30.ドラマはまだ終わっていない

 詩篇61篇の1節と2節とをお読みください。作者は落ち込みを経験したようです。今あなたはいかがですか。もし元気ならありがたいことです。でもそうでないときもあるかも知れません。そのようなとき、あなたにはいくつかのできることがあります。学んで参りましょう。

あなたがあなた自身であることを承認してください

 自分以外の人になろうとする人たちは少なくありません。多くの場合、それは外部からのプレッシャーにその原因があります。「あなたはこうならなければいけないのですよ」「こうあらねばならないのですよ!」という圧力。さらに周囲に人が多くなると自分一人の価値がどんどん下がっていくようにも思えます。少なくともそのように感じられます。実際は事実とは異なるのですが。しかしまるで自分は無視され、いてもいなくてもいいような気にさせられます。もっと立派な者でないといけないのではないか、と自己嫌悪感に陥ってしまいます。まるで個人の尊厳が感じられません。「その他大勢」の取り扱いをされ、まるでトマト20個いくらというふうに八百屋さんで見かけるような自分という錯覚もあります。
 あるいは私たちの生活する世界にはさまざまな種類の組織があって、それらが先と同じような「あなたはこうでなければならない!」と強制します。私たちは鋳型にはめられようとしているのです。この世にも「あなた」はただ1人であるということがだれにも分かっていないのです。
 私たちはこう叫びたい。「私は私でいいのだ!」この叫びの声をあげるときあなたは神さまとの関係をはっきりさせることができます。神さまは人類史上初めてこの地上に今のあなたを今あなたがいる場所に置いてくださった。神さまの子どもとして。子どもに関心を示さない親がいるはずがありません。神さまはあなたの生活のひとこまひとこまに熱い関心の目を注いでいらっしやいます。あなたはそれを率直に受け入れなければなりません。
 あなたは何を悩むのですか。アモスの告白を聞きましょう。アモス書7章14、15節をお読みください。彼はこう言っています。「私は預言者(人々から特別に尊敬される対象としての)ではなく、彼らの仲間でもない。私は確かにあなたがたが想像するような、(ありふれた)羊飼いであり、いちじくの木を栽培しているだけの人間です。でもその私に神が語られた。私は私なのです。私以外の何者でもありません。たとえ話し方が下手であろうと、あれが足りない、これが足りないと人々から言われようと私には関係のないことです」そうです。
あなたは自分をむりやり変える必要はありません。無理に変えようとするから落ちこんでしまいます。「私は私でいいのだ!」。十字架の上からこのメッセージが聞こえて来ませんか。私はあなたを、そのままのあなたを愛している」と。

試練の意味を知ってください

 心に痛みが走ることがあります。失恋、離婚、家庭の崩壊、親子の葛藤、病気、あるとき突然奈落の底に突き落とされるなどなど。しかしこのとき神さまが無意味にあなたに時を過させていると考えることは間違いです。試練の期間がもうすでに長いかも知れません。でもある一定の期間だけです。
 その期間をどのよう考えたらいいでしょうか。カナヅチで頭をひっぱたかれているようなものでしょうか。信じがたいことでしょうが、神さまはあなたがクギのように打たれていることをご存じです。その間あなたが心を痛めておられることをもご存じでいらっしゃいます。でもよく考えてみますと、クギは打たれてやがて見えなくなりますが、消滅することはありません。ただ表からは見えなくなります。これは自我が砕かれたということができるでしょう。
 もうひとつ覚えていただきたいことはカナヅチもクギも共に同じ職人に持たれているという事実です。もちろん職人とは神さまのことです。神さまによるご計画があります。神さまとあなたとは新しく何かを作り出そうとして共同作業をしています。どうかあなたが鉄屑でないこと感謝してください。鉄屑なら捨てられても仕方がありません(リサイクルのことは今考えません)。でもクギであるなら、新しい家を建てられます。
 神さまは大切な時間を使ってあなたを砕いておられます。今あなたにはその計画が分からないかも知れません。でも神さまに信頼してください。やがてわかるときが来ます。もしかすると心を静め、耳を澄ませると聖霊さまのお声が今聞こえるかも知れません。あなたについての大きなしかも魅力的なご計画が。どうか前向きであってください。

霊的な流れの中に身を置いてください

 あなたが失望しているときにまず必要な助けとは何でしょうか。科学的な分析でしょうか。それはケーキのおいしさを成分−−砂糖は何%とか−−で表示するようなものでしょう。本当のことはそれでは分からないでしょう。
 大切なことは共感してもらうことです。それはじぃーっと聴いてもらうこと。専門家でも難しいことですが。お説教など要りません。ただ気持ちを聴いてほしいものです。
 ではだれがあなたに対して共感の心をもってくれるのか。聖霊さまです。イエスさまを救い主として受け入れてください。あなたの中でイエスさまがご復活なさると彼はあなたの中で語リ、勇気づけ、平安を一杯に満たしてくださいます。聖霊さまはあなたと同じ方向を見てくださいます。
 さああなたは時間を用意します。そして聖霊さまを、名前を呼びます。ローマ人への手紙8章6節、27節をお読みください。聖霊さまは私たちの思いを知ってくださり、それを父なる神さまに届けてくださいます。また更に進んで聖霊さまに酔ってください。酒に酔わないで、聖霊さまに酔ってください(エペソ5:17ー21)。こうして霊的な雰囲気の中にあなた自身を置くとき、あなたは新しく力に満たされること請け合いです。ただし期待感をもって臨んでください。これこそ神さまから来る励ましというものです。

ドラマはまだ終わっていないことを知ってください

 幕は開いたばかりで、これからです。あなたの人生に夢を捨ててはいけません。「もうダメだ!」と考える人は少なくありません。聖書の中には「もうダメだ!」という状況が幾度となく出て参ります。たとえば、ペリシテ人の代表戦士で大男のゴリアテの挑戦を受けたイスラエル人と小さいダビデ、牢に繋がれたヨセフ、エジプトで奴隷にされたイスラエル人などなど。
 多くの人が「もう終わリ!」と思ったでしょう。でもこれらの記事を最後まで読んで分かることは、そのときまだ幕は用いたばかりだったということです。これから神さまはあなたを主役にドラマを盛り上げて行くのです。
 十字架、それは死と敗北の象徴とも言えます。でもイエスさまは復活されました。嘆いていた弟子たちの顔は喜びにやがて変わりました。強盗はパラダイスに行きました。これからあなたにも物語が始まります。これから何かすばらしいことが起きる。ドラマはまだ終わっていないのです。

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