北アルプスの富山県側、宇奈月・黒部の渓谷温泉をレポートします。黒部と言えば黒部川第四ダムが有名ですね。北アルプス、黒部川が造った壮大な黒部峡谷には秘湯ムード漂う渓谷と深山の温泉が点在しています。黒部峡谷鉄道のトロッコ列車が連れて行ってくれるので、秘湯の割には交通は意外に便利で、野生味に富む黒部渓谷の温泉が気軽に愉しめます。
徒歩でしか行けない黒部川支流の谷奥の秘湯。
「所在地」:富山県宇奈月町/0765-62-1038
「アプローチ」:黒部峡谷鉄道「欅平駅」から徒歩45分。
「お湯」:硫黄泉(高温)/露天風呂・混浴温泉・飲泉 「展望」:黒部の祖母谷渓谷の山。
<アリスの入浴体験レポート>
黒部峡谷鉄道の終点の欅平駅。トロッコ列車はここまでで、後は歩きです。祖母谷川に沿った道は、傾斜もあり、崖スレスレの難所もあり、スリルがあります。最後は長さ400メートルのトンネル、これを抜けると山小屋が現れます。 外来用の露天風呂があり、高温の硫黄泉とそれを冷ます水がホースで注がれています。温泉の湯は透明ですが湯の花がたくさん浮遊しています。渓谷とはいっても少し開けた場所なので、あたりの山並みはのんびりした姿です。黒部峡谷鉄道の駅から遠いのに、歩いてくる入浴客が途切れず、結構込み合っています。深山の湯というよりは里の温泉場に近い雰囲気でした。(2001年8月24日)
黒部の峡谷を見渡す露天風呂
「所在地」:富山県宇奈月町/0765-52-1355
「アプローチ」:黒部峡谷鉄道「欅平駅」から徒歩15分。
「お湯」:単純泉/露天風呂・飲泉 「展望」:黒部の祖母谷川の渓谷。
<アリスの入浴体験レポート>
黒部峡谷鉄道の欅平の駅からは徒歩で行くしかない山奥で渓谷沿いの温泉宿です。ロケーション的には秘湯の条件を備え露天風呂は渓谷を見下ろす絶好の位置、でも残念なことには、公共工事が行われていて、大型の重機や資材が渓谷の美観を損ねていました。また、露天風呂も脱衣所も狭い、にもかかわらず、入浴客は多く、ラッシュのような繁盛ぶりです。多分、人が少なくなる夜には、ここ本来の良さが出てくるのだろうと、遠路やってきた自分を慰めました。(2001年8月24日)
<アリスの参考情報>
黒部峡谷鉄道の欅平駅のもっと近く、歩いて5分のところにも温泉宿があります。「欅平温泉猿飛山荘」です。渓谷を見下ろす露天風呂があり、温泉は硫黄泉タイプだそうです。また黒部川の十字峡方面の上流には「阿曾原温泉」がありますが、徒歩6時間程度かかり、崖っぷちの細い道やトンネルなど難路の連続との話です。
鐘釣温泉・鐘釣温泉旅館 ★★★
黒部峡谷の一画。黒部川の河畔に川と一体となった多数の露天風呂があり、野性味満点。
「所在地」:富山県宇奈月町/0765-62-1103
「アプローチ」:黒部峡谷鉄道「鐘釣駅」から徒歩5分。
「お湯」:単純泉/露天風呂・混浴温泉
「展望」:黒部川の流れと渓谷の山
<アリスの入浴体験レポート> 黒部峡谷鉄道のトロッコ列車に揺られ、宇奈月駅から約1時間で「鐘釣駅」に着きます。
駅から5分で温泉旅館に。アリスはここで一泊しました。 黒部の渓谷に日が暮れ、夜のとばりがおりる。周囲の山々は色を失い、巨大な墨のように聳えています。漆黒の黒部の闇の中、旅館から、心細い電球を頼りに黒部川の川原に下りていく。川原には、黒部川の水岸に、川石でセパレートされた幾つかの池ができています。そこが天然露天風呂。池の底からは温泉が湧出、そこに川の水が流れ込み、温泉と水がミックッスされ、ある部分は高温、また別の部分は低温の、天然の湯船となっています。その中から好みの場所、好みの湯温で入浴できるのです。アリスはややぬるめの場所をえらび、その場に浴衣を脱ぎ捨てジャボン。池は浅く、仰向けに寝るような形で、全身を湯に浸します。湯と水が交じり合いながらカラダの脇を流れすぎてゆきます。その流れに身をゆだねていると、湯と川とカラダが一体となり、アリスのカラダも溶け出して黒部川の水に混じって流れていくような感じになりました。これって、黒部の禊って感じで、とても気持ち良かったです。黒部渓谷の夜、漆黒の闇、川原の露天風呂。都会の近くではとても経験できないワイルドな入浴です。ここまで来て良かったと思いました。
(2001年8月23日) <アリスの参考情報> ここの黒部川の川原の露天風呂、夜はいい感じなんだけど、昼間はトロッコ列車から降りた人たちが見物に来たり、子供が水遊びしたりで、静かな秘湯とは程遠い賑わいとなります。とてもハダカで温泉に浸かれるムードではないですよ。ただ水着があれば、川原の水遊び的感覚で露天風呂にはいることができるでしょう。ただアブが多いので落ち着けませんでした。 鐘釣にはもう一軒の温泉宿「鐘釣美山荘」が駅前にあります。こちらには黒部の渓谷を見下ろす露天風呂があるそうです。
黒薙温泉・黒薙温泉旅館 ★★
峡谷の秘湯で高温多量の源泉。
「所在地」:富山県宇奈月町/0765-62-1820
「アプローチ」:黒部峡谷鉄道「黒薙駅」から徒歩15〜20分。
「お湯」:単純泉/96度/露天風呂・混浴温泉
「展望」:渓流と背後の山。
<アリスの入浴体験レポート> 黒部峡谷鉄道の最初の停車駅が黒薙駅。深い山間、駅のホームの遥か下を黒部川が流れています。駅から山道を約20分ほど歩くと、黒薙川の渓谷沿いに黒薙温泉旅館が現れます。 露天風呂は川沿いにありますが、岩をコンクリートで固めた造りで、秘湯の割には人工構造物的です。また渓流の水際までやや距離があり、川との一体感は今ひとつです。でもここは宇奈月温泉の源泉、露天風呂の周囲には何ヶ所か湯煙があがっていて、温泉の湯量は豊富な様子です。湯は無色でやや熱め。ほてったカラダは、少し歩いて黒薙川に入ってクールダウン。この黒薙川、流れは清冽だけど、川底からところどころ温泉が湧き出しているため、それほど冷たくなく丁度適温。コンクリートの露天風呂よりも、ズット気持ち良かったです。
(2001年8月23日)
<アリスの参考情報> ここの醍醐味は、黒薙川での湯水浴。露天風呂やその脱衣所から川原まで、距離が15メートル位あり、足場もよくないので、移動についてはハダカは危険で、水着が必要でしょう。またアブが多く、その点であまり落着けませんでした。ここのアブ、内もも周辺からふくらはぎが特にお好きのようですので、くれぐれも注意なさってくださいね!
この黒薙温泉旅館と黒薙駅の間の道、山越えの道以外に、トロッコ鉄道の廃線のトンネルを通っていくルートがあります。暗く長く、数百メートルもあり、廃線とはいえ列車が来るかもしれないとの恐怖感もあります。肝試しにはいいかも知れません。
黒部川沿いの好ロケーション。設備や接客もグッド。
「所在地」:富山県宇奈月町352-7/0765-62-1041
「アプローチ」:北陸自動車道魚津ICから30分
「お湯」:単純泉/60度/露天風呂
「展望」:黒部川の流れと背後の山。
<アリスの入浴体験レポート>
宇奈月温泉には多くの大旅館が林立しています。このニューオータニホテルは黒部川の渓谷沿いの位置をキープしている点が魅力です。 温泉浴室の入り口に、快適な入浴法を示したポスターが貼られていて、その中に、瞑想的入浴法が紹介されていました。大旅館ではありますが、静謐で落着いた入浴環境を大切にする姿勢が窺われ、とても好感がもてました。 浴室はとても広くゆったり。主浴槽はミニプールくらいの広さがあり、その全面が大きなガラス窓で、黒部渓谷の景観が広がっています。川の対岸の山々が、緑青の光となって、温泉のお湯や浴室を緑色に染めています。清清しさが満ち溢れています。この主浴槽の外側にはテラス状の露天風呂があり、そこは湯の温度を下げてあり、山の大気の中で黒部渓谷の景色を見ながらユッタリ温泉入浴できます。カラダのスミズミまで、滴る緑に洗われる感じがしました。とても快適でした。入浴料は1000円で、中身の割には良心的なお値段と感じました。
(2001年8月24日)
<アリスの参考情報>
・宇奈月温泉では、ここニューオータニの他、宇奈月温泉 グリーンホテル喜泉にもいいお風呂があるとの噂がありました。
・電鉄宇奈月駅からニューオータニに行く途中、踏み切りのそばに「モーツアルト」というカフェがありました。メニューもBGMも内装もモーツアルト1色。ここでモーツアルトの音楽を聞くと、ヨーロッパアルプスにでも来たような気分になるから不思議です。 ・黒部峡谷鉄道の宇奈月駅のそばの高台に「セレネ美術館」があります。平山郁夫をはじめとした有名画家が黒部の自然を描いた絵が展示されています。ただその量は少なく、入館料900円は、少々高いのではと感じました。
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