わんだふるはうす 森戸海岸線を行く

パティスリー・ラ・マーレ・ド・チャヤ 葉山本店
PART3

横須賀から大磯まで、湘南の海岸沿いを東西に走る国道。それがルート134号線。葉山御用邸前交差点を左に折れると、逗子・渚橋まで曲がりくねった細い道が海岸沿いに続きます。それが県道207号・森戸海岸線。いかにも葉山らしい風光明媚なこの道路を、2005〜2009年にかけて、ワンダフルハウスが走破しました。このコーナーでは「パティスリー・ラ・マーレ・ド・チャヤ 葉山本店」をご案内いたします。

鐙摺葉山港入口
左がフランス菓子店「パティスリー・ラ・マーレ・ド・チャヤ」。奥の白い建物がフレンチレストラン「ラ・マーレ・ド・チャヤ」。右側は逗子湾。目の前の小さい海岸が鐙摺海岸(あぶずりかいがん)です。右端の屋根付きの建物は「鐙摺」のバス停です。バスで来る場合はJR逗子駅から。駅前バスターミナル3番のりば「海岸廻り葉山一色行」または「海岸廻り葉山福祉会館行」に乗って約10分、5つ目の「鐙摺」で下車。
「こんにちは!苺のケーキはありますか?(^O^)/」「これはこれはワンダフルハウス様…」
フレーズ
367円
フレーズデコレーション
5号 3150円
「まずフレーズ。こちらはアントルメもございます」
苺のショートケーキ。オープン以来変わらない生クリームには根強いファンが多いようです。口当たりの良いソフトな生クリームが主流の中、まさに王道の風格があります。
タルトフレーズ
472円
タルトフレーズ
6号 3780円
「タルトフレーズも、アントルメがございます」
苺のミルフィーユ
399円
苺のフロマージュ
420円
「苺のミルフィーユと苺のフロマージュ…」
ペーシュフレーズ
452円
ルージュ
472円
「ペーシュフレーズとルージュ…」
苺のデニッシュシュー
399円
そごう横浜店限定
オレンジデニッシュシュー
315円
「横浜そごう店限定で『苺のデニッシュシュー』も出しております」 「苺のデニッシュシューはかなり売れたので、4月にオレンジデニッシュシューが出て、秋にはマロンデニッシュシューが出たのです(^-^)\」
タルトフレーズ
472円
苺のフロマージュ
420円
タルトの上にカスタードクリームを載せ、大粒の苺と苺ジャムを飾ったタルトフレーズ。5月上旬位までの季節限定商品です。カスタードクリームの中にビスキュイが挟まってるタルトは珍しいですね。 コクのあるクリームチーズを使用したレアタイプのチーズケーキに苺とシュトロイゼルが載っています。
苺のミルフィーユ
399円
「幾層にも重ねたサクサクのパイ生地に、カスタードクリームをたっぷりと挟み、横置きにして、苺と生クリームで飾り付けてあります。
苺のデニッシュシュー
399円
そごう横浜店限定
ボリュームたっぷり、苺入りのシュークリーム。お店でシュー皮を焼いているので、焼きたてのサクサクとした食感を楽しむことができます。
オレンジデニッシュシュー
315円
デニッシュシューにはカスタードクリームと生クリーム両方を使用。
ペーシュフレーズ
452円
ルージュ
472円
ムースの中に桃とフランボワーズの果実。 苺のムースをビスキュイ・ダマンドでロール状に巻いたケーキです。

2007年7月…苺のケーキは定番のショートケーキ「フレーズ」しかありません。
サワーチェリータルト
367円
サワーチェリータルト
5号 2100円
毎年6月になると、苺の代わりに登場するのがサワーチェリータルトです。
PART1とPART2で紹介できなかったケーキを全部注文しました。
「おー! これは凄いですね!(^Q^)\」
アールグレイ
(アイスまたはホット)
630円
英国グレイ伯爵の愛用により付けられた名称で、地中海沿岸の柑橘類ベルガモットの香りが特徴のチャヤオリジナルフレーバーティーです。
チャイ
(アイスまたはホット)
630円
インドではミルクで煮出した紅茶が一般的。バンジーロコと名付けられた茶葉にジンジャーフレーバーを加えてあります。
杏仁プリン
315円
上に載っているのは、杏の種肉「甜杏仁(てんあんにん)」。杏の種を牛乳で漉して作ったプリンです。生クリームもたっぷり入っていて、ミルキーでクリーミーでフルフルしています。非常に口当たりが滑らかに仕上がったプリンです。
枝豆のブランマンジェ
399円
グラスの底に沈んでいるのは黒蜜です。
ほんのりとした枝豆の香りが印象的。これはヘルシーなベジタブルスイーツってやつですね。
カマンベールチーズケーキ
315円
カマンベールチーズケーキ
4号 1050円
「人気ナンバー1のカマンベールケーキの登場です。お得な4号アントルメもあります」
カマンベールチーズケーキ
315円
どこの店にもあるクリームチーズを使ったベイクドタイプのチーズケーキに、カマンベールチーズをブレンドしたことでチャヤらしさを出すことに成功しました。
断面はカチッとした食感に仕上がっています。本物のカマンベールチーズを食べている様な食感です(^Q^)
カマンベールチーズケーキ
4号 1050円
アントルメは丼のような形の分厚いタルト台が特徴です。
クリームチーズとカマンベールチーズに、卵黄、生クリームも加えてよく混ぜ合わせた生地。裏漉しして、白カビを取り除くことによって生地が滑らかに仕上がっています
スフレチーズケーキ
チャヤにはスフレチーズケーキもあります。カッテージチーズとクリームチーズ、パルメザンチーズが使われています。
チーズケーキには、いろいろな種類のものがありますが、主に代表的なのは、焼き上げるタイプの「ベイクドチーズケーキ」。焼かずに冷やして固めるタイプの「レアチーズケーキ」。そして、泡立てた卵白を合わせて蒸し焼きにするタイプが、この「スフレチーズケーキ」です。
サワーチェリータルト
367円
「これは、カテリーヌやブリジットと共に1972年のオープン当時から作られている名品中の名品ですね(^-^)\」
1986年当時のフランス茶屋のケーキ
神成勇夫製菓長時代
この写真は1986年のものです。この中で、上のレアチーズケーキと下のムースフランボワーズは1972年のオープン当時には存在せず、トレーの中の全部のケーキと、この写真にはありませんが、「バナーヌ」と「エクレア」を加えたものがフランス茶屋の開店当時のプティガトーでした。ワンダフルハウスは高校〜大学時代に全種類制覇したのでよく覚えているのです。
レアチーズケーキ
アップルパイ、チーズケーキ、プチマロン、パリジェンヌ
ムースショコラ、フレーズ、チェリータルト、スワンシュー
ミルフィユ、キリッシュ、ブリジット、カテリーヌ
ムースフランボワーズ
チャヤのサワーチェリータルトは、伝説のフランス料理店「レンガ屋」の伝統を現在に伝えるお菓子です。元々はフランス料理のフルコースの最後に出てくるデザート菓子だったのです。フランス料理店がレストランというより上流社会や有名文化人の社交場だった頃のワゴンデザート…1972年当時、東京の都心で一般人が食べることができなかったお菓子を、葉山の喫茶店で200円程度で食べられるようにしたことは、革命的な出来事だったのです。
チャヤの初期のお菓子は、1960〜70年代にマキシム・ド・パリと並ぶ一流フランス料理店だった「レンガ屋」の製菓長 神成勇夫シェフが作り上げました。サワーチェリータルトは、銀座と代官山にあった「レンガ屋」のワゴンデザートの中の1つでした。1970年代の「レンガ屋」といえば、ジョエル・ブリュアン氏が料理長で、年に数回ポール・ボキューズ氏を招いて“ボキューズ週間”を開催した伝説のフレンチレストラン。オーナーの稲川慶子氏は、莫大な負債を抱えて表舞台から姿を消したため、現在ではその名を語られることはありませんが、日本のフランス料理界の発展に大きく寄与した女性であることは確かです。ミシュラン3つ星レストランと提携したり、日本のレストランで一番最初にハウスワインを作ったり、暖炉を輸入して客の目の前で暖炉で肉を焼いたり(現在のレストラン・パッションの場所がレンガ屋 代官山店でした)…時代を先取りし過ぎたのでした。
稲川慶子さんは1953年に慶應義塾大学文学部仏文科を卒業した戦後初めての女性。同年フランス留学し、コルドンブルーを卒業。1956年六本木今井町にフランス料理店「レンガ屋」を開店。1965年銀座に移転。1969年代官山にフランス料理店とフランス菓子店を開店。開高健氏との対談は日本の料理史に残るほどの傑作でした。
「クレーム・パティシエールの下にチョコレートが薄く敷いてあって、それがいいアクセントになっています(^Q^)」
サワーチェリータルト
5号 2100円
サワーチェリーは、そのまま食べると酸っぱいのですが、甘いシロップで煮ると酸味がほどよく調和されて、とても美味しいのです。
「チェリーのリキュールを効かしてあります。1970年代のレンガ屋のデザートの味わいです(^Q^)」
続いては、チャヤのスペシャリテになった感がある「シブースト」の登場です。
シブスト
367円
チャヤのシブーストは、神成シェフの次の製菓長だった梶田学シェフが1986年にブールミッシュで吉田菊次郎氏に教わったものです。梶田シェフは、それ以来、どこのお店に移っても必ず作っていたそうで、フランス茶屋に来てからも作ったものが定番として残ったわけです。
白いのがクレーム・シブースト。クレーム・パティシエールにイタリアン・メレンゲを加えて、泡がつぶれないように合わせたものです。
シブスト
4号 1050円
4号のアントルメは、かなりお買い得といえます。
空焼きをしたパータ・フォンセの中に、白ワイン入りのリンゴのプレザーブをキャラメリゼしたものを並べ、アパレイユを流し込み、オーブンで焼いて、冷めたらクレーム・シブーストを載せます。その上に5mmのスポンジを載せて、クレーム・オ・ブールを薄く塗り、グラニュー糖をふって、焼きごてで焼き色を付けます。最後に粉糖をふり、もう一度焼き色を付けるのがポイントだそうです。スポンジの上にクレーム・オ・ブールを塗ることによって、より一層キャラメルが付きやすくなり、そして、シブーストの上のスポンジは溶けたキャラメルの流れを防ぐ効果があるのです。

自家製ケーキ
2個600円
3個800円
4個1000円
(追加は1個あたり200円)
意外に知られていないのですが、シブーストは、ラマーレ1階のカフェにもあります。
コーヒー
500円
コーヒーでも飲みながら、クロックムッシュをいただきましょう。
クロックムッシュ
1000円
フランスのホットサンド「クロックムッシュ」。表面はチーズがトロッとなっていてハムがサンドされています。チーズの下からトロ〜リとろけるベシャメルソースがたまりません。目玉焼きを半熟に仕上げ、クロックムッシュの上に載せるとクロックマダムと呼び名が変わります。
テラスのお客さんもケーキを選んでいます。
左手の葉山マリーナ方面に陽が沈もうとしています。 「おおっ!? あれは!?(^O^)\」
黄色い2階建てバスのホットドッグ屋さん『サブマリンドッグ』の最後の勇姿です!\(^○^)/ イエローサブマリンとも呼ばれ、親しまれていましたが、2006年にあの場所を立ち退かされてしまったのです。(2006年1月撮影)
エスプレッソ
500円
エスプレッソとケーキが運ばれてきました。
自家製ケーキ
2個600円
(追加は1個あたり200円)
プティガトータイプのシブーストと林檎のタルトです。
同じチャヤでもパティスリー、カフェ&レストラン、マクロビと3チームのパティシエが存在するので、店によってケーキは違うのです。
陽が沈み、お客さんが一旦退きました。
ディナータイムが始まる頃には、再びお客さんで一杯になるのです。
ワンダフルハウスは黄昏のラ・マーレ・ド・チャヤを後にしました。


日が暮れて店内が薄暗くなってきました。
「スワンシューをください!」
スワンシュー
315円
「おっ!アヒルの形のシュークリームです!(^O^)\」
「ワンダフルハウスさん、私はアヒルではありませんよ(゚∈゚*)_/」「おおっ!?アヒルがしゃべった!?(゚O゚)\」
「私はカテリーヌやブリジットと共に1972年のオープン当時から作られているスワンシュー…つまり白鳥のシュークリームなのです(゚∈゚*)_/」「生クリームたっぷりで美味そうですね(^Q^)\」
「私のような白鳥の形のシュークリームは、『Swan choux スワンシュー』またはフランス語で『Cygne スィーニュ』と呼ばれています。白鳥の細い首を象って焼いた伝統的なシュー菓子なのです\_(*゚∋゚)」「なぜ生クリームだけなのですか?カスタードクリームも絞ってもらったらいいのに(^-^)\」「白鳥に黄色いカスタードクリームは似合わないのです」
1986年 2009年
「私はフランス茶屋の初代製菓長 神成勇夫シェフに作ってもらって、1972年の開店と同時にデビューしましたが、もっと古い仲間がいるのです」「仲間?(゚O゚)\
スワン
420円
パティスリー・フランセーズ・アンドレ・ルコント
「仲間とは私です(゚∈゚ )_/」「おおっ!?ルコントのスワンです!(゚O゚)\」
スワン
420円
パティスリー・フランセーズ・アンドレ・ルコント
「生クリームだけのシューでは寂しいので、白鳥の形にしようとして、曲がったシューを作って付けたのが『スワン』の始まりです。日本ではアンドレ・ルコント・シェフが1968年に六本木店のオープンと同時に発売しました。そのうち、子供たちに大変な人気者になり、日本中に広がっていった仲間の一つがチャヤのスワンシューなのです(゚∈゚ )_/」
「プチマロンも神成シェフの作品で、開店当時からあるお菓子です(゚∈゚*)_/」「プチマロンは2009年10月現在、店頭から姿を消しています(゚-゚)\」
プチマロン
315円
栗粒入り生クリームを巻いたモカロールケーキの上には、昔ながらの黄色いマロンクリーム。
カスタードプリン
315円
2007年
チャヤプリン
336円
2009年
チャヤの「カスタードプリン」が「チャヤプリン」にバージョンアップしました。
昔ながらのチャヤのカスタードプリンに生クリームとバニラビーンズを増量して、なめらかさを出してあります。

「夜景が綺麗です!\(^O^)/」
ディナータイムが始まって、レストランの方が賑わっています。 最後にもう一度フランス茶屋でケーキをいただきましょう。
「おおっ!? あの灯りは!?(^O^)\」 「クリスマスツリーです!\(^○^)/」
毎年12月初旬になるとクリスマスツリーが飾り付けられます。
夜のラマーレは、こんな感じです。
夜の葉山コースも昼間と同じ10500円です。デザートはヨットをイメージしたアヴァン・デセールが出て… 「ケーキを全種類ください!(^Q^)/」
「これはかなり食べ応えがありました!\(^Q^)/」
2005年クリスマスシーズンのラマーレでした。
「こんばんは!ケーキをください!(^O^)/」

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