予選Bブロック 予選審査員専用の審査フォームはこちら

011 ライラック 012 順列組合 013 マゼンタ・イン・バレンタイン 014 ガンバラナイズ 015 ヒ(ーロー)
016 オマージュ研究室 017 バトルロワイR 018 PARTY NOISE 019 チアノイズ 020 エルトアール


Qゲート
No.011 ライラック
戻ろう、あの頃へ
鈴木:どうもライラックの鈴木マコトです! どうぞ僕たちの漫才を気楽に楽しんでください!

石川:ライラックの石川ゆうきです。こうして僕たち漫才をさせて頂いておりますが、漫才師たるもの誰にとっても馴染み深くて、
   すんなりと入り込めるような話題を提供すべきだと常日頃思っているんですよね。

鈴木:全くもってその通りだな。ご覧になっている皆さん。ウチの相方はね、しっかりした考えを持っているんですよ。

石川:そんな訳で今回は「サイバーテロ」についての話をしたいと思います。

鈴木:待てよ! 言ってるそばから思いきり一部の人にしかターゲットを絞って無い話題じゃねえか!

石川:それでは僕が今から「サイバーテロ」の役をやりますね。『ちゅど〜ん! バババババババッ! ビーム発射〜!!』

鈴木:お前が分かってねえじゃねえか! 俺も詳しくはねえけど物理攻撃では絶対にねえだろ! 
   そうじゃなくて、誰もが共感できる分かりやすい話をしろよ!

石川:それならやはり「学生時代」の話題が王道ですかね。いやあ、あの頃は僕も若さゆえの無謀な行動を良くとったものです。

鈴木:なるほど。具体的に例えばどんなことを?

石川:教頭先生をソリにしてゲレンデを下ってみたり、教頭先生をエサにしてサメを釣ろうとしてみたり、
   教頭先生にエンジンとタイヤを付けてドリフトさせてみたり。
   …………まあこんなの誰にでもある面白みのない思い出話ですよね。

鈴木:ねえよ! 何だそれは「トムとジェリー」の世界か何かの話か!

石川:さて「生涯青春」なんて言われ方もされますけど、やはり学生時代こそ特に「青春」を感じる時期ではないかと思うのです。
   青春らしい場面って色々ありますけど、僕の場合は「部活をやめようとする友人を止める」
   という場面に一番「青春」を感じるんですよね。

鈴木:感動的なシーンだよな。今から俺にその「やめるのを止める」役をやらせてくれ。
   …………お前、部活やめるって本当かよ!

石川:いいや? 今のところそんな予定は無いけど。僕は今、試験勉強で忙しいのだから静かにしてくれたまえ。

鈴木:あ、すまん。勘違いだったみたいだ…………何だよコレ! 
   いきなり話を終わらすんじゃねえよ! そして何なんだその秀才っぽいキャラは!

石川:ようし歴史の年号を覚えよう 「よい国作ろう、カマクラ・ジェネラル」!!

鈴木:勝手に4192年の出来事を予測するな! そうじゃなくてお前は部活をやめる役をやってくれ! 
   …………お前、部活やめるって本当かよ!

石川:ああそうだ。高校最後の大会も終わって、受験勉強に専念しなければいけない時期だからな。

鈴木:極めて自然な流れじゃねえか! やめるというより普通に引退だろ!

石川:さあて漢字の問題か。問1の読み方は…………「小五ロリ」と。

鈴木:「悟り」だよ、それは! そんな学力でどんな大学に行こうって言うんだ!

石川:よくぞ聞いてくれたな! 僕は「明治大学」に入って世界一おいしいチョコレートを作るんだ! きらーん!

鈴木:バカすぎるだろお前! 「明治大学」は製菓メーカーの「明治」とは無関係に決まっているだろ! 
   いいからちゃんとやってくれ…………お前、部活やめるって本当かよ!

石川:ああ、そうさ。僕はもうこの「あそ部」をやめると決めたんだ!

鈴木:待てよ! 何なんだその「あそぶ」というのは! 「遊ぶ」ための部活か!?

石川:公園の砂山に立たせた木の棒を倒してしまったその瞬間、僕の夏は終わった。

鈴木:なんてしょうもない夏なんだ! 素直に帰宅部でいいじゃねえか!

石川:君に分かるのか! 名も知らぬ幼稚園児に敗北した屈辱が!

鈴木:分かる訳ねえだろ! そもそも大の男子高校生が公園でお子様に混ざって何やってんだよ!

石川:そういう訳で僕がもうここに来ることは無いだろう。
   僕専用の「ままごとセット」や「着せ替え人形」は部室に置いておくから好きに使ってくれ。

鈴木:いらねえから持って帰れ! そんなもの学校に持ってくる高校生、ある意味刃物を所持してるヤンキーより怖えよ!

石川:最後にこれだけは君に伝えておきたい。「遠足は、最後の一人が死ぬまで遠足」らしいぞ。

鈴木:らしいぞ、じゃねえ! 最早全く意味が分からねえよ! お前さっきからふざけすぎだぞ!

石川:部活をやめる役というのも存外難しいものですねえ。一度僕にそちらの「やめるのを止める役」をやらせて頂けますか?

鈴木:分かった。じゃあ俺が「部活をやめる役」をやるからな。

石川:はい、お願いします…………やあ久しぶり。高校を卒業して以来だから10年ぶりくらいじゃないか? 
   そういえば当時、君は部活をやめたんだよな。

鈴木:ちょっと待てっての! 一体いつの時代を演じているんだよ!

石川:あの時、君はやめるべきでは無かったと思うんだ! 君の為にも皆の為にも! 頼む、やめないでくれ!

鈴木:不可能だよ、過去を覆すのは! だから人は皆、悩んで、悔やんで、苦しみぬくんだろうが!

石川:その通りだ。辛いことや悲しいことに見舞われた時、周囲にクヨクヨするなと言われてもそいつは無理な話だろう。
   でも悲観することは無いさ。時の流れが全ての出来事を遠い過去の記憶に変えてくれる。
   だから皆も思う存分クヨクヨして、それが終わったら前を向いて進んでいけばいいじゃないか! きらーん!

鈴木:何の話だよ! 「部活をやめるのを止める」という話だろ! ちゃんと「やめるのを止める役」やってくれ!

石川:そうでしたね…………君「あそ部」をやめるというのは本当か!?

鈴木:結局「あそ部」なのかよ! かっこつかねえな!

石川:お願いだ、やめないでくれ! 君がやめたら部員がゼロ人になってしまう!

鈴木:現在、俺一人なのかよ! お前すら違うのか!

石川:君が一人で「百人一首」をしている姿、とても輝いていたぞ!

鈴木:一人でなんてしたことねえよ! 自分で読んで自分で取るのか! そんな虚しすぎる光景は他にねえぞ!

石川:君の句を読む姿は実に華麗だった! 「鳴かぬなら 自ら鳴こう ホトトギス」とかな!

鈴木:どんな陽気な将軍だ! ていうか俺も詳しくはないけど絶対にそんな句は百人一首の中に存在しないだろ!
   そうじゃなくて「あそ部」という設定をまずやめてくれ。ここはシンプルに、俺もお前も「陸上部員」という設定で頼む。

石川:分かりました…………君、陸上部をやめるというのは本当か!?

鈴木:ああ、本当だよ。

石川:その理由というのが、病気で倒れた親御さんの代わりに働くためというのも本当か!?

鈴木:あ? ああ。本当だよ。

石川:その働き口というのが、叔父さんの経営する「オカマバー」だというのも本当か!?

鈴木:ああ、本当だよ…………って何でそんなにウチの事情に詳しいんだ、お前は!

石川:いやあ「助走」の上手かった君が「女装」で稼ぐようになるとはなあ。

鈴木:何だよ、それ! 少しも面白くねえぞ!

石川:まさか卒業する前に「OB」になってしまうなんて。

鈴木:世間一般的に「オカマバー」で働く人のことを「OB」とは言わんだろ! お前は馬鹿か!

石川:なるほど「OB」だけに「お前は馬鹿か」か…………くっくっく、傑作!

鈴木:そんなつもりで言ったんじゃねえよ! ウチの家庭の危機を何だと思ってやがる! 馬鹿にするなよ!

石川:そう怒らないでくれ。売上貢献のため、クラスメイト全員を誘ってその店に行くからな。

鈴木:本当にやめてくれ! 知り合いに醜態を晒したくねえよ!

石川:最近シワが増えてきたからって恥ずかしがること無いのに。張り紙にも書いてあるじゃないか「老化を恥じるな」って。

鈴木:「廊下を走るな」だろ! ていうか何で俺がオカマになるなんていう展開になってるんだ! 
   それにお前、俺が部活やめるの普通に受け入れてるしよ! 「陸上部をやめようとするのを止める」コントを頼む!

石川:分かりましたよ…………陸上をやめるなんて言うな! 入学してから今までの6年間、君は頑張り続けてきたじゃないか!

鈴木:6年って、ここ小学校なのかよ! せめて高校とかにしてくれ!

石川:君は高校生活6年間の努力を無に帰すつもりなのか!?

鈴木:すげえダブってるじゃねえかよ! 高校だったら3年間ということにしてくれ!

石川:高校3年生になってからの3年間、ずっと頑張って来たじゃないか!

鈴木:ダブってるじゃねえかって言ってんだよ! とにかく俺は陸上部をやめるからな。

石川:待て! やめるのかやめないのか、はっきりしたらどうなんだ!

鈴木:はっきり「やめる」と言い切っただろうが! じゃあな!

石川:そもそも君、情けないぞ! 全く勝手が分からないのにも関わらず宴会部長の欄に
   自分の名前が無断で書かれていたからって逃げ出すだなんて! 見損なったぞ!

鈴木:そんな地味な嫌がらせ受けてねえし、だとしてもそれくらいじゃやめねえよ! 
   やめる理由は思春期ならではの「自分の限界を感じたから」とかにしてくれ。

石川:生まれ持っての素質が何だというのだ! 人より「くるぶし」の数が少ないからといってやめること無いじゃないか!

鈴木:そんな理由でやめるか! ていうか「くるぶし」は皆も俺ももれなく2つだよ!

石川:そうなのか!? じゃあ君は一体、身体のどの部位が少ないというのだ!?

鈴木:どこも少なくねえよ、五体満足だよ! 健康優良児に産んで育ててくれた親に感謝しなくてはな! 
   まあ、強いて言うならスポーツの才能が少ないのかもな。

石川:才能が無いだと!? 何を馬鹿なことを言っている! 
   そんなこと無いことも無い可能性が捨てきれない気がしないでもないと言い切れないというか…………うん!

鈴木:「うん」じゃねえだろ! 結局、あるのか無いのかはっきりと断言してくれ!

石川:君の才能は…………ズバリ「アリ寄りのナシ」だな!

鈴木:物凄く自信に満ちた迷いの無い力強い語調で、考えうる限り最も中途半端な結論を突きつけるな!

石川:確かに君の才能はそうでもないかもしれない! だが君は、才能及び、センス、情熱、意欲、根性、時の運、信頼できる仲間、
   日々の努力により培った基礎体力、そして何より陸上を愛する気持ち
   …………以外なら少しくらい持っているかも知れないじゃないか!

鈴木:必要なものは何もないってことじゃねえか! 逆に俺には何があるのかを教えてくれ!

石川:ええと「汗臭さ」?

鈴木:マジでしばき倒すぞ、テメエ! もういい。どうせお前みたいな才能に恵まれた天才には俺の気持ちなんて分からねえんだよ!

石川:天才なんていう稚拙な言葉で全てを片付けるんじゃない! 他人を「天才」と言い表すことは時として
   積み上げた努力とか踏み出した勇気とか、そういったものを否定し、結果的に侮辱することを意味するんだぞ! 
   人として最低だ! 恥を知れ、恥を!

鈴木:何だよ、どうしたんだ急に!

石川:天才と呼ばれる者を君が天才だと感じるのは、天才が天才と呼ばれるに至るまでの長く険しい過程を
   君が想像できないからだということを知った方が良い! 
   何かを犠牲にしようともせず温室でぬくぬくと暮らしておきながら大成出来ないことを嘆く者は
   見苦しいとしか言いようがないぞ! 人生を舐めるな!

鈴木:2回続けて長ゼリフなのにボケ無しかよ! でもまあ、そこまで言われて引き下がったら俺は完全に負け犬だな。
   陸上部、続けてやろうじゃねえか!

石川:そうか。そこまで決意が固いのなら僕はもう何も言わない。好きにやめるといいさ。

鈴木:「やめない」って言ってるだろ! 聞けよ、人の話を!

石川:やめるのかやめないのか、はっきりしたらどうなんだ!

鈴木:だから、やめねえよ! お前と一緒に続けたいからな!

石川:どうしても君がやめるというのなら僕もやめる! ああ、やめるとも! 今すぐにやめてやる! 
   仮に君がやめないと言ってもやめる! ていうか既にやめた!

鈴木:やめたんかい! だとしたら今までの無駄に熱いやり取りは何だったんだ! そもそもお前はどうしてやめたんだ!

石川:だってぇ〜、学生生活なんて部活も勉強も面倒くさいだけですしぃ〜。あ〜あ、学校爆発しねえかな〜。
   そう思った僕たちは、職員室を目標に「サイバーテロ」を決行した! 『どかーん!』
   それにより教頭先生がアンパンのライバルのウイルスよろしく天高く舞い、星になった! 『きらーん!』
   そう…………これが僕らの7日間戦争だったのさ!!

鈴木:オチが自由奔放すぎるわ! 青春らしいと言えばそうだけどな! いい加減にしろ!

2人:ありがとうございました。

予選総合第31位(3回戦敗退) ライラック
審査員
点数
33 42 60 59 63 63 得点54.33
(ボーナス+1点込)
【審査員コメント】
・いい意味でも悪い意味でも「教科書通り」という言葉がピッタリなネタでした。
 ネタのテンポや展開は非常に淀みなくて読みやすかったのですが、ボケひとつひとつのパンチが弱い。
 「サイバーテロ」「あそ部」など着眼点はいいんですが、その発想から思いつく最低限のボケに留まってしまったという印象です。
 もう一段階踏み込んだ、意外性のある発想が出ればもっと引き込まれました。ジャブだけじゃなく強烈ブローが欲しいです。
 「やめるべきではなかった」「どのみちダブってる」はいいボケだったので、個々の言葉をもっと吟味すればなお良くなるかと。
   
・鈴木:ねえよ! 何だそれは「トムとジェリー」の世界か何かの話か!
 >トムとジェリーそんな世界観だっけ!?
 
 鈴木:不可能だよ、過去を覆すのは! だから人は皆、悩んで、悔やんで、苦しみぬくんだろうが!
 >急に良いこと言う…
 
 Bブロックにしてやっとしっかりした漫才が来たなあという印象。
 でも設定もボケもベタが多かったかな……。「くるぶし」「アリ寄りのナシ」などは面白いと思いました。
   
・「不可能だよ、過去を覆すのは! だから人は皆、悩んで、悔やんで、苦しみぬくんだろうが!」
 なんだこのツッコミ、すごく不意を突かれました。
 
 感想なんですけど、「良い寄りの普通」の漫才だったと思います。
 気に成ったところも「老化を恥じるな」とかちょっと強引にねじ込んできたかな、というところ程度でした。
 ボケのクオリティもそこそこ高かったと思うし結構笑ったのですが、大きな当たりには欠けてたかなと。
 二連続長ゼリフボケなしはなんか良かったです。すごくいいことを言っている。
   
・面白くて良いボケもあったけどレベルの低いボケもある程度あったという感じですね。
 オカマバーの件やダブってるじゃねえかの畳み掛けなど山場があって面白かったので、外すところが少なければなぁと思います。
 正論とかツッコミとかから、本を読んでる人感がよく出ていました。
   
・序盤の教頭のゴリ押しと、「高校3年生になってからの3年間」みたいな言葉の遊びが上手かったと思います。
 ただ、若干ボケツッコミがかみ合わないまま進行していたように思えました。
 「小五ロリ」で「悟り」とか「老化を恥じるな」を「老化を走るな」って瞬時に突っ込むのは違和感がありました。
 全体的に見てどこかで見たような、あるいは予想を裏切るボケがあまりなかったのでボケの数の割に印象が薄かったです。
 オチが散らかるとネタがパーになりかねないのでそこはもうちょっと練ってもいいと思います。
   
・しっかりとしたネタでしたね。舞台とかで再現したら特にウケそうな気がします。
 1つ1つのボケは悪くなかったと思います。ベタながらも良い線をついてきているというか。
 ただ、いかにも正解って感じのボケが多過ぎて、印象としてはどうしても薄くなってしまったのが惜しいです。
 もう一個性、二個性ぐらい設定なりボケなりに入ってくると、一気に印象が良くなりそうな気がします。
 

Qゲート
No.012 順列組合
わざマシン41
しあ「率子さん排卵日いつ?」

率子「どうも順列組合です。冒頭からノータイムどセクハラやめて。よろしくお願いします」

しあ「私は今日だった」

率子「訊いてない。そーゆーのは隠しておくべきことだって君は知っておいた方がイイ」

しあ「で、今日の排卵なんだケドさぁ」

率子「ウソでしょ? コレ今回の本題にする気なの?」

しあ「こんなん出てきちゃったんだよね(卵を懐からスッ)」

率子「………………は?」

しあ「朝起きたらパンツの中にあった」

率子「いやいやいやいやいやいや?」

しあ「産んだっぽい」

率子「待って待って待って待って待って待って?」

しあ「断る。しゃべる」

率子「畜生。半分マジの意味で畜生め」

しあ「そんなわけで本日をもって寿退職します。……ごめんね?」

率子「こんなクレイジーな解散が受理できるか」

しあ「なんで?」

率子「その卵に1ミリも寿を感じないからだよ。
   それどう見ても鶏卵じゃん。今日ここ来る前に寄ったスーパー売ってるの見たわ買ったわ」

しあ「尊き生命の神秘になんてことを言うの」

率子「神秘すぎて信用できる要素が一切無いんだよ。
   アンタ絶対それ産んでないよ。多分トリッキーな自慰行為の最中に寝落ちしたかなんかだよ」

しあ「えっ……、何想像してんの…………」

率子「アンタだけは引く権利無いわ。さっき私に生理周期訊いてきたでしょうが」

しあ「まぁとにかく子供が出来たの。めでたいの」

率子「産み方がカモノハシなんだケドそれはいいの?」

しあ「ちゃんと名前とかももう考えてるんだから。
   男の子でも女の子でも『光』って名付けるの」

率子「今のところヨード卵しか連想できない名前だな」

しあ「心を込めてあっためてあげるんだ」

率子「やめろ腐る。冷蔵庫に入れろ生鮮食品」

しあ「腐らないしそんなコトしたら死んじゃうよ」

率子「腐るしそもそも生きてないわ。
   百歩譲ってそれがお前が産んだ卵だとしても、無精卵でしょ。
   非リア充の卵はあっためても賞味期限が早まるだけだよ」

しあ「アイ・ビリーヴ・処女受胎」

率子「神秘を過信するにも程がある。
   あとさらっと自分の処女性まで公開するなよ。観客席の引き潮っぷりはもう有明海を越えたと思うよ」

しあ「あっ、今この子ちょっと卵の内側から蹴ったよ♪ かわいー♪」

率子「ホントに腹を蹴り飛ばしてやりたいくらいの勘違いぶりのひどさ。
   …………よし。この卵、割ろう。現実を見せつけよう(卵を奪い取る)」

しあ「えっ、ちょっ、待」

率子「私は今からお前のコロンブスになってやろう!(卵を持った手を振りかぶる)」

しあ「やめてっ! そんなコトしたら…………ん? あ、ちょっと待って今また想定外のコトが……(うずくまる)」

率子「…………? 何を……?(振りかぶった手を一時停止しつつ)」

しあ「あの今、もういっこ産まれた(2つ目の卵をパンツの中から取り出す)」

率子「…………えー……。……………………うぇええー…………??」

しあ「ほらほらまだあったかいよ持ってみなよ♪(手渡す)」

率子「うわぁ嫌な温かさだぁ……。
   あとコイツ股間から出したものそのまま渡してきやがった手ぇ洗いたい……」

しあ「愛おしいでしょー♪(返してもらいつつ、さりげなくもういっこも合わせて取り戻す)」

率子「っていうか何さらっと第2子産んでんだよ……、あーゆーのってもっと踏ん張ってやるもんだろ。
   あっさりしすぎて手品疑惑でるわ」

しあ「まぁアレはちょっと驚いた拍子に出ちゃったっていうか」

率子「おもらし感覚で卵産むなよ」

しあ「あ、あとそーいえばこの子、第2子じゃないよ。今朝から今までの間ににまだ他にもいくつか産んだもん」

率子「1日にそんなポンポン産卵してたのかよ。どんどん哺乳類ではあり得ないハズの特徴が明らかになっていくなお前」

しあ「流石に楽屋のトイレで用を足してる時に出てきたのは流しそうになって慌てたね」

率子「アンタよくこんな超常現象を日常のワンシーンに落とし込んで話せるな」

しあ「そんなわけでこの子たち2人の他は今みんな楽屋におります」

率子「こんなに楽屋泥棒に入られたいと思ったのは初めてだ。すごく荒らされて欲しい」

しあ「まぁ何かあっても簡単には割れないように衝撃緩衝材で梱包したし」

率子「一周回って子供にぷちぷちを与えるという極めてありふれた状態になったな」

しあ「あと免震シートの上に置いてきたし」

率子「今からでもジェンガの頂上とかに移したいもんだ」

しあ「んで他人にすぐに見つからないように布とかクッションとか駆使して隠してきたし」

率子「季節外れのイースターか。元気が良くて落ち着きのない男児に発見されればいいのに」

しあ「みんな元気に産まれてくれるといいなぁ」

率子「全部サルモネラ菌に感染すればいいのに」

しあ「もう。何をそんなにトゲトゲしくなってるの?」

率子「相方が気持ち悪い自分に起きた超常現象をなぜかエンジョイして、
   隣で話題に巻き込まれた私だけが気持ち悪さを堪能し続けているからだよ」

しあ「そんなこと言わないでよぉ。
   ホラホラもっかい癒されるからもっかいこの卵のちっちゃい微振動を感じてご覧? 嫌な気持ちも一気に吹き飛ぶよ?」

率子「それ周りがうるさくて中から壁ドンしてんじゃないかなぁ」

しあ「はいはいひねくれ思考もそこまでだよ。ホラ手ぇ出して♪」

率子「今度はちゃんとキレイに拭いてから渡してよ」

しあ「しょうがないなぁ。
   えっとじゃあ、さっきお昼に寄ったファミレスの紙ナプキンあるからこれに包んじゃえばいいかな? はい(手渡し)」

率子「卵をナプキンに包んで渡すとかエグい連想させるなよ」

しあ「ホント文句多いなぁ。
   でも今日はなんだか優しい気持ちで許せちゃう。
   コレが子を持った者に芽生える母性本能と言うやつかな♪」

率子「ウ・ザ・さ・MAX! もう耐えられない……、…………くっ!(舞台から走り去る)」

しあ「あっ、どこ行くのー? 人の子を誘拐してかないでー」

率子「(そのままの速度で舞台袖からスーパーの袋を持って帰ってくる)アイルビーバック」

しあ「な、なんなの?」

率子「フッ、コイツだ(スーパーの袋の中から卵が6個ほど入った赤い網袋を取り出す)」

しあ「…………ちょっと前スーパーで買ってた市販の卵? 何? なけなしの対抗意識……?」

率子「そうじゃない。
   ココに手渡されたままのさっきの卵をこう、」

しあ「! やめっ」

率子「投入してシャッフル!」

しあ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

率子「よく混ぜてぇ! ……ふぅ。ねぇ、自分の子ならどれだか分かるよね?」

しあ「貴様ぁあ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

率子「ん? どうした急に奇声をあげて? 生理でも調子悪いん?」

しあ「おまっ!!!! このっ!!!!」

率子「はいはい調子悪いんだったらもう帰ってゆっくりしようね看病してあげるから。
   あー私にも母性本能あったみたいだねー」

しあ「貴様っ!!!! どの口がそんなことをっ!!!!」

率子「ホラ体調悪い人が暴れないの。
   今日はもうこのまま帰ってゆっくりして、………………コレで卵酒でも作ってあげるから」

しあ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」

率子「じゃ、今日はもうコイツ色々と病院に連れてかなきゃいけないんでココらへんで終わらせてもらいます。
   ありがとうございました(ニコッ)」

予選総合第23位(準決勝敗退) 順列組合
審査員
点数
35 84 55 54 53 82 得点61.50
(ボーナス+1点込)
得票1票
【審査員コメント】
・ツカミ見た時は遂に哲夫とか翔さんのルートに行ってもうたかと身構えてしまいました。
 奇抜な設定ですがフレーズが力負けしておらず、「トリッキーな自慰行為」など相変わらず凝られたフレーズも豊富。
 ゆえに序盤の期待値は高かったんですが、卵を割ろうとしたあたりから急についていけなくなってしまった感じです。
 2個目を生むという展開はいいんですが、読み手以上に率子がしあを嫌悪しすぎてしまっており、
 かつしあの発言は相変わらずトリッキーなので、登場人物の誰にも共感出来ないまま突っ走ってしまったといいますか。
 オチも爽快感があるわけでもなく、笑えるわけでもなく後味の悪さだけが残りました。
 過剰な毒舌ツッコミは読み手を突き放してしまうため、もう少しキャラクターに愛嬌が欲しかったです。
 題材やフレーズ自体はいいため、リニューアルしたものをもう一度見たいと思わせるネタでした。
   
・しあ「率子さん排卵日いつ?」
 >一行目-1グランプリなら優勝です。
 
 率子「今のところヨード卵しか連想できない名前だな」
 >面白い。そう来るかあ。
 
 率子「腐るしそもそも生きてないわ。
    百歩譲ってそれがお前が産んだ卵だとしても、無精卵でしょ。
    非リア充の卵はあっためても賞味期限が早まるだけだよ」
 >非リア充の卵って言うなよ!
 
 しあ「えっ、ちょっ、待」
 >全然関係ないんですけど、侍かと思った
 
 面白かったです。中盤が面白かった分そこがピークになってたのはちょっと惜しかったかな、とも。
 あと、タイトルが良い。
   
・今までに見た六升さんのネタの中では、最も漫才としての構成がしっかり出来ていた気がします。技量を感じました。
 ただなんか思ったよりハマらなかったんですよね。面白い、というよりは、面白いはず、って感じでした。
 設定が特異な上に特異なキャラを乗せてるが故にちょっと入り込みにくかった、というのがあるかもしれません。
 オチ好きです。
   
・今回のテーマが提示された時点で少し尻込みしてしまいましたが、
 要素の引っ張り出し方はうまく、展開も割と良いと思いました。
 しかし、あまり笑いに繋りにくい性悪具合だったのでもう少しコメディータッチな悪意で良かったのではないかと思います。
   
・ネタ中ツッコミの語彙の豊富さが笑いどころをついていたともいました。
 ただ、それを上回ってかすませるほど題材とボケがえぐかったです。
 買い物した卵が上手く伏線になっていたのは良かったと思います。
 オチの煮え切らない感じが何とも言えなかったです。
 そこからもう一展開持ってくるものだと思ったので肩透かしを食らった感じでした。
   
・もう最初の6行が秀逸ですね。発想が良い感じにぶっ飛んでいました。
 序盤から秀逸な展開が為された上で、絶妙なところで2つめの卵を産んできたのが最高でした。
 ただ、率子さんの反抗がさすがにやり過ぎというかただただ鬼畜でさすがに引いてしまったところはあります。突き抜けてること自体は良いんですけどね。
 総合的には、このネタの良い面を中心に点数を付けさせていただきました。少なくとも4分の3ぐらいまでは個人的にほぼ完璧だったので。
 

Qゲート
No.013 マゼンタ・イン・バレンタイン
娘さんを僕にください
高部:どうも、マゼンタ・イン・バレンタインです

つじ:宜しくお願いします

高部:僕、結婚しようと思うんです

つじ:お前に相手なんているのかよ

高部:いるんですよ。凄く可愛くて、しかもスタイル抜群で、一言で言うならボン・キュッ・ビチャッですよ

つじ:ちょっと待とうか

高部:どうかしましたか?

つじ:お前の彼女のヒップどうなってんだよ

高部:つじ君尻フェチでしたっけ?

つじ:そうじゃねえよ。なんで最後がボンじゃなくてビチャッなんだよ

高部:僕の彼女は人魚なんですよ

つじ:マジで?

高部:はい。彼女の父親が魚で母親が人間です

つじ:とんでもない家庭だな

高部:俗に言う魚子(ぎょし)家庭です

つじ:母子家庭みたく言うんじゃねえ

高部:それで名前が沙香奈(さかな)っていうんですけど

つじ:名前そのまんますぎるだろ

高部:きっと親御さんが、魚として食べられるように名前付けたんだと思います

つじ:そんな訳ねえだろ。なんで娘が魚として食べられること望んでんだよ

高部:じゃあ女として食べられる方ですか?

つじ:そっちやらしい意味じゃねえか。どっちの意味でもダメなんだよ

高部:それで、今度沙香奈の家に結婚の申し込みに行こうと思います

つじ:結婚の申し込みなんてお前大丈夫か?

高部:大丈夫ですよ、迷子にならずに家まで行けますよ

つじ:そこじゃねえよ。着いてからだろうが

高部:漁獲制限に引っ掛からないようにしないと

つじ:適応されねえよ。そうじゃなくてお父さんに「娘さんを僕にください」って言うんだろうが

高部:あ、そっちでしたか

つじ:そっちしかねえだろ。お前ちゃんとできるのかよ

高部:それに関しては不安ですね。ちょっと練習したいのでつじ君沙香奈のお父さんやってもらえますか

つじ:お父さん魚じゃねえかよ。なんかあんまり乗り気しないなぁ

高部:大丈夫ですよ。僕が隙あらばさかなクンのモノマネするんで

つじ:しなくていいよ。俺別にそれあっても乗り気しねえぞ

高部:でも僕尿管結石で痛がるの自信ありますよ

つじ:ちょっと前に実際なってるけど。普通モノマネなら「ギョギョギョ」だろ

高部:あ、そっちでしたか

つじ:そっちしかねえだろ。もう埒があかないから協力してやるよ

高部:ありがとうギョざいます

つじ:その発言イエローカードだからな







高部:お父さん、娘さんを僕にください

つじ:ダメだ、君に娘はやれんよ

高部:どうしてダメなんですか

つじ:可愛い一人娘を君のような奴にはやれんと言っているんだ

高部:それおかしくないですか?

つじ:どこがおかしいんだ。父親として当然のことだろう

高部:人魚なのに『一人』娘なんですか?

つじ:確かに下半身は魚だけど・・・

高部:『一尾』娘じゃないんですか?

つじ:上半身まで魚じゃねえよ!

高部:だって、四捨五入だと魚になるじゃないですか

つじ:そのやり方だと人にもなるんだよ!

高部:えっ、もう既に愛の巣ならぬ愛の生け簀を用意したんですが

つじ:料亭で捌く気か! 恋人だと思ってないだろ!

高部:生け簀だけに、いけ好かない男ですみません

つじ:上手く言ったつもりか! 君はふざけてるのか!

高部:何言ってるんですか、僕は娘さんを愛してますよ

つじ:本当に愛しているのか

高部:なら娘さんを競りに出して下さいよ

つじ:何で大事な娘を競りに出さなきゃいけないんだ!

高部:奮発して300円出しますから

つじ:安過ぎるよ! どこが奮発なんだよ!

高部:眼が血走って商品価値の低いお父さんの遺伝ですからこれでも高いでしょ!

つじ:誰が商品価値低いだと! 大体眼が血走ってるのは君がふざけたことばっかり言うからだよ!

高部:お父さん、そんなこと言わずに娘さんをください

つじ:ダメなものはダメなんだよ

高部:クール宅急便で構いませんので

つじ:クロネコヤマトじゃねえか!

高部:心配なさらなくても元払いにしますから

つじ:こっちが払う側じゃねえか!

高部:だって、生け簀用意したらお金が無くて・・・

つじ:自業自得だよ!

高部:僕は婚姻届だって既に書いてるんですよ

つじ:書いていてもダメだよ

高部:でも、多分お父さんが証人になるから押印が魚拓になっちゃうなぁ・・・

つじ:どうせ証人にはなれんよ! 大体君の様などこの馬の骨だか分からん奴に娘はやれん!

高部:でもお父さんは魚の骨じゃないですか

つじ:失礼だよ! もう帰ってくれ!

高部:ちょっと待ってください、まだここは排他的経済水域のはずです!

つじ:だから漁獲制限は適応されねえんだよ! ちょっと待て、お前結婚の申し込み全然できてないじゃねえか

高部:お父さんが魚だけに気持ちを逆撫でしてしまったね

つじ:上手く言ったつもりか! やめさせてもらうわ

二人:どうもありがとうございました

予選総合第26位(3回戦敗退) マゼンタ・イン・バレンタイン
審査員
点数
40 52 58 63 69 56 得点57.33
(ボーナス+1点込)
【審査員コメント】
・さかなクン尿管結石になってたのか…予期せぬところで無駄な知識を得たぜ…。
 設定は面白いんですが、いまいち「彼女が人魚」という設定を活かしきれてなかったように思えます。
 ボケのほとんどが彼女を魚として扱ったもので、単純に彼女が魚という設定でも通用したように思えます。
 せっかくいい設定なので、彼女との出逢いやデートなど、もっと人魚であることを掘り下げて欲しかったです。
 また、明らかに伏線であろうさかなクンのモノマネがコント内に一切出てこなかったのも悪い意味で裏切られました。
 テンポはいいし「魚子家庭」のような優れたフレーズもあったので、もっと練り直せば見違えると思います。
   
・つじ:適応されねえよ。
 >適用、かな?たぶん
 
 良い設定で、スタンダードな漫才だと思うんですけど、なんかあっさりしすぎてた印象。
 さかなクンのくだり面白かった。
   
・マゼンタインバレンタインなのにぶっ飛んだボケに頼らずやたら丁寧な漫才でビックリしました。(失礼)
 歴を感じるなぁ。
 
 ただちょっと丁寧過ぎたというか、後半は、魚と結婚の申し込みのネタを掛け合わせたらまあこうなるよなあ、
 の域を抜け切れていなかったような気がします。想像の範疇の中でクオリティが高い、と言った感じでした。
 「沙香奈」「元払い」「魚の骨」あたりが特に好きです。
   
・魚や人魚の要素をこれでもかというくらい引き出してきていて良いネタだと思いますし、
 うまいこと言う小技もよく効いているのですが惜しむらくは爆発力不足ですね。
 自分のボキャブラリーの少なさではこれくらいしか言えないので、このコメントを読むのには時間を割かな(サカナ)いで次の方のコメントへいってください。
   
・王道の設定で意外性のきいた内容だったと思います。
 ツッコミが魚と言う体で進行する中で違和感なく漫才を成立させているのが凄かったです。
 逆に言えばそのせいで展開するボケが設定に付随させざるを得なくなっているのがもったいないかと。
 さかなクンの件が結構面白かったので後半に出てきたらもうちょっと点数上がったと思います。
   
・いろいろ上手いこと言ってますねぇ。ベタっちゃベタですがシンプルに良かったです。
 ただ、前半が丸々導入で本題のコント部分がちょっと展開不足だった感は否めませんでした。
 良い部分もそれなりにあるけど、純粋にもうちょっとたくさん見たかった、という感じです。
 

Qゲート
No.014 ガンバラナイズ
昔話Episode.0
小村:どうもガンバラナイズです。

五竹:皆さんどうも、桃から生まれた男、五竹です。

小村:鬼退治に行って返り討ちにでもされてろ。

五竹:小村さん、昔話って納得いかない部分とか多いじゃない。
   川上から大きな桃が流れてきたりとか桃から人が生まれたりとか。

小村:いや自己紹介に組み込んどきながら!お前が納得いってないことに皆納得いってねえよ!

五竹:あとは、むかしむかしって具体的にいつだよとか、あるところって具体的にどこだよとか、
   めでたしめでたしと思うかどうかは読む人の感性次第だろとかさ。

小村:もう物語の具体的な内容でもないのな!?最後のとかただのクレーマーじゃねえかよ!

五竹:まあだからね、どういう訳があって桃から人が生まれたのかとか、
   そういうのが分かるような昔話のサイドストーリー的なの作ってきたからちょっと聞いてよ。

小村:そもそも今更納得いかせる必要があるのかも分かんねえけども。
   まあ作ったんなら聞くけどさ。

五竹:では皆さん聞いてください。浦島太郎、エピソードゼロ、シークレットオブザシー。

小村:昔話にそのかっこよさいらねえよ!そしていろいろ言っといて桃太郎じゃないのな!?

五竹:よく晴れた休日、タカシくんは彼女と一緒に街に出掛けることにしました。

小村:なんか時代風景があってない気がするけど・・・

五竹:あ、ちなみにタカシくんの名前だけど、「桃太郎」と書いて「タカシ」ね。

小村:いやどうやったらそんな無茶苦茶な当て字になる!?そして何故浦島太郎の話で桃太郎!?

五竹:タカシくんと彼女は近所に最近できた桃博物館に行くことにしました。

小村:なんかまた桃だし!そして相変わらず風景が時代に合ってない!

五竹:タカシくんと彼女は桃博物館「ピチピチピーチパラダイスミュージアム」にやってきました。

小村:いや名前大丈夫かよ!?いかがわしさがプンプンするけど!?

五竹:2人は果物の桃より太ももの方が好きと豪語する館長さん案内の元、博物館を一周することにしました。

小村:輪をかけていかがわしいんだけど!?というかまずその紹介文いらねえよ!

五竹:展示コーナーにはたくさんの展示品が。
   桃缶詰に桃ゼリーに桃屋のごはんですよ。

小村:メーカー名が桃なだけの入ってるよ!というかここはスーパーか!?スーパーの棚か!?

五竹:そしてその中でも一際注目を引くのが、赤ん坊が入れる程の大きな桃。

小村:いやそれ桃太郎の桃じゃねえの!?大きさの例え方がもう絶対それだよね!?

五竹:太もも大好き館長さんが我が物顔で解説し出します。

小村:だからそのディティールいらねえから!

五竹:「この桃はこの博物館の目玉なんだけどね、もうね・・・すごいんだよ!あのね・・・すごいんだよ!
    とにかくもう・・・まあ太ももに比べりゃ大したことないけどね。」

小村:いやもう何だよお前!キャラの主張強すぎるわ!溜めといて最後太ももに負けてんじゃねえか!

五竹:「50個しかない貴重なものだから触ったりしないようにね。まあ太ももを触らせてくれれば話は変わるけど。」

小村:案外めっちゃあんじゃねえか!そしてそいつは今すぐ館長の座を退け!

五竹:館長さんがすごいと言うこの桃ですが、なんと驚くことに、
   一度真っ二つに切っても断面をぴったり合わせていればくっついて元通りになります。
   中に物を入れた状態で元通りにするなんてのも一興です。

小村:つまり中に赤ん坊を入れて、さも中から赤ん坊が生まれたかのように見せられますって話じゃねえか!もう絶対桃太郎の桃だろ!
   あとせっかくなんだしそれ館長さんに喋らせてあげて!?今のところあの人ウザったさしか提供してないからね!?

五竹:人が中に入った状態で川に流せば、水流との摩擦が「どんぶらこ」と聞こえたりもするでしょう。

小村:いやもうそれ過不足なく桃太郎の1シーンだよ!どんぶらこなんて擬音かき鳴らしてるの桃太郎ぐらいだからな!?

五竹:館長のクソみたいな話を聞くのに疲れた2人は館内のベンチで休んでいました。

小村:もうそっちでクソとか言っちゃうんだ!そこ分かってたんなら登場させない方向で話作れなかった!?

五竹:すると、見るからに怪しい黒ずくめの男2人組が外へ向かっているのが見えました。

小村:それなんかとあるアニメで覚えがあるよ!?高校生の主人公が薬飲まされて体が縮んじゃうあれだよな!?

五竹:彼らの行動が気になったタカシくんは彼らの悪事を暴こうとこっそりついていくことにし、彼女の蘭を先に家に帰しました。

小村:彼女蘭なのかよ!某アニメまんまかよ!
   いやこれ絶対薬飲まされて子供にされちゃうだろ!そしてどうせ桃に入れられて流されちゃうんだろ!

五竹:黒ずくめの男達はタカシくんに気付かないまま博物館裏の川の前で何やら取引を始めました。

小村:もうそこの川に流すんだろうなあ!着々と舞台が揃いつつあるなあ!浦島太郎はどこへだよもう!

五竹:タカシくんが「他の果物は無理だけど桃なら中に入って川下っても平気だな」等と考えながら取引の様子を見ていると、

小村:真剣に見とけよ!思考がもう桃に入れられて流されるルート確定じゃねえか!

五竹:後ろから何者かに頭を強打され、その場で倒れてしまいました。

小村:ほらもうおんなじ!某見た目は子供頭脳は大人の第一話とおんなじ流れ!

五竹:「おいお前ら、こんなガキに付けられてんじゃねえよ。」
   なんと、黒ずくめの男達には仲間がいたのです。
   タカシくんは取引をする2人に気を取られ、後ろから近寄る3人目に気付かなかったのです。

小村:いや変なこと考えてたからだろ!?「桃なら中に入っても」とか狂った思考してたからだろ!?

五竹:「全く、頭に角を付けることで頭のツボを刺激しその効果で筋肉ムキムキの化け物になって
    南の小島の人間を追い出して我らの島としよう計画がばれたらどうするんだよ。」

小村:なんだよその長くてだっせえ名前の計画!そしてそれおそらく鬼と鬼ヶ島だろ!
   もうタカシくん桃に入れて川に流して、育つまでの間に鬼になって島奪えば完成じゃねえか!浦島じゃねえけどな!!

五竹:「こいつにはこの薬の実験台になってもらおう。」
   そう言うと、黒ずくめの男たちはタカシくんに怪しい薬を2個飲ませました。
   すると、タカシくんの身体がみるみる縮み、なんと・・・赤ん坊になってしまいました!

小村:いや、もう予定調和過ぎて何の驚きもねえよ!
   「元の作品では薬1個で小学生になる設定だったから赤ん坊にするために薬2個にしてんのかなぁ」とか思うぐらいだよ!

五竹:ちなみに某アニメでは体が縮むだけですが、今回は都合により記憶等は無くなり頭脳の方も赤ん坊の状態に戻ったものとします。

小村:もう某アニメとか言い出してるし!しかも都合で効果捻じ曲げてるし!

五竹:黒ずくめの男たちは博物館の館長に太ももを触らせてあげることと引き換えに大きな桃を譲り受けると、
   すぐさま桃を真っ二つに切りました。

小村:もう館長の中での太もものインフレどうなってんだよ!?譲るにしてももうちょっと納得いく条件であれよ!

五竹:そして切った桃のなかに、日頃から鬼退治をするのが夢だと豪語しているタカシくんを入れ、桃の断面を合わせました。

小村:いやここに来てなんだよその情報!おじいさんとおばあさんにすくすく育てられた挙句絶対鬼退治に行くとか言うじゃねえかよ!

五竹:猫アレルギーのタカシくんを中に入れた状態で、桃の切った部分は完全に再生してくっつきました。

小村:猫は仲間にならないという布石かな!?桃太郎読んでも猫が仲間にならないことには別に疑問持たないと思うけどな!?

五竹:すると黒ずくめの男たちは、犬と猿と雉と人間で隊を成すのが最強だと疑わないタカシくんを入れた桃を、
   動物を仲間にする魔法のお団子を作れるおばあさんが下流の方で洗濯に来てそうな川へと流してしまいました。

小村:いやもう情報過多過ぎんだろ!この時点でストーリー大分くっきり見えてるよ!仲間になる動物もはっきり見えたよ!
   そして一文前の猫アレルギーの情報いらなかったよ!

五竹:さらに言うと、そのおばあさんが川へ洗濯に来る間、伴侶のおじいさんは山へ芝刈りに行ってそう。

小村:いやもうその追い撃ちいらねえよ!勝負決まりきってんだわ!

五竹:タカシくんを入れた桃は川を流れていきます。
   ちなみにここでは関係ない情報ですが、「むかしむかし」とは8兆年前になります。

小村:もう話とは関係なしに情報詰めだしたよ!そして8兆ってとんでもなさすぎるだろ!宇宙がねえよ!

五竹:タカシくんを入れた桃は川を流れていきます。
   ちなみにここでは関係ない情報ですが、「あるところ」とはモスクワになります。

小村:この関係ない補足タイムなんなんだよ!?そして昔話全般ロシアのお話なのかよ!まず8兆年前にロシアも何もねえけどな!!

五竹:タカシくんを入れた桃はそのまま海へ放り出され、

小村:あれ!?え、ちょっと待って!?桃太郎の話でおばあさんが拾うんじゃねえの!?

五竹:そして海の真ん中でたくさんの太陽光を浴びた桃は爆発し、その衝撃によりタカシくんは亀へと生まれ変わりました。

小村:いやどういうことだよ!?その文の一部始終どういうことだよ!?

五竹:亀になったタカシくんは乙姫さまの下に仕え、後に砂浜で子供たちに虐められているところを浦島太郎に助けられるのでしたとさ。

小村:・・・なんかえげつなく無理やりな力技展開で急に浦島太郎になった!?そして何よりもモブ!?

五竹:めでたしめでたし。

小村:いや全然めでたくねえわ!そしてそれこそ思いっきり主観じゃねえか!全人類で多分お前しかそう思わねえよ!

五竹:とまあこんな感じで、浦島太郎の納得いってなかった部分が解決できたんじゃないかと。

小村:納得いかない部分が増えてしかねえよ!本編に微塵も必要ないし訳分かんねえ亀の生い立ちが分かっただけだからね!?
   だいたい話に出てきた鬼とかどうすんだよ!

五竹:それは後に館長さんが桃太郎になって退治してくれるから。

小村:いや結局桃太郎にもつながるのかよ!そして人選が最悪!

五竹:黒ずくめの男の太ももを執拗に触りまくった館長さんがタカシくんと同じように流されるから。

小村:もういろいろとどうしようも無さ過ぎるだろ!もうそんなエピソードゼロいらねえよ!いい加減にしろ!

2人:どうもありがとうございました。

予選総合第11位(準決勝敗退) ガンバラナイズ
審査員
点数
68 70 80 60 83 71 得点73.00
(ボーナス+1点込)
【審査員コメント】
・桃太郎ネタというのはもうベッタベタのベタですからいかにオリジナリティを発揮するかの勝負なわけですが、
 この漫才に関してはエピソード0という目の付け所が秀逸で、既視感にネタが潰されることはありませんでした。
 ネタの中身自体も良く、黒の組織が出たあたりから加速度的に面白くなっていった感じです。
 裏を返せば序盤はあまりハマりませんでした。館長の太もも好きも安易に思えましたし。
 「実は浦島太郎の亀だった」というオチも、最初に浦島太郎と言っているがゆえに多少想像がついてしまいました。
 もっとさりげないフリであれば、大オチのインパクトが増してさらに笑えたと思うので惜しいです。
 あと、個人的には途中で放置された蘭を後半に絡めて欲しかったかなと思ったり。
   
・五竹:タカシくんが「他の果物は無理だけど桃なら中に入って川下っても平気だな」等と考えながら取引の様子を見ていると、
 >面白い。そんな考えに急に至るんかい
 
 前半あんまりハマってなかったんですが、
 中盤から、無理やり帳尻を合わせにいくようになってそこから面白くなりました。
   
・「小村:いや自己紹介に組み込んどきながら!お前が納得いってないことに皆納得いってねえよ!」
 このツッコミすごくガンバラナイズさんっぽいですよね。
 個人的な話なんですけど、ちょっと理屈っぽすぎる気がしてこの手のボケツッコミのやりとりあんまり好きじゃないです。
 好みの問題かも知れないんでアレですけど、ツッコミが踏み込み過ぎな感じがするんですよね。笑わせるにはもっとポップさが欲しい気が。
 一方で「宇宙がねえよ!」のツッコミはめちゃ良いですね。
 
 最初こそ上に書いたようなこと考えながら読んでたんですが、後半はその理屈っぽさが、逆にばかばかしさに繋がっていて、
 ポップな漫才になっていて非常に良かったです。
   
・ここがこうだから面白いというのは十分わかるんですけど、そこで止まってしまった感じがしました。
 ロジカルなネタであるが故に説明っぽくなり過ぎていたのではないかと思うので、
 宇宙がねえよの件や館長のキャラなど、既存のストーリーには無いぶっ飛んだ要素で引っ掻き回すことにももっとウエイトを置いてみるのも手かと。
   
・斬新な切り口で最後まで安定感があったと思います。
 館長のどうしようもないキャラクターとそれに対するツッコミが得の良かったです。
 中盤以降の説明に差し掛かった件で失速した感じがしました。どうも間延びしてしまったと言うか。
 オチの裏切りもいい意味と言うかツッコミでカバーしきれないほど強引だったように思えました。
 それを差し引いてもツッコミで上手くシュールな内容をしっかりとした漫才として見せれていると感じました。
   
・しっかり作られたネタですね。「館長の中での太もものインフレ」など異様に面白いフレーズもあって良かったです。
 桃太郎の話の前に着眼点を当てたのは良かったと思いますが、浦島太郎の組み込み方がやや無理矢理なのと、
 博物館という設定の妙な現代臭のようなものがあまりネタの爆発には向かなかったかなぁ、というのが惜しいところでした。
 

Qゲート
No.015 ヒ(ーロー)
「喉仏」の段階で大概大概。
2人:どーもー、ヒ(ーロー)です。

上科:いやー、もう日々筋トレ筋トレでビルドアップしちゃってさぁ。
   もう、スゴいのなんの。こう、筋肉が、もりもりもりっ、どーんッ、と、ね。

井金:筋肉だけでなく語彙力も鍛えとけよ。

上科:もう胸筋とか硬過ぎて鉄板だよ、鉄板。

井金:ふーん以外のコメントの引き出しがない。

上科:だからね、胸筋に磁石もつくし、

井金:なんで性質まで鉄に変わってんだよ。

上科:焼きそばもお好み焼きも作れる。

井金:なに胸筋で鉄板焼きしてくれてんだよ。

上科:ほぼほぼ胸筋が鉄の鎧になったんで、僕は胸筋を「鉄鎧筋」と名付けた。

井金:厨二病にもなりきれない語彙力のなさが可哀想。ホントに可哀想。

上科:みなさんお待ち兼ね、腹筋の方はと言うと。

井金:お前の腹筋になんの期待の眼差しも注がれてねぇよ。

上科:バッキバキに割れた腹筋は、それはもう、チョコモナカジャンボのようで。

井金:その中途半端な比喩力はなに。

上科:だから触ると冷たいし、

井金:だからなんで性質まで変わっちゃってんだよ。

上科:お腹空いたら食べられるし、

井金:なにチョコモナカジャンボ感覚で腹筋食べてくれてんだよ。

上科:腹筋がなくなったらコンビニで補充できるし、

井金:なにチョコモナカジャンボ感覚で腹筋買って来てくれてんだよ。

上科:もちろん運動したら身体が暖まって、溶けちゃう。

井金:それはもはや弱体化。

上科:滴る、汗と溶けたアイス。

井金:それぞれ別のベクトルにベットベトだな。

上科:でもさ、身体を鍛え上げて強くなっても、優しくなかったらただ凶暴なだけでダメじゃん。

井金:強くなってるのか甚だ疑問だが。

上科:だからね、右肩の筋肉がね、鳥の巣になったの。

井金:・・・・・・ん?

上科:右肩の筋繊維がね、鍛えれば鍛えるほど鳥の巣状に形成されていったの。

井金:あぁ、いよいよファンタジーの世界に紛れ込んでしまった。

上科:今、右肩に3羽ひな鳥を飼っているよ。
   ね、優しいでしょ?

井金:「優しい」の一言で片付けるには内容がヘヴィ。

上科:(服をはだき右肩を見せる)

 ひな鳥1:ぴー、ぴー

井金:

 ひな鳥2:ぴー、ぴー

井金:

 ひな鳥3:・・・ぐぇぉ・・・ぐぇぉ・・・

井金:まさか1羽喉が潰れているとは。

上科:そんで、右手なんだけど、

井金:こんだけ散らかしといてよくもまぁあっさり話題を変えられるな。

上科:右手はね、ひな鳥たちのことを思いやって親鳥になったの。

井金:これ以上散らかして何がしたいんだよ。
   右手が、親鳥って、何だよ。

上科:なんでわかんねぇんだよ。

井金:なんでわかると思ったんだよ。

上科:右手知ってるよな?

井金:知ってる。

上科:親鳥知ってるよな?

井金:知ってる。

上科:じゃあもうわかれよ!

井金:どっちも知ってるが故にわかんねぇんだよ。それをお前がわかれよ。

上科:(右手を見せる)

 右手こと親鳥:・・・ぐぇぉ・・・ぐぇぉ・・・

井金:まさか親鳥も喉がやられているとは。

上科:どうだ、すげぇだろ。

井金:ドヤ顔できるお前がすげぇよ。
   右手親鳥って不便でしかないからね。

上科:鉛筆は咥えられるけど。

井金:もう動詞が「咥える」だもん。持てろよ。

上科:じゃあなんだよ、指1本1本が親鳥に変わって右手が5羽の親鳥群になればよかったのかよ。

井金:そのキングギドラの亜種みたいな発想はなんだよ。

上科:まぁ、手が親鳥で便利なこともあるよ。
   オナニーの時に、フェラされてる感覚が味わえる。

井金:

上科:おなにーのときに、ふぇ

井金:聞こえた上で無視したんだから丁寧に言い直すなよ。

上科:あら、そう。
   そんで、ひな鳥達に餌をあげたいのが親鳥の気持ちじゃないですか。

井金:お前、しれっとしてんな。
   多分だけど、親鳥の喉が変な原因はお前のちんこ。

上科:だから、左手が尺取り虫になったの。

井金:お前の「だから」はジャンプ台かよ。さっきから理論の飛躍がスゴい。

 左手こと尺取り虫:(くねくねくねくね)

井金:どうでもいいけど、彼女できたらどっちの手で手ぇ繋ぐつもりだよ。

 親鳥:・・・ぐぇぉ・・・ぐぇぉ・・・

 尺取り虫:(くねくねくねくね)

 親鳥:(パクッ)

 尺取り虫:(痙攣)

井金:痙攣の描写ちょっとグロいからやめて。

 ひな鳥1:ぴー、ぴー、

 親鳥:(口移し)

 ひな鳥1:ぴー、ぴー・・・(もぐもぐごっくん)・・・ぐぇぉ・・・ぐぇぉ・・・

井金:尺取り虫になんの爆弾が仕込まれてたんだよ。

上科:まぁ、尺取り虫とは言え、手なのでね。
   オナニーの時に使うのは、右手だけじゃ、ないんだぜ。

井金:チンコに尺取り虫這わせてる分際で、よくカッコつけられたな。
   お前のチンコどんだけ汚ぇんだよ。

 新尺取り虫:(左手に補充される)

井金:補充される程度、いまさら不思議でもなんでもない。

上科:どうだ、上半身が鍛え上がっただろう。

井金:奇獣になっただけだろ。

上科:うるせぇお前ひと捻りにするぞ!

井金:捻れるようなまともな手がねぇヤツが言っても説得力ねぇよ。

上科:怒鳴ったら身体が暖まってきちゃった。

 胸筋:(あっつあつ)

上科:(右手を見る)
   ゴクリ。

井金:親鳥を鉄板焼きにして喰おうとしてない?

 胸筋&親鳥:じゅ〜・・・じゅ〜・・・

井金:これが優しさ云々語ってた男でしょうか。

 腹筋:(どろどろ)

井金:チョコモナカ溶けてる溶けてる。

上科:(もぐもぐごっくん)・・・ぐぇぉ・・・ぐぇぉ・・・

井金:あーぁーあーぁー、もういいよ。

 新親鳥(義理):(右手に補充される)
         ぴー、ぴー・・・(どうも、ありがとうございました。)

上科:・・・ぐぇぉ・・・ぐぇ〜ぉ・・・(次は、汚いちんちんを鍛えて、珊瑚にでも変えようかな。)


Qゲート
No.016 オマージュ研究室
歌のおにいさん
ペイ:どうも皆さんお久しぶりです。 いきなりではあるんですが、あなたに向いている仕事を見つけましてね。

シン:えーっ…いいよもうそういうの…俺は前回出場した第13回MM―1グランプリでもう散々な目に合ってるんだからよ。

ペイ:そんなこともありましたけどね。

シン:そんなことどころじゃないだろうが! 人生相談するっつって結局勇者がどうとかそんなんばっかりだったじゃねぇか!

ペイ:いやいや、あれはそもそもあなたのクレームが原因じゃないですか。

シン:違うだろうが! 俺はひたすら正論を言っただけなのに結局俺をクレーマー呼ばわりしやがって!

ペイ:なんでもいいですけど、もうそういうのは忘れましょう! 今回は本当にあなたに向いてる仕事を紹介します!

シン:本当だな! 今回は信じていいんだな!? 勇者とか出てこないよな!?

ペイ:出てきません! 今回は、いや今回も大丈夫です!

シン:じゃあ信じるぞ! 俺は100回裏切られようが101回信じるからな! じゃあどういう仕事に向いてるのか教えてくれ。

ペイ:ズバリ、あなたに向いてるのは「歌のおにいさん」です!

シン:歌のおにいさん? いや、今まで一回も向いてると思ったことないけど?

ペイ:いや、やっぱり子どもに対して優しく接している感じはね、明らかに素質を感じますね。

シン:そうかねぇ? じゃあ仮に向いてるとしてさ、俺はどうしたらいいの?

ペイ:そうですね、まず子ども番組のオープニングの感じからやってみましょうよ。 「よい子のみんな〜!」みたいな感じで。
   そしたらオープニングナンバーで「ドレミの歌」が流れますから、これを元気よく歌いましょう。
   こういうのは本当に元気が一番大事ですから。 思い切り元気よくお願いしますね。

シン:なるほど、元気よく呼びかける感じだな。

ペイ:そうです。 じゃあいきますよ、よーい・・・スタート!

シン:よしいくぞ。

   よいこのみんな、こーんにーちはー! 僕の名前は、シンお兄さんだよ! よろしくね〜!!!




ペイ:・・・あ、すいません、ちょっといいですか?
   
シン:え、何? どうした?

ペイ:すいません、ちょっとさっき言い忘れてたことがありまして・・・

シン:あ、そうなの?

ペイ:すいませんね、折角おにいさんになりきったところなのに、結果的に水を差すみたいになっちゃって・・・

シン:いや、それは別にいいんだけど・・・

ペイ:ホント申し訳ないです、「よろしくね〜!!!」みたいに声張ってたのに・・・

シン:いや、いいんだいいんだ。 しょうがないから・・・

ペイ:自分のことをね、「シンお兄さん」って呼んでましたもんね。 ものすごい熱の入れようだったというか・・・

シン:うん・・・なんつーか、これ以上傷をえぐらないでほしいというか・・・もう本当に大丈夫だからさ・・・

ペイ:ちょっとすいません、言い忘れたことがあったんでね。
   あのー、前回のネタであなたにすごい申し訳ないことをしたなと反省してまして、だからここで改めてお詫びさせてほしいんですよ。

シン:ん、あのー・・・それってなにもこのタイミングで言わなきゃいけないことかな?

ペイ:はい。あの、本当に前回は申し訳ありませんでした。今回はもうそういうことは無いので、安心して下さい。

シン:お、おう・・・もう既に今回もダメージ受けちゃってるんだけど・・・でもお前の誠意は伝わったから・・・

ペイ:ありがとうございます。 それじゃあ今度こそ気を取り直していきましょうか。 シンさんお願いします。

シン:よし・・・じゃあ気を取り直していこうか。

   よいこのみんな、こーんにーちはー! 僕の名前は、シンお兄さんだよ! よろしくね〜!!!



ペイ:・・・あ、すいませんもう一つ忘れてました

シン:え・・・?また・・・?

ペイ:さっきは折角あなたが歌のおにいさんになりきってたのに邪魔をする形になってしまって、まだそのお詫びをしてないなと。

シン:いや、だからさ・・・お前は今ちょうど同じ過ちをまた繰り返してんのよ。 詫びたそばからまたやらかしてんのよ。

ペイ:・・・といいますと?

シン:だから・・・! なんでわかんねぇかなぁ・・・!! いちいち詫びるために流れを止めようとすんなってことだよ・・・!!

ペイ:いや、別に言い訳するつもりはないんですけど、わざとそういうことしてるわけじゃないんです!本当に申し訳ないと思って・・・

シン:だからその申し訳ない気持ちが悪い方向に働いてるんだろうが・・・! 早くドレミの歌に行かせろや・・・!

ペイ:そんなカリカリするのはやめましょうよ子どもたちも怯えてますから! 歌のおにいさんが子どもを怯えさせていいんですか!?

シン:歌のおにいさんとしての誇りを説く奴がなんでさっきから邪魔しようとしてくんだよ・・・ まあいい、今度こそいくぞ!

   よいこのみんな、こーんにーちはー! 僕の名前は、シンお兄さんだよ! よろしくね〜!!!



ペイ:・・・あ、すいませんちょっと電話が・・・

シン:は!?

ペイ:・・・はい・・・はい・・・あ、そう。 了解です。はいー。

シン:おい! さすがに電話はおかしいだろうが! 
   さっきまではお前のお詫びしたいという感情が招いたミスってことで許してた部分もあったけどよ、電話は論外だろうが!

ペイ:いや、すいません。これは本当に緊急連絡だったんで。これはやむを得ない部分もありましたんで・・・

シン:本当に緊急連絡なんだろうな!? じゃあどういう緊急連絡か言ってみろや!

ペイ:はい、今日の夜友達と飲みに行く予定だったんですけど、友達が急にバイト入ったんで無しになりました。

シン:・・どこにも緊急性ねぇだろ!! お前の飲みの予定なんて緊急性ゼロだわ!

ペイ:そんな、急にバイト行かなきゃいけないのは緊急事態じゃないですか!

シン:それはお前の友達の緊急だろうが! お前別にバイト入ってねえし、つーかまさに今が仕事中だろうが!
   お前!!おい、お前!! また前回出た時と同じ展開になってんぞ!! 最初の挨拶だけ繰り返してんぞさっきからぁ!!
   あんまり前回前回って言わせんなよ!「前回のネタを知らなかったのでわかりませんでした」とか言われちゃうだろうが!

ペイ:ちょっと、あんまりそこに切り込むのやめましょうよ! 僕だって別に邪魔しようと思ってしたわけじゃないんですもん!
   もう電話は終わりましたから! これでもう要件は済みましたから!

シン:本当だな!? じゃあ今度こそ行くぞ! 今度はドレミの歌まで行くんだぞ!?

   よいこのみんな、こーんにーちはー! 僕の名前は、シンおに



ペイ:あ、すいませんまた電話が・・・

シン:ダーーーッ!!! 電話に出るなつってんだよ! 冷静に考えて今電話に出るっておかしいだろ!

ペイ:はい・・・あ、わざわざありがとうございます。はい、失礼しますー

シン:本当に失礼だよお前は! 何が失礼って俺に対して失礼だよ!

ペイ:すいません、こればっかりは本当に緊急の連絡です。 これはかなりの非常事態です。

シン:本当か!? 本当に緊急なんだろうな!?

ペイ:お母さんからの電話だったんですけど、「今日の夕飯はテーブルに置いてあるからチンして食べてね」だそうです

シン:どこが緊急だよ!! もう大人なんだから夕飯チンするぐらいで非常事態とか言ってんじゃねーよ!
   あとなんで母親からの電話にそんな丁重に受け答えしてんだよ! お前ん家特有の距離感わかんねぇよ!
   もう今度こそないな! そんな短時間に何回も電話かかってくるなんてありえないことだからな!?

   よいこのみんな、こーんにーちはー! ぼ



ペイ:また電話が・・・

シン:おかしいだろ!! さっきから何回も何回も!! いい加減電源オフにしろや!
   こうなるとまだ前回の方が許せるよ! 前回は正直俺が独断でネタの流れを止めてる部分もあったよ! ぶっちゃけな!
   でも今回はどうだ、全部お前の電話だよ! 今回俺に関しては何の責任も無いわ! ただ良い子のみんなに呼びかけてるだけ!
   あーまた前回のこと言っちゃった! どうすりゃいいんだこれよ!

ペイ:・・・あー、なるほど。 確かにね〜

シン:まだ通話しとんのけ! 何が確かにだバカ! 早く電話を切って漫才に集中しやがれっつってんだよ!

ペイ:「あれから 僕たちは なにかを信じてこれたかな?」とのことです

シン:何の質問だよ!! まず誰からの電話だよ! SMAPに聞け! もしくは作詞したスガシカオさんに! もし本当に気になるならな!
   今度こそ行くぞ! 電話は来てないな! 今来てるなら待つぞ! 出るなら今のうち出とけよ!

ペイ:今は来てません! 着信はありません!!

シン:もういい、本当だな! じゃあ今から言うぞ! ・・・言うぞ!

   ・・・よいこのみんな、こーんにーちはー! 



ペイ:もしもし?

シン:だからーーッッッ!!!

ペイ:いやーなんか急にお前の声が聞きたくなってさー

シン:電話をやめろーーーッッッ!!!

ペイ:ちょっとすいません、電話中なんで静かにしてもらえません?

シン:なんで俺がマナー違反側なんだよ!! そもそも今回に関してはお前から電話してたじゃねぇか! 
   明らかにタイミング読んだ上でお前から邪魔しにいったじゃねぇか!! 漫才中に声聞きたくなって電話かけるバカいるかよ!

ペイ:邪魔しにいってなんかないですよ! あなたに歌のおにいさんが向いてると心から思ったので・・・

シン:だとしたらまずお前は漫才に向いてねぇよ! お前今日の漫才中に通話しかしてないといっても過言じゃないからな!

ペイ:それは僕の至らなさもありますけど・・・でも、さっき100回裏切られても101回信じてくれるって言ったじゃないですか!

シン:・・・なんで序盤でポロっと出た何気ない言葉を今更拠り所にしてんだよ! 言った俺自身も忘れかけてたわ!
   もういいわ、今度はお前がやれ。 お前が歌のおにいさんやってみろ。

ペイ:僕がやるんですか!? あなたに向いてるって話だったはずじゃないですか!

シン:もうそんなことどうだっていいわ! お前が歌のおにいさんをやれ!っていうより、俺に電話をさせろ!
   お前がしゃべったら速攻で今度は俺が電話かけるからな! 少しくらい俺の気持ちを味わえ!

ペイ:なんですかそんな敵対心むき出しにして・・・ じゃあ一応僕もやってみますね。

   ・・・よいこのみんな、こーんにーちはー!      あ、もしもし? いやーこの前さ・・・


シン:それでも自分で電話すんのかよ!! こいつはもうダメだ! 良い子のみんな、撤収!!

二人:ありがとうございました。

予選総合第32位(3回戦敗退) オマージュ研究室
審査員
点数
31 54 82 53 39 65 得点54.00
得票1票
【審査員コメント】
・ネタ中に言及されてましたが、やはり前回の言い過ぎはちょっと冷めちゃいました。
 序盤なんて前回の文句を言っているだけで笑いに繋がってなく、典型的なメタの悪い使い方でした。
 本ネタに関しては「邪魔をし続ける」というコンセプトはわかりやすくていいんですが、
 邪魔の内容が電話や謝罪など想定を超えるものじゃなかったため、テンションだけが空回りしていた印象です。
 自分から電話をかけるくだりは良かったのですが、そのあとすぐに終わってしまったのが惜しいです。
 もっと多彩な邪魔や想定外の展開が、メタよりもこのネタには必要です。
   
・シン:あんまり前回前回って言わせんなよ!「前回のネタを知らなかったのでわかりませんでした」とか言われちゃうだろうが!
 >まさにそう思ってしまいました…
 
 前回のネタの要素、正直なくてもよかったと思います……ツッコミの人が全力でやろうとしていることが邪魔されるっていう構図なだけなので。
 盛り上がってくるのが遅かったかな、と。SMAPに聞け!あたりからボケも広がってきて面白くなってきたと思ったので、その分フリに行数を割きすぎていると思います。
   
・こういうネタ書けるのは本当に強いですね。
 ボケだけ見れば独創的ってほどでもないけど、巧みな展開とやり取りでしっかり笑わせにかかってきたなと思います。
 やたら前回前回言ってたしあまり勝ちに来てないのかなあとは思いましたが、僕はすごく楽しめました。
   
・ネタとはまた違った面白さを感じました。
 話し方とかを見るにクオリティの高さがわかるのですがネタとしては若干弱かったです。
 第13回の時のことに言及するのは恐らく元ネタのノリなんでしょうけど
 ほとんど面白いものとしては機能していなかったかなと。
   
・前回のネタが頭に入っている前提で話を進められても置いてかれるだけです。
 それに付随したボケは全て笑えなかったので大分笑いどころを損していると思いました。
 本ネタも延々と話が進まないと言うボケが続くだけでイライラはしても笑いはあまりなかったです。
 そういうのをネタの本筋にしているっていう狙いは見えました。
 終盤自分から電話をかけるって言う件は良かったと思います。
   
・スカシ系のネタという感じでしょうか。半分ぐらいのところで電話がかかり始めてから一気に面白くなってきましたね。
 惜しいのは、序盤の展開が丁寧過ぎてエンジンがかかるのが遅かった点でしょうか。純粋に序盤が長く、そこで話した前回の件も注目され過ぎてしまうのかなぁ、と。
 漫才の味もあるので難しいところですが、もう少し早く展開を始めてその分もう1〜2パターン入れるだけでも大分印象変わった感ぁ、と。
 

Qゲート
No.017 バトルロワイR
拝啓、MM-1
R:はいどーも!バトルロワイRです!よろしくお願いします!

?:バトルロワイRくんとその友人の俺、2人合わせてバトルロワイRです。RゲートではなくQゲートから登場、張り切っていきましょう!

R:前から気になってたんだけど、このMM-1グランプリの背景の色って何色と言ったら良いんだろうな。

?:背景の色ってこの薄い黄色みたいな感じの背景のことか?

R:そう。でも、俺的には「薄い黄色」ってこの背景の色よりももっと黄色に寄ってると思うから、「薄い黄色」と表現するのはちょっと違うと思うんだよな。

?:そうかぁ。じゃあ、黄土色とか違うかな。けっこう黄土色っぽい感じもするけど。

R:いや黄土色ではないだろ!黄土色ってカラーコードで言えば#c39143だぞ!RGBだと(195, 145, 67)だぞ!全然違うだろ!

?:いや、そんな言われてもわかんねえよ!それでピンとくるの、コンピュータだけだわ!

R:黄土色はだいぶ茶色に寄ってるからね。緑黄色【りょくおうしょく】は黄色のテリトリー、黄緑色【きみどりいろ】は緑のテリトリーみたいなもんで黄土色は茶色のテリトリーだからね!

?:やべぇ、こいつ色にめちゃくちゃ詳しいぞ! へたなこと言うと圧倒されるから顔色うかがっておこう!

R:うーん、これだっ!って感じの色は何だろうなぁ。 あっ、きくち ばいろ!

?:急に誰だよ。菊池さんを見つけるなよ。

R:菊池ばいろじゃなくて、黄朽葉色【きくちばいろ】ね。MM-1の背景みたいな色だよ。
  でもこれは、MM-1の背景よりもちょっとだけ暗いかなぁ。やっぱ黄朽葉色はナシで。

?:気になるなぁ!黄朽葉色気になるわ! MM-1の背景をちょっとだけ暗くしたような色ね!あとで調べよ!

R:となると、鶸色【ひわいろ】かな。

?:ひわいろ!? また聞いたことない名前の色 出て来たけど!

R:ねずみの体色を模したねずみ色と同じような名づけ方をされてるんだけど、真ヒワの体色を模した色だよ。

?:悔しいことに真ヒワがわかんねえよ!本末転倒な疑問だけど、真ヒワってどんな色してるんだよ!

R:MM-1の背景にちょっとだけ緑を足したような色だよ。でも、こうして言ってみるとやっぱちょっとMM-1の背景と違うなぁ。
  やっぱ鶸色もナシで。

?:鶸色も却下されたー! あ、でもさ。そんな感じでこの背景の色と同じものを色の名前につけたら良いんじゃないかな。
  ねずみの体の色だったらねずみ色。色気があって卑猥な色だったら ひわいろ みたいにさ。

R:鶸色は真ヒワの色だって言ったはずだけどな。でも、その方法なら簡単にしっくりくる表現が見つかりそうな気がする。
  MM-1の背景の色と同じなものって何があるだろうな。

?:ピカチュウだな。

R:いや、ピカチュウはもっと鮮やかな黄色してるだろ!どんだけ顔色悪いピカチュウだよ!
  こんな色になるまで弱らせちゃったのかよ!ピカチュウ病気でチュウになってんじゃねえか!
  それともあれか!お前の家の灯りが薄暗くてピカチュウも暗い色に見えてんのか!

?:否定にそこまで言われんのかよ。ピカチュウの色へのこだわりがすごいな。
  他にこの色のものというと…………プリンとか。

R:いやいやいや、お前にはこのMM-1の背景がピンクに見えてんのか?
  プリンはスマブラでも頭にリボンや帽子といった小物をつけることで差別化をはかられてるんだぞ。
  2Pカラーでもピンクなんだからな。どう考えてもプリンの色じゃないだろ。

?:知らねえよ。ポケモンのプリンじゃないわ!この色でプリンって言ったらどう考えても食べる物のほうだろ。

R:あー、そっちか。たしかに、サワークリーム&オニオン味ならこの色に近いかもな。

?:いや違う違う違う。

R:プリングルズをプリンって略す人 初めて見たから誤解したわ。

?:俺 プリングルズをプリンって略す人じゃねえよ。ポテトのスナック菓子じゃなく どう考えてもスプーンでつつけば震えるほうのプリンだろ。

R:そっちかい!そっちね。うーん、確かに色は良いと思うけどこう誤解を生むようじゃプリン色と呼ぶのはなぁ。ダメだよな。

?:いや、その誤解をするのお前だけなんだけどな!じゃあ、他にこの色のものは…………「黒子のバスケ」の登場人物 赤司征十郎の左目かな。

R:急にマニアック過ぎるだろ。黒子のバスケて!赤司征十郎て!左目て!

?:パッと思いついたんだよ。あのキャラクター、オッドアイで左目がMM-1の背景みたいな色だったなって。

R:これは当然ダメだよ。
  「赤司征十郎の左目色」なんて分かりにくいし、何より「アヒルのペックルのドキドキ迷路」と聞き間違う可能性が高いからな。

?:いや、分かりにくいには同意するけど、後半は違うだろ!
  サンリオが10年以上前に出したPCソフトの中のゲームの一つと誰が聞き間違うんだよ!
  まぁ、他に分かりやすい上でこの色となると…………Jリーグのジェフ千葉がこんな色のユニフォームだった気がする。

R:「ジェフ千葉」色か。  って、これじゃ絶対”きくちばいろ”と聞き間違うわ!ダメーーー!

?:さっきのよりは聞き間違えそうだけども!

R:「これはジェフ千葉色です。」「えっ?黄朽葉色? いや、違うじゃん!訴訟!」なんてことになりかねない。

?:なるはずがないわ。でも、ジェフ千葉色もダメなのか。うーん……
  他にこの色となると…… ラーメンか。

R:あー、たしかにラーメンの麺はこういう色だな。じゃあ、「ラーメンの麺色」か。

?:いや、普通に ラーメン色で良いだろ。

R:はぁ? ラーメンの主役はスープだろ!その主役のスープを差し置いて、麺が「ラーメン色」を名乗るのはおかしいだろ!

?:そういう考えの人かよ。ここでラーメンの主役が麺かスープかの論争を展開する気は無いんだわ。

R:どうしてもっていうなら、麺だけじゃなくスープの色もMM-1の背景に近ければ良いだろう。よし、2人でそんなラーメンを探しに行こう。

?:変なスイッチ入っちゃったよ!別にそんなラーメンを探しに行かねえよ!

R:行くならラーメン二郎 横浜関内店 が良いな。そこは 汁無しが有名で美味いらしいぞ。

?:この流れでそこを挙げるなよ!汁無しが有名な所に行くのはおかしいだろ!
  まぁ、いいや。ラーメン色もダメね。他にこの色のものは…………キツネ!

R:いや、宮城蔵王キツネ村という施設のサイトに載ってるキツネたちの写真を見た限りだとキツネは全然こんな色をしてないからダメ。
  それより、ラーメン屋のことだけど

?:キツネをあっさりと否定してラーメンの話題に戻るな! 色が却下されたものはもういいんだよ!

R:残念ね。

?:というか、これだけ例を挙げてもしっくり来るものが無いなら、やっぱり色に詳しいお前が実際にある色の中からMM-1の背景に近いものを挙げていけよ。
  挙げていったら今まで見落としていた色とか見つかるかもしれないし。

R:そうだなぁ。挙げてみるか。MM-1の背景に近い色は………… わかめ色かな。

?:わかめ色!? あー、なるほどね。食品に加工されたワカメって緑だけど、海の中で生きてるワカメって黄色っぽいしね。

R:いや、若い芽と書いて若芽色【わかめいろ】だからね。若草色にちょっと黄色が入った感じの色だからね。

?:紛らわしっ!海藻じゃねえのかよ!知ったかぶりさせるんじゃねえやい!

R:でも、若芽色も鶸色と同様に緑っぽさが強いからMM-1の背景とも違うんだよなぁ。

?:あー、名前の割には全然ピンクとかじゃないあの鶸色と似た色なのか。

R:お前は何で「鶸色」と「卑猥」を繋げようとし続けるのか謎だけどな。思春期か。
  他には……

?:そうだ! 卵の黄身が薄くなったみたいな色だから、薄卵色で良いんじゃない。

R:いや、薄卵色って実際にあるけど 卵の殻のほうの色が薄くなったみたいな色だからね。ほぼ白だよ。

?:殻のほうなのかよ! じゃあ、もういいわ。テキトー、テキトー!ここまで考えて決まらないなら、もうテキトーでいいよ。
  うんこ色で良いじゃん!もう適当にMM-1の背景はうんこ色!これで良いでしょ!これで良いんだよ!

R:なるほど。確かにそれ良いかも。

?:……いや、自分で言っておいてなんだけどさすがにそれは失礼だし、こんなポップな色のうんこがあってたまるか!
  もし、こんなポップな色のうんこがあって”溜まったら”バキュームカーでズキュゥゥゥゥンだわ!

R:え、鬱金色【うこんいろ】は普通に良いと思うけどな。金色に陰りがかかったような鬱金色。たしかにMM-1の背景の色に近いでしょ。

?:………………!?




  でしょ!? でしょ!? うこん色! 良い線いってるでしょ!? 鬱な金色と書いて鬱金色!良いね!

R:欲を言えばもうちょっとだけ明るければ最高だね。ということで、MM-1の背景の色は 少し明るい鬱金色。これでファイナルアンサー。

?:おー、良かった!いやぁ、俺のアイディアが採用されて何よりだよ。鬱金色じゃないかなぁと思ってたんだ。
  ホント良かった。危うく変なイメージが俺につくところだった。

R:そういうことにしてあげよう。
  まぁ、MM-1の背景は何色でも良かったんだけどね。

?:えっ?

R:だって、どうせ俺色に染めるんだから。

?:いや、カッコいい〜!

予選総合第12位(準決勝敗退) バトルロワイR
審査員
点数
78 86 66 (860) 51 78 得点72.80
(ボーナス+1点込)
得票1票
【審査員コメント】
・バトルロワイRってそんな髭男爵とかチャド・マレーンみたいなメンバー構成だったんすか。
 マニアックな固有名詞が多く、その解説で全体的にテンポが良くなかったのがちょっと気になりましたが、
 知識と笑いが絶妙にマッチしており、楽しく読み進められる漫才でした。こういうの大好物です。
 ただ知識だけで笑わせるだけでなく、「ジェフ千葉色→黄朽葉色」のような上手いボケもあって面白かったです。
 個人的には「菊地ばいろ」のような、オリジナルのフレーズで笑いをとる部分がもう少しあっても良かったかなとは思います。
 ちょっと固有名詞に頼りすぎな点は否めないので、独自のフレーズが主軸にあればまた変わったかと。
 あと蔵王キツネ村はそこそこ近所なのですが、キツネ達にエキノコックスの心配はないので是非皆さんおいでませ。
   
・何この題材。すごい面白い。
 最初とか知らない色挙げてるだけなんですけどね、面白い。なんなんでしょうねこれ、解明できないです。
   
・「アヒルのペックルのドキドキ迷路」を持ってくるセンスがすごい。オチもいいなあ。
 何よりこの難しいテーマでここまで展開できる力が素晴らしいです。
 知識量の多いネタでしたが、ポップなノリのおかげか理屈っぽくなりすぎず楽しめました。
 ただ大きな当たりには欠けていたかなーと。大きな当たりが無くても許せるぐらいボケの下限が高かったわけでもなく、
 どうしてももう少し高いレベルを要求してしまいますね。ただ好きなネタではありました。
   
・行数にまだだいぶ余裕があるけど、情報量は多めだし丁度いいんじゃないでしょうか。
   
・入念な準備が練られているネタだと思いました。
 ただ情報量の割にそれを笑いに還元できていないネタだと感じました。
 色を言って例えるのパターンからの変化が乏しかったように思えます。
 後はボケツッコミの役割を織り交ぜたネタにした意図が汲み取れなかったです。もうちょっと二人の喋りとかに歳を持たせないと混乱してしまいます。
 オチは今まで見たネタの中で1番カッコ良かったです。
   
・いや、題材が斬新すぎるでしょうw ネタにしていただきありがとうございますありがとうございます。
 ちなみにMM−1の背景は#ffff99、鬱金色は#fabf14なので、「少し明るい」に加えて「赤みが引いた」ぐらいの説明でちょうどよくなりそうですね。
 
 斬新な題材でしっかり話を広げきったところは素晴らしいと思います。
 勘違いの方向性とか、Rのキャラの深みが特によかったですね。
 ただ題材的に仕方ないのかもしれませんが、ボケがあまり直感的でないというか、そこまで大きなボケになりにくいのが難しいところだなぁ、と。
 表現がちょいちょいくどかったりするので、そこはもう少し素直な感じでも良いかもしれません。
 

Qゲート
No.018 PARTY NOISE
Nine×Ten×Q
鳴子:「はいどーもー! PARTY NOISEでーす!」って10回言ってくださいな。

神崎:はいどーもー! PARTY NOISEでーす!
   はいどーもー! PARTY NOISEでーす!
   はいどーもー! PARTY NOISEでーす!
   はいどーもー! PARTY NOISEでーす!
   はいどーもー! PARTY NOISEでーす!
   はいどーもー! PARTY NOISEでーす!
   はいどーもー! PARTY NOISEでーす!
   はいどーもー! PARTY NOISEでーす!
   はいどーもー! PARTY NOISEでーす!
   はいどーもー! PARTY NOISEでーす!

鳴子:じゃあここは?(ひじを指差す)

神崎:ひじ。

鳴子:あたりです。(パチパチパチパチ)

神崎:はいどーもPARTY NOISEですよろしくお願いしまーす!! クソみたいな時間でしたねー!!
   なんで彼女はツカミから相方の声を枯らしにかかったんでしょうかー! 今後に響くぜー!!

鳴子:正解した神崎くんには、私の親の遺産の相続権をプレゼントします。

神崎:恐れ多いよー。「ひじ。」にそこまでの権限を勝ち取る価値はないよー。

鳴子:まぁ今の一連でわかって頂けた通り、私は10回クイズにハマってましてね。

神崎:何もわかんないよー。かろうじてわかったことは鳴子ちゃんのひじのツルッツルさだけだよー。

鳴子:10回クイズと、神崎くんのバイト先のカラオケボックスの変な噂を流すことにハマってましてね。

神崎:ろくなもんじゃねえー。選択肢が余すとこなくろくなもんじゃねえー。

鳴子:最近は「あのカラオケボックスでいきものがかりを歌うと画面に吸い込まれる」という噂を。

神崎:テメェの仕業かー? 最近デンモクの履歴からいきものがかりが消滅したのはテメェの仕業かー?

鳴子:そして吸い込まれた客は店長の自宅に飛ばされて、ポテコに変えられ食べられちゃうという……。

神崎:ウチの店長をなんだと思ってんだよー。シングルマザーで頑張ってんだよー。
   そんなことより聞いてよ鳴子ちゃん、僕憧れてる職業があってね。

鳴子:憧れてる職業? 何ですか、瓦泥棒ですか?

神崎:んなわきゃないよねー。瓦泥棒に憧れるだけの魅力はないよねー。

鳴子:瓦泥棒……民家の屋根から瓦をパッと盗んでシャッと去る……素敵ぃ……!!(うっとり)

神崎:うーわ憧れてらっしゃるー! この子だいぶトリッキーな危険思想を併発して患ってるー!

鳴子:そういえば皆さん。彼のバイト先のカラオケボックスの店長は、元瓦泥棒らしいですよ?

神崎:現在進行形で変な噂立てんなよー。店長は元キャットファイターだよー。
   話聞いてよ鳴子ちゃん、僕の憧れてる職業はね……。

鳴子:その憧れてる職業を10回言ってみてくださいな。

神崎:野球選手。
   野球選手。
   野球選手。
   野球選手。
   野球選手。
   野球選手。
   野球選手。
   野球選手。
   野球選手。
   野球選手。

鳴子:ここは?(あごを指差す)

神崎:あご。

鳴子:あたりです。(パチパチパチパチ)

神崎:僕ののどに何の恨みがあるんだよー! 拍手がうざったいよー!
   こんなに声帯を酷使することになるなら昨日バイト終わりにチャットモンチー歌いまくるんじゃなかったー!!

鳴子:え……!? あのカラオケボックスでチャットモンチーを歌うと、ミラーボールに吸い込まれるんじゃ……!?

神崎:それ鳴子ちゃんが流した噂じゃねぇのー? 嘘と真実の境目を見失ってんじゃないよー。

鳴子:そして吸い込まれた客は副店長の家に飛ばされて、カラムーチョにされて食べられちゃうという……。

神崎:ウチのバイト先なんだと思ってんだよー。怪人の巣窟じゃねぇかよー。
   そうじゃなくて、僕が野球選手に憧れてるって話なんだけど。

鳴子:カラムーチョに変えられたお客を副店長がつまみ、ゆっくり口に運び、ボォリ、ボォリ……!!

神崎:いつまでやってんだよー。副店長のセクションが無駄に長いよー。

鳴子:失礼しました。えーと、野球選手と瓦泥棒の共通点の話でしたっけ?

神崎:してないし無いよー。野球選手と瓦泥棒は決して交わらぬ点と点だよー。

鳴子:盗塁の塁を瓦と見れば、本質的には同じと言っていいのでは……。

神崎:本質的を辞書で引けー付箋貼ってマーカーでアンダーライン書きなぐれー。
   それでさ、野球選手になったらやってみたいシチュエーションがあってさ。

鳴子:「ヒーローインタビューを受けてみたいんだよ」って10回言ってくださいな。

神崎:ヒーローインタビューを受けてみたいんだよ。
   ヒーローインタビューを受けてみたいんだよ。
   ヒーローインタビューを受けてみたいんだよ。
   ヒーローインタビューを受けてみたいんだよ。
   ヒーローインタビューを受けてみたいんだよ。
   ヒーローインタビューを受けてみたいんだよ。
   ヒーローインタビューを受けてみたいんだよ。
   ヒーローインタビューを受けてみたいんだよ。
   ヒーローインタビューを受けてみたいんだよ。
   ヒーローインタビューを受けてみたいんだよ。

鳴子:じゃあ私がインタビュアーやりますから、神崎君は選手を……。

神崎:せめてクイズ出せよー。クイズなかったら僕はただただ自己主張の強いヤツだよー。
    ヒーローインタビューやりたいのは大正解だけどさー。人形抱えてどや顔したいけどさー。

鳴子:正解したということは、私に神崎君の親の遺産の相続権が……。

神崎:やんねぇぞー? なんだよコンビで親の遺産交換って、イカレポンチだよー。
   まぁわかってるなら話が早いよ、僕が選手やるから鳴子ちゃんインタビュアーして?

鳴子:了解しました。最近インタビュアーの演技にハマってる私の実力をとくとみよ!!

神崎:なら10回クイズより先にそのことアピれよー……。

   いやー、僕は野球選手だけど今日はすこぶる活躍したなー。どやどやー。

鳴子:放送席放送席ー。
   放送席放送席ー。
   放送席放送席ー。
   放送席放送席ー。
   放送席放送席ー。
   放送席放送席ー。
   放送席放送席ー。
   放送席放送席ー。
   放送席放送席ー。
   放送席放送席ー。

神崎:鼻の長い動物は?

鳴子:ミナミオーストラリアドクハキソラトビカモノハシ。

神崎:ごめんソイツ知らねぇー。出題者としてあるまじきことだけどソイツ知らねぇー。

鳴子:ミナミオーストラリアドクハキソラトビカモノハシは凄いですよ、毒を吐くし空を飛ぶんですよ。

神崎:名前からいとも容易く推理できた情報だよー。ちなみに鼻は?

鳴子:短いです。

神崎:ならば不正解だよー。なんだよ知らない生物連れてきて間違えるって、不要な知識を得たよー。

鳴子:不正解ということは……私の両耳を削ぎ落として油で……!!(ブルブル)

神崎:やんないやんないやんなーい。さっきからハイリスクハイリターンが過ぎるんだよー。
   ていうかインタビューしてー? もうコント入ってんだよ、選手とインタビュアーが何たわむれてんだよ。

鳴子:おっとすいません、では改めまして……。
   放送席放送席ー。
   放送席放送席ー。
   放送席放送席ー……。

神崎:そっから改めなくていいからー。尺勿体無いよ、以降の番組開始時刻が狂うよー。

鳴子:本日は見事に20枚の瓦を盗んでみせた、神崎選手に来て頂きましたー!!

神崎:瓦泥棒じゃねぇかよー。瓦泥棒にインタビューって、世界観がシニカルすぎるよー。

鳴子:\ワァァァァァッ!!!/
   \神崎ー!!ナイス盗みっぷりー!!/
   \キャー!!私の心と言う名の瓦も盗まれちゃったー!!/

神崎:何の観客だよー。何でコイツら瓦泥棒に魅せられてんだよー。

鳴子:いやー、9回裏、カミナリ親父宅の瓦一挙5枚盗みは痺れました!!

神崎:ルールがわかんねぇよー。どんなルールブックのもとに行われているスポーツなんだよー。

鳴子:よもやカミナリ親父に爆弾を投げつけられようかというあの場面で、カステラを頬張りながらのあの盗みっぷり!

神崎:マジでルール教えてー? 僕はどんな異次元空間に迷いこんでしまったのー?

鳴子:あの時はいったいどのような気持ちで瓦を盗みましたか!? マイクをズイっ!!

神崎:えぇー……これこの世界観に足を踏み入れなければ帰さない感じー……?
   酒浸りのおじいさんの家に回覧板回しにいくときくらいイヤなんだけどー……。

神崎:\ か ん ざ き ! ! ! /
   \ か わ ら ど ろ ぼ う ! ! ! /
   \ か ん ざ き ! ! ! /
   \ か わ ら ど ろ ぼ う ! ! ! /

神崎:うわぁ大群衆のプレッシャーが……他に娯楽無いのかこの世界……。
   しゃーない……えーと、応援してくれる皆様のためにも、1枚でも多く盗んでやろうって気持ちでした。

鳴子:\ウワァァァァァッ!!!ウワァァァァァッ!!!ウワァァァァァッ!!!!/
   \神崎選手ー!!お前は世界の瓦を盗む男だー!!レンガも盗めるぞー!!!/
   \キャー!!私の恋心を守る瓦は神崎選手に叩き壊されちゃったー!!!/

神崎:バカ共だよー。スタジアムにバカ共しかいないよー。バカスタだよバカスター。

鳴子:\ビールいかがっすかー/
   \烏龍茶いかがっすかー/
   \カシスオレンジいかがっすかー/
   \サングリアいかがっすかー/
   \ミナミオーストラリアドクハキソラトビカモノハシ汁いかがっすかー/

神崎:ドリンク販売がめっちゃ充実してるよー。最後のヤツは食用にしていいヤツなのかよー。

鳴子:\花は桜 君は美し 春の木漏れ日 君の微笑み/
   \ズォォォォォッ/
   \うわーっ!!オーロラビジョンに吸い込まれるーっ!!/

神崎:なんか起こってるぞー!? 観客席で超常現象が起こってるぞー!? 行かなくていいのか報道部ー!?

鳴子:ゴクゴク……ぷはーっ、おっとすいません、今ビール飲んでました……。

神崎:仕事中だぞー? 何を充実したドリンク販売をフルに活用してくれてんだー。

鳴子:ところで本日は、客席にご両親が来られているとお聞きしましたが。

神崎:マジでびくともしないねー。何なの、観客がオーロラビジョンに吸い込まれることすらこの世界ではベタなの?

鳴子:あの見事な瓦泥棒っぷり、最高の親孝行になりましたね!

神崎:普通は親泣くと思うんだけどなー。こっちの世界じゃそんなの戯言なんだろうなー。
   まぁ喜んでるならいいけど……ウチの両親はどこにいるのかな?

鳴子:\神崎選手のご両親なら、さっきオーロラビジョンに吸い込まれましたよ/

神崎:え、さっきの僕の両親だったの!?
   さっき何の脈絡もなくいきものがかり歌って吸い込まれたの両親だったの!?

鳴子:\それより神崎君、来月のシフトの件なんだけれども……/

神崎:店長!!バイト先の店長!!貴女もこの世界に飛ばされていたのですね!!

鳴子:\長谷川くんがボォリボォリ法事で来れなくなったからボォリボォリ4連勤ボォリボォリポテコうめぇ/

神崎:それ両親じゃねぇだろうなー? その貪り食らってるポテコ、ウチの両親の成れの果てじゃねぇだろうなー?

鳴子:\ウワァァァァァッ!!!ウワァァァァァッ!!!ウワァァァァァッ!!!/
   \店長ー!!ナイスポテコに変えっぷりーっ!!/
   \キャーっ!!私の貞操観念という名のポテコも店長に食べられちゃったーっ!!/

神崎:何でもいいのかコイツらー。なんで人の親が食べられたことで歓喜の渦に飲まれてんだー。
   ちょっとインタビュアー、両親食べられちゃったんだけど。どうすんのコレ。

鳴子:ごくごく……おっとすいません、ミナミオーストラリアドクハキソラトビカモノハシ汁を飲んでました……。

神崎:いつの間に何してんだよー。そして豊富なドリンクの中からなぜそれをチョイスしたんだよー。

鳴子:ちなみにこのミナミオーストラリアドクハキソラトビカモノハシ汁、副店長の成れの果てです。

神崎:副店長ーっ!!元新潟のカラーギャング幹部の副店長ーっ!!

   ……いや鳴子ちゃん、何これ? そもそも野球選手ですら無いんだけど、何これ? 何故副店長まで死んだの?

鳴子:それでは率直な私に対する感情を10回言ってくださいな。

神崎:クソッタレ。
   クソッタレ。
   クソッタレ。
   クソッタレ。
   クソッタレ。
   クソッタレ。
   クソッタレ。
   クソッタレ。
   クソッタレ。
   クソッタレ。

鳴子:ではここは?(親指と人差し指の間の空間を指差す)

神崎:ゆびっ、えっ、ちょ……わかんねぇ、名前あんのかその空間……。
   ねぇ鳴子ちゃん、ひょっとしてだけど……最初からまともにヒーローインタビューやらしてくれる気、なかったんじゃない?

鳴子:あたりです。(パチパチパチパチ)

神崎:クソッタレーっ!!

予選総合第7位(準決勝敗退) PARTY NOISE
審査員
点数
79 59 70 91 85 得点76.80
得票3票
【審査員コメント】
・行数制限に真っ向から喧嘩を売ってみました。うるせぇネタだなオイ。
 最近では鳴子ちゃんより神崎の方が書いてて手がつけられなくなっている気がします。
 最近じゃネタ書くたび神崎の設定が増えるし。コイツのバイト先の店長って元キャットファイターかよ。
   
・神崎:僕ののどに何の恨みがあるんだよー! 拍手がうざったいよー!
 >このツッコミが入るなら、「野球選手」よりはもっと長い単語を言わせれてて欲しかったです。
 
 鳴子:短いです。
 神崎:ならば不正解だよー。
 >シンプルに面白い。
 
 相変わらず狂いボケてますね。良いです。
 面白いのはその通りなんですけど、天丼する情報量が少し多すぎるかなあ…
 でもこれは僕の脳が衰えているだけかもしれない。グッバイマイ脳。すみません。
   
・元キャットファイターの方が変な噂じゃねえか全くけうけげんさんはすぐこういうことを言う。
 
 序盤ちょっとPARTY NOISEにしては弱いなと思ってしまったんですけど、後半の伏線の回収と力技っぷりはさすがでした。
 ただ序盤からもっと面白いボケを盛り込んで後半で同じように回収する形もできたと思うと、
 あんまり必然性のある序盤の形だとは思えませんでした。
 
 序盤のツッコミがちょっと今回ふわふわしすぎてた気がします。
 「本質的を辞書で引けー付箋貼ってマーカーでアンダーライン書きなぐれー。」とか、
 「何もわかんないよー。かろうじてわかったことは鳴子ちゃんのひじのツルッツルさだけだよー。」とか。ちょっとやりすぎです。
 そこがPARTY NOISEの持ち味でもあると思うんですけど、今回はそこそこぶっ飛んでるボケとうまくかみ合ってなかった気がします。
   
・肝心の鼻は短い。これはフリとオチが完璧でまさにお手本と成り得るものでした。面白かったです。
 しかし、2度目以降の登場となったワードはすんなりと入ってきて面白いと思うんですけど
 1回目時点ではワードの突拍子の無さに面食らってしまうというのが少しありますね。
 マラソンで先導車がランナーを気にせずぶっ飛ばしていってしまったみたいな。
 かなり面白いけどそこでちょっと損してるのかなぁと。
   
・緻密に計算されている上で、ぶっ飛んだ内容を融合させる技術が凄いと思います。
 序盤の何でもないようなボケが後半ものすごい威力で帰ってくる漫才のお手本のようなネタだと面ました。
 それでいて、王道な土台の上で不条理なやり取りを繰り返すから中々まねできるものではないと思います。
 オーロラビジョンに観客が吸い込まれたあたりからぐっと持ってかれました。
 ただ、ツッコミのプラス一言が若干蛇足に思える個所がいくらか見受けられました。
   
・神崎のツッコミがいちいち神面白すぎますね。
 「以降の番組開始時刻が狂うよー」とか秀逸すぎますって。なんですか、「バカスタ」って。
 両者のキャラも大いに生きていて良かったですね。10回クイズも上手く生かせていて好印象です。
 いつもの序盤の雑多なボケが後半にめっちゃ生きてる感じなのも(それだけが正解の書き方ではないですが)、けうけげんさんの成長を見たような気がします。
 
 
 とか絶賛してみましたが、致命的に気になる点もあって、
 少しアクが強いというか、ネタの使い続けがちょっと長かったかなぁ、と。
 印象として、「画面に吸い込まれる」「ポテコ」、あと \観客のこういうやつ/ がちょっとしつこすぎたかなぁ、と。
 置いてきぼり、ハマらなかった人に点数が低くなりがち、みたいなリスクがあったかなぁと思います。
 そのへんが無きゃ覆面に負けることはなかったんじゃないですかねー(棒)
 

Qゲート
No.019 チアノイズ
ゾン1(100)
ゾン:チアノイズだ。よろしく頼む。
   みんなの心を温めたいから、昔話を読むぞ。

矢野:とてもいい考えだな。

ゾン:今日は昔話の力を借りて、お前らを熱中症で殺す。

矢野:どこまで温める気だよ。とても悪い考えだな。

ゾン:それではいくぞ、「浦島太郎」。

矢野:定番だな。

ゾン:昔々あるところに、浦島太郎と言う一人の若者が居ました。

矢野:居るわな。

ゾン:浦島太郎は、死んでしまいました。

矢野:どうしたんだよ。

ゾン:次の話いくぞ。

矢野:終わりかよ。若者が居て死ぬだけの話、なんだよ。心、温まりようがない。

ゾン:「桃太郎」。

矢野:これもまた定番だな。

ゾン:昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが居ました。

矢野:これもまた居るわな。

ゾン:おじいさんは山で、おばあさんは川で死んでしまいました。

矢野:全然理由とかないのかよ。

ゾン:「金太郎」。

矢野:主役出てこないまま終わりなのかよ。

ゾン:昔々、あるところに金太郎という力自慢の若者が居ました。

矢野:そうだな。

ゾン:金太郎は、自らの力に溺れて死んでしまいました。

矢野:何が起きたんだよ。

ゾン:「かちかち山」。

矢野:何が起きたかは教えてくれないのかよ。

ゾン:昔々、あるところに、死んだタヌキと死んだウサギが居ました。

矢野:もう死んでるのかよ。いよいよどうしようもねえな。

ゾン:「鶴の恩返し」。

矢野:そろそろ死なない話が聞きたいんだけどな。

ゾン:昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが居ました。

矢野:居るだろうな。

ゾン:おじいさんがそこら辺を歩いていると、一匹の鶴が罠にかかっているのを見かけました。

矢野:そこら辺、ってなんだろうな。

ゾン:※鶴はまだ生きていました。

矢野:そうだな、注釈が要るな。

ゾン:おじいさんが、罠を外してあげると、鶴は一声鳴いて空に飛んでいきました。

矢野:やっと心温まるくだりが出てきた気がする。順調に話が進んで嬉しい。

ゾン:おじいさんが家に帰ると、おばあさんが死んでいました。

矢野:嬉しくないぞ。でもどうせそうなると思ってたぞ。

ゾン:ある日の朝、おじいさんの家を、一人の若い女が訪ねてきました。

矢野:何事もなく進んじゃうのかよ。でも、確かに、支障がない。

ゾン:若い女は「少しの間、ここに泊めてください。代わりにここで機を織りますので。」と頼みました。
   おじいさんは、寂しさもあって、快諾しました。

矢野:そりゃまあ、伴侶に先立たれちゃあな。

ゾン:若い女が使っていた機織り機は、爆発してしまいました。

矢野:急展開やめろよ。中国製かよ。

ゾン:おじいさんも、爆発してしまいました。

矢野:なんでだよ。

ゾン:おじいさんは、中国人だったとさ。

矢野:それでもなんでだよ。俺が言えたことじゃないけど、差別がひどい。

ゾン:「かぐや姫」。

矢野:長々話したのに結局、全員死んで終わったな。

ゾン:昔々、あるところに、竹を切って生活しているおじいさんと、おばあさんが居ました。

矢野:もう、いつ死ぬかの問題になってくるよな。

ゾン:おじいさんが竹を切ると、竹は死んでしまいました。

矢野:死の頭数を稼ぐの、やめような。

ゾン:おじいさんが竹を切り続けていると、黄金に光る一つの竹が見つかりました。
   おそるおそる竹を殺してみると、中から玉のようにかわいい女の子が出てきました。

矢野:おそるおそる殺すって言葉、心境が不明すぎるだろ。

ゾン:おじいさんが家にその子を連れて帰ると、おばあさんが生きていました。

矢野:確認しておかないといけないもんな。

ゾン:二人はその子に「かぐや姫」と名付けて、大事に育てることにしました。

矢野:死なないように育てて欲しいな。

ゾン:かぐや姫はすくすくと育ち、街中で有名な美女になりました。

矢野:順調だな。

ゾン:おじいさんとおばあさんの屋敷には、かぐや姫を一目見ようと沢山の若者がおしかけ、
   その多くが死んでしまいました。

矢野:呪いだろうか。

ゾン:おじいさんは、血の付いた竹槍を置くと、かぐや姫に尋ねました。

矢野:お前の仕業かよ。切った竹を凶器として利用するなよ。

ゾン:「かぐやや、お前を気に入る男は多いが、お前には結婚する気はないのか?」

矢野:どの口が。どの口がそんなことを言うんだよ。

ゾン:かぐや姫は答えました。「ありません。私は二人のそばに居れればそれでいいのです。」

矢野:育ての親としては複雑な心境になる言葉だが、このおじいさんは手放しで喜びそうだ。

ゾン:おじいさんは、嬉しさのあまり、昇天しそうになりました。

矢野:取り留めたな。

ゾン:しかし、それでもかぐや姫を狙う男は数多くいました。そしてその多くが死んでしまいました。

矢野:男ってバカだな。

ゾン:ついに、帝までもがかぐや姫を一目見ようと屋敷を訪れました。
   さすがのおじいさんも、竹槍を持つことができません。

矢野:そうなるわな。

ゾン:帝は月に食べられてしまいました。

矢野:だから急展開やめろ。

ゾン:そう、かぐや姫は月出身だったのです。

矢野:そんな真相解明、納得しねえぞ。

ゾン:かぐや姫は言いました。「おじいさん、おばあさん、私は月に帰らねばなりません。」

矢野:言うタイミング本当に今でいいのかよ。月が怪物だって判明したところだぞ。

ゾン:それを聞いたおじいさんの体は、バラバラになってしまいました。

矢野:せめて納得のいく展開を作れよ。ここまで積み上げてきたお話、なんだったんだよ。

ゾン:おばあさんは、耳が遠かったので、一命をとりとめました。

矢野:かぐや姫のさっきの言葉に、何が込められてたんだよ。

ゾン:そこに、月の使者が迎えにやってきます。

矢野:おばあさん、何が起こったのか少しも理解できてないだろうな。可哀相に。

ゾン:月の使者は、鬼に食べられてしまいました。

矢野:どっから出てきたんだよ。

ゾン:しかし、鬼は月の使者に内側から食べられてしまいました。 

矢野:月の使者って怖いな。

ゾン:こうして、かぐや姫は、月の使者とともに、土に還っていくのでした。

矢野:月に帰れよ。何当然のように死んでんだよ。当然っちゃ当然な気もするから怖いが。

ゾン:以上が俺の昔話だ。

矢野:こんなんで心温まるかよ。冷え切ったわ。

ゾン:まあ、実は熱中症対策で薄着にしてる人を、凍死させるための昔話だからな。

矢野:騙してたのかよ。いい加減にしろ。


Qゲート
No.020 エルトアール
遠足
レフト:時に右者よ、春もたけなわだな

ライト:暦の上では立夏を過ぎてるが、まあ5月中だから春といえば春だな。
    ゴールデンウィークは終わったが行楽シーズンはまだ続くといったところか

レフト:…五月病で便通が悪くなったのか?

ライト:コーラックシーズンじゃねえよ。つかみからネガティブな方へ話を持っていくな

レフト:テンションとおなかの急降下だな

ライト:「おなかの急降下」はビオフェルミンだろ。せっかく出かかったモノを引っ込めるつもりか

レフト:右者、開始早々 品も右肩下がりだぞ

ライト:誰のせいだ、誰の。
    まあ、このシーズンの行楽というと俺は遠足のことを思い出すな。
    俺の通っていた小学校では毎年この時期に遠足を行っていたからな

レフト:小生の小学校では毎年この時期に喘息が流行していたぞ。

ライト:なんだそのインフルエンザ感覚は。喘息は体質の問題で感染症じゃないだろうに。
    それとダウンしてたのが連休中とだだ被りだった日には悲惨にも程があるぞ

レフト:「ではここでクエスチョン。小生の通っていた小学校では毎年春になると喘息が流行っていました。
     それは春に起きるあることが原因となっていたのですが、その『あること』とは一体何でしょう?」
    ♪テレレレ レレレレ テレレレ レレレレ レ〜

ライト:左者はいつからミステリーハンターになった?漫才の途中でふしぎを発見するなよ。
    まあ…学校の近くに春が繁忙期の工場でもあって、シーズンになると大量にアレルゲンを出すとかそんな感じか?

レフト:残念。正解は『アレルゲンおじさんがアレルゲンをばらまきながら北上するから』だ。
    地元ケーブルテレビの天気予報では「アレルゲンおじさん前線」も発表される春の風物詩だぞ。
    「ということで右者さんはボッシュートとなります!」♪チャラッチャラッチャ〜ン、ミヨヨヨ〜ン

ライト:クソだわ。問題も原因もお前の地元も「あってたまるか」レベルのクソだわ

レフト:まあそういうわけで小生の出身校では秋に遠足を行っていたわけだが…右者、ますます品が急降下中だぞ

ライト:だから誰のせいだ、誰の。いい加減遠足の話をさせてくれ

レフト:小生は遠足というと投者との思い出が特に深い。『投者45分伝説』は一生忘れることはないだろう

ライト:一体そいつは何をやらかしたんだ。
    …まあそれはさておき、一口に遠足といっても移動手段には徒歩・バス・電車といったものがあるが…、
    俺の場合は幼稚園から小2くらいまでが徒歩でそれ以降はバス。電車を使ったことはなかったな

レフト:小生の場合は全てバスだったが、聞いた話によると徒歩遠足は生きるか死ぬかの地獄の行進らしいな

ライト:んな雪中行軍じゃあるまいに大げさすぎだわ。
    そりゃざっくり言えば子どもの足で1〜2時間歩いて大した目玉も無く広いだけの公園かどこかに行って
    また帰りも行きと同じ距離をひたすら歩くから「楽しかった」というより「くたびれたし退屈だった」って記憶の方が強いがな。
    あと電車遠足については幼稚園や低学年を中心に実施されることが多いようだ

レフト:電車に乗っているとごく稀にお揃いの帽子の幼児たちがなだれ込んでくることがあるが、あれはちょっとしたジャックポット気分に浸れるな

ライト:独自すぎる目線

レフト:あれを換金したらいくらくらいになるだろうか

ライト:思想が明らかにオーバーラン。頼むから手が後ろに回るようなことに俺を巻き込むなよ?
    …ということでバス移動を前提に話を進めるとするが、遠足ってのは準備段階から“始まってる”といっても過言ではないだろう。
    まず、実施の前々週くらいになると「学級活動」の時間あたりにアレが配られるわけだ

レフト:『遠足のおしり』

ライト:さっきの「品が急降下」のセリフはお前に返すわ。『遠足のしおり』な。
    これを見て当日の持ち物や行程、その他の諸注意なんかを確認し、その日を心待ちにするわけだ。
    あと、現地で自由時間がある場合などには班を組んで、その時間で何をするか話し合うこともあるな

レフト:そして学活の時間内にまとまらず「後で決めよう」と言っていたことがいつの間にか決定していて
    自分だけLINEのグループからハブられていることを初めて知る…と

ライト:おいやめろ。今時割とリアルにありそうな話で怖いわ。
    あと、遠足準備の学活といえば必ずといっていいほど出る質問があるな

レフト:「バナナをかじると歯茎から血が出ませんか?」

ライト:りんごでやれ。仮にバナナで血が出たらそいつの歯茎はおそらくリカバー不能な段階に達しているぞ。
    そうじゃなくて「バナナはおやつに入りますか?」だ

レフト:では「コーラックはおやつに入りますか?」

ライト:何が「では」なんだよ

レフト:『遠足のおしり』に記載がなかったものでな

ライト:いつまでもおしりを引っ張るな。
    コーラックはおやつに入らねえし持ってく必要ねえよ。出先で便意催しても面倒なことが増えるだけだろ。
    バナナの場合は『おやつ』の定義の解釈次第で子どもたちのおやつ選びが左右されてくるから質問するんだ

レフト:なるほど。それで長年解釈をめぐる答弁が繰り返された末に「解釈の変更」だの「まずは国民投票」だのいう話になっているわけか

ライト:話を集団的自衛権の問題並みにマクロ化するなよ。
    国からおやつに関する統一見解が出た覚えも無いのに解釈の変更も国民投票もあるか。
    左者は「おやつは300円まで」というフレーズを聞いたことがないのか?

レフト:ふむ…言われてみればあの頃ヘビーローテーションしていた気がするな

ライト:誰がそこまで聴けと言った。FM局のパワープレイか。
    もしバナナがおやつと見なされればそれも含めて300円以内にしなければならないが、これが弁当の一部か付属のデザートとして
    認められれば「バナナ+おやつ300円分」を持って行けるから子どもたちにとっては非常に大事な問題なわけだ

レフト:なるほど、つまりマクドナルドでチラシの割引券とケータイのクーポンを合わせて使うようなものか

ライト:喩えからにじみ出る生活水準

レフト:「ではここで問題。遠足を楽しみにしている小学生100人に聞きました。答えは5つ」

ライト:また出題モード入りました

レフト:「『バナナはおやつに入りますか?』と聞いてくる子どもにありがちな特徴とは?」
    「うーん…『聞くだけ聞いておいて結局持ってこない』」
    「なるほど。さあどうでしょう?」
    「「「あるあるあるあるあるある…!!」」」

    ピポピポピポピポピンポーン!!
    [1位 バナナを持ってこない 37人]

ライト:なんだその「『クイズ100人に聞きました』全部俺」は。元の番組が古すぎて、おそらく審査員や視聴者層の大半が置いてかれてるぞ

レフト:まだこの先“2位の『ただ言いたいだけ』を当てる場面”があるのだが…

ライト:台本にないくだりを長々挟むな。しかもこの問題が今や単なるネタと化してるのをばっちりわかってんじゃねえか。
    あと、「300円」が“消費税込みで”なのか“税は別として”なのかも子どもにとっては重要な問題だな

レフト:確かに。「消費税込みで300円」だといつか消費税が29900%になった時、本体価格が1円の物しか買えなくなるからな

ライト:そんな時代が来るくらいならいっそ日本沈没しろ

レフト:それに消費税抜きで300円と決まったとしても選ぶのがまた大変だ。
    「これとこれとこれだと301円。これとこれの組み合わせだと299円。…いや待てよ、まず1の位から攻めていこう。
     端数がなくなるようにこれとこれとこれで…あー、これじゃ400円じゃないか!くそっ、これだけの種類の
     お菓子があってぴったり300円になる組み合わせが1通りしかないなんて、誰だよこの問題考えたやつは!」

ライト:根本的に趣旨が違ってるわ。そういうパズルめいたことはMENSA会員にでもまかせておけ。
    …まあ、それでもちゃんと300円に収めようという意志があるだけまともだわ。
    中には「どうみても300円分以上あるだろう」という量のおやつを持ってくるやつも稀にいるからな

レフト:ならば証拠として買った時のレシートを提出させるようにしたらどうだ?
    「すみません、宛名は『かもめ第三小学校』で切っといてください」

ライト:領収書だわ。それはレシートじゃなくて領収書だわ。でもってなんでカツオとワカメが通ってる学校が出てくるんだよ。
    ……というかおやつ代を学校に押しつけようとするな。それとレシート制にしても、もともと家に買い置きしてあった物とか、
    1箱のうちから1袋や個包装単位で取り出して持ってきたりというパターンもあるから現実的には難しいだろう

レフト:そういえば投者は「このコーラックは1粒10円相当として計算しました」などと言っていたな

ライト:だからコーラックはおやつに入らねえよ。
    それと、こういった諸問題の解決策としてか近年の遠足ではおやつの取り扱いに関していろいろ新しい切り口が出てきてるようだ。
    例えば“スケジュール的にタイトで、また、お弁当でお腹がいっぱいになるから”という理由で『おやつなし』とする所、
    “「家庭の事情」などを考慮”して『学校側が統一の菓子を支給』する所、
    “具体的な金額の上限はなし”で『自分で食べ切れるだけの量』を持参させる所…といった具合だ

レフト:世はおやつルール戦国時代なのか…

ライト:別に『アイドル戦国時代』みたくしのぎを削ってるわけじゃねえよ。
    まあとにかくだ、おやつの用意もその他の準備も済ませていよいよ遠足の前夜となるわけだが、その晩は大抵興奮して眠れないものだった

レフト:そこでコーラックの出番か

ライト:コーラックは睡眠導入剤でもねえよ。ここは普通に羊を数えるとかだろ

レフト:ハッピーターンが1枚(パリパリ)、ハッピーターンが2枚(パリパリ)、ハッピーターンが3枚(パリパリ)……
    ああ、魔法の粉が後を引いてやめられないとまらない

ライト:何おやつ食い始めてんだよ、しかも中毒性高いやつを。それは明日まで我慢しろ。
    ついでに「やめられないとまらない」はかっぱえびせんのキャッチコピーだろうが

レフト:そして遠足当日の朝

ライト:自分でボケといて何事も無かったかのように本筋に戻るなよ。
    …遠足の日は大概、普段の登校時間よりも早く出発するから、その朝の空気感は独特の静けさがあるな。
    もっとも、バスが動き出すとテンション高くなって静けさなどどこへやらだが

レフト:だが大抵バス酔いして「気持ち悪い…」と空気を壊すやつがいる件

ライト:左者はもう少し慈悲の心を持て。こういう時のためにちゃんと「エチケット袋」を持ってくるように言われるだろう

レフト:そういえば“結婚に大事な3つの袋”のうちの1つだったな

ライト:エチケット袋の地位そこまで高くないわ。いつまでも吐き気と隣合わせの結婚生活とか考えたくないぞ

レフト:とりあえず酔いやすい子どもには事前にコーラックを飲んで来てもらいたいところだな

ライト:そしたら事によっては上からも下からも出てきちまうじゃねえか。普通に酔い止め薬でいいんだよ。
    …あとバス内での過ごし方といえば様々なレクリエーションだな。
    なぞなぞを出したり、伝言ゲームをしたり、唱歌やキッズアニメの曲をみんなで歌ったり…

レフト:小生の場合はモノマネを披露し合ったりもしたな。
    特に捕者の『リアルに吐く人』シリーズは皆から「優勝!」と言われるほどの鉄板ネタであった

ライト:この際、某『細かすぎて〜』とどっちが先発だったかはさておき、バス内で一番やっちゃいけないネタチョイスじゃねえか。
    しかもそれが支持集めるってクラス単位でどうかしてるぞ。その上左者の思い入れでは投者とやらに負けてるってもう訳わからんわ。
    …まあいろいろあったが、ついにバスが到着するわけだ

レフト:そういえばそもそも目的地は一体どこだ?

ライト:バス遠足なら名所・旧跡や体験施設、動物園や森林公園、牧場といったあたりが定番スポットだろう。
    あと、ちょっとした山に登るというのもあるな。関東なら高尾山や筑波山といったところか

レフト:ほう。ちなみに小生は小1の時に富士山の上でおにぎりを食べたぞ

ライト:『一年生になったら』かよ。ちょっとした山どころか、俺が最初の方で話した徒歩遠足よりよっぽど雪中行軍寄りじゃねえか。
    五合目からスタートしたとしても小1で日帰り往復は酷だろうに

レフト:実際に酷といえば酷であった。本当は友達100人と計101人で食べるつもりだったが、途中で最下位の者が脱落して100人に…

ライト:歌詞の「100人で食べたいな」にまさかの事実発覚

レフト:「うちの校長先生はどれ?」の問題で9秒63はさすがに時間をかけ過ぎだ…

ライト:「最下位の者が脱落」って『オールスター感謝祭』の予選落ちシステムだったのかよ

レフト:それでもクイズが1問だけだったのが救いというべきか…

ライト:そこは『ぴったんこカン・カン』方式かよ。というかなんで出てくるクイズ番組要素が全部TBSなんだよ

レフト:小生はあの時悲しみをこらえるために噛みしめたコーラックの味を忘れない…

ライト:今度は精神安定剤代わりかよ。
    一体左者の中におけるコーラックの汎用性はなんなんだ。ショートショートにおけるエヌ氏か

レフト:しかし一番悲しかったのは予選落ちした投者本人だったであろう

ライト:しかも落ちたの例の投者なのかよ。メインイベント時に不在だったにもかかわらず『リアルに吐く人』に思い出深さで勝ったって。
    …と、だいぶ脱線したが昼食時にもいろいろあるな。仲良くおかずを交換する子たちもいれば、
    箸を忘れたりメインのおかずを落っことして涙目になる子がいたり、あるいは強い風で砂埃やなんかを被ったり…

レフト:落っことしたおにぎりを追い掛けてネズミの穴に落ちたり

ライト:『おむすびころりん』かよ。少なくとも富士山の頂上付近でそれはないだろう。……いや、それ以外の場所でもねえよ
    あとは自由時間でも、いわゆる“いい子”にして見学やら体験やらしてればいいが、アスレチックではしゃぎ過ぎて怪我したり、
    「さわってはいけません」と書かれている展示品に触って叱られたり、大抵1人くらいはやらかす子がいるんだよな。
    で、特にありがちなのが迷子になって集合時間になっても戻ってこないパターン。
    それでも全員揃って帰路につければだいぶ心も軽くなるがな。山登りをした時も駐車場までの下りは
    ロープウェイ使用だったから徒歩遠足の帰りよりも楽だったし、バスが出発すればあとは運転手任せで一安心だ

レフト:小生は帰りのバスまでの道のりもひたすら徒歩でちっとも楽ではなかったぞ。それと右者、急に話が“巻き”に入ってないか?

ライト:そりゃ富士山なら帰りもそうなるだろうよ。それと誰のせいで尺が押してると思ってるんだ

レフト:それは申し訳ない。小生も話を進めるのに協力しよう。
    帰り道でよくある困り者といえば「トイレ行きたい!」と言い出す輩だな

ライト:それには同感だな。帰りのバス出発前や高速のパーキングエリアに寄った時に再三、用を足しておくよう
    言われたにもかかわらず、出発したり渋滞にはまったりしてから「漏れる〜!」なんて言い出す子がいるんだよな。
    俺の参加した遠足でも、仕方なく急遽予定にないパーキングエリアに寄ったことがあった

レフト:小生のバスは投者がそのパターンをやらかした結果、パーキングエリアで45分間待たされた

ライト:これが『投者45分伝説』かよ。いくらなんでもかかり過ぎだろう

レフト:なんでも緊張のあまり出そうだったものが出なくなってしまったらしくてな。
    そこで投者は翌年からコーラックを持っていくようになった

ライト:…コーラックを「持ってく必要ねえよ」と言ったことに関しては取り下げるわ。
    あと、帰りの車中の定番といえば天井部に設置されたモニターで流してくれるビデオだな。
    大抵アニメだが、劇場版を流すもんだから「いよいよクライマックス」ってところでバスガイドが
    「はい、ではもうすぐ到着するのでここで止めまーす」って降車前後の注意事項説明するため止めやがるんだよ。
    あれは子どもながらに感じる理不尽さの中でかなり上位だ

レフト:そこで気に入らなさゆえにバスガイドにコーラックを投げつけたりしてな

ライト:なんだそのちょっとしたファンシーな豆まきみたいな光景。…というか薬をおもちゃにするな

レフト:しかし1年生の時だけは時間に余裕を持って最後まで鑑賞することができた

ライト:まさかの『投者45分伝説』による恩恵。
    …で、無事学校に到着して降りたあと、校庭に整列させられて校長が遠足の総括を述べ、最後にこう言うわけだ

レフト:「『いい加減にしろ』と言われるまでが漫才です」

ライト:「家に帰るまでが遠足です」だろうが。いい加減にしろ

予選総合第24位(準決勝敗退) エルトアール
審査員
点数
64 64 52 58 54 73 得点60.83
得票1票
【審査員コメント】
・タイムスリップ出来るならいきなりの「コーラックシーズン」に噴いてしまった自分を蹴っ飛ばしたいです。
 「喘息が流行」「アレルゲンおじさん」「消費税29900%」など、一撃必殺クラスのボケが多く、
 ツッコミもひとつひとつのフレーズが練り込まれていて本気を感じました。面白かったです。
 ただ、ツッコミの量に対して遠足の情景に対する説明が多く、読みにくくなってしまっていた感は否めません。
 説明部分をもう少し簡潔にしてテンポを良くした方が、イカれたボケがよりいっそう活きるんじゃないでしょうか。
 また、使い捨てのキラーフレーズが多く見られたので、フレーズの天丼をもっと増やしてもいいかもしれません。
 しかし相変わらずエルトアールは底が見えない。マジで誰なんだ。
   
・レフト:小生は遠足というと投者との思い出が特に深い。『投者45分伝説』は一生忘れることはないだろう
 ライト:一体そいつは何をやらかしたんだ。
     …まあそれはさておき、
 >投者の話スルーするんかい!!
 
 ボケもシンプルで良いもの多くて面白かったです。
 二人のキャラというか口調というか、なんか演説みたいでしたね。はっきりとマイナスってわけじゃないんですが、ツッコミの話題転換はすごい強引に感じました。
   
・面白い、というよりは、面白いはず、って感じでした。
 丁寧過ぎるやりとりの中にバカバカしいボケが放りこまれる感じは緩急を生んでいてとてもいいはずなんですが、
 それを加算してもやはり丁寧過ぎるような気がします。
 もっと言えば、割と長めな文章にも関わらず、「読ませる文章」になっていない気がします。
 「読める文章」ではあるんですが、この造りでやっていきたいならもっと文章力が欲しい気がします。
 せっかくボケのクオリティは高いのに勿体ないなぁ、と思います。面白い人の覆面な気がするんでいいんですけど。
   
・100行ちょうどかつ長台詞多めでだいぶボリュームのあるネタでしたね。
 長台詞のおかげでメリハリがついて、ジャックポットや生活水準など面白い部分が光ってますが それにしてもやり過ぎかなと思います。完成度は高いですが。
 しれっと投者や捕者を登場させてるのは好きですぞ中者
   
・非常に堅実な運びの漫才だと思いんした。
 序盤のボケも後半に回収している辺りつくりの精密さがうかがえます。
 ただ、笑いにつながっているかどうかと言うと微妙でした。
 クイズ番組の例えがあんまり伝わらなかったです。
 オチが綺麗に決まっていたと思います。
   
・ベタの1歩先を行ったようなボケがちらほら見られて面白かったです。
 ただ全体的に右者さんのフリが長かった分、流れがリセットされやすく、せっかくのボケが繋がっていきにくかったのが惜しいかなぁと。
 比較的重厚感のあるネタでしたが、その上でテンポとか読みやすさとか引き込まれる感が出せるとさらに良いのかなぁと思いました。