110.聖霊さまの恵み

聖書箇所 [主にコリント人への手紙第1 12-14章]

 今回は聖霊さまのお働きについて学びましょう。聖霊さまについてはなかなか分かりにくいと言われますが、働きに焦点を当てますと、ぐーっと身近に感じられることでしょう。たとえば空気を考えてみてください。いつもお世話になっていますね。一息吸う度に、「ありがとう!」というわけでもありませんが、確かに空気は存在し、一度息を止めて見るとその働きは分かります。
 聖霊さまのお働きを知る事によってどれほど多くの恵みをいただいているか、またこれからもいただくことができるのかが分かります。

信仰を与える[12章2−3節]

 たとえ偶像が周囲にあってもそれに関わりなく、あなたにイエスさまを救い主として認識できるようにさせます。

 インドのバクート・シングを御存知でしょうか。彼は若いときにいつも一旗揚げたいと常日頃考えていました。「インドにいたのではダメだ!」これが彼の結論でした。イギリスに行くことを決心した彼は家族や親戚たちから猛反対を受けます。「なぜ、祖国インドを搾取している国へ行かなければならないのか」これが反対の理由でした。しかし彼の熱意は伝わり、一つの条件付きでついにイギリスの土を踏みました。シーク教徒であることを決して忘れないてはいけない、というものでした。
 彼は見るもの聞くものすべてに驚き感心し、来て良かったと思いました。でも月日が経つにつれてあらが見えてきました。「なんて人間性が悪いんだ!」という思いは祖国を植民地にしているイギリスのイメージとだぶりました。失望感が彼にはありました。
 あるときカナダに船旅に出かける機会がありました。デッキに一枚のポスターを見かけました。「一等船室にて礼拝をします。どなたもおいでください」彼はそのとき礼拝に何の関心もありませんでしたが、一等船室見たさに参加することにしました。狭い船室に中でまもなく彼は人々に囲まれるようにして身動きができなくなりました。結局最後まで抜け出すことができずに、とうとう一緒に賛美歌を歌い、祈りに唱和する時間を過ごさざるを得ませんでした。でもこのときに聖霊さまが彼に触れられました。彼は「私はシーク教徒なのだ、キリスト教徒ではない、敵の宗教なんか信じられるか」と葛藤を起こしつつ、ついに彼はイエスさまを救い主と知ります。
 やがて彼はイギリスに戻り、教会を尋ねます。しかし彼は驚きます。どの教会へ行っても沈んでいて元気がないのです。人々には喜んでいる様子が見えません。聖霊さまは彼を真に祝福しました。彼は環境に負けずにいきいきとした信仰を守り、ついにインドに戻りました。さあ、大変。家族みんなが、親戚みんなが驚き大反対をしました。途中経過は省きます。家族や親戚が次々にクリスチャンになって行き、彼が伝道集会を開くときには一番反対していたお父さんが先頭に立って活躍しました。

 信仰とはどんなときにも強さをあなたに与えるものです。その信仰は聖霊さまのお働きによってあなたに与えられます。人生はセンスです、祝福されるかどうかはセンスの問題です。つまり、感受性を豊かに持ってください。あなたは聖霊さまのお働きを知ることがおできになるでしょう。

賜物に刺激を与えます[12章4ー31節]

 賜物とは能力、タレントです。種類は他の聖書箇所と共にいくつも紹介されていますが、どんな人にも何かは与えられているものです。これらに刺激を与えて最大限の実力を発揮させるのが聖霊さまのお働きです。
 ジョン・ウインバーはすぐれた音楽家でした。大学院レベルの音楽理論を持ち、ほとんどすべての楽器を弾きこなすことができました。さらにもう一つの面を彼は持っていました。すぐれた実業家。ツアーを成功させ、レコードを発売し、いくつも出店して行きました。人々はうらやましがり、成功者と彼を呼びました。でも彼の心の中には充実感がありませんでした。まだ充分に力を発揮し切れていないという思いでした。ついに彼はイエスさまを信じ、方向を変更します。教会でいくつもの名曲(賛美歌、『スピリットソング』など)を書き、全米に何百と言う教会を設立します。彼はこうして自分に与えられた賜物が充分に生かされ、喜ぶのです。

 エントロピーの法則があります。熱力学第2の法則とも言いますが、これは簡単に言えば、形あるものは壊れる、今安定していてもやがては不安定になる、というものです。私たちの住んでいるこの世界に働く法則です。もしあなたが賜物をそのままに置いておくならば、だんだんと錆び付いて行きます。刺激を与えなければなりません。
 アルバート・アインシュタインがこう言いました。「刺激を避けて、少しずつ精神を蝕んで行く人々がいる」。もちろん刺激ならば、どんなものでも良いというわけではありません。正しい刺激が必要です。それは聖霊さまによって与えられます。だから「聖霊の賜物」という言い方をするのです。イエスさまを信じているあなたの中に聖霊さまがすでに住んでいらっしゃいます。どうかこのことを信じてください。
 アメリカ心理学の父と呼ばれるウイリアム・ジェームズがこう言いました。「今世紀最大の発見は、心構えを変えるだけで人生を変えることができる、ことだ」。
 聖書は何千年も前からこのことを教えていることを気がつかなかったのでしょうか。でも彼の言うことは真実です、つまり信じることがあなたを祝福します。悲観主義者はコップに「半分しか水が入っていない」と言い、楽観主義者は「半分もある」と言います。悲観主義者は「見るなら信じる」と言い、楽観主義者は「信じたら見えるだろう」と言います。あなたが内住の聖霊さまを信じるなら、聖霊さまの豊かなお働きにあずかります。

人格を向上させます[13章1ー7節]

 人格・パーソナリティー(英語)はラテン語に起源があり、「仮面」とか「マスク」といった意味です。性格・キャラクター(英語)はギリシア語から来ていて「刻まれた」の意味です。したがって前者は変え得るもので、後者は神さまによって刻まれたものですから、大切にすべき、それゆえに変えられないものです。
 聖霊さまのお働きは前者すなわち人格を変えます。要するにすばらしい人格者にあなたを育ててくれます。このような人を聖書は「御霊の実」を持った人、と呼びます。ガラテヤ人への手紙5章22ー23節をお読み下さい。人々を真に愛することができ、人々からも愛されます。どうか聖霊さまのお声を聞く生活を心掛けてください。聖霊さまのお声とは何でしょうか。
 一人の四角四面の女性がおりました。頭脳明晰、仕事もできる、でも人々は彼女に近付くことをしません。彼女もそれを感じています。彼女はカウンセラーに言いました「私はだれからも必要とされていないのです」「私には愛情が必要なのです」。そうです。このようなことを解決するのが、聖霊さまです。謙虚に耳を傾けてください。心の耳を、あなたは聞こえませんか「私はあなたを必要としている!」「私はあなたを愛している!」と。このような声を聞いて毎日を過ごすときあなたの人格はすばらしいものへと変革されます。

夢を与えます[14章全体]

 すばらしいおことばをご紹介しましょう。詩篇81篇10節です。どうかあなたの心の口を大きく開けて下さい。神さまはあなたを愛して魅力的な夢をくださいます。ところがある人々はそうはできないのです。幼児期に問題があったりしますと、できない場合があります。心に傷を受けていたりしますと。癒されなければなりません。
 セーリックマンによる犬の実験をご存じでしょうか。犬を小屋に入れます。床には電線を設置して電流を流します。スイッチを入れますと、犬は痛みのゆえに飛び跳ねます。しかし長いこと続けていますと、だんだん諦めて、隅っこにじいーっとうずくまってしまいます。もちろん痛みに耐えながら。次に隣の部屋との仕切りをとります。犬はいつでも電流の流れていないその部屋へ移動することができます。でも犬はそうしません。ちょっと体を移動させれば痛く無いのにです。
 これを「学習性無力感」と呼びます。ある人々はこれを身につけてしまっていて、ただじいーっとそこにいるだけ。痛みを感じながら。自分からは動こうとはしません。「環境が変わってくれー!」という淡い期待だけを空しく持ちながら。
 どうかイエスさまを心の王座に迎えてください。あなたの口を大きく開ける事ができるでしょう。隅っこではいけません。環境の変化にそのたびに大きく影響を受けやすいからです。与えられた夢もすぐに消えるでしょう。心の王座にイエスさまを迎えると日常生活の中でもいつも夢をもって生きることができます。
 1人の教育家が3人の大工に「何をしているのですか?」と質問しました。1人目の答「見れば分かるでしょ。木材を切っているんですよーーー あーあ、なんでこんなに切れないんだー、あーあ」。2人目「妻子も養わなければならないし、やりたくないけど、まあ、仕方ないかっ、木材を切っているんですよッ」。3人目「見てください、この図面。すばらしいでしょう!教会を建てているんです!」。
 後天的なものならば変更する事が可能です。聖霊さまはあなたの心の傷を癒し、すばらしい夢の人生へと導いてくださいます。
 聖霊さまの祝福があなたに豊かにありますように。


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