予選Dブロック 審査フォームはこちら

031 灯風 032 whitewhite 033 バニーガール 034 天体観測 035 XENOGLOSSIA 036 ライジングブルー
037 非可逆劇場 038 ハーベストムーン 039 リーベルパウンド 040 ヘテロ失楽園 041 あかつき 042 異梅津よろしわろし


Rゲート
No.031 灯風
君の元へ
 ナオ:はいどーもー!灯風です、よろしくお願いします!!漫才がんばっていきましょう!
    僕がツッコミのナオで、こちらがボケのゴウ……………………
 
 
 
 
 
 
 
    っていなーーーーーーい!!ボケのゴウがいなーーーーーーい!!
    なんで!?直前までネタ合わせしてたのに……どこ行ったんだよ!?

さーな:…………ねえ。

 ナオ:うわっ!!え、いつの間に!?で、誰、この女の子…………

さーな:ねえ、キミ。

 ナオ:……確実に僕のことだよな…………なに?

さーな:食べかけのハンバーガー、要る?

 ナオ:…………え?

さーな:食べかけのハンバーガー、あげる。はい。

 ナオ:えーっ……無理やり渡されてしまった………………

さーな:あ、それね!マクドナルドの、一個前の期間限定のやつなんだよ!!

 ナオ:…え、一個前なの?じゃあこれ買ってから結構日が経ってるのかよ。

さーな:ほら、食べかけのハンバーガー、あげたよ!

 ナオ:……受け取った、けど…………

さーな:キミの代わりに私にお礼を言っておくよ。ありがとう〜!!

 ナオ:……いや、まずお礼を言おうともしてないんだけど。……まずさ、なんで食べかけなの?

さーな:ああ!それはね、私は、味見をしようとしたの。

 ナオ:…しようとしたってどういうこと?したんじゃないの?

さーな:味見をしようとしたの。しようとして、味見の一歩手前までいったの。

 ナオ:一歩手前ってどこだよ。そこまでいったなら味見すればよかっただろ……

さーな:いやいや、よく考えてみて。……私の前歯には、毒が塗ってあるんだよ?

 ナオ:…………は!?

さーな:私、前歯に毒を塗って生活しててね。

 ナオ:えどういうこと!?

さーな:だから普段は前歯は使用しないようにしてるんだけど、味見の時誤って前歯を使って噛み切ってしまったの。
    だからもちろんその噛み切った部分は毒が付いているから味見できなかった。
    …まあその代わり、コンポストに入れたけど。コンポストに入れて、堆肥の一歩手前までいったから満足して、で、燃やしちゃった!

 ナオ:………………この子、ヤバーーーーーーッ!!既にヤバさの3乗ぐらいあるぞ、うわ怖ッ!!え!!

さーな:あ、心配しなくても大丈夫。普段は前歯に触れないように、イワシを食らうペンギンのような食事をしているから。

 ナオ:いや聞いてないから!!

さーな:こんな風に、オウッ、オウッ、オウッ、オウッ…………

 ナオ:………………。

さーな:……食べかけのハンバーガー、もう一個要る?

 ナオ:いや要らない要らない!!そもそも一個も要らない!!
    ……だってさ、食べかけなのは置いといてよ、これ、毒の付いた前歯で噛み切ってるんでしょ!!……これにも毒付いてんじゃん!!

さーな:…………まあ、加熱すれば大丈夫。

 ナオ:大丈夫なわけないだろ!!

さーな:何を言ってるの。よく考えてみて…………………………加熱だよ?

 ナオ:だとしても毒は無理だろ!!加熱を過信しすぎだって!!

さーな:……ああああああああああっ!!

 ナオ:え、何!?怖い怖い!?

さーな:……キミ、小学校の時、会ったことあるよね?

 ナオ:えっ…………!!いや、ないと思うけど……というかあってほしくない……

さーな:ほら!!塾、一緒だったでしょ。

 ナオ:塾?……まず僕、塾に通ったことないんだけど。

さーな:いや違う違う!!塾の概念だよ。一緒だったでしょ?

 ナオ:…は?

さーな:小学生の時、キミ、塾って学校終わった後に学校以上に勉強するために行く場所だと思ってたでしょ?
    私も、塾って学校終わった後に学校以上に勉強するために行く場所だと思ってたの!!
    …ほら、一緒!!ほら、知り合い!!喋ったことある!!やったー!!

 ナオ:………………。

さーな:……私、包丁を毎日所持してるんだ(シャキーン)

 ナオ:…………ひえ〜〜〜〜〜〜!!ひえ〜〜〜〜〜〜!!
    うわ、ヤバすぎてひえ〜〜〜って言っちゃったよ!!本当に怖い時ってそう言っちゃうもんなんだな。

さーな:……食べかけのハンバーガー、三個目要る?

 ナオ:いや要らない要らない。それどころじゃないし。

さーな:……食べかけのモスバーガーもあるけど…………

 ナオ:…………モスバーガーは一応もらっておこうかな……ありがとう。

さーな:…………ねえ、引尾ゴウって知ってる?

 ナオ:引尾ゴウ……俺の相方じゃん!!そうだよ、ゴウがどこ行ったって話だったんだよ!!
    え、ゴウのこと知ってるの!?

さーな:知ってるもなにも……私、引尾ゴウだから。

 ナオ:……は!?いやいや、絶対違うだろ。まず見た目が違うもん。アイツこんなに華奢じゃないし。
    この時期だと絶対派手なサンダル履いてるはずなのに履いてないし。

さーな:私、引尾ゴウなの。なぜなら、私が、引尾ゴウを食べちゃったから。

 ナオ:……食べた?え、食べた!?

さーな:引尾ゴウを、こう、縦に圧縮して、そしたら大きめの濡れせんべいみたいになるの。
    そしたら、それをこう、割いて……オウッ、オウッ、オウッ、オウッ…………

 ナオ:……ひ〜〜〜え〜〜〜!!あああああッ、ひ〜〜〜え〜〜〜!!あああひえ〜〜〜!!あああ!!

さーな:……引尾ゴウを、こう、縦に圧縮して、そしたら大きめの濡れせんべいみたいになるの。
    そしたら、それをこう、割いて……オウッ、オウッ、オウッ、オウッ…………

 ナオ:あああああ!!なんで2回やるんだよー!!なんで怖いやつ2回やるんだよー!!

さーな:…………ねえ。キミの偽名を教えて。

 ナオ:…え、何で!?偽名、を!?

さーな:そう、偽名。ウソの名前。

 ナオ:……いや、偽名というものを名乗ったことがないから、偽名は存在しない……

さーな:ねえ教えて。キミの偽名。ねえ。教えて。教えて…………

 ナオ:…………ヤバさの7万乗ぐらいいってるなこれ…………えっと、偽名、は……七島、です。

さーな:七島!!七島!!!!!……ハハハハハ、七島!!ハハハハハ!!ハーーー!!

 ナオ:………………。

さーな:……キミの名前、デッサンするね……(かきかき)

 ナオ:デッサン!?文字情報を、デッサンする!?……しかも木炭デッサンしてるよー!!かなりちゃんとしたデッサンしてるー!!
    ……しかも、偽名思いつかなくて本名言っちゃった…………

さーな:……ふう。デッサンし終わった………………満足したから、死ぬわ。

 ナオ:え、ちょっと待って!?え!?

さーな:さよなら…(ペロペロペロ)ぐああああああああああ!!

 ナオ:うわ、前歯舐めた!!毒の付いてる前歯、舐めた!!

さーな:(グサッ!!)ぐわああああああああ!!

 ナオ:うわ、所持していたナイフも!!

さーな:(バタッ……)

 ナオ:え、死んだ…………二重に自殺した…………
    ……いや、待ってこれ…………俺の名前が書いてある紙を持って死んでるって、完全に俺が殺したみたいになってんじゃん!!
    やばいよやばいよこれ、どうしよ、え……この名前のデッサン、なんとかして消さないと……





    ………………食べかけのハンバーガーのパン部分で消せるかな……?


Rゲート
No.032 whitewhite
イの中の
前田:もうすぐ怖い話の(ザッ ザザッ ザー ザザッ ザっ ザー・・・
    タ・・・スケ・・・テ・・・・)
   シーズンじゃないですか

安正:もうだいぶ怖いですよ。混線起こってましたけども

前田:あれ、もしかして「怖い話のおおおおおおおおおおおおおお」って接続詞を執拗に伸ばすってボケが闇に葬られた感じですか?

安正:ツカミとしては弱い部類なんで助けられたかもしれませんね

前田:まあそれはそれとしてね、ちょっと時期は早いんですけども怖い話をさせていただこうかな、と

安正:気候はだいぶ暑くなってきましたからね。涼むのにちょうどいいんじゃないですかね

前田:あのー、カエルに鼓膜を破かれそうになった話なんですけども

安正:ちょっと待ってください

前田:なんですか出鼻をくじきにかかって

安正:ちょっと2点程あるんですけども、想像してたジャンルの怖い話じゃないんですよ
   「番町皿屋敷」みたいな怪談を期待してたんですよ。そんなバイオロジーホラーみたいなのじゃなくて

前田:なんですかバイオロジーホラーって

安正:忘れてください

前田:まあなんにせよ怖い話には違いないですから

安正:あとね、オチ先に言っちゃダメですよ。絶対カエルに鼓膜を破かれるのが醍醐味じゃないですか、先に言ってどうするんですか

前田:なんでオチだと思ったんですか?

安正:・・・オチじゃないんですか?これ以上の展開が待ってるんですか?

前田:まあ序章にしか過ぎないですね

安正:急にワクワクが止まらなくなってきましたよ。実はこういうホラー大好きなんですよ
   止めてすいません、是非話してください

前田:えー、去年の6月の昼下がりの事なんですけども

安正:どんなホラーでも昼ってあんまり聞かないですけどね

前田:その日はマウンテンバイクでウィリーの練習してたんですよ

安正:意外とアウトドアな趣味が

前田:そしたらふとした拍子にバランスを崩しましてね、田んぼに落っこちちゃったんですよ

安正:もうゴール見えてきましたけど

前田:うわー、服汚れちゃったなー、茶色いなー、茶色いなー、なんて思いながらね

安正:淳二口調の無駄遣い

前田:まあ汚れた服を洗わないといけないんで、とりあえず立ち上がろうとしたんですよ
   そしたら何やら左耳の方に違和感を感じまして

安正:最終コーナーに差し掛かりました

前田:ははーん、さては左耳の中にカエルが3匹いるな、と

安正:思ったより耳の密度がすごいことに  でも見えないんですから3匹かどうかなんて分からないんじゃないですか?

前田:いやね、鳴き声が違ったんですよ。3種類分の鳴き声がするな、と

安正:あー、なるほど

前田:「クルルル」「ゲベゲベ」「ゴワャッ」という合唱が左耳に響いてまして

安正:ポピュラーな擬音に頼らない表現力

前田:ソプラノ、テナー、バリトンの混声三部合唱が美しくてですね

安正:割と本格的 そして重低音のカエルは田舎の証

前田:でもこのままだと中耳炎が怖いんで

安正:そこなんですね、確かに表面ぬめってますからその辺心配ですけど

前田:まあ遠心力でなんとかなるだろうと思いましてね、左右にヘッドバンギングしたんですよ

安正:割と自分もその状況ならそうするかもしれないですね

前田:そしたらカエルが7匹飛び出して来まして

安正:予想はずれてましたね。 「3・2・2」の混声合唱ですかね

前田:いや、「1・1・5」でしたね

安正:田舎の証

前田:まぁやっぱりね、「意外と多いな」と思いつつも、これでもう大丈夫だろうと一瞬思ったんですよ
   ただ、まだ違和感が残ってたんです

安正:あら、しぶといのが

前田:「ゴワャッ」というバリトンボイスが響いてるんですよb

安正:「1・1・6」、田舎の証

前田:その後も何度もヘッドバンギングしてたんですけど、一向に飛び出る気配が無いんですよ
   それどころか「ギッ、ギッ」という音も聞こえてきましてね
   多分なんですけど、カエルの飛び出た眼球が鼓膜に擦れてるんですよ

安正:眼球と鼓膜の奇跡のコラボ

前田:まずいな、このままだと鼓膜を削り破られるなと思ったんですよ

安正:「突き」破られるという予想を裏切ってきましたね

前田:で、そこで「あ、ボールペン持ってる」ってふと思い出したんですよ
   これを耳の中に突っ込んでカエルを引きずり出してやろうと思いましてね

安正:中学の頃、暇な時に耳かき代わりにやったりしましたね

前田:・・・?

安正:忘れて下さい

前田:で、まあボールペンを左耳に近づけた瞬間に、危機を感じたんですかね、急に耳の中からその一匹も飛び出してきたんですよ

安正;せっかくのカエル惨殺チャンスが

前田:こっちとしては穏便に済んでよかったなあ、と思ったんですよ
   で、マウンテンバイクは田んぼの底に沈んじゃったんで

安正:まさかのサブストーリーが  田んぼの開墾頑張りすぎてだいぶ深くなっちゃったんですかね

前田:その日はそのまま徒歩で家まで帰ったんですよ

安正:いやあ、最終コーナーからの粘りが素晴らしかったですね

前田:でも先ほども言いましたけど、こんなものは序章にしか過ぎないんですよ

安正:そうなんですよね。色々茶々とかいれましたけど、ちゃんとここまででもホラーとして成立してるんですよ
   ここからどうなるか楽しみで仕方ない

前田:で、翌朝なんですけど

安正:夜がむせび泣いてますよ。ホラーと銘打っておいて素通りされた夜がむせび泣いてますよ

前田:その日はね、「プチッ、プチッ」という音が耳元でして目が覚めたんですよ

安正:また新しい擬音が

前田:まだ寝ぼけまなこだったんでね、うっとうしいな、なんだよこれとか思ってたんですね
   そう思った刹那ですよ
   耳からオタマジャクシがドバドバドバドバドバドバドバドバ

安正:これぞジャパニーズホラー

前田:どうやら昨日しぶとかったカエルに卵を産まれていたみたいなんですよ

安正:皆さんはどうか分からないですけど僕は今すごく興奮しています

前田:あいつバリトンのくせにメスだったのかよと思いながらもですね

安正:よくそんな余裕ありましたね

前田:ただ外に出てくるオタマジャクシばかりじゃないんですよ
   流れに逆らって耳の中に入ろうとするオタマジャクシもいるんですよ

安正:オタマジャクシの飛び出た眼球と鼓膜の奇跡のコラボ

前田:そしてとうとう一匹のオタマジャクシが内耳に入って来たんですよ

安正:ああ、鼓膜は守りきれなかった

前田:見えなくても分かるんですよ、オタマジャクシが三半規管を元気に駆け回っているのが

安正:耳の中ってアスレチック公園みたいで楽しそうですもんね

前田:なんですかそれ誰が共感すると思ったんですか

安正:忘れて下さい続けて下さい

前田:それに続いて第二、第三のオタマジャクシも侵入してきましてね
   もうここからはあくまでイメージなんですけど、内耳から全身にオタマジャクシが転移しているような感覚なんですよ

安正:新感覚の癌感覚

前田:血管から神経に侵入してきたのか指が自分の意思と関係なくピクンと跳ねたり
   かと思えば眼前を黒い影が一瞬通り過ぎたり
   胃の中でジュワジュワと消化されていったり

安正:命は儚い

前田:全身に大量のホクロが現れたり消えたり

安正:メラニンの反乱が

前田:・・・とまあこういった話だったんですけどもいかがでしたでしょうか

安正:え、終わりですか?

前田:あら、何か満足してない感じですか

安正:だってまだ解決してないじゃないですか

前田:なんですか?マウンテンバイクの話ですか?

安正:それはどうでもいいですよ。そうじゃなくて、まだ体内にオタマジャクシが残ったままじゃないですか

前田:ああ、それに関しては心配してないです

安正:なんでですか

前田:事を済ませば陰茎から白いオタマジャクシがいっぱい出てきますから

安正:クソくらえ

予選総合第3位(準決勝敗退) whitewhite
審査員
点数
82 71 86 88 80 平均81.40
【審査員コメント】
・なんで怖いやつ2回続けてやるんだよー!ってわけでね。今回サイコホラー多いぞMM-1。
 相変わらずクレイジーで凄まじいネタだったんですが、今回はだいぶ、さんの性癖がにじみ出てますね。
 ぶっちゃけ鼓膜にこびりつくとかドバドバドバとか描写が生々しすぎて結構引いちゃったんですが、
 「ゴワャッ」「皆さんはどうか分からないですけど僕は今すごく興奮しています」など他のフレーズでだいぶ緩和出来ていました。
 今回いつもより安正さんが我を出していたところが、このネタにはマッチしていたなと。
 それでも引いちゃった分と、「新感覚の癌感覚」などハマらなかったボケの分を差し引いて今回はこの点数で。
 あとオチはクソくらえ。
   
・田舎のカエルは鳴き声が低いってなんすかそのマイナーあるある。
 思った事無いけど言われるとそれっぽいなーという絶妙な着眼点でした。
 全体的に安正さんのツッコミが適切かつ短くてテンポよかったですが、
 体とカエルに固執してバリエーションに乏しいボケはそこまででもなかったです。
 見方を変えれば掘り下げてるとも言えるんですが、今回はしつこさが強かったかなと。
   
・「夜がむせび泣いてますよ」は今まで書いてきた中でベストのポエトリーフレーズだと思うんですがいかがでしょうか
 ちょっとホラーに寄せすぎたかなと反省
   
・オチが何の解決にもなってない(笑)
 2人のやりとりが心地よかったです。
 文字のテンポ感も抜群で引っかかり無く読めました。
   
・「うげぇ、気持ち悪い……」と思いつつもかなり笑えちゃう。不思議な魅力でした。
 ボケ・ツッコミ共に秀逸で、オチまでしっかりしてた。
   
・スペインや胎児のような中毒性は無かったものの(そもそもタイプの違う作品ですが)、
 全体を通してちょっとした仕掛けがいろいろ入ってたので飽きなかったです。
 安正の理解されない例えは、好きなんですがちょっとスベリ気味だったかもしれません。
 オチが急激にアレな方向に行くのが、このコンビらしくないような、らしいような。
 

Rゲート
No.033 バニーガール
コンパ
爽雄 バニーガールです。よろしくお願いします。僕が爽雄で。

陽子 どうも!「趣味を生業に」でお馴染み、陽子です!

爽雄 そんな馴染み方があるかよ。相方なのにピンとこねえ。

陽子 それはさておき、彼氏ほしいわ〜。深刻な彼氏不足だわ〜潤わないわ〜。

爽雄 水みたいな言い方だな。彼氏が欲しいんですか?

陽子 いや〜、私も長いこと一人身なのよね〜。彼氏いない暦=年齢=23年! 

爽雄 不足も何も足りてた試しが無かったんだな。

陽子 どういう女の子になれば男受けするのかな〜?ちょっと男性寄りの意見を聞かせてよ。

爽雄 寄りも何も僕は生粋の男だからな?とりあえず、周りに気を配れるって言うのが好感度上がる要因じゃないかな。

陽子 気配りなら自信あるよ!この間も、呼吸困難に陥ってた70歳のおばあさんの気道を確保してあげたし!

爽雄 気配りの範疇じゃねえなぁ!ジャンル的に人命救助だわ!他には、人に迷惑をかけないのが大切だと思うな。

陽子 ・・・ってことは、先週の土曜日みたく爽ちゃんに変な時間に電話したりするのはダメ?

爽雄 控えた方がいいねえ・・・控えた方がいいんだけど、もうちょっと良い具体例無かったのかよ?
   そんで、1番重要なのは、出会いの場に赴くことじゃないかなぁ。

陽子 ふっふっふ・・・!そんなこともあろうかと思って、なんとこの間コンパに参加してきたのよ!

爽雄 何をそんなに勝ち誇っているのか?参加することに意義があるみたく言ってますけども。

陽子 果たしてどんなコンパだったのか、どんな結果だったのか・・・。
   皆さんも気になっていると思うので、ここでお話ししようと思うの!

爽雄 最初に「彼氏がほしい」って言った時点で結果は見えてるんだけどな。まあ、せっかくなんで始めて下さい。

陽子 うん!先週の水曜日に友達のミキちゃんからお誘いの電話を受けたんだよね。
   「女の子が一人急に来られなくなったから来てほしい。他の子も予定が埋まってて。」って言われたの!

爽雄 完っ璧に人数合わせ要因だったんだね。しかも何人か断られた上での選択に思えるのが悲しい。

陽子 そういう軟派な雰囲気って言うのも抵抗があったんだけど、友達のお願いだし、渋々OKの返事をしたのね。
   その後、すぐに新しい服と肌着を買いに出かけました。

爽雄 渋々って言うの絶対嘘だ!下着まで新調してるじゃねえか!初回にして結果を出そうと躍起になってる!

陽子 服装なんだけど、世間は「森ガール」が受けているらしいのでそのイメージで服装をコーディネイトしました!

爽雄 微妙に流行りの乗り切れてない印象を受けるなあ・・・所謂ゆるふわって感じだったんだ?

陽子 いや、森の中で外敵から身を守れるような柄の服装にしたよ!

爽雄 ・・・迷彩柄!?森の意味履き違えちゃった!サバゲー行く体勢じゃねえか!

陽子 そんで、髪も切って、エステ行って、神社にお参りして、宝くじ買って、当日に備えたわけよ!

爽雄 気合いの入り方が本気過ぎて怖ぇよ。最後のはコンパ関係ないけど。

陽子 そしていよいよ電話から3日後のコンパ当日!!
   お化粧と、自分の部屋の骸骨の磨き上げに時間がかかっちゃったから、集合時間ぎりぎりになってしまいました!

爽雄 ・・・!?何その不穏な動き!?

陽子 いやいや・・・せっかくのコンパで、服も新しいんだから少しくらいおめかししてもいいじゃない?

爽雄 ・・・そっちじゃねえよぉ!化粧に関しては寧ろ合点がいってたって。

陽子 集合場所にはすでに参加メンバーが揃っていたの。
   ミキちゃんは前に会った時よりも黒くなってて、結構お化粧も濃い感じだったんだよね。

爽雄 嗚呼、謎を残したまま話が先に進んでしまった・・・新興宗教かなんかだろうか・・・そんでミキちゃんはギャルなんだ?

陽子 メイクで顔が凄い黒くなってて・・・何て言うんだっけ?ガン黒?黒豚?

爽雄 ガン黒で合ってたよ?変に考えた結果非常に失礼な発言になってっから。

陽子 で、もう一人の女の子が私も初めて会うカナちゃんで、服装とかメイクがミキちゃんと被ってたんだよね。
   ポーカーで言えばワンペア。

爽雄 ほぼ同じって言っていいなそれ・・・事故だね、事故。見分けつかなくなっちゃうよ。

陽子 いや、カナちゃんの体型は黒豚だから大丈夫だったよ!

爽雄 結局黒豚ポジションな人は居たんだ!てか、「黒ギャル・黒豚・迷彩柄」ってすごい女チームだぜ。男チームどん引きだわ。

陽子 まあ、平たく言えば全員森ガールだよね!

爽雄 どう努力しても平たくはならねえよ!努力した所で森は森でもアマゾネスだな。野性味があふれてるって。

陽子 で、男の子チームのうち二人が結構がっちりした体格で、見た感じバーバリアンっぽい。

爽雄 例えに限度を持たせてくれ!せめて人間でっ。

陽子 その二人は仲良しみたいで、女の子チームは二人を「バーバリアン1号・2号」って呼ぶことにしました!

爽雄 女チームに良心はないの?二人とそのご両親に殴られろ!

陽子 もう一人の男の子は眼鏡かけててひょろひょろしてて、女の子チームは彼を「インセクター羽蛾」って呼ぶことにしました!

爽雄 その出会い頭で変なあだ名つける流れ何なんだよ!?

陽子 全員揃ったので、会場に移動する一行。

爽雄 アマゾネス3体とバーバリアン2体とインセクター羽蛾がいるんだよな?
   何だこの図らずも一昔前の遊戯王っぽくなったメンバーは!?

陽子 到着して席について、とりあえず簡単に名前、年齢、趣味、学生時代に力を入れてきたことを順番に言っていくことに!

爽雄 最後の聞いてどうするつもりだよ?

陽子 みんなの順番が終わって、私の番が回ってきたから元気いっぱい自己紹介しました!
   「始めまして!三輪陽子です!21歳の女子大生です!」

爽雄 彼氏いない暦23年って言ったじゃねえか。そもそもミキちゃんはお前が女子大生じゃなくて芸人って知ってるんだろ?

陽子 知ってるけど、ミキちゃんも普段からああいう感じじゃないことを黙っておいてあげたからイーブンなの!
   それに、万が一ばれても「芸人的なボケでしたー!」で済ませられるから!

爽雄 芸人以前に人としてだめな発想っ!

陽子 男性陣が少し食いついてきた所で、さらにアピール!「趣味は部屋の骸骨を磨き上げることです!」

爽雄 あれ趣味でやってたんだ!?自分の部屋で何やろうが勝手だけど少なくともアピールにはなってねえぞ!

陽子 「学生時代に力を入れていたことは、部屋の骸骨を磨き上げることでした!」

爽雄 そこそこ長いな骸骨磨き上げ暦!!大プッシュするほどに夢中になってるのは何故!?

陽子 最初はお金欲しさのためだったけど、気づけば愛着が沸いてくるのよね〜。今となっては内職の一言じゃあ済ませられないな。

爽雄 ・・・磨き上げるの仕事なのか!?その作業でどっから利益が発生するんだか全然分からん!!

陽子 私、趣味を生業にできてます!

爽雄 こいつ漫才は二の次だ!!

陽子 そんな自己紹介の後、乾杯があってコンパが始まりました!最初は、緊張してたのか何か変な空気だったよね、

爽雄 大半はお前の自己紹介のせいだってことに気づけよ。気配り得意っての嘘くせえな。

陽子 でも、そのあとゲームとかで盛り上がったよ?お手玉とかベーゴマとか。

爽雄 コンパで嗜む遊びじゃねえぞ!?それでよく盛り上がれたもんだ。

陽子 そんな楽しい時間の中、事件が起きました!何と、黒豚ちゃんがカナを喉に詰まらせてしまったのです!共食いが生んだ悲劇!

爽雄 てめえ友達無くすぞ?カナちゃんと豚を間違えんなよ。

陽子 周りがパニックに陥る中、私は冷静にカナちゃんの喉から豚をかき出して、気道を確保!一命は取り留めました。

爽雄 なんかどっかで聞いたことのある流れが・・・人の気道を確保する機会ってそんなにないと思うんだけど・・・。

陽子 っていうか、最近気道を確保した相手って言うのがカナちゃんだからね?

爽雄 あのエピソードの現場ここかよ!点が線になった・・・。    ん!?カナちゃん70歳なの!?何でそんなばあさんがコンパに紛れ込んでるんだよ!?

陽子 いや、端から見たら私が紛れ込んでいるように見えてたと思うな〜。

爽雄 周りがじいさんとばあさんだらけかぁ!!
   アマゾネスのばばあかよ!!
   インセクターじじいかよ!!!!
   じじいなのにバーバリアンかよぉ!!!

陽子 で、無事にコンパは再開!ゴム飛びにチャンバラ・・・楽しかったなぁ〜・・・。

爽雄 遊びに世代が出てるのそのせいかぁ!!だったとしても屋内での飲み会でチャンバラやるなや!

陽子 ただ、羽蛾くんは具合が悪くなった・・・あ、ライフポイントがゼロになったので帰宅しました!

爽雄 別に遊戯王要素からめなくていいわ!!そんで年配の方にライフポイントって言うのシャレにならん!

陽子 で、ミキちゃんに、「2対3じゃあやりづらいから、若くてカッコいい男の子呼んで」
   って、壁にかけてあった鎖つきブーメランを片手にお願いされたんだよね。

爽雄 お願いじゃなくて脅迫じゃねえか!?っていうかそんな凶器が壁にかけてある事に疑問を持てよ!!

陽子 私も慌ててスマホの電話帳開いて、電話してみたんだけど・・・爽ちゃん、何で出てくれなかったの?

爽雄 ・・・確認するけど、そのコンパっていつやったんだ?

陽子 先週の土曜日だよ!

爽雄 土曜日の僕への変な電話それかぁ!!!そんなお手玉とかベーゴマやっちゃうシルバーコンパに巻き込もうとするなよ!!

陽子 爽ちゃんの家の近くの老人ホームでやってたからすぐに来れると思ったんだよ〜。

爽雄 コンパ会場老人ホームかよ!!?コンパやるなって言うか鎖つきブーメランが壁にかけてある老人ホームって何なんだよ!!!

陽子 しかも、「相方に電話したけど出ないです」って言ったら、「陽子ちゃん彼氏持ちかよ!」って誤解されちゃったんだよね。

爽雄 相方がそういう意味で捉えられてたか・・・僕としては本当の意味での相方としても自信なくなったわ!

陽子 と、言うわけで残念ながら彼氏はできなかったんだよね〜。

爽雄 相手メンバーには悪いけど、できなくて良かったと思うぞ?知り合ったきっかけが気になるし・・・。

陽子 何で〜?もしかしたら一生をともにする相手に出会えていたかもしれなかったのに!

爽雄 相手の年齢考えたらそんなに長い時間一緒にいれねえと思うわ・・・。
   てか付き合っても「どうせ保険金目当てだ」って言う疑惑を浴びる羽目になるし。

陽子 でも、失敗ばかりじゃ無かったよ?次の日に当たった100万円を換金しに行ったしね!

爽雄 ・・・宝くじ当選してたぁ!!神頼みがこっちに働いてた!!

陽子 ・・・っていうコンパだったのね。私の魅力もまだまだ足りてないと思ったのよね〜。

爽雄 魅力云々の問題じゃねえぞ!?
   まあ、平気で歳とか職業を偽ってたのと、独特すぎる趣味は問題だけど・・・。

陽子 そっか!じゃあ次のコンパの機会が来るまでにより一層骸骨を磨いておこうと思います!

爽雄 女を磨けよ!大概にしろ。

二人 どうもありがとうございました。

予選総合第17位(準決勝敗退) バニーガール
審査員
点数
60 64 86 65 46 75 平均66.00
【審査員コメント】
・バニガは日に日に天体観測に近付いていってますね。そのうち陽子ちゃんパンチとかやり出すんじゃないすか。
 オーソドックスな語りネタながら、序盤の伏線を丁寧に回収しているのが好印象でした。
 全員老人とか土曜の電話とか、ボケの再利用の仕方としては理想的なんじゃないでしょうか。
 ただこういったネタにありがちなんですが、前半の単体のボケがやや弱かったかなと。
 なんかダラダラ展開してしまった印象だったため、一発引き締まるような展開やボケが欲しかったです。
 「黒ギャル・黒豚・迷彩柄」はリズムが良くてめっちゃ気に入りました。
   
・周りがジジババは爆発力あったなー。
 終盤にどんどん点と点が繋がって線になっていく展開はさすが熟練の技と言ったところでしょうか。
 ただ、周りが高齢者だと遊戯王のあだ名をつけてところと整合性がとれなくなってしまうような…。
 周りのキャラが濃過ぎて、陽子さん自身の森ガールや骸骨といったおもしろ個性が弱く見えたので、
 陽子さんの個性を強くしたボケで中盤まで引っ張り、終盤に伏線回収で捲る形にするのはいかがでしょうか。
   
・ベタな題材で、ありがちなボケがありながらも後半に回収したりまとめたり、一貫したテーマのボケがあったりとかなり面白かったです
 「骸骨磨き」「鎖つきブーメラン」辺りが特に好きです
 後半へのフリながらも自己紹介までのくだりはそこまでだったかなー、と。
   
・おお、上手い。
 確かに構成は上手いですけどちょっとそこで止まってしまったのが
 惜しいところです。ボケのパンチがやや弱いというか。
 後半のあの展開にいくまでにもうちょっと引き込めれば
 凄いネタになったろうなと。
   
・深夜の電話だったり気道確保だったりと構成的に色々な仕掛けがあってうまいと思いました。
 でも、それらの仕掛けのための布石は単体ではそれほど面白くは無くて 回収したところでも うまいと思うに留まってしまった感じです。
 笑うには弱かったかぁと。
   
・土曜夜の電話とか宝くじとか、予想外ののところに伏線が張られていたのが上手いなと思いました。
 ボケは決して強いわけではないのですが、なんとなく目新しい見せ方のボケが多くて好感が持てました。
 コンパの事故昇華知恵で「学生時代に力を入れてきたこと」ってボケはすっごい使いたいです。
 

Rゲート
No.034 天体観測
貴婦人
ミヤ:ミヤちゃんぱ〜んち!!

 翔:ぐへあっ!
   おい! いきなり何するんだよ!

ミヤ:私は……私は生まれ変わるわ!

 翔:おいおいどうしたんだよ。昨日はどんな物を拾い食いしたんだい?

ミヤ:失礼な事言わないで! 私は今日から貴婦人になるのよ!

 翔:意味わかってて言ってるのか!?

   お前、婦人じゃないじゃん。今も、そしてこれからもさ

ミヤ:貴婦人になる為にはとりあえずパンチでも磨いておこうかと思って

 翔:それでいきなり殴ったのかよ。それは貴婦人じゃなくて理不尽だからな。よく覚えておけよ

   大体いきなりなんでそんな事言うんだよ?

ミヤ:実はね、昨日私は道路をキョロキョロしながら歩いていたの。なんか食べ物が落ちてないかなと

 翔:やっぱり拾い食いしようとしてたんじゃねーか! そんな貴婦人いねーよ!

ミヤ:すると白神山地の奥に一冊の本が落ちていたのよ

 翔:どこまで食べ物求めてさまよっているんだよ! 青森県まで行く脚力が凄い!

ミヤ:それでまぁ……パクっと

 翔:食べるな食べるな! そんなに腹減ったのかよ! もはや人としてどうなんだ!

ミヤ:だけどあまりにも美味しくないのよ。慌てて表紙を見たら

   「やくみつるとムー大陸の奇妙な共通点」っていう本だったの。道理で美味しくないはずだわ

 翔:別に料理本だって美味しくないからね!? あくまでも紙とペンだから!

   それと何その本!? すげー興味あるんだけど!

ミヤ:それでまぁ、貴婦人になろうと

 翔:おい! 突飛な発想すぎだろう! その思考回路どうなってるんだ!

ミヤ:でもさ、貴婦人ってどうやったらなれるんだろうか?

 翔:身分の高い男性と結婚してください。本を拾い食いするような方は無理だとは思いますけど

ミヤ:明日結納します。相手はこれから見つけてきます。ゲーセンとかで

 翔:多分いないと思いますけど頑張ってください。あなたが貴婦人になれるように応援していますから

ミヤ:やったー! きっふっじん! きっふっじん! 翔ちゃんが思い描く貴婦人のイメージといえば!?

 翔:落ち着きなさい。はい深呼吸して

ミヤ:ぽぺー! ぽぺー! ぽぺー!

 翔:独特の深呼吸だこと。う〜ん……そうだなぁ。貴婦人といえばダンスパーティーとかかな?

ミヤ:ダンスぅぅぅぅぅぅぅ!?

 翔:そうそう。お前が飲み会で酔った時に披露するコサックダンスとかじゃないからな

   貴婦人といえばワルツかな

ミヤ:ワルツぅぅぅぅぅぅぅ!?

 翔:そうそう。あとオレの好きなアイスはパピコな

ミヤ:パピコぉぉぉぉぉぉぉ!?

 翔:チゲ鍋スプラッシュマウンテン

ミヤ:チゲ鍋ぇぇぇぇぇぇぇ!?

 翔:お前人の話聞いてないだろ

ミヤ:あっ、ごめん。客席に白目を剥いている織田無道に似ている人がいて、それに夢中だったから

 翔:ちゃんと人の話は聞いてろよ。あと楽屋に戻ったらその人がどこにいたか教えろよ

ミヤ:やっぱり私にはダンスは無理よ! ドレスなんて柄じゃないもんね

 翔:そうですね。ドレスというよりはカラスに似ていますし

ミヤ:よし! 婚活しよう! 目指せ玉の輿! トンカツ食べてコンカツ! ガッハッハ!

 翔:おっさんじゃねぇか。どの角度から見てもおっさんじゃねぇか 

ミヤ:で、婚活って何をすればいいわけ?

 翔:お前何にも知らねぇな! 今は結構身近な場所で婚活パーティーとかもやってるみたいだよ

ミヤ:チゲ鍋ぇぇぇぇぇぇぇ!?

 翔:言ってねぇよ! お前の耳はどうなっているんだ!

ミヤ:あたし、そういう場所に行ったことないからいざ行ってみたら緊張しちゃうかも! よし! 今日はこの場を借りて練習しよう!

 翔:その漫才のテンプレみたいな台詞はやめろ

   でもまぁいいですよ。じゃあオレはその辺でブラブラしてるから話しかけてみてよ

ミヤ:OK! 頼むぜブラジャー!

 翔:急にアメリカン。そして多分ブラジャーじゃなくてブラザー。急に下着の話をされても困っちゃうよ

ミヤ:あのぉ〜……

 翔:おっ、マイペース。はい、なんでしょうか?

ミヤ:どうして全裸なんですか?

 翔:オレクズかよ! ブラブラってそういうことじゃねーんだよ! ちゃんとスーツ着てるから!

ミヤ:あのぉ〜……

 翔:はい、なんでしょうか?

ミヤ:あの〜…その〜……スーツですねぇ。いやぁ……スーツだ……うん。とってもスーツですねぇ……

 翔:口下手か! なんだよ「とってもスーツ」って! ちょっとドラえもんの秘密道具みたいじゃねーか!

ミヤ:ダメだ! どうやって話しかければ良いのかわかんないよ!

 翔:しょうがないなぁ。そういう時はやっぱり趣味の話だね。ミヤさんの趣味は何でしたっけ?

ミヤ:カピパラの物まねです      

 翔:出直してこい。でも面白そうだからちょっと披露してみ

ミヤ:ぽぺー! ぽぺー! ぽぺー!

 翔:さっきの深呼吸じゃなくてカピパラの物まねだったんだ! なんであのタイミングでやったんだろうか! 

   あと 似 て な い!!!

ミヤ:あとはこれを趣味って呼ぶのかはわからないけど、読書も一応趣味かな

 翔:カピパラの8000倍素敵な趣味じゃねーか。よし、読書が趣味ってことでそれを起点に会話を盛り上げよう

ミヤ:あのぉ〜……

 翔:はい、なんでしょうか?

ミヤ:読書! 読書! 読書! 読書!

 翔:よし黙れ。すぐに反省会を開こう。なぜこんな事をしようとしたんだ?

ミヤ:な、なんとか会話をしようと……

 翔:初対面の人間にあんな話しかけ方したらみんな逃げるに決まってるだろ? よし、そこを踏まえてもう一度やってみよう

ミヤ:あのぉ〜……

 翔:はい、なんでしょうか?

ミヤ:実は私、本が好きなんですけど〜……

 翔:まぁ不器用だが気持ちは伝わるだろう。じゃあそのまま続けよう

   えっ、そうなんですか! 実は僕も読書は好きですよ! 

ミヤ:あっ、すいません。私は食べる専門なんで……

 翔:そんな専門ねーよ!! なんだお前は! ビックリ人間か!!

ミヤ:タイの調味料のナンプラーをかけて食べるのが好きです

 翔:味付けが独特だな! そうじゃなくてちゃんと読書する人間になれ!

ミヤ:あなたも読書が好きなんですか! 奇遇ですね!

 翔:そうですね! どんな本を読むんですか? 僕は結構SF作品が好きなんで浅田次郎とかをよく読むんですよ〜。あなたは? 

ミヤ:私は「やくみつるとムー大陸の奇妙な共通点」なんかを愛読してますね

 翔:そうですか。ばーか

ミヤ:朝青竜の右耳を持ってくるとムー大陸の秘密の入り口が開くらしいですよ

 翔:グロいわ

ミヤ:あっ、そうだ。もし良かったら今度の日曜日に朝青竜の右耳狩りでも一緒に行きませんか?

 翔:そんなデンジャラスな誘いに乗ってたまるか! せっかくデートするなら映画館とかにしなさいよ!

ミヤ:今度の日曜日に映画なんてどうでしょうか? SM作品がお好きなんですよね?

 翔:SF! サイエンスフィクション! 一文字違うだけでこんな大変なことになるとは!

ミヤ:もし良かったら朝の4時半に……

 翔:朝が早いよ!! 老人か!!

ミヤ:それでは朝の10時に。白神山地のハチ公前に

 翔:白神山地にハチ公は存在しない! ってか待ち合わせが白神山地て!!

ミヤ:よし、これでシミュレーションは完璧ね。デート⇒結納⇒貴婦人。よしパーフェクト!

 翔:その計画が成功する部分が一つも見つからねぇよ。もうダメだ

ミヤ:これで私も貴婦人の仲間入りね!!

 翔:貴婦人というよりは貴腐人だな

予選総合第12位(準決勝敗退) 天体観測
審査員
点数
89 63 90 72 49 65 平均71.33
【審査員コメント】
・オチが上手いこと言ってるようでわけわかんないこと以外は非常に完成度が高かったです。
 「ぽぺー!」「チゲ鍋スプラッシュマウンテン」など前半はインパクトあるフレーズでひきつけ、
 コントに入ってからは天丼もあり、「とってもスーツ」のような新規のワードもありで隙がない。
 ボケの使い方、キャラの扱い方、全てを掴んでないと書けない漫才だと思います。
 あえて言うなら「やくみつるとムー大陸」「ブラジャー」などはあざとさを感じてイマイチでした。
 また「貴婦人」という設定をもう少し活かしてほしかったです。もっと弄れるテーマだと思うので勿体無かったです。
 それでも、間違いなく面白い漫才を堪能させて頂きました。オチはわかんなかったです。
   
・あくまでも紙とペンだから! ←???
 作者の意図してないところでのボケが一番面白かったです。紙とインク、だよね……?
 さて、内容ですが、貴婦人の意味あったのかなぁ……。
 貴婦人らしいくだりがダンスとワルツだけで、あとは直前のバニガといっしょで「恋人が欲しい」で事足りそうなんですよね。
 貴婦人らしさを出したボケが足りないので、もっとダンスやワルツのような貴婦人さを交えた展開が見たいです。
 現状でもチゲ鍋ぇぇぇぇやぽぺー!は勢い十分で笑いがとれるので、その完成された土台の上に貴婦人要素を乗せると、
 今度こそ貴婦人漫才が出来上がります。
   
・「チゲ鍋スプラッシュマウンテン」までの四段オチでめちゃくちゃ笑いました。崩し方が絶妙
 毎度のごとくテンポが絶妙で、前述のようなバカみたいなボケがスッと入って来るのがいいですねー
 なんだか分量的に物足りない感じが今回はありました。もっと見たいっていうのはいいことなんですが
   
・浅田次郎ってSF作家かなあ。まあそれは置いておきまして(笑
 ボケを自由にさせすぎかなあと気になります。
 ボケの質自体は良いんですけども。
 もう少しツッコミに軌道修正させてあげればよかったのでは
   
・「ブラブラってそういうことじゃねーんだよ!」「SM作品」あたりは良かったんですが、全体的にはボケが軽くて淡白なネタという印象でした。
 気軽に読めるような良さと安定感はありますが、読んでいて琴線に触れるような面白さは見受けられなかったかなと。
   
・<チゲ鍋ぇぇぇぇぇぇぇ!?>
 ついに出オチで使ってきましたねw
 一つ一つのやり取りはさすが洗練されてるなぁとは思うのですが、
 設定「貴婦人」と、今回のミヤさんのキャラ・言動がただただ遠く、大きな笑いにはなりにくかったです。
 (歌姫さんとかだとデフォルトでちょっと貴婦人っぽさがある分、笑いになりやすかったのかなぁとか思わないでも無いですね。)
 ボケやすさだけでなく、何か設定を上手く利用した笑いが取れると良いんですけどねぇ。
 </チゲ鍋ぇぇぇぇぇぇぇ!?>
 

Rゲート
No.035 XENOGLOSSIA
恋愛マスターたるこのわたくしのお話をお聞きなさいなー!
歌姫:ごきげんよう! XENOGLOSSIAの六川歌姫ですわ!

寛子:うふふのふー。XENOGLOSSIAの七瀬寛子ですよー、っと。

歌姫:突然ですけれど、寛子さん! わたくし、恋の相談を受けてみたいんです!

寛子:お前に相談をするくらいなら、ヤフー知恵袋に相談するわ。

歌姫:というわけで寛子さんは、わたくしに恋の相談をする悩める子牛になってくださいな!

寛子:子牛じゃドナドナになっちゃうだろ。仔羊な。
   まあ、言われた以上は、仕方ないからやってやるけどさ……。



歌姫:あー! どなたか、このわたくしに、恋の相談をしてこないものでしょうかねー!?
   恋愛マスターたる、この、ぅわたくしにっ!

寛子:うわ。なにこの挙動不審なハイテンション女。
   声かけづりぃ〜……けど、あんだけ大声で言ってるってことは、やっぱり相当凄腕の恋愛マスターなんだろうな。
   あの……すいません。

歌姫:なにかしら!? あら、その顔は恋の相談をしたくてしたくてたまらないという顔ね! わかるわ!

寛子:どんな顔だよ。
   ……いや、実はですね、寛子、好きな人がいるんですよ。

歌姫:ええ、そうでしょうね。好きな人がいないのに相談をされても、恋愛マスター困っちゃうわ!

寛子:うっせーな、話の導入部なんだから引っかかってんじゃねーよ。
   で、ちょっとお話聞いてもらいたいなって思ってるんです。
   ……ぶっちゃけ今もうちょっとだけ、あなたに話しかけたの後悔してるんですけど。

歌姫:よろしくてよ!
   じゃあとりあえず一旦この樹から降りましょうか!

寛子:寛子どこで話しかけてたんだよ。
   そしてお前もお前で、なんで導入部で樹の上に立ってたんだよ。

歌姫:よい……しょ、と。あ、骨が。
   さあ、じゃあさっそくお話をお聞きしましょうか!

寛子:今骨とか言ってたけど大丈夫か?
   で、ええと……ですね。実は自分、学生なんですけど、同じクラスに好きな人がいるんですよ。

歌姫:(うん、うん、わかるわ、みたいな表情で頷いてる)

寛子:で、ちょっと最近そいつのことが好きすぎるんで、告白しようかなと思ってるんですけど。
   どうすかね?

歌姫:(うん、うん、と頷いた後)そんな男、別れちゃいなさいな。

寛子:お前、人の話聞いちゃいねーな?
   別れちゃいなさいな、じゃねえよ。そもそも付き合ってすらいねえんだよ。

歌姫:あら、意気地無し。

寛子:ぶっ飛ばすぞお前。

歌姫:なるほど、それでどういう風に告白をしたらよいのか……ということを、この拝啓恋愛マスター敬具に尋ねたいと。

寛子:ええ、まあ、そういうことです……。なんで自分に手紙出したんですかね。

歌姫:そう、手紙! あなた良いこと仰いました! 告白をするにはラブレターが一番!

寛子:しまった。単なるしょーもない小ボケかと思って構ってやったら、話を誘導しました感出させちまった超悔しい。
   で、ラブレター? いや、でも寛子、手紙とかの作法とか知らないよ……。

歌姫:大丈夫! 簡単ですよ!
   わたくしの言いなりになってお書きなさいな!

寛子:言いなりて。多少の自由はくれよ。

歌姫:ではまず宛名ですね。ここでは仮に、温水洋一様宛といたしましょうか!

寛子:やだよ。たとえ話でもあんなハゲ散らかしたオッサンにラブレター送りたくねーよ。
   相手の名前は……明久ってえの。

歌姫:では文頭に『Dear My 明久』と書きましょう!

寛子:いきなり『お前はわたしのものだ』宣言? 重くね?

歌姫:大丈夫! よく言いますでしょう? 恋と体重は重い方がいいって!

寛子:言わねえよ。恋も体重も軽すぎず重すぎず適度なくらいがちょうどいいよ。

歌姫:そう! わたくしはそれが言いたかった!

寛子:だとしたらお前の言語機能は壊滅的なまでにアウトだよ。

歌姫:宛名を書きましたら、次に思いの丈を文章にして綴ります!

寛子:思いの丈を文章にって……一体どうすれば……?

歌姫:そうですね。例えば、『ラーメンは味噌より醤油派!』ですとか!

寛子:恋はどこいった。

歌姫:これを見た殿方は、『僕と同じ嗜好! キュン!』と!

寛子:ラーメンの趣味が同じなだけで恋に落ちるなら、全国のラーメン屋で合コンが開かれるわ。
   じゃなくてさ……もっとこう、『好きです!』みたいなことをアピールした方がいいんじゃないですかね。

歌姫:ラーメンが好きです、と。

寛子:もうお前ラーメン屋巡って食べログに投稿する人になれよ。そんなにラーメン好きなら。

歌姫:わたくしは恋愛指南をする人になりたいと言いましたでしょう!

寛子:ならちゃんとやれよ。お前の言ってることいちいち真面目に聞いてたら、恋愛が至難の道になるんだよ。

歌姫:まぁ、とりあえず手紙には『好きです』と書くとしまして……。

寛子:そんな居酒屋でとりあえずビール頼むテンションで、核心を書かせんなよ。

歌姫:次に、好きになったきっかけを書きたいですね! なんですかしら、ホームベーカリーで焼いたら明久さんができたとか!?

寛子:そのきっかけで恋愛感情が発生するなら、ジャムおじさんはアンパンマンが好きみたいになっちゃうだろ。
   じゃなくて、寛子が傘を忘れた時に、自分の持ってた傘を貸してくれたのが、きっかけ。

歌姫:まあ! 素敵な殿方! じゃあ、それを手紙に書きましょうよ!
   あなたのビニール傘に恋をしましたと!

寛子:寛子、ビニール傘に恋しちゃってるじゃねえかよ。
   お前、日本語の繋げ方へたくそか。

歌姫:何を言いますか。わたくしこう見えてもソリティアが上手いんですのよ。

寛子:そういうところが、日本語の繋げ方へたくそだっつってんだろうがよ。

歌姫:それでそれをきっかけにして明久さんを意識し始めたあなたは、明久さんの傘を見るたびに想いを募らせていったと!

寛子:否定はできないけど、そういう表現されると梅雨が明けたら想いが冷めてきそうでなんか嫌だな。

歌姫:そうしましたら次は、自分の良さをアピールします!
   自分はこういう人間ですと、殿方にちゃんと伝えて、自分という人物像をわかってもらうんです!

寛子:急に妥当なアドバイスをするなよ、ビックリしちゃうだろ。

歌姫:例えば貴方なら……『煙い』ですとか!

寛子:人を評する際に出てくる言葉が『煙い』ってなんだよ。なんか喫煙者みたいだろ、学生だって言ってんだろ。

歌姫:あとは……『懐かしい』!

寛子:人を評しているとしたら、それもう完全に褒めてる雰囲気じゃないよね。古くさい顔みたいな感じだよね。

歌姫:あとはもう適当に『人間です。腕が8本あります。』とか書いておいたらいいんじゃないかしら。

寛子:人間とか急に紹介が雑になったと思ったら、いきなりビックリ人間にするのはやめてくれよ。

歌姫:『どんな人なんだろう?』ってワクワクしてもらえますよ?

寛子:ワクワクされたとしたらされたとしたで、実際会った時の幻滅が激しそうだからやめてくれよ。

歌姫:そうしましたら最後に、『わたしと付き合ってください』と言葉にするんです!

寛子:なるほど……。よし、これでなんとかラブレターができたぞ。
   帰ってこいつの居ないところで死ぬほど推敲するけどな。

歌姫:そうして今のラブレターを推敲して生まれたのが『恋空』ですのね!

寛子:んなわけねーだろ。明久くん末期ガンじゃねえよ。

歌姫:さあ、それじゃあ、その完成したラブレターをいよいよ渡しますわ!

寛子:そ、そうか。渡さなきゃいけないんだもんな……。どうやって渡せばいいんだろう。

歌姫:そうですね……。やはり定番は、殿方のビックリ箱の中に入れておくとかですね!

寛子:どこの定番なんだよ。なに、さも校内に男子用ビックリ箱が常備されてるような口振りなんだよ。

歌姫:開けると、あらびっくり! そこには朝履いてきた靴が!

寛子:下駄箱だな。見紛うことなく下駄箱だな。
   なんでお前目線の男子は、朝自分で靴をしまった箱を開けて自分でビックリしてんだよ。

歌姫:とにかくそこにラブレターを叩き込みます!

寛子:もっと静かにやらせろよ。

歌姫:すると烏がどこからか飛んできて、今入れた手紙を取り出し、くわえて飛んでいきます!

寛子:は?

歌姫:そう、この烏が、殿方へラブレターを届けてくれるんですのよ!

寛子:なにその届き方?
   寛子が思ってたのと違う。え、なにこれ。烏匠?

歌姫:そうして殿方の元に烏が飛んでいき、手紙が届きます!
   『うわなんだこれ!? 烏!? うわ烏がめっちゃ来た! 百羽来た!』

寛子:ちょっとした事件じゃねえか。新聞の地方欄、載っちゃうだろこんなの。

歌姫:そうしてラブレターを読んだ殿方は、

寛子:まず無事にラブレター読めてるのかその状況で本当に?

歌姫:わたくしと付き合い始めるようになる、と!

寛子:うん。…………え? は?

歌姫:他人の恋すらも計らずとも横から奪ってしまう!
   だってわたくしは美しき女性!
   そう、何もせずとも殿方が恋に落ちてしまう、恋愛マスター! なのですから!

寛子:お前の恋愛マスターって、そういう意味だったんかいっ。
   もういいわ。つきあってられるか、ぼけっ。

歌姫:では続いてわたくしの結婚マスターとしての一面も見ていただきたく、

寛子:それも恋愛マスターとオチ一緒だろ! もういいっ。
   というわけで、寛子と、

歌姫:歌姫の、

2人:単なる雑談、おしまい。ありがとうございました。

予選総合第26位(3回戦敗退) XENOGLOSSIA
審査員
点数
46 49 73 68 59 58 平均58.83
【審査員コメント】
・決して悪い出来ではないんですが、どうもハマりきることが出来ませんでした。
 「あ、骨が」「明久くん末期ガンじゃねーよ」など単発の良質なボケは所々にあったのですが、
 それ以上にジャブ程度の威力のボケが多すぎて、良いフレーズに浸る前に押し出されてしまった感じでした。
 ラーメンとか煙いとか、大したボケじゃないところに限って行数を使ってる辺りが惜しいなぁと。
 質より量のスタイルは清々しくて嫌いじゃないんですが、キャラの強さも相まってネタを散漫にしてしまった感じです。
 キャラは完成を越えて洗練されてるので、ネタのまとまりをもっと意識すると全ての要素が活きるはずです。
   
・骨、ラーメン、ソリティアとポイントポイントには良いボケが見られました。
 しかし、ラブレターを書くくだりや渡すくだりで見ると、山場と言えるような箇所はありませんでした。
 上記にいくつか挙げはしましたが、全体的にフレーズの弱さが目立ちます。
 コレ!という押しワードや設定を決めて、ネタに特色が欲しいところです。
   
・恋愛相談を受けるって設定ならわざわざ漫才コントにしなくともと思いつつ
 歌姫さんの全力で人の話聞かないスタンスが面白いなあ、もはや安定感がある
 途中で「恋愛マスターになりたいと言ったでしょう!」とかコントから離れたような発言があったところでちょっと冷めたりしました
 キャラがしっかりとあるんで余計なメタはこのネタにはいらないかなあ、と
   
・ちょっとオチへの導入が強引かなあと
 後は序盤のボケがやや小粒だったのが惜しい所
 ホームベーカリーの当たりからエンジンがかかってきた感じです
   
・笑うか笑わないかのラインをちょいちょい越えてくるカンジでした。
 具体的には「子牛じゃドナドナになっちゃうだろ」「樹から降りましょうか」「そんな男、別れちゃいなさいな」「ソリティア」らには突破されました。
 しかし、他は一歩二歩及ばずで、ゴールデンゴージャスの人ならもっとふざけられるんじゃないかという思いです。
   
・全体的には歌姫さんの言語機能が破壊的だったりして安定感はあったのですが、
 歌姫さんのキャラ以上に面白かった、と言える部分があまり無かったのが惜しいです。
 単純に、「ラブレターのアドバイス」というお題の下でのボケがそうでもなかった感じです。
 
 「一旦この樹から降りましょうか!」←面白かったのですが、何故か歌姫さんっぽくない感じもしました。
 

Rゲート
No.036 ライジングブルー
5・7・5狂詩曲
青澤:どうもよろしくお願いします。 いきなりなんですけど、最近はまってるものがありまして。
   俳句にはまってるんですよ。 だから今日はあなたにも俳句に興味を持ってもらいたいと思ってね。

昇川:俳句ですか? でも、なんかこう俳句って高尚で手を出しづらい感じがするんですよね・・・

青澤:いやいや、そんなことないですよ。 若い人でも俳句を趣味にしてる人ってたくさんいるんですから。

昇川:それに俳句ってあれじゃないですか、いろいろルールがあったりするでしょう? 5・7・5で字数が決まってたりさ。
   あとあれでしょ、なんか必ず入れなきゃいけないものがあるんでしょ?

青澤:はいはい、確かにそういうルールもありますね。 でもそういうルールがあるからこそ趣が出てきたりもするのよ。

昇川:何を入れるんだっけ? スポンサーだっけ?

青澤:スポンサーじゃねぇよ! 俳句にそんなビジネス的な要素ないわ! 「季語」だよ「季語」!

昇川:ああ、そうかWEGOかぁ

青澤:WEGOじゃねぇよ季語だよ! 具体的なスポンサーみたいなの出してこなくていいから!

昇川:季語ね。 それにしてもやっぱり俳句ってややこしいわ〜

青澤:そんなことないって。 あなたも俳句やってみましょうよ。

昇川:いや、俺は遠慮しとくわ。 まずそもそも今日は漫才をしに来てるんですから俳句の話はここらへんにしときましょ。
   話を変えさせてもらってもよろしいですか?

青澤:俳句ダメですか。 まあしょうがない、気を取り直して話題を変えますか。

昇川:別の話題で行きましょう。 それで最近思うんですけど、極限の状況でどう行動するかっていうのは非常に大事なことですよね。

青澤:大事だね。 やっぱり災害のニュースを見たりするといろいろ考えさせられることもありますし。

昇川:そうだよな。 そこで自分なりに極限の状況って何だろうかと考えてみたんだけど、
   パッと思いついたのが無人島でのサバイバル生活ね。 だから今日はそういう時のシミュレーションをやってみましょうよ。

青澤:あー、映画とかでよくあるやつね。 わかりました。



青澤:「ちくしょう、この島に流れ着いてもう3日。 たまたま仲間が持っていた食料もいよいよ尽きてしまった・・・
     なんとしても何か食べるものを探し出さないとみんな飢え死にしてしまう!」

昇川:「柿食えば?」

青澤:「え?」

昇川:「いや、さっき山の方に食料探しに行ったら偶然にも柿の木が生えててさ。 柿がたくさんなってたのよ。 だから『柿、食えば』」?

青澤:「そ、そうだったのか。 あ、ありがとな。」

昇川:「(ゴーン ゴーン)」

青澤:「ん? この音は一体なんだ?」

昇川:「これ? いや、さっき食料探しに行った時にかつてこの島に暮らしていたと思われる住民が使っていたらしき鐘が見つかってさ。
     だから試しに仲間にその鐘を鳴らさせてみたのよ。」

青澤:「な、なるほど、そうなんだ。 確かに大きな音が鳴るものがあると助かりやすいかもな。」

昇川:「・・・お、おい! あれ見ろ! 遠くに船が見えるぞ!」

青澤:「何だって!? 本当だ! これは助かるチャンスだぞ!」

昇川:「やった! 鐘が鳴るなり船が来たぞ! 『鐘が鳴るなり』! 鐘が鳴るなり来たぞ!」

青澤:!?

昇川:「よし、気づいてもらえるようにもう1回鐘を鳴らしに行くぞ!」

青澤:いやちょっと待って! ちょっと待ってもらっていいかな! ちょっと気になることがあるんだけど!

昇川:どうした! 早く船に気づいてもらわないと・・・

青澤:もはやそれどころではないよ! ・・・お前、俳句、結構好きだろ!?

昇川:はぁ!? 何のことだよ!? 俳句の話はさっき終わりにしたはずだろ!

青澤:そうだけどだってお前、さっきからセリフにちょくちょく名作俳句のワードが混じってるから! 

昇川:そんな、ただの偶然に決まってんだろ! いいから無人島のくだりの続きをやるぞ。

青澤:偶然・・・なのかなぁ。 まあいいや、続きやりましょう。

昇川:「・・・よし、鐘を鳴らして船に助けを求めないと。 『法隆寺』、もう1回鐘を鳴らしてきてくれ!」

青澤:うぉい! ストップストップ! はい最後のキーワードいただきました! ビンゴです!

昇川:まだ言ってんのか! なんなんだよもう! 何がビンゴだよ! これじゃあ話が進まないだろうが!

青澤:だってビンゴじゃん! 正直に言えよ! お前俳句好きだろ! じゃなきゃこのタイミングで法隆寺なんて出てくるわけねぇもん!

昇川:それは、たまたま俺らの仲間に法隆寺っていう名字の人がいただけじゃんか!

青澤:どんなたまたまだよ! 法隆寺なんて名字初めて聞いたわ! 認めろよ、狙ってるんだろ!?

昇川:お前マジでいいかげんにしろよ! お前だけだぞそんな興奮してるの! 

青澤:でも俳句がビンゴしたのは事実じゃん! 「柿食えば 鐘がなるなり 法隆寺」だぞ!? これが偶然だとでも言うんか!?

昇川:偶然だよ! お前一回落ち着けよ! 一人で興奮しやがって!
   ほら、見てみろよお客さんの表情を! このお客さんの『閑(しず)けさや』!

青澤:・・・ん!? ん!? これはまさか!?

昇川:とにかくこうなったらまた話を変えて仕切り直そう。
   僕、お宝を鑑定してもらう番組に出てみたいんですよ。 だからあなたは頭を切り換えてその番組の司会者をやってください。

青澤:お、おう! ここはいっちょお前の言う通りにやってみるべきなのか!? それが疑惑を解明するための近道なのか!?
   「・・・それでは昇川さん、あなたのお宝はなんですか?」

昇川:「はい、こちらになります。これは家に先祖代々伝わる大きな岩なんです。
     高額な物だと思うんですけど、ちょっとここの部分にシミがあるんですよね・・・
     岩にシミがいるのが気になるんですよね・・・ 『岩にシミいる』のがなぁ・・・」

青澤:おっ、来た来た! リーチ来ました! ただこれに関してはものすごい強引な感じがする! なんか無理矢理感がすごい!

昇川:おい、集中しろよ! 何また騒いでんだよ! いいから続けるぞ!
   「どうですかね? 何円ぐらいになりそうですか?」

青澤:ご、ごめんごめん。 続ければいいんだな。
   「はい。 それでは早速、鑑定士の方にうかがってみましょう。」

昇川:「お願いします。 どうですか鑑定士さん」

青澤:「さあ、いかがでしょうか鑑定士の蝉川さん?」 「・・・ミーンミンミン・・・」

昇川:『セミの声』!? 鑑定士かと思ったらなんでセミの声なんだよ!? いくら蝉川っていう名字だからってセミの声はおかしいd・・・

青澤:チェックメイトーッ!! ビンゴをいただきました! これは嬉しい!
   何が嬉しいって最後のキーワードを俺がアシストして導いたことね! これは気持ちがいい! 達成感がある!

昇川:一人で何言ってんだ!? 何に対して気持ちよがってるんだよ! 俺の発言を遮ってまではしゃぎやがって、バカにしてんのか!?

青澤:バカにしちゃいないよ! むしろ今のに関しては俺はお前に感謝されてもいいくらいだよ! 
   俺がアシストしなかったら「セミの声」なんて流れ上絶対出てこないからな! ほら、ひざまづいて俺に感謝しな!

昇川:なんでひざまづかなきゃいけないんだよ! 大体流れって何の流れだよ!
   それにそもそもお前ツッコミだろ! 何で急にツッコミのお前がセミの声とかボケを入れてきてんだよ!

青澤:もはやツッコミどころではないんだよ! はっきり言って俺はもうこの突如始まった俳句ゲームに快感を覚えているよ!
   もう待ちきれないよ! 体中がお前の放つキーワードを欲しているよ! 我慢ができないよ!

昇川:いいかげんにしろ!! お前のせいで話がめちゃくちゃで全然進まないよ、このアホ! バカ! 『やせ蛙』!

青澤:・・ん、おおーっ! 来た! 罵詈雑言にまぎれて新作が始まったぞ! よしどんどん来い!
   このキーワードにまだピンと来てない人は検索して調べてみよう! そして、自分ならどうアシストするか一緒に考えてみよう!

昇川:うるせぇなさっきから! 視聴者参加型っぽくしてんじゃねーよ! もう頭に来た! これ以上なんか言ったら手が出るぞ!

青澤:手が出るだって!? じゃあ俺もそれに耐えられるように今から修行の旅に出るぞ!

昇川:はぁ!? 勝手に変な方向に話を持っていくなよ! お前本当にどうしちゃったんだよ! 今日のお前何かおかしいぞ!?

青澤:おかしいのはお前の方だろ! 俺はお前のせいで俳句の新たな楽しみ方に目覚めちゃったんだよ!
   とにかく修行だ! 手始めにDA PUMPのボーカルと相撲で勝負するぞ! はっけよーい、のこったのこった!

昇川:相撲だと!? しかもなんでそんな歌手の人と勝負するんだよ!? 
   本当にふざけやがって、お前なんか負けちまえばいいんだ! がんばれISSA! 『負けるなISSA』!

青澤:はい、いただきました! 新作の第2章いただきました! 私、本日2アシストでございます!
   今のアシストはセオリー通りだから正解できた人は多かったんじゃないかな!? 正解したみんな、おめでとう!

昇川:いつの間にクイズになったんだよ! あとその「いただきました」とか「アシスト」とかいうのやめろ! 俺がなんかしてるみたいだろ!

青澤:だからお前はなんかしてるんだよ! とにかくこの調子で最後まで行くぞ!
   ISSAの次は修行の集大成としてモハメド・アリと対決だ!

昇川:モハメド・アリ!? ISSAと戦って急にモハメド・アリ!? 落差すごいなお前!

青澤:・・・。

昇川:・・・なんだよ。 何か言えよ。

青澤:・・もう一声!

昇川:は?

青澤:もう一声! もう1回言うぞ、ISSAの次はモハメド・アリと勝負だ! 

昇川:・・・もう一声・・・? ・・・い、いくらなんでもモハメド・アリてお前! よく向こうもオファー受けてくれたな!

青澤:違う、それじゃない! もっと来い、もっと来い!

昇川:違うってなんだよ!? ・・・ISSAの次にアリ!? この並びでアリ!? 『これにアリ』!?

青澤:き、決まったァァァァッッ!! ゴォォォーーール!!
   こんな快感初めてだぁぁっっ!! 粘ってよかったぁぁぁっ!! もう一声って言ってみるもんだなぁぁぁ!!

昇川:なんなんだよ! 何一人で快感覚えちゃってんだよ! いつものお前はどこ行っちゃったんだ!? 

青澤:つーか逆になんでお前も自覚が無いんだよ! そっちの方がなんなんだよ!

昇川:何のことだよ! 自覚も何も俺には何のことかさっぱりわかんないよ!

青澤:本当にわかんないのか!? でも、自覚もなしにここまでワードが出てくるってことは余程俳句の素質があるのかもしれないな・・・
   よし、試しにお前も俳句を一つ作ってみてくれ! 頼む! 1回でいいから!

昇川:まだ言ってんのかよ! ・・・もうわかった! そこまで言うなら1回だけ作ってみるよ。

青澤:本当か! じゃあ早速考えてみてくれ。 よし、これはきっと名作ができるに違いねぇや・・・

昇川:行くぞ。 ・・・・・・よし、できた。発表します。 「夏の夜(よ)に」

青澤:うん。

昇川:「風にゆらめく」

青澤:おお、いいよいいよ。いい感じ!

昇川:・・・「カーディガン」

青澤:・・・ん? 「夏の夜に 風にゆらめく カーディガン」?? 

昇川:どうよ?

青澤:どうって・・・とりあえず、これはどういう情景を表現した句なの?

昇川:情景? まぁ情景っていうより、「夏用の新作カーディガン、WEGOで発売中」っていうメッセージを込めてみたんだけどね。

青澤:・・お前、スポンサーに配慮してんじゃねぇよ! いいかげんにしろ!

二人:どうもありがとうございました。


Rゲート
No.037 非可逆劇場
手洗い
平岡: どうもー 平岡です

岡井: 痔の岡井です 二人合わせて非可逆劇場です よろしくお願いします
   突然ですが ウイルスから体を守るために手洗いとかって大切だと思うの

平岡: いや あなたの痔の報告はいらないですけど………
    確かに手洗いは大事ですよ ちょっと教えて下さい

岡井: まずは手に石鹸を付けて (…ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: なるほど

岡井: (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 結構入念に洗いますね

岡井: えぇ もう二度と汚い手でお尻は触らないためにね(ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 痔から学んだ教訓ですね

岡井: (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ…)そしたら 水で  ジャーっと洗い流します

平岡: しっかり洗うということは良いことですね

岡井: そしてその後に石鹸を付けて (…ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: またですか!!

岡井: (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 一回水で流す必要性が分かりません

岡井: (ゴシゴシゴシゴシ…)っとしたら 水でジャーっと流して一服してから石鹸を付けて(…ゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 何故一回たばこを吸ったのですか!?

岡井: (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 手の油分が無くなりますよ

岡井: (ゴシゴシゴシゴシ…)っとしたら 水でジャーっと流します
   平岡さんここで問題です この後は何をすべきでしょうか?

平岡: 手に石鹸を付けて ゴシゴシします

岡井: その通りです 
    手に石鹸を付けて (…ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 出来れば裏切って欲しかった

岡井: お尻が痛い(ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: それが痔ですから

岡井: (ゴシゴシゴシゴシ…)っとしたら 水でジャーっと流しません

平岡: 流さないのですか!!

岡井: はい まだ流さずに(…ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 只今 あなたの存在自体を水で流したい気分です

岡井: (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ ゴキッゴキッゴキッゴキッ ゴシゴシゴシゴシシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 途中で何かが折れた音がしましたけど大丈夫ですか?

岡井: 指なので大丈夫です (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: それは大丈夫では あ り ま せ ん

岡井: でも薬指だから… (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 薬指なら大丈夫という概念が理解できません
    薬指をもっと大事にしなさい

岡井: いやいや! 折れてこそ薬指でしょ! (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 薬指に呪われてしまえ!!

岡井: (ゴシゴシ…)っとしたら 水でジャーっと流します
   ここで問題です この後は何をすべきでしょうか?

平岡: 手に石鹸を付けて ゴシゴシします

岡井: 不正解です

平岡: おっ これはやっと次の展開に進む予感がします

岡井: 正解は石鹸に手を付けて (…ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 予感で終わりました やってることは同じです

岡井: その通り やってることは同じということが大事なのです (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 別に大事とは思いませんけどね

岡井: 大事です これは来年のセンター試験に出ます (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ…)

平岡: 出ませんよ

岡井: いやー しかし私は手洗い界の異端児ですな(ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ…)

平岡: お前は異端児というより痛い痔だな

岡井: そして水でジャーっと流します もし嫌ならまだ水で流さなくても大丈夫です

平岡: 何でですか?

岡井: 分かりません

平岡: は?

岡井: そしたら手に石鹸を付けて (…ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: お前も分からないってどういうことだよ!! 何だこの最もバカバカしい迷宮入り!!

岡井: (ゴシゴシ ゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミ ゴシゴシ…)

平岡: うわー 手を洗ってるのに汚い

岡井: そして水でチョロチョロっと流して 手に石鹸を付けて (…ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: ジャーっといきなさいよ!! ジャーっと!!

岡井: (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: もはやあなたは手洗いに向いてないですよ

岡井: (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ ゴキブリゴキブリ ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 途中でゴキブリが二匹ほどひょっこり顔を出しましたよ!!

岡井: (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: そこまで洗ってたら指紋が無くなりますよ!!
    まぁ 犯罪者になりたい人は好都合でしょうけど

岡井: 指紋くらい しょうがないです (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: しょうがなくないです!! そんなに洗わなければいいだけの話ですから!!

岡井: (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ…)
    …………ふぅ〜
    (…ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: もう疲れてるじゃないですか!! 手洗いで体力を奪われるとはどういうことですか!!
    もっと有効な体力の使い方をしなさいよ!!

岡井: (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ…)

平岡: いい加減にしないと指が無くなりますよ

岡井: そして塩酸でジャーっと流します

平岡: 指が無くなりますよ!!!

岡井: そしたら手にゴキブリを付けて (…ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: あらら ついに頭が狂い出しましたね

岡井: あっ! ゴキブリを手に付けたら痔が治った(ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 今頃ゴキブリが手でぐちゃぐちゃになってるわけでしょ なかなかグロいですよ
    あとゴキブリにそんな効能はありませんよ

岡井: (ゴシゴシゴシ…)っとして 足りないようならもう一匹のゴキブリも使って (…ゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 何だ足りないって!!

岡井: (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ ゴキッゴキッゴキッゴキッ ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: また指が折れたような音がしましたよ

岡井: いいえ折れてません この「ゴキッゴキッ」はゴキブリの鳴き声です (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: ゴキブリは鳴くのか!?

岡井: 知らないのですか 常識ですよ (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 非常識な手洗いをするお前に言われたくない

岡井: どこが非常識だよ!! 僕は常識人だ!! (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: ゴキブリを手にゴシゴシしてるのに!? お前には常識の欠片も無いわ!!

岡井: うわっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 
    何だか急に喉が渇いたなぁ〜 (ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ)

平岡: 本当に急だな!! さっさとその理解不能手洗いを終わらせて何か飲めばいいんじゃない?

岡井: よし後でこの塩酸をゴクッといきますか(ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ…)

平岡: そのまま 逝ってらっしゃい

岡井: ということで これで手洗いの全行程が終わりです

平岡: 最終的にゴキブリを手に塗りたくって終わりましたね
    せめて最後は水でジャーっと流してほしかった

岡井: 手洗いの次はうがいもしましょう

平岡: まだあるのか…

岡井: この塩酸を口に含んで (…ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ)

平岡: あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
    歯が無くなりますよ!!

岡井: (ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ………


    …ゴクッ)

平岡: せめて吐き出しなさいよ!! もういいよ!!

2人: どうもありがとうございました

予選総合第34位(2回戦敗退) 非可逆劇場
審査員
点数
40 80 13 50 52 63 平均49.67
【審査員コメント】
・構成自体は前回と同じ、全編通した繰返しの多用なのですが、展開が出来てだいぶ良くなっています。
 特に序盤は「痔から学んだ教訓」「出来れば裏切ってほしかった」などクールなツッコミが冴えていました。
 しかし、やはり後半はパターンに慣れてしまい、だいぶ失速してしまいました。
 ゴキブリとかバカで良いんですが、徐々にフレーズのキレが落ち、惰性でネタが進んでるようになったのが残念でなりません。
 設定や展開、アイディアは非常に優れていますし、事実前半はとてもいいので、
 勢いを止めることなくオチまで至るギミックやフレーズ力さえ養えば間違いなく化けるネタです。期待しています。
   
・今大会の急成長株が来たぞおおおおおおお!
 前回大会のタタタのネタも好みだったんですが、これはそれを遥かに凌ぐ出来です。
 しつこ過ぎる手洗いから指や塩酸を繰り出すタイミングと出し方が完璧です。そう、そのサラっと出すやり方がいい!
 でも、ゴキブリは完全にマイナスかなー…。汚いグロいが先行して大事な終盤に笑いの波が引きました。
   
・ちょっと見た目的にも内容的にもスカスカな感じでした
 結局はずっとやってることは同じで、小ボケやちょっとした変化はあれど終始だらーんとなってる印象でした
 他と違うことをやろうという気概は感じるのですが、こういうことではないかなあ、という
   
・途中で挟むボケがちょっと弱いのが非常にもったいないです。
 序盤で引き込まれるかそうでないかでこのネタは決まると思うのですが
 残念ながら自分は後者でした。
   
・すごくくだらなくて良いんですけどけっこう振れ幅がありました。
 ツッコミが良い味出してるところもあればホントにただ行数の無駄遣いに感じるところも。
 発想力がネタにうまく活かされてきてる兆しを感じるネタでした。
   
・設定の発想は良いですし、手数が多いのは好印象でした。これだけゴシゴシやられると視覚的にも楽しみやすいですね。
 ただ、全体的にもう少し深くツッコミを入れて欲しかったなぁ、というところです。
 ボケの素材はわりと用意できているのですが、各々のネタにもう少し手を加えた方が、より笑いに繋げられると思います。
 

Rゲート
No.038 ハーベストムーン
Get Along Together
ユウ:はいどうもハーベストムーンです。二大会振りのMM-1なんで頑張って行きましょう。

   所で梅雨真っ盛りじゃない。それに伴ってこの時期になるとサカりにサカったカップル共が結婚式やるよね?

アイ:サカり繋がりとかやかましいよ!六月に結婚すると幸せになれるから結婚式が多くなるんだよ。

ユウ:それでまあ今月の初め位にアタシも女友達の結婚式に呼ばれてね、そこで司会を務めたんだよ。

アイ:そうなんだ。でも結婚式の司会って結構難しいみたいだよ。良くやれたね?

ユウ:まあね。結婚式前日に新婦主催で開催されたビンゴ大会で「明日の披露宴の司会」の景品を貰ったからね。

アイ:景品の皮を被った只の罰ゲームじゃん!てか大舞台の司会を前日にそもそも決める事自体おかしいよ!そんでちゃんと出来たの?

ユウ:そりゃ勿論。ちゃんと盛り上がったよ。

アイ:本当?俄かには信じがたいね。どんな風にやったかこの場で見せて貰えないかな。

ユウ:分かった。




   「本日はお忙しい中、向井家・東家の結婚披露宴にお集まり頂き、誠にありがとうございます。本日司会を務めさせて頂きます、新婦の友人である君島結生と申します。

    こうした司会進行は何分不慣れではありますが一所懸命務めますので、どうぞ宜しくお願いします。」

アイ:うん、出だしは良いんじゃない。

ユウ:「皆様お日柄も良く、お足元の悪い中ようこそお越し下さいました。」

アイ:矛盾してない!?まあ雨上がりだったか、お天気雨だったのかな?

ユウ:「晴れているけど雨が降っている事を俗に『狐の嫁入り』と言いますが、まさしく私の友人であるマナカと云う女狐も今日という善き日に結婚するわけでございます。」

アイ:新婦に対して失礼極まりないよ!さてはビンゴ大会の景品で司会やってる事に根を持ってるね!?

ユウ:「それでは大変長らくお待たせいたしました。新郎新婦の入場………の前に皆さん、新郎新婦を迎える為に拍手の練習をしましょう。」

アイ:何そのフェイント!?番組やライブの前説じゃないんだから!

ユウ:「では新郎新婦が来たと思って拍手!!

   (パラ……  パラ……  パラ……  パラ……  パラ……  )

   うーん、ちょっと弱いですねぇ。もっと!

   (パチ…パチ…パチパチ…パチパチ…)

   まだまだ!!もう一丁!!

   (パチパチパチパチパチパチ!!!)」

アイ:練習しといて良かったかもしれない!!最初二回凄いまばらだもん!

ユウ:「何か物足りないですねえ。皆さんスタンディングオベーションで、ウェーブをしましょう!」

アイ:拍手だけ良いよ!演出過剰で逆にウザいよ!

ユウ:「では、新郎新婦の入場でs……おや、いつの間にか着席している様ですね。」

アイ:フェイントに引っ掛かっちゃったよ!!まばらな拍手とか無理な盛り上げとか舞台裏見せられてさぞかし気まずかっただろうね!

ユウ:「ではここで新郎新婦の紹介に移りたいと思います。まずは新郎の向井一郎さんです。」

アイ:あー、これ大事だよね。主役をキチンと紹介して盛り立てないといけないからね。

ユウ:「ただ新郎とはたった今初めて顔を見たのでキチンとした紹介が出来ませんので、私が見たまんまの感じからどんな人なのか勝手に話させて頂きます。」

アイ:大喜利の「写真で一言」じゃないんだから!!前日決まった話でも最低限打ち合わせしとこうよ!

ユウ:「えーっと……。これといった特徴の無い顔してるなあ……。

    あ!!

    新郎の一郎さんはタキシード姿で入場したので今日何と結婚するみたいです!!おめでとうございます!!」

アイ:力強く言われても!!それは参加者一同、周知の事実だよ!!

ユウ:「後は……特徴の無い顔だけど実はふなっしーの中の人だ。」

アイ:大喜利に突入しないで!絶対もっと堅い職業だと思うよ!?

ユウ:「何ですか一郎さん?

    あっ、くまモンなんですか……?」

アイ:意外と惜しかった!?てかバラして良いものなのかな……?

ユウ:「くまモンの中の人が分かって会場の皆様が大分ショックを受けた所で、続いて新婦・東マナカさんの紹介に移りましょう。」

アイ:うわっ!意外と純粋な心を持った人達ばっかだった!まあでも新婦はユウちゃんのお友達だからちゃんと紹介出来るよね。

ユウ:「えーっ、新婦のマナカさんとは昨日知り合いのパーティーに参加した時に初めて出会ったので、新郎と同じく見たまんまの感じから勝手に話させて頂きます。」

アイ:まさかの新婦も前日に知り合ったばっか!? ビンゴの景品とは云え、良く司会を任せたもんだよ……。

ユウ:「酔うとキス魔になる!」

アイ:迷わず行った!!迷わず地雷原に突入した!!前日のパーティーでやらかしたのかな!?

ユウ:「後は大雑把で時間にルーズ、空気が読めない。後女狐!!」

アイ:最初の三つは話の流れでアタシも思ったけど。だとしても言っちゃダメ!特に最後の女狐!

ユウ:「そして何と純白のウエディングドレス姿で入場しましたので、何と今日結婚するみたいです!!おめでとうございます!!」

アイ:さっきとほぼ同じ様なの聞いたよ!じゃなかったら何でみんな集めて披露宴をするんだか!

ユウ:「こんな二人がどうして出会ったのか、式の前に新婦側の参加者の控え室から盗み聞きした情報を参考に、お話させて頂きます。」

アイ:もっとマトモな情報収集の仕方無かったの!?てかそれなら新郎新婦の人となりとかもっと出来たんじゃないの?

ユウ:「新郎新婦が出会ったのはつい二週間前。とあるコンビニでの出来事でした。」

アイ:近ッ!ならタイトスケジュールも頷けるよ。

ユウ:「一郎さんとマナカさんが同時に同じ物を購入しようと手と手が触れ合ったのがキッカケでした。」

アイ:90年代前半の月9みたいな匂いがするけどちょっと素敵だなあ。

ユウ:「その後見事に意気投合した二人は購入したコンドームを片手にホテルへ。」

アイ:……なんて思ったら素人モノAVも真っ青な展開!!もっと過程を大事にしようよ!

ユウ:「そのままベッドインして見事に二つの意味でゴールイン!!」

アイ:…………敢えてツッコまないよ。

ユウ:「これぞまさしくIN−INの関係ですね。」

アイ:やかましいわっ!!!話の流れでインも漢字変換されて困る!!

ユウ:「では新郎新婦初めての共同作業、ケーキカットです。

    でもまあね、既に共同作業は済まされているとは思いますが、一応ね、初めてと云う事にして……(ニヤニヤ)」

アイ:イヤらしい事言うなっ!!そこは暗黙の了解で行こうよ!

ユウ:「ブッシュ・ド・ノエルの登場です。」

アイ:また随分と時期外れなチョイス!クリスマス以外じゃ滅多に見ないよ!

ユウ:「モチーフとなった木に肖り、年輪のように二人の愛情を育みたいとの事です。」

アイ:………意味があるなら良いのかな?まあ日本人は縁起さえ良ければ何でも良いって風習だし。

ユウ:「新郎新婦がチェーンソーでこのブッシュ・ド・ノエルでカットします。」

アイ:実際の丸太じゃないんだからさ!絶対チョコがあちこち飛び散るよ!

ユウ:「それではカット開始!!



    …………おーっと、てっぺんに新郎新婦をモチーフにした人形を乗せてましたが見事に真っ二つ!!」

アイ:早速縁起が悪い!!普通の包丁ならこんな悲劇は起こらなかっただろうに……。

ユウ:「では続きまして新郎新婦のお色直しでございます。」

アイ:案の定チョコが衣装に!!考えたらすぐ分かる事なのに……。

ユウ:「それでは、皆さんこの場で頭を伏せて下さい!!私が『良い』と言うまで絶対に上げないで下さいね!」

アイ:その場で着替えるの!?そんで学級会みたいな事を参加者にさせないで!絵面がマヌケだよ!

ユウ:「ではお色直しが終わった所で、ここで祝電に移りたいと思います。ただ時間の都合上、一通のみのご紹介とさせて頂きます。」

アイ:あんだけふざけてたらそりゃ時間無くなるよね。

ユウ:「読まれた方には特製の新郎新婦の満面の笑みがプリントされたお皿を差し上げます。」

アイ:ラジオっぽく言うなっ!そんでそれ多分だけど引き出物だよね!?要らないからって押し付けないで!

ユウ:「ではこの祝電です。新郎の元彼女の方からです。」

アイ:よりによって一番気まずいのを選んだね!でも祝電ならちゃんとしてるとは思うけど……。

ユウ:「『一郎、あんだけ愛し合ったのにどうして私を捨てたワケ?私、今でも一郎の事愛してるんだよ?なのに他に好きな女が出来て結婚だなんて……。私絶対アンタの家庭滅茶苦茶にしてやるから』」

    読まれた元カノの方には絵皿をプレゼント致します!」

アイ:何事も無かったかの様に振舞うの止めて!!貰ったら絶対ドロドロするよ!!

ユウ:「山でかわらけ投げをしたりクレー射的の的にしたりして下さい。」

アイ:確かに憂さ晴らし以外の方法が思い付かないけども!元カノさんはちゃんと新しい恋を探した方が良いと思うよ……。

ユウ:「他にも全て紹介は仕切れませんので割愛させて頂きますが、これだけ言わせてください。

    全部ドラえもん電報で届いております。引き出物ですので皆さん帰りに一個お持ち帰り下さい。」

アイ:被り過ぎだよ!そんでそれを引き出物に使い回すとは!まあ新郎新婦の絵皿よりかは良いけども。

ユウ:「では続きましてスピーチです。まずは新郎代表、友人であられます米津様お願いします。」

    ……あ、失礼しました。新郎代表の米津様、先程お色直しの模様を盗撮した疑いで、たった今警察に連れて行かれた模様です。」

アイ:おめでたい席で何やらかしてるのさ!?てかいつの間に警察沙汰に!?

ユウ:「では米津様に変わりまして、芳賀様……。あれ……いらっしゃらない……。では山崎様……。えーっ……じゃあ……児玉様……。

    どうやら新郎側の参加者全員連行された模様ですね……。気を取り直して、新婦代表23名による合唱です。」

アイ:新郎側は最低な人ばっかだねもう!そんで新婦側多過ぎない!?サッカー日本代表じゃあるまいし!

ユウ:「友人一同:今日この日、新郎新婦の為に一生懸命練習してきました。聞いて下さい。

      A:『ずっと2人で』
      B:え、『家族になろうよ』じゃないの……?
      C:はぁ?『Forever Mine』だよね?
      D:普通『Butterfly』でしょ?
      E:定番の『てんとう虫のサンバ』ですよね!?
      F:そうじゃないよ!『結婚しようよ』って聞いたわよ!
      G:『お嫁サンバ』しか歌えないよ……。
      H:いやいや『糸』だって!
      I〜W:あ〜もう面倒臭い!!『Get Along Together』

アイ:前半のメンバーバラバラじゃん!!「Get Along Together」で合わせて来なよ!!

ユウ:「えーっと……、何の曲を歌ってたのかサッパリ分かりませんが、素晴らしい歌声だったんじゃないかなと思いました。」

アイ:最初の八人我を通しちゃった!?完全に邪魔だったろうね!

ユウ:「では縁もたけなわではございますが、最後に花輪の贈呈を行います。」

アイ:花束じゃないの!?パチンコ屋の新規オープンじゃないんだから!

ユウ:「まあ花輪を用意したのは理由がありまして、2人の家庭が新しく始まる上で欠かせないとの事です。」

アイ:ブッシュ・ド・ノエルみたいに無理やりな裏付けとか要らないから!!

ユウ:「それではブーケトスの要領で花輪を参加された皆様に受け取っていただきます!」

アイ:そんな事やったら大怪我は必至だよ!!

   もうやめやめ!!スピーチは勿論だけど式自体がとってもヒドかったよ!どこがちゃんと盛り上がったって言うのさ!?

ユウ:いや盛り上がったよ?式の後に新郎新婦の離婚話が。

アイ:式じゃないんかいっ!!ユウちゃんの所為で幸せな家庭が崩壊したよ!

ユウ:ただね、一回の失敗じゃアタシと女狐はへこたれないよ?

   今度再婚する時にもう一回司会やらせてくれるってさ。だから今度は失敗しないように頑張るよ!

アイ:いや二人共懲りなよ!!もういい加減にして!!

予選総合第23位(準決勝敗退) ハーベストムーン
審査員
点数
61 38 66 92 35 75 平均61.17
【審査員コメント】
・安心感がありますね。大喜利のくだりとかかなり好きです。
 正統派の漫才コントだったため、「女狐」などの上手いボケが活きていました。
 そういうボケを作るテクニックがあるんだから、「コンドーム」のような露骨な下ネタは要らなかったんじゃないかなぁ……。
 結婚式という設定もあり、生々しくて冷めてしまいました。「inーin」は上手いし面白かったけど。
 全体的に水準は高かったので、あといくつかキラーワードがあればなお印象強くなったと思います。
 しかしまぁ、女性ユニットの中で間違いなく一番女性らしい漫才をやるコンビだと思います。色んな意味で。
   
・うーん……どうにもネタに特徴がなかったです。
 オーソドックス、といえば聞こえはいいですが、強みや個性の無い漫才は、大量の漫才が披露されるMM-1では埋もれがちです。
 その没個性から脱出する鍵は、新郎の元カノにあります。
 現状では、遠くから怨み節を吐くというありがちな元カノに留まってますが、
 例えばもっと陰湿な方法で結婚式を壊しにきたり、あるいは直接乗り込んじゃったり。いっそ司会者が元カノだったり。
 いくらでも面白そうな展開に持っていくことが可能だと僕は思います。
   
・ありがちな展開ながら冒頭の罰ゲーム感覚で司会を頼まれたという提示、徹底して式を台無しにしようとする姿勢など普通の漫才から一個乗せる部分がうまく作用してたと思います。
 「ブッシュ・ド・ノエル」が特に面白かったです
 司会をしてるところにツッコミをいれるという流れでどうしても長いセリフが出来てしまったりツッコミが単なる説明で終わってしまったりするところが多々あるのがテンポを乱してたかな、と
   
・馬鹿ですねえ。正統派の馬鹿ですねえ。
 オーソドックスなんですけどボケがいちいち良かったです。
 ツッコミもいい塩梅だと思います。
 安心して見られる馬鹿馬鹿しさでした。
   
・ただ変なことをやれば面白くなるというわけじゃないんだなぁと思いました。
 なんかボケが全然ピンと来なかったです。お色直しの件とか特にツッコミでどうにか意図を汲み取れるカンジ。
 そのツッコミも過剰にブケを理解しているようで、シンプルな割には共感しにくいなと。
 発想自体は悪くないのに見せ方でだいぶ損をしているように感じました。
   
・新婦と前日に知り合ったばっかって、そもそもユウさんは何故この結婚式に呼ばれたのでしょうかw(最初の「女友達の」と矛盾してるような気もするけど、まぁいいか。)
 全体的にボケにインパクトがあって良かったと思います。
 個々のボケは良かったので、あとは全体として「これ!」というボケか何かが提示できると文句無しに推せるのに、というところです。
 

Rゲート
No.039 リーベルパウンド
終焉
古城:最近、自動車を買おうと思ってさ。

氷谷:いいじゃないですか。

古城:でも、何買おうか迷ってんだよね。

氷谷:三輪車でも買ったらいいじゃないですか。

古城:三輪車なんて子供の乗り物じゃねえか。

氷谷:子供の乗り物だから児童車という事で。

古城:やかましいわ!

氷谷:自動車といえばなにか好きなメーカーとかはないんですか?

古城:うーん…これといって無いんだよな。色々あるけど

氷谷:オッサン自動車とか?

古城:オッサン自動車ってなんだよ!ひょっとして日産のパチモンか!?

氷谷:オッサンはいい車たくさんありますよ。

古城:そうは言われてもメーカー名の時点でどうしようもなく不安だよ。

氷谷:その中でもオッサンGTはかなり凄いですよ。
   なんといっても先ず安全性がいいです。

古城:エアバック的なものが凄いとかか。

氷谷:何かにぶつかるとおっさんが飛び出て抱きついてくれます!

古城:それはそれで凄いけど無駄だわ!
   
氷谷:エアハッグです!

古城:いいよそういうネーミングは!
   ってか普段オッサン車内にいるのかよ!

氷谷:そうですね。でもこのおっさんが結構幅とって5人乗りの予定が3人乗りになってしまいました。

古城:キッツキツじゃねえか!容量の無駄づかいやめろよ!

氷谷:家族のいるおっさんも居るんで2人乗り、1人乗り、0人乗りっていうのもあるんですけど。

古城:なんで買ったのに乗れないんだよ!一家族の巣にすんのやめろ!

氷谷:2人乗りのを買いましょう。

古城:なんでわざわざ2人乗り選ばなきゃいけないんだよ!

氷谷:是非カップル水いらずで乗りたいものですね。

古城:完全に浸水状態だよ!水が溢れかえってるよ!

氷谷:あ、カップルで思い出したんですけど。
   女の人を乗っけてるとしょっちゅうおっさんが飛び出してきますんで。

古城:欲望剥き出しじゃねえか!

氷谷:そして毎回そこに奥さんが出てきて修羅場に。

古城:なんでしょっちゅう修羅場になるんだよ!
   雰囲気台無しな上に危険とか迷惑極まりない!

氷谷:嫌ですか?

古城:だいぶ嫌だよ。もっと別のないの?

氷谷:外車とかどうです?ベンツとか。

古城:ベンツいいじゃない。

氷谷:ベンツSSモデルっていう5人乗りで限定1個のやつなんですけど度肝抜かれますよ。
   
古城:マジかよ。

氷谷:まず、トランクには何者かに殺害された人が…。

古城:そういう度肝の抜き方期待してねえよ!
   
氷谷:外車ですからね

古城:外車つっても被害者の方のガイシャじゃねえかよ!

氷谷:今なら後部座席に犯人も付いてきます。

古城:殺人者と一緒とか!

氷谷:なんと只今なら後部座席に共犯者もセットでついてくるみたいで。

古城:どんどん状況が悪化していくじゃねえか!

氷谷:助手席に刑事さんもついてきますよ。

古城:それはちょっと安心だな。もう最初の時点で糞だけど。

氷谷:刑事さんは街並みに夢中で犯人を捕まえる気ないんですけど。

古城:捕まえて!乗る人の身を心配して!

氷谷:ずっと、街並みを見て「なんじゃあこりゃあ!」を連呼してます。

古城:どんな非文明人だよ!名言の安売りすんな!

氷谷:この車安全性も凄くて、新幹線に真正面からぶつかるくらいの衝撃が加わると超高性能のエアバックが開くんですよ。

古城:エアバックが開く条件厳しすぎるだろ!

氷谷:それでこの車の最高速度は60キロなんですけど。

古城:最高速度が遅すぎて絶対エアバック開かねぇから!
   というか前の心配もいいけど後ろが心配だよ特に!

氷谷:エアバックよりバックが気になりますか。

古城:いいよ韻を踏もうとしなくて!

氷谷:バックという事はイスの座り心地が気になりますか?

古城:違うわ!後ろのヤバい2人が気になんだよ!

氷谷:イスはロデオボーイになっててエンジンをかけると同時に作動するようになってます。

古城:なんでロデオボーイにしたんだよ!
   そんなグイングイン動いたら運転しづらくてしょうがねえわ!

氷谷:あと、従来のワイパーは完全に雨が拭きとれないですよね。

古城:まぁ、ちょっと拭けない部分があるよね。

氷谷:この車についてる極太ワイパーなら完全に拭きとれるんですよ。
   でも、前はほとんど真っ暗になりますけどね。

古城:全然前が見えねぇのかよ!
   
氷谷:まぁ、人間なんて最終的には視界が真っ暗になるんだからいいじゃないですか。

古城:極論うるせえよ!後ろに殺人者がいるせいでシャレになってねぇし!

氷谷:オプションも充実してて。カーナビもつけられます。

古城:カーナビあったら便利だけど…。

氷谷:目的地を設定すると「なんじゃあこりゃあ!」って言ってくれます。

古城:さっきの役にたたねぇ刑事!カーナビなのに全然理解してねぇじゃねえか!

氷谷:他にもドイツ製メカお坊さんとかもつけてるみたいですよ。つけます?

古城:なんか死ぬ前提ですすめられてる気がするけど!
   んで、ドイツ製メカお坊さんって!

氷谷:ドイツ製メカお坊さんはソーセージで人のビール腹を叩いてお経を読むんですけど。

古城:むやみにドイツナイズされすぎて迷宮に迷いこんでるじゃねえか!
   そんでいい加減に後ろのヤバいのなんとかしろよ!

氷谷:あっ…犯人について教えて欲しいと。

古城:いや、そういう事じゃなくて…。

氷谷:犯人は最初に話したおっさんの奥さんです。

古城:話つながってた!という事は被害者はおっさんか!

氷谷:車ということでカーッとなってしまったんでしょうね。

古城:やかましい!いい加減にしろ。


Rゲート
No.040 ヘテロ失楽園
亡き友に捧ぐ漫才
仇村:僕さ、最近好きな人がいるんだよね!

イヴ:そうなんだ!ちなみにどんな人なの?

仇村:近所の公園に住んでるおっさんなんだけどさ・・・

イヴ:いろんな意味で危ねぇ!!

仇村:でも、そのおっさ・・・ ん?



   ハッ!?

イヴ:どしたの?

仇村:忘れた! しまった!忘れてしまったーよ!

イヴ:ネタ忘れたの!?しっかりしてよもう!
   そのおっさんが谷原章介にローキックされるコントに入るんだよ!

仇村:違うんだよイヴちゃん!
   漫才師の必須アイテム、ミスターアルゼンチン撃退用のこん棒を忘れて来ちゃったんだよ!

イヴ:な、何ですって!?

仇村:ミスターアルゼンチン。
   かつてとある漫才師のネタ中にどこからともなく舞台上に現れ、その漫才師を殺害し、そのまま行方をくらました殺人鬼です。
   事件から5年経った今でもその消息はつかめないままで、当時を知る芸人たちの間では、
   「被害に遭った彼らのように、変なだけで面白くない漫才をすると、ミスターアルゼンチンに襲われる」と恐れられています・・・

イヴ:私たちの今日のネタ的にも、仇村くんがこん棒を忘れた今、もしミスターアルゼンチンがこの舞台に現れたら・・・

仇村:僕は何があっても、イヴちゃんとの漫才をやりとげてみせるよ!
   殺された仲間の為にも・・・

イヴ:仲間って、ミスターアルゼンチンの被害者は、仇村くんの芸人仲間なんだ!?

仇村:あぁ、忘れもしないよ。
   その漫才師のコンビ名は、「阿佐ヶ谷ボインボインゴリラ」!

イヴ:何そのコンビ名!?
   名前ほど面白くなさそうな雰囲気がモロに漂ってるよ!

仇村:まぁ、改名して間もない時に起きた事件だから、イヴちゃんやお客さんには、前のコンビ名「ミントティー」の方が知られてるかな?

イヴ:よほど芸に悩んでるよ当時のこいつら!

仇村:あの日、彼らは当時の勝負ネタだった、風車をおならで回す特訓のコント漫才をしていた・・・

イヴ:ウワサ通り、ホントに変なだけで面白くなさそうだ!

仇村:ツッコミが終始「県境まで吹き飛べよ!」しか喋らないそのネタは、当時としては革新的な漫才だった。

イヴ:ツッコミの語彙の乏しさがえげつないよ!

仇村:いつものように漫才が終わろうとした瞬間、事件は起きた!

   「アルゼンチン・・・ アルゼンチン・・・」

   そう言いながら、ホッケーマスクに体操服姿の男が舞台に上がり、そのまま2人に手をかけた・・・

イヴ:ゴクリ・・・

仇村:男は2人の体に塩を撒いた!
   そして2人は溶けてしまい、そのまま死んでいった・・・

イヴ:ナメクジなの!?
   阿佐ヶ谷ボインボイン「ゴリラ」を名乗っておいてナメクジなの!?

仇村:男はその後姿をくらましたが、「アルゼンチン・・・ アルゼンチン・・・」と言い続けていた事から、「ミスターアルゼンチン」と呼ばれ、指名手配された。

   阿佐ヶ谷ボインボインゴリラの死を目の当たりにし、お笑いを辞めていった仲間だって大勢いる・・・
   僕はどんなに仲間がいなくなろうとも、みんなの志し、そして漫才師としての熱い魂を受け継いで、舞台に立ち続けたい!

イヴ:仇村くん・・・

仇村:辞めていった仲間も、殺された阿佐ボイも、一緒に舞台に立っているんだ!

イヴ:どうでも良いけど、「阿佐ボイ」て略称鼻につく!

仇村:さぁ見せてやろうぜ!
   僕らの魂を賭けた、最高に面白い漫才を!

イヴ:恥ずかしいし、ハードルも上がったし、もう何なのアンタ!?

仇村:イヴちゃん、僕が最近思いを馳せているおっさんなんだけど、こないだ公園でいじめられてたんだよ、こんな感じで!


   スタジオの本仮屋ユイカちゃ〜ん!(おっさんを蹴る)
   どうですか?僕のローキックは?(おっさんを蹴る)
   どうも、谷原章介で〜す!(おっさんを蹴る)


イヴ:そんな王様のブランチ見たくないよ!

仇村:見ててね本仮屋ユイカちゃん、今からこのおっさんを、蹴りで県境まで吹っ飛ばしますよ〜!

イヴ:それ阿佐ボイのツッコミフレーズ!!

仇村:さぁ、谷原章介さん!
   先週のおならで風車を回すチャレンジに続き、今回のチャレンジも成功なるか!?

イヴ:アンタ阿佐ボイにインスパイアされ過ぎよ!!

   マズいよ・・・ このままじゃ私たちも、ミスターアルゼンチンに襲われる・・・



   私たち殺されちゃうよ!!





   ふひひっ!

仇村:イヴちゃん?

イヴ:(四つん這いで辺りをのしのし歩く)

   がお〜っ、らいおんさんだぞぉ〜っ!
   がお〜っ、らいおんさんだぞぉ〜っ!
   がお〜っ、らいおんさんだぞぉ〜っ!
   がお〜っ、らいおんさんだぞぉ〜っ!
   がお〜っ、らいおんさんだぞぉ〜っ!


仇村:大変だ!イヴちゃんが恐怖のあまり、自分を見失っている!
   イヴちゃん、しっかりしてよ!

イヴ:・・・ハッ! いけないいけない!

仇村:話を僕が片思い中のおっさんの話に戻すけど、
   僕はおっさんにこの気持ちを伝えたいと思って、まずはおっさんの事をよく知ろうと思ったんだ!
   おっさんと言えば、ダジャレを代表とする「オヤジギャグ」だよね〜!

   ふとんがふっとんだ!
   アルミ缶の上にあるミカン!
   このカレンダー誰んだ? 彼んだ〜!
   ラクダに乗るのは楽だ!
   タクシーに乗るワタクシー!


イヴ:・ ・ ・ 。

仇村:このキャベツ虫が付いてる! キャーベツのにして!
   マイケル・ジョーダンの冗談はまぁイケる冗談!
   委員会に行かなくていいんかい!
   カッターを買った!
   レモンの入れもん!

   それからえぇっと・・・


イヴ:がお〜っ、らいおんさんだぞぉ〜っ!
   がお〜っ、らいおんさんだぞぉ〜っ!
   がお〜っ、らいおんさんだぞぉ〜っ!
   がお〜っ、らいおんさんだぞぉ〜っ!
   がお〜っ、らいおんさんだぞぉ〜っ!

仇村:校長、絶好調!
   モーターが壊れてもうたー!
   ニューヨークで入浴!
   電話に出んわ!
   サイがうるさい!


イヴ:がお〜っ、らいおんさんだぞぉ〜っ!
   がお〜っ、らいおんさんだぞぉ〜っ!
   がお〜っ、らいおんさんだぞぉ〜っ!
   がお〜っ、らいおんさんだぞぉ〜っ!
   がお〜っ、らいおんさんだぞぉ〜っ!


仇村:えぇい、こんなんじゃダメだ!!

イヴ:ビクンッ!

仇村:イヴちゃん、僕が間違っていたよ!
   漫才は掛け合いだよね! なのに僕が1人で突っ走って、イヴちゃんをほったらかしにしてネタをするだなんて・・・

イヴ:仇村くん・・・

仇村:漫才は掛け合いだ! だから僕はイヴちゃんに水をぶっかけてやるから、イヴちゃんも僕に水をぶっかけてくれ!

イヴ:掛け合いの意味! もういいよ!










仇村:やり遂げた・・・

イヴ:無事に終わった・・・




2人:バンザーイ!!

イヴ:今日はお赤飯だ〜っ!

仇村:イヴちゃん!(指輪を取り出す)
   実は前から好きでした!これを機に結婚してください!

イヴ:まぁステキ!!

仇村:さて、行くか!

イヴ:はい!

(2人、帰る。)










??:アルゼンチン・・・ アルゼンチン・・・

   あれ?もう漫才終わって帰っちゃったの!?
   仕方ない、電車遅れてたもんなぁ・・・
   帰って風呂入って、アロエヨーグルト食って寝るか!

予選総合第18位(準決勝敗退) ヘテロ失楽園
審査員
点数
62 65 48 73 73 73 平均65.67
【審査員コメント】
・点数とかは別にして、こういう一種のメタ的な漫才めっちゃ好みです。
 「変なだけで面白くない漫才」(おっさんを蹴る)などの言葉のチョイスが絶妙で、中盤までずっとニヤニヤしてました。
 だからこそ、仇村がダジャレ言い出した辺りからオチまでが勿体無い。
 二人でしっちゃかめっちゃかやる構図はたまらないんですが、もっと違う暴走があったんじゃないかと。
 また、イヴが自分を取り戻した後にも何度か漫才のやりとりをしても良かったのではないのでしょうか。
 四苦八苦する様子をもっと丁寧に描写した方が、はっちゃけがより際立つかと。
 マジで大好きなスタイルの漫才なので、良ければより研ぎ澄ました物をもう一度見せて頂きたいです。
   
・なんだ最後のカオス具合! くだらない、とにかくくだらなかったです。笑ったかどうかは別としまして。
 でも阿佐ボイ好きですねー。コンビ名もやってる事もツッコミもすごい面白かったです。
 逆にミスターアルゼンチンがなー……。実質死んでました。あれだけ大層な前置きして出番がオチだけて!
   
・「がお~っ、らいおんさんだぞぉ~っ!」かわいい
 変なだけで面白くないってことは無かったですが、変止まりかな、という感じはしました
 最後のミスターアルゼンチンのOLじみた感じなんやねん
   
・んー。ミスターアルゼンチンの設定がちょっと生殺しかなあ。
 オチも肩透かしというか強引に最後だしましたみたいな感じになってるし。
 もっとうまいこと使えたんじゃないかなあと。
 着眼点は凄く良かったんですけども、惜しいです。
   
・わけわかんないということがちゃんと面白さに繋がってました。なんで最後 結婚したんだw
 このネタの雰囲気じゃなければ「阿佐ヶ谷ボインボインゴリラ」もここまで笑えるフレーズにならなかったと思うのでそういうところも上手いなと。
 ただ、そのフレーズからネタをやり遂げるまでの間が弱かったです。
 ダジャレの羅列とかライオンキングのモノマネのリピートとか、もう少しやりようがあったはずです。
   
・「阿佐ヶ谷ボインボインゴリラ」ヤ「がお~っ、らいおんさんだぞぉ~っ!」など、エフラムさんらしいフレーズ(?)で笑いをとれていたような印象です。
 展開がどんどん変わっていくことで続きが気になって読みたくなる、というような作品でした。
 もう一つ二つインパクトのあるフレーズがあるとより良かったですが、全体としては面白かったです。
 

Rゲート
No.041 あかつき
Angel Eyes, Demon Soul
 前橋:自分の中で戦いが起きる時って、あるじゃん?

宇都宮:なに? 体内のウクライナで内戦でも始まったの?

 前橋:違うよ。例えばさー、夜中に甘い物食べたいなーって悩んでる時に、自分の中の天使と悪魔が出てきて
     悪魔「食べたいなら食べちゃえばいいよー。たかだか300Kcalくらいじゃ太んないよー」
     天使「ダメだよ! ここで食べたら今までダイエットしてきた努力が無駄になっちゃうよ!」
    こんな風に善と悪の狭間で揺らいで、あーもうどーしよー!!…………ってカンジ?

宇都宮:ふーん。…………要するに、この世で一番おいしい棒はうまい棒なのか、ナイススティックなのか悩む、ってこと?

 前橋:だから微妙に違―う! たしかにどっちもおいしい棒だから悩むけどね!
    水戸はこういう経験ない?

 水戸:そもそも天使は神に仕える霊だから、あたしの体内にはいないよ。

 前橋:着眼点から違ってたーーー!!いや、あの、とりあえず天使の解釈については見逃して!
    だからさー、そーなった時に悪に傾かないよーに訓練したいから、今日は2人に天使と悪魔をやってもらいたいなーって。

宇都宮:あー。承知。母方の祖父が悪魔だった私の本気、見せてあげるわ。

 前橋:あっそ……じゃー宇都宮が悪魔で、水戸が天使ねー。

 水戸:て、天使を演じるだなんて……!! 下界の人間がそんな事して天主の逆鱗に触れたりしたら……!!

 前橋:はいはい。いいから黙ってコントしよーねー。





 前橋:うーん…おなかすいちゃったなー。冷蔵庫に昨日買ったケーキがあるけど、もう11時過ぎだしなー……。
    食べたいなー……でも体に悪いよねー……うーん…………。

???:暴食 イズ ジャスティス!

 前橋:だ、誰!?

宇都宮:アハハハハ! 私は悪魔前橋! 貴方の左心房に棲み憑く悪い前橋よ!
    さあ本体の前橋、今すぐ冷蔵庫からケーキを出して空腹を満たすのよ!

 前橋:え、え、えぇ!? 何か聞こえる! ウチの名前を名乗る誰かがウチの頭に直接語りかけてきてるよ!?
    な、何? あ、悪魔…前橋…?

宇都宮:そうよ本体。貴方の中に眠る卑劣、横柄、野蛮、狡猾、怠惰、邪念、群馬、嫉妬、守銭奴。本体のそういった性悪な部分の権化が私、悪魔前橋よ!

 前橋:マジかー……なんでウチの心臓にこんなワケのわからないヤツが…………いやいやいや群馬は関係なくない!? 

宇都宮:ほら、どうしたの本体。いつものように夜中に甘い物食べたくならないの? 食べたくなったんじゃないの?

 前橋:うー……たしかに食べたいけど…………。 でも、今日は我慢するの!

宇都宮:いいのかしら? 空腹を我慢するのは体によくないわよ。
    「おなかがすいたらケーキを食べればいいじゃない。」
    かの有名な不二家のペコちゃんもそう言ったじゃない。

 前橋:言ってねーよ! ペコちゃんが言ったらそれは露骨な宣伝じゃん! 

宇都宮:つべこべ言わずに、ケーキを食べなさい!

 前橋:うわーん! 思ってた悪魔の動きと全然と違―――う!!

???:待って下さい!

 前橋:今度は誰……?

 水戸:あたしは天使前橋。 あなたの右心房に宿る善い前橋です。

 前橋:ウチの心臓どーなってんの。

 水戸:本体さん、今ケーキを食べていいんですか……? 確実に太りますよ…?
    3ヶ月毎日欠かさずダイエットしてきて、昨日やっと55キロを切ったじゃないですか…!!

 前橋:たしかにそーなんだよねー…………。この3ヶ月は我慢して夜6時以降は甘い物食べないよーにしてたし……。

 水戸:他にも、いっぱい頑張りましたよね。 早朝のジョギングに、1日3食の酵素ドリンク、

 前橋:うん、うん。

 水戸:靴をスポンジ素材に替えたり、骨の中身を真空にしたり、ドリルでボディに穴開けて肉抜きしたり……。

 前橋:後半ミニ四駆っぽさが凄くね!? 肉抜きってミニ四駆の改造かマックの注文でしか聞かないよ!

 水戸:だからここでケーキの誘惑に負けちゃダメです! 踏ん張りましょう。

 前橋:ん〜……天使って自称してるわりに発言レベルが悪魔と同じなんだよねー……。
    だったら悪魔の言う事聞いてケーキ食べちゃった方が今は幸せだしー。

 水戸:えー……悪の道に走らない練習なのに、なんであたしが劣勢になるんですか……。

宇都宮:アハハハハ! 所詮人間は楽な方を選ぶ生き物なのよ! 天使のような悪魔の笑顔がこの街に溢れているのよ!

 前橋:あはははは。やっぱ自分に正直に生きるのが一番ラクだよね〜。
    ケーキおいしそー…………いっただっきま

???:ちょっと待ってー!

 前橋:ふぇ? 悪魔、天使ときて……次は誰?

 水戸:あたしは天理! この世界が創造された”ぢば”がある奈良県天理市で教祖(おやさま)を崇める新興宗教です!

 前橋:なんか、やべーのきたんだけど。

宇都宮:何よアンタ。名前似てるけど、天使の親戚?

 水戸:あ……あ、あ、悪魔だああああああ!! たっ、直ちにこの因縁を浄化をせねばッ!!
    あしきをはろうてたすけたまえてんりおうのみこと!あしきをはろうてたすけたまえてんりおうのみこと!

 前橋:…………。

 水戸:かぜのなかのすばるすなのなかのぎんが!かぜのなかのすばるすなのなかのぎんが!みんなどこへいったああああああ!!!

宇都宮:…………私、左心房に帰るわ。

 前橋:え!? ま、待って! 悪魔に帰られたらウチの頭の中は天理だけに…

 水戸:ぎんのりゅうのせにのってえええええええ!!ぎんのりゅうのせにのりてええええええええ!!
    ふう…………これで悪い因縁は浄化されましたね! 日々お供えした賜物です!

 前橋:あ、ありがとー…………なのかな? 中島みゆきを熱唱してただけな気がするけど。

 水戸:さ、今日はもう寝ますよ! 明日は5時から朝づとめが始まるから、それまでには親里へ帰りましょうね! 
    というか、今すぐ奈良に移住しましょう! ようこそおかえりなさい!

 前橋:うわあああああああ誰か助けてえええええええええええええ!!

???:待ちたまえ。

 前橋:ここできたーーーーー! 期待通りの見慣れた展開ーーーーー!!

宇都宮:私は、ナイススティック。

 前橋:

宇都宮:ナイスなヤマザキパンが生んだ、この世でもっとも、ナイスなスティック。

 前橋:ダメだ、コイツは頼りにならない。

宇都宮:ナイスなパン工場は、ナイスな貴方のナイスな心臓のナイスな右心室にある。

 前橋:ナイスナイスうっせーよ菓子パン風情が! てゆーかここまで出てきたヤツらみんなウチの体の中に居たのかよ! マジかショックだわ!

 水戸:あら、こんな所にパンが落ちてますね。誰かがお供えに置いたのでしょうか……。 早速教祖(おやさま)に奉納しないと!

宇都宮:ナイス寄附。(´ナёナ`)b

 水戸:きゃ! パンが喋った! まるで生きてるみたい…………はっ……もしや、このパンには教祖(おやさま)が宿っているのでしょうか!

宇都宮:ナイス推理。(´ナёナ`)b

 水戸:きゃあああああ!! た、大変失礼致しました!!
    ぞ、俗世に生きるあたしの汚らわしい手で直に教祖(おやさま)を触れてしまうなんて……
    申し訳ございません!! 誠に勝手な申し付けと存じておりますがどうか……どうかお許し下さいませ!!

宇都宮:ナイス陳謝。(´ナёナ`)b

 水戸:お、教祖(おやさま)……。ありがとうございます!! あたし、ふるさとに帰ってもう一度信心を深めて参ります!!

宇都宮:ナイス信仰心。(´ナёナ`)b

 前橋:おお……天理が消えてった……。すげー……このパン、神かよ……。 色んな意味で。

宇都宮:そう。なぜなら私は、ナイスなスティックだから。スティック オブ ナイス。(´ナёナ`)b

 前橋:しかしうぜーなコイツ……こんなのに助けられたと思うとノットナイスだわー……。

???:Hey  , Just a moment.

 前橋:ふぁい!??? なんか、本物の英語がやってきたんだけど!

 水戸:I am Jesus Christ.

 前橋:キリストだヤバい、遂にガチの神様がきちゃったよ。つーかキリストもウチの頭の中にいるのかよ。

 水戸:I am very famous God in the world.
     Because , I made the world.

 前橋:うわ、コイツ神様のくせに頭は英検5級レベルだ! ウチの頭と同レベルだ!

 水戸:I live in 左心室.

 前橋:これで心臓が満室になったよ、やったね!    やったね、じゃねえええええ!!

宇都宮:Hey Christ. Please eat this NICE STICK.

 水戸:Eat? om nom nom…… Oh~! This stick is Nice!

宇都宮:Yeah~! We are the Nice (´ナёナ`)b

 前橋:BAKA JA NAINO! もしかしてもしかして、ナイススティック食べて和解してる感じ!?

 水戸:Yum Yum, Yum Yum.

 前橋:キリストがナイススティックをすげーうまそーに食ってるんだけど。
    2000年の時を越えて、キリストがナイススティックを頬張ってるよ!

 水戸:Uh……I like NICE STICK.
    But, I like LUNCH PACK than NICE STICK.

宇都宮:Fuck you!! 

 水戸:Ouch!! No war! No war! 

 前橋:はいストーーーップ!!!!
    もーやだ! もーいい! この世界観についていけないよ!

 水戸:えー、まだ途中なのにやめちゃうの?

 前橋:やめるよ! 結局天使と悪魔が出てきたのなんて最初だけだったじゃん! 途中ヘンなの出てきたし!
    最後はもう手に負えなかったよ! キリストとナイススティックの掛け合いって前衛的過ぎるって!
    ホント、何のためにもならない不毛な時間だった!

宇都宮:そんな事ないわよ。これで答えが出たじゃない。

 前橋:ホントに?

宇都宮:要するに、夜中におなかがすいたらうまい棒を食べればいいのよ。

 前橋:いい加減にして!


Rゲート
No.042 異梅津よろしわろし
読書の秋
よろし:どうも、比梅津(ひうめづ)よろしかばです!

わろし:蟻梅津(ぎうめづ)わろしかばです。

よろし:二人合わせて『異梅津(いうめづ)よろしわろし』です!久々のMM−1ですがよろしくお願いしまーす。
    いやぁわろし君、それにしても季節は秋だねぇ!

わろし:よろしかばさん、今は梅雨です!後から見てくださる方に優しくないボケはどうかと思います!

よろし:そうだなぁ。秋といえばいろいろあるけど、わろし君は秋と言えばどんなイメージがあるかい?

わろし:秋の話続けるんですね…
    うーん、僕個人としては「読書の秋」っていうイメージが強いですね。

よろし:読書の秋!!やっぱりそうか・・・

わろし:やっぱり・・・とは?

よろし:いやね、わろし君がそう言うだろうと思って、今日は読書の秋に相応しい本を作って持ってきたんだ!

わろし:そうなんですか!?
    持ってきてるんだったら、是非読んでください!

よろし:ん、この本を読めと?

わろし:はい、是非!

よろし:そうか、ではわろし君もそう言ってる事だし、読むことにしよう。

わろし:はい、お願いします!

よろし:では。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

わろし:あっ・・・あのー・・・

よろし:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

わろし:よ、よろしかばさん?

よろし:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

わろし:・・・もしもーし?

よろし:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

わろし:・・・あっ、分かりました。
    きっと「黙読」っていうボケのつもりですね。

よろし:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

わろし:そういえば僕も「読んで聞かせてください」とは言いませんでしたからね。
    ようし、ツッコんじゃうぞー・・・

よろし:・・・・・・・・・zzzzzzZZZ

わろし:・・・え゛っ!?

よろし:ZZZZZZzzzzzz・・・

わろし:ちょっ・・・よ、よろしかばさんっ!?

よろし:・・・・・・zzzzzz・・・

わろし:よろしかばさん、いま漫才の途中ですよ!起きてください!
    ・・・だ、ダメだ、完全に寝ているっ!あちゃー、どうするかなぁコレ・・・

よろし:・・・・・・   (パタッ)

わろし:あーあ、本を落としちゃった・・・ん、本!?

    そうだ!よろしかばさんが寝ている間に、
    よろしかばさんが作ってきたっていうこの本を、僕が皆さんに読み聞かせれば良いんだ!
    どれどれ、まずは拾ってみましょう・・・


     【表紙:魚の絵】


わろし:よろしかばさん、今日のために表紙までちゃんと描いてくるなんて・・・
    さて、さっそく中身を読んでみましょうね。

    (ペラッ)

     【1ページ目:鳥の絵】


わろし:ん・・・


    (ペラッ)

     【2ページ目:水田の絵】


わろし:あれっ・・・


    (ペラッ)

     【3ページ目:太陽の絵】


わろし:えっ、ちょっと待ってください、これってまさか・・・



    (ペラッ)

     【4ページ目:港の絵】


わろし:も・・・文字がない!!完全に「絵本」状態ですっ!!


    (ペラッ)

     【裏表紙:人魚の絵】


わろし:終わっちゃった!!一文字も書いてないまま終わっちゃったよ!!
    これをどう読めと・・・

よろし:・・・zzzzzz・・・

わろし:そうか・・・よろしかばさん、きっとここで考えた内容を読めばいいと思って、文字は書いて来なかったんですね!


    うーん、でも読むと決めたからにはよろしかばさんが何を書こうとしたのか解釈したいところですね・・・
    やっぱり漫才で読むものですから、普通に考えれば物語でしょうかね・・・

    まず、表紙に【魚】の絵・・・何の魚でしょうか?
    青魚のようですけど、小さい魚なのか大きい魚のかも見当もつかないし・・・


よろし:zzz・・・ムニャムニャ、もう食べられない・・・

わろし:あーあ、寝言なんか言っちゃって・・・よろしかばさん完全に夢の中だよ・・・

よろし:・・・サンマ・・・zzzzzz

わろし:・・・・・・?さ、サンマ? 
    まさか・・・この魚はサンマだっていうのですか!?
    絵からすればあり得なくはなさそうですけど・・・

    うーん、それでもって裏表紙が確か【人魚】でしたよね・・・
    表紙がサンマと人魚、ということは・・・!?



      『むかーしむかし、一匹のサンマがおりました。

       サンマは陸に上がりたい、と思っていました。

       ある日、サンマは鳥に咥えられ、水田に連れていかれました。

       サンマが水田で泳いでいると、太陽が言いました。

       「ここはあなたがいるべき場所ではありません。

       あなたのいるべき場所にワープします。」と。

       サンマは、漁獲された魚として、漁港にワープしました。

       「このままじゃ食べられてしまう・・・!!」

       サンマがそう願うと、サンマはみるみるうちに人魚の姿になり、

       食べられるのを回避しただけでなく、陸で生活できるようになりました。』


    こういうストーリーなのではっ!
  


    ・・・うん、有り得ない!有り得なさ過ぎる!!ワープて!!ワープて!!!
    いや、よろしかばさんのことだからこのくらいの超展開を作りかねないけど、
    さすがにこれじゃあ無理があるしなぁ・・・


よろし:・・・zzzzzz

わろし:あーあ、よろしかばさんまた寝言言わないかなぁ・・・

よろし:・・・・・・・・・ソラ・・・

わろし:!!・・・そ、そら?空のことでしょうか・・・
    空って言うと・・・書いてあった絵の中では鳥と太陽が空に関係しますが・・・

    ・・・・・・!!待てよ・・・この太陽の絵を空と捉えて、
    鳥の方を「羽」と捉えれば・・・!!



     【1ページ目:鳥の絵】 ⇒羽
     【2ページ目:水田の絵】⇒田
     【3ページ目:太陽の絵】⇒空
     【4ページ目:港の絵】 ⇒港


わろし:羽、 田、 空、 港 ・・・!?
    ま、まさか!!この本全体で「羽田空港」を表していたのでしょうか!?
    そんな隠された秘密があったなんて・・・!!

    と、いうことはこの物語は・・・


      『むかーしむかし、一匹のサンマがおりました。

       サンマは、羽田空港から飛行機に乗りました。

       飛行機が離陸すると、窓の外には鳥さんがいました。

       下のほうには、水田が見えました。

       太陽が、いつもより近くに見えます。

       飛行機は、とある港町に着陸しました。

       旅先で、サンマは人魚に出会いました。』


    こういうストーリーなのではっ!


    ・・・いや、ないよなぁ。
    まず、サンマは飛行機に乗らないよなぁ。
    サンマが乗ったとすればそれは漁獲したサンマを空輸する時であって、
    サンマからすれば窓の外の鳥さんに注目している場合ではないしなぁ。

    そもそも、羽田空港がこんなにも隠喩的な形で出てくる本ないよなぁ・・・
    羽田空港の事を言いたかったら、空港の絵を描くだろうしなぁ・・・

    うーん・・・何かありそうなんだけどなぁ・・・


よろし:zzz・・・・・・チバ・・・・・・

わろし:・・・・・・千葉!?どういう寝言ですかよろしかばさん・・・

    はっ!千葉、空港・・・ということは・・・
    まさか、これは羽田空港じゃなくて、『成田空港』のことを言ってるとか!?

    とすると、1ページ目の鳥は「成」を表している・・・?
    鳥でナリ・・・ナリア・・・カナリア・・・カ、カナリア!?

    そうか、1ページ目の鳥は『カ「ナリ」ア』だったんですね!!
    するとサンマが飛行機に乗らないことも考慮して、この物語はきっと・・・



      『むかーしむかし、一匹のサンマがおりました。

       サンマは、成田空港郊外の水田ででカナリアに突かれました。

       太陽に晒されるサンマ。

       今頃みんなは漁獲されてるのかなぁ・・・

       あぁ、人魚さぁん・・・』


    きっとこんな・・・


    いや、やっぱり有り得ないですっ!今まで一番有り得ないですっ!!
    そもそもサンマは成田空港みたいな内陸に突如出現しませんっ!!
    それに、成田空港周辺に野生のカナリアがいるかどうかも分からないですし、
    最後の方は完全にサンマの妄想ですし!ストーリー上比較的どうでもいいですし!

    ・・いや、よろしかばさんなら何か意味を込めて描いたのかもしれない!!
    よし、よろしかばさんがこの本に考えるんだ・・・考えるんだっ・・・!!


    うーん、サンマ=秋刀魚だから秋、ということは「秋田空港」?
    いや、1文字目は魚じゃなくて鳥だったしなぁ…


よろし:zzz・・・ムニャ、んん?何やってんの、わろし君?

わろし:ちょっと、よろしかばさん黙っててくださいよ!
    今私はこの本に隠された意味を考えてるんですから!!

よろし:この本って・・・私が書いた本?

わろし:そうです、よろしかばさんの書いた本です!って、あ・・・す、すみません。起きられたんですねよろしかばさん・・・

    っていやいやいや!よろしかばさん、何漫才中に寝ているんですか!!

よろし:あー、スマンスマン。実は昨日寝不足でね・・・

わろし:寝不足とかそういう問題じゃないですよ!!舞台上で寝るとか前代未聞ですよ!!

よろし:いやぁ、これはやらかしちゃったね。つい、


    「食べ放題の店で既にお腹がいっぱいなくらい食べてたら、
     千円札をもう3枚出せばもっといろいろ出てくるって言われたからつい出しちゃって、
     するとさらに味噌ラーメンとかまで出てきちゃって、まぁ高い金を支払ったけど、
     私はこの世で一番幸せだなぁ・・・」

    っていう内容の夢を見てたよ!

わろし:どんな夢ですか!!結局いろいろ食べ物が出てきたってだけじゃないですか!!
    何夢の中で食欲の秋を堪能してるんですか!!っていうか今、秋じゃないですけど!!!


    はっ・・・ということはさっきの寝言は、本のストーリーとは関係なく、夢の中の


    よろし:・・・サンマ・・・zzzzzz
       (千円札さんまい)

    よろし:・・・・・・・・・ソラ・・・
               (味噌ラーメン)

    よろし:zzz・・・・・・チバ・・・・・・
           (この世でいちばん)


    の事だったんですか!?

よろし:私いつの間にかそんな寝言を喋っていたのか・・・
    まぁ、とりあえず夢とこの本とは全く関係ないけども。

わろし:関係なかったんですか・・・サンマも羽田空港も成田空港も・・・

よろし:???よく分からないけど・・・

わろし:え、じゃあどういう物語を読む予定だったんですか?

よろし:物語?別に物語を読む気はなかったんだけどなぁ。

わろし:え、そうなんですか・・・じゃあ、いったい何をこの本で?

よろし:ああ、まぁ絵はほんのメモ程度に描いただけど、
    ちょっと読書風みたいなラフな形にして、この場を通して語りたい事があってね。

わろし:語りたいこと?何ですか?

よろし:今、いろんな食料や環境に関する問題があるじゃないか。

    人間のせいでで川が汚染されたりして【魚】や【鳥】が住みにくくなったし、
    あと日本では米が余って多くの【水田】が休止させられたりとか。
    そして、オゾン層破壊によって【太陽】から届く熱やら紫外線が多くなって地球温暖化が進んだりとか。
    それらの問題の背景には、【港】での貿易で関税が不当に高かったり安かったり、っていう問題もあるんだ。

    そういう実例を交えながら、日本の未来が抱える問題点と解決策について熱く語ろうかなぁ、と・・・

わろし:よ、よろしかばさん・・・
    僕たちにそんなありがたい話しようとしてたんですね・・・
    いやいや、僕、なんだか感動しちゃいました!!

よろし:そうそう、そんなマジメな事ばっかり考えてたら、エッチな事が急に思い浮かんじゃってね。
    ちょうど裏表紙が空いてたから、人魚の絵描いてあれこれ妄想しちゃた!それで寝不足なのさ!!

わろし:いや、そこはヘンな意味だったんですかっ!感動を返してくださいっ!!

予選総合第22位(準決勝敗退) 異梅津よろしわろし
審査員
点数
65 73 62 63 50 平均62.60
【審査員コメント】
・主宰がオチに爆弾落としていきやがった。てか昔の即興ネタじゃないっすか懐かしい。
 感想としては、単純に凄い。「成田空港」とか繋げるテクニックにあっぱれ。
 ツカミからオチまで無駄が全く無くて惚れ惚れしたんですが、テクニックの反面笑いに乏しく思えたのも事実でして。
 わろし君の想像や暴走にもっとアホらしさがあれば笑いに関しても問題なかったです。
 「あぁ……人魚さぁん……」とか最高でした。どうしたんだよ急に。
 漫才ということを加味して点数は伸びないかもしれませんが、点数以上の素晴らしい作品です。
   
・簡単な単語ばかりですが、いろいろストーリーを組み立てられるもんですねー。
 太陽の力でワープとかサンマの空輸とか、これだけでも無茶苦茶です。
 でも、構成上ボケが多い所少ない所の波が激しく、そのボケが多い所でも爆笑とまでは至りませんでした。
 絵本の単語の中に一つくらいめちゃくちゃなモノをぶちこんでたら、
 作る難易度は上がりますが、間違いなくもっと面白くなってたと思います。
   
・ほぼわろしかばさんのピンネタやないか!
 「羽田空港」とか絵本の中身の突飛さとかコンスタントに面白かったんですが、単純に笑いどころの数が少なかったかなあと。
   
・これも試みは面白いです。
 でも上手さがちょっと前に出すぎかなあと。
 もう少しバカバカしさがあればなお良かったです。
   
・非常に感心させられるネタでした。ネタの広げ方が良いなと。
 しかし、これだけ好印象を与えておきながらあんまり笑いに繋がってないのが残念。
 ネタ中でうまく解釈しちゃってるんですが、むしろ強引すぎなくらいにしてしまったほうが良いのではないですかね。
   
・うーん我ながらこの安定感。
 何とか準決勝には復帰出来ました。(よろしわろしとしては初)
 このネタの仕掛け自体、自分でも好きではあったので何よりです。
 次回は正統派系&もっとボケを詰め込んで貪欲に笑いを狙っていきたいと思います。