母と息子

里沙:作

息子 出来の悪い息子はいつまで経っても出来が悪いのか?
ちょっと若い。ちょっとおばあちゃん。ちょっとお茶目。とってもGJ

 

 

001

 息子 

(電話の呼び出し音が鳴り、出たことで切れる)「あ、もしもし。オフクロ?」
  「はいはい、どちらさまですか?」
  息子 「俺だけど」
  「はぁ?どちらさま?」
  息子 「俺だってば、俺、俺だよ」
  「俺と言われても、家には俺なんていう人はいないんですけどねぇ」
  息子 「何言ってんだよ、オフクロ!俺のこと忘れたのかよ!呆(ぼ)けるような年じゃねーだろ!俺だってば!」
  「失礼ねぇ。私はまだ呆けてなんていませんよ。この間だって町内会の運動会でパン食い競争一等賞だったんだから。
あと、ゲートボールの試合でも、相手チームと良い勝負でねぇ、接戦の末引き分けだったけど、敢闘賞で快眠枕貰ったのよ。それからね…」
  息子 (さえぎって)「ああ、そりゃおめでとさん!ていうか、いい加減にしてくれよ、俺だってば!」
010 「俺って言われても、誰?としか言えないですよぉ…」
  息子 「本気で呆けちまったのか?息子のことも忘れちまったのかよ」
  「息子?どの?」
  息子 「は?どのって…」
  「長男の賢ちゃん?
でも賢ちゃんは確か今アメリカに行ってるはずよね。ほんとに、良い大学出たのに、どうして調理師になりたいなんて言って飛び出しちゃったんだか…。
あげくにはほんとにコックになってアメリカでお店なんて…いくら私の料理が下手だからって、あんまりじゃない?あてつけみたいじゃない。
しかも和食のお店かと思ったらスイス?違うわね。
えーと、何だったかしら?スイーツ?お菓子のお店なんて…外国で日本の和菓子なんて、受け入れられるのかしらねぇ?
外人さんはアンコなんて食べないと思うんだけど」
  息子 「…ちげーよ!賢ちゃんじゃねーよ!ついでに今じゃ外人さんも和菓子の好きな人は大勢いるよ!日本料理は人気なんだよ!」
  「じゃあ、次男の大ちゃん?そうだわ!大ちゃんたら、まだお嫁さんと揉めてるの?いい加減お嫁さんの言う通り、ちゃんと病院行かなくちゃダメよ。
痔だからと言って、恥ずかしがってちゃダメよ?たかが痔だと思ってたら大変なことになるわよ?
痔にも色々種類合って、痔って、下手したら癌にもなるかも知れないんだから。

看護士さんにお尻見られるのが恥ずかしいのは判るけど、放っておくと見られるだけじゃすまなくなっちゃうわよ?
だから昔から言ってたのに。野球やるのは良いけど、キャッチャーは止めなさいって。キャッチャーって痔になる人が多いらしいんだから。
それで、ちゃんと痔の処方はしているの?」

  息子 「俺は大ちゃんじゃねーし、痔にもなってねーよ!」
  「あらー?ああ、じゃあ、三男の和君(かずくん)ね!
そう言えばあなた、プロカメラマンになったことはお母さん、何も言わないけど、戦場カメラマンだけはならないでちょうだいね!
昔からこれと決めたことはやり遂げるあなただったけど、何も危険な仕事に就くこともないじゃない!?
戦場カメラマンなんて、あの渡部なんとかさんみたいにいつもいつも無事に帰ってこられる訳じゃないでしょう?現地に行くのにも自費だって言うし。
TVになんて出なくたって良いの。

大体あなたはTVに出たとしても面白味なんてなんにもないんですから。ぼーっと突っ立ってるだけなら、カカシの方がマシなくらいでしょ?
それに、お母さん、いやよ?ある日突然死亡のお知らせと共に首ちょんぱのミンチになったあなたと対面なんて」

  息子 「カメラマンじゃねーし、戦場カメラマンなんて死んでもごめんだし、んな怖い所行かねーし!ついでに和君でもねーっての!」
020 「あらあら、まあまあ。じゃあ、末っ子の優君(ゆうくん)?あらまあ、珍しいわねぇ。家に電話してくるなんて、
あなたってば、家を出たっきりなんの音沙汰もないんですもの。たまにはこちらに帰ってきたら?」
  息子 「なんなんだよ…どうなってんだよ……」
  「ん?何か言った?」
  息子 「…いや、なんでもない!その、俺だけど、オフクロ、ちょっと助けて欲しいんだけど」
  「だから、優君でしょ?なあに?どうしたの?」
  息子 「ちょっと会社で大変なミスしちゃって、多大な損失出しそうなんだよ。そんなことばれたら俺、クビになっちゃうんだ」
  「あらあら、まあまあ。それは大変。相変わらずそそっかしいわねぇ」
  息子 「それで、会社にばれる前に損失埋め合わせれば何とかなるんだけど…オフクロ、悪いんだけどお金貸してくれないかな」
  「そう言うのは、下手に隠さずに社長さんや上司の方に正直に謝って、出来る限りのことをした方がいいと思うんだけどねぇ」
  息子 「そんな悠長なこと言ってる場合じゃねーんだよ!これがばれたら俺、ほんとにクビになっちゃうし、下手すりゃ警察行き刑務所暮らしになっちゃうんだよ!
そんなことになったらオフクロだって哀しいだろ!」
030 「そりゃ、哀しいとは思うし世間体も悪いけど、自分のしたことだしねぇ。ああ、でも、大丈夫よ。
最悪、新聞に載ったとしてもここのご近所、新聞なんて取ってても誰も読まないし。
読むのはTV欄か訃報欄だけだし、忙しいらしくて帰っても来ないあなたの事なんてみんな忘れてるし、誰も気が付きっこないわよ(笑)」
  息子 「オフクロは俺が可愛くないのかよ!?息子だろ!母親だろ!なんとか助けようってのが家族じゃないのか!?」
  「大学卒業と同時に『俺はでかい男になる!』とか言ってお母さんの財布からお金くすねて出ていった人に言われてもねぇ…」
  息子 「いや…あの…」
  「暫く振りかに連絡してきたと思ったら、第一声がお金の話なんてねぇ…」
  息子 「頼むよ、オフクロ!オフクロだけが頼みの綱なんだよ!絶対返すから、今だけ貸してくれよ!」
  「そうは言っても、こっちもそんなに余裕はないんだけどねぇ。知っての通り、お父さんが亡くなってからは年金暮らしで、賢ちゃんも大ちゃんも当てに出来ないし…。
和君なんて今どこを飛び回っているのかすら判らないし。下手したら骨になって転がってる可能性だって…。
優君だって今の今まで音沙汰なかったし、みんな薄情だわ…」
  息子 「そ…それは謝るけど…仕方ねーじゃねーか。仕事なんだし…」
  「仕事仕事って言うけどねぇ、盆暮れ正月くらい帰ってきても良いと思うんだよ。本当にみんな薄情で…」
  息子 「判ったよ!この件が何とかなったら、一度帰るから!だから頼むよ!オフクロ!」
040 「ほんとに、こちらもそんなに余裕がないんだけどねぇ…。損失って、いくらなの?」
  息子 「300万」
  「300万!?そんなお金、この年寄りにあるわけないでしょう」
  息子 「あ、いや、280万…いや、250万でも良いんだ。後は俺が何とかするから。頼むよ、オフクロぉ」
  「今ある貯金をかき集めればなんとか出来るかも知れないけど…こっちも生活があるしねぇ。保険は解約したら怖いし、お母さんだっていつ何があるか判らないのよ」
  息子 「じゃ、じゃあ、せめて200万…何とかならないかな?来月には必ず返すから!」
  「来月に返せる当てがあるなら、それを出せばいいんじゃないの?」
  息子 「いや、その、補填は今月末までに何とかしなきゃいけないんだよ。期日を過ぎたら上にばれちまうから!そうなったらお終いだから!
来月に大きな取り引きがあって、それがうまくいけば金が手に入るんだ!それまではどこも頼れなくて…。
だから、頼む!オフクロ!貸してくれ!俺を助けると思って!」
  「でもねぇ…」
  息子 (泣き落とし)「オフクロぉぉ…頼むよ。この件が上にばれたら、ほんとに俺、首でも括らなきゃならなくなっちまう…。
俺を助けてくれよぉ…。頼むよぉ…」
050 「ふぅ…。仕方ないわねぇ…。なんとかかき集めてみるけど…。すぐに200万なんて用意出来ないわよ。せいぜい100万がいい所じゃないかしら」
  息子 「100万でも良いから!残金は明後日でも良いから、頼むよ!」
  「それは無理よぉ。定期解約するにしても、色々と手続き掛かるんだから。保険解約なんてもっと日にち掛かるのよ。せいぜい一週間後って所かしら?」
  息子 (小声で)「……そんなに時間掛けてられねえよ…」
  「え?なあに?何か言った?最近耳が遠くなっちゃって、もう少しはっきり大きな声で話してもらわないと、聞こえないわよ。
それでなくても、優君の声、前と違うように聞こえるんだけど…ほんとに優君よね?賢ちゃん、大ちゃん、和君じゃないわよね?それとも全くの赤の他人だったり?」
  息子 「いや!ちゃんと俺だよ!声が違って聞こえるのは、ほら、あれだ…オフクロの耳が遠く…じゃなくて、風邪!そう、ちょっと風邪気味だから!
だからいつもと違って聞こえるんだと思う!ちょっと鼻詰まっててさー…げほっ、ごほっ、ごほっ…せ、咳も出ちゃうし!」
  「珍しいこと。今まで一度も風邪なんて引いたことなかったのにねぇ。
でも、よかったわねぇ。ほら、よく言うじゃない。バカは風邪引かないって!これでバカじゃないって証明されたも同然よ!」
  息子 「……あ、うん…そうだね…」
  「お赤飯炊きたいくらい嬉しいわねぇ。お母さん、ずーっと心配だったのよ。優君たら、生まれてこれまで大きな病気はおろか、一度も風邪引いたこともないんですもの。
病気をしないことは良いことなんだけど、ほんとにバカなんじゃないかって、ずっと心配だったのよぉ。小学校中学校の成績も後ろから数えた方が早かったくらいだし。

ああ、それに優君は覚えてないかも知れないけど、あなた、子供の頃は変な単位の付け方してたのよ。
あなたが大きなチョウチョが居るって言うから、どのくらい大きいの?って聞いたら、「僕のちんこよりおおきい!1.5ちんこくらい!!」とか言ってたし。
あの頃のあなた、サイズを自分のおちんちんで計ってたの覚えてないでしょ。

あと、小学校1年生の時、将来の夢って言う作品で、他のみんなは花屋さんだの警察官だのサッカー選手だのって書いてるのに、あなた1人だけ忍者とか書いてたし。
ほんとに、お母さん人知れず恥ずかしく思ったり悩んできたのよ。上の子たちは普通なのに、優君だけヒーローに憧れるお馬鹿さんだったし…。
ああ、でも、よかった。風邪引いてるんなら、優君も人並みになってるって事よね」

  息子 「………何か…バカにしてんのか?」
060 「んー?なーに?だから、はっきり大きな声で言ってちょうだい!ぼそぼそ小声で話すなんて、行儀が悪いわよ!」
  息子 「いやいや、何でもない!じゃあ、とりあえず100万で良いから、用意しておいてくれないかな?すぐに取りに行くから!」
  「しょうがないわねぇ…。じゃあ、お金が用意出来たら連絡するから、携帯に掛ければいいのね?」
  息子 「あっ!いや!俺、携帯変えたんだ!前の携帯壊しちゃってさ!新しくして番号変わってるんだ!
だから、前の携帯には掛けないでくれ!以前の番号は他の人に使われてる可能性もあるから、迷惑だろ?」
  「あら、そうなの?じゃあ、新しい番号、教えてちょうだいな」
  息子 「いや、金が出来た頃にまたこっちからかけ直すよ」
  「何言ってるの!?すぐにお金が必要なんでしょ?なら、お母さんだってなるべく早く用意するから、用意出来た時点で連絡した方がいいじゃない。」
  息子 「いや、その、俺も色々と忙しくて…ほら、残りのお金の工面しなきゃいけないとかあるから!
だから、用意出来たかなって位の時に後輩に取りに行かせるから、そいつに預けてくれればいいし。
わざわざオフクロが出ることもないから」
  「それこそ何を言ってるの!後輩の方に取りに来させる?冗談じゃありませんよ。
もし勘違いで家を訪ねてきた関係ない人に預けたりして、そのまま持って行かれちゃったらどうするの!?
だいたい、見も知らぬ人にあなたの後輩ですとか言われても、信用出来ないでしょ!名前だって知らないんだし!」
  息子 「えと、後輩って言うか、…その、俺の部下なんだ!ほら、俺出世して大きなプロジェクト任されたりしたから、部下も着いて。
それでミスって損失出しちゃったんだけど、この部下と一緒に何とかしようとしてるんだよ。
今のところミスはこいつしか知らないから、金さえ補填すればミスは公にはでないし、俺もプロジェクトをやり遂げられて安泰なんだ!
部下のそいつも一緒にミスしたもんだから、だから一緒になって何とか人に知られないようにこうしてオフクロに頼んでるんだよ」
070 「その部下って言う方が失敗して、優君が大変な目に遭ってるって言うの?」
  息子 「あ?ああ、まあ、そう言う訳だから…だからオフクロ、俺とそいつを助けると思って、何とかしてくれないか?」
  「でもねぇ…名前も顔も知らない相手に突然優君の部下ですって来られても、どう信用すればいいの?
もしかしたらこの話を聞いた他の人が、その部下という人を騙ってくるっていうことだって有り得るじゃない?
そんな会ったこともない方にホイホイとお金渡せないわよ。もしかしたらって、怖いじゃない」
  息子 「そ、そんなことないよ!いや、そんなことあり得ないって!
名前は、部下の名前はえーと、山田一郎って言って、身長175cmくらいでちょっと小太り。あ、右目の下にほくろがあるんだ!
それと、ちゃんと『株式会社カクウ』って言う名刺持ってるよ!
大丈夫!不審な奴じゃないって!」
  「お名前が山田一郎…と。なんだか偽名みたいな名前ね。それに株式会社カクウ?うさんくさい名前ねぇ…。ちゃんとした会社なの?」
  息子 「何言ってるんだよ!ちゃんとした会社で、俺はそこの幹部だよ!?だからミスしたら警察行きになるくらい立場があって大変なことなんだよ!
それに、今俺が警察になんて行ったら、会社自体がやばいんだし、頼れるのはオフクロだけなんだよ!
だから黙って金出してくれよ!頼むよ!」
  「優君を助けるのにはやぶさかではないけど、だけどやっぱり見も知らない人には預けられないわ。だから、せめて携帯番号を教えてちょうだい」
  息子 「え…いや、それはだから、俺は色々と忙しくて、連絡もしなくちゃいけないのが多いし、連絡来るのも多いんだよ。
だから、オフクロから電話があっても話し中で通じない方が多いから教えても…」
  「今は忙しくて仕方がないかも知れないけど、お金さえ振り込めば後は落ち着くんでしょう?だったらその位の時に電話するだけだから、良いじゃない。
あなたってば、こちらから連絡しなきゃ何の連絡も寄こさないんだから。
それに、私に何かあった時に連絡取れないって言うのも怖いわよ。
それとも何?何か教えられないようなことでもあるの?どうも気になるんだけど、本当に優君よね?騙してなんていないわよね?」
  息子 「だ、騙してなんていないって!誰が騙すって言うんだよ!ほんとに俺だって!何で疑うかな。
判ったよ!そんなに言うなら携帯番号教えるから!050の1234の9876!ほら、これで良いだろ!」
080 「050の1234の9876ね。はいはい。ちゃんとメモしましたよ」
  息子 「じゃあ、100万。用意しといてくれよ?今日中にないと困るんだから。そうだな…後1時間後にそっちに取りに行かせるから。住所変わってないだろ?
児童公園の向かいの家だよな?大きな細葉の生垣がぐるっと囲んで、庭に柿の木がある赤い瓦屋根の…」
  「今更何言ってるの?あまりに連絡すること無さ過ぎて、自分の家まで忘れたとは言わないでしょうね?そこまでお馬鹿さんだったの!?」
  息子 「確認しただけだよ!バカじゃねーよ!もしかして引っ越しでもしたかなと思っただけだし!
じゃあ、1時間後に部下の山田が取りに行くから、用意しといてくれよ!?
あと、会社で失敗して金を工面しているなんて知れたら恥ずかしいから、誰にも言わないでくれよ!?オフクロだって息子の俺の醜態を知られたくないだろ?
だから、誰にも見られないように、誰にも言わないように、内緒にしてくれ!受け渡す時も見られないように、細心の注意を払ってくれよ!?」
  「なんか、面倒くさいわねぇ…。まあ良いわ。ちゃんと用意して、身長175pのちょっと小太りの右目の下にほくろのある山田一郎さんにお金を渡せばいいのね?」
  息子 「ああ。じゃあ、絶対頼むよ!?あと、残りの200万も出来たら用意して欲しいから、保険でも何でも解約して工面して欲しいんだ。
それについては100万受け取った後にまた相談するから」
  「そんな大金無いっていうのに…。あなたの保険解約しちゃうわよ…」
  息子 「それでも良いよ。じゃあ、俺も色々と連絡に忙しいから、これで切る。1時間後に行くから、金、頼むぞ。それじゃ!」 (電話が切れる)
  「あ、ちょっと、優君!?もしもし?もしもし?
……もう…さっさと切っちゃって…。せっかちねぇ…。

まあ良いわ。それじゃ、用意しなくちゃねぇ。…よっいしょっと。はぁ…最近足腰が弱ったのかしら。立つにも一苦労だわ。いやねぇ、年を取るって」

  (どこかに電話)「……あ、もしもし?お母さんだけど。
ええ、ちょっと色々あってね。悪いんだけど、家に来て頂けるかしら?ええ、、出来たらすぐに。
…ううん、別にあなたじゃなくても良いの。どなたか2,3人来て頂ければ大丈夫だと思うのよ。

え?何があったかって?それがね、聞いてちょうだい。今さっき優君が電話してきてね、お金貸して欲しいって言うのよ。
…ええ、100万。全部で300万欲しいそうなんだけど、さすがにそんなお金ないものねぇ。
ええ、優君からよ。携帯変わったって言って、別の番号から掛かってきたの。
…え?ああ、ええ、ちゃんと聞いてありますよ。電話番号も特徴も。会話も録音もしてあるから、それも一緒に渡したいの。

でも、おかしいでしょ。笑っちゃうわよね。
警察官になって働いている優君が、会社でミスをしたからその損失を埋めるためにお金が欲しいって言うのよ(笑)
お母さん、いつあなたが警察止めて会社になんて入ったの?って言いたくなっちゃったわ(笑)
ええ、じゃあ、偽物の優君かしら?それともお仲間かしら?とにかく1時間後に来るそうだから手配してちょうだいね。

それにしても、オレオレ詐欺の人って、家族構成調べても職業までは調べないのかしらね?
息子が刑事している家に詐欺するなんて、ちょっと度胸があり過ぎじゃない?(笑)
ええ、ええ、それじゃ、よろしくお願いね」(電話を切る)

090 「悪いことは絶対ダメですよー…って、お母さんから教わらなかったのかしらねぇ?」