北尾根を下る(その1)

樹氷の大山

会社の山仲間のTさんと山行きが決まった。そうなると二人でしか行けない山に行きたい。予てから行きたかった大山の北尾根を攻める事にした。しかし、先週に続き無謀な準備が祟ったようだった。

樹氷

今持っているヤマケイ登山地図『丹沢 道志山塊』1997年版にこのルートは記載されていない。しかし、*『相模大山』に大山の七つのルートの1つと記載されているので歩るかない訳にはいかない。

雲に浮かぶ丹沢

<計画>

集合場所-宮ヶ瀬三叉路9時30分〜唐沢キャンプ場9時40分〜ヤビツ峠10時20分〜大山着11時30分   

大山山頂出発12時〜札掛森の家14時〜黒岩14時40分〜唐沢キャンプ場15時20分〜ヤビツ峠16時-解散

富士山

私の車を唐沢キャンプ場に置き、Tさんの車でヤビツまで移動して大山に登り,北尾根から黒岩を経由し,キャンプ場まで下り、私の車で ヤビツまで移動する。とても楽々なプランだった。

だが、車を置くキャンプ場周辺には空き地が無く止める場所がなかった。

ヤビツからの登り

キャンプ場の駐車場に入れ、管理棟にお願いに行ったら門が締まっていた。車に張り紙でもして、このまま行ことしたら中から人が出てきた。暫くすると、責任者の人も車で来たので事情を話した。

山頂鳥居前

すると、責任者の顔が変った。『北尾根は道はないし、迷う人が多くて捜索願いが過去に出ている。止めた方が良い。』最初に応対してくれた人も『丹沢を全て知っているこの人が言うのだから止めた方が良い』と続いた。

北尾根を下る

しかし、先週も唐沢を下っているのでその辺の地理は分かっているので、大丈夫と説明すると、責任者も『迷ったら沢に下れば良い。大山は全て沢につながっているから』と理解をしてくれた。 駐車料金の500円を払って先に進すすませてもらった。

尾根道

二日前の天気予報が大きく外れ絶好の天気となった。富士見山荘を過ぎた辺りで大山を見ると樹氷で白く輝いていた。(写真左の一番上)

ヤビツ峠には人が10名以上居たが駐車場の確保はできた。また、ここまでの道も凍結はしていなかった。(先週は一部凍結。スタッドレス必要)

北尾根?

少し登り始めて南面を見ると北側とは大違いで雪など一切残っていなかった。しかし、ヤビツからの登りは直ぐに積雪になり、滑らないように注意して進んだ。

予定の時刻に頂上に到着し、ゆっくりと食事に取りかかった。丹沢、塔ヶ岳の頂きが雲の上に見える。頂上からの素晴らしい雲海が想像できた。

尾根道

食事を終えて下山のルートを確認したいが、自分の地図には道が書いてない。

しかし、彼が地図を持参しており、そこには破線で道が記載されていた。それを広げて確認、辺りを見渡して再確認する。降り口はこのレーダー棟の脇しかない。

分岐地点か?

深い雪になった。膝まで完全に埋もれてしまう。気をつけてと言っている側からお互いが雪に隠れた木に足を滑らす。雪遊びの感覚がそんな事を大げさに笑わせた。

しかし、ある程度進むと急斜面に行き当たった。道を間違えたのではないかと不安になった。

北尾根?

地図には、なだらかな等高線しか描かれていない。頭を並べて地図と辺りを見回した。北方向に鉄塔があり、地図上も同一方向に鉄塔があった。

間違っていない事をお互いが確認し、細い急斜面を下った。思ったより早く進んだとその時は思った。

鉄塔を右に巻いて坂を登ると「多摩線15号」に至るの道標の上記写真の小ピークに出た。地図では鉄塔の電線に沿って進むようになっていて事実、道もその様に続いていた。しかし、地図上で標記された右側の唐沢は先週の風景とは大きく違う。

地獄沢

やっと、車道にでた。ここから少し歩けば黒岩に到着するはずである。しかし、橋の名前を見て驚いた。『地獄沢』となっていた。地獄沢は尾根を歩いている時に越したつもりだったので地獄の地名が多いところだと思った。

山頂

しかし、Tさんが冷静に応えた。『地獄沢に掛かる橋がこの橋で、道を我々は間違えました。』と言った。あれだけ何度も地図を確認したのに、道を間違えた事が信じられなかった。また、少しの間違いで全く別の場所に出てしまう山の恐さと、自分達の地図を読む力のなさに愕然とした。

キャンプ場までは相当歩かなければならなくなった。

後でインタ-ネットと地図を見て分かったが、下山の入り口に間違いはなかった。しかし、250m位進んだところに分岐があり(ネクタイがつるしてあるらしい)そこを右方向に進むのが正しいルートのようだ。後日再トライしたい。

続北尾根を下る