わんだふるはうす 森戸海岸線を行く

菊水亭

横須賀から大磯まで、湘南の海岸沿いを東西に走る国道。それがルート134号線。葉山御用邸前交差点を左に折れると、逗子・渚橋まで曲がりくねった細い道が海岸沿いに続きます。それが県道207号・森戸海岸線。いかにも葉山らしい風光明媚なこの道路を、2005〜2006年にかけて、ワンダフルハウスが走破しました。このコーナーでは、イタリア料理店「菊水亭」をご案内いたします。


菊水亭(きくすいてい)は1910(明治43)年、別荘族のための食堂としてオープン。1980(昭和55)年、イタリア料理店「菊水亭アンティパスト KIKUSUITEI ANTIPASTO」にリニューアルされました。1998年、森戸海岸線の拡幅工事のために休業。2001(平成13)年、現在の黄色い建物にリニューアルされて再オープンしました。
店内から森戸海岸線と森戸海岸入口が見えます。「菊水亭」という店名は、明治時代の店の創設者の曾御祖母様のお名前である「菊」さんと、店が水辺にあることから名付けられました。
ワンダフルハウスが訪れたのは週末でしたので、ランチタイムもオープンしていました。土・日・祝のみランチタイム(12:00〜14:00)も営業しています。現在の菊水亭は、イタリア帰りのオーナーが、ローカルが集う路地裏の酒場をコンセプトに創った店なので、平日は17:00〜26:00まで夜だけの営業(木曜休)。夜は地元のヨットマン、サーファー、ウィンドサーファーで賑やか。後ろに見えるのは、彼らがボトルキープしている焼酎や泡盛です。 おっ、「ゆうしげ丸シラスピザ」というのがあります。
すぐ近くの真名瀬海岸「ゆうしげ丸」から直送された新鮮な「葉山しらす」を使ったピザが食べられるのです!\(^Q^)/
店内には、舵や方位磁石など、船のアンティークパーツが飾られています。
コーヒーが運ばれてきました。 このマークは、菊と水の流れをイメージしています。
ゆうしげ丸の釜揚げしらすをたっぷりトッピングした「ゆうしげ丸しらすピザ」(940円)。
薄い生地と特製のチーズと新鮮なしらす。釜揚げしらすは、釜茹でしたしらすを天日で冷ましただけの水分の多いふっくらとしたしらすです。マヨネーズも効いていて美味です!(^Q^) テラス席もありますね。しかし、今は1月。さすがに寒くて外には出られません。
菊水亭ができた明治中期、葉山は森戸海岸線沿いを中心に別荘ブームを迎えました。年号が大正から昭和に変わり、モボ・モガ(モダンボーイ、モダンガール)の時代になると、東京のモボ・モガたちが、このテラスにボートで乗り付けて、かき氷を食べながらビリヤードをするのが粋な遊びでした。 こちらは、ワンダフルハウスが学生時代に通った1982〜83年頃の「菊水亭アンティパスト」のテラス席。壁面に大書された「HAYAMA JAPAN RISTORANTE ITALIAN KIKUSUITEI ANTIPASTO」のロゴは、今見ても強烈。想い出深い店の一つです。 
来週に続く

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