もーいいかい

 

 

薄暗い廃墟の中、かくれんぼする二人

1人は鬼。
1人は……。

楽しいはずのかくれんぼ。
子供の遊びのかくれんぼ。

でも、見つけだすのは本当に友達?
隠れているのは本当に遊び?

鬼の手に持っているのは何だろう?
鈍く光るあの鋭いものは……。

もーいーかーい?

「まあだだよ」

もういいかーい?

「まあだだよ」

もういいかい?

「・・・・よ」

かくれんぼ。
ボクは君を捜してる。
君はボクから隠れてる。

もういいかい?
声を掛ける。

「まあだだよ」
声なき声が聞こえる。

どこに隠れるのかな?
どこに隠れたのかな?

廃墟の中を探し求める。

どこに隠れたの?
どこに隠れてる?

どこに隠れても見つけだせるよ。
どこに隠れても見つけだすよ。

微かな息遣いが聞こえる。
激しい鼓動が聞こえる。

「まあだだよ」
「まあだだよ」
「まあだだよ」
「まあだだよ」
「まだ見つけないで!」
「まだ見つからないで!」

ほら、君の声がする。
ほら、君の影を見つけた。

さあ、ボクは行くよ。
君を捕まえに。

かわいい君。
いとしい君。

君をボクのものにするために、ボクは君を見つけるよ。
君を見つけて、君を捕まえて、ボクは君を手に入れる。

君を見つけたらどうしようか?
この腕に閉じ込めて、きつくきつく抱きしめようか?
きつくきつく…君の息が止まるまで…。

永遠に。

さあ。
かくれんぼはもうお終い。

もういいかい?

もういいよ。(「まあだだよ」)

ほぉら。

み つ け た。