平成25年3月20日(水)

議員定数を34人から28人にする案、否決
 2月定例議会に政策会議(石川が代表)から提案していた、次の選挙から議員定数を6人減らし28人にする案が否決された。
 反対したのは、無所属と自民党、みんなの党所属の議員で構成する最大会派「飛翔」と「公明党」、「共産党」だった。


 本会議で反対の理由は述べられなかった。

 一方、「飛翔」と「公明党」が提案した議員定数を30人にする案は、両会派の賛成で可決した。

 

(ちょい一言)
 残念ながら、政策会議が提案した28人案が否決された。
 私が、起草して提案理由を述べ、質疑にも答えた案だ。28人という数字は、これまでも説明してきた通り、議会が住民代表機関として委員会・議会運営が活発にできる最小限の数字として提案した。4つの委員会を7人で運営するというものだ。なぜ、1委員会あたり7人かは、現在の委員会が8人から9人で運営されているが、委員の数と審査する議案数、審査・調査にかかる時間や質疑、答弁数、内容に相関関係がないから、全ての委員会を一律にでき、さらに現在の最小人数8人よりも低く抑えるべきと考え、8人未満で最大限の数字だからである。
 8人未満で最大限の数字である7人としたのは、合併後間もないことから、一気に数を減少させることで各委員会の運営に影響がないように、一定の数を確保すべきとの判断からだ。
 本会議では、この案への質疑がなく審査をして頂いた議会運営委員会でも従来の主張を繰り返すものばかりだった。

 一方、「飛翔」と「公明党」が提案した30人の案は、本会議や議会運営委員会の質疑に対して、数字の明確な根拠が示せず、根拠に足るものでないものを根拠として採用していたにも関わらず、両会派の賛成多数で可決された。
 政策会議では、もちろん理論的根拠に欠ける、この案には反対をした。

 以下は、本会議で私が述べた30人案に反対する理由

 反対する理由は、議員定数を34人から30人にするという理由、なぜ30人が適切な数字なのか、これまでの審議・審査の過程では明確な理論的根拠が示されず、さらにこの数字を導いた理由にも疑義があり、理解することができないからだ。

 この案について、議会運営委員会では、提案会派の委員から「30人の定数では、8人、8人、7人、7人になる。」と見解が述べられた。
 これは、最初に定数を決めてから委員数を割り振った明かしである。委員会中心で運営するとしながらも委員会の議論の真の状況を見ないで、全体の定数から委員会構成、委員数を導くのは矛盾している。 
 実際の委員会運営は、委員会構成を改正した平成24年6月議会から、各委員会・分科会に付託・分担される議案数と審査にかかった時間、質疑・答弁の数、内容と委員数は比例、反比例などの相関関係はまったく認められない。これは数字で証明できる。 
 このことから、本来は全ての各委員会の委員数を一律にして、議論や審査のために最低限必要な数を考えて、合計の議員定数を導くべきであった。
 「8人、8人、7人、7人でも運営上問題ないから30人」というのは、後付理論である。10月3日の代表者会でも提案会派から「定数32なら委員会は全て8人に、30の場合は7.7.8.8人」と全体の定数から委員数を導く考えが表明されている。
 
 また、11月14日の代表者会議では、「飛翔」から県内の同規模団体と比較をして1議員あたり5000人の人口なので、久喜市の人口約15万人を5000人で割ると30人が妥当であると説明があった。しかし、本会議、議会運営委員会での審査では、その計算式が、県内の10万人から20万人の13市の自治体の人口を全て合計し、さらに13市の議員定数を全て合計して割った数字だということが判明した。
 13市の合計人口169万8715人を13市の合計議員定数330人で割ったものである。これは、同規模団体1市あたりの平均ではない。あくまで、13市を1つの自治体にして計算をした1議員あたりの数字である。13市を1つの自治体として久喜市と比較する意味が不明である。提案会派が言う、ここから議員1人あたり5000人を導くのは強引な手法であり、同規模自治体を参考に30人にしたという根拠にはなり得ない。
 3月9日の議会運営委員会の審査では、埼玉県内の久喜市と人口同規模団体、狭山市15万4816人、入間市14万9137人の人口で定数が22人、新座市が15万8391人の人口で定数が26人という状況であり、提案会派が県内同規模団体と比較したというならば、これらを参考にしたのかと問うと、「一々見ておりません」との答弁もあった。

 3月6日の本会議と9日の議会運営委員会では、「新しい風も吹き込むべき」つまり新人が出やすいように30人にしたとの答弁もあった。しかしながら、新人が出やすいような環境は、一般的には現職の引退である。
 今年1月に執行した人口約13万人の戸田市での市議会議員選挙は、定数26人に対して36人が立候補し、そのうち15人が新人だった。先週、投開票があった人口約15万人の入間市の市議会議員選挙は、22人の定数に25人が立候補し、その内、7人が新人だった。現在、選挙期間中で人口11万人の富士見市の市議会議員選挙は、21人の定数に24人が立候補、その内の新人は9人である。この状況からも新人が立候補しやすいように「30人」にしたという理屈は立たない。

 さらに、同日の審査では、提案会派から議員定数削減について「議員が新市の一体感の醸成の推進的役割を担っていること」「旧1市3町の地域の声を市政に届けなければならないこと」「4常任委員会の維持及び審査の充実を図ること」「行政改革に取り組むこと」「議会に新人が入りやすい配慮が必要なこと」などを理由として、合併前の議員合計数60人の半数がギリギリの数字として「30人」だと述べた。なぜギリギリなのか分からない。やはりここでも「30人」が必要という明確な根拠が示されることはなかった。

 この議案を提案した「飛翔」と「公明党」は、3月9日の議会運営委員会で「定数を30人にした理由は一致している」と述べたが、代表者会議で表明した「飛翔」の根拠は「地区的なものへの配慮と偶数」、「激変緩和」として30人にしたと述べている。
 一方、公明党からは「議員の定数と歳費は一体的で、偶数で考えたら30人が妥当と考える」と説明があった。
 
 全国的に議会制度の改革が進む中、最小限の人数で「議会の役割である住民代表機関としての議論ができる場」がどうあるべきかの検討はされたのか疑問である。代表者会議の協議や本会議での審議、議会運営委員会の審査では「なぜ30人なのか」という根拠はとうとう示されなかった。また、根拠に足るものではないものが、根拠として示されていた。
 よって、定数30人の導き方に疑問があり、理論的な根拠に欠ける本案には反対する。

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