第88回定例研究会で疑問提起されたB/S純資産から控除する次の2項目の性
格について考えてみた。
まず、「株式等評価差額金および土地再評価差額金」ですが、保守主義の
立場から資産の時価評価差額(益)は未実現のため、B/S上、資産の増加差
額が計上されていても、この部分は商法上は真正の資産とは認めていない
ため純資産から控除するのだと考えられる。(?)
次に、「新株式払込金又は新株式申込証拠金」は、本来は資本金に準ずる
性格であり、たまたま増資手続き途上において決算日を迎えたためこれら
の科目で処理されたが、首尾よく増資手続きが完了すれば資本金になるは
ずのものである。しかし万が一、増資手続きに不備があり無効または取り
消された場合は払込済みの預金を返還しなければならないため、潜在的な
負債をかかえているとも考えられないではないので純資産から控除するの
だろうか。(?)
これらはあくまで私見であり、法改正にかかわった人々の解説本を読むな
どして、理由付けをもう少し調べてみたいと思う。
なお、配当可能利益の計算上も、「株式等評価差額金および土地再評価差
額金」と「新株式払込金又は新株式申込証拠金」は、純資産から控除項目
となっているため、こちら側から参考文献をあたったほうが早いかもしれ
ない。
[2003/06/08 19:43:20]