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011 あこがれちゃん 012 リリコミンストレルショー 013 クラマエカナエ 014 乙女の方程式 015 破滅
016 エルトアール 017 アクロバット才能 018 エナジーZ 019 非可逆劇場 020 ライラック


Pゲート
No.011 あこがれちゃん
彼女欲しい
高松:  あこがれちゃんです。
高赤:  お願いします
高松:  突然ですけど僕ねリア充に憧れちゃうんですよ。
赤森:  確かに彼女はいるといないで天と千尋の差だからね
高松:  それを言うなら天と地ほどの差でしょ。
      じゃなくてね、彼女欲しいけどいかんせん出会いが無いって話をしたいんですよ。
赤森:  だったら俺が女を紹介してやるよ。
高松:  え!本当!?うれしいな。どんな子よ
赤森:  名前がねモエちゃん
高松:  モエちゃん、かわいらしい名前だね
赤森:  身長が160くらいでね
高松:  はいはい
赤森:  おっぱいはDカップあるって言ってた
高松:  お、いいじゃないですか
赤森:  で、苗字が
高松:  苗字?
赤森:  マグマ
高松:  マグマ?? その、間に熊でマグマとか?
赤森:  違う違う、マグカップのマグにマラソンのマ
高松:  カタカナマグマじゃん
赤森:  カタカナマグマに燃えるゴミの燃
高松:  マグマバーニング!すごい名前だな
赤森:  でね、なんか全体的に赤い
高松:  何が!?ファッションなら個性だけど肌色なら本物のマグマだろ
赤森:  あと、こう、ドロドロしてる
高松:  だから何が!?人間関係なら昼ドラ女だけど肌なら本物のマグマだ
赤森:  で、平熱が1200℃
高松:  マグマだ!平熱が1200℃はもうマグマでしかない!
赤森:  どう?
高松:  どう?じゃねーよ!
      何だそいつ!
      一緒に行くプールが風呂になるわ。
      だーれだ?はい、手爛れました
      無理だわ。他の子紹介してくれ
赤森:  じゃあフミちゃん
高松:  どんな子よ
赤森:  身長は140後半くらいで
高松:  小柄だね
赤森:  おっぱいもちっちゃい
高松:  まあ僕は胸のこだわりはないからね
赤森:  で、苗字が
高松:  ここ肝心
赤森:  ムシ
高松:  ムシ?  ムシフミ?
赤森:  昆虫の虫の字に、文武両道の文
高松:  昆虫の虫の字に、文武両道の文?
    

      漢字にしたら蚊じゃないか!
赤森:  声がすごく小さい
高松:  蚊の鳴くような声!
赤森:  20歳超えると聞こえなくなるらしい
高松:  モスキート音!
赤森:  あと血ぃ吸う
高松:  血ぃ吸うてきたらもう蚊だ!
      蚊かメスヴァンパイアだ!!
赤森:  どう?
高松:  だからどう?じゃねーよ!
      チューしたらもうかゆみで口がパニックだよ!
      まともなの紹介してくれ
赤森:  う〜ん、じゃあフンカちゃん
高松:  苗字は?
赤森:  マグマ
高松:  マグマ一門じゃねーか!平熱が1200℃の家系だろうが。他!
赤森:  他もういないわ
高松:  お前の交友関係どうなってるんだよ
赤森:  あとはもう広瀬すずのド淫乱バージョンみたいなのしかいないわ
高松:  最初からそいつ紹介しろよ。
赤森:  ただなぁ
高松:  何?
赤森:  その子平熱が40度℃なんだよ
高松:  低!     いや十分高いわ感覚狂わすなバーーーカ
高赤:  どうもありがとうございました

予選総合第39位(2回戦敗退) あこがれちゃん
審査員
点数
33 28 47 85 12 47 得点42.00
得票1票
【審査員コメント】
・よろしくお願いしますの下りの「高赤」で最初トリオかと思ってしまいました。
 変な女の子を紹介するという設定は比較的王道で、マグマや蚊というチョイスも感心するほどの意外性は乏しかったのですが、
 「カタカナマグマ」「広瀬すずのド淫乱バージョン」など、時折挟まれるワードセンスに光るものを感じました。
 広瀬すずのド淫乱バージョンとかバカじゃねぇの。底知れないアホポテンシャルを感じます。
 ネタ自体は淡白に進んでしまったので、もっと女の子を増やしたり、
 女の子同士にもっと関係性を持たせるなどの展開に工夫があれば良かったです。
 その上で光るフレーズを量産できれば、ベタの範疇から飛び出た唯一無二のネタに仕上がるかと。
   
・着眼点が面白い。最初期待させて、名字で評価を逆転させて、そして更に落としまくる。
 単純ですけど、なかなか応用の利く良いシステムだと思います。
 あとはとにかくボリューム。紹介する人数も、名字から掘り下げる設定も、まだまだ足りないくらいなので。
   
・行間空けて無い割に読みづらさがない簡潔なセリフでありながら、
 伝わらない部分がほとんどなかったのはすごいですね。
 書きなれてない方なのかなとは思いましたが、特に指摘する場所はありません。
 ボケもツッコミも個性的で「〜なら〜だけどなら本物のマグマだ」「マグマ一門」「モスキート音」あたりが特に好きでした。オチもいいですね。
 漫才としてはかなりしっかり成立してるんですが、もう3歩ぐらい強烈な何かが欲しいところです。
 惹きつけるパワーが足りないと言うか、面白いけど印象に残らない、面白いけど次から次へと読み進めたくなるワクワク感にはかけている、という感じです。
   
・すいません、ユニット名とネタのパッと見でナメてかかってました。めっちゃ面白かったです。
 マグマが明かされていくところとか、高松さんの返しも含めてめちゃくちゃ引き込まれました。
 紹介した女性が最終的にマグマって何なんですか。
 マグマのインパクトに比べ蚊がイマイチだったのと分量的に物足りなさがあったのが少々呻きポイントですが、最初のマグマ部分の出来の良さと後半で再びマグマを持ってくる構成の良さで、非常に満足度の高いネタでした。
   
・ただでさえ短めなんですがボケの量が少なかったです!
 身長とか胸のサイズとかボケに関わってこなかったんでその辺もいじったりするだけで変わって来るかと!!
 苗字が変でそれが外見などにも関わってくるという展開自体にハマらなかったです!申し訳ない!
 マグマ一門は面白かったです!
   
・会話のテンポとしては良かった反面、ボケ以外の行に行数を割きすぎていたため、結果的にボケが少ないネタに見えてしまったのが惜しいです。
 そんな中、マグマのあたりは手が込んでいて面白かったです。
 数行にわたってツッコむのはウエストランドオマージュな感じでしょうか。
 

Pゲート
No.012 リリコミンストレルショー
時事漫才・都知事誕生
町々:どうも、リリコミンストレルショーです。

悪原:草津温泉すすりつくし男。

町々:どうした。

悪原:切り株からにゅるにゅる生え男。

町々:久々のMM−1だぞ。

悪原:そして、サンゴ礁男。

町々:なんなんだよ。その異形の男たちは何なんだよ。

悪原:いやー俺さ!! 田舎に住みたいんだよ!! そう!! 田舎に住む!!
   いやむしろ今からここを田舎にしまーーーーす!! すべからくコンビニを燃やします!! 東京タワー、屋久杉にします!!

町々:いや、いきなり何の提案なんだ。犯行予告か?

悪原:俺さ! 俺さ! 都政が凄く心配なんだよ! なんかアレだろ! 女が都知事やるんだろ!!

町々:中途半端にニュースだけ見てるんだな。確かに、選挙で小池百合子さんが当選、東京都知事に決まったな。

悪原:でも俺すげーあの女すげー応援してたんだよ! すっげー応援してる!! こう腕を突き上げてさ!!
   おい小池! おい小池ー!! 小池!? 小池!? おい小池ーーっ!!! おい小池ーーーッ!! 息を吹き返せおい小池ーーーッ!!

町々:その小池は2012年に逃げ切って天寿を全うしたよ。でも、何で応援なんかしてたんだよ。

悪原:ワンチャンあるぞと思って。

町々:お前穴ついてたら何でも良い人かよ。

悪原:いやーでも聞きましたか皆さん! あの女が都知事になったからには、もう皆さん正気でいられませんからね! 脳がスポンジになりますよ!

町々:は? 別に誰が知事になったって、人類はそんな劇的に退化はしないだろ。

悪原:するに決まってんだろ! だって、東京が麻薬の町になるんだぜ!?

町々:は?

悪原:あの女、公約で言ってたぜ! みんな大麻吸い放題食べ放題天国になるんだろー!?

町々:大麻ーシティ構想は掲げられていないが。

悪原:ヒュー! すげー! 楽しそう! でも俺は気付いた……大麻は、やめろって言われてるうちが、美味い!

町々:困ったちゃんかよ。

悪原:それで俺は思ったね。このままじゃあ、東京が駄目になる。ちんちんオリンピックも成功しなくなっちまうぜ。

町々:そんなAVみたいな企画は誘致してないよ。

悪原:だから俺は確信した。東京を田舎にしよう!

町々:はあ?

悪原:東京全土を田舎にするぜ! 具体的にはイギリスは湖水地方みたいな感じにするぜ!

町々:ピーターラビットを生んだイングランドの超素敵な田舎じゃん、理想高すぎかよ。
   でも東京を田舎にするって、一体どうするんだよ。お前一人で何が出来るって言うんだよ。

悪原:チッチッチッ、誰が一人だって言った? 俺には……頼れる三人の仲間がいる!

町々:三人の、仲間!? ま、まさか……。

悪原:草津温泉すすりつくし男。

町々:草津温泉すすりつくし男!

悪原:切り株からにゅるにゅる生え男。

町々:切り株からにゅるにゅる生え男!

悪原:そして……サンゴ礁男、こと俺。

町々:サンゴ礁男! 悪原がサンゴ礁男!

悪原:ああ、俺には三人の頼れる仲間がいるんだぜ!

町々:二人だよ! サンゴ礁男がお前なら、仲間の数は二人だよ!

悪原:俺の頼れる仲間を紹介しよう! まずは草津温泉すすりつくし男! その名の通り、草津温泉をすすりつくした猫舌の男だ!

町々:草津温泉をすすりつくした猫舌の、男!

悪原:猫舌だから、95℃以上ある草津温泉の源泉を存分に湯揉みして更にふーふーして限りなく0℃に近づけ、その行為の繰り返しで源泉をすすりつくした、恐ろしい男だ……。

町々:スペックが無茶苦茶でもう訳が分からねえ……。いや、そもそも、俺の知ってる草津温泉は別に枯れ果ててないぞ。

悪原:チッチッチッ、俺の言ってるお前の草津温泉は別物だぜ。
   お前の知ってるβ世界線の草津温泉は無事だが、α世界線、つまりパラレルワールドの草津温泉は、この男にすすりつくされている!!

町々:まさかこいつ、異世界の存在を示唆しているのか……?

悪原:そして、切り株からにゅるにゅる生え男。こいつは、あらゆる切り株から生える事が出来る恐ろしい男だ……。

町々:気持ちが悪い! いや、俺はどんな絵を想像すれば良いんだよ。

悪原:ムーミンのニョロニョロみたいなのが、色んな切り株からわっさーっているのを想像してもらえれば。

町々:気持ちが悪い!! 何だよ、その男、いっぱいいるのかよ!

悪原:いや、切り株からにゅるにゅる生え男は、一人だぞ。

町々:想像の中のそいつはいっぱいいるんだよ! 一人じゃねえんだよ! わっさーっているんだよ!

悪原:ああ、理解の違いはそこにあったんだな! 切り株からにゅるにゅる生え男は、同時に複数個の個体を存在させられるんだ!
   つまりそれぞれ思考と個性を持ちながら、群体として同一の目的の為に動くことの出来る集合生物なんだぜ!
   一個一個の個体を細胞生物とした、一個の生命体、言ってしまえばラブロックのガイア理論における地球のような存在だな!

町々:お前頭良いのか悪いのかいい加減にしろよ! 言ってる事わけわかんねーよ!

悪原:そして俺、サンゴ礁男。海を愛する、熱い男……。年に三度は海に行く……。

町々:普通だよ! それ、ちょっと好きな程度の奴だよ!

悪原:そうさ俺ら三人が力を合わせれば、東京は変えられる! 田舎に出来るんだぜ! イエー!

町々:なんか、本当に何とかなるような気がしてきた……。

悪原:と言う訳で俺達三人は実際に、おい小池と対決してきたんだ。

町々:お前マジのやつかよ。人様の迷惑になる天才だなお前。

悪原:俺はまずおい小池へのアポイントを取りに都庁へと向かった。だが、駄目だった。玄関で、警官から三人ともちんちんをしまえと怒られたんだ。

町々:当たりの前だよ。何で丸出しでアポ取りに行ってんだ。

悪原:対決から逃げるなんて、姑息な女だ! そして俺は、切り株からにゅるにゅる生え男に頼んで、俺も一緒に知事室の切り株から生えさせてくれと頼んだんだ!

町々:いや、知事室の切り株って何なんだよ。

悪原:おやおや知らなかったのかあ? おい小池ってしいたけなんだぜ。しいたけだから、普段は原木から生えてるんだ! おっと! この世界線では公になってなかった情報だっけな!

町々:もう理解が追いつかないよ。俺、小池百合子をしいたけだと思ってるやつ初めて見たけど、意外とリアクション取れないもんなんだな……。

悪原:そして俺は、おい小池の原木を使い、切り株からにゅるにゅる男と一緒に知事室に現われた。この瞬間、俺はこの世界に二人になった……。

町々:あ、移動とかじゃなくて、マジでただ出現するだけなんだ!? そりゃあお前二人になるな!?

悪原:俺は言ったよ。「おい小池! おーーーい小池! 小池ーーー!! おい小池ーーー!!」……ってな!

町々:こんなに都知事を可哀想だと思ったのは初めてだよ。

悪原:おい小池は言ったよ。「……しいたけ」、と。

町々:何で!?

悪原:そりゃあ、しいたけは「しいたけ」か「地井武男」としか喋れないに決まってるだろ。

町々:しいたけは喋らないよ! 一言も!

悪原:おい小池の鋭い意見だった。だが、俺も政治家の端くれだからな。おい小池に向けて東京を田舎にするプランをとうとうと語ったよ。

町々:いつまでも都知事をおい小池呼ばわりしてる奴に政治家を名乗ってほしくないよ。

悪原:具体的なプランはこうだ。まず、草津温泉すすりつくし男が飲み込んでた草津温泉100億立方キロメートルを、都庁の天辺から一気に吐き出す。

町々:東京の終わりだよ。都庁から海全部の5倍以上の水を浴びせかけるの、それは東京の終わりだよ。

悪原:草津温泉の底に沈んだ東京。これはもはや湖水地方だ……。

町々:異形の男のゲロに沈んだ世界がピーターラビット生み出してたまるか。

悪原:だが、俺がそうして都政の今後についておい小池と語り合っていると、ふいに扉が開いたんだ!

町々:やっと警察の登場かな。警察の登場であってくれ。

悪原:それは、ちんちんを出した、頭にサンゴ礁を乗せた男だった……。

町々:もう一人のお前じゃねーか! 頭にサンゴ礁を乗せた、もう一人のお前じゃねーか!

悪原:俺は思った。これは……ちんちんオリンピックの始まりだ! 俺こそが金メダルだ、と!

町々:お前もう良くわかんないよ!

悪原:そして、俺たちはその場でちんちんオリンピックを始めたよ。棒高飛び、棒幅跳び、棒倒し、棒術……。
   おい小池の前でお互いのちんちんを競い合い、鍛えあい、高めあう、俺と俺。

町々:この世の地獄かよ。

悪原:いや、と言うか、オリンピックは古代ローマでは選手は全員全裸でやってたから、マジでオリンピックはちんちんオリンピックで良いと思う。

町々:知らねえよ! もうお前の言葉の意味をいちいち考えたくないよ!

悪原:そうして俺たちは対決そっちのけでちんちんオリンピックを始めたよ。すると、おい小池が遂にブチ切れたよ。
   しいたけと地井武男以外喋れないはずの、おい小池が、遂に日本語を喋ったんだ。

町々:それ以外喋れないという前提がもうおかしいんだよな。

悪原:「この唯一神小池百合子の知事室でちんちんオリンピックを催すとは、悪原は他人を殺し人類を滅ぼすことに他ならない。腹を切って死ぬべきである」。

町々:いや何で言い回しが又吉イエスなんだよ。いい加減にしろ。

二人:どーもで。


Pゲート
No.013 クラマエカナエ
パンジー菜々子
金江:はいどうも。クラマエカナエです!久々の挑戦ということでね、気合入れて行きましょう。

   実はですね、僕の姉さんが病院で働いていまして、それを見てああ医者っていいなあって思ったんですよ。

   だから僕医者やるんで、倉前は患者の役をやってもらっていいですか?

倉前:いやあそんなことより聞いてよカナエ!最近倉前はパンジー菜々子の腕が上がったんだ!

   ちょっとやってみてもいい? パンジー菜々子、パンジー菜々子、パンジー菜々子がやって来たレッツゴー!

金江:待って。おい、待って。

倉前:(NHKの人形劇みたいに腕を振る)どこに来たっていうのかね? それはもちろんこの町か宮城!

   パンジー菜々子はパンを噛じり、噛じったパンはレンタルビデオ屋にすぐ返す!美味しくないからすぐ返す!

  (ミュージカルっぽい回転)その後どこに行くのかって?それはもちろんパンジー菜々子、パンジー菜々子はああああ!

金江:待って。ゴメン。分からない。情報量が多すぎる。待って。

ガンジー・ガラメ:(堂々と舞台に上がる)それはきっとねえ

金江:誰だ。おい、テメエ誰だ。

ガンジー:どこか素敵な場所にパンジー菜々子は行くのさあ。誰も触れない所に、行くんだよおお。

倉前:それは本当かい? ならば僕を、パンジー菜々子の所に、連れていってよおおおおお。

金江:なあ、怖い。もう怖いよ俺。

ガンジー:そーれーはー まーだー 無理いいいいいいいいいいいい(ジャン!という音と同時に舞台から消える)

倉前:(ヘタレこむ)ああ!またダメだったかぁ……。ああ、ごめんカナエ。何か言いたい事あった?

金江:……もう最初っからやり直そう?

倉前:なんでだよカナエ!まだ漫才は始まったばかりだろう!

金江:どの口が漫才とほざくか!なんだ今のは!なんなんだよ今のはよおお!!なんで突然ミュージカルっぽいのが始まっちまったんだよ!

倉前:だから今のはパンジー菜々子で……。

金江:そのパンジーが何なんだよおおお!!スタートダッシュから舞台をファンシー一色に染めやがって!俺のお手本のような漫才のツカミを返せボケナス!!

倉前:まあまあ落ち着いてよカナエ。やってみれば分かるよ。せーのっ、パンジー菜々子、パンジー菜々子、パンジー菜々子がやって来たレッツゴー!

金江:ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダァアアアアアアアアア!!(倉前に金江パンツァーを繰り出している。金江パンツァーを食らった者は必ず十二指腸が潰れ、吹き出物が吹き出す)

倉前:(よろめきながらも確かなステップ)……どこに来たって言うのかね? それはもちろんこの町か御徒町!

金江:……それでもやるのか!思わずお前の十二指腸潰しちまったけど!それでもまだ続けるのか!

倉前:パンジー菜々子は菓子パンを噛じり。貸した菓子を回収するのさああああああ

   その後どこに行くのかって? パンジー菜々子、パンジー菜々子はああああああ

ガンジー:(指を鳴らしながら出てくる)それはね

金江:コイツは誰だ。この外人のオッサンは誰なんだよ!

ガンジー:僕には、分からなああああああい(ジャン!という音と同時に舞台から消える)

倉前:(ヘタレこむ)ああ!分からなかったかあ……ならばもう一度。

金江:(倉前の腕を押さえ込む)やらせねえよ!俺はそこまでお人好しじゃないからよお!

倉前:離すんだカナエ!三回連続でパンジらなければ、パンジニストの名が廃るだろう!

金江:これ以上ワケの分からない言葉を増やすんじゃねえ!

倉前:パンジー菜々子を極めようとする者、総じてパンジニストと呼ぶんだ!さあ、この手を離してパンジニストにパンジらせろ!

金江:オーケイ一旦落ち着いて全て説明してくれよ!今のお前の執念ただただ怖い!

倉前:(一旦落ち着く)……パンジー菜々子は、パンジー菜々子を呼ぶゲームなんだ。

金江:目的が不明すぎる。

倉前:パンジー菜々子への思いを込めた歌を歌いながら踊って、それが上手く行けばパンジー菜々子がどこからともなくやって来るんだ。沖縄なら小学生でも知っている。

金江:沖縄マリファナ吸ってんじゃねえのか。で、それでさっきのオッサンがパンジー菜々子ってヤツなのか?

倉前:いや、彼はガンジー・ガラメだよ。パンジー菜々子の前に立ちふさがる巨大な壁さ。

金江:パンジー菜々子ですら分からないのにそれがもう一人いる絶望。

倉前:ガンジー・ガラメに認められない限りは、パンジー菜々子には絶対に会えないんだ。絶対に……。

   実を言うとクラマエもまだ、パンジー菜々子に会ったことはないんだよ。

金江:えっ、お前パンジニストのクセに、パンジー菜々子に会ったことないの?

倉前:そんな簡単な問題じゃないんだよカナエ!今までパンジー菜々子にまで辿り着けたパンジニストは誰一人いないんだ!誰一人として!

   ガンジー・ガラメにすらたどり着くのに五年のパンジりが必要だった。パンジー菜々子は非常にハードなゲームなんだよ!

金江:単純に教えてくれ。このゲーム何が楽しいんだ。

倉前:最早楽しいとかどうとかの話ではないんだ。パンジー菜々子に惚れ込んじまった者は、その生涯をかけてパンジー菜々子を呼び出すことを止められないんだよ!

金江:もうそれ呪いじゃねえか。

倉前:最近はパンジー菜々子に会えないストレスで、吹き出物が吹き出すんだ。

金江:それは金江パンツァーのせいだ。

倉前:お腹も痛いし……。

金江:それも金江パンツァーのせいだ。

倉前:だけどそれでもクラマエは一人のパンジニストとして、パンジー菜々子を止めることはできないんだ!さあ、カナエもやろう!さあ、さあ!

金江:えっ、今の話を聞いて誰がやろうと思うの。

倉前:ああ、最初の構えはね、まずパンジー菜々子がどこにやってきたのかを思い浮かべて、それを頭の中から外側に放出するイメージで……。

金江:いやそんな太極拳みたいな説明されてもやらないからね!

倉前:頼むよおおおお!このパンジニストと一緒にパンジニストになってパンジー菜々子をパンジろうよ!

   カナエがパンジらないならクラマエは今日ずっと一人でパンジってるよ! せーのっ、パンジー菜々子、パンジー菜々子

金江:ああもうやめろおおお!パンパンうるせえんだよお前はああ!!
 
   分かったよやればいいんだろやればよお!久々に挑戦したのに狂った相方を見せるだけで終わるのは悲しすぎるからな!

倉前:おおおおやってくれるか!いやあ、実はクラマエ、前々からカナエにはパンジー菜々子の才能があると思ったんだよ。

金江:そんなアビリティちぎって捨てるわ。ええと、パンジー菜々子を思い浮かべて、それを頭の中から放出する感じでいいんだよな……。

   (目を瞑って瞑想している)

   ……パンジー菜々子、パンジー菜々子。パンジー菜々子がやってきたレツゴー。

ガンジー:(タップステップを踏みながらやって来る)どこにやって来たってええええ

金江:ええ、もうガンジー出てきたぞおい!

倉前:す……凄い!凄いよカナエ!こんなに早く、しかも一発目でガンジーを呼び出せることなんか今までに類を見ないよ!

   やっぱりカナエには天性のパンジニストの才能があったんだね!

ガンジー:(ミュージカルっぽい回転)どこかにあって、どこにもない。

     パンジー菜々子に会いたいかい?

倉前:ほらほらカナエ!早くネクストパンジーを出さないとガンジー帰っちゃうよ!

金江:なんだよネクストパンジーって!そんなこと言われてもどうしたらいいの……。

ガンジー:(NHKの人形劇みたいな腕の動かし方)会ってみたらビックリするかもね だけどもしかしたらガッガリするかもね

     パンジー菜々子は美しい人おおおお  いや、見方によればそうでもないかもおおおおおお

金江:さっきからぼんやりした事しか言わねえなコイツ。

ガンジー:(金江に詰め寄る)どうして何も答えない? パンジー菜々子を知りたくないのかあああいいい?

倉前:金江!早く!早くガンジーに歌って踊りながらパンジー菜々子の居場所を聞き出すんだ!

金江:そんな事言われても分からねえよ!てかもう別に聞き出したくもないし!

ガンジー:……そう、それが正解いいいいいい。

金江:はっ?

ガンジー:パンジー菜々子は自分で探す。それが、お前の答え。それを選んだお前は正解いいいいい!(ジャン!という音と同時に舞台から消える)

倉前:そうか!ガンジーガラメの問題の正解は、何も答えないことだったのかっ!

   人に答えを聞いてばかりのお前には、とてもパンジー菜々子に会わせられないという、そんな子供から大人へのステップのようなメッセージが込められていたのか!

   クウ〜!こんな単純でいて素晴らしい答えに今まで誰も気付かなかったなんて!感動と悔しさで涙が溢れて止まらないぜ!(泣き崩れる)

金江:……あのさあ、よく分からない涙を流してる所悪いけど、ここから俺はどうすればいいの?

倉前:ああ!ぼんやりしてる場合じゃないカナエ!今すぐ最初のパンジーをやるんだ!

金江:えっ?……パンジー菜々子、パンジー菜々子。パンジー菜々子がやってきたレツゴー。

??:どこにもあって、どこにもない、だけど常にあなたの隣にいいいいいいい

倉前:えっ?ま、まさか!

パンジー菜々子:(舞台の上空からゆっくり降りてくる)私のもとに 来たのはお前だけ

二人:パンジー菜々子だああああああああああ!!

パンジー菜々子:(全身からパンジーを開花させる)どうしてお前は ここへ来たんだ? 答えてくれええええええ

倉前:見とれている場合じゃない!カナエ、早くパンジー菜々子とパンジるんだ!

金江:どうすりゃあいいの!?もうどうすりゃあいいの!?

倉前:ここまで来たらもうカナエの心の中から自然に湧き上がる言葉を、そのまま声に出すんだ!

金江:自然に湧き上がる言葉?そういえば……さっきから頭の中で何かが共鳴している!

   (自然にパンジー菜々子の元に歩み寄る)君に会いに来たのは ただ一つの理由うううう

(爆風が流れる舞台。飛び散るパンジー)

倉前:凄い!カナエの中のパンジニストの力が、今覚醒したあ!

パンジー:それはなんだい 言っておくれええええええええ

(負けじと咲き続けるパンジー)

倉前:おお!だけどパンジー菜々子のパンジニスト能力もハンパない!これは今、スゲエパンジ合戦が行われているぅ!

金江:(ミュージカルっぽい回転)本当に一言だけ パンジー菜々子に 言いたいのさああああああ

    ……何をやっているんだ姉ちゃんっ!!!!!!!!!!!

(風がぴたりと止み、パンジーがひらひらと舞台に落ちる)

パンジー:……まあ、気づいていたのね!

金江:いや、気づくよボケが!色々聞きたいけどなんだこれは!病院で働いているんじゃないのかよコラァ!!!

パンジー:いや、詳しく話すと長くなるんだけどね、これは私が開発したパンジーセラピーっていうパンジーを見るだけで病気が治るってシステムがど派手に暴走しちゃって、パンジーを強く求める人の所に私と部下のガンジー君が飛ばされる仕組みになっちゃったの。それでどうせだったらこれをゲーム化して世間に広めてやろうって計画したのがもう10年も前の話で……

金江:怒涛の伏線回収は止めやがれ!過剰な説明は漫才の毒っ!!

倉前:いやあ、金江ってパンジー菜々子氏の弟さんだったんだね!そりゃあパンジニスト能力も生まれつき高いワケだ!

パンジー:まあ、とりあえずおめでとうクラマエカナエ。これからはあなた達が、次のパンジー菜々子よ。

金江:はい?

パンジー:なんかシステム上私を呼び出した人が次のこの役に成り代わるの。だから、ちょいちょいどこかに転送させるけど、頑張って!んじゃあ!(逃げるように舞台から去る)

倉前:(NHKの人形劇みたいに腕を振る)……やったああああ なんて光栄 僕らが新たなパンジー菜々子おおおおおお

金江:(ミュージカルっぽい回転)嫌だあああああああああ 夢なら覚めてえええええええ もういいよおおおおおおおお

二人:どうも あーりーがーとーうーごーざーいーまーしー   たあああああああああああ(ジャン!という音と同時に舞台から消える)


Pゲート
No.014 乙女の方程式
ロボット
Y美:はいどうもー、姉妹漫才師「乙女の方程式」です。よろしくお願いします!

X子:突然だけど私、ハンバーガー屋の店員をやってみたいのよね。

Y美:あら、それまた何で?

X子:夢の中で「ハンバーガー屋の店員をやれ」っていうお告げがあったのよ。

Y美:どんなお告げよ…

X子:あ、ちなみにY美は「風俗嬢だけど正体はロボットの女の子をやれ」って言われてたわ。

Y美:いやヒドすぎない!?だいたいあたし未成年だし!

X子:じゃあ私はハンバーガー屋やるから、Y美は風俗嬢ロボットとして入ってきて!

Y美:どういうことよ!?だからそんなもんできるかって!!

X子:えー…

Y美:いやまぁ、お姉ちゃんがハンバーガー屋さんやるのはいいんだけどさ、
   あたしにはせめて普通のお客さんをやらせて…

X子:わかった…その分私、引き受ける!

Y美:え?

X子:Y美のやるはずだった役を引き受けるわ!
   私、「昼間はハンバーガー屋さんで働く風俗嬢ロボット」やるわ!姉としての責任よ!

Y美:いやいやいや!どこに責任持とうとしてるのよ!
   だいたい夢のお告げをそこまで厳格に守る必要あるの!?
   そもそもの「風俗嬢ロボット」が得体知れなすぎてワケわかんないし…

X子:うーん…じゃあこうしようか。
   風俗嬢ってのはちょっとアレだから置いておくとしても、
   ロボットという設定は引き受けるわ!だから「ハンバーガ屋さんの店員ロボット」をやるわね!

Y美:う、うん…まぁ不安の大部分解消された気もするけど、それはそれでどうなんだろう…

X子:というわけで、私はハンバーガ屋さんのロボット店員やるから、Y美はお客さんとして入ってきてね。

Y美:あ、はい…





Y美:ウイーン(自動ドア)

X子:ウイィィィィィィィィィィィィン(起動音)

Y美:………

X子:イラッシャイマセ マクロナルド ヘ ヨウコソ!

Y美:どんなパクリ店名よ。ちょっと機械っぽさあるけども。

X子:ゴチュウモン ヲ ドウゾ

Y美:じゃぁ…チーズバーガーセット。

X子:チーズバーガーセット!

   イラッシャイマセ チーズバーガーセット ヘ ヨウコソ!
   ゴチュウモン ヲ ドウゾ

Y美:……??
   あ、次の注文を言えばいいのかな?うーんと、セットだしなぁ……ポテト。

X子:ポテト!

   イラッシャイマセ ポテト ヘ ヨウコソ!
   ゴチュウモン ヲ ドウゾ

Y美:…………??? じゃあジンジャエールで。

X子:ジャアジンジャエールデ!

   イラッシャイマセ ジャアジンジャエールデ ヘ ヨウコソ!
   ゴチュウモン ヲ ドウゾ

Y美:いやストップストップ!
   何かこれ、「イラッシャイマセ 【頼んだもの】 ヘヨウコソ ゴチュウモンヲドウゾ」の無限ループな気がするんだけど!?
   最後に至っては前後の部分までメニューとして認識されちゃったし!

X子:イラッシャイマセ サイゴニイタッテワゼンゴノブブンマ

Y美:しつこいなもう!!いい加減ロボモード止めなさいよ!

X子:…まぁ、ロボットっていうのはバグるものよね。

Y美:こんなもんバグ以前に未完成品だわ!
   お姉ちゃんのロボット観どうなってるのよ…

X子:だから、ハンバーガー屋の店員じゃなくてもっと簡単なことをやってみたいわ。

Y美:おや、もはや夢のお告げはどこに行ったのだろうか。

X子:だからロボット部分は私が背負うって!
   というわけで、昔話を読むロボットをやるわね。

Y美:そっちを背負う意味が分からない…
   んで、昔話を読むロボットって?





X子:モモタロウ

Y美:まぁ…定番だけども。

X子:ムカシ ムカシ アルトコロ ニ オジイサン ト オジイサン ガ イマシタ

Y美:…うん、さっそくバグり始めたみたいだね。

X子:カワカミ ハ ヤマ ヘ シバカリ ニ

Y美:いや誰よカワカミ!?

X子:オジイサン ハ カワ ヘ キビダンゴ ニ イキマシタ

Y美:どっちのおじいさんだろう。そしてさらにバグってきた。

X子:オジイサン ガ カワ デ キビダンゴ ヲ シテイルト

Y美:キビダンゴは、するものなのだそうです。

X子:カワカミ カラ オニガシマ ガ ドンブラコ ドンブラコ

Y美:鬼が島流れてきちゃったよ!!どんな広い川なのよ!!
   …さっきの「カワカミ」ってアレか、「川上の方から大きな桃が」の「川上」か。

X子:オジイサン ガ オニガシマ ヲ イエ ニ モチカエリ オニガシマ ヲ ワッテミルト

Y美:持ち帰れるサイズなのかな、鬼ヶ島って…

X子:ナカカラ オオキナ オニガシマ ガ ドンブラコ ドンブラコ

Y美:どういうこと!?鬼ヶ島から鬼ヶ島が!?鬼ヶ島マトリョーシカ状態!?
   そしてその効果音は産まれ出ずる音としていかがなものか。

X子:オニガシマ ハ オニタイジ ニ デマシタ

Y美:もう意味がわからない…鬼ヶ島と鬼の関係性が想像の範囲を超えている…

X子:オニガシマ ガ アルイテイルト オジイサン ガ ヤッテキテ イイマシタ

Y美:何でおじいさんやって来ちゃうのよ。いろんな意味で心配になってついてきたのかしら。

X子:「モモタロウサン モモタロウサン」

Y美:鬼ヶ島さんなんだけどな。いや何が正しいのかもはやわからないけど。

X子:「オコシニツケタ オジイサン」

Y美:人間を腰につけているだと!?…いや、鬼ヶ島だとしたらあり得るのか?

X子:「ヒトツワタシニ ウクライナ」

Y美:
    突 然 の ウ ク ラ イ ナ ! 
 
   いやいやいや、急に桃太郎の原作にあり得ない単語出てきたな!?
   バグってるんならそういうことあるかもしれないけど急に高性能の片鱗見せてるんじゃないわよ!?

X子:『アゲハチョウ アゲハチョウ』

Y美:続いちゃったよ非桃太郎ワード!
   ってかダジャレ使いこなせる割に物語一つもバグで
   然るべきところに納品したとしたらめちゃくちゃ怒られるやつだよ!?

X子:オニガシマ ハ キビダンゴ ヲ オトモニシマシタ

Y美:桃太郎ワードに戻ってきて安心した…とはならない。
   本来キビダンゴを1個失うイベントで1個手に入れているし、おじいさんどこいった。

X子:オニガシマ ガ アルイテイルト ドンブラコ ガ ヤッテキテ イイマシタ

Y美:どういこと!?擬音が歩いているって何!?

X子:「ドンブラコ ドンブラコ」

Y美:ねぇお姉ちゃんなんなの、ドンブラコって一体なんなの!?

X子:「オコシニツケタ ドンブラコ
    ヒトツワタシニ ドンブラコ」

Y美:ねぇ、だから ドンブラコ is 何!?

X子:『アゲハチョウ アゲハチョウ』

Y美:ま た ア ゲ ハ チ ョ ウ !
   ひらりひらりと舞い遊ぶように姿見せてこないでよ!!

X子:オニガシマ ハ キビダンゴ ヲ オトモニシマシタ

Y美:何なのよ…
   おじいさんや擬音がやってくる割に、謎の空間から発生した団子をお供にしていくっていう構図、何なのよ…

X子:オニガシマ ハ ドンブラコ デ オニガシマ ニ ムカイマシタ

Y美:船で鬼ヶ島に向かうシーンかな。水感あるワードだから奇跡的に理解しやすかった。

X子:オニガシマ ガ オニガシマ ニ ツクト

Y美:同一性の欠如もいいところだよね。鬼ヶ島とは本当に一体何なのか。

X子:イラッシャイマセ オニガシマ ヘ ヨウコソ!
   ゴチュウモン ヲ ドウゾ

Y美:…んんん!?

X子:イラッシャイマセ ンンン ヘ ヨウコソ!
   ゴチュウモン ヲ ドウゾ

Y美:いやいやいや待って待って待って!さっきの店員に戻ってるじゃないのよ!?
   バグにもほどがあるでしょ!!

X子:イラッシャイマセ バグニモホドガアルデショ ヘ ヨウコソ!
   ゴチュウモン ヲ ドウゾ

Y美:いい加減にしなさーーい!!!

X子:イラッシャイマセ イイカゲンニシナサーーイ ヘ ヨウコソ!
   ゴチュウモン ヲ ドウゾ

Y美:はぁ…

X子:イラッシャイマセ オバアサン センタク オオキナモモ イヌ サル キジ キンギンザイホウ ヘ ヨウコソ!

Y美:いや何で突然桃太郎でまだ出てきてないフレーズの応酬になってるのよ!!

X子:イラッシャイマセ エビフライ モズク パナマ ベッキー バーミヤン ヒャクニンノッテモダイジョウブ ヘ ヨウコソ!

Y美:と思ったら今度は桃太郎に絶対出てこなさそうなワードの応酬!!
   いやそういうまとめ方で良いのかよくわからないけども!!

X子:イラッシャイマセ イカガワシイ オミセ ヘ ヨウコソ!
   ワタシ フウゾクジョウ!
   オトコ ノ ヒト ヨロコバセル ノ トクイ!

Y美:いや「風俗嬢だけど正体はロボットの女の子」らしきもの出てきちゃったよ!!!
   本当にもうやめて!!

予選総合第28位(3回戦敗退) 乙女の方程式
審査員
点数
81 62 48 67 60 bot 得点63.60
得票2票
【審査員コメント】
・なんか回を追うごとに主催の哲夫感が増してるように思えるんですが大丈夫でしょうか。
 めっちゃ面白かったです。カタカナで喋るネタは読みにくくなりがちなのですが、セリフの大元がほぼ定型文なので分かりやすい。
 言葉を入れ換えるという手法は単純なのですが、ドンブラコの使い方など単語のチョイスが絶妙で、
 それを支えるY美のツッコミも上手く、バランスが良かったです。オチもベストでした。
 気になったのは、ネタの導入であったお告げをいとも簡単に無視して切り捨ててしまった点です。
 あまりにもアッサリと別の話題にシフトしてしまったため、お告げは何かしらの形で活かして欲しかったかなと。
 あとはもっと後半暴れても良かったかなくらいです。全体的に満足な作品でした。
   
・ち ょ び さ ん 一 体 何 本 桃 太 郎 ネ タ 持 っ て ん す か。
 ちょっと調べたら第14回の乙女、第16回のひろたか、そして今回と4回中3回桃太郎だった件について。
 毎回「桃太郎×○○」と何か変わった要素を加えて新しさを出していましたが、今回もベタには感じないくらいの新鮮さがありました。
 単語を使うタイミングがアベコベだったり、突然関係ない言葉を繰り出したり、ロボットらしいボケが満載でした。
 ただ、こう……ガツンとくる笑いがありません。
 ウクライナは良い線いってますが、元々限られたフレーズから選択してボケる形式だからある程度笑いに上限が設けられてしまったように思えました。
 言い換えれば意外性が足りなかったです。
   
・最初に風俗嬢の設定持ってきたせいでちょっと増した期待感を取り下げる感じになってしまったのが残念かなと。
 となるとこの伏線は回収待ちボックスにどーんと入れられるわけなんですけど、まさかオチまで出てこないとは思わずで。
 急に桃太郎に方針転換したのも含めて、構成面で結構引っかかりがあったかなと思います。
 ロボットと言う設定も読みづらいカタカナ語以外はバグと言う要素しか効果的に使えてなかったかな、と思います。
 だったら素の人間がバグった方がより面白いような気がするんですよね。(やりたいことはわかるんですけど)
 アゲハチョウは好きですし、実際ボケは結構桃太郎ネタとして見てもいい感じに壊れてて面白いと思うんですけど、
 シンプルなボケを霞ませるのには十分なほどに構成で損してた気がします。
   
・面白いボケはしっかりと出来ていると思うのですが、1つ1つの面白いまでのスパンがちょっと長いというか、ボケを重ねていくところで、3つ目4つ目ぐらいのボケでようやく面白さが出てくるみたいな、そんな感じだったかなぁと。
 桃太郎のダブルおじいさんとかワードの並べ替えとかは割とありがちなラインかなと思いますし、そのまま掘り下げていったのは(後半面白さが出ていたので)良かったですが、物語序盤含めて考えると行数の割に笑いは少なかったかなぁと。
 前半のハンバーガーショップや風俗嬢設定の回収までつなげるところは非常に良かったと思うのですが、中盤はもう少し違った方が良かったように感じました。(桃太郎じゃないか、もしくはもっと凝ったボケ方か。)
   
・「ロボット=バグ」を読み手が受け入れないといけないのがちょっと不親切だったかなと思いました!
 桃太郎に出てくるワードを物語内でアナグラムするというのは斬新だとは思うんですが、いかんせん桃太郎という題材がそれを斬新に見せつけきれてないような気がしました!「カワカミ」と「ドンブラコ」の使い方は好きでした!
   
・これも設定をややぶっ飛ばしたのに頼った分、構成やボケの作り込みが甘いところがけっこう出てしまった感じですね…
 めげずにまた決勝行けるようにネタを練りたいと思います。
 

Qゲート
No.015 破滅
遊園地
淫『淫乱です

童『童貞です

淫・童『二人合わせて破滅です、よろしくお願いいたします

淫『ところでチェリーボーイ

童『なんですか?

淫『私ね、逝ってみたい所があるの

童『どこですか?

淫『絶頂の向こう側(ハァト

童『誰か頭の救急車呼んでー

淫『冗談よ、私ね遊園地行ってみたい

童『童貞とでいいんですか?

淫『いいじゃない、チェリーボーイ、逝きましょう(ハァト

童『人の股間をさするな、股間を

淫『へぇ〜ここが遊園地か〜(ハァト

童『急にコント始めるな!

淫『君の腰という名の荒馬に乗りたいな(ハァト

童『遊具に乗りたがれよ、遊具に

淫『じゃあバイブレーション観覧車に乗りたいな(ハァト

童『変な要素を足すな

淫『説明しようバイブレーション観覧車とは、細かな振動でハトの糞などを落とす観覧車である

童『意外と実用的な理由でバイブついてた!

淫『えー、じゃあどんな事想像してたのー?

童『ドッキン!赤面!!それは言えないでござるうううううう

淫『ほぉら、ほぉら、逝ってごらんなさい〜?

童『ふたなり巨神兵

淫『え?

童『ふたなりの巨神兵が中心にちんぽを刺して腰を振っているのを想像してたでござるううう〜〜〜

淫『絶句よ、童貞のイマジネーションすげえな

童『ほかにも遊具があるでござろう!!もうふたなり観覧車はいいでござる〜〜〜!!

淫『テンパると侍になるの?あとそんなものの話はしてないわよ・・・

童『失礼、ほかにも遊具あるでしょう

淫『そうねぇ、馬並みメリーゴーランドとかどうかしら(ハァト

童『ひいいい!!!

淫『それに絶頂ジェットコースターに(ハァト

童『ひひいいいいいい!!!!悪霊退散!悪霊退散!!

淫『おまんこフリーフォール(ハァト

童『ひえええええええええええええええ!!!悪霊退散!悪霊退散!!悪霊退散!悪霊退散!!

淫『どうかしら?(ハァト

童『まだまだだね(クローバー

淫『急にヒソカみたいになるなよ

童『僕に怖いものなんてないんだ(スペード

淫『急にどうした、どうした

童『私には怖いものなど、ないのである。怖いものがあるとすればただ一つ。それは自分という人間。

淫『賢者タイム?

童『パンツ洗ってきていいですか・・・

淫『やっぱり、何を想像して逝っちゃったのぉ?逝ってごらんなさい(ハァト

童『巨大人魚

淫『え?

童『自分が巨大人魚の乳首と戦って、負けてしまい、捕食という名の全身ニプルファックをしている所を想像してしまったでござるううう〜〜〜!!!

淫『キモッ

童『え?

淫『あんたキモいよ・・・

童『そんな!!拙者はただ淫乱殿の問いかけに答えただけでござって!!!

淫『正直者は好きだけどキモいよ、ふたなり巨神兵とか全身ニプルファックとか

童『もちろんこの後はホテルとか行くんですよね?

淫『うわっ、何考えてんのキモッ

童『童貞と淫乱が出会ったらもちろんこの後は

淫『何を想像してるのよ

童『家庭

淫『?!

童『一姫二太郎、長男には童貞から一文字取って貞子名付けて立派なビデオ女優になってもらうでござる。
  長女には淫乱から一文字取って乱太郎と名付けて立派な落第忍者になってもらうでござる。
  家は練馬区の閑静な住宅街に3LDKの質素な白い壁のお家、表札には「狂犬注意」と書いて犬を飼わないでござるよ。
  そして庭には3匹の具志堅を飼って毎晩ボクシング対決を見るでござる。どうでござるか?

淫『ツッコミどころが多いので整理していいかしら・・・

童『生理でござるか?!?!?!?!鼻血プシューーーーーー!!!

淫『ああん!いつも男って勝手に逝くんだから・・・(ハァト

童『ピクピク

淫『でも男のそういう所、嫌いじゃないから(ハァト

(童貞の出した鼻血をズームアウトして行くと「ありがとうございました」と書いてある)

淫『ふふっ、ありがとうございました(ハァト

予選総合第42位(2回戦敗退) 破滅
審査員
点数
22 10 53 36 46 36 得点34.83
(ボーナス+1点込)
【審査員コメント】
・なんかこう、馬鹿ネタなんですが微妙に消化不良だったと言いますか。
 設定はいいですし、淫乱と童貞というキャラを活かした下りが豊富だったのですが、
 キャラが思いの外ブッ飛んでなかったと言いますか、淫乱・童貞キャラの教科書に留まってしまっているように見えました。
 エロや妄想というのは淫乱・童貞から真っ先に想起されるボケなので、やるならもっと誰も思いつかないエロや妄想しないと難しいです。
 記号化しやすい設定はキャラを立てやすい反面ボケの種類の方向性が読まれがちなので、かなりフレーズを凝る必要があります。
 「実用的な理由」「ヒソカ」のような、キャラから一歩踏み出したボケがもっと増えればかなり違いました。
   
・前回のチンポが二股に分かれてる漫才から、どうしてこんな中2の妄想オナニーみたいなただ下品なだけの漫才になってしまったんでしょう。
 ふざけるなら、とことんふざけた貴方が見たい。
   
・荒すぎる節はあるんですが、ワードセンスとか展開の仕方とか、なんか強烈なパワーを持ったネタではあるな、と思いました。
 ふたなり巨神兵の下とか、バイブレーション観覧車とか、いいですね。
 もうちょっとだけ、個性を殺さない程度にもうちょっとだけ、丁寧になってもいいんじゃないでしょうか。
   
・なんでしょうね、淫乱と童貞が淫乱と童貞の漫才してるなあという感じの、裏切りの少ない漫才だったかなぁと。
 最初にどうイメージさせるかでこの漫才のやり取りの面白さも変わるものなのかなと思うのですが、「淫乱です」「童貞です」の入りだと、そういう漫才なんだろうなっていうイメージになってしまってこの後のやり取りのおかしさを感じ辛くなるので、もっと「どんな漫才やるんだろう?」「普通の漫才しそうだな」ぐらいに想像させる入りの方が良かったんじゃないかなと思いました。
 「淫乱です」「童貞です」の入りでいくなら、全然普通の漫才をやるか、想像を超えるぶっ飛んだ淫乱童貞を見せるか、どちらかの方向に裏切ってほしかったかなと。
   
・クソみたいなネタのくせに「急にヒソカになるなよ」とか「家庭」とかキラーフレーズ入れてくるなよ!!
 以上!!!
   
・エロいキャラ同士、ってのは面白いキャラ構成ですね。
 ただ、キャラ提示ぐらいでとどまっているボケが多かったので、もう少し掘り下げがあると漫才としてより評価されると思います。
 最低限の骨格は余裕で出来ていると思うので、あとはどう肉付けしていくか、ですね。
 

Qゲート
No.016 エルトアール
披露宴
レフト:時に右者、結婚披露宴というものは存知か?

ライト:知らない可能性を考慮されるとは思わなんだ

レフト:知っているなら話が早い。実はかつての野球部の後輩に披露宴の司会を頼まれてな

ライト:こんな扱いづらい木偶に頼むとは少々残念な後輩だな

レフト:そこで一通り本番の段取りをしておきたいと思ってな

ライト:俺に付き合えってか?まあ無茶苦茶やられるよりは練習しておいた方がいいだろう

レフト:恩に着るぞ。
   「それではただいまより一塁家対三塁家の試合を開始します。『ウーーーー』」

ライト:野球部感出さなくていいんだよ。それとも依頼者は甲子園ででも披露宴をする気か。
    ここは普通に開宴して、で、新郎新婦が入場してくるわけだ

レフト:「これから入場します新郎新婦に盛大な拍手を」

ライト:パチパチパチパチ

レフト:リリーフカーに乗って登場する新郎

ライト:ボケがプロ入りしていた

レフト:「ピッチャー、旧郎に代わりまして、新郎」

ライト:試合のド頭でピッチャー代える采配もだが、まず旧郎は何者だ

レフト:ベンチに座る新郎

ライト:野球ならマウンドに行け。披露宴なら高砂に座れ

レフト:「新郎新婦は高校時代に野球部のエースとマネージャーという関係でありまして、
     当時は新郎とキャッチャーのバッテリーが部を甲子園に導く名コンビでしたが、その女房役を押し退けて選ばれたのは、新婦でした」

ライト:綾鷹かよ。それに押し退けも何も男が嫁にはなれねえよ。あくまで女房“役”だ。というかお前のいた部、実力あったのかよ

レフト:「新郎新婦は新たに夜のバッテリーとして未来を拓くことでしょう」

ライト:夜のバッテリーてエロオヤジの発想かよ。
    とにかく次は主賓の祝辞だな。だいたい新郎の勤め先の上司あたりが担当するな

レフト:「それでは祝辞を頂戴したいと存じます。新郎の爪先の病気であります水虫様より

ライト:待て待て。何「勤め先の上司」みたいな感じてさらっと水虫晒してんだよ。
    人間に祝辞を述べてもらって、それから左者が簡単な祝杯の言葉を言う、と

レフト:「それでは二人の前途を祝して、献杯」

ライト:なんで大安牌の「乾杯」を捨ててそっちを取るんだよ。弔辞にも使う言葉は避けろ

レフト:「それでは試合に勝っても〜……カンパーイ(乾杯・完敗)」

ライト:ギリアウトだよ。まさか乾杯にネガティブ要素盛られるとはな…。次はケーキ入刀だ

レフト:「グツグツグツ」

ライト:入湯させるな

レフト:安心しろ。入湯料は会費に込みだぞ

ライト:そういうことじゃねえんだ。ケーキカットを演出しろ

レフト:「お写真をお撮りになる方は男子便所の要領でもう一歩前へ」

ライト:いらねえ要領を挟むな。普通に一歩前へでいいだろ。
    それから食事タイムだな

レフト:「ご歓談しながらお食事をお楽しみください。本日のお料理は鯛の尾頭付きを用意させて頂いております。おまけとしてタイのお菓子付きです」

ライト:タイのお菓子付きってなんだよ。そう言われても見たことないから「なんかエスニック的ななんちゃら」としか受け取れねえよ

レフト:なんのことはない、タガメをふんだんに練り込んだ砂糖菓子だ

ライト:なんのことあるだろ。明らかに罰ゲームものの素材だろ。
    料理はまともなモンを出して、ここで主役がお色直しのために一旦退場するわけだ

レフト:「デデーン、『新婦、アウトー』」

ライト:ガキ使かよ。アウトの使い方がおかしいんだよ

レフト:「デデーン、『新郎、アウトー』」

ライト:何が悲しくて主役が罰ゲーム受けなきゃなんねえんだ。笑ってはいけない結婚披露宴なんて苦行だろうがよ

レフト:「『新郎の父、タイキック』」

ライト:流れ弾だしタイ強化週間かよ。本家並みに理不尽な流れ、新郎の父は田中枠か

レフト:田中枠?

ライト:拾わんでいい。拾わんで

レフト:「ちなみに新郎のお母様は新水虫薬の記者発表のため本日欠席されております」

ライト:ダブルブッキングかよ。息子の水虫治したい気持ちは分かったが、その晴れの舞台を欠席するなよ。
    とにかく、お色直しの間に祝電披露しておけ

レフト:「新婦のご友人より宿便を頂戴しております」

ライト:拒否れよ

レフト:「『マネ者、結婚おめでとう。嬉しさ余って2か月ぶりのお通じが来ました。式場へ届けられないのが残念です』」

ライト:ガチ宿便かよ、届けられて堪るか。NTTは水道局兼務じゃねえよ……兼務だとしても届けねえよ

レフト:「続きましては新郎側の祝電を読み上げさせていただきます。
     『投者、結婚おめでとう。まさか俺からマネ者に乗り換えるなんて、ジェラシーもあったけど
      今は気持ちの整理もできた。絶対幸せにしてやれよ、アディオス!』」

ライト:その祝電送ったの野球部のキャッチャーだろ。本当にフられた感覚あったのかよ。そしてちょいウザい。
    …まあこの辺で新郎新婦再入場だ

レフト:「赤コーナー、新郎〜。青コーナー、新婦〜」

ライト:リングインする新郎新婦がどこにいる。なんでこれから寄り添う夫婦がお色直し後に拳を交えるんだよ

レフト:ボクシングより『プロレスごっこ』の方がよかったか

ライト:ごっこ言うなごっこ。ちょっと違う方想像するじゃねえか。
    今度はキャンドルサービスしながら各出席者のテーブル回りだ

レフト:「3軒目、4軒目と順番に火をつけて回っております」

ライト:完全に放火じゃねえか。
    それからこの後は新郎の父親の友人あたりが読み上げるスピーチだ

レフト:結婚に大事な3つの袋とかを話すやつだな。『寝袋、池袋、ヤフー知恵袋』

ライト:お見事、3打数0安打だ。そもそもそこはスピーチ担当者次第だろ

レフト:しかし小生の周りではこれらが“新・3大袋”としてナウなヤングにヤヤウケだぞ

ライト:怒り新党かよ。左者の周囲はどういう面子だ。それとせめてバカウケであれよ

レフト:3つの中でも『嫌いなフラッシュモブを新郎側に強行された新婦が離婚の相談をするヤフー知恵袋』は注目だ

ライト:一番引き合いに出しちゃいけない話じゃねえか。1ミリもスピーチにふさわしくねえよ。
    そろそろ余興、歓談に進め

レフト:「ここで新婦のご学ブス…失礼、ご学友でありますブス3人による『てんとう虫のサンバ』を

ライト:待て。何「ブス」ってはっきり言っちゃってんだよ。しかも最初「ご学ブス」って間違えたのを言い直してその体たらくて。
    明らかに今後支障が出るだろ

レフト:すまぬ。披露宴における余興といえば
    「新婦よりもブスな学生時代の親友3人組が『てんとう虫のサンバ』を歌う」というのが相場だからつい、な

ライト:どこの相場だよ。明らかに偏見が過ぎる。
    それに今時はもっと近年のウェディングソングのパターンが多い気がするな

レフト:『タマシイレボリューション』とかか

ライト:どこがだよ。Superflyなら『愛をこめて花束を』があるだろうに、何の戦いに赴くつもりだ

レフト:「♪わかりはじめたマ〜イレボリュ〜ション」

ライト:挙句のレボリューション違い

レフト:「ありがとうございました。筋肉広郎(きんにくひろお)様による『涙のダブルバイセップス』でした」

ライト:一個も合ってねえよ。歌い手変わってるしマイレボリューションのどこにボディビルな要素あったんだよ

レフト:「筋肉広郎様には旧郎にタイキックに歌にと、本日八面六臂の活躍をしていただいております」

ライト:旧郎の正体とタイキックの実行犯そいつかよ

レフト:「おおっと皆様、歌が下手くそだったからといってタイのお菓子を投げるのはご遠慮ください」

ライト:出席者たち野蛮かよ。ただタイのお菓子についてはひとえに不味いからだろ

レフト:「普段は水道局で宿便の処理にお忙しい中出席してくださいましたので、もう少し温かくお見守りくださいませ」

ライト:とことん伏線の回収役かよ。そもそも“下水=宿便”みたいな扱いしてんじゃねえよ

レフト:「特に本日はボディビル全国大会を欠席して駆けつけてくださいました」

ライト:こいつもダブルブッキングかよ。というかそもそも誰の関係者だ。全国大会蹴ってまでって義理堅すぎだろ。
    とにかく披露宴も佳境、ここらで花嫁の手紙朗読だ

レフト:そのくだりだけで読み物漫才が一本できるやつだな

ライト:認識の仕方よ。そこは「お父さん、お母さん、今まで育ててくれてありがとう」とか普通に済んだものとして次へ行け

レフト:「――ありがとうございました。出荷される仔嫁の気持ちが詰まっておりました」

ライト:今日イチ言い回しが穏やかじゃねえわ。BGMドナドナせる気か。
    ここは手紙で感動のムードを高めた流れで、それぞれの両親へ花束贈呈ってもんだろ

レフト:「では新郎新婦からお互いのご両親へ、その思いとタマシイをこめた花束の贈呈です」

ライト:だからそこは愛をこめろよ

レフト:「なお本日出席できなかった新郎のお母様の代役を筋肉広郎様に務めていただきます」

ライト:そいつのユーティリティープレイヤー性なんなんだよ。
    …最後に両家を代表して新郎の謝辞だ。それがちゃんとまともに済みました、と

レフト:「――ありがとうございました。水虫克服に対する熱い想いを頂戴しました」

ライト:まともにって言っただろう。新郎は出席してくれた人たちに何の想いぶちまけてんだ。
    まあとにかく、これにてお開きだ。きっちり締めろよ

レフト:「これにて一塁家、三塁家ご両家の結婚披露宴をめでたくゲームセットとさせて頂きます。
     本日は本当にありがとうございました。
     『♪ほ〜た〜るの〜ひ〜か〜〜り、ま〜ど〜の〜つ〜〜き〜』」

ライト:おい締め方。だから野球部っぽくしなくていいんだよ。
    その上、蛍の光だとか雰囲気がしめやかになるだろうが

レフト:「引き出物には電池を用意してございます。どうぞお忘れなくお持ち帰りくださいませ」

ライト:“バッテリー”ってことかよ。なおも野球っぽさをにじませるか

レフト:――というわけで右者、小生の司会ぶりはどうであったか?

ライト:どうもこうも論外すぎるわ。左者の後輩は今からでも別の人間に司会を任せるべきだと思うぞ。
    …して、披露宴の日取りはいつだ

レフト:(腕時計を見て)…すでに始まっている時間だな

ライト:ダブルブッキングかよ

予選総合第21位(準決勝敗退) エルトアール
審査員
点数
87 82 61 52 20 92 得点66.67
(ボーナス+1点込)
得票1票
【審査員コメント】
・凄く良かったです。今までのエルトアールさんのネタの中で1番面白かったです。
 「旧郎」「ナウなヤングにヤヤウケ」など相変わらず抜群のワードセンスもさることながら、
 構成が非常にシンプルなため、それらのフレーズが渋滞を起こさずスムーズに入ってくる。
 筋肉広郎の伏線回収も上手でしたし、何よりオチがこれ以上ない完璧なセレクトでした。
 強いて言うなら「爪先の病気」「入湯」などツッコんで初めてわかるようなボケが多目だったので、
 「リリーフカー」「綾鷹」のような即効性のあるボケがもっとあっても良かったかなと感じました。
 とはいえ現時点での満足度は1位です。
   
・最初は結婚式×野球メインでいくかと思いきや、終わってみれば正統派で良質な漫才でした。
 特に今大会は変人狂人だらけだから、演者が常識人の正統派漫才が尚更目立つ目立つ。
 ブスや出荷といったトゲのあるボケ、タマシイ→レボリューション→タマシイをこめて の綺麗な流れ。随所からセンスと技術が窺えました。
 現時点でも決勝いけるだけの素質と格があると思いますが、更に得点を伸ばすには野球の扱いが中途半端に思えます。
 序盤に推しまくって、終盤に伏線回収的にポッと再利用。真ん中でもう一山作るか、いっそ序盤の掘り下げを浅くするか。
 あくまで要望ですがどっちかに振り切って欲しかったです
   
・ボケがプロ入りて。旧郎て。タマシイレボリューションて。
 光るフレーズも多かったんですが、全体的にパワー不足だった感は否めません。
 シンプルな漫才としてやっていくならやっていくでもっと打率が欲しいところです。
   
・喋りが独特なところと、ボケ前のフリが少々足りなく感じる部分があり、ちょっと読み辛さ先行でテンポがよろしくなかったかなと。
 あと、ネタに野球部要素をガツガツ絡めるなら、「野球部の後輩に〜」とサラッと野球部の情報を言うだけでなく、ツッコミにも野球部について反復させて、「野球部」という意識を読者に刷り込んだ方が良かったかなと思います。(サラッと流してしまって野球押しの流れに少々戸惑いました。)
 あと、野球押しでありながら野球ボケが主張の弱いものばかりで、逆に野球や全体の流れとは関係ないボケが結構目立ってて、ちょっとボケの追い辛さがあったかなと。
 序盤の「リリーフカーに乗って登場」とかはボケも分かりやすくて良かったと思うので、そんな感じで進むようだとよかったのですがね。
   
・役名がレフトとライトで役名がかかわってこない野球のネタするのでちょっとややこしかったです!
 それでいて中盤から野球は関係なくなって、ボケにジャンルがとっ散らかってるのでちょっとハマらなかったです!
 オチは好きでした!
   
・基本的にダジャレベースな発想ながらも、ツッコミの鋭さなんかも相まってすごい面白くなっていました。
 完成度がすごいですよね。個人的には今回ダントツでした。 オチの「ダブルブッキング」もメッチャ上手かったです。
 

Qゲート
No.017 アクロバット才能
コンビニのバイトは大変なことがいっぱい
乍:どうもアクロバット才能ですお願いします

縹:いやね、最近お金がなくてね

乍:あらかわいそうに

縹:だから、コンビニでバイトしようかと思ってね

乍:できるのお前に?

縹:いやコンビニでバイトぐらい出来るよ、バカにするんじゃねえよ

乍:そんなこと言って、コンビニのバイトって大変なことがいっぱいあるんだぞ

縹:わかってるわそれぐらい

乍:ずっと立ちっぱなしだぞ

縹:それぐらい余裕で耐えれるわ。俺、足腰の推薦で国立の大学入ってんだぞ

乍:そうか。でもな、お前の働いてるコンビニにな、出会った人の骨を抜いてく子供がいるかもしれないぞ

縹:えっ・・・そんな奴いんの?

乍:いるいる、ファミマに特に居る

縹:えー俺ファミマ志望だわ、どうしよ

乍:骨抜いてくんだよ。子供だけどね、大人に対しても果敢に抜きにかかってくるから

縹:子供の良い面出てるー

乍:だろ?しかも子供だからな、腕の高さ的に、骨盤もってかれるぞ

縹:体のコアいかれんじゃん、やば。え、骨盤もってかれたら仕事なんも出来ないじゃん、特に棚卸しに不利じゃん、やばいぞどうすりゃいいんだよ

乍:だからお前にアドバイスしとくけど、コンビニでバイトするなら、予備の骨盤買っとけよ

縹:なるほどな、予備の骨盤ありゃ安心だな

乍:いつでも体にはめても大丈夫なように、常に人肌ぐらいには温めとけよ

縹:わかったホットコーナーのとこに入れとくわ。よし、これで安心してコンビニでバイト出来るな

乍:いや、まだ大変なことあるぞ

縹:まだある?

乍:あるよ、コンビニなめんなよ

縹:ごめん

乍:レジにいるときにな、左右からボンバーマン来るかもしれないぞ

縹:えっ・・・ボンバーマン来んの?

乍:来る来る、ファミマに特に来る

縹:えー俺ファミマ志望だわ、どうしよ

乍:あいつら恐ろしいことに、自分と同じサイズの爆弾を置いていくぞ

縹:やば、火薬の量ハンパな

乍:タッタッタッ ビユッ

縹:ああ左に爆弾置かれた

乍:ビユッ

縹:右にも爆弾置かれた、やばどうしよう・・・あ、前に逃げれば

乍:前はレジあるぞ

縹:確かにレジあるわー じゃあ後ろなら

乍:タバコの棚あるよ

縹:タバコの棚あったわー 

乍:だから爆発したら、後ろの全タバコに引火するからね

縹:うわ、副流煙のオールスターじゃん やばどうしよ吸ってすごい病気で死ぬんじゃないのこれ

乍:いやお前・・・その前に、爆発で死んでるから

縹:うわほんとだ やばいじゃんこれ、2回死ぬじゃん。爆発と副流煙で。2回死ぬじゃん やばすぎるどうすりゃいいんだ

乍:だからお前にアドバイスしとくけど、コンビニでバイトするなら、予備の自分買っとけよ

縹:あーなるほどな、予備の自分があれば死んでも大丈夫だわ

乍:2つ以上な

縹:そっか2回死ぬからな、多めに持っとかなきゃ よしこれでやっとコンビニでバイトできるぞ

乍:いやいやまだコンビニのバイトで大変なことあるからね

縹:まだあるのか、果てしないな

乍:あのな、太さと長さが全く同じ毒蛇に、囲まれるかもしれないぞ

縹:え・・・え?そんなことあんの

乍:あるある、特にポプラである

縹:じゃあ俺関係ないわ

乍:そっかお前ファミマか

縹:俺ファミマ志望だからな。ポプラがどうなろうが知らねえよ

乍:確かにポプラはどうなろうが誰にも何の影響もないもんな。あ、ファミマで特にあるやつあったわ

縹:それを教えてくれよ

乍:あのな、太さと長さが全く同じ毒蛇が、毒ガスを吐いてくるかもしれないぞ

縹:ええー!?毒蛇の毒が気体なことあるー!?

乍:あるある。太さと長さが全く同じだから、いわばほぼ立方体の蛇ね、 シャーシャーシャー

縹:うわー立方体の蛇の威嚇だ 迫力あるー

乍:モワァ〜〜〜

縹:うわ毒ガス吐いたやばどうしよ

乍:スゥゥゥゥッ ウッ!バタッ

縹:わ、死んだ。自分で吐いた毒ガス全部自分で吸って死んだ

乍:そう、この毒蛇、自分で吐いた毒ガスを全部自分で吸って死ぬんだよ。だから・・・ノープロブレム

縹:大丈夫なんかい

乍:ノープロブレム事案

縹:ノープロブレム事案?

乍:あとコンビニのバイトで大変なことはね

縹:いやちょっと待ってくれ

乍:どうした?生理周期の見直しの時期か?

縹:・・・・・・・・・・・・コンビニのバイトこんなんじゃねえよ!!!!!

乍:え?

縹:コンビニのバイトこんなんじゃねえよ!!!!!全然違ぇもん!!!!!

乍:いや、え、

縹:俺の家両親ともコンビニでバイトしてるから分かるんだわ!!!!!

乍:両親ともコンビニでバイトしてるの?家庭やば

縹:めちゃくちゃ言いやがって、なんなんだよもう

乍:あ、でも確かに、俺間違ったこと話してたわ

縹:だろ?ほらみろ

乍:今まで話してきたこと全部、焼肉屋のバイトのことだったわ

縹:いや、焼肉屋のバイト、やば!!!!!!

二人:ジュ〜〜〜 ありがとうございました

予選総合第14位(準決勝敗退) アクロバット才能
審査員
点数
77 68 67 81 63 55 得点69.50
(ボーナス+1点込)
【審査員コメント】
・これ好きだわー。このちょうどいい体温のバカ加減気持ちいいわー。
 二人の立ち話のような話し方が、内容のバカバカしさを引き立てていて心地よかったです。
 「子供のいい面」「たばこの棚」「ポプラ」のような意表を突くワードも豊富で、だれずに進んでくれました。
 個人的にはひとつひとつの話題が良かったため、もっと話題の数を増やしても良かったかなと感じました。
 最後の毒ガスが先の二つに比べると弱かったため、違う話題にするか先の二つの話題を天丼するかでも変わった気がします。
 しかしまぁ、こういう自然体なバカを書けるのが羨ましいです。ぼくにはとてもできない。
   
・いいですねーこのどちらがボケともツッコミとも言えない掛け合い。斬新な感じがします。
 初っ端から骨抜かれるボケは飛ばし過ぎだと思いましたが、その後の予備の自分、立方体の蛇あたりは、
 ネタの雰囲気も掴めたところだったので、バシっとハマりました。
 でも行数のわりに笑いどころは少なめなので、もっとボケの手数を増やしてもよかったかもしれません。
 あとは展開の無い漫才なので、何か話の軸を作ってどんどん膨らませていくとか。
   
・ところどころ、「狙ってるなー」って感じのフレーズがハマらなかったです。
 ブラッシュアップの可能性を十二分に残してるネタな気がします。
 めちゃくちゃ面白かったわけじゃないけど、めちゃくちゃ面白い人が書いてるんだろうなー、とは思いました。
 ボケの方向性とかFANさんっぽいかな、とも。
   
・いいですねこの緩い空気。縹さんの返しがなかなか変則的で面白かったです。
 「2回死ぬからな、多めに持っとかなきゃ」とか、なかなか着地点が異次元で。
 あと「両親ともコンビニでバイトしてる」の不意打ちさ加減半端ないですね。やっとしっかりツッコんだと思ったら、ツッコミ悲しすぎるでしょ・・・
 本当悲しさが絶妙で、思いっきり笑わせられました。面白かったです。
 ちょっと1つ1つのボケが行数食ってて、行数は割とあるのですがその割に内容が少なく物足りなさはあったかなぁと思うので、もう1個2個、やり取りがあるとよかったかなと。
   
・「足腰の才能で国立の大学受かった」って部分好きだったので少し広げてほしかったです!
 導入ではツッコミをやってるのに骨を抜くところから急にWボケになるのが違和感ありました!最初は否定してそれをボケがだんだんとリアリティ持たせて信じ込ませていくという流れがあったらキレイだったかと!
 「副流煙のオールスター」と毒蛇のくだりが好きでした!
   
・

Qゲート
No.018 エナジーZ
教師
翔臨:はいどーもエナジーZです。
ブルドーザーたかし:よろしくおねがいしますー。
翔:人間とバカのコンビでやってますけど。
ブ:おいおい、誰に向かって人間っていってるんだよー。
翔:バカの方に食いつけお前は。
ブ:あのですねーそうなんですよー。
翔:何が?日本語おかしいよお前。
ブ:僕ですねー学校の教師になりたいんですよ。
翔:学校の教師になりたいの?
ブ:えぇ。漢字で「狂って死ぬ」と書いて「狂死」って読むんですけど。
翔:読まねーよ!!無理だよお前中卒じゃん。
ブ:わかってないですね翔臨さん。教師は学歴に左右されないんですよ。
翔:先生こそ学歴に左右される仕事だよ。多分お前教師になっても生徒になめられると思うよ。
ブ:そしたらですねー僕ビンタしますよ。
翔:ダメ!今そんな事したら一発でクビになりますからね。
ブ:僕たちが学生だった時の教師はよく生徒に体罰加えてましたからね。
翔:そうなんですよ。宿題忘れたら教科書の角で頭叩いたり。
ブ:家庭科の調理実習で料理がまずかったら包丁で刺したり。
翔:殺人事件になるよ!!
ブ:冗談ですよ。刺さったのは薄皮部分だけなんで。
翔:こいつ喋ってるの嘘ですよ。中学校一緒でしたから。
ブ:でもですねーあのそれは嘘じゃなくてですね。文部科学省は言うけど日本は今教育現場から必死に教師をリバイバルしてですね・・・。
翔:感情を込めて熱弁すればする程お前相手に言葉伝わらないタイプなんだから冷静になれよ。
ブ:つまり冷やし中華は温めれば冷麺になるんですよ。
翔:話変わってんだろ!冷やし中華冷麺にならねーし。
ブ:という事で教師やるんでタバコ注意するから生徒の方ちゃんとやって下さいよ。
翔:コント入るのね。わかった。あー学校だるいなー。(タバコを吸う)
ブ:こらその男子!
翔:そこの男子だろ!なんだよ先公!
ブ:火付いてないぞ!(ライターで生徒のタバコに火を付けようとする)
翔:あっどうも・・じゃねぇよバカ野郎!!注意しろ注意!!
ブ:そこっ廊下と私語するんじゃない!!(別の生徒を注意)
翔:こっち注意しろ!!それに何だ廊下と私語するんじゃないって言う注意は!!独り言じゃねぇか!!
ブ:病んでるねー。
翔:病んでんのお前だよ。俺のタバコ注意しろ!
ブ:メンソールより葉巻吸いなさい!!
翔:種類注意するんじゃねぇよ!!吸ってる事に注意しろよ!!
ブ:・・いやっタバコ別に吸っていいでしょ。
翔:はっ!?何言ってるのお前!?未成年タバコ吸ったら法律違反なんだよ!?
ブ:・・・知らなかった・・・ダメなの!?
翔:ダメだよ!!
ブ:・・・最近タスポ導入してからそうなったんだよね?
翔:大昔からダメ。あのさ・・お前教師というか・・その・・常識無いよね・・。
ブ:私15歳から社会人デビューしましたので。
翔:でも小学生でもわかるよ・・タバコ未成年アウトなの・・。
ブ:・・・何だか・・世界観が広がったような・・。ウフフ・・。(ほくそ笑む)
翔:ウフフじゃねぇよ大馬鹿野郎!!そんな常識も知らない奴が教師になんてなれるか!!
ブ:大丈夫!十分になれますよ僕は!
翔:何でだよ!
ブ:反面教師に!!
翔:もういいよ!!
ブ:どうもありがとうございました。
翔:see you!!

予選総合第44位(1回戦敗退) エナジーZ
審査員
点数
19 20 15 21 10 22 得点18.83
(ボーナス+1点込)
【審査員コメント】
・なんかあっという間に終わった気がします。ボリューム少な目のネタではあるのですが。
 ブルドーザーたかしとか冷やし中華は冷麺になるとかバカの片鱗はあるのですが、
 既視感の強いボケが多く、勢いのある文体のせいもあり目を引く下りに欠けた印象を持ちました。
 冒頭でバカをアピールしているので、もっとボケのバカキャラをオーバーにアピールした方が良いかと。
 ひとつ目を引くようなワードがあるだけで全体の印象が変わるため、個々のボケを吟味するとだいぶネタの質が上がります。
   
・全体的に拙い部分が多くて、なんとか漫才の形を成してる程度ではありますが、
 冷麺のくだりや廊下と私語のあたりはなかなか良いボケだと思いました。
 色々改善すべき点はありますが、まずボリュームアップですね。
 本題のタバコを注意するやりとりを始めたのが全体の半分を過ぎてからというのは流石に遅過ぎます。
   
・ボケもベタベタなんですけど、ツッコミがボケを殺してる下りがめちゃくちゃ多かったです。
 いろんな人のネタ読んだりするなりして頑張ってくださいね。
   
・いいなと思う箇所もありましたが(廊下と私語とか)、ボケが捻り弱かったりツッコミが簡素過ぎたりといった部分が全体的に目立ったでしょうかね。あと、ネタが短く、ここからどう深めていくかというところで終わってしまったので、もう少し話を広げてみてはと思います。
   
・読みづらくてテンポ悪くてボケも弱くてちょっといいとこなかったです!
 実際の芸人さんの教師の漫才コントをこういう形式に書き起こしてそれにこのネタのボケを合わせていくだけでもだいぶ変わるかと!実際にそれ出しちゃうと規約違反ですが!!
   
・ボケというにはちょっと安易すぎるボケが多かったように思いました。
 その割にツッコミが強すぎたりすると読み手が冷めやすいポイントになるので、バランスが重要になってきます。
 (ライターで生徒のタバコに火を付けようとする)とか、あとドベタではあるんですがオチの「反面教師」あたりは面白かったです。
 ボケをもう少し練った上で、もうちょい行数延ばして展開させると次のステップに行けると思います。
 

Qゲート
No.019 非可逆劇場
追われて
岡井: よく野球は2アウトからって言うじゃないですか。だから人生も2アウトからなのかなーって。

平岡: 確かに野球は2アウトからですけど、どうしたんですか?急に。

岡井: 今、ひょんなことから 怪しい組織に追われてまして。

平岡: 確かに2アウトですね。

岡井: 確かに2アウトですとも。
   それで、捕まったら地下倉庫に閉じ込められてマカロンを食べさせられるんです。

平岡: 怪しい組織って女子力高いのね。

岡井: 捕まらないように、なんとか住民票の中身を書き換えることまでは出来たのですが…。まだ不安で………。

平岡: 役所のセキュリティって案外甘いんですね。
   んー。例えば高飛びして逃げるとかはどうですか?

岡井: それは名案! では僕が高飛びするので、平岡さんは手拍子をしてください。

平岡: (パチン) (パチン) (パチン) (パチン) (パチン) (パチパチパチパチ)

岡井: (思いっきり走って持ってる棒をマットに突っ込む)
   (マットに突っ込んだ部分を支点として思いっきり踏み切る)
   (棒を利用して高く跳びバーを越える)
   (マットに着地)
   ポーン。記録6m28cm。

平岡: わー!! 世界記録だー!!(パチパチパチパチ)












平岡: 違う違う。
   それは棒高跳び。僕が言ってるのは高飛びで海外に逃げることだよ。 

岡井: じゃあかなり長い棒を使って高跳びと同じ要領でジャマイカに着地しました。

平岡: インドのタージ・マハルあたりが支点になってますね。きっと。

岡井: だけど、海外に逃げただけじゃ心配だなぁ。追ってくるかもしれん。

平岡: じゃあ追われても逃げられるように足が速くなったらいいじゃない?

岡井: よし!! ジャマイカだからウサイン・ボルトさんに弟子入りするのがいいと思う!!
   その練習をしたいから平岡さんはウサインさんやって。

平岡: ウサインで呼ぶ人珍しいね。いいよ。


   私はウサイン・ボルトですー。

岡井: ウサインさん!! 弟子にしてください!!
   なぜなら、足が速くなりたいからです!!

平岡: おぉ。足が速くなりたいならこのドーピングを使うといいよー。私も愛用してるんだがねー。簡単に9秒58がでるよー。

岡井: 頼むから嘘だと言ってくれ。

平岡: ちなみにこのドーピングは使うと何故か警察に追われるんだよねー。不思議ー?

岡井: あぁ。脱法ドーピングなのかよぉ。
   そんなものあるのかよぉ。
   ダメだダメだ! これでは追われる相手が増えてしまう。
   平岡さん。ウサインの弟子になるのはやめるよ。

平岡: さっきまでさん付けだったのに、呼び捨てになった。

岡井: しかしこれでは怪しい組織に捕まって、アボカドを食べさせられてしまう!!

平岡: 出た。怪しい組織の女子力。
   それなら整形して別の顔になるというのはどうだろう?

岡井: おぉ!nice idea! では整形大国韓国へ高飛びで行こう。
   ピョーンっと!






   (秋田に着地)

平岡: 行きすぎたね。まぁ日本の整形技術も高いから。秋田美人とかも、きっとそういうことだよ。

岡井: それでは、秋田で整形してもらうぞ!



平岡: こんにちは。秋田整形美容外科の平岡です。 

岡井: 怪しい組織に追われているので、別人にしてください。

平岡: ではアフリカ系にします。有無を言わさずアフリカ系にします。







岡井: わーい。アフリカ系の顔になったぞ!

平岡: ピー! FBIだ! 脱法ドーピング所持で逮捕する!

岡井: うわあ! ウサインと間違われたあ!!





岡井: 気づいたんだけど、牢屋の中が一番安全じゃない? そこなら怪しい組織に追われないし。

平岡: なるほどね。本当にそうか実際にやってみよう。




岡井: 牢屋なう。

平岡: 14番。ご飯を持ってきてやったぞ。

岡井: わーい。

平岡: 大量のアボカドと大量のマカロンだ! さぁ食え!!

岡井: まさか!! お前は!! 怪しい組織!!!!!

平岡: ふははははは。警察とも裏で繋がってるのさ!! さぁマカロンとアボカドを食べるのだ!!

岡井: うわ〜〜〜〜〜〜!! 女子力が上がってしまう〜〜〜〜〜〜〜!!






平岡: どう? 牢屋も案外安全じゃないっしょ?

岡井: 確かに、警察と裏で繋がってたと考えると安全じゃない。
   怪しい組織のポテンシャルをなめたらダメだね。
   だけどこれだと怪しい組織に捕まっちゃうよ!! 自撮りの写真を撮らされて目を大きく加工した後Instagramに上げさせられる!!

平岡: 怪しい組織の女子力が止まんねえな。

岡井: よし!! こうなったら怪しい組織と真っ向から勝負だ!!

平岡: なるほどね。

   怪しい組織だ!! 岡井を捕まえてやる!!

岡井: かかってこい!! こう見えても柔道白帯、剣道初段、テコンドー大会地区予選落ちだ!!

平岡: 広く浅くか!!
   こっちにはなトカレフがあるんだよ!!

岡井: 拳銃はズルい。
   聞いてない。ズルい。聞いてない。勝てない。聞いてない。負けるよ。聞いてない。なんだよ。
   聞いてない。聞いてない。負けるよ。聞いてない。勝てない。聞いてない。ズルい。なんだよ。
   聞いてない。聞いてない。聞いてない。聞いてない。聞いてない。聞いてない。聞いてない。

平岡: パン! パン! パン!

岡井: 3発も撃って追い討ちかけてきた〜。




岡井: ダメだ真っ向から行ったら殺される。

平岡: 怪しい組織はギガ怪しい。

岡井: それだけじゃない。噂に聞くと怪しい組織は生物兵器を持っているらしい。

平岡: 怪しい組織はテラ怪しかった。それは一体どんなものなの?

岡井: ダイハードの主人公のように中々死ななくなるウイルス。
   その名もブルース・ウイルス

平岡: そんなカオスなウイルスがあるなんて!
   ただ、そのウイルスに関しては感染してもそんなに支障ないだろ。寿命がちょっと伸びるくらいだろ。

岡井: ならばこっちも生物兵器で対抗してやろう!
   もう一回怪しい組織と勝負だ!

平岡: はい。どーもー 怪しい組織でーす。頑張ってやっていこうと思いますー。

岡井: 怪しい組織に漫才ブームが来てるのか。
   かかってこい怪しい組織!

平岡: くらえ! ブルースウイルス!

岡井: ならば生物兵器で対抗! くらえ! 多めのヤゴ!

平岡: くそっ! 多めのヤゴを盾にしやがった。

岡井: 説明しよう! 多めのヤゴとはヤゴが多いのだ!

平岡: 同じことを2回言っただけか。ならば、このトカレフでもくらえ!! パーン パーン

岡井: いけっ! 多めのヤゴっ!

平岡: しまった! ブルースウイルスのせいでヤゴに銃弾を弾かれてしまった!

岡井: ふはははは! ならばこっちも反撃だ! くらえ! 本をたくさん投げる!

平岡: うわああああ! 本がたくさん投げられた!

岡井: くらえ! 「ノルウェイの森」「海辺のカフカ」「1Q84」

平岡: 村上春樹の本だああああ!!

岡井: くらえ! 必殺! 「お手軽! 正しい合法ドーピング」!!

平岡: ドーピングに正しいもクソもねえよ!!

岡井: まだまだ行くぞ! 「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」
   「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」
   「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」
   「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「窓際のトットちゃん」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」
   「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」
   「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」
   「ぐりとぐら」「ぐりとぐら」「窓際のぐりとぐら」

平岡: 最後の本知らないやつぅ!!

岡井: 「もしドラッガーがぐらだったら」

平岡: 何が面白いんだよその話。しかしこんなに大量に本を投げられたらさすがに退散だああ!!




岡井: いやぁ〜。この方法なら怪しい組織を追っ払えますね斎藤さん。

平岡: 平岡です。

岡井: よし! いつ怪しい組織に追われてもいいように常に多めのヤゴと多めのぐりとぐらを持ち歩こう。

平岡: 周りからしたら、ただのヤバイやつだけどね。
   他に何か良い方法は思いつかないの?

岡井: じゃあ怪しい組織にもう追わないでってグループLINE送る

平岡: 怪しい組織とLINEできるのかよ。あと個人LINEで送れよ。

岡井: えーっと・・・。あった「いつメン☆」。

平岡: 怪しい組織はいつメンなのかよ。

岡井: えっと。もう追わないでねっと。
   皆でカラオケ行こうって返信きた! いや、眞鍋かをりかよ。

平岡: 眞鍋かをりもいつメンかよ。

岡井: 既読149人なのに返信が来ない〜。

平岡: 皆でカラオケ行くなよ。

岡井: あ! 怪しい組織からマジ裏山って返信きた!

平岡: 怪しい組織はバカ女なのかよ。

岡井: もうこれで解決したので、大丈夫ですお騒がせしました。

平岡: どこが解決のポイントか分からないけど、無事解決できて良かったです。

岡井: でも、実はウサインボルトにも追われていて。

平岡: いや、一難去ってまた一難かよ。いい加減にしろ。どうもありがとうざいました。

予選総合第24位(3回戦敗退) 非可逆劇場
審査員
点数
40 75 77 48 80 63 得点64.83
(ボーナス+1点込)
【審査員コメント】
・今回のMM−1、みんなバカですね。ツッコミ不在の多いこと多いこと。
 展開が多彩で飽きさせませんし、「頼むから嘘だと言ってくれ」「聞いてない」など強烈なワードもあるのですが、
 いまいちハマらなかったと言いますか、「追われている」という設定が不明瞭で世界観にのめり込めませんでした。
 「なぜ追われているか」について最後まで言及されないのも引っ掛かりましたし、最後のLINEも蛇足に思えました。
 個々の展開は面白いので、導入であったり展開の繋ぎだったりにもう少し工夫が欲しかったです。
   
・普通に漫才してる非可逆劇場さん久々に見たかもしれません。
 牢屋なう、多めのヤゴ、ブルース・ウイルスと端々のフレーズからセンスが感じ取れました。
 部分的に見れば笑うポイントはかなりあったんですが、怪しい組織に追われてるという設定がぼんやりしているのが勿体ない。
 怪しい組織に追われている。これは分かる。怪しい組織に女子力高い事させられる。これも分かる。
 でもその理由が何もないんですよね。どうして追われるのか。どうして女子力高められるのか。
 そこらへんをボケで一言添えてくれるだけでネタ全体が全然変わってきます。怪しい組織のヤバさの伝わり方が変わります。
   
・あんまり腑に落ちなかったけど結構笑いました。不条理とパワーで押し切られた感じ。
 トカレフの下りめちゃくちゃ好きです。
 ぐりとぐらの下りは本当に腑に落ちなかったけど笑いました。
 オチは腑に落ちなかったし笑わなかったのでもうちょっとあった気がします。
   
・緩くて自由な空気が面白かったですが、ネタの纏まりの無さの印象も強く、ちょっと自由過ぎだったかなと。
 自由なネタの中にも何かしらの統一されたもの、一定であるものがあると楽しみやすくはあると思うのですが、”棒高跳びを実施する”ことから始まって、ボケ・ツッコミの担当とかもあまり決まっておらず、「聞いてない」連呼や、「ぐりとぐら」を大量に持ち出したりなんかはネタのリズムも変化させてますし、どうもいろんなところを自由にやり過ぎだったでしょうかね。
 もう少しボケの方向性を絞っていただけると楽しみやすかったかなと思います。
   
・結構展開ぶっ飛んでるんですけどテンポ良くて面白かったです!長い行がたまにあると見栄えよくていいですね!
 「怪しい組織だ!」が好きだったので二回目もアレンジ加えずにやってほしかった!
 LINEのくだりからちょっとグダグダしちゃったかなと思いました!
   
・このネタ全体でどう面白いか、と問われるとなかなか難しいですねw
 女子力高い系のボケだったりは普通に意外性があって面白かったです。
 そういうボケがあるところは面白かったんですが、やや甘いボケというかギャグのようなレベルのものも多く、
 実質的にストーリー展開のためのくだりがやや多かったのが惜しいところです。
 

Qゲート
No.020 ライラック
焼きたて! ジャムぱん
鈴木:どうもライラックの鈴木と申します! 皆さん我々の漫才をどうぞ気楽に楽しんで下さいね!

石川:「とてもじゃないけど無理」と言う人に対して「とてもじゃないならやってくれ」と言ってやりたいと常々思っております。
   ライラックの石川でございます。

鈴木:いきなり何の話だよ! そんなことより「3段オチ」と呼ばれるお笑いの技術のようなものがありますよね。
   コレを上手いこと習得出来れば芸がグンと上達する気がするんですよ。

石川:良いですねえ。では今から僕がその「3段オチ」をガンガンかましますので、振りの方をお願いします。

鈴木:頼もしいじゃねえか。それじゃあ「USJ」って何の略ですか?

石川:「U」は宇宙! 「S」と「J」は分からない!

鈴木:駄目じゃねえか全然! 1つ目で間違えるわ、残りを投げ出すわ、どこから突っ込めってんだよ!

石川:最初から上手くいく筈が無いのです。文句を言うくらいなら、もっとたくさんの振りを下さいな。

鈴木:悪かったよ。それじゃあ「世界三大珍味」って何だか分かりますか?

石川:分かりません。

鈴木:そうですか……何だよ、コレ! 世間話してんじゃねえんだぞ!

石川:いやでも「USJ」とか学校の授業とかで習ってないですもん! そうやって知識の無さを咎めるのは人としてどうかと。

鈴木:いちいちうるせえな! じゃあ社会科の授業で習った「日本国憲法の三大原則」は?

石川:ああ、それなら知っています。「国民主権」と「平和主義」それから「基本的人権の尊重」!

鈴木:正解! ……正解じゃねえよ! 教科書通りに解答してどうする! 

石川:何なんですか、さっきから文句ばっかり! 僕なにか間違ったことしてますか!?

鈴木:今は俺たちが純粋にクイズで楽しむ時間じゃなくて、見て下さってる方々に笑っていただく時間なんだよ! 
   大体お前「3段オチ」がどういうものか分かってるのか!?

石川:いやあ、分かると言ったら「あざむき」になりますね。

鈴木:「あざむき」ってなんだよ! 「嘘」より言い方が悪質じゃねえか! ていうか分からないなら最初に言え! 
   今までのやり取り全部が無駄だろうが!

石川:仕方がありませんね。その「3段オチ」について教わってもいいですよ。

鈴木:どうして教えて頂く立場の分際でそんな偉そうな口が聞けるんだ! 
   「3段オチ」というのは、1つ目と2つ目は普通のことを言っておいて、3つ目のときにボケて落とすみたいな奴だろうが!

石川:要はアレですか? 夫婦という設定のコントで「アナタ、ご飯にする? お風呂にする? 
   それとも、タ、ワ、シ? ……いや帰ってすぐ掃除かよ!」みたいな。

鈴木:呑み込みの速い相方で助かるぜ。そういう奴をやってくれ……「世界三大美人」って知っていますか?

石川:知らないです。

鈴木:しばき倒すぞテメエ! もう逆に聞くわ! お前、何なら知ってるんだよ!

石川:クリームパン。

鈴木:舐めんなよ! 何一つ知らないに等しいじゃねえか! 単語じゃなくてジャンルで答えろ、ジャンルで!

石川:そうですねえ、歴史や社会科なら割と知ってます。

鈴木:じゃあ「新選組」の主なメンバーを3人答えろ。

石川:それなら分かります。ええと「近藤勇」っていますよね?

鈴木:ああ、いたと思うよ。

石川:じゃあ1人目は「近藤勇」で。ううむ「沖田総司」っていましたっけ?

鈴木:いたんじゃないか?

石川:2人目は「沖田総司」……ええと「徳川家光」は違いますよね。

鈴木:「徳川家光」は違うなあ。

石川:ですよね! 「徳川家光」は違いますよね! そういう訳で3人目は「徳川家光」!!

鈴木:いやいや「徳川家光」は違うだろ〜! ……何が面白いんだよ、コレ! いちいち1人1人確認するんじゃねえ!

石川:せやかて不安ですやん。

鈴木:「ですやん」じゃねえんだよ! こんだけ行数使ってこんなオチじゃあウケる訳ねえだろ! よし分かった、こうしよう。

石川:良いですねえ。

鈴木:まだ何も言ってねえだろ! 今から俺が1つ目と2つ目の答えを言うから、
   お前は3つ目のオチだけをパッと答えるってのはどうだ?

石川:そこまで言うなら仕方ないですねえ、そうしましょうか。え? そんなにそうしたいですか?

鈴木:ああ、そうしたいよ是が非とも! ていうがお前が俺のワガママに付き合って譲歩したみたいな感じにするのはおかしいだろ!
   ……「テコの原理」といえば「支点」「力点」あと1つは!?

石川:クリームパン!

鈴木:……まあ良かろう……「三角関数」といえば「サイン」「コサイン」あと1つは!?

石川:クリームパン!

鈴木:あのなあ、何でもかんでもただ言えばいいってものじゃねえんだよ! 
   言うほどのことでもないけど言うわ! クリームパンはそこまで万能じゃねえぞ!

石川:ふっふっふ。先刻のダブルクリームパンは「3段オチ」における1つ目と2つ目に過ぎません。
   次なる解答に爆発的なオチが待っているという寸法ですよ。

鈴木:なるほどな、やるじゃねえか……「良い」の比較級「グッド」「ベター」あと1つは!?

石川:クリームパン!

鈴木:大した度胸じゃねえかオイ! よし、殴るからこっちへ来い!

石川:ああ、そうですか分かりましたよ! ここからは僕がアナタに振ればいいんですね!?

鈴木:何をどう受け止めた上でのキラーパスだよ! じゃあ今から俺が「3段オチ」をやって見せるから振りをくれ。

石川:それではまずベタな奴から……「東京の首都」を3つ挙げよ!

鈴木:バカ過ぎるだろ、お前! 首都は通常1つだし、首都が東京だ!

石川:「ユンソナ」のメンバーを3人挙げよ!

鈴木:個人名だよ「ユンソナ」は! せめて答えが3つ以上の問いかけを頼む!

石川:最近どうっすか?

鈴木:広いわ! 返答のパターンが無限すぎてボケるにボケられんだろ! 
   そうじゃなくて「世界三大ナントカ」みたいなのをよこせよ!

石川:「世界三大、三羽ガラス、トップスリー」は!?

鈴木:「3」ばっかりだな! 何だよその実体のない質問は! 何の「三大」なのかを言え!

石川:「徳川三代将軍」は!?

鈴木:「さんだい」違いだよ! 「家光」一択じゃねえか!

石川:世界三大「クリームパン」は!?

鈴木:それも一種類だろ! 厳密に言えば細分化できるのかも知れねえけどさあ!

石川:世界三大「同性愛の形」は!?

鈴木:「ホモ」と「レズ」しか浮かばねえよ! 「BL」や「百合」に続く最先端カルチャーなんて、そう簡単に思い付くか! 
   強いて言うならニューハーフ同士の恋愛かな!? そうじゃなくて世界的に有名な奴とかあるだろ!

石川:「世界的に有名な世界三大の奴」!! 「小野小町」「フォアグラ」あと一つは!?

鈴木:何がだよ! 「美女」なのか「珍味」なのか、どっちなのかをハッキリさせろ!

石川:世界三大「美女の味」は!?

鈴木:変な混ぜ方をするな! 卑猥だよ言い方が! そもそも味の違いが分かるほど経験ねえし! 
   もういいから、さっき俺がお前にしたような内容の振りをしてくれ! 

石川:「日本国憲法の三大原則」といえば「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」ですが何か異論でも!?

鈴木:ねえよ! 今のは振りでもなんでもねえ! ただの感じ悪い奴じゃねえかよ!

石川:「USJ」は「ユニバーサル」「スタジオ」「ジャムパン」ですが何か問題でも!?

鈴木:お前がオチまで言うな! ていうかお前「小野小町」といい「USJ」といい普通に知ってるじゃねえかよ! 何故あざむく!

石川:「ラーメン」「つけ麺」「僕イケメン」ですが何か懸念でも!?

鈴木:他人の奴じゃねえか! 流れに乗じてパクッてんじゃねえ!

石川:失礼な! 僕はパクッてなどいません! テレビで「狩野」を見たときに面白いなあと感じたので真似をしただけです!

鈴木:それをパクると言わずに何と言う! お前が「狩野英孝」のことを買っているかどうかは知らねえけど!

石川:ちょっと待ったあ! アナタ「狩野英孝」などと気安く呼び捨てにしてますが、彼は我々より明らかに格上の存在ですよ!
   ちゃんと「狩野先生」とお呼びなさいな!

鈴木:急に真面目かよ! ていうかお前もさっき「狩野」って呼び捨てにしてたじゃねえか!

石川:それについては謝りましたよねえ!

鈴木:いつ謝ったって言うんだよ! いいから俺に「3段オチ」をさせろ!

石川:ライラックのコント「夫婦」! ……今日も疲れたなあ、ただいま〜。

鈴木:なるほど、このパターンか……アナタお帰りなさい。ご飯にする? お風呂にする? それとも、タ、ワ、シ?

石川:そうだなあ、掃除でもしようかな。

鈴木:頑張ってね〜……突っ込まんのかい! ボケてるんだから然るべき対応を取ってくれ!

石川:「夫婦その2」! ……今日も疲れたなあ、ただいま〜。

鈴木:アナタお帰りなさい。ご飯にする? お風呂にする? それとも、ワ、ガ、シ?

石川:何で和菓子なんだよ! 帰ってすぐそんな甘ったるいもの食えるかよ! せめてクリームパンだろ!

鈴木:似たり寄ったりじゃねえかよ! テメエの好みなぞ知るか!

石川:「夫婦その3」!! ……ただいま〜。ご飯にしようかな、お風呂にしようかな、それとも……。

鈴木:ちょっと待てよ! お前が「3段オチ」するんかい!

石川:そういえば「ご飯」と「お風呂」の他に、とびきり抜群に面白い3つ目の選択肢が用意してあるん、だ、よ、ね!?

鈴木:そ、そうなのよ〜。それが何なのかというと……焼きたてのジャムパン! 
   ……ウケる訳ねえだろ! そんな期待値の上がる振り方で面白いこと言える訳ねえだろうが!

石川:なぜ。

鈴木:「なぜ」じゃねえだろ! だから、こんなやりづらい状況を作られちゃ、
   とてもじゃないけど笑いなんか取れねえって言ってんだよ!

石川:とてもじゃない? いやいや、とてもじゃないならやっておくんなまし。

鈴木:今それを言うか! いい加減にしろ!

2人:ありがとうございました。

予選総合第30位(3回戦敗退) ライラック
審査員
点数
36 57 64 45 85 75 得点61.33
(ボーナス+1点込)
【審査員コメント】
・なんかライラックさんの正統派漫才を見ると毎回安心してる気がします。
 とにかくボケ数が半端ない。ストロングスタイルでボケ倒す漫才は見てて気持ちいいです。
 ただ質より量だったと言いますか、個々のボケはあまり印象に残るものに乏しかったように見えました。
 というのもテーマが三段オチなので、ボケのパターンとしてはわりかし限られてしまいます。
 3つ正解を言う、正解が3つもないなどは「三段オチ」を題材として考えた時に真っ先に思い付くパターンですし、
 なまじお笑いの技法をテーマにしているがゆえに求められるボケのハードルを上げてしまっているように思えました。
 「あざむき」などいいフレーズもありましたしオチは綺麗だったため、あとはオリジナリティの強化を期待してます。
   
・クリームパン。ナイスチョイスでした。万能じゃないですか。
 サイン、コサイン、クリームパンの語感の良さと、その後の「よし、殴るからこっちへ来い!」のツッコミが最高でした。
 三段オチに着目したのはいいのですが、フリがベタなものが多いわりにそれに対するボケも基本的なものが多いので、
 全体的に新鮮さはありませんでした。終盤に意外性のある展開を入れるとよさげです。
   
・割とベタな構造ではあるんですけど、バカバカしいボケを丁寧に見せる技術が素晴らしかったのか、結構面白かったです。
 なんかもう一つ「これだ!」というボケが見られるとより良いですね。
 狩野英孝以降は完全な蛇足だったなぁ、と思います。行数足りなくてもその前で終わってしまってもいいぐらい。オチは良かったですけど。
   
・ネタの流れとか枠組み的な部分はとてもいい感じに作られてたと思うのですが、ボケが全体的に雑というか捻りの弱いものばかりな感じがして、しっかりしたネタを読んだという印象ではあったものの非常に物足りなさを感じました。
 なんでしょうね、ボケが流れに食われ過ぎてるみたいな、流れを作るためにボケてるみたいな感じがして、もっと主張の濃いボケが欲しかったですね。
   
・三段落ち自体が題材の漫才っていうのがかなり斬新だと思いました!
 ちょっと「」で括った単語が多すぎて効果的に機能していない感じがしたのと、変な返答の仕方がハマらなかったというのがありましたが、石川が徹底してバカでテンポも物量もあって面白かったです!
   
・ボケの手数が凄まじいですねぇ。三段オチのカタログ感すらありました。
 序盤がやや丁寧な展開だったので、その分後半ではっちゃけた展開が欲しかったところ、
 3/4ぐらいのところは怒涛のボケで面白かったものの、最後のコントっぽいところが逆にクオリティが落ちたような気がするのが惜しかったです。
 ちなみに今回、「三段オチ」を活用した組が結構いましたね。結果発表ページのネタに取り上げるかどうかちょっと迷ってました。