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聞 か せ て | ![]() |
このページでは、私たちが参加したセミナー、
講演会などでの話を紹介します。
その話題についてのご意見やご感想などを、
ぜひお寄せください。
なるべく多くの方のご意見をいただき、
それをまた、私たちなりにまとめ、
HP上で、皆さんと分かち合いたいと思っています。
よろしくお願いします。
《 DV防止セミナーに参加して 》
2000年6月28日(水)、熊本市総合女性センターにて
「DV防止セミナー」が開催され、沖縄の“さよウィメンズ・
メンタルクリニック”の院長 竹下小夜子さんが、
『DVの現状と対応 ― 一精神科医の提言 ―』と題して
話をされました。
その中で話されたことを少し、箇条書きにしてみます。
<基本的な考え方>
・暴力は、本来理不尽なものである。
・暴力は、人権侵害である。
・人は、安全・安心の欲求が満たされる必要がある。
・たとえうっかりしていても、愚かでも、今いる場所で
安心して安全に暮らす権利が、誰にでもある。
・社会には、安全に暮らせる環境を作る義務がある。
・人は、今いるその場所で、安心安全に暮らす権利があるので、
被害に遭った人がその場所を離れ、行動を抑制される
今の現状には疑問がある。
行動を抑制されるべきは、加害者の側。
・我慢にも、意味のあるものと意味のないものとがある。
自分自身の未来や希望へつながる我慢は、
自分自身の誇りや自尊心を高め、支えるものであるが、
そうでないものは逆の作用をする。
<被害者について>
・被害者は無力感、無気力を学習させられてしまう。
・暴力、脅しは、被害者の人間性をつぶす。
・暴力は、人が人らしく振る舞うことを困難にさせる。
・暴力は、被害者が本来持っているやさしさを発揮できなくする。
・被害者は、健康な能力を発揮させられなくなる。
そこが暴力の、恐ろしくて深刻な犯罪性である。
・被害者は葛藤がひどいため、被害者本人に問題があるかのように
見えるときもあるが、被害を受けると、誰でもそうなる。
・被害者は加害者に対する怒りと同時に、自分自身情けないと、
自責感、罪悪感を感じる。
<加害者について>
・加害者は、被害者の行動を制限する。
・加害者は、暴力を振るう対象、状況を選んでいる。
・加害者は、被害者の苦しみや屈辱を完全に無視する。
・殴りたい人は、どんなところからでも殴る理由を見つけ出す。
・「俺を怒らせるおまえが悪い!」と、
被害者の側に責任を押しつける。
・加害者は、自分の行動の責任を自分だけでとれない人である。
・加害者の会話のパターンは、「おまえが〜」「おまえは〜」。
・加害者で自分自身治したいと思う人に、「僕が〜」「私は〜」で
話すよう心がけてもらうことは有効である。
・暴力に関しては、加害者が全面的に責められるべき。
<援助者について>
・援助者は、被害者のいたらないと感じるところを取り上げて、
説教してはいけない。
・被害者が自分自身情けないとか恥ずかしいとか言ったとき、
援助者は変に共感しない。
ここでは「情けないのも恥ずかしいのも、あなたではなく
加害者の方よ」とはっきり言う方が、真のサポートになる。
・援助者は、安全についての情報提供をしながら、
被害者がどうするかはその人の意志を尊重する。
・被害者が何もしないことも、その人の選択肢のひとつである。
・援助者の正義感を被害者に押しつけ、
プレッシャーをかけてはいけない。
今、ウィズでも暴力、特に精神的な虐待についての考えをまとめています。
暴力の加害者は、自分がいらいらする原因は被害者にあり、
被害者こそが悪いのだと考え、主張します。
そうやって被害者の価値をおとしめ、
自分を正当化し、自分の責任から目をそむけ、
ひどいときには、自分こそが被害者であると訴えます。
ある人にいたらないところがあっても、
その人に暴力をふるっていい理由にはなりません。
自分が暴力を受けたと感じたとき、
自分は完璧であったと証明する必要は、本来ないはずです。
それでも、加害者側は、その点を突いてきます。
では、暴力、特に証拠が見えにくい精神的な暴力を受けたと感じたとき、
自分自身を守っていく力が破壊されていく中で、
他の人にわかってもらうためには、どうすればいいのでしょう?
相手がしたことが精神的な暴力なのか、
相手に正当な理由があって怒っただけなのか、
その違いは、どこで見分けられると思いますか?
また、「我慢について」。
「意味のない我慢」があるというのは、大発見です。
今まで、すべてのことにおいて、
我慢強ければ強いほどよく、
逆に少々のことに我慢できない人はダメだと教えられてきました。
どうしてこんなに我慢することばかりを教えてきたのでしょう?
最悪の状態をできるだけ長く耐え抜くことは、
賞賛されることでしょうか?
「意味のある我慢」と「意味のない我慢」との区別は、
人によって違うのでしょうか?
以上のようなことについて、
ぜひ、あなたのご意見を聞かせてください。