怪談レストラン
『死神キラー』
原作:松谷みよ子・『怪談レストラン』チーム 台本化:里沙
(4:2:1)or(3:2:0)
甲本ショウ | ♂ | アコのクラスに転入して来た、帰国子女の美少年。 金髪でサスペンダーの服装が多い。 怖い話が好きで、世界各地の怪談を収集している。 |
18 | 死神長老 | 死神の長老(おじさんと被り推奨) | ♂ | 12 | |
大空アコ | ♀ | 山桜小学校6年生。あだ名は「アンコ」 地味で控えめな性格をしており、どちらかといえばクラスでも目立たない存在。 怖い話は苦手だが、好奇心旺盛で真実を確かめずにはいられない性格。 |
41 | 死神1 | 死神その1(ギャルソンと被り推奨) | ♂ | 4 | |
お化けギャルソン | ♂ | 「怪談レストラン」のオーナーであり支配人。 本人曰く支配人なのにギャルソンなのは少々納得がいかないらしい。 |
5 | 死神2 | 死神その2(ブンタと被り推奨) | ♂♀ | 3 | |
おじさん | ♂ | アコのおじさん。 | 15 | 死神3 | 死神その3(ショウと被り推奨) | ♂ | 4 | |
アコの父 | ♂ | アコの父。今回胃炎でぐったり。 | 13 | 医者 | 医者(ギャルソンと被り推奨) | ♂ | 7 | |
アコの母 | ♀ | アコの母。 | 6 | 猟師 | 猟師(アコの父と被り推奨) | ♂ | 5 | |
ブンタ | ♂♀ | アコの弟。 | 8 | 声 | (ギャルソンと被り推奨) | ♂ | 1 | |
死神さん | ♂♀ | 怪談レストランの従業員。(ブンタと被り推奨) | 4 | N | ナレーター(アコの母と被り推奨) | ♀ | 14 |
メインキャラクターの紹介は、『怪談レストラン』Wikiから引用しました。
※人数比率ですが、(3:2;0)でもいけます。
その場合、おじさんをギャルソン役に、Nをショウ役に、死神長老をアコの父役に、アコの母をブンタ役に被せます。
001 | お化けギャルソン | 怪談レストランへようこそ。わたくし、支配人のお化けギャルソンです。 ではさっそく、死に神お勧めの身も凍る特別メニューをご覧下さい。 |
死神さん | しにがみー!がみがみがみ!がみがみ! まずは真夜中に食べるのがスリリングなインド風呪いの前菜「オオカミのひかる目」だがみ! 次に、血に染まる病院を眺めながら食べて頂きたい「死に神キラー」だがみ! デザートはぎょっとして甘ーい恐怖のあんみつ「つぎはおまえだっ!」がみー。 |
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お化けギャルソン | 前菜は、一枚の布に隠された驚くべき秘密のお話。 では、後ほど…。 |
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死神さん | 怪談レストラン『オオカミのひかる目』。 | |
アコ(M) | あたしには、おかしなおじさんがいます。お父さんの弟ですが、ちっとも似てません。 お父さんは生真面目で几帳面ですが、おじさんはその反対。気ままで気まぐれ。 |
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おじさん | (遠くから息を切らせながら走ってくる)アコちゃーん! ハァハァハァ…。ふぃー!はぁはぁ…はぁ! |
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アコ | おじさん遅ーい!遅刻だよ。 | |
おじさん | 悪い悪い、バイトが長引いちゃってさ! | |
アコ(M) | おじさんはアルバイトをして、旅費が溜まると好きなところへ出掛けていきます。 | |
010 | おじさん | エジプトのルクソールの夕焼けは、世界一だったよ。 |
アコ | へぇー。 (写真を見せられて)ほんとだ!きれい! |
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おじさん | あ、そうそう。はい、これ、お土産。 | |
アコ | え?なにこれ? | |
おじさん | ルクソールの夕日で染まった石だよ。 | |
アコ | またいい加減なこと言ってー。最初からこの色だったんでしょう。 | |
おじさん | あー、夢がないなぁ。そんなんじゃ将来、小説家になれないぞ。 | |
アコ | 余計なお世話です!べー。(あかんべ) …あははは。 |
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おじさん | はははは(笑) | |
アコ | (M)いつもこんな調子だったけど、あたしはおじさんが大好きでした。 次はどこに行くの? |
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020 | おじさん | インドだよ。世界一の満月を見に行くんだ! |
アコ(M) | その一ヶ月後…。大使館から電話が掛かってきました。 おじさんがインドの草原で死んだというのです…。 お父さんは慌ててインドに出掛けていきました。そして数日後、遺骨といっしょに、ある包みを持って帰りました。 |
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父 | これは、おじさんが泊まっていたホテルにあったものだ…。 アコに郵送するつもりだったらしい。手紙もあった。 |
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アコ | …っ。 『アコちゃんへ。満月は最高だったよ。草原の向こうから出た月が中天にかかるまでずっと月だけをみていた。---------------------』 |
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おじさん | 『(アコの台詞と被せながら)ずっと月だけをみていた。気が付いたら、周りにいた観光客も村の人も一人もいなくなっていた。 やがて地平線に転々と光の列が並び始めた。ホタルかと思ったけれど、チカチカしない。それはなんと、狼の目だった! 狼達は、じりじりと僕に近寄ってくる。僕は走って逃げた!必死に逃げた! そして、木に登ると、狼達は、木の周りを囲んで僕が落ちるのを待っていた。 でも夜が明けたら、狼達は諦めて帰っていった。 怖かったけど、スリル満点の夜だったよ。 次の日、アコへのお土産を村の市場で見付けたんだ。 |
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アコ | おじさん…インドの夜って、こんな感じなの? (涙声になって)…っ…ひどいよ…。一人で勝手に死んじゃうなんて…。 |
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N | その夜、アコは不思議な体験をした。 夜中にふと目を覚ますと、ベッドの周りは一面草原になっていて、直ぐ側に一匹の大きな狼がいたのだ。 目を爛々と光らせて、うなり声を上げて、じっとアコを見詰めている。 |
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アコ(M) | ……っ…声が出ない…。 | |
N | 狼はじりじりとアコに向かってくる。 | |
アコ(M) | 今動いたらやられる…! | |
030 | N | 狼の光る目は、爛々と輝き、それはまるで炎の渦となって誘っているようだった。 |
アコ(M) | お…狼の目に引き込まれる…。おじさんもこの目に…引き込まれたのかもっ…。 そうだ!お守り! |
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N | 壁に掛けてあるのはおじさんのお土産である、インドの夜と狼の光る目を描いた布。 狼を刺激しないように、アコはゆっくりと、慎重にそれに手を伸ばしていく。 布に手が掛かった瞬間、狼は一気にアコに襲いかかった! |
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アコ | ええいっ! | |
N | 振りかざした布に、狼は光と共に吸い込まれていく。 やがてその姿はすべて吸い込まれ、見えなくなった。 |
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ショウ | へぇ。夜中に狼が。 | |
アコ | おじさんに貰った布の鏡でどうにか消えてくれたけど、そもそもあの狼がでたのは…。 | |
ショウ | やっぱり、おじさんに貰った布のせいかもしれないね。 | |
アコ | あの布、おじさんからの最後のお土産だから、大事にしたいんだけど、どうすればいいんだろう…。 | |
ショウ | おじさんには、何か別の目的があったのかも知れないね。 | |
040 | アコ | 別の目的? |
ショウ | 僕には判らないけど…。 | |
N | そしてまたその夜。明るい月の夜だった。 | |
アコ | う…ううん…。ん…。 | |
N | うなされていたアコが目を覚ました時、アコの目の前には、光る目を持った狼がアコに覆い被さるようにしてそこにいた! だが、狼は襲いかかるでもなく、噛みつくでもなくアコを見詰めている。 |
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おじさん(M) | アコ…。 | |
アコ | えっ!? | |
N | 狼の目が炎の渦となって、アコを引き寄せていく。 やがてそこに見えてきたのは…。 |
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アコ | おじさん! | |
おじさん(M) | 驚かせてすまない。狼の力を借りないと、君に会えないものだから。 | |
050 | アコ | じ、じゃあ、昨日の狼も…。 |
おじさん(M) | うん。あまり時間がない。言いたいことだけ言うよ? 僕は旅先で死んじゃったけど、アコは旅に出ることを恐れないでね。 |
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アコ | え…?うん…。 | |
おじさん(M) | 旅はいいよ!アコもいつか旅に出て欲しい。 その経験がきっと役に立つ。そしてその時は、僕が必ず守ってあげるからね。 |
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アコ | …それを言いに、わざわざ来てくれたの? | |
おじさん(M) | ふふっ。 僕はあの世でも気楽にやってるって、兄貴に伝えといて。 じゃ。(手を振り去っていく) |
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アコ | おじさんっ! | |
おじさん(M) | さよなら、アコ。 | |
N | やがておじさんの姿は消え、狼も月が雲に隠されていくのと時を同じくして、光と共に消えていった。 残されたのは、おじさんのお土産の、インドの夜を描いた布だけ。 |
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アコ(M) | あたしは思った。 おじさんの魂は今もインドの草原にいる。そしてあたしもいつかインドに行く。 そこできっと、おじさんに会える。 そんな気がした…。 |
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060 | ||
死神さん | お待たせしましたがみ! 怪談レストランメインディッシュ『死に神キラー』がみ! |
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ショウ | これが死に神病院? | |
アコ | …うん。あたし達の間ではそう呼ばれてる。 | |
ショウ | なんで? | |
アコ | ずっと前から、この病院に行った患者さんは、必ず死ぬって言う噂が立ったの。 | |
ショウ | へぇ…。実際そうなの? | |
アコ | ほんとの所は判らない。でも、弟はこの病院で死に神をみたって。 | |
ショウ | 死に神!?詳しくきかせて! | |
アコ | うん…。 あれはこの間の日曜日。お父さんが胃の調子が悪くて病院に診察に行くって言った時…。 |
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070 | 父 | ええっ!?僕に、あの、死に神病院に行けって言うのかい? |
母 | 仕方ないじゃない。休日診察しているのがその病院だけなんだから。 | |
父 | あ、あそこに行った患者は、みんな死んでしまうんだぞ。君は僕に死ぬって言うのか!? | |
母 | そんなこと言ってないでしょ!だいたい、良い大人がそんなつまらない噂を真に受けてどうするんですか。 | |
父 | あのねぇ、火のないところに煙は…うぁっ…つつつ…あたた…(胃の痛みに顔をしかめて) | |
母 | ほらっ、イライラすると、ピロリ菌が暴れて胃に穴が開くわよ。胃潰瘍。 | |
父 | ふっ、不吉なことを。 | |
アコ | ねぇ、あの病院の先生、一年くらい前までは名医って言われてなかった? | |
母 | そうよ。どんな大変な病気でも、先生に治るって言われたら、必ず治ったそうよ。 | |
アコ | それがなんで? | |
080 | 父 | 自分は名医だと奢って、患者にズバリと悪い見立てもしてたらしい。 (咳払いして)んんっ、あなたは後六ヶ月の命ですね。大分悪い。後三ヶ月と思ってください! てね。 すると、先生の見立て通りに患者達は死んでいったそうだよ。 |
母 | あくまでも噂よ。う・わ・さ。 | |
ブンタ | パパ、怖いの? | |
父 | ぎくっ!…こ、怖くなんかないよ。パパはみんなの心配をしてだなぁ。 ブンタだって、パパに万が一のことがあったら困るだろ!? |
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ブンタ | ううん。ママとキッチョム(犬)と一緒に強く生きていくよ! | |
父 | ああ…そう…(がっくり) | |
アコ | え…ブンタ、あたしは? | |
母 | とにかく、ごちゃごちゃ言ってる暇があるなら、ぱっと行って、診察受けてきなさいよ。 前から痛い痛いって、うるさいんだから。 |
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ブンタ | そうそう。病院が怖いなら、僕が一緒に行ってあげるからさぁ。 | |
父 | いや、あの病院に行くぐらいなら、薬屋で…うっ…あたたたた…。 | |
090 | アコ(M) | 結局、お父さんはブンタと一緒に死に神病院に行くことになったの。 |
ブンタ | ほわ…誰もいないね。 | |
父 | ああ…患者はパパだけのはずなのに、いつまで待たせるつもりなんだろう。 すみません、まだですか? あのっ、先生の診察は!? おっかしいな。受付の人もいなくなってる。 |
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ブンタ | パパ、喉渇いた。ジュース買って。 | |
父 | しょうがないなぁ。 | |
ブンタ | (自販機前)うそでしょう。全部売り切れだなんて。 | |
N | ブンタが振り向けば、そこは地下に続く階段だった。どんよりと暗い階段が続いている。 もしかしたら地下にも自動販売機があるかも知れない。そう思ったのだろうか。一段一段、ブンタはその階段を下りていった。 たどり着いた先、やはりそこには自動販売機がある。笑顔で駆け寄りお金を入れようとした時、どこからか声がした。 自販機横の扉の向こう、誰かが話し合っている。 |
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死神1 | いい加減、何とかならないのかぁ? | |
死神2 | そうだそうだ。全く、困ったものだ。 | |
死神長老 | とりあえず、みんなで被害を話し合って、傾向を探り対策を立てるんじゃ。 | |
100 | 死神1 | 俺が三年後を予定していたら、あの医者は六ヶ月で死なせた。 |
死神2 | わしは二年と決めて、それを耳元で囁くのを楽しみにしていたそば屋のばあさま、早々と三ヶ月で極楽送りよ! | |
死神3 | 俺なんか立場がねえ!あの医者のおかげで予想は外れ続き。息子に、死に神の跡なんか継がないと言われる始末だ。 | |
死神1 | 何故人間達は、医者の言う通りに死んでしまうんだろう。まだ寿命が残っているのに。 | |
死神長老 | 人間は、医者を信頼しておるからな。その医者に宣告されたショックから立ち直れるものは少ないんじゃ。 悟りを開いた坊主でも、あの医者に三ヶ月の命と言われたら、あっさりとその通りに逝ってしまったわい…。 本当はまだ一年は生きられたのに。 |
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死神2 | で、このままで良いんですかい? | |
死神長老 | 良くはない。だから対策を練っておる。 このままではあの医者は『死に神キラー』じゃ。我らは滅亡の危機にある。 |
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死神3 | どうでしょう!?あの医者に六ヶ月の命と宣告された患者に、大丈夫、まだ三年寿命がありますよ、と直接告げに行くのは? (゚∀゚ )b (←こんな感じで) | |
死神長老 | うーん、良いアイディアじゃ!(`・ω・´)b | |
死神3 | あはっ。 | |
110 | 死神1 | でも、わたくし死神ですが、と名乗るんですか?しかもこの姿で。 |
死神長老 | うーん…確かに…。 | |
N | どうしたものかと項垂れている4人の姿。それは、大きな鎌を持った死神達であった。 話を聞いていたブンタは、恐怖から後ずさる。その拍子に躓き、持っていたお金を落としてしまった。 大きな音が辺りに響いた。その音は部屋の中の死神達に、ブンタの存在を教えてしまったのだ。 |
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ブンタ | わああぁぁ! | |
死神長老 | んぉっ!?捕らえるんじゃ! | |
死神3 | 待てぇーっ! | |
ブンタ | わあぁ!はあっはあっはあっ! | |
N | 鎌を振りかざし、追ってくる死神達。それから逃れようと、ブンタは必死で階段を駆け上った。 駆け続け、父が待つ待合室まで走る。血相を変えて走ってくるブンタに、父は目を丸くした。 |
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父 | ん?ブンタ。どうしたんだ? | |
ブンタ | パパ!帰ろう!はやくっ! | |
120 | 父 | えっ!?パパ胃が…えっ!?えっ!?えーっ!? |
アコ | 結局お父さんは他の病院へ行ったの。軽い胃炎だって言われて、病気の方はどうってことなかったけど。 | |
ショウ | 面白いなぁ。死神の会議だなんて。 | |
アコ | なあんか、嘘っぽいでしょう? | |
ショウ | そのお医者さんはどうしてるの? | |
アコ | 今もあの病院で先生をやってるよ。ほら、街で一番高いタワーって言われてる、あのマンションの最上階に住んでるの。 …わっ、しまった。 |
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ショウ | どうしたの? | |
アコ | だって、こういう話をすると、ショウ君…。 | |
ショウ | ご名答。ちょっと行ってみよう。 | |
アコ | はぅ…。(溜息) | |
130 | N | マンション最上階。そこに、噂の医者が街を見渡せる窓の側で、赤いワインを飲みながらくつろいでいた。 |
医者 | ふふふ…。 ここからの眺めはまさに神の風景だ。名医と崇められるこの私にこそ相応しい。 |
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死神長老 | いや、お前は過ちを犯した。 | |
医者 | んんっ!?お前は誰だ! | |
死神長老 | 死神の長(おさ)だ。 | |
医者 | し、死神!? | |
死神長老 | よくも、仕事を横取りしてくれたな。 | |
医者 | 横取り!? | |
死神長老 | お前はまだ三年生きられる者を、三ヶ月で死なせてしまう。それではわしらの立場がない。 | |
医者 | 知ったことか! | |
140 | 死神長老 | お前の寿命を言おう。 |
医者 | お前こそ、私の診断を受けろ!お前の命は! | |
死神長老 | 後、三ヶ月だ! | |
医者 | ああ、うあっ! | |
N | マンション前、人が集まり、救急車が止まっていた。ざわざわと人々が話をしている。先生がどうの、医者がどうのと言う声が聞かれた。 | |
アコ | 何があったんだろう? | |
ショウ | さあ? | |
アコ(M) | 死神病院の先生は、その日からちょうど三ヶ月後に亡くなったそうです…。 | |
お化けギャルソン | 『死に神キラー』いかがでしたか? 病(やまい)は気からと申しますが、誰だって医者から死を宣告されれば、がっくりと落ち込むものです。 |
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150 | 死神さん | だからこそ死までの勘定を間違えては、絶対にいけないんだがみ! 当レストランではお客様のお勘定を間違える事など、決してございませんのでご安心下さいがみ。 |
お化けギャルソン | では、デザートをどうぞ。 因果応報という言葉がありますが、これはまさにそう言うお話かも知れません。 |
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ショウ | 山奥の村に、一人の猟師が住んでいた。 猟師は、いつものように山へ出掛けた。そして、茂みに隠れて獲物が現れるのを待った。 すると…。 |
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猟師 | 何だ、ミミズか。 ん?蝦蟇(がま)だ。 やや、蛇だ! |
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ショウ | ミミズを蝦蟇が捕らえ、その蝦蟇を蛇が飲み込んだ。 そこに、羽ばたきの音が聞こえた。 |
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猟師 | 雉(きじ)だ。 | |
ショウ | 雉は蝦蟇を飲み込んだ蛇をその鋭い爪で捕らえた。 | |
猟師 | ああ、そうだ。俺は猟師だ。獲物を逃がしてしまうところだった。 | |
ショウ | 猟師は鉄砲を構え、雉に狙いを付けて発砲した。 | |
猟師 | よしっ!ふふ。 ……待てよ…ミミズを蝦蟇に食われ、蝦蟇は蛇に食われた。 |
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160 | 声 | お見事!その通りだ! ふはは…ふはははは!(笑) |
猟師 | う、うわああぁぁぁ! | |
ショウ | その声の主の姿は見えず、笑い声はいつまでも谷に響いていたそうだ…。 | |
お化けギャルソン | 皆様!当店では最高級のお肉を仕入れております。 次回の怪談レストランは、ご覧の料理で皆様をお待ちしております。 …何のお肉かは言えませんけど(笑) |
参考「怪談レストラン」アニメキャスト
大空アコ:白石涼子 甲本ショウ:優希比呂 お化けギャルソン:平田広明 死神長老:青野武 アコの父:伊藤健太郎 アコのおじさん:小山力也 死神さん:渡辺久美子