ビート維持指南

<作成日:2004年10月31日(ビート購入1周年)>

は、末永くビートに乗り続けるための情報です。
 



パーツ

・驚くことに、今でもビートのパーツはリリースされ続けています。
特に、ビートの弱点を改善するパーツも多いので、これらを有効に活用すると
いいでしょう。欠陥デスビをダイレクトイグニッションにするとか。
もちろん、シャキッとしなくなったボディへの不満は、補強パーツで補えます。

・車高調は、驚くほど高いです。最安値で15万円以上、とか。テインさん、
ビート用に10万円ぐらいで車高調を作って下さい(涙)。


エンジン

・ビートに多いトラブルといえば、エンジンルーム内のトラブル。
対策としては、1℃でも低く、1秒でも早くエンジンルーム内を排熱する事です。
私はトランク浮かしで排熱させていますが(気持ち程度かもしれませんけど)、
某ショップで発売している「エンジン冷却ファン」も十分有効かと思います。

・熱による過酷な環境ゆえ、タイミングベルト、ウォーターポンプ、デスビは
5万kmで交換しなければなりません。ディーラーは大丈夫と言うかもしれませんが、
とても10万kmも耐えられるとは思えないのですから。
中古でビートを購入した場合は、購入直後に上記3点セットの交換する事をお勧めします。
ちゃんと整備記録が残っていて、交換時期が把握できれば問題ないですが、
「納車1週間後にタイベルが切れて、エンジン換装」なんて事になるかもしれませんので、
確実にタイベル交換はして下さい。

・同様に、エンジンオイルは3ヶ月に1回交換した方がベターです。3ヶ月でも、
結構汚れているものですよ。頻繁に高回転まで回す、という事も要因の1つですが。
それと、オイルの減る量も把握して下さい。

・ちなみに、中古のエンジンは少ししか市場に出回っていません。ビートは3万台しか
生産していないし、製造中止から何年も経っているという事もあって、中古エンジンが
見付かっても高かったりします。コンプリートエンジンンとして何社からか発売しているので、
エンジンをオーバーホールするなら、そういった商品に載せ代えってのも魅力です。

・少しでもエンジンの寿命を延ばしたいのであれば、あまり高回転を多用しない事です。
ビートの魅力は若干失われますが、カタログ上の最大トルクは7000回転ですので、
7500回転でシフトアップしても十分楽しく走れます。カタログスペックで最高馬力である
64馬力が8100回転で発生しますが、ネット値62馬力が7900回転で発生する事を
考慮すると、8000回転以上回す必要は無いかと思います(あくまでも街乗りレベルの話)。
まぁ、実測なら50馬力出ているかどうかも怪しいですけれども(笑)。
8000回転以上まで回すとE07A(エンジン)から悲鳴が聞こえてきそうで怖いです。
「オーバーレブまでブン回す」のであれば、水温・油温・油圧メータは必須でしょうし、
エンジンの保護を考えるとラジエーター強化とオイルクーラーも必要かも。

・もう1つ。ビートのヒーターは、エンジンが5000回転以上の時に使用すると壊れます。
一回でも5000回転以上回したら、では無く、常に5000回転以上で使用していると
通常よりも早く寿命がくる、との事です。対策としては、エンジンをアイドリング状態で
2〜3分ヒーターを回してから、とか、エンジンを高回転まで回している時にヒーターを
オンにしない、とかありますが、一番いいのは「5000回転以上エンジンを回さない」です!
たった5000回転でも、2速で時速40km、3速で時速60km、4速で時速80km出ます。
街乗りでは十分な速度です。


ECU

・ECU(コンピューター)もトラブルが多い部品です。設置場所は助手席シートの裏、つまり、
シートとエンジンの間です。エンジンの熱がECUに伝わり、コンデンサーがパンパンに
膨れていたり、最悪の場合はコンデンサーが破裂してしまいます。エンジンの誤作動が
多い場合は、ECUのコンデンサー破裂が原因の可能性があります。

・対策としては、耐久性のあるコンデンサーに交換(ヤフオクで出品していたり、
ビートのECUのコンデンサー交換してくれる会社もある)、
社外コンピューターに交換、ECU取り付け時にECUとボディの間にダンボールや
断熱材を挟むと、寿命は延びる、などあります。また、某ショップにてECU移設キットがありますので、
助手席下へECU移設する方法もあります。ちなみに、ECU取り外しは+ドライバー1本あれば
素人(@俺)でも作業できます。ただ、大変なので不安な方はプロに任せてもいいと思います。

・ついでに、車とECUを繋ぐハーネスについて。この時期のホンダ車はハーネスのトラブルが
多いようです。以前乗っていたインテグラ(DA6)の時もでしたが、真夏の暑い日にエンジンを
かけると、変な振動と共にエンジンストールし、数秒〜数分はエンジンがかけられない
状態になったりします。これは、ハーネスを交換する事で改善されます。


オーディオ

・盗難防止とデザイン面により、ビートのオーディオは専用設計。
ラジオかテープしか聴けません(涙)。オプションでCDチェンジャーがありますが、
ただでさえ狭いトランクがCDチェンジャーにより更に狭くなります。
かと言って、市販1DIN(2DIN)オーディオを取り付けるとなると、純正オーディオを
外してフレームを切断する、助手席前ダッシュボードにはめ込む、などありますが、
フレーム切断の工賃が高かったり、運転中ダッシュボードまで手を伸ばすのは危険
だったりと、「一長一短」な部分があります。

・ビートに合うオーディオの考察。
「純正オーディオのデザインが好きだから、外したくない」
「盗難の事を考えると、取り外しにくいか、逆に脱着が楽で毎日持ち帰れる」
「CDを沢山積む場所は少ないから、MP3CD対応か、HDDがMP3対応で」
そんな都合のいいオーディオがあるのか?・・・ありました!
正確にはカーナビなのですが、上記の希望が全て含まれていて10万円ちょい。
取り付けは誰でも可能だから、ナビ付きでこの値段は十分アリではないかと。
2005年購入予定ですので、続報をお待ち下さい。また、詳しく知りたい方は
直メールで問い合わせてもいいですよ。機種名を教えます。

ブレーキ

・ブレーキバランスが、変です。少し強くブレーキを踏むと、簡単にフロントタイヤが
ロックします。慣れればロックするか、しないかの「領域」を見つけてコントロール
できるのですが、慣れていない人はパニックに陥るかもしれません。

・バイク乗りなら理解できると思いますが、コーナー入り口で減速する時、
フロントよりも先にリアのブレーキをかけると、車体が路面に張り付くので
フロントタイヤがロックしにくい現象があります。
ビートもバイクもMR、だったら、同じ理屈が通用するんじゃないでしょうか?
フロントタイヤのグリップが増す、すなわちアンダーステアの改善も
得られるはずです。

・ビートには前後ブレーキのバランスを調整する装置は付いていませんので、
「前後のブレーキパッドを別の種類にする」のが手っ取り早いです。
例えば、ストリート・スポーツ・レーシングと3種類のパッドがラインナップ
されていたら、フロントにストリート、リアにスポーツパッド、もしくは
フロントにスポーツ、リアにレーシングパッドを選択すれば、以前よりも
ブレーキコントロールしやすくなります。

・ブレーキローターが純正のまま、もしくは減ってるのなら、一緒にローターも
交換しちゃいましょう。純正並みの価格で、純正以上の性能を持ったローター
なんかも発売しています。ちなみに、ローターが減った状態で、ブレーキパッド
だけ交換しても、それぞれの面が合っていないので、新品パッドでも
完全に性能を活かせません。そのうち面取りされて徐々になじみますけれども。

・パッド、ローターときたら、キャリパー強化・・・と考えてしまいそうですが、
800kgの車体には必要ないと思います。インサイト純正フロントキャリパーの
流用ネタもありますが、社外ブレーキパッドの種類が少ないので、「バネ下荷重の
軽量化」ぐらいしか利点が思いつきません。しかも、ビート用リアキャリパーの
強化品が存在していないので、前後バランスは更に悪化すると思います。
(悪化・・・性能は上がるが、誰でも乗りこなせる車じゃなくなる)

・「サーキットを走るわけではないし、公道ではブレーキ強化なんて必要ない」と
考えている方、公道はサーキットよりも急ブレーキを踏む危険な場面が多いんですよ。
純正のままだろうと、急ブレーキを踏んでもフロントをロックさせずに障害を回避できる
自信と腕があるのなら、別ですけど。私はそんな自信も腕もありませんし、
それよりも「楽」したいから、パッド&ローター交換予定です。


ガソリン

・燃料タンクの容量が24Lしかありません。ガソリンスタンドへ行く回数は増えますが、
燃費はいい車ですので1ヶ月あたりの給油量はそんなに多くありません。
例を挙げます。通勤で片道20km、しかも峠を越えて、山の頂上にある職場へ往復
していると、だいたいトリップメーターが300km越えたあたりで燃料計の針が「E」の
赤いラインに重なります。それで、スタンドに向かい給油すると、18Lぐらい入ります。
そこで燃費を計算すると、1Lあたり16〜17kmぐらいです。私はスポーツECUを
装着し、燃費が1km悪化していますので、実際には1Lで17〜18km走ります。
平地を走るとか、1回で長距離走るとなれば、航続距離は更に伸びます。
ただ、峠を攻めると悪化します。当然ですね。




本田宗一郎氏のDNAを受け継いだ
最後のホンダ車、ビート。
「バイクみたいな車」と比喩されるのも、
実は「狙い通り」だったのかもしれません。

「世界最小のスポーツカー」という称号も、
歴史の1ページとして、確実に刻まれました。

ホント、いい車です。