2003年の紅葉

同角沢ノ出合の滝

11月16日   玄倉

西丹沢で一番遅く、かつ見応えのある紅葉ポイントの玄倉に向った。 先々週はユーシン辺りが見頃であったので今週は玄倉ダム周辺と予想した。

 

昨年”ドキッ”とした紅葉もことしは”あれ”に変わった。

所々で色付きの良い木々もあるが少ない。

 
 

昨年の全山紅葉には程遠い景色だった。

青崩(仏岩)トンネルも紅が少ない

 
 

先々週の玄倉も終ってしまっていた。

熊木沢ダムではもみじだけが残っていた。

今年の紅葉はあっけない終わり方だった。

 

時間があったので、玄倉から大野山へ 向った。もちろん車に乗っての楽チンハイクである。でも駐車場から頂上までの300mは息が切れた。

来て良かったと思った。西丹沢や蛭ガ岳が一望できるこの頂は飽きる事がなっかった。おまけに富士山までも見える。

 

そしてヤビツ峠へ向かい

夕焼けの富士山を見て丹沢の今年の紅葉は終った。

 

11月2日(日) 桧洞丸から同角ノ頭へ

今年5月同角ノ頭からすこしくだった痩せ尾根から、石小屋ノ頭方向を眺めた。同角ノ頭に続く尾根とその間をザンザ洞の沢が流れている。

V字谷の頂点のこの痩せ尾根に立ち、目を左前方に移動させると、丹沢最高峰の蛭ヶ岳が悠然とそびえている。そして谷には木々が青々としていた。 この景色は丹沢ではない。まるで北アルプスの尾根にいる気分だった。そんな谷を紅葉の時期に見ない訳に行かない。

しかし、先週からこの山行きを迷っていた。同角ノ頭を経由するこのルート、前回は体力の限界からステッキ2本でやっと下った苦しい思い出もあった。そして、最終バスの時刻制限もあったので、尚更に無理をし なければならなかった。

2000m級超の山に出かける前は、こんなふうに悩む。限界を超えた計画ではないのか、何度も自問自答する。そして、その中でNGを出せる明確な理由は天候だけだった。自分の体力は、行って見ないと分からない。 そして、見たい欲望が拍車をかけて、中止する事はまずできない。

 

石小屋ノ頭の紅葉

数年前の自分はこんな文章を読めば、たかが丹沢ではないかと一笑に付しただろう。

玄倉ダム付近

しかし、体力・心拍機能ともに衰えて、たったこれほどの行程で、出発まで悩み続けなくてはならなくなった。

 
 

玄倉渓谷

5時に起床してから出発の準備をした。車の数は先週より多かった。

ユーシンロッジ付近

紅葉は既に1000m付近まで進んでいた。予定より早い紅葉の下山スピードに驚いた。

 
 

同角ノ頭付近の小さな晩秋

 
   
 

ゴーラ沢出合い

ゴーラ沢出合いの登り口の紅葉も進み、白い石の上の落ち葉が色鮮やかだった。

ゴーラ沢出合い

登り始めると意外と登山客は少なかった。駐車場に止めた人達は畦ガ丸・大室山に向ったのかもしれない。

 
 

1000m付近の紅葉

先週、展望園地の手前で見つけた骨は、玄倉ビジターセンターに展示してあった猪と似ていた。既に落ち葉が半分以上覆いかぶさり、安眠のお手伝いをしていた。

 

同角ノ頭の登り

1300mを越えると殆どの木々が葉を落としていた。木道に10時に到着、少し休んでから同角ノ頭に向った。

踏み跡は殆ど無かった。しかし、大石山から来る人が多く4グループとすれ違った。やはりユーシンで一泊がこのルートの標準なのかもしれない。

同角ノ頭までは既に紅葉は終っているのが分かっていた。そこから下り始めると---

 
 

同角ノ頭の頂上付近

おや?

予想よりも紅葉が進んでいた。一週間遅かったようだ。それでも中腹辺りは綺麗だった。夫婦でみえた方が痩せ尾根からの紅葉に感動していた。

大石山頂上付近にて

大石山ではイワシャジン・リンドウ等が沢山咲いていた。

 
 

予定より1本早い時刻に玄倉バス停に到着し、凡そ20kmの旅が 無事終った。

 
 

1300m付近

10月25日 桧洞丸

山歩きが三週間ぶりになってしまった。私にとって10月は暮れより忙しない。

もちろん自分の遊びの為であるが、たまたま先週の日曜は、家の用事で奥さんに駆り出されてしまった。その結果、予定より一週間遅れの「檜洞丸の紅葉狩り」となった。

狩りといっても、紅葉の美しさを収めるだけである。

 
 

相変わらず計画だけは立派であった。出発は5時で、檜洞丸から同角ノ頭へのルートを進む予定だった。

起床は計画通り、しかし前日仕事の関係で帰宅が遅く、起きてから準備に掛った。もちろんドタバタするので寝ている家族を起こしてしまった。この仕返しが帰宅後、私を襲う事は容易に想像が出来た。

結局、5時半近くに家を出発、檜洞丸の駐車場についたのが7時頃だった。車は少なかったが既に駅からバスが着いていた。(特別ダイヤか?)

霧に覆われた木々

 
 

コケが目立つ木道

 
 

木道登り口

前回のように3日前から体調を整える事など出来ず、体が重い。東沢の水音が聞こえる所まで出るのが、やっとであった。

時間が早いのか余り人が居ない。板小屋沢ノ頭も紅葉が進み紅色の木々が目立った。ゴーラ沢出合いに着くと、3週間前のままの工事用マーキングが残り、木橋は架かっていなかった。

イワシャジンの可憐な花を横に見て、休まないで進んだ。

 
 

今歩いている自分にとって当面の目標は「展望園地」だった。しかし、ここで”ふと”気が付いた。10月の忙しい理由の一つに公開講座への参加があった。

先週の土曜日、この講座の中で「気の威力」について実習をした。目標をどこに置くかによって力が全く違ってくる事を教わった。相撲取りが相手の胸を目標にするのと、その先に置くのでは、後者のほうが明らかに破壊力が大きいと習い・実践した。

以前の自分は頂上から犬越路を行く場合は、頂上の先にある最終のピークが目標だった。最近は目標が近いことが不調の原因では無いかと思った。

1400m付近

 
 

団体さんが紅葉の中を進む

 
 

紅、橙、緑

展望園地手前のピークで大きな動物の白骨を見た。大きさからシカだろうと思われる。道の脇2m位の場所で、何故こんなところで死んだのだろうか不思議だった?

バテバテで展望園地へ、到着である。休んでいると年配のカメラマンが来た。途中にタオルが落ちていたのでその話になった。

多分今日落としたという事を表現するのに、私は「新しいタオル」と言った。しかし、そのカメラマンは「乾いたタオル」と話した。確かにその方の表現が正しかった。新しくはなかった し、朝露の影響も受けていなかった。

自分の表現力の乏しさにまた落ち込んでしまった。

 
 

さて、紅葉である。

この辺りからはカエデ、モミジが色付いているが全体としてはまだ少し早いかと思われる。

1300m付近まで進むと紅葉した木を中心に辺りの空間がオレンジ色になる場所が点在した。

そして、1500m付近になると、ガスで殆ど見えなくなってきた。前日の天気予報は大ハズレである。当日の晴れのち曇りの予報も全く当たっていない。木道付近は霧の中を歩きまわった。

 
 

全体が見えなかったが、木道辺りではブナの葉も落ちていたので紅葉は1400m付近がbestなのかもしれない。

檜洞丸では余り紅葉は良くなかったが、テシロの頭や石棚山の中腹当たりは紅い木や黄色い木々、そして白い石が綺麗に映えていた。

ここから縦走してもガスで視界が利かないのを理由に元来た道を帰った。

 

10月4日(日) 桧洞丸

今年の丹沢の紅葉予想を行う為、桧洞丸頂上に向かった。”山らしいやま”へ登ったのは一ヶ月以上前の大山以来であった。

元読売ベルディー監督(通称アンパンマン)がOB戦をやるときには3日前から酒を断つと聞いて、この山に登るにあたり自分も断酒をやろうと思ったが意志が弱く、減酒が精一杯だった。

それでもその甲斐があってか当日はいつに無く、順調に高度を稼ぐ事が出来た。

ゴーラ沢出合いは完全に橋が無くなり川の流れも変えられていた。(赤いマーキングがあり、工事予定を伺わせた)

そこを少し登ると、西丹沢自然教室の告知板に書いてもあった秋のお約束の”イワシャジン”が咲いていた。

そう言えばその告知板に、犬越路から大室山の間で”小熊”を見たと書いてもあった。

注意!注意!

足の不安(脚力不足)は時間でカバーするしかないと、今日は釣りに行くよりも早く家を出た。

その為か、殆ど人が居ない。心なし木々からの木漏れ陽も多く明るく静かな森である。

さて、目的の紅葉だが葉の一部だけは色付いているものの、全体は殆ど色ついていない。

展望遠地でも紅葉は見られない。其の直ぐ先のザレ場では”イワシャジン”と”ノコンギク”が咲いていた。

1300mを過ぎて鎖場を登ると、少し根本の曲がった木がある。昨年、Tさんが頭を打った事を思い出し、一体何人がここにぶつけたのか想定して見たら、相当な人数になった。

急に可笑しくなって足に力が入らなくなった。

さて、1400mまで登ると少し色付いたツツジの木があった。ついこの間は花を楽しませてくれた木だった。

 

今日は装いも新たにまた綺麗な彩を見せてくれる。

汗をかき、酒を減らして益々清らなになった自分は修験者の気持ちになって自然と一体になった。

が、この辺りから息が切れて足が上がらなくなってきた。鍛え方がやはり足らなかった。

 
 

少しずつ登ってやっと木道に到着した。帰りは箒沢に下りようと最初は思っていたが、この時点では元来た道を帰る事にした。

木道では下山者がすれ違い様に「この木道は歩き難いですね」と言ってきた。

大好きな場所をそのように言われてので、少し腹が立った。「そうですか?」と冷たく返事をした。「がたがたするんです」と横に渡した板の間隔が良くないような仕草をされた。

 

確かに考えて見れば決して歩きやすい道ではない。でも自分はそんな事など考える余裕も無く周りの景色にいつも見とれていた。

この登山者にとっては、紅葉に少し早い時期に訪れ、見るものも無く、木道のみが気になったようである。

改めて渡って見ると、確かに浮いている板もあり、今年の冬が限度のものもあった。”歩きにくい”を理由に下を歩かれないよう、早めの修理をお願いしたい ものである。

頂上に着くとイタヤカエデの大木が、紅葉していた。周りの山々を見渡しても薄い黄色の色が目立ち、登るのが早すぎた事を改めて悟った。

持ってきた350mlのビールを開けることも無く、調度良い空気の中で後から訪れる人々を見ながら軽い食事をした。

桧洞丸を後に丹沢湖下の集落で彼岸花がいっぱい咲いていた。そこに立ち寄って花を楽しんで帰宅した。(バス停→山市場)

それにしても彼岸花は素敵な花である。

 

頂上のカエデ

木道の少し上のツツジ

 

山市場の彼岸花

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