5 自分を愛する



 どの家にも電化製品があふれる時代になりました。そのひとつひとつには必ず説明書がつけられています。よく読んで使うと一番いい結果が得られるでしょう。
 さて聖書は人生についての説明書です。神さまがお書きになった書物で、ご自身のお造りにとった人間についての完璧な情報が収録されました。この聖書の中に私たちは「自分という人間を愛することの勧め」を発見することができます。たとえばエベソ人への手紙5章29節 をお読みになってください。なぜこのようなことが勧められているのか、そしてどのようにしたらそうすることができるのか。今回はこのテーマでご一緒に学びましょう。

人間関係を良くすることができる

 現代は家族が氷河期に入っていると言われます。普段多くの時間を過ごす所で、もし人間関係で苦しまなければいけないとしたらとっても残念なことですし、また辛いことです。実は家族だけではなく、職場、学校、サークル、友人関係など私たちは生きている限り、人間関係の問題からは逃げることができませんから、真剣に取り組みたいものです。まずは基本的に人間の争いは人間自身の内部から発生していることを知ってください。イエスさまはこう言っておられます。

 「口にはいる物は人を汚しません。しかし口から出るもの、これが人を汚します。‥‥口から出るものは、心から出て来ます。悪い考え、殺人、姦淫、不品行、盗み、偽証、ののしりは心から出て来る・‥。」 (マタイ15:11、17〜20、そのほかにヤコプ4:1、2などを参照してください。)。

 このような悪い心は私たちを愛してくださっている神さまから私たちが離れた時に生まれました。つまり真に自分を愛してくれる者を追放してしまったので、本当に自分を好きになっていいのかどうか分からなくなってしまったのが今の人間です。そこで私たちの心の中にイライラが生まれ、表に発散されて人との関係を悪くさせます。
 どうか天地とあなたを造られたまことの神さまがあなたを愛してくださっていることを覚えてください。イエスさまを十字架で死なせられました。これはそのことの一番の証拠です(第1ヨハネ4:9)。あなたはこの世界で一番偉い、権威のある神さまから「愛しているよ!大好きだよ!」と言われるとき、つまりこれが自分を愛することであるわけですが、今までにない平安があり、良い人間関係を招くようになります。

将来についての不安や恐怖から解放される

 あなたの心の中に、私の人生は悪いことばっかりだ、あまりいい人生ではないなとかいう思いがあるでしょうか。楽しいことがあっても心底からは喜べないということがあるでしょうか。たとえ漠然とではあっても将来への不安や恐怖がありますと思い煩ってばかりいなければなりません。このままでは毎日が楽しくありません。どうしたらいいでしょう。
 エペソ人への手紙1章4、5節によると、あなたが生まれてきたのは遠い昔からの神さまの尊いご計画であること、2章10節によるとあなた自身が神さままの立派な一作品であることが分かります。
 更にヨハネの福音書1章12節によればイエスさまを信じて神の子になれることが分かります。つまりあなたの人生にはあなたを深く愛している神さまにより設計された立派な計画があり、最後にはあなたのことに関してはすべてがうまく行くということです。
 どうぞこのことを受け入れてください(ローマ8:28)。愛の神さまのご計画を受け入れること、これはあなた自身を愛することです。何も怖いものはなくなります。

うつから解放される

 うつになると、眠くなったり、だるくなったり、寂しくなったり、空しくなったり、絶望感にとらわれたりします。聖書に登場する偉人パウロ〜今日のキリスト教会(全世界で実に15億人のクリスチャンがいると言われていますが)の基礎を作った人としてとても有名ですが〜は実はうつになりやすい人でした。またむずかしい問題を抱えやすい性格だったと言えます。ローマ人への手紙7章15〜24節をお読みください。彼のうつ状態を表現しています。
 ある精神科医は「注目を集め、意義を認められるような人はみな憂うつになったことのある人である」と言っています。たしかにあの宗教改革で有名なルターもそうでした。彼はうつからの脱出のために私たちにとっても有効ないくつかの提案をしています。
 「楽しいことを見つけなさい。体を動かしなさい。友人とおしゃべりをしなさい。新しいことを試みなさい。現在の自分を楽しみなさい。小さいことに感謝しなさい。」
 実は彼はうつを祝福と考えています。次の大きなジャンプのための跳躍台だと信じています。
 今あなた自身を楽しませるひとつのことを提案しましょう。それは感謝することです。今までの生活を顧みてください。たくさんのいいことが思いだされ、心は明るくなるでしょう。

 「すべてのことに感謝しなさい。」(第1テサロニケ5:18)。

 感謝することは自分を愛することです。

神から来るエネルギーに満たされる

 「聖霊に満たされる。」とも表現します。聖霊とはあなたの心に住まわれる神のことです。難しいことは別にしてこのお方はあなたの努力の限界を越えて助けてくださる方です。
 日本人の誇れる特徴的な性格のひとつは努力というものです。でも努力する人ならだれでも限界があることに気づいています。そこで私たちは考えなければなりません。一体どうしたものか。聖書には聖霊の宮(第1コリント6:19)という表現があります。聖霊(ただし人格ある方)という名のエネルギーがいっぱいつまった人という意味です。限界を越えて物事を成し遂げることができる人です。
 どうしたらそのような人になれるでしょうか。聖霊さまはきよい神さまですから私たち自身を清めることです。憎しみ、妬みを罪として認めて「ごめんなさい!」と神さまに謝ることです。神さまは優しい方ですから、あなたは天国においてだけでなく、現在においても祝福をに入れるでしょう。自分を愛することはなんて気持ちのいいことでしょう。

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