アラド戦記

  • 開発:(株)NEOPLE
  • 運営:株式会社ネクソンジャパン
  •  

    この台本はオンラインゲーム「アラド戦記」の二次創作です。
    作者が某掲示板で発表したものと同じものです。
    そのまま声劇に使えるなぁ…と書き下ろしてみました。(ただし、作中ちょっとだけ百合描写がございます)
    1:1の掛合として、また一人での掛合練習として使ってくれたら嬉しいです。

     

    ♀ランチャー 『火気の引き金は慎重に引かねばならない。何しろ一発が重要だ。
    人生も同じだと思わないか?』

    ガンナー(女)からの派生。
    基本攻撃より背中に背負っているサブウェポンでの一撃を重要視するタイプ。
    重い装備のせいで移動速度が落ちており、これを補完するために重甲を着用する。
    強化火炎放射、レーザーライフルなどのスキルでパーティープレイ時には協力な後方支援を行う。

    サモナー 『目の前に見える荘厳な姿……目を疑ってしまった。
    あの小さな子供が第4使徒カシヤスを召還するとは!』

    メイジからの派生。
    サモナーは元素の力を借りて運用することに留まらず、直接4元素の力を持つ精霊を召喚して戦闘に挑む。
    精霊だけでなく、一部のモンスターも召喚する事ができる。

     

    001 ラン(M) あたしがバカだったんだ。 なんでもっと素直になれなかったんだろう。 なんでもっと正直に、言葉を告げなかったんだろう。 でももう遅い。
      サモ 「お姉ちゃん!」
      ラン(M) 遅い? ううん、冗談じゃない! この子だけはなんとしてでも逃がしてみせる!
      ラン 「サモちゃん、下がって!早くここから逃げるんだよ!」
      サモ 「ランお姉ちゃん!だめぇ!」
      ラン(M) あたしの我が儘と自分勝手から力も足りないくせにノイアフェラなんか来て、あげくにそっと着いてきたサモちゃんにも気が付かなかったなんて。 これでサモちゃんに何かあったら、あたしは自分で自分が許せない。
      ラン 「大丈夫、絶対あんたはあたしが逃がしてみせるから。無事にあいつの元に返してあげるから」
      サモ 「いやっ!お姉ちゃんも一緒でなきゃ、いやーっ!」
      ラン 「我が儘言わないの。あんたに何かあったらあたしがあいつに殺されちゃうよw」
    010 サモ 「私…私がお姉ちゃんの後を着いて来なければこんな事には…」
      ラン 「バカだね、あんたはあたしを心配してくれたんだろ。嬉しかったよ…」
      ラン(M) ああ、本当に嬉しかったんだよ。 こんなバカなあたしを心配して、あいつよりあたしを心配して、こんなところまで来てくれたんだ。 それだけで充分なんだよ。
    あたしの想いはそれだけで満たされる。
      ラン 「さあ、あたしがあいつらを足止めしているうちに、サモちゃんはここから逃げるんだ。あたしのことなら心配いらない。絶対に勝ってみせる」
      サモ 「お姉ちゃん」
      ラン 「あんたを残して逝けるわけないだろw」
      サモ 「お姉ちゃん…」
      ラン 「ごめんよ…こんな危険なところに連れて来ちゃって…」
      サモ 「ちがっ…お姉ちゃん、私が…っんっ」
      ラン(M) 最後まで言わせずに、あたしはサモちゃんの口を塞いだ。 唇で。 ピンクに艶めく柔らかな唇は、甘く甘く、そして少しだけ苦く感じた。
    020 ラン 「行きなさい。あたしを思うなら、振り返らずにここから逃げるんだ。あんたがいたら、あたしは思う存分暴れられない」
      サモ 「……………お姉ちゃん…」
      ラン(M) 唇を離して、いつになく厳しい口調でそういうあたしを、サモちゃんは一瞬だけ悲しそうに見たけど、直ぐに決意した瞳に戻った。
      サモ 「契約によりて我が呼ぶ、出でよ、魔界の花アウクソー!」
      ラン(M) 少しでもあたしの負担を減らすための壁にしようって言うサモちゃんなりの心遣いだね。 ありがとう。 あんたは本当にあたしが愛した愛しい子だよ。
      サモ 「私、私、みんなを呼んでくるから!それまでお姉ちゃんを守って!お願い!みんな!」
      ラン(M) 次々と呼び出す召還たちに、涙ながらに訴えるサモちゃんが愛しい。
    だからあたしも頑張れる。 絶対にこの窮地からこの子を逃がしてみせる。 このあたしの命に代えても!
      サモ 「直ぐに戻ってくるから!絶対みんなを連れて戻ってくるから!だから…だから…」
      ラン(M) 『死なないで』と言うサモちゃんの言葉はあたしには要らない。
    あたしは死なない。 死ぬわけにはいかない。 ここで死んだら、あの子に心に深い傷を付けちゃうからね。
    慰める役はあいつに譲っても、傷を残したままでいなくなる事なんてできっこないじゃないさ。
      ラン 「信じなさいってw」
    030 ラン(M) 掠めるようにもう一度唇を奪って、あたしは不適に微笑んでやる。 それだけでもサモちゃんは少しは安心するだろうか。
      ラン 「あたしがぶっ放したときが合図だよ!振り向かずに真っ直ぐ行くんだ!行くよ…3…2…1…Go!!!!」
      ラン(M) レーザーをぶっ放した瞬間、サモちゃんがあたしの背後から駆け出す気配を感じた。 これでもう大丈夫。あの子の背後はあたしが守る。
      ラン 「さあ…どいつからでも掛かって来な!絶対にここから先一歩でも通しゃしないよ!」
      ラン(M) サモちゃんが残していってくれた召還たちが、契約主でもないあたしの周りに集まってくる。 まるであたしを守るかのように。
    ああ…そうだね。あたしはあの子に守られてるんだ。 あの子の心があたしを守るために、ここに在る。
    大丈夫。 あたしは負けない。 負ける気がしない。 笑顔であの子の元に帰還するのさ。
    武器を構え直して、あたしは笑う。
      ラン 「ランチャーをなめんじゃないよ!」
      ラン(M) 暗いノイアの洞窟に、あたしの魂の叫びが木霊する。

     

    ★この台本を使われた方で、ボイスドラマを録音したという方。差し支えなければ是非お聞かせ下さいー。
    ちなみに、作者はメイジ系大好き。サモナー使いでござりまする。