104.人生の成功とは何か?

聖書箇所 [詩篇37章1−7節]

 だれも自分の人生を失敗させたいとは思ってはいないでしょう。つまり成功を望んでいるはずです。そして成功とはこのようなものだと安直に考えやすいのが、お金や物をたくさん持っていることであり、地位や名誉を持っていることです。でもその方向がイコール成功ではないとも人々は感じています。ならば進路を変更したらいいのです。でも、でもです。その進路変更がままならないのが人間の弱さでもあります。
 フランスの昆虫学者ファーブルは毛虫を使っておもしろい実験をしています。毛虫は前の毛虫の後にひたすら追随する習性があり、彼は円形の花瓶のふちに沿って、満遍なく毛虫を並べた。花瓶のまん中にはえさである松葉を置く。毛虫は花瓶のふちを回り始める。何時間も何日も、そして7昼夜回ったところで飢えと疲労で死んでしまう。目の前にえさがあるにもかかわらず、進路を変更せずに餓死してしまいました。
 私たちの人生にはこのようなことがないでしょうか。ちょっと向きを変えれば、というようなことが。変更して行くべき方向も含めて、また進路の変更ができるように、このテーマを考えましょう。この詩は神さまからとても愛されたダビデの作品です。そして彼の口を借りて人生の成功とは何かを神さまが語っていらっしゃるところでもあります。

義を輝かすこと[1、6、7節]

 日常の生活には楽しいことがたくさんあります。旅行、友との語らい、家族のだんらんのひとときなど。あなたは毎日の生活において楽しんでいらっしゃいますか。楽しみ、喜ぶことは神さまがあなたに願っていらっしゃることです。でも楽しいだけではいけません。その中に義がなければ。
 悪魔がある人を人生の最終到達地だとして地獄と天国へ案内しました。地獄で見た光景はこのようなものでした。大きなテーブルを囲んで人々は向かい合っています。なんと一人ひとりの前にはすばらしいごちそうが並んでいます。でもだれも食べることができません。なぜなら各人の両手にはナイフとフォークが縛り付けられていてその長さがなんと120cmにも及ぶからです。おまけにひじを曲げることもできません。天国ではどうだったでしょうか。まったく同じような光景が見られました。でも大きな違いがありました。互いに目の前の人に食べさせていたのです。
 このような違いは地上の生活の中ですでになされていたことなのです。人を助けること、励ますことなど私たちの日常なすべき正しいことはいろいろあります。あなたはきっと真面目な人なのです。努力を重ねて良いことをして来られた方なのです。でもあなたは神さまではありません。失敗もあるはずです。その失敗はイエス・キリストがあがない、あなたに完全な義を着せてくださいました。こうしてあなたは義を得て、永遠の世界においても成功を、いや永遠の世界においてこそ人生は成功したかが分かるのですが、確かに勝ち取ります。

深い愛を持っていること[3、7節]

 「星の王子さま」の星にはわがままな、独りよがりのバラの花が一本いました。あまりにもわがままなので王子は遠い旅に出ます。こうして地球に来て見るとあのたった1本しかないと思っていたバラがたくさん咲いているではありませんか。「なあーんだ」とため息をつく王子にキツネが教えます。男の子だってキツネだって地球にはたくさんいますよ。でも2人が仲良くなれば、互いにかけがえのない間柄になるんだよ。「肝心なことはね、目に見えないんだよ。あんたがあんたのバラを大切に思っているのはね、そのバラのためにひまつぶししたからだよ。人間っていうものは、この大切なことを忘れているんだよ」
 あなたはいかがでしょうか。隣の人のためにひまつぶしをしておられますか。ひまつぶしこそ愛です。隣の人のために時間を費やすことをあなたはもったいないとお考えですか。ひまつぶしする者こそ、その人を愛しています。その愛は結局はあなたを守ります。愛はあなたの友人を増やし、彼らはあなたが助けを求めるときに応えてくれます。
 昔ギリシアにスパルタという都市国家がありました。当時どの都市にも高い頑丈な城壁がありましたが、スパルタにはありませんでした。王はあるときこのことを尋ねられ、答えました。「あそこにいる人々を見てください。私は彼らを愛しています。だから彼らも私を愛してくれています。いざというときに彼らは石よりも強い城壁になるのです」

 あなたは今ひまつぶしをするための深い愛を手に入れることができます。イエス・キリストこそ愛そのものです。あなたがイエス・キリストを心に抱き、そのお心を大切にしていらっしゃるときあなたの中に愛はあり、その愛を活用することができます。

幸福の思いがあること[4節]

 私は加山雄三の歌、「君といつまでも」が好きです。特に「ぼかー、君といるときがー、一番しあわせなんだー」というせりふが好きです。明るくて、聞いているだけで幸せな気分に浸れます。
 ウイリアム・ジェームズという有名な学者が今世紀最高の発見であるとして、こう言いました。「幸せだから、歌うのではない。歌うから幸せなのだ」。これを告白の力と言います。なにもいまさら発見したなどとおおげさに言うことはないのです。パウロは「人は心に信じて義と認められ、口で告白して救われる・・・『主の御名を呼び求める者は、だれでも救われる。』・・・」(ローマ10:10-13)と言い、イエス・キリストはすでにこうおっしゃっています。「イエスは言われた。『できるものなら、と言うのか。信じる者には、どんなことでもできるのです。』するとすぐに、その子の父は叫んで言った。『信じます。不信仰な私をお助けください。』イエスは、・・・汚れた霊をしかって言われた。『おしとつんぼの霊。わたしが、おまえに命じる。この子から出て行きなさい。2度と、はいってはいけない。』するとその霊は、叫び声をあげ、その子を激しくひきつけさせて、出て行った。・・・イエスは、彼の手を取って起こされた。するとその子は立ち上がった。」(マルコ9:23-27)

 あなたが「幸せだなあー」と言うとき、あなたは幸せ、あなたが「私の人生は成功!」と言うとき成功するのです。どうか日常の一つ一つのことに感謝をし、神さまを賛美してください。職場が与えられているのはあたりまえではありません。学校に行けるのも決してあたりまえではありません。すべては神さまからの贈り物です。感謝し、賛美している生活は幸福の思いをあなたに保証します。

夢を追いかけていること[4、5節]

 夢を追いかけている人は若い人です。肉体年齢が若くても夢のない人は老いた人です。昔の札幌農学校と言えば、クラーク先生、クラーク先生と言えば「少年よ、大志を抱け!」が思い出されます。マサチューセッツ州の農学校校長でしたが、教頭として札幌に赴任しました。私もクラーク先生に習って一言を発したいと思います。「夢のある人であれ!」あなたは口を開くとき、愚痴ばかり言ってはいけません。否定的なことばっかり言ってはいけません。詩篇81篇10節にはこうあります。

わたしが、あなたの神、主である。
わたしはあなたをエジプトの地から連れ上った。
あなたの口を大きくあけよ。
わたしが、それを満たそう。

 夢を追いかけている人は神さまが祝福してくださるので、その人生は必ず成功します。


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