魔薬

(その青年は、突然苦しそうに蹲った)

「ぐっ……ううっ…!
こ…こんな所で切れるとは……っ。
は、早く補充を……何!もうないだと!?ばかなっ!あれだけあった物がこんな短時間になくなるとは!?
だ、ダメだ…あれがないと俺は…俺は…っ!
くうっ…禁断症状が出始め…っうぅっ…く…苦しい…っあ、あれはどこだ…どこにある…っ!
ちくしょう!やっぱりあれに手を出すべきじゃなかったんだ…。
あれは…あれは世にも恐ろしい……。

はっ!あれは!?」

(その時、青年の前方に、彼の求める物を持った人物が現れた)


「きさまっ!それをこっちによこせ!
早くっ!早く寄こすんだ!
……拒否するってのか…上等じゃねぇか……
俺は今気が立ってるんだ。さっさと寄こさねぇと、どうなってもしらねぇぜ……」


(壮絶とまで言える彼の狂気を帯びた笑みに、その人物は恐れをなしたかのように彼の求める物を差し出した。)


「ふっ…ふははは!そうさっ!素直に差し出しゃいいのさ!
これだっ!これが俺の求める、この世で一番の……!
はーっはははは!
これで俺は勝つる!!勝つるぞおおぉぉぉっ!!」」

「ママぁっ!
あのお兄ちゃんがぼくのハッピーターン、盗ったー。・°°・(>_<)・°°・。」


(『しっ、見ちゃいけません。』という母親の声も、周りの親子連れの白い目も気にもせず、その青年は一人ハッピーターンを手にして、公園のど真ん中で高笑いを続けているのであった)