集まれ塩ビ管スピーカー

地蔵さんの新作塩ビ管スピーカー「ハマー」 コメント(読みにくい時は文字のサイズを小にして下さい)

いつもお世話になっています。
地蔵です。
新作ができましたので紹介します。
名前を「ハマー(Hammer)」といいます。
形がカナヅチ(ハンマー)に似ているのでそう名付けました。

今回は16センチのカーオーディオ用コアキシャルスピーカーを使用しています。
型番はBOSCHMANN 1652Xです。はっきり言って安物です。
以前マイカーから取り外し、保管していたものを使用しました。

塩ビ管はVU150を使用しています。
高さは約106cmあります。重量は1本で約15kgあります。
基本的な設計思想は前作の「ジラフ」と同じで、塩ビ管バックロードホーンです。
ユニットの固定方法は「ジラフ」と同様、マグネット背面に板付ナットを
金属用強力瞬間接着剤(耐衝撃)を使って接着し、
そこにM12の長ねじをねじ込み、エンクロージャー背面まで貫通させてから
ソルボセインをかませてナットで締め付けています。

もちろんユニット前面とエンクロージャーの接合部分にもソルボセインをかませます。
M12の長ねじには鉄製おもりを1.5kg程度取り付け、長ナットでユニットに密着させています。
つまりユニットの振動をエンクロージャーに伝えず、
ユニットが宙に浮かんでいる状態にしています。
またコーン紙が激しく振動してもその影響でユニットが動かないようにするために
ユニットにおもり(仮想グランド)を抱かせています。

今回の新作も凄そうですね!!

見えない所もばっちり対策済みですね!
吸音材はほとんど使用していません。
スロートが接続されているインクリーザー壁面と、頭部の後ろ側壁面に
少しだけ使用しています。
また頭部の内部上面に管鳴りを防ぐための網目状のゴムマット
(滑り止めとして売られているもの)を貼りました。
今回も工事用のカラーコーンを使ってホーンに仕上げています。

ただジラフと違うのは、ジラフでは空気室とホーンがカラーコーンの壁一つだけで
隔てられていましたが、ハマーでは空気室を独立させました。
これでカラーコーンの振動が空気室に伝わって影響を与えるのを防ぐことができます。
空気室との隔壁には100-40のインクリーザーを使用しました。
スロートはVU40を用いました。

簡単な設計概要図を付けますので御参照下さい。
低音をどこまで出すかの計算ですが、ジラフ同様ヘルムホルツの共鳴式
■fh=(C/2π)×√(S/(V×L))■を用いました。

今回はユニットが16センチになりf0も下がったことから、25Hzを出すことを狙いました。
第一共鳴周波数ピーク(fh)を25Hzに設定し、各部分の値を決定していきました。
すなわち
S;スロート面積13平方センチ(直径4センチ)、
V;空気室容積9300立方センチ、
L;ホーン最大長63センチとしました。
滑り止めゴムマット良さそうですね!!

今度真似させて頂きます。m(__)m

VU150でこのような造形にすると、頭デッカチになり、極めて安定が悪くなります。
インテリアとしても安定感のある落ち着いた雰囲気にしたいと思ったので、
スタンドを使用することにしました。

スタンドで適当なものを探していたときに目に止まったのが、
ガーデニング用品のフラワースタンドでした。

このスタンドは鋳鉄製で片方で約7kgあります。重いです。
鋳鉄製なので比較的振動も伝えにくくオーディオ用としては好適だと思います。
本来植木鉢が乗るべき上下二つの円盤をグラインダーでくりぬいて
塩ビ管を挿入しました。

塩ビ管とスタンドの接触部分はすべてウレタンスポンジをかませて、
エンクロージャーからの振動がスタンドおよび床に伝わらないようにしています。

ハマー本体にL字金具を取り付けスタンドの下側円盤でそれを受け止めています。
間にはウレタンスポンジをはさんでおり、固定のためのネジ止めはしていません。

重量級スタンドを使用することによって、ぐっと安定感が増しました。
ペイントはお決まりの地蔵カラーの黒と銀です。
スタンドは買ったままの色です。
ホームセンターで売っている普通の水性つやありスプレーペンキで塗装しています。
(銀色の部分はアルミテープです)
車用のペンキの方が上品に仕上がるのですが、あまりにも価格が高く、
使用を断念しました。実は前作のジラフも車用ペンキではありません。


フラワースタンドいいですよね!!

管理人もトーチを作った時に使用しようと思ったのですが、
形がなかなか合わず断念しました。
地蔵さんみたいに加工しちゃえば良いんですよね!(^_^;)


ハマーの寸法こちらです。 18.5.6追加
さて音のほうですが、おおよそ設計どおりの低音が出ていると思います。
オーディオチェックCDで確認したところ、20Hzは振動を感じます。
25Hzは振動と音をきちんと確認できました。
(前作のジラフは25Hzは苦しかったです)。
31.5Hzもちゃんと鳴っています。

suisyuさんのホームページに、ビル・エバンスのアルバム
「Waltzfor Debby」で本当の超低音が出ているかどうかを確認する方法が
記載されています。
これはインターネット上でもジャズ、オーディオマニアで話題になっている方法です。
この曲の特定の個所で地下鉄の音(振動に近い超低音)が
聴こえるかどうかというものです。
これでハマーが超低音を出せているか確かめてみました。
もちろんアンプはトーンコントロールを用いず全てノーマルの状態のままです。

このアルバム内の曲「Some other time」(国内盤では5曲目、輸入盤では8曲目です)の
(1)14秒〜19秒、(2)3分55秒〜3分58秒、(3)4分12秒〜4分17秒が該当部分です。
結果は(1)(2)(3)とも地下鉄の音が聴こえました。ひと安心です。
前作のジラフでは(1)(3)は聴こえましたが、(2)がどうしても聴こえませんでした。
しかし今回のハマーはすべて聴こえました。
やはり(2)は25Hzあたりがちゃんと鳴っていないと聴取が困難だと思われます。
この確認方法はsuisyuさんもホームページで言っておられるとおり、
実際にその場で音を聴けないスピーカーを評価する場合、本当に重低音、
超低音が鳴っているかどうかを確認するとても良い方法だと思います。
ビル・エバンスの「Waltz for Debby」の地下鉄の音に関して
はぜひ一度suisyuさんのページ(http://www.eonet.ne.jp/~suisyu/audio20.htm
をご覧ください。非常に興味深い考察をされています。
私にとって勉強になりました。

(備考)
かなり低音が出るようになったとはいえsuisyuさんが作られたスピーカーの
「怒濤の」という形容詞が付くほどの低音の領域には未だ達することができていません。

最後に、ハマーはジラフに比べて低音と中高音のつながりが
スムーズになったと思います。
全体的に落ち着いたフラットな音のイメージになりました。
このハマーで手持ちのCDを全部聴きなおしてみたいと思っています。
出ましたね〜地下鉄チェック!!
僕も一時期はまりましてやりましたが、長時間やっていたら
どこでも聞えるような気になってきたのでやめてしまいました。(^_^;)

suisyuさんのページは参考になりますので興味ある方は是非ご覧下さい!

それではまた改良や新作製作されましたらご投稿下さい。
ブログにも遠慮なくコメントお願い致します。

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