギャグ漫画的理不尽な轢かれ方をしたーーー
病院は信用できないし美容院に行こう(ウイーン)
ダンプ:いらっしゃいませー
ケヴィン:やっぱりダンプなんだよなあ
ダンプ:今日は何を切りますか
ケヴィン:髪以外にあんのかよ
ダンプ:アキレス腱とか
ケヴィン:俺はこのダンプとの呪われた縁を切りたいよ
ダンプ:へその緒切るなら産婦人科ですよ
ケヴィン:そんなに妊婦に見えるのかな俺、痩せようかな
ダンプ:とりあえず何を切りましょうか
ケヴィン:髪でお願いします、キムタクみたいな感じがいいです
ダンプ:はいバリカンでバーン
ケヴィン:無情か
ダンプ:産まれたてのキムタクみたいにしてみました
ケヴィン:時期指定しなかった俺にも罪があるな
しかし骨も髪もダンプに奪われてしまった
ダンプ:ちなみに妻も奪ったよ
ケヴィン:妻もかー妻までもかー妻だけは俺の味方だと思っていたのになあ
ダンプ:家もダンプパワーでぐしゃっと
ケヴィン:家もかー家は唯一心の安らぐ場所だったのになあ
ダンプ:あとあなたの心も奪いました
ケヴィン:心もかーそうなんだよなーこんな酷い事されてるのにそれでもあなたを求めてしまうんだよなあ
ダンプ:今まで奪ったもの、全部、返してあげてもいいよ
ケヴィン:そうかー返してもらえるのかーでも今のこのときめきまで失ってしまうのは嫌なんだよなあ
ダンプ:このままではあなたを不幸にしてしまうと思うんだ
ケヴィン:あーあんなに酷いことしたのに突然優しくなるんだよなー男と重機は本当ずるいんだよなー
そしてそれで許してしまいたくなるんだよなー抱きしめてしまいたくなるなんだよなあ
ダンプ:じゃあ、俺の胸に飛び込んできてくれるかい
ケヴィン:いや胸何処だよいい加減にしろ
二人:どうもありがとうございましたー
鈴木:どうもライラックです! よろしくお願いします!
石川:早速ですけど僕、恋愛漫画で見るようなベタなシチュエーションに憧れていまして、普段から色々と実践しているんですよね。
鈴木:ほう、そうか。今までにどんなことをしてきたんだ?
石川:まず、本屋さんで同じ本を取ろうとして手と手が重なるというのを、
たまたま見つけた綺麗な女性を相手にやってみたことがあります。
鈴木:なるほどな。使い古されている感じはするけど、いかにも運命的でいいじゃねえか。
石川:ただその女の人、僕から本を無言で強引にぶんどって行きましてね。
しかもその本を、そのまま鞄に押し込んで、店の外へと走り去って行ってしまったんです。
鈴木:万引きしてんじゃねえか! とんでもねえ女だな、オイ!
石川:ちなみにその時の本の題名は「女性の品格」でした。
鈴木:盗人のくせに品格もクソもあったもんじゃねえだろ! しかし何だ、現実は残酷ってことだな。
石川:あと、好きな女の人の前でトラックの前に飛び出して「僕は死にませ〜ん!」と言ったことがあります。
鈴木:ドラマのパクリか。一見ダサそうだけどバシッと決まればカッコいいかもな。
石川:ただその後、普通に撥ねられましてね。しかもトラックはノンストップでそのまま走り去って行ってしまったんです。
鈴木:悲惨すぎるわ! ひき逃げされたんかい!
石川:セリフも「僕は死にまぐばああ!」みたいな感じになってしまいまして、女の人は冷めた目をして引いていました。
鈴木:引いてねえで助けろよ、その女も!
石川:車に轢かれたことよりも、彼女に引かれたことに深い傷を負いましたねえ。…………ヨヨヨ。
鈴木:何か知らんが悪かったよ。そんな乙女みたいな泣き方するなって。
石川:こんな、ひかれっぱなしの僕ですが、他人が惹かれるような魅力的な人間になりたいと思っているんです。
鈴木:良い心がけじゃねえか。まあ、頑張れよ。
石川:僕が思う魅力的な人間というのは、友人が失恋などで悲しんでいるときに、
親身になって励ましてあげられるような人なんですよね。
鈴木:なるほどな。じゃあちょっとやってみろよ。…………くそぅ、振られちまった!
石川:何だって!? …………偶然だなあ、僕もだよ。お互い辛いなあ。
鈴木:ちょっと待て! 二人とも傷心だったら一体誰が励ますんだ! 俺が落ち込むから励ましてくれ。
…………くそぅ、振られちまった!
石川:何を振られたくらいで落ち込んでいるんだよ!
鈴木:そうは言ってもさあ。
石川:僕が振られたからって、何を君が落ち込むことがあるんだ!
鈴木:ホントにそうだよ! あのな、いちいちこんなこと整理しなきゃ駄目か? いいか、俺が振られる。そして俺が落ち込む。
石川:そして君が君を励ます。そして僕がそれを見ていると。
鈴木:楽をしようとするな! お前が俺を励ませ! …………くそぅ、振られちまった!
石川:フフン、私に振られたことがそんなにショックな訳? 女々しい男ねえ。あっはっは〜、マジで引くわ〜♪
鈴木:何で俺を振った女の役をやってんだよ! そうじゃなくて、俺の友達の役をやってくれ!
石川:はいはい、分かりましたよ…………。君、聞いたぞ。しつこいらしいな。
鈴木:はあ? 何だよ急に。そんな自覚は無いけどな。
石川:だから、「失う」に「恋」と書いて「しつこい」したんだろ!?
鈴木:「しつれん」って読むんだよ、それは! ああ、たしかに振られたよ。
石川:どうして友達である僕に黙っていたんだ! 酒臭いぞ!
鈴木:水臭いだろ、それを言うなら! 別に俺は飲んでねえぞ!
石川:まあ、長い人生だ。色んな事があるさ。ましてや僕たちは今年で米寿だ。
鈴木:米寿って88歳かよ! そんな老人の設定なのか!?
石川:君の好きだったあの人からしたら、僕らはまだまだガキってことさ。
鈴木:相手はもっと上なのかよ! ていうかここまで高齢だったら見た目も中身も、さほど差は無いだろ!
石川:まあ、きっぱり諦めろって。こんな言葉を聞いたことがある。
発明とは99パーセントの努力と1パーセントの才能なのだそうだ。
鈴木:だから何だよ! 今ここでエジソンの言葉を聞かされて、どういう反応をすれば良いっていうんだ!
石川:最後にこれだけは言っておくぞ。発明とは99パーセントの努力と1パーセントの才能なのだそうだ。
鈴木:年取ってボケてるじゃねえか、お前! 同じことを何度も言うなよ!
石川:え? 何だって?
鈴木:同じことを何度も言うなって言ったんだよ!
石川:え? 何だって?
鈴木:年取って耳が遠くなってんじゃねえか! だから、同じことを何度も言うな!
石川:そっちこそ「同じことを何度も言うな」と何回も言っているじゃありませんか。
鈴木:おっと、こいつは一本取られた…………うるせえんだよ! 今までの会話、全部聞こえてるじゃねえか!
石川:何ですか、さっきからゴチャゴチャと文句ばっかり。
鈴木:年寄りの失恋なんてリアリティが無いんだよ。老人では無く学生という設定で頼む。
石川:分かりましたよ。…………やあ、君は学生じゃないか! 僕は君の友人だよ! 失恋したそうだね!
励ましてあげようじゃないか!
鈴木:不自然極まりないな! まあいいか。…………ああ、ずっと付き合ってた3組の田中に振られたんだ。
石川:そうか、3組の担任の田中先生にねえ。あの人男子にモテるからなあ。
鈴木:教師じゃねえよ! 教師と生徒が付き合ったりとかしたら色々とややこしい問題が起こるだろ!
石川:振られても仕方ないよ。だって田中先生は妻子持ちなんだからさ。
鈴木:しかも男性かい! なのに男子にモテるって、この学校そっち系の野郎が多すぎるだろ!
そうじゃなくて、同級生の女子の田中だ!
石川:まあ、何にせよ気を落とすことは無いよ。だって君には、どんなに辛く悲しい時も支えになってくれる、
決して裏切らない素敵な彼女がいるじゃないか!
鈴木:その彼女に裏切られたって話をしてるんだよ! 心の拠り所を失った俺はどうすりゃいいっていうんだ!
石川:君の人生において恋愛なんかより大切な物はたくさんあるだろ!
例えば、ええと「めざましどようび」の「今日のにゃんこ」とか!
鈴木:それほど大事じゃねえよ! だとしたら俺の人生しょうも無さすぎるだろ!
馬鹿にしやがって! どっか行けよ、このクズ野郎が!
石川:何だと! 喧嘩売っているのか!? 歯ぁ食いしばれ!
鈴木:何だよ、やろうってのか!?
石川:どりゃあっ! 「バキッ!」「ドカッ!」「グサッ!」「バキューン!!」
鈴木:やり過ぎだろ! 特に最後の二つは命に関わるぞ! 何で拳銃なんか持ってんだよ!
石川:くっくっく、知らんのか。この学校に銃の所持を禁止する校則は無いんだ!
鈴木:法律というものがあるわ、ボケが! 銃刀法は国が取り締まっているんだよ! 殴るなら素手で来いって!
石川:上等だ! くらえ、『ねこねこナックル!』「どかーん! にゃーん!!」
鈴木:ぐはぁっ! 大神涼子さんみたいな技名については触れないことにしよう…………。テメエ、何しやがる!
石川:勘違いをするな! 僕は君のためを思って殴ったわけじゃない! 君が憎くて殴ったんだ!
鈴木:理不尽な暴力じゃねえか! 俺の目を覚まさせるためとかじゃねえのかよ!
石川:そうだ! こんなところで寝たら死ぬぞ! 感謝するといい!
鈴木:寝たら死ぬ原因が拳銃を持った友人、つまりお前でなければ素直に感謝するよ!
そうじゃなくて、元気づけようとしてくれたとかじゃねえのか!?
石川:そうなんだ! 僕は君に現金を出して欲しくて殴ったんだ!
鈴木:それじゃただのカツアゲだろ! 友人が身も心も疲弊しきっている所に付け込むんじゃねえ!
石川:違う! 元気を出して欲しかったんだ! 何度も同じことを言わせないでくれ!
鈴木:今初めて言っただろうが、それ!
石川:僕は君が悲しんでいる姿なんて見たくないんだよ! いや、むしろ君の姿が視界に入ること自体が不愉快で仕方ない!
鈴木:何だよ、それ! どんだけ俺のこと嫌いなんだよ!
石川:君のことを気にかけているのは僕だけじゃない! 友人一同からの伝言を預かって来た!
「貴様がこの世に生まれてきたことが人類最大の恥だ。その狼藉を死ぬことで詫びろ」だそうだ!
鈴木:やかましいわ! いい加減、本当に泣くぞ!
石川:もっとも、その罪を償うのに貴様ごときの命程度ではちいとばかり軽すぎるけどなあ!
鈴木:なんだと、この野郎! もう一回言ってみろ!
石川:ああ、何度でも言ってやるさ! よく聞けよ、発明とは99パーセントの努力と1パーセントの才能なのだそうだ!
鈴木:それはもういい! さっきから推しているその言葉には一体どんなメッセージが込められているっていうんだ!
石川:つまり、人生のまさに99パーセントは絶望といっても過言ではない。
しかし、1パーセントの希望は間違いなくどこかに存在する。
だからどんなに辛くても僅かな光を見つけるための努力を怠ってはいけないということを言っているんだ!
鈴木:どんな捉え方だよ! ちょっと胸を打たれたぞ! お前、意外と頭が良いな!
石川:僕の頭が良いのではない! 君が悪すぎるんだ! そう、性格がね!
鈴木:うるせえよ! …………でも、こんなに本音をぶつけ合える相手なんてお前くらいだぜ。
お蔭で曇り空が晴れたような気分になれたよ。有難うな、親友!
石川:…………さっきからどうも君は教師に対する態度がなってないようだな。おっと、そろそろ3組に戻らねば。
鈴木:田中先生だったんかい! ていうかいつからだよ! 親友とか言っちまったよ! ホント、すいません!
石川:まあいい、教師とは敬われるのではなく慕われるべき者だからな。
だがしかし教師と生徒という関係である以上、君と僕とは友達にはなれない。
鈴木:はあ、そうですね…………。
石川:そういえば君、失恋したばかりのようだね。私には家族がいるから恋人同士になることは出来ない。
だが、僕は君を愛人にしてやることなら出来る!
鈴木:ごめんなさい! お断りします!
石川:そうか、それなら仕方ない。ふう、失恋の痛手、どうやって癒すべきか…………。何をボサッとしている。早く励ましてくれ。
鈴木:何なんだよ、これは! いい加減にしろ!
二人:ありがとうございました。
審査員 点数 |
25 | 55 | 53 | 70 | 68 | 50 | 平均53.50 |
【審査員コメント】 ・全体的にベタで足りないところは多いんですが、好感の持てる漫才でした。 流れやテンポは問題ないと思うので、やはりフレーズにオリジナリティが欲しかったです。 テンポは良くボケ数も豊富なのですが、ボケもツッコミも借り物の傾向が強かったので。 米寿とか「銃の所持を禁止する校則は無い」など、目を見張るフレーズもありました。 これからもどんどん書いて、独自の武器を見つけてください。期待しています。 あと「大神涼子さん」はよくわからなかったし明らかにネタから浮いてました。 ・いい正統派漫才ですねえ。 とてもオーソドックスで読みやすかったのですが、全体的にボケにパンチが効いてなかったので、 オリジナリティあるフレーズや設定をどんどん詰め込んで欲しかったです。 しつこい、今日のにゃんこ、あたりはそれに該当するボケですので、このクオリティのものが量産できると一気に面白くなります。 ・冒頭の憧れるシーンの部分は面白かったですが、慰めるコントに入ってからちょっとベタによりすぎかなと思いました 特に後半にかけてよりベタになっていく感じがして緩やかに失速してるような雰囲気でした ベタ自体は悪いことでは無いんですし、予期しない角度からのベタの差し方もあるんですが、後半は食傷気味な感じでした ・エジソンの下りの天丼は良かったんですが ここも安易なボケがちょっと目立ってしまいました。 他のボケがいいのがあっただけに余計に浮いてしまったというか。 そこをもっといい発想のボケがあったらなあと思いました。 ・正統派の面白さがありました。テンポよく中身がスッと入ってきてイイカンジ。 大笑いとまではいかないけど良い意味で 漫才を読んだなぁ と思いました。 ただの言い争いにしか感じない部分があるのがちょっと残念。 ・初参戦とのことですが、しっかり作られていて好感が持てました。基礎の基礎はよくできていたと思います。 ただ、よく見るようなボケが多かったため、笑える度でいうと他のネタに負けてしまっていたのが惜しいところです。 基本的なボケ方は出来ているので、さらに何か突飛な発想・設定・フレーズが出てくると一気に上に行けるんじゃないかと思います。 「この学校に銃の所持を禁止する高速は無いんだ!」は面白かったです。