平成17年12月2日(金)

混迷 市内全小学校に警備員配置
 

 昨日の議会において、市長がマニフェストに掲載していた「市内全小学校への警備員の配置」について、正式な警備員は置かずに、ボランティアなどで代用する考えが明らかになった。
 昨日の議会一般質問での春山議員の質問に答えた。


 春山議員からは市長のマニフェストに掲げた「全小学校への警備員配置について」ということで、配置時期や人数、配置時間などを質問したが、答弁に立った久喜市教育委員会の太田次長は「平成18年度から警備員を配置する」と述べた後、「区長やPTA役員、民生児童委員などの地域の皆さんに巡回をして頂いている学校もあるので、協議を進めていく。」と答弁。これまで地域で協力してきた方々を警備員とみなすことを示唆。これについて春山議員は「マニフェストでは警備員としています。ボランティアの地域の皆さんではなくて、警備員を配置するのではないのですか。」と確認した所、太田次長は「平成18年に警備員を配置すると始めから答えている。」「地域のボランティアの方々がいる。」「シルバー人材センターなども含めて検討」と二転三転し、議場の多くの議員から「約束違反」「マニフェストでは警備員配置となっている」「PTA役員や区長をいきなり警備員にみなしてそれで済ますつもりか」などの怒号が響き、一時、議会は紛糾、空転した。

 そして再び質問に立った春山議員が「市長がお答え下さい。」とマニフェストを作った本人に質問。答弁に立った田中市長は「マニフェストには警備員と掲載したが、いわゆる警備保障会社の警備員という意味ではない。これは紙面の都合もあり、詳しくは説明できなかったが、誤解を招くことで大変お詫び申し上げます。警備員については、市政報告会などで口頭で警察官OBや警備員OBの方々が地域にはたくさんおりますので、このような方々のお力をお借りしたいとお話してきた。実際にこのような方々とお話もしている。警備員ということで誤解を招いたことについては、幾重にも幾重にも深くお詫び申し上げます。」と謝罪、理解を求めた。

ただ、その後に再度答弁に立った太田次長は警察官OBや警備員OBを警備員として確保したかどうかについて「確保していません」と述べ、市と教育委員会の連携のなさと平成18年度から実施に向けての無計画なことが明らかとなった。 

(ちょい一言) 

 確かに市長は市政報告会において「警察OBや警備員OBにお願いしたい」と言っていた。これは認める。ただし、選挙戦で配布されたマニフェストでは、「警備員」と記載しているし、市政報告会、つまり今夏の市長選挙で田中市長を応援する集会に出席した人しか、「警察OBや警備員OB」で代用することは聞いていない。
 このマニフェストをご覧になった多くの方々が、制服を着た警備委員が小学校に常駐して学校の安全対策をすすめるのだろうと思ったに違いない。

 警備員とは、警備業法などで定められた職で、業を行う事業所や警備員には研修の義務や規律などが定められているいわば専門職。道路などで交通誘導をしている方々も規定の研修を受けて職を遂行している。

 地域の方々でも、シルバー人材センターの方々でもいい。元気で気丈な方々は一杯いる。地域の人材を活用するという視点からも有用だし、警察OBや警備員OBでももちろん良い。ただし、職をまっとうするための充分な研修と適正な人材確保は絶対的に不可欠だ。
 警備員としての心構え、最低限の法律知識、危険回避や護身、その他実技などの研修は当然ながら、児童と接する機会も多いことから、各学校経営の基本的な考えや児童との接し方、学校訪問者に対する接見方法なども研修し、身につけるべきだ。これには数十時間の研修などは必至だし、簡単に済ますことは許されない。


 今回の議会での混乱は「警備員を配置する」という市と、「実際に配置する」教育委員会の連携のなさが露呈した格好だ。
 
 警備員問題だけではない、英語教育を始め市長がマニフェストに含んだ教育委員会権限事項は多くある。法律では政治的意図が教育には及ばないようにと、公選で選ばれる市長から教育委員会は独立している。だからこそ市長のマニフェストでは教育委員会の権限を侵さない範囲で自分の政策を表現していたのだろう。

しかしながら、一つのことを事業化していくには関係部局の連携が不可欠だ。市は教育委員会の権限に踏み込めないが、予算をつけるのは市だ。基本的な思い、政策を掲げたのは市、市長である。連携を深め、市民にとってよりよい方向性を見出して欲しい。

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