予選Dブロック 予選審査員専用の審査フォームはこちら

031 バトルロワイR 032 一夜の幻影 033 バタフライマフィン 034 ミステリアスパートナー 035 チアノイズ 036 こけまみれコオロギ 037 あかつき 038 PARTY NOISE 039 ひろたか 040 落ちものパズル


Qゲート
No.031 バトルロワイR
Welcome to ようこそカスミガセキ

R:はいどーも! バトルロワイRです!

?:よろしくお願いします。

R:どうぶつを擬人化した作品が人気らしいから、それにあやかったスマホゲームを考えて来たよ。

?:へぇ、けものフレンズ的なやつかな。 なんてゲーム?

R:中央省庁アミーゴ。

?:…………中央省庁アミーゴ???

R:これは中央省庁を擬人化したアミーゴたちと平和に暮らすゲームなんだ。

?:日本でアミーゴって聞くの、「修二と彰」のとき以来だな。

R:我が国の1府11省2庁がアミーゴになって登場するよ。

?:へぇ、じゃあとりあえずそのゲームを紹介してもらおうじゃないか。

R:ゲームを始めると、まず最初に会えるアミーゴが法務省ちゃん。

?:ほぉ。

R:ホーム画面でいつでも話せるよ。

?:法務だけにな!

R:法務省ちゃんはこのゲームの仕組みだったりルールだったりを教えてくれるんだ。

?:あぁ、なんか法務省っぽい。なるほどね。

R:そしてもう1人 ホーム画面にいるのが厚生労働省ちゃん。

?:おっ、厚生労働省ちゃん。

R:このゲームを長時間やっちゃった時には、やめるよう是正勧告を出してくるよ。

?:いやスマホゲームはアクティブユーザー増やしてなんぼだろ!

R:従わないと行政処分もあるから、ちゃんと従おうね。

?:残業みたいな扱いだな。ひと月に何時間やっていいんだ・・・

R:続いてはガチャ画面を紹介するよ。ここで納税してガチャ回して新しいアミーゴを入手しようね。

?:課金を納税って言うな。

R:それで、ガチャ画面にいるアミーゴは財務省ちゃん。納税されたお金で予算編成して新しいアミーゴを生み出してくれるよ。

?:ふーん。それでこのガチャで当たるやつで一番つよいアミーゴは何なの?

R:そのアミーゴは……機密性が高いアミーゴだから大っぴらには言えないんだ。だからひとまず「某A省」としておこうか。

?:いや、言っちゃってる。隠せてないぞ。

R:プロフィールをちょっとだけ教えちゃうね。このアミーゴだけは「イチガヤ」から出向してきてるんだ。

?:確かに防衛省の本省は市ケ谷にあるけども!

R:性格としては、高い所に登るのが好きなアミーゴだよ。

?:よく軍事上の拠点は小高い丘の上にあるけども!防衛省の本省も然りだけども!

R:そして、もう1人。期間限定でガチャに登場しているアミーゴがいるよ。

?:期間限定。こういうのがガチャ回したい欲を刺激するんだよな。

R:なんと2021年3月31日までの10年間限定で登場、復興庁ちゃん!

?:期間が長ぇよ。原作準拠なのは良いけどスマホゲームそんなに続かないだろ。

R:でも、ガチャを回しても もう既に持っているアミーゴが出てくることもあるんだ。あるよね?

?:あぁ、被りはよくあるだろうな。

R:そういう時は中央省庁の再編を行おう!

?:中央省庁の再編て。

R:手持ちのアミーゴたちを合成して新しいアミーゴを生み出せるんだ。
  レシピの一例を挙げると、北海道開発庁・国土庁・運輸省・建設省を合成すると国土交通省になるよ。

?:2001年のマジなやつじゃねえか。

R:そんで お次は お花畑コーナーの紹介だよ。

?:お花畑コーナー?

R:自分が好きなようにお花を植えて、アミーゴたちとの触れ合いの場を作れるオマケみたいなものだよ。

?:へぇ、そんなマイルーム的なものがあるのか。

R:プレイヤーの指示に従ってお花を植えてくれる三人のアミーゴがいるんだ。
  まず1人目は環境省ちゃん。環境を良くしようとしてくれるよ。

?:そこは割とイメージ通りだな。

R:2人目は農林水産省ちゃん。お世話をちゃんとしてくれて、見事なキュウリの花を咲かせるよ。

?:農作物じゃねえか。花畑なんだったらもっと他に良いのあるだろ。

R:そして月末の金曜日だけ花を植えに来るのが、経済産業省ちゃん。

?:文字通り、花金! いや、プレミアムフライデーになにやってんだよ。

R:さて、じゃあここからは残りのアミーゴたちを紹介していくね。まずは総務省ちゃん。

?:おぉ、総務省ちゃんね。

R:総務省ちゃんはいわゆる電波キャラな感じのアミーゴだよ。

?:電波キャラ?なんでだよ。

R:技術的な問題で我々が使える周波数帯は限られてるんだけど、同じ周波数を色んな人たちが使っちゃうと混線したり情報が漏れたりで問題だからね。
  総務省がしっかりと周波数をそれぞれに割り振ってるんだ。こういった電波の管理も総務省が行っているからだよ。

?:いや、だとしてもソレだけ反映されて電波キャラにされるの、なんか可哀想だな。

R:そんで続いてのアミーゴはイジられキャラだよ。名前を間違えて呼ぶと少し不機嫌になっちゃうんだ。

?:おっ、そういうリアクションは可愛いな。やっと可愛いの出てきた。誰だ誰だ?

R:警察庁ちゃん。

?:前言撤回だわ。

R:警視庁と間違えるとプンスカしちゃうんだ。「警察庁だよ!」ってすぐに言い返してくるよ。

?:警視庁は中央省庁じゃないもんな。

R:で、次は文部科学省ちゃん。すごく学びへの意欲が強くて何にでも興味津々なアミーゴだよ。

?:あー、これも ぽいなぁ

R:まぁ好奇心旺盛過ぎて、よく危ないお店にまで行っちゃうのがキズだけどね。

?:貧困調査の人を全体みたいに扱うなよ。あの人は故意だぞ。

R:で、次が外務省ちゃん。プレイヤー同士が問題を起こさないように気を配っているよ。

?:なるほど。スマホゲームでも他のプレイヤーを煽ったり、SNSで晒したりとか起きちゃうもんな。

R:海外安全情報みたいに、マナー悪いプレイヤーの情報を公開してくれるんだ。

?:いや公式が晒すなよ。プレイヤーと運営で問題が起きるわ。

R:そして最後は内閣府ちゃん。かなりの切れ者だから『隠れたナイフ』と勝手に呼んでるよ。

?:ナイ 隠 フ ってか。

R:そう、プレイヤーの施策を直接的にサポートしてくれるアミーゴだよ。

?:ふむふむ。これで全員そろったわけか。へー。
  それで? キャラクターたちはたくさん聞いたけど、具体的には何をするゲームなの?
  内容をもっと掘り下げて、展開も考えてあるんだろうな?

R:あー、ダメダメ!これ以上は掘り下げたり、展開はさせちゃダメだよ!

?:は!? なんでだよ!

R:だって、これ以上やったら大臣や官僚を大した知識も無く攻撃する「政治を斬る(笑)ことで悦に浸る人」みたいになっちゃうかもだし、
  反体制的な集会に参加する事で自分も政治に参加してる気分になりたい人とかに目をつけられたくないし、
  国家の犬は無条件で見下しても良いと思ってる人とかの目にもとまりたくないし、
  これ以上は政治的なスタンスが理由で賛否両論になる内容になりかねないからね。ここらで留めておくべきなんだ。

?:うわ、超めんどくさいな

R:でもでも、これだけは言えるよ! このゲームでは24時間いつでもアミーゴたちと遊ぶことができるんだ!

  だって、霞が関は 不夜城 だからね!

?:いや、休ませてあげてぇー!



予選総合第27位(3回戦敗退) バトルロワイR
審査員
点数
72 33 63 83 71 81 得点68.17
(ボーナス+1点込)
得票2票
【審査員コメント】
・相変わらず知性と笑いの融合が上手すぎる。ネット長文界の大輪教授と呼ばせて頂きます。
 擬人化ネタというのは珍しくない反面、元ネタの要素を擬人化してしっかり活かすのは意外と難しかったりするのですが、
 ちゃんと省庁の特徴を分かりやすく擬人化出来ているため読みやすく、
 「納税」「某A省」「中央省庁再編」など省庁とアプリ双方を活かしたボケも豊富で楽しめました。
 ただ、やっぱりキャラ紹介で終わってしまっているのが惜しいですね。やっぱり展開は欲しい。
 オチ前の説明で納得は出来るのですが、やはりキャラ同士が絡んだりするボケでたたみかけて欲しかったです。
 キャラが多い分説明を削るのも難しそうなので、もっと行数を増やした長編で見たいと思わされました。
   
・本当によく考えたなぁすごいなぁとは思うんですけど、
 ボケの感じが上手いに寄りすぎてる上にその上手さが説明されないとわからない、みたいな感じで笑いどころはなかったですね。。。
 僕が政治を知らなすぎるだけなのかもしれませんが。。。
 所々のダジャレがアクセントっぽいと見せかけてベクトルがちょっと違う「上手い」なのもなんかアクセントになってないなあと思いました。
   
・素晴らしい着眼点のネタだと思うのですが、設定を一通り巡回しただけでそのまま終わってしまったような印象でした。
 各省庁をそれぞれキャラクター化しました止まりではなくて、それを踏まえて終盤もう一つ山場をどう持ってくるかが鍵になるのではないかと思います。
   
・テーマが最高に面白いです。ただアミーゴってのがどんな感じの擬人化なのかイメージできませんでした。
 中央省庁をロボ的な感じで擬人化してるのか、けもの系の感じなのか、美少女なのか外見的なイメージがつきにくかったのが残念です。
 省庁のいじり方に関してはうまくできていたと思いましたし、?がツッコミで足りない知識を補ってくれるので難しいテーマでしたがついていくことができました。
 ただボケが単発で終わっている印象があったのでそこがもったいないと思いました。
 逆に言えばもう100行つかってここからの展開を書いてもらっても全然ついていけるクオリティだなと思いました。
   
・なんだこのちょっと勉強になるスマホゲームは。やってみたいわ。
 まず、すげえところに目を付けたなと思います。中央省庁をコンテンツにする勇気よ。
 それぞれの省庁の特徴をしっかりととらえながらキャラクターに仕上げていて、想像がしやすく面白い仕上がりになっているネタだと思います。
 ただ、全体的に特徴をとらえながらゲームにする、といった部分に終始している感じでもったいない。
 確かにオチのあたりでいっている通りだとは思うのですが笑、ここからもっと大きな展開やボケを繰り出してほしかったかなと。
 勇気がいるとは思いますが、思い切ったボケや皮肉を交えたボケなど風刺ネタの特徴を活かしていくのもありだと思いますよ。
   
・「けものフレンズ」のパロディを「中央省庁アミーゴ」と名付けたこと自体が面白すぎてめちゃくちゃ笑いました。
 某A省とか国土交通省に再編するやつとか、いろいろ上手い掛け合わせでしたね。
 まさか「復興庁」という単語でこんなに笑える日が来るとは思いませんでした…
 尻すぼみで最後にもう一展開できただろうなぁ、というのは惜しいところです。
 

Qゲート
No.032 一夜の幻影
僕は街にのまれて 少し心許しながら この冷たい街の風に歌い続けてる
向井:誰が「いちご100%」の登場人物やねん。

真中:どうも僕真中と一発目に何かほざく癖がある向井君の二人で一夜の幻影です。本日もどうぞ宜しくお願いします。

   確かに僕等と同じ名字のキャラ出てきますけどね。河下水希先生とは無関係100%でお届けいたします。

向井:俺さ悩みがあるんだ。ワンフレーズ歌った後に言うから聞いてくれ。

真中:さっさと言って貰えませんか。時間って有限なんですよ。

向井:♪I could not look back, you'd gone away from me〜

真中:さっさと言ってくれって言ったのに無視は止めて貰えますかね?言いたかないけどMM−1って行数制限あるんですよ。

向井:♪I felt my heart ache. I was afraid of following you〜

真中:歌詞引用はネタタイトルの尾崎のフレーズだけに留めておきましょうよ。著なんちゃら権が心配。

向井:♪When I had looked at the shadows on the wall〜

真中:後、MM−1でネタ中に歌って良いのはオレンジの方の審査員のユニットのみって裏ルール、ご存知無いんですか?

向井:♪I started running into the night to find the truth in me〜

真中:うっわぁ、本当にワンフレーズ歌っちゃいましたよこの人。果たして何を言ってくるやら。

向井:(息を思いっ切り吸って)






    寝れないなー!!!!!!!!!!!



真中:  !  !  ?

   いやいやいや!!ライブバージョンの「紅だー!!!!!!!!!!」のテンションで!!散々待たせておいて!!

   えっ、何?寝れないんですか?体調とか大丈夫ですか?

向井:いや体質的な問題じゃなくて、最近叶えたい夢があってお前に話さなきゃならない事を考えると全然眠れなくてな。

   もう目が真っ赤になって。紅に染まったこの俺を慰める奴はもういないんだ。

真中:上手くないですからね最後。で夢を見て眠れないとは何と言う皮肉。僕に言いあぐねてる叶えたい夢って何ですか?

   歌 わ ず に ス ッ と 言 え よ ! !

向井:俺実は歌のお兄さんになりたいって思っててさ、実は曲も一つ考えてあるんだ。それをお前に言うのは些か照れ臭くてな。

真中:おっ、良いじゃないですか。だったらこの場で歌のお兄さんになって一曲披露して下さいよ。

向井:♪嵐吹くこの街でお前を抱く〜

真中:紅の続きじゃないです!!児童向けから最も遠い位置に行かないで下さいね!!

   そうじゃなくて、君が考えたオリジナルの方を!!

向井:そっちかー。じゃあちょっとお兄さんのテンションになるからな。待ってろ。

   ゴホンゴホン。あーあー。



   良い子のみんなー、こーんにちはー!!(手を耳をあてる)

真中:此処までわざとらしいキャラ変化も中々見られないですね。じゃあ僕も……。

   こーんにちはー!!

向井:みんな元気だね!!じゃあ早速今日も元気に向井お兄さんと一緒にお歌を歌おうかー。

   お兄さんが元気に歌うからみんなも覚えて帰ってねー!

真中:入りは上々じゃないですかね。しかし問題は此処から。

向井:では聞いて下さい。「セメントの歌」

真中:セッ、セッ、セメ、セメント……!?

   まあ、ちょっと聞いてみましょう。幼児向けの楽曲は変なのも結構ありますしね。

向井:♪セメントー、セメントー

真中:まあセメントの歌ですからね。

向井:♪セメントを食べよー

真中:3小節目!何をほざいているんですか!?

向井:♪朝起きてー、いつものようにー、ごはんとお味噌汁ー、焼き鮭ー、味付け海苔と卵焼きー、そしてセメントー

真中:トドメ刺さないで下さい!古き良き朝食なのに!台無し!!

向井:♪朝一杯のヨーグルトよりも効果があるー、ソースはたけしの家庭の医学ー

真中:嘘だよ!!絶対そんな事言わないですよ!幾らたけしさんでも常識の分別はちゃんと付きますよ!

向井:♪今日も歯磨き粉の代わりにセメントー、洗顔料の代わりにセメントー、ジェルの代わりにもー、そう、セメントー

真中:顔が固まっちゃいますよ!!顔だけ彫刻になっちゃいますよ!!最後ちょっと溜めたのがイラッと来ますね。

向井:♪口が開かないー、目が開かないー、耳が聞こえないー、鼻がヤバいー、髪がメデューサみたいにパリパリー、助けてー

真中:案の定じゃないですか!何ですかこの朝のクソ忙しい中の無駄な時間。

向井:♪僕は二宮金次郎みたいになれないー、悔しいなー、涙流して余計にセメント固まるー

真中:物理的に近付いても意味無いから!二宮金次郎みたいになりたいって志は立派ですけども。

向井:♪気を取り直してー、学校へ行こうー、セメントについても学べるー、偏差値低めなー、工業高校ー

真中:子ども向けなのに主人公が高校生であるのはさて置くにしても、偏差値低めって言っちゃマズいですって!僕も子ども向けってちょっと忘れかけてたけど!

   まあセメント食べたり顔をセメント塗れにしたりする人が偏差値高かったら、それはそれで嫌ですけども。

向井:♪まあ何かあったみたいだけどー、黒板読めないー、授業が聞こえないー、ノートが書けないー

真中:まだ顔中セメント固まったまんまなんですか!?よく学校まで来れましたね!?

向井:♪目覚めたら昼休みー、セメントは行く前に洗い落したよー(ドヤッ!)

真中:ただ単に寝てただけかよ!!偏差値低い工業高校通ってるんだからせめてちゃんと勉強しろよ!!

向井:♪お昼はー、行列の出来るー、セメントショップで買ったー、2キロのセメントー

真中:引っ掛かる所が三つあります。

   まずセメントショップって何ですか?

   次に何でそんな得体の知れない店に行列が出来てるんですか!?

   ほ ん で 2 キ ロ は 食 い 過 ぎ だ ! ! !

向井:♪今日はー、安いセメントランチじゃなくてー、ちょっと高めのー、セメントセットにしたよー

真中:値段云々は兎も角、他にも大量にセメント食う人いるの!?益々訳が分かりませんねセメントショップ……。

向井:♪午後の授業はー、お腹が一杯で寝てたけどー、ちょっと寝苦しいー

真中:2キロもセメント食えばそりゃ寝苦しくなりますわな。だから起きて勉強しなさいっての。子どもの教育に悪いですよ。

向井:♪おやつはー、親方が現場で練ってるー、出来たてドロドロのー、瑞々しいセメントー

真中:引っ掛かる所が四つあります。

   昼間苦しくなる位食っておやつ食べます?

   親方も他人に食わせる為に練ってませんからね!

   そんでジェラート感覚で何をほざいていやがりますか!!

   で、 や  っ  ぱ  り  セ  メ  ン  ト  は  食  い  物  じ  ゃ  ね  え  よ  !  !  !  !  !

向井:♪33種類のー、フレーバーから選べるー、瑞々しいセメントー

真中:何ですか某アイスクリームショップを意識した無駄な豊富さ!?セメントショップ以外にも食わせる所あるとか。

向井:♪晩御飯はー、セメント尽くしさー、嬉しいなー、ああこれ以上の幸せがあるのかなー

真中:ありますよー。この歌の登場人物、完全に人生舐めてますね。

向井:♪今日もー、素敵なセメント日和さー、固い意志でー、食い尽くそうー

真中:セメントだけに固いね、コンクリ詰めにされれば良いのにこの野郎。

向井:♪セメントー、セメントー、セメントを食べよー。早くー、大きくなりたいなー

真中:死にますって!!何なら朝食の段階で死にますって!!高校生だとそんな伸びしろ無さそうですよ。

向井:♪そんなある日ー、僕は恋をしたー、笑顔が素敵でー、とっても優しいクラスメイトのー、女の子さー

真中:急に曲の方向性が変わりましたね。まあでも青春っぽくって良いじゃないですか恋。

向井:♪でもー、そんな彼女にもー、欠点があるんだ。そう、セメントを食べないんだー

真中:普通!!それごく普通ですから!!欠点らしい欠点が無い女の子とか完璧じゃないですか。

向井:♪いなりずしやー、ポテサラー、パセリー、納豆、ピーマンは喜んで食うくせにー

真中:別に良いじゃないですか!確かにそれら嫌いな人居るけども!セメントイーターの物差しで測るんじゃないよ!!

向井:♪ラブレターの代わりにー、彼女の上履きにー、2キロのセメント流し込むー、ピンク色のセメント流し込むー

真中:それ完全に嫌がらせ!!可愛くピンクにしたって駄目!!セメントは割れにくいけど恋は直ぐ割れるから!!

向井:♪お陰で上手く行ったー、偏差値が低い工業高校で良かったー(ドヤーッ!!)

真中:嘘ぉ!?そんで思ってても偏差値が低いは言うんじゃないよ!彼女さん、悪い事は言わないから止めた方が良いと思います。

向井:♪デートコースは勿論小高い丘の上にあるー、夜景が見えるー、親方の現場が近いー、セメントショップさー

真中:全然当たり前じゃないですからね。何を現場除いて洒落た所に構えてやがりますか。また一つ疑惑が固まるセメントショップ。

向井:♪彼女は僕にー、「あーん」をしてくれるー、セメントセット全部を僕にくれるー

真中:そうでしたね。彼女はセメントイーターじゃない至極マトモな子でしたね。

向井:♪お返しにー、僕は彼女にー、ポテサラとピーマンとパセリを「あーん」したよー、大喜びさー

真中:普通の食べ物あるの!?本当に何なんですかセメントショップ……。

向井:♪僕達の愛はー、とっても固いよー、最早セメントと言うよりもー、ダイヤモンドの絆さー

真中:此処に来てマトモな比喩表現。何か腹が立ちますね。

向井:♪セメントー、セメントー、セメントを食べよー。早くー、大きくなりたいなー

真中:よせよ!何か恋愛の話の後だと意味が違ってくるから!!同じフレーズにも拘らず!!

向井:♪何故か下半身も固いよー、セメント塗って無いのにー( ド ヤ ァ ァ ァ ァ ァ ! ! ! )

真中:忘れてたけど君歌のお兄さんって設定忘れてるでしょ!?子ども向けの楽曲歌ってるって自覚無いでしょ!?



   で 、 さ っ き か ら ド ヤ 顔 挟 む の や め ろ ! ! ! ク ッ ソ ウ ゼ エ ! ! !



向井:♪だけどー、恋はいつかは割れるものさー、セメントは固いのにねー

真中:あらら。さっきの僕のボヤきアレンジして入れないで下さいよ。

向井:♪納豆食えない人だけは許せないってー、言われて別れたよー

真中:もっと根本的な物があるでしょうに!何処に嫌われポイントがあるか分かりませんね。

向井:♪でも僕は彼女が大好きだー、セメントよりやや好きさー、セメントショップには若干及ばないー、親方には完封負けー

真中:何その力関係!?もう親方と付き合ってセメントショップで愛を育んだ方が良いんじゃないですかね!?

向井:♪僕は彼女が作ったセメントを毎朝飲んでー、二人でセメント塗れになりたかったー、セメント打ちっぱなしの家に住みたかったー

真中:3段オチに見せかけて最後だけ真面目って。彼女も逃げて大正解ですね。

向井:♪だから僕は彼女を離さないようにセメントで固めたよー、一生僕から離れないように彼女が入ってる湯船にセメント流し込むー

真中:!!!??

向井:♪彼女と永遠の愛を誓ってるとー、僕等の愛を引き離す警察ー、覗きの容疑で逮捕しますー

真中:確かに勝手にお風呂入ってたけど!着目すべきはそこじゃない!!

向井:♪セメントー、セメントー、セメントを食べようー、セメントで作られた壁と塀を食い尽くせばー、自由は直ぐそこさー

真中:もう止めだーーーーーーーーーー!!!!!

   「紅だー!!!!!!!!!!」のテンションで止めたけどもう限界ですよ!!5つ気になる事があります。

   何ですかこの徹頭徹尾内容がクソ歌は!!

   彼女はセメント漬けにされるし!!

   最後主人公捕まっちゃってますし!!

   そんで脱獄企ててるって全然反省してる要素ないし!!

     そ  も  そ  も  1  m  m  も  子  ど  も  向  け  要  素  が  あ  り  ま  せ  ん  で  し  た  し  !  !  !

   誰が歌うって言うんですか。こんなんじゃ歌のお兄さんは無理ですよ。

向井:何だよさっきからうるせえなあ。

   そんなに   責   め   ん   と   いてよ。

真中:うっせえ!!!セメント詰めて東京湾に沈めるぞ!!!もう結構。

予選総合第41位(3回戦敗退) 一夜の幻影
審査員
点数
61 34 52 58 69 68 得点58.00
(ボーナス+1点込)
得票1票
【審査員コメント】
・ツカミ優勝です。やってることほぼ影武者Xなんですが、しこたま笑っちまいました。
 ネタ自体も「セメントを食べよー」のようなインパクトもあり、フレーズも安定していたのですが、
 あまり歌詞感がなくただのセメントを食べる男の物語って感じで、歌設定が足を引っ張っていたように思えます。
 歌設定にするのならリズムを統一するとか、サビのフレーズを繰り返すなど歌ネタである必然性が必要かと。
 また、ツカミが最高だっただけに、このツカミをするのであれば「寝れない」をネタの主軸にして欲しかったです。
 このツカミからの「歌のお兄さん」は微妙にズレており、ツカミだけが全体から浮いて見えるのが本当に勿体ないです。
 例えば「眠るために自分で子守唄を考えた、覚えて歌ってほしい」みたいな導入ならツカミからスムーズに移行できるかと。
   
・そんなルールないですよ!スリーオールさんも歌ってたし!
 
 歌ネタであることはそれほど生きてなくて逆に読みづらかった感じがするのと、
 割と勢いで押すべきバカネタなのにつっこみが敬語でくどくて、勢い止めちゃってる感じが残念でした。
 彼女をセメントで固める下りとか引き込まれたんですけどそこですぐ終わっちゃったのも残念です。のぞきはいいボケだと思います。
   
・一貫してセメントで押してくるところが潔くて好感が持てました。
 が、歌に乗せているという設定上、一人はずっと歌い一人はツッコみ続けるという流れが続くので一本調子な印象を受けました。
 また、行間空けたり1文字1文字の間隔を空けたりするのも1度、多くて2度ならある種の視覚的な試みとして効果あると思うんですが、
 さすがに乱発されすぎていて悪い意味で慣れてしまいました。
 すごく振りかぶってツッコミ入れてる感じがして、そこまで力んで言うことかな…という風に見えてしまいました。
   
・セメントの歌に入ってからはテーマも斬新だしうまく流れも作れていて良かったと思ったんですが、歌に入るまでのボケのターゲットが狭くもったいない気がしました。
 あと、テキスト漫才でそんなこと言うなよというかもしれませんが、歌に対してツッコミが長すぎると感じた所があったので、実際にネタをやった時のリズムに無理があるように感じました。
 ツッコミの長い部分は間奏でダンスをしているとか無表情で待っているとか、何かしらのフォローがあれば違和感なくついていけたのになと思いました。
   
・終始セメントまみれの歌を歌うというぶっ飛んだ流れが面白いですね。
 内容に関しては頭がしっかりとおかしくて、世界観をぶちかませていたかなと思います。
 ただ、この内容の展開を「歌のお兄さんが歌う」という点で少し違和感が。
 こういう形のネタだと何となくメロディを思い浮かべながら読んでいくのですが、歌にしては相当に情報量が多いのです。
 これだと子供向けの歌というよりはミュージカルに近いというか。そこで、想像しながら読むという点で少々入り込みにくかったです。
 歌のお兄さんが歌うというふうにするならば、もう少しスマートな形に持って行ったほうがいいかと思います。
 この情報量のまま行く場合ならば、ミュージカル要素を取り入れるとか歌ではなく絵本の朗読などの方向に持っていくなど、
 セメントだらけの世界観を活かした形に持っていくといいかと。
 オチ絶対ドヤ顔やな
   
・ツカミから思い切ったことするなぁと思いつつ、どんなネタかと思ったらセメントで落ち着くとはw
 セメントというガチガチに固められた軸がある分、1つ1つのボケはそこそこのクオリティがあって楽しめました。
 ただ、好き嫌いとか合う合わないが大きそうなネタだなぁとは思いました。
 ツッコミがちょっとくどすぎるあたりとか、ハマるひとにはハマりそうだけど、みたいな。
 

Qゲート
No.033 バタフライマフィン
アイスクリーム
いるか:どうも、バタフライマフィンと申します。よろしくお願いします。

菜々子:みんなには、アイスクリームのせいで変わってしまった友達っている?
    ゥチにはいるよ。

いるか:どうしたの急に!?

菜々子:その子の名前はあずきちゃんっていうんだけどね、

いるか:おぉっ、マンガでしか聞いた事ない名前。

菜々子:あれは忘れもしない5年前の話よ。
    ゥチはあずきちゃんと一緒にアイスクリームを食べに行く事にしたの。

いるか:その友達の事を話してくれるみたいですね。
    別に誰も頼んでもいないのに。

菜々子:その日はとても暑くて、もともと人気のあるアイスクリーム屋さんだって事もあって、お店は大行列だったの。
    1時間くらい並んでようやくありつけたアイスクリームは格別に美味しくて、あずきちゃんはゥチにこう言ったの。


    「こんなに美味しいんだったら、永久に食べ続けられるよ!」


    ってね。



    その一言を皮切りにこの5年間、あずきちゃんは今でもずっとそのお店でアイスクリームを食べ続けているの。


いるか:えぇっ!?何その有言実行!?
    5年間アイスクリームを延々と食べ続けてるの!?

菜々子:あずきちゃんのその一言がキッカケで、そのアイスクリーム屋さんは10〜18時営業水曜定休日だったのを、24時間365日営業に切り替えたわ。

いるか:なんでそんなに受け入れ態勢バッチリなの!?
    企業の努力と柔軟性がおかしすぎる方向に向いてるんだけど!?

菜々子:そんでこの間ね、あずきちゃんのところに面会に行ってきたのよ!

いるか:面会て!日本語は間違ってないのかもしれないけれども響きがイビツだよ!

菜々子:いやぁ〜、久しぶりに会ったらだいぶ雰囲気が変わってたよね。

いるか:そりゃあそんな偏食・オブ・ザ・イヤー5年連続受賞も夢じゃない生活を送ってたら必然と変わるでしょう。

菜々子:あずきちゃんって、昔はぽっちゃりしてたんだけど、久しぶりに会ったらだいぶスリムになってたのよね。

いるか:痩せ細ってるんだよ!アイスクリームだけじゃ栄養のバランスもなにもないからさ。

菜々子:学生時代水泳部で真っ黒に日焼けしてたお肌も真っ白の美白になってたし。

いるか:相当体が冷えてるんじゃないかしら。美白ではないと思うなぁ・・・

菜々子:5年間ずっとアイスクリームだけを食べ続けるっていう極限状態の生活がそうさせてるのかわからないんだけどさ、
    どこか憂いを帯びた感じがして、そこがまたあずきちゃんの綺麗さを引き立ててたよね。

いるか:未亡人が綺麗に見える現象がアイスクリームで再現できるなんて・・・

菜々子:っていうかさ、水泳部の子が水泳やめると胸が大きくなるってウワサ、あれって本当なんだね!

いるか:もう私もやろうかしらアイスクリーム生活!!
    なんでそんな生活で一目見ただけで良くなった所がこんなにもポンポン出てくるのよ!?

菜々子:それでその日は久しぶりに会うあずきちゃんといろいろ話をしたんだけどさ、やっぱりゥチもあずきちゃんの事が心配なわけだからさ、いろいろ聞いてみたんだよね。

いるか:まぁ、気になる事は山ほどあるけども・・・

菜々子:このお店の新作のアイスクリーム、あれって美味しいの!?

いるか:最初の質問それ!?絶対もっと先に聞く事がたくさんあると思うんだけど・・・

菜々子:ゴディバとのコラボレーション商品で、チョコレートアイスなんだけども”でんでん太鼓”が突き刺さってるんだよね。

いるか:シュールがゴディバに勝たないでよ!
    なぜゴディバはそんな不平等条約を締結したの!

菜々子:そしたらあずきちゃんがさ、「そんなに気になるなら頼んでみなよ。私がおごってあげるから。」って言ってくれたんだけど、
    5年間もアイスクリームを食べ続けてるのに、お金とか大丈夫なのかなと思って、それも聞いてみたんだよね。

いるか:まぁ、膨大な金額になってそうだけど・・・

菜々子:そしたらどうやらこの度、このアイスクリーム食べ続け生活にCygamesがスポンサーについてくれる事になったんだってさ。

いるか:なんでもスポンサーになるなぁあの会社。面白い携帯ゲーム山ほど作れるだけあって、税金対策の仕方も面白いわよね。

菜々子:だから今回おごって貰ったアイスクリームの金額も、近々ゥチのところに金額分の郵便定額小為替を届けてくれるんだって。

いるか:無駄にちゃんとしてる!

菜々子:でもさ、見た目も美しくなってて、お金にも困ってなくても、やっぱり普通の生活とは長年かけ離れているわけだから、ゥチの心配はまだぬぐえないわけよ。
    アイスクリームばっかり食べてて、お腹壊したりしてないか聞いてみたんだ。

いるか:お腹以外にも気にしてあげようよ!絶対おかしい生活してるんだからさ。

菜々子:健康状態は平熱が28度になった以外は全くもって問題ないんだって。

いるか:それが問題だよ!独自の進化を遂げてるじゃないの!

菜々子:実際に体温計で熱を計って見せてくれたんだけどさ、ホントに28度しかなくて、
    「これじゃあクールビズじゃん!」って2人で笑い合ったよね。

いるか:なんでお互い笑えるのよ!?

菜々子:でも、長年アイスクリーム屋さんの中に居続けてるせいで、外の世界の事は全く知らないんだって。

いるか:ニュータイプの引きこもりね。

菜々子:かろうじて毎週金曜日だけストロベリーアイスを食べる事で、曜日感覚だけは忘れてないんだって。

いるか:それ海上自衛隊がカレーでやるやつでしょ!
    海の上での生活とほぼ近いキツい環境なの!?

菜々子:ちなみに13日の金曜日だけはチョコレートアイスにストロベリーソースを混ぜた「デビルズストロベリー」っていうフレーバーのアイスクリームを食べるんだって。

いるか:変なところでそのアイスクリーム屋さんの品数の幅広さ見せなくていいから!

菜々子:でもストロベリーが入ってるとはいえ、広義にはチョコレートアイスにカテゴリーされてるみたいで、いつもこれで曜日がごっちゃになっちゃうんだって。

いるか:意味ないじゃない!何のためのストロベリーなのよ!

菜々子:でも、外の事は知らなくても逆にあずきちゃんのうわさを聞きつけて、いろんな人が訪ねてくるんだって。

いるか:新手のびっくり人間だもんね。

菜々子:テレビや雑誌で名物お客さんがいる変わったアイスクリーム屋さんとして取り上げられるのはもちろんなんだけど、
    一番すごかったのは、セブンティーンのモデルのスカウトが来た事があるんだって。

いるか:セブンティーンってあの雑誌の!?

菜々子:うぅん、自動販売機でよく見るサーベルみたいな棒に刺さったアイスクリームのスカウトだって。

いるか:それのモデルのスカウトってなに!?
    よく見る自販機だけどもアレの広報活動ちゃんと見た事ないからさ!

菜々子:かれこれ3時間はそうやっていろんな話で盛り上がってたんだけど、その間にもあずきちゃんはアイスクリームを18個たいらげてるわけなんだけどもね。

いるか:アイスクリーム限定のフードファイター殺し降臨だよ。
    5年間食べ続けてもなお10分に1個は脅威のペースだよ!

菜々子:夕方くらいになって、「もうすぐ5時かぁ・・・、実は私、菜々子ちゃんに紹介したい人がいて、その人がもうすぐ来るんだよね。」
    突然あずきちゃんはゥチにこう言ってきたの。

いるか:やぶさかではないね。

菜々子:するとお店の奥から、さっきまでとは違った店員さんが来て、あずきちゃんの前に「クィーンサイズバニラアイスケーキ(フルーツ、トッピング全部のせ)」を置いたんだ。

いるか:言葉の意味はよくわからないけど、アイスクリーム屋さんに通いすぎると変なものを頼んでしまうようになる事はよくわかったよ。

菜々子:よく見るとさわやかでイケメンな男性の店員さんで、ゥチの顔を見るや否や、
    「あずきのお友達ですか?家内がいつもお世話になってます。」って言ってきたの。

いるか:家内・・・?

菜々子:あずきちゃん、アイスクリームを食べ続ける生活が縁でそのお店のイケメン店員さんと結婚してたの!!

いるか:最高じゃないのよアイスクリーム生活!!
    キレイになって食費に困らなくてオマケにイケメンと結婚!?
    女としての幸せを総ナメにしてるじゃないのよ!!

菜々子:なんでもあずきちゃんの食べっぷりの良さに惚れたんだって。
    アイスだけに、食べるさまが”ひょうか(評価・氷菓)”されたんだね。

いるか:やかましい。

菜々子:今では苗字も変わって、「井村あずき」ちゃんって言うんだって。

いるか:苗字のビフォーアフターは知らないけどさ・・・

菜々子:プロポーズの時も、「おばあちゃんになるまであなたの生活を見守ってあげたいです。」って言われたんだって。

いるか:ステキじゃないの!

菜々子:そこでゥチ気づいちゃったんだよね。
    井村あずきちゃんがおばあちゃんになったら、「井村のあずきバァちゃん」→「井村屋あずきバー」じゃん!!ってね。

いるか:アイスを食べ過ぎた結果、名前までアイスになる人生になってしまうなんて!!

菜々子:それを指摘したら、
    「私もわかってはいたけど、それでも私はカレと結婚したかったの!」って熱く語り始めたんだ。

いるか:このエピソードにようやくぬくもりが出てきたね。

菜々子:「カレは私に毎日会うために、休日を返上して週7でフルタイムで勤務しているの。」

いるか:働き過ぎだよ現代人!好きな人に会えるとは言えこれはやり過ぎだって!愛の力って恐い!

菜々子:「ずっとお店の椅子に座り続けて足が退化してもう立ち上がる事すらできない私に「そういうところもたまらない。うひひ。」って言ってくれたわ。」

いるか:ヤバさの片鱗が見えてる!!とんでもないフェチの持ち主じゃないの!

菜々子:「私はこのアイスクリーム生活で、”アイス(愛す)”る人に出会えたのよ!」って言ってたんだよね。

いるか:嗚呼、アイスクリームの食べ過ぎでユーモアセンスまでもが冷え切ってしまって・・・

菜々子:そしてあずきちゃんはゥチに、左手に輝く指輪を見せてくれたんだ。
    「これはカレからの婚約指輪で、給料3ヶ月分だよ。って言って渡してくれたの。」

いるか:まぁ、女の子なら誰しも憧れる贈り物だけどさ・・・

菜々子:45万円だってさ。

いるか:世知辛いよ!!週7フルタイムで働いて給料3ヶ月で45万円はないよ!
    ブラック企業も甚だしいよ!

菜々子:「指輪をくれた時、カレは私を抱きしめてくれた。
     「生きてるのにひんやりしててたまらない。僕が求めていたのはこういう女の子だ!」って言ってくれたの。」

いるか:アウトーッ!!イケメンで性癖がエグいは全てを台無しにするアルマゲドンよ!

菜々子:あずきちゃん、ゥチが知らない間にステキな人に出会えたんだね。うらやましいよ。

いるか:どこがなのよ。菜々子ちゃんも目を覚ましてよ。

菜々子:それで安心したゥチは、その日はもう帰る事にしたんだ。

いるか:安心できないよ!あなたの友達が性癖モンスターの毒牙にかかってるのよ!?

菜々子:帰る前に最後に1つだけ、ゥチはあずきちゃんに質問をしたんだ。
    「ステキな旦那さんと出会えたのはいいけど、あずきちゃんはこれから先、何か夢や目標ってあるの?」って。

いるか:まぁ、女性としての幸せはおおかた手に入れてるもんね・・・

菜々子:そしたらあずきちゃん、ゥチに言ってくれたんだ。
    「アイスクリームばっかり食べてる私だけど、カレと一緒に他の美味しいものも食べてみたいかな。」って。

いるか:最後に少しだけ正常な心を取り戻したね。

菜々子:「カラっと揚がった天ぷらとか、カレと一緒に食べられたら幸せかも。」

いるか:あったかい食べ物が恋しかったんだね。

菜々子:「私一度食べてみたいのよ、アイスクリームの天ぷら。」だって。

いるか:結局アイスクリーム!!!

予選総合第26位(3回戦敗退) バタフライマフィン
審査員
点数
71 66 64 58 76 82 得点69.50
【審査員コメント】
・まず架空芸人使って頂きありがとうございます。菜々子ちゃんの天真爛漫な感じ完璧です。
 ネタもトリッキーな発想をオチまで十二分に広げるテクニックを堪能させて頂きました。
 アイスしか食べないという設定からどんどん女性として幸せになっていく、という展開の上手さに感服です。
 ただ、全体的に「上手い」というボケが豊富な一方、単体で笑えるような強烈なワードには乏しかった印象です。
 「デビルズストロベリー」のようなインパクトあるフレーズが要所要所にあればなお引き締まったかと。
 個人的には「あずき」という名前が出た時点であずきバーは読めたので、溜めて後半に出すほどのボケじゃなかった気がしました。
 しかし全体的な完成度と流れは素晴らしかったです。よろしければ今後ともバタフライマフィンをよろしくお願いします。
   
・固有名詞の使い方が非常に上手く、虚を突かれる展開が多かったです。特に前半。
 カレが現れてからは微妙に読める展開が続いてしまった感じがしますね…•。
 ハッピーなムードの中で出てきた「足が退化して立ち上がれない」はもっと強めに驚いても良かったかもしれません。
   
・アイスを食べ続けてる、で1本作り上げてしまうところに技術をひしひしと感じました。
 大きく失速することもなかったんですが、うまいことを言う系のボケに頼りすぎな印象を受けました。
   
・アイスクリーム一本で色んな方向性のボケが入っていたことは良かったんですが、その分ボケの方向性が定まらず大きな波がないまま最後までいってしまった印象を持ちました。
 あと話の中に登場する人物が全員変なのでボケの飛躍がわかりにくい状況になっていると思いました。
 一人正常な人物を登場させるか、変な人物たちにも正常な部分を持たせるかをすることで、
 いるかが共感できる部分が生まれツッコミの幅が広くなったり、話にリアリティが出て、ボケの飛躍が伝わりやすくなるんじゃないかなと思います。
   
・「アイスを食べ続ける女」から、ストーリー性もありながらバカバカしさもしっかり盛り込まれている展開に広げられていますね。
 漫才らしくきれいに広げる技術もありながら、緩急もしっかりしていて安心して読める漫才でした。
 Cygamesとか自衛隊のカレーとか目の付け所も個性があって、このコンビならではの味を出していると思います。
 ただ、安定はしていますがもう一つ突き抜けた部分が欲しかったところでもあります。
 ボケに個性はしっかりありますが、爆発力という点でもう一つ欲しいなと。
 しっかりしたキャラがあり、漫才としての出来上がりもしっかりしているので、爆発力はまだまだ生まれるユニットだと思います。
 ちなみに僕はセブンティーンはチョコミントが好きです。
   
・ぶっ飛んだ設定のはずなのに、どこか下世話すぎる個々のボケが面白かったです。ベタなところでCygamesとか。
 毎日働いて給料3か月分が45万円ってのも絶妙なところでめちゃくちゃ笑いました。
 個人的に気になったのは、「井村あずき」の時点で分かる人は既に「ん?」ってなると思うので、
 出てきた瞬間でツッコまなかったのが少々違和感でした。
 
 余談ですが、澁谷梓希(あずき)って子がプリパラの声優にいますね。
 

Qゲート
No.034 ミステリアスパートナー
そういえば聞いたことがある。漫才を得意とするタッグチームが居ると!
1号:どうもー。ミステリアスパートナーです。よろしくお願いします。

2号:おい!時間がない。プロレスやるぞ!

1号:唐突ですね。ここをどこだと思ってるんですか。ここリングでもなんでもないんですよ。

2号:うるさい!俺が何のために毎日プロテインを手で挽くバイトに精を出してると思ってんだ!

1号:本当に何のために?飲んで鍛えてるとかそういう話だと思ったら。

2号:お前は馬場か!仕事中に飲んだら怒られるだろうが!

1号:そこは仕事中じゃなくて買って堂々と飲みましょうよ。社割とか効かないんですか。
   後僕馬場じゃないですしバカです。いやバカでもないですけど。

2号:ちなみに社割で買うと70円だ!

1号:いくらなんでも安すぎませんかね。品質が疑わしいんですが。それをケチるのも相当ですし。

2号:それを2分ずつ10人交代で丁寧に挽いてるんだぞ!

1号:ますますコストに見合わない値段。そこはもう少しがんばりましょうよ。
   ボクシング1Rの時間も耐えられない男が何をプロレスとかほざいてるんですか。

2号:とにかく!男だったらうだうだ言わずに受けろと言ってるんだ!

1号:わかりましたわかりました。じゃあやります。行きますよ!

2号:待て!!

1号:何なんですかもう。やるんですかやらないんですか。

2号:まずは動きの打ち合わせからだ!

1号:打ち合わせ?うだうだ言うなって言った本人が1番うだうだしてんじゃないですか。

2号:お前は猪木か!

1号:猪木じゃないです。今度は何にも掛ってないし、下手クソ。

2号:いいか、俺達はプロじゃないんだ!素人が打ち合わせも無しにプロレスなんかやったら大怪我必至だぞ!
   プロレス舐めんな!

1号:多分今ここにいる全員がそのセリフをあなたに言いたいと思いますよ。

2号:お、なんだ!言いたいことがあるなら言ってみろコラ!タココラ!ナニコラ!
   MMー1飾って何がしたいんだコラ!

1号:急にそれっぽい喋り方になりましたね。じゃあ1つだけ言わせていただきますけどね。

2号:言ってみろコラ!噛みつきたいのか噛みつきたくないのかどっちなんだコラ!

1号:プロテインって挽いて作るんですか?

2号:え?

1号:いや僕もそんなに詳しくないんですけど。大豆にしても牛乳から作るにしてもそんな作り方するのかなって。

2号:いやいやいやお前アホか!大豆を挽くのって凄く大変なんだぞ!量多いしすごいねばつくし!

1号:ひきわり納豆ですね。

2号:えっ。

1号:ねばついて大変なんですよね。納豆ですよね。

2号:・・・・本当だ・・・・納豆だ。

1号:それを挽いてるんですよね。ひきわり納豆ですよね。

2号:・・・・・・ひきわり納豆だ。

1号:臭いは?

2号:した。

1号:社割で70円と言ってましたがその量は?

2号:3パック。

1号:ちなみになんという会社でバイトを?

2号:タカノフーズ。

1号:完全に決まりですね。ご存知おかめ納豆で有名な会社です。

2号:・・・・・・いいか!!まずはお互い距離をとってからロックアップだ!!

1号:随分強引に本筋に戻しましたね。そういや動きの打ち合わせするって話でしたね。すっかり忘れてた。

2号:そうしたら俺が粘りが出るまでお前をかき混ぜるから、そうしたらお前は醤油と辛子を入れるんだ!

1号:全然動揺を隠しきれてないですね。納豆に引きずられすぎです。

2号:そうしたら俺がネギわ・・・寝技に持ち込むから!

1号:薬味はなんとか踏みとどまりましたね。持ち込むから?

2号:お前は切り替えしてボストンクラブにかけろ!

1号:ご飯じゃなくてカニなのが惜しいところですが意外と美味しそうな組み合わせに。
   そこは何一つ間違えなかったのがかえってアダになりましたね。こうなると薬味が欲しかった。

2号:そしたら俺がロープに逃げるから!

1号:完全に立ち直ってしまった。もう少し遊びたかったのに。逃げるから?

2号:お前は引き起こしてスリーパーだ!

1号:こうですか?

2号:ゴブッ!!?グェ・・・・グ・・・・・ガ・・・・

1号:その次は?指示が聞こえませんが。

2号:・・・・・!!!(パンパン)

1号:タップして僕の勝ちで終わりですか?あっけないですね。
   僕ばっかり攻めちゃってましたけど2号さんの見せ場がないじゃないですか。

2号:ゲッホ!!ゴホ!!ウェッホ!!ゴホ!!
  ・・・・・・今じゃない。

1号:ああそうでしたか。

2号:ゲホ!・・・お前さっきまで素直に話聞いてたのにそこだけ急に技かけるのおかしいだろう!
   お前わざとだろ!馬鹿か!

1号:おお初めて素直に馬鹿かと言えましたね。おめでとうございます。
   人間極限状態になると言い間違える余裕もないんですね。そしてもちろんわざとです。

2号:お前は天龍か!

1号:あ、もう遅いです。

2号:・・・そうしたら!次は俺が反撃だ!
   まずはブレーンバスターで投げる!いや俺がだ!
   お前ちょっともう少し離れてろ!いいからそこから動くな!
   で、お互いチョップを打ち合って俺が打ち勝つ!
   そうしたらお前はバックドロップで俺を投げる!だから後で!離れてろって!
   フォールを俺がカウント2で返す!
   そしたらお前はジャーマンで投げようとするのを俺が逆にジャーマンで投げ返す!
   そして最後にもう一回ジャーマンスープレックスホールドで固めてカウント3で俺の勝ち!いいな!

  ・・・・・・あれ?
  
  ・・・・・・あれ?え?ドコ行った?

  おい、1号?




  おい・・・ちょっと・・・・・・。ねえ・・・ごめん・・・ごめんて!!




1号:あ、終わりました?

2号:びっくりしたー!!離れろとは言ったけど裏に引っ込めとは言ってない!
   頼むから俺を1人にしないでくれ!泣きそうになるから!


1号:なんか最後わけも分からず謝ってましたもんね。
   じゃあちょっと僕おしっこの途中だったんで。

2号:お願いだから行かないで!!
   というかさっきトイレまで行ってたのか!重ねて頼むから後にしてくれ!
   途中で止めて気持ち悪いのは分かるけど!

1号:とりあえず裏に居ても聞こえてたは聞こえてたので大体わかりました。

2号:聞こえてたんだな!じゃあもう一回説明しなくてもいいな!
   じゃあ早速やるぞ!何か質問は?

1号:途中でおしっこ出ちゃうかもしれないですけどいいですか?

2号:この際仕方がない!許す!他には?

1号:じゃあ後1つだけ。

2号:なんだ?

1号:ひきわり納豆にしても手動で潰すのおかしくないですか?

2号:ギブアップ!!

1号:そのギブアップもちょっと違くないですか?

2号:もう勘弁してくれ!


予選総合第48位(2回戦敗退) ミステリアスパートナー
審査員
点数
53 55 44 51 56 57 得点52.67
【審査員コメント】
・2017年下半期にもなって猪木がここまでドン被りしますかね。流行ってんのか猪木。
 プロレスをやるという設定にまず引き込まれましたし、2人の温度差も絶妙で、1人になって謝る下りとか大好きです。
 ただキャラが立ってる一方、フレーズや展開が多少とっちらかって散漫になってしまった印象です。
 最初は明らかに急にプロレスをやると言い出す2号がおかしいわけですが、
 そこから立場が逆転するまでの流れがごちゃついてわかりづらいので、もっとスムーズに描写出来ていればと感じました。
 馬場とか猪木とか小ボケは面白いので、状況と展開さえ整理されればかなり活きるキャラだと思います。
   
・納豆だったんかーいはいい感じの驚きでしたけど納豆要素とプロレス要素がそれほど噛み合ってなくてなんか不思議な読み味でした。
 空気感好きでした。読後感がいまいち物足りなかった感じはありましたね……。
   
・私の責任でもあるんですが、楽しむにはある程度の知識が必要であろうボケが多くて、それらに対してうっすらとした認識しかないため、
 読んでいて盛り上がるような感じはあまりなかったです。
 あと、自分の捉え方がおかしいのか、ツッコミがあまりにも冷たすぎて読んでるこっちが申し訳なくなってきました。
   
・漫才としての軸、見せたいことが何かよくわかりませんでした。ボケのひとつひとつにやりたいことは見えるんですけど、
 全体通してみるとやりたいことを詰め込んで、結局何がしたいのかわからなかったなという感じです。
 あと、2号が最初からバカで、1号が上にたってあしらってる感じを出した時に2号が困ってしまっているので、
 いじめじゃないですけど笑いにくい雰囲気が出てしまっているかなと思いました。
 2号が困るんじゃなくて全く気にしない明るいバカだとか、2号が悪さをしようとして返り討ちにあうとかなら、もう少し笑える雰囲気になるかなと思います。
   
・今回プロレスネタ多いな!そんでタイトルはテリーマンやないか!
 ボケの暴走ぶりとツッコミの冷静ぶりが他にない味の漫才を広げていますね。
 そこで無理やり納豆ネタに向かっていったりなど、愉快な展開を繰り広げられていると思います。
 ただ、マイペース差のある漫才ではありましたがそこが若干仇となっている部分があります。
 途中退席したりいきなり技かけたりと破天荒ではあるのですが、このバックボーンで行う場合に設定負けしてるかなぁと。
 もっと破天荒な展開に持っていったり、強烈なボケに持って行けるユニットだと思うんですよね。
 個性的なユニットなのに物足りなさを感じてしまうところが一番もったいないなぁと。
 もっとうまく暴れまわるような展開に持っていったり、シュールをもってきてみたり、プロレスネタももっと積極的に入れてみたり。
 様々な可能性が模索できるネタだと思います。タカノフーズまで広げた辺りが好きなので笑
   
・プロレス系のネタって今回含めたまにあるんですが、その括りで考えるとあんまり見たことのないタイプのネタでしたね。
 プロティンを作るバイトかと思ったら納豆作ってた、ってところは面白かったです。
 ただ、そこを除くと「プロレスしたい人とからかう人」って感じで、刺激としては薄かったのが惜しいところでした。
 

Qゲート
No.035 チアノイズ
ゾン42か49
矢野:チアノイズです。よろしくお願いします。

ゾン:人が死ぬ瞬間、良いよな。いっぱい殺したいな。

矢野:こいつはこう言うヤバい奴です。石を投げないでください。もっと的確にダメージ当てれるやつお願いします。

ゾン:人が死ぬ瞬間とかけまして、大阪府の財政とときます。
   その心は、どちらも風情(府税)があるでしょう。

矢野:前提に共感できない謎かけやめろ。

ゾン:そんなことより聞いてくれ。俺強くなったんだよ。

矢野:何だそれ。

ゾン:そう、山に籠り、老師の元で修行をしてきたんだ。

矢野:何で老師って山に住みたがるんろうな。

ゾン:老師は凄いんだ。老師の数々の殺人エピソードには惚れ惚れさせられたよ。

矢野:なるほど、山から出ると捕まるからか。

ゾン:東京タワーを根元からへし折った時のエピソードとか凄かったんだぞ。

矢野:東京タワー折れたことねえよ。騙されるなよ。お前はバカかよ。

ゾン:まさかテコの原理なんてものがあるなんてな……。

矢野:お前はバカだよ。

ゾン:そんな凄い老師と俺がどこで知り合ったか、気にならないか?

矢野:ならねえよ。

ゾン:あれは俺が趣味の登山に励んで居た時のことだ。

矢野:お前が健康的な趣味持つなよ。

ゾン:いつものように登山コースを離れて歩いてると、小さな小屋を見つけたんだ。

矢野:何でいつもコースを外れてんだよ。

ゾン:遭難者の死体探しだよ。

矢野:全然健康的じゃねえのかよ。

ゾン:小屋を見つけた時も中に死体が残ってる可能性があって、思わず小躍りしたよ。

矢野:足滑らせて谷底落ちれば良いのに。

ゾン:俺たちの業界では小屋と死体のセットは、カモがネギ背負ってきたみたいなもんだからな。

矢野:そんな業界存在しててたまるかよ。

ゾン:しかし、俺が小屋に足を踏み入れた瞬間、幾つもの重機が天井から落ちてきたんだ。

矢野:重機が天井に収まる、小屋??

ゾン:さらに謎のじじいが俺の顔に執拗に水鉄砲を当ててくるんだ。二重の地獄に俺はすっかり参ってしまったよ。

矢野:ほぼ一重だろ。奥二重でもない。

ゾン:そう、そのじじいこそが、老師。

矢野:だろうな。

ゾン:俺は悟ったよ。このじじいは只者じゃない。こいつについて行けば何か新しい殺しの技術が身に着くと。

矢野:水鉄砲ではしゃいでるじじいだが……いやでも重機の件は凄いな。

ゾン:後から聞いた話では、重機の件は単純に霊現象らしい。

矢野:ゴミじじいじゃねえか。

ゾン:それから俺は2年3ヶ月もの間、老師と行動を共にすることとなる……。修行の始まりだ。

矢野:いやメタクソ長えな。

ゾン:まず初日は爆弾の作り方を教わった。

矢野:まさかのいきなり実践的かよ。そのペースで2年3ヶ月持たねえだろ。

ゾン:完全に実用的な爆弾だった。俺も老師も2年間は病院のベッドから動けなかったよ。

矢野:2年3ヶ月持つわ。まさかその期間の殆どが修行ですらないとは。

ゾン:入院することも修行の一環だと、老師はしきりに言っていたよ。

矢野:全然わかんねえよ、何だよ。

ゾン:俺もこれはわからなかった。本当にすぐにでも老師を殺したくて仕方なかった。

矢野:お前もめちゃくちゃ怒ってんじゃねえかよ。出だしから最高につまづいてんじゃねえかよ。

ゾン:退院間際にしてくれた東京タワーの話が無ければ、退院後に真っ先に殺していたさ。

矢野:お前のバカで救われた命があるな。

ゾン:山に戻って、いよいよ修行再開という時には、俺の気力はマックスまで回復していたよ。

矢野:お前はバカだな。

ゾン:戻って行うことにしたのは修行の定番、滝行だ。

矢野:実践から精神面に移行する形式の修行珍しくないか。

ゾン:しかし老師の住む山には滝がなかった。俺は滝を作るとこから始めることになったよ。2ヶ月かかった。

矢野:2年無駄にした人間として悠長すぎるだろ。

ゾン:滝を作ることも修行の一環だと、老師はしきりに言っていたよ。

矢野:まあ確かに精神はすごく鍛えられそうだ。

ゾン:俺はこれもわからなかった。本当にすぐにでも老師を殺したくて仕方なかった。

矢野:わかんねえのかよ。やめちまえよ。

ゾン:違うんだよ。滝を作るって言っても、俺がやったことは工事業者の手配と指示ぐらいのもので、基本暇な2ヶ月だったんだよ。

矢野:お前がやれよ。何だよ。

ゾン:いや、俺が1人で滝なんか作ろうものなら、何年かかるかわかんねえだろうが。

矢野:滝行諦めろよ。

ゾン:でも滝ができた時の感慨はやばかったぞ。やっと滝行が出来ると。

矢野:まあ、そこまで引っ張ればな。

ゾン:様々な感慨と老師への殺意で心の中がごちゃごちゃになりながら、滝を浴び続けたよ。

矢野:精神を統一しろよ。

ゾン:でもやっぱり滝行ってのは凄いな。やがて俺の精神はちゃんと殺意に統一されたんだ。

矢野:そっちに収束するのかよ。と言うかいつものお前とあんま変わってねえよ。

ゾン:その時点で俺の修行の結末は見えた。師匠殺しを達成するまで山は降りれないとな。

矢野:結局殺すのかよ。

ゾン:まずは武器を調達しに家の近くのホームセンターに向かった。

矢野:めちゃくちゃ山降りてんじゃねえかよ。ホームセンターで何の武器買うんだよ。

ゾン:まあ鈍器なら何でもいいけど、折角だからレジスターを強奪したよ。

矢野:お前の折角は全然わかんねえよ。お前と共有してない感覚が沢山あるのもはや安心するよ。

ゾン:そしてレジスターを片手に、再び老師の小屋に向かった。今度は殺すために。

矢野:いいな、どっちも応援できない話。心が楽だ。

ゾン:しかし俺が小屋に足を踏み入れた瞬間、またしても幾つもの重機が天井から落ちてきたんだ。

矢野:お前霊にものすごく嫌われてるだろ。

ゾン:そしてやっぱり老師が俺の顔に執拗に水鉄砲を当ててくるんだ。再び二重の地獄だ。

矢野:だから一重だって。

ゾン:だけどな、こうなることは想定済みだったんだ。俺は霊にものすごく嫌われているからな。

矢野:自覚あるのかよ。

ゾン:老師の水鉄砲に強力な毒を塗っておいたのさ。老師はすぐに死んでしまったよ。

矢野:老師って爆弾の作り方を知っている以外は本当にただの雑魚だな。

ゾン:その様を見ながら俳句を幾つも作ったよ。

矢野:風情感じてんじゃねえよ。

ゾン:今確かおーいお茶のラベルに載ってるからよかったら確認してくれ。

矢野:死の風情を大衆に伝わる形で表現してんじゃねえよ。

ゾン:まあこんな感じで俺の修行の日々は終わったわけだ。

矢野:ものすごく時間を無駄にしてるんだってことはわかった。

ゾン:でもちゃんと成果はあったよ。一気に何人もの人を殺せるような技術が身についたんだ。
   これも修行あってこそ。本当に老師には感謝だよ。

矢野:爆弾の作り方教わったからだろ。初日しか成果ねえんだよ。いい加減にしろ。

二人:どうもありがとうございました。


Qゲート
No.036 こけまみれコオロギ

○どうも、こけまみれコオロギです。よろしくお願いします。

★力を、力を解き放ちたい。

○急になんやねん!お前に秘めた力があんの?

★そう、俺が秘めたる力に気付いたのは2ヶ月前。
 足の小指をタンスの角へぶつけた時や。

○なんちゅうタイミングやねん。

★マンガとかで人生の危機に立たされた時に力に目覚めるってよくあるやん。

○お前の危機はその程度か!平和過ぎるやろ!
  てかなんで秘めたる力に気付いたん?

★秘めたる力がこう言うたんや。

○え、喋んの?

★「我は汝の秘めたる力。我を解き放たんとき、汝は真の己を知るであろう。

    …よしっ!スラスラ言えた!」

○新人の秘めたる力か!

★俺は言ってやった。
 「スラスラは言えてたけど心は込もってへんかったわ」と。

○気になるかもしれんけど論点ずれ過ぎやろ。
  で、力を解き放つってどういうことよ?

★俺もそれを聞こうとしたんやけど、さっきのセリフを何回も言うだけなんや。

○マニュアル覚えたてレベルの新人やんけ!

★俺は自分で力を解き放つしかないと思った。

○方法に心当たりでもあんの?

★さっそく学生時代の力学の教科書を押入れから引っ張り出してきた。

○力学は己の力を引き出す学問ではないで!

★テコの原理を覚えた。

○初歩!授業ちゃんと聞いてへんかったやろ。

★いや、こんなところで力学が役立つなんて当時は思いもせんかったもん。

○そりゃ急に力を秘めるなんて思わんやろ。てか役立ったん?

★俺はてこの原理で秘めたる力を引き出す作戦を思い付いた。
 俺はスプーンを咥え、歯を支点にして思いっきり力点を押した。

○力引き出た!?

★口の中をシャレにならんレベルで怪我して病院へ行った。

○必然!

★大学病院へ移された。

○想像以上の重症!

★ついでで医師に秘めたる力のことを相談をしてみた。

○口腔外科じゃ扱い切れんやろ。

★とりあえずMRIを撮ることになった。

○絶対お前がしつこいからやろ。

★胃に白い影が見えた。
 俺はすぐに秘めたる力だと確信した。

○それはポリープか何かでは?

★医者からもまだ小さいと言われたこの秘めたる力を育てることにした。

○早急な対処と転移の防止を!

★「マロン」と名付けた。

○女子が小型犬に付けるそれやんけ。

★マロンは長年の眠りでお腹がすいてるみたいやったから、俺はまずエサをやろうと思った。

○何食うん?

★俺の腎臓を1つあげた。

○エサ臓器かい!こわっ!?お前腎臓無いん?

★腎臓は予備あるから大丈夫やで。

○たぶん予備ちゃうで。

★次の日は肺の予備。

○だから予備ちゃうて!てか蝕まれているのでは?

★3日目、俺は気づいた。もう在庫がないということに。

○必然やん。全部非売品なんやもん。

★仕方ないから、たぶん俺には必要ない脾臓とかいうのをあげた。

○知らんけど絶対何かしら仕事あるから存在してるんやって!

★古い商店街の店みたいな感じか。

○どうやって生計立ててんのか分からん店もあるけど!

★脾臓をあげてからもうどうでも良くなって1日1臓器をあげた。

○臓器3個食われたら僕も諦めるかもな。

★さすがの俺も心臓だけは躊躇した。

○躊躇おそっ!

★右心房だけ残してもらった。

○お前の度胸えげつな!

★ということで、俺は力の代償として右心房以外の内臓を失った。

○内臓スッカラカンで力が出るか!

★俺は食事だけはしっかり摂ることを心掛けた。

○胃もないやつがどうすんねん。

★俺はマロンに自炊を教えた。

○自炊!?材料は?

★材料と調理器具は俺が丸飲みした。

○お前、胃カメラとか余裕やろな。

★あほか!胃カメラで見るものがないわ!

○この上ない自虐!

★マロンが作った料理を俺は吐き出してから食べた。

○口は大ケガ、内臓スッカラカンの状況で食を楽しもうとすな。

★トントントントン。
 朝、マロンが朝食を作る音で目が覚めるようになった。
  よーし、今日も一日頑張るぞー。

○右心房以外無いやつがポジティブすぎるやろ!

★マロンの作る料理の味に間違いは無かった。
 すっかり俺は常連になった。

○お前の体内や。

★俺はマロンの能力で店を開いた。
 「体内調理」という手法が料理界で密かに広まった。

○吐き出した料理を広めるな。

★その後、ロシアの国家機密研究組織に100億で売られた。

○完全に研究材料とみなされてるやん!

★ボルシチを作らされた。

○郷土愛!!

★マロンのボルシチは地元民に認められた。

○マロンのポテンシャルすごいな。

★そして俺は気付いた。俺の秘めたる力、真の己は、未来型調理家電なんじゃないかと。

◯それっ?力を解き放った先がそれっ?

★俺は早くこの力を解き放ちたい!
  力を解き放ったとき、俺は真の未来型調理家電になれるんや。

○お前の人生の最終目標が家電でええんか?

★俺は最新調理家電としてEDIONで本田望結ちゃんに売られたい!

○欲望の偏り!

★あれ、ちょっと待って、なんか力が込み上げてきた!

○ん?どうした?

★うぉぉぉぉぉぉぉ

○ま、まさか今ここで力を解き放つ気か!?

★うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ

○大丈夫か!力に支配されるなよ!

★……
 はいどうも!最新型ボルシチ製造器です!
 これからも漫才頑張っていかなあかんなー言うとりますけども。
 
○いや最新型ボルシチ製造器になっても漫才続けてくれるんかい!
 もうええわ。

予選総合第19位(準決勝敗退) こけまみれコオロギ
審査員
点数
64 72 68 71 90 76 得点73.50
【審査員コメント】
・相変わらず設定の発想のレベルが違う。どういう脳構造でこんな設定思いつけるんですか。
 まず秘めた力が喋り出す導入がよく、それに対してアドバイスというのが個人的にクリティカルヒット。
 その後もテコの原理やマロンなどセンスのあるボケの連打で楽しく読み進められたのですが、
 マロンに臓器をあげる辺りから多少ぶっとびが先行して置いて行かれた感が出てしまいました。
 秘めた力の時点で非現実的ではあるのですが、急に語り手が人間離れし過ぎて想像しにくくなってしまったので、
 この手のぶっ飛んだ設定を貫くのであれば、最低限の現実味か、内臓あげても生きてることへの根拠があった方が
 読み手を引き離すことなく異次元発想を展開出来たかと。ボケのクオリティやオチは凄く良かったです。
   
・めちゃくちゃにぶっとんだ発想で楽しめました。
 二人の会話の淡白さが良さでもありつつ、たまに読み手の理解を突き放してる部分があるようにも感じました。
 「新人の秘めたる力」最高でしたね。
   
・前半と、後半の体内調理あたりからが面白かったのですが、中盤臓器をあげるあたりの盛り上がりに欠けた印象です。
 ツッコミが全体的に短く、かつ鋭く決まっていたのが良かったです。
   
・秘めたる力というテーマと、序盤の新人のボケや浸食しだす所はすごく面白かったです。
 ただ、右心房以外なくなった時点で話にリアリティが一切なくなってしまったのでちょっとついていきにくくなってしまいました。
 その後のボケも面白かったんですが、リアリティのない所にリアリティのないボケを言っている形になるので面白さが半減しているように感じました。
   
・あなた絶対頭おかしいです。あなたこそ大学病院行くべきです。
 秘めたる力を引き出すって話から何でボルシチ製造機にいくねん。その発想の発展のさせ方はそうそうできないです。
 ふつうここまで破天荒なネタって、ネタの軸がぶれて訳が分かんなくなってしまい、笑いにつながりにくくなることも多いんです。
 ただ、このネタは逆にこの破天荒さがプラスに働いていて、無駄にセリフの肉付けをせずにあえてシンプルに淡々と展開するスタイルも味を出しています。
 「若干あっさり進めすぎかな、もう一言ほしいかな」という部分もありましたが、このテンポは崩れてほしくないですね。
 笑わせていただきました。今回も存分にまみれていて安心しました。
   
・
 
 

Qゲート
No.037 あかつき
Good-Bye Marry
 前橋:結! 婚! したいッ!!

宇都宮:開口一番に何はしたない宣言してるの、このコ。

 水戸:たぶん友達の誰かが結婚したんだよ。

 前橋:いやそれあるあるだけどー。 だってねー! 女の子の夢と言えばー!! 結婚でしょー!!?

 水戸:違うよ、成仏だよ。

 前橋:それこそ違うよ! そんなの仏教徒ぐらいだから!
    ほら、ウチらもそろそろ四捨五入してハタチって言えなくなるし、将来の事とか考えないといけないじゃん?

 水戸:そうだよね……そろそろ両親のお墓の心配しないと……。

 前橋:さっきから死ぬ関係の話し多くない!? 漫才なんだから明るくいこーよ!
    ねー。結婚、したいよねー。大物女優みたいに婚約発表からの電撃引退とかちょっぴり憧れるよねー。

宇都宮:結婚はいいわよー。早く貴方もこっち側へいらっしゃい。

 前橋:さっすが既婚者宇都宮! 人妻は言うコト違うねー! 説得力があるよ。

宇都宮:「知ってます? ○○ちゃんママ、芸人なんですって。」
    「まあ、芸人さんだなんて……。勇気あるのねえ。そんな立派なお仕事、私にはできないですわよ。」
    「黙っていれば長谷川京子似の良い奥さんなのにね。変わった人なのよ。」
    って陰口叩かれるの、最高に腸煮えくりかえって胸糞悪いからこっち側へいらっしゃい。

 前橋:どこに魅力を感じればいいの!?!? 言葉の端々からママ友への怨みが感じ取れるんだけども!!
    あと人の口借りてさり気に美人アピしてるの、地味にウゼエ。

宇都宮:結婚を機に芸人なんか引退したらもっと楽しいわよ。
    そうすれば、もうママ友コミュニティ以外に外界との交わりがなくなるから逃げ道ないのよ。

 前橋:なんなの!? なんなのそのママ友に対する静かな怒りは!!
    ヤダよ。そんな話されたら結婚する気なくなっちゃった……。

 水戸:ほら、やっぱり結婚なんてしない方がいいんだよ……。どうせ宗教思想の違いで離婚しちゃうんだから……。

 前橋:それはレアケースだよ!! 今の若い人に宗派気にする人あんまいないから多分!

 水戸:そんな事ないよ。前ちゃんだって、イスラム教シーア派の人と結婚したくないでしょ?

 前橋:それは……それは例えが悪いよぉー!! よくわかんない宗派だけど結婚したいとは思えないもん!
    んー……こーなると、結婚は先延ばしかなー。

宇都宮:そもそも嫁き急ぐ理由を教えなさいよ。まさかデキたとかじゃないわよね?

 前橋:嫁き急いではないけど……。そのー、彼氏と同棲して3年経つし、そろそろかなー……って。

 水戸:…………。

宇都宮:はーん…………。

 前橋:あー…………なんか、ごめんね。ウチだけはっぴーはっぴーで。

 水戸:…………Fuck you,BITCH.

 前橋:え……何? 今、水戸ちゃんがとんでもなく汚い言葉を……。

 水戸:このデブ。違うだろ。違うだろ。お前の悩みがなんだ。私が受けた弾圧がどのくらいか分かるか。

 前橋:水戸ちゃん!?!? どーしたの!? ねえ! 議員じゃない女の子がそんなコト言っちゃダメだよ!

 水戸:失せろ、お惚気クソダルマ。

 前橋:うわあああああああん!! こんなの大人しく宗教ボケかましてた水戸ちゃんじゃなあああああい!!

宇都宮:あー。地雷踏んだわね。前橋、あなた水戸に言ってはいけない事を言ってしまったわ。

 前橋:え、何? リア充宣言しちゃダメだった!?

宇都宮:あの子、唯一神アッラーの主食は米派かパン派か議論でイラン人の旦那と離婚した過去があるのよ。

 前橋:なにその不思議もりもりの過去はあああああ!! 
    アッラーって何!? 何で主食を気にするの!? てゆーかイラン人と結婚してたの!?
    そもそも! 離婚の原因がショボくない!?

 水戸:イラン米はコメと呼べる穀物ではない。よって唯一神はパン派以外ありえない。

 前橋:そ……そーだね! パンの方がいいよね!

 水戸:真か?

 前橋:え? あー……うんっ! ウチもパン派だと思うよ!

 水戸:本当に……? えへへ……前橋ちゃん、こっち側へようこそ。

 前橋:元に戻った!?

宇都宮:今の発言で水戸サイドに寄ったからね。あっち側へ近づいたのよ。

 前橋:ねー、さっきからこっち側とかあっち側とかなんなの? ウチ別に2人のどっちかだけ味方する気無いけど。

宇都宮:泥沼の離婚調停を経て精神崩壊して生涯独身を貫く水戸サイドか、
    ママ友地獄に陥って社会不適合者扱いされる宇都宮サイドか。好きな方を選びなさい。

 前橋:その救いようの無い二択選ばなきゃダメェ!?? ウチの未来に幸せな結婚生活は無いの!?

 水戸:そんなもの、無いよ……。 世界の宗教が仏教で統一されない限り、現世に光は差さないの。

宇都宮:いいえ、あるわ。
    顔面整形して生まれ変わって芸人時代の人気と名声を全て捨てるの。
    そうしたら一介の主婦としてママ友コミュニティにも受け入れてもらいやすくなるわよ。

 前橋:もーやだこの2人!! 真逆の立場なのにどっちの意見も参考になんないよ!!
    いーよ、今の関係のままでいーから結婚はしばらく保留する!!

宇都宮:あら、じゃあ当面は事実婚ってこと?
    煩わしい家族付き合いも少ないし、面倒な書類申請や挙式も無いから本人達は楽でいいでしょうけど、
    社会的にはどう思われるかしらねえ。
    きっと周囲からは夫の仕事がどうとか家族関係がどうとか「籍を入れない理由」で根も葉もない噂が立ちまくるわよ?
    「知ってます? ○○ちゃんママ、実は入籍してないんですって。」
    「まあ……正式な夫婦じゃなかったのね。○○ちゃんかわいそう。」
    「私が思うに、きっと旦那さんがアッチ系の人なのよ。本名がバレるといけないから、役所に書類出せないのよ。」
    「黙っていればやしろ優似の奥さんなのにね。変わった人なのよ。」

 前橋:あああああああああああああああ!!!
    わかったよ! もーいいよ!! クリスと別れるよ!!!

 水戸:うん! それがいいよ! 前ちゃんも独身でソロ活動しよ。



 ク リ ス ?

宇都宮:あなたの彼氏って、外国人だったの?

 前橋:うーん……外国人ってゆーか、外国産馬ってゆーか……

宇都宮:馬!?!?!?

 水戸:え、うま? えっ……え??

 前橋:シンボリクリスエス。2年続けて天皇賞秋・有馬記念のG1レースを連覇した馬だよ。

宇都宮:え、何それ物凄く強い競走馬じゃないの……。

 前橋:クリスはね! アメリカ生まれ日本育ちのイケメンでねっ、まだ18歳なのに年収数千万でねっ、
    一番稼いだ時は億までいったんだって! あと足がすっごく速くて100m6秒でねっ!
    体高167cmだからちょうどキスしやすい身長差でねっ!

宇都宮…………それが、彼氏?

 前橋:うんっ! もーね、すっごい可愛くってねっ! 体毛を手入れしてあげると、しっぽフリフリしてくれるの!

 水戸:ごめんなさい。気づいてあげられなくて、ごめんなさい……。

 前橋:え、…………2人ともすっごい引いてるけど、そもそも彼氏が人間って一言も言ってないよね?

宇都宮:普通言わないし聞かないわよ! 恋愛話の大前提よ。
    …………ん、待って。あなた「同棲して3年経つ」って言ってたわよね?

 前橋:うん。同じ馬房で過ごし始めてちょうど3年。

宇都宮:アンタ何やってんの。というか、人間が馬房に住むんじゃないわよ。

 水戸:前ちゃん……おめでとう。たった今、あかつきヤバい女ランキング第1位になったよ。

 前橋:ウッソ!? え、なんで!? 地雷踏んだらキャラ豹変する水戸ちゃんの方がヤバくない!?

 水戸:あの、あれでも一応、自覚あるから。口が悪いって、自覚してるから。

宇都宮:これが決定な差よ。おめでとう。クイーンオブヤバい女就任おめでとう。

 前橋:待って待って待って!! 水戸ちゃんにヤバいって言われるのは我慢するけど宇都宮に言われるのはイミわかんない!!
    だってさっきまでめっちゃ結婚すすめてたじゃん! いつの間に何水戸ちゃんサイドについてんの!?

宇都宮:生涯独身の水戸サイドとか、ママ友地獄の宇都宮サイドとか、そういう次元じゃないの。
    人外と本気で結婚しようとする滅茶苦茶ヤバい前橋サイドを滅ぼしたいの。
    状況は一変したのよ。

 前橋:だからヤバくないしっ!! 宗教やママ友だってワケわかんないし!!

 水戸:あ、でも……さっきはっきり「別れる」って言ったから、救いの道はあるのかも。

宇都宮:……そう言えばそうね。馬と別れて文化的な生活ができるのなら救いがあるわ。

 前橋:いや、やっぱ撤回。

宇都宮:ハァ!?

 前橋:そもそもさっきのお別れ宣言は勢いに乗っただけだし、今クリスと別れたら2人に負けた気がするからやーめっぴ。

 水戸:…………前ちゃん、あたしの負けだよ。お願いだからちゃんとした部屋に住んで……。

宇都宮:私も負けを認めるわ。だから、ウマ友コミュニティだけは退会しなさい。

 前橋:やったー!じゃー遠慮なくクリスと結婚するー!

宇都宮:話が違ァう!! アンタ後半のセリフまで聞いてなさいよ!!

 前橋:負け犬の遠吠えは聞こえませ〜ん。

宇都宮:…………あーもういい! こうなったら言うだけ言ってやるわ。
    アンタ本気で馬と結婚できると思ってるの?

 前橋:愛しあってればできるよ! クリスは18歳だし同じ脊椎動物だし。

 水戸:結婚して、その後はどうするの……? 

 前橋:とりあえず牧場に大きな家を建てて、クリスと一緒に住むよ。
    でね、のどかな自然に囲まれてのんびり暮らすんだ〜。

宇都宮:シンボリクリスエスってたしかまだ種牡馬だと思うけど、
    種牡馬って毎年何十頭ものメス馬と交配してるのよ? それ知ってるの?

 前橋:知ってるよ。でも相手したメス馬はいっぱいいても、メスヒトは一人だけじゃん?



宇都宮:えっ……



 水戸:えっ……



 前橋:えっ?



宇都宮:…………馬よ。もうあなたは馬よ。うまえばしよ。

 水戸:前ちゃん、人類ヤバい女ランキング第1位おめでとう。

 前橋:待って待って待って!! ちょっと! 2人とも何か誤解してない!?
    その……ウチはクリスとメス馬みたいなコトやってないからね!?

宇都宮:あっ……そう、よね。流石にそこは人間としての尊厳を保ったのね。

 水戸:よかったあ……。

 前橋:水戸ちゃん風に言えば、女の子の夢を叶えさせてあげたってゆーのかな?

 水戸:え?

 前橋:クリスに接触しようとするウチ以外のメスヒトは、みーんな成仏させちゃったってイミだよっ。

宇都宮:ぅゎ…………。

 水戸:…………人類ヤバい女ランキング、殿堂入り。

予選総合第12位(準決勝敗退) あかつき
審査員
点数
84 71 71 60 85 80 得点75.17
【審査員コメント】
・今回のMM−1ヤバい人展覧会と化してるけど、中途半端にまともな辺り前橋さんが1番ヤバいかもしれない。
 「うまえばし」は今大会単純に好きなフレーズ大賞受賞作品です。歯飛ぶかと思うくらい笑いました。
 キャラ立てが一級品で、結婚願望、宗教、ママ友というそれぞれの個性をすんなり把握させ、かつボケを詰め込む手腕に敬服。
 そして散々ボケを重ねといて、一気に正常と異常が覆る展開はお見事。終始飽きずのめり込めました。
 全体的にハイクオリティなんですが、強いて言うなら前半と後半が独立して見えるのが気になりました。
 出来れば前半に伏線と言いますか、前橋が馬と付き合ってるヒントが隠されていたら流れが綺麗だったかなと。
 それに加え宗教や人格変化、ママ友の下りが後半で生かせられれば全体に統一感が出てなお引き締まったかと思います。
 とはいえ、関係変化型トリオ漫才のお手本として長文史に載せたいレベルの傑作でした。
   
・三人のキャラクターを丁寧に掘り下げているので、会話劇としてとても楽しかったです。
 リアリティが強い分笑いの量としてはそれほどでもなかったんですけど、笑いの量で評価する作品でもなさそうで難しいですね。
 質の高いいいネタだったと思います。
   
・女子トークをそのまま聞いてるかのような良い意味での生々しさがあって良かったと思います。
 3人の個性がわかりやすく出ていて今誰がしゃべってるんだとかいちいち気にする必要なかったのも流石の技術です。
 後半から展開の裏切りや回収などの巧みさに対して、笑いの量としては若干物足りなく感じました。
   
・三人のキャラクター、書き分けの部分は良くできていると感じました。
 ただネタ全体で見た時に、ある程度のやりとりはあったものの三人の既婚歴や彼馬の話をしただけのように感じてしまいました。
 あと、馬と結婚したいという妄想ならばまだわかるんですが、すでに同棲しているという事実として提示されると、それを周囲がすぐに事実として受け止めることにに違和感を覚えてしまいます。
   
・あかつきってこんなやべーユニットだったっけ?ボケツッコミとかじゃないですよね。やべー3人ですよね。
 宗教だったりママ友だったり馬だったりと、それぞれの個性がバチバチぶつかり合ってて面白かったです。
 3人それぞれのキャラも立っていて全体のメリハリも抜群なので、トリオネタとしての完成度も非常に高いと思います。
 ただ、馬のくだりになってから少しトーンダウンした感もあります。ぶっ飛んだ展開なんですけど、もっとできそうというか。
 馬と付き合う女とかもう伸びしろの宝庫だと思うんで、もっとここでぶっ飛んだ展開がほしかったですね。
 意外性の向上を後半で意識するだけで、さらに爆発するネタだと思います。
   
・全員120度ずつ違う方向におかしい。「ツッコミもヤバいキャラ」なのに成り立つ漫才、なかなかないですよ!
 「議員じゃない女の子がそんなコト言っちゃダメだよ」いや言いたいことは分かるけど議員はもっとダメwww
 

Qゲート
No.038 PARTY NOISE
Gym×Anarchy×Brain
鳴子:神崎君! 頭の筋肉がモリモリ増える薬、どうだった?

神崎:はいどーもPARTY NOISEでーす。よろしくお願いしまーす。
   さっき楽屋で鳴子ちゃんに渡されたお茶、何か変な味したなーと今更ながらに思い出しましたー。

鳴子:ねえねえ! 何だか頭の内側、痒くなってきてない? かゆかゆかゆかゆになってない?

神崎:あー、やっぱりこれ鳴子ちゃんの仕業かー。
   掻いても掻いても、痒みの原因が頭蓋骨の内側にあって掻けないんだよー。
   いま僕もうMK5なんだよー。マジで狂う5秒前なんだよー。
   で、え、何? これから僕の頭、筋肉モリモリになるの?

鳴子:そうだよ! 頭を鍛える薬だから、頭の筋肉がモリモリになって、更に脳みそがお粥になるの!

神崎:最悪だよー。かゆかゆってそう言う意味のかゆかゆなのかよー。僕の脳のあるがままを返してよー。

鳴子:お粥、お腹に優しいよ!!

神崎:知るかよー。お腹に優しい代わりに頭に厳しいんだよー。

鳴子:でも神崎君、確かこないだマッチョになりたいからジムに通いたいとかほざいてたよね?

神崎:ほざくって何だよー。僕がジムに通いたがることの何が悪いんだよー。
   いやいや、違うんだよ鳴子ちゃん。僕、細マッチョには憧れてるけど、あたマッチョにはなりたくないんだよー。
   僕はさー、ただ飲み会で女の後輩とかに割れた腹筋を触ってもらいたいだけなんだよー。
   それが女の子とスキンシップを取れる一番現実的な方法なんだよー。

鳴子:でも、もし、頭がモリモリになる薬を飲んだ結果、段々とビックリマンみたいな体型になっていくとしたら……?

神崎:なおさら解毒剤をくれよー。なんで頭でかくして体小さくしなきゃいけないんだよー。全身デフォルメ人間じゃないかよー。
   愛の戦士ヘッドロココってそう言う意味じゃないと思うからさー。まっとうに体を鍛えさせてよー。あと解毒剤をくれよー。

鳴子:じゃあ今日はジムに通いたい神崎君の為に、鳴子チャンピオンジムを開くね!

神崎:解毒剤をくれよー。
   ……あー、ここが鳴子チャンピオンジムか。
   身体鍛えたいなー、入ってみよ。ウィーン。

鳴子:イエス、脳マッチョ!(腕で丸を作りながら)
   ようこそ鳴子チャンピオンジムへ!
   ここは、大脳新皮質と、脳幹と、頭蓋骨と、小脳と、あと体とかを鍛えるジムです!

神崎:「体とか」って何だよー。体のトレーニングをサブウエポンにしてるジム初めて見たよー。
   いや、頭は全く鍛えないで、体だけを鍛えたいんですけどー。

鳴子:えっ、頭を鍛えないのに体だけ鍛えるんですか……?
   気持ち悪い……飲み会で後輩に腹筋を触らせて、小熊を妊娠させる気だ……。

神崎:なんでそうなるんだよー。そこまではしないよー。
   妊娠させるとしてもせめて僕の子だよー。

鳴子:体の筋肉なんかより、脳の筋肉や頭蓋骨の筋肉を鍛えてモテモテになりませんか!

神崎:無いだろそんな筋肉ー。あんたムキムキな全身骨格見たことあるのかよー?
   でも、モテモテという言葉にはえもいわれぬ魅力があるなー。話だけでも聞いていこうかなー。

鳴子:分かりました! それでは、こちらの映像をご覧下さい!

神崎:あ、プロモーションビデオがあったりするんだねー。

鳴子:「デレレレレデレン!
    イエス、脳マッチョー♪ イエス、脳マッチョー♪
    脳みそにー力こぶー♪ 鳴子チャンピオンジムー♪」

神崎:脳腫瘍だよー。

鳴子:「イエス、脳マッチョ!(腕で丸を作りながら)
    鳴子チャンピオンジムへようこそ!
    私はヘッドマッスルトレーナーの神林鳴子です!
    気軽に、頭MAXと呼んでくださいね!」

神崎:呼べないよー。Take2を要求するよー。
   あともう三度目だから言うけど、そのイエスだかノーだか分からない掛け声やめてねー。

鳴子:「皆さん、頭の筋肉を鍛えると色んなメリットがあります!
    頭蓋骨が隆起する、脳が痒くなる、額が伸びる、頬が肥大化するなど、良いこと尽くめです!」

神崎:本当にそれはメリットだろうかー?

鳴子:「鳴子チャンピオンジムの卒業生には、有名人も大勢います!」

神崎:そうなんだー。

鳴子:「寿老人がそうです!!」

神崎:七福神の頭の長い人じゃーん。有名人かー?

鳴子:「それでは、まずは成功者の声をお聞きください!」

神崎:体験者のインタビューみたいのもあるんだねー。

鳴子:「私、今まではずっと、犬のジョンと遊ぶぐらいしか生きがいがなかったんです……」

神崎:お、ちょっとシリアスな女の人が登場したぞー。

鳴子:「それに、顔が小さいのがコンプレックスで、みんなからよく馬鹿にされていたんです……」

神崎:みんながみんな小顔になりたいわけじゃないんだねー?
   女心って難しいなー。これは勉強になるなー。

鳴子:「でも、脳トレを始めて人生が変わりました。脳が発達して、顔も大きくなったんです!」

神崎:それ良いことかなー?
   でも幸せの形は人それぞれだから仕方ないよねー。

鳴子:「あと、胸が大きいのがコンプレックスだったので、
    ビックリマンシールのキャラみたいに段々と体が小さくなっていったとき、効果を実感しました」

神崎:需要がここにいるよー。
   僕達、もっと早く出会えてたら良かったんだけどねー。

鳴子:「一番嬉しかったときですか? そうですね、毎日トレーニングし続けたら……邪魔な胴体が無くなったときですかね!」

神崎:おい!!!!!! 鳴子こら!!!!! おい!!!!!
   さてはこの人!!!!!
   バボちゃんとか!!!!!
   Mr.ポテトヘッドみたいになってるだろ!!!!!

鳴子:「みんなからも、顔から手足が生えてて可愛いねって言われるようになりました!」

神崎:それだいぶ無理させてるだろー。友達の優しさが辛いよー。
   あと、言っちゃ悪いけど、もう僕にはやしろあずきの自画像か、闇人乙型にしか見えないよー。

鳴子:「毎朝服を選ぶのに悩んでたんですが、胴体がなくなってからはもう悩む必要がなくなりました!」

神崎:着られないからねー。代わりにもっと沢山の悩みが生まれた事に気付いてほしいねー。

鳴子:「近頃は、脳トレーニングをしている時が何よりも楽しいですねっ!
    脳ベンチプレス、脳スクワット、脳サンドバッグ……」

神崎:一体何をやらされてるのか想像できないよー。サンドバッグに頭突きでもしてるのかなー?

鳴子:「脳トレーニングは自分との戦いです。躍動する頭、弾ける汗、耳から飛び散るお粥……!」

神崎:脳漏れが激しいよー。
   あと今更だけど、脳をお粥にすることを「脳トレーニング」って表現してるの怖すぎるよー。

鳴子:「それに、脳トレーニング後に配られる一杯のお茶……。変な味だけどとってもリフレッシュするんです!」

神崎:あー、もう完全にそのお茶が全てだよー。
   無駄なトレーニングさせるだけさせて、薬の入ったお茶を飲ませるのが全ての目的だよー。

鳴子:「あれから、周りのみんなにも鳴子チャンピオンジムをお勧めしてるんです!」

神崎:あーこれ多分、親類から厄介な人だと思われてるやつだねー。

鳴子:「ワンワン! ボクも頭だけになれて幸せだワン!」

神崎:ジョーーーン!! 飼い主のエゴの最高到達地点じゃねえかよー!!
   最悪なアテレコやめろよー!! 絶対ジョンはそんなこと思ってないよー!!

鳴子:「私は、こうして新しい人生を手に入れ……ウッ!」

神崎:えっ、なになにー? どうしたのー?

鳴子:「ハッ……!? あ……頭が全く痒くなくなったモケ!
    今まで脳みそがずっと痒かったのに、急に何も感じなくなったモケ!
    幸せな気分モケ! モケモケ!」

神崎:おいなんか次のステージに上がったぞー!?
   完全なお粥脳になったとかそういうやつだろこれー!?

鳴子:「モケモケ! ……ち、違う……」

神崎:ん?

鳴子:「モケ、私は本当はこんな、頭だけなんかに、モケモ、ジョン、嫌、助け……!
    ………………モーケモケモケモケモケーー!!!
   「はい、とっても嬉しそうなコメントでしたね!」

神崎:見なかったことにはできないからなぁー!?
   たった今、近年でもトップクラスのトラウマを負ってしまったからなぁー!?

鳴子:「そんなわけで、鳴子チャンピオンジムは万全のサポートで、あなたの胴体なくしライフを応援します!」

神崎:胴体をなくす事がメインになってる!

鳴子:「♪イエス、脳マッチョ〜(腕で丸を作りながら)」
    ……はい、では脳トレ室へご案内します!

神崎:行けないよー。とてもじゃないけど行けないよー。
   あと多分、そのポーズ最終的には球体になろうみたいなメッセージが含まれてるやつじゃーん。
   いやいや帰りますよー。例えば八頭身と一頭身なら、僕は迷わず八頭身を選ぶよー。

鳴子:そんなこと言わずに入会してくださいよ! 今なら食堂のお粥券が付いてますよ!

神崎:何で今お粥を食わせようと思えるんだよー。
   こっちは耳からお粥撒き散らされる事を知ってるんだよー。向こう10年はお粥食べないからなー。

鳴子:お粥、お腹に優しいよ!

神崎:それはどんな感情で言ってるんだよー? 胴体のアンチなんでしょー?

鳴子:ホワンホワンホワンホワーン……。
   「良いか、神崎駿よ……モテモテ道心得その壱、『頭を伸ばせ』!
    忘れるでないぞ、頭を、頭を伸ばすのじゃ……。これがワシの、最後の教えじゃ……」
   ホワンホワンホワンホワーン……。

   ……ほら、寿老人もそう言ってることですし!

神崎:知 ら な い よ ー ! ? 
   急に何なのー!? 僕、別に寿老人に恋愛のイロハを教わった事ないんだけどー!?
   ちょっとちょっとー、待ってよ鳴子ちゃん。
   どんなに激しくモテようと、僕は頭から手足の生えた人間にメタモルフォーゼしたくないんだよー。
   お願いだから一刻も早く解毒剤をくれよー。頭が痒すぎるんだよー。僕がモケモケ言い始める前に、頼むよー。

鳴子:う〜ん、ノー脳マッチョ!!

神崎:クソッタレーっ!!

予選総合第25位(準決勝敗退) PARTY NOISE
審査員
点数
82 49 68 65 88 73 得点70.83
得票2票
【審査員コメント】
・初めてわかったんですが、客観的に見て神崎の語尾ってイラッときますね。何伸ばしてんだ。
 鳴子ちゃんの狂気性と神崎のクセはそのまま、僕じゃ思いつけなかった展開やフレーズをバシバシ打ち出してくれて感激しました。
 「小熊を妊娠」「脳腫瘍だよー」辺りは先に思いつきたかったですし、「鳴子こら!!!」なんかはもう使わせて下さい。
 そういう個人的な感情を差し引いてもフレーズセンスや脳マッチョの天丼など終始テクニカルで笑えました。
 ジョンのアテレコからのモケモケはシンプルに噴きましたし。1本の長文ネタとしてハイレベルだったと思います。
 強いて言うなら、VTRがピークでそこからまったり終わった感があったので、
 実際にトレーニングしてモケモケしてる会員を見せたりして最後に畳みかけても面白いかなとか考えました。
 僕が書くとしたら、ジム全体を使ってもうちょっとボケ数増やすかなと。現状決してボケ数少なくはないんですが。
 とにかく今回はありがとうございました。機会あればミルキーケース騎士団もよろしくお願いします。
   
・たぶんこっちが偽物なんじゃないでしょうかね……。
 最初の設定がぶっ飛んでて、なんでもありな土壌になってる割には、ボケ自体は結構普通だったと言うか。裏切りというものが全くなかったのかなと。
 PARTY NOISEって本筋以外の切り口のボケを混ぜ合わせて、本筋から目を逸らさせて裏切りを成立させてくようなコンビだったと思います。
 そういう要素が欠けてたので神崎さんのくどいツッコミが途中からただの過剰反応に見えて冷めてしまいました。
 「お粥、お腹に優しいよ!」はいいフレーズですね。
   
・言うまでも無く完成度の高さは感じられるのですが、どうも芯にヒットしない微妙なところでボケが繰り広げられているような、
 終始しっくりこない感じがありました。読み終えた時に「これは間違いない!」と確信する、いう感じのネタではなかったように思います。
   
・頭の筋肉がモリモリになるという点に絞ったテーマや寿老人なんかのワードが良かったと思います。
 ただ、胴体がなくなったあたりから、何故頭だけになることを薦めるのかにクエスチョンが出てしまって、話の方向性に面白みを感じなくなりました。
 必ずしも理屈を提示してくれなくてもいいんですが、キャラクターや勢いでクエスチョンを消し去るまでのパワーを見せて欲しかったと思いました。
   
・3連続でサイコなネタは精神直撃するわ!!僕の脳からおかゆ出るわ!!
 頭おかしいネタをここまで頭おかしく展開されたら笑ってしまいますわ。構成力も抜群で、隙がありませんね。
 ボケが破天荒でありながらもツッコミが的確でボケの展開をしっかり引き立ててますね。
 ここまでめちゃくちゃやりながらも、もっと何かできるのではないだろうかという伸びしろも感じます。
 しいて短所をあげるんならばユーモア要素に比べて若干狂気が強いような気もするので、もっとユーモア表現を取り入れるといいかもしれません。
 後ここでも言っときます。しばく。
   
・偽物乙です。ネタのスタイルが微妙に本家と異なる分、別世界線のPARTY NOISEって感じでしょうか。
 本家の方が好きだけど、十分すぎるくらい狂った設定で面白い。
 

Qゲート
No.039 ひろたか
デパートのアナウンス2017
広川:どうも、ひろたかです!よろしくお願いします!

高田:突然ですけど、デパートのアナウンスとかやってみたいと思うんですよね。
   どちらかといえば女性のイメージですけど、面白そうだなぁと。

広川:おう、じゃあちょっと聞いてみるからやってみなよ。



高田:ピンポンパンポーン

広川:うん、まずチャイムが鳴って、と。

高田:「お客様にお知らせ・・・・・・しません。」ピンポンパンポーン

広川:いや待った待った待った!!お知らせしないってどういう事だよ!?

高田:いやぁ、別に取り立ててお知らせがない事もあるかなぁ、と思って。

広川:意味が分からないよ!お知らせがなかったらそもそも放送する必要ないだろうに。
   ほら、例えば迷子がいる時とか、そういうときにお知らせするんだろ。

高田:そうか・・・では。

   ピンポンパンポーン「迷子のお知らせを・・・・・・しません。」ピンポンパンポーン

広川:だからしろよ!!何でお知らせしないんだよ!?

高田:・・・俺、思うんだけどさぁ。

広川:あぁ?

高田:迷子ってさ、迷子になる方が悪いんじゃないのか?
   だってそうだろ?子供も親も、ちゃんと注意してれば迷子なんか発生しないわけだよ。

広川:いや、もしもし?

高田:そういう自己責任で起こった迷子に対してはだな、
   こんな迷子のお知らせなんかしないで、自力で再び会えるように仕向ける、
   それが本当の親切ってもんじゃないのか?
   だからな、これからのデパートやその案内放送は、そういう視点も大事だと思うんだ。
   お前もそう思わないか?

広川:・・・思わねーよ!!そんな論理聞いたこともないし!
   仮にそうだったところで今のも放送必要なかっただろ。

高田:そうか・・・じゃあ何を放送すればいいんだよ?

広川:何って、ちゃんと実のある情報を伝えなきゃ話にならないだろ。

高田:じゃあ今度こそ情報を伝えてみますね。

   ピンポンパンポーン「お知らせします。午後3時より、屋上で・・・・・・」ピンポンパンポーン

広川:何があるんだよ!!だからちゃんとお知らせしろって!

高田:え、でもさっきより情報は出したつもりですけど?

広川:全部言えってば!!何があるのか言わないと意味を為さないだろ!

高田:いやお前な、最初は情報を全く伝えるつもりがなかったのに、
   お客様を愛する気持ちがあるからこそちょっとだけヒントを言ってしまう、
   これはある種のツンデレだぞ!?

広川:何の話だよ!!今ツンデレとか関係ないだろ!

高田:いやいや、主に若者しか使わない言葉だからこそ、
   ご年配のお客様にもそういった言葉を感じ取ってもらって、
   この日本で今を生きている事を実感していただく。
   そういう意味でも、昨今のデパートにはツンデレが求められてる・・・
   お前もそう思わないか!?

広川:だから思わねーよ!!大体デパートがツンデレとか意味不明だろ!
   いずれにしろ、情報はちゃんと最後まで伝えてくれよ。

高田:分かった、ちゃんと伝えればいいんだな?

   ピンポンパンポーン
  「本日は当デパートにお越しいただきありがとうございます。
   お客様に、デパートについてご説明したいと思います。
   そもそもデパートとは、産業革命の影響を受け19世紀に欧米で始まったもので、
   市場主義の発達により大量に流通するようになった商品の数々を、
   一つの場所に集めて売りさばく、という商業施設の形態をとっており・・・」

広川:いや待て待て待て!

高田:何で止めるんだよ、最後まで言えって言ったじゃないかよ!

広川:そういう問題じゃないよ!何だよその、Wikipediaからのコピペみたいな説明は!なんのための放送だ!

高田:・・・お前はそう言うけどな、
   デパートにわざわざお越しいただいてるワケだからな、
   お客様に少しでもデパートについて知ってもらいたいだろ。
   なのに、お客様にそういう自分がいる場所についての知識を植え付け、
   教養を深めさせるような事は必要ないって・・・

   じゃあデパートっていったい何なんだよ!?

広川:商業施設だよ!!お前今そう説明しかけてただろ!!

高田:そ、そうか・・・商業施設か・・・

広川:今さら感慨深げに思い改める事でもないだろうに。

高田:OK、じゃあ次は商業意識を持ってやってみるわ。

広川:おう・・・って何も館内放送が特別に商業意識を持つこともなくないか?

高田:ピンポンパンポーン
  「さぁ今日もデパアナ☆ショピーング♪の時間がやって参りました!本日ご紹介するのは・・・」

広川:商業意識ってそういう意味なのかよ!いや、お前が通販みたいな事する必要もないからさ。

高田:そうか・・・
   しかし、それも出来ないとなると、デパートの館内放送って案外つまんないなぁ・・・

広川:・・・お前後で本職の人に謝っとけよ?

高田:あ、でもアレだ。デパート内で何か災害が起きた時の放送、これ何かはやりがいがありそうだな。

広川:やりがいって・・・確かに責任重大ではあるけど。

高田:というわけで、災害が起きた時の緊急放送をやってみますね。

広川:おう、今度こそちゃんとやれよ。





高田:ピンポンパンドーン!!「ただいま4階紳士服売り場に隕石が衝突しました。」

広川:いきなりどんな災害が起きてるんだよ!!いろいろと前代未聞だよ!

高田:ダメですか。

広川:放送する隙もなくデパート全体が壊れちゃうからな。もう少し小さい災害でやれよ。

高田:では・・・

   ピンポンパンッ!「うわっ!・・・あ、ただいま私の隣で風船が割れました。」

広川:どうでもいいよ!!逆に災害ですらないだろ!

高田:何でですか、俺はすごく驚いたんですけど!?

高田:うーん、じゃあどういう災害でやればいいんだ・・・

広川:やっぱり火災とかじゃないか?
   それで、客をうまく非難できるように誘導するのが放送の役割、と。

高田:そうですか・・・では。

   ピンポンパンポーン「ただいま5階婦人服売り場に置いてあるマネキンから火の手があがりました。」

広川:どこで発生してるんだよ!・・・まぁいいや、その後の誘導が大事だ。

高田:「えっと・・・あっ、、その、、か、火災が発生したふふ付近の、み、み皆さん、」

広川:おい、急にどうしたんだよお前?

高田:「おおおお落ち着いててて避難ををを」

広川:お前が落ち着けよ!!聞いてる側も落ち着けなくなるよ!

高田:だだだってじじ自分のデパートでかかか火災がががおおお起きるなんてかか考えたら・・・

広川:だから落ち着けって!!ほら、一回深呼吸でもして。急にどうしたんだよお前・・・

高田:・・・ふぅ。では。

   「皆様。当館4階の喫茶店でお茶でも飲みながら、落ち着いて避難を」

広川:それは落ち着かせすぎだよ!!何で避難するのに喫茶店に入らないといけないんだよ。

高田:はぁ・・・初めての災害放送だからどんなテンションで挑めばいいのか分からなくてつい・・・

広川:どうなってるんだよお前の体は。まぁとにかく、もう一度最初からやってみろよ。

高田:ピンポンパンポーン
  「先ほど5階で火災が発生しました。
   お買い物中の皆様、落ち着いて速やかに避難してください。」

広川:おう、やればできるじゃないか。

高田:「あ、その何ていうか違いますからね。
    別にお客様の安全を思って放送している訳では・・・」

広川:ってその放送は何なんだよ!何でここまで来てツンデレっぽくなるんだよ!

高田:いや、災害時こそお客様にリラックスしてもらうために萌えを提供・・・

広川:ワケ分かんねーよ!とりあえずそれは必要ないから!
   ・・・後は、避難をする際の注意事項とかも放送した方がいいな。

高田:「避難の際は、姿勢を低くしてハンカチなどを口に当てて避難してください。」

広川:そうそう、火災の時の基本。

高田:「そこでデパアナ☆ショッピーング♪今回紹介しますのはこちらの防災頭巾!」

広川:その通販みたいなのも要らねーよ!!買い物してる場合じゃないんだってば!

高田:「えー皆様、避難の際はエレベーターを使わないようにお願いいたします。」

広川:それもよく言われることだな。

高田:「エレベーターを使用されますと、火災により暴徒と化したエレベーターガールが襲って来ます。」

広川:そういう意味じゃねーだろ!!エレベーターガールに何があったんだよ!

高田:「また、非常階段も使わないようにお願いいたします。」

広川:何でだよ!?階段使わなきゃ避難できないだろ!

高田:「暴徒と化したデパ地下職員が駆け登って来ます。」

広川:何で火災現場を通り越して登って来るんだよ!!どうしたいんだよ彼らは!

高田:「・・・そう言うワケで火災現場より上の階の皆様、避難は諦めてください。」

広川:諦めさせるなよ!!客が死んじゃうだろ!!

高田:「しかし、考えても見てください。
    なんと最期が訪れるその時まで、6階より上の全商品を使いたい放題です!」

広川:そういう問題じゃないってば!!早く避難させろよ!!

高田:「7階家具売り場のふかふかベッドで寝たい放題です!」

広川:寝てる場合じゃないんだよ!!避難しないともっと深い眠りについちゃうよ!!

高田:「火災により暑く感じてきたら、8階電気用品売り場の冷蔵庫に飛び込んでください!」

広川:無駄な抵抗だよ!!それよりも早く避難させろって!!

高田:「まもなく暴徒と化したデパ地下職員が6階に到着する見込みです。
    さぁ皆さん、彼らと一緒に思う存分暴れてください!!」

広川:暴れさせるな!!避難の誘導は!!

高田:「・・・おっと、そろそろ私の元にも火が迫ってきましたね。
    それでは皆様、また来世でお会いしましょう!!」ピンポンパンポーン

広川:おーーーーーーーーーーーーい!!!

高田:よーし、俺も今から6階へ向かうぞーー!!

広川:お前も暴徒と化してどうするんだよ!!ってかストップストップ!!
   最後の方やりたい放題じゃないかよ!館内放送の練習はどこいったんだよ?

高田:いやぁ、やっぱり館内暴走の方がやりたいなぁ、と思って。

広川:どんな理由だよ!!もういいよ!

予選総合第30位(3回戦敗退) ひろたか
審査員
点数
58 73 76 52 75 高島屋 得点66.80
【審査員コメント】
・見ててホッとする漫才ですよね。いい意味で基本に忠実とはまさにこのこと。
 序盤にオムニバス的なボケを重ねて、後半に回収するのはまさしくセオリーなんですが、
 ツンデレやショッピングの出し方も上手く、ピークをちゃんと畳みかけに持ってくる辺りは流石。
 改善点は、畳みかけ以前のオムニバス部分にベタなボケが目立ったかなと。
 「Wikipedia」「通販」などはボケとして読みやすいため、序盤のジャブにしてもちょっと退屈な時間だったかもしれません。
 個人的に序盤の「しません」が個性あって期待したので、「しません」で貫いても面白かったかなと。
   
・強めのボケを放り込んでくるタイミングが良く、いい緩急が出来てたなあと思います。
 後半の畳み掛けでもっと爆発できたらさらに良かったかなと。
   
・前半を踏まえつつ後半テンポを上げて盛り上げていく作品のお手本を見たような感じです。
 後半生きてくるようなボケを前半に忍ばせたり、逆に前半のボケが後半に生きてくる等、単純なボケの面白さに+αできるような結びつきをもう少し見たかったような気もします。
   
・よくまとまっていたとは思うんですが、割とどこかで見たことのあるボケが多く、テーマも特別斬新なわけでもないのでイマイチ爆発しなかったなという印象です。
 最初にボケた後に理屈を重ねるくだりで見せているキャラクターやボケ方が後半に生きてくるわけではないので、テンポよく他の種類のボケを重ねても良かったのかなと感じました。
   
・なんだこの安心感。まさに漫才のお手本だと思います。
 取り立てて強烈な個性があるわけではないですが、漫才としての完成度が非常に高いです。
 このタイプのネタは個性やボケを引き立たせるネタというより、漫才の技術で勝負するネタだと思います。
 でパートのアナウンスという設定をスタンダードに広げ、徐々に盛り上げていく。正統漫才の理想の形じゃないですかね。
 ただ、意外性という意味では物足りないのも事実で、この正統派の形のまま強烈なボケがもっとできたのではとも思いました。
 下地はもう完璧なので、この漫才を引き立てるスパイスのような個性が欲しかったですね。
 今MM−1では様々な個性がひしめき合っていますが、こういう形ももっと大事にされればいいなとしみじみと思います。さすが管理人。
   
・結構昔のネタを引っ張り出してきたのですが、
 今思うとアレですね。余裕みたいなのが少なくて直球的なボケが多くて、今の自分の生大喜利みたいな印象を受けますね。
 もっと幅のある表現をすることで、単にボケが面白いかどうかだけにならないようにしたいところです。
 って、いろんな方の漫才にそんな指摘をしてきたような気はしつつ…
 

Rゲート
No.040 落ちものパズル
連鎖
手 :ぷよぷよってパズルゲーム知ってる?同じ色のぷよが4つ以上つながると消えるやつ。

リス:知ってますよ。連鎖とかするとえいっ、ファイヤー、アイスストームって声がして気分が上がります。

手 :その掛け声が狂おしく好きなんだ。メインキャラクターにアルルってのがいて、そのキャラの場合、
   「えいっ」(1連鎖)
   「ファイヤー」(2連鎖)
   「アイスストーム」(3連鎖)
   「ダイヤキュート」(4連鎖)
   「ブレインダムド」(5連鎖)
   「ジュゲム」(6連鎖)
   「ばよえ〜ん」(7連鎖、以降同じ)
   って感じになる。これで漫才したい。オリジナルのを作りたい。

リス:あー…ゲームに出てないキャラクターを使って、もしゲームに出てたらこんな掛け声だろ的な?

手 :理解が早くて助かる。エキシビジョンとして1回やってみるか。
   「このハゲ〜〜〜〜〜!!」(1連鎖)
   「違うだろ!」(2連鎖)
   「違うだろゥ!!」(3連鎖)
   「違

リス:1発目に豊田真由子持ってくるなよ。彼女は漫才がマンネリしてきた時のチェンジ・オブ・ペースだろ。
   最初なんだから特定の個人とかじゃなくて、例えばそう、お寿司屋さんとか。

手 :お寿司屋さんか〜。それじゃ、
   「らっしゃい!」(1連鎖)
   「何握りましょう?」(2連鎖)
   「ガキみたいな注文しやがって!」(3連鎖)
   「外人は帰れ!」(4連鎖)
   「おしゃべり女に用は無い!」(5連鎖)
   「ったく…さっさと食って出ろ!」(6連鎖)
   「帰れ帰れ帰れ〜〜〜!」(7連鎖)

リス:えらく排他的な寿司屋だな。気難しいとかそういうレベルじゃねえわ。
   キャラを活かして寿司ネタを安い方から順々に出すとかいくらでもやり方あるだろ。

手 :そうだな、お馴染みの寿司屋のパターンがあった。
   「らっしゃい!」(1連鎖)
   「パネルをタッチしてくれ」(2連鎖)
   「デミマヨハンバーグいっちょう!」(3連鎖)
   「豪快イカ天マヨお待ち!」(4連鎖)
   「プレミアムプリンだよォ!」(5連鎖)
   「本マグロのテール煮マヨ風味でい!」(6連鎖)
   「食べ放題800時間待ちィ!!」(7連鎖)

リス:うむむ、まぎれも無くかっぱ寿司。寿司屋を名乗らないでほしいな。マヨネーズに頼り過ぎだろ。
   ふつうの寿司屋の大将できないの?回らないお寿司屋の。

手 :回らない寿司屋ねェ…。
   「らっしゃい!」(1連鎖)
   「何握りましょう?」(2連鎖)
   「酒は後だ!ご注文は?」(3連鎖)
   「最初に寿司を頼め!」(4連鎖)
   「アルコールで味覚が鈍る!」(5連鎖)
   「この店は俺がルールだ!」(6連鎖)
   「もう出てってくれ!」(7連鎖)

リス:悪くは無いけど…これまでこういうボケ4回やって、そのうち3回が最終的にキレてる。

手 :「もう出てってくれ!」(8連鎖)
   「もう出てってくれ!」(9連鎖)
   「もう出てってくれ!」(10連鎖)

リス:連鎖やめやめ。せっかく大連鎖して気持ちが良いのに出てけ連呼されちゃたまらん。

手 :こないだパチンコ屋で同じこと言われたんだ。台を強く叩きすぎて。

リス:もともと気性の荒い人なんだなあ手 さんは。そうそう、手_さんはスペースも名前の一部だからみんな間違えないでね。すぐに手が出るみたいだし。

手 :そうだパチンコ台でもできるぞ。
   「リーチ!」(1連鎖)
   「ハズレ〜でも図柄ソワソワ」(2連鎖)
   「スーパーリーチに発展!」(3連鎖)
   「金文字ピカーッ!」(4連鎖)
   「ヤクモノどかーん!」(5連鎖)
   「ボタンを押せ!!!」(6連鎖)
   「767」(7連鎖)

リス:はずれるのかよ。最近のパチンコはだいたいそんな感じだけどさ。

手 :おもいっきり台を叩きたくなるだろ?それで叩きすぎたら出てってくれ、というわけだ。

リス:もうパチンコなんてやめなよ…。第一ぷよぷよのプレイヤーキャラがパチンコ台て。
   せめて生き物でたのむよ。AI搭載のロボットでもいい。

手 :ASEMOとか良さそうじゃない?

リス:アシモな。なんだその痒そうなロボは。

手 :「かゆ〜」(1連鎖)
   「かゆすぎる」(2連鎖)
   「かゆいかゆいかゆい」(3連鎖)
   「掻いてたら血が出た」(4連鎖)
   「かい〜の」(5連鎖)
   「かゆくてつらい、そんなときは」(6連鎖)
   「軟膏!!」(7連鎖)

リス:やっぱアセモだったわキャラクターに魅力ねえな。あと途中で間寛平が登場したような気がするんだけど。

手 :7連鎖目がいわば決めゼリフなわけだから、オロナインからCM依頼がくるかも!

リス:スポンサーが前面に出るゲームなんて嫌だなあ。昔、マリオのゲームに永谷園のお茶漬けのCM挿入されて不評だっただろ。

手 :スポ狙いはやめるか。それじゃあ次は風俗嬢で作ってみよっと。ぷよぷよって乳の事かやかましいわ(笑)。
   スライム乳やかましいわ(笑)。

リス:全年齢対象のゲームなのに…。

手 :「へいらっしゃい!」(1連鎖)
   「ナニ握りましょう?」(2連鎖)

リス:寿司屋と同じ入りやめろ。握りましょう?じゃなくて握るんだよ自分から。そういう仕事だろ。

手 :「お客さぁ〜ん」(3連鎖)
   「だんだん固くなってきましたよ」(4連鎖)
   「蒸しエビみたいに」(5連鎖)

リス:ちょいちょい寿司要素が邪魔してくるんだよな。蒸しエビは固いというよりパサつく感じだろ。

手 :「この浅黒くそびえる」(6連鎖)
   「蒸しエビ❤」(7連鎖)
   「蒸しエビ❤」(8連鎖)
   「蒸しエビ❤」(9連鎖)

リス:7連鎖目が大事なことはよ〜くわかった。風俗嬢出してもなお全年齢対象のゲームにしたいストラグルが感じられるわ。
   ストラグルってもがくとか努力するとかいう意味ね。あまり良い場面では使わないけど。

手 :7連鎖以降はヘッドホンで聞くと左右交互に「蒸しエビ❤」「蒸しエビ❤」って聞こえる仕様に。

リス:お前のその蒸しエビに対する執着は何なの?チンポのメタファーに蒸しエビってのもピンと来ねえよ。

手 :ちょっと伝わりづらいかー。それじゃあ寿司屋に同伴で来たキャバ嬢でやってみよか。

リス:どうして水商売の女ばかり…。

手 :「どうも〜」(1連鎖)
   「彼には芽ネギ巻きで〜アタシはたまご焼き〜」(2連鎖)

リス:寿司屋で一発目がそれかよ。芽ネギとかヘルスィーな。男はトロ食えトロを。

手 :「ボブはベリタリアンなの〜」(3連鎖)

リス:外人の客なのね。確かに今のキャバクラは金持ちの外国人が幅を利かせてる店もあるし。
   そんでキャバ嬢とベジタリアンの外国人が寿司屋に来たのね。どんなに温厚な大将でも激怒するわ!

手 :「そんなこと言うなんてひどいよ…」(4連鎖)
   「娘の顔を忘れたの…?パパ!」(5連鎖)

リス:えっ!?そんな設定!?家出娘が一丁前に稼いで実家の寿司屋に久々に顔出した的な!

手 :「えへへ〜やっぱり優しいパパだぁ〜」(6連鎖)
   「また来るね〜」(7連鎖)

リス:ちょっと家族ドラマ仕立てになってた!水商売で一括りにして申し訳ない。蒸しエビ手コキ女とは全然違ったわ。

手 :対戦するともっと家族ドラマ感が増すぞ。最初に出てきた寿司屋の大将と対戦だ。
   「らっしゃい!」
                         「どうも〜」
   「何握りましょう?」
                         「彼には芽ネギ巻きで〜アタシはたまご焼き〜」
   「ガキみたいな注文しやがって!」
                         「ボブはベリタリアンなの〜」
   「外人は帰れ!」
                         「そんなこと言うなんてひどいよ…」
   「おしゃべり女に用は無い!」
                         「娘の顔を忘れたの…?パパ!」
   「ったく…さっさと食って出ろ!」
                         「えへへ〜やっぱり優しいパパだぁ〜」
   「帰れ帰れ帰れ〜〜〜!」
                         「また来るね〜」

リス:意外としっくりくるな。帰れと言われてもまた来るねという娘、素敵すぎるだろ。
   この2人でならゲームでもしっくりくるかも、やってみようか。
   私が娘を操作しますから、手 さんは大将を。



   「らっしゃい」(1連鎖)
                         「どうも〜」(1連鎖)
                         「彼には芽ネギ巻きで〜アタシはたまご焼き〜」(2連鎖)
                         「ボブはベリタリアンなの〜」(3連鎖)
   「らっしゃい」(1連鎖)
                         「そんなこと言うなんてひどいよ…」(4連鎖)
   「らっしゃい」(1連鎖)
                         「どうも〜」(1連鎖)
   「らっしゃい」(1連鎖)
                         「彼には芽ネギ巻きで〜アタシはたまご焼き〜」(2連鎖)
   GAME OVER
                         YOU WIN

手 :むぐぐ…。

リス:まあね、そんな都合よく7連鎖なんてできないよね。
   でもそれにしたってお前下手過ぎるだろ。2連鎖すらせず。

手 :頭くるなぁこのゲーム(コントローラ床に叩きつけながら)

リス:だから物に当たるなって。出禁になるぞ。

手 :まあゲームも漫才も落ちますよ〜〜〜という事でここはひとつ。

リス:うるせえよ。
   「帰れ帰れ帰れ〜〜〜!」(7連鎖)


予選総合第23位(準決勝敗退) 落ちものパズル
審査員
点数
68 65 70 65 80 73 得点71.17
(ボーナス+1点込)
得票1票
【審査員コメント】
・この題材いいなぁ……個人名が『「手」と「リス」』なところもこだわり感じて好感触です。
 オチ前の流れはほぼ完璧でした。2つのシンクロも多少強引ながら綺麗に噛み合ってましたし、
 対戦で全然噛み合わないという下りも設定とフリを生かした大ボケで秀逸。オチも良かったです。
 それ以前も豊田真由子とか「やかましいわ(笑)」とか笑ったんですが、ちょっと当たり外れが激しかった印象です。
 水商売や「もう出てってくれ」連発は笑いましたが、かっぱ寿司やパチンコは多少小粒だった印象です。
 また、最初にツッコミ主導で「お寿司屋さん」ってお題を出す部分にムリヤリ感が出てしまったので、
 事前に職業縛りにしておくとか手 主導で言うとか、そういう自然さがあっても良かったかなと。
 構造や細部のフレーズのキレは非常に良く、点数以上にお気に入りのネタでした。
   
・大将とキャバ嬢の掛け合いのところ上手くて感動しました。その後に連鎖ができないってボケで透かす感じもいいです。
 ちゃんと落ちものパズル要素が生きてました。
 前半に当たり外れがあって外れるたびにボケの長さから勢いが止まってしまう感じが難しそうなネタだなと思いました。
 時々哲夫臭がしました。
   
・着眼点がます最高で、充分面白かったんですけど、もっと面白くできそう感がものすごく漂ってました。
 単純な7連鎖のパターンだったり対戦形式だったりがある中で、
 それこそパズルみたいにこれ以上にがっちりはまるボケが見つかればもっと手が付けられないくらい面白くなる気がします。
 余談ですが、ストラグルとかメタファーとかチェンジオブペースとか、ツッコミの方がやけに横文字入れたがるなぁと思いました。
   
・テーマとボケそのものは面白くて、最後に対戦にしてうまくハマる所も面白かったんですが、冒頭でこれで漫才したいって言ってしまっている部分とかでちょっと冷めてしまう所がありました。
 ボケの羅列になってしまっていて、ピンでフリップ使ってネタをやっても成立してしまいそうな感じなので、ここに二人のやりとりでも笑いを生み出せる部分があると良かったのになと思いました。
   
・また頭のおかしいユニットが登場したなおい。チンポのメタファーてなんやねん。
 まず、ぷよぷよの連鎖というものに目を付けたのがすごいです。こういう形って本当に難しいんです。
 ボケのさせ方が限定されるので伝わりづらくなったりしやすい形でもあると思うんですね。
 ただ、このネタはそのスタイルに対応してしっかり活かしています。特に評価できるのは対戦の部分。
 対戦させることで会話みたいになるとか、やってみると下手とか設定の使い方がテクニカルでお見事です。
 漫才としてはあまりない形からか、爆発的な盛り上がりという点では少し足りなくも感じます。
 頭おかしい展開でもあるあるでも幅広く対応できる形だと思うので、まだまだ発展していけるスタイルだと思います。
 寿司屋とかキャバ嬢とか出るあたりはぷよぷよよりもぱずるだま感がありますな。
   
・掛け声に思いの外長いフレーズが多く、テンポにちょっと影響していたかなと思うのですが、蒸しエビあたりで急にフフッとなりました。
 その上で、ラストの対戦形式のところで意外な繋がりが来ておおっ!となりましたね。
 さらにそれがフリとなって実際に対戦する部分のそんなに連鎖しないやつには笑いました。
 新感覚のネタという感じで、落ちものパズルさんの次回作が気になりますねぇ。