町賀:町賀香菜です
志久:志久ミエルです。街が悲しく見えるです。よろしくお願いします
町賀:漫才ではベタかもしれないけど川で溺れる少年を助けるのってかっこいいよね
志久:確かにかっこいいね
町賀:ここでやってもいい?
志久:別に止めはしないよ
町賀:じゃあミエルちゃんが溺れている少年見つけて。その後私が助けるから
志久:分かった。あ、川で少年が溺れてる!
町賀:ちょっと待って、判断が早過ぎやしない?
志久:えっ、どういうこと?
町賀:少年が溺れている場所は川に見えるかもしれないけど、確証が無いのに川と言い切っていいんでしょうか?
志久:そここだわるの?
町賀:私最初に「川で溺れる少年を助ける」って言ったけど
志久:溺れていればどこでもいいでしょうが
町賀:でも、さすがに泥沼とか氾濫原では助けたくないよ
志久:氾濫原はよく分からないけど字面的には入りたくないよね
町賀:まずミエルちゃんには、そこが川であることを証明してもらいたいの
志久:証明って何すればいいの?
町賀:定義として地上に降った雨を下流に流す為の水路が川だから海に繋がっていれば川、陸に囲まれていたら池もしくは沼だよ
だから少年が溺れている場所の外周を回ってきた後に川だと宣言してもらえる?
志久:外周回ってくる間に少年が溺れ死ぬと思うんだけど
町賀:外周回ってくる間に溺れ死なないタイプの少年が溺れればいいんだよ
志久:いねえよ。そんな奴いたら川の中にいても助ける必要ないでしょ
町賀:じゃあ先に外周を回って、川と証明された場所で少年が溺れればいいんだよ。とりあえず走ってきてよ
志久:分かった。えっほえっほ、えっほえっほ、えっほえっほ・・・・・・。海だ
えっほえっほ、えっほえっほ、えっほえっほ。香菜、海に繋がってたから川だよ
町賀:あのさぁ、ミエルちゃんが走っているときに思ったんだけどグーグルアースで調べればすぐ分かるよね
志久:それ早く言ってもらえる
町賀:まだミエルちゃんの背中が確認できる頃に気付いたよ
志久:走り始めじゃないの。直ちに止めろよ
町賀:ミエルちゃんが走っている間、溺れる者に藁投げて本当に掴むかどうか実験してたよ
志久:鬼畜かお前
町賀:とりあえず今度は、川と思わしき場所で溺れている少年を見付けたらグーグルアースで確認してね
志久:分かった。あ、川と思わしき場所で少年が溺れてる!
グーグルアースによるとこの場所は・・・川だ。さぁ、少年助けて
町賀:判断が早過ぎやしない?
志久:私はちゃんとグーグルアースで確認したよ
町賀:そうじゃなくて、溺れている人物が少年に見えるかもしれないけど、確証が無いのに少年と言い切っていいんでしょうか?
志久:えっ、そこも確証必要なの?
町賀:ボーイッシュな少女という可能性もあるよ
志久:可能性として低いでしょ
町賀:私は「川で溺れる少年を助ける」というベタな設定をやりたいの
川であることが証明されたら、次は溺れている少年と思わしき人物の下半身を脱がすよ
志久:性別確認の為だけに露出させるな
町賀:そうでなきゃちんちんの有無は確認できない
志久:香菜の行動そのものがかなりベタから逸脱してるんだけど
町賀:もしボーイッシュな少女の場合私は怒りのあまり少女の女性器に結構強めに指を突っ込んだ後、放置してその場から立ち去るよ
志久:少女であるだけで行動が鬼畜だな。少年であることにこだわり過ぎだろ
町賀:よし、もう一回やろう
志久:分かった。あ、(さっきグーグルアースで確認済みの)川で少年と思わしき人物が溺れてる!
町賀:(ザバーン) (ぬがしぬがし)
志久:香菜にとってはこれがベタらしいです
町賀:ちんちん!!
志久:ベタの為なら恥も捨てるのか
町賀:よし、助け・・・・・・しまった
志久:どうかした?
町賀:ちんちんの有無だけで少年と判断していいんでしょうか?
志久:充分確証あるでしょ
町賀:もしかしたら性転換した元女かもしれない。だから少年と思われる人物の戸籍謄本を確認しよう
志久:性転換した元女とか稀過ぎるよ。というか役場まで行って確認してる間に溺れ死ぬよね
町賀:それなら川の近くに役場庁舎を移転させましょう。これなら川と役場を往復する時間を短縮できるよ
志久:川で溺れる少年を助けるのにそこまでするのかよ。もう香菜の出す案に理解が追い付けなくなってきた
町賀:じゃあ、この後どうするか分かりやすく纏めるね
@川の近くに役場庁舎を移転する
Aミエルちゃんが溺れている少年らしき人物を見つける
B私が少年らしき人物の名前を聞く
C役所で戸籍謄本を見て男だった場合
Dちんちんを助ける
志久:最終的に助けるの男性器になってるじゃねえか
町賀:とりあえずやってみるね
すみません、この役場庁舎なんですけどノーパンしゃぶしゃぶの店をやりたいので移転してもらえますか?
志久:お前そんなに下半身の露出が好きなのか
町賀:あ、OKですか
志久:どうしてそれで了承もらえるんだよ
町賀:私自身も下半身を露出して頼み込んだ甲斐がありました
志久:ただの変態じゃねえか。それで了承する役場の奴らも酷いけど
町賀:さぁ、早く見つけてよ
志久:あ、(さっきグーグルアースで確認済みの)川で少年と思わしき人物が溺れてる!
町賀:(ザバーン)
君、名前は? △△××っていうんだね。ちょっと役場に行ってくるよ
志久:少年と思わしき人物、死なないように頑張れー
町賀:すみません、△△××さんの戸籍謄本見たいんですけど。あ、水浸しで役場に来てすみません
志久:それは謝るべきことだね
町賀:あぁ、そうですか。じゃあ川に行こうっと
(ザバーン)
志久:お、遂に助けるか
町賀:ねぇ△△××、名前の漢字ってどう書くの?
志久:確認できなかったのかよ
町賀:『とう』は藤じゃなくて東なんだぁ〜。私と一緒だね
志久:そんな会話してないでさっさと助けろ。あと町賀香菜って名前に藤も東も入ってないだろ
町賀:どうも役場の方、再び水浸しにしてすみません
あ、そうです。この間の露出狂です
志久:悪い意味で名前が知れてるじゃないの
町賀:△△××さんの戸籍謄本はこれですか。男ですね。ありがとうございます
(ザバーン) これでちんちんがあれば間違いなく少年だね。 (ぬがしぬがし)
志久:今までのやりとり的にただ変態が脱がしてるだけだよね
町賀:ちんちん!! よし、ちんちんがあるから助けるよ
志久:どの漫才師もここまで来るのにこんなに行数かからないのにどうしてこうなった
町賀:よし、助けたよ
志久:次は意識の有無の確認だね
町賀:でも私、この後については興味無いんだけど
志久:やってよ。その後までやらないと助けたことにならないよ
町賀:じゃあ川の近くに病院も移転させましょう
志久:病院もかよ。もういいよ
二人:どうも、ありがとうございました
歌姫:ごきげんよう! 六川歌姫ですわ!
寛子:ちゃりおっつ(挨拶)、七瀬寛子ですよ。
歌姫:さっそくですけれど寛子さん! 今、世間ではソーシャルゲームとかいうものが流行っていますわよね。
寛子:そうだねえ。
歌姫:『かんぱに☆ガールズ』、『プリンセスフィールド』、『麻雀 of Walkure』……
寛子:ピンと来ねえよ。なんでそんなラインナップを例として出すんだよ。
例えばもっといろいろあるだろほら、『艦隊これくしょん』とか『アイドルマスターシンデレラガールズ』とか。
歌姫:『サンシャイン牧場』ですとか!
寛子:懐かしいな。5年ぐらい前に友だちがやってたような気がしないでもないわ。
歌姫:まあ、そんな感じでいろいろソーシャルゲーム略してゲームがいろいろあるわけじゃないですか
寛子:略したらものすごいざっくりしたな。お母さんの分類かよ。
歌姫:ですからわたくし、お金持ちを集めるソーシャルゲームを作ってみたんですのよ。
寛子:わあ、つまんなそう。
歌姫:タイトルは『お金持ちこれくしょん』、略して『億ション』ですわ。
寛子:それだと別の意味を持ってるけれど、いいのかそれで。
歌姫:ごきげんよう、資産家の皆さん。
お金持ちをたくさん支配下に入れて宇宙一のお金持ちを目指すゲーム、『億ション』の世界へようこそ!
寛子:有無を言わさず始まったし。説明を聞いてもまったく意味が分からないし。『億ション』が正式な略称として採用されてるし。
歌姫:申し遅れました。わたくし、宇宙一のお金持ちの六川歌姫です。
寛子:お前がトップなんかい。
歌姫:これから皆さんと一緒にチュートリアルを進めていこうと思います。
最後までプレイしていただければ、素敵なレアカードが手に入りますわよ!
寛子:そこはよそのソシャゲと変わらないんだな。
歌姫:まずは何はともあれ、カードを手に入れなければなりません。
なので、まずは自分が最初に手にするカードを選ぶことができますわ。
寛子:なるほど。
歌姫:三井住友VISAカード、楽天カード、セゾンカード、イオンカードから選んでくださいな。
寛子:カードってクレジットカードかよ。
歌姫:お金持ちは何をするにもクレジットカードを持っていなければ意味がありませんわ。
寛子:聞きたくねえわそんな話。
歌姫:それぞれのカードの特徴を説明いたしますわね。
楽天カードは年会費永年無料、セゾンカードはポイント有効期限無し、イオンカードはポイント2重取り可能となっていますわ。
寛子:本当のカードの特徴じゃねえか。強い弱いはねえのかよ。
歌姫:ぶつくさ言ってないで、早くカードをお選びなさいな。
寛子:うるせえな。じゃあ、三井住友VISAカードでいいよ。
歌姫:ではこのクレジットカードを使って、お金持ちカードを手に入れに行きましょう。
寛子:このワンクッションなんだったんだよ。
歌姫:お金持ちカードはガチャをまわすことにより手に入りますわ。
寛子:さっきからさらっと言ってっけど、お金持ちカードって不思議ワード何なんだよ。
歌姫:お金持ちカードはお金持ちを自らの支配下に入れることの出来る、カードですわ。
世界一のお金持ちになるためには絶対に集めなければならない重要なカードなのですわ。
寛子:死ぬほど意味が分からないけど、とりあえず集めさせたいんだなってことだけはわかった。
歌姫:ガチャにはノーマルお金持ちばかりの入ったノーマルガチャと、凄いお金持ちばかりの入ったゴールドガチャがあります。
寛子:ノーマルお金持ちって、例えば誰だよ。
歌姫:山田隆夫さんとかですわ。
寛子:あー。納得しちまった。
歌姫:ゴールドガチャにはわたくしとかが入ってますわ。
寛子:しれっと。
歌姫:ゴールドガチャは課金をすることで引くことができますわ。
寛子:なんだろう。普通のことを言ってるだけのはずなのに、お金持ちがテーマのゲームでこういわれると、
ソシャゲの世界の資本主義感が浮き彫りになるな。
歌姫:課金をするためには、モバコインの購入が必要ですの。
寛子:モバゲーから配信されてたのかこのゲーム。
歌姫:ゴールドガチャ1回まわすのに対し、必要モバコインは10万モバコインですわ。
寛子:おっ、クソゲー。
歌姫:さあ、それではさっそくゴールドガチャを引いてみましょう!
ちなみに先ほど手に入れたクレジットカードを使えば、いくらでも好きなようにカードを引きまくることができますわ!
寛子:そう見えてるだけで裏では口座からやべえ額の金が引き落とされてるんだろ。
歌姫:おっ、このカードは!
寛子:有無を言わさず引かされちゃったよ。10万モバコインあったら何ができたかなー。
歌姫:おめでとうございます! Sレアカードの『ピュアぞー』が手に入りましたわ!
寛子:誰だよ。そのくそだせえ名前のやつはよ。
歌姫:これは山田ルイ53世さんの以前の名前ですわね。
寛子:山田ルイ53世の以前の名前かよ。
歌姫:たぶん、幼名か何かかと。
寛子:旧芸名だろ。
歌姫:とにかくSレアですわよ、Sレア! お金持ちパワーは7万AZですわ!
寛子:知らない単位で知らないパワーを説明すんなよ。なんだよ、AZってよ。なにかの略か?
歌姫:『ある(A)、銭(Z)』、ですわ。
寛子:ワールドワイド感ゼロかよ。
歌姫:さあ、カードが手に入ったらさっそく対戦ですわ! 今日はお試しとして、わたくしのデッキと対戦してみましょう。
寛子:お金持ちでデッキを組んで戦わせるとか、どんどんわけがわからなくなってくるな。
歌姫:寛子さんはピュアぞーさんしかカードがありませんので、ピュアぞーさんだけのデッキとなります。
寛子:せめてひぐちくんをくれよ。
歌姫:ノーマルガチャを引いてくださいね。
寛子:入ってんのかよ、ひぐちくん。ひぐちカッターでいくら稼いでんだよ。
歌姫:ではわたくしのデッキです。まずリーダーカードがビル・ゲイツ。
寛子:初心者相手に手加減する気なしかよ。
歌姫:続いてフロントカードにカルロス・スリム、ウォーレン・バフェット、アマンシオ・オルテガ……。
寛子:誰だよ。知らねえけど、なんかガチ感がすげえよ。
歌姫:そして、孫正義。
寛子:オチまでつけられるのかよ、金持ち軍団は。
歌姫:それでは、さっそくぅ……お金持ちバトルぅー、スタートぉ! わたくしの勝ちぃー!
寛子:瞬殺されてるよ、ピュアぞー。
歌姫:残念ながら負けてしまいましたわね、寛子さん。でも、落胆しないでくださいな!
寛子:なんだよ。今度は何があるんだよ。
歌姫:同じお金持ちを合成して、より強いお金持ちにすることができるんです。
寛子:いよいよこのゲームのお金持ちどうなってんだよ。
歌姫:それではさっそく合成を試してみましょう! 今日は特別に、ピュアぞーをもう一枚差し上げます!
これでお金持ちを強化してみてください!
寛子:ええい、やりゃあいいんだろ。ほら、強化強化。どうなるんだよ。
歌姫:ゴー☆ジャスになりましたわ。
寛子:ゴー☆ジャスになったのかよ。
歌姫:ファンタスティック!ですわね。
寛子:殺すぞ。
歌姫:これで寛子さんのデッキも少し強くなりましたわ。
寛子:ていうかゴー☆ジャスって、名前こそゴージャスだけど、設定は泣く子も黙る宇宙海賊だろ。お金持ち要素むしろ減ってねえか?
歌姫:さあ、チュートリアルもいよいよ最後となりましたわ!
寛子:聞けよ。
歌姫:チュートリアル中だから他の操作をしても反応しませんわー。
寛子:さっきまでは普通に会話成り立ってただろ。
歌姫:それでは最後までチュートリアルをプレイしてくださった寛子さんには、レアお金持ちを差し上げますわ。
寛子:おう、誰くれるんだよ。
歌姫:叶晴栄さんを。
寛子:それ、叶姉妹の暗黒史じゃねえか。もういいよ、こんなクソゲー、二度とログインしねえよ。
歌姫:あ、明日のログインボーナスでは、落合福嗣くんがもらえますわよ!
寛子:いるか! というわけで、寛子と、
歌姫:歌姫の、
2人:単なる雑談、おしまい。ありがとうございました。
審査員 点数 |
53 | 69 | 65 | 60 | 67 | 82 | 得点65.00 (減点−1点込) |
得票4票 |
【審査員コメント】 ・「せめてひぐちくんをくれよ」なんかわかんないけどめちゃクソハマりました。 相変わらずキャラの魅せ方は一級品ですし、「モバゲーから配信」「ガチ感がすげぇ」など 意表を突くフレーズもあったのですが、全体的に見ると突き抜けたものがなかったかなと。 決してつまらなくはないのですが、「安定」の域を出てないと言いますか、綺麗にまとまりすぎていた印象です。 ゲーム内容もほぼカード説明だけだったため、ゲームの世界観やバトルシステム、育成など掘り下げて欲しかったです。 歌姫さんの宇宙一のお金持ち設定も広げ甲斐のある設定でしたし、もっと暴れられたと思います。 出来が良かっただけに「惜しい」という感想が強く残りました。「せめてひぐちくんをくれよ」はめちゃクソ面白かったです。 ・歌姫:これは山田ルイ53世さんの以前の名前ですわね。 寛子:山田ルイ53世の以前の名前かよ。 >いやこのツッコミ面白いな。 すげえしっかりした漫才で良かったんですけど、いまいちインパクトに欠けるかな、と思いました。 出てくる固有名詞の強さはよかったです。 ・寛子さんってここまであっさりした人でしたっけ?w 「クレジットカード」とか「山田隆夫」とか、面白かったです。でもどうしても薄味なネタな気がしました。 この雰囲気、この速度でやるならこちらも150行くらいは欲しかった気がします。 これからってところで終わった、って感じでは無かったですが、もうちょっと見たかった、という感じです。 ・ゴー☆ジャスになるとは笑 なかなかに有名人の出し方がうまかったですが、それだけのネタにだいぶ寄っていたかなと。 今回のMM-1に限ればあまり有名人の名前を見なかったので方向性は全然カブってなくて面白かったですけどね。 ・有りそうでなかった題材で、新しい物を見れたと思います。 「せめてひぐちくんをくれよ」が個人的に面白かったです。 ただそれ以外だと淡白過ぎてネタに何とも言えない物足りなさが残りました。 温度差でインパクトを残すほどボケのテンションも高くないし、消化不良な感じです。 ・ソシャゲが題材の漫才も今まであまりなかったですが、さらにこのコンビならではの活かし方をしてきたのが良いですね。 「ノーマルお金持ち」としての「山田隆夫」、「ピュアぞー」「ゴー☆ジャス」「落合福嗣くん」など、有名人のチョイスも絶妙でした。 「ゴー☆ジャスになったのかよ」など、いくらなんでもシンプル過ぎるツッコミも逆に良かったです。 ただ、発想以外の部分は全体的に普通ぐらいだったかなぁ、と。 「お金持ちを合成」が異常にヤバいボケなので、難しそうですがそのあたりとかもっと上手く生かせるとさらに良かったかなぁと。
啓介:はいどーもー!! ミルキーケース騎士団です、よろしくお願いしまーす!!
ミル:………。(機能性の薄い露出度高めの甲冑を纏って登場)
啓介:つーわけでね、現代人の啓介と、ファンタジー世界からやってきた女騎士のミルさんとで漫才やらしてもらってますけどもー。
ミル:……くっ、殺せ!!
啓介:どうしたどうしたどうしたどうしたどうした!?
何がどうした相方さんよ、開口一番自殺宣言する漫才師見たことねぇぞ!?
ミル:緊張し過ぎて、バミリの位置から若干ズレたところに立ってしまった……殺せ!!
啓介:死ぬこたぁねぇよ! それしきのおっちょこちょいごとき死んで償うこたぁねぇよ!
ミル:立ち位置を間違えるなど騎士の名折れ!! さぁ殺せ、さぁさぁ殺せ!!
啓介:死に対して積極的すぎるわ!! この程度のミスで折れるとか、騎士の名ぺらっぺらだな!!
ミル:私の顔面にアツアツの黒蜜を塗りたくったあげく、ヤギとキスさせてから殺せ!!
啓介:何の刑罰だ!! なんでプラスアルファのペナルティを求めてんだよ!
ミルさん、死ななくていいから。漫才開始数秒で死にたがるとかロケットスタートが過ぎるよ。
ミル:す、すまない、取り乱してしまったな……。
あとでお詫びに、お湯をかけられたゴブリンのモノマネをしてやろう。
啓介:いらねぇよ! 元ネタがこの世にないモノマネされても困るだけだよ!
ミル:あの女騎士界隈随一の仏頂面、『デスマスクのメーテル』が噴き出したほどのクオリティだぞ?
啓介:どこの誰だよ!! 異名の格好よさと裏腹に由来がしょうもないソイツ誰だよ!!
ミル:何はともあれ、頑張って漫才して客人達を笑わせよう!
私は博多華丸・大吉さんのような漫才師になるために、こっちの世界にワープしてきたんだ!!
啓介:芸風が違いすぎるだろ! 華大さんツカミで死にたがらねえよ!
ミル:いやはや! それにしても今日は、黒豚の化物を単騎で撃破出来そうな客人が多いな!
啓介:聞いたことない客いじりだ!! それ言われたお客さんも喜べばいいのか!?
ミル:撃破出来る、撃破出来る、ひとり飛ばして撃破出来る。
飛ばされた貴様は豚のエサだ!! 丸太を1000回素振りして出直してこい!!
啓介:何てこと言うんだ! なんで笑いに来たのに急に特訓メニュー組まれなきゃなんねぇんだ!!
ミル:ハッ! し、しまった……新人女騎士歓迎会のノリで客人をいじってしまった……!!
啓介:歓迎会とかあんの!? 想像以上に女騎士の世界って和気藹々としてんな!?
ミル:女騎士界隈随一のドM、『黒薔薇のイザヴェリ』をいじる感覚で客人をいじってしまった……!!
啓介:ソイツ騎士に向いてなくね!? また異名がやたら格好いいのがムカつく!!
ミル:よりにもよって客人を豚のエサ扱いしてしまうなど女騎士の名折れ!! くっ、殺せ!!
啓介:またかよ! 女騎士の誇りがどうのこうのじゃなくて単純にミスが多いわ!!
ミル:私の全身にアリを這わせた後にアリクイに食べさせ、ヤギとキスさせてから殺せ!!
啓介:だから何なのその独特の処刑! なんで必ずヤギとキスさせんの!?
ミル:殺したくないなら最悪ヤギとキスさせるだけでも構わない! キスさせろ!
啓介:もうただの特殊性癖じゃねぇか!! ただのアブノーマルプレイの要求じゃねぇか!!
ミル:出来ればオスのヤギがいい。欲を言えば黒ヤギで、交尾を2回以上経験したことのある……。
啓介:うるせぇし怖ぇよ!! フェチを前面に出してくんじゃねぇよ!!
頼むから真面目に漫才しようぜ……冒頭から2回も死に急ぐ漫才ってどこに需要があるんだよ……。
ミル:女騎士の誇りが傷つくくらいであれば、私は喜んで死を選ぶ!!(キリッ)
啓介:誇りが傷つくハードルが低すぎるんだよ!! ヤギとキスしたがってる時点で誇りもクソもねぇよ!!
ミル:そうは言うが啓介だって、ツッコミの誇りが傷つくくらいなら死を選ぶだろう?
啓介:選ばねえよ!! まずツッコミの誇りって何ぞやって話だよ!
ミル:漫才始まって立ち位置ついて、センターマイクの高さがイマイチしっくり来なくて「くっ、殺せ!!」
啓介:言わねぇよ!! 高さがしっくり来なかったら普通にマイク上げ下げ調整するわ!!
ミル:「首から下を腐った野菜に埋めて、ロバとキスさせてから殺せ!!」
啓介:プラスアルファ処刑やめろ! 普通に殺されたいわ、いや殺されたくないけどよ!!
ミル:「出来ればメスのロバで、欲を言えば白いロバで交尾は未経験……」
啓介:こだわりねぇよ!! 一生ロバとキスしてやんねぇからな、ロケ来ても断るからな!!
ミル:まぁ自ら死を選ばないにしろ、啓介の方が私より先に死ぬ可能性もあるだろう?
啓介:まぁ、それはそうだけど。すぐ殺せ殺せヤギとキス言うやつに言われたくはないけど。
ミル:ある日突然ゴブリンに教われて死ぬかもしれないし、デビルマジシャンに人形に変えられて死ぬかもしれないし。
啓介:ソイツらこっちの世界にいないから大丈夫だよ! なんだデビルマジシャンって、怖っ!!
ミル:だからお前が私より先に死んだ時のために、私はお前の葬式で読む弔辞を考えてきたんだ。
啓介:余計なお世話だよ。散々死にたがっておいて俺が先に死ぬ前提の準備されてもよ。
ミル:そんなことは言わず、とりあえず聞いてみてはくれないか?
いいだろう? 聞かないのであれば殺せ。
啓介:選択の余地ねぇ! コイツ自らを人質に取りやがった!!
わかったよ、変な弔辞されたら死んでも死にきれないし。今のうちに確認させてくれよ。
ミル:おお、ありがたい。後でお礼にすねを強打したゴブリンのモノマネをしてやろう。
啓介:お礼になってねぇよ! やるならちゃんと読めよ、俺は霊体になったつもりで聞いてるから。
ミル:心得た。コホン、あーあー……ころせー、せー、せーせー……。
啓介:なんつう言葉を発声練習に使ってんだ。公園とかでネタ練習できねぇな。
ミル:よし、それでは……。
「皆の者。本日は亡き相方のために集まって頂き、心より感謝つかまつる」
啓介:堅ぇなオイ。「皆の者」から始まる弔辞とか史上初だろコレ。
ミル:「いやはや、それにしても今日はデビルマジシャンの魔術を跳ね返せそうな客人が多いな!!」
啓介:何客いじりしてんだ!! 何デビルマジシャン再登場させてんだ!!
ミル:「端から跳ね返せる、跳ね返せる、ひとり飛ばして跳ね返せる。
飛ばされた貴様は木偶人形だ!! 今すぐ聖なる森で修業してマジックシールドを身につけてこい!!」
啓介:やめろやめろぉぉぉっ!!! 流石にこんな暴挙されたら死んでる場合じゃねぇぜ!!
ミル:な、なんだいきなり!? さては私を殺すつもりなのだな、そうなのだな!?(わくわく)
啓介:なんで殺されることに期待してんだ!! サイコパスじゃねぇか!!
お前、葬式で参列客いじるのは絶対やっちゃダメ!! 何ツカミでひと笑いとりにいってんだ!!
ミル:そ、そうか、私はなんて罰当たりなことを……くっ、殺せ!!
啓介:それも絶対言うなよ!? 人が死んでる場所で殺されたがるのはマナー違反だからな!?
もうそこのくだりは飛ばしていいから。弔辞の本文に入って。
ミル:心得た。
「見てるか啓介? 今日は葬式だから、いつもより露出の少ない甲冑を着てきたぞ」
啓介:喪服着ろよ。葬式で甲冑ガシャンガシャン言わせてたら坊主のお経に影響出るだろ。
ミル:「まさかお前が、ツッコミの誇りを傷つけられて死を選ぶとはな……」
啓介:あ、俺結局それで死んだんだ。参ったなー、死ぬなら老衰か巨乳による圧死って決めてたんだけどなー。
ミル:今でも思い出す。お前の渾身のモノマネ「芋を食うゴブリン」がスベった直後の「くっ、殺せ!!」を。
啓介:俺のレパートリーにねぇよ! そりゃ死にたくなるほどスベりそうだわな!!
ミル:「あのあとお前は両手両足を麻縄で縛りつけ、砂利の上でのたうち回りながらロバとキスをしていたな……」
啓介:異常すぎるよ。弔問客の顔色が気になるよ、みんな白目剥いてんだろうな。
ミル:「私はそれを見ながらヤギとキスをしていたな……」
啓介:何やってんだよ!! お前死ぬとか関係なくただただ性癖を満足させただけじゃねぇかよ!!
ミル:「まさか私がヤギとのキスに夢中になっている間に、お前がロバごと暴走トラックに轢かれるなんて……」
啓介:事故じゃねぇか!! 俺自ら死を選んでねぇじゃねぇか、プレイ中の事故じゃねぇか!!
ミル:「どうだ? ロバと一緒に入る棺桶の中は」
啓介:なんでロバと一緒に詰められてんだよ!! ロバの葬式も兼ねてんの!?
ミル:「今日はお前の遺言通り、参列者ひとりひとりにロバを連れてきてもらったぞ」
啓介:俺イカれてんだろ!! 葬式会場ロバの臭いでエラいことになってんじゃねぇの!?
ミル:「そんなことより啓介、覚えているか? 私達がはじめてMM−1に出た時のことを」
啓介:あ、今まさにの話!? ちょっと時間軸がよくわかんないことになってるんだけど!!
ミル:「あの時、何度も人生に絶望して本気で死のうとしていた私を、お前は止めてくれたな」
啓介:え、「くっ、殺せ!」って本気で死のうとしてたの!? 本気の絶望をブリッジ間隔で繰り出してたの!?
ミル:「お前の『それしきのおっちょこちょいごとき死んで償うこたぁねぇよ』の言葉に、私が何度救われたか」
啓介:何に救われてんだ! 特に手応えもない軽いツッコミが心の支えになってたのか!!
ミル:「あと、覚えているか? コカトリスの丘で数百体のカエルの化物と対峙した時のことを」
啓介:覚えてないってか知らねえよ!! こっちの世界の出来事じゃねぇもん!!
ミル:「あの時はカエルが出す毒粘液を、イザヴェリがわざと浴びにいっててんやわんやだったな」
啓介:ドMの黒薔薇!! なんで葬儀でまったく知らない人の性癖聞かされなきゃなんないんだ!!
ミル:「そんなイザヴェリから弔電が届いているので後で読ませてもらう」
啓介:どういうこと!? 別世界からどうやって弔電送ってきたの!? 電報局はどれだけ優秀なの!?
ミル:「しかし思い出すな……カエルをバッサバサと斬り倒していく私達……しかしイザヴェリが捕まり……。
私達の甲冑も毒粘液で溶かされ、組伏せられ、屈辱にまみれ……くっ、殺せ!!」
啓介:思いだし殺せ発動してんじゃねぇよ!! やめだやめだ、こんな弔辞で成仏出来るかってんだ!!
ミル:お、怒ってるのか啓介!? マイクで殴っていいぞ、確か近くにヤギのいる施設があったぞ!?(わくわく)
啓介:殺さねぇしヤギともキスさせねぇよ!! なんだヤギのいる施設って、本当にあんのか!!
何だよ、結局ずっと殺されたがって漫才ムチャクチャじゃねぇか! どうやってオチつけるんだよ!
ミル:……………………くっ、オトせ!!
啓介:自分でオトせ!! いいかげんにしろ!!
ミル:ご清聴、心より感謝つかまつる!!
土方:はいどうも、茨木からの刺客です。
土屋:今日は綺麗なお客さんが多いですね!
前列左端のお客さんから、便秘にはコーラック、便秘にはコーラックU、1人飛ばして便秘にはコーラックファイバー。
土方:便秘にはボラギノールだろ!
という訳で、的のド真ん中をがんがんツッコむ私が土方で、最近TSUTAYAの会員登録したことで有名なこっちが土屋です。
土屋:土方さん、ちょっと聞きたいことがあるんだけどさ、人って死んだらどうなると思う?
土方:そりゃあ死後の世界に行くに決まってんだろ。
土屋:死後の世界ってのはよく聞くあの、田楽と自業自得だよね。
土方:いや両方とも全然違うじゃねえかよ!
まず田楽じゃなくて味噌田楽な!味噌の付いてない田楽とか地獄かよ!
そして自業自得じゃなくてジジイが如く、な!
土屋:ごめんごめん、味噌田楽とジジイが如くだったね。
でさ、いつかは味噌田楽とかジジイが如くに行くことになる訳だし、いつ死んで急に行くことになるか分からないからさ、
生きてる内に準備とかいろいろしておきたいんだよね。
土方:まあ確かに何も準備せずに行くのは危ないな。
土屋:でも実際に何をしておけばいいのか分からないからさ、一緒に考えてもらえないかなと思ってさ。
土方:味噌田楽にもジジイが如くにも実際に行ったことある俺が教えてやろうか。
土屋:行ったことあるって、土方さん死んだことあるの!?
土方:死んで行ったこともあるけど大半は旅行で行ってるよ!
土屋:旅行って手があったか!
土方:夜行バスで行く日帰りのツアーが安くていいぞ。
土屋:じゃあ今度行ってみるよ。ありがとう土方さん、これで解決しそうだ。
土方:まあ実際に行ってみて学ぶのもいいけど、せっかくだし今ここで練習しとけよ。
行くだけだと気付かないこともあるだろうし、俺がレクチャーしてやるから。
土屋:いいの!?じゃあお願いするね!
土方:じゃあまずは味噌田楽からだな。
味噌田楽に行く上で注意しないといけないのはまず死ぬ時に空腹にしておくってことだな。
土屋:なるほど・・・でもいつ急に死ぬか分からないし常に空腹で過ごすっていうのもきつくないかな?
土方:満腹の時に死にそうになっても腹が減るまで粘ればいいだろ!
土屋:あっ!粘るって手があったか!
土方:死ぬギリギリまでカロリー消費に努めるといいぞ。
土屋:消費の良さそうな運動とかすればいいのか。
土方:あと、味噌田楽では味噌田楽が食べ放題っていうのは分かってると思うけど、ドリンクは有料だから気をつけとけよ。
土屋:なるほど、じゃあお金も持って行かないといけないな。
土方:飲み物に金使ったら味噌田楽に行く意味ないだろ!
タダで食べれるから味噌田楽だけでもいいやって思えるのにそこに金発生したらもうそんなの地獄じゃねえか!
土屋:確かに!じゃあ飲み物持って行けばいいのかな。
土方:いやわざわざ持っていかなくても「飲み物タダでください」って頼めばいいだろ!
土屋:あー、頼むっていう手があったか!土方さん賢いな!
土方:とまあ、味噌田楽の注意事項はそんなもんだな。
じゃあとりあえず死ぬところから実践してみようか。
土屋:よし、頑張ろう。
はー、もうお腹いっぱいだ。枝豆40粒も食べちゃったよ。
土方:貴様、わしが大事に育てて茹でてお金と引き換えに譲った枝豆を・・・許さん!枝豆の仇だ!(ダブルピース)
土屋:うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
死ぬうううううううううううううううううううううううううううううううううう!
死ぬよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ!(反復横跳び)
もうすぐ死ぬよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!(反復横跳び)
もうちょっとだけ粘るのでお待ちを下さいいいいいいいいいいいいいいいいいい!(短距離ダッシュ)
今にも息絶えてしまいそうだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!(ソーラン節)
長らくお待たせしましたお腹空きましたのでこの世の方退場させていただきます。(ゆっくり横になる)
土方:完璧じゃねえか!じゃあ死んで味噌田楽に行きましたと。
土屋:カランコロンカラーン
ここが味噌田楽かぁ・・・
土方:いやカランコロンカランてお前味噌田楽なんだと思ってんだよ!?
ウィーンだろ自動ドアのウィーン!入口手動とか地獄かよ!
土屋:あ、自動ドアとかちゃんと設備されてるのか!
土方:しかもあれだからな!?縦開きだからな!?目線ぐらいの高さから上下に開くからな!?
土屋:かっこいい!地球より進んでるよ!
土方:じゃあもう1回な。はい土屋は死んで味噌田楽に行きましたと。
土屋:ウィーン
ここが味噌田楽かぁ・・・
土方:いやウィーンからの入り早えよ!縦開きだから開き始めてそんなすぐ入れねえよ!
土屋:あっ、確かにそうだ
ウィーン
ここが味噌
土方:いや早い早い!全然まだまだだから!味噌田楽の入口の自動ドア開ききるのに3日ぐらいかかるから!
土屋:あれ?なんか普通の自動ドアよりほんのちょっとだけ長くない?
土方:いやゆっくりと開いて少しずつ中が見えていく様がかっこいいんだろ!
土屋:・・・確かに!うわ味噌田楽超進んでる!これ世のコンビニとかデパートとかガンガン取り入れていくべきやつだ!
土方:まあ俺が総理大臣になればありとあらゆるドアや窓なんかを全部味噌田楽式にするけどな。
土屋:・・・皆様!清き一票を!土方さんに清き一票、いやちょっとズルして清き五票ぐらいを!
土方:いや五票までやるとさすがに清くねえから三票ぐらいにしとけよ!
っと脇道に逸れたな。じゃあもう味噌田楽の入口通過して席に案内されましたと。
土屋:よーし、いっぱい食べるぞ!
すいません店員さん!味噌田楽ください!
土方:はい味噌田楽ですね。ご一緒に味噌田楽味のコーラはいかがですか?
土屋:いくらですか?
土方:1杯8000円になります。
土屋:・・・あの、タダ
土方:はい味噌田楽味コーラ無料で1杯ですねかしこまりました。
土屋:あっ、ちなみにそれに味噌とか付けられます?
土方:トッピングで別料金18000円となりますがよろしいですか?
土屋:・・・あの、
土方:はい味噌田楽コーラ無料で1杯、トッピング味噌無料でですねかしこまりましたー。
はい、終了。
土屋:どうだった!?
土方:いやダメすぎるだろ!
土屋:あれ!?うまくできたと思ったんだけど!?
土方:飲み物は味噌田楽100%ジュースってのがうまいからそれ頼まないとダメだろ!
土屋:うわなにそれ超美味しそう!おすすめを受け入れたのがまずかったか!
土方:そこ以外は完璧なんだけど、そこミスるようだと味噌田楽は行かない方がいいな。
土屋:ジジイが如くに懸けるかぁ・・・
土方:じゃあ次はジジイが如くな。
ジジイが如くに行く上で注意しておかないといけないのは、
見た目をジジイっぽくするためにも死ぬ時にある程度は歳を取っておかないといけないってことだな。
土屋:なるほどね。でも若いうちに死んじゃうかもしれないしそれだとどうしようもなくないかな。
土方:いやだから粘ればいいだろ!死にそうになっても年取ってジジイになるまで粘ればいいんだよ!
土屋:あっ!粘るって手があったか!
土方:死ぬギリギリまで老ける努力をするといいぞ。
土屋:老ける努力か・・・
土方:ジジイが如くではちょっとでもジジイっぽくないと判断されると射殺されるのは分かってるだろうし、
まああと言っといた方がいいのは、ぬれ煎餅は食べ放題だけどドリンクは有料だから気をつけろってとこな。
土屋:なるほど、じゃあお金も持って行かないといけないな。
土方:飲み物に金使ったらジジイが如くに行く意味ないだろ!
タダでぬれ煎餅が食べれるから射殺される危険があってもいいやって思えるのにそこに金発生したらもう地獄じゃねえか!
土屋:確かに!じゃあ飲み物持って行けばいいのかな。
土方:いやわざわざ持っていかなくても「飲み物タダでくださいワシジジイ」って頼めばいいだろ!
土屋:頼むなんて手があったのか!それは思いつかなかった!
土方:とまあ、ジジイが如くの注意事項はそんなもんだな。
じゃあとりあえず死ぬところから実践してみようか。
土屋:よし、頑張ろう。
はー、もう俺若すぎて唐揚げ定食に手出しちゃったよ。いやー若い若い。
土方:貴様、わしが大事に育てて絞めて揚げてご飯やサラダなんかと一緒にして良い感じにして、
そしてお金と引き換えに譲った鶏を・・・許さん!鶏の仇だ!(反復横跳び)
土屋:うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
死ぬうううううううううううううううううううううううううううううううううう!
死ぬよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ!(座禅)
もうすぐ死ぬよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!(座禅)
もうちょっとだけ粘るのでお待ちを下さいいいいいいいいいいいいいいいいいい!(じっと座禅)
今にも息絶えてしまいそうだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!(微動だにしない座禅)
長らくお待たせしましたお腹空きましたのでこの世の方退場させていただきます。(ゆっくり横になる)
土方:ここは完璧だな!じゃあ死んでジジイが如くに行きましたと。
土屋:ウィーン
ここがジジイが如くじゃて。
土方:いやジジイが如くの入口は自動ドアじゃねえよ!自動ドアはジジイに反応しねえだろ!普通にカランコロンカランでいいんだよ!
土屋:あっ、本当だ!ジジイが如くの入口は普通でいいんだな。
カランコロンカラーン
ここがジジイが如くじゃて。
土方:ようこそワシジジイ。
土屋:おおきに。では1つぬれ煎餅をおくれやす。ぬれ煎餅はん早くおいでやす。
あっ飲み物もおくれやす。ぬれ煎餅味のコーラ、いや、ぬれ煎餅100%ジュースを、タダでおくれやす。
さすらば拙者は喜びたまわるでござる。さあ早く持ってくるでござれやクソが。
土方:・・・いやお前の中のジジイ像どうなってんだよ!?そんなやつ射殺だよ射殺!
土屋:あれ!?ダメだった!?俺の中のジジイを絞り出してみたんだけど!?
土方:いやどう考えてもおかしいだろ!?なんで最初にテレビつけて相撲見ねえんだよ!?
土屋:ああ!一番のジジイポイント!
土方:言葉運びは完全なるジジイだったけどな、そこを忘れるようじゃダメだわ。
土屋:うーん、味噌田楽もジジイが如くも向いてないかぁ・・・
これは両方ともやめといた方がよさそうだな。
土方:いや、だったらどうするんだよ!?
土屋:生まれ変わる方向で考えてみるよ。
土方:いやTSUTAYA会員は生まれ変われない宿命だろ!もうお前はTSUTAYAで命レンタルでもして一生生きてろ!もう止め!
2人:どうもありがとうございました。
A: どうもー!「いわゆる概念系」です!それでは張り切って漫才して行きたいんですが
B: ちょっと思ったんだけどね
A: どうしたどうした、思いのたけはドーンとぶつけなさい
B: 身勝手なことをしたい
A: いきなり漠然とした願望だな。どういう身勝手なことをしたいのよ
B: 具体的には、自由に生きたいね
A: 具体的になってないよ!
わかった、こっちで状況を決めるから、それに合わせて身勝手に振る舞ってよ
B: そういう主導権を取ってくれるところが好き。コンビで良かった
A: そうだな……じゃあ、『桃太郎』をやろう。お前はキジで、俺は犬ね
B: ところで「いわゆる概念系」ってコンビなんですけど、我々概念なんですね
A: 思い出したかのようにコンビの説明するのやめてくれる
B: なので変身することができるわけですね、いろいろなものに
A: 既にお前自由に生きているじゃねえか、漫才の流れを無視するのやめてくれよ
B: コンビ名だけ聞いても、これからやる漫才の前提を知らないと、皆がお口ポッカーンってなるだけだろ
A: そういう親切なところ、俺は嫌いじゃない
B: でさ、いまから『桃太郎』を身勝手にやりたい。俺はキジになるから、お前は犬やってよ
A: さっき俺が提案したやつじゃねーか!自由は健忘症のことじゃねえぞ!まいったな、こいつこんな自由な奴だっけか
(二人変身)
犬になったA: キジさん、キジさん、向こうから桃太郎がやってくるよ
鳥になったB: 私はフェニックス
言い換えると不死鳥であり
生物を超越した幻想
そのような存在に気安く話しかけるとは頭が高い。
(変身を解く)
A: ちょっといいかな
B: うん、なんだい?
A: 『桃太郎』にはファンタジーな幻獣は出てこないよ
B: うーん、たぶんね、キジっていうのがさ、ちょっと地味なんだよね。だからお前がキジやって。
A: キジは十分に派手だけどね。日本の国鳥だし
じゃあさ、俺がキジやったらお前はちゃんとできるんだな
B: 自由に生きているから保証はしない
A: 自由に生きたいって願望じゃなかったのかよ!既に自由じゃねえか!もうなんか突っ込んでも仕方なさそうだしやるよ……
(二人変身)
キジになったA: (バッサバッサ) 犬さん遅いなー。もうそろそろ来るころだと思うんだけど
犬になったB: ワハハハハハハハハハハ!
私はヘルバウンド!
地獄の門の番犬だ
ここを通ろうとするとは命知らずだ
今なら間に合う。直ぐに引き返せ!
(変身を解く)
A: ちょっといいかな
B: うん、なんだい?
A: 『桃太郎』にはファンタジーな幻獣は出てこない
B: なんだろ、桃太郎が出てこないから、具体的な状況がわからないんだよな。犬とキジが出てくるだけだったら『桃太郎』じゃなくて『動物園』でしょ?
A: そんなこと気にしている奴いねえよ!
B: だからファンタジーな設定を追加しないと、こりゃ伝わらねえよな、って思ってさ
A: その発想が既にどうにかしているけど。
B: なんていうのかな、「桃太郎」が出てこないと、桃太郎っぽくないなーって思って
A: 桃太郎が出てくるんだったら、桃太郎できるんだな
B: オッケー、じゃあそれで
A: それは俺のセリフだ!まったく、やるぞ
(二人変身)
桃太郎になったA: 僕は桃から生まれた桃太郎!
いまから鬼退治をするぞ!
おや、あっちから何かやってくるよ
浦島太郎になったB: あ、僕はこれから亀を助けにいくので失礼
(変身を解く)
A: ちょっといいかな
B: これから鬼ヶ島にいって、玉手箱を貰って、おじいさんになるんでしょ
A: えーと……色々な話が混ざってるね。いいかい、桃太郎というのは、お供を連れるんだよ、お前にはお供になってもらわないと困るんだよ
B: なるほど、お前、意外と自由な奴なんだな。見直したわ
A: どこがだよ!どこに自由の要素があったんだよ!じゃあさっそくいくぞ
(二人変身)
桃太郎になったA: 僕は桃から生まれた桃太郎!
いまから鬼退治をするぞ!
おや、あっちから何かやってくるよ
お供になったB: 単刀直入に言えばお供です。きびだんごを三つください
(変身を解く)
A: 「お供」って具体的になんだよ
B: お供になれっていったからお供になったんだよ
A: えーとね、俺の説明が悪かった。お供っていうのは、具体的な動物なの
B: わかったよ、具体的にするよ
A: そういう素直なところ、嫌いになれないよ
(二人変身)
桃太郎になったA: 僕は桃から生まれた桃太郎!
いまから鬼退治をするぞ!
おや、あっちから何かやってくるよ
桃太郎になったB: 貴様は桃太郎だな
どっちが本当の桃太郎が勝負だ!!!!
負けた方が偽桃太郎としてお供するんだ
桃太郎になったA: (きびだんごをあげる)
桃太郎になったB: いまから貴方のお供になります
(変身を解く)
A: えーと、お供というのは、イヌ・サル・キジのことをいうんだよ。なんで桃太郎が二人出てくるんだよ
B: ほら、そういう展開って盛り上がるでしょ
B: わかった、イヌ・サル・キジね。
A: 嫌な予感しかしないけど、もう一度やるね
(二人変身)
桃太郎になったA: 僕は桃から生まれた桃太郎!
いまからのことは省略!
イヌ・サル・キジになったB: 足は犬
顔はサル
背中に生えているのはキジ
私の名前はすなわちヌエ!
(変身を解く)
A: ちょっといいかな
B: うん、なんだい?
A: 『桃太郎』にはファンタジーな幻獣は出てこない
B: どうせ、あとから別々に出てくるよりは、同時に出てきたほうが効率が良いでしょ
A: 昔話に効率はいらないの!俺の説明が悪かったよ。イヌ・サル・キジは全部別々の生き物ね
B: 要領を掴めた。ちゃんと出来そうだ。
A: そういう理解力の高いところ、尊敬しているよ
(二人変身)
桃太郎になったA: 僕は桃から生まれた桃太郎!中略!
おや、あっちから何かやってくるよ
素のままのB: そもそも桃太郎ってなんだっけ
(変身を解く)
A: そもそも桃太郎知らないのにコントやろうとするなよ
B: いやあ、自由にやればなんとかなるかと思って
A: どうにもならねえよ!いいかげんしろ!
二人: ふわっとした漫才なだけに!いわゆる概念!
審査員 点数 |
29 | 40 | 33 | 38 | 43 | 72 | 得点41.50 (減点−1点込) |
【審査員コメント】 ・変身出来るという発想は面白く、「ヘルハウンド」「お供」「ヌエ」などは設定を活かしたボケでいいのですが、 全体的に見ると自由度の高い設定のわりに展開が小さく、消化不良感が残りました。 コント中だけ変身するとなると、概念である必要がないんですよね。ただでさえ文章ですから。 例えば「温度」「時間」のようなもっと広い概念を演じるとか、コント外でも変身を解かないとか。 自由に無茶苦茶出来るネタなので、あえて漫才の型を壊して暴れまわった方が向いていると思います。 あとさようなら人生もなんですが、ネタ終わりの決めゼリフがなんか好きです。 ・ABが概念で何にでもなれる、っていう設定は斬新だと思うんですが、実際ボケはベタなものが多くてそれを生かし切れないように思いました。 普通になりきって演じている、でも済むネタだったと思うので… ・ふわっとしてましたねぇ。 別に変身しなくてもできる漫才だったとは思うんですけど、なんか変身が癖に成る部分もありました。 漫才なんだし自由に生きたい、とか言わなくても自由にやっていいとも思うんですけど、「なるほど、お前、意外と自由な奴なんだな。見直したわ」はいいボケでした。 なんでしょう、高得点を付けるにはあまりに無駄が多いネタでしたが、その無駄が独特の癖を生んでいて嫌いではなかった、という感じです。 逆にその無駄を省いたらシンプルすぎて何も残らなくなりそうなぐらいボケは普通だったかなと。 ただ、「『桃太郎』にはファンタジーな幻獣は出てこない」の天丼は良かったです。 ・せっかく1ボケに何行も行数を割いているのでもっと1ボケ1ボケ大切にしていったほうが良いと思いました。 変身の必要性はさておき、このスタイルでしたら今の10倍は面白いボケでやらないと成立しないのではないかなぁと。 今のボケも良いんですけど見せ方とはあまり合ってなかったように思います。 ・ネタ自体は確かに大分自由にやっているように思えました。 ただ、笑いどころという面ではそこまで多く無かったかと。 変身が出来るって言うそもそもの設定が流れを邪魔しているように感じました。 特にその説明が無くても滞りなく進行できるネタだと思います。 あとは1人がセリフを連続している所があったので読み手としては混乱しました。 ・「『桃太郎』にはファンタジーな幻獣は出てこない」の天丼が特に良かったですね。1・2・6回目で出てくるのが絶妙です。 必ずしも「変身できる」という設定が生かされきったかというと微妙なところですが、 上手くテンポを作れていたと言う意味では、ベタな題材を払拭する効果もあったのかなぁという気がします。
二人:はいどーm
ド ガ ァ ァ ァ ン ! !
晴耕:えー、ちょっとした配電盤の整備ミスで会場が吹っ飛んじゃったみたいなんですけども、気を取り直してやっていきましょうかね。
雨読:僕ら、もしもの時のために8×4しといてよかったですね。
晴耕:それにしてもお客さん、こんがりとした人揃いで。端の席から仏さん、仏さん、一人瀕死で仏さん。
雨読:「瀕死はピンチ、仏はほっとけ」なんつってね!
晴耕:――もう真夏日も記録するようになって人や自然も夏の装いへ移ろい始めてる一方、夜など時々肌寒くなったりもするんで
外出の際の服装には注意をしたいとこですね。この会場も天井にぽっかり穴開いちゃってね。
雨読:え!? あの…、はい。そう…ですね。
晴耕:「ちょっと寒い」って方は上着羽織ったりしてくださいねー。
雨読:そ、そうですね。骨だけになっちゃってる人とかいますもんね! あとダジャレみたいなのが聞こえたりしますもんね!
晴耕:しかしこういう大きな会場(ハコ)にして空が見える舞台ってえのも乙なもんよ。
ヤフオクドームの屋根開けた下でライブやってる姿を想像してみ?
雨読:やべえ、めっちゃ大物アーティスト感ある…!
晴耕:でもやっぱり“空の下”ってーと駆け出しの頃も思い出すわけよ。
あの頃は誰も気にとめないような野外のイベント会場でネタやらされることもあったりしてね。
雨読:バーベキュー会場での営業は参りましたね。元々お客さんたち焼くのと食べるのとに夢中で漫才聞いちゃいなかった上に
急な大雨でみんな屋根があるところに避難してステージの前だーれもいなくなっちゃって。
でも持ち時間の途中で勝手に引っ込むわけにもいかないから雨に打たれながら誰も聞いてない漫才続けてね。
晴耕:あの雨の冷たさは骨身に沁みた。
雨読:そこの骨むき出しになってる方などもその時の冷たさを感じていただけるんじゃないかと。
晴耕:ほんとにね、今日のお客さんは誰も退席せずにじっくり観てくれてありがたいですわ。
ただ環境音だけだったあの時以上に今日の方が静かってのはそれはそれでちょいと不気味ですがね。
私語厳禁のテスト会場とかじゃないんで、面白いと思ったら遠慮せずに声出して笑っていいんですよ。
雨読:まるで会場が「銃を撃ったよう」にシーンとしてますよね〜、な〜んちゃって。
晴耕:――あとでこの大会のDVDが出た時、編集で笑い声足されてたらかえって悲しくなるんでね。
雨読:あれ!? あ…あ〜〜間違えた〜。「銃を撃ったよう」じゃなくて「水を打ったよう」だったわ〜。てへぺろ〜。
晴耕:――ちなみにあの時は結局二人仲良く風邪ひいてギャラより医療費の方が高くついたから、全くの骨折り損のくたびれ儲けでしたわ。
雨読:“仲良く”といっても怪しい意味じゃないですよ〜。それより、この会場でも骨折れて…というか
吹っ飛んでる方々がいらっしゃいますけど、その人たちには何だか共感してもらえそうな気がしますね。
あと全然関係ないけど「くたびれ儲け」と「くたばれ童貞」って似てません?
晴耕:――でも表舞台で活躍できる日を夢見て今までコツコツやってきたわけですよ。
雨読:ですよね〜。似てる似てない以前に童貞の僕が言うなって話ですよね〜。
晴耕:おかげさまで最近はこういう風に全国放送でネタを披露させていただく機会も増えまして。
粉骨砕身の精神でやってきた結果がようやく出てきたって感じですかね。
雨読:そこの席でバラバラにちぎれてるお姉さんだった人なんかにもこの気持ちが伝わったらうれしいですね。
晴耕:あとそれに伴って最近よく言われるのが「えっ、晴耕雨読って漫才やるんだ!?」っていう意見で。
確かにショートコントやボキャブラコントを中心に活動してきたんで、俺らにはコントの方が作りやすいってのは事実ですがね。
でも漫才だってやるんですよ、見せる機会がなかなかなかっただけで。
雨読:「なかなかなかった」ってなんか面白い響きですよね、「コロコロコミック」みたいな!
晴耕:――あとは“下ネタの人”ってイメージがついちゃってるのが歯がゆいとこでね。そりゃあ確かに否定できませんけど。
雨読:そ、そうですよね〜。初期のころ下ネタが多かったせいですっかりイメージが固まっちゃったみたいで、
下じゃないネタをやると「らしくない」的に見られがちなんですよね〜。実際、今でも発表するネタは下が多いし、
ボキャブラに至っては最後まで下ネタだけで通してきたんで当たり前っちゃ当たり前の現状ですけど…。
晴耕:その場で決まったお題に沿ってネタを作る「即興短文」でも“結局最後は下ネタに逃げる”ってことが多くてね、恥ずかしながら。
でもやっぱりイチ芸人として何かしらネタ完成させないとみっともないんでね。
下ネタに頼らないのがベストではあるものの、背に腹は変えられぬってやつで。
雨読:会場には背も腹もなくなっちゃってる人大勢いますけどね〜。
晴耕:なお「“ほんとはヨゴレじゃない”アピールして好感度上げようったってそうはいかねえ、化けの皮をはいでやる」
みたいに思ってらっしゃる皆さん、ご安心ください。はがすまでもなくヨゴレ露呈します!
雨読:むしろ会場の皆さんの方が皮はげてますよ! その内側もだいぶ!
晴耕:そう、“ヨゴレ”だとはいくら思っていただいても構わない。
しかし!
我々を“ガチホモ”だと思うこと、その誤認識だけは解いていただきたい。あれらはあくまでネタの上での演出です。
雨読:そうですよ。あれらの行為を“ガチホモ”だと認識されたら性的マイノリティに悩む現実の同性愛者の方に怒られちゃいますから。
晴耕:「僕はゲイではありません。これだけははっきりと真実を伝えたかった。」…相方とは単なるビジネスホモ、ファッションホモなだけです。
雨読:「即興短文」ではたびたびホモネタ披露しては現場が“焼け野原”と言われる状況を作ってきましたけど、
この会場なら焼けても野原にはならないでしょうから皆さんわかってくれるでしょう。
晴耕:まあこの状況は“焼け野原”というよりは“焦土”だな。
雨読:あと僕からも一つ、皆さんに知ってもらいたいのが僕らの“役割分担”ですね。
「晴耕さんがボケで僕がツッコミ」という見方をされることが多いですけど、本来明確なボケ・ツッコミの区別はないんですよ。
晴耕:俺らの先輩の「モノクローム」がスタンダードな“ボケとツッコミ”という形なんで、俺らはそれに対する“変則”担当ってことでね。
雨読:ネタによってはお互いボケっぱなしで続けることもありますし、あと最近は実質ツッコミみたいになってますけども
僕が晴耕さんのボケに対して取るのは「驚き」や「困惑」といったリアクションで、あくまでも“振り回される役”なんですよ。
晴耕:俺がお前のケツに突っ込むことは多いがな。
雨読:みなさーん、ガチホモじゃないですよー。ビジネスホモですよー。
あとは僕がメインでボケる場合の晴耕さんは「淡々と正論を言う」「受け流す」「スルー」…など、
いずれにしても決して“振り回されはしない”んですよ。
晴耕:そういえばお前の口に突っ込んだこともあったな。
雨読:みなさーん、ガチホモじゃないですよー。ファッションホモですよー。
晴耕:お前って……やるのが下手だよな。
雨読:…ほ、本当にそういう関係じゃないんです! 晴耕さんがちょっと茶目っ気出してるだけなんです! おちゃメンです!
晴耕:なんつーか、だらしねぇしガバガバだよな。
雨読:ぼ、僕の穴そんなゆるくないですよ! キュッと締まったピュアな*(アスタリスク)ですよ!
ザ・「キュッとしてキュート!」
晴耕:――この前東京の浜松町駅近くで工事現場から人骨が発掘されたってニュースがありましたけど、
掘っていた場所は江戸時代の地層だったそうで。当時埋葬されたもので事件性なしと断定されればいいですね。
雨読:とうとう全然違う話題に切り替えられたー! でもなんか掘ったとかなんだとか言ってるー! どう対応するべきだ僕ー!?
晴耕:ねえ、この相方バカでしょう。“ボケをスルー”という漫才の構造を自分でバラしながら、まさにそれをリアルタイムでされて
マジ焦りしてるんですよ。こんな下手でガバガバな漫才見せられたら、そりゃあ皆さんシラケちゃいますよねえ。
雨読:…あ、下手とかガバガバってそういう意味で!? 僕はてっきり掘られる展開かと…。
晴耕:――相方のほうはガチホモだったことをお詫びいたします。
雨読:いやいやいやいや!
晴耕さんと! 一緒にいる時間が! 長かったから! 真っ先にそういう方面から考えるようになっちゃっただけで!
晴耕:うわ「一緒にいる時間が長い」とかチョーキモーい! コッチはそーゆーつもり全然ないんですけどぉ!
雨読:ああ、完全に! ホモ疑惑を! 僕一人に! 押し付けられた! なぜかギャル口調で!
晴耕:……限界かな。
雨読:!?
晴耕:この相方、面白いことの一つも言えずにスベりまくるわ、落ち着きなくうろたえまくるわ、そもそも勝手な想像で独り相撲とるわ…、
こうなってくるとコンビ解散もやむなしだな。
雨読:そ、そ、そんな、どうか見捨てないでください! 僕、晴耕さんに見限られたら今後どうしたらいいか…
晴耕:くだらないダジャレばっか言って会場を「銃を撃ったよう」に冷めさせ続けておいてか?
雨読:いや、それは……すいません許してください! 何でもしますから!
晴耕:ん? 今何でもするって言ったよね? 〔カチャカチャ…(ベルトを外す)〕
雨読:…ああっ! これは見事にハメられた感! いや正確にはこれからハメられると言うべきか!?
.
.
.
.
.
〔――唇をかみしめる――〕
.
.
.
.
.
……ええい、毒を食らわば皿までよ! 本当に何だってしますよ! 晴耕さんのモノだって受け入れます!!
晴耕:ほう、そうか。だったら…〔自分のジーンズに手をかけ、ゆっくりと…〕
雨読:〔ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、……〕
晴耕:〔…ピタッ。〕
雨読:……!?
晴耕:――プッ! ハハハハハハ……!
雨読:えっ!? これはどういう…!??
晴耕:なぁに、お前が俺に頼らずとも自分の意思で動ける人間になれるよう、度胸を試したのさ。会場のお客さんたちのように一肌脱いでな。
雨読:そ、そうだったんですか……まあ、お客さんの大半は一肌どころか肉までだいぶ持ってかれてますけど…。
晴耕:これでお前も一皮ムケたな。お客さんみたいに。
雨読:そんな風に認めてもらえるなんて…嬉しいです……お客さんの大半は一皮どころか肉までだいぶ削げてますけど…。
晴耕:これからも俺の相方として、成長したお前に一層期待してるぞ!
雨読:ありがとうございます!
……いや、でもやっぱり僕はまだ力不足ですよ。
ここまであれこれボケを挟んできたものの、結局最後までお客さんたちはシーンとしたまま、ツボに入らなかったようですし…。
晴耕:ハハッ、気にするな。この人らのほとんどは間もなく骨壷に入る。
雨読:ギャフン!
審査員 点数 |
2 | 38 | 39 | 45 | 30 | 40 | 得点31.33 (減点−1点込) |
【審査員コメント】 ・うーん…僕も死を主軸としたネタはよく書きますし、エグいと注意されたこともあるので強くは言えませんが、 この漫才の「死」の扱い方はちょっと笑えるラインをオーバーランしてしまっているように思えます。 死を題材にしたネタだと今大会ではチアノイズさんがネタ中に殺しまくってたわけですが、 チアノイズさんはネタ中の物語内で、なおかつコミカルに死を描写していたため不快感を最小限に抑えていました。 しかしこのネタは「目の前にある客の死体を客いじる」という設定が生々しく笑いにくいですし、 「お姉さんだったもの」のくだりでもう完全に引いてしまいました。正直読むのが辛かったです。 後半のホモ展開も完全に不要ですし、全ての要素が読み手を突き放しにかかっているように思えました。 「くたばれ童貞」でちょっと笑いましたが、後は終始不快感が勝ってしまいました。 死はナィーブな要素なので、扱うなら読み手を不快にさせないように、描写に細心の注意を払ってください。 もっと面白いネタをかける方だとはわかっているので0点は避けますが、このネタは嫌いです。 ・なんというか、ボケてないですよね。 「会場が爆発してるなかで漫才してる」っていうネタだと思うんですけど、お客さんが骨に鳴ってしまっている部分が少し活かされているだけであとはただずっと会話してたなあ…という感じです。 振っておいて唐突に下ネタに入るのはいいと思うんですが。 ・せっかく最初にインパクトたっぷりかつその後に活かせる設定を作ったのにどうしてこんなネタにしちゃったんでしょうか。 ダジャレがスルーされるからはじまって最終的に語呂が似てるとかまで言い出すのも面白かったし、この時点で2つのアドバンテージを持っていたのに、 メインテーマが後半から内輪ノリに近い下ネタに終始させてしまったのは本当にもったいなかったと思います。 前半のノリを引き継いでさらにパワーアップした展開が見たかったです。 ・状況をもうちょっと説明してもらわないとすんなりついていけないよーというのが正直なところ。 状況がわかってくると うまいこと言ってる感じにクスッときたりするんですけど、「バリアフリーにしちゃった!?」ってくらいこの落差が活きてなかったですかね。 ・軸にしたいポイントが2本も3本もあってぶれたネタだと思います。 あと、キャラクターを掘り下げる展開が悪いとは思わないんですけど、正直内々でも通じないような質だったともいました。 1番インパクトのある「観客が全員死んでいる」っていう設定を活かし切った方が良かったと思います。 それに関係するボケはいいものがあっただけにスルーだったりホモだったりの設定が不要だと思いました。 ・うーん、どうにも不謹慎さが先行し過ぎていて楽しみにくかったです。 この状態の会場でこんな話題をする、っていうのもある意味ものすごいなぁとは思うのですが、 やっぱりネタ内でお客さんに大事があっちゃうと、漫才読む立場でどうしたらいいやら、ってなりますね。 いろいろ上手いこと言っちゃってる感じが、今回だとさすがに気味悪かったものの、ネタ次第では化学反応しそうな気はしました。
背が高い女:今日この大会があるのを忘れて、思いっきり寝坊をしてしまったわ。
背が低い女:なーにやってるんですかあ、出番が後ろの方でよかったあ!
いやあでも今回! 私朝からここで見てたんですけど、実際凄いユニットがたくさん出てましたよ!
背が高い女:あら、そうなの。じゃあ、せっかくだしいろいろ教えてちょうだいよ。無駄に朝からいたんでしょう。
背が低い女:はい、無駄に朝からいたんですよ。まず最初はですね、『ようこそ哲夫ワールド』が出てきたんですよ。
いつものやつですね。
背が高い女:いつものやつね。
それで、今回は何が相方だったの? どうせ哲夫さんのことなんだから、今回も人外が相方だったんでしょう?
背が低い女:今回はメンソレータムでした。
哲夫さんが「あびゃああああスースーすりゅううううう!!!」って言い続けるだけのネタでした。
背が高い女:それだけでよく100行持ったわね。
背が低い女:その次の『後藤○○』はですね、正統派コントをやったんですよ。
実に500行を超える超大作の力作コントは、長文界の歴史に残りますね。
背が高い女:漫才の大会なのに? 行数制限100行の大会なのに?
背が低い女:その次の『さようなら人生』はですね、なんと舞台上で自殺を遂げるという斬新なネタでしたね。
遺体を処理した後、平然とした顔で大会続行を宣言したひろちょびさんには、会場がざわつきました。
背が高い女:その次に出てくるユニットの割を食わされた感半端じゃないわね。
背が低い女:その次の『ツレヅレグサ』は「いでや、この世に生まれては、願はしかるべきことこそ多かめれ。」と
徒然草から引用して、この世に生きる上での思想を語りました。
背が高い女:その一つ前のユニットが死んでるっていうのに、何をのうのうと。
背が低い女:その次の『インタープラグ』なんですけれど、「自殺をとめる」という漫才をやっていましたね。
背が高い女:2組前に実践しておきなさいよ。
背が低い女:その次に出てきたのが『ブロッコリースプラウト』でしたね。アスパラガスを食べながら出てきたのを覚えています。
背が高い女:ブロッコリーを食べなさいよ。
アスパラガスを食べるなら、「アスパラガススプラウト」とかにしなさいよ。バカじゃないの。
背が低い女:その次に出てきたのが『七重八雲』でしたね。9人組でした。
背が高い女:「九重九雲」にしなさいよ。バカじゃないの。
背が低い女:9人のうち、しゃべってたのは2人だけでした。
背が高い女:「二重二雲」にして、2人組になりなさいよ。バカじゃないの。
背が低い女:その次の『大と超』は、大便と大腸のコンビでした。
背が高い女:長文界もいよいよ極まってきたわね。漫才ってなんだっけ。
背が低い女:で、その次に出てきたのが『乙女の方程式』ですね。
「映画監督になりたい」っていう漫才をやって、かなりウケを獲ってましたよ。
背が高い女:いや、主催者ユニット堅実じゃないの。まったく周りに流されずに着実に勝ちを狙って来てるじゃないの。
背が低い女:その次に出てきたのが『非可逆劇場』ですね。
今回は二人してずっとボックスステップを踏み続けるというネタをしていました。
背が高い女:相変わらず尖ってるわね。尖っているというか、それに関しては分けが分からないというのが正直なところだけれど。
背が低い女:次は『ライラック』が出てきましたね。103行の漫才をやって、ひろちょびさんからものすごい怒られていました。
背が高い女:後藤○○さんは500行のコントをやってお咎め無しだったのに?
背が低い女:その次は『順列組合』さんでしたね。今回はネタがオフエアだったので私観れてないんですけれど。
背が高い女:なんで1組だけオンエアバトル形式の企画をやってるのよ。そんで会場に居たんなら、オフエアでも観れてるでしょ。
背が低い女:次がステレオミサイルですね。
背が高い女:もう本人らが『マゼンタ・イン・バレンタイン』を自称しているのに、改名前の名前を引っ張ってこないであげなさいよ。
背が低い女:次が『ガンバラナイズ』ですね。頑張ってました。頑張って「学校の先生になりたい」ってネタをやってました。
背が高い女:あいつらいつもそうなのよ。いつもガンバラナイズのくせに、頑張ってるのよ。ちゃんとしなさいよ、って思うわ。
背が低い女:次が『ヒ(ーロー)』でしたね。ネタの最中に突然テロリスト達が押し入ってきて会場内を占拠したんですけれど、
ヒ(ーロー)のお二人が見事に撃退して場をおさめました。
背が高い女:本当にヒーローじゃないの。
背が低い女:撃退を終えた時点で105行までオーバーしていたので、ひろちょびさんがめちゃくちゃ怒っていました。
背が高い女:後藤○○は500行のコントを許されているのに、方や人を助けておいてもこの仕打ちなの。
背が低い女:次に出てきた『オマージュ研究室』は、すごいおもしろいネタやっていましたね。
確か覚えているフレーズがですね、「(まぶたが無い)」っていう……。
背が高い女:オマージュを通り越して前回の優勝ネタをそのままやってないかしら? 大丈夫? 優勝しちゃったら、コトよ?
背が低い女:続いては『バトルロワイR』でしたね。すごかったですねー。
出てきていきなり、第一声から「今からあなた達には殺し合いをしてもらいます」ですからね。
背が高い女:あれだけ長文歴があって、今更バトルロワイアルをいじってくるというの?
背が低い女:それで結局この次のユニットのPARTY NOISEが犠牲になってしまいまして。
背が高い女:本当に被害者が出るって、バトルロワイRどこまでガチなネタをやりにいったのよ。
背が低い女:で結局次の出番だったけれどネタをやれる状態ではなくなってしまった『PARTY NOISE』は、
たまたま観覧に来ていた有機丸アポロが代役を務めてネタを披露してましたね。
背が高い女:代役でかつてのMM-1チャンピオンを引きずり出してこないでよ。
背が低い女:で、次に出てきたのが『チアノイズ』ですね。
チアリーディングのネタをしていて、高くジャンプした人がそのまんま落下しちゃって会場が騒然となりましたけど。
背が高い女:今回のMM-1、舞台上で血が流れ過ぎじゃないかしら。
背が低い女:次が『エルトアール』でしたね。セサミンのネタをしていました。
背が高い女:LLRでは。
背が低い女:続いては『眠ろうとする夢を見た』ですね。
背が高い女:ねえ、セサミンってLLRじゃないの。私これでもそこそこお笑いのネタ観てるから騙されないわよ。
セサミンなんてピンポイントなワード使ってくるの、LLRくらいじゃないの。
たまたまでセサミンって被らないんじゃないの。
背が低い女:眠ろうとする夢を見た、は、寝てましたね。
背が高い女:寝てたんかい。眠ろうとする夢を見た夢の中のコンビなんかい。ややこしいわ。
背が低い女:で、次が『分からないズ』ですね。ずっと、大根おろしにポン酢を垂らし続けていましたね。
背が高い女:本当に何がしたいんだか分からないわ……。
背が低い女:で、次が『スクール乱歩々』ですね。
これは女性ボーカリストを含めた女子3人と男子2人によるロックバンドグループでして、
「Girls can Rock」という曲を歌っていました。
背が高い女:確かに「スクールランブル」のサバゲー編は名作だけども……。
解説があっても伝わらない人の方が多そうなネタをぶち込んでくるなんて、いい度胸をしてるじゃないの。
背が低い女:で、次が『ヒコーキ』ですね。ここのユニットは意欲作をぶち込んできましたよ。
なんと文字数制限いっぱいを使って、至高の天ぷらを揚げるというチャレンジをしていたんですよ。
背が高い女:長文の終わりかよ……。
背が低い女:で、次が、い『覚醒フィラメント』ですね。
背が高い女:ついてちゃいけない前置詞がついてるんだけど。
背が低い女:きっちり25行でネタを終わらせていましたね。
背が高い女:こいつらはこいつらで短文企画と間違えてるんじゃないの。ていうか受理してるんじゃないわよ、運営側も。
背が低い女:で、次が『プラネット・コミュニティ』ですね。
ずっと「宇宙を交信する」とか言って『みゅーん……みゅーん……』と両手を広げて上空を見上げてるだけのネタでした。
背が高い女:めちゃくちゃ怖いんだけど。
背が低い女:で、次が『バニーガール』ですね。
今回はなんと二人揃って衣装をバニーガール衣装で揃えてくるという気合いの入りっぷりですよ。
背が高い女:爽雄くんの方は、男の人よね? バニーガール衣装で揃えて来ちゃったの? 絵面大丈夫?
背が低い女:で、次が『パプリカ』ですね。
背が高い女:野菜じゃないの。
背が低い女:野菜ですね。審査員の一人であるFANさんが炒めてました。
背が高い女:容赦ないわね。
背が低い女:次が『シュヴァインシュタイガー』ですね。
こちらのユニットは、思いっきり酒を飲んだ状態で出てきて、べろんべろんでした。
背が高い女:モラルがなってないわよ、最近の若い連中は。
背が低い女:ネタは、酔っぱらいを注意するっていうネタでしたね。
背が高い女:人生でも有数のお酒を飲んではいけないタイミングでばっちりお酒を飲んじゃってるじゃないの。
背が低い女:次が『天体観測』ですね。料理ができるようになりたいっていうネタで、結構笑いを取っていましたよ。
背が高い女:ここだけは漫才に正直で、安心するわ……。
背が低い女:で、料理をできるようになりたいっていう話のくだりで、
ちょっと前に出てたパプリカを審査員のFANさんと一緒に炒めるくだりもありましたね。
背が高い女:可哀想に、天体観測もこの空気に飲まれることには抗えなかったのね……。
背が低い女:次は『街が悲しく見える』ですね。これは夕張市出身の漫才師らしいですよ。
背が高い女:リアルに悲しく見える町じゃないの。事実上の財政破綻した。
背が低い女:次が『XENOGLOSSIA』ですね。ここは二人揃ってMISIAのEverythingを50行近く使って熱唱するという一場面がありました。
背が高い女:嘘でしょ。勝負を捨てにきたのかしら。
背が低い女:次は『ミルキーケース騎士団』ですね。
このユニットは「ミルキーはママの味と言うが、では他のお菓子はどんな味がするのか?」というネタをしていました。
背が高い女:何その大喜利のお題になりそうな話題は。そこそこ面白いネタに仕上がりそうじゃないの。
背型低い女:うまい棒は明太子の味がするそうです。
背が高い女:恵まれたネタのフォーマットから、クソみたいな味付けだわ。
背が低い女:で、次が『茨木からの刺客』ですね。ここは今回は「レントゲンを撮ったら、
俺の体の中でデアゴスティーニが週刊ビデオデッキを創刊していた」というネタをやっていました。
背が高い女:今の一瞬でその設定の漫才から中身を想像するのは不可能に近いわ。異次元漫才師じゃないの。
背が低い女:で、次が『いわゆる概念系』。ここは休暇と提出の漫才コンビでしたね。
背が高い女:概念系だわ……。
背が低い女:で、次が『晴耕雨読』ですね。こちらのユニットはずっと本を読んでいましたね。
背が高い女:そういえば今日は雨が降っていたわね……。本当に雨だからって本を読んでてどうするのよ。
ていうかそれで言うなら、晴れてても漫才しないで畑を耕すだけなんじゃないの。いつ漫才をするの。曇った日?
背が低い女:……で、その次がようやく私たちの出番なんですよ。こんな面白い人たちに囲まれて漫才をするのは、最高ですよね!
背が高い女:ええ、そうね。それじゃあ、行きましょうか。
2人:私たちの漫才は、これから始まるわ……!
(『ずっと、スタンディング・オ・ベーション』の持ち時間が終わったので、次のユニットの『ザザーランド』が舞台に上がる)
(舞台袖にザザーランドの次の出番の『ハーベストムーン』が待機している)
審査員 点数 |
43 | 68 | 62 | 49 | 45 | 80 | 得点56.83 (減点−1点込) |
得票1票 |
【審査員コメント】 ・あれ、これって最終回?もしくは単独ライブの一番最後にやるタイプのコント? これは主催にしか出来ないネタですね。こういうネタは企画ではまず見れないので斬新でした。 後藤○○との比較や「LLRでは」など、設定オチではなくしっかりと面白いフレーズも盛り沢山で良かったです。 ただやはり全てのユニットで関連したボケを出すのは無理があったのでしょうか、 順列組合やゼノグラシアのくだりはユニット関係なく、かといって他のユニットのくだりとも絡まないボケで残念でした。 こういったネタはボケが単発になるので、後半どんどん要素を絡ませた方が盛り上がるかと思います。 まったく関係ないユニットのところでセサミンのくだりやって「LLRでは」とか。もっとカオスでいいのではないでしょうか。 ていうかひろちょびさん前提で話してましたけど、ひろちょびさんですよね?ただのエスパーじゃないですよね? ・背が高い女:いや、主催者ユニット堅実じゃないの。まったく周りに流されずに着実に勝ちを狙って来てるじゃないの。 >笑っちゃったよ。 いやあ、なんでしょうね。勝負を捨ててるとは思うんですけど。 でも普通に面白いんですよね。ちゃんとした人が書いてますよね、そこがなんか悔しいですね〜。 ・なんかボケの系統とかが星野さんっぽい?違うかな? 少しでもかする部分があったら「おおーっ」って成ったんですけど、あんまり無かったですね。 強いて言うなら大と超の「長文界もいよいよ極まってきたわね。漫才ってなんだっけ。」は合ってました。 まあ題材上当たり外れが多いのは仕方ないとして、当たりの部分は結構楽しめました。 「乙女の方程式」、「非可逆劇場」、「ヒ(ーロー)」、「オマージュ研究室」、「天体観測」あたりが好きでした。 最後二行の丁寧さ、点数とは別ですけどなんかいいですね。 ・すごいですね。ビックリしました。自分は何年か経った後に評価するかもしれません。 ここまで参加者全員イジってたらそんなに悪い気がする人もいないんじゃないでしょうか。 水曜10時の頃の爆笑レッドカーペットに初めてLLRが出た時にセサミンのネタやってましたね。 ・「分けが分からない」→「訳が分からない」ですかね。 全ユニットをネタに入れるって言う発想が良かったと思います。 ただ、感心した所までで、それ以上加点になる要素がほとんどないネタだったと感じました。 こういうネタだから仕方ないとは思うんですけど、ある程度ボケに制限が出来てしまうのでそこにとらわれ過ぎて笑いが二の次三の次になった印象です。 ともあれこういった趣向は嫌いじゃないので実際は点数以上に好きなネタです、 ・このネタひろちょびさんじゃないですよ???>けうさん コンセプトは斬新で良かったですね。その上で比較的それっぽい・基本に忠実なボケ構成でした。 どちらかというと前半の方が濃かった感じはしますね。後藤○○のフリが上手く生かせていたと思います。 ただ、やっぱりどうしても内輪感はありますよね。主催者が割と高得点付けちゃうのも本当はアレかなぁとはいつつ。
久喜:ザザーランド。邪魔な名前はとっくの昔に捨てた。
石川:久喜と石川です。こいつ昨日市役所行ってましたからね。
久喜:俺さ、祭りが好きなんだよ。
石川:ああ、祭りいいですね。神輿だったりイベントだったり、出店もいっぱいあってね。
久喜:お前祭りの出店が好きなのか。すね毛生えてるくせに。
石川:多かれ少なかれ人類には生えてるだろうよ。
久喜:そんなに出店が好きなら、俺がいろんな出店をやってやるよ。大舞台でお祭り気分になって芸を忘れるがいい。
石川:芸事を放棄させんな。まあ、祭りの気分は味わいたいから頼むよ。
久喜:じゃあまず、お前は桜並木を歩いています。
石川:ああ、春の祭りかな?
久喜:そしてその咲き誇る桜の下に、たくさんの出店が並んでいます。非常に活気があります。桜にとっちゃうるさくて迷惑。
石川:桜側に立つな!祭りだからしょうがないだろ。
久喜:そんな中、石川さんの目の前にはいか焼きのお店が。
石川:定番だね。
久喜:『いか焼きー。いか焼きー。ギトギトのたれでいかの個性をかき消す、いか焼き―。』
石川:ネガティブな呼びかけやめてくれない!?買う気なくなるよ。
久喜:『お兄さん、このいかはね、さっきまで平和に泳いでたんだよ。』
石川:だからやめろ!!
久喜:『ほら、おいしそうに焼けてるだろ?家族いるだろうけど。ぜひ食べてよ。恋人もいただろうけど。』
石川:食えるか!!補足情報足すな!!いか目線はやめて、たれの良さとかを言ってくれよ。
久喜:『この死に装束がね…。』
石川:たれって言え!!もう完全に購買意欲ねえよ!!次々!!
久喜:『フケ野郎が』さあ石川さんは次の出店に…。
石川:陰口!!フケ出てねえよ!!
久喜:次に目がついたのは、くじ引きの店ですね。
石川:くじ引きねぇ。本当にアタリがあるのか妖しいところ多いよな。
久喜:『お兄さん、くじ引きどうだい?300円だよー。一等は3DSだよ?』
石川:うーん、当たる気しないからなぁ。
久喜:『大丈夫大丈夫。裏ワザがあるから。』
石川:裏ワザ?
久喜:『もっと金払ってくれたら、大当たりを引かせてあげるから。あなたが引くくじ全部ね。さあまずは人目の付かない事務所で交渉を…。』
石川:官製談合じゃねえか!!嬉しくねえよそんな闇取引で景品手に入れても!!
久喜:『特設ステージにあげて県知事の前でうわべだけのコメントを述べる権利も与えます。』
石川:くじごときでそんな舞台立てるか!!変な罪悪感生まれるわ!!パスパス!!
久喜:『やらないの?残念だなー。さーいらっしゃいいらっしゃい!談合あるよー!』
石川:呼びかけたら談合として成立しねえよ!!
久喜:春ですね。
石川:頭の中がな!!はあ、どなったら腹減ったよ。何か食いたいよ。
久喜:そんなあなたにはとうもろこしの店。
石川:いいじゃないの。祭りらしいよ。
久喜:『とうもろこしー。とうもろこしー。絆で結ばれた複数の実を歯というブルドーザーでそぎ落とす、とうもろこしー。』
石川:またこのパターンかよ!!こっちの購買意欲がそぎ落とされてんだよ!!お前さっきの奴だろ!!
久喜:『兄です。』
石川:身内かい!!お兄さん、兄弟そろってネガティブなこと言うのやめてくれませんか。
久喜:『あなたこそ、とうもろこしの一致団結を自分勝手な食欲で崩壊させるなんて趣味が悪い。』
石川:その売り物メインの世界観をやめろってんだよ!!
久喜:『あなたはその食欲を満たしたいという欲求、すなわち自らの動力源となるエネルギーを満たすためのコントロールシステム『サイコパール』を発動させる。
とうもろこし達の世界はそれだけで揺れ動く。しかしそれがあなたの狙いだ。あなたにとってトウモロコシは食欲のためのエネルギー。
そう、サイコパールに溶かされ栄養となる存在でしかないのだから。…………失礼、私、口だけは嘘の付かないたちなんで。Oh,cry cry crisis.』
石川:何が言いてえんだよ!!まさか祭りの出店で頭痛を与えられるとはな!!サイコパールで動いてるんですかねあたしゃ!?
久喜:『要は、Oh,cry cry crisis. そういうことです。』
石川:そこが一番意味わかんねえんだよ!!ピンポイントで抽出してくんな!!次の店!!
久喜:『服のセンスねえよ』さあ次の店は、
石川:だから陰口よ!!そこが一番わかりやすくて心に刺さるわ!!
久喜:この祭りをしている町が町おこしのために作ったゆるキャラのグッズを販売している店ですね。
石川:なるほど。確かにたまにそういうことやってるところあるな。
久喜:『いらっしゃい!町のゆるキャラ「ゆるキャラ」のグッズはいかが?』
石川:え、なんて?
久喜:『だからゆるキャラです。「ゆるキャラ」という名前の。』
石川:ジャンルと名前かぶせるなよ!!ややこしいわ!!
久喜:店を詳しく見てみると、ほかの街の様々なゆるキャラのグッズや人形が並んでいます。
石川:え?…あの、どれですか?
久喜:『ゆるキャラという名前なんで、ゆるキャラのジャンルはうちの町のジャンルといってもいいですよね。だからすべてのゆるキャラ扱ってます。』
石川:何そのジャイアニズム!?大迷惑な開き直りだな!!
久喜:『まあまあ。これはどうですか?大人気の「ふばっしー」です。これは「なんもせんとくん」で、これは今注目の「ねばるんるん」…。』
石川:全部パチモンじゃねえかよ!!公式をしっかり把握してねえのかよ!!
久喜:『「かつどんくん」に「てんどんさん」「かまめし公」というのも。』
石川:一点集中してパクるな販売企業!!かまめしどんはいつ貴族になったんだよ!!
久喜:『じゃあこれはどうですか。うちの特産品を元にして作った「くれごくん」です。』
石川:そういうのだよ。これは何の特産品のキャラですか?
久喜:『うちの町の農家の皆さんが肥料こだわり丹精を込めて作り上げた浸透潤滑剤です。』
石川:KURE5-56かよ!!農家がさび止め作るわけねえだろ!!全国のホームセンターに売ってるしよ!!
久喜:『売ってません。それは空間を漂う無数の魑魅魍魎が作り上げた幻です。』
石川:どんな嘘だ!!KURE5-56の販売範囲を狭める妖怪ってどんな存在だ!!もう次行くよ!!
久喜:『プシュー』さあ次の店に、
石川:KURE5-56吹きかけんな!!
久喜:しばらくKURE5-56専門店が続くんで飛ばしますね。
石川:どんだけプッシュしてんだ!!呉工業に大金積まれてんのか!!
久喜:祭りといえばタコ焼きでしょう。
石川:いいねえ。………もうあの手の奴出てくるなよ。
久喜:笑いの手法を真剣に組み込む場合、やたらと天丼に頼るという手法は危険だと思うんですね。
石川:ロジックの部分を語りだすな!!
久喜:『丸いだけの食い物ー。丸いだけの食い物ー。』
石川:結局あの一族じゃねえかよ!!直前の熱弁はなんだったんだよ!!
久喜:『いっけね。個性を見出さなきゃ。丸くて磯臭い食い物ー。』
石川:前の二人より雑になってんじゃねえか!!お前もいか焼きやもろこしの身内か!!
久喜:『祭りの食い物なんて全部衛生面に問題あるんだよ。』
石川:ここに来て祭りの醍醐味全否定してくんな!!
久喜:『人ごみなんてもっと不衛生だ。もっと言えば人自体が不衛生。人に関わるもの不衛生。
原神「アルテジャーノ」はこんな汚い世界を望むか。望まぬ。
そう、人類を消し去り浄化することこそ地球という惑星が完成する瞬間なのだよ。
新地、すなわち神地。感性のキーワードは「人類滅亡」。まずはタコ焼きの滅殺から。Oh,cry cry crisis.』
石川:もう疲れるわその血筋!!最後のそれはお前らの標語なのかよ!!
久喜:『申し遅れました。曾祖父です。』
石川:じじいじゃねえか!!人生の大先輩がクライクライクライシスってなんじゃい!!次!!
久喜:『その靴しまむらじゃろ(笑)』では次へ
石川:陰口ぃぃぃ!!正解だけど!!正解だけどよぉぉぉ!!
久喜:これで最後ですね。金魚すくいの店がありますがしませんか。きれいな女性が店員をしてますよ。
石川:もう食欲もないしそうするよ…。最後に癒されたい…。
久喜:『いらっしゃーい!!かわいい金魚がたくさんいますよー!!』
石川:そうそうこういうの!心からほっとするわ。一回やらせてくださーい。
久喜:『ありがとうございます!!かわいい金魚いっぱい救っていっぱいかわいがってくださいね!!
この子たちも一生懸命生きてますから、それを支えてくださいね!!
そしてあなた自身もこの可愛さをエネルギーに変えて、生きる糧にしてください!!
いつかは死んでしまうかもしれません!!でも、決して忘れないように!!日々の思い出!!ふれあい!!目に焼き付けた姿!!
人類と金魚の魂の進撃を!!金魚と飼い主は運命共同体!!小さな魂を大きな魂で受け止めよ!!
ソウルインソウル!!Soul in Soooooooooooooooul!!!!!』
石川:極端から極端に走るな!!もう帰宅!!
審査員 点数 |
67 | 67 | 74 | 51 | 57 | 61 | 得点61.83 (減点−1点込) |
【審査員コメント】 ・これ山下さんの覆面なんじゃねぇかなぁ…クライクライクライシスとかぽいなぁ…。 ネガティブな血筋のくだりは3つともかなり面白かったです。陰口のセンスが最高。 オチのサイコっぷりもよく、気持ちのいい読後感でした。 逆にくじびきとゆるキャラのくだりはベタだったりごちゃごちゃしてたりであまりハマりませんでした。 それぞれ完全に独立していたので、血筋のようにくだり同士に関係性を持たせた方が良かったかもしれません。 談合やKURE5-56なんて使い回しやすいボケだと思うので、色々絡ませて想定外のボケを生み出して欲しかったです。 全体を通してみると大爆発こそなかったものの、高めで安定していて好感の持てる漫才でした。 ・テンポよく、安心できる漫才でした。 天丼がちょっと多かったな、とは確かに思いました。 ・文章力にはちょっと難があったのか、ところどころ分かりにくいところもありましたが、普通にレベルの高い漫才だと思いました。 「ギトギトのたれでいかの個性をかき消す」「かまめし公」「その靴しまむらじゃろ(笑)」「ロジックの部分」良かったです。 ・言い回しや進め方は好きですけど良くも悪くもフツウに感じました。 漫才の体がしっかりしてるからこそ物足りなさが目立ったかなぁと。 ベタだけど「兄です」には笑いました。何回か出てきたcry cryはよくわからないです。 ・非常にオーソドックスな内容の漫才だったと思います。 良い意味で言えば笑いどころが明確で安心して見ていられるんですけど、逆に言えば意外性が無くてインパクトに残りづらいネタでした。 それでも去り際に言われる悪口がいい味を出していると思います。 長い台詞のボケの度に流れが止まってしまったのでそこは短いボケでも問題ないと思いました。 ・ネタの形としてはしっかりしていたと思います。 1つ1つのボケそのものは分かりやすくて良かったのですが、フレーズがマニアックすぎるのか、 個人的には大きな笑いとしては響いてきませんでした。まぁ好きっちゃ好きかもしれないんですけどね。KURE5-56とかw 設定レベルでもう少しあからさまなぶっ飛びがあっても良かったのかなぁ、とか思います。
ユウ:はいどうもハーベストムーンです。二大会振りの参戦ですが張り切って行きましょう。
でも張り切り過ぎていつものように力を込めたらTシャツを破かないように気を付けないとね。
アイ:そんな安っぽいバトルコメディにありそうな筋肉自慢はやった事無いよね!?多分出来ないだろうと思うけども。
ユウ:でも折角鍛え上げたんだよ?そんなアタシの身体を観衆に魅せつけたくなるのはアスリートとしての性じゃない?
アイ:ユウちゃんはアスリートじゃないよ!只の変態筋肉バカだよ!
ユウ:只の変態筋肉バカ……?それは嫌だなあ。そうだ!この場でTシャツを破かずに脱ぐのはどう?勿論恥じらいを持ちながらそっと。
アイ:そうなったらただの変態だよ!!人前でTシャツ破るのも脱ぐのも禁止っ!
ユウ:ダメかあ。じゃあ止めとくか。服は脱がずに兜を脱いじゃったって事で。
アイ:うっさい!大して上手くないからね。
ユウ:たださ、身体を鍛えるのは良いと思わない?
アイ:確かにね。適度に身体を動かすのは健康や美容に良いから。
でもさ、忙しいと中々運動に時間って割きにくいし、ジムやスクールに通ったりトレーニンググッズ買ったりするとお金は掛かるから意外と面倒臭いよね。
ユウ:そう云う時は移動時間を使って鍛えるのが一番だね。まあアタシは通勤ラッシュの時間帯の電車の中で鍛えてるんだけど。
アイ:他の人に凄く迷惑掛かるよ!ただでさえ満員電車でイライラが募って仕方ないのに余計ストレスが溜まるよ!
因みに聞くけど、どんなトレーニングをしてるの?
ユウ:平衡感覚を鍛える為に、吊革を二つ使って吊り輪を。
アイ:思った以上に迷惑が!!絶対他の人にぶつかるからね!
ユウ:大丈夫だよ。ぶつかったのは痴漢してる男だけだったから。
アイ:そう云う問題じゃないんだよね!車内に蔓延る悪を退治すればチャラになると思ったら大間違いだよ!
ユウ:でもそれやると近くにいるおじさんに注意されるんだよね。
「おい!!吊革を両手で持ったり二つ使うのはマナー違反だから、片手で一個だけ持て!」って。
アイ:注意すべきポイントがズレてる!マナー以前の問題だよ!
ユウ:だから仕方ないから、そのおじさんと同じ様に一個の吊革を片手だけで持って、そのまま身体を持ち上げたんだけど。
アイ:そのおじさんも常識がズレてた!?そんでユウちゃんも真似しないっ!
ユウ:まあそのおじさんカツラもズレてたんだけどね。
アイ:トリプルでズレてるとかどうでも良いんだよね!まあそんなバランスの悪い体勢してればズレるだろうけども。
ユウ:そんで意気投合して、吊革に片手でぶら下がってどちらかが多く引き千切れるか競い合ったんだけど。
アイ:滅茶苦茶タチが悪いっ!!何バカな事で競い合ってるのさ!?
ユウ:トライアルはアスリートとしての基本じゃん。
アイ:そんな車内マナーのなってないアスリートなんか居て堪るかっ!!万が一捕まる所が無いと危なくて仕方ないよ!
ユウ:じゃあこれは止めとくよ。また吊革捕まらなくなって警察に捕まるのは嫌だし。
アイ:知らない間に相方に前科が!!序盤の露出宣言で二犯になる所だった!!
ユウ:ただ電車の中でトレーニング出来るってアイデアは良いと思わない?
アイ:吊革で吊り輪は論外だけど、まあね。時間の有効活用にもなるだろうし。
ユウ:だからさ考えてきたんだ。名付けて「Training Train」って言うんだけど。
アイ:重複表現がウザいよ!てか解散したロックバンドの楽曲と被ってる気のがまた!
ユウ:♪筋肉ムキムキと云う名の栄光に向かって走るあの列車に乗って行こうよ。力を発揮する為にはだしのままで飛び出してあの列車に乗って行こうよ。
筋力の弱い者たちが夕暮れさらに筋力の弱い物をたたく。その音は響きわたればブルースは加速していく
見えない自由とムキムキの筋力がほしくて見えない銃を撃ちまくる。本当の声を聞かせておくれよ。
アイ:それ以上はマズいからやめて!!案の定元ネタをモロパクってる!!そんで勝手に歌詞弄ったら「おふくろさん」騒動の再来になるよ!
ユウ:CMソングに採用しようと思ったんだけどダメ?
アイ:当たり前だよ!もう三犯だよこれで!
ただその電車の中身については気になるからお話し願えないかな?
ユウ:分かった。じゃあ話すね。
まず電車に乗る為に駅に行くワケだけど、いきなり乗ると身体を痛めるから軽いウォーミングアップから始まるの。
アイ:ウォーミングアップ?一体何すんの?
ユウ:乗る前にはまず始めに切符を買います。券売機にコインを入れると30キロあるダンベルで出来た切符が出てきます。
アイ:いきなり重たいのが来た!ウォーミングアップなのに電車以上に加速し過ぎだよ!
ユウ:因みにSuicaみたいに現金のチャージは出来ないけど、上下に何度か動かすと筋力がチャージされるよ。
アイ:だろうね!何故なら本来のダンベルの使い方はそうだから。
ユウ:まあそんなダンベルは使い捨てだけど、通勤通学にはバーベルで出来た定期券も便利だよ?
アイ:何処が!?だって持ち運び出来ないもん!!そんでダンベルは使い捨てって勿体無い事この上なし!
ユウ:そんで切符を購入したら、改札から1キロ程離れたプラットホームグラウンドに向かいます。
アイ:グラウンドはスルーするけど、随分と無駄に広い上に過酷っ!!東京駅の京葉線じゃあるまいし!駅の中に電車を設けたくなるよ!
ユウ:それは大丈夫。動く歩道があるから。
ただ動く歩道が進行方向とは逆に進んでるから猛ダッシュで走らないと戻されちゃうんだよね。
アイ:低学年の男子がやって怒られる事させないで!ただでさえダンベルや居ないだろうけどバーベルが邪魔で仕方無いのに!
……ん?反対にホームから改札に来る人もいるだろうから、そんなバカな事しないで進行方向と同じ向きの歩道にみんな乗っちゃうと思うけど……?
ユウ:その対策は大丈夫。キセル扱いになって持つダンベルが三倍になるから。
アイ:ペナルティもダンベルも重過ぎるよ!!逆向きに乗る方が遥かに間違ってるからね!
ユウ:そんなこんなでプラットホームグラウンドに辿り着くまでにロッククライミングや雲梯(うんてい)、平均台、反り立つ壁、丸太橋等を制限時間内にこなして行きます。
アイ:SASUKE顔負け!!しかも制限時間まであるし!それクリア出来る最初から鍛えなくても充分だよ!
ユウ:で、いよいよプラットホームグラウンドに到着。まずは失敗してびしょ濡れになった服を着替えよう。
アイ:途中何処かで脱落しちゃってるよね!?水に落っこっちゃったよね!?
ユウ:小豆色のジャージ、白のラインが入った緑のジャージ、紫のジャージ、オレンジのジャージ、白黒のジャージー牛。
アイ:最後別物!!牛貰っても持て余すよ!
ユウ:着替える時も体力を鍛える為に、服を脱ぐ時は必ず力を込めて破く。
アイ:やだよそんなの!!破れないしそもそも破りたくないしてか自分だって出来ない癖に。
ユウ:で着替えたら電車が来るまで待つ。プロテインが置いてあるから待っている間に自由に飲んで構わないの。
アイ:あ、こう云うのは嬉しいかも。散々振り回された挙げ句の慰謝料としては物足りないだろうけど。
ユウ:ただプロテインを溶かす為の牛乳は別売りで自販機で比較的高めに販売するの。
アイ:えげつない商魂っ!!思いっ切り鍛え上げた猛者に闘魂注入されれば良いのに!
ユウ:牛乳はホルスタインのヤツね。
アイ:よくある牛乳!さっきの流れで絶対ジャージー牛のだと思ったのに!
ユウ:で、各々ビルドアップを済ませたらいよいよTraining Trainが到着します。
アイ:もう普通に各々家でやってた方が絶対良いと思うけど……。
ユウ:ただ到着しても扉は勝手には開かないの。勝利の扉は自らの手で開くものだから!
アイ:無駄にカッコいい事言ってる風だけど不便なだけだよ!田舎の電車じゃあるまいし!どうやって開けるの?
ユウ:ドアは一枚200キロのモノを手動で開けるの。でも少しでも力を抜くとバネの力でドアが閉まっちゃうからね。
アイ:エキスパンダーみたいになってる!!怪我し易いどうこうの前に普通の人は二枚で400キロなんて動かせないよ!
ユウ:駅だけに駅スパンダーとかね。
アイ:やっかましいわあ!!どうやって開けるのさ?
ユウ:それならホームにいるみんなで協力して開ければ大丈夫。
アイ:そうなると誰も乗れないから本末転倒だよ!降りる人しか得しないよ!
ユウ:じゃあ一番最初に並んでるマッチョな駅員が扉を開けるから、お客さんはその股下を潜って乗るの。
アイ:やだよそんな乗り方!茶室のにじり口じゃあるまいし!そんで結局駅員さんが開けるんだったら全く意味が無いよ!
ユウ:くぐる際に必ず駅員が「先に行け!!ここは俺が食い止める!!」って言ってくれても?
アイ:くれても!!これまでの行程で暑苦しい事この上無いよ!
ユウ:まあそんなこんなで何事も無く車内に乗り込む事が出来ました。勿論車内にも色々設置してあるよ。
アイ:これまでの流れから全然期待持てないけど、何?
ユウ:車両ごとに色々なトレーニング器具を置いてあるの。ベンチプレス、懸垂マシン、ルームランナー、腕相撲マシン、パンチンググローブとか。
アイ:後半一昔前のゲーセンみたいなバリエーションになってるけど、思ったよりは悪くないかな?
ユウ:後はどんなに力を入れても破れない吊革とか。
アイ:それは却下!序盤のユウちゃんやおじさんみたいなの増やさないようにだろうけど、必要ないよ!
ユウ:そう?でもねアタシの一押しはエアロバイクね。シートの代わりに設置してあるの。
アイ:あ、これは良いね!座ってるだけよりも退屈せずに済みそうだしね。
ユウ:但し、一人でも漕ぐのをサボると電気の供給が止まって電車が進まなくなるからね。
アイ:褒めて損した!まさかの自家発電!?ほぼ拷問だよ!
ユウ:やっぱりエコロジーは大事だからね。
アイ:ならまず使い捨てダンベルの切符をどうにかしなよ!そっちの方が絶対に無駄だからね!
ユウ:でもさ、エアロバイクにすればお年寄りとか妊婦さん、怪我してる人に積極的に席を譲りたくなるよね。
アイ:身体的弱者に対して酷だよ!ただ面倒臭がって押し付けてるだけだよ!てか良くここまで来れたものだよ!
ユウ:仕方ないから乗客全員その場で降りて、次の駅までジョギング。
アイ:面倒になったからって捨てるなっ!!体力持たないだろうと思うけど!
ユウ:♪Training 走って行く Training どこまでも
Training 走って行く Trainig どこまでも
アイ:さっきの続きを歌わないで!!妙に語呂が良い所がちょっとムカつく!
ユウ:やっぱりさ、電車に乗るより走る方が絶対に健康に良いと思うんだよね。やっぱりアスリートとして一番効果的なのはロードワークなんだよね。
アイ:この期に及んでここまでの自分の提案をいきなりひっくり返した!!まあこんな電車誰も乗らないから良いけどね!でも結局何だったんだろう!
ユウ:…………ここは筋肉は付かずに鼻に付いたって一つ。
アイ:もういい加減にして!!
審査員 点数 |
58 | 71 | 38 | 39 | 61 | 59 | 得点53.33 (減点−1点込) |
得票1票 |
【審査員コメント】 ・筋肉質な女子は好きです。今大会の女性ユニットはなかなか僕の嗜好を刺激してくれて満足です。 ネタは流石の安定感で、徹底したキャラ設定から繰り出される多彩な筋肉ボケが心地よかったです。 「Training Train」とか前半のリズムが無茶苦茶なのがめっちゃ面白かったです。 ただ、上手いんですけどドカンという笑いには欠けたかな。想定外の箇所から刺してくるようなボケが欲しかったです。 また、女性ユニットであるがゆえに筋肉キャラはちょっと読み手が咀嚼しづらいんですよね。 なんで女性なのに筋肉に魅せられているかの説明が一切なかったので、ネタへの入り込みを阻害していました。 この設定なら男性ユニットの方がしっくり来るため、丁寧な説明を入れて、女性であることの必然性をしっかり出せばなお入りやすいかと。 女性ユニットの筋肉ネタというのは実際の舞台でもなかなか無いので、上手く仕上げたら唯一無二のネタになるかと思います。 ・「30キロあるダンベルで出来た切符」、面白いですね。 スタンダードにボケを重ねていく、いいネタだと思いました。 ・前半、日本語がびっくりするほど不安定です。 「張り切り過ぎていつものように力を込めたらTシャツを破かないように気を付けないとね。」 「おい!!吊革を両手で持ったり二つ使うのはマナー違反だから、片手で一個だけ持て!」 「また吊革捕まらなくなって警察に捕まるのは嫌だし。」あたり、二人の間だけでしか言葉が通じてないと思います。 駅の話以降はまあ普通に漫才してたと思います。「上下に何度か動かすと筋力がチャージされるよ。」は良かった。 ただ、ツッコミにはちょっと違和感を感じました。ボケが大したこと言ってない時に限ってリアクションが大仰だった気がします。 書き上げた後で一度客観的な視点で自分のネタを見てみると、少し変わってくるんじゃないかなと思います。難しいですが。 ・だいぶ説明不足なんじゃないかと思う点が多々ありました。 例を挙げると、「そのおじさんと同じ様に一個の吊革を片手だけで持って、そのまま身体を持ち上げたんだけど。」 次のツッコミからどうにか察するに、注意してきたおじさんも片手で身体を持ち上げてるんでしょうけど、この文章からはそうだと読み取るのは困難だったので「え?」となりました。 もう一つ例を挙げると、「また吊革捕まらなくなって警察に捕まる」も前科一犯目の捕まった理由が理解できませんでした。 題材とか方向性は悪くないのに ミスなのかも知れませんが、意味の分からなさが先行してしまったように思います。 ・合間見えないであろう設定を組み合わせる技術は凄いと思います。 ボケが終始説明口調で若干展開がくどく思えました。 後半に活かすためとはいえ、実際に電車に乗るまでの件でもたついた印象を受けました。 後はツッコミがボケの意見に納得する部分で、読み手が共感できない部分があってそこで置いてかれた感じがします。 ・よく考えられたボケが多かったなぁ、という感じです。Training Train、いいですね。 ただ、ボケフレーズもツッコミフレーズも比較的重厚感があり、ちょっとスムーズには楽しみにくかったのが気になりました。 この組に限ったことではないですが、MM−1のように行数制限がある大会だと特に、ボケを詰め込むために 「2文ぐらいのボケ→それぞれに対して1つずつツッコミ」みたいになりがちだったりするのですが、 そういうのがずっと続いちゃうと、読む側がちょっと頑張らなきゃいけなかったりします。 ボケはよく練られていると思うので、ネタ全体での見せ方とかを意識して工夫してみるとさらに良いのかな、と思います。