平成18年3月7日

久喜市議会の議員定数が委員会で多くの矛盾を抱えつつも可決
 今日、午前開催の久喜市議会議会運営委員会で、現在の議員定数25人を3人減員して22人とする条例改正案が可決した。本会議でも可決する見通しで、可決されれば来年4月の市議会議員一般選挙より適用される。

 今日の議会運営委員会では、石川(私)が提案している議員数を16名にする案と新政議員団と公明党の共同提案である22名、市民力21の20人の案が審議された。
 始めに、16人の案から審査に入ったが、質疑はまったく行われず、続く22人案には議会運営委員会委員として石川と委員外議員として猪股議員が質疑をした。(久喜市議会では、当該委員会に所属していない議員も原則的に傍聴席から質疑ができる。)

 質疑には、提案者を代表して新政議員団の鈴木松蔵議員が答弁したが、的を得た答弁をしないことが多く、途中、委員会進行役の鈴木松蔵議員と同じ会派に所属する内田ただし副委員長(石川は委員長だが提案者の為、内田議員と委員長席を交代)から

「質問者に答えられるようにしていただきたい。(中略)十分答えるようにお願いしたいと思います。よろしくお願いします。」
と注意される一幕もあった。

 そして、その後の採決は、16人、22人、20人の順で行われ、16人は賛成少数で否決。22人は新政議員団と公明党が賛成し、多数によって可決。20人の案は22人の案が可決したことから採決にかけられることなく、22人だけが可決した。共産党は質疑もなく、退席して採決に加わらなかった。
 3月22日の本会議で改めて、この3案の採決が行われ可決されれれば次回の市議会議員一般選挙から定数が変わる。

 一方、市内の複数の団体から議員定数が22人程度になった場合、議員定数を20人以下にする直接請求をする動きもあり、現実味を帯びてきた。
 直接請求は、「議員の定数を定める条例の改正案」として具体的に数字を定め、選挙管理委員会に届け出てから、1ヵ月以内に市内有権者の50分の1の署名を集め、提案する。提案を受けた場合は、市長は意見を付して議会にその案を提案、審議される。
 1ヵ月以内に市内有権者約1000人程度の署名を集めることは比較的容易であることから、直接請求の動きが出るのは必至とみる議員もいる。

※ 直接請求の具体的手順は選挙管理委員会へ

議会運営院会での発言の要旨

石川:新政議員団は、活性化委員会で議員定数削減を提案していたと説明したが、提案したのは大地(石川所属会派)であって、削減を提案していない。考え方は。
鈴木:削減は提案していなかったが、見直しというように提案した。見直しは定数の削減だけではなく、現状維持や議員を増やすことも含めている。

石川:昨日の本会議で、22人とした根拠を聞いた時、議員一人あたり3306人の人口が適当だからと言ったが、どうして適当なのか。
鈴木:3300人で適当だ。

石川:昨日の質疑で、委員会は5人ないし6人で構成するということも理由の一つとして22人にしたと言ったが、委員会は3委員会でも良く、法定の必置規定ではない。議会制度の改革でフォローできる。委員会が5人というなら3委員会で22人もいらないことになるが。
鈴木:あくまで4つの委員会が必要だ。

石川:25人の議員を22人にすることで、市民の理解を得られるか。今後も考えを変える気はないか。
鈴木:大方の理解は得られると思う。今後は分からないが、現時点では22人で良いと思う。

猪股:議員一人あたり3300人の人口が適当という意味が分からない。なぜ適当なのか。
鈴木:幸手市、蓮田市、桶川市、北本市を比較した。
猪股:近隣だけというのはおかしい。県内の状況で見るべきだ。

猪股:先ほどの議論にもあったが、なぜ4委員会とするのか。3委員会でもいいはずだ。始めに自分らで委員の数は5人ないし6人というのであれば、この数で3委員会で充分と考えるが。
鈴木:久喜市議会は現状として4つの委員会でやってきている。4つの委員会を前提にしないと、3つでは議会として検討しなければならない。
猪股:現状維持が前提では、行財政改革とはいえないが。
鈴木:4つの委員会を前提で考えた。委員会の数を減らしてはという意見もあるが、行財政改革は数を減らすことだけが改革ではない。3委員会より4委員会で良い。
猪股:委員会の構成を5人ないし6人としたのはなぜか。
鈴木:5人が最低だと考えているので、4つの委員会で22人とした。

石川:委員会の人数が最低5人で4つの委員会ならば、5×4で20人の定数のはずだ。
鈴木:22人が適当だ。

(ちょい一言)

 結局、新政議員団が提案の22人については、ここには詳しく書いていないが、答弁に立った鈴木松蔵議員の答弁に矛盾が多く、「数を減らすだけが行財政改革ではない」と言いながらも、定数削減を提案したりと意味不明だった。

  あんな答弁をしながら、25人の議員を22人にすることで「市民の理解は得られる」と断言したのだから相当、自信があるようだが、上記にあるように、納得がいかない市民団体などが議員定数を20人以下にする直接請求の動きもある。
 
 直接請求は、議会制度の補完的役割としてある。議会の意思と住民の意思が離れていると判断された場合に基本的には提起される。質疑でも明らかになったが、最後まで22人でなければならない理由は示されなかった。

 答弁した鈴木松蔵議員は、幸手市や桶川市、北本市、蓮田市の議員の一人あたりの人口から適当だとしたが、それでは、幸手市や桶川市、北本、蓮田市などを参考にしたのはなぜなのか。同じ近隣で言えば羽生市などは、議員一人あたりの人口は久喜よりも多い。参考にしたという北本市も実は多い。しかも県内で一人あたりの議員に対する人口が久喜よりも多いところはざらだ。人口が少ない自治体ほど、議員一人あたりの人口が少ないのは全国的な傾向でもある。議員定数を22人にするということと、前回選挙結果が無関係とは思えない。それは住民の多くも感じるところだと思う。

 22人という数字の真意は何なのか。このままの説明で市民の理解が得られるとは到底、思えない。

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