桧洞丸(2002年)

4月29日

西丹沢に向かった。先週は岩岳山に行ったので、2週間ぶりだが1ヶ月以上も来ていないように周りの景色が変わっていた。

ゴーラ沢を過ぎ、第1ベンチ先のギンリョウソウは未だ咲いてはいなかった。そこを過ぎてからはきつかった。前日の深酒の為か、めまいがした。写真を撮るふりをして何度か休む。殆どの人に追い抜かれた。今日中に帰れればと思っているので気は楽であった。

やっとの思いで展望園地に着く。写真左最上の富士山を眺めここまで来ればあとはつつじを眺めてゆっくり行けば良いと思った。

しかし、ツツジが見えない。いつもなら登山道に赤と白の花びらを敷いてくれているのに、ことしは見えない。

やっと、1200m付近で数本見つけるが写真を撮るほどではない。

ツツジの木々を1本づつ見てみるが花のつぼみが付いていない。また、シロヤシオは1400m付近では未だ花か葉かは分からない。

結局、木道までツツジを記録する事はなかった。

木道を歩いていると大判カメラを持った人が木道脇に平気で降りて写真を構えている。

自分を含めカメラを持っている人が許せなくなってくる。もっとルールを守ろう。写真よりも現物で残そう。

下山は箒沢に向かった。2年振りにこの道を下る。

しかし、ここの景色はぶな林を抜けるまでは本当に気持ちがいい。

また、ことしは桜が沢山咲いていた。

雑誌に山桜の花言葉は”気高さ”と書いてあったがマメ ザクラは何だろうか?

分岐から少し下るとベンチがあり2年前の同じ時期はバイケイソウも殆ど芽吹いていなかったが、今年は葉も広がっている。

そこには落ち葉のじゅうたんが厚さ10cmくらい敷いてあった。

倒木が落ち葉で半分ぐらい埋まっている。素晴らしく静かなとこだ。

二つ目のベンチを過ぎると新緑の綺麗なところにでた。ここで一眠りすれば本当に良い夢が見れそうである。

そうして石棚山を過ぎ、余り楽しくないがれ場を下った。

5月12日

天気予報が雨から曇に変わり更に時々晴までついてきた。これで山に行かなければ山へ登る天気は無い。

東名を走る、ラジオから『亜麻色の髪の乙女』がながれる。今、乙女と言う言葉の当てはまる女性が居るのだろうか?

7時40分に西丹沢に到着すると雨が完全に上がっていた。登山客もまずまずの人数だった。

展望園地の辺りでミツバツツジが5〜6本咲いていた。更に登ると1250m付近でシロヤシオが咲いている。昨年に比べるとミツバツツジとの共演がなく寂しいがそれでも今話題の花の開花を楽しむ。

全体としては数えられる程度の開花の本数だった。1400m付近にあるベンチの下が開花の最前線で、そこからはまだつぼみだった。

来週辺りはこの辺りから木道までシロヤシオの花の道が続いていると思われる。期待したい。

11時に頂上に到着し、11時半には出発するが今週もカメラマン達の傍若無人には腹がたった。写真の評価は限定された中でいかに表現をするかであり、進入禁止まで入りこんで撮ったものは評価に値しないと思う。

犬越路に向かったが霧が発生し、富士山は見えない。霧の中のツツジも良いと思い突き進んだ。

ところが、ツツジ新道と違いこちらの方はミツバツツジが多い。

つぼみを沢山抱えている。又、楽しみが出来た。

コイワザクラは昨年も同じ頃(5月13日)に見たが今年は咲いてはいたが花の数が少なかった。やはり時期がずれていたのかな?

ココウゲまではシロヤシオが咲き、そこから先はミツバツツジが咲いている。残念ながら木々が多く上手いアングルで撮れない。

まあ来週があると思いそこそこに写真を撮って下山を急いだ。今日は母の日である。

早く下山したいのと、犬越路トンネルも歩いた事が無いので峠まで行かないでトンネル側に下りた。左写真の苔の衣装を着たブナ(多分)が目を引いたが,殆どは杉林であった。

下山すると左右に分かれた道路にでたが、標識に沿って右に向かった。

トンネル内は寒いくらいで気持ちがよかった。しかし、下山時間は舗装道路まで25分さらにそこから1時間20分かかり犬越路峠の方が時間は掛からなかったようだ。

でも車の来ない舗装道を一人で歩いていると何だかすごく贅沢な気分を味わえた。

5月20日(月)

天気が何とか持ちそうだったのでこの山にまた出かけた。

月曜日なのでそれ程人も居ないと思ったが車が30台位とまっている。車外に出ると寒い。もう1枚余分に着る物が必要だった。

9時20分に歩き始めた。

自然教室を過ぎて橋を渡ると、花の匂いがする。辺りを見回しても花は見えない。白石峠から渓谷沿いに下りてくる強い風、それが匂いを運んでくるみたいだ。(コガクウツギの香りと思われる)

最初はいいなと思ったが、段々とくどく感じてきた。我侭な人間である。

ゴーラ沢を過ぎ標高1000m当りにもみの大木がありそれに対峙するかのように左手に大きなブナの木があった。何度も登っていて気がつかなかった。ここからはぶなを探して登る。

先週も低温が続き花は思った程登っていなかった。進みすぎた時間を調節しているようだ。

先週咲いていた1400m付近のシロヤシオも未だ半分以上花が残っていた。大室、犬越路が一望できるベンチ辺りから箒沢への分岐点までが現在の花の開花位置で木道辺りではちらほらと咲いている程度だった。

週末あたりが木道での見頃ではないかと思われる。

写真も殆どがガスでぼやけてしまい。見るに耐えないものばかりだった。下山すると、三重県ナンバーのバスが停まっていた。見ると『新緑の西丹沢桧洞丸--』と書いてあった。

今年は開花が一寸少なくて申し訳ないと思った。

5月26日(日)

職場のTさんと山登りに行く事を決めたが場所が決まっていなかった。でもこの月は桧洞丸は外せない。日曜日の8時半に西丹沢の自然教室で待ち合わせた。しかし、時間なっても来ないし、駐車場は一杯だった。

人だかりがあり、看板に山開きと書いてあった。登った日にちが悪かった。

ゴーラ沢出合いに着くと登り口に50名以上が順番待ちをしている。まるで北アルプスでも登る雰囲気である。

ゴーラ沢上の鎖場を過ぎれば空くと思ったが、延々と続く。待ちきれない人が脇を抜けて行く。そんなに急がなくても花は逃げないのにと、少し前のせっかちな自分似の人につぶやいた。

昨年に比べると1/3程度の花の数だがこの山が初めての女性達の『ワー』と言う歓声が聞こえた。

そのたびに長い列は止まった。

もう少し登るともっと素晴らしいツツジがあるので、また声が上がるだろうと予想できた。

木道の手前、箒沢への分岐あたりが花の中心のようだった。ぶなの幹とミツバツツジの色がなんとも綺麗である。

初めてのオバサンが平気で木道を降りて写真をとる。そう言えば木道の登り口に道を外すなと書いた看板がない。無くても常識でわかるのだが無粋な看板を立てないと分からない人が多い。

木道の終りに出るとつぼみを持ったツツジがある。来週は頂上にまで花前線が進むだろうと思った。

写真を撮り始めて止まってばかりいるので、Tさんに先に進んでもらった。それでも気になり落ち着いて構えられない。

頂上でTさんは待ちくたびれていた。彼の作ったゆで卵とパンを頂いた。

下山は犬越路に向かった。先先週つぼみを持った木が多かったので期待ができた。

期待に違わず、随所で花を楽しむ事ができた。ここは良く見るとナナカマドの木が多い。秋の楽しみがまた出来た。

階段が2つ、鎖場3つの其々でまた渋滞が発生した。まあ帰りの道路も混んでいるからと気楽に考えていた。

しかし、帰り道は逆にすいすい進みいつもの週末より早く帰ることができた。

ことしのツツジも来週で終ります。ツツジ予想の是非を含め来年はどんなスケジュールで登るか。でもやはり単独行が気楽であるのは間違いがない。