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031 プラネット・コミュニティ 032 バトルロワイR 033 バニーガール 034 世界平和渇望倶楽部 035 天体観測
036 優しい朝の光に包まれて 037 おちんちんを育てる会 038 海洋ブリザード 039 whitewhite 040 あかつき


Rゲート
No.031 プラネット・コミュニティ
官能昔話
3人:はい、どうも! 私たち「プラネット・コミュニティ」です!

恵子:★座右の銘は「何事も覚悟を決めてケイケンだ!」 渡辺ケイコです★

美鳥:…………キャッチコピーは「幸せはより取りミドリ無限大」南雲ミドリです…………。

千歳:目標は「長生き」森田チトセです! 星が見える位にキャピキャピ口調の元気娘ケイコ。
   意味ありげな間をあける不思議娘ミドリ。そして比較的まともな私チトセの、女3人で漫才をさせていただきます!
   さて、いきなりですけど私、最近すごく子供って可愛いなと思いまして、いつかは自分の子供が欲しいと思っているんです!

恵子:★ほうほう、子供ですか。ところでミドリちゃんは、どうやったら子供が出来るか知ってますかぁ?★

美鳥:…………当然。ゴムに穴をあければいい…………。

千歳:騙し討ちかい! しょっぱなから予想の斜め上を行くほどにベタで下衆なボケ方をするんじゃないの!
   そうじゃなくて子供作りは男女の意思が一致してから……でもなくて避妊はしっかりと……それも違くてええと……
   小さな子供が可愛いっていうお話ですよ!

恵子:★私は子供ってあんまり好きじゃ無いんですよねぇ。特にあの泣きゃあ何とかなるっていう考え方とかぁ?★

美鳥:…………そうそう。良い女気取りかよっつーの…………ケッ!

千歳:ケイコも大概だけどミドリさあ、私たち一応うら若き美少女という設定なんだから「ケッ」なんて言って
   舞台上で反吐を吐き捨てるのはやめようよ。

恵子:★あとは、赤ちゃんってやたらオッパイ欲しがるじゃないですかぁ。まるで乳児みたいですよねぇ★

美鳥:…………乳離れ出来る殿方なんていない。むしろ乳児より大人の方がよっぽど欲しがる。
   肉欲に火がついた成人男性のオッパイに対する執着は計り知れない。はあ、昨晩も彼、激しかった…………ポ。

千歳:ケイコのベタなボケは置いておくとして、ミドリはさ、ここが舞台の上だということをいい加減自覚するべきだよ。

恵子:★遠くから見てる分には普通に可愛いですけど、自分が世話管理する立場になったら、
   そんなことばっかり言ってられませんよぉ。子供というのは動物園の猿を同じです★

美鳥:…………そう、人間は誰しも一皮むけば皆ケダモノ。ドスケベな変態な姿こそが生物としての本性なのです…………。

千歳:相方二人がいかがわしい宗教などに入らないことを祈りつつ話を進めますけど、
   私は自分の子供に昔話を聞かせてあげたりすることに憧れているんですよね。

恵子:★それなら、私ケイコとミドリちゃんは、学童保育の子供らにボランティアで
   絵本の読み聞かせをしてあげたことがありますよぉ★

千歳:へえ、そうなんだ。ちょっと意外だね。

美鳥:…………ただ、読み終えた後に子供たちを一人残さず殺して回りましたけどね…………。

千歳:血の気が引くような嘘をつくんじゃないの! でも貴方たちの読み聞かせ、どんなのか興味あるな。
   どんな感じか、この場でちょっとやってみてよ。

恵子:★いいですよぉ。コホン★ 
   ★「むぅ〜かし、むぅ〜かし、あるところに」★

千歳:ケイコさあ、「むぅ〜かし」じゃなくて「むかぁ〜し」が正しいと思うよ。

美鳥:…………チトセ、それは何故…………!?

千歳:そんなに真剣に尋ねられても分からないけど! 話の腰を折ってしまってすみません。
   伸ばす箇所は自由で良いので続けて下さい。

恵子:★いえいえ、それでは最初からぁ★ 
   ★「むぅ〜かぁ〜しぃ〜、むぅ〜かぁ〜しぃ〜、あぁ〜るぅ〜とぉ〜こぉ〜ろぉ〜にぃぃぃぃぃ」★

千歳:ちょいと、ちょいと! それは流石にスルーできませんって! おふざけが過ぎるよ! ねえ、ケイコ!

恵子:★「ふぅ〜じこちゃぁぁぁぁん、が住んでいました」★

千歳:ルパン!? ルパンが今から始まるの!?

美鳥:…………ケイコ、今の凄く似てる。大山のぶ代に…………。

千歳:別人じゃん! 声色が昔のドラえもんに似ていたとしたら、そのモノマネ物凄く下手だよ! 
   そうじゃなくて、ちゃんとした昔話を聞かせておくんなまし。

恵子:★それでは「ヘンゼルとグレーテル」なんぞを二人で交互にお送りいたします★

千歳:ああ、何となくそれ知ってる。捨てられた兄妹をお菓子の家の魔女が太らせて食べようとする奴だ。

恵子:★それでは始まり始まりぃ★ 
   ★「ヘンゼルとグレーテルを捕えた魔女は、二人に食べさせるための料理を作りました」★

美鳥:…………「裸エプロンで」…………。

千歳:何でよ! 通常、昔話にサービスカットは無いでしょう!?

恵子:★「抜群のプロポーションを誇る美しい魔女の、妖艶なセクシーショットを目の当たりにした兄ヘンゼルは
   下半身を一気に太く膨張させました。それを魔女はペロリと食べてしまいました」★

千歳:なにゅう!? それはつまりフェ○○○!? 太らせて食べるってそういうこと!?

美鳥:…………「少年は昇天した」…………。

千歳:それは逝ったの? それともイッたの?

恵子:★「料理は妹グレーテルが美味しくいただきました。大豆をふんだんに使用したヘルシーなメニューで、
   イソフラボンをたっぷりと摂取し、バインバインでムチムチな女性的な色気の溢れる豊満体型となりました」★

美鳥:…………「胸やら尻やら女性特有の柔らかな部分が豊かに発達した少女の姿を見た思春期の兄は
   劣情を押さえきれずに実の妹を食べてしまいました」…………。

千歳:やめろ! 子供に聞かせられるか、そんな話!

恵子:★「そして兄は、淫靡な魔女のお姉さまとナイスなバディの妹と共に、
   甘く爛れた性活を送りましたとさ。お菓子の家だけに」★

美鳥:…………「その後、少年の鬼畜さが噂で広まり、「お菓子の家」は「犯しの家」と呼ばれるようになったそうな。
   めでたしめでたし」…………。

千歳:上手いこと言ったつもりか! ていうか、そんな話どんな本に載っている!

美鳥:…………夜伽話…………。

千歳:お、と、ぎ、ば、な、し、ね! 夜伽話なんてジャンルは無い! あってはいけない! 
   ちゃんとした子供向けの物語をプリーズ下さい!

恵子:★それでは「かちかち山」などいかがでしょう★

千歳:ああ、いいね。タヌキがお爺さんを騙してお婆さんを食べさせて、ウサギが仕返しをするって奴だ。

恵子:★それでは始まり始まりぃ★
   ★「タヌキに騙されて、お爺さんはお婆さんを食べてしまいました」★

美鳥:…………「性的な意味で」…………。

千歳:大いに結構なことじゃないの! 灰になるまで現役とは見上げたものだね!

恵子:★「それはさておき、タヌキはコスプレした若い女性がサービスしてくれるお店に行きました」★

美鳥:…………「そこでウサギちゃんを指名しました」…………。

千歳:今時、バニーガールのことをウサギちゃんだなんて誰も言わないわよ! 
   それにこの後、タヌキを燃やしたり溺れさせたりする展開にどうやって持って行くつもりなの!

恵子:★「その夜、タヌキは燃えました」★

美鳥:…………「ベッドの上で」…………。

千歳:やめなさい、はしたない!

恵子:★「そして、タヌキは溺れました」★

美鳥:…………「快楽に」…………。

千歳:やめなさいと言うてますやろ! 大体、この話「かちかち山」という題名と関係ないじゃないの!

恵子:★だってぇ、ナニをするとき男の股間はカチカチになるでしょぉ?★

美鳥:…………そして山のようにそびえ立つ…………。

千歳:なるほど「かちかち山」の正体は勃起したチ○ポだったってことね。
   って、うら若き清い乙女を自負するなら「勃起したチ○ポ」だなんていやらしい言葉は慎みなさい!

美鳥:…………言ったのはチトセ、貴方…………。

千歳:いやあん、恥ずかしいん! 清純派のキャラで行きたかったのにい!

恵子:★それでは、行数が許す限り次々と連続で昔話をお送りしていきたいと思います。まずは「桃太郎」★
   ★「あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。実際は結構若いのですが、ここでは便宜上そう呼ぶことにします」★

美鳥:…………「お婆さんは川へ洗濯をしに、お爺さんは山へしばかれに行きました」…………。

千歳:「しばかれ」じゃなくて「しばかり」ね! だとしたら、お爺さんボコボコになって帰って来るでしょう!?

恵子:★「『奥様は魔女』ならぬ『旦那様はマゾ』ということで。しばらくすると、お爺さんはボコボコになって帰ってきました」★

千歳:本当に山へしばかれに行っていた!? 恐るべし、マゾの旦那様!

美鳥:…………「その日の夜、お爺さんはお婆さんの豊麗な桃をパックリと開き、その後何か物凄いことを一晩中していました。
   そして十月十日後、玉のような男の赤ちゃんが産まれました」…………。

千歳:普通の話じゃん! 全ての夫婦の間で必然的に起こりうる、快楽の果てに愛の結晶が誕生する物語じゃん!

恵子:★「お爺さんが極度の太腿フェチだったことから、この子は桃太郎と名付けられました」★

千歳:わーい。この上なく悲惨な由来のネーミングだあ。

美鳥:…………「太腿というのは建前で、実は尻フェチだったという説も囁かれております。めでたしめでたし」…………。

千歳:ヒネリのないオチだな! 桃イコール尻なんて小学生でも言わんわ!

恵子:★続いては「赤ずきんちゃん、おねショタ版」でぇす。拍手〜★
   ★「病気で床に伏している美人お姉さんの元に、親戚の美少年がお見舞いにやってきました。
   性的好奇心旺盛な思春期少年と、しばらく寝たきりだったために欲求不満である少年愛嗜好者(ショタコン)のお姉さんが
   狭い部屋に二人きりとなったため、必然的にそういう雰囲気になってきました★

美鳥:…………「あどけなさの残る、凛々しくも可愛らしい美少年はおもむろにこのような質問をしました
   『ねえ、お姉さん。お姉さんのオッパイはどうしてこんなに大きくて柔らかいの?』」…………
   (モミモミ、パフパフ、チュパッチュパッ)

千歳:何ですか、そのあまりに品の無い導入は! そしてミドリ! いかがわしい擬音を小声で付け足さない!

恵子:★「その一言によって理性という名の頭巾が剥がれてしまったお姉さんはこう答えました。
   『それはね、お前を食べるためだぁ!』」★

美鳥:…………「服を全て一瞬で脱ぎ捨てた巨乳美人お姉さんは、美少年をベッドに引きずり込み、全裸で覆いかぶさりました。
   お互いに狼と化した二人は襲い襲われ、お互いの身体を心行くまで貪り食い合いましたとさ。めでたしめでたし」…………。

千歳:ううむ、一応ハッピーエンドと言えなくもないのか? ってそんな訳あるか! 全部お前らの趣味だろ! 
   そりゃあ確かに美少年っていうのは、半ズボンから飛び出す細くて綺麗な脚が眩しくて見かけたら思わず連れ去りたくなるし、
   華奢だけど男らしい体躯の肢体を舐め回したいし、「エッチなことなんて全然興味無い」だなんて強がって言い張る
   潔癖で清らかで汚れを知らない天使にお姉さんが色々いけないこと教えてあげたいけど……って違〜う!! 
   断じて私はショタコンじゃ無いんだからぁ!

恵子:★チトセちゃんはやっぱり可愛いなぁ。それでは最後に「裸の王様」のパロディ、
   「裸の女王様」をさせてもらってもいいですかぁ?★

千歳:はあ、はあ、はふぅ……。怒鳴り過ぎて息が切れているだけであって発情してるわけじゃないからね。
   そのタイトルから悪い予感しかしないけど、一応聞かせて。

恵子:★はいはぁい。それじゃあいきますよぉ
   ★「あるところに、とても騙されやすい女王様がいました。今日も女王様はいつもどおり、
   全身にフィットした皮製の露出度多めのコスチュームを身に纏い、鞭を奴隷にビシバシと叩き付けています」★

千歳:ボンテージルック!? 女王様ってSMの女王様なの!?

美鳥:…………「ちなみにそのボンテージは、胸の部分がくりぬいてあるため、形のいい乳房は丸見えで、
   激しく動くたびに剥き出しの山脈がポヨポヨと揺れています。そしてTバックショーツの股間部分には、
   意味ありげにチャックが付いています」…………。

千歳:その描写は必要か!? 大きなお友達の中にはたまらなく好きな人もいるかもしれないけど!

恵子:★「ある日、女王様は自分よりSな人には見えないというボンテージを商人から購入しました。
   女王様は早速それを着て、というより全裸で街に出ました」★

美鳥:…………「道行く人にボンテージが見えるかどうかと聞いたところ、例外なく誰もが『貴方は全裸です』と答えました」…………。

千歳:ううむ。何から突っ込んで良いやら。通行人が冷静過ぎるし、実際にボンテージ着ていたとしてもおかしな光景だわ。

恵子:★「今まで自分が誰よりもドSだと信じて疑っていなかった女王様は、
   周りの人たちの方が自分よりもずっとSなのだと思い込み、もしや自分はMなのではと思い始めました」★

美鳥:…………「そう思った途端、衆人環視の中で全裸という無防備な姿を晒すという恥辱が快感へと変わり、
   その場で失神してしまいましたとさ。めでたしめでたし」…………。

千歳:何なのよ、これは! 子供に聞かせる話ってさっきから言ってるでしょうがぁ! 
   こんな話を聞いた子供たちはどう思うと思っているんじゃあっ!

美鳥:…………SとMとは意外にも表裏一体で、実は紙一重なのだと学ぶ…………。

千歳:そんな教訓いらんわ! いい加減にしなさい!

恵子:★せーのっ★

3人:プラネット・コミュニティでした! ありがとうございました!

予選総合第36位(2回戦敗退) プラネット・コミュニティ
審査員
点数
30 55 27 75  8 63 平均43.00
【審査員コメント】
・七女みたいなキャラ立て重視のかわいい漫才かと思いきや、想像以上にゲスいネタでした。詐欺だよ。
 何がゲスいって、序盤はルパンとかそこそこ正統派のボケやってるのに後半は下ネタ一本槍なところですよね。
 さておき。下ネタにかんしては「夜伽話」「快楽に」など、「おっ」と目を見張るものもあったのですが、 
 大体がただエロいだけの描写だったり、よくあるタイプのエロボケだったりでエロの必然性が薄かったです。
 せっかく個性的なキャラを3人も作ったのですから、エロネタをやるにしてもキャラを活かした方が面白いかと。
 例えば美鳥がローテンションでエロネタを言う一方で恵子は言わなかったり、エロネタだということに気付かなかったり。
 ただ二人でエロネタを言うより、明確な役割分担をした方がエロに必然性と深みが出るかと。
 そうした上でエロボケに個性とインパクトが備われば、この3人にしか出来ないエロ漫才の出来上がりです。
 女性トリオエロ漫才とかリアルでも滅多にいないんで、願わくばこの路線を貫いてください。
   
・これだけ口調でキャラ付けされてると、初見でも3人の区別がつくし読みやすいなあ。あかつきも参考にせねば。
 さて、終盤の「それでは、行数が許す限り次々と連続で昔話をお送りしていきたいと思います。」
 突然のメタに思わず噴きました。(いい意味で)んな雑な展開があるかと。
 噴きましたけど、以降の昔話はもうおなかいっぱいでした。
 美味しい一品料理でも、同じ味が続くと後半は食べるのがつらくなるのと同じ感覚とでも言いましょうか。
 変化球というか、スパイスというか、そういった変調がネタ中に欲しいです。
 ちなみに美少年像が完璧だったので20点上乗せしました。     嘘です。
   
・最近こういう感じの方がいつものいしかわゆうきさんって感じがしてしまいます。
 ごめんよライラック。
 
 正直ベタな昔話置き換えネタで、既視感のあるボケが多く、高評価するのは難しいです。
 でもポップなノリでめっちゃ下ネタ言う、ってのは雰囲気としては面白いと思うので、
 さらに独創的な発想が生まれれば化ける可能性はあるかなと。
 オチの「…………SとMとは意外にも表裏一体で、実は紙一重なのだと学ぶ…………。」
 はよかったです。
   
・こりゃアホだなぁと心底呆れるんですけど、これは笑える呆れです。笑いました。
 清々しいまでにやり切ってくれましたね。
 キャラがぎこちなく感じたので無理せず作者の素のままでいっても良いように思いました。
   
・ただいやらしくしただけで、面白さに全くといっていいほど結びついていないのと、余計な情報が多くてただただ傲慢なネタに思えます。
 もう少し落ち着いて書いて、落ち着いて読み直したほうが良いです。
 途中からエロくすることしか考えてないように感じます。エロいと面白いが両立しないと意味ないですよね。
   
・「………」なイメージの美鳥が初っ端からゴムとか言い出したのはビックリしましたw
 方向性が定まっていた分、しっかりとしたネタにはなっていたと思います。
 ただ、全体的に「エロいボケ」以外の見せ所があんまりなかったかなぁ、と。
 終盤辺りにでも、今までに使ったボケフレーズをもう一度使うなどの工夫が取り入れられていると、
 より読み手を引き付けられるネタになるんじゃないでしょうか。
 

Rゲート
No.032 バトルロワイR
V/R
R:はいどーも!バトルロワイRです!よろしくお願いします!

Я:………………好きです!!!

R:はい、この人は漫才が大好きなんですよ。

Я:………………好きです!!!

R:ええ、漫才をする喜びのあまり漫才愛の気持ちがのっけから漏れてしまってるようです。

Я:いいえ、Rさん。あなたのことが好きなんです。

R:矛先はこっちでした。いや、いきなり何だよ。どういうことだよ。

Я:ああ、Rさん。あなたが愛おしい。愛おしい!いとおしい!

R:どういうことなんだってば。

Я:そのかたちわろしさま、いとおしし

R:なんか「いとおかし」みたいなノリで言ってるけど バカにしたよね?

Я:いやいや、ホントにRさんのことが大好きなんですよ。具体的には、





 SUN MON TUE WED THA FRI SUT
                        1   2
   3    4   5   6   7   8   9
  10   11  12  13  14  15  16
  17   18  19  20  21  22  23
  24/31  25  26  27  28  29  30


Я:これと同じくらい好きです!!!

R:カレンダーと同列って好きかどうかわかんねえよ。

Я:いや「7行になっちゃうから仕方なく左下で調節した月のカレンダー」です。

R:確かにあるけども!今度はピンポイント過ぎて好きかわかんなくなったわ。

Я:あ〜、日本中の飲食店でセルフサービスの水がRさんの家まで取りにいかなきゃならない仕組みだったら気兼ねなくRさんの家にいけるんだけどなー

R:水道水を汲みに たくさんの人が家に来るとか嫌すぎる。

Я:でも、もしそうなったらRさんが皆の人気者になってしまう。セルフサービスの所にはなってほしいけど、皆の人気者にはなってほしくない。
  あー、完全に板挟みだ。この ト リ レ ン マ 。

R:3つもないんだからジレンマだろ。

Я:Rさんへの僕の愛はめちゃくちゃ大きいですよ。自由のマイクロみ像 よりも大きいです。

R:いやたぶん自由の女神の”メガ”を”マイクロ”に替えたんだろうけど!逆数にしたせいでめっちゃ小さくなってるから!
  比較するならせめてギガみ像とかにしてくれよ、そんなの無いけど!

Я:特別にいいものを見せてあげます。

R:は? 唐突にどうしたんだよ。

Я:じゃーん! どうですかこの入れもの。Rさんの唾を集めるために作ったつまようじ入れです。

R:なんて気持ち悪い用途のものを作ってんだ。しかも、唾入れ なのか つまようじ入れなのかが曖昧で 言うならば 唾ようじ入れだな!
  そんな奴に頼まれても唾なんて絶対やらねえよ。

Я:そんなぁ。せっかく初めての陶芸体験で作ったのに。

R:初めて作るチョイス! 皿とかカップを作れば良いものを!
  何なの、初心者はつまようじ入れから始めなさい的な先生だったの!?

Я:やったー! 今ちょっとだけ飛んできたRさんの唾をGET!うれしーうれしー!

R:どんな反射神経だよ。あと、マジで喜ぶのやめてくれよ。気持ち悪さがハンパないから。

Я:この唾は洗剤に混ぜてお洗濯に使いますね。

R:その特殊過ぎる用途なんなんだよ!やめろよ!

Я:その洗剤だってもちろんお店で普通に売ってるやつじゃないですよ。苗から作った自作の洗剤です。

R:自作するにしたって洗剤は苗から作るものじゃないだろ。

Я:あ、唾のお礼に粗品をあげます。はい、ペットボトルのキャップの上に変なポーズのペプシマンがついてるやつです。

R:昔そんなのあったけど! 貰ってもしょうがないわ。

Я:不意に素足で踏むなどして使ってください。

R:そんな一番 痛い使い方したくねえよ。

Я:さて、等価交換が行われたところで提案があります。

R:俺の意志がはたらいてない物流しかなかっただろ。

Я:Rさんのことを 封 印 させてください。

R:はぁ?

Я:あなたのことを封印したいんですよ。

R:意味がわからねえよ。封印するってどういうことだよ。

Я:具体的に言うと、封印するための道具を2種類持っているので、どちらか好きなほうを使い、封印が解かれるまでRさんを食事・呼吸・排泄など含め完全に活動停止にすることです。

R:絶対にダメです。封印はさせません。

Я:そういうわけにはいかないんですよ。このままRさんを野放しにしておけば、私がRさんへの愛のあまり大変なことになるんです。だからRさんを封印するんです。

R:自分のほうを抑えないあたり、ホンモノのヤバイやつだな。

Я:このままじゃ、まだ完成していない船を盗んでそのまま勝手に出航して沈んでしまいそうなんです。

R:衝動的に犯してしまいそうな過ちじゃねえよソレ。

Я:一つ目の封印道具はズバリ、「封印の壺」です。

R:断ったのに話を進めていくのかよ。

Я:この壺を用いれば、名前を呼ぶだけで簡単に相手を封印できるんです。

R:いや恐ろしい道具だな。

Я:2回目の陶芸体験で作りました。

R:だから普通の皿とかカップを作れよ。物騒なもの作るんじゃねえよ。

Я:そして、二つ目の封印道具は「封印の銛(モリ)」です。このモリで相手を突き刺せば相手は封印されます。

R:その使い方なら槍でいいだろうに。モリで刺されるって、何で大型の水生生物みたいな扱いを受けなきゃいけないんだか。

Я:こっちの封印道具のメリットとしては、壺と違って封印した相手の姿をいつでも見られることです。

R:する側のメリットじゃねえか。

Я:さあ、どちらの道具での封印を希望しますか!? 早く選んでください!

R:封印されるのなんて嫌だよ!お前が勝手に盗んで海に出て沈むなんて知ったこっちゃねえし!

Я:僕がこんなにもRさんのことを愛しているのに、Rさんは僕が盗んで海に出て沈もうと構わないっていうんですか!?

R:全く構わないってわけじゃないけど、封印されることと比べたら全ッ然構わないね!

Я:ひどすぎます! 僕はRさんのことを思うとこんなにもスマホが熱くなるっていうのに!

R:それは長時間使いっぱなし もしくは 充電中なだけだろ!

Я:もう!

  Rさんを封印させてくれないと言うのなら! Rさんには50〜60Hzの電流30mAを数分間流しちゃいますよ!

R:おおぅ、これはどっちだ!?ヤベえやつなのかショボいやつなのか!?

Я:ピンときてないようですがこれは呼吸困難になります。危険度の区分は3Bですからね。

R:危険度の区分つきで脅すのやめろや! 普通に怖い!

Я:あのさぁ…… ちょっといい加減にしてもらえませんかね。いつまで好きだと言われている安心感に甘えるつもりなんですか。
  だいたい、Rさんがいけないんですよ。こんなにも僕をRさんに夢中にさせておいてそれですか。
  己の軽率な行動によって生まれた弊害の責任はとらないつもりですか。

R:なっ…… 急な変容。素のトーン……

Я:男ならしっかりしてくださいよ!!!

R:うっ、そうだよな。しっかりしなきゃダメだよな。ホントは俺だってお前のことが好きなんだ。
  でも、素直にはなれなくて……

Я:…………やっと気持ちを聞かせてくれましたか。
  しかし、今の僕じゃRさんには全然ふさわしい人間じゃないのは事実……
  だからですね、僕がRさんにふさわしい人間になれる日まで封印されて待っていてくれませんか。

R:ちょっと待てよ。俺とお前の間には障壁となるような差は何もない。お前の考え過ぎだよ。

Я:いいえ、今のままじゃ僕の気が済みません。どうか僕に時間をください。

R:……そうか。そこまでお前は俺を思ってくれてるんだな。

Я:なぁに、封印されてしまえば時間の経過なんて感じません。すぐですよ。

R:死ぬわけじゃないんだよな……?

Я:はい。時が来れば……、僕がRさんにふさわしい人間になれたら、絶対に封印を解きます。

R:わかった。じゃあ、封印してもらおう。「封印の銛」でな。お前には見ててほしいから。

Я:ありがとうございます。 では、封印の銛で刺しますね! えいっ!


(ドーーーーーン)


Я:あれ? なんか刺した感じの音と違いますね。おかしいな。





  あっ! これ「 封 印 の 銛 」じゃなくて「 ゆ ふ い ん の 森 」だ! 九州を走る観光特急列車だ!
  どおりでドーーーーーンといったわけだね!



R:(重体)

予選総合第17位(準決勝敗退) バトルロワイR
審査員
点数
88 70 44 自薦 58 82 平均68.40
【審査員コメント】
・カレンダーの辺りからしてやや乱歩々さんに思考が侵されてんじゃねぇかと心配です。
 ちょっと唾入れの下りが長くて封印への導入が急に思えましたが、全体の面白さと比べたら些末な問題でした。
 「封印」という突飛な設定を十二分に乗りこなしていましたし、オチのくだらなさも最高。
 何より「不意に踏む」「船を盗んで沈む」「スマホが熱くなる」など、小ボケの殺傷力が異常に高い。
 絶妙なフレーズをここしかないというタイミングで置くセンス、真似できないものだと思います。
 改善点としてはまず前述したように前振りが長く、封印ネタが思いの外広がらなかったことがあります。
 また、オチ前のシリアスが長すぎて落ち着いちゃったので、縮めるかボケを盛り込むかなどして勢いを維持した方がよくなるかと。
 とにもかくにも面白かったです。宮城県民なのにオチは大分かよ。
   
・オチwww 珍しく直前でシリアス入ったからなんか来るかなと構えてはいましたけど、
 その予想を軽く越えてきました。ゆふいんの森とか強引過ぎるて。
 全体的には、封印のくだりに入る前と後でかなりの出来の違いを感じました。
 封印より前は、斬新なボケがありつつもどこか波に乗れない、伝わりにくいボケが多い印象でしたが、
 封印より後は、一気に話が分かりやすくなって、かつ展開もぶっ壊れたので、後半でだいぶ巻き返していました。
   
・前回の灯風みたいな雰囲気がありました。
 大き目のボケを単発で繰り出してくる構成を狙っているんだと思いますが、
 陶芸体験、船、モリあたりがちょっとくすっときた程度にとどまってしまいました。
 異質なノリにもいまいちハマりきれませんでした。申し訳ないです。
   
・感情の表現が下手だと思います。薄っぺらいぞ。
 もう少し説得力を持たせられるよう頑張ってほしいところです。
   
・ところどころに光るものを感じますが、全体を通してみるとそうでもない。
 やりたいことと、向いている形式が一致していないのではないかなと思います。
 もっと題材をベタなものにして、その突飛なフレーズ選びのセンスを要所要所に出したほうがいい気がする。
 今は両方突飛にしようとして失敗していますよね。毎回ネタを読んで思うけど、奇抜な物を生もうとしすぎている。
 ありふれた土台に奇抜なものを建てるから面白いのであって、無理して両方奇抜にする必要はないと思います。
   
・Яさん気持ち悪いなぁw
 キャラの作り方はしっかりして大変良かったと思います。
 7行(6行?)のカレンダーなど、フレーズはいろいろ良かったですね。オチもビックリしましたw
 独自の話題だったものの、展開としてはもう少し突き抜けて欲しかったなぁというところです。
 

Rゲート
No.033 バニーガール
水族館
爽雄 バニーガールです。よろしくお願いします。僕が爽雄です。

陽子 こんばんは!私が傷だらけのマーメイドこと陽子です!

爽雄 親からもらった二本の足をガン無視したな。どうした?

陽子 私、水族館で案内係をしてみたいなって思ってるんだよね〜。

爽雄 それだけの理由で自分を人魚姫にしちゃったんだな。傷だらけの意味も謎だし。

陽子 だから、私が考えた水族館ツアーのシミュレーションをしてもいい?
   駄目なら実際に体験した修羅場の話をしようと思うんだけど。

爽雄 何だその二択!?案内を頑張っていただきたい!僕がその水族館のツアー客やるから!!

陽子 ありがと!それじゃあさっそく・・・
   皆さんこんにちはー!当水族館へようこそ!本日館内を案内させて頂きます、飼育係の三輪陽子です!
   つがいになってくれる人募集中!

爽雄 ・・・それジョークなのか何なのか分かんねえよ。取りあえず最初に言うセリフじゃねえ。

陽子 好きな男性のタイプは、私の為に岩場で縄張り争いをしてくれるような人です!

爽雄 押し通すな!!魚要素絡めてアピールしても干潮ばりに引くだけだわ!潮溜りに取り残されろ。

陽子 それでは、早速館内をご案内いたします!さあ、入口入って頂いて正面をご覧ください!

爽雄 最初は何のブースなのかな?

陽子 イルカの解体ショーです!

爽雄 出会い頭!!ってかイルカって言うチョイスよ! 

陽子 さあ、3mを超すバンドウイルカが赤い花火となってばらばらになって行きます!

爽雄 子ども泣くぞこれ!大人の僕でも涙が出そうだわ!こういうのってマグロじゃないの!?
   ・・・いやマグロでも水族館の見世物としてベクトルが歪んでるけど!!

陽子 こちらの説明をいたします!

爽雄 この惨劇の!?ブース自体の存在に疑問を感じているんだけど!

陽子 こちらの解体をしている職人さんは、波頭三四郎さん(56)!
   静岡県の生まれで、16歳の時から漁師になり、今では静岡県沼津港から出る遠洋漁業船金色丸の船長も務められています!

爽雄 知った事かぁ!何で水族館に来て見ず知らずのおっさんの略歴を吹きこまれなきゃあならないんだよ!
   船長って言うのは立派かもしれねえけど。

陽子 なお、波頭さんは自身の浮気が原因で昨年熟年離婚をされたそうです!

爽雄 駄目な人間だった!クソ野郎じゃねえか!!

陽子 さあ!今が繁殖のチャンス!

爽雄 解体ショーとはまた違ったエグさが!とにかく次のブースへ連れてってくれ!

陽子 それでは次のブースへ行ってみましょう!次のブースはこちら!イルカの解体ショー!

爽雄 息をつく間もなく悪夢再び!グリーンピースに怒られろ!

陽子 こちらの解体をしている職人さんは、波頭三四郎さん(56)!
   静岡県の生まれで、16歳の時から漁師になり、今では静岡県沼津港から出る遠洋漁業船金色丸の船長も務められています!

爽雄 一字一句違わずに説明してきた!欲してもいないおっさんの情報が脳内に侵入してくる!!
   っていうか、水槽に入った魚とかを見に来たんだけど。

陽子 もちろん、当水族館では水槽で魚が元気いっぱい泳ぎまわるのも魅力の一つですよ!

爽雄 大体の水族館はそうだわ!今のところ元気いっぱいに動きまわってるのは波頭さんだけじゃないか。

陽子 ではこちらの水槽をご覧ください!!当館自慢の大水槽です!!高さ10メートル、横30メートルの大きさを誇ります!

爽雄 普通にこれは凄いな。どんな魚がいるんですか?

陽子 こちらにはですね、ヒラメやカレイ、ネコザメにアンコウがいますよ!

爽雄 ・・・全部底生の魚じゃねーか!上の方がひたすらに殺風景!!

陽子 底の方は賑やかですよ?オニダルマオコゼなんかもいますし・・・まあ、岩場に擬態して良く分かんないですけど。

爽雄 見せる気ゼロか!!現時点で無駄なブースしかねえなこの水族館!!もう次のブースへ案内してくれ。

陽子 続いてはこちら!全長20メートルの水中トンネルです!

爽雄 お、今度こそ期待できそう。

陽子 では、こちらにあります水中メガネとシュノーケルをご装着ください!

爽雄 ・・・思ってた水中トンネルと違う!!実際に潜るの!?

陽子 お魚と一緒に泳げば気分はまさにマーメイドですよ!今なら「ピラニアと泳ごう」キャンペーン実施中です。

爽雄 地獄!死人が出る前にやめやがれ!このブースもいいから次行こうぜ!

陽子 それでは、下の階に行きましょう!(ビシャビシャ)・・・痛たたた・・・。

爽雄 自分は泳いでるし案の定噛みつかれんじゃねえか!そりゃあ傷だらけのマーメイドにもなっちゃうよ!

陽子 地下の水槽では普段中々見る事の出来ない深海の生き物を飼育しています!
   ただ、少々見た目にインパクトのある生き物が多いので、心して見て下さいね!

爽雄 イルカとピラニアのせいでショッキングな光景への耐性はついちゃってるんだよな〜・・・。
   皮肉にもブースの存在価値が発生したな。

陽子 それでは、神秘的な深海の世界へ!こちらの水槽の魚は、発光体という器官から光を出しています!

爽雄 なるほど。これで餌になる魚とかをおびき寄せるんだね。

陽子 その通り!よく見ると体が薄いお魚が多いでしょう?
   深海には非常に大きな水圧がかかるため、体を薄くすることで、水圧にも潰されないようにしているんですよ!

爽雄 へぇ〜・・・ここに来てめちゃくちゃ良い説明して来たな。

陽子 続いて、こちらの水槽には上司からの圧で潰されかけているおじさんを鮨詰めにしています!

爽雄 逃がせ逃がせ!!油断したらこの始末!

陽子 よく見ると、髪が薄い人が多いでしょう?
   職場では非常に大きな重圧がかかるため、髪を薄くすることで、重圧にも潰されないようにしているんですよ!

爽雄 ただのストレス!!薄毛になる事によって解放されるはずがねえよ!
   大体こんな所に鮨詰めにされてるからストレスも溜まってんじゃねえの!?

陽子 それによって、頭部に発光体という進化を遂げたんですね!

爽雄 進化って言うか老化だぜ!そもそも深海生物のくくりで堂々と展示するなし!!

陽子 あぁ、こんな狭い所じゃなくて大水槽に移さないとね。上の方空いてるし。

爽雄 生息地の問題じゃねえ!!展示自体をやめてくれよ!一つのブースに間違いが複数存在するからタチが悪いな!

陽子 続いては、熱帯雨林の生き物のコーナー・・・ふぁ〜あ・・・。

爽雄 そのあくびは何なんだよ!魅力ねえのか眠てえのかどっちだ!?・・・どっちでも問題だけど!

陽子 上の方をご覧ください。あちらの水槽では、アマゾン川に生息するピラニアの捕食が見られますよ。

爽雄 ・・・水中トンネル下から見ただけじゃねえか!あくびしてる場合じゃねえ!
   眠気吹っ飛ぶような事態になってるぜ!

陽子 階下から見るのでは違うでしょう?

爽雄 アングルを変えた所で地獄なのは変わってねえ!!

陽子 こちらの説明をさせていただきます!

爽雄 血を見せるのが好きだなこの水族館!!そりゃあピラニアも活発になるぜ!

陽子 今噛みつかれたのは波頭三四郎さん!(56)ピラニアは血の匂いで活発になる習性がありますよ!

爽雄 大忙しか!波頭さんが水族館の名物的ポジションに収まってるけどいいんだろうか!!
   そんで活発化したのはお前のせいだろ!

陽子 解体する側、される側、深海生物の展示に登場したのは彼だけでしょうね!

爽雄 他に無いだけって言うか深海魚ブースにもいたのかよ!!プレッシャーに潰されかかってるおじさんの一人だった!!

陽子 波頭さんは世界中の海に広く分布してますからね。
   海面で日向ぼっこしているのが印象的ですが、たまに深海で見つかったり謎が多い生き物なんですよ!

爽雄 マンボウとほぼ同じ生態じゃねえか!たまに深海で見つかるって人じゃねえよ!得体が知れねえ!

陽子 このブースを抜けると屋外プールに出ますよ!

爽雄 外にも施設があるんだな。取りあえず血生臭い空気から逃れられて良かった。

陽子 それでは、皆さんにはこれから午前4時の部のショーをご覧になって頂きます!

爽雄 朝っぱらから何してんだよ!さっきのあくびはガチで眠たかったからか!!

陽子 それでは、当水族館のマスコット、バンドウイルカのイルとカルに登場してもらいましょう!

爽雄 ・・・。

陽子 ・・・あ、本日のショーは中止です。申し訳ございません!

爽雄 だろうな!!イルカは序盤に解体されてたもんな!!普通に登場させようとしたことに狂気を感じる!!

陽子 さあ!最後はお土産コーナーです!!このイルカの体の部位パズルとかどうですか!?

爽雄 推してんじゃねえ!解体ショーありきの運営をしてるんじゃねえ!!

陽子 波頭さんの1/2スケールフィギュアとか。

爽雄 ニーズ不明の商品来た!キャラクター云々の前にかさばって邪魔だわ!

陽子 私は色違いで5体持っているけどね。

爽雄 何その無駄な充実ぶり!?戦隊ヒーローみたくなってんじゃねえか!何でおっさんのフィギュアを集めちゃってんの!?

陽子 いい人だよ〜?しっかりしてるし、力持ちだし、一人身だし。

爽雄 新しい情報ぶち込んでくるな!っつーかそんな好きならもうお前ら二人で付き合っちゃえば!?
   相手の頭に発光体あってもいいなら。

陽子 いや〜・・・流石に元浮気相手と改めて付き合うのには抵抗が・・・。

爽雄 ・・・去年の浮気相手お前かぁ!!何を同じ職場でしゃあしゃあと過ごしちゃってるんだよ!!

陽子 あの人の元奥さんの方がよっぽど縄張り争いが強かったわね・・・私が追い出されちゃったわ。

爽雄 知らないおっさんのもと奥さんの情報とかどうでもいいわ!

陽子 あ、その時の傷がこちらです。(袖をまくる)

爽雄 傷だらけの理由ピラニアだけじゃ無かった!!ただの傷害事件!!

陽子 あの解体に使われた包丁の矛先が私に向くとはね・・・。

爽雄 何の話だよ!途中から水族館一切絡んでねえ!

陽子 やっぱり一番したい話をするのがいいかと思ったんだよね!

爽雄 結局修羅場の話じゃねーか!大概にしろ。

二人 どうもありがとうございました。

予選総合第15位(準決勝敗退) バニーガール
審査員
点数
72 68 87 63 60 78 平均71.33
【審査員コメント】
・今大会は時事ネタが多めだったので、バニガの時事漫才が懐かしく思えたり。
 爆発的な笑いには欠けるものの、安定した流れで着実に平均点以上を叩き出していった印象です。
 イルカショーやあくびの伏線回収も自然でしたし、無駄な流れが全くない綺麗な漫才でした。
 特に発光体の辺りは非常に上手く、声を漏らしてしまいました。
 強いて言うなら修羅場は必ず回収されると丸わかりだったため、オチは予定調和な感じでした。
 あとやはり決定打に欠けたため、脳裏に焼きつく強烈な一撃がひとつあるだけでだいぶ変わるかと。
 いっぺん哲夫みたいにはっちゃけるのはどうでしょう。僕は絶対嫌だけど。
   
・実際に体験した修羅場の話……あっ(察し)
 それはさておき、案内役の明るいキャラクターとの対比も相俟ってバイオレンスなボケが一層際立ってました。
 初っ端のイルカ解体ショーで一気に惹き込まれましたねー。
 でもそれ以降はゆるやかに下降線を辿り、途中の発光体のくだりで盛り返したものの、
 もう一度山場が来る事は無く終わってしまいました。
 波頭の人物像(具体的な容姿やセリフ)をもう少し描くと、彼の登場シーンが生きてくると思います。
   
・面白かったです。
 最初のイルカの解体ショーのインパクトもいいし、波頭さん関連もはずれが無かったです。
 最初から飛ばしていたので、後半にももうちょっと大きな当たりがあったらとも思いますが、
 修羅場の下りの回収などこのままでも隙のないネタだったと思います。
   
・しっかりとしたネタで安心して見られますね。ちゃんと一定以上の面白さがありました。
 でもガツンとくるようなところはなぁ……という印象です。
 パッケージ自体はソフトな感じなので中身をエグくしたりするなら突き詰めたほうが良さそうですね。
 緩衝材は割れ物を包んでこそです。
   
・漫才の書き方としては上手ですよね。前に出したやりとりをもう一回出してくるタイミングとか、うまいと思う。
 ただ全体を通すと60点くらいの漫才なんですよね。なんだろうなー、もうひとつ何かが欲しいと思ってしまいます。
   
・とにかく「イルカの解体ショー」が衝撃的でしたね。序盤から掴まれました。「波頭三四郎さん(56)」の使い方もなかなか。
 他の部分も上手かったのですが、やはりちょっとベタっぽいのが気になりました。
 ラスト付近の畳み掛けもかなり良かったです。決勝までもう1歩ですね。
 

Rゲート
No.034 世界平和渇望倶楽部
Fuck You
V:Fuck You。

A:挨拶ファックはいけない。

V:Fuck Youta。

A:狙い撃ちはいけない。

V:ツイッターでゆーた氏が審査員に立候補した瞬間、このボケは入れると決めた。

A:はいどうも世界平和渇望倶楽部です。えっ、解散したんじゃないかって?
  そんなことがどうでもよくなるくらい、このバカはえらいツカミを入れてきました。

V:Fuck You。
  今大会の審査員、歴代で一番ホモくさい。

A:いけない。
  現実味があるから言ってはいけない。   ←!?

V:今日は審査員にゆーたさんがいるので、THE CHOUBUNに出した漫才をする。

A:言わねば気付かぬ人もおったろうにこの奇人め。

V:そう、その視点。俺たちを奇人変人色物扱いする人の多さに、俺はすごく嘆いている。
  Fuck・・・

A:俺「たち」やめてくれ。あと語尾を見直せ。

V:だがよく考えてみろ、語尾以外は今までだって正統派なボケをしてきたわけだ。
  それなのにFuckの人、Fuckの人って一体どういうことだお前らがFuckersだろ!!
  俺のことはFukaseとでも呼んでくれ。

A:段々と意味不明になっていくなぁ。世界が終わる時ってこんな奴ばっかになるのかな?

V:そんなイメージを払拭するため、正統派漫才だ行くぞ! 「最近気になること」!
  最近気になることがある。それはFuckであるが、それを日常にうまく生かせないかなと思うわけだ。

A:ファッキュー!!!!!

V:Fuck You!!!!!

A:いやファックを返される意味が分からん!
  正統派でやろう、って言っていきなりファックかよ!!

V:違う違う、Fuckは日常にたくさん紛れこみ得るのだ。
  おいお前、野球は好きか?

A:ええ、まあ好きですけど。

V:なら野球の練習にFuckを取り込む余地はあるとは思わんか?

A:ここからまた訳分からなくなると思うんで、皆さん話半分以下で聞いてて下さいね。

V:ピッチングマシン、バッティングマシン、そしてFucking Machine。

A:この時点で審査員6名様のうち、振り落とされたのは3名くらいでしょうか。
  頑張ってしがみつく必要もないです。

V:Fucking Machineは主に野手が用いる。希望に応じて投手も使える。

A:正統派らしく、意味不明な物を掘り下げていきます。

V:掘り下げる、って良い響きだよな。掘るのか、そうか。

A:ゲーッ! こっち気にせずファックマシンの説明でもしてろよー!!

V:このFucking Machineでは主に、男性器を鍛えるのだ。

A:でしょうね。

V:選手自身のバットを鍛えるわけだ。

A:これだけ時間かけて、たった一つのベタなボケしか出てこなかった、もう終わりだ。

V:バッターのみならずベッター育成だな。

A:ファッキュー!!!!!

V:Fuck You!!!!!

A:いやだからさ、俺のイライラが最高潮に達したが故に出てくるファッキューに対して、負けじと返してくるのうるさいからやめろ。

V:音楽業界に進出したい。

A:ああ、ファックマシンは終わりでいいのね。

V:歌詞にFuck Youって入れたい。

A:まあやってるバンドもあるっちゃある。

V:絢香とコブクロに楽曲を提供したい。

A:こうなるともう答えは一つですよね、ボケが読めちゃったけどちょっと古いよ。

V:Fucking Roadを歌ってもらいたい。これはかなりの難曲の予感・・・!

A:実際、WINDING ROADは高音が多かったり、主旋律を見失いやすかったり、と歌うのはかなり難しいとは思うけど。
  一方でファッキングロードは、歌ってしまうとこれからの人生が難しくなりそうだよね。

V:ということで、絢香とタマブクロのお二人には、きちんとトレーニングをやってもらう。
  練習メニューはこちら!
  ・喉を鍛える
  ・精神を鍛える
  ・腹筋を鍛える
  ・腕力を鍛える
  ・全身鍛える

A:・・・・・・抽象的すぎるわ!! このツッコミじゃ絶対足りない!!
  ということで審査員6名様や読んで下さった方々、このくだりのツッコミを募集してます!! 以下のURLからどうぞ!!
  携帯の方はごめんなさい!
  http://my.formman.com/form/pc/kT6p9VUCDpX72D4H/
  なお、井島君からは回答を頂いております!! 二人だけにタマブクロか、とのことでした。

V:また、わざわざこのFukaseこと俺様があいつら3人に楽曲を提供してやったんだ、特別トレーニングもしてもらう。
  勿論Fuckだ。

A:さらっとSEKAI NO OWARIになってはいけない。

V:Fucking Roadというからには、当然Fuckしながら歌うことが要求されるのだが、これがなかなか難しい。

A:理解するのも難しいなぁ。

V:絢香×コブクロ おお卑猥。

A:ヒロ君に怒られるからそれ以上はやめとけよー!!

V:コブクロ×水嶋ヒロ 需要あんのかな。銀沙灘さ〜ん?

A:ファッキュー!!!!!

V:Fuck You!!!!!

A:安易にホモ路線に行くのも止めなさいよ。あと審査員巻き込みは本当にいけない。

V:日常生活にFuckを浸透させるのにはどうしても金が必要だ。
  そこで俺は考えた、医療現場から浸透させれば金も入るし知名度も上がるのでは、と。

A:コブクロで好き勝手やっといて、もうポイかよ。
  あと思考回路が汚すぎる。

V:最近流行りのFuckingとかどうだろう。

A:なんか今日はファッキューでなくファッキングばっかだね。
  一応聞くけど、今回のファッキングの元ネタは何?

V:レーシック手術に決まってるだろ常識だぞ。ツッコミであるお前がボケるのはよせ。

A:うーん・・・。

V:通常レーシックとは視力回復手術を指すが、Fuckingでは精力増強も促す。

A:ちゃんとここまで聞いてくれてる人、何割くらいかなぁ。

V:なんとFuckingを施すと、常に網膜へサブリミナル刺激が与えられるのだ。

A:なにそれ怖い。

V:なんてことない風景を見ていても、「F」「U」「C」「K」の文字が一瞬だけ映っているように感じる。

A:いや一瞬映ってるなーって感じられちゃうのかよ!! どんだけ欲張りなサブリミナルだ!!
  てかそれサブリミナルじゃねえスプラリミナルだ!!
  スプラリミナルって何!? って思うかもしれないけど、そういうのがあるんだな程度で結構です!!
  あと映すものがくだらな過ぎる!! そんなファックの綴りを出されても、迷惑だなーってしか思わんわ!!
  今回は頑張った!!! さっきみたいに放棄しなかった!

V:医療ネタはもう一つあるぞ。

A:ネタ言うな。

V:血液レベルでFuckを取りこんでしまう、という斬新な発想。

A:目的が無くなってしまった気がするんだよなぁ。

V:赤血球、白血球、そしてFuc球。

A:ファッキュー!!!!!

V:Fuck You!!!!!

A:それが言いたかっただけだろ!! 全くもってファッ球を取り込む価値が無い!!

V:Fuckに価値が無いとか言ってしまったらこの漫才自体、いや世界平和渇望倶楽部そのものに価値があるのか怪しくなってしまうぞ?

A:ええいならばもう解散でええわ!! ネタを終える度に解散するぞバカヤロー!!

V:Fuck You。

A:Fuck You。

予選総合第28位(3回戦敗退) 世界平和渇望倶楽部
審査員
点数
56 40 48 57 56 77 平均55.67
【審査員コメント】
・言いたいことは色々あるけれども、とりあえず井島君何やってんだよ。勉強しろ勉強。
 細かい指摘とかはするだけ野暮なんでしょうけど、ツッコミのファッキューには違和感がありました。
 ボケがファック押しのキャラなのに、ツッコミがここで無闇にファッキューを使うとネタがブレてしまうような。
 ファックを無駄に浪費せず、1個1個のファックを大事に使うことがこのネタのポイントになると思います。
 また、レーシックのところはレーファックとかの方がわかりやすかったと思います。
 あとはもう全体的にクソみたいでよかったです。「Fukase」で笑った己を八つ裂きにしたいです。
   
・爆弾撒き散らかすだけ撒き散らかしやがって……!
 笑いどころが多いのは良い事なんですが、問題点も多いのが困りものです。
 とにかく、ボケや展開が雑で乱暴でした。緻密だったらだったで、らしくないんですけども…。
 最後に、僕の中で水嶋ヒロは総攻めなのでナシですけど、
 彼も映画やドラマで何度か従順な執事役演じてるからどこかの地下世界では需要あるかもね。
   
・井島君が回答してるとこで一番笑いました。
 Fuckの入れ方が強引だったり、その後もあまり活かさずに次の話題へ、と言った感じでしたが、
 狙っての事でしょうね。感覚で点数を付けます。
 高得点はつけにくいですがこういうネタがあること自体に価値がありますよね。
 あと、歴代で一番ホモ臭くはないと思います。
   
・「20行で笑いをとれ! ちょびっとオンエアバトル」のN3期C大会セミファイナルBブロックにて爆笑ファイターさんからサンザンヒーローズのネタに寄せられたジャッジペーパーをちょくちょくお借りしたくなるネタでした。
 ツッコミ募集とか面白くてすぐに「審査員A」名義で送っちゃいましたし、Fuck Youのカウンター含めFuck Youボケで笑ったんですけど、内容的にもこのラインが妥当ではないかと判断いたしました。
   
・突然名前が出てきてびっくりしました(笑)ネタとしては嫌いじゃないけど、これ以上はつけらんないかなー…。
 もっと振り切ってバカバカしくても良いような気がする。
   
・今回もなかなかぶっ飛んだことをやってくれちゃってますね。いやわりと笑っちゃったんですがw
 素直に面白かったものの、後半が若干薄味かなぁと思いました。序盤で振り落とされなかった審査員を掴みつづける意識を!
 

Rゲート
No.035 天体観測
華麗なるカレー
ミヤ:先日大雨の中、一人でコサックダンスを公園で踊っていたら原因不明の風邪をひきまして

 翔:こんなに分かりきっている原因が他にあるでしょうか

ミヤ:その時に思ったんですよ。

   「あぁ……カレーが食べたいな」って

 翔:重いよ。もっと病人らしいものを欲しがりなさいよ

ミヤ:いや、それぐらい私はカレーが好きなの! 好きすぎて本場のスロバキアまでカレーの勉強に行ったからね!

 翔:本場のほの字もねぇよ。カレーがあるのかさえ怪しいわ

ミヤ:あっ、そういえばお土産を渡し忘れたわ。はいこれ、モラドー焼きね

 翔:モラドー焼きって何だよ! モラドーすら知らねぇのに更に焼いちゃったのかよ!

ミヤ:お好みでカレーとかをかけてもオツなものよ

 翔:おっ、ちゃんと本場で得るものがあったんだな。ありがとう、美味しくいただくわ

ミヤ:まぁ陶器なんですけどね

 翔:ガッチャンじゃねぇんだから。陶器バリバリ食べれませんからね

ミヤ:ここで突然ですが私がおススメする美味しいカレー屋さんベスト3を発表します!!

 翔:おっ、マイペースだね。でも今後の参考になるかもしれないし一応聞いておこう

ミヤ:まず第3位! ベルギーにある……

 翔:まさかの国外。100歩譲ってもスロバキアじゃないとは

ミヤ:『オチーン』というお店のベルギーワッフルカレー味です!!

 翔:まさかカレーがメインじゃないとは。そして店名が卑猥

ミヤ:ここのベルギーワッフルは絶品ですよ。シットリとしていて甘さ控えめな感じで何とも言えません

 翔:少しはカレーに触れてくださいよ。ランキングがブレちゃいますよ

ミヤ:第2位! チョモリンコム共和国にある……

 翔:どこだよ!! 世界地図に載ってねぇ地名を挙げるんじゃねぇ!

ミヤ:『オチンチ』という店のベルギーワッフルカレー味です!!

 翔:またベルギーワッフル!? そして店名が卑猥!! さっきの店名とちょっと似ているし!

ミヤ:ここのベルギーワッフルは最高です。アッサリしているのに濃厚な感じが何とも言えません

 翔:だからカレーに触れろって。いつからワッフルランキングになったんだよ

ミヤ:そして栄光の第1位! 北海道の札幌の……

 翔:おっ、ようやく日本ですか。しかも北海道だし! これでワッフルだったら怒るからな!

ミヤ:コンビニで売られているカレーヌードルです!! おめでとうございます!!

 翔:あー。美味しいよねー。でもー、北海道の札幌以外でもいくらでも売れてるからねー。ばかー

ミヤ:確かメーカー名は『オッチン』でしたっけ?

 翔:日清に恨みでもあんのか。日清みたいなイントネーションでオッチンって言うんじゃねぇ

ミヤ:ここのカレーヌードルは賛辞の言葉しかありません。麺のモチモチ感が何とも言えません

 翔:さっきから何にも言ってねぇな。ボキャブラリーがひどい。そして相変わらずカレーには触れないのね

ミヤ:以上のベスト3で私がどれだけカレーが好きなのかは伝わったと思うんだけど

 翔:ワッフルとカップヌードルと下ネタが好きなんだなってのは伝わりました

ミヤ:でも! 私は満足していないわ! そう、私の夢は究極のカレーを作ること!!

 翔:海原雄山にでも任せておけよ

ミヤ:こう見えても私は料理学校に入学したくて料理学校のパンフレットをたくさん食べてきた女よ!?

 翔:ヤギかよ! 行動がオテンバ過ぎるわ!

ミヤ:だから料理の知識とかめちゃくちゃあるし、片岡鶴太郎と握手したことだってあるんだよ?

 翔:後半全然料理と関係ないな! あと全然羨ましくないのは何故なんだろう!  

ミヤ:というわけで今日はこれからカレーを作っていきたいと思います

 翔:いやいや漫才しましょうよ。せっかくのMM−1ですから

ミヤ:舞台の左をご覧ください! ひろちょびさんにお願いして舞台の上にオッチンを作ってもらいました!

 翔:キッチンな! うわっ、本当にキッチンある……

ミヤ:ということで今からカレー作りますからね。はい、これネクタイです

 翔:エプロンじゃねぇのか。これから料理するのにキッチリ正装しちゃうのかよ

ミヤ:さぁ、ということでまずはお米を炊きましょう。カレーにはご飯がないと始まりませんからね

   というかカレーにご飯は常識ですからね。ご飯を軽視する人間は後で指を詰めてもらいますからね

 翔:怖ぇよ! ていうかさっきまでお前が完全に軽視していたじゃねぇか!

ミヤ:お米はコシヒカリは用意しました

 翔:あら、高級米じゃないですか。新潟産ですか?

ミヤ:いえ、チョモリンコム共和国産です

 翔:また出やがった! 聞いたこともない国のお米なんか使いたくないんですけど!

ミヤ:漢字で言うと腰光ですね。パッと見て徳光に見えますね

 翔:どうでもいいわ!

ミヤ:あら、お米の色が紫なんですね

 翔:それもう米じゃねぇよ!! 

ミヤ:さぁ、炊飯器にお米とお水を入れまして、炊き上げます!

 翔:洗わないの!? こんなに怪しい色なのにお米洗わないの!?

ミヤ:大丈夫です。これは無残米ですから

 翔:無洗米じゃなくて!? 無残なの!? やっぱり悲惨な感じ!?

ミヤ:スイッチを押して、と。よし、じゃあいよいよカレー作りに取り掛かりましょう

 翔:逃げるからな! 試食の際にはダッシュで逃げるからな!

ミヤ:今日は鶏肉があるので一般的なオチンカレーにしましょう

 翔:チキンな。君はどんだけオチンという言葉が好きなんだい

ミヤ:申し訳ないけど、そっちの隅っこにある粉を取ってもらえる?

 翔:おっ、カレー粉から作るカレーですか。本格的ですね。これは期待できるかもしれませんね

ミヤ:薄力粉と強力粉お願いします

 翔:思っていた粉と違った! ……薄力粉と強力粉いうことはナンかな? ご飯炊いたのにナンを作るのかな?

ミヤ:申し訳ないけど、そっちの隅っこから♯取ってもらえる?

 翔:お前、ベルギーワッフル作る気だろ!! ♯なんてベルギーワッフルの時しか使わないもんな! 

   ♯ っ て な ん だ よ !

ミヤ:音楽記号的に言えば半音上げる、ね。料理記号的にはベルギーワッフル作るからモラドー焼きを破壊しろっていう意味ね

 翔:モラドー焼きを破壊する意味は!?

   あと、ワッフルじゃなくてカレー作ろうよ! お米炊いたんだしさ!

ミヤ:私、ご飯にベルギーワッフルかけて食べたいんだけど

 翔:かからねぇよ! ご飯にベルギーワッフルはかからねぇよ!!

ミヤ:ミキサーで液体状にしますから大丈夫です

 翔:そこまでして食べたいか!? ていうかお前がカレー作るって言い始めたんだろ!

ミヤ:ハッ。そうだったわ……勉強しに行ったドイツのニョクナムおじさんに言われた言葉を思い出したわ

 翔:スロバキアどこいった。あとニョクナムおじさんって何だ

ミヤ:「兩位演員配合得天衣无縫。」って言ってたわ

 翔:一つも理解出来んわ。ていうかこれドイツ語じゃないんだけど。漢字なんだけど

ミヤ:あっ、ニョクナムおじさんはチョモリンコム共和国出身だからね

 翔:チョモリンコム共和国って漢字使うんだ! また一つどうでもいい知識が増えてしまった! で、何て言ってたんだよ? 

ミヤ:カレーは飲み物だって

 翔:そんなウガンダっぽいことを! ニョクナムおじさんってウガンダの親戚か何かなのかな!

ミヤ:よし、カレー作りを再開しましょう! まずはじゃがいもを切りましょう!

 翔:おぉ。燃えていますね。じゃあオレがじゃがいもの皮をむいておくね

ミヤ:へぇ。じゃがいもって皮むくんだ……

 翔:無知にもほどがあるじゃねぇか!! よくそんなんで料理学校入りたいとか言ってたな!



(ピピピピピ)



ミヤ:おっと、お米が炊けたようです!

 翔:もう!? さっきスイッチ押したばっかりじゃん! 多分ふやけてもいないよ!?

ミヤ:国産とチョモリンコム共和国産の違いですよね

   おっと見てください、綺麗なスカイブルーの色です!

 翔:炊けたら紫からスカイブルーになるの!? 色は綺麗だが食欲はクソも沸いてこない!



(ピピピピピ)



 翔:今度は何の音!?

ミヤ:あぁ、お湯が沸いたんですよ

 翔:野菜を茹でるための? なら早く皮むいて野菜を切りましょうよ

ミヤ:いやいや、このお湯を注いで……カレーヌードルの完成です!! よし、究極のカレーが出来た!


 翔:結局ラーメンかよ!! いい加減にしろ!!

予選総合第2位(決勝進出) 天体観測
審査員
点数
86 85 89 90 60 85 平均82.50 得票3票
【審査員コメント】
・ファックの次はおちんちんかよ。どんなコンビプレイだよソウルメイトかよ。
 序盤のカレー屋ランキングは冗長だったんですが、カレー作りはじめてからはいいテンポで展開出来ていた感じです。
 チョモリンコム共和国やモラドー焼きのテンドンも効いていましたし、「ヤギかよ」のような小ボケの打率も高い。
 だからこそ前半のランキングをもっとまとめられれば、カレー作りが今以上に盛り上がったのではないでしょうか。
 伏線の多い部分ではあるのですがあくまで導入なので、もっとすんなり進んで欲しかったです。
 あとはベルギーワッフルの「♯」がわかりづらかったところでしょうか。理解したら面白かったんですがね。
 色々言いましたが、総合して非常にハイクオリティな正統派漫才に浸らせて頂きました。
 あとこれは今言うことではありませんが、コシヒカリは確か越国の米ですから越光じゃありませんでしたっけ。
   
・天体観測もだんだん新しい試み仕掛けてくるなあ……。
 舞台にキッチンを用意してもらうという飛び道具がまさにそれ。
 更に後半は料理のテンプレに則りつつも、ちょくちょく脱線する事で読む側を退屈させません。
 でも、何度も登場したチョモリンコム共和国は、
 カタカナの面白さでしか勝負できないボケですし、似たボケのスロバキアとケンカになるので削った方がいいかもしれません。
 残すならスロバキア削って初っ端から出した方がいいかも。
 気になって「モラドー焼き」でgoogle検索したら「もしかして:モドラー焼き」って聞かれたんですけど、あの。
   
・「♯ っ て な ん だ よ !」で大爆笑しました。
 全体的にバカっぽい雰囲気でよかったです。
   
・持ち前の読みやすさと今回はボケの威力がマッチしててとても面白かったです。
 前半 特にワッフルあたりで散々笑って、さらに後半の#で追い打ちをかけられました。#でワッフルは面白すぎる。
 強いて難点を挙げるならば、舞台にキッチンなど”何か”を持ち込むネタはどんなめちゃくちゃなことをするのかとハードルが上がってしまうので
 別のアプローチの仕方でも良かったんじゃないかということだけです。
   
・序盤のワッフルのくだりいらねえんじゃねえかなー…。中盤以降は面白かったんだけど、完全に前半が足を引っ張っている気がする。
 一番好きなのはカレーヌードルってのだけ導入にしてカレー作るところにもっと行数割いて良いと思います。
   
・キッチンの準備大変だったなぁ(棒)
 なかなかシュールなボケが多かったものの、分かりやすさは比較的維持できていて良かったなぁと。
 面白かったですね。#は個人的にかなりツボでした。
 

Rゲート
No.036 優しい朝の光に包まれて
風林火山の葬式会場
木下:はいどうも、優しい朝の光に包まれてです!
   ちょっと長いコンビ名ですけどしばしお邪魔します。

山田:木下さんってさ、「木」だから自然属性じゃないですか。
   僕は「山」なんで火属性なんですよね。
   それで僕思ったんですけどこの……

木下:開始早々僕も皆さんも置いてけぼりでファンタジーするのやめてくださいよ。
   前提が聞き取れても居ないのにあなたの思った話は聞けないですって。
   なんて言いました?

山田:だから!木下さんは「木」下ですから自然属性じゃないですか。
   僕は「山」田なんで火属性なんですよ。
   で、僕思ったんですよね。こないだかっぱ寿司で……

木下:ちょっと2回聞いた上でまだルールが飲み込めてないんで
   そんなはらぺこで考えたであろうファンタジーの風呂敷は畳んでおいてください。

山田:だから!!木下さんは「木」下だから自然属性じゃないですか!!!

木下:なんでそっちがそんなにイライラしてるんですか!!
   当たり前のように言ってますけど、文脈をほぼ変えずに3回言って理解できる話じゃないんですって!
   僕が「木」下だから自然属性ってどういうことですか?

山田:そこから説明が必要なんかい!!

木下:皆にとって必要な説明なのに、なぜか愉快なテンションで突っ込まれてしまった。

山田:要は人それぞれ固有のアビリティが存在するわけですよ。
   アビリティが。アビリティ。アビリティ。アビリティ。

木下:4回も言われても当たり前のことにはなりませんからね。

山田:アビリティ因子はどんな人にも与えられる物で、僕だったら火の因子を受け継いだので火属性。まぁ、山田ですからね?

木下:「ですからね?」じゃ無いんだよ。

山田:そんで、木下さんは自然因子を受け継いだので自然属性。まぁ、言っても木下ですし?

木下:「ですし?」じゃ無いんだよマジで。

山田:とにかく、これを見ている人にもそれぞれの因子が備わっていて、それによって属性もかわってくるというわけなんですよ。
   そしてここからが本題です。

木下:ちょっともうプロローグで要領がいっぱいいっぱいなんですけども。

山田:人間関係においてこの因子と属性というのは非常に重要な要素なんですよ。
   同じ属性同士であればそれはとても良いバランス関係になり、異なる属性間であれば属性の有利不利が人間関係に大きく左右されるわけです。

木下:キャパシティオーバー。キャパシティーオーバー。

山田:ここからは少し分かりやすい話になるので、良い子の皆さんはここから読んでくれたら大丈夫だよ!

木下:わーい!

山田:で、それで僕が思った話なんですけど。
   僕らの属性は僕が「火」で木下さんが「自然」なんですね。

木下:いや、かっぱ寿司関係なかったんかい。

山田:この属性相性って僕が木下さんに対して有利なわけですよ。
   火→自然は攻撃に回ると有利、ですので?

木下:「ですので?」じゃないんだよ。

山田:これってこれから漫才を続けていく上で非常に良くないことなんですよ。
   このコンビで言えば僕の役割はボケ、つまり守りの職業です。
   そして木下さんはツッコミ、つまりは攻めの職業なんですよ。
   しかし属性間相性を見ると僕らは真逆なんです。
   そりゃあこんな漫才しか出来ないわけですよ。

木下;自分らのネタに「こんな」って付けてんじゃないですよ。
   じゃあどうしたら良いんですか?
   コンビの事を考えたら属性相性的には僕がボケをやるべきってことなんですかね?

山田:確かにそれでも良いんですけど、それだとただ普通のコンビのようになってしまうだけなんです。
   僕はそこで一つ考えたんです。かっぱ寿司で。

木下:ここでかっぱ寿司でてくるんかい。

山田:僕らに足りない物は「属性間を補強してくれる存在」だと思うんですよ。
   「火」に対しては有利で「自然」に対しては不利。
   つまり「水」属性なんです!

木下:これだけは言うまいと耐えて来たんですけどもう言っちゃいますね。
   ポケモンみたいですね。

山田:というわけで、今日からこの優しい朝の光に包まれてに水属性因子を持った存在を取り入れた
   トリオ漫才をしましょう!タイプ相性を考えて、木下さんはその水属性因子の持ち主にツッコンでもらえたらそれでいいんで!
   そしたら僕があなたにツッコンで、水属性因子の持ち主が僕にツッコむ。
   トリプルボケトリプルツッコミですよ!

木下:今ですらゴチャゴチャした漫才しかしてないのに、まだこれ以上ごちゃごちゃするのかぁ。
   っていうか誰なんですか、その水属性因子の持ち主とやらは。

山田:「サーモン」です。

木下:……………………………………………………はい?

山田:「サーモン」です。
   …あ、「鮭の切り身をシャリに乗せて握ったお寿司」の方ですよ。

木下:……………………いやいやいや!!
   なんですか、木下、山田、サーモンのトリオって!
   そんなもんサーモンの存在が異色すぎて何やってもウケないですって!
   第一喋れないでしょ!?お寿司ですよ!?
   ……お寿司!?かっぱ寿司から持って来たなてめぇ!!

山田:とにかく、これから木下さんはこのサーモンに対してツッコンでいただいて

木下:絶対嫌だわ!
   サーモンに対してビシビシ突っ込んでる奴多分ボケだよ!
   ボケじゃなくても頭ボケ散らかしてんだろ!

山田:僕はこれからサーモンにボケを捌いてもらうわけですけども。
   って、サーモンは既にさばかれちゃってますけど!?

サーモン(お寿司):………………(ほんのりとお酢の香り)

木下:いや、サーモン本当にあるだけじゃねぇかよ!
   なんらかのファンタジー的効力で喋る展開だと思うだろ!
   ただただほんのりとしたお酢の香り漂わせてそこに置いてあるだけって何なんだよ!

山田:いや、別にいいでしょ!
   大体、サーモンが喋るワケないじゃないですか!頭おかしくなちゃったんですか!?
   まぁ、もうサーモンには頭は無いわけですけど!?

サーモン(元鮮魚):……………………(こうしてる間にも鮮度は落ちている)

木下:ボケとしては機能してるけどツッコミとしては完全に機能してないだろこいつ!
   ただただ舞台上で腐って腐乱臭をまき散らしてるだけの存在ってなんなんですか本当に!

山田:いやいや、僕らだって人間なんですからこうしてる間にも死には確実に向かってるんですよ!?
   ま、サーモンはもう死んじゃってるんですけど!?

サーモン(ピンク):……………………(ほんのり顔を赤らめているようにも見える)

木下:なんの恥じらいなんだよ!サーモンが今更恥じらってるんじゃないよ!

山田:…いい漫才になってきましたね。

木下:なって、きて、ねぇわ!!!!!!!
   ものすごくシンプルにただただサーモンという存在が邪魔にしかなってないんですよ!!
   もうサーモンに対するツッコミのボキャブラリー出し切りましたわ!もとからそのためにあったボキャブラリーじゃないでしょうけども!!

山田:なんでですか、属性相性的には最高のネタなんですよ?
   それともなんですか、まだもう一属性噛ましたいですか?

木下:絶対に嫌だよ!
   今現在でさえもう苦しいとしか言えない状況なのに、これ以上苦行を継ぎ足すってわしゃ修行中の身かい!

山田:ちなみに入れるとしたら「土」属性因子の持ち主なので、「土」になります。
   これがサーモンと僕の間にくる形ですね。
   土が僕にツッコんで、サーモンが土にツッコむ形です。

木下:だから!それをしたところで僕への影響一切無いじゃないですか!
   結局僕はサーモンにツッコまなきゃいけないし、サーモンが土にツッコんでる時間絶対無駄でしょ!!

山田:いや、無駄な時間て!
   そうやって否定をし続ける方が無駄な時間じゃないですか!何を言ってるんですか本当に!!

土(赤土):……………………(ほんのり顔を赤らめているようにも見える)

サーモン(炙り):……………………(どうやら怒っているようだ…!?)

木下:いや、いつの間に炙られてたんだよお前!
   大体お前もお前で役に立ってないんだから火がついてる場合じゃないんだよ!

山田:いや、火がついてるわけないでしょ!
   水属性因子の持ち主なんだから、火が扱えるワケないじゃないですか!
   って火属性因子の持ち主の僕に火がついちゃってますけど!?

土(焼畑):……………………(どうやら怒っているようだ…!?)

サーモン(腐乱):……………………(完全に元気が無さそうだ)

木下:もう鮮度がなくなったらいよいよサーモンが居る意味ないだろ!

山田:…これは、漫才の革命が見えたかもしれないですね…!

木下:死滅だわこんなもん!!
   漫才の遺体だわこんなもん!!

山田:なんですかあなたは。
   革命を起こしたくないんですか?

木下:こんなんで起こせる革命に意味なんて無いわ!!
   大体なんだよ、因子って!属性って!途中から当たり前のように受け入れてたけど!
   そんなもん存在しないわ!

山田:なんですか、まだ属性を一つ噛ましたいんですか?

木下:そしたらエンドレスに無生物が増え続けていくだけでしょうが!
   その度その度に無言の時間がただただ増えていって、どんどん漫才じゃなくなっていくだけなんだよ!!

サーモン(カビ):……………………(何か不服そうだ)

木下:てめぇが原因だこの野郎がぁああ!!!(サーモンつかむ)うおりゃあああああああああああ!!!!(思いっきり投げる)
   飛んでけこの野郎がああああああ!!!!!

サーモン(空中):……………………(晴れやかな表情を浮かべているようにも見える)

土(雑草):……………………(彼もまた、不服そうな表情に見える)

木下:てめぇもだぁああああ!!!(土をつかむ)うおりゃあああああああ!!!(思いっきり投げる)
   ぶっ飛べこの糞がぁああああ!!堆肥がぁあああああ!!!

土(散乱):……………………(ぱらぱらぱらぱら)

木下:ぎゃああああただただ会場が土で散らかっただけになってしまったぁあああ!!!!

サーモン(着地):……………………(土でぐちゃぐちゃだ)

木下:サーモォォォォォォン!!!サーァモォォォォン!!!
   なんだこの舞台は!土でぐしゃぐしゃでサーモンが捨てられてる中にセンターマイク一本。
   本当にもう漫才を殺したとしか思えない舞台だわこんなもん!

山田:でも、見てくださいよ木下さん。
   確かにこんなもん漫才と呼んでいいのか、わからないかもしれません。

木下:ここにきてあんたがそれ言い出したら本当に終わりですからね。

山田:でもね、この舞台には今「風林火山」がそろってるんですよ?
   それらがボケてツッコンで。こんなに風流な漫才、なかなかないでしょう?

木下:…………いや、「風林火山」はそろってないわ!!
   「土木火鮭(どぼくびざけ)」が舞台上でグチャグチャしてるだけだわ!

山田:じゃあ、木下さん。「土木火鮭(どぼくびざけ)」が風流じゃないとでも言うんですか?

木下:言うだろ!!
   この、漫才葬式会場みたいな舞台の、どこが、風流だとでも言えるんですか!!

山田:分かりましたよ。
   じゃあもう普通に漫才しましょうか。
   とりあえずこの舞台の清掃からしましょうか。

木下:もう今更戻れたもんじゃないですけど、清掃はしなきゃいけないでしょうね。

山田:とりあえずルンバ持って来てるんで、離しておきます。
   多分綺麗になるでしょ。

ルンバ(清掃):……………………(なんでこんなことしなきゃいけないんだ)

木下:ルンバも心無しか不服そうですよ全く。

山田:………………あ、ルンバを間に挟んだトリオ漫才ってどうですか?

木下:懲りろよ!!!

ルンバ(命中):………………コツン(いい加減にしろ、とでも言うかのごとく山田の足に命中している)

山田:…………出来そうじゃ無いですかぁ!

木下:本当にいい加減にしてくれ!!

2人:どうも、お邪魔しました。

予選総合第10位(準決勝敗退) 優しい朝の光に包まれて
審査員
点数
91 78 77 52 71 81 平均75.00
【審査員コメント】
・正直、序盤の属性語りの時点では面白い空気はありつつもあまり惹かれなかったんですよ。
 「ポケモンみたいですね」はめっちゃ笑ったんですが、この自作設定で押すタイプの漫才だったらキツいなとか思ってたわけです。
 そんな不安が、サーモン出た瞬間に弾け飛びました。あ、コレ面白いネタに違ぇねぇや、と。
 そこからはもうキラーフレーズの雨あられですよね。「(こうしてる間にも鮮度は落ちている)」「土木火鮭」とか。
 サーモンと土ぶん投げる辺りなんてあまりの勢いにのけぞりました。何このモラルの無さ。
 後半の山田の存在感が薄く、やりとりとしては物足りなかったことやサーモンの腐敗の早さの不自然さ、
 なぜサーモンや土じゃなければダメなのかのような具体的な理由が欲しかったというのはは減点材料なんですが、
 設定、ワード、勢い、全てが最強レベルの傑作でございました。おいしゅうございました。
 ていうか、天体観測が出したキッチンの横でサーモン土まみれにしたのかな……。
   
・尻上がりに調子が上がっていくのが手に取るようにわかる漫才でした。
 追加されるサーモンと土もそうですし、ツッコミのテンションも次第に昂っていったので。
  木下:てめぇもだぁああああ!!!(土をつかむ)うおりゃあああああああ!!!(思いっきり投げる)
     ぶっ飛べこの糞がぁああああ!!堆肥がぁあああああ!!!
 いやー、これは完全に勢いに押されました。糞みたいだけど糞じゃないよ!
 ネタ中でも触れられてますけど、もうちょっと導入は簡潔な方がいいと思います。
 特段難しいシステムじゃないですけど、だからこそそこまで行数割かなくてもいいかなって。
 あと、山田さんが火属性の理由はどっかで説明あるかなと思ったんですが……。
 特に無いなら無いで、そういうツッコミを入れて欲しいです。
   
・サーモンと土を最大限生かせているとは思えなかったです。
 引き出しがあんまりないものが出て来ること自体がボケという側面もありましたが、
 赤土、焼畑、炙りなんかが出せるならもう少しいじれたような気がするんですよね。
 そういう点で物足りなさは感じたのですが、意味の分からない理論をこねくり回す所とか、
 面白い部分はめちゃくちゃ笑いました。だからこそ、惜しいなあと。
   
・『僕は「山」なんで火属性なんですよね。』が最初 ボケだと思ってたので いつツッコむのかと思ってたんですけど、ここボケじゃなかったんですね。
 同じく自然属性なのに有利な位置に立とうとしてるボケかと思いこんでました。なるほど火山か……
 
 属性間を補強してくれる存在を入れるという土台は悪くないと思いますが、単純にちゃんと用意したボケが足りなかったように感じました。
 鮮度は落ちている や ルンバがコツンは面白かったですが、取るに足らないものも多かったかと。
   
・うーん…最初の導入部分もう少しシュッと出来なかったですかね。笑いにならない序盤の部分をあそこまで引っ張る必要性があったかどうか。
 これで行数を使ったというのが本当にもったいないですよ。後半は面白かった分、本当にもったいない。
   
・ややこしい設定ながらもしっかりネタになっていて良いですね。
 オリジナリティさでは群を抜いていましたね。舞台上にサーモンてw
 笑い的には個人的にはもうちょいというところでした。バカバカしさと、もう1歩何か欲しかったです。
 

Rゲート
No.037 おちんちんを育てる会
嗚呼、美しきJapanese pop musicの世界
麻里:はいどうも! まりりんです!

美菜:み〜なきゃっとです!

二人:おちんちんを育てる会です!

麻里:おちんちんを育てていきましょう。

美菜:横滑り気味に側転して大腿骨を折ってしまいました。

麻里:それは大変だわ!

美菜:頭の中をラブホテルでよく流れてるワルツがぐるぐるしてて病院にも行けないの。

麻里:なんですって、それではおちんちんを育てられませんわ!

美菜:だから生足がタンデムしてる頃の錦戸亮(NEWS)が導くままに生きていくことにしたんだけど。

麻里:落ち着いて。錦戸亮(NEWS)はおちんちんを育てることには長けてないわ。

美菜:確かに錦戸亮(NEWS)にできることはシャンデリアを天ぷらにすることぐらいね。

麻里:たまに揚げ損ねるしね。

美菜:生シャンデリアは美味しくないわ。T字路の中心でゲロ吐いてるアマガエルみたいな味がするの。

麻里:稚魚ファウンテンの付け合わせによく出てくるあれね。

美菜:その毒素に当てられてニッパーのグリップを眺めては日が暮れるだけの日をもう何日過ごしたことやら。

麻里:それでTM NETWORK(小室哲哉じゃ無い方)のライブに行き損ねたって言ってたものね。

美菜:そうなのよ!だから今日はTM NETWORK(小室哲哉じゃ無い方)のライブに行ってる気分を味あわせてほしいの。

麻里:じゃあ私がTM NETWORK(小室哲哉じゃ無い方)をやるから、み〜なきゃっとはお客さんをやりなさいな。

美菜:感謝。

麻里:はーい! 打点が低いファンのみんなー!

美菜:きゃー! 25安打0打点よー!

麻里:TM NETWORK(小室哲哉じゃ無い)です! 早速最初の曲行っちゃうよ! 「IMALUが支配する世界におけるGoogle」!

美菜:きゃー!!!!!

麻里:♪イタリアのポン酢焼けたら 世界はもうIMALUの物

美菜:(頸動脈)

麻里:ストップ! 美菜ちゃん興奮しすぎて頸動脈になっちゃってる!

美菜:いけない! バリトンギターの音色ってどうしてもアドレナリンが暴走しちゃうわ!

麻里:お嫁に行けなくなっても知らないんだから!

美菜:これはTM NETWORK(小室哲哉じゃ無い方)のライブ、行かなくて正解だったわね。

麻里:頸動脈の側からおちんちん育成にアプローチをかけるのは、荷が重いものね。

美菜:でもおちんちんを育てるうえで頸動脈の視点を無視するのは、いささかワンサイドゲーム気味だと思うんだけど。

麻里:み〜なきゃっとは常にグローバルかつ濃い味な視点を持っているわね。

美菜:昔、福島県のご当地ヌードモデルが芸術を盾にとってこんな言い訳を残していたわ。

麻里:聞こうじゃないの。

美菜:「原始の時代から今日まで受け継がれる大地の恵みを表現するために脱いでいる」。

麻里:芸術を盾に取っているわね。

美菜:この言葉を聞いたいきものがかり(漫才師の方)のボーカルが鼻を整形したことは、芸術史におけるポツダム宣言でもあったわ。

麻里:争いは終わったのね! よかったよかった!

美菜:そして芸術が敗れたこの世界において、何を持って芸術を表現しようというのか、これからの漫才師はそれを考えていかなければいけないわ。

麻里:み〜なきゃっとは何か考えてるの?

美菜:野猿(とんねるずがやってたやつ)を再結成させます!!

麻里:野猿(とんねるずがやってたやつ)を!? なんで!?

美菜:私の中の琵琶法師が説法をするのよ。この世を変えるのは野猿(とんねるずがやってたやつ)か太陽とシスコムーンだけだって。

麻里:太陽とシスコムーンにはもう一寸の期待も出来ないものね。

美菜:そこでビバークしてるお偉いさん方! ちゃんとあたし達の話を聞いてるかしら! 貴方達に言っているのよ!!

麻里:おうおう! 巨額の金を使って野猿を再結成させなさいな! お偉いさん方!

美菜:はあ、力を入れて喋ったら疲れちゃったわ。アクエリアス頂戴。

麻里:今日はゲータレードを三途の川油で揚げた奴しか持ってきてないの。

美菜:まりりんの役立たず!! もう嫌い!

麻里:あーん、待ってよみ〜なきゃっと!! 二人でおちんちん育てようって言ったじゃん!

美菜:うるさいうるさい! あんたなんか月一で自我を奪われるとりっぴーの餌にされちゃいなさいよ!

麻里:そんな縁起でもないこと言わないで! 今日がその日だからより説得力が増す!!

美菜:ドイツには街灯が20個しかないのよ! そのうちの半分に光を灯せたら許してあげる!

麻里:無茶言わないで! 野生のベルリンの壁があたしの胸を焦がしていくのよ!

美菜:所詮、あなたはその程度だったってことね。これからは私が一人でおちんちんを育てていくわ!

麻里:……肥料も無しに?

美菜:……。

麻里:ふんっ、無計画に適当なことは言わないことねっ。

美菜:ちくしょう、今日が大安吉日だったらこんな軽口は叩かせないのに。

麻里:あれー、いいのかなー、そんな悪いこと言って。石橋貴明煮詰めちゃおうかなー?

美菜:勝手にしろ!その時は私がつんく♂(ex.電気グルーヴ)と共に第二の太陽とシスコムーンを作ってやる!

麻里:そしてみ〜なきゃっとの家のポストに煮凝り詰めちゃうぞー?

美菜:コラーゲンだけを吸い取って送り返してやる!

麻里:その前にポストから漏れ出す石橋貴明の毒素に当てられて、
   気づいたら翳りゆく空を眺めながら毛虫を飼うことしかできない廃女(廃人の女の事です)になってしまうでしょうね。

美菜:でも、毛虫はおちんちんに、似ている。

麻里:しまった!! おちんちんを育てさせてしまったわ! Oh my god!

美菜:不用意なことはしないことね! もうおしまい!

二人:おちんちんを育てる会でしたー!

予選総合第42位(1回戦敗退) おちんちんを育てる会
審査員
点数
23 26 自分 34  2 62 平均29.40
【審査員コメント】
・おい前回優勝者。てか女子の下ネタという点でミヤさんやプラネットコミュニティと被ってるという悲劇ね。
 「(頸動脈)」「野猿(とんねるずがやってたやつ)」のような強烈なパンチは多々あったのですが、
 全体的に無秩序過ぎて、ついていけなくなってしまったというのが正直なところです。
 フレーズひとつひとつは唯一無二なんですが、それらを砂利みたいに投げつけられてる感じと言いますか。
 何かしら、ネタを進行する上での明確なルールがあったならばだいぶ乗りやすかったとは思うんですが。
 恐らくやりたいことをヤってみた感じのネタだとは思うんですが、これらがきっちり組み合わされた漫才も見てみたいです。
   
・えぇえぇぇええぇ……に、日本語、なんでしょうか、コレ。
 ボケが多いのは良い事ですけど、何行もブッ続けで、
 それもかなり濃度の高いシュールボケを繰り出されると、かなり早い段階で読み疲れてしまいます。
 ハマる人にはドハマりしそうですけどね。
 個人的にはもう少しシンプルな方が好みですが、あまり強くは言えないかな……。
   
・これを書いた時、「これは長文界を揺るがす革命的長文が書けた……」と思いました。
 そうです、僕は疲れてるんです。栄養ドリンクの差し入れお待ちしてます。
   
・さすがに意味不明過ぎて、たくさんの 使いようによっては面白いワードたちが死んでしまったように思います。
 しかし そんな中、一つのワードだけは「笑えるゾーン」に届きました。度々出てくる「おちんちんを育てる」です。
 面白いワードたちが皆 死んでいく中、唯一笑えるゾーンに辿り着いた まるで精子のようなワードですね、「おちんちんを育てる」は。
   
・本格的についていけない世界でした。「わからなかった」という部分を考慮して2点だけ入れておきます。
   
・逆にどうやったらこんな意味不明な会話が産まれるのでしょうか。
 個人的には、フレーズの面白さでなんとなく楽しめてしまいました。
 が、やはりもう少し分かりやすい文章やギミックが欲しいところですね。
 

Rゲート
No.038 海洋ブリザード
ごきげんよう
藤林:僕ね、一度で良いから「ごきげんよう」に出演してみたいんですよ。

横田:そうなんですか。確かに一度はあのサイコロを振ってみたいですよね。

藤林:そうでしょう。いつか出れたらいいなと思ってるわけですよ。

横田:じゃあ今日この場で練習してみましょうか。ごきげんようにあなたが出演して、僕が司会役で。

藤林:あら、いいんですか? じゃあお願いします。


横田:さぁ〜始まりましたごきげんよう。司会の横田でございます。
   それにしても長いことこの番組やらせていただいてですね、おかげさまで街で声をかけてくれる方もいらっしゃるんですよ。
   嬉しいことでございますね。感謝の気持ちでいっぱいです。   でもたまに「サイコロ振ってよ!」とか言われる事があるんですよ。
   いやいや、さすがに僕もプライベートでサイコロ持ち歩いてないですからね! サイコロ振りながら街歩いてたら不審者ですからね!
   だからそういうお願いはお断りさせていただくことになっちゃうんですよねぇ。
   サイコロは振らせないのに女の子と雨にはフラれっぱなし、みたいなね!なーんてなことを申しておりますけども、
   それでは早速今日の1曲目を…

藤林:ちょっと雑談長ぇよ! 長々と何しゃべってんの!?

横田:いや、これが横田流のごきげんようの始まり方じゃないですか。

藤林:そんな独自色いらないから!最終的にラジオ番組みたいになってんぞ!
   本家の感じでやってくださいよ! 早くゲストを呼び込んで!

横田:わかりました。それでは本日のゲストをご紹介いたしましょう!
   海洋ブリザードの藤林さん、人気アイドルの田中さん、そして今日からのゲストは、若手イケメン俳優の山田さんでーす!

藤林:どーもー! よろしくお願いします!

横田:藤林さんはあれですね、今日の服装は非常に季節に合った感じで素敵ですね。

藤林:あら、ありがとうございます! スタイリストさんに選んでいただいたんですけどね。

横田:お隣の田中さんも最近テレビで見ない日はないほどの大活躍すばらしいですね。
   山田さんといえばね、まぁ、何かとあれですけども…

藤林:なんだその山田さんだけのふわっとした紹介は! そんな情報量無しの紹介するぐらいなら最初からすんなよ!

横田:山田さんはね、まぁ…どうして結婚詐欺なんかしちゃったんですかね?

藤林:逆によくごきげんよう出られたなそいつ!紹介しづらいってわかってたんなら最初からキャスティングすんな!

横田:いや、山田さんの事を知らない方もいるかもしれないのでちゃんと紹介しようかと…

藤林:結婚詐欺師の紹介なんかわざわざOPでしなくていい!

横田:いや、そもそもごきげんようを知らない人がいるかもしれないですよね!?

藤林:今更そこ不安になったのかよ! さすがに大丈夫だと思うよ! 
   「ごきげんようを知りません!」って言われたら「調べてて出直してこい!わからないって言う前に調べてこい!」って突っぱねても俺は構わないと思うよ!
   いいよみんな知ってるとみなしてオープニングコーナーみたいなのに進んで下さいよ。

横田:了解です。それではまずはこの企画、「この人に会ってみたい!」
   ゲストの皆さんにどうしても会ってみたい人をフリップに書いていただきました。 歴史上の人物でも、または憧れの大先輩でも構いません。
   では藤林さんからどうぞ!

藤林:はい、僕はこの人ですね。 「坂本龍馬」です。

横田:なるほど。毎週恒例の坂本龍馬ですね。

藤林:恒例とかいうなよ! そりゃ龍馬人気あるから被ることもあるだろうけど!

横田:そうですねやっぱり会ってみたいですよね日本を変えようとした男ですからね近年では福山雅治も大河ドラマで演じていましたよね
   会ってみたいとおっしゃる気持ち大変わかりますそれでは続いての方に伺ってみましょう

藤林:そのテンプレみたいなのをつらつら読み上げる感じやめろよ!
   頻繁に龍馬が出てくるから暗記してしまったんだろうけども!やっつけ感が尋常じゃなかったぞ!

横田:さぁ続きまして、あなたが会いたいのは誰なんですか? 
   ほう、親友を騙した結婚詐欺師に会ってみたいと。
    
藤林:結婚詐欺師なら隣にいるよ! そいつだとしたら早くも願い叶っちゃったよ!

横田:そしてお隣のあなたは、誰に会いたいですか? なるほど、坂本龍馬さんですか。

藤林:早速かぶった! せめて同じ日にかぶらないように調整しておいてほしかった!

横田:そうですねやっぱり会ってみたいですよね日本を変えようとした男ですからね近年では福山雅治も大河ドラマで演じていましたよね
   会ってみたいとおっしゃる気持ち大変わかりますありがとうございました

藤林:さっきとまるまる同じじゃねーか!時間経ってないんだから少しぐらい変えろよ!もういい、トークに移して!

横田:わかりました、それでは今日のサイコロの目をあけてみましょう!オープン!

藤林:そうそうそんな感じの。

横田:(ジャジャン)「固体表面・界面の原子配列の話」!

藤林:は!?

横田:「TNP多結晶膜を用いた立体構造解析データの話」!

藤林:そんな話できるか! ごきげんようでタレントにさせる話題じゃねぇだろ! なんで研究者の論文みたいなトークが入ってんだよ!

横田:「高圧条件に適した水蒸気の影響阻害の話」!

藤林:何個目だよこういうの!こんな難しい話題提供する番組じゃなかったろ! 昼からそんな番組放送しないよ!

横田:「電子系の超流動とスピンホール効果の話」!

藤林:全部それ系で行く気か!? これホントにそういう研究があるんだろうな!? お前が適当にそれっぽい単語並べてるわけじゃないよな!?
   その道に詳しい人が見たら「こいつ適当に言葉並べてそれっぽくしてるんだな」ってバレるんだからな!?引き返すなら今だぞ!?

横田:「物権変動における対抗要件主義の情けない話」!

藤林:情けないとか付けても無理なもんは無理だよ!! 
   何が情けないのかさえわかんないんだよこっちは!1個ぐらいまともな目入ってないの!?

横田:「これって私だけ?」

藤林:急に普通のやつ来たな! 最後にちょっとだけ良心見せてきやがった!

横田:そして「今日の当たり目」となっておりまーす。

藤林:…テーマ7つあるじゃねーか! だいぶサイコロ振りづらい形になっちゃうだろうが!なんかあの科学的なやつ一個削れバカ野郎!

横田:それでは、まず山田さんから参りましょうか。

藤林:サイコロトークってもっとワクワクするもんだと思ってたんだけどなぁ…

横田:(♪売れて倒産 ♪売れて倒産)

藤林:なんでいきなりBaha menの「Who let the dogs out」の歌詞を空耳っぽくしたやつが流れるんだよ!
   知らない人が聞いたら動揺するわ!
   
横田:(♪イヤーヨ)

藤林:うるせぇよ! それも同じ曲の一節だろ!
   一昔前にNHKで放送されてたアメリカの「ワンだー・エディ」っていうドラマの主題歌がなぜ今ここで流れるんだよ!
   知らない人は調べて聞いてみてとしか言いようがないよ!


横田:サイコロ止まりましたね。 はい、「電子系の超流動とスピンホール効果の話」!

藤林:うわ難しいやつが出ちゃった! 恐いわ…明日は我が身だ…

横田:山田さん、どうですか?
   「そうですね〜、僕が結婚詐欺をしていた時の話なんですけど…。」

藤林:…いきなり何の話だよ!? そっからスピンホール効果とどうつながるんだよ!
   いや、まずこいつ結婚詐欺の経歴押し出しすぎだろ!堂々と「結婚詐欺をしていた時の話なんですけど…」じゃねぇよ!

横田:「一度警察の罠にはまって身の危険を感じたんですよ。
    そしたら電子系の超流動とスピンホール効果が起きちゃって!
    結果的に警察から逃れて、口座に100万円振り込まれたんですよ〜!」

藤林:さっぱり意味わかんねぇよ!なんでナントカ効果で金が振り込まれたんだよ!
   犯罪に荷担する現象だと誤解されるわ!訂正して謝罪しろよ! 

横田:いや〜でもそういう話聞くと結婚っていいなって思いますねぇ〜

藤林:どこがだ! 今のどこでいいなと思ったんだ!結婚詐欺師の手口聞いて結婚に憧れるバカがいるか!

横田:では続きまして田中さん、サイコロを振って下さい!
   (♪ENJOY 音楽は鳴り続ける IT'S JOIN 届けたい 胸の鼓動ココロオドル アンコール わかす Dance Dance Dance)

藤林:なんでnobodyknows+ だよ! ♪何が出るかな〜でいいだろ! 今全然ココロオドってねえんだよこっちは!

横田:(イヤーヨ)

藤林:今それ関係ねぇだろ! 「Ready GO!!」だし、そもそも選曲が二重に間違ってんだよ!

横田:出ました、「これって私だけ!?」

藤林:お、数少ない平和なトークテーマが!

横田:「えーとですね…ホントに私だけなのかなって思うんですけど…

藤林:そうそう、俺の知ってるごきげんようはこんな感じだったよ。

横田:「よく町を歩いてて、非磁性体の金属や半導体に電流を流すと、電流と垂直の方向に電子スピンの流れが発生するじゃないですか〜」

藤林:そんな経験ねぇよ! なんでこいつはまともなテーマ出たのに自分からそっちの流れに持って行くの!?
   まずそもそも町歩いてて半導体に電流流す奴なんかいねぇよ! 
   何あるあるみたいに言ってんだ! 誰が共感できるんだ!

横田:「それで私、体に電流が走るような恋をしたくなったんですよぉ〜。」

藤林:知らねーよ! なんで最後電流で話まとめようとしてんだ! 途中のスピンがどうのこうのと恋に何のつながりがあったんだ!
   おい司会者! お前は人気アイドルである田中さんが電子スピンの話してるの聞いて何も違和感を感じないのか!?

横田:では最後、さっきからガミガミうるさい藤林さんいきましょうか。

藤林:誰がガミガミだ。 いよいよ俺の番だけど絶対普通の目出してやるからな。

横田:じゃあサイコロお願いします。(何が出るかな〜 何が出るかな〜 …なぁ、お前は何が出ると思う?)

藤林:聞くなよ! 何が出るかを俺に聞いてくるな! 今日普通のBGM一回も流れてこねぇじゃねぇか!

横田:出ました!「今日の当たり目」です! おめでとうございます!

藤林:おおっ! これはラッキーだ! 訳わからんテーマが出たらどうしようかと思った!

横田:さぁ今日の当たり目はこちら! 「COROZOクエスチョン」!

藤林:あ、これ聞いたことあるぞ! コロゾーくんが質問してくれるやつだ!

横田:今からこちらのコロゾーくんがいろいろ質問しますので、ゲストの方はその質問にどんどん答えてもらうナリよ

藤林:なんで急にコロ助だよ! やめろよコロゾーくんと紛らわしいだろ!

横田:「質問ロボット、コロゾーデス! ビシビシ質問していくナリよ」

藤林:お前も語尾コロ助かよ! キャラクターとしてのプライド皆無か! もう早く質問してこいよ!

横田:「ソレデハ質問デス。 楕円曲線E上の有理点と無限遠点Oのなす有限生成アーベル群の階数(ランク)が、
     EのL関数 L(E, s) のs=1における零点の位数と一致するというバーチ・スウィンナートン=ダイアー予想についてどう思いマスカ?」

藤林:お前も結局そういう話かーい! いいかげんにしろ!

予選総合第11位(準決勝敗退) 海洋ブリザード
審査員
点数
86 74 73 54 81 80 平均74.67 得票3票
【審査員コメント】
・THECHOUBUNで一度審査させて頂いたネタなのですが、細部がバージョンアップされててかなり良くなっていました。
 特に山田さんに結婚詐欺キャラがついたことで、ゲスト二人の役割が強くなってネタのグレードが上がった印象です。
 「坂本龍馬」「テーマ7つ」など、元々面白かったボケも活きていて、新鮮に楽しめました。
 逆に「売れて倒産」はあまりにもマニアック過ぎて、知らない違和感で笑うにも足りなかった感じでした。
 また、コロゾー以降は落ち着いて終わってしまった感じがしたので、ここで結婚詐欺重ねても良かったかもしれません。
 ていうか以前どんな審査書いたか忘れたんで、同じこと言ってたらごめんなさい。
   
・わあ、今大会で数少ない正統派漫才だ……!!
 真新しい題材、軸のしっかりしたボケ、シンプルなツッコミ。
 瞬間的な爆発力はありませんでしたが、終始安定したクオリティを維持していました。
 中盤以降の理系ボケはなかなか斬新だったので大きく改良する事は無いと思いますが、
 サイコロ振る時のBGMは変えるべきです。ここで2度良い流れが途切れてしまったので。
   
・「物権変動における対抗要件主義の情けない話」を入れて来る感じがさすがですね。
 ただ、BGMのボケは正直全然ハマらなかったです。
 この難しそうな話を振ってくるというネタ構造自体が、
 前回のオマージュ研究室のボケの焼き直しに見えてしまった点が少し残念でした。(間が空いてないだけに……)
 しかし、それでも一定以上の面白さはあったと思います。
   
・見たことは無いんですが、20年以上続いてる番組なんですね。
 調べるのは後にしてとりあえず読んでみたのですが、BGMやキャラなど元を知らないボケが続いたところはちょっとキツかったです。
 予備知識の要りそうなところを抜きにしても、ボケが遠回り気味というか「あ〜、こういうボケかー」と納得 止まりだったように思います。
 本家とのギャップがメインの笑い所だったんですかね。無理やり情けない話にしてるのとか面白かったです。
   
・綺麗な漫才でした。隙がなく、安定していました。確実にいい結果が出せるネタ持ってきたなという感じです。
   
・高度な化学ネタは個人的にはツボでした。中盤から投入してくるのがなかなかオツでしたね。逆にもっと生かしても良いくらいだったと思います。
 全体的には良いベタ、という感じでした。
 

Rゲート
No.039 whitewhite
Frontal lobe sheep shipment center
前田:トリプルゼータ トリプルゼータ トリプルゼータ

安正:始まってますよ

前田:すいませんちょっと寝てました

安正:多分ですけど「Zzz」ってそんな読み方じゃないですよ

前田:最近夜寝れないんですよ

安正:それは良くないですね

前田:布団入ってね、目瞑るんですよ。あー、寝たなーと思って目開けると30秒も経ってないんですよ

安正:それ貴方の名前がつく病気になるかもしれませんよ

前田:目開けると8時間くらい経ってる寝方したいんですけどなんかありますかね?

安正:ちょっとそれは分かりませんけど、寝るために羊を数えるとかは聞きますね

前田:Let's counting sheep

安正:思いがけたら即実践











前田:144  288  432

安正:あんまり羊をグロス単位で数えない方がいいと思いますよ

前田:なんてこった

安正:羊144頭一気に来たらどう思います?

前田:トラックに詰め込んでいったんで別に何も

安正:出荷で想像してたんですね

前田:まとめてトラックに詰め込んだ方が作業が楽に進むんでね

安正:じゃあそれはそれとしてね、ちょっと数えにくく無かったですか?

前田:確かに288から432に行く時の繰り上がりが大変でしたね

安正:多分なんですけど144をずっと足していくよりは1をずっと足していく方が簡単だと思うんです

前田:1  2  3。  …!!!

安正:気づいて頂けて何よりです

前田:Let's counting sheep one by one

安正:一つずつが「one by one」だそうですよ











前田:(まぶたが無い)

安正:ちょっと

前田:1 2 3 4 5 6

安正:無駄ですよ

前田:何が無駄なんですか、前頭葉羊出荷センターの仕事を邪魔しないでくださいよ

安正:貴方最初になんて言いました?

前田:トリプルゼータ トリプルゼータ トリプルゼータ

安正:私が悪かったです

前田:おかしいな、さっきトリプルゼータを三連呼した時は寝れていたはずなのに

安正:貴方夜寝る時はどうしてるんですか?

前田:布団に入って目を瞑りますね

安正:目を瞑る時ってまぶたはどうなってます?

前田:閉じてますね。    …!!!

安正:いつまぶたが無くなったかは知らないですけど、まぶたはある方がいいと思いますよ

前田:まぶた まぶた  まぶた まぶた

安正:横山やすし師匠の魂は今ここに生きている

前田:(まぶたがある)

安正:見つかったみたいです

前田:Let's counting sheep one by one with eyelid

安正:「eyelid」がまぶたみたいです











前田:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14

安正:いい調子ですよ

前田:15 16 17 18 19 2021 2022 2023

安正:おっと

前田:一台のトラックの荷台に詰めた羊が皆圧死している

安正:そりゃ2023匹の羊が入る容量のトラックは無いでしょうからね

前田:おかしいな、21匹目を詰めた時にあるはずのスペースが急に無くなったんだよな

安正:それです

前田:?

安正:18からもう一度数えてもらってもいいですか?

前田:18 19 2021

安正:そこ

前田:…!!!

安正:あるはずのスペースが開けられていないんです

前田:なんてこった

安正:一気に西暦クラスの数字になっちゃいましたからね

前田:ただ僕にはここにスペースを開ける力はないようです

安正:あらま

前田:どうしよう、このままだと前頭葉羊出荷センターが機能不全になってしまう

安正:これずっと言ってなかったんですけど

前田:お、何か前頭葉羊出荷センターの希望になるアドバイスが?

安正:こういうのって羊が柵を飛び越えるイメージで一匹ずつ数えていくんですよ

前田:…!!!

安正:量は増えちゃいますけど柵を飛び越えるだけなら羊が圧死することもないと思いますよ

前田:前頭葉羊出荷センターなんて本当は必要無かったんだ

安正:はい

前田:Let's counting sheep one by one with eyelid without…

安正:どうしました?

前田:前頭葉羊出荷センターって英語でなんて言えばいいんですかね?

安正:全部日本語で言えばいいんじゃないですかね

前田:…!!!

安正:「よーし、羊を数えるぞ」で済む話なんですよ

前田:これで全て解決しそうだ、何度もお手数をおかけしました

安正:いえいえ

前田:じゃあ独特の空気を出すために行間を開けますね

安正:あんまり手の内ばらすもんじゃないですよ








前田:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14

安正:いい調子ですよ

前田:15 16 17 18 19 2021 2022 2023

安正:ここはしょうがない

前田:2024 2025 2026 2027 2028 2029

安正:はいはい

前田:2030 2031 2032 2033 2034 2035

安正:はい

前田:2036 2037 2038 2039 2040 2041

安正:…

前田:2041 2042 2043 2044 2045 2046

安正:これはこれで気が狂っている

前田:2047 2048 2049 2050 2051 2052

安正:数字を増やしていく人に相槌を打つ漫才ってなんですかこれ

前田:2053 2054 2055 2056 2057 2058

安正:何が独特の空気ですか、ボケでもなんでもないですよこれ、ちょっと

前田:2059 2060 2061 トリプルゼータ トリプルゼータ トリプルゼータ

安正:おやすみなさい

予選総合第1位(決勝進出) whitewhite
審査員
点数
96 69 88 67 91 85 平均82.67 得票4票
【審査員コメント】
・(まぶたがない)じゃねぇよ。「まぶた まぶた まぶた」じゃねぇよ。(まぶたがある)じゃねぇよ。
 いつもより狂気控えめなんですが、それがこのネタに効果的だったのかめちゃくちゃ笑いました。
 「名前のつく病気」「eyelid」「全部日本語で言えばいい」など、ひとつひとつのくだりに爆弾が仕掛けられていて隙がありませんし、
 単純な設定だからこそフレーズのオリジナリティが存分に発揮されていてズルいです。
 気になったのは 2021のくだりがぱっと見わけわかりづらいことくらいです。それも大して気にはなりません。
 今回単純に一番笑った彼らに優勝してもらいたいので、最高得点をつけさせて頂きます。
   
・前田:(まぶたが無い)  ←もはやお家芸ですね。
 一行目からエンジン全開でかなり期待が持てたんですが、全体的には下降線を辿りました。
 ラスト18行が18行なのでそう見えるだけとも言えますが、
 英語にしろ数え方にしろ羊の出荷形態にしろ、
 いずれも最初に出したボケを越えるようなものが、それ以降で出てこなかった事が原因です。
 それでも、「安正:横山やすし師匠の魂は今ここに生きている」「安正:全部日本語で言えばいいんじゃないですかね」
 など、なんとも聴き心地のいい絶妙な言い回しは健在でした。
   
・(まぶたが無い)はずるいですよw(肩が無い)を思い出さずにはいられないじゃないですかw
 
 いい感じにバカバカしくて面白かったです。
 こんな雰囲気なのに、意外とやりとりから人間味を感じるのがすごいなあと思います。
 オチも綺麗。
   
・(まぶたが無い)がピークでしたね。
 独特のテンポで面白いんですけど、今回はちょっと手数が少なかったのかなという印象で、そういう点数です。
   
・もっと見たかったという点以外はもはや圧巻の内容だったと思います。巧い。
   
・まさにwhitewhiteの集大成と言う感じでしたね。
 インパクトのあるボケ、分かりやすい展開、そして個性もしっかり出ていました。
 堂々としすぎてちょっとボケが弱かった感じもしますが、味を出すという意味もあるので難しいところですね。
 優勝おめでとうございました!
 

Rゲート
No.040 あかつき
Mission Motherland
宇都宮:突然ですが、私、宇都宮玲嘉より皆様にご報告がございます。
    私事で申し訳ないんですが……今朝、第一子を出産しました。

 水戸:おめでとうございます!

 前橋:おー、おめでとー! これで宇都宮もママだね…………って、え? 今朝!? え、朝子ども産んでもう漫才できるの!?

宇都宮:できるわよ。だって私O型だし。

 前橋:血液型の問題なのかな!?

宇都宮:それで、子どもが出来ると妊娠中から色々な価値観が変わってね。
    特に一番変わったのがアレよ、「はじめてのおつかい」。

 水戸:はじめてのとむらい? 

 前橋:はじめてのおつかい。誰供養すんの。

宇都宮:私の子にもいつかこういう時がくると考えたら、感慨深くなってしまってね。
    だから、今から来るべき日に備えておきたいのよ。
    我が子にはじめてのおつかいをさせるお母さんとしての心構えをね。

 水戸:え、宇都宮さんもなの?

宇都宮:何? 水戸も?

 水戸:うん。あたしも前々からその「マフィアとのオフ会」ってのに備えておきたかったんだ!

 前橋:そんな犯罪臭いオフ会はないよ!! んで備えたいわりに「はじめてのおつかい」って全然言えてないよね!!

宇都宮:あらそうなの? じゃあ私がお母さん役と端役やるから、水戸はナレーター役でもいい?

 水戸:いいよー。ちょうど考えてたナレーションあるしー。

 前橋:うん? ってことは、ウチが子ども役かな?

宇都宮:違うわ。子ども役は”子ども”にやらせるつもりよ。

 前橋:は?


赤ちゃん:だぁー。


 前橋:!?!?!?

宇都宮:紹介が遅れたわ。娘のかずさよ。まだ生後10時間くらいだけど、よろしくね。

 水戸:よろしくー。

 前橋:いやいやいやいや! 赤ちゃん抱っこして舞台に立つ漫才師なんて聞いた事ないよ!!

宇都宮:仕方ないじゃない。だってまだへその緒で繋がってるんだから。

 前橋:じゃ切ってからこいやあぁ!! つーかなんでウチも言われるまで気付かなかったし。

宇都宮:あーもうわかったわよ。この子を戻せばいいんでしょ?
    待ってて、生まれて間もないからまだ入る気がする。

 前橋:やめてやめて!! ああ!赤ちゃんをスカートの中に突っ込まないで!!

宇都宮:……あ、足から入れたらたぶんいけるわコレ。

 前橋:抱いたままでいいから漫才をお願いしまーーーす!!










水戸:アーーー↑アーーー↑アーーー↑アーーー↑(ドレミファドレミファ♪ドッドドレミファ♪)
   だーれにもーなーいしょで おーでーかーけーなーのよー
   どーこーにーいーこーおかーなー?(オーケイ ユゲッラー!!)

   『今回おつかいに行くのは、栃木県宇都宮市に住んでいる宇都宮かずさちゃん。5歳。
    今日はママの代わりに、国際指名手配中のパパから機密情報の入ったUSBメモリを回収するように頼まれました!
    うまくできるかな〜?』

 前橋:でえぇりゃああああああああーーーーーーー!!!

 水戸:え……な、何、どうしたの…? せっかくこのプロローグから壮大なおつかいアクションサスペンスが始まるのに…。

 前橋:始まらんでいい!始まらんでいい!
    国際指名手配中とか機密情報とか、何このおつかいらしさゼロの単語!スパイ映画じゃないんだよ!?
    あと初っ端からノッリノリだね! どんだけやりたかったんだよって感じだね!!

 水戸:えー……何もそこまでゲボカスに言わなくても……。

宇都宮:そうよ、水戸のナレーションは素晴らしかったじゃない。
    私はね、自分の子どもには難易度の高いミッションも遂行出来る行動力のある大人に育って欲しいと思ってるの。

 前橋:どーゆー教育方針だよ。
    水戸ちゃんさー、ゲボカスに言うつもりは全くないけど、せめてもう少しおつかいっぽさ入れて。
    晩ご飯の材料を買いに行くよー、みたいな?

 水戸:うん、わかった。おつかいっぽさを入れればいいんだね!



    『今回おつかいに行くのは、栃木県宇都宮市に住んでいる宇都宮かずさちゃん。5歳。
     今日はママの代わりに、国際指名手配中のお魚屋さんから機密情報の入ったサンマを買ってくるように頼まれました!
     うまくできるかな〜?』

 前橋:なぜそこを残したあああああーーーーー!!

 水戸:何で……? 晩ご飯の材料を買うおつかい要素は出したのに……。

 前橋:出てたけどスパイっぽい要素も綺麗に残ってんだよねーーー!!

宇都宮:かずさちゃん、ママちょっと手が離せないから、おつかい頼んでもいいかしら?

 前橋:うわ、強引にコントに入りやがった。不自然極まりねえ!

宇都宮:ちょっとお魚屋さんでサンマ買ってきて欲しいんだけど、できるかな?

 前橋:聞いたって赤ちゃんが喋れるワケ…


かずさ:御意。ママ殿の御用命、確と承りました。


 前橋:かずさちゃん!? え、この子コントでは5歳って設定だけど、実際は0歳だよね!?
    言語能力発達し過ぎじゃね!?過ぎじゃね!?

かずさ:不肖宇都宮かずさ。必ずや御期待に添えますよう一意専心努める決意でございます。

 前橋:……ダメだ!おつかいの返事としても十分おかしいけど、生後まもなく舞台で堂々立ち回る赤ちゃんにツッコまざるをえないよ!!
    いくら漫才師の娘だからってこうも即戦力になるの!?

 水戸:『ママから頼まれた物はちゃんとわかったかなー?
     1500ccのカワサキ・バルカンに跨って、お魚屋さんまでひとっ走りだ!』

かずさ:ぶんぶん!(バイクを運転するポーズ)

 前橋:えぇえぇえぇえぇえ!?!?!? 激動過ぎてウチのツッコミ処理能力じゃ追いつかないよおおおおお!!

 水戸:『国道4号線を颯爽と走るかずさちゃん。流れる風とエンジンの鼓動を体で感じてとっても気持ち良さそう!』

 前橋:一旦落ち着こう。目の前のボケ一つ一つ片付けていこう…………。
    さも当然のように乗りこなしてるけど、よゆーで無免許運転だよねコレ!

 水戸:『(ファンファンファン…) あれあれ? 何か音がするね。 後ろから何か近づいてくるよ…………
     大変だー! パトカーが追い掛けてくるよ! 捕まったらママに怒られちゃう!』

 前橋:そーゆー問題なの!? 親に怒られるレベルで済むのかなコレ!

かずさ:ぶんぶ〜ん!(自立して、右へ左へ車体を傾けるポーズ)

 水戸:『裏道や細い路地を使って警察の追跡を振ろうとするかずさちゃん。
     だけど逃げても逃げてもパトカーが追ってくるよ! どうしよう〜!?』

 前橋:子どもがバイク乗ってパトカーに追われるシナリオ用意する水戸ちゃんも大概だよね!
    子どもがヘンだしナレーションもヘンだし、救いようがないね!

かずさ:おじちゃん。くるま、ちょーだい。 ぶんぶ〜ん!

 水戸:『すごいね、かずさちゃん! 道行く人から次々車やバイクを奪っては乗り換えて、見事に警察を撒いたよ!』

 前橋:すごいね、じゃねーよ!! 可愛い顔してグランド・セフト・オートみたいな極悪所業してんじゃん!! 

 水戸:『そんなこんなでお魚屋さんに到着。ママから頼まれた魚、覚えてるよね〜?』

かずさ:おばちゃん。サンマ、ちょーだい。

 前橋:そこ車奪うのと同じテンションなんだね。

宇都宮:おやおや、おつかいかい? 偉いねぇ。残念だけどサンマは売り切れちゃったのよ。ごめんなさいね。

 前橋:お、ここに来てやっとおつかいらしいハプニング発生。どーするのかなー?

かずさ:おばちゃん。サンマ、ちょーだい。(拳銃を構えるポーズ)

 前橋:いやいやいやいや!

宇都宮:お、お嬢ちゃん……? う、売り切れって言ったでしょ? ほら、隣のマックスバリューさんに行けばあるわよ。

かずさ:ばきゅーん。

 前橋:ええーーーーー!?!?

かずさ:おばちゃん。サンマ、ちょーだい。

 前橋:何なのこの子! バイク乗りまわすわ拳銃ぶっぱなつわ、それでいて淡々とサンマを買い求めるわ!
    幼女なのにハードボイルドが過ぎるよ!

宇都宮:う、ぐっ……。サンマは……本当に、無いわよ。お嬢ちゃんが来る前に…買っていった人がいるからね…。

かずさ:やっぱり……。機密情報をねらう人が、ほかにも…

 前橋:その設定まだ生きてんの!?  

宇都宮:ふふ……やっぱり、悪い事した人は…いい死に方をしないものね……。
    ま……私は…、死刑確実な国際指名手配犯だから……。死ぬのが、少し早まっただけのことよ……。

 前橋:世界的に追われる魚屋ってなんだよもう…。

宇都宮:オバマ大統領に腹パンしなかったら、普通の人生を歩めたのかしらね……。

 前橋:マジで何やってんだよこの魚屋は!! それで死刑確実ってのも司法の暴力が酷いよ!

宇都宮:サンマを買ったのは……アメリカのニューヨークを拠点とする、濃厚魚介系マフィア「サルヴァトーレ・ファミリー」の構成員よ。

 前橋:なんかつけ麺っぽいよ!

かずさ:わかったよ。かずさ、そのマフィアからサンマ買ってくる!

 前橋:ここに来て「はじめてのおつかい」じゃなくて「マフィアとのオフ会」が始まりそう。

宇都宮:急ぎなさい……。奴らは……サンマで、世界経済を……、壊……、……。

かずさ:お魚屋さん!

宇都宮:…………。

かずさ:お魚……屋さん…………。…………。(黙祷のポーズ)

 前橋:ここに来て「はじめてのとむらい」まで始まった!

かずさ:くそぅ…………。誰が……誰がお魚屋さんにこんな酷い事を……!!

 前橋:お め ー だ よ ! ! !
    おめーが出会って3行で鉛弾ぶち込んだ結果じゃねーかよぉ!!

かずさ:シルバニア・ファミリーめ……!!

 前橋:違う違う! ウサ耳生えたマフィアとか、それこそオフ会してみたいよ!

 水戸:『お魚屋さんは死んじゃったけど、機密情報の入ったサンマの手掛かりを教えてもらったよ!
     ママのおつかいを果たすため、ニューヨーク目指して走れかずさちゃん!』










 水戸:どうだったかな? 今のがオチだったんだけど……。

かずさ:だぁー。

宇都宮:「最高」だって。私もいい感じだったと思うわ。

 前橋:うん、ウチもやってよかったと思うなー……。

宇都宮:あら驚いた。あれだけ声荒げてたのにうちの子を褒めてくれるなんて。

 前橋:だって…………、





    練習しなかったら死人が出てたからね!
    もう二度とおつかいなんかさせんじゃねーよゲボカス!!!!

予選総合第8位(決勝進出) あかつき
審査員
点数
93 86 53 75 75 平均76.40 得票1票
【審査員コメント】
・あかつきのネタって毎回パターン違うんですが、そのどれもが確実に頭おかしいですよね。
 新生児喋りだした時のインパクトたるや。いや餅とかカマキリが喋る大会ではあるんですが。
 さて、何気に珍しい4人漫才なんですが、全くゴチャつかずにボケをスムーズに伝える技術がブラボー。
 それぞれのキャラが明確に差別化されているため、展開がスムーズで非常に読みやすかったです。
 ワードに関しても良質な物が多かったし、「はじめてのとむらい」「マフィアとのオフ会」の回収もお見事。
 設定の非現実性が最初飲み込みづらかったことと、「ゲボカス」等の流れに合わない過激な言葉遣いで若干マイナスしましたが、
 多人数の個性的キャラの動かし方の模範例として教科書に載せたいくらいのネタでした。
   
・ライバルはプラネット・コミュニティさんです。
 スキマ産業の女性トリオ枠は譲らんぞぉ!
   
・序盤から裏切りの連続で面白かったです。
 ツカミの回収も見事でした。はじめてのとむらいが始まるところが特に好きです。
   
・本来は会話したりしない者・物との漫才の中では、そのことを活かしきれてない部類に入ると思います。特に親子であることとか。
 また、決して珍しいわけでもない はじめてのおつかいネタとしても展開が少ない方で多少見劣りしてしまうかと。
 はじめてのおつかいの言い間違えを回収したり、ゲボカスを多用したの面白かったです。
   
・人数が増えているのに、すっきりと見せるこの技術は凄い。うまく自分のキャラクターを飼いならしていると思います。
 でもその分、一人一人の活躍の場が減ってしまうというのは少し残念でもあります。そしてその分薄味になってしまっているのも惜しい。
   
・斬新にもほどがある設定でしたが、上手く4人目を含めたキャラを扱えていたと思います。
 個人的には、産まれたばかりの胎児が喋る事には違和感の方が大きかった面はありますが、
 それでも風格のあるネタだとは思いました。