ツツジの花が見えなくなるまで(2005年)
 

中央に桜の木

負けるものかと頑張る木

 
 

5月27日、略二週間ぶりになってしまった山歩きです。先々週の金山谷ノ頭に向かった時は、やはり風邪をひいていたようです。腰も痛く散々な状態でした。 今回も体力的な自信は全くありません。

そして、家庭も難しい局面を向え、おいそれと山を楽しむワケにはいきませんでした。共稼ぎで休みの無い奥さんに対して、月曜も休み、金曜も休むと、流石に奥さんも不満が口の中で膨れだしていました。

 
 

1300m

枯れたブナに落ちた花びらと虫

 
 

左に大きく巻き、その先はなだらかな道がゴーラ沢出合まで続く。その左斜面に以前から”気になる木”があった。(写真右上)

そして、ここを通る度に見上げる。その高木は縦横に大きく枝を伸ばし、幹にはなまこ塀のような模様があり、たくましく、活きている力を感じる。

今日は花を付けていたので、やっと種類が分かった。”ミズキ”だった。私の持っている”二冊の木の本”は樹皮の写真がなく。葉と花だけしか記載がなくて分からなかったのである。

この木の手前にも大きな桜の木があった。標高900m位のところで難儀をしている3人組の後ろについた。聞く気は無かったが静かな山なので耳に入ってくる。

『西丹沢に行ったって言えば良いのよ』、『その方が聞こえが良いじゃない』。なるほど”檜洞丸”と言うより”西丹沢”の方が、清流や若葉、すがすがしさから”軽井沢”のような爽快な場所をイメージする。そう思った。

しかし、その人たちの言葉の中には『山に行ったけど辛いので途中で帰った』と言うより、『西丹沢で遊んで来た』という言い回しをしたかったようだった。

それでも登ろうと足を上げ、私に展望園地までの時間を聞かれた。高度で200m残りだから『40分はかかります』、更に先は長いので、親切かどうか判らなかったが、『ここからだとまだまだで、更に急なところがあります』と正確にお応えした。もう頑張らないで下った方が三人の為だと判断した。

 
 

写真が小さく分かり難いですが真中はツツジで満開でした(1400m)

 
   
 

登り続け1300m付近の花は2/3程散っていました。標高1400m付近の岩登りで少し渋滞した。いつも女性達が喚声を上げるところである。渋滞の先を見上げると、シロヤシオが満開だった。

ツツジのピークは1400mのこの辺りかもしれない。先客たちが花をバックに写真を撮る。下山者が『ここより更に綺麗なところが、この先に沢山ある』と告げる。

 
 

同じく1400m付近

 
   
 

その言葉を疑う訳ではないが、何年も登っていて私の安いデジカメで写真になるのはこの辺りだと思って何回もシャッターを押した。

しかしながら上手く撮れない。フィルターはシロヤシオの時は使わない方が良いようである。更に明度も明るくしたほうが綺麗に撮れる。

 
   
 

まあ写真家でもないのだからと自分を納得させて先に進む。犬越路や大室山が見えるベンチに到着した。そこかしこにシロヤシオは満開だった。

写真家のおじさんが、大判カメラを持ってツツジの中を入っていく。人の通らないところで、自分だけの目線で撮った写真にどれだけの価値があるのか冷静に考えて欲しい。

 
   
   

そして木道を外れて歩くおばさん。こころの中で”来るな”と叫んでしまう。大きなシロヤシオの側には必ず大きなブナがあった。

ところがどうだろう、ブナが倒れツツジは未だ残っているが、はてさていつまで持つのだろうか?

 

テシロノ頭への分岐までが満開で、その先はツボミが多かった。来週辺りが木道付近の見頃のようである。久しぶりに訪れた木道は新しく付替えられていた。

ここに来て、ツツジやバイケイソウに心を奪われたのが、嘘のように落ち着いている自分がいた。何故なのだろうか?木が減って明るくなった所為か、安物カメラが思うに任せられないからなのか?

 
   

我がままな登山者に辟易し、木道まででUターンして下山する。早く下りて奥さんの用事を片付けないと、またまた叱られ翌日の釣りが行きにくくなってしまう。

シロヤシオが終ると、追っかけるように山ツツジが頂を目指して登ってきます。するともう1年も半分終りです。山を花と一緒に登ると早いものです。裏山太郎になってしまいそうです。(浦島ではありません)

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