ミツマタの屏風岩山とミツバ岳

 

ミツバ岳頂上(834.5m)

 

05年3月27日、山友のTさんからのお誘いで久しぶりに西丹沢に向った。今回も最初は中央アルプスを話していたが計画を作らない私を察して、『移動の時間が大変だから丹沢にしましょう』と提案してくれた。それなら楽な山歩きが出来るコースをと城ヶ尾から大滝峠、屏風岩山から二本松のコースを決めていた。 しかし、三保ダムで落ち合っ たTさんからの情報で、世附から先の林道は封鎖されている事を知った。

又も計画変更である。細川橋から二本杉、屏風岩山を経て大滝峠、蔵平を経由するルートに変更した。細川橋は『細川商店』があったので直ぐに分かったが 、駐車場が見つからない。結局、少し下がった『焼津』の駐車場に止めて歩き出した。(AM 9:10)二本杉峠への道案内はしっかりしていた。(登り口 AM 9:30)神社のわき道を左に進み沢の手前で林道から山道になるが、静かで整備された道で歩き易かった。

 

杉林が終り、一旦明るくなるものの鹿柵を過ぎると手入れが必要な真っ暗な杉林に入る。炭焼き釜の跡らしい石の上に腰を落として休んでいると年配の女性が登ってきた。挨拶をして、何処まで行かれるのか聞いてみた。凄く よく話す方だった。私の相づちなどは挟む隙間もなかった。その方はミツマタの花が綺麗な場所を聞いて、それが見たくて今日も登られたようだった。権現山の先のミツバ山にそれが群生していて、とても綺麗らしいようなのだ。ルートが分からず先週は断念され、今週再び訪れられた 。

 
   
 

それを聞いて私たちもルートを変更した。二本杉から屏風岩山を登り、折り返して権現山とミツバ山を登る事にした。何れも私の1997年版の『ヤマケイ登山地図帳』にはルート が書かれていない経路不明の山だった。腰を上げその人と登り始めた。山を左に巻き始めると少し傾斜が緩やかになり、右に屏風岩山が見え、暫くすると二本杉に到着した。(AM 10:30) 休憩していると、そこへ20人以上のグループが権現山から下りてきた。その人たちはミツバ山から屏風岩山に行くと行って、道標の指す小高い山を登り始めた。

年配の方と別れて私たちも登った。そこでTさんが枯れた木を掴んでバランスを崩し下に落ちた。その間、先を行くグループの人達も私も何も出来ず、彼が転がる先にある木にぶつからない事だけを願った。彼は身体を曲げて立とうとして更に転がった。何かを掴んで やっと木の左側で止まった。顔にすり傷と手を少し傷めただけで大事に至らなかった。あの場合、私の出来る事は何だったのか、そしてバランスを崩した彼は何をしたらより安全だったのだろうかと考えさせられた。(AM 10:45

 
   
 

直ぐに壁のような山になり、そこからは急坂になった。そして道も滑り易く、根っこを掴みながら少しずつ登っていく。先のグループが止まり、女性達の声が絡みあい隙間なく届いてくる。檜洞丸のツツジの頃に良く聞いた声であり、大概綺麗なものを見た時である。その場所に近づくと*ミツマタの木が群生していた。(AM 11:05

<*ミツマタは縁起木とされ木の枝が一年に一度3つに分かれる>

 
   
 

それは杉の木の中に咲いていた。丹沢を6年間も歩いて初めて見た光景だった。未だ黄色く色付いてはいなかったが100mくらい続く群生は見ごたえがあった。これが全て色付いたらさぞかし綺麗な波に見えるのではないかと期待させた。

ミツマタがなくなった先に踏み跡が左にあった。道標もないので、知らない人は屏風岩山からの下りに間違って進む可能性があるように思われた。更に登り続けたところにも道を誤りそうなところがあった。地面近くに道標があ り見落とす恐れがある。

 
   
 

頂上近くになると、杉の下に笹原があった。臼ヶ岳では鹿の食害で殆ど消えてしまっているが、ここは未だ大丈夫のようである。なだらかな尾根になると1051.6mの頂上に到着である。(AM 11:55)Tさんの持参した缶チューハイで乾杯である。暫くするとミツマタの中で休んでいたグループが着たので、今来た道を戻った。(PM 12:30) オニシバリが咲いていたと聞いたが見つけることは出来なかった。二本杉峠近くになるとまた壁のような山肌を注意深く下った。しかしTさんが落ちた所には踏み固められた巻き道が右側にあった。道標の指す方向が少し右よりなのが問題だった。(PM 13:30

 
   
 

権現山への道も急な登りだった。最初の100mの登りで殆どの体力を消耗し、落ちていた杉の枝をステッキにして進んだ。(PM 13:40) 更に200mを登りきりやっと頂上に到着した。(PM 14:20) 『捕獲実施中、発砲に注意願います』の赤い旗があった。その文言にどうしたら注意できるのか疑問を持った。ミツバ山へは頂上の手前にある二つ並んだベンチの右側を下る。

 
 

ミツマタの群生

 
 

一箇所尾根伝いに歩くと道を誤る箇所があった。左上の写真の位置だが、大きなブナの木が目印でそこを左に下る。(PM 14:35) もう殆どへとへと状態で歩いていると前方にミツマタが点在し、やがて大きな群生になった。(PM 14:55) 屏風岩W山と異なり、道沿いに延々と続くのではない。しかし、ここは杉が間にないので真っ白い雲の塊のように点在する。それらを見てミツバ山へ到着した。(PM 15:15) 下山路もはっきりしていないところがあり、木に巻きつけたテープを頼りに滝壷橋まで下山した。(PM 16:05) 焼津には17時頃到着した。

ミツマタは今週末から来週にかけてが見頃と思われます

 
 

滝とダンコウバイ

 

<時間>

焼津〜20分〜登り口〜60分〜二本杉峠〜35分〜ミツマタ群生地〜55分〜屏風岩山頂上(計 170分)

頂上〜60分〜二本杉峠〜15分〜権現山頂上〜15分〜分岐〜20分〜ミツマタ群生〜20分〜ミツバ山頂上〜50分〜滝壺橋〜50分〜 焼津(計 約230分)

合計 凡そ6時間40分

<そのた>

帰ってからネット検索でこの山名を探したら、ルートによっては行方不明の方も出ていると書いてありました。

十分注意してミツマタを楽しんで下さい。

 

ミツマタの戸沢ノ頭(遠見山)