平成15年度観艦式顛末の記


掃海母艦ぶんごの乗艦券3年毎に行われる海上自衛隊のビッグイベントである観艦式の公告は、8月1日付けの海上自衛隊のHPで始まりました。この時を待っていたkiyoは乗艦券の応募を早速行ったのですが前回(2000年)の例に倣い比較的乗艦希望の薄いと思われる22日の事前訓練をねらい、家族全員の名で○枚の応募を行いました。投函前日神棚に供え当選を願ったのは言うまでもありません。後で心配になり可能性は低いが2日後の予行も同様に申し込みました。締切りは9月8日必着との事であったので1から2週間後には結果が届くと思っていたのですがいつまでたっても吉報はなし。諦めた10月6日帰宅すると妻が満面の笑みをもって「着たよ〜」、水色の封筒の差出人は「海上自衛隊横須賀地方総監部観艦式支援部」震える手(アル中ではない感激の余りである)で封を切るとそこには”ご当選おめでとう御座います”という書簡とともに乗艦券が・・・なんという感激なんという感謝

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DDG174きりしま入港前日の21日の午後から22日の休暇をもらい(をいをいそんなに休んでいいのかよ〜・・・いや3年に一度ですから(^^;)勇躍横須賀に向け出発!横須賀線で田浦を発ち3つほどトンネルを越えると将に軍歌敷島艦にあるように”隧道つきて顕わるる横須賀港の深みどり潮に浮かぶ城郭は名も香しき敷島艦”にあるように吉倉の桟橋が目の前で、部隊訓練を終えた艦艇が続々停泊しているではありませんか。「舟蒙 舟童(もうどう)海を覆う」というのは今の護衛艦では大袈裟ですがそのような感じが伝わってきました。ちなみに今は桟橋に停泊するのですが、敷島艦の頃はみなブイ係留であったとのことです。kiyoは横須賀駅から逸見の桟橋(ヴェルニ記念館のあるところ)までダッシュして艦艇入港の様子を撮影しました。ふと周りを見ると・・・カメラ付き携帯で護衛艦を撮影しにんまりしている人がいるではありませんか。うっっ私も傍から見るとご同輩か・・・と思っていたら突然”パーパッパカパー”気を付けの喇叭に続き喇叭君が代の吹奏、1700日没における軍艦旗もとい自衛艦旗降下でした。艦旗降下と同時に艦に明かりが灯ります。一枚撮影した後、気を付けをするkiyo、周りの人は夢頓着、普通のメロディーの君が代でも気に留めないのに喇叭の君が代ではわからんのも無理ないよねと一人ほくそえむkiyoでした。その後宿に入り横須賀海軍カレー館でカレーライスをほおばりながら東郷ビールを飲み、明日の天気を気遣いました。
きりしまの奥にしらねが停泊停泊作業中のきりしま日没時の光景

22日0500起床、小雨、0600ラジオ放送で事前訓練の挙行を確認後宿を経ったのですが無常にもこの頃から本降りになってきました。0630京浜田浦着、雨は弱まらず、艦隊司令部の船越までひたすら歩きました。営門を入ってすぐのF6,F7バースに掃海艇681すがしま 683つのしまが停泊 司令部よりのF4,F5バースに訓練支援艦4202くろべ 4203てんりゅう、更にてこてこ歩いた先のF10バースに潜水艦救難母艦403ちはや、その先のF11バースに掃海母艦464ぶんご 463うらがが横付け停泊しています。ちなみにぶんごがkiyoの乗艦指定なのですが、近ずくにつれ、で・でかい・どでかい(非常に大きいの意)というのが第一印象です。今まで体験公開で乗っけてもらった艦の遥かに高いところに甲板があるのです。待つ間もなく乗艦が開始され勇躍艦上の人となったkiyoは直ちに艦内見学を開始しました。母艦であるが故に掃海艇への補給物資庫がやたらあり、乗員食堂は天井が高くゆったりした雰囲気で、士官室も広い上に赤じゅうたんが敷き詰めてあります。

自衛艦旗の掲揚さて一巡りしたところで0730ヘリ格納庫に出てみると、すがしま、つのしまが相次いで出航。0800艦旗掲揚です。「10秒前」「時間!」嚠喨たる喇叭「気を付け」に続き「君が代」と同時に艦旗が後部旗棹に掲揚される。甲板士官以下挙手の礼。をいをい、若い人は知らないからしょうがないにしてもおぢいさんおばあさんは脱帽・着目の礼位はして下さいよ。椅子に座っておにぎりをほおばっていないでさ。

0810うらが出航。これで海面が開けました。0820くろべ出航に続いて対岸の市営桟橋からDE228ゆうべつ、DD121ゆうぐもが出航。この2艦はボフォースの展示をする艦です。そうこうしているうちにヘリ格納庫では軍楽隊もとい大湊音楽隊の演奏が始まり、出航準備も進んでいます。0915もやいレッコ、出航用意の喇叭と共に本艦出航。 続いてちはやも出航し、30分後には順序を入れ替え本艦はちはやに後続しました。視界きわめて悪く、吉倉桟橋や、瑞穂埠頭から出航した艦はまったく見えません。

いそゆき単縦陣を形成浦賀水道を通過した頃から雨は少し小降りになり視界もやや開け観閲部隊も見え出したころ、DD127いそゆき、128はるゆき、132あさゆきが本艦左舷を追い抜いてゆき、観閲付属部隊として単縦陣形成し始めました。

この頃から風がだいぶ強くなってきましたが、観閲もそろそろ始まるので艦橋付近の見晴らしの良いところで見物することにし、まず艦橋に上がりました。艦橋がまた広いこと、以前体験航海で乗っけてもらったゆきクラスの倍以上はあるかと思われます。また電子化も進み、機器の小型化、デジタル表示が目立ちます。ギャラリーも多いので、旗甲板で見物することにしました。

観閲の開始再び雨がやや多くなり風も強くなってきて見物には悪いコンディションです。待つことしばし、右舷前方にうっすらと反航する艦影が見えます。いよいよ観閲の開始です。受閲部隊旗艦DDG168たちかぜを先頭に単縦陣で航行してきます。ああ晴れていたら・・・と思いますが、艦首をやや突込み気味の姿は中々見れるものではありません荒天もまたよしとすべきでしょう。

しまかぜゆうだち荒天のためモノクロ写真のようになってしまいましたがカラーモードです。受閲部隊第1群3番艦しまかぜと、第2群1番艦ゆうだち。
あきしおくにさき第3群の潜水艦部隊2番艦あきしお、右の画像は第5群LST4003くにさき。陸自隊員が登舷礼式をしているのがすごい。

観閲から展示訓練への機動航空部隊の受閲は第1群のSH‐60ヘリの5機とP3Cのみで、その他は無しでした。この天候では当然でしょう。さて受閲が終了すると180度の回頭をして展示に移ります。前航のちはやが思いの外近いところで旋回してゆきます。

ボフォースの発射、弾頭が見えるボフォースの発射も雨の中ではコントラストが弱く見栄えがしません。

SH60によるIRフレアの発射今回初公開のIRフレアの発射も煙だけが目立ちました(見ている側の論理でゴメンナサイ)そんな中でミサイル艇PG826おおたか、PG827くまたかが高速で観閲部隊と付属部隊の間を追い越して行ったのが印象的でした。

P3Cが対潜爆弾を投下P3Cが対潜爆弾を投下して展示を終了

さて帰投ということで再び艦橋へ。そこでは艦隊解除に伴う針路変更、速度変更の号令が次々と艦長から令されていました。その中で「マーク 第1戦速」わたしゃすぐさま旗甲板に逆戻りしましたね。右舷の速力標が上1杯に、左舷のそれが下1杯になっているではありませんか。この状態を見たのは初めてで、しっかり目に焼き付けました。(速力標とは信号マストに掲げられる赤い籠形のもので左右にあり、掲揚する上下位置で自艦の設定速力を他の艦に知らせるもので、微速・半速・原速・・・があり籠の上向き下向きにより前進、後進を表わす。単艦行動の時は使用せず、民間人を乗せた体験航海の時はほとんど原速まで。なおこの速力標は日本艦艇独自のもの)艦橋に戻ると艦長が初級幹部に対したった今の操艦について指導をされていました。まさにOJTです。いや〜最後にいいものを見せてもらいました。

「描地まで5マイル」の令が発せられる頃、上空警備のヘリが通過して行きましたが手形に切ったボール紙でバイバイをしてくれていました。なかなかやるものです。ふと艦旗を見ると破れているではありませんか。出航直後のそれと比べて下さい本日の荒天の様子が分かるというものです。一時は艦の前方に虹がかかったものの入港直前またもや大降りの雨、すごい一日でしたが大満足の一日でした。さあ3年後を目指し明日から会社でがんばるぞ〜

 


をしまい