だいず

おまけ  豆腐 味噌の作り方


このあたりでは大豆を蒔くのは7月10日といわれています。これより早く蒔くと背丈が大きくなるばかりで実はならず、遅く蒔くと成長しないうちに開花が始まり良い実が取れないと言うことです。

種は昨年収穫したものを使います。何でこんなに真っ赤なのかというと、蒔いた後鳩に食べらてしまうのを防ぐためと、紫斑病の予防のため「キヒゲン」という薬剤コーティングの着色剤のためです。これを以って無農薬ではないといわれれば仕方ありませんが、鳩除けネットを張る手間や、収穫時に皮が紫になった大豆をトホホで捨てることを思えば許容範囲ではないかと思っています。
キヒゲンでコーティングした種

1週間ほどで発芽します。子葉にはキヒゲンの赤が残っています。
発芽した大豆

7月末にはこのくらいの大きさに成長します。この頃土寄せをして根元を補強します。大豆の根は横に張らず下に伸びた直根で、しかも背が高くなるので風に弱く倒れてしまうのでこれを防止するためです。

8月中旬の様子です。だいぶ大きくなりました。
だいず

8月下旬に花が咲きました。大きな豆からは想像がつかない小さな花です。
大豆の花

11月4日、大豆の葉が黄色くなってきました。今年は例年より実の付きが良く収穫が楽しみです。左が大豆畑全景、右が拡大したものです
 

11月18日は大豆の取り入れで、葉をふるった大豆を根元から切り取り日光と通風で乾燥させます(画像左)
細い棒でたたくと、莢が割れ(はぜると言う)中から大豆が飛び出てきます。この時はぜなくても莢に小さな割れ目(いみりと言う)が入っているので太陽の熱で更にいみりが大きくなりピシピシピシパンッという音と共に中の豆が飛び出します
この様にしてたたき出したものが画像右のお豆です。
 

収穫した大豆の使い道は?煮豆、味噌、豆腐でしょう。12月16日はお豆腐をつくりました。水や薬品の量は極めていいかげん(良い加減?)ですが大豆を4カップ使い、木綿豆腐2丁とざる豆腐2つができ、早速湯豆腐でいただきました。しぼりかすのおからは「卯の花」になって食卓を飾り収穫した大豆は100%利用しています。

前日に大豆をたっぷりの水に浸します。左は浸漬後12時間経過した大豆の断面です。外見は膨れているのですが中央部分は未だ水が入りこんでいません。中央は24時間後の様子で芯まで膨れ、これで準備作業は終わりますが、作業開始前の乾燥状態と浸漬終了時の大豆を並べてみました。体積は3乗で効きますから膨れ具合がお分かりかと思います。
  

充分に水を含んだ大豆をミキサーにかけます。昔は石臼で砕いていたそうで苦労がしのばれます。このようにしてできたものが「生呉」でどろどろした、青臭い流動物です。

生呉の約2倍の水を加え加熱します。沸騰直前で火を弱め、ふきこぼれないようにする火の調節と、絶えず攪拌するのがコツです。30分ほど煮た後木綿の袋で濾し豆乳(右)とおから(左)に分けます。

豆乳を70から75度になるよう再加熱し「にがり(塩化マグネシウム)」溶液(大豆1カップに対し約5グラム)を滴下すると、豆乳が凝固してきます。

10分程おいて凝固が終わった頃、豆腐枠(右)に流し込みます。なめらかに固まるとそのまま切り出して絹ごし豆腐になるのですが、そこまでの腕は無いので形枠に入れて固めます。

あら熱が取れた頃形枠から外し水に晒してにがりを取ります。これで木綿一丁上がり。

 

立春が過ぎた週末は味噌の仕込をします。画像と共にご紹介いたします。

鉄釜
大豆を煮る鉄釜です。底にはさつま芋を入れるのが我が家の流儀です。
泡の処理
24時間水に浸けた大豆を釜に入れ煮ます。ごらんのように最初は泡が立ちますのでふきこぼれないように、こまめに火の調節をします。
よく煮る
しばらくすると泡はおさまるのでさらに煮続けます。最初に入れたさつま芋が泡消しに効果があるのだそうです。
煮えあがった大豆
指でつまむとこのようにつぶれるようになると煮え上がりです。およそ7時間掛かります。
麹と塩の混合物
米麹を大豆と同量、塩を大豆の1/2用意し、よく混ぜます。
麹は、kiyoの小さいころは母親が家で作っていましたが今ではとてもできないので購入します。
大豆と麹を混ぜる
冷ました大豆と塩まぶしの麹をよく混ぜます。
すりつぶす
この混合物をミートミンサーにかけ、すり潰します。うどん状で出てくるのでしゃもじで押さえ空気を抜きます。手前がこのようにして固めたものです。
樽に詰めて出来上がり
ポリ樽に詰めていきますが、この時も空気を押し出すよう、味噌の塊をたたきつけるように入れていきます。上に塩をふりかけ、ラップで覆います。
作業が終わったものは、常温暗所で熟成させます。夏が過ぎれば食べられるようになります。最初のうち左のような色ですが、麹菌が生きているため色は次第に濃くなり,こくも出てきます。(家人にはくどいといわれますが・・・)

おしまい